鍵ガイドの実装方法および鍵ガイド構造

申请号 JP2010248707 申请日 2010-11-05 公开(公告)号 JP5621521B2 公开(公告)日 2014-11-12
申请人 カシオ計算機株式会社; 发明人 淳 大城; 淳 大城;
摘要
权利要求
  • 鍵盤シャーシ上に並列に配列されてそれぞれ上下方向に回転可能に設けられた複数の鍵をそれぞれ上下方向にガイドする鍵ガイドの実装方法において、
    前記鍵盤シャーシに、その下側に開放された中空状のガイド突起部を前記複数の鍵にそれぞれ対応させて形成すると共に、この複数のガイド突起部における前記鍵の配列方向に位置する各両側面に、前記ガイド突起部の内部と外部とに貫通する装着溝をそれぞれ上下方向に沿って形成する第1の工程と、
    前記複数のガイド突起部の各内部に弾性材料からなるガイド部材をそれぞれ挿入させて、このガイド部材を前記ガイド突起部の前記各装着溝内に挿入可能な状態で配置する第2の工程と、
    前記複数のガイド突起部内にそれぞれ固定部材を挿入させて前記ガイド部材を前記各装着溝内に押し込んで前記ガイド突起部の前記両側面の外部にそれぞれ押し出す第3の工程と を有することを特徴とする鍵ガイドの実装方法。
  • 前記第2の工程では、前記複数の鍵にそれぞれ対応して配列された前記複数のガイド突起部内に前記ガイド部材を連続させて挿入することを特徴とする請求項1に記載の鍵ガイドの実装方法。
  • 鍵盤シャーシ上に並列に配列されてそれぞれ上下方向に回転可能に設けられた複数の鍵をそれぞれ上下方向にガイドする鍵ガイド構造において、
    前記複数の鍵にそれぞれ対応した状態で前記鍵盤シャーシ上に起立して形成され、且つ前記鍵盤シャーシの下側に開放された中空状の複数のガイド突起部と、
    この複数のガイド突起部における前記鍵の配列方向に位置する各両側面に、それぞれ前記ガイド突起部の内部と外部とに貫通して上下方向に沿って形成された複数の装着溝と、
    前記複数のガイド突起部の内部に挿入されて前記複数の装着溝内にそれぞれ挿入可能な状態で配置された弾性材料からなるガイド部材と、
    前記複数のガイド突起部の各内部にその下側からそれぞれ挿入されて前記ガイド部材を前記複数の装着溝内に押し込んで前記複数のガイド突起部における前記各両側面の外部にそれぞれ押し出す複数の固定部材と を備えていることを特徴とする鍵ガイド構造。
  • 前記ガイド部材は、前記複数の鍵にそれぞれ対応する前記複数のガイド突起部の配列方向に沿って連続する線状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の鍵ガイド構造。
  • 前記ガイド部材には位置決め用の球状突起が所定間隔で形成されており、前記複数のガイド突起部の各間に位置する箇所の前記鍵盤シャーシの下面には前記球状突起が係合して位置決めされる位置決め部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項4に記載の鍵ガイド構造。
  • 前記ガイド突起部の上部には、その内部に貫通する係止凹部が設けられており、前記固定部材には、この固定部材が前記ガイド突起部内に挿入された際に、前記係止凹部に係脱可能に係合する係合フック部が設けられていることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかに記載の鍵ガイド構造。


  • 说明书全文

    この発明は、電子ピアノや電子オルガンなどの鍵盤楽器に用いられる鍵ガイドの実装方法および鍵ガイド構造に関する。

    従来、電子ピアノなどの鍵盤楽器においては、特許文献1に記載されているように、鍵盤シャーシ上に複数の鍵を並列に配列させた状態でそれぞれ上下方向に回転可能に設けると共に、この鍵盤シャーシ上に複数の鍵をそれぞれ上下方向にガイドする複数の鍵ガイド部を各鍵に対応させて設けた構成のものが知られている。

    特開平08−179758号公報

    この種の鍵盤楽器の鍵ガイド部は、鍵盤シャーシ上に複数のガイド取付部を各鍵にそれぞれ対応させて起立させた状態で設け、この複数のガイド取付部にそれぞれキャップ状のガイド部材を嵌め込んで取り付けた構成になっている。 このような鍵ガイド部は、鍵の内部に挿入された際に、鍵の配列方向に位置するガイド部材の両側面が鍵内の両側面に対して若干の隙間をもって対面し、この状態で鍵の内側面を上下方向にガイドするように構成されている。

    しかしながら、このような従来の鍵盤楽器における鍵ガイド構造では、キャップ状のガイド部材の内部に嵌合穴が下側に開放されて設けられ、この嵌合穴に鍵盤シャーシ上のガイド取付部が相対的に差し込まれて、ガイド部材がガイド取付部に取り付けられる構成であるから、各ガイド部材を個別に製作して各ガイド取付部にそれぞれ個別に取り付けなければならないため、部品点数が多く、組立作業が煩雑で面倒であるという問題がある。

    特に、このような鍵ガイド部では、各ガイド部材を個別に製作した際に、ガイド取付部とガイド部材とに寸法誤差が生じると、ガイド部材をガイド取付部に取り付けた後に、鍵内の両側面とガイド部材の両側面との隙間を調整する必要が生じ、その調整作業が面倒で煩雑であり、組立作業に時間が掛かり、生産性が悪いという問題がある。

    また、このような鍵ガイド構造では、ガイド部材の嵌合穴に鍵盤シャーシ上のガイド取付部を差し込んでガイド部材をガイド取付部に取り付けただけでは、ガイド部材がガイド取付部から脱落する恐れがあるため、接着剤や溶着などによってガイド部材をガイド取付部に固定する必要がある。

    しかし、このようにガイド部材を接着剤や溶着などによってガイド取付部に固定した場合には、鍵盤楽器を修理したり点検したりする際に、ガイド部材をガイド取付部から簡単に取り外すことができないため、分解作業が面倒で、時間や手間が掛かるという問題もある。

    この発明が解決しようとする課題は、組立作業性が良く、生産性の向上を図ると共に、分解作業性も良く、修理や点検が容易にできる鍵ガイドの実装方法および鍵ガイド構造を提供することである。

    この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
    請求項1に記載の発明は、鍵盤シャーシ上に並列に配列されてそれぞれ上下方向に回転可能に設けられた複数の鍵をそれぞれ上下方向にガイドする鍵ガイドの実装方法において、前記鍵盤シャーシに、その下側に開放された中空状のガイド突起部を前記複数の鍵にそれぞれ対応させて形成すると共に、この複数のガイド突起部における前記鍵の配列方向に位置する各両側面に、前記ガイド突起部の内部と外部とに貫通する装着溝をそれぞれ上下方向に沿って形成する第1の工程と、前記複数のガイド突起部の各内部に弾性材料からなるガイド部材をそれぞれ挿入させて、このガイド部材を前記ガイド突起部の前記各装着溝内に挿入可能な状態で配置する第2の工程と、前記複数のガイド突起部内にそれぞれ固定部材を挿入させて前記ガイド部材を前記各装着溝内に押し込んで前記ガイド突起部の前記両側面の外部にそれぞれ押し出す第3の工程とを有することを特徴とする鍵ガイドの実装方法である。

    請求項2に記載の発明は、前記第2の工程で、前記複数の鍵にそれぞれ対応して配列された前記複数のガイド突起部内に前記ガイド部材を連続させて挿入することを特徴とする請求項1に記載の鍵ガイドの実装方法である。

    請求項3に記載の発明は、鍵盤シャーシ上に並列に配列されてそれぞれ上下方向に回転可能に設けられた複数の鍵をそれぞれ上下方向にガイドする鍵ガイド構造において、前記複数の鍵にそれぞれ対応した状態で前記鍵盤シャーシ上に起立して形成され、且つ前記鍵盤シャーシの下側に開放された中空状の複数のガイド突起部と、この複数のガイド突起部における前記鍵の配列方向に位置する各両側面に、それぞれ前記ガイド突起部の内部と外部とに貫通して上下方向に沿って形成された複数の装着溝と、前記複数のガイド突起部の内部に挿入されて前記複数の装着溝内にそれぞれ挿入可能な状態で配置された弾性材料からなるガイド部材と、前記複数のガイド突起部の各内部にその下側からそれぞれ挿入されて前記ガイド部材を前記複数の装着溝内に押し込んで前記複数のガイド突起部における前記各両側面の外部にそれぞれ押し出す複数の固定部材とを備えていることを特徴とする鍵ガイド構造である。

    請求項4に記載の発明は、前記ガイド部材が、前記複数の鍵にそれぞれ対応する前記複数のガイド突起部の配列方向に沿って連続する線状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の鍵ガイド構造である。

    請求項5に記載の発明は、前記ガイド部材に位置決め用の球状突起が所定間隔で形成されており、前記複数のガイド突起部の各間に位置する箇所の前記鍵盤シャーシの下面には前記球状突起が係合して位置決めされる位置決め部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項4に記載の鍵ガイド構造である。

    請求項6に記載の発明は、前記ガイド突起部の上部に、その内部に貫通する係止凹部が設けられており、前記固定部材には、この固定部材が前記ガイド突起部内に挿入された際に、前記係止凹部に係脱可能に係合する係合フック部が設けられていることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかに記載の鍵ガイド構造である。

    この発明によれば、鍵盤シャーシに形成されたガイド突起部内に弾性材料からなるガイド部材を挿入し、このガイド突起部内に固定部材を挿入させてガイド部材をガイド突起部の装着溝内に押し込むと、ガイド部材がガイド突起部の両側面の外部にそれぞれ押し出され、この押し出された部分のガイド部材によって鍵の内側面を上下方向にガイドすることができる。

    また、固定部材をガイド突起部の内部から抜き出すと、固定部材によるガイド部材の押し込みが解除され、ガイド部材をガイド突起部の装着溝から容易に取り出すことができる。 このため、組立作業性が良く、生産性の向上を図ることができると共に、分解作業性も良く、修理や点検が容易にできる。

    この発明の鍵ガイド構造を鍵盤楽器に適用した一実施形態を示した要部の平面図である。

    図1に示された鍵盤楽器のA−A矢視における拡大断面図である。

    図1に示された鍵盤楽器における鍵盤部の一部を示した拡大平面図である。

    図2に示された鍵盤楽器の鍵ガイド構造であるA部を示した拡大斜視図である。

    図2に示された鍵盤楽器の鍵ガイド構造であるA部において一部を分解して示した拡大断面図である。

    図4に示された鍵ガイド構造のB−B矢視において一部を分解して示した拡大断面図である。

    図2に示された鍵盤楽器の鍵盤シャーシを示した斜視図である。

    図7に示された鍵盤シャーシの鍵ガイド構造であるB部を示した拡大斜視図である。

    図7に示された鍵盤シャーシの鍵ガイド構造であるB部を背面側から見て示した拡大斜視図である。

    図9に示された鍵ガイド構造のC部を示した拡大斜視図である。

    図8に示された鍵盤シャーシを上下反転させて鍵盤シャーシの鍵ガイド部を下側から見て示した要部の拡大斜視図である。

    図11に示された鍵ガイド構造のD部を示した拡大斜視図である。

    図12に示された鍵ガイド構造のE部を示した拡大斜視図である。

    図12に上下反転して示された鍵盤シャーシの各ガイド突起部内にガイド部材を連続させて配置して固定部材によって取り付ける状態を示した拡大斜視図である。

    以下、図1〜図14を参照して、この発明を鍵盤楽器に適用した一実施形態について説明する。
    この鍵盤楽器は、図1および図2に示すように、楽器ケース1を備えている。 この楽器ケース1は、下部ケースを兼ねる合成樹脂製の鍵盤シャーシ2と、この鍵盤シャーシ2の後部(図2では右側部)を覆う上部ケース3とを備えている。 鍵盤シャーシ2上には、鍵盤部4が上方に露出した状態で設けられている。

    上部ケース3は、図1および図2に示すように、鍵盤シャーシ2の後部上に設けられて鍵盤部4の後部を覆うように構成されている。 この上部ケース3の上面には、操作部5および表示部6が設けられている。 操作部5は、電源や音量調整、音色選択などの楽器に必要な各種のスイッチを備えている。 表示部6は、液晶表示パネルなどの平面型の表示パネルからなり、演奏に必要な各種の情報を電気光学的に表示するように構成されている。 また、この上部ケース3の内部には、図2に示すように、楽音を放音するスピーカ7が設けられている。

    鍵盤部4は、図1および図2に示すように、鍵盤シャーシ2上に並列に配列された状態で上下方向に回転可能に設けられた複数の鍵8と、鍵盤シャーシ2にそれぞれ上下方向に回転可能に設けられて複数の鍵8にそれぞれアクション荷重を付与する複数のハンマー部材10とを備えている。 この場合、複数の鍵8は、白鍵と黒鍵とからなっている。 ただし、この実施形態では白鍵のみについて説明する。

    この鍵8は、図2に示すように、その後端部(図2では右端部)が鍵盤シャーシ2の後部(図2では右側部)に位置する鍵搭載部11上に設けられた鍵支持部12の鍵支持軸12aに回転可能に取り付けられ、この鍵支持軸12aを中心に上下方向に回転するように構成されている。 この鍵8の前後方向(図2では左右方向)における中間部には、スイッチ押圧部13が下側に突出して設けられている。 また、この鍵8におけるスイッチ押圧部13の前側(図2では左側)に位置する箇所には、ハンマー押圧部14が下側に突出して設けられている。

    一方、鍵盤シャーシ2の前部(図2では左側部)には、図2に示すように、前脚部15が底部から上方に向けて突出して設けられている。 この前脚部15の前部(図2では左側部)には、後述する鍵ガイド部16が前脚部15の上方に突出して設けられている。 この鍵ガイド部16の前部には、鍵8の前端面(図2では左端面)を覆うための鍵カバー部17が鍵ガイド部16とほぼ同じ高さで設けられている。

    また、この鍵盤シャーシ2における前脚部15の後部(図2では右側部)には、図2に示すように、ハンマー搭載部18が前脚部15よりも低い高さで設けられている。 このハンマー搭載部18上には、ハンマー支持部19が前脚部15とほぼ同じ高さで設けられており、このハンマー支持部19には、ハンマー部材10が上下方向に回転可能に取り付けられるハンマー支持軸19aが設けられている。

    この鍵盤シャーシ2におけるハンマー搭載部18の後部(図2では右側部)には、図2に示すように、立上り部20が前脚部15とほぼ同じ高さで起立して設けられている。 この立上り部20には、後述するハンマー部材10のハンマー本体24が上下方向に移動可能に挿入するハンマー挿入用の開口部20aが設けられている。 この立上り部20の上部には、基板搭載部21が後方(図2では右側部)に向けてほぼ平に設けられており、この基板搭載部21の後部には、鍵搭載部11が一段高い高さで設けられている。

    この場合、基板搭載部21上には、図2に示すように、スイッチ基板22が取り付けられている。 このスイッチ基板22上には、スイッチ部23が複数の鍵8の各スイッチ押圧部13に対応してそれぞれ設けられている。 このスイッチ部23は、ゴムシートにドーム状の膨出部が形成され、この膨出部内に一対の可動接点が設けられ、この一対の可動接点がスイッチ基板22上に設けられた一対の固定接点に接離可能に接触するように構成されている。

    ハンマー部材10は、図2に示すように、ハンマー本体24と、このハンマー本体24の後部(図2では右側部)に設けられた錘部25と、ハンマー本体24の前部(図2では右側部)に設けられた軸受け部26と、この軸受け部26の前側に位置するハンマー本体24の前端部に設けられた鍵当接部27とを備えている。

    このハンマー部材10は、図2に示すように、ハンマー本体24の後部が鍵盤シャーシ2の立上り部20の開口部20aに前側(図2では左側)から後側(図2では右側)に向けて挿入され、この状態で軸受け部26が鍵盤シャーシ2のハンマー支持部19のハンマー支持軸19aに回転可能に取り付けられることにより、ハンマー本体24がハンマー支持軸19aを中心に上下方向に回転するように構成されている。

    また、このハンマー部材9は、図2に示すように、ハンマー本体24の前端部の鍵当接部27が鍵8のハンマー押圧部14によって押し下げられると、ハンマー本体24の錘部25の重量に抗してハンマー本体24が鍵盤シャーシ2に設けられたハンマー支持部19のハンマー支持軸19aを中心に反時計回りに回転して、鍵8にアクション荷重を付与するように構成されている。

    また、このハンマー部材9は、図2に示すように、ハンマー本体24がハンマー支持軸19aを中心に反時計回りに回転した際に、ハンマー本体24の後端部が鍵盤シャーシ2の鍵搭載部11の下面に設けられた上限ストッパ部28aに当接して、ハンマー本体24が上限位置に規制され、これにより鍵8を下限位置に規制するように構成されている。

    さらに、このハンマー部材10は、図2に示すように、上限位置に規制されたハンマー本体24が錘部25の重量によってハンマー支持軸19aを中心に時計回りに回転した際に、ハンマー本体24の後端部が鍵盤シャーシ2の底部に設けられた下限ストッパ部28bに当接して、ハンマー本体24が下限位置に規制され、これにより鍵8を初期位置である上限位置に規制するように構成されている。

    ところで、鍵2を上下方向にガイドする鍵ガイド部16は、図3〜図6に示すように、複数の鍵8にそれぞれ対応した状態で鍵盤シャーシ2上に起立して形成された複数のガイド突起部30と、この複数のガイド突起部30の内部にそれぞれ配置されるガイド部材31と、このガイド部材31を複数のガイド突起部30にそれぞれ固定するための固定部材32とを備えている。

    ガイド突起部30は、図3〜図6に示すように、その上下方向の長さ(高さ)が長い縦長のほぼ長方形の板状をなし、その内部が鍵盤シャーシ2の下側に開放された中空状に形成されている。 また、このガイド突起部30は、図3に示すように、鍵8の配列方向の長さ(幅)が鍵8内の両側面間の長さよりも若干短く、鍵8の前後方向の長さ(厚み)が鍵8の配列方向の長さ(幅)よりも十分に短く形成されている。

    このガイド突起部30における鍵8の配列方向の両側面30aには、図7〜図10に示すように、ガイド突起部30の内部と外部とに貫通するスリット状の装着溝33が、上下方向に沿って形成されている。 また、このガイド突起部30の上端部には、図4、図5および図10に示すように、その内部に貫通する係止凹部34が設けられている。

    ガイド部材31は、ゴムやエラストマーなどの弾性を有する材料からなり、図4、図6および図14に示すように、複数の鍵8にそれぞれ対応する複数のガイド突起部30の配列方向に沿って連続する線状に形成されている。 このガイド部材31は、その外径が装着溝33の溝幅よりも少し大きく形成されていると共に、装着溝33の溝の深さ、つまりガイド突起部30の肉厚よりも少し大きく形成されている。

    また、このガイド部材31には、図14に示すように、鍵盤シャーシ2に対してガイド部材31を位置決めするための球状突起31aが所定間隔で設けられている。 この球状突起31aは、ガイド部材31の線材の外径よりも少し大きく形成され、図12および図13に示すように、鍵盤シャーシ8の下面に設けられた後述する位置決め部35aに装着することにより、ガイド部材31がその線方向に移動して位置ずれするのを防ぐように構成されている。

    この場合、複数のガイド突起部30の各間にそれぞれ位置する鍵盤シャーシ2の下面には、図11〜図14に示すように、ガイド部材31を鍵盤シャーシ2に対して位置決めするための位置決め溝35が、それぞれガイド突起部30の装着溝33に連続して設けられている。 この位置決め溝35の中間部、つまりガイド突起部30の配列方向における位置決め溝35の中間部には、ガイド部材31の各球状突起31aを位置決めするための位置決め部35aがそれぞれ設けられている。

    固定部材32は、図5、図6および図14に示すように、ガイド突起部30の内部に下側から挿入するものであり、全体が上下方向に長いほぼ長方形の板状に形成されている。 この固定部材32は、その上下方向の長さ(高さ)がガイド突起部30の内部の上下方向の長さと同じで、鍵8の配列方向の長さ(幅)がガイド突起部30の内部における鍵8の配列方向の長さと同じで、鍵8の前後方向の長さ(厚み)がガイド突起部30の内部における鍵8の前後方向の長さ(厚み)と同じ大きさに形成されている。

    この固定部材32は、図14に示すように、鍵8の配列方向に位置する両側面に、ガイド部材31をガイド突起部30の両側面30aに設けられた各装着溝33内に誘導するための誘導溝36が、上下方向に沿って設けられた構成になっている。 この誘導溝36は、その断面形状がガイド部材31の外径のほぼ半分の大きさの半円形状に形成されている。

    これにより、固定部材32は、図6に示すように、ガイド突起部30内に下側から挿入された際に、誘導溝36がガイド部材31をガイド突起部30の各装着溝33内に誘導し、ガイド部材31をガイド突起部30の装着溝33内に押し込んでガイド突起部30の両側面30aから外部に、例えば0.5mm程度、押し出すように構成されている。

    また、この固定部材32の上端部(図14では下端部)には、図14に示すように、固定部材32がガイド突起部30内に挿入された際に、ガイド突起部30の係止凹部34に係脱可能に係合する係合フック部37が設けられている。 この係合フック部37は、図14に示すように、固定部材32の上端部(図14では下端部)にその上下方向に沿って形成された一対のスリット溝37aと、この一対のスリット溝37a間に設けられた係合突起37bとを備えている。

    これにより、この係合フック部37は、図4、図5および図14に示すように、係合突起37bが一対のスリット溝37aによって鍵盤シャーシ2の前後方向に弾性変形するように構成されている。 このため、この係合フック部37は、固定部材32がガイド突起部30内に挿入された際に、係合突起37bがガイド突起部30の係止凹部34に係脱可能に弾的に係合するように構成されている。

    また、この係合フック部37は、固定部材32がガイド突起部30内に挿入されて、係合突起37bがガイド突起部30の係止凹部34に係合した際に、係合突起37bが係止凹部34内においてガイド突起部30の上方に露出し、この露出した係合突起37bをガイド突起部30の内部つまり固定部材32の厚み内に押し込むと、係止凹部34に対する係合突起37bの係合が解除されるように構成されている。

    次に、このような鍵盤楽器における鍵ガイド部16の実装方法について説明する。
    まず、第1工程では、図7〜図13に示すように、鍵盤シャーシ2に、その下側に開放された中空状のガイド突起部30を、複数の鍵8にそれぞれ対応させて形成すると共に、この複数のガイド突起部30における鍵8の配列方向に位置する各両側面8aに、ガイド突起部30の内部と外部とに貫通する装着溝33を、それぞれ上下方向に沿って形成する。

    次いで、第2工程では、図6および図14に示すように、複数のガイド突起部30の各内部に弾性材料からなるガイド部材31を鍵盤シャーシ2の下側から順次挿入する。 この場合、ガイド部材31が1本の線状であるから、この線状のガイド部材31を鍵盤シャーシ2の下側から各ガイド突起部30の内部に順次屈曲させながら挿入し、各ガイド突起部30内の両側面30aおよび上面に連続させて配置する。

    この状態で、鍵盤シャーシ2の下面に位置するガイド部材31を、図12〜図14に示すように、複数のガイド突起部30の各間にそれぞれ位置する鍵盤シャーシ2の下面に設けられた位置決め溝35に挿入する。 そして、線状のガイド部材31の所定箇所に設けられた球状突起部31aを位置決め溝35の位置決め部35aに配置する。 これにより、線状のガイド部材31が、鍵盤シャーシ2に配列された複数のガイド突起部30に連続して配置された状態で、鍵盤シャーシ2に対して位置決めされる。

    次に、第3工程では、図5、図6および図14に示すように、複数のガイド突起部30内にそれぞれ固定部材32を鍵盤シャーシ2の下側から挿入する。 このときには、図4および図14に示すように、固定部材32の上部(図14では下部)に設けられた係合フック部37を上(図14では下)にして、固定部材32を鍵盤シャーシ2の下側からガイド突起部30内に挿入する。

    このときには、固定部材32の両側面に設けられた誘導溝36にガイド部材31が挿入されることにより、この誘導溝36によってガイド部材31をガイド突起部30の装着溝33に誘導しながら押し込む。 この場合、ガイド部材31はその外径が装着溝33の溝幅よりも少し太いので、弾性変形しながら装着溝33内に押し込まれてガイド突起部30の両側面30aから外部に、例えば0.5mm程度、押し出される。

    また、このときには、ガイド部材31の球状突起31aが鍵盤シャーシ2の下面に設けられた位置決め溝35の位置決め部35aに配置されて位置決めされているので、固定部材32によってガイド部材31がガイド突起部30の装着溝33に押し込まれる際に、ガイド部材31が伸びても、球状突起31a間に位置する一定長さのガイド部材31のみが装着溝33内に均一に押し込まれる。

    このため、装着溝33内に押し込まれたガイド部材31は、固定部材32によってガイド突起部30の両側面30aから外部に均一に押し出される。 この後、ガイド突起部30の両側面30aから押し出された部分のガイド部材31に、グリスなどの潤滑剤(図示せず)を塗布する。 この潤滑剤が塗布されたガイド部材31は、鍵8の内側面に潤滑剤と共に接触することにより、鍵8が横振れしたり、異音を発生したりせずに、鍵8を上下方向に円滑に且つ良好にガイドする。

    このようにして固定部材32がガイド突起部30内に挿入されると、その上端部に設けられた係合フック部37がガイド突起部30の上端部に設けられた係止凹部34に係合し、固定部材32がガイド突起部30内に固定される。 すなわち、係合フック部37は、固定部材32がガイド突起部30内に挿入された際に、係合突起37bがガイド突起部30の係止凹部34に弾力的に係合し、固定部材32をガイド突起部30内に固定する。 これにより、鍵ガイド部16が組み立てられる。

    次に、このような鍵ガイド部16を分解する場合について説明する。
    このときには、まず、ガイド突起部30の係止凹部34に対する固定部材32の係合フック部37の係合を解除する。 すなわち、係合フック部37の係合突起37bが係止凹部34に係合している状態では、係合突起37bが係止凹部34内においてガイド突起部30の上方に露出している。 このため、この露出した係合突起37bを係止凹部34内からガイド突起部30の内部、つまり固定部材32の厚み内に押し込むことにより、係止凹部34に対する係合突起37bの係合を解除する。

    これにより、固定部材32をガイド突起部30の内部から抜き出すことができるので、固定部材32をガイド突起部30内から取り出すことができる。 この状態では、鍵盤シャーシ2の下面に露出しているガイド部材31を引き出すことにより、ガイド部材31をガイド突起部30の装着溝33内から引き抜くことができると共に、ガイド突起部30の内部から取り出すことができる。 これにより、鍵ガイド部16を簡単に分解することができ、ガイド部材31を容易に交換することができる。

    次に、このように鍵ガイド部16が組み立てられた鍵盤シャーシ2に鍵8およびハンマー部材10を組み付けて使用する場合について説明する。
    このときには、まず、鍵盤シャーシ2にハンマー部材10を取り付ける。 この場合には、図2に示すように、ハンマー本体24の後端部を鍵盤シャーシ2の立上り部20の開口部20aに鍵盤シャーシ2の前側から後側に向けて挿入し、ハンマー本体24の軸受け部26を鍵盤シャーシ2のハンマー支持部19のハンマー支持軸19aに回転可能に取り付ける。

    この後、鍵盤シャーシ2の基板搭載部21にスイッチ基板22を取り付ける。 このときには、予め、スイッチ基板22上にスイッチ部23を取り付けて置く。 この状態で、複数の鍵8を鍵盤シャーシ2上に取り付ける。 このときには、鍵8の後部を鍵盤シャーシ2の鍵搭載部11に設けられた鍵支持部12の鍵支持軸12aに回転可能に取り付ける。 これにより、鍵8のスイッチ押圧部13がスイッチ部23に対応し、ハンマー押圧部14がハンマー部材10の鍵当接部27に当接する。

    また、このときには、鍵盤シャーシ2に設けられた鍵ガイド部16が鍵8内に挿入した状態になる。 すなわち、鍵ガイド部16は、そのガイド突起部30の上部が鍵8内の両側面間に配置され、ガイド突起部30の両側面30aから外部に突出した部分のガイド部材31が鍵8内の両側面に接触する。 これにより、複数の鍵8は、互いに隣接する鍵8間の隙間が鍵ガイド部16によって均一に調整され、鍵盤シャーシ2上に均一な隙間で配列される。

    このようにして組み立てられた鍵盤楽器の鍵8を押鍵操作した際には、図2において鍵8が鍵支持軸12aを中心に反時計周りに回転する。 このときには、鍵8の前部が鍵ガイド部16によってガイドされながら下側に移動する。 すなわち、鍵ガイド部16は、図4に示すように、ガイド突起部30の両側面30aから外部に押し出された部分のガイド部材31がグリスなどの潤滑剤(図示せず)と共に鍵8内の両側面に接触する。

    これにより、鍵8は、横振れすることなく、ガイド突起部30の両側面30aから外部に押し出された部分のガイド部材31によって円滑に且つ良好にガイドされる。 このときには、ガイド突起部30の両側面30aから外部に押し出された部分のガイド部材31に塗布されたグリスなどの潤滑剤が、そのガイド部材31の表面とガイド突起部30の両側面30aとの段差部間に溜まるので、潤滑剤が減少するのを軽減することができる。

    このように鍵8が反時計回りに回転すると、ハンマー押圧部14がハンマー部材10の鍵当接部27を押し下げるので、ハンマー部材10がその錘の重量に抗してハンマー支持軸19aを中心に回転し、鍵8にアクション荷重を付与する。 そして、鍵8のスイッチ押圧部13がスイッチ部23を押圧すると、スイッチ部23がオン動作し、スピーカ7から楽音が放音される。

    このように、この鍵盤楽器における鍵ガイド部16の実装方法によれば、鍵盤シャーシ2に形成された複数のガイド突起部30内に弾性材料からなるガイド部材31を挿入させ、この状態で各ガイド突起部30内にそれぞれ固定部材32を挿入すると、この固定部材32によってガイド部材31がガイド突起部30の各装着溝33内に押し込まれてガイド突起部30の両側面30aから外部に押し出されることにより、簡単に且つ容易に鍵ガイド部16を組み立てることができる。

    また、この鍵ガイド部16の実装方法によれば、固定部材32をガイド突起部30の内部から抜き出すと、固定部材32によるガイド部材31の押し込みが解除されるので、ガイド部材31をガイド突起部30の装着溝33から容易に取り出すことができる。 このため、組立作業性が良く、生産性の向上を図ることができると共に、分解作業性も良いので、鍵ガイド部16の修理や点検が容易にできる。

    この場合、複数の鍵8にそれぞれ対応して鍵盤シャーシ2上に配列された複数のガイド突起部30内にガイド部材31を挿入する際に、弾性材料からなる線状のガイド部材31を複数のガイド突起部30内に連続させて挿入することにより、各ガイド突起部30内にガイド部材31を個別に製作して配置する必要がなく、1本のガイド部材31を順次ガイド突起部30内に挿入させて配置することができるので、ガイド部材31の配置作業が容易にでき、より一層、組立作業性を向上させることができる。

    また、この鍵盤楽器の鍵ガイド構造によれば、固定部材32によってガイド部材31がガイド突起部30の各装着溝33内に押し込まれてガイド突起部30の両側面30aから外部に押し出された構成であるから、ガイド突起部30の両側面30aから外部に押し出された部分のガイド部材31によって鍵8の内面を上下方向に円滑に且つ良好にガイドすることができる。

    これにより、押鍵操作時に鍵8が横振れしたり異音を発生したりするのを防ぐことができるので、円滑に且つ良好に押鍵操作ができると共に、鍵8を鍵盤シャーシ2上に配列させた際に、互いに隣接する鍵8間の隙間を均一に保つことができるので、各鍵8を鍵盤シャーシ2上に均一に且つ良好に配列させることができる。

    この場合、ガイド部材31は、複数の鍵8にそれぞれ対応する複数のガイド突起部30の配列方向に沿って連続する線状に形成されていることにより、ガイド部材31の配置作業が容易にでき、組立作業性を向上させることができるほか、各ガイド突起部30ごとにそれぞれガイド部材31を製作する必要がないので、部品点数を大幅に削減することができ、これにより部品管理が煩雑にならず、製作コストを下げることができる。

    また、このガイド部材31には、位置決め用の球状突起31aが所定間隔で形成されており、複数のガイド突起部30の各間にそれぞれ位置する箇所の鍵盤シャーシ2の下面には、球状突起31aが係合して位置決めされる位置決め部35aがそれぞれ設けられていることにより、固定部材32によってガイド部材31がガイド突起部30の装着溝33に押し込まれる際に、ガイド部材31がガイド突起部30内で伸びても、球状突起31a間に位置するガイド部材31を一定の長さに維持することができ、これによりガイド部材31を装着溝33内に均一に押し込むことができる。

    このため、装着溝33内に押し込まれたガイド部材31は、固定部材32によってガイド突起部30の両側面30aから外部に均一に押し出されるので、ガイド突起部30の両側面30aから押し出された部分のガイド部材31によって、鍵8の内側面を円滑に且つ良好にガイドすることができ、これにより押鍵操作時における鍵8の横振れや異音の発生を防いで、鍵8を良好にガイドすることができると共に、鍵8を鍵盤シャーシ2上に配列させた際に、互いに隣接する鍵8間の隙間を均一に保って各鍵8を鍵盤シャーシ2上に均一に且つ良好に配列させることができる。

    さらに、この鍵ガイド構造では、固定部材32の両側面に、ガイド部材31をガイド突起部30の装着溝33内に誘導するための誘導溝36が設けられているので、固定部材32をガイド突起部30内に挿入する際に、誘導溝36によってガイド部材31をガイド突起部30の装着溝33に誘導しながら押し込むことができる。 これにより、ガイド部材31を弾性変形させながら装着溝33内に確実に且つ良好に押し込んでガイド突起部30の両側面30aから外部に均一に押し出すことができる。

    また、ガイド突起部30の上部には、その内部に貫通する係止凹部34が設けられており、固定部材32には、固定部材32がガイド突起部30内に挿入された際に、係止凹部34に係脱可能に係合する係合フック部37が設けられていることにより、簡単に且つ容易に固定部材32をガイド突起部30内に固定することができる。

    また、この係合フック部37は、その係合突起部37bが係止凹部34に係合した際に、係合突起37bが係止凹部34内においてガイド突起部30の上方に露出するので、この露出した係合突起37bを係止凹部34内からガイド突起部30の内部、つまり固定部材32の厚み内に押し込むことにより、ガイド突起部30の係止凹部34に対する固定部材32の係合フック部37の係合を簡単に解除することができる。 これにより、固定部材32をガイド突起部30の内部から容易に抜き出すことができるので、ガイド部材31をガイド突起部30の各装着溝33内から簡単に且つ容易に取り外すことができる。

    なお、上述した実施形態では、鍵8が鍵盤シャーシ2の鍵搭載部11に設けられた鍵支持部12の鍵支持軸12aに回転可能に取り付けられた鍵盤楽器に適用した場合について述べたが、これに限らず、例えば鍵8の後部に肉厚の薄い屈曲部を設け、この屈曲部を連結部に連結し、この連結部を鍵盤シャーシ2の鍵搭載部11上に固定した簡易型の鍵盤楽器にも適用することができる。

    また、上述した実施形態およびその変形例では、ハンマー部材10を備えた鍵盤楽器に適用した場合について述べたが、これに限らず、例えばハンマー部材10を備えていない鍵盤楽器にも適用することができる。

    1 楽器ケース 2 鍵盤シャーシ 4 鍵盤部 8 鍵 12 鍵支持部 16 鍵ガイド部 30 ガイド突起部 30a ガイド突起部の両側面 31 ガイド部材 31a 球状突起 32 固定部材 33 装着溝 34 係止凹部 35 位置決め溝 35a 位置決め部 36 誘導溝 37 係合フック部

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