X-ray target and apparatus using the same |
|||||||
申请号 | JP2006512158 | 申请日 | 2005-04-08 | 公开(公告)号 | JP4189770B2 | 公开(公告)日 | 2008-12-03 |
申请人 | 独立行政法人科学技術振興機構; | 发明人 | 仁平 原田; 建一 大嶋; | ||||
摘要 | |||||||
权利要求 | 第1のキャップ層と特性X線を発生させる材料から成るターゲット層と第2のキャップ層とが順次積層された構造と、該構造を保持する支持台と、を備え、 上記第1及び第2のキャップ層が、上記ターゲット層よりも電子線吸収能が低い材料から成り、上記ターゲット層が、上記第1及び第2のキャップ層に線状又は楕円形状のマトリクス状に埋め込まれて配設されており、該マトリクスの各ターゲット層を、その大きさに応じた微小焦点のX線源とすることを特徴とする、X線用ターゲット。 前記ターゲット 層は、波長0.3〜10Åの特性X線を発生させる材料から成ることを特徴とする、請求項 1に記載のX線用ターゲット。 前記第1及び第2のキャップ 層は、B,C,SiC,B 4 Cの何れかであることを特徴とする、請求項 1に記載のX線用ターゲット。 前記各ターゲット 層の大きさが同一であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のX線用ターゲット。 前記各ターゲット 層の大きさが異なっていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のX線用ターゲット。 前記第1のキャップ 層上には、帯電防止層が設けられていることを特徴とする、請求項1又は 3に記載のX線用ターゲット。 電子ビーム発生部とX線用ターゲットとから成るX線源を含むX線装置であって、 上記X線用ターゲットが、第1のキャップ層と特性X線を発生させる材料から成るターゲット層と第2のキャップ層とが順次積層された構造と該構造を保持する支持台と、を備え、 上記第1及び第2のキャップ層が、上記ターゲット層よりも電子線吸収能が低い材料から成り、上記ターゲット層が、上記第1及び第2のキャップ層に線状又は楕円形状のマトリクス状に埋め込まれて配設されており、該マトリクスの各ターゲット層を、その大きさに応じた微小焦点のX線源とし、 上記電子ビーム発生部から発生する集束電子ビームを上記マトリクスの各ターゲットに照射して、微小焦点のX線を発生させることを特徴とする、X線装置。 前記電子ビーム発生部は電子レンズからなり、前記X線用ターゲットを前記電子ビーム発生部から発生する集束電子ビームに対して傾斜して配置すると共に、前記集束電子ビームの形状が 線状又は楕円形状であることを特徴とする、請求項 7に記載のX線装置。 前記第1のキャップ 層上には、帯電防止層が設けられていることを特徴とする、請求項 7に記載のX線装置。 前記X線装置が、さらに、試料載置部とX線検知手段とを備えたX線回折装置であることを特徴とする、請求項 7に記載のX線装置。 前記X線装置が、さらに、試料載置部とX線検知手段とを備えた蛍光X線分析装置であることを特徴とする、請求項 7に記載のX線装置。 前記X線装置が、さらに、X線光学素子を備えることを特徴とする、請求項 7に記載のX線装置。 電子ビーム発生部とX線用ターゲットと被観察物載置部とX線検知手段とを含むX線顕微鏡であって、 上記X線用ターゲットが、第1のキャップ層と特性X線を発生させる材料から成るターゲット層と第2のキャップ層とが順次積層された構造と該構造を保持する支持台と、を備え、 上記第1及び第2のキャップ層が、上記ターゲット層よりも電子線吸収能が低い材料から成り、上記ターゲット層が、上記第1及び第2のキャップ層に線状又は楕円形状のマトリクス状に埋め込まれて配設されており、該マトリクスの各ターゲット層を、その大きさに応じた微小焦点のX線源とし、 該微小焦点のX線を発散X線として、上記被観察物の透過X線像を得ることを特徴とする、X線顕微鏡。 前記電子ビーム発生部は電子レンズからなり、前記X線用ターゲットを前記電子ビーム発生部から発生する集束電子ビームに対して傾斜して配置すると共に、該集束電子ビームの形状が 線状又は楕円形状であることを特徴とする、請求項 13に記載のX線顕微鏡。 前記第1のキャップ 層上には、帯電防止層が設けられていることを特徴とする、請求項 13に記載のX線顕微鏡。 前記透過X線像が、位相差によるコントラストを含むことを特徴とする、請求項 13に記載のX線顕微鏡。 前記X線検知手段は撮像素子であり、該撮像素子の画像処理手段をさらに備えることを特徴とする、請求項 13に記載のX線顕微鏡。 |
||||||
说明书全文 | 本発明は、微小焦点を有し、かつ、高輝度のX線を発生できるX線用ターゲット及びそれを用いた装置に関する。 X線は、物質の内部構造を非破壊で詳細に調べることができる。 例えば、透過X線像による観察が、医学及び薬学分野での生体の診断、各種工業製品の評価、空港での荷物検査装置などに広く使用されている。 放射光によるX線源を利用する以外で、現在用いられているX線源は真空中で加速電子を金属ターゲットにぶつけてX線を放出させる方法に基づいたX線管がある。 この方法で得られるX線源の大きさは一般に数μmであるため、X線透過法で得られる像の分解能はやはり数μmに留まり、満足できるものではなかった。 1973年頃、直径3μmの微焦点X線源により、蟻のX線写真が撮影され、その体毛や血管などの微細構造が観察されたことが本発明者らにより報告されている(原田仁平、栗林勝、「微焦点X線源を用いた高精細画像」、日本写真学会誌、2002年、65巻7号、pp.495−500)。 この撮影では、X線ターゲットとして、2μmの厚さの金(Au)が使用された。 従来、X線撮影像のコントラストは、X線の散乱、吸収によるものとされてきたが、微小焦点のX線源を用いれば、位相コントラスト像も含まれるので、密度の低い非常に細い毛のようなものでもその輪郭を捉えることができることが指摘されている(S.W.Wilkins他4名,“Phase−contrast imaging using polychromatic hard Xray”,(1996),Nature,384,pp.335−338)。 図12は従来のX線源を模式的に示す図である。 図12において、電子ビーム100を厚さtのターゲット薄膜101に照射すると、X線102が発生する。 この場合、電子103がターゲット薄膜101内に拡散し、この拡散長がLである。 また、X線は、半導体装置、特に超LSI(Large Scale Integrated Circuit)などの検査には、特性X線や蛍光X線による元素分析法やX線光電子分光法(XPS)などが用いられている。 例えば、日本特開平5−45306号公報には、X線分析用のX線源として、回転対陰極X線管から放射したX線をガラス細管を通過させて、試料上で5μm直径の微細X線ビームを発生させることが開示されている。 この方法においては、X線強度を増すためには多数のガラス細管を用いる。 このため、各ガラス細管から多数の焦点が生じ易く、X線透過像の撮影には適さない。 また、このようなガラス細管の加工にも限界がある。 ところが、半導体素子の最小加工寸法が90nmや60nmとなり、より一層、微小焦点を有するX線源が要求されている。 しかしながら、従来の図12に示すようなX線源の焦点を小さくするためには、電子ビームのスポット径を小さくし、電子ビームの照射密度を上げるべきであるが、このようにしてもX線ターゲット内で電子ビームは拡散して、微小焦点のX線源が得られないという課題がある。 また、電子ビームの照射密度を上げた場合には、X線のターゲット材が加熱され、融解し、また昇華又は蒸発も伴ってターゲット薄膜101が損傷するという課題がある。 本発明は以上の点に鑑み、微小焦点で、かつ、高輝度のX線を発生できるX線用ターゲット及びそれを用いた装置を提供することを目的としている。 上記目的を達成するため、本発明のX線用ターゲットは、第1のキャップ層と特性X線を発生させる材料から成るターゲット層と第2のキャップ層とが順次積層された構造と、この構造を保持する支持台と、を備え、第1及び第2のキャップ層が、ターゲット層よりも電子線吸収能が低い材料から成り、ターゲット層が、第1及び第2のキャップ層に線状又は楕円形状のマトリクス状に埋め込まれて配設されており、マトリクスの各ターゲット層を、その大きさに応じた微小焦点のX線源とすることを特徴とする。 この構成によれば、第1及び第2のキャップ層の電子線吸収能が、ターゲット層の電子線吸収能よりも低いので、第1及び第2のキャップ層は、ターゲット層に比べて加熱されにくいことから、集束電子ビームによる発熱でターゲット層が融解しても、溶融したターゲット層22が第1及び第2のキャップ層内に閉じこめられ、昇華や蒸発を防ぐことができる。 従って、X線用ターゲットへの電子ビームの強度を増大させることができ、X線源の輝度を上げられる。 さらに、ターゲット層を薄くすることで、X線源の焦点サイズを3次元的に縮小化することが同時にできる。 これにより、本発明のX線用ターゲットによれば、集束電子ビームをターゲット層の大きさに絞り、かつ、その強度を増大させて、X線用ターゲットに照射できるので、X線放出効率を向上させることができる。 このため、ターゲット層の大きさに応じて電子ビームの焦点を小さくでき、例えば、焦点をnmオーダーとすることができる。 したがって、微小焦点のX線用ターゲットを提供することが可能になる。 この構成によれば、X線用ターゲットには、たとえ電子ビームの面積を広げて照射しても、X線焦点の大きさは線状又は楕円形状にしたターゲット層の大きさで決まるので、それ以上は大きくならない。 このため、微小焦点のX線を効率良く発生できる。 電子ビームの密度を上げて、ターゲット層がたとえ融解してもかまわないので、X線輝度をさらに増大させることができる。 上記構成において、好ましくは、各ターゲット層の大きさは同一であるか又は異なっている。 第1のキャップ層上には、好ましくは、帯電防止層が設けられている。 この構成により、各ターゲット層の機械的操作又は電子ビームの照射位置変更などにより、所定の時間毎などに交換して使用することができる。 これにより、真空容器の真空を破りX線用ターゲットを交換する必要がなくなり、利便性が向上する。 また、マトリクスの各ターゲット層の大きさにより、集束電子ビームを所望の焦点とすることができる。 また、この大きさが変化している場合には、マトリクスの選択により集束電子ビームの焦点が変化するので、異なる微小焦点のX線を発生させることができる。 この構成によれば、X線用ターゲットが支持台により機械的に保持され、曲がったりすることがない。 また、この支持台によりX線ターゲットの放熱を効果的に行なうことができる。 本発明の他の態様によれば、電子ビーム発生部とX線用ターゲットとから成るX線源を含むX線装置であって、X線用ターゲットが、第1のキャップ層と特性X線を発生させる材料から成るターゲット層と第2のキャップ層とを順次積層した構造とこの構造を保持する支持台と、を備え 、第1及び第2のキャップ層を覆う膜が、ターゲット層よりも電子線吸収能が低い材料から成り、ターゲット層が、第1及び第2のキャップ層中に線状又は楕円形状のマトリクス状に埋め込まれて配設されており、マトリクスの各ターゲット層を、その大きさに応じた微小焦点のX線源とし、電子ビーム発生部から発生する集束電子ビームをマトリクスの各ターゲット層に照射して、微小焦点のX線を発生させることを特徴とする。 この構成によれば、集束電子ビームをターゲット層の大きさに絞り、かつ、その強度を増大させて、X線用ターゲットに照射できるので、X線放出効率を向上させることができる。 したがって、微小焦点で高輝度のX線を発生させることができる。 上記構成において、好ましくは、電子ビーム発生部は電子レンズからなり、X線用ターゲットが電子ビーム発生部から発生する集束電子ビームに対して傾斜して配置されると共に、集束電子ビームの形状が線状又は楕円形状である。 好ましくは、第1のキャップ層上には、帯電防止層が設けられている。 この構成によれば、集束電子ビームを面積の大きいX線用ターゲットに照射できるので、焦点をさらに小さくしてX線輝度をさらに増大させることができる。 したがって、強度の強い微小焦点のX線を得ることができる。 上記構成において、好ましくは、X線装置は、さらに、試料載置部とX線検知手段とを備えたX線回折装置である。 この構成によれば、強度の強い微小焦点のX線源により微小領域のX線回折が測定できるX線回折装置を提供することができる。 上記構成において、好ましくは、X線装置は、さらに、試料載置部とX線検知手段とを備えた蛍光X線分析装置である。 この構成によれば、強度の強い微小焦点のX線源により微小領域の蛍光X線分析ができる蛍光X線分析装置を提供することができる。 上記構成において、X線装置は、好ましくは、さらにX線光学素子を備える。 この構成によれば、強度の強い微小焦点のX線源から特定の波長を選択して、被観察物などに効率よく照射することができる。 さらに、本発明の他の構成によれば、電子ビーム発生部とX線用ターゲットと被観察物載置部とX線検知手段とを含むX線顕微鏡であって、X線用ターゲットが、第1のキャップ層と特性X線を発生させる材料から成るターゲット層と第2のキャップ層とを順次積層した構造とこの構造を保持する支持台と、を備え 、第1及び第2のキャップ層が、ターゲット層よりも電子線吸収能が低い材料から成り、ターゲット層が、第1及び第2のキャップ層中に線状又は楕円形状のマトリクス状に埋め込まれて配設されており、マトリクスの各ターゲット層を、その大きさに応じた微小焦点のX線源とし、電子ビーム発生部から発生する集束電子ビームをマトリクスの各ターゲット層に照射して、所望の微小焦点のX線を発生し、微小焦点のX線を発散X線として、被観察物の透過X線像を得ることを特徴とする。 この構成によれば、集束電子ビームをターゲット層の大きさに絞り、かつ、その強度を増大させた微小焦点のX線を発散X線として、高解像度のX線透過像を得るX線顕微鏡を提供することができる。 上記構成において、好ましくは、電子ビーム発生部は電子レンズからなり、X線用ターゲットを電子ビーム発生部から発生する集束電子ビームに対して傾斜して配置すると共に、集束電子ビームの形状は線状又は楕円形状である。 好ましくは、第1のキャップ層上には、帯電防止層が設けられている。 この構成によれば、微小焦点のX線強度をさらに増大させたX線顕微鏡を提供することができる。 透過X線像は、好ましくは、位相差によるコントラストを含む。 この構成によれば、被観察物の吸収像と共に、位相差コントラストを観察できるX線顕微鏡を提供することができる。 好ましくは、X線検知手段は撮像素子であり、撮像素子の画像処理手段をさらに備える。 この構成によれば、各種の画像処理ができるので利便性が向上したX線顕微鏡を提供することができる。 図1は、本発明に係る第1の実施の形態によるX線用ターゲットの構造を示す断面図である。 本発明は、以下の詳細な発明及び本発明の幾つかの実施の形態を示す添付図面に基づいて、より良く理解されるものとなろう。 なお、添付図面に示す種々の実施例は本発明を特定または限定することを意図するものではなく、単に本発明の説明及び理解を容易とするためだけのものである。 各図において同一又は対応する部材には同一符号を用いる。 第1の実施の形態 第1及び第2のキャップ層21,23は、それぞれ、1層でなく2層以上でもよい。 この第1及び第2のキャップ層21,23は、加速された電子ビームが透過し易い軽元素やその化合物などから成り、かつ、ターゲット層22よりも電子線吸収能が低い材料を用いることが望ましい。 第1及び第2のキャップ層21,23の融点は、ターゲット層22層の融点よりも高くてもよい。 第1及び第2のキャップ層21,23に集束電子ビーム16が照射されたときに、第1及び第2のキャップ層21,23の電子線吸収能が低く、温度が上昇しなければよい。 つまり、ターゲット層22が電子線吸収能が高い場合には、第1及び第2のキャップ層21,2としては、電子線吸収能が低い材料を用いればよい。 このような構成のX線用ターゲット1では、電子線吸収能が高いターゲット層22が加熱され、第1及び第2のキャップ層21,23は電子線吸収能が低いので加熱されにくい。 ここで、第1及び第2のキャップ層21,23は、それぞれ、ホウ素(B)(融点:約2300℃),炭素(C)(融点:約3500℃以上),SiC(融点:約2700℃),B 4 C(融点:約2350℃)などの層やこれらの多層膜を用いることができる。 ターゲット層22は、第1及び第2のキャップ層21,23よりも電子線吸収能が高い材料からなる。 または、ターゲット層22は、第1及び第2のキャップ層21,23よりも融点の低い材料でもよい。 このような材料としては、Co,Cu,Fe,Mo,Wなどの金属を用い、その特性X線の波長が0.3〜10Åの波長範囲にある元素であればよい。 異なる金属層を多層にして、複数のX線を発生させてもよい。 ターゲット層22は単体金属だけでなく、特別な元素を含む化合物層であって特徴のある特性X線を発生させてもよい。 このような元素としては、La(ランタン)などが挙げられる。 集束電子ビーム16が照射される第1のキャップ層21上には、帯電防止層24をさらに設けてもよい。 帯電防止層24は、導電性材料で、軽元素又は軽元素化合物が好ましく、例えば、カーボン(C)を用いることができる。 次に、第1の実施形態に係るX線用ターゲットの変形例について説明する。 図2は第1の実施の形態によるX線用ターゲットの変形例の構造を示す断面図である。 図に示すX線用ターゲット20が、X線用ターゲット1と異なるのは、集束電子ビーム16側に発生するX線を用いる、所謂反射型としている点である。 反射型の場合には、下方にある第2のキャップ層23の厚さを厚くしてもよい。 他の構成は第1の実施の形態によるX線用ターゲット1と同じであるので説明は省略する。 X線用ターゲットは次のように構成されていてもよい。 図3に示すX線用ターゲット25は、集束電子ビーム16によりX線17を発生させるターゲット部26と、ターゲット部 26全体を覆う膜27と、から構成されている。 ターゲット部26は、X線用ターゲット1のターゲット層22と同様に、Co,Cu,Fe,Mo,Wなどの金属を用い、その特性X線の波長が0.3〜10Åの波長範囲にある元素によって重元素の膜として構成されている。 また、膜27は、X線用ターゲット1の第1及び第2のキャップ層21,23と同様に、加速された電子ビームが透過し易い軽元素やその化合物などから成り、かつ、ターゲット部26よりも電子線吸収能が低い材料を用いる。 例えば膜27として、ホウ素(B)(融点:約2300℃),炭素(C)(融点:約3500℃以上),SiC(融点:約2700℃),B 4 C(融点:約2350℃)などの層やこれらの多層膜を用いることができる。 図4は第1の実施の形態によるX線用ターゲット1,20の平面構造の一例を示す断面図である。 図4では、X線用ターゲット1,20のターゲット層22のみを示しているが、ターゲット層22は、個々が線状であり、X,Y方向に所定の間隔でマトリクス状に多数(マトリクスが22a乃至22r)を配列させている。 この各ターゲット層22の形状は、楕円形状でもよい。 また、楕円にさらに直線を含んだ小判形状でもよい。 本発明の楕円形状には小判形状も含む。 図示の場合には、同じ線状で同じ大きさのターゲット層22a乃至22rを示しているが、マトリクスの構成は線状又は楕円形状でもよいし、線状及び楕円の組み合わせでもよい。 それらの大きさを種々変化させてもよい。 大きさを変化させた場合には、その大きさに応じた焦点サイズのX線を発生することができる。 このように多数のターゲット層22a乃至22rがマトリクス状に、第1及び第2のキャップ層22,23中に埋め込まれて配設されているので、X線強度が弱くなったときに別のマトリクスを用いることができる。 マトリクスは、所定の時間毎などに交換して使用してもよい。 このマトリクスの交換は、機械的操作や電子ビームの照射位置変更などにより行うことができる。 具体的には、X線用ターゲット1,20を保持する載置部の駆動や、上記集束電子ビーム16の集束位置を電気的に変えることで行うことができる。 また、各ターゲット層22の個々のマトリクスの金属を換えて配置してもよい。 この場合には、各ターゲット層22から異なる波長を有する微小焦点のX線を発生させることができる。 このターゲット層22の形状は、X線用ターゲット25のターゲット部26にも適用することができる。 各マトリクスのターゲット層22又はターゲット部26の大きさにより、集束電子ビーム16を所望の焦点とすることができる。 各マトリクスの大きさが変化している場合には、マトリクスの選択により集束電子ビーム16の焦点が変化するので、異なる微小焦点のX線17を発生させることができる。 X線用ターゲット1,20は、第2のキャップ層23上全面に、ターゲット層22となる金属を蒸着したのち、フォトリソグラフィー工程などによる選択エッチングにより多数のターゲット層を形成し、その後第1のキャップ層21を所定の厚み堆積させることにより製作することができる。 第1の実施の形態によるX線用ターゲットの動作を説明する。 そして、第1及び第2のキャップ層22,23又はターゲット部26全体を覆う膜27の電子線吸収能を低くするか、あるいは、その融点をターゲット層22又はターゲット部26の融点よりも高くしておけば、仮に集束電子ビーム16による発熱でターゲット層22又はターゲット部26が融解しても、軽元素化合物層22,23や膜27がキャップ層となり、溶融したターゲット層22やターゲット部26が膜構造の膜内に閉じこめられ、昇華や蒸発を防ぐことができる。 このため、集束電子ビーム16の強度を増大させることができ、X線源の輝度を上げられる。 さらに、ターゲット層22又はターゲット部26を薄くすることで、X線源の焦点サイズを3次元的に縮小化することが同時にできる。 第1の実施の形態に係るX線用ターゲット1,20,25によれば、集束電子ビーム16をターゲット層22又はターゲット部26の大きさに絞り、かつ、その強度を増大させて、X線用ターゲット1,20,25に照射できるので、X線放出効率を向上させることができる。 このため、ターゲット層22又はターゲット部26の大きさに応じて電子ビームの焦点を小さくすることができ、例えば、焦点をnmオーダーとすることができる。 したがって、微小焦点のX線17を得ることができる。 第2の実施の形態 電子ビーム集束部13は、例えば二段の電子レンズ14,15から成り、集束電子ビーム16の大きさを数nm程度まで集束させることができる。 この電子レンズとしては、電界による静電レンズ又は磁界による磁気レンズを用いればよい。 X線用ターゲット1の構成は、第1の実施の形態によるX線用ターゲット1と同じであるので説明は省略する。 X線用ターゲット1は、図5の紙面垂直方向又は傾斜させて配置すればよい。 好ましくは、図5の紙面垂直方向から角度θの傾斜を設けることにより、微小焦点のX線17の輝度を増大させることができる。 この場合には、X線用ターゲット1のターゲット層22の形状は、線状又は長軸が長い楕円形状とすればよい。 集束電子ビーム16の形状は角度に合わせて、かつ、X線用ターゲット1のターゲット層22の形状に類似であればよい。 上記角度θが、10°程度で、微小焦点のX線17の輝度を10倍とすることができる(1/sin10°=10)。 上記X線用ターゲット1は、X線用ターゲット20,25で構成してもよい。 この場合、X線用ターゲット1,20,25に集束電子ビーム16を照射する際に、膜状のX線用ターゲット1,20,25が曲がらないように機械的に保持するために、X線用ターゲット1,20,25を支持台の上面に固定するとよい。 例えば、図6に示すように、支持台35は、円錐台の筒状に形成されていて、中央を貫通する穴35Aを有する。 この穴35Aは、集束電子ビーム16の大きさより大きく設定されていて、束電子ビーム16が支持台35に当たらずに通過するようになっている。 また、集束電子ビーム16をX線用ターゲット1,20,25に当てるとX線用ターゲット1に熱が発生するので、この熱を放熱するために、支持台35は銅などの熱伝導度の高い材料により構成されていて、X線用ターゲット1に生じた熱が支持台に伝達するようになっている。 さらに、この支持台35は、図示しない冷却用配管を内部に備えてもよい。 この場合には、冷却用配管に水などの冷媒を循環させるとさらに冷却効果が増す。 次に、第2の実施形態に係るX線装置の変形例について説明する。 図7は、第2の実施形態に係るX線装置の変形例の構成を示す模式図である。 図に示す本発明のX線発生装置40が、X線装置30と異なるのは、X線用ターゲットとして反射型のX線用ターゲット20を用いた点である。 このX線用ターゲットの構成は、第1の実施の形態によるX線用ターゲット20と同じであるので説明は省略する。 上記X線装置30,40のX線用ターゲット1,20,25は、図4に示したようにターゲット層を多数マトリクス状に配設させた構造を用いるのが好適である。 各マトリクスの交換は、機械的操作又は電子ビームの照射位置変更などにより、所定の時間毎などに交換して使用することができる。 これにより、上記各ターゲット層22を所定の時間毎などに交換して使用すれば、真空容器11の真空を破りX線用ターゲット1,20,25を交換する必要がなくなり、利便性が向上する。 次に、本発明の第2の実施形態に係るX線装置の動作を説明する。 本発明のX線装置30,40によれば、集束電子ビーム16をターゲット層22又はターゲット部26の大きさに絞り、かつ、その強度を増大させて、X線用ターゲット1,20,25に照射できるので、X線放出効率を向上させることができる。 このため、ターゲット層22又はターゲット部26の大きさに応じて電子ビームの焦点を小さくできる。 例えば焦点をnmオーダーとすることができ、微小焦点のX線17を発生させることができる。 第3の実施の形態 被観察物載置部51は、図示するように、X,Y,Z方向の移動と、X,Y平面の回転(φ)や角度(χ)が自在に調整できるステージを備えていてもよい。 X線発生装置30は、X線発生装置40を用いてもよい。 次に、本発明のX線顕微鏡の動作について説明する。 微小焦点のX線源17が発散X線57となり像が結ばれる。 ここで、微小焦点のX線17と被観察物53との距離をAとし、被観察物53とX線検知手段52との距離をBとすると、倍率mは、m=(A+B)/Aとなる。 倍率は、A及びBの間隔を変えることにより調整することができる。 このような調整は、被観察物載置部51のZ軸を上下させればよい。 したがって、X線検知手段52の分解能にも依存するが、本発明のX線顕微鏡は、数nm程度の微小焦点のX線源を有するので、その分解能もそれだけ小さくできる。 このため、X線検知手段52として二次元撮像素子を用いる場合には、分解能に見合う画素数を選定することが好ましい。 本発明のX線顕微鏡は数nm程度の微小焦点で、かつ、強度の強いX線を用いるので、分解能も数nm程度が容易に得られることになる。 また、被観察物の像としては、被観察物の吸収及び位相差によるコントラストを得ることができる。 図9は位相差によるコントラストを模式的に説明する図である。 微小焦点のX線源17からの発散X線57は、被観察物53を透過し、その内部構造の密度変化や外形変化により入射したX線の位相が変化し、波面58となる。 そして、X線フォトン59は、波面58の垂直方向に進み、X線検知手段52に入射し像52Aとなる。 図においては、その像52Aのコントラストが被観察物53のエッジで生じるとして示している。 本発明のX線顕微鏡50によれば、被観察物53のX線吸収像と共に、位相差コントラスト像が得られることになる。 X線検知手段52がCCDなどの撮像素子であり、その画像処理手段をさらに備えている場合には、上記コントラストの強度に着目して画像処理を行うことができる。 上述した第3の実施の形態によるX線顕微鏡においては、被観察物53として生体の場合について説明した。 さらに、生体以外には、半導体素子、超LSI、及びナノ構造物などの非破壊検査や解析を行うことができる。 第4の実施の形態 被観察物載置部51は、被観察物63のX,Y,Z方向の移動と、X,Y平面の回転(φ)や角度(χ)が自在に調整できるステージを備えていてもよい。 この被観察物載置部51は、X線検知手段52と共に並進走査運動させることで、被観察物63の面内のX線回折像を得ることができる。 X線発生装置30は、X線発生装置40を用いてもよい。 第5の実施の形態 被観察物載置部51は、X,Y,Z方向の移動と、X,Y平面の回転(φ)や角度(χ)が自在に調整できるステージを備えていてもよい。 この被観察物載置部51は、X線検知手段76と共に並進走査運動させることで、被観察物73の面内の蛍光X線分布を得ることができる。 X線発生装置30は、さらにX線発生装置40を用いてもよい。 以上説明したように、本発明のX線発生装置を用いたX線顕微鏡によれば、可視光による光学顕微鏡、SEM、走査型トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡による表面高さ像では得られない、被観察物の透過像を高分解能で観察することができる。 本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。 本発明のX線用ターゲットによれば、高輝度でnmオーダーの微小焦点を有するX線を発生できるX線用ターゲットを提供することができる。 X線発生装置によれば、高輝度でnmオーダーの微小焦点を有するX線を発生させることができる。 X線回折装置によれば、強度の強い微小焦点のX線源により微小領域のX線回折を測定することができる。 蛍光X線分析装置によれば、強度の強い微小焦点のX線源により微小領域の蛍光X線分析が可能である。 さらに、本発明のX線顕微鏡によれば、従来得られなかった数nmの高解像度の顕微鏡を提供でき、従来の吸収像と共に位相差によるコントラスト像をも得ることができる。 |