伝達装置

申请号 JP2015042301 申请日 2015-03-04 公开(公告)号 JP6361530B2 公开(公告)日 2018-07-25
申请人 株式会社ホンダロック; 发明人 高妻 宏行; 廣谷 康平;
摘要
权利要求

車両の操作ペダルに動を伝達する動力伝達装置において、 前記操作ペダルに駆動力を出力するモータと、 前記モータを収容するハウジングと、 前記モータの回転軸に連結されたウォームと、 前記ウォームに噛合するとともに、前記ウォームに対して前記操作ペダル側に配設されるウォームホイールと、を備え、 前記ハウジングには、前記モータの回転軸方向の所定長以上の移動を規制する規制壁が設けられ、 前記モータと前記規制壁との間には、前記モータの駆動時に前記ウォームと前記ウォームホイールとが当接する方向に向けて前記モータを付勢する付勢部材が配設されていることを特徴とする動力伝達装置。前記ウォームホイール及び前記操作ペダル間に配設され、前記操作ペダルを初期位置に向けて付勢する動力伝達部と、 前記モータの駆動時に前記ウォームホイール及び前記動力伝達部間を接続状態とし、前記モータの停止時であって前記動力伝達部の付勢力による前記操作ペダルの復元時に前記ウォームホイール及び前記動力伝達部間を遮断状態とするクラッチ機構と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の動力伝達装置。

说明书全文

本発明は、動伝達装置に関するものである。

動力伝達装置の一つとして、車両の発進時や走行時に、必要以上にアクセルペダルが踏まれるのを抑制するために、踏み込み状態に応じた反力をアクセルペダルに付与する反力出力装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。 特許文献1に記載のアクセルペダル装置は、アクセルペダルの基端部を回動可能に軸支するハウジングに、アクセルペダルを初期位置に戻すためのリターンスプリングと、反力を作り出すためのモータと、そのモータの回転をアクセルペダルに伝達するための伝達レバーと、が内蔵されている。このアクセルペダル装置では、アクセルペダルの踏み込み状態に応じた駆動力にモータが制御され、その駆動力が伝達レバーを通してアクセルペダルに付与される。

特開2010−111379号公報

ところで、近時では、上述した反力出力装置において、小型薄型化及び高減速比を実現するために、モータと伝達レバーとの間をウォーム減速機により接続することが検討されている。具体的に、ウォーム減速機は、モータの回転軸に連結されるウォームと、ウォームに噛合するウォームホイールと、を有している。

ここで、ウォームとウォームホイールとの噛み合い部分には、ウォーム減速機を円滑に回転させるためにバックラッシが存在する。この場合、反力制御時(モータの駆動時)には、ウォームの送り側のバックラッシが詰められた状態(ウォームとウォームホイールとの噛み合い部分が当接した状態)で、ウォーム及びウォームホイールがアクセルペダルの戻し方向に向けて一体回転する。一方、モータの停止時であってアクセルペダルがリターンスプリングの復元力によって初期位置に戻る戻り動作時には、ウォームホイールがウォームに対してアクセルペダルの戻し方向に回転する。これにより、ウォームとウォームホイールとの噛み合い部分のうち、ウォームの送り側にバックラッシが形成される。

そして、ウォームの送り側にバックラッシが形成された状態でアクセルペダルを踏み込むと、ウォームホイールがウォームに対してアクセルペダルの踏み込み方向に向けて回転する(戻し方向とは逆回転する)。 このとき、ウォームの送り側に形成されたバックラッシが詰められ、ウォームホイールとウォームとの噛み合い部分が当接することで、ウォームホイールとウォームとの衝突音が発生するおそれがある。 また、ウォームの送り側にバックラッシが形成された状態で上述した反力制御を行う場合には、バックラッシが詰められ、ウォームとウォームホイールの噛み合い部分が当接した後、上述したようにウォームとウォームホイールとが一体回転することになる。そのため、反力制御の応答性を向上する点で改善の余地がある。

そこで、本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、小型薄型化及び高減速比を実現した上で、衝突音の発生を抑制できるとともに、応答性の向上を図ることができる動力伝達装置を提供することである。

本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を提供する。 本発明に係る動力伝達装置は、車両の操作ペダルに動力を伝達する動力伝達装置において、前記操作ペダルに駆動力を出力するモータと、前記モータを収容するハウジングと、前記モータの回転軸に連結されたウォームと、前記ウォームに噛合するとともに、前記ウォームに対して前記操作ペダル側に配設されるウォームホイールと、を備え、 前記ハウジングには、前記モータの回転軸方向の所定長以上の移動を規制する規制壁が設けられ、前記モータと前記規制壁との間には、前記モータの駆動時に前記ウォームと前記ウォームホイールとが当接する方向に向けて前記モータを付勢する付勢部材が配設されていることを特徴とする。

この構成によれば、モータが回転すると、その駆動力がウォーム及びウォームホイールを介して操作部に伝達され、操作部を操作(例えば、反力制御)することができる。 一方、モータの停止時において、操作部からウォームホイールに回転力が入力されると、ウォームホイールがウォームに対して回転する。このとき、ウォームホイールの回転に追従して、ウォームホイール側及びウォーム側の少なくとも一方側が、モータの駆動時にウォームとウォームホイールとが当接する方向(ウォームの送り側)に向けて付勢部材により付勢される。これにより、ウォームの送り側に形成されるバックラッシが詰められ、ウォーム及びウォームホイールの噛み合い部分において、歯部同士が常時近接または当接した状態となる。

このように、歯部同士の近接または当接状態が維持されるので、ウォーム及びウォームホイールとの衝突音の発生を抑えることができる。 また、モータが駆動する際、ウォームとウォームホイールとが速やかに噛合することになるので、動力伝達装置の応答性を向上させることができる。 しかも、本発明の構成によれば、モータと操作部との間にウォーム及びウォームホイールを含む減速機構が配設されているため、例えば平歯車等からなる減速機構を用いる場合に比べてモータの回転軸に直交する方向での小型薄型化及び高減速比を実現できる。

また、本発明に係る動力伝達装置は、前記ウォームホイール及び前記操作ペダル間に配設され、前記操作ペダルを初期位置に向けて付勢する動力伝達部と、前記モータの駆動時に前記ウォームホイール及び前記動力伝達部間を接続状態とし、前記モータの停止時であって前記動力伝達部の付勢力による前記操作ペダルの復元時に前記ウォームホイール及び前記動力伝達部間を遮断状態とするクラッチ機構と、を備えていてもよい。 この構成によれば、動力伝達部とウォームホイールとの間にクラッチ機構が設けられているため、操作ペダルの復元時に動力伝達部がウォームホイールに対して空転することになる。これにより、モータの停止時であって動力伝達部の付勢力による操作ペダルの復元時に、モータ側の回転フリクションの影響を受け難くなる。また、ウォームホイールが連れ回される量を最小限に抑えることができるので、ウォームの送り側にバックラッシが形成されるのを抑制できる。

本発明によれば、小型薄型化及び高減速比を実現した上で、衝突音の発生を抑制できるとともに、応答性の向上を図ることができる。

実施形態におけるアクセルペダル装置の側面図である。

反力出力装置において、ハウジングを取り除いた状態を示す図である。

反力出力装置において、モータ周辺の構成を説明するための概略構成図である。

操作ペダルの踏み込み時の作用を説明するための説明図であって、図2に相当する図である。

操作ペダルの反力制御時の作用を説明するための説明図であって、図2に相当する図である。

操作ペダルの反力制御時の作用を説明するための説明図であって、図3に相当する概略構成図である。

操作ペダルのペダル戻り時の作用を説明するための説明図であって、図2に相当する図である。

操作ペダルのペダル戻り時の作用を説明するための説明図であって、ウォーム及びウォームホイールを示す図である。

操作ペダルのペダル戻り時の作用を説明するための説明図であって、図3に相当する図である。

次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、車両のアクセルペダル装置に搭載される反力出力装置に、本発明の動力伝達装置を採用した場合について説明する。

[アクセルペダル装置] 図1は、アクセルペダル装置1の側面図である。 アクセルペダル装置1は、運転席の足元に設置されるペダルユニット2と、ペダルユニット2に連結された反力出力装置(動力伝達装置)10と、を備えている。

<ペダルユニット> ペダルユニット2は、車体に取り付けられた保持ベース3と、保持ベース3に設けられた支軸3aに回動可能に連結された操作ペダル(操作部)4と、を備えている。 保持ベース3と操作ペダル4との間には、操作ペダル4を初期位置に向けて付勢する図示しないリターンスプリングが介在している。

操作ペダル4は、基端部が上述した支軸3aに片持ち状に支持されたペダルアーム5と、ペダルアーム5の先端部に設けられ、運転者によって踏み込まれるペダル部6と、ペダルアーム5の基端部に連結された反力伝達レバー7と、を備えている。 操作ペダル4には、ペダルアーム5の操作量(回動度)に応じて内燃機関の図示しないスロットルバルブの開度を操作するための図示しないケーブルが接続されている。但し、内燃機関が電子制御スロットルを採用する場合には、ペダルユニット2にペダルアーム5の回動角度を検出するための回転センサを設け、その回転センサの検出信号を基にしてスロットルバルブの開度を制御するようにしてもよい。

反力伝達レバー7は、ペダルアーム5の延在方向とほぼ相反する方向に延在し、ペダルアーム5と一体で回動する。具体的に、反力伝達レバー7は、基端部がペダルアーム5の基端部に連結される一方、先端部が反力出力装置10の後述する出力レバー33に連結される。

<反力出力装置> 図2は、反力出力装置10において、ハウジング11を取り除いた状態を示す図である。 図2に示すように、反力出力装置10は、モータ12と、モータ12の駆動力を減速する減速機構13と、モータ12の駆動力を操作ペダル4に向けて出力する出力軸15を有する反力出力部(動力伝達部)16と、これら各構成品を収容するハウジング11(図1参照)と、を備えている。すなわち、本実施形態の反力出力装置10は、モータ12の駆動力を減速機構13で減速した後、反力出力部16を介して操作ペダル4に反力として付与する。なお、出力軸15は、モータ12の回転軸21と直交する方向であって、上述した支軸3aと平行に延在している。以下の説明では、モータ12の回転軸21に沿う方向を回転軸方向といい、出力軸15に沿う方向を出力軸方向という場合がある。

減速機構13は、モータ12の回転軸21に連結されたウォーム22と、ウォーム22と噛合するウォームホイール23と、図示しないクラッチ機構を介してウォームホイール23に連結されたピニオンギヤ25と、を備えている。

ウォーム22は、回転軸方向に沿って延びるとともに、その外周面に螺旋状の歯部22aが形成されている。 ウォームホイール23は、有底筒状を呈し、ハウジング11から立設された支持ピン31に回転可能に支持されている。ウォームホイール23における筒部の外周面には、ウォーム22の歯部22aが噛合する歯部23aが形成されている。なお、支持ピン31は、出力軸15と平行に延在している。

ピニオンギヤ25は、有底筒状を呈し、上述した支持ピン31に回転可能に支持されている。本実施形態において、ピニオンギヤ25は、ウォームホイール23に同軸、かつウォームホイール23に対して回転可能に、ウォームホイール23の筒部内に収容されている。ピニオンギヤ25の底部には、出力軸方向の外側(ウォームホイール23とは反対側)に向けて突出するボス部26が形成され、このボス部26の外周面に歯部25aが形成されている。

反力出力部16は、ハウジング11に回転可能に支持された出力軸15と、出力軸15に固定されるとともに、ピニオンギヤ25に噛合するセクタギヤ32と、出力軸15に固定されるとともに、上述した反力伝達レバー7に連結される出力レバー33と、を備えている。 出力軸15は、ハウジング11を貫通して設けられ、出力軸方向の一端部がハウジング11から突出している。

セクタギヤ32は、出力軸方向から見た平面視で扇状を呈し、その外周縁にはピニオンギヤ25の歯部25aに噛合される歯部32aが形成されている。セクタギヤ32は、ハウジング11内に収容され、出力軸15のうちハウジング11内に位置する部分に固定されている。また、セクタギヤ32とハウジング11との間には、反力出力部16を初期位置に向けて付勢するコイルスプリング34が介在している。

出力レバー33は、その基端部が出力軸15における一端部(ハウジング11から突出した部分)に固定され、セクタギヤ32とともに回動可能とされている。出力レバー33の先端部は、上述した操作ペダル4における反力伝達レバー7の先端部に回動方向で当接可能とされている。この場合、出力レバー33と反力伝達レバー7とは、操作ペダル4が運転者によって踏み込まれたときに相互に当接する。なお、出力レバー33と反力伝達レバー7とが常時当接する構成としても構わない。

クラッチ機構は、モータ12及び反力出力部16間での駆動力の伝達及び遮断を切り替えるものであって、ウォームホイール23とピニオンギヤ25との間に画成されたクラッチ収容部S内に配設されている。クラッチ機構は、モータ12の駆動時、及びモータ12の停止時であって操作ペダル4の踏み込み動作時に、ウォームホイール23とピニオンギヤ25とを接続状態とする。これにより、ウォームホイール23及びピニオンギヤ25間での回転力の伝達が行われる。一方、クラッチ機構は、モータ12の停止時であってコイルスプリング34による反力出力部16の初期位置への復元時(操作ペダル4の初期位置への戻り動作時)に、ウォームホイール23とピニオンギヤ25との接続を遮断状態とする。これにより、ウォームホイール23及びピニオンギヤ25間での回転力の伝達が遮断される。

図3は、反力出力装置10において、モータ12周辺の構成を説明するための概略構成図である。 ところで、図3に示すように、上述したモータ12は、図示しない回転子及び固定子を収納するモータケース35と、回転子に固定されるとともに、モータケース35から突出する回転軸21と、を備えている。 モータケース35は、ハウジング11に画成されたモータ収容部41内に収容されている。モータ収容部41において、モータケース35に対して回転軸方向の両側に位置する部分には、ハウジング11に対するモータ12の回転軸方向の移動を規制する第1規制壁42及び第2規制壁43が配設されている。

第1規制壁42は、モータケース35に対して回転軸方向の一端側に位置し、回転軸21の突出部分が貫通するスリット42aを有している。 第2規制壁43は、モータケース35に対して回転軸方向の他端側に位置し、モータケース35が回転軸方向の一端側から近接または当接している。

ここで、第1規制壁42とモータケース35との間には、モータケース35を第1規制壁42から離間させる方向に向けてモータ12を付勢する付勢部材51が介在している。本実施形態において、付勢部材51は、例えばコイルスプリングからなり、その一端部が第1規制壁42に連結され、他端部がモータケース35における回転軸方向の一端面に連結されている。この場合、付勢部材51は、モータ12の駆動時におけるウォーム22の送り側(ウォーム22及びウォームホイール23の歯部22a,23a同士が当接する方向)に向けてモータ12を付勢している。したがって、ウォーム22及びウォームホイール23は、噛み合い部分においてウォーム22の送り側のバックラッシが詰められ、歯部22a,23a同士が常時当接した状態になっている。

[作用] 次に、上述したアクセルペダル装置1の作用について説明する。 <ペダル踏み込み時> 図4は、操作ペダル4の踏み込み時の作用を説明するための説明図であって、図2に相当する図である。 図4に示すように、操作ペダル4が運転者によって踏み込まれると、操作ペダル4が初期位置から支軸3a回りの踏み込み方向A1(図1中反時計回り)に回転し、その回転角に応じて内燃機関のスロットルバルブの開度が調整される。操作ペダル4が踏み込み方向A1に向けて回転すると、反力伝達レバー7が反力出力部16の出力レバー33に当接し、反力出力部16を出力軸15回りの踏み込み方向B1(図4中反時計回り)に回動させる。

反力出力部16が回動すると、その回動力が反力出力部16のセクタギヤ32を介してピニオンギヤ25に伝達され、ピニオンギヤ25が支持ピン31回りの踏み込み方向C1に回転する。ここで、操作ペダル4の踏み込み時において、クラッチ機構は、ウォームホイール23とピニオンギヤ25とを接続状態とすることから、ピニオンギヤ25の回転力がクラッチ機構を介してウォームホイール23に伝達される。その結果、ウォームホイール23がピニオンギヤ25とともに踏み込み方向C1に回転する。 そして、ウォームホイール23の回転力がウォーム22を介して回転軸21に伝達されることで、ウォーム22及び回転軸21が踏み込み方向D1(モータ12の回転方向とは逆方向)に回転する。

<反力制御時> 図5は、操作ペダル4の反力制御時の作用を説明するための説明図であって、図2に相当する図である。 上述した踏み込み時において、操作ペダル4の踏込速度や車両の運転状況に応じて踏み込み過ぎと判断されると、反力出力装置10による反力制御を開始する。具体的には、図5に示すように、反力出力装置10のモータ12が駆動し、回転軸21が戻し方向D2(モータ12の正転方向)に回転する。すると、モータ12の駆動力がウォーム22を介してウォームホイール23に伝達されることで、ウォームホイール23が支持ピン31回りの戻し方向C2に回転する。ここで、モータ12の駆動時において、クラッチ機構は、ウォームホイール23とピニオンギヤ25とを接続状態とすることから、ウォームホイール23の回転力がクラッチ機構を介してピニオンギヤ25に伝達される。その結果、ピニオンギヤ25がウォームホイール23とともに戻し方向C2に回転する。

そして、ピニオンギヤ25の回転力がセクタギヤ32を介して反力出力部16に伝達されることで、反力出力部16が出力軸15回りの戻し方向B2に回動する。反力出力部16が戻し方向B2に回動すると、その回動力が出力レバー33を介して操作ペダル4の反力伝達レバー7に伝達される。そして、反力伝達レバー7を介して操作ペダル4に戻し方向A2への回動力が伝達される。このとき、操作ペダル4には踏込速度や車両の運転状況に応じた駆動力が、反力として反力出力装置10から付与される。そのため、運転者は、ペダル部6を踏む足裏を通して、内燃機関の加速状態や「踏み込み過ぎ」等の情報が伝えられる。

図6は、操作ペダル4の反力制御時の作用を説明するための説明図であって、図3に相当する概略構成図である。 なお、図6に示すように、上述した反力制御時では、ウォーム22とウォームホイール23との噛み合い部分に、スラスト荷重が作用することで、モータ12が付勢部材51の付勢力に抗する方向(第1規制壁42側)に移動する。

<ペダル戻り時> 図7は、操作ペダル4のペダル戻り時の作用を説明するための説明図であって、図2に相当する図である。 図7に示すように、操作ペダル4が踏み込まれた状態から、操作ペダル4(ペダル部6)に対する運転者の踏力が急激に解除されると、操作ペダル4は図示しないリターンスプリングの復元力によって初期位置(戻し方向A2)に戻ろうとする。すると、反力出力部16はコイルスプリング34の付勢力を受けて操作ペダル4の戻り動作に追従することで、初期位置(戻し方向B2)に向けて回動する。ここで、クラッチ機構は、モータ12の停止時であってコイルスプリング34による反力出力部16の初期位置への復元時に、ウォームホイール23とピニオンギヤ25とを遮断状態とすることから、ウォームホイール23及びピニオンギヤ25間での回転力の伝達が遮断される。そのため、ウォームホイール23に対してピニオンギヤ25のみが回転(空転)することになる。したがって、反力出力部16は、モータ12の回転フリクションの影響を受けずに戻し方向B2に回動し、操作ペダル4の戻り動作に追従する。

図8は、操作ペダル4のペダル戻り時の作用を説明するための説明図であって、ウォーム22及びウォームホイール23を示す図である。 ところで、図8に示すように、アクセルペダル装置1では、上述したペダル戻り時にピニオンギヤ25が空転する際、ウォームホイール23も僅かに戻し方向C2に回転する場合がある。この場合、ウォーム22及びウォームホイール23の噛み合い部分におけるバックラッシKが、ウォーム22の送り側に形成されるおそれがある。

図9は、操作ペダル4のペダル戻り時の作用を説明するための説明図であって、図3に相当する図である。 これに対して、本実施形態では、図9に示す付勢部材51が、ウォーム22の送り側に向けてモータ12を付勢していることから、ウォームホイール23の戻し方向C2の回転に追従して、モータ12がウォーム22の送り側(第2規制壁43側)に移動する。これにより、ウォーム22の送り側に形成されるバックラッシKが詰められ、ウォーム22及びウォームホイール23の噛み合い部分において、歯部22a,23a同士が常時当接する。なお、モータ12は、モータケース35が第2規制壁43に当接することで、回転軸方向の他端側への移動が規制される。

したがって、本実施形態によれば、上述したようにウォーム22及びウォームホイール23の噛み合い部分において、バックラッシKがウォーム22の送り側に形成されるのを抑制できる。 これにより、歯部22a,23a同士の当接状態が維持されるので、ウォームホイール23が踏み込み方向C1に回転する際の、ウォーム22及びウォームホイール23との衝突音の発生を抑えることができる。 また、反力制御時において、モータ12が駆動する際、ウォーム22とウォームホイール23とが速やかに噛合することになるので、反力出力装置10の応答性を向上させることができる。

また、本実施形態では、モータ12と操作ペダル4との間にウォーム22及びウォームホイール23を含む減速機構13が配設されているため、例えば平歯車等からなる減速機構を用いる場合に比べて出力軸方向での小型薄型化及び高減速比を実現できる。

また、本実施形態では、ピニオンギヤ25とウォームホイール23との間にクラッチ機構が設けられているため、モータ12の停止時であって反力出力部16の復元時に、モータ12側の回転フリクションの影響を受け難くなる。また、ペダル戻り時にピニオンギヤ25が空転する際、ウォームホイール23の戻し方向B2への回転量(ピニオンギヤ25に連れ回される量)を最小限に抑え、ウォーム22側にバックラッシKが形成されるのを抑制できる。

さらに、本実施形態では、モータ12とハウジング11との間に付勢部材51が介在しているため、簡素化を図ることができる。

以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。 例えば、上述した実施形態では、本発明の動力伝達装置を反力出力装置10に適用した場合について説明したが、モータ12の駆動力をウォーム22及びウォームホイール23を介して操作部に伝達する種々の動力伝達装置に適用することができる。

また、上述した実施形態では、ウォーム22側(モータ12とハウジング11との間)に付勢部材51を介在させた場合について説明したが、ウォームホイール23側及びウォーム22側の少なくとも一方側に付勢部材が設けられていれば構わない。この場合、ウォーム22側に付勢部材を設ける一例として、回転軸21とウォーム22との間に付勢部材を介在させても構わない。また、ウォーム22側及びウォームホイール23側の双方に付勢部材を介在させても構わない。

さらに、上述した実施形態では、付勢部材51としてコイルスプリングを用いた場合について説明したが、これに限られない。例えば、板ばねや弾性変形可能な材料からなる板材等を用いても構わない。また、モータ12を付勢部材によってハウジング11にフローティング支持する構成としても構わない。この場合、モータ12で発生する振動を付勢部材で減衰・吸収することで、ハウジング11側に伝達されるのを抑制できる。

また、上述した実施形態では、操作ペダル4の踏み込み時にクラッチ機構が接続状態となる構成について説明したが、これに限られない。クラッチ機構は、例えばモータ駆動時(反力制御時)のみに接続状態となり、モータ停止時(操作ペダル4の踏み込み時及びペダル戻り時)に遮断状態となる構成としても構わない。 この場合においても、ペダル戻り時において、ウォーム22の送り側にバックラッシKが形成されるのを抑制できるので、衝突音の発生を抑制し、応答性を向上させることができる。 なお、クラッチ機構を設けない構成としても構わない。

その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。

4…操作ペダル(操作部) 10…反力出力装置(動力伝達装置) 11…ハウジング 12…モータ 16…反力出力部(動力伝達部) 21…回転軸 22…ウォーム 23…ウォームホイール 24…クラッチ機構 51…付勢部材

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