X-ray microscope

申请号 JP27353089 申请日 1989-10-20 公开(公告)号 JP2883122B2 公开(公告)日 1999-04-19
申请人 オリンパス光学工業株式会社; 发明人 KATO MIKIKO;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】白色のX線光源と、該X線光源から放射された光を集光する多層膜光学系と、試料を載置するステージと、X線域から真空紫外線域までの波長の光に対して感度を有する検出器とを備えたX線顕微鏡において、 前記X線光源から前記検出器に至る光路中に、前記X線光源から放射される光のうち長波長成分を除去する第1
    のフィルター手段と短波長成分を除去する第2のフィルター手段とを設けたことを特徴とするX線顕微鏡。
  • 【請求項2】前記第2のフィルター手段を前記多層膜光学系で構成したことを特徴とする請求項(1)に記載のX線顕微鏡。
  • 【請求項3】前記ステージは大気中に設置されることを特徴とする請求項(1),(2)に記載のX線顕微鏡。
  • 【請求項4】前記第1のフィルター手段は真空と大気とを分ける窓であることを特徴とする請求項(3)に記載のX線顕微鏡。
  • 【請求項5】前記試料を観察するために用いる波長は20
    〜44Åであることを特徴とする請求項(1)乃至(4)
    の何れかに記載のX線顕微鏡。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、生体観察等に好適なX線顕微鏡に関する。

    〔従来の技術〕

    近年、生体観察を目的として、軟X線領域、特に「の窓」と呼ばれる20〜44Å程度の波長のX線に適合する顕微鏡の開発が行なわれている。

    この顕微鏡は、光源から発したX線を物体に照射し、
    該物体を透過した光や該物体の内部で発生した2次光などをX線検出器で検出することにより物体像を得ようとするものである。

    軟X線の光源としては、特性X線の得られる電子線光源が市販されている。 この他、輝度の大変優れたシンクロトロンや輝度,繰り返し性能の優れたレーザプラズマ光源などが研究用に広く用いられるようになっている。

    第33図(A)は、シンロトロン放射光源の分光スペクトル(G.Schmahl“X−Ray Microscopy"Springer Serie
    s in Optical Sciences vol.43(Springer−Verlag)
    (1983))を示しており、この図より光源から放出される光は広い波長帯域を持つ白色光であることがわかる。
    また、第33図(B)は、代表的なレーザプラズマ光源の単位立体,単位レーザパルス当たりの分光スペクトル(田中和夫 光学技術コンタクトVol.27 no.4 p187(19
    89))を示しており、この図からも放射光と較べて帯域幅が狭いが、同様に白色光であることがわかる。

    一方、X線光源からの光を物体上に集束させたり、物体からの光を検出器に集束させたりする光学系としては、例えば第34図(A)に示したようなウオルター光学系(楕円面と双曲面の反射鏡で構成され光線を臨界角以下の小さい斜入射角で入射させるもの)並びに第34図(B)に示したようなシュヴァルツシルド光学系(波岡武 精密光学会誌52/11/1986 p1843)のような反射光学系や、第35図(C)に示したようなゾーンプレートを用いた回折光学系等が知られている。

    又、X線から真空紫外線域の光を検出する検出器としては、MCP(マイクロチャンネルプレート),チャンネルトロン,CCD,イメジングプレート,X線フィルム,フォトレジスト等が知られている。

    MCPは、一般に、荷電粒子や光の検出に広く用いられる、高い効率の電子増倍器である。 典型的なMCPは、第3
    5図(A)に示されるような形をしている。 直径が10〜5
    0μm程度の多くのチャンネルは、第35図(B)に示した如く、MCPの前面と後面の電極に依って電気的に並列に結合されており、該電極に大きなバイアス電圧が供給されている。 荷電粒子や光を照射すると、光電効果に依ってマイクロチャンネル内に電子が発生し、それがまたチャンネル壁に衝突して電子を倍増していき、最終的に非常に大きく増幅された出となる。

    GWFraserは、X線域から真空紫外線域の光を検出するMCPについて、特に波長が0.6Åから600Åの領域でのM
    CPの量子検出効率について述べている(Nuclear Instru
    ments And Methods 195(1982)p532〜538)。 量子検出効率QEは入射光子の数に対する放出電子の数の割合を意味し、光子の入射エネルギーE(但し、Eは波長λとλ
    (Å)=12400/E(ev)という関係があり、等価である。 )と光子の入射角θの関数QE(θ,E)で表される。
    第36図(A)は、波長λの光に対するMCPの量子検出効率QE(10°,λ)を示している。 また、第36図(B)
    は、MCPにCsIフォトカソードを組み合わせて量子検出効率を高め、そのQE(8°,λ)と波長λの関係を示したものである(Appl.Opt./vol.21 no.23/P4206(198
    2))。

    又、第37図は、フォトレジスト(PMMA)の吸収スペクトルを示している(日本分光学会第21回夏期セミナーP8
    1)。

    〔発明が解決しようとする課題〕

    ところで、X線光学系は、反射光学系,回折光学系のいずれも特定の選ばれた波長域のX線に適合するように設計されるものであるが、上述の反射光学系は真空紫外線のような長波長の光に対して高い反射率を有し、回折光学系は長波長の光を回折し短波長の光を通過させるなど、選ばれた波長以外の波長の光も像面に入射させる性質を持っている。 また、検出器も上述の如く大体において相当広い波長範囲に応答する性質を持っている。 従って、X線光源が白色光源の性質を持っていると所望の波長域以外の光も光学系を通って検出器で検出され、ノイズとして混入することになる。

    このため、従来は分光器を用いてX線光源から所望の波長域の光のみを選ぶようにしてノイズを除去しているが、分光器を用いると装置の大型化,高価格化等の問題があった。

    本発明は、上記問題点に鑑み、X線光源に白色光源を用いた場合でも装置の大型化,高価格化等を招かずにX
    線光源から所望の波長域の光を感度良く検出することができるX線顕微鏡を提供することを目的としている。

    〔課題を解決するための手段及び作用〕

    本発明によるX線顕微鏡は、白色のX線光源と、このX線光源から放射された光を集光する多層膜光学系と、
    試料を載置するステージと、X線域から真空紫外線域までの波長の光に対して感度を有する検出器とを備えたX
    線顕微鏡において、前記X線光源から前記検出器に至る光路中に、前記X線光源から放射される光のうち長波長成分を除去する第1のフィルター手段と短波長成分を除去する第2のフィルター手段とを設けたことを特徴としている。

    さらに、前記第2のフィルター手段は前記多層膜光学系で構成している。 また、前記ステージが大気中に配置され、前記第1のフィルター手段は真空と大気とを分ける窓となっている。 さらに、前記試料の観察に用いる波長は20〜44Åである。

    斯かる構成によれば、フィルター手段を設けることにより不要の光が検出器に入射することを防ぐことができるため、簡易な構成でノイズの少ない物体像を得ることができる。

    又、本発明においては、第1のフィルター手段として前記X線光源からの光の一部を吸収する吸収フィルターを用いることができる。 また、第2のフィルター手段として前記X線光源からの光の一部を反射する斜入射鏡を用いることができる。

    以下、これについて詳細に説明する。

    X線等の高エネルギーの光の光路中に厚さdの物質層をもうけると、該物質層の分光透過率t(E)は物質の吸収係数をμ(F.Biggs“Analytical Approximations f
    or X−Ray Cross Sections II,"Sandia Lab.Research R
    eport SC−PR−710507(1971))として、 t(E)=e×p(−d・μ) ……(1) により与えられる。 μは物質の種類と入射する光のエネルギー(即ち波長)に応じて定まる量であるが、一般に光のエネルギーが大きくなるに従って小さくなる傾向を有している。 従って、この種の物質層はハイパスフィルターとしての作用を有しており、物質層の材質と厚さを選定することにより所望の分光特性を持ったハイパスフィルター(X線フィルター)とすることができる。

    第1図は、前式(1)に従って計算したd=0.5μm
    のFeフィルターの分光透過率特性を示している。 この図から明らかなように、このX線フィルターは低エネルギー側の光の透過率を低く抑えるので、光子エネルギーに対してハイパスフィルターの役割を果たす。 また、フィルター材やフィルターの厚さを変えることにより、低エネルギー側のカットオフを選択することが出来る。

    次に、平面鏡に特定の斜入射角で光線が入射したときの反射率は、次式で与えられる。 即ち、 R={(θ−a) 2 +b 2 }/{(θ+a) 2 +b 2 } ……(2) となる。 但し

    である。

    ここで鏡面の物質の複素屈折率はn c =1−δ−iβと書ける。 さらに、δ,βは、 δ=(N a・r e・λ 2・f 1 )/2π β=(N a・r e・λ 2・f 2 )/2π であって、N aは単位体積中の原子数、r eは古典電子半径、λは光線の波長、f 1 ,f 2はHenkeの表中の散乱及び吸収因子(ATOMIC DATA AND NUCLEAR DATA TABLES vol.
    27,no.1,P1−144(1982))である。 また、θは光線の斜入射角である。

    斜入射鏡は、第2図(前式(2)より計算した、斜入射角θのPt反射面における反射率の波長λ依存性)に示すように、特定の角度(2°,3°,5°,7°)で様々な波長の光を入射した時に短波長側の光の反射率を低く抑える効果を有する。 即ち、光子エネルギーに対しては高エネルギーの光を抑えるローパスフィルターの役割を果たす。 また、鏡面材や斜入射角を変えることにより、高エネルギー側のカットオフを選択することができる。

    従って、X線フィルター及び斜入射鏡を併せて用いればバンドパスフィルターを形成することができる。

    尚、一般的に、この波長領域のためのフィルターとしては、厚みは、(当然物質によるが)0.05μm〜数μm
    程度が適当である。 これ以上厚いと軟X線までがカットされてしまうし、これ以上薄いと真空紫外線等の長波長光が遮蔽できない。 またこれより薄いフィルターは現在の製作技術やフィルターの強度の点で困難がある。

    〔実施例〕

    以下、図示した実施例に基づき本発明を詳細に説明する。

    第1実施例 第3図は、ウオルター光学系を備えた走査型X線顕微鏡の概略構成を示す図である。 図において、ウオルター光学系は光軸の片側しか示していないが、環状の楕円鏡1と双曲面鏡2とが同軸的に連接された構成を有している。 そして、楕円鏡1の焦点F 1にX線光源Oが配置され、このX線光源Oから放射された光が楕円鏡1,双曲面鏡2の順に反射されて、双曲面鏡2の焦点F 2に集光される。 この位置に試料を乗せるステージ3が設けられている。 そして、試料を透過した光はX線フィルター4を介して検出器5に導かれる。 ステージ3は光軸に垂直な面内で二次元移動が可能であり、この移動により光スポットで試料を走査することができる。

    ここで、X線光源Oとしては第33図(B)に示した如き特性を有するレーザプラズマ光源が、X線フィルター4としては第1図に示した如き特性のFeフィルターが、
    検出器としては第35図に示した如きMCPが夫々用いられている。 尚、図示されていないが、全体が真空容器中に入れられている。 又、走査方法としては、光軸上に斜入射鏡などを新たに設けて集光光を振る方法がある。

    本実施例において、規格化された光源スペクトルの特定の波長λの検出効率G(λ)は、

    である。 但し、I(λ)はプラズマ光源の分光スペクトル、ImaxはI(λ)の最大値、α(λ)はウオルター光学系の集光効率=∫R

    1・R

    2 dω(積分範囲は光学系に光線が入射できる有効立体角)、R

    1は楕円鏡1における反射率、R

    2は双曲面鏡2における反射率、t(λ)はX線フィルター4のX線透過率、QE(λ)は検出器5の検出効率である。

    第4図は本実施例に好適な、Pt反射鏡で構成されるウオルター光学系を示しており、第5図はその場合の集光効率α(λ)の波長依存性を示している。

    第6図は、本実施例の具体例、即ち光学系としては第4図に示した如きウオルター光学系を採用し、X線光源Oとしては 第33図(B)に示した如き分光スペクトルのレーザプラズマ光源を、X線フィルター4としては第1図に示した如き分光透過率特性を有するフィルター即ち0.5μm厚のFeフィルターを、検出器5としては第36図(A)に示した如き特性のMCPを夫々想定したものについて、前式(3)より計算したG(λ)を示している。 この図から明らかなように、検出効率のS/N比が10%程度にとどまるような(即ち最も検出感度の高いところからの感度の低下が10%程度であるような)高感度のところで考えると、X線フィルター4を用いない例(比較例)の特性(第7図)と較べて、検出される光子エネルギーは230e
    v以上となり、従って長波長光は55Å程度までカットされていることが分かる。

    第2実施例 第8図は第3図の光学系において試料の射出側に斜入射鏡6を設け、試料を透過した光を斜入射鏡6で反射させた後X線フィルター4を介して検出器5に入射させるようにしたウオルター型軟X線走査型顕微鏡の概略構成を示す図である。

    本実施例の波長λの検出効率G(λ)は、

    である。 但し、R(λ)は、斜入射鏡の反射率である。


    この斜入射鏡6の反射率特性は第2図に示した通りである。

    第9図は、本実施例の具体例として第6図の例に更に斜入射角5°のPt斜入射鏡を加え、前式(4)に従って計算したG(λ)を示している。 この図から明らかなように、第6図と較べて検出される光子エネルギーは700e
    v以下となり、従って短波長域が18Å程度までカットされることが分かる。

    第3実施例 第10図は、光学系としては第4図に示した如きウオルター光学系を採用し、X線光源Oとしては第33図(A)
    に示した如き分光スペクトルのシンクロトン放射光源をX線フィルター4としては第11図に示した如き分光透過率特性を有するフィルター即ち0.4μm厚のNiフィルターを、検出器5としては第36図(A)に示した如き特性のMCPを夫々想定したものについて、前式(3)より計算したG(λ)を示している。 この図から明らかなように、検出効率のS/N比が10%程度にとどまるような、高感度のところで考えると、X線フィルター4を用いない例(比較例)の特性(第12図)と較べて検出される光子エネルギーは300ev以上となり、従って長波長光は41Å
    程度までカットされていることが分かる。

    第4実施例 第13図は、生体用軟X線走査型顕微鏡の概略構成を示す図である。 この場合、X線光源Oから放射され光学系7で集光された光は、真空チェンバー8の窓材9を通って大気中の試料を走査し、再び真空チェンバー10の窓材
    11を通った後検出器5で検出される。 この時、波長λの検出効率G(λ)は、

    である。 但し、t

    1 (λ)は窓材9のX線透過率、t


    2 (λ)は窓材11のX線透過率、AIR(λ)は試料及びステージ3のある大気層のX線透過率である。

    このように、生物を生きたまま観察する場合、試料及びステージ3は大気中に設置する必要があり、真空チェンバー8,10内の顕微鏡本体及び検出部とは、第14図に示すように各々窓でわける工夫が必要である。 この窓として前記X線フィルターを用いれば、真空と大気を分ける窓材9,11が得られるとともに、不必要な低エネルギーの光をカットすることができる。

    さらに、顕微鏡本体と検出部の間の大気層は、例えば第15図に示した分光透過率(前式(1)により計算した、大気の主成分であるN 2 (d=650μm)の分光透過率である。)に示すように、それ自体が低エネルギーの光を減衰させるハイパスフィルターとなるので、このように大気層があっても、性能の良いハイパスフィルターを設計することが出来る。

    第16図は、本実施例の具体例、即ち光学系7としては第4図に示した如きウオルター光学系を採用し、X線光源Oとしては第33図(A)に示した如き分光スペクトルのシンクロトロン放射光源を、窓材(X線フィルター)
    9,11としては夫々0.3μm厚のBeフィルター(2枚合わせて成る0.6μmのBeフィルターの分光透過率は第17図に示されている通りである。)を、大気層としては650
    μmの厚さのもの(この分光透過率は第15図に示した通りである。)を、検出器5としては第36図(A)に示した如き特性のMCPを夫々想定したもについて、前式(5)より計算したG(λ)を示している。 この図から明らかなように、S/N比10%以上で検出される波長域は、60Å程度以下となていることが分かる。

    第5実施例 第18図は第13図の光学系において試料の射出側に斜入射角2°のPt斜入射鏡を設けた場合の波長λの検出効率G(λ)を示している。 この図から明らかなように、第
    16図と比べて短波長域が15Å程度までカットされることがわかる。

    第6実施例 第19図は、第13図において、光学系7としては第4図に示した如きウオルター光学系を採用し、X線光源Oとしては第33図(A)に示した如き分光スペクトルのシンクロトロン放射光源を窓材(X線フィルター)9,11としては夫々0.3μm厚のNiフィルター(分光透過率は第20
    図に示されている通りである。 ),0.3μm厚のAlフィルター(分光透過率は第21図に示されている通りである。)を、大気層としては50μmの厚さのもの(この分光透過率は第22図に示した通りである。)を、検出器5
    としては第36図(A)に示した如き特性のMCPを夫々想定したものついて、前式(5)より計算したG(λ)を示している。 この図から明らかなようにこのように異なる物質を組み合わせて窓材を構成することにより、Alフィルターのようにこの程度の厚さでは単独で用いると低エネルギー領域(すなわち長波長側)で分光透過率を有する物質も、窓材として用いることができる。 即ち、第
    19図より、S/N比が10%以上で検出される波長域は、41
    Å程度以下となっていることが分かる。

    第7実施例 第23図はシュヴァルツシルド型軟X線走査型顕微鏡の概略構成図を示す図である。 この場合、X線光源Oから放射され、シュヴァルツシルド光学系12で集光された光はステージ3上の試料を走査し、X線フィルター4を通った後検出器5で検出される。

    シュヴァルツシルド光学系は、第24図に示されるように鏡面に施した多層膜の影響で、それ自身軟X線領域における波長分散性が顕著である(第24図は、波長39.8
    Å,入射角6°という条件で最適設計した(波岡武 精密工学会誌52/11/1986 P1843参照)Ni−Si、201層の多層膜の波長分散性を示している。 )ところが、真空紫外線以上の長波長光では再び反射率が高くなるので、それをカットするために、X線フィルター4が有効である。

    第25図は本実施例に好適な、試料側開口数0.25,倍率1
    00倍のシュヴァルツシルド光学系を示しており、これを構成する凹面鏡12 1 ,凸面鏡12 2上には以下の仕様の多層膜が被覆されている。

    Ni−Si 201層 膜厚 凹面鏡12 1 Ni=9.1Å Si=11.1Å 凸面鏡12 2 Ni=9.2Å Si=11.3Å そして、第26図はその場合の集光効率α(λ)の波長(即ちエネルギー)依存性を示している。

    第27図は、本実施例の具体例、即ち光学系としては第
    25図に示した如き多層膜シュヴァルツシルド光学系を採用し、X線光源としては第33図(A)に示した如きシンクロトロン放射光源を、X線フィルター4としては第一に示した如き分光透過率特性を有するフィルター即ち0.
    5μm厚のFeフィルターを、検出器5としては第36図(A)に示した如き特性のMCPを夫々想定したものについて、前式(3)より計算したG(λ)を示している。
    この図から明らかなように、X線フィルター4を用いない例(比較例)の特性(第28図)と較べて、明らかに真空紫外線のような長波長光がカットされていることがわかる。

    第8実施例 第29図は、ゾーンプレート型軟X線走査型顕微鏡の概略構成を示す図である。 この場合、X線光源Oから放射され、ゾーンプレート13(第35図(C)参照)で集光された光はピンホール14を通った後ステージ3上の試料を走査し、X線フィルター4を通った後検出器5で検出される。 本実施例においても、ピンホール14より回析した長波長光や透過した短波長光が結像に悪影響を及ぼすため、X線フィルター4が有効である。

    第9実施例 第30図は、結像型のX線顕微鏡の概略構成を示す図である。 結像型は走査型と異なり、所定の大きさの物体像を形成することにより物体を動かすことなくある大きさのものの像を観察できるものである。

    本実施例では、X線光源Oからの放射をステージ3上の試料に照射し、試料を透過した光を結像型光学系15で結像させて試料の像をX線フィルター4を介して検出器5の位置に形成させるようになっている。 X線光源Oと試料の間には必要に応じてコンデンサレンズを設けても良い。

    第10実施例 第31図は、第30図の光学系において結像型光学系による試料の像の結像位置に斜入射鏡6を配置し、試料を透過した光を斜入射鏡6で反射させたあとX線フィルター4を介して検出器5に入射させるようにした結像型X線顕微鏡の概略構成を示している。

    第11実施例 第32図は、第31図の光学系をステージ3の部分以外を真空チェンバー8,10内に収容して成る生体用結像型X線顕微鏡の概略構成を示している。

    〔発明の効果〕

    上述の如く、本発明によるX線顕微鏡は、X線光源に白色光源を用いた場合でも装置の大型化,高価格化を招かずにX線光源から所望の波長域の光を感度良く検出することができるという実用上重要な利点を有している。

    【図面の簡単な説明】

    第1図はX線フィルターである0.5μm厚のFeフィルターの分光透過率特性を示す図、第2図はPt反射面を有する斜入射鏡の反射率特性を示す図、第3図は本発明によるX線顕微鏡の第1実施例の光学系を示す図、第4図及び第5図は夫々第1実施例に好適なウオルター光学系とその場合の集光効率の波長依存性を示す図、第6図は第1実施例の具体例の特定波長の検出効率を示す図、第7
    図は第1実施例に対する比較例の特定波長の検出効率を示す図、第8図は第2実施例の光学系を示す図、第9図は第2実施例の具体例の特定波長の検出効率を示す図、
    第10図は第3実施例の特定波長の検出効率を示す図、第
    11図は第3実施例に用いるX線フィルターの分光透過率特性を示す図、第12図は第3実施例に対する比較例の特定波長の検出効率を示す図、第13図は第4実施例の光学系を示す図、第14図は第13図の要部拡大図、第15図は第4実施例に適用される大気層の分光透過率を示す図、第
    16図は第4実施例の具体例の特定波長の検出効率を示す図、第17図は第4実施例の具体例に用いる窓材の分光透過率を示す図、第18図は第5実施例の特定波長の検出効率を示す図、第19図は第6実施例の特定波長の検出効率を示す図、第20図及び第21図は夫々第6実施例に用いる2種の窓材の分光透過率を示す図、第22図は第6実施例に適用される大気層の分光透過率を示す図、第23図は第7実施例の光学系を示す図、第24図は第7実施例のシュヴァルツシルド光学系の多層膜の波長分散性を示す図、
    第25図及び第26図は夫々第7実施例に好適なシュヴァルツシルド光学系とその場合の集光効率の波長依存性を示す図、第27図は第7実施例の具体例の特定波長の検出効率を示す図、第28図は第7実施例に対する比較例の特定波長の検出効率を示す図、第29図乃至第32図は夫々第8
    乃至第11実施例の光学系を示す図、第33図(A)及び(B)は夫々シンクロトロン放射光源及びレーザプラズマ光源の分光スペクトルを示す図、第34図(A),
    (B)は夫々ウオルター光学系,シュヴァルツシルド光学系を示す図、第35図(A),(B)及び(C)は夫々
    MCPの構造、MCPのチャンネルの断面及びゾーンプレートを示す図、第36図(A)及び(B)は夫々MCP及びMCPに
    CsIフォトカソードを組み合わせた場合の量子検出効率を示す図、第37図はフォトレジストの吸収スペクトルを示す図である。 O‥‥X線光源、1‥‥楕円鏡、2‥‥双曲面鏡、3‥
    ‥ステージ、4‥‥X線フィルター、5‥‥検出器、6
    ‥‥斜入射鏡、7‥‥光学系、8,10‥‥真空チェンバー、9,11‥‥窓材、12‥‥シュヴァルツシルド光学継手、12 1 ‥‥凹面鏡、12 2 ‥‥凸面鏡、13‥‥ゾーンプレート、14‥‥ピンホール、15‥‥結像型光学系。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl. 6 ,DB名) G21K 1/00 - 7/00 G05H 13/04 G01N 23/04

    QQ群二维码
    意见反馈