情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

申请号 JP2016082145 申请日 2016-10-28 公开(公告)号 JPWO2017134880A1 公开(公告)日 2018-08-09
申请人 富士フイルム株式会社; 发明人 増田 智紀;
摘要 実行部は、照射 位置 画素座標により特定される画素の位置が第1及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素と異なる画素の位置の場合に、第1及び第2撮像画像の各々において、実空間上で 指向性 光が照射された照射位置と同一の平面状領域に存在し、かつ、互いに対応する位置で特定可能な3画素以上の複数画素座標と、照射位置実空間座標と、焦点距離と、撮像画素の寸法と、に基づいて撮像位置距離を導出する導出処理を実行する。
权利要求

被写体が第1撮像位置から撮像されて得られた第1撮像画像と、前記被写体が前記第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像されて得られた第2撮像画像と、前記第1撮像位置に対応する位置から指向性のある光である指向性光が前記被写体に射出されて前記指向性光の反射光が受光されることにより計測された前記被写体までの距離と、を取得する取得部と、 前記取得部により取得された前記距離に基づいて、前記指向性光による前記被写体に対する実空間上での照射位置を特定する照射位置実空間座標、並びに、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において、前記照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する照射位置画素座標を導出する導出部と、 前記照射位置画素座標により特定される画素の位置が前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素と異なる画素の位置である位置特定不可能状態の場合に、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において、実空間上で前記指向性光が照射された照射位置と同一の平面状領域に存在し、かつ、互いに対応する位置で特定可能な3画素以上の複数画素を特定する複数の座標である複数画素座標と、前記照射位置実空間座標と、前記被写体の撮像に用いられた撮像レンズの焦点距離と、前記被写体を撮像する撮像画素群に含まれる撮像画素の寸法と、に基づいて前記第1撮像位置と前記第2撮像位置との距離である撮像位置距離を導出する導出処理を実行する実行部と、 を含む情報処理装置。前記実行部は、前記位置特定不可能状態の場合に、前記位置特定不可能状態であることを通知する位置特定不可能状態通知処理を更に実行する請求項1に記載の情報処理装置。前記実行部は、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において実空間上での位置が対応する画素として指定された指定画素の位置に対応する実空間上での位置の座標である指定画素実空間座標を前記撮像位置距離に基づいて導出する処理を実行する請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。前記指定画素実空間座標は、前記撮像位置距離と、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において、前記指定画素として互いに対応する位置で特定可能な画素を特定する指定画素座標と、前記焦点距離と、前記寸法と、に基づいて規定された請求項3に記載の情報処理装置。前記導出処理は、前記複数画素座標、前記焦点距離、及び前記寸法に基づいて、前記複数画素座標に対応する実空間上での座標を含む平面を示す平面方程式により規定される前記平面の向きを導出し、導出した前記向きと前記照射位置実空間座標とに基づいて前記平面方程式を確定し、確定した前記平面方程式と、前記複数画素座標と、前記焦点距離と、前記寸法とに基づいて前記撮像位置距離を導出する処理である請求項1から請求項4の何れか一項に記載の情報処理装置。被写体が第1撮像位置から撮像されて得られた第1撮像画像と、前記被写体が前記第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像されて得られた第2撮像画像と、前記第1撮像位置に対応する位置から指向性のある光である指向性光が前記被写体に射出されて前記指向性光の反射光が受光されることにより計測された前記被写体までの距離と、を取得する取得部と、 前記取得部により取得された前記距離に基づいて、前記指向性光による前記被写体に対する実空間上での照射位置を特定する照射位置実空間座標、並びに、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において、前記照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する照射位置画素座標を導出する導出部と、 前記照射位置画素座標により特定される画素の位置が前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素の位置である位置特定可能状態の場合に、前記照射位置実空間座標と、前記照射位置画素座標と、前記被写体の撮像に用いられた撮像レンズの焦点距離と、前記被写体を撮像する撮像画素群に含まれる撮像画素の寸法と、に基づいて撮像位置距離を導出する導出処理を実行する実行部と、 を含む情報処理装置。前記実行部は、前記照射位置画素座標により特定される画素の位置が前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素と異なる画素の位置である位置特定不可能状態の場合に、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において、実空間上で前記指向性光が照射された照射位置と同一の平面状領域に存在し、かつ、互いに対応する位置で特定可能な3画素以上の複数画素を特定する複数の座標である複数画素座標と、前記照射位置実空間座標と、前記焦点距離と、前記寸法と、に基づいて前記撮像位置距離を導出する複数画素使用導出処理を実行し、 前記導出処理は、前記複数画素使用導出処理による前記撮像位置距離の導出で用いられるパラメータの個数よりも少ない複数のパラメータに基づいて前記撮像位置距離を導出する処理である請求項6に記載の情報処理装置。前記実行部は、前記位置特定可能状態の場合に、前記位置特定可能状態であることを通知する位置特定可能状態通知処理を更に実行する請求項6又は請求項7に記載の情報処理装置。前記指向性光を射出し、前記反射光を受光することにより前記距離を計測する計測部を更に含み、 前記取得部は、前記計測部により計測された前記距離を取得する請求項1から請求項8の何れか一項に記載の情報処理装置。前記被写体を撮像する撮像部を更に含み、 前記取得部は、前記被写体が前記第1撮像位置から前記撮像部により撮像されて得られた前記第1撮像画像、及び前記被写体が前記第2撮像位置から前記撮像部により撮像されて得られた前記第2撮像画像を取得する請求項1から請求項9の何れか一項に記載の情報処理装置。表示部に対して前記実行部による導出結果を表示させる制御を行う制御部を更に含む請求項1から請求項10の何れか一項に記載の情報処理装置。被写体が第1撮像位置から撮像されて得られた第1撮像画像と、前記被写体が前記第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像されて得られた第2撮像画像と、前記第1撮像位置に対応する位置から指向性のある光である指向性光が前記被写体に射出されて前記指向性光の反射光が受光されることにより計測された前記被写体までの距離と、を取得し、 取得した前記距離に基づいて、前記指向性光による前記被写体に対する実空間上での照射位置を特定する照射位置実空間座標、並びに、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において、前記照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する照射位置画素座標を導出し、 前記照射位置画素座標により特定される画素の位置が前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素と異なる画素の位置である位置特定不可能状態の場合に、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において、実空間上で前記指向性光が照射された照射位置と同一の平面状領域に存在し、かつ、互いに対応する位置で特定可能な3画素以上の複数画素を特定する複数の座標である複数画素座標と、前記照射位置実空間座標と、前記被写体の撮像に用いられた撮像レンズの焦点距離と、前記被写体を撮像する撮像画素群に含まれる撮像画素の寸法と、に基づいて前記第1撮像位置と前記第2撮像位置との距離である撮像位置距離を導出する導出処理を実行することを含む情報処理方法。被写体が第1撮像位置から撮像されて得られた第1撮像画像と、前記被写体が前記第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像されて得られた第2撮像画像と、前記第1撮像位置に対応する位置から指向性のある光である指向性光が前記被写体に射出されて前記指向性光の反射光が受光されることにより計測された前記被写体までの距離と、を取得し、 取得した前記距離に基づいて、前記指向性光による前記被写体に対する実空間上での照射位置を特定する照射位置実空間座標、並びに、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において、前記照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する照射位置画素座標を導出し、 前記照射位置画素座標により特定される画素の位置が前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素の位置である位置特定可能状態の場合に、前記照射位置実空間座標と、前記照射位置画素座標と、前記被写体の撮像に用いられた撮像レンズの焦点距離と、前記被写体を撮像する撮像画素群に含まれる撮像画素の寸法と、に基づいて撮像位置距離を導出する導出処理を実行することを含む情報処理方法。コンピュータに、 被写体が第1撮像位置から撮像されて得られた第1撮像画像と、前記被写体が前記第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像されて得られた第2撮像画像と、前記第1撮像位置に対応する位置から指向性のある光である指向性光が前記被写体に射出されて前記指向性光の反射光が受光されることにより計測された前記被写体までの距離と、を取得し、 取得した前記距離に基づいて、前記指向性光による前記被写体に対する実空間上での照射位置を特定する照射位置実空間座標、並びに、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において、前記照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する照射位置画素座標を導出し、 前記照射位置画素座標により特定される画素の位置が前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素と異なる画素の位置である位置特定不可能状態の場合に、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において、実空間上で前記指向性光が照射された照射位置と同一の平面状領域に存在し、かつ、互いに対応する位置で特定可能な3画素以上の複数画素を特定する複数の座標である複数画素座標と、前記照射位置実空間座標と、前記被写体の撮像に用いられた撮像レンズの焦点距離と、前記被写体を撮像する撮像画素群に含まれる撮像画素の寸法と、に基づいて前記第1撮像位置と前記第2撮像位置との距離である撮像位置距離を導出する導出処理を実行することを含む処理を実行させるためのプログラム。コンピュータに、 被写体が第1撮像位置から撮像されて得られた第1撮像画像と、前記被写体が前記第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像されて得られた第2撮像画像と、前記第1撮像位置に対応する位置から指向性のある光である指向性光が前記被写体に射出されて前記指向性光の反射光が受光されることにより計測された前記被写体までの距離と、を取得し、 取得した前記距離に基づいて、前記指向性光による前記被写体に対する実空間上での照射位置を特定する照射位置実空間座標、並びに、前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において、前記照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する照射位置画素座標を導出し、 前記照射位置画素座標により特定される画素の位置が前記第1撮像画像及び前記第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素の位置である位置特定可能状態の場合に、前記照射位置実空間座標と、前記照射位置画素座標と、前記被写体の撮像に用いられた撮像レンズの焦点距離と、前記被写体を撮像する撮像画素群に含まれる撮像画素の寸法と、に基づいて撮像位置距離を導出する導出処理を実行することを含む処理を実行させるためのプログラム。

说明书全文

本開示の技術は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。

特開2012−27000号公報には、単一のカメラで被計測対象上の特徴点の3次元位置座標を導出する画像計測処理装置が開示されている。特開2012−27000号公報に記載の画像計測処理装置では、次のステップ1〜5により、3次元位置座標を導出する。

ステップ1で、画像計測処理装置は、カメラの内部標定要素と被計測対象物の少なくとも4つの特徴点の実座標とを予め記憶する。ステップ2で、画像計測処理装置は、カメラにより撮像されて得られた画像であって、4つの特徴点をカメラ視野内に含む画像を取り込む。ステップ3で、画像計測処理装置は、取り込んだ画像上の特徴点のカメラビュー座標について内部標定要素に基づき画像上の歪みを補正する。ステップ4で、画像計測処理装置は、特徴点のカメラビュー座標及び実座標から画像撮影時の被計測対象物を基準とした座標系におけるカメラ位置及びカメラ度を導出する。ステップ5で、画像計測処理装置は、導出したカメラ位置及びカメラ角度を基準位置及び基準角度にする座標変換を実行することで、カメラ基準の座標系における特徴点の3次元座標を導出する。

特開2013−122434号公報には、レーザ光を照射する照射光源を有する照射手段が固定された単眼の撮像装置を備えた3次元位置計測装置が開示されている。

特開2013−122434号公報に記載の3次元位置計測装置は、校正プレートにレーザ光を照射しつつ、校正プレートを移動させて校正プレートを被写体として撮像するか、又は、撮像装置を移動させて2箇所の撮像位置から校正プレートを被写体として撮像する。また、特開2013−122434号公報に記載の3次元位置計測装置は、撮像して得た各画像から、各画像でのレーザ光の照射位置の3次元座標を算出し、レーザ光の方向ベクトル又は平面方程式を算出する。そして、特開2013−122434号公報に記載の3次元位置計測装置は、算出した方向ベクトル又は平面方程式を用いて、レーザ光の被照射物体の3次元座標を算出する。

国際公開第97/06406号公報には、基準面からレーザ光の照射位置までの距離を計測する距離計測装置が開示されている。国際公開第97/06406号公報に記載の距離計測装置は、計測対象とする物体表面の特徴に応じて計測に誤差が生じることに着目し、撮像画像のエッジ画像を生成し、生成したエッジ画像に基づいて空間の各要素の座標位置の中から物体の輪郭を示す座標位置を特定する。

しかしながら、特開2012−27000号公報、特開2013−122434号公報、及び国際公開第97/06406号公報に記載の技術は何れも、撮像されて得られた撮像画像内に特定可能な特徴点が存在していることが前提の技術であり、特定可能な特徴点が存在しない被写体に対して撮像が行われた場合には、3次元座標を導出することができない。なお、ここで言う「3次元座標」とは、被写体における指定された位置を特定する3次元座標を指す。

3次元座標を導出する他の方法としては、測距及び撮像を行う機能を有する測距装置により、第1撮像画像、第2撮像画像、及び撮像位置距離に基づいて3次元座標を導出する方法が考えられる。なお、測距とは、計測対象となる被写体に向けて射出されたレーザ光の往復時間を基に被写体までの距離を計測することを指す。また、第1撮像画像とは、被写体が第1撮像位置から撮像されて得られた画像を指し、第2撮像画像とは、第1撮像位置からの撮像対象とされた被写体を含む被写体が第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像されて得られた画像を指す。また、撮像位置距離とは、第1撮像位置と第2撮像位置との距離を指す。

ところで、第1撮像画像、第2撮像画像、及び撮像位置距離に基づいて3次元座標を導出する場合、撮像位置距離を精度良く導出する必要がある。被写体に特定可能な特徴点が含まれている場合、特定可能な特徴点を計測対象として測距を行い、特定可能な特徴点を含む被写体を異なる撮像位置の各々から撮像することができれば、撮像位置距離を導出することが可能となる。

しかし、必ずしも被写体に特定可能な特徴点が存在しているわけではない。また、仮に、被写体に特定可能な特徴点が存在していたとしても、測距装置内の部品の交換又は画角の変更等により、レーザ光の実際の照射位置が被写体での特定可能な特徴点と一致しなくなることが考えられる。逆に、レーザ光の実際の照射位置が被写体での特定可能な特徴点と一致することも考えられる。このような異なる状態が起こる可能性があるにも拘わらず、レーザ光の照射位置を何ら考慮せずに撮像位置距離が導出されると、正確性を欠いた撮像位置距離が3次元座標の導出に供される虞がある。

本発明の一つの実施形態は、指向性光の照射位置を考慮しない場合に比べ、撮像位置距離を高精度に導出することができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供する。

本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、被写体が第1撮像位置から撮像されて得られた第1撮像画像と、被写体が第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像されて得られた第2撮像画像と、第1撮像位置に対応する位置から指向性のある光である指向性光が被写体に射出されて指向性光の反射光が受光されることにより計測された被写体までの距離と、を取得する取得部と、取得部により取得された距離に基づいて、指向性光による被写体に対する実空間上での照射位置を特定する照射位置実空間座標、並びに、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する照射位置画素座標を導出する導出部と、照射位置画素座標により特定される画素の位置が第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素と異なる画素の位置である位置特定不可能状態の場合に、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、実空間上で指向性光が照射された照射位置と同一の平面状領域に存在し、かつ、互いに対応する位置で特定可能な3画素以上の複数画素を特定する複数の座標である複数画素座標と、照射位置実空間座標と、被写体の撮像に用いられた撮像レンズの焦点距離と、被写体を撮像する撮像画素群に含まれる撮像画素の寸法と、に基づいて第1撮像位置と第2撮像位置との距離である撮像位置距離を導出する導出処理を実行する実行部と、を含む。

従って、本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、指向性光の照射位置を考慮しない場合に比べ、撮像位置距離を高精度に導出することができる。

本発明の第2の態様に係る情報処理装置は、本発明の第1の態様に係る情報処理装置において、実行部は、位置特定不可能状態の場合に、位置特定不可能状態であることを通知する位置特定不可能状態通知処理を更に実行する、とされている。

従って、本発明の第2の態様に係る情報処理装置は、照射位置画素座標により特定される画素の位置が第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素と異なる画素の位置であることをユーザに認識させることができる。

本発明の第3の態様に係る情報処理装置は、本発明の第1の態様又は第2の態様に係る情報処理装置において、実行部は、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において実空間上での位置が対応する画素として指定された指定画素の位置に対応する実空間上での位置の座標である指定画素実空間座標を撮像位置距離に基づいて導出する処理を実行する、とされている。

従って、本発明の第3の態様に係る情報処理装置は、指向性光の照射位置を考慮せずに撮像位置距離を導出する場合に比べ、指定画素実空間座標を高精度に導出することができる。

本発明の第4の態様に係る情報処理装置は、本発明の第3の態様に係る情報処理装置において、指定画素実空間座標は、撮像位置距離と、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、指定画素として互いに対応する位置で特定可能な画素を特定する指定画素座標と、焦点距離と、寸法と、に基づいて規定された、とされている。

従って、本発明の第4の態様に係る情報処理装置は、指定画素実空間座標が撮像位置距離、指定画素座標、撮像レンズの焦点距離、及び撮像素子の寸法に基づいて規定されない場合に比べ、指定画素実空間座標を高精度に導出することができる。

本発明の第5の態様に係る情報処理装置は、本発明の第1の態様から第4の態様の何れか1つの態様において、導出処理は、複数画素座標、焦点距離、及び寸法に基づいて、複数画素座標に対応する実空間上での座標を含む平面を示す平面方程式により規定される平面の向きを導出し、導出した向きと照射位置実空間座標とに基づいて平面方程式を確定し、確定した平面方程式と、複数画素座標と、焦点距離と、寸法とに基づいて撮像位置距離を導出する処理である、とされている。

従って、本発明の第5の態様に係る情報処理装置は、導出処理で平面方程式を用いずに撮像位置距離を導出する場合に比べ、導出処理で撮像位置距離を高精度に導出することができる。

本発明の第6の態様に係る情報処理装置は、被写体が第1撮像位置から撮像されて得られた第1撮像画像と、被写体が第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像されて得られた第2撮像画像と、第1撮像位置に対応する位置から指向性のある光である指向性光が被写体に射出されて指向性光の反射光が受光されることにより計測された被写体までの距離と、を取得する取得部と、取得部により取得された距離に基づいて、指向性光による被写体に対する実空間上での照射位置を特定する照射位置実空間座標、並びに、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する照射位置画素座標を導出する導出部と、照射位置画素座標により特定される画素の位置が第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素の位置である位置特定可能状態の場合に、照射位置実空間座標と、照射位置画素座標と、被写体の撮像に用いられた撮像レンズの焦点距離と、被写体を撮像する撮像画素群に含まれる撮像画素の寸法と、に基づいて撮像位置距離を導出する導出処理を実行する実行部と、を含む。

従って、本発明の第6の態様に係る情報処理装置は、指向性光の照射位置を考慮せずに撮像位置距離を導出する場合に比べ、撮像位置距離を高精度に導出することができる。

本発明の第7の態様に係る情報処理装置は、本発明の第6の態様に係る情報処理装置において、実行部は、照射位置画素座標により特定される画素の位置が第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素と異なる画素の位置である位置特定不可能状態の場合に、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、実空間上で指向性光が照射された照射位置と同一の平面状領域に存在し、かつ、互いに対応する位置で特定可能な3画素以上の複数画素を特定する複数の座標である複数画素座標と、照射位置実空間座標と、焦点距離と、寸法と、に基づいて撮像位置距離を導出する複数画素使用導出処理を実行し、導出処理は、複数画素使用導出処理による撮像位置距離の導出で用いられるパラメータの個数よりも少ない複数のパラメータに基づいて撮像位置距離を導出する処理である、とされている。

従って、本発明の第7の態様に係る情報処理装置は、常に複数画素使用導出処理で撮像位置距離を導出する場合に比べ、撮像位置距離を低負荷で導出することができる。

本発明の第8の態様に係る情報処理装置は、本発明の第6の態様又は第7の態様に係る情報処理装置において、実行部は、位置特定可能状態の場合に、位置特定可能状態であることを通知する位置特定可能状態通知処理を更に実行する、とされている。

従って、本発明の第8の態様に係る情報処理装置は、照射位置画素座標により特定される画素の位置が第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素の位置であることをユーザに認識させることができる。

本発明の第9の態様に係る情報処理装置は、本発明の第1の態様から第8の態様の何れか1つの態様に係る情報処理装置において、指向性光を射出し、反射光を受光することにより距離を計測する計測部を更に含み、取得部は、計測部により計測された距離を取得する、とされている。

従って、本発明の第9の態様に係る情報処理装置は、計測部により計測された距離を射位置座標及び照射位置画素座標の導出に用いることができる。

本発明の第10の態様に係る情報処理装置は、本発明の第1の態様から第9の態様の何れか1つの態様に係る情報処理装置において、被写体を撮像する撮像部を更に含み、取得部は、被写体が第1撮像位置から撮像部により撮像されて得られた第1撮像画像、及び被写体が第2撮像位置から撮像部により撮像されて得られた第2撮像画像を取得する、とされている。

従って、本発明の第10の態様に係る情報処理装置は、撮像部により撮像されて得られた第1撮像画像及び第2撮像画像を撮像位置距離の導出に用いることができる。

本発明の第11の態様に係る情報処理装置は、本発明の第1の態様から第10の態様の何れか1つの態様に係る情報処理装置において、表示部に対して実行部による導出結果を表示させる制御を行う制御部を更に含む。

従って、本発明の第11の態様に係る情報処理装置は、実行部による導出結果が表示部によって表示されない場合に比べ、実行部による導出結果をユーザに容易に認識させることができる。

本発明の第12の態様に係る情報処理方法は、被写体が第1撮像位置から撮像されて得られた第1撮像画像と、被写体が第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像されて得られた第2撮像画像と、第1撮像位置に対応する位置から指向性のある光である指向性光が被写体に射出されて指向性光の反射光が受光されることにより計測された被写体までの距離と、を取得し、取得した距離に基づいて、指向性光による被写体に対する実空間上での照射位置を特定する照射位置実空間座標、並びに、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する照射位置画素座標を導出し、照射位置画素座標により特定される画素の位置が第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素と異なる画素の位置である位置特定不可能状態の場合に、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、実空間上で指向性光が照射された照射位置と同一の平面状領域に存在し、かつ、互いに対応する位置で特定可能な3画素以上の複数画素を特定する複数の座標である複数画素座標と、照射位置実空間座標と、被写体の撮像に用いられた撮像レンズの焦点距離と、被写体を撮像する撮像画素群に含まれる撮像画素の寸法と、に基づいて第1撮像位置と第2撮像位置との距離である撮像位置距離を導出する導出処理を実行することを含む。

従って、本発明の第12の態様に係る情報処理方法は、指向性光の照射位置を考慮しない場合に比べ、撮像位置距離を高精度に導出することができる。

本発明の第13の態様に係る情報処理方法は、被写体が第1撮像位置から撮像されて得られた第1撮像画像と、被写体が第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像されて得られた第2撮像画像と、第1撮像位置に対応する位置から指向性のある光である指向性光が被写体に射出されて指向性光の反射光が受光されることにより計測された被写体までの距離と、を取得し、取得した距離に基づいて、指向性光による被写体に対する実空間上での照射位置を特定する照射位置実空間座標、並びに、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する照射位置画素座標を導出し、照射位置画素座標により特定される画素の位置が第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素の位置である位置特定可能状態の場合に、照射位置実空間座標と、照射位置画素座標と、被写体の撮像に用いられた撮像レンズの焦点距離と、被写体を撮像する撮像画素群に含まれる撮像画素の寸法と、に基づいて撮像位置距離を導出する導出処理を実行することを含む。

従って、本発明の第13の態様に係る情報処理方法は、指向性光の照射位置を考慮しない場合に比べ、撮像位置距離を高精度に導出することができる。

本発明の第14の態様に係るプログラムは、コンピュータに、被写体が第1撮像位置から撮像されて得られた第1撮像画像と、被写体が第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像されて得られた第2撮像画像と、第1撮像位置に対応する位置から指向性のある光である指向性光が被写体に射出されて指向性光の反射光が受光されることにより計測された被写体までの距離と、を取得し、取得した距離に基づいて、指向性光による被写体に対する実空間上での照射位置を特定する照射位置実空間座標、並びに、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する照射位置画素座標を導出し、照射位置画素座標により特定される画素の位置が第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素と異なる画素の位置である位置特定不可能状態の場合に、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、実空間上で指向性光が照射された照射位置と同一の平面状領域に存在し、かつ、互いに対応する位置で特定可能な3画素以上の複数画素を特定する複数の座標である複数画素座標と、照射位置実空間座標と、被写体の撮像に用いられた撮像レンズの焦点距離と、被写体を撮像する撮像画素群に含まれる撮像画素の寸法と、に基づいて第1撮像位置と第2撮像位置との距離である撮像位置距離を導出する導出処理を実行することを含む処理を実行させるためのプログラム、とされている。

従って、本発明の第14の態様に係るプログラムは、指向性光の照射位置を考慮しない場合に比べ、撮像位置距離を高精度に導出することができる。

本発明の第15の態様に係るプログラムは、コンピュータに、被写体が第1撮像位置から撮像されて得られた第1撮像画像と、被写体が第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像されて得られた第2撮像画像と、第1撮像位置に対応する位置から指向性のある光である指向性光が被写体に射出されて指向性光の反射光が受光されることにより計測された被写体までの距離と、を取得し、取得した距離に基づいて、指向性光による被写体に対する実空間上での照射位置を特定する照射位置実空間座標、並びに、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する照射位置画素座標を導出し、照射位置画素座標により特定される画素の位置が第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素の位置である位置特定可能状態の場合に、照射位置実空間座標と、照射位置画素座標と、被写体の撮像に用いられた撮像レンズの焦点距離と、被写体を撮像する撮像画素群に含まれる撮像画素の寸法と、に基づいて撮像位置距離を導出する導出処理を実行することを含む処理を実行させるためのプログラム、とされている。

従って、本発明の第15の態様に係るプログラムは、指向性光の照射位置を考慮しない場合に比べ、撮像位置距離を高精度に導出することができる。

本発明の一つの実施形態によれば、指向性光の照射位置を考慮しない場合に比べ、撮像位置距離を高精度に導出することができる、という効果が得られる。

第1〜第5実施形態に係る測距装置の外観の一例を示す正面図である。

第1〜第4実施形態に係る測距装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。

第1〜第6実施形態に係る測距装置による計測シーケンスの一例を示すタイムチャートである。

第1〜第6実施形態に係る測距装置による1回の計測を行う場合に要するレーザトリガ、発光信号、受光信号、及びカウント信号の一例を示すタイムチャートである。

第1〜第6実施形態に係る測距装置による計測シーケンスで得られた計測値のヒストグラム(被写体までの距離(計測値)を横軸とし、計測回数を縦軸とした場合のヒストグラム)の一例を示すグラフである。

第1〜第6実施形態に係る測距装置に含まれる主制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。

第1〜第4実施形態及び第6実施形態に係る測距装置と被写体との位置関係の一例を示す概略平面図である。

被写体の一部、第1撮像画像、第2撮像画像、第1撮像位置での撮像レンズの主点、及び第2撮像位置での撮像レンズの主点の位置関係の一例を示す概念図である。

第1〜第6実施形態に係るCPUの要部機能の一例を示すブロック図である。

第1〜第6実施形態に係る照射位置実空間座標の導出方法の説明に供する図である。

第1〜第6実施形態に係る照射位置画素座標の導出方法の説明に供する図である。

第1実施形態に係る撮像位置距離導出処理の流れの一例を示すフローチャートである。

第1実施形態に係る撮像位置距離導出処理に含まれる第1導出処理の流れの一例を示すフローチャートである。

第1実施形態に係る撮像位置距離導出処理に含まれる第2導出処理の流れの一例を示すフローチャートである。

第1〜第6実施形態に係る撮像装置の撮影範囲に含まれる被写体の一例を示す概念図である。

第1実施形態に係る撮像装置により撮像されて得られた第1撮像画像の一例を示す概略画像図である。

第1実施形態に係る撮像装置により撮像されて得られた第1撮像画像であって、照射位置目印及び被写体までの距離が重畳表示された第1撮像画像の一例を示す概略画像図である。

第1実施形態に係る撮像装置により撮像されて得られた第1撮像画像であって、一致メッセージが重畳表示された第1撮像画像の一例を示す概略画像図である。

第1実施形態に係る撮像装置により撮像されて得られた第1撮像画像であって、不一致メッセージが重畳表示された第1撮像画像の一例を示す概略画像図である。

第1実施形態に係る撮像装置により撮像されて得られた第1撮像画像であって、注目画素が指定された状態の第1撮像画像の一例を示す概略画像図である。

第1実施形態に係る撮像装置により撮像されて得られた第1撮像画像であって、注目画素及び第1〜第3画素が特定された状態の第1撮像画像の一例を示す概略画像図である。

第1実施形態に係る撮像装置により撮像されて得られた第2撮像画像であって、撮像位置距離が重畳表示された第2撮像画像の一例を示す概略画像図である。

第1実施形態に係る3次元座標導出処理の流れの一例を示すフローチャートである。

第1実施形態に係る撮像装置により撮像されて得られた第2撮像画像であって、撮像位置距離及び指定画素3次元座標が重畳表示された第2撮像画像の一例を示す概略画像図である。

第1実施形態に係る撮像装置により撮像されて得られた第1撮像画像であって、第1〜第3画素が特定された状態の第1撮像画像の一例を示す概略画像図である。

第2実施形態に係る第1導出処理の流れの一例を示すフローチャートである。

第2実施形態に係る撮像装置により撮像されて得られた第1撮像画像であって、座標取得対象領域が指定された状態の第1撮像画像の一例を示す概略画像図である。

第2実施形態に係る撮像装置により撮像されて得られた第1撮像画像であって、座標取得対象領域が指定され、かつ、第1〜第3画素が特定された状態の第1撮像画像の一例を示す概略画像図である。

第3実施形態に係る第1導出処理の流れの一例を示すフローチャートである。

図29に示すフローチャートの続きである。

第4実施形態に係る第1導出処理の流れの一例を示すフローチャートである。

第4実施形態に係る撮像装置により撮像されて得られた第2撮像画像であって、最終撮像位置距離が重畳表示された第2撮像画像の一例を示す概略画像図である。

第4実施形態に係る3次元座標導出処理の流れの一例を示すフローチャートである。

第4実施形態に係る撮像装置により撮像されて得られた第2撮像画像であって、最終撮像位置距離及び指定画素3次元座標が重畳表示された第2撮像画像の一例を示す概略画像図である。

第5実施形態に係る情報処理システムに含まれる2台の測距装置、PC、及び被写体の位置関係の一例を示す概略平面図である。

第5実施形態に係る測距装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。

第5実施形態に係るPCのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。

第6実施形態に係る測距装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。

第6実施形態に係る測距装置に含まれるスマートデバイスの表示部にソフトキーとして表示された各種ボタンを含む画面の一例を示す画面図である。

第1〜第4実施形態に係る撮像位置距離導出プログラム及び3次元座標導出プログラムが記憶された記憶媒体から撮像位置距離導出プログラム及び3次元座標導出プログラムが測距装置又はPCにインストールされる態様の一例を示す概念図である。

第1〜第6実施形態に係る測距装置の外観の変形例を示す正面図である。

以下、添付図面に従って本開示の技術に係る実施形態の一例について説明する。なお、本実施形態では、説明の便宜上、測距装置10Aから計測対象となる被写体までの距離を単に「距離」又は「被写体までの距離」とも称する。また、本実施形態では、被写体に対する画角を単に「画角」とも称する。

[第1実施形態] 一例として図1に示すように、本開示の技術に係る情報処理装置の一例である測距装置10Aは、測距ユニット12及び撮像装置14を備えている。なお、本実施形態では、測距ユニット12及び後述の測距制御部68(図2参照)が本開示の技術に係る計測部の一例であり、撮像装置14が本開示の技術に係る撮像部の一例である。

撮像装置14は、レンズユニット16及び撮像装置本体18を備えており、レンズユニット16は、撮像装置本体18に対して着脱自在に取り付けられる。

撮像装置本体18の正面視左側面にはホットシュー(Hot Shoe)20が設けられており、測距ユニット12は、ホットシュー20に対して着脱自在に取り付けられる。

測距装置10Aは、測距ユニット12に測距用のレーザ光を射出させて測距を行う測距系機能と、撮像装置14に被写体を撮像させて撮像画像を得る撮像系機能とを備えている。なお、以下では、撮像画像を単に「画像」とも称する。また、以下では、説明の便宜上、鉛直方向において、測距ユニット12から射出されるレーザ光の光軸L1(図2参照)が、レンズユニット16の光軸L2(図2参照)と同一の高さであることを前提として説明する。

測距装置10Aは、測距系機能を働かせることで、1回の指示に応じて1回の計測シーケンス(図3参照)を行い、1回の計測シーケンスが行われることで最終的に1つの距離が出される。

測距装置10Aは、撮像系機能の動作モードとして、静止画撮像モードと動画撮像モードとを有する。静止画撮像モードは、静止画像を撮像する動作モードであり、動画撮像モードは、動画像を撮像する動作モードである。静止画撮像モード及び動画撮像モードは、ユーザの指示に応じて選択的に設定される。

一例として図2に示すように、測距ユニット12は、射出部22、受光部24、及びコネクタ26を備えている。

コネクタ26は、ホットシュー20に接続可能とされており、コネクタ26がホットシュー20に接続された状態で、測距ユニット12は、撮像装置本体18の制御下で動作する。

射出部22は、LD(レーザダイオード:Laser Diode)30、集光レンズ(図示省略)、対物レンズ32、及びLDドライバ34を有する。

集光レンズ及び対物レンズ32は、LD30により射出されるレーザ光の光軸L1に沿って設けられており、LD30側から光軸L1に沿って集光レンズ及び対物レンズ32の順に配置されている。

LD30は、本開示の技術に係る指向性光の一例である測距用のレーザ光を発光する。LD30により発光されるレーザ光は、有色のレーザ光であり、例えば、射出部22から数メートル程度の範囲内であれば、レーザ光の照射位置は、実空間上で視覚的に認識され、撮像装置14によって撮像されて得られた撮像画像からも視覚的に認識される。

集光レンズは、LD30により発光されたレーザ光を集光し、集光したレーザ光を通過させる。対物レンズ32は、被写体に対向しており、集光レンズを通過したレーザ光を被写体に対して射出する。

LDドライバ34は、コネクタ26及びLD30に接続されており、撮像装置本体18の指示に従ってLD30を駆動させてレーザ光を発光させる。

受光部24は、PD(フォトダイオード:Photo Diode)36、対物レンズ38、及び受光信号処理回路40を有する。対物レンズ38は、PD36の受光面側に配置されており、射出部22により射出されたレーザ光が被写体に当たって反射したレーザ光である反射レーザ光は対物レンズ38に入射される。対物レンズ38は、反射レーザ光を通過させ、PD36の受光面に導く。PD36は、対物レンズ38を通過した反射レーザ光を受光し、受光量に応じたアナログ信号を受光信号として出力する。

受光信号処理回路40は、コネクタ26及びPD36に接続されており、PD36から入力された受光信号を増幅器(図示省略)で増幅し、増幅した受光信号に対してA/D(Analog/Digital)変換を行う。そして、受光信号処理回路40は、A/D変換によってデジタル化された受光信号を撮像装置本体18に出力する。

撮像装置14は、マウント42,44を備えている。マウント42は、撮像装置本体18に設けられており、マウント44は、レンズユニット16に設けられている。レンズユニット16は、マウント42にマウント44が結合されることにより撮像装置本体18に交換可能に装着される。

レンズユニット16は、撮像レンズ50、ズームレンズ52、ズームレンズ移動機構54、及びモータ56を備えている。

被写体からの反射光である被写体光は、撮像レンズ50に入射される。撮像レンズ50は、被写体光を通過させ、ズームレンズ52に導く。

ズームレンズ移動機構54には、光軸L2に対してスライド可能にズームレンズ52が取り付けられている。また、ズームレンズ移動機構54にはモータ56が接続されており、ズームレンズ移動機構54は、モータ56の動力を受けてズームレンズ52を光軸L2方向に沿ってスライドさせる。

モータ56は、マウント42,44を介して撮像装置本体18に接続されており、撮像装置本体18からの命令に従って駆動が制御される。なお、本実施形態では、モータ56の一例としてステッピングモータを適用している。従って、モータ56は、撮像装置本体18からの命令によりパルス電力に同期して動作する。

撮像装置本体18は、撮像素子60、主制御部62、画像メモリ64、画像処理部66、測距制御部68、モータドライバ72、撮像素子ドライバ74、画像信号処理回路76、及び表示制御部78を備えている。また、撮像装置本体18は、タッチパネルI/F(Interface:インタフェース)79、受付I/F80、及びメディアI/F82を備えている。

主制御部62、画像メモリ64、画像処理部66、測距制御部68、モータドライバ72、撮像素子ドライバ74、画像信号処理回路76、及び表示制御部78は、バスライン84に接続されている。また、タッチパネルI/F79、受付I/F80、及びメディアI/F82も、バスライン84に接続されている。

撮像素子60は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semicondutor)型のイメージセンサであり、カラーフィルタ(図示省略)を備えている。カラーフィルタは、輝度信号を得るために最も寄与するG(Green:緑)に対応するGフィルタ、R(Red:赤)に対応するRフィルタ、及びB(Blue:青)に対応するBフィルタを含む。撮像素子60は、マトリクス状に配置された複数の撮像画素60A1を含む撮像画素群60Aを有する。各撮像画素60A1には、カラーフィルタに含まれるRフィルタ、Gフィルタ、及びBフィルタの何れかのフィルタが割り当てられており、撮像画素群60Aは、被写体光を受光することにより被写体を撮像する。

すなわち、ズームレンズ52を通過した被写体光は、撮像素子60の受光面である撮像面に結像され、被写体光の受光量に応じた電荷が撮像画素60A1に蓄積される。撮像素子60は、各撮像画素60A1に蓄積された電荷を、被写体光が撮像面で結像されて得られた被写体像に相当する画像を示す画像信号として出力する。

主制御部62は、バスライン84を介して測距装置10Aの全体を制御する。

モータドライバ72は、マウント42,44を介してモータ56に接続されており、主制御部62の指示に従ってモータ56を制御する。

撮像装置14は、画角変更機能を有する。画角変更機能は、ズームレンズ52を移動させることで画角を変更する機能であり、本実施形態において、画角変更機能は、ズームレンズ52、ズームレンズ移動機構54、モータ56、モータドライバ72、及び主制御部62によって実現される。なお、本実施形態では、ズームレンズ52による光学式の画角変更機能を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ズームレンズ52を利用しない電子式の画角変更機能であってもよい。

撮像素子ドライバ74は、撮像素子60に接続されており、主制御部62の制御下で、撮像素子60に駆動パルスを供給する。撮像画素群60Aに含まれる各撮像画素60A1は、撮像素子ドライバ74によって撮像素子60に供給された駆動パルスに従って駆動する。

画像信号処理回路76は、撮像素子60に接続されており、主制御部62の制御下で、撮像素子60から1フレーム分の画像信号を撮像画素60A1毎に読み出す。画像信号処理回路76は、読み出した画像信号に対して、相関二重サンプリング処理、自動利得調整、A/D変換等の各種処理を行う。画像信号処理回路76は、画像信号に対して各種処理を行うことでデジタル化した画像信号を、主制御部62から供給されるクロック信号で規定される特定のフレームレート(例えば、数十フレーム/秒)で1フレーム毎に画像メモリ64に出力する。画像メモリ64は、画像信号処理回路76から入力された画像信号を一時的に保持する。

撮像装置本体18は、表示部86、タッチパネル88、受付デバイス90、及びメモリカード92を備えている。

表示部86は、表示制御部78に接続されており、表示制御部78の制御下で各種情報を表示する。表示部86は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により実現される。

本開示の技術に係る受付部の一例であるタッチパネル88は、表示部86の表示画面に重ねられており、ユーザの指又はタッチペン等の指示体による接触を受け付ける。タッチパネル88は、タッチパネルI/F79に接続されており、指示体により接触された位置を示す位置情報をタッチパネルI/F79に出力する。タッチパネルI/F79は、主制御部62の指示に従ってタッチパネル88を作動させ、タッチパネル88から入力された位置情報を主制御部62に出力する。なお、本実施形態では、本開示の技術に係る受付部の一例としてタッチパネル88を例示しているが、これに限らず、タッチパネル88に代えて、測距装置10Aに接続して使用されるマウス(図示省略)を適用してもよいし、タッチパネル88及びマウスを併用してもよい。

受付デバイス90は、計測撮像ボタン90A、撮像ボタン90B、撮像系動作モード切替ボタン90C、広角指示ボタン90D、及び望遠指示ボタン90Eを有する。また、受付デバイス90は、撮像位置距離導出ボタン90F及び3次元座標導出ボタン90G等も有しており、ユーザによる各種指示を受け付ける。受付デバイス90は、受付I/F80に接続されており、受付I/F80は、受付デバイス90によって受け付けられた指示の内容を示す指示内容信号を主制御部62に出力する。

計測撮像ボタン90Aは、計測及び撮像の開始の指示を受け付ける押圧式のボタンである。撮像ボタン90Bは、撮像の開始の指示を受け付ける押圧式のボタンである。撮像系動作モード切替ボタン90Cは、静止画撮像モードと動画撮像モードとを切り替える指示を受け付ける押圧式のボタンである。

広角指示ボタン90Dは、画角を広角にする指示を受け付ける押圧式のボタンであり、広角側への画角の変更量は、許容される範囲内で、広角指示ボタン90Dへの押圧が継続して行われる押圧時間に応じて定まる。

望遠指示ボタン90Eは、画角を望遠にする指示を受け付ける押圧式のボタンであり、望遠側への画角の変更量は、許容される範囲内で、望遠指示ボタン90Eへの押圧が継続して行われる押圧時間に応じて定まる。

撮像位置距離導出ボタン90Fは、後述の撮像位置距離導出処理の開始の指示を受け付ける押圧式のボタンである。3次元座標導出ボタン90Gは、後述の撮像位置距離導出処理及び後述の3次元座標導出処理の開始の指示を受け付ける押圧式のボタンである。

なお、以下では、説明の便宜上、計測撮像ボタン90A及び撮像ボタン90Bを区別して説明する必要がない場合、「レリーズボタン」と称する。また、以下では、説明の便宜上、広角指示ボタン90D及び望遠指示ボタン90Eを区別して説明する必要がない場合、「画角指示ボタン」と称する。

なお、本実施形態に係る測距装置10Aでは、マニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードとが受付デバイス90を介したユーザの指示に応じて選択的に設定される。レリーズボタンは、撮像準備指示状態と撮像指示状態との2段階の押圧操作を受け付ける。撮像準備指示状態とは、例えば、レリーズボタンが待機位置から中間位置(半押し位置)まで押下される状態を指し、撮像指示状態とは、レリーズボタンが中間位置を超えた最終押下位置(全押し位置)まで押下される状態を指す。なお、以下では、説明の便宜上、「レリーズボタンが待機位置から半押し位置まで押下された状態」を「半押し状態」と称し、「レリーズボタンが待機位置から全押し位置まで押下された状態」を「全押し状態」と称する。

オートフォーカスモードでは、レリーズボタンが半押し状態にされることで撮像条件の調整が行われ、その後、引き続き全押し状態にすると本露光が行われる。つまり、本露光に先立ってレリーズボタンが半押し状態にされることでAE(Automatic Exposure)機能が働いて露出調整が行われた後、AF(Auto−Focus)機能が働いて焦点調整が行われ、レリーズボタンが全押し状態にされると本露光が行われる。

ここで、本露光とは、後述の静止画像ファイルを得るために行われる露光を指す。また、本実施形態において、露光とは、本露光の他に、後述のライブビュー画像を得るために行われる露光、及び後述の動画像ファイルを得るために行われる露光も意味する。以下では、説明の便宜上、これらの露光を区別して説明する必要がない場合、単に「露光」と称する。

なお、本実施形態では、主制御部62がAE機能による露出調整及びAF機能による焦点調整を行う。また、本実施形態では、露出調整及び焦点調整が行われる場合を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、露出調整又は焦点調整が行われるようにしてもよい。

画像処理部66は、画像メモリ64から特定のフレームレートで1フレーム毎に画像信号を取得し、取得した画像信号に対して、ガンマ補正、輝度色差変換、及び圧縮処理等の各種処理を行う。

画像処理部66は、各種処理を行って得た画像信号を特定のフレームレートで1フレーム毎に表示制御部78に出力する。また、画像処理部66は、各種処理を行って得た画像信号を、主制御部62の要求に応じて、主制御部62に出力する。

表示制御部78は、主制御部62の制御下で、画像処理部66から入力された画像信号を1フレーム毎に特定のフレームレートで表示部86に出力する。

表示部86は、画像及び文字情報等を表示する。表示部86は、表示制御部78から特定のフレームレートで入力された画像信号により示される画像をライブビュー画像として表示する。ライブビュー画像は、連続的に撮像されて得られた連続フレーム画像であり、スルー画像とも称される。また、表示部86は、単一フレームで撮像されて得られた単一フレーム画像である静止画像も表示する。更に、表示部86は、ライブビュー画像の他に、再生画像及びメニュー画面等も表示する。

なお、本実施形態では、画像処理部66及び表示制御部78は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、画像処理部66及び表示制御部78の各々は、FPGA(Field−Programmable Gate Array)によって実現されてもよい。また、画像処理部66は、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を含むコンピュータによって実現されてもよい。また、表示制御部78も、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータによって実現されてもよい。更に、画像処理部66及び表示制御部78の各々は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。

主制御部62は、静止画撮像モード下でレリーズボタンによって静止画像の撮像の指示が受け付けられた場合、撮像素子ドライバ74を制御することで、撮像素子60に1フレーム分の露光を行わせる。主制御部62は、1フレーム分の露光が行われることによって得られた画像信号を画像処理部66から取得し、取得した画像信号に対して圧縮処理を施して特定の静止画像用フォーマットの静止画像ファイルを生成する。なお、ここで、特定の静止画像用フォーマットとは、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)を指す。

主制御部62は、動画撮像モード下でレリーズボタンによって動画像の撮像の指示が受け付けられた場合、画像処理部66によりライブビュー画像用として表示制御部78に出力される画像信号を特定のフレームレートで1フレーム毎に取得する。そして、主制御部62は、画像処理部66から取得した画像信号に対して圧縮処理を施して特定の動画像用フォーマットの動画像ファイルを生成する。なお、ここで、特定の動画像用フォーマットとは、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)を指す。なお、以下では、説明の便宜上、静止画像ファイル及び動画像ファイルを区別して説明する必要がない場合、画像ファイルと称する。

メディアI/F82は、メモリカード92に接続されており、主制御部62の制御下で、メモリカード92に対する画像ファイルの記録及び読み出しを行う。なお、メディアI/F82によってメモリカード92から読み出された画像ファイルは、主制御部62によって伸長処理が施されて表示部86に再生画像として表示される。

なお、主制御部62は、測距制御部68から入力された距離情報を画像ファイルに関連付けて、メディアI/F82を介してメモリカード92に保存する。そして、距離情報は、メモリカード92からメディアI/F82を介して主制御部62によって画像ファイルと共に読み出され、読み出された距離情報により示される距離は、関連する画像ファイルによる再生画像と共に表示部86に表示される。

測距制御部68は、主制御部62の制御下で、測距ユニット12を制御する。なお、本実施形態において、測距制御部68は、ASICによって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、測距制御部68は、FPGAによって実現されてもよい。また、測距制御部68は、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータによって実現されてもよい。更に、測距制御部68は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。

ホットシュー20は、バスライン84に接続されており、測距制御部68は、主制御部62の制御下で、LDドライバ34を制御することで、LD30によるレーザ光の発光を制御し、受光信号処理回路40から受光信号を取得する。測距制御部68は、レーザ光を発光させたタイミングと受光信号を取得したタイミングとを基に、被写体までの距離を導出し、導出した距離を示す距離情報を主制御部62に出力する。

ここで、測距制御部68による被写体までの距離の計測について更に詳細に説明する。

一例として図3に示すように、測距装置10Aによる1回の計測シーケンスは、電圧調整期間、実計測期間、及び休止期間で規定される。

電圧調整期間は、LD30及びPD36の駆動電圧を調整する期間である。実計測期間は、被写体までの距離を実際に計測する期間である。実計測期間では、LD30にレーザ光を発光させ、PD36に反射レーザ光を受光させる動作が数百回繰り返され、レーザ光を発光させたタイミングと受光信号を取得したタイミングとを基に、被写体までの距離が導出される。休止期間は、LD30及びPD36の駆動を休止させるための期間である。よって、1回の計測シーケンスでは、被写体までの距離の計測が数百回行われることになる。

なお、本実施形態では、電圧調整期間、実計測期間、及び休止期間の各々を数百ミリ秒としている。

一例として図4に示すように、測距制御部68には、測距制御部68がレーザ光の発光の指示を与えるタイミング、及び受光信号を取得するタイミングを規定するカウント信号が供給される。本実施形態では、カウント信号は、主制御部62によって生成されて測距制御部68に供給されるが、これに限らず、バスライン84に接続されたタイムカウンタ等の専用回路によって生成されて測距制御部68に供給されるようにしてもよい。

測距制御部68は、カウント信号に応じて、レーザ光を発光させるためのレーザトリガをLDドライバ34に出力する。LDドライバ34は、レーザトリガに応じて、LD30を駆動してレーザ光を発光させる。

図4に示す例では、レーザ光の発光時間が数十ナノ秒とされている。この場合、射出部22により数キロメートル先の被写体に向けて射出されたレーザ光が反射レーザ光としてPD36で受光されるまでの時間は、“数キロメートル×2/光速”≒数マイクロ秒となる。従って、数キロメートル先の被写体までの距離を計測するためには、一例として図3に示すように、最低必要時間として、数マイクロ秒の時間を要する。

なお、本実施形態では、レーザ光の往復時間等を考慮して、一例として図3に示すように、1回の計測時間を数ミリ秒としているが、被写体までの距離によりレーザ光の往復時間は異なるので、想定する距離に応じて1回あたりの計測時間を異ならせてもよい。

測距制御部68は、1回の計測シーケンスにおける数百回の計測から得た計測値を基に、被写体までの距離を導出する場合、例えば、数百回の計測から得た計測値のヒストグラムを解析して被写体までの距離を導出する。

一例として図5に示すように、1回の計測シーケンスにおける数百回の計測から得られた計測値のヒストグラムでは、横軸が被写体までの距離であり、縦軸が計測回数であり、計測回数の最大値に対応する距離が測距結果として測距制御部68によって導出される。なお、図5に示すヒストグラムはあくまでも一例であり、被写体までの距離に代えて、レーザ光の往復時間(発光から受光までの経過時間)、又はレーザ光の往復時間の1/2等に基づいてヒストグラムが生成されてもよい。

一例として図6に示すように、主制御部62は、本開示の技術に係る取得部、導出部、及び実行部の一例であるCPU100、一次記憶部102、及び二次記憶部104を備えている。CPU100は、測距装置10Aの全体を制御する。一次記憶部102は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。一次記憶部102の一例としては、RAMが挙げられる。二次記憶部104は、測距装置10Aの作動を制御する制御プログラム及び各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリである。二次記憶部104の一例としては、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュメモリ等が挙げられる。CPU100、一次記憶部102、及び二次記憶部104は、バスライン84を介して相互に接続されている。

測距装置10Aには、3次元座標導出機能が備えられている。3次元座標導出機能とは、後述の第1指定画素座標、後述の第2指定画素座標、後述の撮像位置距離、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法から数式(1)に基づいて、後述の指定画素3次元座標を導出する機能を指す。

なお、数式(1)において、“uL”とは、第1指定画素座標のX座標を指す。また、数式(1)において、“vL”とは、第1指定画素座標のY座標を指す。また、数式(1)において、“uR”とは、第2指定画素座標のX座標を指す。また、数式(1)において、“B”とは、撮像位置距離を指す(図7及び図8参照)。また、数式(1)において、“f”とは、(撮像レンズ50の焦点距離)/(撮像画素60A1の寸法)を指す。また、数式(1)において、(X,Y,Z)とは、指定画素3次元座標を指す。

第1指定画素座標は、後述の第1撮像画像において、実空間上での位置が対応する画素として指定された第1指定画素(本開示の技術に係る「指定画素」に相当)を特定する2次元座標である。第2指定画素座標は、後述の第2撮像画像において、実空間上での位置が対応する画素として指定された第2指定画素(本開示の技術に係る「指定画素」に相当)を特定する2次元座標である。すなわち、第1指定画素及び第2指定画素は、実空間上での位置が互いに対応する画素として指定された画素であり、かつ、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、互いに対応する位置で特定可能な画素である。そして、第1指定画素座標は、第1撮像画像上の2次元座標であり、第2指定画素座標は、第2撮像画像上の2次元座標である。

指定画素3次元座標とは、第1指定画素座標及び第2指定画素座標に対応する実空間上での座標である3次元座標を指す。なお、指定画素3次元座標は、本開示の技術に係る指定画素実空間座標の一例である。

ここで、一例として図7及び図8に示すように、第1撮像画像とは、被写体が第1撮像位置から撮像装置14により撮像されて得られた撮像画像を指す。また、一例として図7及び図8に示すように、第2撮像画像とは、第1撮像位置からの撮像対象とされた被写体を含む被写体が第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像装置14により撮像されて得られた撮像画像を指す。なお、本実施形態では、説明の便宜上、第1撮像画像及び第2撮像画像に限らず、静止画像及び動画像を含めて、撮像装置14によって撮像されて得られた撮像画像を区別して説明する必要がない場合は単に「撮像画像」と称する。

なお、図7に示す例では、測距ユニット12の位置として第1計測位置及び第2計測位置が示されている。第1計測位置は、本開示の技術に係る「第1撮像位置に対応する位置」の一例である。第1計測位置とは、撮像装置14に対して測距ユニット12が正しく取り付けられている状態で被写体が第1撮像位置から撮像装置14により撮像される場合の測距ユニット12の位置を指す。第2計測位置とは、撮像装置14に対して測距ユニット12が正しく取り付けられている状態で被写体が第2撮像位置から撮像装置14により撮像される場合の測距ユニット12の位置を指す。

撮像位置距離とは、第1撮像位置と第2撮像位置との距離を指す。撮像位置距離の一例としては、図8に示すように、第1撮像位置における撮像装置14の撮像レンズ50の主点OLと第2撮像位置における撮像装置14の撮像レンズ50の主点ORとの距離が挙げられるが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、第1撮像位置における撮像装置14の撮像素子60の中央に位置する撮像画素60A1と第2撮像位置における撮像装置14の撮像素子60の中央に位置する撮像画素60A1との距離が撮像位置距離とされてもよい。

図8に示す例では、第1撮像画像に含まれる画素PLが第1指定画素であり、第2撮像画像に含まれる画素PRが第2指定画素であり、画素PL,PRは、被写体の点Pに対応する画素である。よって、画素PLの2次元座標である第1指定画素座標の(uL,vL)、及び画素PRの2次元座標である第2指定画素座標の(uR,vR)は、点Pの3次元座標である指定画素3次元座標の(X,Y,Z)に対応している。なお、数式(1)では、“vR”は、使用されない。

なお、以下では、説明の便宜上、第1指定画素及び第2指定画素を区別して説明する必要がない場合、「指定画素」と称する。また、以下では、説明の便宜上、第1指定画素座標及び第2指定画素座標を区別して説明する必要がない場合、「指定画素座標」と称する。

ところで、測距装置10Aが3次元座標導出機能を働かせることで数式(1)に基づいて指定画素3次元座標を導出する場合、撮像位置距離を高精度に導出することが好ましい。なぜならば、数式(1)に撮像位置距離である“B”が含まれているからである。

そこで、測距装置10Aでは、一例として図6に示すように、二次記憶部104が、本開示の技術に係るプログラムの一例である撮像位置距離導出プログラム106を記憶している。

CPU100は、二次記憶部104から撮像位置距離導出プログラム106を読み出して一次記憶部102に展開し、撮像位置距離導出プログラム106を実行する。

また、一例として図6に示すように、二次記憶部104は、3次元座標導出プログラム108を記憶している。CPU100は、二次記憶部104から3次元座標導出プログラム108を読み出して一次記憶部102に展開し、3次元座標導出プログラム108を実行する。

CPU100は、撮像位置距離導出プログラム106及び3次元座標導出プログラム108を実行することで、一例として図9に示すように、取得部110、導出部111、実行部112、及び制御部114として動作する。

取得部110は、第1撮像画像、第2撮像画像、及び被写体までの距離を取得する。ここで言う「被写体までの距離」とは、第1計測位置の測距ユニット12により射出されたレーザ光を基に計測された被写体までの距離を指す。

導出部111は、取得部110により取得された距離に基づいて、実空間上でのレーザ光の照射位置、すなわち、レーザ光による被写体に対する実空間上での照射位置を特定する照射位置実空間座標を導出する。

照射位置実空間座標は、3次元座標であり、一例として図10に示す距離L、半画角α、射出角度β、及び基準点間距離Mから、下記の数式(2)に基づいて導出される。数式(2)において、(xLaser,yLaser,zLaser)とは、照射位置実空間座標を指す。

数式(2)では、yLaser=0とされているが、これは、鉛直方向において光軸L1が光軸L2と同一の高さにあることを意味している。被写体に照射されたレーザ光の位置が被写体における光軸L2の位置よりも鉛直方向において高い位置の場合、yLaserは正値となる。被写体に照射されたレーザ光の位置が被写体における光軸L2の位置よりも鉛直方向において低い位置の場合、yLaserは負値となる。なお、以下では、説明の便宜上、“yLaser=0”であることを前提として説明する。

ここで、一例として図10に示すように、半画角αとは、画角の半分を指す。射出角度βとは、射出部22からレーザ光が射出される角度を指す。基準点間距離Mとは、撮像装置14に規定された第1基準点P1と測距ユニット12に規定された第2基準点P2との距離を指す。第1基準点P1の一例としては、撮像レンズ50の主点が挙げられる。第2基準点P2の一例としては、測距ユニット12における3次元空間の位置を特定可能な座標の原点として予め設定された点が挙げられる。具体的には、対物レンズ38の正面視左右端の一端、又は測距ユニット12の筐体(図示省略)が直方体状である場合の筐体の1つの角、すなわち、1つの頂点が挙げられる。

導出部111は、取得部110により取得された距離に基づいて、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する照射位置画素座標を導出する。

照射位置画素座標は、第1照射位置画素座標と第2照射位置画素座標とに大別される。第1照射位置画素座標は、第1撮像画像において照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する2次元座標である。第2照射位置画素座標は、第2撮像画像において照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する2次元座標である。

なお、以下では、説明の便宜上、第1照射位置画素座標及び第2照射位置画素座標を区別して説明する必要がない場合、「照射位置画素座標」と称する。また、第1照射位置画素座標のX座標の導出方法及び第1照射位置画素座標のY座標の導出方法は、対象とする座標軸が異なるのみで導出方法の原理は同じである。すなわち、第1照射位置画素座標のX座標の導出方法は、撮像素子60における行方向の画素を対象とした導出方法であるのに対し、第1照射位置画素座標のY座標の導出方法は、撮像素子60における列方向の画素を対象とした導出方法である点で異なる。そのため、以下では、説明の便宜上、第1照射位置画素座標のX座標の導出方法を例示し、第1照射位置画素座標のY座標の導出方法の説明を省略する。なお、行方向とは、撮像素子60の撮像面の正面視左右方向を意味し、列方向とは、撮像素子60の撮像面の正面視上下方向を意味する。

第1照射位置画素座標のX座標は、一例として図11に示す距離L、半画角α、射出角度β、及び基準点間距離Mから、下記の数式(3)〜(5)に基づいて導出される。なお数式(5)において、「照射位置の行方向画素」とは、撮像素子60における行方向の画素のうちの実空間上でのレーザ光の照射位置に対応する位置の画素を指す。「行方向画素数の半分」とは、撮像素子60における行方向の画素数の半分を指す。

導出部111は、基準点間距離M及び射出角度βを数式(3)に代入し、半画角α及び射出角度βを数式(4)に代入し、距離Lを数式(3)及び数式(4)に代入する。導出部111は、このようにして得たΔx及びXと上記の「行方向画素数の半分」とを数式(5)に代入することで、「照射位置の行方向画素」の位置を特定する座標であるX座標を導出する。「照射位置の行方向画素」の位置を特定するX座標は、第1照射位置画素座標のX座標である。

導出部111は、第2撮像画像の画素のうち、第1照射位置画素座標により特定される画素の位置と対応する画素の位置を特定する座標を第2照射位置画素座標として導出する。

実行部112は、位置特定不可能状態の場合に、本開示の技術に係る複数画素使用導出処理の一例である第1導出処理を実行する。ここで、位置特定不可能状態とは、照射位置画素座標により特定される画素の位置が第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素と異なる画素の位置である状態を指す。

また、実行部112は、位置特定可能状態の場合に、本開示の技術に係る導出処理の一例である第2導出処理を実行する。ここで、位置特定可能状態とは、照射位置画素座標により特定される画素の位置が第1撮像画像と第2撮像画像との各々において互いに対応する位置で特定可能な画素の位置である状態を指す。

ここで、第1導出処理とは、後述の複数画素座標、照射位置実空間座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に基づいて撮像位置距離を導出する処理を指す。複数画素座標とは、取得部110により取得された第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、実空間上でのレーザ光の照射位置と同一の平面状領域に存在し、かつ、互いに対応する位置で特定可能な3画素以上の複数画素を特定する複数の2次元座標を指す。なお、第1導出処理に用いられるパラメータは、複数画素座標、照射位置実空間座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に限定されるものではない。例えば、複数画素座標、照射位置実空間座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に、1つ以上の微調整用のパラメータを更に加えた複数のパラメータが第1導出処理で用いられるようにしてもよい。

また、第2導出処理とは、照射位置画素座標と、照射位置実空間座標と、撮像レンズ50の焦点距離と、撮像画素60A1の寸法とに基づいて撮像位置距離を導出する処理を指す。なお、第2導出処理に用いられるパラメータは、照射位置画素座標、照射位置実空間座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に限定されるものではない。例えば、照射位置画素座標、照射位置実空間座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に、1つ以上の微調整用のパラメータを更に加えた複数のパラメータが第2導出処理で用いられるようにしてもよい。

また、第2導出処理は、レーザ光の実際の照射位置が第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素の位置に対応する実空間上の位置の場合に、第1導出処理よりも高精度に撮像位置距離を導出可能な処理である。また、第2導出処理は、第1導出処理による撮像位置距離の導出で用いられるパラメータの個数よりも少ない複数のパラメータに基づいて撮像位置距離を導出する処理である。なお、ここで言う「複数のパラメータ」とは、例えば、照射位置画素座標、照射位置実空間座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法を指す。

本開示の技術に係る制御部の一例である制御部114は、表示部86に対して実行部112による導出結果を表示させる制御を行う。

実行部112は、第1導出処理を実行する場合、複数画素座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に基づいて、複数画素座標に対応する実空間上での3次元座標を含む平面を示す平面方程式により規定される平面の向きを導出する。そして、実行部112は、導出した平面の向きと照射位置実空間座標とに基づいて平面方程式を確定し、確定した平面方程式、複数画素座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に基づいて撮像位置距離を導出する。

なお、撮像位置距離の導出に用いられる平面方程式は、下記の数式(6)によって規定される。従って、「平面の向き」を導出するとは、数式(6)におけるa,b,cを導出することを意味し、「平面方程式」を確定するとは、数式(6)におけるdを導出することで、平面方程式のa,b,c,dを確定することを意味する。

次に、測距装置10Aの本開示の技術に係る部分の作用について説明する。

先ず、3次元座標導出ボタン90Gがオンされた場合にCPU100が撮像位置距離導出プログラム106を実行することで実現される撮像位置距離導出処理について図12を参照して説明する。

なお、以下では、説明の便宜上、一例として図15に示すように、測距装置10Aの撮像装置14の撮像範囲119にオフィスビル120の外壁面121を含む領域が被写体として含まれていることを前提として説明する。また、外壁面121は、主要被写体であり、かつ、レーザ光の照射対象であることを前提として説明する。

また、外壁面121は、平面状に形成されており、本開示の技術に係る平面状領域の一例である。また、一例として図15に示すように、外壁面121には、四角形状の複数の窓122が設けられている。また、一例として図15に示すように、外壁面121には、各窓122の下側に横長の長方形状の模様124が描かれているが、これに限らず、外壁面121に付された汚れ又は皹などであってもよい。

なお、本実施形態において、「平面状」には、平面のみならず、窓や換気口等による若干の凹凸を許容する範囲での平面形状も含まれ、例えば、目視により、又は、既存の画像解析技術により、「平面状」と認識される平面又は平面形状であればよい。

また、以下では、説明の便宜上、測距装置10Aにより、外壁面121にレーザ光が照射されることで外壁面121までの距離が計測されることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、第1計測位置に測距ユニット12が位置し、かつ、第1撮像位置に撮像装置14が位置している場合の測距装置10Aの位置を「第1位置」と称する。また、以下では、説明の便宜上、第2計測位置に測距ユニット12が位置し、かつ、第2撮像位置に撮像装置14が位置している場合の測距装置10Aの位置を「第2位置」と称する。

図12に示す撮像位置距離導出処理では、先ず、ステップ200で、取得部110は、測距装置10Aにより第1位置で距離の計測及び撮像が実行されたか否かを判定する。第1位置は、外壁面121にレーザ光が照射可能であり、かつ、外壁面121を含む領域を被写体として撮像可能な位置であればよい。

ステップ200において、測距装置10Aにより第1位置で距離の計測及び撮像が実行されていない場合は、判定が否定されて、ステップ201へ移行する。ステップ200において、測距装置10Aにより第1位置で距離の計測及び撮像が実行された場合は、判定が肯定されて、ステップ202へ移行する。

ステップ201で、取得部110は、撮像位置距離導出処理を終了する条件を満足したか否かを判定する。撮像位置距離導出処理を終了する条件とは、例えば、タッチパネル88により撮像位置距離導出処理を終了する指示が受け付けられたとの条件、又はステップ200の処理が開始されてから肯定判定されることなく第1既定時間が経過したとの条件を指す。なお、第1既定時間とは、例えば、1分を指す。

ステップ201において、撮像位置距離導出処理を終了する条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ200へ移行する。ステップ201において、撮像位置距離導出処理を終了する条件を満足した場合は、判定が肯定されて、撮像位置距離導出処理を終了する。

ステップ202で、取得部110は、第1位置で計測された距離、及び、第1位置で撮像が実行されることによって得られた第1撮像画像を示す第1撮像画像信号を取得し、その後、ステップ204へ移行する。なお、第1撮像画像は、第1位置において合焦状態で撮像されて得られた撮像画像である。

ステップ204で、取得部110は、一例として図16に示すように、表示部86に対して、取得した第1撮像画像信号により示される第1撮像画像を表示させ、その後、ステップ206へ移行する。

ステップ206で、導出部111は、距離L、半画角α、射出角度β、及び基準点間距離Mから、数式(2)に基づいて、照射位置実空間座標を導出し、その後、ステップ207へ移行する。なお、本ステップ206の処理で用いられる距離Lとは、第1位置で測距装置10Aにより計測された被写体までの距離を指す。

ステップ207で、導出部111は、距離L、半画角α、射出角度β、及び基準点間距離Mから、数式(3)〜(5)に基づいて、第1照射位置画素座標を導出し、その後、ステップ208へ移行する。なお、本ステップ207の処理で用いられる距離Lとは、第1位置で測距装置10Aにより計測された被写体までの距離を指す。

ステップ208で、制御部114は、一例として図17に示すように、表示部86に対して、距離及び照射位置目印136を第1撮像画像に重畳して表示させ、その後、ステップ210へ移行する。

本ステップ208の処理が実行されることで表示される距離とは、第1撮像位置で測距装置10Aにより計測された距離、すなわち、ステップ207の処理において第1照射位置画素座標の導出に用いられた距離Lを指す。図17に示す例では、「133325.0」との数値が第1撮像位置で測距装置10Aにより計測された距離Lに該当し、単位はミリメートルである。また、図17に示す例において、照射位置目印136は、ステップ207の処理が実行されることで導出された第1照射位置画素座標により特定される画素の位置を示す目印である。

ステップ210で、実行部112は、ステップ207の処理が実行されることで導出された第1照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置と一致するか否かを判定する。ここで、特定可能画素位置とは、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素の位置を指す。

ステップ210において、ステップ207の処理が実行されることで導出された第1照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置と一致する場合は、判定が肯定されて、ステップ212へ移行する。ステップ210において、ステップ207の処理が実行されることで導出された第1照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置と一致しない場合は、判定が否定されて、ステップ226へ移行する。

ステップ212で、実行部112は、一例として図18に示すように、表示部86に対して、特定の時間(例えば、5秒間)、一致メッセージ137Aを第1撮像画像に重畳して表示させ、その後、ステップ214へ移行する。一致メッセージ137Aは、ステップ207の処理が実行されることで導出された第1照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置と一致することを示すメッセージである。よって、本ステップ212の処理が実行されることにより、ステップ207の処理が実行されることで導出された第1照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置と一致することがユーザに通知される。なお、本ステップ221の処理は、本開示の技術に係る位置特定可能状態通知処理の一例である。また、ここで、本開示の技術に係る位置特定可能状態通知処理とは、上述した位置特定可能状態であることを通知する処理を指す。

なお、図示は省略するが、ステップ212の処理とステップ214の処理との間、及び、ステップ226の処理とステップ228の処理との間では、表示部86により、注目画素指定案内メッセージ(図示省略)を第1撮像画像に重畳した表示が開始される。注目画素指定案内メッセージとは、例えば、第1撮像画像から注目画素をタッチパネル88を介して指定することを案内するメッセージを指す。注目画素指定案内メッセージの一例としては、「注目すべき1画素(注目点)を指定して下さい。」とのメッセージが挙げられる。注目画素指定案内メッセージは、例えば、後述のステップ214A又は後述のステップ228Aの処理において、注目画素が指定された場合に、非表示される。

図18に示す例では、一致メッセージ137Aとして、「レーザ光の照射位置が被写体の特徴的な位置と一致しましたので、第1導出処理又は第2導出処理を実行することができます。」とのメッセージが示されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、一致メッセージ137Aのうちの「レーザ光の照射位置が被写体の特徴的な位置と一致しました。」とのメッセージのみを採用して表示してもよい。

このように、ステップ207の処理が実行されることで導出された第1照射位置画素座標により特定される画素の位置と特定可能画素位置との一致を通知するメッセージであれば如何なるメッセージであってもよい。また、図18に示す例では、一致メッセージ137Aが可視表示される場合を示しているが、音声再生装置(図示省略)による音声の出力等の可聴表示又はプリンタによる印刷物の出力等の永久可視表示を可視表示に代えて行ってもよいし、併用してもよい。

ステップ226で、実行部112は、一例として図19に示すように、表示部86に対して、特定の時間(例えば、5秒間)、不一致メッセージ137Bを第1撮像画像に重畳して表示させ、その後、ステップ228へ移行する。不一致メッセージ137Bは、ステップ207の処理が実行されることで導出された第1照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置と一致していないことを示すメッセージである。ここで、「第1照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置と一致していない」とは、換言すると、第1照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置と異なる画素の位置であることを意味する。

このように、本ステップ226の処理が実行されることにより、ステップ207の処理が実行されることで導出された第1照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置と一致していないことがユーザに通知される。なお、本ステップ226の処理は、本開示の技術に係る位置特定不可能状態通知処理の一例である。本開示の技術に係る位置特定不可能状態通知処理とは、上述した位置特定不可能状態であることを通知する処理を指す。

図19に示す例では、不一致メッセージ137Bとして、「レーザ光の照射位置が被写体の特徴的な位置と一致しませんでしたので、第1導出処理を実行します。」とのメッセージが示されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、不一致メッセージ137Bのうちの「レーザ光の照射位置が被写体の特徴的な位置と一致しませんでした」とのメッセージのみを採用して表示してもよい。

このように、ステップ207の処理が実行されることで導出された第1照射位置画素座標により特定される画素の位置と特定可能画素位置との不一致を通知するメッセージであれば如何なるメッセージであってもよい。また、図19に示す例では、不一致メッセージ137Bが可視表示される場合を示しているが、音声再生装置(図示省略)による音声の出力等の可聴表示又はプリンタによる印刷物の出力等の永久可視表示を可視表示に代えて行ってもよいし、併用してもよい。

ステップ228で、実行部112は、一例として図13に示す第1導出処理を実行する。

図13に示す第1導出処理では、先ず、ステップ228Aで、取得部110は、ユーザによりタッチパネル88を介して第1撮像画像から注目画素が指定されたか否かを判定する。ここで、注目画素は、上述した第1指定画素に相当する。なお、タッチパネル88は、タッチパネル88に付与されている2次元座標のうちの第1撮像画像に含まれる画素に対応する2次元座標を指定する画素指定情報を受け付ける。よって、本ステップ228Aでは、タッチパネル88により画素指定情報が受け付けられた場合に注目画素が指定されたと判定する。すなわち、画素指定情報により指定された2次元座標に対応する画素が注目画素とされる。

ステップ228Aにおいて、ユーザによりタッチパネル88を介して第1撮像画像から注目画素が指定されていない場合は、判定が否定されて、ステップ228Bへ移行する。ステップ228Aにおいて、ユーザによりタッチパネル88を介して第1撮像画像から注目画素が指定された場合は、判定が肯定されて、ステップ228Cへ移行する。

ステップ228Bで、取得部110は、第1導出処理を終了する条件を満足したか否かを判定する。なお、ステップ228Bにおいて、第1導出処理を終了する条件とは、上述のステップ201の説明で示した条件と同一の条件を指す。

ステップ228Bにおいて、第1導出処理を終了する条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ228Aへ移行する。ステップ228Bにおいて、第1導出処理を終了する条件を満足した場合は、判定が肯定されて、第1導出処理を終了する。なお、ステップ228Bにおいて判定が肯定されると、取得部110は、表示部86に対して、第1撮像画像及び重畳表示情報の表示を終了させる。ここで、重畳表示情報とは、例えば、第1撮像画像に重畳して表示されている情報である距離及び照射位置目印136等を指す。

ステップ228Cで、取得部110は、第1撮像画像においてユーザによりタッチパネル88を介して指定された注目画素126(図20参照)を特定する注目画素座標を取得し、その後、ステップ228Dへ移行する。なお、ここで、ユーザによりタッチパネル88を介して指定される画素としては、一例として図20に示すように、注目画素126が挙げられる。注目画素126は、一例として図20に示すように、第1撮像画像のうちの外壁面2階中央部窓に相当する画像の正面視左下隅の画素である。外壁面2階中央部窓とは、図15に示す例において、外壁面121に設けられている窓122のうちの、オフィスビル120の2階の中央部の窓122を指す。また、注目画素座標とは、第1撮像画像において注目画素126を特定する2次元座標を指す。

ステップ228Dで、取得部110は、第1撮像画像のうちの外壁面画像128(図21に示す例のハッチング領域)において特徴的な3画素の位置を特定する3特徴画素座標を取得し、その後、ステップ228Eへ移行する。なお、ここで言う「特徴的な3画素」は、本開示の技術に係る「複数画素」の一例である。

ここで、外壁面画像128とは、第1撮像画像のうちの外壁面121(図15参照)を示す画像を指す。特徴的な3画素は、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素である。第1撮像画像での特徴的な3画素は、互いに予め定められた画素数以上離れており、外壁面画像128のうちの模様又は建材等に相当する画像の空間周波数等を基に画像解析により既定の規則に従って特定された3点の各々に存在する画素である。例えば、注目画素126を中心とした予め定められた半径で既定される円領域内で最大の空間周波数を有する異なる頂点を示し、かつ、既定条件を満足する3つの画素が特徴的な3画素として抽出される。なお、3特徴画素座標は、上述した複数画素座標に相当する。

図21に示す例において、特徴的な3画素は、第1画素130、第2画素132、及び第3画素134である。第1画素130は、外壁面画像128のうち、外壁面2階中央部窓に相当する画像の正面視左上隅の画素である。第2画素132は、外壁面2階中央部窓に相当する画像の正面視右上隅の画素である。第3画素134は、外壁面3階中央部窓の下部に近接する模様124に相当する画像の正面視左下隅の画素である。なお、外壁面3階中央窓とは、図15に示す例において、外壁面121に設けられている窓122のうちの、オフィスビル120の3階の中央部の窓122を指す。

ステップ228Eで、取得部110は、測距装置10Aにより第2位置で撮像が実行されたか否かを判定する。第2位置は、測距装置10Aの移動先の位置であり、外壁面121にレーザ光が照射可能であり、かつ、外壁面121を含む領域を被写体として撮像可能な位置であればよい。

ステップ228Eで、取得部110は、測距装置10Aにより第2位置で撮像が実行されるか否かを判定する。ステップ228Eにおいて、測距装置10Aにより第2位置で撮像が実行されていない場合は、判定が否定されて、ステップ228Fへ移行する。ステップ228Eにおいて、測距装置10Aにより第2位置で撮像が実行された場合は、判定が肯定されて、ステップ228Gへ移行する。

ステップ228Fで、取得部110は、第1導出処理を終了する条件を満足したか否かを判定する。なお、ステップ228Fにおいて、第1導出処理を終了する条件とは、ステップ228Bで用いられる条件と同一の条件を指す。

ステップ228Fにおいて、第1導出処理を終了する条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ228Eへ移行する。ステップ228Fにおいて、第1導出処理を終了する条件を満足した場合は、判定が肯定されて、第1導出処理を終了する。なお、ステップ228Fにおいて判定が肯定されると、取得部110は、表示部86に対して、第1撮像画像及び重畳表示情報の表示を終了させる。

ステップ228Gで、取得部110は、第2位置で撮像が実行されることによって得られた第2撮像画像を示す第2撮像画像信号を取得し、その後、ステップ228Hへ移行する。なお、第2撮像画像は、第2位置において合焦状態で撮像されて得られた撮像画像である。

ステップ228Hで、取得部110は、表示部86に対して、取得した第2撮像画像信号により示される第2撮像画像を表示させ、その後、ステップ228Iへ移行する。

ステップ228Iで、取得部110は、第2撮像画像に含まれる画素のうち、上記の注目画素126に対応する画素である対応注目画素を特定し、特定した対応注目画素を特定する対応注目画素座標を取得し、その後、ステップ228Jへ移行する。なお、ここで、対応注目画素座標とは、第2撮像画像において対応注目画素を特定する2次元座標を指す。また、対応注目画素は、第1及び第2撮像画像を解析対象としてパターンマッチング等の既存の画像解析を実行することで特定される。なお、対応注目画素は、上述した第2指定画素に相当し、第1撮像画像から注目画素126が特定されると、本ステップ228Iの処理が実行されることで、第2撮像画像から一意に特定される。

ステップ228Jで、取得部110は、第2撮像画像のうちの外壁面画像128(図21参照)に対応する外壁面画像において特徴的な3画素を特定し、特定した特徴的な3画素を特定する対応特徴画素座標を取得し、その後、ステップ228Kへ移行する。なお、対応特徴画素座標とは、第2撮像画像において特定した特徴的な3画素を特定する2次元座標を指す。また、対応特徴画素座標は、第2撮像画像において、上記ステップ228Dの処理で取得された3特徴画素座標に対応する2次元座標でもあり、上述した複数画素座標に相当する。また、第2撮像画像のうちの特徴的な3画素は、上述の対応注目画素の特定方法と同様に、第1及び第2撮像画像を解析対象としてパターンマッチング等の既存の画像解析を実行することで特定される。

ステップ228Kで、実行部112は、3特徴画素座標、対応特徴画素座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法から、数式(6)に示す平面方程式のa,b,cを導出することで、平面方程式により規定される平面の向きを導出する。

ここで、3特徴画素座標を(uL1,vL1),(uL2,vL2),(uL3,vL3)とし、対応特徴画素座標を(uR1,vR1),(uR2,vR2),(uR3,vR3)とすると、下記の数式(7)〜(9)により第1〜第3特徴画素3次元座標が規定される。第1特徴画素3次元座標とは、(uL1,vL1)及び(uR1,vR1)に対応する3次元座標を指す。第2特徴画素3次元座標とは、(uL2,vL2)及び(uR2,vR2)に対応する3次元座標を指す。第3特徴画素3次元座標とは、(uL3,vL3)及び(uR3,vR3)に対応する3次元座標を指す。なお、数式(7)〜(9)では、“vR1”、“vR2”、及び“vR3”は使用されない。

本ステップ228Kにおいて、実行部112は、数式(7)〜(9)に示す第1〜第3特徴画素3次元座標の各々を数式(6)に代入して得られる等価関係にある3つの数式から数式(6)のa,b,cを最適化することで、数式(6)のa,b,cを導出する。このように、数式(6)のa,b,cが導出されるということは、数式(6)に示す平面方程式により規定される平面の向きが導出されることを意味する。

ステップ228Lで、実行部112は、ステップ206の処理で導出した照射位置実空間座標に基づいて数式(6)に示す平面方程式を確定し、その後、ステップ228Mへ移行する。すなわち、本ステップ228Lにおいて、実行部112は、ステップ228Kの処理で導出したa,b,c及びステップ206の処理で導出した照射位置実空間座標を数式(6)に代入することで、数式(6)のdを確定する。ステップ228Kの処理で数式(6)のa,b,cが導出されているので、本ステップ228Lの処理で数式(6)のdが確定されると、数式(6)に示す平面方程式が確定される。

ステップ228Mで、実行部112は、特徴画素3次元座標及び平面方程式に基づいて、撮像位置距離を導出し、その後、ステップ228Nへ移行する。

ここで、本ステップ228Mの処理で用いられる特徴画素3次元座標とは、第1特徴画素3次元座標を指す。なお、本ステップ228Mの処理で用いられる特徴画素3次元座標は、第1特徴画素3次元座標に限らず、第2特徴画素3次元座標又は第3特徴画素3次元座標であってもよい。また、本ステップ228Mで用いられる平面方程式とは、ステップ228Lで確定された平面方程式を指す。

よって、本ステップ228Mでは、特徴画素3次元座標が平面方程式に代入されることで、撮像位置距離である“B”が導出される。

ステップ228Nで、制御部114は、一例として図22に示すように、表示部86に対して、ステップ228Mの処理で導出された撮像位置距離を第2撮像画像に重畳して表示させる。また、ステップ228Nで、制御部114は、ステップ228Mの処理で導出された撮像位置距離を既定の記憶領域に記憶し、その後、本第1導出処理を終了する。なお、既定の記憶領域の一例としては、一次記憶部102の記憶領域又は二次記憶部104の記憶領域が挙げられる。

なお、図22に示す例では、「144656.1」との数値が、ステップ228Mの処理で導出された撮像位置距離に該当し、単位はミリメートルである。

一方、ステップ214で、実行部112は、一例として図14に示す第2導出処理を実行する。

図14に示す第2導出処理では、先ず、ステップ214Aで、取得部110は、ユーザによりタッチパネル88を介して第1撮像画像から注目画素が指定されたか否かを判定する。

ステップ214Aにおいて、ユーザによりタッチパネル88を介して第1撮像画像から注目画素が指定されていない場合は、判定が否定されて、ステップ214Bへ移行する。ステップ214Aにおいて、ユーザによりタッチパネル88を介して第1撮像画像から注目画素が指定された場合は、判定が肯定されて、ステップ214Cへ移行する。

ステップ214Bで、取得部110は、第2導出処理を終了する条件を満足したか否かを判定する。なお、ステップ214Bにおいて、第2導出処理を終了する条件とは、上述のステップ201の説明で示した条件と同一の条件を指す。

ステップ214Bにおいて、第2導出処理を終了する条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ214Aへ移行する。ステップ214Bにおいて、第2導出処理を終了する条件を満足した場合は、判定が肯定されて、第2導出処理を終了する。なお、ステップ214Bにおいて判定が肯定されると、取得部110は、表示部86に対して、第1撮像画像及び重畳表示情報の表示を終了させる。

ステップ214Cで、取得部110は、第1撮像画像においてユーザによりタッチパネル88を介して指定された注目画素126(図20参照)を特定する注目画素座標を取得し、その後、ステップ214Dへ移行する。

ステップ214Dにおいて、測距装置10Aにより第2位置で撮像が実行されていない場合は、判定が否定されて、ステップ214Eへ移行する。ステップ214Dにおいて、測距装置10Aにより第2位置で撮像が実行された場合は、判定が肯定されて、ステップ214Fへ移行する。

ステップ214Eで、取得部110は、第2導出処理を終了する条件を満足したか否かを判定する。なお、ステップ214Eにおいて、第2導出処理を終了する条件とは、ステップ214Bで用いられる条件と同一の条件を指す。

ステップ214Eにおいて、第2導出処理を終了する条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ214Dへ移行する。ステップ214Eにおいて、第2導出処理を終了する条件を満足した場合は、判定が肯定されて、第2導出処理を終了する。なお、ステップ214Eにおいて判定が肯定されると、取得部110は、表示部86に対して、第1撮像画像及び重畳表示情報の表示を終了させる。

ステップ214Fで、取得部110は、第2位置で撮像が実行されることによって得られた第2撮像画像を示す第2撮像画像信号を取得し、その後、ステップ214Gへ移行する。なお、第2撮像画像は、第2位置において合焦状態で撮像されて得られた撮像画像である。

ステップ214Gで、取得部110は、表示部86に対して、取得した第2撮像画像信号により示される第2撮像画像を表示させ、その後、ステップ214H1へ移行する。

ステップ214H1で、取得部110は、第2撮像画像に含まれる画素のうち、上記の注目画素126に対応する画素である対応注目画素を特定し、特定した対応注目画素を特定する対応注目画素座標を取得し、その後、ステップ214H2へ移行する。

ステップ214H2で、導出部111は、第2照射位置画素座標を導出し、その後、ステップ214Iへ移行する。すなわち、本ステップ214H2において、導出部111は、第2撮像画像の画素のうち、ステップ207の処理で導出した第1照射位置画素座標により特定される画素の位置と対応する画素の位置を特定する座標を第2照射位置画素座標として導出する。

なお、第2撮像画像の画素のうち、第1照射位置画素座標により特定される画素の位置と対応する画素は、上述の対応注目画素の特定方法と同様に、第1及び第2撮像画像を解析対象としてパターンマッチング等の既存の画像解析を実行することで特定される。

ステップ214Iで、実行部112は、照射位置実空間座標、照射位置画素座標、撮像レンズ50の焦点距離、撮像画素60A1の寸法、及び数式(1)に基づいて、撮像位置距離を導出し、その後、ステップ214Jへ移行する。

ここで、本ステップ214Iの処理で用いられる照射位置実空間座標とは、ステップ206の処理で導出された照射位置実空間座標を指す。また、本ステップ214Iの処理で用いられる照射位置画素座標とは、ステップ207の処理で導出された第1照射位置画素座標、及びステップ214H2の処理で導出された第2照射位置画素座標を指す。

よって、本ステップ214Iでは、照射位置実空間座標、照射位置画素座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法が数式(1)に代入されることで、撮像位置距離である“B”が導出される。

ステップ214Jで、制御部114は、一例として図22に示すように、表示部86に対して、ステップ214Iの処理で導出された撮像位置距離を第2撮像画像に重畳して表示させる。また、ステップ214Jで、制御部114は、ステップ214Iの処理で導出された撮像位置距離を既定の記憶領域に記憶し、その後、本第2導出処理を終了する。なお、既定の記憶領域の一例としては、一次記憶部102の記憶領域又は二次記憶部104の記憶領域が挙げられる。

このように、第2導出処理では、第1導出処理のように平面方程式を用いる必要がなく、第2導出処理による撮像位置距離の導出に用いるパラメータの個数は、第1導出処理による撮像位置距離の導出に用いるパラメータの個数よりも少ない。そのため、第2導出処理は、第1導出処理に比べ、撮像位置距離の導出にかかる負荷が小さい。また、レーザ光の実際の照射位置が特定可能画素位置に対応する実空間上での位置と一致する場合、第2導出処理による撮像位置距離の導出精度は、第1導出処理による撮像位置距離の導出精度よりも高くなる。

次に、3次元座標導出ボタン90Gがオンされた場合にCPU100が3次元座標導出プログラム108を実行することで実現される3次元座標導出処理について図23を参照して説明する。

図23に示す3次元座標導出処理では、先ず、ステップ250で、実行部112は、第1導出処理に含まれるステップ228Mの処理、又は第2導出処理に含まれるステップ214Iの処理で撮像位置距離が既に導出されているか否かを判定する。ステップ250において、第1導出処理に含まれるステップ228Mの処理及び第2導出処理に含まれるステップ214Iの処理の何れの処理でも撮像位置距離が導出されていない場合は、判定が否定されて、ステップ258へ移行する。ステップ250において、第1導出処理に含まれるステップ228Mの処理、又は第2導出処理に含まれるステップ214Iの処理で撮像位置距離が既に導出されている場合は、判定が肯定されて、ステップ252へ移行する。

ステップ252で、実行部112は、指定画素3次元座標の導出を開始する条件(以下、「導出開始条件」という)を満足したか否かを判定する。導出開始条件の一例としては、指定画素3次元座標の導出を開始する指示がタッチパネル88によって受け付けられたとの条件、又は撮像位置距離が表示部86に表示されたとの条件等が挙げられる。

ステップ252において、導出開始条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ258へ移行する。ステップ252において、導出開始条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ステップ254へ移行する。

ステップ254で、実行部112は、注目画素座標、対応注目画素座標、撮像位置距離、撮像レンズ50の焦点距離、撮像画素60A1の寸法、及び数式(1)に基づいて、指定画素3次元座標を導出し、その後、ステップ256へ移行する。

ここで、本ステップ254の処理で用いられる注目画素座標とは、第1導出処理に含まれるステップ228Cの処理、又は第2導出処理に含まれるステップ214Cの処理で取得された注目画素座標を指す。また、本ステップ254の処理で用いられる対応注目画素座標とは、第1導出処理に含まれるステップ228Iの処理、又は第2導出処理に含まれるステップ214H1の処理で取得された対応注目画素座標を指す。また、本ステップ254の処理で用いられる撮像位置距離とは、第1導出処理に含まれるステップ228Mの処理、又は第2導出処理に含まれるステップ214Iの処理で導出された撮像位置距離を指す。

よって、本ステップ254では、注目画素座標、対応注目画素座標、撮像位置距離、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法が数式(1)に代入されることで、指定画素3次元座標が導出される。

ステップ256で、制御部114は、一例として図24に示すように、表示部86に対して、ステップ254の処理で導出された指定画素3次元座標を第2撮像画像に重畳して表示させる。また、ステップ256で、制御部114は、ステップ254の処理で導出された指定画素3次元座標を既定の記憶領域に記憶し、その後、ステップ258へ移行する。なお、既定の記憶領域の一例としては、一次記憶部102の記憶領域又は二次記憶部104の記憶領域が挙げられる。

なお、図24に示す例では、(20161,50134,136892)が、ステップ254の処理で導出された指定画素3次元座標に該当する。また、図24に示す例では、指定画素3次元座標が注目画素126に近接して表示されている。なお、注目画素126は、他の画素と区別可能に強調表示されるようにしてもよい。

ステップ258で、実行部112は、3次元座標導出処理を終了する条件を満足したか否かを判定する。3次元座標導出処理を終了する条件の一例としては、タッチパネル88により3次元座標導出処理を終了する指示が受け付けられたとの条件が挙げられる。3次元座標導出処理を終了する条件の他の例としては、ステップ250で判定が否定されてからステップ250で判定が肯定されることなく第2既定時間が経過したとの条件等が挙げられる。なお、第2既定時間とは、例えば、30分を指す。

ステップ258において、本3次元座標導出処理を終了する条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ250へ移行する。ステップ258において、本3次元座標導出処理を終了する条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本3次元座標導出処理を終了する。

以上説明したように、測距装置10Aでは、第1導出処理及び第2導出処理が実行される。第1導出処理は、レーザ光の実際の照射位置が第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素と異なる画素の位置に対応する実空間上の位置の場合に、第2導出処理よりも高精度に撮像位置距離を導出する処理とされている。第2導出処理は、レーザ光の実際の照射位置が第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素の位置に対応する実空間上の位置の場合に第1導出処理よりも高精度に撮像位置距離を導出する処理とされている。そして、測距装置10Aでは、導出部111により導出された照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置と異なる画素の位置の場合に、第1導出処理が実行される。従って、測距装置10Aによれば、レーザ光の照射位置を考慮しない場合に比べ、撮像位置距離を高精度に導出することができる。

また、測距装置10Aでは、導出部111により導出された照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置の場合に、第2導出処理が実行される。従って、測距装置10Aによれば、レーザ光の照射位置を考慮しない場合に比べ、撮像位置距離を高精度に導出することができる。

また、測距装置10Aでは、第2導出処理は、第1導出処理による撮像位置距離の導出で用いられるパラメータの個数よりも少ない複数のパラメータに基づいて撮像位置距離を導出する処理とされている。従って、測距装置10Aによれば、常に第1導出処理で撮像位置距離を導出する場合に比べ、撮像位置距離を低負荷で導出することができる。

また、測距装置10Aでは、導出部111により導出された第1照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置の場合に、一致メッセージ137Aが表示部86に表示される。従って、測距装置10Aによれば、導出部111により導出された第1照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置であることをユーザに認識させることができる。

また、測距装置10Aでは、導出部111により導出された第1照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置と異なる画素の位置の場合に、不一致メッセージ137Bが表示部86に表示される。従って、測距装置10Aによれば、導出部111により導出された第1照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置と異なる画素の位置であることをユーザに認識させることができる。

また、測距装置10Aでは、撮像位置距離導出処理で導出された撮像位置距離に基づいて、指定画素3次元座標が導出される(図23参照)。従って、測距装置10Aによれば、1種類の導出処理のみで撮像位置距離が導出される場合に比べ、指定画素3次元座標を高精度に導出することができる。

また、測距装置10Aでは、指定画素3次元座標は、注目画素座標、対応注目画素座標、撮像位置距離、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に基づいて規定されている(数式(1)参照)。従って、測距装置10Aによれば、指定画素3次元座標が注目画素座標、対応注目画素座標、撮像位置距離、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に基づいて規定されない場合に比べ、指定画素3次元座標を高精度に導出することができる。

また、測距装置10Aでは、実行部112により、3特徴画素座標、対応特徴画素座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に基づいて、数式(6)に示す平面方程式により規定される平面の向きが導出される(ステップ228K)。また、実行部112により、平面の向きとステップ206の処理で導出された照射位置実空間座標とに基づいて数式(6)に示す平面方程式が確定される(ステップ228L)。そして、実行部112により、確定された平面方程式、及び特徴画素3次元座標(例えば、第1特徴画素3次元座標)に基づいて撮像位置距離が導出される(ステップ228M)。従って、測距装置10Aによれば、導出部111により導出された照射位置画素座標により特定される画素の位置が特定可能画素位置と異なる画素の位置の場合に平面方程式を用いずに撮像位置距離を導出する場合に比べ、撮像位置距離を高精度に導出することができる。

また、測距装置10Aでは、取得部110により3特徴画素座標が取得され(ステップ228D)、取得部110により対応特徴画素座標が取得される(ステップ228J)。そして、実行部112により、3特徴画素座標、対応特徴画素座標、照射位置実空間座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に基づいて撮像位置距離が導出される(ステップ228M)。従って、測距装置10Aによれば、3特徴画素座標及び対応特徴画素座標を取得するにあたって特徴的な3画素をユーザに指定させる場合に比べ、少ない操作数で、3特徴画素座標及び対応特徴画素座標を基に撮像位置距離を導出することができる。

また、測距装置10Aでは、画素指定情報がタッチパネル88によって受け付けられ、受け付けられた画素指定情報により指定された画素が注目画素126とされ、取得部110により、注目画素座標が取得される(ステップ228C,214C)。また、取得部110により、注目画素126に対応する画素である対応注目画素が特定される。そして、取得部110により、対応画素注目画素を特定する対応注目画素座標が取得される(ステップ228I,214H1)。従って、測距装置10Aによれば、第1撮像画像及び第2撮像画像の両方に関する指定画素がユーザにより指定される場合に比べ、第1撮像画像及び第2撮像画像の両方に関する指定画素を迅速に決めることができる。

また、測距装置10Aには、測距ユニット12及び測距制御部68が含まれ、測距ユニット12及び測距制御部68によって計測された被写体までの距離が取得部110により取得される。従って、測距装置10Aによれば、測距ユニット12及び測距制御部68により取得された距離を照射位置実空間座標及び照射位置画素座標の導出に用いることができる。

また、測距装置10Aには、撮像装置14が含まれ、撮像装置14により被写体が撮像されて得られた第1撮像画像及び第2撮像画像が取得部110により取得される。従って、測距装置10Aによれば、撮像装置14により被写体が撮像されて得られた第1撮像画像及び第2撮像画像を撮像位置距離の導出に用いることができる。

更に、測距装置10Aでは、実行部112による導出結果が表示部86によって表示される(図22及び図24参照)。従って、測距装置10Aによれば、実行部112による導出結果が表示部86によって表示されない場合に比べ、実行部112による導出結果をユーザに容易に認識させることができる。

なお、上記第1実施形態では、3特徴画素座標を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものでない。例えば、3特徴画素座標に代えて、特徴的な4画素以上の既定数の画素の各々を特定する2次元座標を採用してもよい。

また、上記第1実施形態では、注目画素座標が第1撮像画像上の座標から取得され、対応注目画素座標が第2撮像画像上の座標から取得される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、注目画素座標が第2撮像画像上の座標から取得され、対応注目画素座標が第1撮像画像上の座標から取得されるようにしてもよい。

また、上記第1実施形態では、3特徴画素座標が第1撮像画像上の座標から取得され、対応特徴画素座標が第2撮像画像上の座標から取得される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、3特徴画素座標が第2撮像画像上の座標から取得され、対応特徴画素座標が第1撮像画像上の座標から取得されるようにしてもよい。

また、上記第1実施形態では、3特徴画素座標として、第1画素130、第2画素132、及び第3画素134の各々を特定する2次元座標が取得部110によって取得される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、図25に示すように、第1画素130A、第2画素132A、及び第3画素134Aの各々を特定する2次元座標が取得部110によって取得されるようにしてもよい。第1画素130A、第2画素132A、及び第3画素134Aは、外壁面画像128において取り囲まれる面積が最大となる3画素である。なお、3画素に限らず、外壁面画像128において取り囲まれる面積が最大となる3画素以上の既定数の画素であればよい。

このように、図25に示す例では、外壁面画像128において取り囲まれる面積が最大となる3画素が特徴的な3画素として特定され、特定された3画素に関する2次元座標が3特徴画素座標として取得部110によって取得される。また、取得部110により、3特徴画素座標に対応する対応特徴画素座標も取得される。従って、測距装置10Aによれば、特徴的な3画素として、取り囲む面積が最大とならない複数の画素を特定する3特徴画素座標及び対応特徴画素座標が取得される場合に比べ、撮像位置距離を高精度に導出することができる。

また、上記第1実施形態では、3次元座標導出ボタン90Gがオンされた場合に撮像位置距離導出処理が実現される場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、撮像位置距離導出ボタン90Fがオンされた場合に撮像位置距離導出処理が実行されるようにしてもよい。上記第1実施形態で説明した撮像位置距離導出処理は、3次元座標の導出を最終的な目的とした場合の一例である。

そのため、3次元座標の導出で要する注目画素座標及び対応注目画素座標を撮像位置距離導出処理で取得しているが、撮像位置距離の導出のみが目的の場合、撮像位置距離導出処理での注目画素座標及び対応注目画素座標の取得は不要である。よって、実行部112は、撮像位置距離導出ボタン90Fがオンされた場合、注目画素座標及び対応注目画素座標を取得せずに撮像位置距離を導出し、次いで、3次元座標導出ボタン90Gがオンされた場合に、注目画素座標及び対応注目画素座標を取得してもよい。この場合、実行部112は、例えば、図23に示す3次元座標導出処理のステップ252の処理とステップ254の処理との間で注目画素座標及び対応注目画素座標を取得し、取得した注目画素座標及び対応注目画素座標をステップ254の処理で用いればよい。

[第2実施形態] 上記第1実施形態では、外壁面画像128の全体を対象として3特徴画素座標が取得される場合について説明したが、本第2実施形態では、外壁面画像128の一部を対象として3特徴画素座標が取得される場合について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。

本第2実施形態に係る測距装置10Bは、一例として図6に示すように、測距装置10Aに比べ、二次記憶部104に撮像位置距離導出プログラム106に代えて撮像位置距離導出プログラム150が記憶されている点が異なる。

CPU100は、撮像位置距離導出プログラム150及び3次元座標導出プログラム108を実行することで、取得部154、導出部111、実行部112、及び制御部156として動作する(図9参照)。

取得部154は、上記第1実施形態で説明した取得部110に対応し、制御部156は、上記第1実施形態で説明した制御部114に対応する。なお、本第2実施形態では、説明の便宜上、取得部154及び制御部156については、上記第1実施形態で説明した取得部110及び制御部114と異なる部分について説明する。

制御部156は、表示部86に対して第1撮像画像を表示させ、かつ、表示領域内で外壁面画像128を他の領域と区別可能に表示させる制御を行う。タッチパネル88は、表示部86に外壁面画像128が表示された状態で座標取得対象領域を指定する領域指定情報を受け付ける。ここで、座標取得対象領域とは、外壁面画像128のうちの一部の閉領域を指す。領域指定情報とは、座標取得対象領域を指定する情報を指す。

取得部154は、タッチパネル88によって受け付けられた領域指定情報により指定された座標取得対象領域から、3特徴画素座標を取得する。

次に、測距装置10Bの本開示の技術に係る部分の作用として、CPU100が撮像位置距離導出プログラム150を実行することで実現される撮像位置距離導出処理に含まれる第1導出処理について図26を参照して説明する。なお、図13に示すフローチャートと同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。

図26に示すフローチャートは、図13に示すフローチャートに比べ、ステップ228Dに代えて、ステップ300〜312を有する点が異なる。

図26に示すステップ300で、制御部156は、第1撮像画像から外壁面画像128(図21参照)を特定し、その後、ステップ302へ移行する。

ステップ302で、制御部156は、表示部86に対して、ステップ300の処理で特定した外壁面画像128を、第1撮像画像の表示領域内の他の領域と区別可能に強調して表示させ、その後、ステップ304へ移行する。

ステップ304で、取得部154は、タッチパネル88によって領域指定情報が受け付けられ、受け付けられた領域指定情報により座標取得対象領域が指定されたか否かを判定する。

ステップ304において、領域指定情報により座標取得対象領域が指定されていない場合は、判定が否定されて、ステップ306へ移行する。ステップ304において、領域指定情報により座標取得対象領域が指定された場合は、判定が肯定されて、ステップ308へ移行する。なお、図示は省略するが、ステップ304において判定が肯定されると、取得部154は、表示部86に対して、後述のステップ310の処理が実行されることで表示部86に表示される再指定メッセージの表示を終了させる。

ステップ306で、取得部154は、第1導出処理を終了する条件を満足したか否かを判定する。ステップ306において、第1導出処理を終了する条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ304へ移行する。ステップ306において、第1導出処理を終了する条件を満足した場合は、判定が肯定されて、第1導出処理を終了する。なお、ステップ306において判定が肯定されると、取得部154は、表示部86に対して、第1撮像画像及び重畳表示情報の表示を終了させる。この場合の重畳表示情報とは、例えば、距離及び照射位置目印136等を指す。

ステップ308で、取得部154は、タッチパネル88によって受け付けられた領域指定情報により指定された座標取得対象領域158(図27参照)に、上記第1実施形態で説明した特徴的な3画素が存在するか否かを判定する。

一例として図27に示すように、タッチパネル88によって受け付けられた領域指定情報により座標取得対象領域158が指定された場合、座標取得対象領域158には、模様124(図15参照)を示す模様画像160が含まれている。

図28に示す例では、座標取得対象領域158に、特徴的な3画素として、第1画素162、第2画素164、及び第3画素166が含まれている。図28に示す例において、第1画素162は、模様画像160の正面視左上隅の画素であり、第2画素164は、模様画像160の正面視左下隅の画素であり、第3画素166は、模様画像160の正面視右下隅の画素である。

ステップ308において、タッチパネル88によって受け付けられた領域指定情報により指定された座標取得対象領域158に特徴的な3画素が存在しない場合は、判定が否定されて、ステップ310へ移行する。ステップ308において、タッチパネル88によって受け付けられた領域指定情報により指定された座標取得対象領域158に特徴的な3画素が存在する場合は、判定が肯定されて、ステップ312へ移行する。なお、本ステップ308において肯定判定される場合とは、例えば、図27に示すように、タッチパネル88によって受け付けられた領域指定情報により模様画像160を含む座標取得対象領域158が指定された場合を指す。また、図示は省略するが、本ステップ308において判定が肯定されると、取得部154は、表示部86に対して、外壁面画像128の強調した表示を終了させる

ステップ310で、制御部156は、表示部86に対して再指定メッセージを第1撮像画像の既定領域に重畳した表示を開始させ、その後、ステップ304へ移行する。再指定メッセージとは、例えば、「特徴的な模様又は建材等が含まれる閉領域を指定して下さい」とのメッセージを指す。なお、本ステップ310の処理が実行されることで表示された再指定メッセージは、ステップ304において判定が肯定されると非表示される。また、ここでは、再指定メッセージが可視表示される場合を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、音声再生装置(図示省略)による音声の出力等の可聴表示又はプリンタによる印刷物の出力等の永久可視表示を可視表示に代えて行ってもよいし、併用してもよい。

ステップ312で、取得部154は、タッチパネル88によって受け付けられた領域指定情報により指定された座標取得対象領域158において特徴的な3画素を特定する3特徴画素座標を取得し、その後、ステップ214へ移行する。なお、図28に示す例では、本ステップ312の処理が実行されることで、第1画素162、第2画素164、及び第3画素166の各々を特定する2次元座標が3特徴画素座標として取得部154によって取得される。また、図示は省略するが、本ステップ312の処理が実行されると、第1撮像画像及び重畳表示情報が非表示される。

以上説明したように、測距装置10Bでは、第1撮像画像において外壁面画像128が他の領域と区別可能に表示部86に表示される。また、タッチパネル88によって領域指定情報が受け付けられ、受け付けられた領域指定情報により、外壁面画像128の一部である座標取得対象領域が指定される。そして、取得部154により、座標取得対象領域に特徴的な3画素が含まれている場合、特徴的な3画素を特定する3特徴画素座標が取得され(ステップ312)、3特徴画素座標に対応する対応特徴画素座標も取得される(ステップ228)。従って、測距装置10Bによれば、外壁面画像128の全体を対象として3特徴画素座標及び対応特徴画素座標を取得する場合に比べ、小さな負荷で3特徴画素座標及び対応特徴画素座標を取得することができる。

[第3実施形態] 上記各実施形態では、画像解析により特定の画像内で特徴的な3画素が探索されて特定される場合について説明したが、本第3実施形態では、特徴的な3画素がタッチパネル88に対する操作に従って指定される場合について説明する。なお、本第3実施形態では、上記各実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。

本第3実施形態に係る測距装置10Cは、測距装置10Aに比べ、二次記憶部104に撮像位置距離導出プログラム106に代えて撮像位置距離導出プログラム168が記憶されている点が異なる。

CPU100は、撮像位置距離導出プログラム168及び3次元座標導出プログラム108を実行することで、一例として図9に示すように、取得部172、導出部111、実行部174、及び制御部176として動作する。

取得部172は、上記各実施形態で説明した取得部110(154)に対応し、実行部174は、上記第1実施形態で説明した実行部112に対応し、制御部176は、上記各実施形態で説明した制御部114(156)に対応する。なお、本第3実施形態では、説明の便宜上、取得部172、実行部174、及び制御部176については、上記各実施形態で説明した取得部110(154)、実行部112、及び制御部114(156)と異なる部分について説明する。

タッチパネル88は、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々が表示部86に表示されている場合、上記第1実施形態で説明した画素指定情報を受け付ける。また、タッチパネル88は、第2撮像画像が表示部86に表示されている場合も、上記第1実施形態で説明した画素指定情報を受け付ける。

取得部172は、第1撮像画像が表示部86に表示されている場合、タッチパネル88によって受け付けられた画素指定情報により指定された特徴的な3画素の各々を特定する2次元座標である第1特徴画素座標を取得する。第1特徴画素座標は、上記第1実施形態で説明した3特徴画素座標に対応する2次元座標である。

取得部172は、第2撮像画像が表示部86に表示されている場合、タッチパネル88によって受け付けられた画素指定情報により指定された特徴的な3画素の各々を特定する2次元座標である第2特徴画素座標を取得する。第2特徴画素座標は、上記第1実施形態で説明した対応特徴画素座標に対応する2次元座標である。

実行部174は、注目画素座標、対応注目画素座標、第1特徴画素座標、第2特徴画素座標、照射位置実空間座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に基づいて、撮像位置距離を導出する。

次に、測距装置10Cの本開示の技術に係る部分の作用として、CPU100が撮像位置距離導出プログラム150を実行することで実現される撮像位置距離導出処理に含まれる第1導出処理について図29及び図30を参照して説明する。なお、図13及び図26に示すフローチャートと同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。

図29に示すフローチャートは、図26に示すフローチャートに比べ、ステップ304に代えてステップ349を有する点が異なる。また、図29に示すフローチャートは、図26に示すフローチャートに比べ、ステップ308に代えてステップ350,352を有する点が異なる。また、図29に示すフローチャートは、図26に示すフローチャートに比べ、ステップ310に代えてステップ353を有する点が異なる。また、図29に示すフローチャートは、図26に示すフローチャートに比べ、ステップ312に代えてステップ354を有する点が異なる。更に、図30に示すフローチャートは、図13に示すフローチャートに比べ、ステップ228J,228Kに代えてステップ356〜372を有する点が異なる。

ステップ349で、取得部172は、タッチパネル88によって領域指定情報が受け付けられ、受け付けられた領域指定情報により第1座標取得対象領域178(図27参照)が指定されたか否かを判定する。なお、第1座標取得対象領域は、上記第2実施形態で説明した座標取得対象領域158に対応する領域である。

ステップ349において、領域指定情報により第1座標取得対象領域178が指定されていない場合は、判定が否定されて、ステップ306へ移行する。ステップ349において、領域指定情報により第1座標取得対象領域178が指定された場合は、判定が肯定されて、ステップ350へ移行する。なお、図示は省略するが、ステップ349において判定が肯定されると、取得部172は、表示部86に対して、後述のステップ353の処理が実行されることで表示部86に表示される再指定メッセージの表示を終了させる。

ステップ350で、制御部176は、表示部86に対して、タッチパネル88で受け付けられた領域指定情報により指定された第1座標取得対象領域178を、第1撮像画像の表示領域内の他の領域と区別可能に強調して表示させる。なお、図示は省略するが、ここで、本実施形態では、タッチパネル88によって画素指定情報が受け付けられ、受け付けられた画素指定情報により3画素が指定される。そして、3画素が指定されると、第1座標取得対象領域178の強調表示が終了する。

次のステップ352で、取得部172は、タッチパネル88によって受け付けられた画素指定情報により特徴的な3画素が指定されたか否かを判定する。

一例として図27に示すように、タッチパネル88によって受け付けられた領域指定情報により第1座標取得対象領域178が指定された場合、第1座標取得対象領域178には、模様画像160が含まれている。この場合、特徴的な3画素とは、一例として図28に示すように、模様画像160の3隅に存在する画素である第1画素162、第2画素164、及び第3画素166を指す。

ステップ352において、タッチパネル88によって受け付けられた画素指定情報により特徴的な3画素が指定されていない場合は、判定が否定されて、ステップ353へ移行する。ステップ352において、タッチパネル88によって受け付けられた画素指定情報により特徴的な3画素が指定された場合は、判定が肯定されて、ステップ354へ移行する。また、図示は省略するが、本ステップ352において判定が肯定されると、取得部172は、表示部86に対して、外壁面画像128の強調した表示を終了させる。

ステップ353で、制御部176は、表示部86に対して再指定メッセージを第1撮像画像の既定領域に重畳した表示を開始させ、その後、ステップ349へ移行する。本第3実施形態に係る再指定メッセージとは、例えば、「特徴的な模様又は建材等が含まれる閉領域を指定した上で、特徴的な3画素を指定して下さい」とのメッセージを指す。本ステップ353の処理が実行されることで表示された再指定メッセージは、ステップ349において判定が肯定されると非表示される。

ステップ354で、取得部172は、タッチパネル88によって受け付けられた画素指定情報により指定された特徴的な3画素を特定する第1特徴画素座標を取得し、その後、図30に示すステップ228Eへ移行する。なお、図28に示す例では、本ステップ354の処理が実行されることで、第1画素162、第2画素164、及び第3画素166の各々を特定する2次元座標が第1特徴画素座標として取得部172によって取得される。また、図示は省略するが、本ステップ354の処理が実行されると、第1撮像画像及び重畳表示情報が非表示される。

図30に示すステップ356で、制御部176は、第2撮像画像から外壁面画像128に対応する外壁面画像である対応外壁面画像を特定し、その後、ステップ358へ移行する。

ステップ358で、制御部176は、表示部86に対して、ステップ356の処理で特定した対応外壁面画像を、第2撮像画像の表示領域内の他の領域と区別可能に強調して表示させ、その後、ステップ360へ移行する。

ステップ360で、取得部172は、タッチパネル88によって領域指定情報が受け付けられ、受け付けられた領域指定情報により第2座標取得対象領域が指定されたか否かを判定する。なお、第2座標取得対象領域は、第2撮像画像において、第1座標取得対象領域178(図28参照)に対応する領域としてユーザによってタッチパネル88を介して指定された領域である。

ステップ360において、領域指定情報により第2座標取得対象領域が指定されていない場合は、判定が否定されて、ステップ362へ移行する。ステップ360において、領域指定情報により第2座標取得対象領域が指定された場合は、判定が肯定されて、ステップ364へ移行する。

ステップ362で、取得部172は、第1導出処理を終了する条件を満足したか否かを判定する。ステップ362において、第1導出処理を終了する条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ360へ移行する。ステップ362において、第1導出処理を終了する条件を満足した場合は、判定が肯定されて、第1導出処理を終了する。なお、ステップ362において判定が肯定されると、取得部172は、表示部86に対して、第2撮像画像の表示を終了させる。

ステップ364で、制御部176は、表示部86に対して、タッチパネル88で受け付けられた領域指定情報により指定された第2座標取得対象領域を、第2撮像画像の表示領域内の他の領域と区別可能に強調して表示させる。なお、図示は省略するが、ここで、本実施形態では、タッチパネル88によって画素指定情報が受け付けられ、受け付けられた画素指定情報により3画素が指定される。そして、3画素が指定されると、第2座標取得対象領域の強調表示が終了する。

ステップ366で、取得部172は、タッチパネル88によって受け付けられた画素指定情報により特徴的な3画素が指定されたか否かを判定する。

タッチパネル88によって受け付けられた領域指定情報により第2座標取得対象領域が指定された場合、第2座標取得対象領域には、模様画像160に対応する模様画像が含まれている。この場合、特徴的な3画素とは、第2撮像画像において、模様画像160に対応する模様画像の3隅に存在する画素である。模様画像160に対応する模様画像の3隅に存在する画素とは、例えば、第2撮像画像において、第1画素162に対応する画素、第2画素164に対応する画素、及び第3画素166に対応する画素を指す。

ステップ366において、タッチパネル88によって受け付けられた画素指定情報により特徴的な3画素が指定されていない場合は、判定が否定されて、ステップ368へ移行する。ステップ366において、タッチパネル88によって受け付けられた画素指定情報により特徴的な3画素が指定された場合は、判定が肯定されて、ステップ370へ移行する。

ステップ368で、制御部176は、表示部86に対して、本第3実施形態に係る再指定メッセージを第2撮像画像の既定領域に重畳した表示を開始させ、その後、ステップ360へ移行する。なお、本ステップ368の処理が実行されることで表示された再指定メッセージは、ステップ360において判定が肯定されると非表示される。

ステップ370で、取得部172は、タッチパネル88によって受け付けられた画素指定情報により指定された特徴的な3画素を特定する第2特徴画素座標を取得し、その後、ステップ372へ移行する。なお、本ステップ370では、例えば、第2撮像画像において、第1画素162に対応する画素、第2画素164に対応する画素、及び第3画素166に対応する画素の各々を特定する2次元座標が第2特徴画素座標として取得部172によって取得される。

ステップ372で、実行部174は、第1特徴画素座標、第2特徴画素座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法から、数式(6)に示す平面方程式のa,b,cを導出することで、平面方程式により規定される平面の向きを導出する。なお、本ステップ372の処理で用いられる第1特徴画素座標は、ステップ354の処理で取得された第1特徴画素座標であり、上記第1実施形態で説明した3特徴画素座標に相当する。また、本ステップ372の処理で用いられる第2特徴画素座標は、ステップ370の処理で取得された第2特徴画素座標であり、上記第1実施形態で説明した対応特徴画素座標に相当する。

以上説明したように、測距装置10Cでは、第1撮像画像においてタッチパネル88を介して特徴的な3画素が指定され、指定された特徴的な3画素を特定する第1特徴画素座標が取得部172により取得される(ステップ354)。また、第2撮像画像においてタッチパネル88を介して、第1撮像画像の特徴的な3画素に対応する特徴的な3画素が指定される(ステップ366:Y)。また、第2撮像画像においてタッチパネル88を介して指定された特徴的な3画素を特定する第2特徴画素座標が取得部172により取得される(ステップ370)。そして、実行部174により、注目画素座標、対応注目画素座標、第1特徴画素座標、第2特徴画素座標、焦点位置座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に基づいて、撮像位置距離が導出される。従って、測距装置10Cによれば、ユーザの意思に従って取得された第1特徴画素座標及び第2特徴画素座標を基に撮像位置距離を導出することができる。

[第4実施形態] 上記各実施形態では、第1位置及び第2位置のうち、第1位置でのみ測距が行われる場合について説明したが、本第4実施形態では、第2位置でも測距が行われる場合について説明する。なお、本第4実施形態では、上記各実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。

本第4実施形態に係る測距装置10Dは、測距装置10Aに比べ、二次記憶部104に撮像位置距離導出プログラム106に代えて撮像位置距離導出プログラム180が記憶されている点が異なる。また、測距装置10Dは、測距装置10Aに比べ、二次記憶部104に3次元座標導出プログラム108に代えて3次元座標導出プログラム181が記憶されている点が異なる。

CPU100は、撮像位置距離導出プログラム180及び3次元座標導出プログラム181を実行することで、一例として図9に示すように、取得部182、導出部111、実行部184、及び制御部185として動作する。

取得部182は、上記第2実施形態で説明した取得部154に対応し、実行部184は、上記第1実施形態で説明した実行部112に対応し、制御部185は、上記第2実施形態で説明した制御部156に対応する。なお、本第4実施形態では、説明の便宜上、取得部182については、上記第2実施形態で説明した取得部154と異なる部分について説明する。また、本第4実施形態では、説明の便宜上、実行部184については、上記第1実施形態で説明した実行部112と異なる部分について説明する。更に、本第4実施形態では、説明の便宜上、制御部185については、上記第2実施形態で説明した制御部156と異なる部分について説明する。

取得部182は、取得部154に比べ、参照用距離を更に取得する。ここで言う「参照用距離」とは、第2計測位置の測距ユニット12により射出されたレーザ光を基に計測された距離を指す。

実行部184は、注目画素座標、3特徴画素座標、参照用照射位置実空間座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に基づいて、第1撮像位置と第2撮像位置との距離である参照用撮像位置距離を導出する。そして、実行部184は、導出した参照用撮像位置距離を参照して撮像位置距離を調整することで、第1撮像位置と第2撮像位置との距離として最終的に採用される最終撮像位置距離を導出する。

また、実行部184は、導出した最終撮像位置距離に基づいて指定画素3次元座標を導出する。最終指定画素実空間座標とは、本開示の技術に係る指定画素の一例である注目画素126の実空間上での座標である3次元座標として最終的に採用される3次元座標を指す。

次に、測距装置10Dの本開示の技術に係る部分の作用として、CPU100が撮像位置距離導出プログラム180を実行することで実現される撮像位置距離導出処理に含まれる第1導出処理について図31を参照して説明する。なお、図13に示すフローチャートと同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。

図31に示すフローチャートは、図13に示すフローチャートに比べ、ステップ228E,228Gに代えてステップ400,402を有する点が異なる。また、図31に示すフローチャートは、図13に示すフローチャートに比べ、ステップ228L〜228Nに代えてステップ404〜416を有する点が異なる。

図31に示すステップ400で、取得部182は、測距装置10Dにより第2位置で距離の計測及び撮像が実行されたか否かを判定する。ステップ400において、測距装置10Dにより第2位置で距離の計測及び撮像が実行されていない場合は、判定が否定されて、ステップ228Fへ移行する。ステップ400において、測距装置10Dにより第2位置で距離の計測及び撮像が実行された場合は、判定が肯定されて、ステップ402へ移行する。

ステップ402で、取得部182は、第2位置で計測された距離である参照用距離、及び、第2位置で撮像が実行されることによって得られた第2撮像画像を示す第2撮像画像信号を取得し、その後、ステップ218Hへ移行する。

ステップ404で、実行部184は、ステップ206の処理で導出された照射位置実空間座標に基づいて数式(6)に示す平面方程式である第1平面方程式を確定し、その後、ステップ406へ移行する。

ステップ406で、実行部184は、特徴画素3次元座標及び第1平面方程式に基づいて、撮像位置距離を導出し、その後、ステップ408へ移行する。

ステップ408で、実行部184は、ステップ402の処理で取得部182によって取得された参照用距離、半画角α、射出角度β、及び基準点間距離Mから、数式(2)に基づいて、参照用照射位置実空間座標を導出し、その後、ステップ410へ移行する。なお、本ステップ408の処理で用いられる参照用距離は、上記第1実施形態で説明した距離Lに対応する距離である。

ステップ410で、実行部184は、ステップ408の処理で導出した参照用照射位置実空間座標に基づいて数式(6)に示す平面方程式である第2平面方程式を確定し、その後、ステップ412へ移行する。すなわち、本ステップ410において、実行部184は、ステップ228Kの処理で導出したa,b,c及びステップ408の処理で導出した参照用照射位置実空間座標を数式(6)に代入することで、数式(6)のdを確定する。ステップ228Kの処理で数式(6)のa,b,cが導出されているので、本ステップ410の処理で数式(6)のdが確定されると、第2平面方程式が確定される。

ステップ412で、実行部184は、特徴画素3次元座標及び第2平面方程式に基づいて、参照用撮像位置距離を導出し、その後、ステップ414へ移行する。なお、参照用撮像位置距離は、例えば、数式(7)に示す“B”に相当し、第1特徴画素3次元座標が第2平面方程式に代入されることで導出される。

ステップ414で、実行部184は、ステップ412の処理で導出した参照用撮像位置距離を参照して、ステップ406の処理で導出した撮像位置距離を調整することで、最終撮像位置距離を導出し、その後、ステップ416へ移行する。ここで、撮像位置距離を調整するとは、例えば、撮像位置距離及び参照用撮像位置距離の平均値を求めること、撮像位置距離及び参照用撮像位置距離の平均値に第1調整用係数を乗じること、又は第2調整用係数を撮像位置距離に乗じることを指す。

なお、第1調整用係数及び第2調整用係数は、何れも、例えば、参照用撮像位置距離に応じて一意に定まる係数である。第1調整用係数は、例えば、参照用撮像位置距離と第1調整用係数とが予め対応付けられた対応テーブル、又は、参照用撮像位置距離が独立変数とされ、第1調整用係数が従属変数とされた演算式から導出される。第2調整用係数も同様に導出される。対応テーブル及び演算式は、測距装置10Dの出荷前の段階で、測距装置10Dの実機による試験、又は測距装置10Dの設計仕様等に基づくコンピュータ・シミュレーション等の結果から導き出された導出用テーブル又は演算式から導出される。

よって、最終撮像位置距離の一例としては、撮像位置距離及び参照用撮像位置距離の平均値、撮像位置距離及び参照用撮像位置距離の平均値に第1調整用係数を乗じて得た値、又は撮像位置距離に第2調整用係数を乗じて得た値が挙げられる。

ステップ416で、制御部185は、表示部86に対して、一例として図32に示すように、ステップ414の処理で導出された最終撮像位置距離を第2撮像画像に重畳して表示させる。また、ステップ416で、制御部185は、ステップ414の処理で導出された最終撮像位置距離を既定の記憶領域に記憶し、その後、本撮像位置距離導出処理を終了する。

次に、3次元座標導出ボタン90Gがオンされた場合にCPU100が3次元座標導出プログラム181を実行することで実現される3次元座標導出処理について図33を参照して説明する。なお、ここでは、説明の便宜上、図31に示す第1導出処理が実行部184によって実行されたことを前提として説明する。

図33に示す3次元座標導出処理では、先ず、ステップ450で、実行部184は、第1導出処理に含まれるステップ414の処理で最終撮像位置距離が既に導出されているか否かを判定する。ステップ450において、第1導出処理に含まれるステップ414の処理で最終撮像位置距離が導出されていない場合は、判定が否定されて、ステップ458へ移行する。ステップ450において、第1導出処理に含まれるステップ414の処理で最終撮像位置距離が既に導出されている場合は、判定が肯定されて、ステップ452へ移行する。

ステップ452で、実行部184は、導出開始条件を満足したか否かを判定する。ステップ452において、導出開始条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ458へ移行する。ステップ452において、導出開始条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ステップ454へ移行する。

ステップ454で、実行部184は、注目画素座標、対応注目画素座標、最終撮像位置距離、撮像レンズ50の焦点距離、撮像画素60A1の寸法、及び数式(1)に基づいて、指定画素3次元座標を導出し、その後、ステップ456へ移行する。

なお、本ステップ454では、注目画素座標、対応注目画素座標、最終撮像位置距離、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法が数式(1)に代入されることで、指定画素3次元座標が導出される。

ステップ456で、制御部185は、一例として図34に示すように、表示部86に対して、ステップ454の処理で導出された指定画素3次元座標を第2撮像画像に重畳して表示させる。また、ステップ456で、制御部185は、ステップ454の処理で導出された指定画素3次元座標を既定の記憶領域に記憶し、その後、ステップ458へ移行する。

なお、図34に示す例では、(20160,50132,137810)が、ステップ454の処理で導出された指定画素3次元座標に該当する。また、図34に示す例では、指定画素3次元座標が注目画素126に近接して表示されている。

ステップ458で、実行部184は、3次元座標導出処理を終了する条件を満足したか否かを判定する。ステップ458において、3次元座標導出処理を終了する条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ450へ移行する。ステップ458において、3次元座標導出処理を終了する条件を満足した場合は、判定が肯定されて、3次元座標導出処理を終了する。

以上説明したように、測距装置10Dでは、第2位置から被写体までの距離が計測され、計測された距離である参照用距離が取得部182により取得される(ステップ402)。また、実行部184により、参照用距離に基づいて参照用照射位置実空間座標が導出される(ステップ408)。また、実行部184により、注目画素座標、対応注目画素座標、3特徴画素座標、対応特徴画素座標、参照用照射位置実空間座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に基づいて、参照用撮像位置距離が導出される(ステップ406)。そして、実行部184により、参照用撮像位置距離が参照されて撮像位置距離が調整されることで、最終撮像位置距離が導出される(ステップ414)。従って、測距装置10Dによれば、参照用撮像位置距離を用いない場合に比べ、第1撮像位置と第2撮像位置との距離を高精度に導出することができる。

また、測距装置10Dでは、撮像位置距離導出処理で導出された最終撮像位置距離に基づいて、指定画素3次元座標が導出される(図33参照)。従って、測距装置10Dによれば、最終撮像位置距離を用いない場合に比べ、指定画素3次元座標を高精度に導出することができる。

更に、測距装置10Dでは、指定画素3次元座標は、注目画素座標、対応注目画素座標、最終撮像位置距離、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に基づいて規定されている(数式(1)参照)。従って、測距装置10Dによれば、指定画素3次元座標が最終撮像位置距離、注目画素座標、対応注目画素座標、撮像レンズ50の焦点距離、及び撮像画素60A1の寸法に基づいて規定されない場合に比べ、指定画素3次元座標を高精度に導出することができる。

なお、上記第4実施形態では、第2位置から射出されたレーザ光を基に計測された距離を参照用距離としたが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、第1位置から射出されたレーザ光を基に計測された距離を参照用距離としてもよい。

[第5実施形態] 上記各実施形態では、1台の測距装置により撮像位置距離等が導出される場合について説明したが、本第5実施形態では、2台の測距装置及びパーソナル・コンピュータ(以下、PCと称する)により撮像位置距離等が導出される場合について説明する。なお、PCとは、Personal Computerの略語である。なお、本第5実施形態では、上記各実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。

一例として図35に示すように、本第5実施形態に係る情報処理システム500は、測距装置10E1,10E2及びPC502を有する。なお、本第5実施形態では、PC502が、測距装置10E1,10E2と通信可能とされている。また、本第5実施形態において、PC502は、本開示の技術に係る情報処理装置の一例である。

一例として図35に示すように、測距装置10E1は第1位置に配置されており、測距装置10E2は第1位置と異なる第2位置に配置されている。

一例として図36に示すように、測距装置10E1,10E2は同一の構成とされている。なお、以下では、測距装置10E1,10E2を区別して説明する必要がない場合、「測距装置10E」と称する。

測距装置10Eは、測距装置10Aに比べ、撮像装置14に代えて撮像装置15を有する点が異なる。撮像装置15は、撮像装置14に比べ、撮像装置本体18に代えて撮像装置本体19を有する点が異なる。

撮像装置本体19は、撮像装置本体18に比べ、通信I/F83を有する点が異なる。通信I/F83は、バスライン84に接続されており、主制御部62の制御下で動作する。

通信I/F83は、例えば、インターネットなどの通信網(図示省略)に接続されており、通信網に接続されたPC502との間の各種情報の送受信を司る。

一例として図37に示すように、PC502は、主制御部503を備えている。主制御部503は、CPU504、一次記憶部506、及び二次記憶部508を有する。CPU504、一次記憶部506、及び二次記憶部508は、バスライン510を介して相互に接続されている。

また、PC502は、通信I/F512を備えている。通信I/F512は、バスライン510に接続されており、主制御部503の制御下で動作する。通信I/F512は、通信網に接続されており、通信網に接続された測距装置10Eとの間の各種情報の送受信を司る。

また、PC502は、受付部513及び表示部514を備えている。受付部513は、受付I/F(図示省略)を介してバスライン510に接続されており、受付I/Fは、受付部513によって受け付けられた指示の内容を示す指示内容信号を主制御部503に出力する。なお、受付部513は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネルにより実現される。

表示部514は、表示制御部(図示省略)を介してバスライン510に接続されており、表示制御部の制御下で各種情報を表示する。なお、表示部514は、例えば、LCDにより実現される。

二次記憶部508は、上記各実施形態で説明した撮像位置距離導出プログラム106(150,168,180)及び3次元座標導出プログラム108(181)を記憶している。なお、以下では、説明の便宜上、撮像位置距離導出プログラム106,150,168,180を区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「撮像位置距離導出プログラム」と称する。また、以下では、説明の便宜上、3次元座標導出プログラム108,181を区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「3次元座標導出プログラム」と称する。

CPU504は、測距装置10E1から第1撮像画像信号、注目画素座標、及び距離等を通信I/F512を介して取得する。また、CPU504は、測距装置10E2から第2撮像画像信号等を通信I/F512を介して取得する。

CPU504は、二次記憶部508から撮像位置距離導出プログラム及び3次元座標導出プログラムを読み出して一次記憶部506に展開し、撮像位置距離導出プログラム及び3次元座標導出プログラムを実行する。なお、以下では、説明の便宜上、撮像位置距離導出プログラム及び3次元座標導出プログラムを総称する場合、「導出プログラム」と称する。

CPU504は、導出プログラムを実行することで、取得部110(154,172,182)、導出部111、実行部112(174,184)、及び制御部114(156,176,185)として動作する。

よって、情報処理システム500では、PC502が測距装置10Eから第1撮像画像信号、2撮像画像信号、注目画素座標、及び距離等を通信I/F512を介して取得した上で導出プログラムを実行することで、上記各実施形態と同様の作用及び効果が得られる。

[第6実施形態] 上記第1実施形態では、測距ユニット12及び撮像装置14により測距装置10Aが実現される場合を例示したが、本第6実施形態では、更にスマートデバイス602を備えることによって実現される測距装置10Fについて説明する。なお、本第6実施形態では、上記各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略し、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。

一例として図38に示すように、本第6実施形態に係る測距装置10Fは、上記第1実施形態に係る測距装置10Aに比べ、撮像装置14に代えて撮像装置600を有する点が異なる。また、測距装置10Fは、測距装置10Aに比べ、スマートデバイス602を有する点が異なる。

撮像装置600は、撮像装置14に比べ、撮像装置本体18に代えて撮像装置本体603を有する点が異なる。

撮像装置本体603は、撮像装置本体18に比べ、無線通信部604及び無線通信用アンテナ606を有する点が異なる。

無線通信部604は、バスライン84及び無線通信用アンテナ606に接続されている。主制御部62は、スマートデバイス602へ送信される対象の情報である送信対象情報を無線通信部604に出力する。

無線通信部604は、主制御部62から入力された送信対象情報を無線通信用アンテナ606を介してスマートデバイス602へ電波で送信する。また、無線通信部604は、スマートデバイス602からの電波が無線通信用アンテナ606で受信されると、受信された電波に応じた信号を取得し、取得した信号を主制御部62に出力する。

スマートデバイス602は、CPU608、一次記憶部610、及び二次記憶部612を備えている。CPU608、一次記憶部610、及び二次記憶部612は、バスライン614に接続されている。

CPU608は、スマートデバイス602を含めて測距装置10Fの全体を制御する。一次記憶部610は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。一次記憶部610の一例としては、RAMが挙げられる。二次記憶部612は、スマートデバイス602を含めて測距装置10Fの全体の作動を制御する制御プログラム及び各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリである。二次記憶部612の一例としては、フラッシュメモリ又はEEPROMが挙げられる。

スマートデバイス602は、表示部615、タッチパネル616、無線通信部618、及び無線通信用アンテナ620を備えている。

表示部615は、表示制御部(図示省略)を介してバスライン614に接続されており、表示制御部の制御下で各種情報を表示する。なお、表示部615は、例えば、LCDにより実現される。

タッチパネル616は、表示部615の表示画面に重ねられており、指示体による接触を受け付ける。タッチパネル616は、タッチパネルI/F(図示省略)を介してバスライン614に接続されており、指示体により接触された位置を示す位置情報をタッチパネルI/Fに出力する。タッチパネルI/Fは、CPU608の指示に従ってタッチパネルI/Fを作動させ、タッチパネル616から入力された位置情報をCPU608に出力する。

表示部615には、計測撮像ボタン90A、撮像ボタン90B、撮像系動作モード切替ボタン90C、広角指示ボタン90D、及び望遠指示ボタン90E、撮像位置距離導出ボタン90F、及び3次元座標導出ボタン90G等に相当するソフトキーが表示される(図39参照)。

例えば、図39に示すように、表示部615には、計測撮像ボタン90Aとして機能する計測撮像ボタン90A1がソフトキーとして表示され、タッチパネル616を介してユーザによって押下される。また、例えば、表示部615には、撮像ボタン90Bとして機能する撮像ボタン90B1がソフトキーとして表示され、タッチパネル616を介してユーザによって押下される。また、例えば、表示部615には、撮像系動作モード切替ボタン90Cとして機能する撮像系動作モード切替ボタン90C1がソフトキーとして表示され、タッチパネル616を介してユーザによって押下される。

また、例えば、表示部615には、広角指示ボタン90Dとして機能する広角指示ボタン90D1がソフトキーとして表示され、タッチパネル616を介してユーザによって押下される。更に、例えば、表示部615には、望遠指示ボタン90Eとして機能する望遠指示ボタン90E1がソフトキーとして表示され、タッチパネル616を介してユーザによって押下される。

また、例えば、表示部615には、撮像位置距離導出ボタン90Fとして機能する撮像位置距離導出ボタン90F1がソフトキーとして表示され、タッチパネル616を介してユーザによって押下される。また、例えば、表示部615には、3次元座標導出ボタン90Gとして機能する3次元座標導出ボタン90G1がソフトキーとして表示され、タッチパネル616を介してユーザによって押下される。

無線通信部618は、バスライン614及び無線通信用アンテナ620に接続されている。無線通信部618は、CPU608から入力された信号を無線通信用アンテナ620を介して撮像装置本体603へ電波で送信する。また、無線通信部618は、撮像装置本体603からの電波が無線通信用アンテナ620で受信されると、受信された電波に応じた信号を取得し、取得した信号をCPU608に出力する。従って、撮像装置本体603は、スマートデバイス602との間で無線通信が行われることで、スマートデバイス602によって制御される。

二次記憶部612は、導出プログラムを記憶している。CPU608は、二次記憶部612から導出プログラムを読み出して一次記憶部610に展開し、導出プログラムを実行する。

CPU608は、導出プログラムを実行することで、取得部110(154,172,182)、導出部111、実行部112(174,184)、及び制御部114(156,176,185)として動作する。例えば、CPU608が撮像位置距離導出プログラム106を実行することで、上記第1実施形態で説明した撮像位置距離導出処理が実現される。また、例えば、CPU608が3次元座標導出プログラム108を実行することで、上記第1実施形態で説明した3次元座標導出処理が実現される。

従って、測距装置10Fでは、スマートデバイス602が導出プログラムを実行することで、上記各実施形態と同様の作用及び効果が得られる。また、測距装置10Fによれば、撮像装置600によって撮像位置距離導出処理及び3次元導出処理が実行される場合に比べ、上記各実施形態で説明した効果を得るにあたって、撮像装置600にかかる負荷を軽減することができる。

なお、上記各実施形態では、対応注目画素が、第2撮像画像を解析対象として画像解析を実行することで特定され、特定された対応注目画素を特定する対応注目画素座標が取得されるが(ステップ228I,214H1参照)、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、ユーザがタッチパネル88を介して第2撮像画像から注目画素に対応する画素を対応注目画素として指定するようにしてもよい。

また、上記各実施形態では、実行部112(174,184)が照射位置実空間座標、平面の向き、撮像位置距離、及び指定画素3次元座標等を演算式を用いて導出する場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものでない。例えば、実行部112(174,184)は、演算式の独立変数を入力とし、演算式の従属変数を出力とするテーブルを用いて照射位置実空間座標、平面の向き、撮像位置距離、及び指定画素3次元座標等を導出するようにしてもよい。

また、上記各実施形態では、導出プログラムを二次記憶部104(508,612)から読み出す場合を例示したが、必ずしも最初から二次記憶部104(508,612)に記憶させておく必要はない。例えば、図40に示すように、SSD(Solid State Drive)又はUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの任意の可搬型の記憶媒体700に先ずは導出プログラムを記憶させておいてもよい。この場合、記憶媒体700の導出プログラムが測距装置10A(10B,10C,10D,10F)(以下、「測距装置10A等」と称する)又はPC502にインストールされ、インストールされた導出プログラムがCPU100(504,608)によって実行される。

また、通信網(図示省略)を介して測距装置10A等又はPC502に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部に導出プログラムを記憶させておき、導出プログラムが測距装置10A等の要求に応じてダウンロードされるようにしてもよい。この場合、ダウンロードされた導出プログラムがCPU100(504,608)によって実行される。

また、上記各実施形態では、照射位置目印136、撮像位置距離、及び指定画素3次元座標等の各種情報が表示部86に表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、測距装置10A等又はPC502に接続して使用される外部装置の表示部に各種情報が表示されるようにしてもよい。外部装置の一例としては、PC、又は眼鏡型若しくは腕時計型のウェアラブル端末装置が挙げられる。

また、上記各実施形態では、照射位置目印136、撮像位置距離、及び指定画素3次元座標等が表示部86により可視表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、音声再生装置による音声の出力等の可聴表示又はプリンタによる印刷物の出力等の永久可視表示を可視表示に代えて行ってもよいし、併用してもよい。

また、上記各実施形態では、照射位置目印136、撮像位置距離、及び指定画素3次元座標等が表示部86に表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、照射位置目印136、撮像位置距離、及び指定画素3次元座標等のうちの少なくとも1つが表示部86と異なる表示部(図示省略)に表示されるようにし、残りが表示部86に表示されるようにしてもよい。照射位置目印136、撮像位置距離、及び指定画素3次元座標等の各々が表示部86を含めた複数の表示部に個別に表示されるようにしてもよい。

また、上記各実施形態では、測距用の光としてレーザ光を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、指向性のある光である指向性光であればよい。例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)又はスーパールミネッセントダイオード(SLD:Super Luminescent Diode)等により得られる指向性光であってもよい。指向性光が有する指向性は、レーザ光が有する指向性と同程度の指向性であることが好ましく、例えば、数メートルから数キロメートルの範囲内における測距で使用可能な指向性であることが好ましい。

また、上記各実施形態で説明した撮像位置距離導出処理及び3次元座標導出処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。また、撮像位置距離導出処理及び3次元座標導出処理に含まれる各処理は、ASIC等のハードウェア構成のみで実現されてもよいし、コンピュータを利用したソフトウェア構成とハードウェア構成との組み合わせで実現されてもよい。

また、上記各実施形態では、説明の便宜上、測距装置10A等に含まれる撮像装置本体18の側面に測距ユニット12が取り付けられる場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、撮像装置本体18の上面又は下面に測距ユニット12が取り付けられてもよい。また、例えば、図41に示すように、測距装置10A等に代えて測距装置10Gを適用してもよい。一例として図41に示すように、測距装置10Gは、測距装置10A等に比べ、測距ユニット12に代えて測距ユニット12Aを有する点、及び撮像装置本体18に代えて撮像装置本体18Aを有する点が異なる。

図41に示す例において、測距ユニット12Aは、撮像装置本体18Aの筐体18A1に収容されており、対物レンズ32,38は、測距装置10Gの正面側(撮像レンズ50が露出している側)に筐体18A1から露出している。また、測距ユニット12Aは、光軸L1,L2が鉛直方向において同一の高さに設定されるように配置されることが好ましい。なお、筐体18A1に対して測距ユニット12Aが挿脱可能な開口(図示省略)が筐体18A1に形成されていてもよい。

なお、上記第1実施形態に係る撮像位置距離算出処理に含まれるステップ206,207の処理で用いられる半画角α、及び上記第4実施形態に係る撮像位置距離算出処理に含まれるステップ408の処理で用いられる半画角αは、次の数式(10)に基づいて導出される。数式(10)において、“f0”とは、焦点距離を指す。

本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。

(付記1) 被写体が第1撮像位置から撮像されて得られた第1撮像画像と、被写体が第1撮像位置とは異なる第2撮像位置から撮像されて得られた第2撮像画像と、第1撮像位置に対応する位置及び第2撮像位置に対応する位置の一方から指向性のある光である指向性光が被写体に射出されて指向性光の反射光が受光されることにより計測された被写体までの距離と、を取得する取得部と、 取得部により取得された距離に基づいて、指向性光による被写体に対する実空間上での照射位置を特定する照射位置実空間座標、並びに、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、照射位置実空間座標により特定される照射位置と対応する画素の位置を特定する照射位置画素座標を導出する導出部と、 照射位置画素座標により特定される画素の位置が第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において互いに対応する位置で特定可能な画素の位置と異なる画素の位置である位置特定不可能状態の場合に、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、実空間上で指向性光が照射された照射位置と同一の平面状領域に存在し、かつ、互いに対応する位置で特定可能な3画素以上の複数画素を特定する複数の座標である複数画素座標と、照射位置実空間座標と、被写体の撮像に用いられた撮像レンズの焦点距離と、被写体を撮像する撮像画素群に含まれる撮像画素の寸法と、に基づいて第1撮像位置と第2撮像位置との距離である撮像位置距離を導出する導出処理を実行する実行部と、 を含む情報処理装置。

(付記2) 取得部は、複数画素座標を更に取得し、 導出処理は、取得部により取得された複数画素座標と、照射位置実空間座標と、焦点距離と、寸法とに基づいて撮像位置距離を導出する処理である付記1に記載の情報処理装置。

(付記3) 複数画素は、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々から画素を指定する第1画素指定情報を受け付ける第1受付部によって受け付けられた第1画素指定情報により指定され、 取得部は、第1画素指定情報により指定された複数画素を特定する複数の座標を複数画素座標として取得する付記2に記載の情報処理装置。

(付記4) 複数画素座標は、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々にて、実空間上で照射位置と同一の平面状領域に存在し、かつ、互いに対応する位置で特定可能な3画素以上の既定数の画素であって、取り囲む面積が最大となる複数画素の各々を特定する座標である付記2に記載の情報処理装置。

(付記5) 第1表示部に対して第1撮像画像及び第2撮像画像の少なくとも一方を表示させ、かつ、表示領域内で照射位置と同一の平面状領域に対応する対応領域を他の領域と区別可能に表示させる制御を行う第1制御部を更に含み、 取得部は、第1表示部に対応領域が表示された状態で対応領域の一部を指定する領域指定情報を受け付ける第2受付部によって受け付けられた領域指定情報により指定された対応領域の一部から複数画素座標を取得する付記2に記載の情報処理装置。

(付記6) 取得部は、第1撮像位置に対応する位置及び第2撮像位置に対応する位置の他方から指向性光が被写体に射出されて指向性光の反射光が受光されることにより計測された被写体までの参照用距離を更に取得し、 導出部は、取得部により取得された参照用距離に基づいて、指向性光による被写体に対する照射位置を特定する参照用照射位置実空間座標を更に導出し、 実行部は、複数画素座標と、参照用照射位置実空間座標と、焦点距離と、寸法と、に基づいて第1撮像位置と第2撮像位置との距離である参照用撮像位置距離を導出し、導出した参照用撮像位置距離を参照して撮像位置距離を調整することで、第1撮像位置と第2撮像位置との距離として最終的に採用される最終撮像位置距離を導出する処理を実行する付記1から付記5の何れか1つに記載の情報処理装置。

(付記7) 実行部は、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において実空間上での位置が対応する画素として指定された指定画素の位置に対応する実空間上での位置の座標として最終的に採用される最終指定画素実空間座標を最終撮像位置距離に基づいて導出する処理を実行する付記6に記載の情報処理装置。

(付記8) 最終指定画素実空間座標は、最終撮像位置距離と、第1撮像画像及び第2撮像画像の各々において、指定画素として互いに対応する位置で特定可能な画素を特定する指定画素座標と、焦点距離と、寸法と、に基づいて規定された付記7に記載の情報処理装置。

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