取付け構造

申请号 JP2016061815 申请日 2016-03-25 公开(公告)号 JP2017172761A 公开(公告)日 2017-09-28
申请人 ヤマハ株式会社; 发明人 市来 俊介; 鈴木 浩継;
摘要 【課題】部品同士の意図しない分離を防ぎつつ、部品のガタつきを抑制することの可能な取付け構造を提供すること。 【解決手段】取付け構造は、可撓部及び前記可撓部の一端に設けられた掛かり部を有する第1取付け部及び第2取付け部を含む第1部材と、前記第1部材が装着される第2部材と、を備え、前記第1取付け部は、前記掛かり部の下面と前記下面に連続する前記可撓部の表面とのなす 角 が鈍角であり、第2取付け部は、前記掛かり部の下面と前記下面に連続する前記可撓部の表面とのなす角が直角または鋭角である。 【選択図】図12
权利要求

可撓部及び前記可撓部の一端に設けられた掛かり部を有する第1取付け部及び第2取付け部を含む第1部材と、 前記第1部材が装着される第2部材と、 を備え、 前記第1取付け部は、前記掛かり部の下面と前記可撓部の表面とのなすが鈍角であり、第2取付け部は、前記掛かり部の下面と前記可撓部の表面とのなす角が直角または鋭角である、取付け構造。前記掛かり部と前記第2部材との重畳する方向は、前記第1取付け部と前記第2取付け部とで異なる方向である、請求項1に記載の取付け構造。前記掛かり部と前記第2部材との重畳する方向は、前記第1取付け部と前記第2取付け部とで逆の方向である、請求項1に記載の取付け構造。前記掛かり部と前記第2部材との重畳する方向は、前記第1取付け部と前記第2取付け部とで直交する方向である、請求項1に記載の取付け構造。前記第1取付け部における前記可撓部の長さと前記第2取付け部における前記可撓部の長さとが異なる、請求項1に記載の取付け構造。可撓部及び前記可撓部に設けられた第1掛かり部及び第2掛かり部を有する取付け部を含む第1部材と、 前記第1部材が装着される第2部材と、 を備える、取付け構造。前記第1掛かり部の下面と前記可撓部の表面とのなす角が鈍角であり、前記第2掛かり部の下面と前記可撓部の表面とのなす角が直角または鋭角である、請求項6に記載の取付け構造。前記第1掛かり部と前記第2部材との重畳する方向と前記第2掛かり部と前記第2部材との重畳する方向とは、異なる方向である、請求項6又は7に記載の取付け構造。前記第1掛かり部と前記第2部材との重畳する方向と前記第2掛かり部と前記第2部材との重畳する方向とは、逆の方向である、請求項6又は7に記載の取付け構造。前記第1掛かり部と前記第2部材との重畳する方向と前記第2掛かり部と前記第2部材との重畳する方向とは互いに直交する、請求項6又は7に記載の取付け構造。前記第2部材は、前記取付け部を挿入可能な大きさの開口部を含み、 前記第2部材に対し前記第1部材を装着した状態において、前記第1掛かり部は、前記開口部の内部に位置する、請求項6又は7に記載の取付け構造。前記第2部材は、互いに向かい合う内壁面のそれぞれに傾斜面を有する開口部を含み、 前記傾斜面は、側方から前記開口部の断面を見た場合に、一方の傾斜面に対し他方の傾斜面が異なる高さに位置する、請求項6又は7に記載の取付け構造。

说明书全文

本発明は、材料の弾性を利用して部品同士を結合する取付け構造に関する。特に、鍵盤装置の鍵の取付け構造に関する。

従来、部品同士を結合する方式として、材料の弾性を利用した簡易な取付け構造が知られている。このような取付け構造は、一般的にはスナップフィットと呼ばれ、プラスチック等の成形部品を組み合わせて結合する際に利用される。

上述の取付け構造は、部品同士の結合が容易性であるともに、いったん結合した後は、簡単に外れないように固定されるという性能が要求される。このような性能を考慮した取付け構造として、例えば特許文献1に記載された技術が開示されている。

実開平1−176987号公報

しかしながら、特許文献1に記載された技術は、部品寸法のばらつきを考慮していないため、部品寸法のばらつきに起因して、部品同士が意図せず分離してしまったり、部品同士の取付けが困難になってしまったりする場合がある。

また、部品寸法のばらつきを考慮した設計として、スナップフィットの爪部分にある程度のマージンを設け、部品寸法のばらつきを吸収することも考えられる。しかしながら、マージンを設けることによって部品のガタつきが発生してしまうため、部品同士が意図せず分離してしまうおそれがある。

本発明の課題の一つは、部品同士の意図しない分離を防ぎつつ、部品のガタつきを抑制することの可能な取付け構造を提供することにある。

本発明の一実施形態における取付け構造は、可撓部及び前記可撓部の一端に設けられた掛かり部を有する第1取付け部及び第2取付け部を含む第1部材と、前記第1部材が装着される第2部材と、を備え、前記第1取付け部は、前記掛かり部の下面と前記下面に連続する前記可撓部の表面とのなすが鈍角であり、第2取付け部は、前記掛かり部の下面と前記下面に連続する前記可撓部の表面とのなす角が直角または鋭角である。

前記掛かり部と前記第2部材との重畳する方向は、前記第1取付け部と前記第2取付け部とで異なる方向であってもよい。例えば、前記掛かり部と前記第2部材との重畳する方向は、前記第1取付け部と前記第2取付け部とで逆の方向であってもよいし、前記掛かり部と前記第2部材との重畳する方向は、前記第1取付け部と前記第2取付け部とで直交する方向であってもよい。

前記第1取付け部における前記可撓部の長さと前記第2取付け部における前記可撓部の長さとが異なっていてもよい。

本発明の一実施形態における取付け構造は、可撓部及び前記可撓部に設けられた第1掛かり部及び第2掛かり部を有する取付け部を含む第1部材と、前記第1部材が装着される第2部材と、を備え、前記第1掛かり部の第1下面と前記第1下面に連続する前記可撓部の表面とのなす角が鈍角であり、前記第2掛かり部の第2下面と前記第2下面に連続する前記可撓部の表面とのなす角が直角または鋭角である。

前記第1掛かり部と前記第2部材との重畳する方向と前記第2掛かり部と前記第2部材との重畳する方向とは、異なる方向であってもよい。例えば、前記第1掛かり部と前記第2部材との重畳する方向と前記第2掛かり部と前記第2部材との重畳する方向とは、逆の方向であってもよい。

前記第2部材は、前記取付け部を挿入可能な大きさの開口部を含み、前記第2部材に対し前記第1部材を装着した状態において、前記第1掛かり部は、前記開口部の内部に位置してもよい。

前記第2部材は、互いに向かい合う内壁面のそれぞれに傾斜面を有する開口部を含み、前記傾斜面は、側方から前記開口部の断面を見た場合に、一方の傾斜面に対し他方の傾斜面が異なる高さに位置してもよい。

本発明の実施形態によれば、部品同士の意図しない分離を防ぎつつ、部品のガタつきを抑制することができる。

第1実施形態の鍵盤装置の構成を示す図である。

第1実施形態の音源装置の構成を示すブロック図である。

第1実施形態の筐体内部の構成を側面から見た場合の一例を示す図である。

第1実施形態の棒状可撓部を含む構造体の構成を側方から見た場合の一例を示す図である。

第1実施形態の第1部材の構成を側方から見た場合の一例を示す図である。

第1実施形態の第1取付け部における掛かり部の構成を側方から見た場合の一例を示す図である。

第1実施形態の第1取付け部における掛かり部の作用について説明するための図である。

第1実施形態の第2取付け部における掛かり部の構成を側方から見た場合の一例を示す図である。

第1実施形態の第2取付け部における掛かり部の作用について説明するための図である。

第1実施形態の第2部材の構成を上方から見た場合の一例を示す図である。

第1実施形態の第2部材を図8に示すA−A’で切断した構成を見た場合の一例を示す図である。

第1実施形態の第2部材を図8に示すB−B’で切断した構成を見た場合の一例を示す図である。

第1実施形態の第2部材の構成を背面から見た場合の一例を示す図である。

第1実施形態の取付け構造を図8に示すA−A’で切断した断面に対応する図である。

第1実施形態の取付け構造において第1取付け部を変形した例を示す図である。

第1実施形態の取付け構造において第1取付け部を変形した例を示す図である。

第2実施形態の第1部材の構成を側方から見た場合の一例を示す図である。

第2実施形態の第2部材の構成を上方から見た場合の一例を示す図である。

第3実施形態の第1部材の構成を側方から見た場合の一例を示す図である。

第3実施形態の第2部材の構成を上方から見た場合の一例を示す図である。

第4実施形態の取付け構造を図8に示すA−A’で切断した断面に対応する図である。

第5実施形態の取付け構造を図8に示すA−A’で切断した断面に対応する図である。

第6実施形態の取付け構造を図8に示すA−A’で切断した断面に対応する図である。

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、B等を付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率(各構成間の比率、縦横高さ方向の比率等)は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。

<第1実施形態> [鍵盤装置の構成] 図1は、第1実施形態における鍵盤装置の構成を示す図である。鍵盤装置1は、この例では、電子ピアノなどユーザ(演奏者)の押鍵に応じて発音する電子鍵盤楽器である。なお、鍵盤装置1は、外部の音源装置を制御するための制御データ(例えば、MIDI)を、押鍵に応じて出する鍵盤型のコントローラであってもよい。この場合には、鍵盤装置1は、音源装置を有していなくてもよい。

鍵盤装置1は、鍵盤アセンブリ10を備える。鍵盤アセンブリ10は、白鍵100wおよび黒鍵100bを含む。複数の白鍵100wと黒鍵100bとが並んで配列されている。鍵100の数は、N個であり、この例では88個である。この配列された方向をスケール方向という。白鍵100wおよび黒鍵100bを特に区別せずに説明できる場合には、鍵100という場合がある。以下の説明においても、符号の最後に「w」を付した場合には、白鍵に対応する構成であることを意味している。また、符号の最後に「b」を付した場合には、黒鍵に対応する構成であることを意味している。

鍵盤アセンブリ10の一部は、筐体90の内部に存在している。鍵盤装置1を上方から見た場合において、鍵盤アセンブリ10のうち筐体90に覆われている部分を非外観部NVといい、筐体90から露出してユーザから視認できる部分を外観部PVという。すなわち、外観部PVは、鍵100の一部であって、ユーザによって演奏操作が可能な領域を示す。以下、鍵100のうち外観部PVによって露出されている部分を鍵本体部という場合がある。

筐体90内部には、音源装置70およびスピーカ80が配置されている。音源装置70は、鍵100の押下に伴って音波形信号を生成する。スピーカ80は、音源装置70において生成された音波形信号を外部の空間に出力する。なお、鍵盤装置1は、音量をコントロールするためのスライダ、音色を切り替えるためのスイッチ、様々な情報を表示するディスプレイなどが備えられていてもよい。

なお、図1〜図3の説明において、上、下、左、右、手前および奥などの方向は、演奏するときの演奏者から鍵盤装置1を見た場合の方向を示している。そのため、例えば、非外観部NVは、外観部PVよりも奥側に位置している、と表現することができる。また、鍵前端側、鍵後端側のように、鍵100を基準として方向を示す場合もある。この場合、鍵前端側は鍵100に対して演奏者から見た手前側を示す。鍵後端側は鍵100に対して演奏者から見た奥側を示す。この定義によれば、黒鍵100bのうち、黒鍵100bの鍵本体部の前端から後端までが、白鍵100wよりも上方に突出した部分である、と表現することができる。

図2は、第1実施形態における音源装置の構成を示すブロック図である。音源装置70は、信号変換部710、音源部730および出力部750を備える。センサ300は、各鍵100に対応して設けられ、鍵の操作を検出し、検出した内容に応じた信号を出力する。この例では、センサ300は、3段階の押鍵量に応じて信号を出力する。この信号の間隔に応じて押鍵速度が検出可能である。

信号変換部710は、センサ300(88の鍵100に対応したセンサ300−1、300−2、・・・、300−88)の出力信号を取得し、各鍵100における操作状態に応じた操作信号を生成して出力する。この例では、操作信号はMIDI形式の信号である。そのため、押鍵操作に応じて、信号変換部710はノートオンを出力する。このとき、88個の鍵100のいずれが操作されたかを示すキーナンバ、および押鍵速度に対応するベロシティについてもノートオンに対応付けて出力される。一方、離鍵操作に応じて、信号変換部710はキーナンバとノートオフとを対応付けて出力する。信号変換部710には、ペダル等の他の操作に応じた信号が入力され、操作信号に反映されてもよい。

音源部730は、信号変換部710から出力された操作信号に基づいて、音波形信号を生成する。出力部750は、音源部730によって生成された音波形信号を出力する。この音波形信号は、例えば、スピーカ80または音波形信号出力端子などに出力される。

[鍵盤アセンブリの構成] 図3は、第1実施形態における筐体内部の構成を側面から見た場合の説明図である。図3に示すように、筐体90の内部において、鍵盤アセンブリ10およびスピーカ80が配置されている。スピーカ80は、鍵盤アセンブリ10の奥側に配置されている。このスピーカ80は、押鍵に応じた音を筐体90の上方および下方に向けて出力するように配置されている。下方に出力される音は、筐体90の下面側から外部に進む。一方、上方に出力される音は筐体90の内部から鍵盤アセンブリ10の内部の空間を通過して、外観部PVにおける鍵100の隣接間の隙間または鍵100と筐体90との隙間から外部に進む。

鍵盤アセンブリ10の構成について、図3を用いて説明する。鍵盤アセンブリ10は、上述した鍵100の他にも、接続部180、ハンマアセンブリ200およびフレーム500を含む。鍵盤アセンブリ10は、ほとんどの構成が射出成形などによって製造された樹脂製の構造体である。フレーム500は、筐体90に固定されている。

接続部180は、フレーム500に対して回動可能に鍵100を接続する。接続部180は、板状可撓部181、鍵側支持部183および棒状可撓部185aを備える。板状可撓部181は、鍵100の後端から延在している。鍵側支持部183は、板状可撓部181の後端から延在している。棒状可撓部185aは、鍵側支持部183およびフレーム500のフレーム側支持部585を連結している。すなわち、鍵100とフレーム500との間に、棒状可撓部185aが配置されている。棒状可撓部185aが曲がることによって、鍵100がフレーム500に対して回動することができる。

棒状可撓部185aは、後述する取付け構造(いわゆるスナップフィット)を用いて鍵側支持部183とフレーム側支持部585とに結合されている。なお、本実施形態では、スナップフィットの爪部分が引っ掛かる方向と鍵100の長手方向とが一致するように取付け構造を設計している。スナップフィットの爪部分は、なるべく大きく撓ませたいという事情があるため、鍵100が高密度に配置されるスケール方向に比べて長手方向の方がスペース確保の観点から有利であると言える。

図4は、第1実施形態の棒状可撓部185aを含む構造体185の構成を側面から見た場合を示す図である。図4に示すように、構造体185は、棒状可撓部185aの両端に後述する第1部材20aを取り付けた構造となっている。図3では、棒状可撓部185aの両端に、互いに逆さ向きとなるように第1部材20aを設け、各第1部材20aを鍵側支持部183及びフレーム側支持部585のそれぞれに対して装着することにより、鍵側支持部183及びフレーム側支持部585と棒状可撓部185aとを結合している。なお、第1部材20aを含む取付け構造の詳細については後述する。

鍵100は、前端鍵ガイド151および側面鍵ガイド153を備える。前端鍵ガイド151は、フレーム500の前端フレームガイド511を覆った状態で摺動可能に接触している。前端鍵ガイド151は、その上部と下部のスケール方向の両側において、前端フレームガイド511と接触している。側面鍵ガイド153は、スケール方向の両側において側面フレームガイド513と摺動可能に接触している。この例では、側面鍵ガイド153は、鍵100の側面のうち非外観部NVに対応する領域に配置され、接続部180(板状可撓部181)よりも鍵前端側に存在するが、外観部PVに対応する領域に配置されてもよい。

ハンマアセンブリ200は、フレーム500に対して回動可能に取り付けられている。このときハンマアセンブリ200の軸支持部220とフレーム500の回動軸520とは少なくとも3点で摺動可能に接触する。ハンマアセンブリ200の前端部210は、ハンマ支持部120の内部空間において概ね前後方向に摺動可能に接触する。この摺動部分、すなわち前端部210とハンマ支持部120とが接触する部分は、外観部PV(鍵本体部の後端よりも前方)における鍵100の下方に位置する。

ハンマアセンブリ200は、回動軸よりも奥側において、金属製の錘部230が配置されている。通常時(押鍵していないとき)には、錘部230が下側ストッパ410に載置された状態であり、ハンマアセンブリ200の前端部210が、鍵100を押し戻している。押鍵されると、錘部230が上方に移動し、上側ストッパ430に衝突する。ハンマアセンブリ200は、この錘部230によって、押鍵に対して加重を与える。下側ストッパ410および上側ストッパ430は、緩衝材等(不織布、弾性体等)で形成されている。

ハンマ支持部120および前端部210の下方には、フレーム500にセンサ300が取り付けられている。押鍵により前端部210の下面側でセンサ300が押しつぶされると、センサ300は検出信号を出力する。センサ300は、上述したように、各鍵100に対応して設けられている。

[取付け構造の構成] 以下、第1実施形態における取付け構造20(図12参照)について説明する。本実施形態の取付け構造20は、いわゆるスナップフィットであり、材料の弾性を利用して部品同士を結合する構造である。本実施形態の取付け構造20は、第1部材20aと第2部材20bとを結合してなる構造体である。ここで、第1部材20aは、図3に示したように棒状可撓部185aの両端に設けられる部材である。また、第2部材20bは、第1部材20aと対になって取付け構造20を構成する部材であり、図3に示す鍵側支持部183及びフレーム側支持部585に対応する部材である。

なお、説明の便宜上、取付け構造20に関する説明においては、図面に示したX軸、Y軸及びZ軸を基準として、第1部材20a及び第2部材20bを構成する各部位の相対的な位置関係を説明する。具体的には、X軸の矢印の向かう方向を「前方」、その逆の方向を「後方」とし、Y軸の矢印の向かう方向を「右方」、その逆の方向を「左方」とし、Z軸の矢印の向かう方向を「上方」、その逆の方向を「下方」とする。

上述した定義によれば、取付け構造20は、第2部材20bの下方から第1部材20aを装着することにより構成される。ここでは、第1部材20aを装着側、第2部材20bを受け側として説明するため、第2部材20bに対し第1部材20aを装着した状態とは、第1部材20aと第2部材20bとを結合した状態をいう。

また、本実施形態では、取付け構造20の前後方向(X軸に沿った方向)が図1及び図3に示した鍵100の長手方向と一致する。後述するように、第1部材20aは可撓部21が撓むことにより第2部材20bに対して強く結合する構成となっているが、この撓みは出来るだけ大きい方が好ましい。

鍵100は、スケール方向(長手方向と直交する方向)に高い密度で配置されるため、第1部材20aを大きく撓ませるだけの空間を確保する余裕が少ない。そのため、取付け構造20の前後方向を鍵100の長手方向に一致させることにより、第1部材20aの撓み量を出来るだけ大きくしつつ、省スペース化を図ることができる。

以下、第1部材20a及び第2部材20bについて、個別に説明する。

まず、第1部材20aについて図5を用いて説明する。図5は、第1実施形態の取付け構造20における第1部材20aの構成を側方から見た場合の一例を示す図である。

図5に示す第1部材20aは、本実施形態の取付け構造20における爪側の部材に対応する。第1部材20aは、可撓部21及び可撓部21の一端に設けられた掛かり部22を有する第1取付け部23と、可撓部24及び可撓部24の一端に設けられた掛かり部25を有する第2取付け部26と、各可撓部21及び24に連結された位置決め部27と、各可撓部21及び24と位置決め部27とを連結する連結部29とを含む。

なお、本実施形態では、掛かり部22が突出する方向(すなわち、掛かり部22と第2部材20bとが重畳する方向)と掛かり部25が突出する方向とが異なっており、逆向きになっている(掛かり部同士が向かい合っている)。ただし、掛かり部22及び掛かり部25の向きは、この例に限定されるものではない。

可撓部21及び可撓部24は、可撓性材料で構成される棒状又は板状の部位である。可撓性材料としては、例えばプラスチック材料を用いることができるが、これに限るものではない。本実施形態の可撓部21及び可撓部24は、X軸に沿った方向が厚み方向、Y軸に沿った方向が幅方向となる板状の部位で構成されている。

そのため、可撓部21及び可撓部24の可撓性は、いずれもX軸に沿った方向(すなわち、前後方向)が大きく撓み、Y軸に沿った方向(すなわち、左右方向)は、X軸に沿った方向よりも小さく撓むようになっている。すなわち、可撓部21及び可撓部24は、X軸に沿った方向の可撓性に比べて、Y軸に沿った方向の可撓性が低い形状となっている。

第2部材20bに対し第1部材20aを装着した場合、第1取付け部23の掛かり部22及び第2取付け部26の掛かり部25の両方が第2部材20bの一部に引っ掛かることにより脱落が防止され、両者は結合されることとなる。そのため、可撓部21及び可撓部24は、X軸に沿った方向の可撓性を大きくすることにより、それぞれ掛かり部22及び掛かり部25が第2部材20bへより深く重畳する(すなわち、掛かり量が大きくなる)ように構成されている。

掛かり部22は、取付け構造20において第2部材20bに対して引っ掛かる部分として機能する部位であり、可撓部21の一端に設けられ、可撓部21より前方に向かって突出した部位となっている。また、掛かり部25は、可撓部24の一端に設けられ、掛かり部22とは逆方向、すなわち可撓部24より後方(X軸の矢印に向かう方向と逆の方向)に向かって突出した部位となっている。

なお、本実施形態では、一方向のみに突出させる形状を例示したが、突出させる方向に特に制限はなく、第2部材20bの構成(特に、掛かり部22及び掛かり部25が引っ掛かる面の位置)に応じて、適宜必要な方向へ突出させればよい。

なお、本実施形態では、説明の便宜上、図5に示した一点鎖線から下の部分を可撓部21、可撓部24と呼び、そこから上の部分を掛かり部22、掛かり部25と呼んでいる。なお、本実施形態では、可撓部21及び可撓部24と掛かり部22及び掛かり部25とが一体形成されているが、それぞれ別の部材で構成することも可能である。

ここで、本実施形態における掛かり部22及び掛かり部25の具体的な形状とその形状に基づく作用について説明する。

掛かり部22において、突出部分の下面(下方側に位置する面)22aは、第2部材20bに対し第1部材20aを装着した際に、掛かり部22が引っ掛かる部分として機能する部位である。すなわち、掛かり部22における突出部分の下面22aは、スナップフィットにおける爪に対応する部分である。本実施形態では、掛かり部22の下面22aが可撓部21に加わるZ軸方向の力を受けることにより、第1部材20aが第2部材20bから脱落しないようにすることができる。

ここで、図6Aは、第1実施形態の取付け構造20における掛かり部22の構成を側方から見た場合の一例を示す図である。図6Bは、第1実施形態の取付け構造20における掛かり部22の作用について説明するための図である。

図6Aに示すように、本実施形態では、掛かり部22を側方から見た場合に、掛かり部22の下面22aと可撓部21の表面21a(具体的には、可撓部21の表面全体のうち、下面22aが存在する側に面した表面)とのなす角αが鈍角となっている。換言すれば、側方から見た場合に、掛かり部22の下面22aは、図5に示したX軸に対し、Z軸の正方向(矢印の向かう方向)に傾斜する面とも言える。ここで、図5に示したX軸は、掛かり部22を第2部材20bに重畳させる際に可撓部21が撓む方向(可撓方向)と概ね一致する。そのため、掛かり部22の下面22aは、可撓部21の可撓方向に対し、上方側に傾斜する面とも言える。これにより、第2部材20bに対し第1部材20aを装着したとき、掛かり部22は、その下面22aが第2部材20bの上面(後述する第2部材20bにおける本体部31の上面31a)に接した状態で、第2部材20bに重畳する。

図6Bは、第2部材20bの上面31aから掛かり部22が外れかかっている状態を点線で示している。この状態において、掛かり部22に対しては、可撓部21の弾性力によって矢印の方向に向かって力が加わっている。そのため、掛かり部22が若干変形することにより、上面31aの隅部(具体的には、後述する第1開口部33の縁)に下面22aを接触させた状態で矢印の方向に摺動し、実線で示した位置に移動する。

以上のように、例えば掛かり部22の変形等により第2部材20bから掛かり部22が外れかかったとしても、可撓部21の前方に向かおうとする弾性力が、掛かり部22の下面22aによって上方への力に変換される。その結果、掛かり部22の下面22aが、掛かり部22の第2部材20bへの掛かり量(掛かり部22が第2部材20bに重畳している長さ)を増加させる方向に働く。つまり、掛かり部22の下面22aとその掛かり部22の下面22aに連続する可撓部21の表面21aとのなす角αを鈍角とすることにより、第1取付け部23に掛かり量の自己回復作用(掛かり部の引き込み作用)を加えることができる。

また、掛かり部22の位置が多少変動しても、常に下面22aが第2部材20bに接するため、上下方向へのガタつきを防止することができる。

次に、掛かり部25において、突出部分の下面25a及び先端部25bは、第2部材20bに対し第1部材20aを装着した際に、掛かり部25が引っ掛かる部分として機能する部位である。掛かり部25では、先端部25bが可撓部24に加わるZ軸方向の力を受けることにより、第1部材20aが第2部材20bから脱落しないようにすることができる。

ここで、図7Aは、第1実施形態の取付け構造20における掛かり部25の構成を側方から見た場合の一例を示す図である。図7Bは、第1実施形態の取付け構造20における掛かり部25の作用について説明するための図である。

図7Aに示すように、本実施形態では、掛かり部25を側方から見た場合に、掛かり部25の下面25aと可撓部24の表面24aとのなす角βが鋭角となっている。換言すれば、側方から見た場合に、掛かり部25の下面25aは、図5に示したX軸に対し、Z軸の負方向(矢印の向かう方向とは逆の方向)に傾斜する面とも言える。つまり、掛かり部25の下面25aは、可撓部24の可撓方向に対し、下方側に傾斜する面とも言える。これにより、第2部材20bに対し第1部材20aを装着したとき、掛かり部25は、先端部25bが第2部材20bの上面31aと接した状態で第2部材20bに重畳する。なお、本実施形態では、角βが鋭角である場合を例示しているが、直角であってもよい。直角である場合、掛かり部25の下面25aは、図5に示したX軸に平行な面とも言えるし、可撓部24の可撓方向に対して平行な面とも言える。

図7Bは、第2部材20bの上面31aに掛かり部25が重畳した状態を示している。この状態において、仮に、可撓部24に対して下方(矢印の向かう方向)に意図しない力が加わったとしても、掛かり部25は容易に変形しない。そのため、掛かり部25は、掛かり部22よりも下方への力に対して耐性が高く、掛かり部22が外れてしまうような力が下方に向かって加わったとしても容易に第2取付け部26が脱落することはない。

以上のように、第2部材20bに対し第1部材20aを装着した後、第1部材20aを外す方向(すなわち、可撓部21及び可撓部24を下方へ引っ張る方向)に意図しない力が加わったとしても、掛かり部22及び掛かり部25が、それぞれの形状に起因して異なる作用を発揮することにより、第1部材20aの脱落を防止することができる。

例えば掛かり部22の変形等により第2部材20bから掛かり部22が外れかかったとしても、可撓部21の前方に向かおうとする弾性力が、掛かり部22の下面22aによって上方への力に変換される。その結果、掛かり部22の下面22aが、掛かり部22の第2部材20bへの掛かり量(掛かり部22が第2部材20bに重畳している長さ)を増加させる方向に働く。つまり、掛かり部22の下面22aとその掛かり部22の下面22aに連続する可撓部21の表面21aとのなす角αを鈍角とすることにより、第1取付け部23に掛かり量の自己回復作用(掛かり部の引き込み作用)を加えることができる。また、掛かり部22の位置が多少変動しても、常に下面22aが第2部材20bに接するため、上下方向へのガタつきを防止することができる。

このような掛かり部22の作用を効果的に活用するために、本実施形態では、掛かり部22の下面22aが第2部材20bの上面31aに接することが可能な範囲内で、掛かり部25の先端部25bが上面31aに接するように設計されている。

この場合、掛かり部22及び掛かり部25に対して下方への強い力が加わったとしても、掛かり部22が第2部材20bに掛かっているうちに掛かり部25の先端部25bが第2部材20bの上面31aに接し、掛かり部25が第2部材20bに掛かる。そして、掛かり部25によって第1部材20aが支持されているうちに、上述した掛かり部22の作用によって掛かり部22が元の位置に戻る。

以上のように、掛かり部22及び掛かり部25を連動させ、それぞれの形状に起因する作用を相互に補完させることにより、それぞれ個別に用いるよりも強固な取付け構造を実現することができる。これにより、部品同士の意図しない分離を防ぎつつ、部品のガタつきを抑制することが可能となる。

なお、仮に、掛かり部22の限界を超える力が加わり、掛かり部22が第2部材20bから外れてしまった場合であっても、掛かり部25がより強い力に耐えることができるため、掛かり部25が外れない限り、第1部材20aの脱落を防ぐことが可能である。

図5に戻って、位置決め部27は、第1取付け部23及び第2取付け部26(特に、掛かり部22及び掛かり部25)の第2部材20bに対する相対的な位置を決めるための部位であり、連結部29によって可撓部21及び可撓部24と連結されている。

このとき、可撓部21及び可撓部24と位置決め部27とを結ぶ線は、掛かり部22及び掛かり部25が第2部材20bに重畳する方向を含む軸(ここではX軸)と一致することが好ましい。これにより、位置決め部27は、可撓部21及び可撓部24の前後方向への撓みによる力を確実に受け、可撓部21及び可撓部24を支えることができる。

後述するように、位置決め部27が第2部材20bの第3開口部35に挿入されることにより、第1部材20aと第2部材20bとの相対的な位置関係が固定される。その結果、第2部材20bに対する掛かり部22の相対的な位置が一定となるため、安定した掛かり量を確保することができる。

次に、第2部材20bについて図8〜図11を用いて説明する。図8は、第1実施形態の取付け構造20における第2部材20bの構成を上方から見た場合の一例を示す図である。図9は、第1実施形態の取付け構造20における第2部材20bを図8に示すA−A’で切断した構成を見た場合の一例を示す図である。図10は、第1実施形態の取付け構造20における第2部材20bを図8に示すB−B’で切断した構成を見た場合の一例を示す図である。図11は、第1実施形態の取付け構造20における第2部材20bの構成を後方(背面側)から見た場合の一例を示す図である。

図8〜図11に示す第2部材20bは、本実施形態の取付け構造20において第1部材20aに対する受け側の部材に対応する。第2部材20bは、本体部31、並びに本体部31に設けられた第1開口部33、第2開口部34、第3開口部35、切欠き部37、及び突起部39を含む。前述のとおり、本実施形態の本体部31は、第2部材20bの本体部分であり、図3に示した鍵側支持部183及びフレーム側支持部585に対応する。

第1開口部33及び第2開口部34は、本体部31を貫通して設けられた孔に相当する部分であり、それぞれ第1取付け部23及び第2取付け部26を挿入可能な大きさを有する。第2部材20bに対し第1部材20aを装着する際、第1部材20aの第1取付け部23及び第2取付け部26が、それぞれ第1開口部33及び第2開口部34に対し本体部31の下方から挿入される。そして、第1取付け部23の掛かり部22と第2取付け部26の掛かり部25は、それぞれ第1開口部33及び第2開口部34を抜けた後、本体部31の上面31aに重畳する。

これにより、第1部材20aと第2部材20bとを結合することができる。このように、第1開口部33及び第2開口部34は、第1部材20aにおける第1取付け部23(可撓部21及び掛かり部22)と第2取付け部26(可撓部24及び掛かり部25)を挿入するために形成された、本体部31を壁面とする内部空間とも言える。

次に、第1開口部33及び第2開口部34の内部構造について説明する。なお、ここでは説明を簡略化するため、第1開口部33についてのみ説明するが、第2開口部34についても同じ構造を有している。

本実施形態の第2部材20bにおける第1開口部33は、図9及び図10に示すように、内壁面として二つの傾斜した面、すなわち第1傾斜面33a及び第2傾斜面33bを有している。第1傾斜面33aは、図9に示すように、X軸を含む断面を左方側から見た場合に前方側の壁面の一部を構成する傾斜面であり、第2傾斜面33bは、図10に示すように、Y軸を含む断面を前方側から見た場合に右方側(Y軸の矢印の方向)の壁面の一部を構成する傾斜面である。いずれの傾斜面も、側方から第1開口部33の断面を見た場合に、上方に向かうにしたがって第1開口部33の幅が狭くなるように設けられている。

これら第1傾斜面33a及び第2傾斜面33bは、第1取付け部23を第1開口部33に挿入する際に、第1取付け部23の先端部に対応する掛かり部22の上面が接する位置に配置されている。そのため、第1取付け部23を第1開口部33に挿入する際、掛かり部22の上面がそれぞれの傾斜面を摺動することにより、掛かり部22の位置(位置決め部27を基準とした場合における位置)が前後方向または左右方向に移動する。なお、掛かり部22が第1傾斜面33a及び第2傾斜面33bを摺動する際、厳密には、掛かり部22の上面が各傾斜面に接する。ここで「掛かり部の上面」とは、掛かり部22を上方から見た場合に視認される面全体を指す。つまり、本実施形態のように、掛かり部22が四角錐台の場合、上方から見た範囲に含まれる頂点や稜線も上面に含まれる。

第3開口部35は、第1開口部33と同様に、本体部31を貫通して設けられた孔に相当する部分である。第2部材20bに対し第1部材20aを装着する際、第1部材20aの位置決め部27が、第3開口部35に対し本体部31の下方から挿入される。そして、位置決め部27が、第3開口部35の内部に締まり嵌めにより固定されることにより、第2部材20bに対する第1取付け部23の相対的な位置関係が決まる。このように、第3開口部35は、第1部材20aにおける位置決め部27を挿入するために形成された、本体部31を壁面とする内部空間とも言える。

図11に示す切欠き部37は、本体部31の背面31bに設けられたスリット状の部位であり、第3開口部35の一部を露出させる。本実施形態では、例えば位置決め部27に対して板状部材を接続して取付け構造全体の強度を補強するような場合や、板状部材を連結することにより鍵側支持部183やフレーム側支持部585の長さを延長するような場合に、それら板状部材を配置可能とするために設けられている。

突起部39は、切欠き部37の端部に設けられた部位であり、切欠き部37の広がりを規制する目的で設けられている。具体的には、第2部材20bに対し第1部材20aを装着した状態において、これら二つの突起部39が第1部材20aの一部で挟み込まれることにより、切欠き部37の広がりが規制される。

ここで、第2部材20bに対し第1部材20aを装着した状態について図12を用いて説明する。図12は、第1実施形態の取付け構造20を図8に示すA−A’で切断した断面に対応する図である。

図12に示すように、第1取付け部23は、第1開口部33に挿入され、掛かり部22が本体部31の上面31aに重畳する。また、第2取付け部26は、第2開口部34に挿入され、掛かり部25が本体部31の上面31aに重畳する。本実施形態では、掛かり部22及び掛かり部25が、互いに逆向きに第2部材20bに対して重畳している。

このとき、前述のように、掛かり部22は、その下面22aが上面31aに接するように第2部材20bに対して重畳する。換言すれば、掛かり部22は、その下面22aが第1開口部33の縁に接するように第2部材20bに対して重畳している。また、掛かり部25は、その先端部25bが上面31aに接するように第2部材20bに対して重畳する。

また、本実施形態では、図12における前方側(X軸において矢印の向かう方向)に図3に示した鍵100が存在する。演奏者が鍵100を押鍵すると、棒状可撓部185aが撓んで曲がることにより鍵100がフレーム500に対して回動するが、このとき、第2部材20bに対しては上方への力が加わることとなる。

そのため、本実施形態の取付け構造20では、掛かり部25が後方に向かって第2部材20bと重畳するように構成されている。これにより、第2部材20bに対して加わる力に対し、効果的に掛かり部25の作用を働かせることができる。

以上のように、本実施形態の取付け構造20は、図12に示す構造を有することにより、前述のように掛かり部22及び掛かり部25を連動させ、それぞれの形状に起因する作用を相互に補完させることを可能としている。その結果、掛かり部22及び掛かり部25をそれぞれ個別に用いるよりも、強固な取付け構造を実現することができる。

(変形例1) 第1実施形態の変形例について説明する。図13Aは、第1実施形態の取付け構造20において第1取付け部23を変形した例を示す図である。具体的には、図13Aでは、第1取付け部23として、図7A及び図7Bを用いて説明したタイプの掛かり部41を用いた例を示している。このとき、本体部42は、少なくとも掛かり部41と重畳する部分(すなわち、図8における第1開口部33の縁付近)に、図13Aに示すように、掛かり部41の下面41aを含む面と交差するように傾斜面42aを有している。

図13Aに示す構成の掛かり部41を用いた場合、掛かり部41に対して下方への強い力が加わっても、掛かり部41は容易に変形することがない。すなわち、変形例1の構成を採用した場合、下方へ引っ張る力に対して強度の高い取付け構造を実現することができる。

さらに、本体部42の傾斜面42aに対し、掛かり部41の先端部41bが接する構成となるため、図6Bを用いて説明した掛かり部の引き込み作用と同様の作用を奏する。つまり、掛かり部41に対して下方に向かって強い力が加わったとしても、可撓部21の弾性力により掛かり部41の先端部41bが前方(紙面に向かって左方向)に傾斜面42aを摺動し、掛かり部41の本体部42への掛かり量を増やすことができる。さらに、掛かり部41の位置が多少変動しても、常に先端部41bが傾斜面42aに接するため、上下方向へのガタつきを防止することができる。

(変形例2) 第1実施形態の他の変形例について説明する。図13Bは、第1実施形態の取付け構造20において第1取付け部23を変形した例を示す図である。具体的には、図13Bでは、第1取付け部23として、図6A及び図6Bを用いて説明したタイプの掛かり部43を用いた例を示している。なお、本体部42は、変形例1と同様に、少なくとも掛かり部43と重畳する部分に、傾斜面42aを有している。

図13Bでは、掛かり部43の下面43aと本体部42の傾斜面42aとが面で接する構成となっている。この場合においても、図6Bを用いて説明した掛かり部の引き込み作用と同様の作用を奏することができる。

<第2実施形態> 第2実施形態では、第1部材の構成を第1実施形態とは異なる構成とした例について説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態の取付け構造20との構成上の差異に注目して説明を行い、同じ構成については同じ符号を付して説明を省略することがある。

図14は、本発明の第2実施形態の第1部材20a−1を側方から見た場合の一例を示す図である。図14において、第1実施形態の第1部材20aと異なる点は、第2実施形態の第1部材20a−1は、第1取付け部23と第2取付け部26の位置を入れ替えた点である。この場合においても、掛かり部22と後述する第2部材20b−1との重畳する方向は、掛かり部25と第2部材20b−1との重畳する方向と逆向きになる。また、本実施形態においても、掛かり部25が後方に向かって第2部材20b−1と重畳することとなる。

また、図15は、本発明の第2実施形態の第2部材20b−1を上方から見た場合の一例を示す図である。この場合、第1開口部33と第2開口部34の位置が、それぞれ第1実施形態とは逆の位置になる。

以上のとおり、本実施形態では、第1取付け部23及び第2取付け部26の位置と第1開口部33及び第2開口部34の位置を第1実施形態と入れ替えた構成としたが、このような構成であっても第1実施形態と同様の効果を奏することができる。

<第3実施形態> 第3実施形態では、第1部材の構成を第1実施形態とは異なる構成とした例について説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態の取付け構造20との構成上の差異に注目して説明を行い、同じ構成については同じ符号を付して説明を省略することがある。

図16は、本発明の第3実施形態の第1部材20a−2を側方から見た場合の一例を示す図である。図16において、第1実施形態の第1部材20aと異なる点は、第3実施形態の第1部材20a−2は、第1取付け部23における掛かり部22と後述する第2部材20b−2との重畳する方向が、第2取付け部26における掛かり部25と第2部材20b−2との重畳する方向と直交する点である。

本実施形態では、図16に示すように、第1取付け部23において、掛かり部22と第2部材20b−2とが右方(Y軸において矢印の向かう方向)に向かって重畳する。また、第2取付け部において、掛かり部25と第2部材20b−2とが後方に向かって重畳する。

また、図17は、本発明の第2実施形態の第2部材20b−2を上方から見た場合の一例を示す図である。本実施形態における第1開口部33は、図8に示した第1実施形態における第1開口部33を右に90°回転させた位置にある。

以上のとおり、本実施形態では、掛かり部22と第2部材20b−2との重畳する方向と掛かり部25と第2部材20b−2との重畳する方向とが直交する例を示したが、図16に示した例には限られない。すなわち、掛かり部22と第2部材20b−2との重畳する方向が左方に向かうように構成してもよい。また、第1取付け部23に関しては、第1実施形態と同様に前方または後方に向かって掛かり部22と第2部材20b−2とを重畳させ、第2取付け部26において、掛かり部25と第2部材20b−2とを左右方向に向かって重畳させてもよい。

さらに、第1取付け部23及び第2取付け部26のいずれも、左右方向について掛かり部22及び掛かり部25と第2部材20b−2とを重畳させてもよい。この場合、掛かり部22と第2部材20b−2との重畳する方向と掛かり部25と第2部材20b−2との重畳する方向とは異ならせることが好ましい。

以上の構成としても、第1取付け部23及び第2取付け部26として、それぞれ異なる作用を奏する掛かり部を設けたため、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。

<第4実施形態> 第4実施形態では、第1部材及び2部材の構成を第1実施形態とは異なる構成とした例について説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態の取付け構造20との構成上の差異に注目して説明を行い、同じ構成については同じ符号を付して説明を省略することがある。

図18は、第4実施形態の取付け構造20−3を図8に示すA−A’で切断した断面に対応する図である。図18において、第1実施形態の取付け構造20と異なる点は、第4実施形態の第1部材20a−3は、第1取付け部23における可撓部21の長さと第2取付け部26における可撓部24の長さとが異なる点である。

図18に示すように、本実施形態の第1部材20a−3は、第1取付け部23における可撓部21の長さの方が、第2取付け部26における可撓部24の長さよりも長い。これに伴い、第2開口部34の内部には、掛かり部25を重畳させるための面34cが配置され、掛かり部25は面34cに重畳する。つまり、第2部材20b−3に対し第1部材20a−3を装着した状態において、掛かり部25は、第2開口部34の内部に位置する。

以上の構成としても、第1取付け部23及び第2取付け部26として、それぞれ異なる作用を奏する掛かり部を設けたため、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。

<第5実施形態> 第5実施形態では、第1部材及び2部材の構成を第1実施形態とは異なる構成とした例について説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態の取付け構造20との構成上の差異に注目して説明を行い、同じ構成については同じ符号を付して説明を省略することがある。

図19は、第5実施形態の取付け構造20−4を図8に示すA−A’で切断した断面に対応する図である。図19において、第1実施形態の取付け構造20と異なる点は、第5実施形態の第1部材20a−4は、可撓部45に対し、第1掛かり部46と第2掛かり部47とが設けられ、これらによって取付け部48が構成されている点である。また、これに応じて、第2部材20b−4は、第1実施形態の第1開口部33及び第2開口部34に代えて、取付け部48を挿入するための開口部49を有する。

本実施形態では、第1掛かり部46として図6A及び図6Bを用いて説明したタイプの掛かり部を用い、第2掛かり部47として図7A及び図7Bを用いて説明したタイプの掛かり部を用いる。しかしながら、この例に限らず、第1掛かり部46及び第2掛かり部47としてそれぞれ図19とは逆のタイプの掛かり部を用いてもよい。また、第1掛かり部46及び第2掛かり部47として同じタイプの掛かり部を用いてもよい。例えば、第1掛かり部46及び第2掛かり部47の両方を同じタイプの掛かり部、すなわち図6A及び図6B、又は図7A及び図7Bを用いて説明したタイプの掛かり部としてもよい。

また、本実施形態では、第1掛かり部46が前方に向かって第2部材20b−4と重畳し、第2掛かり部47が後方に向かって第2部材20b−4と重畳する例を示したが、この例に限らず、それぞれ逆向きであってもよいし、それぞれが直交する向きであってもよい。なお、第1掛かり部46については、第4実施形態と同様に、第2部材20b−4に対し第1部材20a−4を装着した状態において、開口部49の内部に位置する。

また、開口部49の内部には、互いに向かい合う内壁面に、第1傾斜面49a及び第2傾斜面49bが設けられている。第1傾斜面49aは、X軸を含む断面を左方側から見た場合に前方側の壁面の一部を構成する傾斜面であり、第2傾斜面49bは、X軸を含む断面を左方側から見た場合に後方側の壁面の一部を構成する傾斜面である。いずれの傾斜面も、側方から開口部49の断面を見た場合に、上方に向かうにしたがって開口部49の幅が狭くなるように設けられている。

これら第1傾斜面49a及び第2傾斜面49bは、取付け部48を開口部49に挿入する際に、それぞれ第1掛かり部46及び第2掛かり部47の上面が接する位置に配置されている。具体的には、第1傾斜面49aには、第1掛かり部46及び第2掛かり部の47両方が接し、第2傾斜面49bには、第2掛かり部47のみが接するような構成となっている。

このとき、第1傾斜面49aと第2傾斜面49bとは異なる高さに位置している。具体的には、第2傾斜面49bは、第1傾斜面49aよりも高い位置に設けられ、第1傾斜面49aの延長線上に第2傾斜面49bが位置する構成となっている。

これにより、取付け部48を開口部49に挿入したとき、まず第2掛かり部47の上面が第1傾斜面49aを摺動し、そのまま第2傾斜面49bに向かって移動する。その後、第1掛かり部46が第1傾斜面49aを摺動するとともに第2掛かり部47が第2傾斜面49bを摺動する。このようにして、第1掛かり部46及び第2掛かり部47の上面が、それぞれ第1傾斜面49aまたは第2傾斜面49bを摺動することにより、第1掛かり部46及び第2掛かり部47の位置が前後方向に移動する。

また、本実施形態では、第1掛かり部46が第1傾斜面49aを摺動する間、第2掛かり部47が第2傾斜面49bを摺動することにより、それぞれ逆向きに撓んだ状態で上方に向かって移動する。そして、第1掛かり部46が開口部49の内部の面49cに重畳した時点では、第2掛かり部47は、すでに本体部31の上面31aに重畳している。

第1実施形態と同様に、本実施形態では、第1掛かり部46が面49cに接することが可能な範囲内で、第2掛かり部47の先端部が上面31aに接するように設計されている。つまり、第1掛かり部46が十分に面49cに重畳している状態においては、第2掛かり部47の先端部は上面31aに接している必要はなく、第1掛かり部46が外れる前に第2掛かり部47の先端部が上面31aに接するようになっている。

以上の構成としても、第1取付け部23及び第2取付け部26として、それぞれ異なる作用を奏する掛かり部を設けたため、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。

また、本実施形態の構成とした場合、第1掛かり部46が第2部材20b−4から外れる方向と第2掛かり部47が第2部材20b−4から外れる方向が逆である。したがって、第1掛かり部46及び第2掛かり部47が互いに連動して脱落を防ぐように働くため、より強い取付け構造を実現することができる。

<第6実施形態> 第6実施形態では、第1部材及び2部材の構成を第5実施形態とは異なる構成とした例について説明する。なお、本実施形態では、第5実施形態の取付け構造20との構成上の差異に注目して説明を行い、同じ構成については同じ符号を付して説明を省略することがある。

図20は、第6実施形態の取付け構造20−5を図8に示すA−A’で切断した断面に対応する図である。図20において、第5実施形態の取付け構造20と異なる点は、第6実施形態の第1部材20a−5は、第2掛かり部47の向きが第5実施形態と逆になっている点である。具体的には、第1掛かり部46及び第2掛かり部47が、共に前方に向かって第2部材20b−5と重畳する。

また、これに応じて、第2部材20b−5における開口部51の内部の構成が第5実施形態とは異なっている。具体的には、第5実施形態の開口部49に設けられていた第2傾斜面49bが省略されている。また、第2掛かり部47が本体部31の上面31aに重畳することができるように、本体部31が、開口部52の上端付近において第5実施形態よりも内側にせり出している。

本実施形態の場合、第1傾斜面51aに、第1掛かり部46及び第2掛かり部47の両方が接することになり、第1掛かり部46が第1傾斜面51aを摺動する際に、可撓部45が後方に向かって撓み、これに応じて第1掛かり部46及び第2掛かり部47の両方が後方に向かって移動する。そして、第2掛かり部47が先に開口部51を通過して上面31aと重畳した後、またはほぼ同時に第1掛かり部46が開口部51の内部の面51bと重畳することとなる。

このように、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1掛かり部46が面51bに接することが可能な範囲内で、第2掛かり部47の先端部が上面31aに接するように設計されている。

以上の構成としても、第1取付け部23及び第2取付け部26として、それぞれ異なる作用を奏する掛かり部を設けたため、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。

以上、本発明の実施形態として説明した構成を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。

また、上述した実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされると解される。

1…鍵盤装置、10…鍵盤アセンブリ、70…音源装置、80…スピーカ、90…筐体、100…鍵、100w…白鍵、100b…黒鍵、120…ハンマ支持部、151…前端鍵ガイド、153…側面鍵ガイド、180…接続部、181…板状可撓部、183…鍵側支持部、185…棒状可撓部を含む構造体、185a…棒状可撓部、200…ハンマアセンブリ、210…前端部、220…軸支持部、230…錘部、410…下側ストッパ、430…上側ストッパ、500…フレーム、511…前端フレームガイド、513…側面フレームガイド、520…回動軸、585…フレーム側支持部、710…信号変換部、730…音源部、750…出力部、185a…棒状可撓部、20…取付け構造、20a…第1部材、20b…第2部材、21、24…可撓部、22、25…掛かり部、22a、25a…下面、25b…先端部、23…第1取付け部、26…第2取付け部、27…位置決め部、29…連結部、31…本体部、31a…上面、33…第1開口部、33a…第1傾斜面、33b…第2傾斜面、34…第2開口部、35…第3開口部、37…切欠き部、39…突起部

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