太鼓

申请号 JP2014004748 申请日 2014-09-05 公开(公告)号 JP3194335U 公开(公告)日 2014-11-13
申请人 株式会社太鼓正; 发明人 庸介 南本; 庸介 南本;
摘要 【課題】余韻持続のための作業が不要な太鼓を提供する。【解決手段】木材から筒状に形成される胴部10と、胴部10の両端部に張り付けられた皮面11とを備え、胴部10の内周面に漆を介して金箔の貼り付けにより形成される金箔層12を有する。【選択図】図2
权利要求
  • 筒状に形成される胴部(10)と、その胴部(10)の両端部に張り付けられた皮面(11)とを備えた太鼓において、前記胴部(10)が木材から形成され、その胴部(10)の内周面に金属箔層(12)を有することを特徴とする太鼓。
  • 前記金属箔層が金箔により形成された金箔層(12)であることを特徴とする請求項1に記載の太鼓。
  • 前記金箔層(12)が漆(17)を接着剤とする金箔の貼り付けにより形成されることを特徴とする請求項2に記載の太鼓。
  • 说明书全文

    この考案は、胴部の内周面に金箔層を有する太鼓に関する。

    従来から、太鼓としては、ケヤキ、トチ、セン等の一本の木をくり抜いて製作される筒状の胴部と、胴部の両端部に鋲によりの皮、馬の皮等を張り付けた皮面とを備え、皮面を桴(バチ)で打って振動させ、その振動を胴部に伝達させ、胴部と皮面とで囲まれた太鼓の内部を共鳴箱として重低音を響かせて、余韻を持続させる。

    皮面は、胴部の端部(歌口)の全周に接触しているため、その接触部分において、振動エネルギーの損失が大きくなり、弦楽器等の弦の振動と比較して、皮面の振動が比較的速く減衰し、太鼓の余韻があまり持続しない。

    そこで、太鼓の余韻を長く持続させる太鼓が提案されている(例えば、特開平11−119770号公報参照)。 この太鼓は、胴部の内周面に三つの余韻増長器を備えたものであり、各余韻増長器は、短冊状で互いに同一寸法の2枚の金属製の振動子を有し、その振動子の表裏面が太鼓の皮面に平行となるようにねじにより装着される。

    この余韻増長器を装着した太鼓は、桴で打たれた皮面の振動を、その皮面よりも質量が大きく硬いために振動が減衰し難い金属製振動子に伝え、この振動子に蓄えられた振動エネルギーを徐々に放出して太鼓の余韻を長く持続させることができる。

    しかしながら、上述の余韻増長器を装着した太鼓は、皮面を桴で打って振動させ、その振動が胴部に伝達されて、胴部が振動すると、三つの余韻増長器を固定するねじが緩むことがある。

    この場合、皮面の皮に弛みを生じたり、皮が破損・劣化したりした際に行われる皮の張り直し作業や交換作業等のメンテナンスとは別に、余韻増長器のねじを締め直すという余韻持続のための作業を行う必要がある。

    この余韻持続のための作業は、2枚の金属製の振動子を有する三つの余韻増長器を、その振動子の表裏面が太鼓の皮面に平行となるように行う必要があり、前記メンテナンスとは別作業となって、手間のかかるものであった。

    そこで、この考案の課題は、余韻持続のための作業が不要な太鼓を提供することにある。

    上記の課題を解決するために、筒状に形成される胴部と、その胴部の両端部に張り付けられた皮面とを備えた太鼓において、前記胴部が木材から形成され、その胴部の内周面に金箔層を有する構成を採用することができる。

    通常、木材は多孔質であり、多孔質の木材から胴部が形成され、その内周面に金箔層が形成されると、金箔層によって胴部の内周面の凹凸が覆われ、内周面の表面粗さが小さくなる。 また、金箔層を構成する金箔は柔らかいことから、胴部の内周面の凹凸に応じて密着する状態で貼り付けることができる。

    上記構成において、金箔層が漆を接着剤とする金箔の貼り付けにより形成される構成を採用することができる。

    この考案は、金箔層が胴部の内周面に密着するため、太鼓の使用時において振動する胴部の内周面から金箔層が剥がれず、余韻を長く持続させるためのメンテナンスが不要となり、長期間にわたって余韻を長く維持することができる。

    また、金箔層を有する胴部の内周面における音の吸収が抑制されるため、胴部の内周面で音が反射して、胴部内で音が反響して大きくなるとともに、音の響きが良くなる。

    この考案に係る太鼓の実施形態を示す斜視図

    同上の太鼓の胴部を示す一部切り欠き断面図

    同上の太鼓の胴部の一部拡大断面図

    同上の太鼓の効果検証実験の低周波数での実験結果を示す図

    同上の太鼓の効果検証実験の高周波数での実験結果を示す図

    以下、この考案に係る太鼓の実施形態を図1〜3に示す。
    太鼓1は、図1〜3に示すように、木材から形成される筒状の胴部10と、胴部10の両端部に形成される皮面11とを備え、台18上に据え置かれる。

    胴部10は、ケヤキ、トチ、セン等の一本の木材をくり抜いて筒状に形成されたものである。 胴部10の長さは、直径よりも大きく、胴部10の両端部に皮面11が形成される。

    胴部10の内周面に金箔層12が全面に形成されている。 胴部10の外周部には、周方向の対向位置となる一箇所から四箇所に金属製の座金13が固定される。 固定板13にリング状の鐶14が取り付けられる。

    皮面11は、胴部10の両側部(歌口)の開口部分を閉塞するように1枚の皮15が張り付けられ、皮15の外周部分を胴部10の外周部の端部に複数個の鋲16により固定することで形成される。 皮15は、一枚の獣皮、例えば、牛皮等の天然皮革が用いられる。

    金箔層12は、図3に示すように、胴部10の内周面に塗布される漆17を接着剤として、その内周面の全面にわたって、複数枚の金箔を貼り付けることにより形成される。 金箔は、柔らかいので、胴部10の内周面に形成される凹凸を覆うように、その胴部10の内周面に対して漆17を介して密着する。

    金箔の種類としては、例えば、四号色を使用することができる。 金箔の厚みが0.1〜0.3μm程度、金箔の大きさは、太鼓1の内周面の面積に応じて、一辺が三寸六分または四寸二分の正方形のものを使用することができる。

    金箔層12の形成方法としては、例えば、以下の方法を採用することができる。 すなわち、胴部10の内周面に対し、予め下地塗りを行い、下地塗りの後、漆17(箔下漆)を塗布、乾燥させる。 その後、漆17(箔押漆)を刷毛で塗り、軽く拭き取り、半乾きの状態で金箔を貼り付け、金箔の上から綿により軽く押し付けるようにする方法を採用することができる。

    なお、金箔層12の形成方法は、上記方法に限られず、下地塗りの後、漆17(箔押漆)を刷毛で塗るようにしてもよく、また、漆17以外の接着材により金箔を貼り付けるようにしてもよい。 要は、胴部10の内周面に対して金箔層12が密着する状態に形成され、胴部10の内周面の表面粗さが金箔層12の形成前よりも小さくなればよい。

    なお、胴部10の内周面に形成される金箔層12としては、金箔から形成されるものに限られず、例えば、金属箔から形成される金属箔層を採用することができる。

    上記金属箔は、例えば、アルミニウム箔、銅箔、銀箔、白金箔などを使用することができ、金属箔層は、金箔層12と同様、金属箔が胴部10の内周面に対して密着する状態に形成できるものであればよく、胴部10の内周面の表面粗さがその金属箔層の形成前よりも小さくなるものが好ましい。 また、上記金属箔層は、酸化、腐食防止を目的とした表面処理を施した上記金属箔により形成することも可能である。

    上記のように構成される本実施形態の太鼓1は、胴部10が多孔質である木材から形成され、胴部10の内周面に対して漆17を接着剤として金箔を貼り付けて金箔層12が形成される。 金箔層12によって、多孔質である胴部10の内周面の凹凸が漆17を介して覆われて、胴部10の内周面の表面粗さが小さくなる。

    表面粗さが小さくなることによって、桴を打ち付ける皮面の振動で発生する音は、金箔層12の表面の凹凸で吸収され難くなり、胴部10の内周面で反射する。 これにより、その音が胴部10内で反響して大きくなるとともに、音の響きが良くなる。

    また、金箔層12は、胴部10の内周面に対して漆17を介して密着しているため、皮面の振動が伝わる胴部10の振動によって剥がれることがない。 このため、上述した従来の太鼓のように、余韻持続のための作業を、皮面11の皮の張り直し作業や交換作業等のメンテナンスとは別に行う必要がなく、長期間にわたって余韻を長く維持することができる。

    以下、本発明に係る発明に係る太鼓の音の反響を確認するため、胴部の内周面に金箔から形成された金箔層を有する太鼓(実験例)について、金箔層を有していない太鼓(比較例)との比較実験を行った。

    本比較実験の試験条件、方法は、太鼓の胴部の一方の歌口にのみを張って皮面を形成し、胴部の他方の歌口から胴部内部へ、所定の周波数(高周波数、低周波数)を有する人工音をスピーカから出する。 胴部内部の中央位置及び、胴部内部の前記皮面から1cm離れた位置に設置したマイクにより集音し、集音された各周波数の人工音について、スピーカから出力後からの時間経過による振幅を測定した。 実験結果を図4、5に示す。

    図4に示すように、低周波数(例えば、63Hz、80Hz)において、実験例は、比較例に比べ、音の減衰が抑制され、スピーカ出力後200ms以降に振幅が大きく維持されている。

    また、図5に示すように、高周波数(例えば、1250Hz、1600Hz)においても、図4と同様に、実験例は、比較例に比べ、音の減衰が抑制され、スピーカ出力後100ms以降に振幅が大きく維持されている。

    以上より、実験例は、比較例に比べ、音の減衰が抑制され、時間経過により振幅が大きく維持されているため、胴部内で音が反響して大きくなるとともに、音の響きが良くなることが認められた。

    1 太鼓10 胴部11 皮面12 金箔層13 座金14 鐶15 皮16 鋲17 漆18 台座

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