ミュージック・ボックス又は打鈴機構付き時計の音響膜

申请号 JP2011258257 申请日 2011-11-25 公开(公告)号 JP5863416B2 公开(公告)日 2016-02-16
申请人 モントレ ブレゲ エスエー; 发明人 ジェローム ファブレ; ナキス カラパティス;
摘要
权利要求

ミュージック機能付き時計又は打鈴機構付時計の音響膜(1)において、 前記音響膜(1)は、第1シート(2)と第2シート(3)とを有し、 前記第1シート(2)は、第1厚さを有し、所定数の開口であるセル(5)が形成されており、 前記第2シート(3)は、セルが形成されておらず、 前記第1シート(2)は、前記第2シート(3)の第1表面に配置されている ことを特徴とするミュージック機能付き時計又は打鈴機構付時計の音響膜。前記音響膜(1)は、第3シート(4)を更に有し、 前記第3シート(4)は、セル(6)が形成されており、 前記第3シート(4)は、前記第2シート(3)の第2表面に配置される ことを特徴とする請求項1記載の音響膜。前記3枚のシートの内の少なくとも1枚はアモルファス金属又は金属ガラスで形成される ことを特徴とする請求項2記載の音響膜。前記第2シート(3)は、金製又はチタン製であり、 前記第1と第3のシート(2,4)は、アモルファス金属、金属ガラス、金、チタンのいずれかで形成される ことを特徴とする請求項3記載の音響膜。前記第1シート(2)に形成されたセルの数又は第3のシート(4)に形成されたセルの数は、前記音響膜(1)により放出される可聴周波数範囲内にある音の数と同一である ことを特徴とする請求項1−2のいずれかに記載の音響膜。前記セルの数は、10個以上15個以下であり、これにより打鈴機構付時計により生成される10個以上15個以下の音を均一に増幅する ことを特徴とする請求項5記載の音響膜。前記第1シート(2)のセル(5)は、前記第3シート(4)のセル(6)に対向して配置される ことを特徴とする請求項5−6のいずれかに記載の音響膜。前記第1シート(2)のセル(5)は、第1の音を発し、 前記第3シート(4)のセル(6)は、第2の音を発する ことを特徴とする請求項2記載の音響膜。前記音響膜(1)はセル(5)のある複数のシートとセルのないシートとを有し、 前記セルのないシートは、前記セル(5)のあるシートの間に挿入され、 前記シートの全ては、互いに接着あるいはハンダ付けされ、 前記セル(5)のあるシートは、所定の音を発する ことを特徴とする請求項8記載の音響膜。前記シートの厚さは、0.2mmであり、 前記音響膜の全厚は、1mm以下であり、 前記音響膜は、直径が20mm−40mmの範囲の円形状である ことを特徴とする請求項1,2,8,9のいずれかに記載の音響膜。ケースを有する打鈴機構付時計(10)において、 前記ケースは、中間部品(14)と、バック・カバー(15)と、風防ガラス(12)から構成され、前記ケース内にムーブメント(20)とを有し、 前記バック・カバー(15)は、側面に開口(16)を有し、 前記バック・カバー(15)は、前記中間部品(14)に取り外し可能に封止しながら取り付けられ、 前記風防ガラス(12)が、前記ケースに封止しながら取り付けられ、 前記ムーブメント(20)は、打鈴機構と、請求項1−10のいずれかに記載の音響膜(1)とを具備し、 前記打鈴機構は、所定の時間に駆動されて、音を生成する ことを特徴とする打鈴機構付時計。前記音響膜(1)は、前記ケースのバック・カバー(15)の内側エッジと、前記中間部品(14)の一部に保持され、 前記音響膜(1)の周囲は、前記音響膜(1)の周囲で、前記中間部品(14)と、前記バック・カバー(15)の内側エッジの間に、挟まれる ことを特徴とする請求項11記載の時計。前記音響膜(1)は、凹形状をしており、 前記凹形状の上部エッジは、環状支持部材により、前記中間部品(14)と、前記バック・カバー(15)の内側環状エッジの間にクランプされ、環状のシーリングガスケット(18)が、前記バック・カバー(15)のエッジと膜の環状エッジの間に配置され、 前記音響膜(1)の中心部分は、前記エッジ部分(21)と、前記バック・カバー(15)の内側表面とは接触しておらず、これにより空間(17)が形成され、前記音響膜(1)が自由に振動できる ことを特徴とする請求項12記載の時計。複数の音響膜(1)が、互いに分離して又は互いに重ねて配置される ことを特徴とする請求項11記載の時計。

说明书全文

本発明は、ミュージックボックス(例、音楽を奏でる時計又は打鈴機構付時計)に関する。

本発明は音響膜(acoustic radiating membrane)を有する時計に関する。この種の時計は、中間部品とバックカバーから構成されるケースを有する。このバックカバーは中間部品に取り外し可能に封止しながら固定される。風防ガラスが、バックカバーの反対側で中間部品に配置されて、ケースを封止する。時計のムーブメントは、このケース内に配置され、打鈴機構を具備する。この打鈴機構は所定の時間にサウンド又は音楽(以下。「音」と総称する)を生成するように駆動される。音響膜(以下、単に「膜」とも称する)は、ケースに接続され、打鈴機構で生成された音を外部に放出する。

時計の分野においては、従来構造の時計のムーブメントは、打鈴機構を有する。この打鈴機構は、サウンドとゴングを介して生成する。このサウンドはゴングを所定の時間にハンマーで打つことによりプログラムされたアラームあるいはリピーターを構成する。ゴングは円形の金属製ワイヤであり、この金属製ワイヤが時計のフレーム内のムーブメントの部品を包囲する。ゴングはゴング搭載装置に取り付けられる。このゴング搭載装置は、底部のプレートあるいは時計のケースと一体に構成される。

スイス特許第581860号

打鈴機構は、複数の舌状部材を具備したピンバレルで音を生成する。これは実際には、音楽用の時計内のシリンダーあるいはディスクのピンにより駆動される。ピンバレルの舌状部材は同一のヒールに連結され、このヒールが底部プレートあるいは時計のケースに固定される。回転するシリンダーあるいはディスクのピンにより、舌状部材の自由端が持ち上げられる。この舌状部材がピンの動作により曲げられるた後、舌状部材はピンにより解放される。この駆動された舌状部材が第1の固有振動数で振動する。

打鈴機構付時計又は音楽を奏でる時計(以下、これらを「打鈴機構付時計」と総称する)のゴング(鐘、又は鈴)又はピンバレルが、時計のケース内に配置されている。かくしてゴングの振動又はピンバレルの舌状部材の振動が、時計の外部部品に伝達される。外部部品の一例は、中間部品、ベゼル、風防ガラス、バックカバーである。これらの大きな部品が、伝達される振動で、音を空気中に放出する。音が、ハンマーで叩かれたゴングにより又はピンバレルの舌状部材により生成されると、この外部部品は、生成された音を大気中に放出する。

従来の打鈴機構付時計においては、音響効率は、外部部品の振動から音への変換(vibro-acoustic transduction)の複雑さにより低い。打鈴機構付時計のユーザが感知できる音響レベルを改善する(上げる)ためには、外部部品の形状や境界条件を考慮しなければならない。これらの外部部品の構造は、時計の審美的概観や動作時の応に依存し、最良の変更にすることは必ずしもできない。

時計製造の技術分野においては、振動から音への変換に専用の音響膜を、時計、特に電子時計内に使用することは公知である。電子時計において、この種の膜を活性化するために、ピエゾ電子素子が、膜上に配置され、膜を振動させる。この構成は、特許文献1に開示されている。膜の音響発生(発音)が、封止されている時計内で失われるのを阻止するために、二重のバックカバーを時計のケースに具備し、それらを外部に向かって解放しなければならない。この場合、時計ケースのバックカバーは、開口を有し、そこを介して振動する膜からの音を伝搬する。

音響膜を具備した電子時計の場合においては、前記膜のシーリングと腐食に関連する問題が発生する。この膜の第1の固有振動数は、効率的な放射モードであるが、有効な音響周波数帯域内になければならない。一方第2の固有振動数は、非効率的なモードであるが、可聴周波数帯域外になければならない。有効な音響周波数帯域は、1kHz−4kHzの間にある。膜の境界条件と形状により、物理的特性、例えば密度とヤング率は、第1と第2の固有振動数に適合しなければならない。音響膜はスチール製であり、第1と第2の固有振動数は、最適に上記の条件を満たすことはできない。更に急速なダンピングが観測され、これは又別の欠点である。

一般的に、従来の音響膜の使用においては、周波数帯域の問題がある。音響膜をミュージックボックスに具備する場合には、放出される周波数は、通常1kHzと4kHzの間になければならない。分リピーター、アラーム、晶アラーム等を具備する打鈴機構付時計の場合、優れた結果は、励起に同調した1つの主要周波数を増幅することにより、得られる。

標準的な打鈴機構付時計は音響膜を具備するが、音響膜は中間部品の部品とバックカバーの間に挟まれている。高級時計のバックカバーは貴金属(例、金)製である。電子化学電位の差(difference in electrochemical potential )が、スチール製の膜と金製のバックカバーとの間の接点で発生する。特に湿度の高い状態においては顕著である。これにより、金製のバックカバーと接触している膜が腐食し、別の問題が発生する。その為、金との電位の差がなくかつ低い内部ダンピング(internal damping)を有する腐食に強い材料を見出さなければならない。

本発明の目的は、前述した従来技術の欠点を解決することである。本発明は、ミュージックボックス又は打鈴機構付時計用に音響膜を具備することにより、可聴周波数帯域(例、1kHz−4kHzの周波数帯域)において、均一な音響効率を提供することである。

本発明は請求項1に記載した特徴を具備する音響膜である。この音響膜の特に好ましい実施例は請求項2−12に記載している。 本発明の音響膜の利点は、音響膜が突起部を有するか、あるいはある数のセルを有する点である。この突起部は、第1の厚さで、膜の全厚さよりも薄い。これらのセル又は突起部の寸法と形状は、膜の材料と効率的な放射を必要とする音に依存する。 本発明の音響膜は、複数枚のシートから形成される。その内の1枚のシートは第1の厚さを有し、ある数のセルを具備し、セルは、正六形の形状をしており、好ましくはハニカム構造(同一形状を有する正六角形を並べる構成)で分布して配置されている。各セルの形状と寸法は、効率的に放出される音に基づく。かくして第1シートは、任意の寸法の複数のセルを有し、それに見合った数の音色を放出する。これにより全体的な音響レベルが上がり、それをミュージックボックスあるいは打鈴機構付時計のユーザが関知できる。この打鈴機構付時計内に音響膜が配置されている。 本発明の音響膜は、第1シートと第2シートと第3シートとを有する。第1シートはハニカム構造で均一に分布したセルを有する。この第1シートは、第2シートの表面に取り付けられる。第2シートはセルを有さない。第3シートはハニカム構造に配列されたセルを有し、第2シートの裏面に取り付けられる。 第2シートは金製のシートであり、第1シートと第3シートは、アモルファス金属、金属ガラス、金製のいずれかである。セルのある複数のシートを配列することにより、有効な音響周波数帯域(即ち1kHz−4kHz)の固有振動数の数を増やす。これにより全体的な音響レベルを向上させる。この種の膜を具備することにより、極めて低いダンピングが観測され、これにより良好な音響効率を提供できる。

本発明の音響膜を構成する様々なシートの展開図。

本発明の音響膜を構成する組立られたシートの斜視図。

本発明の音響膜を具備したミュージック機能付き時計の部分断面図。

図1の実施例のおいて、音響膜1は、第1シート2を有する。この第1シート2は複数のセル5を有し、このセル5は同一寸法あるいは異なる寸法でもよい。第1シート2は、第2シート3の第1面に結合あるいはハンダ付けされる。第2シート3は、セルが形成されておらず、時計内のあるレベルのシールを確実にする。セル6を具備する第3シート4が、第2シート3の第2面に結合あるいはハンダ付けされる。第1シート2のセル5は第3シートのセル6に対向して配置される。セル5,6は、同一寸法あるいは異なる寸法でもよい。音響膜1が第1厚さの第1シート2と、第2厚さの第2シート3のみを有する構成でもよい。各シートの厚さは0.2mm以下で好ましくは0.1mmである。

第1シート2と第3シート4にそれぞれ形成されたセル5,6は、規則正しく互いに離れて配置されて、6個の同一の側面を有するハニカム構造を構成する。図1には3個のセルのみが示されているが、音響膜1はこれ以上の数のセルを具備して、音響膜1の表面の大部分を占めてもよい。他のセル形状、例えば円形、楕円形でもよいが、ハニカム構造により膜の表面にセルを形成するのが好ましい。可聴周波数帯域内で均一の増幅率の特定の音色を放出するために、第1シート2のセル5は全て同一形状かつ同一寸法である。この寸法は、第1シート2の材料と第2シート3の材料により決定される。

セルのサイズが大きくなると、対応する周波数の低音が大きくなる、即ち低周波になる。小型のセルに対しては、音響膜1の全厚を大きくすると、放射される音色が高くなる。膜の全厚は、1mm以下である。

複数の音が音響膜により生成される場合には、第1シート2又は第3シート4のセル5,6は、特定の音色の合わせるよう寸法が決められる。かくして最小の膜の数が規定され、それらが1kHz−4kHzの間の第1の固有振動数の均一な増幅率の特定の音色の効率的発散が達成される。第1シート2又は第3シート4のセルの数は、時計で生成される音色の数と同一である。10個−15個の間の音色を同一の音響膜で効率よく生成するためには、10個−15個の間の数のセルを形成しなければならない。

音響膜1のシート2,3,4は、金属材料で形成され、各シートは、同一材料あるいは異なる材料でもよく、あるいは3枚のシートの少なくとも1つは金属ガラスでもよい。セルのない第2シート3が金又はチタン製であり、シート2,4がアモルファス金属又は金属ガラスである。全てのシートを金又はチタン製にして同一材料の膜を形成することもできる。

音響膜1を形成するために、第1シート2と第3シート4の上にそれぞれセル5,6を生成し、その後このシートを第2シート3に接着あるいはハンダ付けで固定する。第1シート2と第3シート4内のセル5,6は、打ち抜きあるいはエッチングで形成される。

本発明の音響膜1は、セルのある複数のシートと、セルのないシートとを有し、セルのないシートをセルのあるシートの間に挟む。これらのシートの全ては互いに接着あるいはハンダ付けされる。各シートは、同一厚さ(例えば0.1mm)である、あるいは互いに異なる厚さを有する。しかし膜の全部の厚さは、選択された材料により、1mm以下でなければならない。セルのあるシートは、複数の音色の中から所定の音色を均一の増幅率で放射する。

図2において、全てのシートが組立られる。この音響膜1は、打鈴機構付時計の組立用であり、直径が20mmと40mmの間、好ましくは31mmの円形をしている。この音響膜1は平坦あるいはドーム形状であり、これを図3に示す。

セル5を有する第1シート2を音響膜1の全厚の内の第1の厚さの上に配置する代わりに、突起部を、前記音響膜1の第1の厚さの上に形成することもできる。この突起部(図示せず)は、膜のセルのないベースと一体に構成される。この突起部はハニカム構造で、それぞれ特定の音色を効率よく発生するようにチューニングされている。

図3において、時計10は、本発明の音響膜1を有する。これにより打鈴機構により生成された音色の音響効率を改善する。この音響膜1は、複数枚のシート2,3,4から構成される。シート2,4は、それぞれセル5,6を有し、中間のシート3は、セルを有さない。セルを有するシート2,4は、アモルファス金属、金属ガラス等で形成される。これらは腐食に強い材料である。中間のシート3は、金製又はチタン製である。音響膜1の厚さは、1mm以下である。

時計10は、ムーブメント20を有する。このムーブメント20は、支持プレート24に搭載される。エッジ部分22は、支持プレート24に固定されて、時計のフレームを形成する。支持プレート24とエッジ部分22は、金属材料製である。

ムーブメント20は、打鈴機構(図示せず)を有する。この打鈴機構は、ゴング(鐘)と、それを打つハンマーとを有する。ゴングは、支持プレート24と一体に形成されたゴング搭載装置に搭載される。ハンマーは、所定の時間にゴングを打つように、プレート上に回転可能に搭載される。通常円形のゴングは、打鈴機構付時計のムーブメントの様々な部品を包囲して配置される。この打鈴機構は、プログラムされた時間に鳴るアラームの時分リピーターを示す。

音楽を奏でる時計の実施例においては、打鈴機構は、一組の舌状部材を具備するピンバレルを有する。このピンバレルはヒールに取り付けられる。このヒールが支持プレート24に取り付けられる。音楽的な音色(即ち一連の音)は、ピンバレルの舌状部材の振動により生成される。各舌状部材は、特定の音色を生成するよう構成されるが、複数の舌状部材で形成してもよい。その結果、各複数のグループが同一の所定の音色を生成することができる。所定の時間に音楽を奏でる為に、ピンバレルの舌状部材を、立ち上げ、その後、ピン(支持プレート24上の回転するディスク(即ちシリンダー)と一体に形成される)で解放することにより、音を発する。各駆動された舌状部材は、第1固有振動数で振動する。この舌状部材により生成された信号は、時計の外部部品に伝達され、これにより各振動する舌状部材により生成された音が発せられる。

この実施例において、音響膜1はドーム(凹)形状をしており、そのトップエッジは、環状ガスケット18で、バック・カバー15の内側環状エッジに封止しながら搭載される。この音響膜1の直径は、風防ガラス12の直径と同一であり、20mmと40mmの間である。好ましくは31mmに近い。環状支持部材21は、支持プレート24を、エッジ部分22の側面に支持し、音響膜1の上部エッジに止める。中間部品14がバック・カバー15に取り付けられると、環状支持部材21と音響膜1の周辺エッジは、中間部品14とバック・カバー15のエッジの間に、挟まれる。

バック・カバー15は、公知の方法で中間部品14に、シーリング・ガスケット19で取り外し可能に搭載できる。時計の風防ガラス12は、ベゼル13に取り付けられ、時計のケースを封止して閉じる。文字板23は中間部品のエッジに保持されて、風防ガラス12の下に配置される。機械式時計10においては、時間指針(図示せず)が文字板に配置される。この文字板はその周囲に時間を表す記号を有する。

音響膜1の中心部分は、環状支持部材21とバック・カバー15の内側とは接触していない。従って十分な空間17がケースに形成され、音響膜1が、自由に振動する即ち音を発することができる。音響膜1とバック・カバー15が、かくして二重のバックカバーを構成する。側面開口16が、バック・カバー15を側面方向に横切って形成され、これにより、音響膜1が、打鈴機構により生成された音を外部に向けて発することができる。

打鈴機構の動作中、前記打鈴機構により生成された音(振動)は、直接音響膜1に送られ、それを振動させる。連結部品21,22,24は、この振動をその端部で、音響膜1に送る。音響膜1は、底板4に削られた楕円形状領域2,3の領域を有するために、音響膜1は、音(振動)の数に従って、複数の固有振動周波数で振動する。第1固有振動周波数は、1kHz−4kHzの範囲内にある。第2固有振動周波数は、4kHz以上である。第2固有振動周波数は、音を消す(ただし人には聞き取れない)ものだから、好ましくない。 一部アモルファス金属製の音響膜の固有振動周波数は、その物理的特性(例、密度とヤング率)に依存する。更にこの種の音響膜1は、ダンピングレベルが非常に低いため、より高レベルの音響効率を提供できる。更に第2固有振動周波数の破壊的緩衝作用が緩和されるが、これは第2固有振動周波数が第1固有振動周波数に近く、互いに直交する場合である。言い換えると、音響膜1は、純粋な第2固有振動周波数では振動しない。

音響膜は、耐腐食性材料で形成されるために、貴金属(例、金製)のバックカバーに搭載することもできる。湿度の高い環境下でも、電気化学的な電位差は観測されない。このことは、音響膜1とバック・カバー15との間での接触場所で、腐食は起こらないことを意味する。

音響膜を形成するために用いられる金属ガラス又はアモルファス金属は、チタン、ジルコニウム、又はベリリュウムをベースにした金属合金である。アモルファス金属の一例は、41%Zr、14%Ti、12%Cu、10%Ni、23%Beを含む。この合金のヤング率は105GPaで、弾性限界は1.5GPaである。アモルファス金属は、57.5%Ptと、14.7%Cuと、5.3%Niと、22.5%Pで形成してもよい。この合金のヤング率は98GPaで、弾性限界は1.4GPaである。

本発明の変形例として、音響膜は、時計の中間部品に配置し、中間部品に形成された開口を介して音響膜の音を放出してもよい。音響膜は時計の外部部品に配置することもできる。この場合ケース内に開口を具備しなければならない。その結果、打鈴機構により生成された音(振動)により音響膜が振動する。複数の音響膜を時計のケース内の複数の場所に又は互いに重ねて配置することもできる。音響膜は円形とは異なる形状を有してもよい。例えば四角形にしてもよく、平坦に構成できる。音響膜は、表側に楕円形状の領域を有し、裏側に別の楕円形状領域を有することもできる。

以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。

1 音響膜 2 第1シート 3 第2シート 4 第3シート 5,6 セル 10 時計 12 風防ガラス 13 ベゼル 14 中間部品 15 バック・カバー 16 側面開口 17 空間 19 シーリング・ガスケット 20 ムーブメント 21 環状支持部材 22 エッジ部分 23 文字板 24 支持プレート 21,22,25 連結部品

QQ群二维码
意见反馈