位置決定システム

申请号 JP2013534385 申请日 2011-10-20 公开(公告)号 JP5976000B2 公开(公告)日 2016-08-23
申请人 ソニター テクノロジーズ アクティーゼルスカブ; 发明人 ブーイユ ウィルフレッド, エドウィン; オルセン, オイスタイン ハウグ;
摘要
权利要求

1つまたは複数の固定ベースユニットと 1つまたは複数の移動体ユニットとを備える位置決定システムであって、 前記システムは、移動体ユニットの平位置を、超音波を用いて、少なくとも1つのベースユニットに対する前記移動体ユニットの近接性を基礎として決定するように構成され、かつ 前記システムは、前記移動体ユニットの高度を、前記移動体ユニットで検出される空気圧および1つまたは複数の前記ベースユニットで検出される空気圧力を基礎として決定するように構成される位置決定システム。前記システムは複数のベースユニットを備え、かつ 前記システムは、前記複数のベースユニットの各々で検出される空気圧力の平均を基礎として基準空気圧力を決定するように構成される、請求項1に記載の位置決定システム。前記システムは少なくとも1つの高度基準ベースユニットを備え、かつ 前記システムは、移動体ユニットが前記高度基準ベースユニットの所定の近接性内にあることが決定されると、前記システムが、前記移動体ユニットは予め決められた移動体ユニット基準高度にあることを決定するように構成される、請求項1または請求項2に記載の位置決定システム。前記高度基準ベースユニットに関する前記近接性の決定に応答して、前記システムは、前記移動体ユニットに、前記移動体ユニット基準高度を基礎として較正を実行するように指示する、請求項3に記載の位置決定システム。前記システムは高度較正ゾーンを備え、前記高度較正ゾーンは、移動体ユニットの高度を、前記移動体ユニットの前記複数のベースユニットの各々に対する近接性を基礎として決定することができるような位置合わせで構成される複数のベースユニットを備える、請求項1乃至4のいずれかに記載の位置決定システム。前記高度の決定に応答して、前記システムは、前記移動体ユニットに、前記決定された高度を基礎として較正を実行するように指示する、請求項5に記載の位置決定システム。前記システムは、移動体ユニットによって満たされる1つまたは複数の基準を基礎として警報を発するように構成される、請求項1乃至6のいずれかに記載の位置決定システム。1つの基準は、前記移動体ユニットの現在高度を基礎としている、請求項7に記載の位置決定システム。1つの基準は、前記移動体ユニットの検出される高度変化を基礎としている、請求項7または請求項8に記載の位置決定システム。前記警報は、前記移動体ユニットの識別および前記移動体ユニットの現在位置を示すように構成される、請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の位置決定システム。前記警報基準は、前記移動体ユニットの前記現在位置に依存する、請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の位置決定システム。前記ベースユニットおよび前記移動体ユニットは、超音波を介して通信するように構成される、請求項1乃至11のいずれかに記載の位置決定システム。前記ベースユニットおよび前記移動体ユニットは、無線通信を介して通信するように構成される、請求項1乃至12のいずれかに記載の位置決定システム。圧力データを基礎とする前記移動体ユニットの前記高度決定は、前記ベースユニットへの近接性を基礎とする高度決定と組み合わされる、請求項1乃至13のいずれかに記載の位置決定システム。追加的なベースユニットとして作用するために、定置型の移動体ユニットが配置される、請求項1乃至14のいずれかに記載の位置決定システム。位置決定システムにおいて用いるための移動体ユニットであって、前記移動体ユニットは、 水平位置を決定するための超音波送信機及び超音波受信機の少なくとも一方と、 空気圧力センサと、 前記空気圧力センサから前記システムへデータを送信するように適合化される送信機とを備える移動体ユニット。前記移動体ユニットは受信機を備え、かつ前記ユニットは、少なくとも前記圧力センサからのデータを含む位置データを送信するように適合化される、請求項16に記載の移動体ユニット。前記移動体ユニットは較正指示を受信するように適合化され、かつ前記較正指示に応答して、前記移動体ユニットは、前記圧力センサを較正するように適合化される、請求項17に記載の移動体ユニット。前記較正指示は、少なくとも1つの基準圧力または基準高度を含む、請求項18に記載の移動体ユニット。請求項16乃至請求項19のいずれかに記載の移動体ユニットを備える、請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の位置決定システム。請求項1乃至請求項15または請求項20のいずれかに記載の位置決定システムを備える建物であって、前記建物は、移動体ユニットを位置合わせするための1つまたは複数の監視ゾーンを備え、少なくとも1つの監視ゾーンは唯一のベースユニットを備える建物。1つまたは複数の監視ゾーンは各々、前記建物内の一部屋に対応する、請求項21に記載の建物。前記位置決定システムは、前記建物内の1つまたは複数のセンサからデータを受信するように適合化され、前記センサは、電灯スイッチセンサ、動きセンサ、ドアセンサおよび電話活動センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項21または請求項22に記載の建物。前記位置決定システムは、移動体ユニットによって1つまたは複数の基準が満たされることを基礎として、かつ前記建物センサの出力を基礎として警報を発するように適合化される、請求項23に記載の建物。移動体ユニットの、1つまたは複数の固定ベースユニットに対する位置を決定する方法であって、 前記移動体ユニットの前記位置における空気圧力を測定することと、 前記ベースユニットの前記位置における空気圧力を測定することと、 超音波を用いて、前記移動体ユニットの前記ベースユニットへの近接性を測定することと、 前記近接性の測定を基礎として、前記移動体ユニットの水平位置を決定することと、 前記空気圧力の測定を基礎として、前記移動体ユニットの高度を決定することを含む方法。1つまたは複数の移動体ユニットの三次元座標を決定するための三次元位置決定システムを備える監視システムであって、前記システムは、移動体ユニットの垂直座標の変化率が予め決められた値に満たなければシステムが警報を発するように構成される少なくとも1つのゾーンを含む監視システム。移動体ユニットの垂直座標の変化率が予め決められた値より大きければ、システムが警報を発するように構成される少なくとも1つのゾーンをさらに含む、請求項26に記載の監視システム。

说明书全文

本発明は、1つまたは複数の移動体ユニットの、1つまたは複数の固定位置のベースユニットに対する位置を決定するための位置決定システムに関する。

屋内リアルタイム位置情報システム(RTLS)は、システムインフラに依存して、様々なレベルの精度で動作することができる。概して、リアルタイム位置情報システムは、たとえば、(たとえば、Wi-Fiインフラからの)超音波または無線周波数(RF)信号振幅に基づく三測量を用いて、3次元位置(たとえば、x、yおよびz座標)を提供することができる。しかしながら、単一のフロアに配備される場合、通常これは、正確な垂直(z)座標を決定することができない。正確な垂直座標を達成するには、かなりのインフラを追加設置する必要がある。たとえば、インフラを追加すれば、三次元座標をセンチメートルの精度で決定することができる。しかしながら、このインフラの追加は、かなりのコスト高になる可能性がある。

シナリオによっては、垂直軸に沿って位置を決定することに極めて重大な意義がある。たとえば、在宅介護または病院といった設定において、患者が床に倒れている、または落下しているかどうかを迅速に確定することは極めて重要である。床上に横たわっている場合には、患者がどの部屋にいるかが分かれば十分である。即ち、平(x、y)面については、さほど高精度で決定される必要はないが、垂直(z)軸は、患者が床に横たわっているか、椅子に座っているかを区別する必要がある。これは、水平面では高精度を提供するが、垂直軸で提供する精度は低い一般的な屋内リアルタイム位置情報システムの精度とは反対である。

加速度計は、一見して魅あるもののように思われる場合があるが、このような慣性系は姿勢推定(ジャイロを用いる)も必要とし、よってすぐに複雑になる。また慣性系は、速度および位置を達成すべく加速を積分するために、常時オンである必要もあり、よって、バッテリ電源式タグ用の電力を奪いすぎてしまう。

第1の態様によれば、本発明は、1つまたは複数の固定ベースユニットと1つまたは複数の移動体ユニットとを備える位置決定システムを提供し、本システムは、移動体ユニットの水平位置を、少なくとも1つのベースユニットに対する前記移動体ユニットの近接性を基礎として決定するように構成され、かつ本システムは、前記移動体ユニットの垂直位置を、移動体ユニットで検出される空気圧力および1つまたは複数のベースユニットで検出される空気圧力を基礎として決定するように構成される。

したがって、ベースユニットおよび移動体ユニットは、空気圧力を決定するための手段、たとえば空気圧力センサを備える。空気圧力センサを用いて移動体ユニットの高度(即ち、垂直軸位置またはz縦座標)を決定することにより、本システムは、先に述べた複雑さの追加、およびインフラを追加する経費負担を回避することができる。システムに空気圧力センサを導入する必要があるものの、これらは、既存のユニット、即ち移動体ユニットおよびベースユニットへ導入することができる。システムの垂直精度を高めるために、さらなるベースユニットを設置する必要はない。

実際に、水平(x、y)面での正確な位置決定(たとえば、先に述べたようにセンチメートルの精度まで)の保持を希望するシステムが多い中で、本システムでは、不要であればシステムハードウェアをさらに減らすことができる。たとえば、先に述べたように、状況によっては、部屋レベルの精度で足りる。これは、各部屋に1つのベースユニットによって達成することができる。ベースユニットは単に、移動体ユニットの存在または不在を決定できるだけである。あるいは、2つ以上のベースユニットが移動体ユニットを検出できる場合でも、部屋レベルでの位置は、信号強度によって容易に決定することができる。他の構成では、フロア毎にベースユニット1つだけの使用が可能な場合もある。

固定された(静止)位置にあって高度が既知であるベースユニットでの空気圧力を測定し、かつ移動性で高度が可変である移動体ユニットでの空気圧力を測定すれば、圧力の差を決定することができ、かつこれにより、高度の差を計算することができる。したがって、移動体ユニットの、ベースユニットの既知の高度に対する高度を決定することができる。

最近では、10cmまでの精度で高度を提供できる(即ち、10cm単位での垂直移動により生じる圧力変化を検出できる)、安価で低電力の空気圧力センサが利用可能となっている。移動体タグが患者の腕に装着される場合、患者が椅子に座っている状況と、床に倒れている状況とを区別するには、この精度で足りる。

空気圧力センサの読取り値は、元来、経時的にゆっくりとドリフトすることがある。このため、高度の決定が不正確になり、結果的に状況分析が不正確になる可能性がある(偽陽性または偽陰性の何れか)。センサの読取り値は、空気圧力の変化によって、かつセンサ内の温度または機械的応力によってもドリフトすることがある。たとえば、圧力センサは、典型的にはシリコンマイクロシステム技術を用いて製造され、よって、圧力センサが製造される材料間の膨張率の差、たとえばパッケージとセンサ自体との膨張率の差から応力が生じる可能性がある。このドリフトは、センサ固有のものである。したがって、好ましくは、位置決定システムは複数のベースユニットを備え、かつ本システムは、これらの複数のベースユニットの各々で検出される圧力の平均を基礎として基準圧力を決定するように構成される。複数のベースユニットからの読取り値を結合することにより、全体的な基準圧力を提供すべくセンサ固有のドリフトを平均することができる。システムに採用されるインフラに依存して、全てのベースユニットからの読取り値が結合される場合もあれば、ベースユニットがグループに形成され(たとえば、フロア毎に1グループ)、各グループの読取り値を組み合わせて複数の基準圧力が提供される場合もある。

移動体ユニットにおける空気圧力センサの読取り値も、経時的にドリフトする可能性がある。移動体ユニット毎に複数の圧力センサを準備することは実際的でなく、よって、上述の平均化スキームを採用することはできない。移動体ユニットの正確な読取り値を保証するためには、単に、定期的に手動で較正するという可能性もある。しかしながら、好ましくは、位置決定システムは少なくとも1つの高度基準ベースユニットを備え、かつ本システムは、移動体ユニットが前記高度基準ベースユニットにある程度近接して存在することが決定されると、その移動体ユニットが予め決められた移動体ユニットの基準高度で存在することを決定するように構成される。前記近接性の決定に応答して、システムは、移動体ユニットに、移動体ユニットの基準高度を基礎として較正を実行するように指示してもよい。

さらに説明すると、所定の状況においては、移動体ユニットは、所定の狭い高度帯内における存在を想定される可能性がある。たとえば、患者がドアを通過している、または廊下を通っている場合、患者は歩行中であると想定することができる。したがって、人の腕に装着される移動体ユニットは、床上のほぼ一貫した高度に存在する。このような時点では、移動体ユニットの高度は既知であり、かつその高度におけるその時点の空気圧力はベースユニットから既知であり、よって、移動体ユニット内の圧力センサは、ベースユニットと一致するように較正されることが可能である。これは、移動体ユニットへ補正情報を送信することによって行われても、その移動体ユニットから収集される全ての圧力データへ印加されるように、システムの他の場所へ補正情報を格納することによって行われてもよい。

好ましくは、移動体ユニットは、高度基準ベースユニットに近接近すると、通信速度を上げるように指示されることが可能である。これにより、システムは、移動体ユニットとベースユニットとが最も近くなるポイントを検出することができるようになり、より正確な較正の実行が可能となる。これらのユニットが互いに最接近するとき、2つのロケーションにおける圧力−高度の関係の類似性は最も高まる。

予め決められる高度は、タグ毎に異なってもよい。たとえば、人の身長は異なる可能性がある。したがって、これらの人々によって装着される移動体ユニット(タグ)は、異なる床上高度に位置合わせされる。結果的に、これらの人々が較正ゾーンを通過する場合、較正は、これらの異なる高度を考慮する必要がある。好ましくは、本システムで用いるための各移動体ユニットは固有の識別子を有し、よって本システムは、どの移動体ユニットが高度基準ベースユニットを通っているかを決定することができる。よって、システムは、較正を正しく実行するために、その識別子をデータベースで検索してその移動体ユニットの期待される高度を発見することができる。代替実施形態では、各移動体ユニットの期待される高度は、個々の移動体ユニットへプログラムされてもよい。よって、較正は、期待される高度のデータを移動体ユニットからベースユニットへ送信すること、または、圧力データをベースユニットから移動体ユニットへ送信することの何れかによって実行することができる。較正計算を実行するための処理は、移動体ユニット上、ベースユニット上、またはシステムへ接続される別個のプロセッサ上の何れかで実行することができる。

構成によっては、本システムは、高度較正ゾーンを備えてもよい。この高度較正ゾーンは、移動体ユニットの高度を確立できる任意の高度決定システムであることも可能である。高度決定システムは、移動体ユニットの高度を、前記移動体ユニットの前記複数のベースユニットの各々に対する近接性を基礎として決定することができるような位置合わせで構成される複数のベースユニットを備えてもよい。このようにして、圧力センサを用いることなく、正確な垂直軸位置を取得することができる。この高度決定に応答して、本システムは、移動体ユニットへ、移動体ユニットの決定された高度および/または基準圧力を基礎として較正を実行するように指示してもよい。較正は、後にさらに詳しく論じるように、サーバ上で、または移動体ユニット内で実行されてもよい。この構成は、正確な垂直軸を決定するための余分なインフラを必要とするが、このインフラを要するロケーションは、システム全体ではなく較正ゾーンに限られる。したがって、追加コストは最小限に抑えられる。

好ましくは、本システムは、システムに適合する1つまたは複数の基準を基礎として警報を発するように構成される。より好ましくは、前記基準の一つは、移動体ユニットから入手される情報に関連する。警報は、可聴警告(たとえば、サイレン)、視覚的警告(たとえば、閃光灯)またはコンピュータシステム上の警告(システムの一人または複数のユーザへ通知できる)の形式をとる可能性もある。また、警報は、一人または複数の人(たとえば、医療スタッフ)を呼び出す、または一人または複数の人(たとえば、親戚または友人)に電話連絡する、および録音されたメッセージを再生する、という形式をとる可能性もある。好ましくは、警報は、移動体ユニットの識別および移動体ユニットの現在位置を示すように構成される。これにより、警報応答者は、特定の移動体ユニットのロケーションへ迅速かつ効率的に向かうことができる。

好ましくは、1つの警報基準は、移動体ユニットの現在高度を基礎とする。先に述べたように、医療または介護環境では、この基準は、床に倒れている、または落下している患者を検出するために使用することができる。別の警報基準は、前記移動体ユニットのしきい値量、高度差および/または高度変化の速度を基礎とするものであってもよく、たとえば、高度の突然の変化は、患者が倒れ込んだことを示す可能性がある。

好ましい実施形態では、警報基準は、前記移動体ユニットの現在位置に依存する。たとえば、システムが、患者の緊急事態を、患者の倒れ込みを検出することによって検出するために使用されていれば、階段等、患者(および対応する移動体ユニット)が警報を発することなく床レベルへ降りかつさらに床レベルより下へ降りることが許容されるべき所定のゾーンを区別することが重要である。同様に、患者は、緊急事態ではない場合でも、椅子へ、またはヘッド上へ急に沈み込むことがある。

このような状況では、警報状況であることをより正確に決定するために、幾つかの異なるデータを組み合わせることができる。たとえば、高度データを高度変化データと組み合わせれば、たとえば、患者が急に降下したが床レベルには至っていないのかどうか、または、患者がゆっくりと、かつ(たとえば、何かを拾おうとして、またはベッドの下を見ようとして)故意に床レベルまで降下したのかどうかを確定することができる。不確かな状況においては、後にさらに詳述するように、さらなるデータが収集されてもよい。

ベースユニットおよび移動体ユニットは、超音波を介して通信するように構成されてもよく、即ち、これらは、個々の超音波送信機および/または受信機を装備する。あるいは、または追加的に、ベースユニットおよび移動体ユニットは、無線通信を介して通信するように構成されてもよく、即ち、これらは、個々の無線送信機および/または受信機を装備する。何れの場合も、通信は、一方向であっても、双方向であってもよい。状況が異なれば、通信セットアップは異なり得ることが好ましい。たとえば、電波は、固体を超音波より速く通過することができる。位置決定が、建物内部の一部屋レベルで実行されるべき状況では、近傍の部屋におけるセンサが移動体ユニットを検出する可能性は低いことから、超音波の方が好ましい。また、病院または介護環境では、電磁放射線も重要な内部機器を妨害する可能性があり、この場合も超音波の方が好ましい。あるいは、形状が不規則な部屋、または障害物が多く位置決めされ得る場所では、電磁放射線が好ましいことがある。

移動体ユニットの高度決定は、圧力データと、ベースユニットへの近接性に基づく高度決定との組み合わせを基礎としてもよい。たとえば、高度の粗推定は、圧力データを用いることなく、ベースユニットに対するロケーションを基礎として(たとえば、三角測量または三辺測量によって)取得されてもよい。次いで、高度のこの粗推定に圧力データ(より正確である可能性がある)を組み合わせれば、より正確な高度決定を行うことができる。様々なデータの組み合わせに際しては、センサフュージョン技術が採用されてもよい。

好適な実施形態では、追加的なベースユニットとして作用するために、定置型の移動体ユニットが配置されてもよい。移動体ユニットが、(たとえば、動きセンサによる、または外部位置検出器による決定の通りに)静止していれば、これは事実上、固定ベースユニットと同じ機能を提供することができる。こうした配置では、システムに余分なベースユニットを追加する複雑さ、および費用を発生させることなく、全ての静止した移動体ユニットを用いて基準圧力推定を向上させることができる。

好ましくは、移動体ユニットおよび/またはベースユニットは温度センサを備える。温度センサは、圧力センサの較正に使用することができる。

別の態様によれば、本発明は、位置決定システムにおいて用いるための移動体ユニットを提供し、前記移動体ユニットは、空気圧力センサと、前記空気圧力センサから前記システムへデータを送信するように構成される送信機とを備える。送信機は、超音波送信機であってもよい。

実施形態によっては、移動体ユニットは受信機を備え、かつ本ユニットは、指示または要求信号の受信に応答して、少なくとも前記圧力センサからのデータを含む位置データを送信するように適合化される。

好ましくは、移動体ユニットは較正指示を受信するように適合化され、かつ前記較正指示に応答して、移動体ユニットは、圧力センサを較正するように適合化される。較正指示は、少なくとも1つの基準圧力および/または1つの基準高度を含んでもよい。

圧力センサは、好ましくは、高度(標高)を最近30cmまで、より好ましくは最近20cmまで、より好ましくはさらに最近10cmまで決定することができる。

移動体ユニットおよびベースユニットは、好ましくは、空気圧力を定期的にサンプリングする。移動体ユニットは動きセンサを備えてもよく、かつ移動体ユニットは、動きセンサによって予め決められた時間内に移動体ユニットが移動していないことが検出されている場合には、空気圧力のサンプリング頻度を減らすように適合化されてもよい。頻度はゼロまで減らされてもよいが、ドリフトを補償するために、空気圧力は定期的にサンプリングされることが好ましい。移動体ユニットが静止している場合、全ての圧力変化は、センサのドリフトから、または大気圧の変化から導出するものと想定することができる。

好適な実施形態では、先に述べた移動体ユニットは、先に述べた位置決定システムの一部として使用される。

さらなる態様によれば、本発明は、先に述べたような位置決定システムを備える建物を提供し、本建物は、移動体ユニットを位置合わせするための1つまたは複数の監視ゾーンを備え、各監視ゾーンは、少なくとも1つのベースユニットを備える。好ましくは、少なくとも1つの監視ゾーンは、唯一のベースユニットを備える。1つまたは複数の監視ゾーンは各々、建物内の1つの部屋に対応してもよい。したがって、位置決定システムが設置された建物は、監視ユニットを部屋内までの精度で位置決めするために使用可能である。

インテリジェントビルは、ますます一般的になりつつあり、中央監視ステーションへデータを送信することができるセンサは、建物のますます多くのコンポーネントへ設置されている。このようなセンサは、特定の状況についての有益なさらなる指示を提供することができ、よって、これらのセンサをシステム論理へ組み入れれば、より信頼性の高い状況分析を提供することができる。これは、結果的に、偽陽性および/または偽陰性の決定を減らすことができる。一例として、検出される圧力データを基礎として患者の緊急事態を決定するシステムは、検出された部屋のドアが直後に閉められ、かつ電灯が消されれば、その状況は偽陽性である可能性が最も高いと決定することができる。したがって、好ましくは、位置決定システムは、建物内の1つまたは複数のセンサからデータを受信するように適合化され、センサは、電灯スイッチセンサ、動きセンサ、ドアセンサおよび電話活動センサのうちの少なくとも1つを含む。好ましくは、位置決定システムは、移動体ユニットによって1つまたは複数の基準が満たされることを基礎として、かつ前記建物センサの出力を基礎として警報を発するように適合化される。

別の態様によれば、本発明は、移動体ユニットの、1つまたは複数の固定ベースユニットに対する位置を決定する方法を提供し、本方法は、前記移動体ユニットの位置における空気圧力を測定することと、前記ベースユニットの位置における空気圧力を測定することと、移動体ユニットの前記ベースユニットへの近接性を測定することと、前記近接性の測定を基礎として、前記移動体ユニットの水平位置を決定することと、前記空気圧力の測定を基礎として、前記移動体ユニットの高度を決定することを含む。

これまで、好適な特徴を、一態様(たとえば、システム、移動体ユニット、建物または方法)に関連して説明してきたが、これらの機能が他の全ての態様に等しく適用可能であることは理解されるべきである。これまでに述べた異なる態様は、全て相互に関連するものであって、同じ全体システムの一部を形成する。

これまでに述べた特徴のうちの幾つかは、患者の緊急事態を検出するための病院または他の介護環境に関連して説明されているが、本システムを他の多くの状況へも適用できることは理解されるであろう。

ある例において、本システムは、在庫の機器またはアイテムの特定の一部を位置決めするための、かつ物品の置き違えを検出するための、機器または在庫品監視システムの一部として使用される可能性もある。たとえば、壊れやすいアイテムが、危険であるとされる所定の高度より上で移動していることが検出されれば、警報が発せられる可能性もある。

ある実施形態セットでは、本システムは、移動体ユニットが予め決められたゾーン内に存在し、かつその垂直座標の変化率がしきい値に満たない場合に警報を発するように構成される。このゾーンは、階段吹き抜け、傾斜路またはエレベータ通路、または、移動体ユニットの高度が所定の速度で変わる(増加または減少する)ことが予期され得るようなシステム構内の他の領域であってもよい。たとえば、本明細書の別の場所で説明しているように、ある介護環境において、階段の吹き抜けにおける患者は、階段を上がっている、または下りているものと予期される。患者に取り付けられた移動体ユニットが、患者がその垂直座標を変えていないことを示せば、これは、患者が困難な状態にあって、警報が発せられるべきであることを示している場合がある。本明細書で説明している他のシステムの場合のように、水平位置の決定は、さほど正確である必要はなく、単に部屋レベルの精度(たとえば、患者が位置決めされる階段吹き抜けを位置決めするに足る精度)であることも可能である。

このような構成は、それ自体で新規かつ発明的であり、よって、別の態様によれば、本発明は、1つまたは複数の移動体ユニットの三次元座標を決定するための三次元位置決定システムを備える監視システムを提供し、前記システムは、移動体ユニットの垂直座標の変化率が予め決められた値に満たなければシステムが警報を発するように構成される少なくとも1つのゾーンを含む。

このシステムにおいて、垂直座標は、任意の手段によって、たとえば、先に述べたような空気圧力センサによって、または超音波またはRF信号によって決定される可能性もある。

ある実施形態セットにおいて、上述の本発明の態様によるシステムは、さらに、移動体ユニットの垂直座標の変化率が予め決められた値より大きいときはシステムが警報を発する少なくとも1つのゾーンを含む。別の場所で述べているように、患者があるタイプのゾーンから他のタイプのゾーンへ移動すると警報を発するための条件が変わることから、本システムは、2つのタイプのゾーンを区別する必要がある。一般的な部屋では、患者は、ほとんど一定の高度のままであることが予期され、よって、この高度が急に変われば警報が発せられるべきである。

以下、本発明の好適な実施形態を、単なる例示として、かつ添付の図面を参照して説明する。

図1は、本発明による位置情報システムを備える建物の一フロアを示す。

図2は、移動体ユニットおよびベースユニットを示す略図である。

図1は、本発明を具現するリアルタイム位置情報システムが設置されている建物の一フロア100を示す。フロア100は、幾つかの別々の空間101から108までに分割されている。101は、上の階および/または下の階へと階段が上および/または下へ続いている階段吹き抜けである。102から107までは様々な部屋であり、108は廊下である。具体的には、部屋105は、オペレータ134によって監視され得る中央コンピュータ130を含む監視室である。しかしながら、コンピュータ130が、建物内部の他の場所、または完全に敷地外に位置決めされて、システムへは直接的な接続を介して、またはネットワークおよび/またはインターネット上で接続されてもよいことは認識されるべきである。

図2は、互いに通信状態にある移動体タグ140および基地局110を略示している。基地局110は、壁、床または天井等の建物の静止構造体へ固定されている。これは、受信機220と、送信機222とを有する。これらは、任意の種類の無線送信機および受信機であってもよいが、超音波または無線周波(RF)電磁通信の使用が最も便利である。電磁波は建物内の他の機器と干渉する可能性があることから、介護環境では、超音波が効果的である。また、超音波は壁を透過せず、よって、電磁送信に比べて、基地局同士または背景雑音からの干渉が低減される。また、超音波と電磁通信との組み合わせが使用されてもよい。

ベースユニット110は、空気圧力センサ224と、温度センサ226とを含む。これらは、別々に示されているが、実際には、2つのセンサが単一のセンサ回路上で結合される可能性もある。また、ベースユニット110は、プロセッサ228およびメモリ230も含む。プロセッサ228は、データを送受信するために送信機222および受信機220を制御し、かつ圧力および温度センサ224、226からのデータも読み取る。メモリ230は、処理手順の間に使用されてもよく、かつさらに、計算および/またはデータベース構造体(データが読み込まれていてもよく、読み込まれてなくてもよい)において使用するための予め決められた値またはしきい値等の履歴データおよび/またはプレロード値を格納してもよい。これらのデータ値は全て、作動中に更新されてもよい。

移動体ユニットまたはタグ140は、タグ140を人または物体へ付着するために使用することができるストラップ202上へ取り付けられる。好適な実施形態によっては、ストラップ202はアームバンドである。タグ140は、送信機204と、受信機206とを有する。ベースユニット110の場合と同様に、これらは、超音波トランスデューサまたはRFアンテナまたはこれらの組み合わせであってもよい。また、タグ140は、基地局110に類似する空気圧力センサ208および温度センサ210も有する。この場合もやはり、送信機204、受信機206、圧力センサ208および温度センサ210は全て、この場合もやはり使用可能なメモリ216を有するプロセッサ214によって作動される。さらに、後述するように使用するための動きセンサ212(同じく、プロセッサ214へ接続される)が装備される。

ユニット110、140は、圧力センサおよび温度センサ208、210、224、226として、VTIのSCP1000および/またはMEASスイスのMS5607を用いてもよい。これらのデバイスは、低電力であって比較的安く、かつ、10cm以内の高度測定精度を提供することができる。また、双方のユニットは、温度センサも組み込む。

まず、図1を参照して、インフラ全体を説明する。以下の説明は、タグ140が患者へ取り付けられ、かつシステムは患者が倒れ込むと緊急事態を検出するように構成される、介護環境に関連して行う。図中には、幾つかのタグ140a-dが、フロア内の異なるロケーションに示されている。

基地局(ベースユニット)110は、建物のフロア100毎に1つまたは複数が装備され、その各々が、空気圧力センサ224(図2に示されている)を含む。基地局110は、静止して位置決めされ、即ち、既知の固定位置に存在する。各基地局110の床上高度は、既知である。基地局110は、空気圧力を一定の時間間隔でサンプリングする。サンプリングの間隔は、ユニット110がバッテリ式であるか、外部電源式であるかに依存してもよい。

タグ(移動体ユニット)140は、患者へ、たとえばアームバンド202を介して取り付けられる。タグ140は、圧力センサ208(図2に示されている)も含む。タグ140における空気圧力は、超音波(US)または無線周波電磁放射線(RF)の何れかを介して送信され、システムは、タグ140と基地局110との間の空気圧力差を計算する。

高度Hは、

によって与えられる。但し、 Tは、ケルビン温度であり、 Pは、圧力であり、 P0は、一定の高度における基準圧力であり、 G=-dT/dHは、温度勾配の負の値であり、 Rは、比気体定数であり、 gは、重力加速度である。

圧力ベースユニットの近傍内の温度は一定である、あるいは、システムは、暖かい空気は天井へと上昇するという事実を基礎として温度を高度に応じて補正できるものと想定することができる。

全ての圧力ベースユニットが同じ高度にあるとすれば、その高度および対応する圧力は、基準の高度および圧力として使用されてもよい。概して、複数のベースユニットが異なる高度に存在すれば、各ユニットは、その測定された圧力を共通する基準高度(たとえば、床)における基準圧力へ変換しなければならない。

また、温度勾配も、異なる高度における、たとえば床および天井(または、設備における最も高い関連高度)における温度センサを用いて測定されてもよい。

部屋内の高度差を計算するためには、上述の公式を、

のように近似することができる。但し、Pは基準圧力であり、ΔPは、移動体ユニットとベースユニットとの間の圧力差である。

式(2)は、移動体ユニットへの実装がより簡単であると思われる、式(1)の低電力変形である。

故に、タグ140および基地局110における空気圧力の測定値は、二者間の高度差の尺度を提供する。基地局110の床上高度が分かれば、タグ140の床上高度を推測することができる。具体的には、タグ140(および患者)が床に倒れている可能性があるか否かを決定することができる。

空気圧力の測定値には、かなりのノイズが付随する。たとえば、センサ領域内の圧力は、人々の動作、ドアの開放、扇風機により発生する空気の循環等に起因する絶え間ない空気の移動によって、絶えず変わっていく。床上高度のロバストな測定値を得るためには、複数のサンプルの平均化、低域通過フィルタリングまたはカルマンフィルタリング等の信号調整が適用されてもよい。

空気圧力センサの読取り値は、元来、経時的にゆっくりとドリフトすることがある。同じフロア100上の空気圧力センサ224を有する複数の基地局110を用いれば、このドリフトは、(ドリフトがランダム性であり、幾つかの基地局で平均する場合には各基地局からのドリフトが相殺されるものと想定して)そのフロアの基準空気圧力を提供するために平均されることが可能である。

タグ140における空気圧力センサ208内のドリフトは、幾つかの方法で補償されることが可能である。タグ140の中には、タグ140が静止しているとタグ140をスリープモードに入らせるように用いることができる動きセンサ212を含むものがある。このモードでは、空気圧力は、ドリフトを補償するために時折サンプリングされることが可能である。空気圧力を較正しかつドリフトを補償するプロセスは、移動体ユニットが静止状態(移動体ユニットが動きセンサを有し、有していなければ節電のためにスリープ状態になるような場合)であるとしても背景で実行することができる。

実施形態によっては、タグが(たとえば、動きセンサによって示される通りに)静止している場合、タグは、基地局の役割を実行して、他の基地局と通信し、かつ基準圧力の推定を向上させ、かつインフラのコストを節約することができる。

移動体タグ140のセンサにおけるドリフトを補償する別の方法は、システムが部屋から部屋へ動きを検出する際の高度帯を想定することである。たとえば、患者の腕に取り付けられたタグ140は、患者が歩行中であることを決定できれば、比較的狭い高度帯に存在するものと想定することができる。このような配置は、図1の廊下108に示されていて、移動体ユニット140dが廊下を通っている。廊下108には、2つのベースユニット110が示されているが、この較正方法には一方のベースユニット110しか必要でないことは留意されるべきである。ユニット110は、タグ140dが近接近している(たとえば、しきい値距離内である)ことを検出すると、タグ140dを装着している患者がベースユニット110に近接して廊下内に存在し、よって歩行中であることはほぼ確実であると決定する。したがって、タグ140dは、何らかの予め決められた高度に存在するものと想定することができる。予め決められる高度は、(患者の身長に従って)患者毎に変わり、好ましくは、中央コンピュータ130上のデータベースに格納される。ユニット110は、そのタグ140dに関する予め決められた高度を要求するように中央コンピュータ130に(直接接続またはネットワーク上の何れか、および有線式または無線式の何れかを介して)接触する。各タグは、ユニット110によって読み取られかつ中央コンピュータ130へ送信されることが可能な固有の識別子を有する。中央コンピュータは、そのデータベースで識別子を検索し、適切な予め決められた高度をベースユニット110へ返す。あるいは、全ての較正計算を中央コンピュータ130で実行することができ、中央コンピュータ130は次に、較正値(圧力および/または高度)を基地局110へ返すことができる。

タグにデータを受信する能力があれば、ベースユニット110は、タグ140がそれ自体を較正し直すことができるように、較正データ(たとえば、現在高度および/または補正された圧力読取り値)をタグ140へ送信することができる。ある代替配置では、タグ140は、予め決められた高度を内部にプログラムしておくこと、たとえばメモリ216(ランダム・アクセス・メモリ、フラッシュメモリまたはこれらに類似するものである可能性がある)に格納しておくことも可能である。搭載プロセッサユニット214は、再較正計算を実行することができる。タグ140が着信するデータまたは指示を受信するようにセットアップされていなければ、これに再較正を指示することはできない。代わりに、タグ140dは、その圧力データを正常なものとしてベースユニット110へ送信し、ベースユニット110(または、中央コンピュータ130)は、この読取り値と、予め決められた高度に関して予期されるはずの読取り値との間の誤差を決定する。決定されるこの誤差は、タグ140dの固有の識別子と並べて(たとえば、中央コンピュータ130上のデータベースに)格納され、かつタグ140dから受信される全てのデータを補正するために使用可能である。較正は、タグ140dが再較正ゾーンを通過する度に再度実行されることが可能であり、データベースを補正データで更新することができる。

ドリフトを補償する別の方法は、フル3D測位用に計装されたゾーンを利用して、タグ140からの空気圧力読取り値を較正するというものである。このようなゾーンは、タグ140に関する正確な高度を決定するために、如何なる圧力データにも依存しない。これらのゾーンは、壁に取り付けられた3つのベースユニット110を有しかつ好ましくは、正確なz座標(即ち、床上高度)を提供するためにさらなるベースユニット110が天井または床に取り付けられている図1の部屋104内に示されているように、一般的な3D測位を目的として配備されることが可能である。較正は、先に述べたものと同様の方法で実行することができる。

タグ140が、たとえばドア、狭い廊下等であるポータルを通って移動するように強いられる場合、正確な高度測度を提供するために、高度推定インフラが特別に配備されてもよい。たとえば、垂直アレイに配列される一連の受信機(ベースユニット110である可能性もある)は、タグ140の通過に伴って、その近接性を同時に検出することも可能である。最も強い信号を受信する受信機は、タグ140の高度に最も近い高度における受信機であることが決定され、これにより、単純でしかも正確な高度検出方法が提供される。タグに双方向通信が取り付けられていれば、たとえば、タグ140がドアを通り抜ける際の正確な瞬間を捉えるために正確な位置推定を提供すべく、頻繁な更新モードへ入るようにタグに指示することができる。

落下(たとえば、患者の倒れ込み)の検出は、最も単純な実施形態では、単に床で、または床の近くで検出されるタグ140の高度を基礎として行うことができる。しかしながら、患者が何かを拾い上げるため、または低い位置の引き出しまたは戸棚を開けようとしてかがんでいる等、タグが床に、または床の近くに存在する理由は他にも存在することがある。したがって、タグの現在高度にのみ依存するシステムは偽陽性警報をトリガしやすく、即ち、システムは、状況がそれを必要としない場合に警報を発する可能性もある。しかしながら、このようなシステムは、偽陰性に対しては適度にロバストであり、即ちこれは、患者が床に倒れ込んでいるほとんどの状況について高信頼的に検出し、正しく警報を発するはずである。

もう少し高度なシステムにおいても、落下の検出は、基地局110における基準圧力とは独立して、やはり急な高度降下によってトリガされることが可能である。移動体ユニット140は、その固有データのみを基礎として自ら警報を発することができる。しかしながら、基地局110は、タグの始点高度および終了高度に関する付加的な情報を提供することができる。たとえば、基地局110は、タグが事実上床上で終わっていると確認することができる。インテリジェントシステムは、これらの情報の断片を結合し、高度の急な降下、並びに終了高度が床レベルである、または床レベルに近いという情報を基礎として警報を発することができる。

またさらに高度なシステムでは、屋内リアルタイム位置情報システムは、さらに、部屋内のゾーン分けを有してもよい。たとえば、図1の部屋104に示されているように、システムは、室内の異なるエリアを識別することができる。このようなエリアは、典型的な患者/タグの高度に関連づけることができるベッド、ソファ、椅子、段等が存在するエリアを含んでもよく、かつ高信頼的な警報を提供するための追加的なフィルタリング情報を提供することができる。図1に示されているように、部屋104内には2つの特別ゾーンが識別され(かつシステム内にプログラムされ)ている。第1のゾーン120は、ベッド122を含むゾーンである。患者がベッド122に横たわっていれば、タグ140は予測可能な高度帯内に存在するものと予期され、かつしばらくはその高度に留まるものと予期されることが可能である。第2のゾーン124は、テーブル126と、4脚の椅子128とを含む。この場合も、このゾーン124内のタグ140は、ほぼ所定の予測可能な高度帯内に留まるものと予測されることが可能であるが、人々の立ち座りに伴って急に上昇しかつ下降しやすい。しかしながら、タグ140の高度が床レベルで終わるはずはない。システムは、ここでも、時間情報と空間ゾーンとを組み合わせてもよく、たとえば、時間期間は、人がベッド122内にいること、またはテーブル126で食事をしていることが予期される場合で識別されてもよい。

図1の部屋107に示されているように、インテリジェントビルは、位置検出システムへデータを供給できる、かつ警報事態の決定に際して使用可能な幾つかの他のセンサを装備している場合がある。部屋107は、動きセンサ150(たとえば、盗難警報システムに使用され得るもの等の赤外線、超音波またはレーダ式動き検出器)と、電灯の現在状態(オン/オフ)を示す電灯スイッチセンサ152と、ドアが開いているか、閉まっているかを示すドアセンサ154とを含む。これらが、使用可能なセンサの単なる例であって、システムには、他の多くのものも同じく容易に組み込まれ得ることは認識されるであろう。

このセンサデータの全てをシステムが利用可能であることにより、利用可能な全てのセンサ読取り値、たとえば、(タグ140およびベースユニット110における)空気圧力、タグ140からの超音波および/またはRF信号、および電話活動、盗難警報からの動作証拠、電灯スイッチの操作、ドアの開放およびインテリジェントビル内の他のセンサ等の他の指針を包含する実体論理を構築することができる。落下検出警報が高信頼でなければならないことは、認識されるであろう。在宅介護の設定では、警報がオフに設定されると緊急事態手順が開始されることから、偽陽性に関してコスト高が存在する。同様に、適切な注意を払われない人にとって、偽陰性は致命的となることがある。概して、利用可能な情報が多いほど、状況をより確実に決定することができる。

屋内リアルタイム位置情報システムが、落下検出警報の検証にも使用可能である、ドップラー偏移を介する動き検出のような追加情報を提供できることは認識されるであろう。

状況によっては、警報事態を決定するための論理が、ロケーションに依存して著しく異なる可能性がある。具体的には、専用の論理を有する階段のためのゾーンであり、よってタグが床レベルへ向かって(かつ床レベルを通って)降下する場合でも警報のないゾーンが存在する可能性もある。同時に、階段ゾーン内部では、高度に関わりなく、その高度が一定のままであれば、または高度の低減が急すぎる場合には、警報が発せられるべきである。

概して、空気圧力センサは、二次元測位用に配備されたインフラにおいて三次元測位を許容するように使用されることが可能である。この設定は、これまでに概説した落下検出の場合に有益であるだけでなく、三次元測位が有益である全ての状況で使用可能である。このような状況でも、やはり、追加的な超音波またはRFベースユニットの代わりに圧力センサを用いる費用便益が当てはまる。

また、空気圧力センサを用いて移動体ユニット140の高度を検出する上述の原理は、配備される測位原理のタイプとは独立して任意のRTLSと効果的に組み合わされ得ることも認識されるであろう。さらに、これまでに述べたタグ140および基地局110は、既存のタグ(圧力センサなし)と、または二次元インフラと容易に、圧力情報を用いることなく単純に相互作用することができる。同様に、既存の二次元インフラは、既存のベースユニットへ圧力センサを追加することにより、または、旧のベースユニットを新しいものに交換することによって容易かつ都合良く単純にアップグレードされることが可能である。このようなアップグレードでは、フル三次元測位を提供するために追加ユニットを据え付ける必要がない。

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