X線トモグラフィーのための配置

申请号 JP2017196495 申请日 2017-10-10 公开(公告)号 JP6359166B2 公开(公告)日 2018-07-18
申请人 エフ イー アイ カンパニ; FEI COMPANY; 发明人 パベル ステヤスカル; マレク アンコヴスキー; トマース ヴィスタベール; アラン フランク デ ヨング; バート ブイス; ピエール,ブルーエ;
摘要
权利要求

X線トモグラフィーを用いて試料を調査する方法であって、 (a)試料を試料ホルダーに取り付けるステップと、 (b)前記試料を通る第1視線に沿ってX線ビームで前記試料を照射するステップと、 (c)前記試料を通って伝搬するX線フラックスを検出し、第1イメージを形成するステップと、 (d)前記試料を通る一連の異なる視線についてステップ(b)及び(c)を繰り返すステップであって、それにより対応する一連のイメージを生成するステップと、 (e)前記試料の少なくとも一部のトモグラムを生成するように、前記一連のイメージの数学的再構成を実行するステップと、 を備え、 −前記試料は、関連する円筒軸を有する実質的に円筒状の金属シェル内に配置され、 −前記金属シェルの区域上へ荷電粒子ビームを方向づけることによって、前記区域で制限されたX線源が生成されるように、前記X線ビームが生成され、 −前記一連の異なる視線は、前記金属シェルを前記円筒軸まわりに回転させることにより達成され、それにより前記試料に対する前記区域の相対運動を引き起こす、 方法。前記シェルは、前記試料が挿入される既存の円筒状のチューブに含まれる、 請求項1記載の方法。−前記試料は、実質的に円筒状の形状であり、 −前記シェルは、前記試料の円筒周面上に外皮として堆積される、 請求項1記載の方法。前記シェルは、非金属材料のサブ層の上に金属層がある複合構造に含まれる、 請求項1乃至3のいずれか1項記載の方法。前記サブ層は、ガラス質材料、セラミック材料、誘電材料、プラスチック材料、炭素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。 請求項4記載の方法。前記試料は、以下からなる群から選択される技術を用いて前記チューブ内に配置される、 −前記チューブ内に前記試料を含む液体を吸い込み、前記チューブ内に前記液体を封入する、 −前記チューブ内にマトリクス材料の本体内の前記試料を埋め込み、前記マトリクス材料は、樹脂、ゴム、ゲル類、ペースト、熱硬化性流体、凝結化流体、及びこの組合せからなる群から選択される、 −前記チューブの内表面上の接着層への前記試料の接着部、 −前記チューブの対向する内壁の間に前記試料を押し込める、及び これらの組み合わせ、 請求項2記載の方法。前記シェルは、1mmより小さい又は50乃至150μmの範囲の外径を有する、 請求項1乃至6のいずれか1項記載の方法。前記シェルのその円筒軸についての回転運動に加えて、前記円筒軸に平行な方向で前記シェルに関して荷電粒子ビームの相対運動もある、 請求項1乃至7のいずれか1項記載の方法。前記シェルの前記回転は、前記シェルの端部を閉鎖しクランプするジョーを有する回転可能なチャックに、前記円筒軸が前記チャックの回転軸と一致するように、前記シェルを取り付けることにより達成され、 請求項1乃至8のうちいずれか1項記載の方法。前記荷電粒子ビームは、垂直でない度で前記シェル上へ方向付けられる、 請求項1乃至9のうちいずれか1項記載の方法。前記シェルは、パターン形成されている、 請求項1乃至10のうちいずれか1項記載の方法。

说明书全文

本発明は、X線トモグラフィーを用いて試料を調査する方法に関し、 (a)試料を試料ホルダーに取り付けるステップと、 (b)前記試料を通る第1視線に沿ってX線ビームで前記試料を照射するステップと、 (c)前記試料を通って伝搬するX線フラックスを検出し、第1イメージを形成するステップと、 (d)前記試料を通る一連の異なる視線についてステップ(b)及び(c)を繰り返すステップであって、それにより対応する一連のイメージを生成するステップと、 (e)前記試料の少なくとも一部のトモグラムを生成するように、前記一連のイメージの数学的再構成を実行するステップと、 を含む。

上記のようなトモグラフィック・イメージング(コンピュータ・トモグラフィー(CT)とも呼ばれる)において、上述のように、放射線源及び(直径方向に対向した)検出器が、様々な視点から試料の浸透的な観察を取得するように、異なる視線に沿って試料を調査するために用いられる。それらは、その後、試料の(内部の)(一部の)再構成された「ボリュームイメージ」を生成する数学的手順への入として、用いられる。ここで言及されている一連の異なる視線を達成するために、例えば、以下のことを選択できる。 (i)線源と検出器を静的に保ち、それらに対して試料を相対的に移動させること。 (ii)試料を静的に保ち、それに対して線源を動かすこと。この場合、次のことを選択できる。 −線源と同期して検出器を動かす又は −検出器をサブ検出器の(静的な)アレイとして構成し、位置が、線源により仮定される異なる位置に対応するように、適合する。 (iii)静的な分散された線源/検出器のアレイを(静的な試料と併用して)使用し、異なる視線に沿って異なる線源/検出器ペアを、順次又は同時に呼び出す。 線源又は試料が移動されるかどうかにかかわらず、(例えば)試料の中心の座標系/基準フレームを使用して相対運動を描写することが可能である。典型的に、使用は、以下のように行われる。 −円形走査。線源が試料についての平面軌道をたどり、イメージはこの軌道に沿って比較的高いサンプリングレート(すなわち準連続的)でキャプチャされる。この種の走査は、試料の比較的薄い「スライス」のみが撮影されなければならない状況で適用できる。例えば以下の参考文献を参照されたい。 https://en.wikipedia.org/wiki/Cone_beam_computed_tomography −ヘリカルスキャン。線源が試料の(長手方向)軸の回りにコイル状(螺旋状)の経路をたどり、イメージもこの経路に沿って比較的高いサンプリングレート(すなわち準連続的)でキャプチャされる。この種の走査は、試料の比較的長い部分が撮影されなければならない状況に適用できる。これは、典型的には(例えば線源の)円形運動と(例えば試料の)並進運動とを組み合わせることにより達成される。例えば以下の参考文献を参照されたい。 https://en.wikipedia.org/wiki/Spiral_computed_tomography −サンプリングポイントのマトリクス。曲線に沿って配置されていないが、その代わりに実質的に均一の分布で配置されている。そのような筋書きは、(本出願と同じ譲受人による)同時係属の欧州特許出願EP15181202.1、米国特許出願US15/237,309に記述されている。 試料を横断する放射ビームは、例えば、検出器が線源に「提示」する、幾何学的配列/形状に依存して、(いわゆるコーンビーム断層撮影法を生じる)円錐状であるか、又は、ディスク状のセグメントに類似している(したがって、いわゆる扇形ビーム断層撮影法を生じる)とみなすことができる。あるいは、平行/コリメートされたビームも可能である。ここで言及される「視線」は、(線源から検出器まで)が伝搬するビームに沿った「光軸」に対応するものとみなすことができる。それは、基本的には、そのビーム内の中央/中央/コアレイの位置に対応する。

一連の入力イメージからトモグラムを生成するために使用される数学的再構成技術に関して、SIRT(同時反復再構成技術)、ART(代数的再構成技術)、DART(離散ART)、SART(同時ART)、MGIR(マルチグリッド反復再構成)及び多数の他の技術の使用があげられる。例えば、以下の刊行物に示される概要を参照されたい。 http://www.cs.toronto.edu/~nrezvani/CAIMS2009.pdf

本明細書で言及されるトモグラフィック・イメージングは、例えば、試料(例えば、ヒト又は動物)が肉眼で視認可能である医用イメージング用途では従来から行われている独立型装置を用いて行うことができる。独立型CTツールは、例えば地質学/岩石学、生物組織研究などの、顕微鏡試料をイメージングするために微小集束された線源が用いられる、いわゆる「ミクロCT」を実行するためにも利用できる。これまで以上に高解像度化を続ける、いわゆる「ナノCT」装置も開発された。これらは独立型ツールでもよいが、例えば荷電粒子顕微鏡(CPM)の空いた真空/インターフェースポート用の(アドオン)モジュールとして実施することもでき、この場合、CPMの荷電粒子ビームが(ブロック状の)金属ターゲットを照射するために使用され、所望のトモグラフィーを行うために使用されるX線の生成を引き起こす。これらのトピックの(いくつかの)詳細については、たとえば、次の参考文献を参照されたい。 https://en.wikipedia.org/wiki/X-ray_microtomography https://en.wikipedia.org/wiki/Nanotomography http://www.ndt.net/article/dir2007/papers/24.pdf CPMの状況において、本明細書で言及されるように、「荷電粒子」という用語は、以下のものを含むものとして、広義に解釈されるべきであることに留意されたい。 −例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)及び走査型透過電子顕微鏡(STEM)の場合には、電子。例えば以下の参考文献を参照されたい。 http://en.wikipedia.org/wiki/Electron_microscope http://en.wikipedia.org/wiki/Scanning_electron_microscope http://en.wikipedia.org/wiki/Transmission_electron_microscopy http://en.wikipedia.org/wiki/Scanning_transmission_electron_microscopy −正(例えばGa又はHeイオン)又は負でありうるイオン。このようなイオンビームは、イメージング・オブジェクトで使用できるが、例えば、集束イオンビーム(FIB)ミリング、イオンビーム誘導堆積(IBID)、イオンビーム誘導エッチング(IBIE)などの場合のように、表面改質の目的でもしばしば使用される。例えば以下の参考文献を参照されたい。 https://en.wikipedia.org/wiki/Focused_ion_beam http://en.wikipedia.org/wiki/Scanning_Helium_Ion_Microscope W.H. Escovitz, T.R. Fox and R. Levi-Setti, Scanning Transmission Ion Microscope with a Field Ion Source, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 72(5), pp 1826-1828 (1975). −例えば、陽子及びポジトロンのようなその他の荷電粒子。例えば以下の参考文献を参照されたい。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22472444 イメージング及び/又は表面改質に加えて、CPMにおける荷電粒子ビームは、例えば、分光法の実施、回折図の検査、等の他の機能を有することもできる。 本発明は、より大きい/巨視的な対象物の顕微鏡によるサブ部分である試料を含む顕微鏡試料をイメージングするために適用されるトモグラフィーに主に関係する。それゆえ主に(必ずしも必要ではないが)マイクロ及びナノCT技術に関係する。

図1A及び図1Bは、CPMにおける現場(ナノ)CTモジュールを使用する、前述冒頭の段落記載の方法を実行する既知の方法の態様を示す。特に図1Bを参照すると、CPM内の荷電粒子ビームが金属の独立型ブロック(13’)上にどのように方向付けられ、そこで調査中の試料(S)を照射するために続いて使用されるX線が生成されることが見て取れる。そのような技術はこれまで許容可能な結果をもたらしてきたが、本発明者らは従来の手法の革新的な代替策を提供するために広範囲に研究を行った。そのような努力の結果が、本発明の対象である。

欧州特許公開第3133554号公報

米国特許公開第20170052264号公報

本発明の目的は、革新的なX線トモグラフィック・イメージング技術を提供することにある。より具体的には、この技術が既知の技術と比較して根本的に異なる照射アーキテクチャを採用すべきであるということが、本発明の1つの目的である。

これらの及び他の目的は、以下のステップを特徴とする、上記の冒頭の段落に記載された方法で達成される。 −試料は、関連する円筒軸を有する実質的に円筒状の金属シェル内に配置され、 −金属シェルの区域上へ荷電粒子ビームを方向づけることによって、前記区域において、制限されたX線が生成されるように、X線ビームが生成され、 −一連の異なる視線は、シェルを円筒軸について回転させることにより達成され、それにより試料に対する前記区域の相対運動を引き起こす、 ここで採用される「円筒状」という用語は、直円筒形状すなわち実質的に円形の横断面図を有するシリンダを指す。ここで採用される「金属」という用語は、純金属、金属合金、金属積層、金属粒/凝集体(例えば非金属材料の中に懸濁される金属粒子)及びこれらの混合物を含む物として広義に解釈されなければならない。

本発明は、先行技術と比較して多数の顕著な利点を有する。例えば: −例えば図1Bに示すような、独立型X線ターゲットを使用する従来技術のマイクロCT/ナノCTセットアップでは、例えば、ステップ(d)の累積取得時間(すなわち、そこからトモグラムが再構成される一連のイメージの取得、上記冒頭の段落参照)は比較的長く、関連するプロセスワークフローにおいて、処理能力のボトルネックを形成する傾向がある。これの大きな理由は、比較的遠位の独立型X線源から試料に到着する比較的低いX線強度である。本発明は、特定の円筒状の金属シェル内でX線を発生させることによって、X線源を試料に顕著に近づくように移動させることができる。それにより、試料とX線源との分離は、シェル半径により決定され、これは所望によって、非常に小さくてもよい。例えば、(典型的には)数ミリメートル/数センチメートルであるのとは対照的に、図1Bに示すような状況では、10乃至50μm程度でありうる。このはるかにより小さい分離の結果、有効線源開口は、従来技術の装置よりも1乃至2桁(又はそれ以上)大きくなりえ、それに伴ってX線強度が増加し、取得時間が減少する。 −本発明は、後方散乱荷電粒子によって、生じる試料帯電の課題を解決する。そのような後方散乱粒子は、ファラデーシールド(接地される場合)として作用する円筒状金属シェルによって、電気的に妨げられ、及び/又は物理的にシェルの材料を透過もすることもできない。 −X線源を試料シェルの局部的な部分として構成することは、試料がX線源に対して位置的にドリフトできないことを意味する。 これは、測定安定性/再現性を改良する。これにより、独立型X線源(アノード)と試料との衝突の危険性に関する従来技術の問題も取り除かれる。 −試料シェルは、試料が事実上それ自身のミニ保護ジャケット(シェル)に事実上包まれているので、試料の閉じ込めと輸送を容易にする。 さらに、いくつかの試料を調査する必要があるときに、多数の試料を(長手方向位連続して)1つの(比較的長い)シェルに配置することができ、(試料の取扱い/交換時間を短縮することにより)処理能力が著しく改善される。さらに、シェルの外面に位置マーカーを設けることが可能であり、これは、例えば、位置合わせ及び3D再構成の目的に有利であり得る。 当業者は、荷電粒子ビームにより照射されたときに効率的にX線を発生させるために、金属シェルが比較的高い原子番号(高いZ)を有する材料を含まなければならないことを理解するであろう。 この文脈における適当な金属の例は、モリブデン、タングステン、プラチナ、パラジウム、金などを含(み、そのような金属の合金、積層体及び集合を含)む。

本発明の一実施形態(以下、「タイプ1シェル」と呼ぶ)において、シェルは、試料が挿入される既存の円筒状チューブに含まれる。 換言すると、シェルは本質的に独立した構造であり、最初は空である(内部に試料がない)が、後に選択された試料が内部に挿入/取り付けされる。 別の実施形態(以下、「タイプ2シェル」と呼ぶ)では、シェルは、実質的に円筒状の試料上に外皮(skin)として(例えば、スパッタコーティング、化学蒸着、ディッピングなどを用いて)堆積される。 この場合、シェルは決して「自立型(freestanding)」構造ではなく、事実上事後的に下地となる試料の上に堆積され、試料により支持される。 本発明の特定の実施形態では、シェルは、非金属材料のサブ層の上に金属層がある複合構造に含まれる。換言すれば、シェルは、内側非金属キャリア上に配置される外側金属性クラッドとして構成される。この非金属のサブ層は、以下を含む様々な可能な目的を果たすことができる(が、これに限定されるものない)。 - 例えば、(ほぼ)ゼロの線源/試料分離に関連する「暴走拡大(runaway magnification)」を回避するために、局在化されたX線源と試料との間の分離を増大させるのに貢献する。 − 局在化されたX線源と試料との間に低原子数(「低Z」)材料のバッファを作成し、試料自体内のX線発生を抑制するのに貢献する。 − (タイプ1シェルの場合に)比較して薄く壊れやすい金属層のために比較的厚く剛性の「キャリア構造」を作製するのに貢献する。 − (タイプ1シェルの場合に)その上に金属層を堆積する前に試料の表面の凹凸を埋めるのに貢献する(II型シェルの場合)。 もちろん、本発明のシェルは、このような複合体である必要はなく、代わりに、直接的な金属パイプ(タイプ1シェル)又は試料の円筒面上に直接付着した金属性外皮(タイプ2シェル)としても具体化できる。前者の場合、パイプ壁は、好ましくは比較的薄く、例えば、10〜100μmのオーダーの厚さであ(り、所望/必要に応じて、より高い入射荷電粒子ビームエネルギーがより厚いパイプ壁で用いられることができ)る。複合構造が選択される場合、サブ層は、例えば、ガラス質材料、セラミック材料、誘電体材料、プラスチック材料、炭素、及びこれらの組み合わせを含む群から選択される材料を含むことができる。そのような材料の例は、様々なタイプのガラス、石英、セラミック、シリコンカーバイト、サファイヤ、ダイヤモンド、パースペックス(PMMA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ナイロン、カーボンファイバー等を含む。(荷電粒子ビームと金属との間の相互作用ゾーンが今やより厚く、したがってより大きいため)ここで述べられる(比較的厚い)金属パイプ(タイプ1シェル)は、比較的薄い金属層を有する複合構造物よりも低い分解能を生じる傾向があるが、(同じ理由で)より高いX線強度を生成する傾向があることは言及する価値がある。当業者は、このトレードオフが特定の状況、例えば高速で試料の初期走査を行うためなど、において、魅力的であるかどうかを自分で判断できる。また、本明細書で言及されるタイプIIシェル又は複合タイプIシェルは、必要に応じて、金属シェル/層を(例えば、ドットのアレイ又は一連の平行なライン(リング)又は他の幾何学的形状に)パターン形成することを可能にする利点を有することに留意されたい。このようにパターニングすることは、例えば、解像度向上効果を生じさせるために使用できる。複合タイプIシェルを使用することは、幅広く多様な材料及び厚さを適用できる不活性基板/担体として低Zサブ層が働くので、異なる金属及び/又は層の厚さ(の選択)の許容を容易にする方法でもある材料及び厚さを適用できる。この点に関しては、金属的な層の構成/厚みが、例えばZ番号、X線発生効率、X線明るさ及び達成できる分解能/コントラストなどのファクターに影響を及ぼすであろうことに留意されたい。

本発明のシェルの可能な寸法に関しては、当業者は、所与の状況によく適合する値を選択することができるであろう。これに関していくつかの指針を与えるために、例えば、ナノCT用途に使用される複合タイプ1シェル(サブ層チューブ)について、以下の非限定的な値を考慮することができる: (1)外径:〜50−150μm (2)チューブ壁厚:〜5−15μm (3)チューブ外表面の金属被覆の厚さ:〜0.1−0.2μm (4)円筒軸から検出器表面までの距離:〜0.5−1.5cm (5)(円筒軸に沿った)長さ:5−15mm. これらの個々のパラメータに関して、当業者は以下を理解するであろう。 −パラメータ(1)は、X線源から試料までの距離に影響を及ぼす。 ここで引用されたものよりも大きい直径(例えば、〜1mm)は、例えば、低倍率の調査に有用であり得ることに留意されたい。 −パラメータ(2)は、チューブの構造的強度及び取り扱いの容易さに影響を及ぼす。 −パラメータ(3)は、達成可能なX線強度及び分解能に影響を及ぼす。 −パラメータ(4)は、検出器の捕捉角度、すなわち、金属シェル内の点線源様相互作用X線生成区域から捕捉するフラックスの相対量に影響を及ぼす。これは、検出器領域によっても決められる。 実際には、異なる寸法及び/又は材料構成を有する異なるタイプ1シェルの集合を有し、与えられたシナリオに最も適したシェルを状況毎に選択することが有用であり得る。

最初に試料をタイプ1シェル(サブ層チューブを有する)に配置/設置/配列することができる方法に関しては、多くの異なる可能性がある。 例えば: −試料を含む液体をチューブに引き込み、液体をチューブ内に密封する。 これは、例えば、溶液中に浮遊する細胞のような生物学的試料に適している。問題の液体は、例えば、シリンジを用いてチューブに吸引されるか、または毛細管作用によって吸引され得る。必要に応じて、チューブに導入した後に凍結/ガラス化することができる。 −チューブ内にマトリクス材料の本体内の試料を埋め込む。マトリクス材料は、樹脂、ゴム、ゲル類、ペースト、熱硬化性流体、凝結化流体、及びこの組合せからなる群から選択される。 この場合のマトリックス材料は、単に比較的小さな試料(フレークまたは材料の塊)を定位置に保持するための支持塊として機能するだけである。そのようなアプローチの自然な、既存の例は、所期のバクテリア又は琥珀に閉じ込められた気泡である。 −試料の一部をチューブの内面の接着層に接着する。 小さなピンセットまたは針(例えば)を使用して、試料をチューブの中に挿入し、それを取り付けることができる−チューブの対向する内壁の間に前記試料を押し込める(詰め込む)、そのようなアプローチは、例えば、木片、臓器組織などの、ある程度適合した比較的大きな試料と共に使用できる。この場合、例えば、チューブの開口端部をそのような材料の塊に押し込むことによって、試料材料の「コア」をチューブに押し入れることができる。 当業者であれば、特定の状況のニーズに最も適した試料作製/装着方法を選択できるであろう。 本質的には、金属シェル内の円筒堆積をイメージングし/数学的に再構成し、(本質的に単数又は複数の/分散した)関心のある試料がこの再構成されたボリューム内に配置される。理想的には、試料は円筒軸上又はその近くにあり、しかしながら、軸上にない試料/試料部分も再構成できる。

本発明の方法の特定の実施形態は、シェルのその円筒軸についての回転運動に加えて、円筒軸に平行な方向で前記シェルに関して荷電粒子ビームの相対運動もある。このような平行移動は、少なくとも軸に平行な成分を有する方向にシェル及び/又は荷電粒子ビームを移動させることによって、達成できる。このようにして、例えば、上述のように、ヘリカルスキャン経路、又はサンプリング点の分散マトリクスを達成できる。ここ及び本明細書の他の箇所で言及される回転運動及び並進運動は、必要に応じて連続的又は離散的/インクリメンタル的/段階的であり得ることに留意されたい。

シェルの円筒軸まわりの回転運動に関しては、例えば、シェルの円筒軸がチャックの回転軸と一致するように、チューブの端部を閉鎖しクランプするジョーを有する回転チャックに、シェルを取り付けることにより達成され得る。これは、例えば、電気ドリルのチャックがドリルビットを把持して回転させる方法に類似している。そのようジョーを使用する代わりに、例えば、接着剤の塊を使用してシェルをチャックに接着できる。

金属シェルを照射するために使用される荷電粒子ビームは、選択に応じて、垂直(垂直入射)又は垂直(斜入射)に対して角度を持って方向付けられてもよいことに留意されたい。後者の場合、達成可能な分解能を改善するために、金属シェルは、例えば(平坦(bland)/連続的ではなく)パターン化することができる。

本発明は、ここで、例示的な実施形態及び添付の概略的な図面に基づいてより詳細に説明される。

CTモジュールを使用して本発明の実施形態及び/又は従来技術のX線トモグラフィー技術を実施できる特定のタイプのCPMの縦断面を示す立面図である。

図1Aに示されるようなCPMにおける使用に適した従来のCTモジュールを示す図である。

本発明によるタイプ1シェルの実施態様を示す図である。

図2Aのようなシェルを本発明に従ってどのように回転させることができるかを示す図である。

図において、対応する特徴は、対応する参照符号を使用して表示されることができる。

実施例 図1Aは、本発明及び/又は従来のX線トモグラフィー技術と連動して用いられることが可能であるCPM1の実施形態を極めて模式的に示す図である。より具体的には、これはSEMの実施形態を示すが、本文脈では、例えばイオンベースの顕微鏡、又は例えばTEMに有効である。顕微鏡1は、粒子光学軸5’に沿って伝播する荷電粒子ビーム5(この場合、電子ビーム)を生成する粒子光学カラム/照射器3を備える。 粒子光学カラム3は、試料13を保持/位置決めするための試料担体9及び関連するステージ/アクチュエータ11を含む真空チャンバ7上に装着される。真空チャンバ7は、真空ポンプ(図示せず)を用いて排気される。電圧源15を用いて、試料担体9又は少なくとも試料13は、必要に応じて、アースに対して、ある電位にバイアスされて(浮いて)いてもよい。

粒子光学カラム3は、(ショットキーエミッタのような)電子ソース17と、電子ビーム5を試料13上に集束させる(一般に、ここでの模式的な描写よりもより複雑な構造の)(静電/磁気)レンズ19,21と、ビーム5のビーム偏向/走査を行うための偏向ユニット23とを備える。ビーム5が試料13上に入射され/試料13にわたって走査されると、後方散乱電子、二次電子、X線及び(赤外、可視及び/又は紫外光子の)カソードルミネッセンスなどの様々なタイプの「誘導(stimulated)」放射の放出が引き起こされる。それらの放射の1種類以上が、典型的には試料上の走査位置の関数として検出器出力の「マップ」(又は「マトリクス」)を組み立てることによって、イメージ、スペクトル、ディフラクトグラムなどを形成しうる1以上の検出器を使用して、検出され/記録させることができる。本図はこの種の2つの検出器、25、27を示し、例えば、以下の通りに実施されることができる。 −検出器25は、例えば、電子検出器(例えば固体光電子増倍管又はエバーハート・ソーンリー検出器)、(カソードルミネセンス)光検出器(例えばフォトダイオード)又はX線検出器(例えばSDD又はSi(Li)センサ)でもよい。 −検出器27は分割型電子検出器であり、(ビーム5の通過を可能にする)中央貫通孔29のまわりに配置された複数の独立検出セグメント(例えば4区分)を備える。このような検出器は、例えば、試料13から放出される、(二次後方散乱)電子流(の角度依存性)を調べるために用いることができる。 これらは単なる実施例であり、当業者であれば、検出器の他の種類、数及び幾何学的形状が可能であることを理解するであろう。

顕微鏡1は、とりわけ、レンズ19及び21と、偏向ユニット23と、検出器25,27とを制御し、検出部25,27から集めた情報を(フラットパネルディスプレイなどの)表示部33に表示するコントローラ/コンピュータ処理部31をさらに備える。そのような制御は、制御線(バス)31を通して行われる。コントローラ31(又は他のコントローラ)は、さらに、結合、積分、減算、偽色、エッジ強調、及び当業者に公知の他の処理などの様々な数学的処理を実行するために使用できる。さらに、(例えば粒子分析のために使用されるような)自動認識プロセスが、そのような処理に含まれることができる。

また、真空チャンバ7に/からアイテム(部品、試料)を導入し/取り除くように、開放されることができるか、又は、例えば(図示されていない)補助デバイス/モジュールが搭載されることができる、真空ポート7’が示されている。顕微鏡1は、必要に応じて、複数のそのようなポート7’を備えることができる。

X線トモグラフィーを実行することに関して、顕微鏡1は、図1Bに示すようなその場(in situ)CTモジュール7”を備えることもできる。この図において、CPMの試料担体9には、電子ビーム5がそこに入射するように(アクチュエータ11を使用して)配置される独立型の金属ターゲット13’が設けられており、様々な方向のX線を生成する。この図は、ターゲット13’(実効ソースSx)からモジュール7”へと一側に伝搬し、サンプルSを通過して検出器Dに入射する、そのようなX線のビームBを示す。 試料Sは、ソースSxに対して試料Sを位置決めし/移動させる(典型的に平行移動させ、回転させる)ステージ装置Aに取り付けられる。そのようなCTモジュール7”は、(最初から)取り外せない形で真空エンクロージャ7内に存在していてもよいし、又は、例えば予備の真空ポート7’上に/内に(CPM1の製造後に)取り付け可能なアドオンモジュールであってもよい。

実施形態1 図2Aは、本発明によるタイプ1シェルの実施態様を示す。シェル2は、中空チューブ8(サブ層)が円筒軸6の中心に位置する円筒状の金属クラッド4(層)を担持する複合構造体に含まれる。 ここで表されるように、試料Sは前記チューブ8内に配置される。チューブ8は、低原子番号材料(例えばガラス)から成る。表されたチューブ8の寸法は、(およそ)以下の通りである: −外径:100μm。 −壁厚:10μm。 −金属層の厚さ:0.1μm。 −(軸6と平行な)長さ:5mm. 金属層4の区域10上に/中に衝突する荷電粒子(例えば電子)の集束ビーム5も示されており、前記区域10に閉じ込められたX線源Sxを生成する。 このX線源Sxは、試料SにX線ビームBを照射して、試料SからX線束Fを放出させ、検出器Dに着地させる。 入射荷電粒子ビーム5は、軸線/視線5’に沿って伝搬する。本発明によれば、一連の、視線5’の異なる回転運動は、チューブ8(+クラッディング4及び試料S)をその円筒軸6(矢印12参照)の周りに回転させることによって、それによって、ゾーン10/線源Sxとの相対運動を引き起こす。所望であれば、チューブ8とビーム5との間の補足的な相対運動を軸6に平行に行うこともできる。

図2Bは、図2Aのようなシェル2を本発明に従ってどのように回転させることができるかを示す。ここに示すように、CPM1(図1A参照)の試料担体9には、(取り付け/取り外し可能な)フレーム9’が設けられており、そこに、(少なくとも)チャックA’の回転軸A”周りの回転運動を生じさせることができるアクチュエータAが取り付けられている。細い/細かいチャックA’は、その上に、例えばジョー/ペンチ部材(図示せず)又は接着剤の液滴を使用してシェル2(チューブ8)の先端/端部を保持できる。 このように、シェル2はチャックA’上に取り付けられ、前者の円筒軸は後者の回転軸に対応する。軸6から検出器Dへの距離は、例えば、1〜2cmのオーダーである。

荷電粒子ビームは、例えば、約0.1〜10μAのビーム電流、30keVのビームエネルギーを有することができ、約50nm〜1μmのスポットサイズに集束されることができる。 当業者は、この点に関して自身で選択できるであろう。

実施態様2 図2Aに表され状況の代案として、金属シェルは、実質的に円筒状の試料Sの外面上に直接、又は、予め塗布された低Z材料のサブ層の上に、外皮として堆積させることができる。

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