電子管楽器、楽音生成装置、楽音生成方法、及びプログラム

申请号 JP2016184856 申请日 2016-09-21 公开(公告)号 JP2018049175A 公开(公告)日 2018-03-29
申请人 カシオ計算機株式会社; 发明人 佐々木 博之;
摘要 【課題】自然楽器の吹奏感により近づけることができるとともに、演奏者が簡易に好みの吹奏感を設定することができる電子管楽器、楽音生成装置、楽音生成方法、及びプログラムを提供する。 【解決手段】電子管楽器100において、マウスピース10に吹き込まれる息による吹奏圧の変化に対して、特定の物理モデルによる演算処理を実行することにより、遅延と減衰振動を付与した音量データが生成される。そして、指穴スイッチ160の運指操作に基づいて 指定 された音高の楽音を音源から読み出して再生するタイミングで、上記音量データに基づいて楽音の音量が制御される。 【選択図】図5
权利要求

演奏時に吹奏圧センサにより検出された吹奏圧に対して、遅延と減衰振動を付与する物理モデル演算を行い、物理モデル吹奏圧を算出する物理モデル吹奏圧算出部と、 前記物理モデル吹奏圧算出部により算出された前記物理モデル吹奏圧に基づいて楽音を生成する楽音生成部と、 を備えることを特徴とする楽音生成装置。前記楽音生成部は、 前記演奏時に指定された音高の前記楽音を再生する音源と、 前記物理モデル吹奏圧を音量データとして用いて、前記音源から再生される前記楽音の音量を、前記物理モデル吹奏圧に付与された前記遅延と前記減衰振動に基づいて制御する音量制御部と、 を有することを特徴とする請求項1に記載の楽音生成装置。前記物理モデル吹奏圧算出部は、前記物理モデル演算により、前記吹奏圧に対して、前記吹奏圧センサにより前記吹奏圧が検出されたタイミングから前記遅延を有し、前記吹奏圧が検出されなくなったタイミング以降に前記減衰振動を続ける変化特性を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の楽音生成装置。前記物理モデル演算に適用される物理モデルは、コンピュータ上でソフトウェア的に構成される仮想モデルであって、特定方向に所定の距離離間し、対向して配置された一対の固定壁間に、1乃至複数の重りを、複数の弾性体により直列に接続して支持した構成を有し、 前記物理モデル吹奏圧算出部は、前記物理モデルの前記重りに前記吹奏圧に対応するを印加した際の前記重りの位置の変化特性を、前記遅延と前記減衰振動として、吹奏圧に対して付与することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の楽音生成装置。前記物理モデルは、前記重りの質量、前記弾性体の強さ、前記弾性体の長さ、前記弾性体の制動の強さ、前記固定壁の位置を含むパラメータを有し、前記パラメータのうち、一つ以上を変更することによって前記音量データの変化特性が変更可能であることを特徴とする請求項4に記載の楽音生成装置。前記請求項1乃至5のいずれかに記載の楽音生成装置と、 前記楽音生成装置により生成された楽音を発音する発音部と、 を備えることを特徴とする電子管楽器。演奏時に吹奏圧センサにより検出された吹奏圧に対して、遅延と減衰振動を付与する物理モデル演算を行い、物理モデル吹奏圧を算出し、 前記算出された前記物理モデル吹奏圧に基づいて楽音を生成する、 ことを特徴とする楽音生成方法。演奏時に吹奏圧センサにより検出された吹奏圧に対して、遅延と減衰振動を付与する物理モデル演算を行い、物理モデル吹奏圧を算出し、 前記算出された前記物理モデル吹奏圧に基づいて楽音を生成する、 ことをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

吹奏圧を検出する吹奏圧センサにより検出された第1の吹奏圧に対して、減衰振動を付与する演算を行って第2の吹奏圧を得る演算部と、 前記演算部で得た前記第2の吹奏圧に基づいて楽音を生成する楽音生成部と、 を備えることを特徴とする楽音生成装置。前記演算部は、前記吹奏圧センサにより逐次検出される吹奏圧の時間経過に従った変化である第1の吹奏圧変化を、前記第1の吹奏圧変化に対して減衰振動が付与された第2の吹奏圧変化に変換する演算を行い、 前記楽音生成部は、前記第2の吹奏圧変化に基づいて楽音を生成する、 ことを特徴とする請求項1に記載の楽音生成装置。前記演算部は、前記第1の吹奏圧に対して、遅延と減衰振動を付与する演算を行って前記第2の吹奏圧を得ることを特徴とする請求項1または2に記載の楽音生成装置。前記演算部は、前記吹奏圧センサにより第1のタイミングで検出された前記第1の吹奏圧に対して、前記第1のタイミングから遅延を有し、前記第1の吹奏圧が検出されなくなった第2のタイミング以降に減衰振動を続けるようにして、前記第1の吹奏圧変化を前記第2の吹奏圧変化に変換する演算を行う、 ことを特徴とする請求項2に記載の楽音生成装置。前記演算は、遅延と減衰振動が考慮された物理モデルであって、管楽器の構造に対応する物理モデルよりも簡易化された物理モデルに基づく演算である物理モデル演算であり、 前記物理モデルを規定するパラメータを変更することにより、前記第1の吹奏圧に対して付与する前記遅延と前記減衰振動とを変更可能である、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の楽音生成装置。前記物理モデルは、バネに接続された重りに対応した物理モデルであり、 前記物理モデル演算は、前記物理モデルに基づいてコンピュータ上でソフトウェア的に実行され、前記重りに前記吹奏圧に対応する力を印加した際の前記重りの位置の変化を算出し、前記算出した位置の変化に対応する前記遅延と前記減衰振動を前記吹奏圧に対して付与する演算である、 ことを特徴とする請求項5に記載の楽音生成装置。前記物理モデルは、特定方向に所定の距離離間し、対向して配置された一対の固定壁間に、1乃至複数の重りを、複数の弾性体により直列に接続して支持した構成を有する、 ことを特徴とする請求項5に記載の楽音生成装置。前記物理モデルは、前記重りの質量、前記弾性体の強さ、前記弾性体の長さ、前記弾性体の制動の強さ、前記固定壁の位置のうちの少なくとも1つのパラメータを有し、前記パラメータのうち、一つ以上を変更することによって前記吹奏圧に対して付与する前記遅延と前記減衰振動とを変更可能である、 ことを特徴とする請求項7に記載の楽音生成装置。前記請求項1乃至8のいずれかに記載の楽音生成装置と、 前記楽音生成装置により生成された楽音を発音する発音部と、 音高を指定する音高指定部と、 演奏時に前記音高指定部で指定された音高で再生される楽音の音量を、前記演奏時に検出される前記第1の吹奏圧に対して前記演算を行うことにより得た前記第2の吹奏圧に基づいて制御する制御部を備えることを特徴とする電子管楽器。吹奏圧を検出する吹奏圧センサにより検出された第1の吹奏圧に対して、減衰振動を付与する演算を行い、 前記演算を行って得られた第2の吹奏圧に基づいて楽音を生成する、 ことを特徴とする楽音生成方法。吹奏圧を検出する吹奏圧センサにより検出された第1の吹奏圧に対して、減衰振動を付与する演算を行い、 前記演算を行って得られた第2の吹奏圧に基づいて楽音を生成する、 ことをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

说明书全文

本発明は、電子管楽器における楽音生成技術に関する。

従来、サクソフォンやクラリネット等のアコースティック管楽器の形状や演奏方法を模した電子管楽器が知られている。このような電子管楽器の演奏においては、アコースティック管楽器と同様のキー位置に設けられたスイッチ(音高キー)を操作することにより楽音の音高(ピッチ)が指定され、また、マウスピース内に吹き込む息の吹圧により音量が制御されるとともに、マウスピースを口に銜えたときの唇の位置や舌の接触状態、噛み圧等により音色が制御される。

そのため、従来の電子管楽器のマウスピースには、演奏時に吹き込まれる息による吹奏圧や唇の位置、舌の接触状態、噛み圧等を検出するための各種のセンサが設けられている。このような演奏時の状態を検出するための各種のセンサを設けた電子管楽器については、例えば特許文献1に記載されている。

特開2000−122641号公報

上述した特許文献1等に記載された電子管楽器においては、マウスピースに各種のセンサを設け、演奏時のセンサ出に基づいて発音を制御することにより、自然楽器の演奏感に近づけることができる。ここで、電子管楽器により発音される楽音の音量については、演奏者がマウスピースに息を吹き込んだ際の吹奏圧を圧力センサで検出し、その検出信号を略そのまま音量に変換する手法が適用されていた。

一方、実際にサクソフォン等の自然楽器を演奏した場合、音量は一定ではなく、微妙な抑揚や振動を有している。すなわち、上述した従来の電子管楽器による音量制御方法においては、自然楽器の吹奏感が十分に得られず、また、演奏者が簡易に好みの吹奏感を設定することもできなかった。そのため、未だ改良の余地を有していた。

そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて、自然楽器の吹奏感により近づけることができるとともに、演奏者が簡易に好みの吹奏感を設定することができる電子管楽器、楽音生成装置、楽音生成方法、及びプログラムを提供することを目的とする。

本発明に係る楽音生成装置は、 演奏時に吹奏圧センサにより検出された吹奏圧に対して、遅延と減衰振動を付与する物理モデル演算を行い、物理モデル吹奏圧を算出する物理モデル吹奏圧算出部と、 前記物理モデル吹奏圧算出部により算出された前記物理モデル吹奏圧に基づいて楽音を生成する楽音生成部と、 を備えることを特徴とする。

本発明に係る電子管楽器は、 上記の楽音生成装置と、 前記楽音生成装置により生成された楽音を発音する発音部と、 を備えることを特徴とする。

本発明に係る楽音生成方法は、 演奏時に吹奏圧センサにより検出された吹奏圧に対して、遅延と減衰振動を付与する物理モデル演算を行い、物理モデル吹奏圧を算出し、 前記算出された前記物理モデル吹奏圧に基づいて楽音を生成する、 ことを特徴とする。

本発明に係るプログラムは、 演奏時に吹奏圧センサにより検出された吹奏圧に対して、遅延と減衰振動を付与する物理モデル演算を行い、物理モデル吹奏圧を算出し、 前記算出された前記物理モデル吹奏圧に基づいて楽音を生成する、 ことをコンピュータに実行させることを特徴とする。

本発明によれば、自然楽器の吹奏感により近づけることができるとともに、演奏者が簡易に好みの吹奏感を設定することができる。

本発明の一実施形態に係る電子管楽器の全体構造を示す外観図である。

一実施形態に係る電子管楽器の電気的な構成の一例を示すブロック図である。

一実施形態に係る電子管楽器に適用されるマウスピースの一例を示す概略断面図である。

一実施形態に係る電子管楽器における演奏時の処理動作を示すフローチャートである。

一実施形態に係る電子管楽器における演奏時の処理動作を示す機能ブロック図である。

一実施形態に係る電子管楽器の音量制御処理に適用される物理モデルの一例を示す概念図である。

一実施形態に適用される物理モデルを演算する全体処理の一例を示すフローチャートである。

一実施形態に適用される物理モデルのバネの力を演算する処理の一例を示すフローチャートである。

一実施形態に適用される物理モデルの重りの位置を演算する処理の一例を示すフローチャートである。

一実施形態に適用される物理モデル演算により算出される物理モデル吹奏圧の変化特性と、自然楽器における音量の変化を示す波形データとを比較するための図である。

以下、本発明に係る電子管楽器、楽音生成装置、楽音生成方法、及びプログラムの実施形態について図面を参照しながら詳しく説明する。 (電子管楽器) 図1は、本発明の一実施形態に係る電子管楽器の全体構造を示す外観図である。

本発明が適用される電子管楽器100は、例えば図1に示すように、アコースティック管楽器のサクソフォンの形状を模した外形を有し、管状の楽器本体1の一端側(図面上方端側)にマウスピース10が取り付けられ、他端側(図面下方端側)に楽音が放出される放音部2が設けられている。マウスピース10には、後述するように、少なくとも、マウスピース10の吹込口から吹き込まれる演奏者の息圧を検出する吹奏圧センサが設けられている。また、楽器本体1の放音部2側の内部には、楽音を発生するスピーカ5が設けられている。また、楽器本体1の一側面(図面右方側の側面)には、運指操作により音高を指定する複数の指穴スイッチ3が配置されるとともに、他の側面(図面手前側の側面)には、電子管楽器100の電源スイッチや、演奏状態等を制御するための各種の操作スイッチを有する操作部4が設けられている。また、図示を省略するが、楽器本体1には、マウスピース10から出力される各種の検出信号や、指穴スイッチ3に基づいて取得される音高データ、操作部4から出力される制御信号に基づいて、スピーカ5から発生する楽音の音程や音量、音色等を制御する制御部が設けられている。

図2は、本実施形態に係る楽音生成装置を備えた電子管楽器の電気的な構成の一例を示すブロック図である。また、図3は、本実施形態に係る電子管楽器に適用されるマウスピースの一例を示す概略断面図である。

本実施形態に係る楽音生成装置を備えた電子管楽器100は、図2に示すように、概略、CPU110と、ROM120と、RAM130と、センサ群140と、ADC150と、指穴スイッチ160と、GPIO170と、操作スイッチ180と、DAC190と、発音部200とを有し、これらがバス210によって相互に接続されている。なお、本実施形態に示す構成は、本発明に係る電子管楽器を実現するための一例であり、この構成に限定されるものではない。

CPU(中央演算処理装置)110は、上述した制御部に対応し、ROM120に記憶された所定のプログラムを実行することにより、指穴スイッチ160の運指操作に基づいて取得される音高データにより指定される音高の楽音を再生するように音源を制御するとともに、演奏時にセンサ群140により取得される各種の検出信号や、操作スイッチ180から出力される制御信号に基づいて、再生される楽音の音程や音量、音色等を制御する。特に、本実施形態においては、マウスピース10に設けられた吹奏圧センサにより取得された吹奏圧に対して、特定の物理モデルを適用した演算(物理モデル演算)を行うことにより算出される物理モデル吹奏圧に基づいて、所定の音量の楽音を生成する制御を行う。なお、CPU110における楽音生成方法については、詳しく後述する。

ROM(リードオンリーメモリ)120には、電子管楽器100の演奏時の各種動作を制御するために、CPU110により実行される制御プログラムが記憶されている。特に、本実施形態においては、後述する楽音生成方法を実現するための楽音生成プログラムが記憶されている。また、ROM120には特定の自然楽器、又は、各種の自然楽器における全ての楽音の波形データを録音した音源データが記憶されている。ここで、音源データとしては、PCM(Pulse code modulation)音源や周知の各種音源を適用することができる。

RAM(ランダムアクセスメモリ)130は、電子管楽器100の演奏時にCPU110が制御プログラムを実行する際に生成されるデータや、センサ群140から出力される検出信号を順次取り込んで一時保存する。なお、上述したROM120に記憶される音源は、RAM130に保存されているものであってもよい。

センサ群140は、演奏者がマウスピース10を口に銜えて演奏する際の吹奏状態を検出するためにマウスピース10の内部等に設けられる各種のセンサである。具体的には、例えば図3に示すように、マウスピース本体12とリード14とが組み合わされた構造を有するマウスピース10の各所に、吹奏圧センサ141やバイトセンサ142、リップセンサ143、舌の形を検出するタンセンサ144、ボイスセンサ145等が設けられている。

吹奏圧センサ141は、マウスピース10の吹込口から吹き込まれた息に基づく吹奏圧を検出する。バイトセンサ142は、マウスピース10を口に銜えた際のリード14を噛む圧力(リード噛み圧)を検出する。リップセンサ143は、マウスピース10を口に銜えた際の唇の位置を検出する。タンセンサ144は、リード14への舌の接触状態に基づいて舌の形を検出する。ボイスセンサ145は、マイク等により演奏者が発声した音声を検出する。これらのセンサ141〜145から検出信号として出力されるアナログ電圧値は、ADC(アナログデジタルコンバータ)150によりデジタル電圧値に変換されて、CPU110に取り込まれる。

指穴スイッチ160は、上述した指穴スイッチ3に対応し、演奏者の運指操作に応じたON、OFF信号を出力する。ON、OFF信号は、GPIO(General Purpose Input/Output;汎用入出力)170を介してCPU110に取り込まれる。

操作スイッチ180は、上述した操作部4に対応し、放音部2から放音される楽音の音色や音量を設定したり、制御したりする制御信号を出力する。制御信号は、CPU110に取り込まれる。ここで、操作スイッチ180は、後述する物理モデルの構成やパラメータの設定を任意に変更設定できるものであってもよい。

発音部200は、上述したスピーカ5を有し、CPU110により指穴スイッチ160による音高データやセンサ群からの検出信号等に基づいて、ROMに記憶されている音源から所定の波形データを抽出して生成された楽音信号が、DAC(デジタルアナログコンバータ)190によりデジタル信号からアナログ信号に変換された後、スピーカ5を介して所定の楽音が放音される。

(電子管楽器の制御方法) 次に、本実施形態に係る電子管楽器における制御方法について説明する。ここで、以下に説明する電子管楽器の制御方法には、本発明に係る楽音生成装置における楽音生成方法及びプログラムが含まれている。 図4は、本実施形態に係る電子管楽器における制御方法を示すフローチャートであり、図5は、本実施形態に係る電子管楽器に適用される楽音生成方法を示す機能ブロック図である。

本実施形態に係る電子管楽器の制御方法は、上述した電子管楽器100のCPU110において、特定の楽音生成プログラムを含む制御プログラムを実行することにより実現されるものである。

電子管楽器における演奏時の処理動作は、例えば図4、図5に示すように、演奏者による指穴スイッチ160の運指操作に応じて指定された音高の楽音を、音源から読み出して再生する動作と、演奏者がマウスピース10に息を吹き込んだ際の吹奏圧に対して、特定の物理モデルを適用した演算を行うことにより算出される物理モデル吹奏圧に基づいて、音源から再生される楽音の音量を制御する動作とが、演奏のタイミングに合わせて実行される。

具体的には、まず、電子管楽器100の設定を初期化した後(ステップS101)、演奏者が指穴スイッチ160を操作して、所望の音高(ピッチ)を指定することにより、指穴スイッチ160のON、OFF信号が、GPIO170を介してCPU110に読み込まれる(ステップS102)。

次いで、読み込まれた指穴スイッチ160のON、OFF信号に基づいて、CPU110においてソフトウェア的に構成された指穴スイッチ−ピッチ変換器112により、どの音を発生するかを一義的に決定する対照テーブル(ウェーブテーブル)を参照して、発音する楽音の音高を規定する音高データを取得する(ステップS103)。

次いで、取得された音高データに対して、CPU110においてソフトウェア的に構成されたピッチアドレス発生器114により、アドレスを発生する。具体的には、基準音の周波数に対する、決定された音高の周波数の比率(倍率)をアドレスに設定することにより、再生する楽音を決定する。

一方、上述したように、演奏者が指穴スイッチ160を操作するタイミング合わせて、マウスピース10を銜えて吹込口から息を吹き込むことにより、吹奏圧センサ141により検出された吹奏圧に対応した電圧値が、ADC150を介してCPU110に読み込まれる(ステップS104)。

次いで、読み込まれた吹奏圧に対して、CPU110においてソフトウェア的に構成された物理モデル300を適用した演算(物理モデル演算)を行うことにより、所定の変化特性を有する物理モデル吹奏圧を算出し(ステップS105)、この演算出力を音量データとして取得する(ステップS106)。

次いで、CPU110は、ステップS103において決定された楽音の音高アドレスに基づいて、ROM120に記憶されたPCM音源122から対応する波形データを読み出して乗算器116に入力する。また、CPU110は、このタイミングに合わせて、ステップS106において取得した音量データを乗算器116に入力する(ステップS107)。

次いで、乗算器116において、PCM音源122から入力された波形データについて、物理モデル300を適用した演算により取得された音量データの変化特性に応じた音量に設定された楽音信号が生成されて、DAC190を介して発音部200に出力される。これにより、指穴スイッチ160の運指操作に応じた音高の楽音が、物理モデル300に基づく変化特性に応じた音量でスピーカ5から発音される(ステップS108)。以下、CPU110が上述したステップS102〜S108の処理を繰り返し実行することにより、楽音がスピーカ5から連続的に発音されて曲が演奏される。

なお、図4に示したフローチャートにおいては図示を省略したが、CPU110は、上述した一連の処理動作(ステップS101〜S108)の実行中に、演奏が終了したり中断したりする状態の変化を検出した場合には、処理動作を強制的に終了する。

(物理モデル) 次に、本実施形態に係る電子管楽器の制御方法(楽音生成方法)に適用される物理モデルについて具体的に説明する。ここでは、説明を簡明にするために、最も簡単な物理モデル(重り1個を2本のバネで支持した構成)を示して説明するが、より複雑な物理モデル(複数の重りを複数のバネで支持した構成)を適用するものであってもよい。 図6は、本実施形態に係る電子管楽器の制御方法(楽音生成方法)に適用される物理モデルの一例を示す概念図である。

本実施形態に適用される物理モデル300は、CPU110において特定のプログラムを実行することによりソフトウェア的に構成される仮想モデルであって、例えば図6に示すように、±X方向(図面左右方向)に所定の距離離間し、対向して配置された一対の固定壁(左壁、右壁)間に、重り(質量体)が左右両側に直列に接続された2本のバネSP1、SP2により支持されている。本実施形態においては、この物理モデル300において、重りが静止している初期状態で、重りに対して吹奏圧センサ141により検出された吹奏圧に応じた力を加えた場合の重りの位置の変化特性を、吹奏圧に付与することにより得られる物理モデル吹奏圧を、楽音の音量を制御する音量データとして用いる。

図7は、本実施形態に適用される物理モデルの演算処理の一例を示すフローチャートである。また、図8は、本実施形態に適用される物理モデルにおけるバネの力を演算する処理の一例を示すフローチャートであり、図9は、本実施形態に適用される物理モデルにおける重りの位置を演算する処理の一例を示すフローチャートである。

静止した重りに力を加えた場合の重りの位置の変化は、次に示すような一連の演算処理により求められる。 まず、速度、加速度に関する物理の一般式(11)、(12)を用いて運動方程式(13)を書き換えると、時刻tにおける質量mの重りの位置x(t)は、(14)式で表される。

上記の(11)〜(14)式において、x(t)、x(t−1)、x(t−2)は、それぞれ時刻t、t−1、t−2における重りの位置であり、v(t)、v(t−1)は、それぞれ時刻t、t−1における重りの速度であり、a(t)は、時刻tにおける重りの加速度であり、fは重りに加わる(又は、生じる)力である。

一方、バネは外圧が加わる方向に対して反対方向の復元力が発生する。この復元力は、バネ定数kで規定される。また、バネが復元するときの振動は、摩擦係数(又は減衰係数)dに依存して減衰して最終的に静止した状態に戻る。本実施形態に適用される物理モデル300においては、重りを左右両側に接続された2本のバネSP1、SP2により支持しているので、バネSP1、SP2に生じる力f1、f2は、(15)式の各式で表される。

上記の(15)式において、各式の右辺第1項は、復元力を示し、同第2項は、バネの振動を示している。また、L1、L2は、左壁と右壁との間に2本のバネSP1、SP2により接続された重りが静止している状態における、バネSP1、SP2の長さであって、各壁と重りとの間の距離に対応する。

そして、本実施形態に適用される物理モデル300においては、重りに与えられる力fは、バネSP1、SP2に生じる力f1、f2と、吹奏圧に対応する力fvとを合計した力に相当するので、(16)式の関係が成り立つ。

本実施形態においては、上記のような関係に基づいて、所定のサンプリング周波数(例えば10msec間隔)で次に示すような演算処理を随時繰り返し実行して重りの位置を計算する。

物理モデルの演算処理は、例えば図7のフローチャートに示すように、まず、CPU110は物理モデル300の定数パラメータを初期化する(ステップS111)。ここで、物理モデル300の定数パラメータは、重りの質量や、バネSP1、SP2の強さ(バネ定数に基づき、外圧に対して反発する力)、バネSP1、SP2の長さ、制動の強さ(摩擦係数又は減衰係数に基づき、バネの振動が減衰していくときに働く力)、バネを固定する壁の位置であって、初期化によりこれらのパラメータに固定値(定数)を設定する。なお、バネSP1、SP2の強さや長さは、重りの位置に応じて変化する変数である。

次いで、上記の(15)式に基づいて、CPU110は、バネSP1に生じる力f1、及び、バネSP2に生じる力f2を演算する(ステップS112、S113)。具体的には、例えば図8のフローチャートに示すように、バネN(N=SP1、SP2)の力を演算する処理は、各バネNについて、まず、基準となる左壁の位置(基点0)から重りの位置を減算することにより、現在の壁と重りとの間の距離が計算されて、レジスタに保存される(ステップS121)。

次いで、CPU110は、バネNの力(f1、f2)について、上記の(15)式の右辺第1項に示したバネ定数kに基づくバネの強さに関連する要素(バネの力(1))と、同第2項に示した摩擦係数dに基づくバネの制動の強さに関連する要素(バネの力(2))とを、それぞれ計算する。バネの力(1)は、バネNの強さ(バネ定数k)と、ステップS121において計算した現在の距離からバネNの長さ(定数;L1、L2)を減算した結果(バネの伸縮距離)とを乗算することで得られる(ステップS122)。また、バネの力(2)は、バネNの制動の強さ(摩擦係数又は減衰係数;d)と、ステップS121において計算した現在の距離から直前(すなわち、1サンプリングタイム前)の距離を減算した結果(距離の差分)とを乗算することで得られる(ステップS123)。

次いで、CPU110は、ステップS122及びS123において計算されたバネの力(1)、(2)を加算することにより、現在のバネNの力(f1、f2)を計算する(ステップS124)。また、CPU110は、次のサンプリングタイムでのバネNの力の演算に使用するために、ステップS121において計算された現在の距離を、直前(1サンプリングタイム前)の距離としてRAM130に保存する(ステップS125)。

上記のバネN(N=SP1、SP2)の力を演算する処理一連の処理を、各バネSP1、SP2について演算することにより、現在の重りの位置で各バネNに生じる力f1、f2が計算されて出力される(ステップS112、S113)。

次いで、CPU110は、図7のフローチャートに戻って、上記の(16)式に基づいて、ステップS112、S113において計算された力f1、f2と、吹奏圧に対応する力fvとを加算することにより、重りに加わる力fを計算する(ステップS114)。]

次いで、CPU110は、上記の(14)式に基づいて、ステップS114において計算された力fを重りに与えることにより、重りの位置を算する(ステップS115)。具体的には、例えば図9のフローチャートに示すように、重りの位置を演算する処理においては、CPU110は、まず、上記の(14)式の右辺第1項の重りに加わる力と質量に関連する要素(重りの位置(1))と、同第2項及び第3項に示した直前のサンプリングタイム(t−1)とその一つ前のサンプリングタイム(t−2)における重りの位置に関連する要素(重りの位置(2))とを、それぞれ計算する。重りの位置(1)は、ステップS114において計算した重りに加わる力fを質量mで除算することで得られる(ステップS131)。重りの位置(2)は、現在の重りの位置から1サンプリングタイム前(すなわち直前)の位置(x(t−1))の2倍に、現在の重りの位置から2サンプリングタイム前の位置(x(t−2))を加算(又は減算)することで得られる(ステップS132)。

次いで、CPU110は、ステップS131及びS132において計算された重りの位置(1)、(2)を加算することにより、現在の重りの位置(x(t))を計算する(ステップS133)。また、CPU110は、次のサンプリングタイムでの重りの位置の演算に使用するために、直前の重りの位置を2サンプリングタイム前のもう一つ前の位置としてRAM130に保存するとともに(ステップS134)、ステップS133において計算された現在の重りの位置を直前の位置としてRAM130に保存する(ステップS135)。

上記の重りの位置を演算する一連の処理により、現在の重りの位置が計算されて出力される(ステップS115)。ここで、ステップS133において計算された重りの位置は、重りに接続されたバネSP1、SP2の伸縮により連続的に変化するため、上述したバネNの力の演算において使用した重りの位置から移動しているので、ステップS121において計算された距離が変化して、バネNに生じる力f1、f2も変化している。これにより、ステップS131において重りに加わる力fがさらに変化することになり、重りの位置もさらに変化することになる。

CPU110は、このようなバネNの力と重りの位置の一連の演算を、所定のサンプリング周波数で繰り返し実行することにより、サンプリングタイムごとの重りの位置を順次取り出して(ステップS116)、位置データとして出力する。この位置データの変化特性は、物理モデル演算により、吹奏圧センサ141により検出された吹奏圧に付与されて物理モデル吹奏圧が出力され、ステップS106、S107に示したように、この出力が音量データとして取得されて、乗算器116におけるPCM音源122の音量制御に使用される。

(音量データの変化特性) 次に、上述した物理モデルを適用した演算(物理モデル演算)により算出される物理モデル吹奏圧の変化特性について説明する。この物理モデル吹奏圧の変化特性は、音量データの変化特性に対応する。

図10は、本実施形態に適用される物理モデル演算により算出される物理モデル吹奏圧の変化特性と、自然楽器における音量の変化を示す波形データとを比較するための図である。図10(a)は、吹奏圧に対する物理モデル吹奏圧の変化を示す特性図であり、図10(b)は、自然楽器(サクソフォン)から出力される楽音の音量の変化を示す波形データ(エンベロープ)である。ここで、図10(a)に示した特性図の縦軸は、圧力の変化の相対的な大小関係を示し、圧力0は吹奏圧のない無発音状態を示す。また、同特性図の横軸は、時間の経過を示し、図10(a)に示した横軸の範囲は概ね1秒(sec)分を示し、図10(b)では概ね2秒分を示す。

図6に示したような重りとバネSP1、SP2を直列に接続した物理モデル300においては、重りに対して、吹奏圧センサ141により検出された吹奏圧に対応する力fvを、物理モデル300の接続方向(±X方向)に印加して移動させた後、当該力fvを開放することにより、バネSP1、SP2の復元力により重りが+X方向と−X方向とを往復する振幅運動を行いつつ、徐々に振動が減衰して、最終的に重りが初期状態の位置で静止する。

ここで、電子管楽器100において、吹奏圧センサ141により検出される吹奏圧は、一般的には例えば図10(a)中に点線曲線で示すように、演奏者がマウスピース10に息を吹き込み始めると略同時に圧力が急激に上昇し、最高点(ピーク)に到達した後、圧力が急激に下降して、演奏者が息の吹き込みを終えると略同時に圧力が0に固定される。

このような吹奏圧の変化に対して、上述した物理モデル300を適用した演算処理により取得した重りの位置の変化特性が付与された物理モデル吹奏圧は、例えば図10(a)中に実線曲線で示すように、息の吹き込み始めにおいて、吹奏圧に対して遅延を生じるとともに、吹奏圧の変化よりも急峻な上昇傾向を示して、吹奏圧の最高点を超過(オーバーシュート)する。加えて、演奏者による息の吹き込みが終了して吹奏圧が0になった後においても、物理モデル300における重りの動作と同様に、減衰振動を続けた後、圧力0に収束する。

具体的には、例えば図10(a)に示した時間経過の全範囲である1秒に対して、演奏者が0.5秒程度、マウスピース10に息を吹き込んだ場合、吹奏の開始(吹奏圧の検出)からやや遅延して出力された物理モデル吹奏圧は、吹奏の終了(吹奏圧の非検出)後も0.5秒程度、減衰振動を続ける変化特性を示す。これにより、本実施形態においては、物理モデル300を適用した演算により演奏者の息の吹き込みのタイミングや吹奏圧に対して、遅延と減衰振動が付与された物理モデル吹奏圧が算出され、この物理モデル吹奏圧を音量データとして乗算器116に入力することによりPCM音源122から再生される楽音が、上記の変化特性に応じた音量に制御されて発音される。

また、本実施形態に適用される物理モデル演算により算出される物理モデル吹奏圧の変化特性について、自然楽器における音量の波形データと比較すると、図6に示したような簡易な物理モデルを適用した場合であっても、図10(a)、(b)に示すように、音量データとなる物理モデル吹奏圧に付与された遅延や減衰振動の変化特性を、自然楽器の音量の波形データに含まれる遅延や減衰振動に類似させることができることが判明した。

このように、本実施形態においては、マウスピース10に吹き込まれる息による吹奏圧の変化に対して、特定の物理モデルを適用した演算処理を実行することにより、遅延と減衰振動を付与した音量データが取得される。そして、指穴スイッチ160の運指操作に基づいて指定された音高の楽音を音源から読み出して再生するタイミングで、上記音量データの変化特性に基づいて楽音の音量が制御される。

これにより、本実施形態によれば、吹奏圧をそのまま音量制御に使用する手法に比較して、自然楽器に近い吹奏感を実現することができる。特に、本実施形態によれば、音量データを取得するための物理モデル300の構成(バネや重りの数等)やパラメータ(重りの質量や、バネの強さや長さ、制動の強さ、壁の位置等)を、例えば演奏者が操作部4の操作スイッチ180等を操作して変更設定することによって、音量を任意の変化特性で制御することができるので、比較的簡易に自然楽器に近い吹奏感を実現したり、好みの吹奏感を実現したりすることができる。

なお、上述した実施形態においては、サクソフォン型の外形を有する電子管楽器100を示したが、本発明に係る電子管楽器はこれに限定されるものではなく、演奏時に吹奏圧を検出して、発音される楽音の音量を制御する構成を有する電子楽器であれば、クラリネット型やトランペット型等の他のアコースティック管楽器を模したものや、電子鍵盤(キーボード)に吹奏圧センサが付設された鍵盤ハーモニカ等の電子楽器であってもよい。

以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とを含むものである。 以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。

(付記) [1] 演奏時に吹奏圧センサにより検出された吹奏圧に対して、遅延と減衰振動を付与する物理モデル演算を行い、物理モデル吹奏圧を算出する物理モデル吹奏圧算出部と、 前記物理モデル吹奏圧算出部により算出された前記物理モデル吹奏圧に基づいて楽音を生成する楽音生成部と、 を備えることを特徴とする楽音生成装置。

[2] 前記楽音生成部は、 前記演奏時に指定された音高の前記楽音を再生する音源と、 前記物理モデル吹奏圧を音量データとして用いて、前記音源から再生される前記楽音の音量を、前記物理モデル吹奏圧に付与された前記遅延と前記減衰振動に基づいて制御する音量制御部と、 を有することを特徴とする[1]に記載の楽音生成装置。

[3] 前記物理モデル吹奏圧算出部は、前記物理モデル演算により、前記吹奏圧に対して、前記吹奏圧センサにより前記吹奏圧が検出されたタイミングから前記遅延を有し、前記吹奏圧が検出されなくなったタイミング以降に前記減衰振動を続ける変化特性を付与することを特徴とする[1]又は[2]に記載の楽音生成装置。

[4] 前記物理モデル演算に適用される物理モデルは、コンピュータ上でソフトウェア的に構成される仮想モデルであって、特定方向に所定の距離離間し、対向して配置された一対の固定壁間に、1乃至複数の重りを、複数の弾性体により直列に接続して支持した構成を有し、 前記物理モデル吹奏圧算出部は、前記物理モデルの前記重りに前記吹奏圧に対応する力を印加した際の前記重りの位置の変化特性を、前記遅延と前記減衰振動として、吹奏圧に対して付与することを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の楽音生成装置。

[5] 前記物理モデルは、前記重りの質量、前記弾性体の強さ、前記弾性体の長さ、前記弾性体の制動の強さ、前記固定壁の位置を含むパラメータを有し、前記パラメータのうち、一つ以上を変更することによって前記音量データの変化特性が変更可能であることを特徴とする[4]に記載の楽音生成装置。

[6] 前記[1]乃至[5]のいずれかに記載の楽音生成装置と、 前記楽音生成装置により生成された楽音を発音する発音部と、 を備えることを特徴とする電子管楽器。

[7] 演奏時に吹奏圧センサにより検出された吹奏圧に対して、遅延と減衰振動を付与する物理モデル演算を行い、物理モデル吹奏圧を算出し、 前記算出された前記物理モデル吹奏圧に基づいて楽音を生成する、 ことを特徴とする楽音生成方法。

[8] 演奏時に吹奏圧センサにより検出された吹奏圧に対して、遅延と減衰振動を付与する物理モデル演算を行い、物理モデル吹奏圧を算出し、 前記算出された前記物理モデル吹奏圧に基づいて楽音を生成する、 ことをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

10 マウスピース 100 電子管楽器 110 CPU(物理モデル吹奏圧算出部) 116 乗算器(楽音生成部、音量制御部) 122 PCM音源(楽音生成部) 141 吹奏圧センサ 160 指穴スイッチ 180 操作スイッチ 200 発音部 300 物理モデル SP1、SP2 バネ

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