鍵盤装置

申请号 JP2016211352 申请日 2016-10-28 公开(公告)号 JP2018072532A 公开(公告)日 2018-05-10
申请人 ヤマハ株式会社; 发明人 市来 俊介;
摘要 【課題】タッチ感の設計の 自由度 を向上させること。 【解決手段】鍵盤装置は、鍵と、フレームと、鍵とフレームとの間において直列に接続された第1可撓部および第2可撓部を有し、第1可撓部または第2可撓部の可撓性によって鍵をフレームに対して回動可能に接続する接続部と、を備え、第1可撓部と第2可撓部とは互いに着脱可能である。また、第1可撓部の材料と第2可撓部とは互いに異なる材質を有してもよい。 【選択図】図9
权利要求

鍵と、 フレームと、 前記鍵と前記フレームとの間において直列に接続された第1可撓部および第2可撓部を有し、前記第1可撓部または前記第2可撓部の可撓性によって前記鍵を前記フレームに対して回動可能に接続する接続部と、 を備え、 前記第1可撓部と前記第2可撓部とは互いに着脱可能であることを特徴とする鍵盤装置。前記第1可撓部の材料と前記第2可撓部とは互いに異なる材質を有することを特徴とする請求項1に記載の鍵盤装置。鍵と、 フレームと、 前記鍵と前記フレームとの間において直列に接続された第1可撓部および第2可撓部を有し、前記第1可撓部または前記第2可撓部の可撓性によって前記鍵を前記フレームに対して回動可能に接続する接続部と、 を備え、 前記第1可撓部の材料と前記第2可撓部とは互いに異なる材質を有することを特徴とする鍵盤装置。前記第2可撓部と前記フレームとは互いに着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の鍵盤装置。前記第2可撓部と前記フレームとは互いに異なる材質を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の鍵盤装置。前記第1可撓部と前記フレームとは互いに異なる材質を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の鍵盤装置。前記第1可撓部および前記第2可撓部のいずれか一方がスケール方向を法線に持つ面内において可撓性を有し、他方が当該面内において可撓性を有しないことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の鍵盤装置。前記第1可撓部および前記第2可撓部のいずれか一方がスケール方向を法線に持つ面内において可撓性を有するとともにスケール方向に対しても可撓性を有し、他方が当該面内において可撓性を有しないことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の鍵盤装置。前記第1可撓部がスケール方向に対して可撓性を有し、 前記第2可撓部がスケール方向を法線に持つ面内において可撓性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の鍵盤装置。前記第1可撓部は、前記第2可撓部よりも硬質であることを特徴とする請求項9に記載の鍵盤装置。前記第1可撓部と前記鍵とは同一の材質を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の鍵盤装置。前記第1可撓部と前記鍵とは互いに着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の鍵盤装置。

说明书全文

本発明は、鍵盤装置に関する。

鍵盤装置において鍵を回動する構造の一例として、可撓性を有する薄板を平に配置した構造がある(例えば、特許文献1)。この薄板を変形することにより、鍵を上下方向に回動させることができる。特許文献1には、さらに垂直に配置した薄板を併用し、水平に配置された薄板に対して直列に接続することで、鍵の並び方向への移動を許容することができる構造についても開示されている。

特開2008−191650号公報

特許文献1に開示される構造によれば、鍵と薄板とが一体に成型されている。このような構造によれば、製造が容易になる。一方、鍵と薄板とが同一材料で一体の構造であることから、可撓性による変形の程度は形状で制御する必要がある。そのため、このような構造では、アコースティックピアノで得られるようなタッチ感を得ることが難しかった。なお、タッチ感とは、押鍵のときに鍵を通して演奏者の指に与えられる所定の感覚のことをいう。例えば、アコースティックピアノで得られるタッチ感は、アクション機構の動作によるものである。

本発明の目的の一つは、タッチ感の設計の自由度を向上させることにある。

本発明の一実施形態によると、鍵と、フレームと、前記鍵と前記フレームとの間において直列に接続された第1可撓部および第2可撓部を有し、前記第1可撓部または前記第2可撓部の可撓性によって前記鍵を前記フレームに対して回動可能に接続する接続部と、を備え、前記第1可撓部と前記第2可撓部とは互いに着脱可能であることを特徴とする鍵盤装置が提供される。

前記第1可撓部の材料と前記第2可撓部とは互いに異なる材質を有してもよい。

また、本発明の一実施形態によると、鍵と、フレームと、前記鍵と前記フレームとの間において直列に接続された第1可撓部および第2可撓部を有し、前記第1可撓部または前記第2可撓部の可撓性によって前記鍵を前記フレームに対して回動可能に接続する接続部と、を備え、前記第1可撓部の材料と前記第2可撓部とは互いに異なる材質を有することを特徴とする鍵盤装置が提供される。

前記第2可撓部と前記フレームとは着脱可能であってもよい。

前記第2可撓部と前記フレームとは互いに異なる材質を有してもよい。

前記第1可撓部と前記フレームとは互いに異なる材質を有してもよい。

前記第1可撓部および前記第2可撓部のいずれか一方がスケール方向を法線に持つ面内において可撓性を有し、他方が当該面内において可撓性を有しなくてもよい。

前記第1可撓部および前記第2可撓部のいずれか一方がスケール方向を法線に持つ面内において可撓性を有するとともにスケール方向に対しても可撓性を有し、他方が当該面内において可撓性を有しなくてもよい。

前記第1可撓部がスケール方向に対して可撓性を有し、前記第2可撓部がスケール方向を法線に持つ面内において可撓性を有してもよい。

前記第1可撓部は、前記第2可撓部よりも硬質であってもよい。

前記第1可撓部と前記鍵とは同一の材質を有してもよい。

前記第1可撓部と前記鍵とは互いに着脱可能であってもよい。

本発明によれば、タッチ感の設計の自由度を向上させることができる。

第1実施形態における鍵盤装置の構成を示す図である。

第1実施形態における音源装置の構成を示すブロック図である。

第1実施形態における筐体内部の構成を側面から見た場合の説明図である。

第1実施形態における鍵盤アセンブリを上面から見た場合の説明図である。

第1実施形態におけるフレームを奥側から見た場合の説明図である。

第1実施形態におけるフレームのうち棒状可撓性部材が接続される部分を上面から見た場合の説明図である。

第1実施形態における白鍵の詳細の構造を説明する図である。

第1実施形態における棒状可撓性部材の構造を説明する図である。

第1実施形態における棒状可撓性部材を他の部材から取り外す方法を説明する図である。

第1実施形態における黒鍵の構造を白鍵の構造と比較して説明する図である。

第1実施形態における鍵(白鍵)を押下したときの鍵アセンブリの動作を説明する図である。

第2実施形態における鍵盤アセンブリの構造を説明する図である。

第3実施形態における板状可撓性部材を他の部材から取り外す方法を説明する図である。

以下、本発明の一実施形態における鍵盤装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、B等を付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率(各構成間の比率、縦横高さ方向の比率等)は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。

<第1実施形態> [鍵盤装置の構成] 図1は、第1実施形態における鍵盤装置の構成を示す図である。鍵盤装置1は、この例では、電子ピアノなどユーザ(演奏者)の押鍵に応じて発音する電子鍵盤楽器である。なお、鍵盤装置1は、外部の音源装置を制御するための制御データ(例えば、MIDI)を、押鍵に応じて出する鍵盤型のコントローラであってもよい。この場合には、鍵盤装置1は、音源装置を有していなくてもよい。

鍵盤装置1は、鍵盤アセンブリ10を備える。鍵盤アセンブリ10は、白鍵100wおよび黒鍵100bを含む。複数の白鍵100wと黒鍵100bとが並んで配列されている。鍵100の数は、N個であり、この例では88個である。この配列された方向をスケール方向という。白鍵100wおよび黒鍵100bを特に区別せずに説明できる場合には、鍵100という場合がある。以下の説明においても、符号の最後に「w」を付した場合には、白鍵に対応する構成であることを意味している。また、符号の最後に「b」を付した場合には、黒鍵に対応する構成であることを意味している。

鍵盤アセンブリ10の一部は、筐体90の内部に存在している。鍵盤装置1を上方から見た場合において、鍵盤アセンブリ10のうち筐体90に覆われている部分を非外観部NVといい、筐体90から露出してユーザから視認できる部分を外観部PVという。すなわち、外観部PVは、鍵100の一部であって、ユーザによって演奏操作が可能な領域を示す。以下、鍵100のうち外観部PVによって露出されている部分を鍵本体部という場合がある。

筐体90内部には、音源装置70およびスピーカ80が配置されている。音源装置70は、鍵100の押下に伴って音波形信号を生成する。スピーカ80は、音源装置70において生成された音波形信号を外部の空間に出力する。なお、鍵盤装置1は、音量をコントロールするためのスライダ、音色を切り替えるためのスイッチ、様々な情報を表示するディスプレイなどが備えられていてもよい。

なお、本明細書における説明において、上、下、左、右、手前および奥などの方向は、演奏するときの演奏者から鍵盤装置1を見た場合の方向を示している。そのため、例えば、非外観部NVは、外観部PVよりも奥側に位置している、と表現することができる。また、鍵前端側(鍵前方側)、鍵後端側(鍵後方側)のように、鍵100を基準として方向を示す場合もある。この場合、鍵前端側は鍵100に対して演奏者から見た手前側を示す。鍵後端側は鍵100に対して演奏者から見た奥側を示す。この定義によれば、黒鍵100bのうち、黒鍵100bの鍵本体部の前端から後端までが、白鍵100wよりも上方に突出した部分である、と表現することができる。

図2は、第1実施形態における音源装置の構成を示すブロック図である。音源装置70は、信号変換部710、音源部730および出力部750を備える。センサ300は、各鍵100に対応して設けられ、鍵の操作を検出し、検出した内容に応じた信号を出力する。この例では、センサ300は、3段階の押鍵量に応じて信号を出力する。この信号の間隔に応じて押鍵速度が検出可能である。

信号変換部710は、センサ300(88の鍵100に対応したセンサ300−1、300−2、・・・、300−88)の出力信号を取得し、各鍵100における操作状態に応じた操作信号を生成して出力する。この例では、操作信号はMIDI形式の信号である。そのため、押鍵操作に応じて、信号変換部710はノートオンを出力する。このとき、88個の鍵100のいずれが操作されたかを示すキーナンバ、および押鍵速度に対応するベロシティについてもノートオンに対応付けて出力される。一方、離鍵操作に応じて、信号変換部710はキーナンバとノートオフとを対応付けて出力する。信号変換部710には、ペダル等の他の操作に応じた信号が入力され、操作信号に反映されてもよい。

音源部730は、信号変換部710から出力された操作信号に基づいて、音波形信号を生成する。出力部750は、音源部730によって生成された音波形信号を出力する。この音波形信号は、例えば、スピーカ80または音波形信号出力端子などに出力される。

[鍵盤アセンブリの構成] 図3は、第1実施形態における筐体内部の構成を側面から見た場合の説明図である。図3に示すように、筐体90の内部において、鍵盤アセンブリ10およびスピーカ80が配置されている。すなわち、筐体90は、少なくとも、鍵盤アセンブリ10の一部(接続部180およびフレーム500)およびスピーカ80を覆っている。スピーカ80は、鍵盤アセンブリ10の奥側に配置されている。このスピーカ80は、押鍵に応じた音を筐体90の上方および下方に向けて出力するように配置されている。下方に出力される音は、筐体90の下面側から外部に進む。一方、上方に出力される音は筐体90の内部から鍵盤アセンブリ10の内部の空間を通過して、外観部PVにおける鍵100の隣接間の隙間または鍵100と筐体90との隙間から外部に進む。なお、鍵盤アセンブリ10の内部の空間、すなわち鍵100(鍵本体部)の下方側の空間に到達する、スピーカ80からの音の経路は、経路SRとして例示されている。

鍵盤アセンブリ10の構成について、図3を用いて説明する。鍵盤アセンブリ10は、上述した鍵100の他にも、接続部180、ハンマアセンブリ200およびフレーム500を含む。鍵盤アセンブリ10は、ほとんどの構成が射出成形などによって製造された樹脂製の構造体である。フレーム500は、筐体90に固定されている。接続部180は、フレーム500に対して回動可能に鍵100を接続する。接続部180は、板状可撓性部材181、第1支持部183および棒状可撓性部材185を備える。板状可撓性部材181は、鍵100の後端から延在している。第1支持部183は、板状可撓性部材181の後端から延在している。棒状可撓性部材185が、第1支持部183およびフレーム500の第2支持部585によって支持されている。すなわち、鍵100とフレーム500との間において、直列に接続された板状可撓性部材181および棒状可撓性部材185が配置されている。言い換えると、鍵100と棒状可撓性部材185との間に板状可撓性部材181が配置されている。また、板状可撓性部材181とフレーム500との間に棒状可撓性部材185が配置されている。このように配置された棒状可撓性部材185が曲がることによって、鍵100がフレーム500に対して回動することができる。

棒状可撓性部材185は、第1支持部183と第2支持部585とに対して、着脱可能に構成されている。これにより、板状可撓性部材181と棒状可撓性部材185とが着脱可能に構成されているともいえる。この例では、板状可撓性部材181および第1支持部183は、鍵100と一体に成型され、同一の材質を有する。この例では、フレーム500も板状可撓性部材181と同一の材質を有するが、異なる材質を有していてもよい。

一方、棒状可撓性部材185と板状可撓性部材181とは異なる材質を有する。この例では、板状可撓性部材181は棒状可撓性部材185よりも硬質である。すなわち、棒状可撓性部材185の方が、板状可撓性部材181よりも曲がりやすい。このような関係を有する材料の例として、板状可撓性部材181(ここでは、鍵100およびフレーム500も同様)はAS樹脂であり、棒状可撓性部材185はABS樹脂またはPOM樹脂である。鍵100の回動に大きく寄与する棒状可撓性部材185を軟質の材料で形成することにより、アコースティックピアノに近いタッチ感を得るとともに耐久性を得ることができるとともに、板状可撓性部材181が硬質な材料で形成されていることにより剛性が感じられるタッチ感を得ることも容易である。

なお、板状可撓性部材181と棒状可撓性部材185とが同一の材質を有していてもよい。このとき、板状可撓性部材181と同様に、棒状可撓性部材185をより硬質なAS樹脂で形成すると、アコースティックピアノに近いタッチ感が得ることが難しい。そのため、タッチ感がアコースティックピアノに近くなるように制御される構造を採用することが望ましい。一方、棒状可撓性部材185と同様に板状可撓性部材181をより軟質なABS樹脂またはPOM樹脂で形成すると、タッチ感において剛性の感覚の低下を生じやすい。そのため、剛性の感覚を向上させるための構造を採用することが望ましい。

この例では、板状可撓性部材181と棒状可撓性部材185とを分離することができる。これによって、板状可撓性部材181と棒状可撓性部材185とをそれぞれ別途に成型することも可能となり、可撓性部材を成型するときの自由度を向上させることができる。したがって、板状可撓性部材181と棒状可撓性部材185とが同一の材質を有する場合、上記のように複雑な構造が必要になったとしても、複雑な構造を有する可撓性部材を採用することが容易となる。なお、成型の自由度が高いことにより、アコースティックピアノとは異なる様々なタッチ感を実現することも可能となる。このように、板状可撓性部材181と棒状可撓性部材185とを着脱可能にすることによって、タッチ感の制御を容易に行うことができる。したがって、タッチ感の設計の自由度が向上する。

鍵100は、前端鍵ガイド151および側面鍵ガイド153を備える。前端鍵ガイド151は、フレーム500の前端フレームガイド511を覆った状態で摺動可能に接触している。前端鍵ガイド151は、その上部と下部のスケール方向の両側において、前端フレームガイド511と接触している。側面鍵ガイド153は、スケール方向の両側において側面フレームガイド513と摺動可能に接触している。この例では、側面鍵ガイド153は、鍵100の側面のうち非外観部NVに対応する領域に配置され、接続部180(板状可撓性部材181)よりも鍵前端側に存在するが、外観部PVに対応する領域に配置されてもよい。

ハンマアセンブリ200は、鍵100の下方側の空間に配置され、フレーム500に対して回動可能に取り付けられている。このときハンマアセンブリ200の軸支持部220とフレーム500の回動軸520とは少なくとも3点で摺動可能に接触する。ハンマアセンブリ200の前端部210は、ハンマ支持部120の内部空間において概ね前後方向に摺動可能に接触する。この摺動部分、すなわち前端部210とハンマ支持部120とが接触する部分は、外観部PV(鍵本体部の後端よりも前方)における鍵100の下方に位置する。

ハンマアセンブリ200は、回動軸よりも奥側において、金属製の錘部230が配置されている。通常時(押鍵していないとき)には、錘部230が下側ストッパ410に載置された状態であり、ハンマアセンブリ200の前端部210が、鍵100を押し戻している。押鍵されると、錘部230が上方に移動し、上側ストッパ430に衝突する。ハンマアセンブリ200は、この錘部230によって、押鍵に対して加重を与える。下側ストッパ410および上側ストッパ430は、緩衝材等(不織布、弾性体等)で形成されている。

ハンマ支持部120および前端部210の下方には、フレーム500にセンサ300が取り付けられている。押鍵により前端部210の下面側でセンサ300が押しつぶされると、センサ300は検出信号を出力する。センサ300は、上述したように、各鍵100に対応して設けられている。

図4は、第1実施形態における鍵盤アセンブリを上面から見た場合の説明図である。図5は、第1実施形態におけるフレームを奥側から見た場合(図4に示すAR5方向)の説明図である。図6は、第1実施形態におけるフレームのうち棒状可撓性部材が接続される部分を上面から見た場合の説明図である。なお、これらの図においては、鍵100の下方に位置するハンマアセンブリ200およびフレーム500の構成は、その一部を省略して記載している。具体的には、接続部180近傍のフレーム500の構成(第2支持部585など)を記載し、手前側の構成等の一部については記載を省略している。他の説明においても、図示の際に一部の記載を省略することがある。

図4に示すように、第1支持部183bは、第1支持部183wよりも奥側に配置される。この位置は、鍵100の回動中心となる棒状可撓性部材185の位置に関連する。このような配置にすることによって、アコースティックピアノの白鍵と黒鍵の回動中心の違いを再現している。この例では、黒鍵に対応する板状可撓性部材181bが、白鍵に対応する板状可撓性部材181wよりも長い。このような配置に対応して、フレーム500の第2支持部585bは、第2支持部585wよりも奥側に配置される。そのため、フレーム500の奥側(第2支持部585)の形状は、図6に示すように第2支持部585bが第2支持部585wよりも突出した形状となる。

図5に示すように、棒状可撓性部材185b、185wの間には大きな空間が存在する。スピーカ80から出力された音は、鍵盤アセンブリ10の外部から、この空間を通過して内部に到達し、隣接する鍵100の隙間から鍵盤装置1の外部に放出される。外観部PVから音が外部に放出されるまでの間の経路において、棒状可撓性部材185の存在により、フレーム500(第2支持部585)と接続部180(第1支持部183)との間に音の通過を遮蔽する要素が少ないため、音の減衰量を抑えることもできる。すなわち、隣接する棒状可撓性部材185の間には、音通路AP1、AP2が配置されている。また、図6に示すように、第2支持部585bが第2支持部585wより突出した形状であることにより、第2支持部585wが隣接する部分の音通路AP1よりも、第2支持部585wと585bとが隣接する部分の音通路AP2の幅が広くなる。さらに、図6に示すように、第2支持部585bの手前側において、第2支持部585wのスケール方向に、開口部586が配置されていてもよい。この場合、この開口部586も音通路になり得る。

支柱590は、筐体90と接続し、筐体90に対するフレーム500の位置を固定するための部材である。支柱590は、非外観部NVにおける白鍵100wが隣接する部分の間、すなわち「E」の白鍵100wと「F」の白鍵100wとの間、および「B」の白鍵100wと「C」の白鍵100wとの間に設けられている。

[白鍵の構造] 図7は、第1実施形態における白鍵の詳細の構造を説明する図である。図7(A)は、白鍵100wを上面から見た図である。図7(B)は、白鍵100wを側面(左側)から見た図である。図7(C)は、接続部180を奥側から見た図である。図7(D)は、白鍵100wを手前側から見た図である。

まず、以下の説明で用いる方向(スケール方向S、ローリング方向R、ヨーイング方向Y、上下方向V)について定義する。スケール方向Sは、上述したように、鍵100が配列する方向(演奏者から見た左右方向)に対応する。ローリング方向Rは、鍵100の延びる方向(演奏者から見た手前から奥側方向)を軸として回転する方向に対応する。ヨーイング方向Yは、鍵100を上方から見たときに左右方向に曲がる方向である。スケール方向Sとヨーイング方向Yとの違いは大きくはないが、鍵100のスケール方向Sの移動は平行移動の意味であるのに対し、鍵100のヨーイング方向Yの移動はスケール方向Sに曲がる(反る)ことに相当する。上下方向Vは、棒状可撓性部材185が延びる方向(演奏者から見た上下方向)に対応し、ヨーイング方向Yの曲がりの軸になる方向ともいえる。

鍵100には、前端鍵ガイド151および側面鍵ガイド153が備えられている。前端鍵ガイド151は、上述したように、その上部と下部とにおいてフレーム500の前端フレームガイド511と接触する。そのため、前端鍵ガイド151は、実際には上部鍵ガイド151uおよび下部鍵ガイド151dに分かれている。このように、前端鍵ガイド151(上部鍵ガイド151u、下部鍵ガイド151d)および側面鍵ガイド153は、スケール方向Sに鍵100を見た場合において、直線上に並ばない3箇所で鍵100の移動を規制している。このように配置された少なくとも3箇所のガイドによれば、スケール方向S、ヨーイング方向Yおよびローリング方向Rについて鍵100の移動を規制する。なお、この例では、側面鍵ガイド153は、突出部1531、1533により形成される溝1535を側面フレームガイドが摺動することによって、鍵100の前後方向の移動も規制している。ガイドの数は3箇所以上であってもよい。この場合には、全てのガイドが直線上に並ばない要件を満たす必要が無く、少なくとも3箇所のガイドがこの要件を満たせばよい。

板状可撓性部材181は、スケール方向Sに対する可撓性を有する板状の部材である。板状可撓性部材181は、板面の法線方向Nがスケール方向Sに向かうように配置されている。これによって、板状可撓性部材181は、曲がったり捻れたりすることで、ローリング方向Rおよびヨーイング方向Yへの変形が可能である。すなわち、板状可撓性部材181は、その可撓性によって、鍵100のローリング方向Rおよびヨーイング方向Yに自由度を有する。ヨーイング方向Yの変形を組み合わせることによって、板状可撓性部材181はスケール方向Sについても自由度を有しているともいえる。一方、板状可撓性部材181は、上下方向にはほとんど変形しない。なお、法線方向Nは、スケール方向Sと完全に一致していなくてもよく、スケール方向Sの成分を有していればよい。一致しない場合には、法線方向Nとスケール方向Sとのなすは、小さいほど好ましい。

棒状可撓性部材185は、スケール方向Sに対する可撓性およびスケール方向Sを法線に持つ面内(ピッチ方向:押鍵時の回動方向)での可撓性を有する棒状の部材である。棒状可撓性部材185は、曲がったり捻れたりすることで、ローリング方向Rおよびヨーイング方向Yへの変形が可能である。すなわち、棒状可撓性部材185は、その可撓性によって、鍵100のローリング方向Rおよびヨーイング方向Yに自由度を有する。ローリング方向Rの変形を組み合わせることによって、棒状可撓性部材185はスケール方向Sについても自由度を有しているともいえる。一方、棒状可撓性部材185は、上下方向にはほとんど変形しない。なお、棒状可撓性部材185は、その形状的な特性から、板状可撓性部材181よりも捻れることができる量が大きい。

このように、接続部180は、側面鍵ガイド153よりも鍵後方(奥側)において、押鍵という強い力に対して上下方向の変位がほとんど生じない(回動中心の上下方向の移動がほとんど生じない)ようにしつつ鍵100をフレーム500に対してピッチ方向に回動させるだけでなく、ローリング方向Rおよびヨーイング方向Yに対して、変形が可能になっている。すなわち、接続部180は、鍵100をフレーム500に対して回動させるだけでなく、ローリング方向Rおよびヨーイング方向Yに対して、変形が可能になっている。接続部180は、上下方向には移動が規制される一方、鍵100のローリング方向Rおよびヨーイング方向Yに対して自由度を有している。上述のように、ローリング方向Rの変形を組み合わせることによって、接続部180はスケール方向Sについても自由度を有しているともいえる。

鍵100は、上述したように、製造誤差および経時変化によってヨーイング方向Yおよびローリング方向Rを含む変形を生じることがある。このとき、前端鍵ガイド151と側面鍵ガイド153との間については、これらのガイドによる規制によって、外観部PVにおいては、できるだけ、鍵100の変形による影響が視認されないようになっている。一方、外観部PVにおいて変形の影響を抑えたために、非外観部NVにおいてはその変形の影響を大きく受ける。これは、鍵100が長いほど、より顕著に影響が出る。

例えば、第1の例として、鍵100が徐々に捻れていくような変形(ローリング方向Rの変形)があった場合を想定する。この場合、上部鍵ガイド151uおよび下部鍵ガイド151dによって鍵100の前端部分のローリング方向Rの向きが鉛直方向になるように規制されるため、鍵100は奥側に行くほどローリング方向Rへの変形の影響が出る。また、第2の例として、鍵100が徐々にスケール方向Sに曲がっていくような変形(ヨーイング方向Yの変形)があった場合を想定する。この場合、前端鍵ガイド151と側面鍵ガイド153とによって外観部PVにおける鍵100のスケール方向Sの位置が規制されるため、鍵100は奥側に行くほどヨーイング方向Yへの変形の影響が出る。

いずれの場合も、鍵100の変形の影響により、鍵100の回動中心となる部分とフレーム500との位置がずれてきてしまう。すなわち、鍵100に接続された接続部180と第2支持部585との位置関係がずれてくる。

一方、第1実施形態における鍵100であれば、板状可撓性部材181と棒状可撓性部材185とは可撓性によって変形することができ、鍵100と第2支持部585との位置のずれによる影響を、接続部180(板状可撓性部材181および棒状可撓性部材185)の変形によって抑制することができる。このときには、棒状可撓性部材185は、押鍵という強い力に対して上下方向の変位がほとんど生じない(回動中心の上下方向の移動がほとんど生じない)ようにしつつ鍵100の前後方向に曲げ変形が可能であることによって鍵100をピッチ方向に回動させる部材としての機能を有するだけでなく、さらに、鍵100の変形による影響を吸収する部材としての機能も有している。

また、上述したように、外観部PVにおいては、できるだけ、鍵100の変形による影響が視認されないようになっていることから、スケール方向Sの位置精度も高くなっている。そのため、センサ300に検出されるハンマアセンブリ200の前端部210と、その前端部210に接続される鍵100のハンマ支持部120とは、このような、外観部PV(鍵本体部の後端より前方)の鍵100の下方に設けられることが望ましい。

[棒状可撓性部材の構造] この例では、棒状可撓性部材185は、第1支持部183および第2支持部585と着脱可能になっている。棒状可撓性部材185の構成について説明する。

図8は、第1実施形態における棒状可撓性部材の構造を説明する図である。図8(A)は、図7(B)における接続部180の近傍を拡大した図である。図8(B)は、棒状可撓性部材185を取り外した状態を示す図である。図8(C)は、棒状可撓性部材185の断面形状を説明する図である。

棒状可撓性部材185は、その両端が、台座1851、1852に接続されている。棒状可撓性部材185は、台座1851、1852に接続される部分において、徐々に棒の太さを増加させる領域185u、185dを含む。領域185u、185dは存在しなくてもよい。

台座1851は、棒状可撓性部材185が配置された面とは反対側の面に、支持棒1853および係止棒1855を備える。支持棒1853は、第1支持部183に形成された孔に対して下方から挿入されている。係止棒1855は、頂部において係止部18551を有する。係止棒1855は、第1支持部183に形成された孔に対して下方から挿入されている。係止棒1855は、第1支持部183の上面において係止部18551が引っかかることで、鍵100の回動では、第1支持部183から抜けないようになっている。なお、係止棒1855は、可撓性を有している。係止棒1855を支持棒1853側に変形することによって、係止棒1855による第1支持部183への係止が解除される。詳細の着脱方法については、後述する。

台座1852は、棒状可撓性部材185が配置された面とは反対側の面に、支持棒1854および係止棒1856を備える。支持棒1854は、第2支持部585に形成された孔に対して上方から挿入されている。係止棒1856は、頂部において係止部18561を有する。係止棒1856は、第2支持部585に形成された孔に対して上方から挿入されている。係止棒1856は、第2支持部585の下面において係止部18561が引っかかることで、鍵100の回動では、第2支持部585から抜けないようになっている。なお、係止棒1856は、可撓性を有している。係止棒1856を支持棒1854側に変形することによって、係止棒1856による第2支持部585への係止が解除される。詳細の着脱方法については、後述する。

このように棒状可撓性部材185が第1支持部183および第2支持部585によって支持されることによって、鍵100がレスト位置にあるとき(棒状可撓性部材185が変形していないとき)には、棒状可撓性部材185の長手方向(上下方向V)が、鍵100(鍵本体部)の表面に対して略垂直になっている。これによって、上下方向Vに対する負荷に強くなる。また、このとき、棒状可撓性部材185の長手方向(上下方向V)が、板状可撓性部材181の法線方向Nと略垂直になっていてもよい。

図8(C)は、棒状可撓性部材185の断面形状を説明する図である。具体的には、棒状可撓性部材185の長手方向(上下方向V)に対して、垂直な面で切断した場合の図である。棒状可撓性部材185の断面形状は、曲線と直線との組み合わせで囲まれた形状であり、この例では、半円形状である。半円形状において、直線部分は奥側であり、曲線部分は手前側であるが、逆方向であってもよい。なお、棒状可撓性部材185の断面形状は、曲線のみで囲まれた形状(例えば円形状)であってもよいし、直線のみで囲まれた形状(例えば矩形状)であってもよい。また、この形状の面積は、長手方向の位置によって変化していてもよい。例えば、この面積が長手方向の位置の中心部において最も小さくなってもよい。すなわち、棒状可撓性部材185は、上下方向V以外の方向(3次元を規定する3方向のうち2方向)への曲げ変形が可能であり、かつ、上下方向Vを軸とした捻れ変形が可能であれば、断面形状はどのような形状であってもよい。

[棒状可撓性部材の着脱方法] 続いて、棒状可撓性部材185を第1支持部183および第2支持部585から取り外す方法について説明する。

図9は、第1実施形態における棒状可撓性部材を他の部材から取り外す方法を説明する図である。図9(A)は、図8(A)に対応する図であり、第1支持部183および第2支持部585の内部に存在する構成を見やすく示した図である。図9(B)は、棒状可撓性部材185を第1支持部183および第2支持部585から取り外すときの途中の段階を説明する図である。なお、棒状可撓性部材185が完全に取り外された場合の図は、図8(B)において示した。

第1支持部183は、内部において上下方向に貫通する第1空間183S1および第2空間183S2が形成されている。第1空間183S1には、係止棒1855が挿入されている。係止部18551が第1空間183S1から上方に突出している。第2空間183S2には、支持棒1853が挿入されている。第2支持部585は、内部において上下方向に貫通する第1空間585S1および第2空間585S2が形成されている。第1空間585S1には、係止棒1856が挿入されている。係止部18561が第1空間585S1から下方に突出している。第2空間585S2には、支持棒1854が挿入されている。

まず、第1支持部183から棒状可撓性部材185を取り外す方法について説明する。係止部18551に対して支持棒1853側に向けて力を加えると、可撓性を有する係止棒1855が曲がって係止部18551が第1空間183S1の内部に押し込める位置まで移動する。そして、棒状可撓性部材185に対して第1支持部183を上方に移動させると、図9(B)に示すように、係止部18551が第1空間183S1の内部を通過していく。さらに第1支持部183を上方に移動させると、第1支持部183と棒状可撓性部材185とが分離され、係止棒1855の形状が元に戻る(図8(B))。

一方、第1支持部183に棒状可撓性部材185を取り付けるときには、支持棒1853を第2空間183S2に下方から挿入するとともに、係止部18551を第1空間183S1に下方から挿入しつつ、第1支持部183を下方に移動させる。このとき、係止部18551の先端形状が斜面を有していることにより、係止棒1855が支持棒1853側に曲げられつつ係止部18551および係止棒1855が第1空間183S1に挿入されていく(図9(B))。さらに第1支持部183を下方に移動させると、係止部18551が第1空間183S1から上方に突出し、係止棒1855の形状が元に戻り、係止部18551が第1支持部183の上面に係止される。

続いて、第2支持部585から棒状可撓性部材185を取り外す方法について説明する。基本的には、第1支持部183から棒状可撓性部材185を取り外すときと同様である。係止部18561に対して支持棒1854側に向けて力を加えると、可撓性を有する係止棒1856が曲がって係止部18561が第1空間585S1の内部に押し込める位置まで移動する。そして、棒状可撓性部材185に対して第2支持部585を上方に移動させると、図9(B)に示すように、係止部18561が第1空間585S1の内部を通過していく。さらに第2支持部585を下方に移動させる(棒状可撓性部材185を上方に移動させる)と、第2支持部585と棒状可撓性部材185とが分離され、係止棒1856の形状が元に戻る(図8(B))。

一方、第2支持部585に棒状可撓性部材185を取り付けるときには、支持棒1854を第2空間585S2に上方から挿入するとともに、係止部18561を第1空間585S1に上方から挿入しつつ、第2支持部585を上方に移動させる(棒状可撓性部材185を下方に移動させる)。このとき、係止部18561の先端形状が斜面を有していることにより、係止棒1856が支持棒1854側に曲げられつつ係止部18561および係止棒1856が第1空間585S1に挿入されていく(図9(B))。さらに第2支持部585を上方に移動させる(棒状可撓性部材185を下方に移動させる)と、係止部18561が第1空間585S1から下方に突出し、係止棒1856の形状が元に戻り、係止部18561が第2支持部585の下面に係止される。

なお、図9(B)においては、第1支持部183および第2支持部585のいずれに対しても、棒状可撓性部材185が取り外される途中の段階を示しているが、双方を同時に取り外す必要はない。また、棒状可撓性部材185は、第1支持部183および第2支持部585のいずれから先に取り外されてもよい。

棒状可撓性部材185を第1支持部183および第2支持部585に取り付けるときには、棒状可撓性部材185に対して、上下方向から圧力が加わる。上述した通り、棒状可撓性部材185は、その形状に起因して上下方向に対する負荷が強いため、取り付ける作業において、棒状可撓性部材185が変形してしまうことを抑制することができ、作業を容易に行うこともできる。

[白鍵と黒鍵との比較] 図10は、第1実施形態における黒鍵の構造を白鍵の構造と比較して説明する図である。図10(A)は、黒鍵を示している。図10(B)は、白鍵を示している。図10(A)、(B)において、白鍵100wと黒鍵100bとの前後方向の位置は、関連付けて示している。白鍵100wと黒鍵100bとは以下の点で異なっている。板状可撓性部材181bは、板状可撓性部材181wよりも長い。この例では、この違いによって、鍵の回動中心の位置を異ならせているが、これ以外の方法で鍵の回動中心の位置を異ならせてもよい。例えば、板状可撓性部材181wと板状可撓性部材181wとが同じ長さとする一方、黒鍵100bの長さを長くしてもよい。このとき、棒状可撓性部材185bと第1支持部183bとを分離することができるため、異なる種類の黒鍵100bへ交換したとしても、共通の棒状可撓性部材185bを用いることができる。

白鍵100wでは、前端鍵ガイド151wがハンマ支持部120wとは、鍵前後方向に対して別の場所において配置されている。一方、黒鍵100bでは、前端鍵ガイド151bとハンマ支持部120bとは、鍵前後方向においてほぼ同じ場所において配置されている。すなわち、黒鍵100bにおいては、ハンマ支持部120bが黒鍵100bの前端部分に配置されている。言い換えれば、白鍵100wのハンマ支持部120wは、黒鍵100bのハンマ支持部120bの位置に合わせて配置されている。

[鍵盤アセンブリの動作] 図11は、第1実施形態における鍵(白鍵)を押下したときの鍵アセンブリの動作を説明する図である。図11(A)は、鍵100がレスト位置(押鍵していない状態)にある場合の図である。図11(B)は、鍵100がエンド位置(最後まで押鍵した状態)にある場合の図である。鍵100が押下されると、棒状可撓性部材185が回動中心となって曲がる。このとき、棒状可撓性部材185は、鍵の前方(手前方向)への曲げ変形が生じているが、側面鍵ガイド153による前後方向の移動の規制によって、鍵100は前方に移動するのではなくピッチ方向に回動するようになる。そして、ハンマ支持部120が前端部210を押し下げることで、ハンマアセンブリ200が回動軸520を中心に回動する。錘部230が上側ストッパ430に衝突することによって、ハンマアセンブリ200の回動が止まり、鍵100がエンド位置に達する。また、センサ300が前端部210によって押しつぶされると、センサ300は、押しつぶされた量(押鍵量)に応じた複数の段階で、検出信号を出力する。

一方、離鍵すると、錘部230が下方に移動して、ハンマアセンブリ200が回動し、鍵100が上方に回動する。錘部230が下側ストッパ410に接触することで、ハンマアセンブリ200の回動が止まり、鍵100がレスト位置に戻る。

<第2実施形態> 第2実施形態では、第1実施形態における接続部180とは異なる構成の接続部180Aを備える鍵盤アセンブリ10Aについて説明する。ここでは、一例として棒状可撓性部材185Aよりも板状可撓性部材181Aがフレーム500に近い構成を有する接続部180Aについて説明する。

図12は、第2実施形態における鍵盤アセンブリの構造を説明する図である。図12(A)は、鍵100Aがレスト位置(押鍵していない状態)にある場合の図である。図12(B)は、鍵100Aがエンド位置(最後まで押鍵した状態)にある場合の図である。接続部180Aは、板状可撓性部材181A、第1支持部183A、棒状可撓性部材185Aおよび第3支持部186Aを備えている。

この例では、板状可撓性部材181Aは、第1支持部183Aと第2支持部585とを接続している。板状可撓性部材181A、第1支持部183Aおよび第2支持部585は、同一の材質を有する部材で一体に成型されている。このように配置されていても板状可撓性部材181Aは、第1実施形態と同様にスケール方向Sに対して可撓性を有する。第3支持部186Aは、鍵100Aの後端側に接続されている部材である。棒状可撓性部材185Aは、第1支持部183Aと第3支持部186Aとの間に配置されている。この例では、棒状可撓性部材185Aの長手方向は、鍵100Aの前後方向に対して略平行に配置されている。棒状可撓性部材185Aと第1支持部183Aとは、第1実施形態と同様な構造(支持棒、係止棒等)により、互いに着脱することができる。この例では、棒状可撓性部材185Aと第3支持部186Aとは固定部材(棒状部材等)を介して固着されているが、互いに着脱可能に構成されていてもよい。このように配置された棒状可撓性部材185Aにより、鍵100のピッチ方向の回動が可能となる。

鍵100Aが押下されると、棒状可撓性部材185Aにおいて鍵100Aの下方への曲げ変形が生じ、棒状可撓性部材185Aが回動中心となって、鍵100Aが回動する。その他の各構成については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。

なお、第2実施形態でも第1実施形態と同様に、黒鍵100bAの回動中心は、白鍵100wAの回動中心より奥側に配置されている。この場合であっても、白鍵100wAを回動させる棒状可撓性部材185wA(図11における棒状可撓性部材185Aに対応)は、黒鍵100bAを回動させる棒状可撓性部材185bAと同じ長さであることが望ましい。すなわち、棒状可撓性部材185bAは、棒状可撓性部材185wAよりも奥側に配置されていることが望ましい。

<第3実施形態> 第3実施形態では、第1実施形態における鍵100と板状可撓性部材181とが着脱可能に構成される場合について説明する。

図13は、第3実施形態における板状可撓性部材を他の部材から取り外す方法を説明する図である。図13(A)は、第3支持部186Bの内部に存在する構成を見やすく示した図である。図13(B)は、板状可撓性部材181Bを第3支持部186Bから取り外すときの途中の段階を説明する図である。図13(C)は、板状可撓性部材181Bを第3支持部186Bから完全に取り外した状態を説明する図である。板状可撓性部材181Bの前端側には、台座1811Bが接続されている。台座1811Bの上方には、支持棒1813Bおよび係止棒1815Bが接続されている。係止棒1815Bは、頂部において係止部18551Bを有する。

第3支持部186Bは、鍵100Bの後端側に接続されている部材である。第3支持部186Bは、内部において上下方向に貫通する第1空間186BS1および第2空間186BS2が形成されている。第1空間186BS1には、係止棒1815Bが挿入されている。係止部18151Bが第1空間186BS1から上方に突出している。係止棒1815Bは、第3支持部186Bの上面において係止部18151Bが引っかかることで、鍵100の回動では、第3支持部186Bから抜けないようになっている。第2空間186BS2には、支持棒1813Bが挿入されている。

第3支持部186Bから板状可撓性部材181Bを取り外す方法について説明する。図13(A)に示す状態で係止部18151Bに対して支持棒1813B側に向けて力を加えると、可撓性を有する係止棒1815Bが曲がって係止部18151Bが第1空間186BSの内部に押し込める位置まで移動する。そして、板状可撓性部材181Bに対して第3支持部186Bを上方に移動させると、図13(B)に示すように、係止部18151Bが第1空間186BS1の内部を通過していく。さらに第3支持部186Bを上方に移動させると、第3支持部186Bと板状可撓性部材181Bとが分離され、係止棒1815Bの形状が元に戻る(図13(C))。

一方、第3支持部186Bに板状可撓性部材181Bを取り付けるときには、支持棒1813Bを第2空間186BS2に下方から挿入するとともに、係止部18151Bを第1空間186BS1に下方から挿入しつつ、第3支持部186Bを下方に移動させる。このとき、係止部18151Bの先端形状が斜面を有していることにより、係止棒1815Bが支持棒1813B側に曲げられつつ係止部18151Bおよび係止棒1815Bが第1空間186BS1に挿入されていく(図13(B))。さらに第3支持部186Bを下方に移動させると、係止部18151Bが第1空間186BS1から上方に突出し、係止棒1815Bの形状が元に戻り、係止部18151Bが第3支持部186Bの上面に係止される。

<変形例> (1)上記の各実施形態においては、2つの可撓性部材(鍵に近い第1可撓部とフレームに近い第2可撓部)が互いに着脱できるようになっていたが、一体成型されたり、接着されたりして、着脱できない構成であってもよい。この場には、2つの可撓性部材は、互いに異なる材質を有する。互いに異なる材質の可撓性部材を一体成型する場合には、いわゆる二色成型(ダブルモールド)により実現される。着脱可能ではない2つの可撓性部材であっても、材質の組み合わせを適宜選択することによって、同一の材質で形成するよりもタッチ感の制御が容易になる。

(2)上記の各実施形態においては、2つの可撓性部材として、板状可撓性部材181と棒状可撓性部材185とが含まれていたが、双方が板状の可撓性部材であってもよいし、双方が棒状の可撓性部材であってもよい。また、2つの可撓性部材のいずれか一方又は双方は、棒形および板状のいずれの形状でもない可撓性部材であってもよい。

(3)上記の各実施形態においては、鍵100とフレーム500との間には、2つの可撓性部材が直列に接続されていたが、3つ以上の可撓性部材が接続されていてもよい。このとき、少なくとも2つの可撓性部材が直列に接続されて着脱可能になっていることが好ましい。したがって、一部の可撓性部材が直列に接続されていなくてもよいし、着脱可能でなくてもよい。

(4)上述した各実施形態において、例えば、板状可撓性部材181と棒状可撓性部材185とを着脱可能とする構成は、係止部による係止を用いていたが、これに限られない。例えば、ねじを用いた構成であってもよいし、さらに別の構造体を用いた構成であってもよい。少なくとも所定の操作により着脱可能であり、取り付けられた状態では、鍵の操作(押鍵および離鍵)の際に分離しない程度に結合する構造であればよい。

(5)黒鍵100bの回動中心と白鍵100wの回動中心とは、奥側方向に対して同じ位置であってもよい。その場合には、接続部180b、180wが隣接して配置できるように、スケール方向Sの大きさを規定すればよい。

(6)鍵100の前後方向の移動の規制は、側面鍵ガイド153によって実現していたが、その他のガイドによって実現されてもよい。

1…鍵盤装置、10,10A…鍵盤アセンブリ、70…音源装置、80…スピーカ、90…筐体、100,100A,100B…鍵、100w…白鍵、100b…黒鍵、120,120w,120b…ハンマ支持部、151,151w,151b…前端鍵ガイド、151u…上部鍵ガイド、151d…下部鍵ガイド、153,153w,153b…側面鍵ガイド、1531,1533…突出部、1535…溝、180,180A…接続部、181,181w,181b,181A,181B…板状可撓性部材、1811B…台座、1813B…支持棒、1815B…係止棒、18151B…係止部、183,183w,183b,183A,183B…第1支持部、183S1…第1空間、183S2…第2空間、185,185w,185b,185A…棒状可撓性部材、1851,1852…台座、1853,1854…支持棒、1855,1856…係止棒、18551,18561…係止部、186A,186B…第3支持部、186BS1…第1空間、186BS2…第2空間、200…ハンマアセンブリ、210…前端部、220…軸支持部、230…錘部、300…センサ、410…下側ストッパ、430…上側ストッパ、500…フレーム、511…前端フレームガイド、513…側面フレームガイド、520…回動軸、585,585w,585b,585A…第2支持部、585S1…第1空間、585S2…第2空間、586…開口部、590…支柱、710…信号変換部、730…音源部、750…出力部

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