【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は一般的には楽器の付属品の分野、特に管楽器の内部の空気の乱れを制御するシステムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】先行技術には管楽器の必要な位置にリードを維持するために用いる従来型のバンド構造(リードをマウスピースに嵌める金属製のバンドを用いた構造) が含まれる。 【0003】先行技術による構造物はそのために特に設計されている基本的な目的、機能にたいしては充分すぎるほどのものではあるが管楽器内部の空気の乱れを制御するという観点に立った時、これらは一様に不十分である。 【0004】従来、音色をだすのに必要な、空気のむりな通過による自然な副産物として楽器内に発生する乱気流のために、演奏家がすべての音域で多様のなを均一につなげていくのが極端に難しくなっていた。 更にこの空気の乱れは種々の楽器の演奏をいっそう物理的に歪めさせ、最も熟達した演奏家以外の演奏家でも効果的に使用され得るリード楽器(オーボエ、クラリネットなど、1 枚又は2枚のリードがある管楽器)の割合を減少させてしまうものであった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上述のような状況の結果、木管や金管楽器の中の乱気流を減らすよう楽器の外部に共鳴を生み出す新しいタイプの音響システムへの長年の要望があり、そのような構成物の提供が本発明の目的である。 【0006】 【課題を解決するための手段】概要を述べると、本発明の基礎である音響調節リングとベルによる音響システムは通常一対の中空のハウジング部材を含んで形成されるものである。 その一方のハウジング部材は普通楽器の胴部かネックにおかれた音響調節リング要素を含んでなるものである。 他の一方のハウジング部材は普通は楽器の末端すなわち音の出る口部におかれた音響調節ベル要素を含んで構成されている。 【0007】本発明は種々の管楽器の末端および基端(末端の反対側、中央に近い端)に係合する音響調節リングとベルの音響システムに対するもので、その音響システムは管楽器の末端と基端を囲むような形状の一対の中空のハウジング部材を含んで構成され、その各々の中空部材は複数のシュー要素、例えば対向する一対のシュー要素を有する。 また、このシュー要素は少なくとも2 つのシュー要素、最も望ましくは3つのシュー要素で、 楽器の末端と基端の周囲の所定の部分と係合するようにつくられているものである。 【0008】本発明はまた種々の管楽器の末端と基端とに選択的に係合する音響調節リングについてのものであって、この音響調節リングは一般に円筒形中空のハウジング部材で管楽器の一方の端を囲むような大きさになっており、この中空ハウジング部材は複数のシュー要素、 例えば対向する一対のシュー要素を有する。 また、このシュー要素は少なくとも2つのシュー要素、最も望ましくは3つのシュー要素で、楽器の一方の端の周囲の所定の部分と係合するような大きさにに造られているもので、それぞれのシュー要素は、外部柄部材と内側に突出している少なくとも一つの脚部材と、管楽器の一部分と係合する形にあわせて内側に輪郭状に造られたシュー部材とを含み、そして/またはそれぞれのシュー要素はハウジング部材に適した大きさの別個の穴部に摺動自在に受け入れられる大きさになっている、内側に突出した一対の脚部材を含んで構成されている。 【0009】本発明はまた種々の管楽器の末端に係合される音響調節ベルについてのもので、その音響調節ベルは管楽器の末端を囲む形状の中空ハウジング部材を含んで構成され、その中空ハウジング部材は楽器の末端の周囲の所定の部分と係合するように造られた対向する一対のシュー要素を有し、この中空ハウジング部材はほぼ円錐状の音響調節ベル要素を含んでなることを特徴としている。 【0010】この明細書においてさらに極めて詳細に説明されているように、ここに示された本発明の装置の目的達成のために、少なくとも中空ハウジング部材の一つがほぼ円筒形の音響調節ベル要素とほぼ円錐形の音響調節ベル要素からなる群から選択された一つの音響調節ベル要素を含んで構成され、一つの実施形態においては二つの中空ハウジング部材がほぼ円筒形の音響調節リング要素よりなることを特徴としている。 【0011】本発明によればそのシュー要素は内側に突出している少なくとも一つの脚部材と管楽器の一部分と係合する形状を有し内側に輪郭状につくられたシュー要素からなることを特徴とし、一つの実施形態においてはシュー要素は外側柄部材を含み、他の実施形態ではシュー要素は中空ハウジング部材に適当な形状の別個の穴部に摺動自在に受け入れられるような形状の内側に突出した一対の脚部材よりなることを特徴としている。 【0012】本発明によれば少なくとも中空ハウジング部材の一つは複数の穴部を含んで構成され、好ましくは少なくとも一つのハウジング部材は複数の穴部を選択的に覆う手段を含んで構成されていることを特徴としている。 【0013】本発明の一つの実施形態において少なくとも中空ハウジング部材の一つは硬質な切れ目のない部材からなり、また他の実施形態では中空ハウジング部材のうち少なくとも一つは柔軟な分割された部材からなっている。 【0014】本発明の目的達成のためにシュー要素は一つの実施形態では単一のばね要素によって内側に付勢され、別の実施形態では独立した複数のばね要素によって内側に付勢されている。 【0015】他の実施形態ではそのシュー要素は少なくとも一つの中空ハウジング部材に固定されている。 【0016】ここに開示されている本発明の装置はまた、少なくともシュー要素の一つについての昇降機構を含むもので、その昇降機構は、音響調節リングに取り付けられた複数の支柱に固定された一本のピンと、そのピンの上に回転自在に搭載されたロッドでそのロッドの一端に一つのシュー要素の外側部分に挿入する溝穴を有するロッドと、そのロッドの反対側の端部に取り付けられたキー要素と、そのキー要素に加圧力を働かせるためにキーの下に内蔵された張力ばねとからなっている。 【0017】本発明によれば中空ハウジング部材の少なくとも一つにおける末端と基端には強化した縁がありそしてリング要素はほぼ一様な内部構成を有している。 【0018】本発明の目的を達成するためにその少なくとも一つの中空ハウジング部材は楽器の外側に突出する部分を受け入れるための形状を有する切欠きからなる内部構造を構成し、その内部構造は好ましくは複数の内側への拡張部を含んで構成され、その各内側への拡張部は楽器の外側に突出した部分の金属リングの高い部分を受け入れる切欠きからなっている。 【0019】本発明によれば各中空ハウジング部材は末端及び基端部に形成された開口からなり、その末端の開口と基端部の開口が一つの実施形態ではほぼ相互に平行になるよう形成されているかまたはハウジング部材の少なくとも一つにおける末端開口と基端開口が相互にある角度の傾斜をもって配置されている。 【0020】本発明によればその音響調節リングは楽器に恒久的に取り付けられているものである。 【0021】本発明の一つの実施形態によれば少なくとも一つの中空ハウジング部材は円筒形および円錐形からなる群から選択されたひとつの形状を有するワンピース(本質的に一体)型構造物を含んで構成され、この構造物はその少なくとも一つの中空ハウジング部材がその音響装置上の中空ハウジング部材の握力を解放するよう絞られたとき楕円形に変形できるだけの柔軟性を有している。 【0022】またここに開示されているように個々のハウジング部材は楽器の一部に着脱可能に係合するばねで付勢される一対のシュー要素によって楽器の対向する端部に固定されている。 【0023】 【発明の効果】本発明の音響システムは楽器の内側の乱気流を速やかに制御する共鳴を楽器の外側に作り出す全く新しい方法である。 このシステムは楽器表面、音響調節リング、音響調節ベルの間の空間に共鳴をつくり出す。 増大する共鳴が木管、金管楽器のなかの乱気流を速やかに鎮める。 【0024】これにより、音はすべての音域で均等に連続されたものになる。 このように新たに付け加えた共鳴の供給源が物理的歪みのより少ない音を一層よく出してくれる。 よりよく集中されより均一なトーンが極めて容易に作り出される。 楽器内の乱気流がレガート奏法における音階の各音を連続させるように速やかに調節されるので、ブレークのような重要箇所(場面)での音の乱れが和らげられる。 【0025】この結果が非常に素晴らしいので指揮者、 審査員、教師やまた家族の人々さえも誰かが演奏している時にすぐにその改善のさまを聞く事ができる。 この発明による音響システムは木管、金管楽器どちらにも用いることが出来る。 【0026】 【発明の実施の形態】図面とくに図1を参照することにより判るように、本発明の根幹をなす音響調節リングとベルの音響システムは全体的に参照番号10で示される。 音響システムは一般にフルート101、アルトクラリネット102、b−フラットクラリネット103あるいはピッコロ、サキソフォンその他これに限定されるわけではないがこれらをふくむ他の木管、金管楽器など種々の楽器の対向する端部に取り外し自在に係合するようになっている一対のハウジング部材20および30を含んで構成されている。 【0027】本発明は種々の管楽器の末端及び基端部と係合する音響調節リングとベルの音響システムについてのものであり、その音響システムは管楽器の末端および基端部を囲む形状の一対の中空ハウジング部材を含んで構成されることを特徴とし、その各々の中空ハウジング部材は複数のシュー要素、たとえば、対向する一対のシュー要素、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つのシュー要素を備え、このシュー要素は楽器の末端および基端部周囲の所定の部分に係合するようになっている。 【0028】本発明はまた種々の管楽器の末端及び基端部と選択的に係合する音響調節リングについてのものであり、その音響調節リングは管楽器のどちらかの端部を囲む形状のほぼ円筒形の中空ハウジング部材よりなり、 その中空ハウジング部材は複数のシュー要素、例えば対向する一対のシュー要素であって好ましくは少なくとも2つのシュー要素、最も望ましくは3つのシュー要素を備え、このシュー要素は楽器の一方の端の周囲の所定の部分と係合するようにつくられているもので、それぞれのシュー要素は外部柄部材と、内側に突出している少なくとも一つの脚部材と、管楽器の一部分と係合する形状にあわせて内側に輪郭状に造られたシュー部材とを含み、そして/またはそれぞれのシュー要素はハウジング部材に適した大きさの別個の穴部に摺動自在に受け入れられる形状の内側に突出した一対の脚部材を含んで構成されている。 【0029】本発明はまた種々の管楽器の末端につけられる音響調節ベルについてのものであり、その音響調節ベルは管楽器の末端を囲む形状の中空ハウジング部材を含み、その中空ハウジング部材は楽器の末端の周囲の所定の部分と係合するように造られた対向する一対のシュー要素を有し、この中空ハウジング部材はほぼ円錐状の音響調節ベル要素からなる。 【0030】本発明によれば、少なくとも中空ハウジング部材の一つは音響調節リング要素を含んで構成され、 少なくとも中空ハウジング部材の一つはほぼ円筒形状の要素とほぼ円錐形状の要素のものからなる群から選択された形状からなる音響調節リングを含んで構成されるか、あるいは両方の中空ハウジング部材ともほぼ円筒形状の要素とほぼ円錐形状の要素のものからなる群から選択された形状からなる音響調節リングを含んで構成されている。 【0031】本発明の目的を達成するためにそれぞれのシュー要素は、ハウジング部材に適した大きさの別個の穴部に摺動自在に受け入れられるような大きさの一対の内側に突出する脚部材に加え、外部柄部材と、内側に突出する少なくとも一つの脚部材と、管楽器の一部に係合するような形状に合わせて内側に輪郭状に形成されたシュー部材とを含んで構成されている。 【0032】本発明の音響システムでは少なくとも一つの中空ハウジング部材は楽器の末端および基端の周囲の所定の部分に係合するよう形成された複数のシュー要素を有している。 【0033】複数のシュー要素が対向する対の形で図に示されているが、シュー要素は少なくとも2つ、もしくはそれ以上、例えば3つが好ましい。 【0034】本発明の音響システムにおいては少なくともハウジング部材の一つが複数の穴部とその複数の穴部を選択的に覆う手段を有している。 【0035】本発明の音響システムにおいては少なくともハウジング部材の一つにおける末端および基端には強化した縁が備えられている。 【0036】本発明の目的達成のためには、少なくともハウジング部材の一つは硬質の切れ目のない部材かまたは柔軟な分割した部材である。 【0037】本発明の音響システムにおいてはそれぞれのシュー要素は単一のばね要素により内側に付勢されているか別々に独立している複数のばね要素によって内側に付勢されている。 【0038】本発明によればリング要素が例えばほぼ円筒形の要素の場合はほぼ一様な内部構成を有し、そして/または円錐形音響調節ベル要素は管楽器の外側に突出する部分を受け入れる大きさの切欠きを有している。 【0039】本発明の目的を達成するために、中空ハウジング部材は末端および基端に形成された開口を有し、 その末端の開口と基端部開口がほぼ相互に平行になるよう形成され、そして/または少なくともハウジング部材の一つは基端開口より大きい末端開口を有し、この少なくともハウジング部材の一つの末端および基端に形成された開口がほぼ相互に平行になるよう形成され、そして/またはこの少なくともハウジング部材の一つの末端および基端に形成された開口が互いにある角度で配置されている。 【0040】本発明によれば、ハウジング部材の基端はシュー要素の部分を受け入れる大きさの対向する対になっているガイドチューブを有し、そのそれぞれのシュー要素は一対のばね付勢要素を有し、そのばね付勢要素はハウジング部材の内部に配置されている。 【0041】本発明の目的のためにハウジング部材は半硬質の弾力性のある材料から造られ、シュー要素のそれぞれが、内側に伸びている脚部材と、一定の形状につくられたシュー部材を含み、ハウジングの内部と一体的に作られるかまたはハウジングの内部に恒久的に添付されている。 【0042】ここで図面を参照してより具体的にハウジング部材20と30について順に説明する。 【0043】図2から5に示されるように第1ハウジング部材20はほぼ円筒形の音響調節リング要素22からなり、リング要素22の末端及び基端には強化した縁2 3が備えられ、リング要素22の中間部周囲にはその目的と機能が本明細書で詳しく述べられている複数の穴部24が随意備えられていてよい。 【0044】さらに図2と3に示されているように音響調節リング要素22の内面は楽器100の胴部104、 またはネック105部分をおさめる大きさになっている。 【0045】図6から図14を見ると、第2ハウジング部材30が広げられた径をもつ末端32と狭められた径をもつ基端33とを有するほぼ円錐形の音響調節ベル要素31を含んで構成されていることが判る。 図6、9, 10,13から判るように音響調節ベル要素31は、狭められた径の基端が種々の楽器100の末端面上に被せられるように種々の寸法につくられている。 更に音響調節ベル要素31は図6から13に示されているようにほぼ硬質でなめらかな切れ目のない部材として造る事が出来る。 要素31は図9から11に示される34の所でベル要素31に幾分かの柔軟性を与えるように分割されていてもよく、かつこの分割された状態で種々の楽器の末端に被せることができる。 【0046】図9から11を参照すればもっともよく判るように、音響調節ベル要素31の分割リング型においてベル要素31の対向する端部には、ベル要素31の分割リング型の対向する端部をよく知られている方法でつなぎ合わせる一組の支柱35と止め金36が備えられている。 【0047】音響調節ベル要素は種々の異なった形状になっていても良いが好ましくは図1と図22にそれぞれ31、231で示されているようにほぼ円錐形とほぼ円筒形からなる群から選択された形状であることが好ましい。 【0048】更に図6から8図までと図12に示されるように第2のハウジング部材30も同様に複数の穴部3 7を備えていてもよい。 特に8図に示されるように、音色に違ったトーンを与えるために、穴部制御部材38が穴部37を選択的に覆うように音響調節ベル要素31の外周に設けられてもよい。 図8の実施形態では穴部制御部材38はベルト39と溝部40の配列からなっている。 しかし他の穴部制御配列がその代わりにあっていてもよい。 【0049】この点において、音響調節リング要素21 と音響調節ベル要素31の両方が数多くの構造の類似性をもっていることは明らかである。 この類似性は2つのハウジング部材20と30を楽器100の対向する両端に有効的に係合するために用いられている取り外し自在の固定手段50にも及んでいる。 【0050】本発明の音響システムによればすくなくとも中空部材の一つには楽器の末端と基端の周囲の所定の部分と係合するようになっている複数のシュー要素が設けられている。 【0051】シュー要素はすくなくとも2つ、またはそれ以上、好ましくはたとえば3つであるが、この複数のシュー要素は図において対向する一対のシュー要素として示されている。 図23(a)にはシュー要素3つのものが示されている。 【0052】図2、図3、図9、図10、及び図16に示すように、取り外し自在の固定手段50は複数の対向するばねで付勢されたシュー要素51からなり、このシュー要素は出来れば2つ以上あることが好ましく、図2 3では3つのものが示されている。 各シュー要素51は外側に突出している柄部材52と、各ハウジング部材2 0、30に設けた適合寸法の別個の穴部(図示せず)を貫通する内側に延びている一対の脚部材53と、楽器1 00の周囲の一部を受け入れる形状に合わせての内側に輪郭状に造られたシュー部材54とを含んでいる。 【0053】図15及び17に示されたこの発明の別の型ではそれぞれのシュー要素51が上部脚部分53′と下部脚部分53″を有し、これらがシュー要素51の有効的な長さを伸ばすチューブ状結合具55によって相互に連結されている。 【0054】図2、3、9、及び10に示されるように、それぞれのハウジング部材20,30の大きさに対応してシュー要素51は1本の伸長ばね部材60によってハウジング部材20、30に効果的に連結されていてもよく、または、たとえば、支柱要素63,63と6 4,64の2つの対に相当する部材によってハウジング部材20,30の外周に効果的に接続して独立的に作用する一対のばね部材61、62に相当する一対の部材によって、前記シュー要素51がハウジング部材20,3 0に有効的に連結されていても良い。 【0055】図10、12を見ると、殆どの場合には音響調節リング要素31の内面は一定の構成を有しているが、場合によっては輪郭形状化切欠き42が、たとえばサキソフォン(図示せず)の本体に音響調節ベル要素3 1をつなぐ棒のような既定の突起に嵌まるように音響調節ベル要素31の基端33にそなえられていなければならないという例もあることがわかる。 【0056】図1に再度戻って、多くの場合ハウジング部材20、30は楽器100の対向する両端に配置されているが、フルート101の場合には、音響調節リング要素21よりなる第1ハウジング部材20がフルート1 01の対向する両端に配置されている。 【0057】図18から20に示されているように好ましい実施形態の別の例においては、音響調節ベル30がサキソフォンやその他の特定の楽器100(図示せず) の口部(音の出る口)の曲線に合うように形付けられているという例もあるのがわかる。 図18、19に描かれた実施形態では、この目的を達成するために、狭められた径を持つ基端33が音響調節ベル30の広げられた径をもつ末端33に対して傾斜されて設けられていることがわかる。 従ってこのような実施形態では音響調節ベル要素はほぼ円錐形の要素である。 【0058】しかし演奏という観点にたつとき、ほぼ円筒形の要素がより好ましい。 このことは音響性の観点からとくに好ましい。 本発明の音響調節ベル要素にかかわる図22において、音響調節ベル要素はほぼ円筒形の要素231と236として示されて、これらの要素はフルート、サキソフォーンにある図1におけるほぼ円錐形の要素31,36に実質上構造的にそれぞれ対応している。 しかし前にも指摘したように音響効果という観点ではほぼ円筒形の要素が好ましい。 【0059】更に図18から図20までを参照すれば、 好適な実施形態のひとつの形として、せばめられた径を持つ基端32は向かい合った対になっているガイドチューブ63を備え、このガイドチューブ63はばねで付勢されているシュー要素51の内側に延びている脚部材5 3を受け入れる大きさである。 この各脚部材53は別々のばね付勢要素64を備えている。 更にこのばね付勢要素64は輪郭形状シュー要素54と音響調節ベル要素3 1の基端32の内面との中間に配置されている。 【0060】図21に示されたこの発明の更に別の例では本質的にはワンピース構造のものが示されている。 この実施形態においてリングは形状がほぼ円筒形のものでもほぼ円錐形のものであってもよい。 図21を参照すると音響調節ベル要素31はプラスチックやその他の半硬質でしかも弾力性のある薄い壁材料38からつくられており、そのベル要素31の対向する側壁は変形してほぼ円形からほぼ楕円形へとベル要素31の基端部32の形を変えるようになっていても良い。 例えばリングがD1 線でしぼられると、その形は楕円形となる。 それによってベルの握力が解き放たれる。 【0061】さらに本発明のこの型において、着脱可能な固定手段50は直径上向かい合って対になっているシュー要素51からなり、このシュー要素はベル要素31 の内壁と一体に作られているかまたは恒久固定とされている。 【0062】さらにそれぞれのシュー要素51はベル要素31の内面から内側にのびている一本の延長した脚部材53と、その脚部材53の両端から外側に延びる弓状に形成されたシュー部材54とからなっている。 【0063】図21を参照すると判るようにベル要素3 1の側壁を強制変形させるとシュー要素51の楽器周囲との係合状態を強めたり弱めたりする。 【0064】本発明では本明細書中で述べた音響調節リングとベル構造の両方ともが種々の楽器にその楽器製造時に恒久的につけられても良いことをも考慮していることが、この重要点でさらに分かる。 そのように恒久的に取り付けるには楽器製造工業で用いられているハンダ付け、溶接、および/または接着剤の利用など従来からの方法で行なうことが出来る。 【0065】しかし本発明の音響調節リングおよび/または音響調節ベルが恒久的につけられた楽器は、本発明の音響調節リングおよび/または音響調節ベルが図示するように、別売り部品として後日取り付ける普通の楽器と必ずしも外観が異なる訳ではない。 そのような恒久的な取り付けの例が図26に示されている。 【0066】図21(a)を参照とするこの例ではロッド271の一方の端が楽器の金属リング272に例えば溶接のような方法で恒久的に取り付けられロッドの反対側273は例えばねじ276のような取り付け手段で楽器口部のリングに取り付けられている。 取り付け手段2 76に代わるものとしては膠その他の接着手段がある。 図21(b)を参照するとロッド277は楽器のネック274と金属リング275に溶接されている。 【0067】図23は基端音響調節リング1をに固定する方法を示している。 この基端音響調節リングを固定する楽器はクラリネット(図示せず)が好ましい。 この基端音響調節リングを取り付けるためにはクラリネットの胴部250の既存の基端金属リング241を取り除かねばならない。 その代わりに、取り除いた金属リングの場所にシュー要素242を合わせるようにして基端音響調節リング249が挿入される。 基端音響調節リング1は図23(c)の適正な位置に示されている。 【0068】図24は少なくともいくつかの音響調節リングについてのシュー用の新しい昇降機構を示している。 シュー要素267の外側部分がロッド260の溝穴266に挿入される。 キー状要素261がロッドの反対側263に取り付けられている。 ロッド263が支柱2 65を通過するピン264の周りを回転している。 この支柱は音響調節リング268に恒久的に取り付けられている。 張力ばね262がキー261の下側に内蔵されてキー261に上向きの圧力を加えている。 これによりリングを取り付けるべき楽器の方へシューの外側部分を押し付けている音響調節リングの窪みの方向へ向けてロッド263の反対側の端を下方に動かす結果となる。 同じような機構が音響調節リングの反対側(図示せず)にもあってこれら2つの機構が楽器を保持する対として作用している。 【0069】図25は本発明の基端リングをクラリネットのような楽器の胴部にある既存の基端金属リングの上に取り付ける本発明の別の実施形態を示している。 図2 5を参照すると基端リングは複数の内側に拡張している部分281を有するがその数は3つが望ましい。 各拡張部分281は楽器の金属リングの高くなった部分282 を受け入れるための溝部282を有している。 これが基端リングを所定の位置に強制嵌めし、力または圧力にを応用してぱちんと嵌めたり、外したりする。 【0070】またこの実施形態では、例えば図23を参照して記載された実施形態で行ったように既存の金属リングを取り除く必要はない。 【0071】本発明の典型的な実施形態のみが上述のように詳細に述べられてきたが、当該分野の当業者らは本発明の新規教示や利点から実質的に離脱する事なく多くの変形例が可能であることを容易に認識するであろう。 【0072】従って、すべてのそのような変形例は特許請求の範囲に定義されているこの発明の範囲に含まれる。 【0073】請求の範囲において、目的を達成するための手段および作用の条項は、説明された作用を実行するような本明細書中で述べた構成を包含し、かつ単に構造上の等価物というだけでなく等価的構造物をも包含する。 本発明の内容をこれにより記述してきたが、本発明の多くの代替、変形、変更が前記教示の示すところにより可能であることが明らかである。 それゆえここに教示され記述された発明は添付した請求の範囲の幅と範囲だけを限定したに過ぎないものとする。 【図面の簡単な説明】 本発明の種々の特質は、本発明の実施について最も優れた形態についての次の記述を特に図面と関連させて見ながら詳細に検討することで一層あきらかになるであろう。 【図1】種々の管楽器に設置した本発明の基礎を形成するこの音響調節リングとベルの音響システムの斜視図。 【図2】細いネックを有する楽器を保持している音響調節リングの端面図。 【図3】ひろがったネックを有する楽器を保持している音響調節リングの端面図。 【図4】一つの音響調節リング構造の外側の平面図。 【図5】他の一つの音響調節リング構造の外側の平面図。 【図6】ひろがった開口部をもつ音響調節ベルの端面図。 【図7】図6の開口部をもつ音響調節ベルの平面図。 【図8】図6に示され音響調節ベルの変形例の平面図。 【図9】音響調節ベルの分割リング型の端面図。 【図10】音響調節ベルの分割切欠き型の端面図。 【図11】図9の分割リング型の平面図。 【図12】図10の音響調節ベルの分割切欠き型の底面図。 【図13】音響調節ベルの小さい方のワンピース型の端面図。 【図14】ワンピース型の平面図。 【図15】この発明のマルチピース型(多要素からなる構造)のシューの分解斜視図。 【図16】ワンピース型シューの正面図。 【図17】マルチピース型シューの側面図。 【図18】音響調節ベルの代わりのタイプの平面図。 【図19】音響調節ベルの代わりのタイプの正面図。 【図20】図19の20−20線に沿った断面図。 【図21】音響調節ベルのもう一つの代わりのタイプの正面図。 【図22】円筒形ベルを備える音響調節リングとベルの音響システムの斜視図。 【図23】基端リングを示した図。 【図24】本発明の昇降機構を示した図。 【図25】基端リングを示したもう一つの図。 【図26】本発明の装置の恒久取付を示した図面。 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598070175 2255B Queen Street Ea st Suite 326 Toronto, Ontario M4E 1G3 Ca nada (72)発明者 ハロルド ゴメズ カナダ M4E 1Y8 オンタリオ州 トロント ベンラモンドアヴェニュー 43 |