Ultrasonic sensor

申请号 JP2010147482 申请日 2010-06-29 公开(公告)号 JP2012015594A 公开(公告)日 2012-01-19
申请人 Denso Corp; Nippon Soken Inc; 株式会社デンソー; 株式会社日本自動車部品総合研究所; 发明人 AKIYAMA KEIKO; MATSUURA MITSUYASU; ISOGAI TOSHIKI; SUGIURA MAKIKO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an ultrasonic sensor capable of improving a detection performance of an ultrasonic wave without reducing bonding strength of an acoustic-matching member and a piezoelectric element while reducing the size of the whole device.SOLUTION: A piezoelectric element 2 is covered with an acoustic-matching member 3 which consists of a main oscillation part 5 and an auxiliary oscillation part 6. The thickness of wall parts 8 to 11 of the auxiliary oscillation part 6 and a bottom plate 12 is set to a predetermined threshold or lower. When an ultrasonic wave is received in an oscillation face 4 of the acoustic-matching member 3, the oscillation according to the ultrasonic wave is transmitted to a top face 22 through a contact face 7, and is further transmitted to a bottom face 23 of the piezoelectric element 2 and side faces 24a to 24d through the auxiliary oscillation part 6.
权利要求
  • 超音波を送信する送信素子から送信され被検出体にて反射された超音波を検出する圧電素子と、
    前記被検出体の存在する空間側に露出するとともに前記被検出体にて反射された超音波を受信する発振面を備え、前記発振面で受信した超音波を前記圧電素子に伝達する音響整合部材と、
    前記圧電素子から出力される電圧信号を処理する回路素子と、
    を備え、
    前記音響整合部材は、前記発振面および前記圧電素子に前記超音波を伝達する伝達部が互いに対向して配置された主発振部と、前記伝達部を起点に前記発振面から遠ざかるように延びる補助発振部とから構成され、
    前記圧電素子は、前記伝達部と対向するとともに接触する第1面および前記第1面に直交する周囲部を備え、
    前記圧電素子の前記周囲部は、前記補助発振部により覆われており、
    前記補助発振部の前記圧電素子を覆う部分の厚さは、所定のしきい値厚さ以下になっていることを特徴とする超音波センサ。
  • 前記補助発振部の質量が前記主発振部の質量に前記圧電素子の質量を加算して得られるしきい値質量以下となるように、前記所定のしきい値厚さが設定されていることを特徴とする請求項1記載の超音波センサ。
  • 前記圧電素子は、前記第1面に対向する第2面を備え、
    前記圧電素子の前記第2面は、前記補助発振部により覆われていることを特徴とする請求項1または2のいずれか一つに記載の超音波センサ。
  • 前記音響整合部材および前記圧電素子は、接着部材により接着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の超音波センサ。
  • 前記補助発振部は、第1壁部、第2壁部、第3壁部および前記主発振部の伝達部と前記第1〜3壁部とともに前記圧電素子挿入用の空間を形成する第4壁部を備え、
    前記圧電素子は、前記空間に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の超音波センサ。
  • 前記圧電素子から出力される電圧信号を前記回路素子に伝達する信号線を備え、
    前記補助発振部には、配線用の溝部が形成されており、
    前記信号線は、前記溝部を通じて配線されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の超音波センサ。
  • 前記圧電素子は、超音波を送信する送信素子としても作動可能であり、
    前記圧電素子が送信素子として作動するとき、前記回路素子は、前記圧電素子が送信する超音波を制御する電圧信号を前記圧電素子に対して出力し、前記音響整合部材は、前記圧電素子から送信された超音波を前記発振面から前記被検出体の存在する空間側に送信することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の超音波センサ。
  • 前記音響整合部材は、前記発振面の面積が、前記伝達部の前記第1面と接触する部分の断面積よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の超音波センサ。
  • 前記音響整合部材は、ポリカーボネート系樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の超音波センサ。
  • 说明书全文

    本発明は、超音波を検出する圧電素子と、発振面で受信した超音波を圧電素子に伝達する音響整合部材とを備えた超音波センサに関する。

    圧電素子と音響整合部材とを備えた超音波センサ(例えば、特許文献1、2参照)において小型化を図る場合、超音波(音圧)を受信する発振面(受信面)も小さくなる。 発振面が小さくなると受信できる音波のエネルギーが小さくなるため、小型化を図りつつ超音波の検出性能を維持することは難しい。 このような問題を解決するため、圧電素子と接触する部分(接触面)の面積よりも発振面の面積が相対的に大きくなるように音響整合部材を形成することが考えられる(例えば、特許文献1参照)。 このような構成によれば、発振面が受けたエネルギーが発振面より小さな接触面へと伝達されるため音圧が集中し、検出性能が向上する。 従って、発振面および接触面の上記相対関係が得られるように接触面の面積を減少させることで、小型化を図りつつ超音波の検出性能を維持することが可能となる。

    特開2009−020086号公報

    特開2009−049776号公報

    上記従来技術においては、発振面の面積が一定である場合、接触面の面積を小さくするほど超音波の検出性能が向上する。 しかし、圧電素子は、製造可能なサイズに限界がある。 このため、上記従来技術による検出性能の向上には限界がある。 さらに、音響整合部材における圧電素子との接触面を小さくすることは、音響整合部材と圧電素子との接合強度の低下に繋がる。 このような点において、上記従来技術には改善の余地があった。

    本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置全体の小型化を図りつつ、音響整合部材および圧電素子の接合強度の低下を招くことなく超音波の検出性能を高めることができる超音波センサを提供することにある。

    請求項1記載の手段によれば、音響整合部材は、送信素子から送信され被検出体にて反射された超音波を発振面で受信し、その超音波を圧電素子に伝達するものであり、主発振部および補助発振部を備えている。 主発振部は、発振面と、圧電素子に超音波を伝達する伝達部とが互いに対向して配置された構成となっている。 補助発振部は、伝達部を起点に発振面から遠ざかるように延びている。 圧電素子は、伝達部と対向するとともに接触する第1面を備えている。 圧電素子は、伝達部から第1面に対して加わる振動()、すなわち発振面で受信した超音波(音圧)に応じて振動する。 圧電素子は、圧電効果により、その振動に応じた電圧信号を発生する。 回路素子は、圧電素子から出力される電圧信号に基づいて所定の演算処理を行う。 例えば、送信された超音波と受信された超音波との時間差を求めることにより被検出体との距離測定などが行われる。

    また、圧電素子は、第1面と直交する周囲部を備えている。 その圧電素子の周囲部は、音響整合部材の補助発振部により覆われている。 このような構成により、音響整合部材の発振面で超音波を受信した際、その超音波に応じた振動が伝達部を介して圧電素子の第1面に伝達されるとともに、補助発振部を介して圧電素子の周囲部にも伝達される。 圧電素子は、第1面に伝達される振動に加えて周囲部に伝達される振動にも応じて振動する。 具体的には、圧電素子は、第1面に伝達される振動により第1面と直交する方向(以下、主方向と称す)に圧縮される場合、周囲部に伝達される振動により主方向に直交する方向(以下、補助方向と称す)に引っ張られる。 一方、圧電素子は、第1面に伝達される振動により主方向に引っ張られる場合、周囲部に伝達される振動により補助方向に圧縮される。 つまり、圧電素子において、主方向への圧縮および引っ張り動作が補助されるように、補助方向への引っ張りおよび圧縮動作が行われる。

    このため、第1面のみから振動が伝達される場合に比べ、振動の大きさ(圧電素子の変形量)が増大する。 これに伴い、圧電素子が出力する電圧信号のレベルも高くなる。 このように、本手段によれば、超音波の検出性能(受信感度)を向上することができる。 また、本手段によれば、圧電素子の周囲部を音響整合部材の一部を構成する補助発振部により覆うことにより、圧電素子と音響整合部材との接合強度を高めることができる。

    ただし、補助発振部は、圧電素子の周囲部を覆うものであるため、圧電素子の超音波に応じた振動を妨げる作用も有する。 すなわち、補助発振部は、圧電素子の上記補助方向への振動(圧縮動作、引っ張り動作)を妨げ、ひいては主方向への振動を妨げるように作用する。 従って、上記した検出性能の向上という効果を得るためには、振動を妨げる作用よりも、振動を補助する作用のほうが高くなるようにすればよい。 そこで、本手段では、補助発振部の圧電素子を覆う部分の厚さを、このような関係を満たす所定のしきい値厚さ以下となるようにしている。

    請求項2記載の手段によれば、補助発振部の質量に基づいて上記しきい値厚さを設定する。 補助発振部が圧電素子の振動を妨げる作用は、補助発振部の質量に比例する。 本発明者らは、実験、シミュレーション等を行うことにより、補助発振部の質量が主発振部の質量に圧電素子の質量を加算した質量と同等以下である場合に上記検出性能向上の効果が得られるということを確認した。 そこで、補助発振部の質量が主発振部の質量に圧電素子の質量を加算して得られるしきい値質量以下となるように上記しきい値厚さを設定する。 これにより、上記した超音波の検出性能向上の効果を確実に得ることができる。

    請求項3記載の手段によれば、圧電素子は、第1面に対向する第2面を備えている。 その圧電素子の第2面は、補助発振部により覆われている。 このような構成によれば、音響整合部材の発振面で超音波を受信した際、その超音波に応じた振動が補助発振部を介して圧電素子の第2面にも伝達される。 圧電素子は、第1面に伝達される振動に加えて第2面に伝達される振動にも応じて上記主方向に振動する。 これにより、圧電素子の主方向への振動がさらに補助される。 従って、第1面および周囲部のみから振動が伝達される場合に比べ、さらに振動の大きさが増大し、超音波の検出性能をさらに向上することができる。

    請求項4記載の手段によれば、音響整合部材および圧電素子は、接着部材により接着されている。 すなわち、音響整合部材と、圧電素子とは、一体成形ではなく、別体として成形された後、接着部材により接着される構成となっている。 音響整合部材の補助発振部が圧電素子を覆う部分の厚さは、所定のしきい値厚さ以下にする、つまり、上記厚さをある程度薄くするためには、成形圧を高く設定する必要がある。 一方、圧電素子の耐圧には、所定の限界がある。 従って、音響整合部材および圧電素子を一体成形する構成を採用した場合、成形圧は、補助発振部の厚さをしきい値厚さ以下にするという第1条件と、圧電素子の耐圧以下にするという第2条件との両方を満たすように設定する必要がある。 このような場合、成形圧の設定が非常に煩雑になるばかりか、上記2つの条件次第では、製造が不可能になる事態も考えられる。 これに対し、本手段によれば、音響整合部材を成形する際の成形圧は、上記第1条件のみを満たすように設定すればよい。 このため、成形圧の設定を容易に行い得るようになるという効果が得られる。

    請求項5記載の手段によれば、補助発振部は、第1壁部と、第2壁部と、第3壁部と、第4壁部とを備えている。 これら第1〜第4壁部は、主発振部の伝達部とともに圧電素子挿入用の空間を形成する。 このような構成によれば、製造段階において、音響整合部材および圧電素子を別々に製造した後、補助発振部に形成された上記空間に圧電素子を挿入するという手順を行うだけで、圧電素子の周囲部を補助発振部により覆うことが可能となる。

    請求項6記載の手段によれば、補助発振部には、配線用の溝部が形成されている。 これにより、圧電素子の周囲部が補助発振部により覆われる状態が維持された上で、圧電素子から出力される電圧信号を回路素子に伝達する信号線を、補助発振部の溝部を通じて配線することができる。

    請求項7記載の手段によれば、圧電素子は、超音波を送信する送信素子としても作動可能に構成されている。 その圧電素子が送信素子として作動するとき、回路素子は、圧電素子が送信する超音波を制御する電圧信号を圧電素子に対して出力する。 また、このとき、音響整合部材は、圧電素子から送信された超音波を発振面から被検出体の存在する空間側に送信する。 このように圧電素子を送信素子としても作動可能に構成すれば、送信素子を別途設ける必要がなくなり、装置全体としての小型化を図ることができる。

    請求項8記載の手段によれば、音響整合部材は、発振面の面積が、伝達部の第1面と接触する部分の断面積よりも大きくなるように形成されている。 このような構成によれば、発振面で受けた超音波のエネルギーが、その発振面の面積よりも小さい面積において伝達されることになり、単位面積当たりのエネルギーが増大し、超音波の伝達効率を向上することができる。

    請求項9記載の手段によれば、音響整合部材は、ポリカーボネート系樹脂により形成されている。 ポリカーボネート系樹脂は、弾性率の温度変化が小さい。 このため、音響整合部材内の音速の温度変化が小さくなり、温度変化に伴う超音波の波長の変化を小さくすることができ、振動の伝達を安定して行うことができるという効果が得られる。

    本発明の第1の実施形態を示す超音波センサの概略構成図

    超音波センサの組み立て方法の説明図

    超音波センサの超音波検出時の動作を概略的に示す図

    圧電素子が発生する電圧のレベルとカバー厚との関係を示す図

    引張強度とカバー厚との関係を示す図

    本発明の第2の実施形態を示す図1相当図

    本発明の第3の実施形態を示す図1相当図

    (第1の実施形態)
    以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図5を参照しながら説明する。
    図1は、超音波センサの概略的な構成を示している。 図1に示す超音波センサ1は、例えば車両に搭載される障害物センサに用いられるものである。 図1(a)は、発振面側から見た平面図(上面図)であり、図1(b)は、図1(a)のX−X線に沿う断側を含む側面図である。 なお、図1(a)では一部構成を透過して破線で示している。

    超音波センサ1は、圧電素子2と、音響整合部材3とを備えている。 図示しないが、本実施形態の超音波センサ1は、車両の所定位置、例えばバンパに取り付けられる筐体に収容されている。 超音波センサ1は、超音波を受信する音響整合部材3の発振面4をバンパの外部(被検出体の存在する空間側に相当)に露出させた状態で筐体に固定されている。 超音波センサ1は、超音波を送信する機能および超音波を受信する機能を備えている。 超音波を受信する際、音響整合部材3は、超音波を受信するとともに受信した超音波に応じた振動を圧電素子2に伝達する。 この際、圧電素子2は、超音波を受信する受信素子として作動して超音波(音圧)を検出する。 一方、超音波を送信する際、圧電素子2は、超音波を送信する送信素子として作動する。 この際、音響整合部材3は、圧電素子2から送信された超音波を発信面4から車両外部に送信する。

    音響整合部材3は、空気より音響インピーダンスが大きく、圧電素子2より音響インピーダンスが小さい材料を用いて形成されている。 これにより、音響整合部材3を設けない場合と比較すると、空気との界面における音響インピーダンスの差が小さくなり、空気との界面における超音波の反射が抑制され、入射する超音波を増大することが可能となる。 具体的には、本実施形態では、音響整合部材3は、ポリカーボネート系樹脂により形成されている。 ポリカーボネート系樹脂は音響整合部材3内の音速の温度変化が小さいため、温度変化に伴う超音波の波長の変化を小さくすることが可能となる。

    音響整合部材3は、図1(b)中の断面が逆台形状をなす主発振部5と、主発振部5の下端部分を起点に発振面4から遠ざかるように延びる補助発振部6とから構成されている。 主発振部5の上端面(図1中の上側の面)は発振面4となっている。 主発振部5の下端部(図1中の下側の部分)のうち、圧電素子2と接する部分は接触面7(伝達部に相当)となっている。 発振面4と接触面7とは互いに対向した配置となっている。

    発振面4は、例えば4.3mm×10.5mmの矩形となっている。 これに対し、接触面7は、例えば1.5mm×1.5mmの矩形となっている。 このように、主発振部5は、発振面4の面積が、圧電素子2と接触する接触面7の面積よりも大きくなるように形成されている。

    補助発振部6は、壁部8〜11および底面板12から構成されている。 壁部8〜11(第1壁部、第2壁部、第3壁部および第4壁部に相当)は、いずれも矩形板状をなしている。 壁部8〜壁部11は、主発振部5の下端部のうち接触面7を除く部分を起点として図1中の下方向に延びるように設けられている。 このような構成により、主発振部5の接触面7と補助発振部6の壁部8〜11とから、圧電素子2を挿入するための空間(図2に符号13を付して示す)が形成されている。

    底面板12は、主発振部5の下端部の断面と同じ大きさを有する矩形の板状をなしている。 底面板12は、空間13(圧電素子挿入用の空間に相当)の図1中の下側に存在する開口を覆うように設けられている。 壁部8、9において、主発振部5から遠い側(図1中の下側)の端部には、それぞれ配線用の溝部14、15が形成されている。 溝部14、15は、圧電素子2から出力される電圧信号を回路素子16に伝達する信号線17、18を通すために設けられている。

    このような構成の音響整合部材3は、圧電素子2から音響整合部材3を介して車両前方に送信され、車両前方に存在する障害物(被検出体に相当)により反射された超音波を発振面4において受信する。 音響整合部材3は、接触面7、壁部8〜壁部11および底面板12を介して、発振面4で受信した超音波を圧電素子2に伝達する(詳細は後述する)。

    圧電素子2は、四柱状をなす圧電体19と、圧電体19を図1中における左右の両面から挟むように設けられた一対の電極20、21とを備えている。 圧電体19は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いて形成されている。 PZTは、圧電定数が大きいため、音圧の小さな超音波を受信可能であり、以って超音波の検出感度が高い。 電極20、21は、PtやCuのスパッタ、めっき、導電ペーストの焼き付けなどにより形成されている。

    圧電素子2の上面22(第1面に相当)は、主発振部5の接触面7に接触している。 圧電素子2の下面23(第2面に相当)は、補助発振部6の底面板12に接触している。 圧電素子2の4つの側面24a〜24d(周囲部に相当)は、補助発振部6の壁部8〜11に接触している。 すなわち、圧電素子2は、主発振部5および補助発振部6からなる音響整合部材3に覆われている。

    補助発振部6の圧電素子2を覆う部分の厚さ、つまり、壁部8〜11および底面板12の厚さは、所定のしきい値厚さ以下になっている。 このしきい値厚さの設定は、以下の条件を満たすように行う。 すなわち、主発振部5の質量m1、補助発振部6の質量m2および圧電素子2の質量m3が下記(1)式の関係を満たすようにしきい値厚さを設定する。
    m2≦m1+m3 …(1)

    つまり、補助発振部6の質量m2が主発振部5の質量m1に圧電素子2の質量m3を加算して得られる質量(しきい値質量に相当)以下となるように、所定のしきい値厚さが設定されている。 本実施形態では、例えば、しきい値厚さを1mmとしている。 なお、このしきい値厚さは、質量m1〜m3が上記(1)式の関係を満たす範囲であれば、圧電素子2および音響整合部材3の形状や質量に応じて適宜変更すればよい。

    圧電素子2は、受信素子として作動するとき、音響整合部材3から伝達される超音波に応じて振動する。 圧電素子2は、圧電効果により、その振動に応じた電圧信号を発生する。 圧電素子2の電極20、21から出力される電圧信号は、信号線17、18を介して回路素子16に与えられる。 回路素子16は、図示しないECU(Electronic Control Unit)に電気的に接続されており、圧電素子2から与えられる電圧信号に基づいて演算処理を行い、その結果を示す信号をECUに出力する。 このような構成により、回路素子16およびECUは、例えば、超音波の送信から受信までの時間を求めることにより、障害物との距離測定などを行うようになっている。

    また、回路素子16は、圧電素子2が送信素子として作動するとき、ECUから出力される制御信号に基づいて送信する超音波を制御する電圧信号を圧電素子2に対して出力する。 これにより、圧電素子2は、上記電圧信号に基づいて振動し、所定の音圧、位相の超音波を発振する。 そして、音響整合部材3は、圧電素子2から送信された超音波を発振面4から車両外部に送信する。

    続いて、上記構成の超音波センサ1の製造方法について図2も参照して説明する。
    音響整合部材3のうち、主発振部5および補助発振部6の壁部8〜11は、例えば射出成形により、一体成形された単一の部材として製作される。 補助発振部6の底面板12は、例えば射出成形により、上記部材とは別の単一の部材として製作される。 圧電素子2の電極20、21には、それぞれ信号線17、18の一端が、例えばはんだ(図示せず)などにより接続される。

    本実施形態では、上述した各部材を用いて次のように超音波センサ1が組み立てられる。 図2は、超音波センサ1の組み立て方法を説明するための図である。 この図2に示すように、信号線17の他端が、空間13側から溝部14を通されて音響整合部材3の外側に引き出される。 また、信号線18の他端が、空間13側から溝部15を通されて音響整合部材3の外側に引き出される。 このようにして信号線17、18が引き出されながら、圧電素子2が音響整合部材3の空間13内に収容される。 この際、接触面7および壁部8〜11の空間13側の面には、図示しない接着剤(接着部材に相当)が塗布されている。 そして、図2中の上面側に上記接着剤が塗布された底面板12が、空間13の下側の開口を塞ぐように取り付けられる。 図示しないが、信号線17、18の他端は、回路素子16に接続される。

    次に、上記構成の作用および効果について図3〜図5も参照して説明する。
    図3は、超音波センサ1の超音波検出時の動作を概略的に示している。 図3において、(a)は圧縮時を示し、(b)は通常時を示し、(c)は引張時を示している。 音響整合部材3の発振面4で受信された超音波は、以下のようにして圧電素子2に伝達される。

    すなわち、音響整合部材3の発振面4で超音波が受信されると、その超音波に応じた振動(力)が接触面7を介して圧電素子2の上面22に伝達されるとともに、補助発振部6を介して圧電素子2の下面23および側面24a〜24dにも伝達される。 圧電素子2は、上面22に伝達される振動に加えて下面23および側面24a〜24dに伝達される振動にも応じて振動する。

    具体的には、図3(a)に示すように、圧電素子2は、上面22に伝達される振動により上面22と直交する主方向(図3中の上下方向)に圧縮される場合、側面24a〜24dに伝達される振動により主方向に直交する補助方向(図3中の左右方向)に引っ張られる。 つまり、圧電素子2において、主方向への圧縮動作が補助されるように、補助方向への引っ張り動作が行われる。 また、このとき、下面23に伝達される振動により主方向に圧縮する力が加えられる。

    また、図3(c)に示すように、圧電素子2は、上面22に伝達される振動により主方向に引っ張られる場合、側面24a〜24dに伝達される振動により補助方向に圧縮される。 つまり、圧電素子2において、主方向への引っ張り動作が補助されるように、補助方向への圧縮動作が行われる。 また、このとき、下面23に伝達される振動により主方向に引っ張る力が加えられる。

    音響整合部材3の発振面4で超音波が受信された際、圧電素子2は、図3(a)の圧縮状態から図3(b)の通常状態(超音波を受信していないときと同様の状態)を経て図3(c)の引張状態に移行する。 その後、圧電素子2は、図3(c)の引張状態から図3(b)の通常状態を経て図3(a)の圧縮状態に移行する。 圧電素子2では、このような状態の移行が繰り返し行われる。 圧電素子2は、このようにして振動を繰り返し、圧電効果により、その振動に応じた電圧信号を発生する。 なお、ここでは、受信時の動作について説明したが、送信時には、圧電素子2は、逆圧電効果により、与えられる電圧信号に応じて上記した受信時と同様の振動を繰り返すことになる。

    以上説明したように、本実施形態の超音波センサ1は、圧電素子2が主発振部5および補助発振部6からなる音響整合部材3に覆われた構成となっている。 このような構成により、音響整合部材3の発振面4で超音波を受信した際、その超音波に応じた振動が接触面7を介して上面22に伝達されるとともに、補助発振部6を介して圧電素子2の下面23および側面24a〜24dにも伝達される。 このため、上面22のみから振動が伝達される場合に比べ、振動の大きさ(圧電素子2の変形量)が増大する。 これに伴い、圧電素子2が出力する電圧信号のレベルも高くなる。 つまり、超音波の受信感度を向上することができる。 また、送信時、圧電素子2により発振された超音波は、音響整合部材3の接触面7のみならず、補助発振部6を通じて伝達されるため、受信時と同様の作用により、超音波の送信性能を向上することができる。 すなわち、本実施形態の超音波センサ1によれば、超音波の検出性能(送受信性能)を向上することができる。

    ただし、補助発振部6は、圧電素子2を覆うものであるため、圧電素子2の超音波に応じた振動を妨げる作用も有する。 従って、超音波の検出性能の向上という効果を得るためには、振動を妨げる作用よりも、振動を補助する作用のほうが高くなるようにする必要がある。 補助発振部6が圧電素子2の振動を妨げる作用は、運動方程式に基づけば、補助発振部6の質量m2に比例する。 本発明者らは、実験、シミュレーション等を行うことにより、補助発振部6の質量m2が主発振部5の質量m1に圧電素子2の質量m3を加算した質量と同等以下である場合に上記検出性能向上の効果が得られるということを確認した。 そこで、補助発振部6の質量m2が上記した(1)式を満たすように補助発振部6の壁部8〜11および底面板12の厚さを設定する。 具体的には、本実施形態では、壁部8〜11および底面板12の厚さを1mmに設定した。 これにより、上記した超音波の検出性能向上の効果を確実に得ることができる。

    図4は、圧電素子2が発生する電圧信号の電圧レベルとカバー厚との関係を示している。 このカバー厚とは、補助発振部6の圧電素子2を覆う部分の厚さ、つまり壁部8〜11および底面板12の厚さのことである。 また、図4の縦軸は、カバー厚がゼロ(0mm)のときの電圧レベルを「1」とした場合の比で表している。

    この図4に示すように、カバー厚が0.2mmの手前のところから電圧レベルが上昇し、0.3mmの手前あたりで「1.3」を超え、0.5mmのところで最大の「1.4」程度になっている。 0.5mm〜1mmの間では、電圧レベルが若干低下するものの、「1.3」以上の値を示している。 このように、カバー厚が0.3mm〜1mmの間では、電圧レベルは概ね「1.3」以上になっている。 つまり、カバー厚がゼロのとき(従来の構成)に比べ、圧電素子2が発生する電圧信号の電圧レベルが1.3倍以上になっている。 このように、電圧レベルが上昇するということは、超音波の検出性能(送受信性能)が向上することを意味する。 一方、図示しないが、カバー厚が1mmを超えると、電圧信号の電圧レベルが一層低下する。 従って、カバー厚を1mm以下に設定することで、超音波の検出性能が向上するという効果を確実に得ることができる。

    また、圧電素子2の上面22および側面24a〜24dを主発振部5と壁部8〜11とからなる単一の部材で覆う構成を採用したので、圧電素子2と音響整合部材3との接合強度を高めることができる。 図5は、超音波センサ1を組み立てた状態での引っ張り試験の結果を示すものであり、引張強度(接合強度)とカバー厚との関係を示している。 この引張り試験は、主発振部5の上部と補助発振部6の下部との両方から力を加えて引張り、どの程度の力で音響整合部材3および圧電素子2の接着(接合)部分が離間するかを確認するものである。

    図5に示すように、引張強度は、カバー厚に比例して高くなっている。 つまり、音響整合部材3の壁部8〜11の厚さを厚くするほど、接合強度を高めることができる。 しかし、前述したとおり、カバー厚は、超音波の検出性能に影響するため、本実施形態では、1mmに設定している。 このようにカバー厚を1mmに設定した場合、図5に示すとおり、カバー厚がゼロのとき(従来の構成)に比べ、接合強度が大幅に向上していることが分かる(約70[N]→約700[N])。
    このように、本実施形態の超音波センサ1によれば、その小型化を図るために接触面7の面積を小さくしたとしても、音響整合部材3および圧電素子2の接合強度の低下を招くことなく、且つ、超音波の検出性能を高めることができるという優れた効果が得られる。

    壁部8〜11の厚さは、上記(1)式を満たす厚さに設定しなければならない。 壁部8〜11の厚さをある程度薄くするためには、成形圧を高く設定する必要がある。 一方、圧電素子2の耐圧には、所定の限界がある。 従って、音響整合部材3および圧電素子2を一体成形する構成を採用した場合、成形圧は、壁部8〜11の厚さをしきい値厚さ以下にするという第1条件と、圧電素子2の耐圧以下にするという第2条件との両方を満たすように設定する必要がある。 このような場合、成形圧の設定が非常に煩雑になるばかりか、上記2つの条件次第では、製造が不可能になる事態も考えられる。

    これに対し、本実施形態では、音響整合部材3と圧電素子2とは、一体成形ではなく、別体として成形された後、接着部材により接着される構成となっている。 すなわち、音響整合部材3は、耐圧に限界のある圧電素子2とは別体として成形されるため、圧電素子2の耐圧の制約を受けることなく、壁部8〜11を容易に所望の厚さに成形することができる。

    音響整合部材3において、主発振部5の接触面7と補助発振部6の壁部8〜11とから、圧電素子2を挿入するための空間13が形成されている。 このため、製造段階において、音響整合部材3および圧電素子2を別々に製造した後、空間13に圧電素子2を挿入するという手順を行うだけで、圧電素子2の周囲部を補助発振部6により覆うことが可能となる。

    補助発振部6において、壁部8、9の下端部には、配線用の溝部14、15が形成されている。 これにより、圧電素子2の側面24a〜24dが壁部8〜11により覆われる状態が維持された上で、圧電素子2から出力される電圧信号を回路素子16に伝達する信号線17、18を配線することができる。

    音響整合部材3は、発振面4の面積が、圧電素子2の上面22と接触する接触面7の面積よりも大きくなるように形成されている。 このような構成によれば、発振面4で受けた超音波のエネルギーが、その発振面4の面積よりも小さい面積において伝達されることになり、単位面積当たりのエネルギーが増大し、超音波の伝達効率を向上することができる。

    音響整合部材3は、ポリカーボネート系樹脂により形成されている。 ポリカーボネート系樹脂は、弾性率の温度変化が小さい。 このため、音響整合部材3内の音速の温度変化が小さくなり、温度変化に伴う超音波の波長の変化を小さくすることができ、振動の伝達を安定して行うことができるという効果が得られる。

    圧電素子2は、超音波を受信する受信素子として作動可能に構成されているだけでなく、超音波を送信する送信素子としても作動可能に構成されている。 このため、超音波を送信する送信素子を別途設ける必要がなくなり、超音波センサ1の小型化を図ることが可能となる。

    (第2の実施形態)
    以下、第1の実施形態に対し、音響整合部材の主発振部の構成を変更した本発明の第2の実施形態について図6を参照しながら説明する。
    図6は、第1の実施形態における図1相当図であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。 図6に示す本実施形態の超音波センサ31は、図1に示した第1の実施形態に対し、音響整合部材3に代えて音響整合部材32を備えている点が異なる。

    音響整合部材32は、図6(b)中の断面が矩形状をなす主発振部33と、補助発振部6とから構成されている。 主発振部33の上端面(図6中の上側の面)は発振面34となっている。 主発振部33の下端部(図6中の下側の部分)のうち、圧電素子2と接する部分は接触面7となっている。 発振面34は、例えば2mm×2mmの矩形となっている。

    本実施形態の超音波センサ31によれば、第1の実施形態に比べ、発振面34の面積と接触面7との面積の差が小さいため、超音波の伝達効率向上の効果(すなわち、超音波の検出性能を向上する効果)は若干小さくなるものの、第1の実施形態の超音波センサ1と同様の作用および効果が得られる。 つまり、音響整合部材を構成する主発振部の形状にかかわらず、圧電素子2の下面23および側面24a〜24dが補助発振部6により覆われる構成であれば、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。

    (第3の実施形態)
    以下、第1の実施形態に対し、音響整合部材の補助発振部の構成を変更した本発明の第3の実施形態について図7を参照しながら説明する。
    図7は、第1の実施形態における図1相当図であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。 図7に示す本実施形態の超音波センサ41は、図1に示した第1の実施形態に対し、音響整合部材3に代えて音響整合部材42を備えている点が異なる。

    音響整合部材42は、主発振部5と補助発振部43とから構成されている。 補助発振部43は、壁部44〜47から構成されている。 壁部44〜47(第1壁部、第2壁部、第3壁部および第4壁部に相当)は、いずれも矩形板状をなしている。 壁部44〜壁部47は、主発振部5の下端部のうち接触面7を除く部分を起点として図7中の下方向に延びるように設けられている。 壁部44〜47の長さ(図7中の上下方向の長さ)は、図1に示した壁部8〜11の長さに比べて短くなっている。 このような構成により、主発振部5の接触面7と補助発振部43の壁部44〜47とから、圧電素子2の上側の一部を挿入するための空間が形成されている。

    圧電素子2の上面22は、主発振部5の接触面7に接触している。 圧電素子2の4つの側面24a〜24dの図7中における上側の一部分は、補助発振部43の壁部44〜47に接触している。 すなわち、圧電素子2は、上側の一部分のみが、主発振部5および補助発振部43からなる音響整合部材42に覆われている。

    本実施形態の超音波センサ41によれば、第1の実施形態に比べ、圧電素子2が音響整合部材42の補助発振部43に覆われる部分が小さいため、補助発振部43による振動伝達の効果(すなわち、超音波の検出性能を向上する効果)は若干小さくなるものの、第1の実施形態の超音波センサ1と同様の作用および効果が得られる。 つまり、圧電素子2の側面24a〜24dの少なくとも一部分が音響整合部材を構成する補助発振部により覆われる構成であれば、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。

    (その他の実施形態)
    なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
    圧電素子2は、受信のみ行う素子として用いることも可能である。 また、圧電素子2は、送信のみ行う素子として用いることも可能である。 複数の素子を用いる場合に、特定の素子を送信素子とすることにより、送信および受信の回路を分けることができる。 このため、回路構成を単純化できるという効果が得られる。 また、送信と受信とを分けることで、受信素子が送信時の残響の影響を受けないため、近距離の障害物からの反射波を良好に受信することができる。
    図1(b)における主発振部5は、その断面が逆台形状をなすように構成されていたが、これに限らずともよい。 例えば、主発振部5は、台形の斜辺に相当する部分を弧状にしてもよい。 また、主発振部5は、その断面が矩形状をなすように構成されてもよい。 また、主発振部5は、円柱状に構成してもよい。

    第1および第2の実施形態において、超音波の検出性能や、装置としての耐環境性能および耐衝撃性能に問題が無ければ、底面板12を省略することが可能である。 また、壁部8、9に設けた溝部14、15の位置は適宜変更可能である。 さらに、信号線17、18を回路素子16に配線可能にする構成であれば、溝部14、15を設ける構成に限らず適用可能である。
    上記各実施形態では、本発明を車載用の障害物センサに用いた例を示したが、これに限らず、各種のセンサに適用することができる。 例えば、本発明は、車両に搭載される排ガス用流量計(エアフローメータ)などに用いることも可能である。 また、本発明は、車載用途に限らず、例えばロボットに搭載されるクリアランスソナー、転倒防止用センサなどに用いることも可能である。 さらに、エアコン、TVなどに搭載される人感センサに用いることも可能である。

    図面中、1、31、41は超音波センサ、2は圧電素子(送信素子)、3、32、42は音響整合部材、4、34は発振面、5、33は主発振部、6、43は補助発振部、7は接触面(伝達部)、8〜11、44〜47は壁部(第1〜第4壁部)、14、15は溝部、16は回路素子、17、18は信号線、22は上面(第1面)、23は下面(第2面)、24a〜24dは側面(周囲部)を示す。

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