Encoder and method for operating encoder

申请号 JP2013188221 申请日 2013-09-11 公开(公告)号 JP2014062903A 公开(公告)日 2014-04-10
申请人 Dr Johannes Heidenhain Gmbh; ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツングDr. Johannes Heidenhain Gesellschaft Mit Beschrankter Haftung; 发明人 OBERHAUSER JOHANN; SCHMIED BERNHARD; ROSENLEHNER-EMDE JANNIK JENS; WERNER SCHWAIGER; THOMAS SCHWEIZER; MAYER HUBERT; TIEMANN MARC OLIVER;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a simply constituted reliable encoder and a method for operating the encoder.SOLUTION: First detector arrangements 2.221, 2.222 generate first position signals Z1_1, Z16_1 by scanning a first scale track 1.21 and a second scale track 1.22 in a measurement direction. A second detector arrangement 2.232 generates a second position signal Z16_2 by scanning the second scale track 1.22 in the measurement direction. A first position processor 3.1 converts the first position signals Z1_1, Z16_1 into a first absolute position value POS1, and a second position processor 3.2 processes a second position signal Z16_2 into a second absolute position value POS2. The second position processor 3.2 can be initialized by an auxiliary absolute position value HPOS supplied from the first position processor 3.1 to the second position processor 3.2.
权利要求
  • ・少なくとも1つの第1目盛トラック(1.21)と、インクリメンタル目盛トラックである1つの第2目盛トラック(1.22)とを有する1つのコードキャリア(1.2)を有し、
    ・測定方向に前記第1目盛トラック(1.21)と前記第2目盛トラック(1.22)とを走査することによって第1位置信号(Z1_1,Z3_1,Z16_1)を生成するための1つの第1検出器配置(2.22)を有し、
    ・測定方向に前記第2目盛トラック(1.22)を走査することによって第2位置信号(Z16_2)を生成するための1つの第2検出器配置(2.23)を有し、
    ・前記第1位置信号(Z1_1,Z3_1.Z16_1)を第1絶対位置値(POS1)に処理するための1つの第1位置処理装置(3.1,4.1)を有し、且つ・前記第2位置信号(Z16_2)を第2絶対位置値(POS2)に処理するための1つの第2位置処理装置(3.2,4.2)を有するエンコーダにおいて、
    前記第2位置処理装置(3.2,4.2)は、前記第1位置処理装置(3.1,4.1)から前記第2位置処理装置(3.2,4.2)に供給されている補助絶対位置値(HPOS)によって初期化可能である当該エンコーダ。
  • ・前記第2位置処理装置(3.2,4.2)は、前記第2位置信号(Z16_2)を微細位置値(FPOS)に処理するための1つの微細位置評価装置(3.22)を有し、
    ・前記第2位置処理装置(3.2,4.2)は、前記微細位置値(FPOS)が供給されている1つの計数装置(3.21)を有し、粗位置値(GPOS)が、この計数装置(3.21)を用いて前記微細位置値(FPOS)の複数の変化を計数することによって生成可能であり、
    ・前記第2位置処理装置(3.2,4.2)は、1つの位置値生成装置(3.23)を有し、前記粗位置値(GPOS)と前記微細位置値(FPOS)とが、この位置値生成装置(3.23)によって前記第2絶対位置値(POS2)に処理可能であり、
    前記計数装置(3.21)は、前記補助絶対位置値(HPOS)によって初期化可能である請求項1に記載のエンコーダ。
  • ・前記第2位置処理装置(3.2,4.2)は、前記第2位置信号(Z16_2)を微細位置値(FPOS)に処理するための1つの微細位置評価装置(3.22)を有し、
    ・前記第2位置処理装置(3.2,4.2)は、前記第2絶対位置値(POS2)が供給されている1つの記憶装置(4.21)を有し、この第2絶対位置値(POS2)は、粗位置値(GPOS)としてこの記憶装置(4.21)内に記憶可能であり、
    ・前記第2位置処理装置(3.2,4.2)は、1つの位置値生成装置(4.23)を有し、前記粗位置値(GPOS)と前記微細位置値(FPOS)とが、この位置値生成装置(4.23)によって前記第2絶対位置値(POS2)に処理可能であり、
    前記補助絶対位置値(HPOS)が、粗位置値(GPOS)として前記記憶装置(4.21)内に記憶可能である請求項1に記載のエンコーダ。
  • 前記第1目盛トラック(1.21)は、アブソリュート目盛トラックであり、前記第1位置処理装置(3.1)は、1つの粗位置評価装置(3.11)を有し、この粗位置評価装置(3.11)は、前記第1目盛トラック(1.21)を走査することから発生する前記位置信号(Z1_1)から絶対粗位置値(GPOS)を生成し、この絶対粗位置値(GPOS)は、補助位置値(HPOS)として前記第2位置処理装置(3.2,4.2)に供給されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  • 前記第1目盛トラック(1.21)は、第1インクリメンタル目盛トラックであり、前記第2目盛トラック(1.22)は、第2インクリメンタル目盛トラックであり、これらの目盛トラック(1.21,1.22)は、異なる数の目盛周期を有し、前記第1位置処理装置(4.1)が、前記第1目盛トラック(1.21)と前記第2目盛トラック(1.22)とを走査することから発生する前記位置信号(Z3_1,Z16_1)から前記第1絶対位置値(POS1)を生成し、少なくとも高位ビットの数が、補助位置値(HPOS)としてこの第1絶対位置値(POS1)から前記第2位置処理装置(3.2,4.2)に供給されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  • 切替手段(3.3,3.6)が設けられていて、前記補助位置値(HPOS)が、前記切換手段(3.3,3.6)によって前記第2位置処理装置(3.2,4.2)に供給可能である請求項1〜5のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  • 前記第2検出器配置(2.23)は、前記第1目盛トラック(1.21)を走査するための第1位置検出器(2.231)と、前記第2目盛トラック(1.22)を走査するための第2位置検出器(2.232)とを有し、切替手段(3.4,3.5)が設けられていて、前記第1目盛トラック(1.21)を走査することから発生する位置信号(Z1_2,Z3_2)が、前記補助位置値(HPOS)を生成するために前記切替手段(3.4,3.5)によって前記第1位置処理装置(3.1,4.1)に供給されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  • 前記第1絶対位置値(POS1)及び前記第2絶対位置値(POS2)は、通信装置(3.8)に供給されていて、この通信装置(3.8)から後続の電子機器に出力可能である請求項1〜7のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  • ・少なくとも1つの第1目盛トラック(1.21)と、インクリメンタル目盛トラックである1つの第2目盛トラック(1.22)とを有する1つのコードキャリア(1.2)を有し、
    ・測定方向に前記第1目盛トラック(1.21)と前記第2目盛トラック(1.22)とを走査することによって第1位置信号(Z1_1,Z3_1,Z16_1)を生成するための1つの第1検出器配置(2.22)を有し、
    ・測定方向に前記第2目盛トラック(1.22)を走査することによって第2位置信号(Z16_2)を生成するための1つの第2検出器配置(2.23)を有し、
    ・前記第1位置信号(Z1_1,Z3_1.Z16_1)を第1絶対位置値(POS1)に処理するための1つの第1位置処理装置(3.1,4.1)を有し、且つ・前記第2位置信号(Z16_2)を第2絶対位置値(POS2)に処理するための1つの第2位置処理装置(3.2,4.2)を有するエンコーダを稼働させるための方法において、
    前記第2位置処理装置(3.2,4.2)が、初期化段階中に前記第1位置処理装置(3.1,4.1)から前記第2位置処理装置(3.2,4.2)に供給される補助絶対位置値(HPOS)によって初期化される当該方法。
  • ・前記第2位置処理装置(3.2,4.2)は、前記第2位置信号(Z16_2)を微細位置値(FPOS)に処理するための1つの微細位置評価装置(3.22)を有し、
    ・前記第2位置処理装置(3.2,4.2)は、前記微細位置値(FPOS)が供給されている1つの計数装置(3.21)を有し、粗位置値(GPOS)が、この計数装置(3.21)を用いて前記微細位置値(FPOS)の複数の変化を計数することによって生成可能であり、
    ・前記第2位置処理装置(3.2,4.2)は、1つの位置値生成装置(3.23)を有し、前記粗位置値(GPOS)と前記微細位置値(FPOS)とが、この位置値生成装置(3.23)によって前記第2絶対位置値(POS2)に処理可能であり、
    前記計数装置(3.21)は、前記初期化段階中に前記補助絶対位置値(HPOS)によって初期化される請求項9に記載の方法。
  • ・前記第2位置処理装置(3.2,4.2)は、前記第2位置信号(Z16_2)を微細位置値(FPOS)に処理するための1つの微細位置評価装置(3.22)を有し、
    ・前記第2位置処理装置(3.2,4.2)は、前記第2絶対位置値(POS2)が供給されている1つの記憶装置(4.21)を有し、この第2絶対位置値(POS2)は、粗位置値(GPOS)としてこの記憶装置(4.21)内に記憶可能であり、
    ・前記第2位置処理装置(3.2,4.2)は、1つの位置値生成装置(4.23)を有し、前記粗位置値(GPOS)と前記微細位置値(FPOS)とが、この位置値生成装置(4.23)によって前記第2絶対位置値(POS2)に処理可能であり、
    前記補助絶対位置値(HPOS)が、粗位置値(GPOS)として前記記憶装置(4.21)内に記憶される請求項9に記載の方法。
  • 前記第1目盛トラック(1.21)は、アブソリュート目盛トラックであり、前記第1位置処理装置(3.1)は、1つの粗位置評価装置(3.11)を有し、この粗位置評価装置(3.11)は、前記第1目盛トラック(1.21)を走査することから発生する前記位置信号(Z1_1)から絶対粗位置値(GPOS)を生成し、この絶対粗位置値(GPOS)は、補助位置値(HPOS)として前記第2位置処理装置(3.2,4.2)に供給される請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記第1目盛トラック(1.21)は、第1インクリメンタル目盛トラックであり、前記第2目盛トラック(1.22)は、第2インクリメンタル目盛トラックであり、これらの目盛トラック(1.21,1.22)は、異なる数の目盛周期を有し、前記第1位置処理装置(4.1)が、前記第1目盛トラック(1.21)と前記第2目盛トラック(1.22)とを走査することから発生する前記位置信号(Z3_1,Z16_1)から前記第1絶対位置値(POS1)を生成し、少なくとも高位ビットの数が、補助位置値(HPOS)としてこの第1絶対位置値(POS1)から前記第2位置処理装置(3.2,4.2)に供給される請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
  • 切替手段(3.3,3.6)が設けられていて、前記補助位置値(HPOS)が、前記切換手段(3.3,3.6)によって前記第2位置処理装置(3.2,4.2)に供給される請求項9〜13のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  • 前記第2検出器配置(2.23)は、前記第1目盛トラック(1.21)を走査するための第1位置検出器(2.231)と、前記第2目盛トラック(1.22)を走査するための第2位置検出器(2.232)とを有し、切替手段(3.4,3.5)が設けられていて、前記第1目盛トラック(1.21)を走査することから発生する位置信号(Z1_2,Z3_2)が、前記補助位置値(HPOS)を生成するために前記切替手段(3.4,3.5)によって前記第1位置処理装置(3.1,4.1)に供給される請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記第1絶対位置値(POS1)及び前記第2絶対位置値(POS2)は、通信装置(3.8)に供給され、この通信装置(3.8)から後続の電子機器に出力可能である請求項9〜15のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記第2位置処理装置(3.2,4.2)は、前記エンコーダの始動の直後に初期化される請求項9〜16のいずれか1項に記載の方法。
  • 说明书全文

    本発明は、請求項1に記載の互いにほとんど独立して生成された位置値を提供する絶対位置値を測定するためのエンコーダ及び請求項9に記載の当該エンコーダを稼働させるための対応する方法に関する。

    エンコーダには、主にロータリーエンコーダつまり測器及びリニアエンコーダがある。 ロータリーエンコーダは、電気機器用のエンコーダとして、特に電動機軸又は駆動軸の絶対角度位置を測定するために頻繁に使用される。 リニアエンコーダは、例えば工作機械における工具のステップの直線運動を検出するために使用される。 当該エンコーダの構造に関する詳細は、Altons Ernst著の専門書Digitale Laengen− und Winkelmesstechnik, Verlag Moderne Industrie (1989)に例示されている。

    絶対位置値を生成するため、複数の目盛トラックが、コードキャリア上に設けられている。 これらの目盛トラックは、位置信号を生成するために測定方向に検出器配置によって走査される。 次いで、これらの位置信号は、絶対位置値にさらに処理される。

    これらの目盛トラックでは、基本的に、インクリメンタル目盛トラックとアブソリュート目盛トラックとに区分される。 インクリメンタル目盛トラックは、測定方向に等間隔に前後して配置された複数の目盛要素から構成される。 相対位置変化が、これらの目盛要素を走査することから検出され得る。 これに対して、アブソリュートトラックでは、絶対位置値が、各時点に対して検出され得るように、複数の目盛要素が配置されている。 互いに平行に配置された複数のコードトラックを有する絶対目盛トラックが公知である。 すなわち、絶対位置が、平行にコード化されている。 さらに、絶対位置がチェーンコードとしてシリアルにコード化されている絶対目盛トラックが公知である。 原理的に、より高い分解能が、インクリメンタル目盛トラックによって構成される。 その一方で、アブソリュート目盛トラックには、エンコーダの始動の直後でも、絶対位置値を各時点に対して算出することができるという利点がある。

    高分解能のアブソリュートエンコーダを構成するため、インクリメンタル目盛トラックが、アブソリュート目盛トラックに対して平行に設けられ得る。 したがって、絶対値が、アブソリュート目盛トラックによって生成され、高い分解能が、インクリメンタル目盛トラックを通じて達成される。 当該アブソリュート目盛トラックは、パラレル又はシリアルにコード化され得る。 しかし、アナログ走査信号が、走査時に生成されるように、このアブソリュート目盛トラックは形成されてもよい。 絶対位置が、このアナログ走査信号によって推測され得る。 例えば独国特許出願公開第19751853号明細書には、例えば電磁誘導式ロータリーエンコーダのための構造が記載されている。 当該ロータリーエンコーダでは、内側の目盛トラックの走査が、1回転ごとに正弦波振動の1周期を正確に付与する。 この内側の目盛トラックの位相角が、外側のインクリメンタル目盛トラックと一緒に高分解能の絶対位置値を付与する。

    また、2つ以上のインクリメンタル目盛トラックが互いに平行に設けられるアブソリュートエンコーダが形成され得る。 これらのインクリメンタル目盛トラックは、異なる目盛周期を有する。 絶対位置が、測定範囲(ロータリーエンコーダでは、軸の1回転)内に走査信号の位相角に基づいて一義的に検出され得るように、これらのインクリメンタル目盛トラックは寸法決めされている。 この技術の原理が、例えば独国特許出願公開第4125865号明細書に記載されている。

    特に安全性に関する視点では、エンコーダによって算出され、後続の電子機器、例えば数値制御装置にさらに伝送される位置値又は角度値が信頼できることが重要である、すなわちエンコーダの技術的な故障時でも、使用可能な位置値又は角度値が、可能な限り依然として生成されることが重要である、又は、少なくとも当該故障が、エンコーダ内で既に確認され、数値制御装置に伝達されるか又は数値制御装置内でエンコーダによって受信された位置値若しくは角度値に基づいて確認可能であることが重要である。

    これに関連して、対応する検出器と信号処理回路とを有する2つの同一の位置検出装置が設けられることによって、互いに独立した2つの測定値をエンコーダ内で生成することが公知である。 しかしながら、当該解決手段は、非常に経費がかかり、それ故に採用すべきでない。

    独国特許出願公開第19751853号明細書

    独国特許出願公開第4125865号明細書

    Altons Ernst著の専門書Digitale Laengen− und Winkelmesstechnik, Verlag Moderne Industrie (1989)

    本発明の課題は、簡単に構成されている、より信頼できるエンコーダを提供することにある。 さらに、本発明の課題は、当該より信頼できるエンコーダを稼働させるための方法を提供することにある。

    本発明によれば、前者の課題は、請求項1に記載されているエンコーダによって解決される。

    本発明によれば、前記エンコーダは、
    ・少なくとも1つの第1目盛トラックと、インクリメンタル目盛トラックである1つの第2目盛トラックとを有する1つのコードキャリアを有し、
    ・測定方向に前記第1目盛トラックと前記第2目盛トラックとを走査することによって第1位置信号を生成するための1つの第1検出器配置を有し、
    ・測定方向に前記第2目盛トラックを走査することによって第2位置信号を生成するための1つの第2検出器配置を有し、
    ・前記第1位置信号を第1絶対位置値に処理するための1つの第1位置処理装置を有し、且つ・前記第2位置信号を第2絶対位置値に処理するための1つの第2位置処理装置を有する。

    この場合、前記第2位置処理装置は、前記第1位置処理装置から前記第2位置処理装置に供給されている補助絶対位置値によって初期化可能である。

    本発明によれば、後者の課題は、請求項9に記載のエンコーダを稼働させるための方法によって解決される。
    ・少なくとも1つの第1目盛トラックと、インクリメンタル目盛トラックである1つの第2目盛トラックとを有する1つのコードキャリアを有し、
    ・測定方向に前記第1目盛トラックと前記第2目盛トラックとを走査することによって第1位置信号を生成するための1つの第1検出器配置を有し、
    ・測定方向に前記第2目盛トラックを走査することによって第2位置信号を生成するための1つの第2検出器配置を有し、
    ・前記第1位置信号を第1絶対位置値に処理するための1つの第1位置処理装置を有し、且つ・前記第2位置信号を第2絶対位置値に処理するための1つの第2位置処理装置を有するエンコーダを稼働させるための方法が提唱される。 当該方法では、前記第2位置処理装置が、初期化段階中に前記第1位置処理装置から前記第2位置処理装置に供給される補助絶対位置値によって初期化される。

    以下で、本発明のエンコーダのさらなる詳細及び利点並びに当該エンコーダを稼働させるための方法を添付図面に基づいて説明する。

    電磁誘導式ロータリーエンコーダのコード盤の平面図である。

    電磁誘導式ロータリーエンコーダの走査回路基板の平面図である。

    励磁巻線の励磁電流の信号波形図である。

    検出器巻線の電磁誘導電圧の信号波形図である。

    ロータリーエンコーダの断面図である。

    本発明のエンコーダの第1の実施の形態の大まかな回路図である。

    本発明のエンコーダの第2の実施の形態の大まかな回路図である。

    本発明のエンコーダの第3の実施の形態の大まかな回路図である。

    図1,2及び4には、電磁誘導による測定原理にしたがって稼働するロータリーエンコーダとしての本発明のエンコーダの基本構造が示されている。 当該ロータリーエンコーダの詳しい説明が、例えば本出願で明確に引用されている独国特許出願公開第19751853号明細書に記されている。 しかし、当該明細書では、本発明は、この電磁誘導による測定原理に限定されていないことが明記されている。

    図4によれば、ロータリーエンコーダが、回転子1及び固定子2を有する。 この実施の形態では、この回転子1は、軸1.1を有する。 この軸1.1は、例えば測定すべき電動機軸に固定式に取り付けられ得る。 この軸1.1の角度位置を検出するため、−図4に図示されなかった−目盛トラック1.21,1.22を有するコード盤1.2としてのコードキャリア1.2が、この軸1.1の端部に固定式に固定されている。

    固定子2が、ハウジング2.1を有する。 リング状の走査回路基板2.2が、キャリア本体としてこのハウジング2.1に対して固定されている。 特に、コネクタ2.3が、走査回路基板2.2上に取り付けられている。 信号及び電が、このコネクタ2.3を通じて伝送され得る。 回転子1と固定子2とが、つまり軸1.1とハウジング2.1とが、回転軸R周りに互いに相対回転可能である。

    図1には、コード盤1.2が、正面図で示されている。 このコード盤1.2は、基板から成る。 当該図示された実施の形態では、この基板は、エポキシ樹脂から製造されていて、2つの目盛トラック1.21,1.22上に配置されている。 これらの目盛トラック1.21,1.22は、リング状に形成されていて、回転軸Rに対して同心円状に異なる直径を成してこの基板上に配置されている。 当該両目盛トラック1.21,1.22はそれぞれ、周期的な順序で交互に配置された、導電性の目盛領域1.211,1.221と非導電性の目盛領域1.212,1.222とから構成される。 図示されたこの例では、銅が、導電性の目盛領域1.211,1.221用の材料として被覆されてある。 これに対して、非導電性の目盛領域1.212,1.222内では、当該基板1.2が、被覆されていない。

    図示されたこの実施の形態では、内側の目盛トラック1.21が、導電性の材料、ここでは銅を有する半リング状の1つの第1目盛領域1.211と、半リング状の1つの第2目盛領域1.212とから構成される。 この第2目盛領域1.212には、導電性の材料が被覆されていない。

    第1目盛トラック1.21に半径方向に隣接して、第2目盛トラック1.22が、基板上に配置されている。 この場合、この第2目盛トラック1.22は、導電性の複数の目盛領域1.221とこれらの目盛領域1.221の間に配置された非導電性の目盛領域1.222とから構成される。 その結果、これらの相違する目盛領域1.221,1.222は、第1目盛トラック1.21の目盛領域1.211,1.212と材料的に同様に形成されている。 図示されたこの実施の形態では、この第2目盛トラック1.22は全体として、周期的に配置された、導電性の16個の目盛領域1.221と、これに応じてこれらの目盛領域1.221の間に配置された非導電性の16個の目盛領域1.222とを有する。

    図5及び6に基づいて示されているように、固定子2又は走査回路基板2.2に対する回転子1又は軸1.1の絶対位置が、第1目盛トラック1.21を走査することによって算出され得る。 この理由から、第1目盛トラック1.21は、絶対目盛トラック1.21である。 これに対して、第2目盛トラック1.22を走査する場合、複数の周期を有する位置信号が、回転子1又は軸1.1の回転中に発生する。 それ故に、第2目盛トラック1.22は、インクリメンタル目盛トラック1.22である。 図2に示された、コード盤1.2を走査するために設けられている走査回路基板2.2が、特に第1検出器配置2.22のためのキャリア本体として使用される。 この第1検出器配置2.22は、異なる複数の受信器コイル2.22から構成される。 これらの受信器コイル2.22は、内側の受信器トラック内に受信器導電路2.221を有し、外側の受信器トラック内に別の受信器導電路2.222を有する。 この場合、それぞれの受信器トラックのこれらの受信器導電路2.221,2.222から成る一対の導電路が、互いにずれている。 その結果、この受信器導電路2.221とこの受信器導電路2.222とは、90°だけ移相した信号を提供できる。

    第1検出器配置2.22に加えて、走査回路基板2.2は、第2検出器配置2.23をさらに有する。 同様に、この第2検出器配置2.23は、内側の受信器トラック内に受信器導電路2.231を有し、外側の受信器トラック内に別の受信器導電路2.232を有する。 この第2検出器配置2.23の場合でも、それぞれの受信器トラックのこれらの受信器導電路2.231,2.232から成る一対の導電路が、互いにずれていて、この受信器導電路2.231とこの受信器導電路2.232とは、同様に90°だけ移相した信号を提供する。

    第1検出器配置2.22の受信器導電路2.221,2.222と第2検出器配置2.23の受信器導電路2.231,2.232と上下に重ねて配置できるようにするため、走査回路基板2.2が、公知の技術で多層に形成されている。 図面の表記を簡略化するため、付随する受信器導電路2.231,2.232を有する第2検出器配置2.23は明瞭に図示されないで、この第2検出器配置2.23の符号だけが、第1検出器配置2.22又は受信器導電路2.221,2.22の対応する符号の隣の括弧内に示されている。

    さらに以下で記すように、受信器導電路2.231は、任意であり、本発明のロータリーエンコーダの、図6及び7に基づいて説明されている実施の形態だけに存在する。

    励磁導電路2.21が、走査回路基板2.2上の励磁巻線として検出器配置2.22,2.23の導電路に隣接して設けられている。 これらの励磁導電路2.21は、内側の励磁トラック上と中央の励磁トラック上と外側の励磁トラック上とに敷設されている。 走査回路基板2.2自体が、中心孔を有し、且つ既に説明したように複数の層を成す回路基板として形成されている。

    組み立てられた状態では、コード盤1.2と走査回路基板2.2とが対向している。 その結果、回転軸Rが、当該両構成要素の中心点を中心にして延在し、コード盤1.2と走査回路基板2.2との相対回転時に、走査回路基板2.2の、第1検出器配置2.22の受信器導電路2.221,2.222と第2検出器配置2.23の受信器導電路2.231,2.232とに、その都度の角度位置に依存する位置信号が、電磁誘導効果によって生成可能である。

    したがって、受信器導電路2.221,2.222,2.231,2.232は、位置検出器2.221,2.222,2.231,2.232である。 既に説明したように、本発明は、物理的な走査原理に左右されない。 例えば、電磁誘導による走査原理の代わりに、光学による走査原理が適応される場合、当該位置検出器2.221,2.222,2.231,2.232は、光電素子として構成され得る。 磁気による走査原理の場合、磁気センサ(例えば、ホール素子又はMRセンサ)が使用され得る。 一般的に言うと、受信器導電路2.221は、第1検出器配置2.22の第1位置検出器2.221であり、受信器導電路2.222は、第1検出器配置2.22の第2位置検出器2.222である。 これと同様に、受信器導電路2.231は、第2検出器配置2.23の第1位置検出器2.231であり、受信器導電路2.232は、第2検出器配置2.23の第2位置検出器2.232である。

    対応する信号を生成するための前提条件は、励磁導電路2.2が、交流電磁場を走査トラックの領域、つまり当該交流電磁場によって走査された目盛トラック1.21及び1.22の領域内に生成することである。 図示されたこの実施の形態では、励磁導電路2.21が、平面平行に通電する複数の個別導電路として形成されている。 1つの導電路ユニットの複数の励磁導電路2.21が一緒に、同じ励磁電流方向に通電する場合、ホース状又は円柱状に配向された電磁場が、それぞれの導電路ユニットの周りに発生する。 当該発生する電磁場の磁束線が、これらの導電路ユニットの周りに同心円状に延在する。 この場合、当該磁束線の方向は、知られているようにこれらの導電路ユニットの通電方向に依存する。 このため、共通の1つの走査トラックに直に隣接しているこれらの導電路ユニットの通電方向、つまりこれらの導線路ユニットの対応する配線方向を反対に選択する必要がある。 その結果、複数の磁束線が、複数の走査トラックのそれぞれの領域内で同一方向に配向されている。

    交流電流が、ロータリーエンコーダの稼働中にこれらの励磁導電路2.21に通電する。 同様に、この交流電流は、交流電磁場を発生させる。 この交流電磁場は、受信器導電路2.221,2.222,2.231,2.232に交流電圧を誘導させる。 この交流電圧の振幅が、走査回路基板2.2つまり検出器配置2.22,2.23に対するコード盤1.2の相対位置に依存する。 これに関連して、図3aは、励磁導電路2.21における励磁電流Iの、周期τによる信号変化を示す。 その一方で、図3bには、軸1.1又はこの軸1.1に固定接続されているコード盤1.2の一定の回転速度のときに、受信器導電路2.221,2.222,2.231,2.232に誘導された電圧Uの電圧変化が例示的に示されている。 明らかに見て取れるように、当該誘導された電圧Uは、振幅変調された信号である。 当該信号では、その包絡線の振幅が、受信器導電路2.221,2.222,2.231,2.232に対する目盛トラック1.21,1.22の位置に依存する。 このため、コード盤1の1回転当たりのこの包絡線の周期数が、走査された目盛トラック1.21,1.22の目盛周期数に依存する。

    図5には、第1の実施の形態のブロック図が示されている。 本発明のエンコーダの機能を、この第1の実施の形態に基づいて電磁誘導式ロータリーエンコーダの例で説明する。 既に説明したように、例えば電磁誘導式ロータリーエンコーダの測定原理は、交流電磁場が励磁導電路2.21に発生されることに基づく。 このことは、この実施の形態では発振装置2.4によって実行される。 この発振装置2.4は、励磁導電路2.21と一緒に共振回路を構成する。 コード盤1.2の、第1目盛トラック1.21と第2目盛トラック1.22とは、図5では簡単に示されている。

    走査から生じる位置信号が、当該ロータリーエンコーダの軸1.1の1回転当たりの周期を有するように、第1目盛トラック1.21と受信器導電路2.221,2.231とが、これらの受信器導電路2.221,2.231を走査するために構成されていることが、この実施の形態に対して分かる。

    第1検出器配置2.22の受信器導電路2.221,2.222によって目盛トラック1.21,1.22を走査することから生じる第1位置信号Z1_1,Z16_1から第1絶対位置値POS1を生成するため、第1位置処理装置3.1が設けられている。 この第1位置処理装置3.1は、粗位置評価装置3.11、微細位置評価装置3.12及び位置値生成装置3.13を有する。

    第1目盛トラック1.21の走査から生じる、第1位置検出器2.221の位置信号Z1_1(位置に依存する振幅を有する誘導電圧)が、粗位置評価装置3.11に供給されている。 当該信号は、90°だけ移相している2つの信号である。 位置信号Z1_1の位置に依存する成分を含む、これらの信号の包絡線が、軸1.1の1回転ごとに1周期を正確に示す。 したがって、軸の絶対値が、当該位置信号Z1_1から推測され得る。 したがって、この実施の形態では、第1目盛トラック1.21が、絶対目盛トラック1.21である。 当該粗位置評価装置3.11は、位置信号Z1_1を絶対粗位置値GPOSに処理する。 その符号によって既に示されているように、この粗位置値GPOSは、比較的低い分解能、例えば32(2 )ステップを有する。 この粗位置評価装置3.11は、実際には非常に広い範囲に及ぶ電子回路である。 この粗位置評価装置3.11は、粗位置値GPOSを生成するために、例えば復調、A/D変換、信号補正及び補間のような処理ステップを実行する機能ブロックを有する。

    粗位置値GPOSが、アナログ位置信号Z1_1を評価することによって算出されるこの例の代わりに、第1目盛トラック1.21が、絶対目盛トラック1.21としてパラレルに(例えば、グレーコードで)又はシリアルに(疑似ランダムコード、PRCで)デジタルコード化されてもよい(図示せず)。

    第2目盛トラック1.22の走査から生じる、第1検出器配置2.22の第2位置検出器2.222の位置信号Z16_1が、微細位置評価装置3.12に供給されている。 当該信号は、同様に90°だけ移相している2つの信号である。 しかしながら、このときは、位置信号Z16_1の位置に依存する成分を含む、これらの信号の包絡線が、軸1.1の1回転ごとに複数の周期(上記の例では16周期)を示す。 個々の周期が、互いに区別不可能であるので、相対位置だけが、これらの位置信号によって算出され得る。 当該微細位置評価装置3.12は、位置信号Z16_1を微細位置値FPOSに処理する。 当該処理は、これらの位置信号Z16_1を復調し、引き続き当該復調された信号を位置ステップ又は角度ステップに分割すること(補間法)によって実行される。

    なお、その他の走査原理、例えば光学による走査原理又は磁気による光学原理の場合は、位置信号Z16_1の復調は必要でない。 何故なら、この場合には、位置信号の振幅が、位置に直接に依存するからである。

    微細位置値FPOSは、粗位置値GPOSより高い分解能、例えば1周期当たり16384(2 14 )位置ステップ又は角度ステップを有する。 つまり、この微細位置値FPOSの値範囲が、ただ1つの角度区間を有する。 この角度区間の角度範囲が、第2位置検出器2.222の位置信号の1周期に相当する。 すなわち、この微細位置値FPOSの値が、第2目盛トラック1.22の各目盛周期ごとに繰り返し発生する。

    次いで、当該粗位置値GPOS及び微細位置値FPOSは、位置値生成装置3.13に供給される。 この位置値生成装置3.13は、当該両値からより高い分解能を有する第1絶対位置値POS1を生成する。 低分解能の粗位置値GPOSが、高分解能の微細位置値FPOSに加算されることによって、当該第1絶対位置値POS1の生成は実行される。 このため、この微細位置値FPOSは、絶対値を含む。 この方法は、当業者の間でコード結合(Codeanschluss)の用語で知られている。 確実なコード結合を保証できるようにするため、粗位置値GPOSの値範囲と微細位置値FPOSの値範囲とを少なくとも1ビットだけ重ねることが必要である。 示されたこの例では、第2目盛トラック1.22の16個の目盛周期を区別できるように、粗位置値GPOSが、4ビットの値範囲を有する必要がある。 したがって、5ビットが、確実なコード結合のために必要である。 実際には、より大きい重なり範囲が、優先して選択される。 このため、8ビット以上の良好な値範囲が、粗位置値に対して与えられる。

    冗長な第2位置値POS2を生成するため、第2位置処理装置3.2が設けられている。 この第2位置処理装置3.2は、計数装置3.21として構成されている粗位置検出装置3.21と微細位置評価装置3.22と位置値生成装置3.23とを有する。

    第1位置処理装置3.1と同様に、第2位置処理装置3.2内では、微細位置評価装置3.22が、第2検出器配置2.23の第2位置検出器2.232の位置信号Z16_2を処理する。 当該位置信号Z16_2は、第1検出器配置2.22の第2位置検出器2.222の位置信号Z16_1と同様に、第2目盛トラック1.22の走査から発生し、微細位置値FPOSを生成する。 この微細位置値FPOSは、計数装置3.21に供給されている。 この計数装置3.21は、微細位置値FPOSの変化を回転方向に応じて計数するように構成されている。 したがって、この計数装置3.21の計数表示が、同様に粗位置値GPOSを示す。 軸1.1の1回転に対する微細位置値FPOSの値範囲が、この計数装置3.21によって拡張可能である。 さらに、粗位置値GPOS及び微細位置値FPOSが、位置値生成装置3.23に供給されている。 確実なコード結合をこの位置値生成装置3.23内で保証するため、この位置値生成装置3.23内でも、微細位置値FPOSの値範囲と粗位置値GPOSの値範囲とを重ねることが有益である。 それ故に、この計数装置3.21が、復調された微細位置信号Z16_2の1周期ごとに、例えば4つの計数ステップを実行するように、この計数装置3.21は有益に構成されている。 これに対して、復調された微細位置信号Z16_2の信号変化が、4つの領域(4象限)に分割され、1つの領域からその次の領域への移行が、微細位置値FPOSの変化時点として回転方向に応じて計数される。 当該計数は、4象限計数(Quadrantenzaehler)とも呼ばれる。

    微細位置値FPOSと粗位置値GPOSとの双方が、インクリメンタル目盛トラック1.22である第2目盛トラック1.22を走査することから発生した直後は、これらの値のいずれの値もが、絶対値を有しない。 それ故に、それ故に、第1位置処理装置3.1によって生成された補助絶対位置値HPOSによって、計数装置3.21を初期化することが、本発明にしたがって提唱されている。 この実施の形態では、この補助絶対位置値HPOSは、第1位置処理装置3.1の粗位置値GPOSである。 この粗位置値GPOSは、位置値生成装置3.13のほかに計数装置3.21にも供給される。 このため、例えばスイッチ素子3.3としての切替手段が設けられ得る。 粗位置値GPOSが、当該切替手段を通じて計数装置3.21に切り替え可能である。 当該初期化は、ロータリーエンコーダの電力供給の開始の直後の初期化段階中に有益に実行される。

    第2位置処理装置3.2の位置値生成装置3.23が、その微細位置値FPOSと当該初期化後の絶対粗位置値GPOSとから第2絶対位置値POS2を生成できる。

    したがって、第2位置処理装置3.2の本発明の構成によって、第1位置処理装置3.1内に設けられていて、且つ上述したように非常に複雑な電子回路である粗位置評価装置3.11が、節減され得、且つ簡単に構成できる計数装置3.21で代替され得る。 それにもかかわらず、互いにほとんど関係なく生成される2つの絶対位置値POS1,POS2が、エンコーダ内で使用可能である。 当該両位置値POS1,POS2を比較することによって、エンコーダ内の故障が、非常に高い確率で確認され得る。

    当該位置値POS1,POS2は、通信装置3.8に供給され、この通信装置3.8によって後続の電子機器(例えば、数値制御装置)に伝送可能である。 当該2つの位置値POS1,POS2の比較は、通信装置3.8内で既に実行され得る又は後続の電子機器内で実行され得る。

    図6は、図5に示されたエンコーダの改良された実施の形態のブロック図である。 図5に対する実施の形態の説明で既に記載された機能ブロックには、図6では同じ符号が付記されている。

    図5に基づいて説明されている実施の形態と違って、図6の第2検出器配置2.23が、受信器導電路2.231をさらに有する。 この受信器導電路2.231は、第1位置検出器2.231を構成する。 この第1位置検出器2.231は、コード盤1.2の第1目盛トラック1.21を走査する。 第2検出器配置2.23の第1位置検出器2.231の位置信号Z1_2が、第1検出器配置2.22の第1位置検出器2.221の位置信号Z1_1の代わりに第1位置処理装置3.1の第1粗位置評価装置3.11に供給可能である。 このため、別の切替手段、例えばスイッチ素子3.4と、スイッチ素子3.5とが設けられ得る。 第2検出器配置2.23の第1位置検出器2.231が、初期化段階中に当該スイッチ素子3.4によって第1粗位置評価装置3.11に接続可能であり、且つ、第1検出器配置2.22の第1位置検出器2.221が、初期化段階中に当該スイッチ素子3.5によって第1粗位置評価装置3.11から分離可能である。

    この実施の形態の特別な利点は、第1位置処理装置3.1内で、計数装置3.21を初期化するために、すなわち第2位置値POS2に対する絶対値を補助絶対位置値HPOSとして生成するために第2位置処理装置3.2に供給される粗位置値GPOSを生成するため、当該初期化段階以外の通常稼働中にこの第1位置処理装置3.1内で粗位置値GPOSを生成するためではない位置検出器が使用される点である。 これによって、例えば位置検出器2.221,2.231の故障が、ロータリーエンコーダの始動の直後に既に検出され得る。

    この実施の形態は、電磁誘導による測定原理にしたがって稼働するエンコーダに対して特に適している。 何故なら、当該測定原理では、第1位置検出器2.231が、導電路だけによって構成されるからである。 受信器導電路2.221,2.222,2.231,2.232が配置されている走査回路基板2.2は、十分な数の層を既に有するので、第2検出器配置2.23の第1位置検出器2.231は、実際には追加の支出及び材料経費なしに補充され得る。

    図7は、本発明のエンコーダの別の実施の形態を示す。 この実施の形態も、図5及び6に基づいて説明した実施の形態のように、電磁誘導による走査原理に基づく。 上記の実施の形態で既に説明された機能ブロックには、図7では同じ符号が付記されている。 上述した実施の形態と同様に、この実施の形態も、電磁誘導による走査原理に限定されるのではなくて、当業者によって任意の走査原理、特に光学による走査原理、磁気による走査原理又は静電容量による走査原理に適用され得る。

    冒頭で既に説明したように、異なる目盛周期を有する複数のインクリメンタル目盛トラックが設けられることによって、絶対位置値も取得され得る。 当該絶対位置値を取得する前提条件は、これらのインクリメンタル目盛トラックを走査することから発生する走査信号の位相角が、測定範囲(ロータリーエンコーダの場合は、軸1.1の1回転、リニアエンコーダの場合は、スケールの長さ)内の異なる位置ごとに、常に一義的で繰り返さない値の組み合わせを付与するように、目盛周期の数が選択される点である。 目盛周期を選択するための適切な値は、当業者が関連する文献から読み取ることができる。 これに関する原理は、例えば独国特許出願公開第4125865号明細書に記載されている。

    この例では、位置信号Z3_1,Z3_2が、軸1.1の1回転ごとに3つの周期を付与するように、第1目盛トラック1.21と、対応する検出器配置2.22,2.23の、この第1目盛トラック1.21を走査するために設けられている第1位置検出器2.221,2.231とが仕様決定されている。 第2目盛トラック1.22及び付随する第2検出器配置2.222,2.232の場合、上記の実施の形態で使用された16個の周期が、1回転ごとに保持される。 両目盛トラック1.21,1.22のいずれの目盛トラックもが、絶対値を有さず、且つ、軸1.1の1回転ごとに複数の信号周期を有する位置信号が、これらの目盛トラック1.21,1.22を走査することから発生するので、これらの目盛トラック1.21,1.22は、インクリメンタル目盛トラック1.21,1.22とみなされ得る。

    したがって、この実施の形態における第1位置処理装置4.1の場合、第1位置信号Z3_1が、第1検出器配置2.22の第1位置検出器2.221によって供給されていて、第2位置信号Z16_1が、第1検出器配置2.22の第2位置検出器2.222によって供給される。 この第1検出器配置2.22は、これらの信号を第1絶対位置値POS1に処理する。 これに対して、この第1位置処理装置4.1は、第1評価装置4.11、第2評価装置4.12及び位置値生成装置4.13を有する。

    これらの評価装置4.11,4.12は、これらの評価装置に供給された位置信号Z3_1,Z3_16から、位相角Φ1,Φ2を算出するために構成されている。 目盛トラック1.21,1.22の選択された寸法によって、軸1.1の1回転ごとに、3×360°の値範囲が、第1位相角Φ1に対して発生し、16×360°の値範囲が、第2位相角Φ2に対して発生する。 これらの位相角Φ1,Φ2は、軸1.1の1回転中に常に一義的な複数の値対を付与する。 その結果、1つの絶対位置値が、各値対に割り当てられ得る。 この割り当ては、例えば計算によって又は当該両位相角Φ1,Φ2が供給されている位置値生成装置4.13内の表を用いて実行される。

    この場合、第2位置処理装置4.2は、上記の実施の形態に説明されている第2位置処理装置に相当する。 この第2位置処理装置4.2でも、第2目盛トラック1.22を走査することから発生する位置信号Z16_2だけが、第2位置値POS2を生成するために使用され、絶対値が、補助位置値HPOSで粗位置検出装置4.21を初期化することによって生成される。 しかしながら、この場合には、上記の実施の形態とは違って、この粗位置検出装置4.21は、計数装置ではなくて、補助絶対位置値HPOSと第2絶対位置値POS2とが供給されている記憶装置4.21である。 当該補助位置値HPOSと第2絶対位置値POS2との双方が、記憶装置4.21内に記憶可能であり、実際に記憶された値が、粗位置値GPOSとして位置値生成装置4.23に出力可能である。

    この実施の形態では、第1位置処理装置4.1内で生成される第1絶対位置値POS1が、補助絶対位置値として第2位置処理装置4.2に供給される。 このため、切替手段が、スイッチ素子3.6として設けられ得る。

    絶対値を生成するため、第1絶対位置値POS1が、初期化段階中に第2位置処理装置4.2の記憶装置4.21内に記憶され、粗位置値GPOSとして位置値生成装置4.23に出力される。 この位置値生成装置4.23は、この粗位置値GPOSと、微細位置評価装置3.22によって生成された微細位置値FPOSとから第2絶対位置値POS2を生成する。 この第2絶対位置値POS2が出力された後に、この第2絶対位置値POS2は、クロック信号CLKによってプリセットされる時間間隔ごとに記憶装置4.21内に記憶され、同様に粗位置値GPOSとしてこの位置値生成装置4.23に出力される。 微細位置値FPOSの最大変化速度時でも、インクリメンタル目盛トラックの1つの目盛周期からその次の目盛周期への移行が確実に確認され得るように、当該クロック信号CLKの周波数が選択されている。

    この実施の形態でも、第2絶対位置値POS2を生成できるようにするため、粗位置値GPOSの値範囲と微細位置値FPOSの値範囲とが、少なくとも1ビットだけ重なっている。 示されたこの例では、このことは、インクリメンタル目盛トラックの実際の信号周期を確認できるようにするためには既に4ビットが必要になるので、粗位置値GPOSが5ビット以上のビット幅を有する必要があることを意味する。 しかしながら、実際には、第2絶対位置値POS2の全ての値範囲に及ぶより大きい重なり範囲が望ましい。 また、当該選択された重なり領域は、記憶装置4.21の必要なビット幅と、第1絶対位置値POS1と第2絶対位置値POS2とからこの記憶装置4.21に伝送される高位ビットの数とを決定する。

    エンコーダの分解能を最適化するためには、多数の目盛周期を有するインクリメンタルトラックを走査することから発生する位置信号を使用して、第2位置処理装置4.2内で微細位置値FPOSを生成することが有益である。 示されたこの例では、当該位置信号は、第2目盛トラック1.22を走査することから発生する位置信号Z16_2である。

    この実施の形態でも、第2検出器配置2.23の第1位置検出器2.231は、第2絶対位置値POS2を生成する信頼性をさらに向上させるための任意なものとみなされる。 しかしながら、記憶装置4.21の補助位置値HPOSとして供給される第1絶対位置値POS1が、第1検出配置2.22の第1位置検出器2.221の位置信号Z3_1を使用して生成されるときでも、非常に信頼できる第2位置値POS2が生成され得る。

    本発明は、少なくとも2つの目盛トラック1.21,1.22が配置されているコードキャリアを有するエンコーダに対して適している。 絶対位置値POS1,POS2が、これらの目盛トラックを走査することによって生成され得る。

    好適な組み合わせは、図5及び6に基づいて記載されている実施の形態による、アブソリュート目盛トラック1.21及びインクリメンタル目盛トラック1.22である。 当該アブソリュート目盛トラック1.21は、アナログ式に、デジタル・パラレル式に又はデジタル・シリアル式にコード化され得る。

    好適な組み合わせは、図7に基づいて記載されている実施の形態による、2つのインクリメンタル目盛トラック1.21,1.22である。 これらのインクリメンタル目盛トラック1.21,1.22は、異なる目盛周期を有する。 これらのインクリメンタル目盛トラックの場合、位置信号から算出され得る位相角が、測定範囲内の各位置ごとに、一義的な値対を付与する。

    1 回転子1.1 軸1.2 コード盤1.21 第1目盛トラック、アブソリュート目盛トラック1.211 被覆領域1.212 未被覆領域1.22 第2目盛トラック、インクリメンタル目盛トラック1.221 被覆領域1.222 未被覆領域2 固定子2.1 フランジ2.2 走査回路基板2.21 励磁巻線2.22 第1検出器配置2.221 受信器導電路、第1位置検出器2.222 受信器導電路、第2位置検出器2.23 第2検出器配置2.231 受信器導電路、第1位置検出器2.232 受信器導電路、第2位置検出器2.3 コネクタ2.4 発振装置3.1 第1位置処理装置3.11 粗位置評価装置3.12 微細位置評価装置3.13 位置値生成装置3.2 第2位置処理装置3.21 粗位置検出装置、計数装置3.22 微細位置評価装置3.23 位置値生成装置3.3 第1スイッチ素子3.4 第2スイッチ素子3.5 第3スイッチ素子3.6 第4スイッチ素子3.8 通信装置4.1 第1位置処理装置4.11 第1評価装置4.12 第2評価装置4.13 位置値生成装置4.21 粗位置検出装置、記憶装置

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