Method of determining the position of a mobile station in a wireless communication system

申请号 JP445098 申请日 1998-01-13 公开(公告)号 JP3207148B2 公开(公告)日 2001-09-10
申请人 ルーセント テクノロジーズ インコーポレイテッド; 发明人 マンサン ヤン ポール;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 ワイアレス通信システムにおける移動局の位置の決定方法において、 ワイアレス通信システムの基地局から第1時間情報信号を受信するステップと、 移動局内で前記第1時間情報信号を処理して第2時間情報信号を生成するステップと、 システムの移動局から基地局へのデータキャリア信号から周波数オフセットした、データキャリア信号よりも実質的に低いパワーレベルを有する、低パワーオフセットキャリア信号を用いて、前記第2時間情報信号を前記基地局に送信するステップとを有し、 前記基地局は少なくとも1つの他の基地局から受信した射程距離情報とともに前記第1時間情報信号と第2時間情報信号を用いて移動局の位置を決定することを特徴とする、ワイアレス通信システムにおける移動局の位置の決定方法。
  • 【請求項2】 前記オフセットキャリア信号は、ワイアレス通信システムの最大のスプリアス信号パワーレベル要件以下のパワーレベルを有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 【請求項3】 前記第2時間情報信号を前記基地局に送信するステップは、ナローバンドFM信号を生成するために、前記第2時間情報信号をオフセットキャリア信号上に変調するステップを含むことを特徴とする請求項1
    記載の方法。
  • 【請求項4】 前記第2時間情報信号を前記基地局に送信するステップは、CDMA信号を生成するために、前記第2時間情報信号をオフセットキャリア信号上に変調するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 【請求項5】 前記第1時間情報信号は、基地局により生成され移動局に同期チャネルを介して伝送される送信タイムスタンプに対応することを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 【請求項6】 前記第1時間情報信号を処理して第2時間情報信号を生成するステップは、 第1時間情報信号から標準時刻を抽出するステップと、 粗タイムスタンプを生成するために、移動局のクロック信号を用いて前記標準時刻をゲーティングするステップと、 高解像度タイムスタンプを生成するために、前記粗タイムスタンプを所望の射程距離解像度に分割するステップと、 第2時間情報信号を生成するために、内部遅延修正係数を前記高解像度タイムスタンプに加えるステップとを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 【請求項7】 前記移動局のクロック信号を用いて前記標準時刻をゲーティングするステップは、アクセスチャネルフレームクロックを用いて前記標準時刻をゲーティングするステップを含むことを特徴とする請求項6記載の方法。
  • 【請求項8】 移動局の位置決定機能を有するワイアレス通信システムに用いられる移動局において、 ワイアレス通信システムの基地局から第1時間情報信号を受信する受信機と、 前記受信機から前記第1時間情報信号を受け取るように接続された入力を有するオフセットキャリア生成回路とを有し、 前記生成回路は、前記第1時間情報信号を処理して第2
    時間情報信号を生成し、システムの移動局から基地局へのデータキャリア信号から周波数オフセットした、データキャリア信号よりも実質的に低いパワーレベルを有する、低パワーオフセットキャリア信号を用いて、前記第2時間情報信号を前記基地局に送信し、 前記基地局は少なくとも1つの他の基地局から受信した射程距離情報とともに前記第1時間情報信号と第2時間情報信号を用いて移動局の位置を決定することを特徴とする移動局。
  • 【請求項9】 前記オフセットキャリア信号は、ワイアレス通信システムの最大のスプリアス信号パワーレベル要件以下のパワーレベルを有することを特徴とする請求項8記載の移動局。
  • 【請求項10】 前記生成回路は、ナローバンドFM信号を生成するために、前記第2時間情報信号をオフセットキャリア信号上に変調することにより、前記第2時間情報信号を前記基地局に送信するように動作することを特徴とする請求項8記載の移動局。
  • 【請求項11】 前記生成回路は、CDMA信号を生成するために、前記第2時間情報信号をオフセットキャリア信号上に変調することにより、前記第2時間情報信号を前記基地局に送信するように動作することを特徴とする請求項8記載の移動局。
  • 【請求項12】 前記第1時間情報信号は、基地局により生成され移動局に同期チャネルを介して伝送される送信タイムスタンプに対応することを特徴とする請求項8
    記載の移動局。
  • 【請求項13】 前記生成回路は、 粗タイムスタンプを生成するために、前記第1時間情報信号から抽出した標準時刻をゲーティングする時間タグ生成回路と、 高解像度タイムスタンプを生成するために、前記粗タイムスタンプを所望の射程距離解像度に分割する分割回路とを有することを特徴とする請求項8記載の移動局。
  • 【請求項14】 前記時間タグ生成回路は、前記移動局のアクセスチャネルフレームクロックを用いて、前記第1時間情報信号から抽出した標準時刻をゲーティングすることを特徴とする請求項13記載の移動局。
  • 【請求項15】 ワイアレス通信システムにおける移動局の位置の決定方法において、 ワイアレス通信システムの第1基地局から第1時間情報信号を送信するステップと、 システムの移動局から基地局へのデータキャリア信号から周波数オフセットした、データキャリア信号よりも実質的に低いパワーレベルを有する、低パワーオフセットキャリア信号を用いて、前記移動局から第1基地局に送信された、前記第1時間情報信号に応答して移動局により生成された第2時間情報信号を、前記第1基地局で受信するステップと、 前記第1基地局で、少なくとも1つの他の基地局から受信した射程距離情報とともに前記第1時間情報信号と第2時間情報信号を処理することにより移動局の位置を決定するステップとを有することを特徴とする、ワイアレス通信システムにおける移動局の位置の決定方法。
  • 【請求項16】 前記オフセットキャリア信号は、ワイアレス通信システムの最大のスプリアス信号パワーレベル要件以下のパワーレベルで基地局に送信されることを特徴とする請求項15記載の方法。
  • 【請求項17】 前記第1時間情報信号は、第1基地局により生成され移動局に同期チャネルを介して伝送される送信タイムスタンプに対応することを特徴とする請求項15記載の方法。
  • 【請求項18】 前記前記第1時間情報信号と第2時間情報信号を処理することにより移動局の位置を決定するステップは、 前記第1基地局における時間を、ワイアレス通信システムの第2および第3基地局における時間と同期させるステップと、 前記第1基地局から移動局へ第1時間情報信号の一部として伝送される送信タイムスタンプと、移動局から第1
    基地局へオフセットキャリア信号上で伝送される受信タイムスタンプとを用いて、前記第1基地局における第1
    射程距離値を計算するステップと、 前記第2基地局と第3基地局でそれぞれ計算された対応する第2射程距離値と第3射程距離値とを受信するステップと、 移動局の位置を表す位置ベクトルを生成するために、前記第1、第2および第3射程距離値を処理するステップとを有することを特徴とする請求項15記載の方法。
  • 【請求項19】 前記第1基地局における第1射程距離値を計算するステップは、 前記送信タイムスタンプと受信タイムスタンプとの間の時間差を測定するステップと、 前記測定の結果を移動局と第1基地局の内部遅延で修正するステップとを含むことを特徴とする請求項18記載の方法。
  • 【請求項20】 移動局の位置決定機能を有するワイアレス通信システムに用いられる基地局において、 ワイアレス通信システムの移動局に第1時間情報信号を送信する送信機と、 前記移動局から基地局へのデータキャリア信号から周波数オフセットした、データキャリア信号よりも実質的に低いパワーレベルを有する、低パワーオフセットキャリア信号を用いて、前記移動局から基地局へ送信された、
    前記第1時間情報信号に応答して移動局により生成された第2時間情報信号を受信する受信機と、 少なくとも1つの他の基地局から受信した射程距離情報とともに前記第1時間情報信号と第2時間情報信号を処理することにより移動局の位置を決定するプロセッサとを有することを特徴とする基地局。
  • 【請求項21】 前記オフセットキャリア信号は、ワイアレス通信システムの最大のスプリアス信号パワーレベル要件以下のパワーレベルを有することを特徴とする請求項20記載の基地局。
  • 【請求項22】 前記第1時間情報信号は、基地局により生成され移動局に同期チャネルを介して伝送される送信タイムスタンプに対応することを特徴とする請求項2
    0記載の基地局。
  • 【請求項23】 前記基地局のプロセッサは、 前記基地局における時間を、ワイアレス通信システムの第2および第3基地局における時間と同期させ、 移動局へ第1時間情報信号の一部として伝送される送信タイムスタンプと、移動局からオフセットキャリア信号上で伝送される受信タイムスタンプとを用いて、第1射程距離値を計算し、 前記第2基地局と第3基地局内でそれぞれ計算された対応する第2射程距離値と第3射程距離値とを受信し、 移動局の位置を表す位置ベクトルを生成するために、前記第1、第2および第3射程距離値を処理するように動作することを特徴とする請求項20記載の基地局。
  • 【請求項24】 前記プロセッサは、 前記送信タイムスタンプと受信タイムスタンプとの間の時間差を測定し、 前記測定の結果を移動局と基地局の内部遅延で修正することにより、前記基地局における第1射程距離値を計算するように動作することを特徴とする請求項23記載の基地局。
  • 【請求項25】 移動局の位置決定機能を有するワイアレス通信システムにおいて、 少なくとも1つの移動局と、 少なくとも第1、第2および第3基地局を含む複数の基地局と、 を有し、前記第1基地局は、 移動局に第1時間情報信号を送信する送信機と、 前記移動局から第1基地局へのデータキャリア信号から周波数オフセットした、データキャリア信号よりも実質的に低いパワーレベルを有する、低パワーオフセットキャリア信号を用いて、前記移動局から第1基地局へ送信された、前記第1時間情報信号に応答して移動局により生成された第2時間情報信号を受信する受信機と、 少なくとも1つの他の基地局から受信した射程距離情報とともに前記第1時間情報信号と第2時間情報信号を処理することにより移動局の位置を決定するプロセッサとを有することを特徴とするワイアレス通信システム。
  • 【請求項26】 前記オフセットキャリア信号は、ワイアレス通信システムの最大のスプリアス信号パワーレベル要件以下のパワーレベルを有することを特徴とする請求項25記載のワイアレス通信システム。
  • 【請求項27】 前記第1時間情報信号は、第1基地局により生成され移動局に同期チャネルを介して伝送される送信タイムスタンプに対応することを特徴とする請求項25記載のワイアレス通信システム。
  • 【請求項28】 前記第1基地局のプロセッサは、 前記第1基地局における時間を、ワイアレス通信システムの第2および第3基地局における時間と同期させ、 移動局へ第1時間情報信号の一部として伝送される送信タイムスタンプと、移動局からオフセットキャリア信号上で伝送される受信タイムスタンプとを用いて、第1射程距離値を計算し、 前記第2基地局と第3基地局内でそれぞれ計算された対応する第2射程距離値と第3射程距離値とを受信し、 移動局の位置を表す位置ベクトルを生成するために、前記第1、第2および第3射程距離値を処理するように動作することを特徴とする請求項25記載のワイアレス通信システム。
  • 【請求項29】 前記プロセッサは、 前記送信タイムスタンプと受信タイムスタンプとの間の時間差を測定し、 前記測定の結果を移動局と第1基地局の内部遅延で修正することにより、前記第1基地局における第1射程距離値を計算することを特徴とする請求項28記載のワイアレス通信システム。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、セルラ、PCS、
    あるいは他のワイアレス通信システムに関し、特にこのようなシステムにおいて携帯電話機あるいは他の移動通信局の位置を決定する技術に関する。

    【0002】

    【従来の技術】ワイアレス通信サービス、例えばセルラ通信サービスあるいはパーソナル通信サービス(Person
    al Communications Service(PCS))システムにおける携帯電話の需要は、依然として増加している。 一方で、グローバルポジショニングシステム(Global Posit
    ioning System(GPS))も様々な商業用アプリケーションに幅広く受け入れられている。 GPSは、人工衛星のネットワークを有し、GPS受信機を具備したユーザが世界中のどの場所に位置するかを高い精度で決定できるようにするシステムである。

    【0003】移動物体の位置の決定は、ワイアレス通信システムにおいても重要な課題であり、ワイアレスシステムでも、携帯電話あるいは他の種類の移動通信局の位置を決定することが必要である。 効率的な方法で移動局の位置を決定できるワイアレスシステムは、ユーザに対し高度のレベルのサービスを提供し、かつサービスプロバイダーにとってはさらに売上につながるものである。

    【0004】ワイアレスシステムにおいて、移動局の位置決定の必要性の例としては、不慣れな高速道路を旅する携帯電話のユーザを考えてみるとよい。 携帯電話のユーザが高速道路に入り目的地に向かって旅行しながら何カ所かの出口を通過している。 そのときユーザが車のトラブルに巻き込まれ、車を道路わきに止め、携帯電話で緊急ロードサービスに電話をする。

    【0005】その際ユーザは、自分の位置をこの緊急ロードサービスのオペレータに伝えようとするが高速道路で最後に通過した出口の番号あるいは名前を思い出すことができない。 そのために、ユーザはロードサービスを受けるために警察に対し幅広い探索をお願いせざるを得ない。 ユーザのこのようないらいらや絶望感は、車の故障が真夜中や悪天候あるいは犯罪多発地帯で起きた場合には一層倍加される。

    【0006】ワイアレスシステムとGPS受信機の両方を幅広く使用することにより、ワイアレスシステムにおける移動局の位置の決定は、GPSの機能を用いることによりできることになる。 ワイアレスシステムにおいて移動局の位置を決定できるようにするために、GPS機能を用いることによる「強引な」アプローチは、従来のGPS受信機を各移動局(車等)に単に組み込むことである。 しかし、この方法は移動局のコスト、サイズ、重量、電消費等を不当に増加させ、そのため市場性がありそうにない。

    【0007】様々な従来のGPSの特徴を移動局(車等)に組み込む同様で単純なアプローチは、複雑でマルティレーヤのユーザインタフェース機能を導入する必要があり、これによりワイアレスシステムの効率性を犠牲にすることになる。 さらにまずいことに、GPSの類似の機能をワイアレスシステムに安価にかつ音声の質を劣化することなく組み込むことに適した現在市場性のある技術は存在しないように思われる。

    【0008】

    【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、GP
    Sに類似の機能を用い移動局と基地局に最低限の回路を付加するだけで済み、かつ多層のユーザインタフェース機能を必要とせず、音声の質を劣化させることのないような移動局位置決定システムを提供することである。

    【0009】

    【課題を解決するための手段】本発明は、ワイアレス通信システムにおいて移動局の位置の決定ができる方法と装置に関する。 本発明の一実施例によれば、ワイアレスシステムの移動局は、サイレントエコー生成回路(sile
    nt echo generation circuit(SEGC))を有し、この回路は緊急位置サービス(Emergency Position Servi
    ce)にアクセスするために、*EPSのような一連のキーを押すことにより移動局のユーザにより初期化される。

    【0010】その後このSEGC(サイレントエコー生成回路)は、システムの基地局から送信された第1回情報信号を受信する。 この第1回情報信号は、基地局から順方向リンク、同期チャネルを介して送信された世界標準時刻(universal time coordinate(UTC))の形態の送信時間スタンプ(transmit time stamp)である。 SEGCは、同期チャネルからこの送信時間スタンプを抽出し、それを処理して受信時間スタンプ(receiv
    e time stamp)を生成する。 この受信タイムスタンプは、送信タイムスタンプのエコーに対応するものである。

    【0011】この受信タイムスタンプは、システムのメインデータキャリア信号からオフセットされたエコーキャリア信号上で基地局に送り返される。 例えば、システムのメインデータキャリアがFcの周波数を有する場合には、エコーキャリア信号は、例えばFc±1000k
    Hzの周波数を有する。

    【0012】この変調エコーキャリア信号は、ナローバンドFM信号、CDMA信号あるいはタイムスタンプにより変調され得る他の種類の信号あるいは他の種類の時間情報信号として実現できる。 このエコーキャリア信号パワーレベルは、本発明によれば、システムのスプリアス信号の仕様を満足するよう設定され、その結果メインデータチャネル上の音声品質は、このエコーキャリア信号の存在に起因して劣化するようなことはない。

    【0013】本発明の他の側面によれば、ワイアレスシステムの第1基地局は、サイレントエコー信号受信機とプロセッサとを具備している。 この第1基地局は上記の送信タイムスタンプを生成し、それを順方向リンクの同期チャネルでもって移動局のSEGCに送信する。 第1
    基地局のサイレントエコー信号受信機は、移動局からエコーキャリア信号を受信し、それを復調して受信タイムスタンプを再生する。

    【0014】この第1基地局は、送信タイムスタンプと受信タイムスタンプとを用いて第1射程距離値(first
    ranging value)を計算し、同時にまた第2基地局と第3基地局内でそれぞれ計算された対応する第2射程距離値と第3射程距離値とを受信する。 第2基地局と第3基地局とは第1基地局と時間同期しており、かつ移動局に近い場所にあり、そのため移動局からのエコーキャリア信号上で伝送された受信タイムスタンプを用いてそれぞれ第2射程距離値と第3射程距離値とを生成することができる。

    【0015】ある基地局内の射程距離値の計算は、送信タイムスタンプとその基地局が受信した受信タイムスタンプとの間の時間差を測定し、移動局と基地局の内部遅延の結果を修正することが含まれる。 第1基地局のプロセッサは、この第1と第2と第3の射程距離値を計算し、そして移動局の位置を表す位置ベクトルと方位(be
    aring)を生成する。

    【0016】この方位の決定は、第1基地局の方向性アンテナの境界範囲(boundary limits)と符号協定(sig
    n conventions)を設定すること、第1と第2と第3の
    射程距離値を変換すること、およびこの符号一致(sign
    agreements)の多数を識別することが含まれる。 このようにして得られたベクトルと方位とは、移動局の緯度と経度に変換され、そしてこれを用いてデータベースからマップ、方向あるいは他の有用な情報を取り出し、そして移動局のユーザにその後伝送される。

    【0017】本発明はこのようにして、GPS受信機の特徴と類似の特徴をワイアレスシステムの移動局と基地局に組み込む。 その結果、移動局のコスト、大きさ、重量、電力消費を不等に増加させることのない低価格の位置探索システムが提供でき、これは多層のユーザインタフェース機能を必要とせず、音声の質も劣化させることはない。

    【0018】

    【発明の実施の形態】本発明は、IS−95ワイアレス通信システムの周波数バンドを用いて説明するが、本発明はこの特定の周波数およびシステムに限定されるものではなく、本発明は一般的に移動局のコスト、サイズ、
    重量電力消費を増加することなく、有効に移動局の位置を決定できるワイアレスシステムにも適用できるものである。 例えば、本発明はIS−95のCDMAのパーソナル通信サービス(personal communications service
    (PCS))システムの周波数バンドAについて説明しているが、本発明はCDMAセルラシステムおよび時分割多重(TDMA)のシステムにも同様に適用できる。

    【0019】本明細書において、「順方向リンク」は基地局から移動局への伝送チャネルを、そして「逆方向リンク」は移動局から基地局への伝送チャネルを意味する。 「送信タイムスタンプ」は、基地局から移動局に伝送されるいかなる時間情報信号を含むものを意味し、例えば順方向リンクの同期チャネルで伝送される世界標準時刻(universal time coordinate(UTC))を意味する。 用語「受信タイムスタンプ」は、移動局の位置探索アルゴリズム(mobile position search algorithm
    (MPSA))において、移動局により生成され基地局にも使用される例えばゲーティッドタイムスタンプのようないかなる時間情報信号も含む。

    【0020】本発明によるワイアレス通信システムは、
    音声の質を劣化させることなく移動局に対し、余分のマルティレイヤユーザインタフェース機能を必要とすることなく、あるいは移動局の大きさ重量および電力消費を増加させることなく移動局の位置を決定できる。

    【0021】このようなシステムの要件は、以下の文献、TIA/EIA/IS−95A,“Mobile Station
    -Base Station Compatibility for Dual-Mode Wideband
    Spread Spectrum Cellular System,”June 1996,TI
    A/EIA/IS−97A,“Recommended Minimum Pe
    rformance Standards for Base Station Supporting Du
    al-Mode Wideband Spread Spectrum Cellular Mobile S
    tations,”June 1996,TIA/EIA/IS−98
    A,“Recommended Minimum Performance Standards fo
    r Dual-Mode Wideband Spread Spectrum Cellular Mobi
    le Stations,”June1996,のIS−95 CDMA P
    CSシステムに詳細に記載されている。

    【0022】図1は、CDMA PCS Aバンド基地局送信周波数の周波数スペクトラム割当と、インバンドスプリアス信号要件を示す。 同図から分かるようにPC
    SAバンドは、1930.0から1944.95MHz
    の周波数範囲を占有し、その中でも1931.25から1943.75MHzの部分が有効である。 このAバンドは、約15(1944.95−1930.0)MHz
    の全バンド幅内に300チャネルを有し、有効周波数は1931.25MHzから1943.75MHzの有効部分内にチャネル番号25から275に対応する周波数である。

    【0023】この有効部分の一部は、図1で誇張してキャリア周波数Fcの近傍でスプリアス信号の要件を示す。 次にこのスプリアス信号の要件の意味するところは、スプリアス信号は周波数バンドFc−1980kH
    z<f<Fc−900kHz、Fc+900kHz<f
    <Fc+1980kHzのところではキャリア信号よりも42dB低く、そして周波数f<Fc−1980kH
    z、f>Fc+1980kHzのところではキャリア信号よりも54dB低い。

    【0024】IS−95 CDMA標準による移動局は逆方向リンクアクセスチャネルを用いて基地局との従来の通信を開始し、そして確立し、順方向リンクのページングチャネルメッセージに応答する。 以下に詳述するように本発明は、サイレントエコー生成回路(silent ech
    o generation circuit(SEGC))をワイアレスシステムの移動局に組み込むことにより実現される。

    【0025】移動局のユーザによりSEGCが駆動されると、このSEGCは疑似スプリアス(spurious-lik
    e)のサイレントエコー信号を生成し、これをCDMA
    キャリア信号から約±1000kHzオフセットした逆方向リンクアクセスチャネルで基地局に伝送する。 本発明のSEGCは、ゲーティッドタイムスタンプをサイレントエコー信号上に変調する。 このようにして本発明は、アクセスチャネル内にタイムスタンプを内蔵させ、
    あるいは逆方向リンクに内蔵させ従来の順方向リンク同期チャネルのエコーを提供し、その結果基地局は射程距離計算(ranging computations)を実行して移動局の位置を決定できる。

    【0026】基地局はこのサイレントエコー信号を受信し、内蔵されたタイムスタンプを用いて射程距離計算を実行して相当する移動局の位置を決定する。 このサイレントエコー信号は、上記のIS−95 PCS Aバンドのスプリアス信号要件を乱さないように生成される。
    このSEGCは、従来の移動局の無線周波数(RF)あるいはベースバンド(BB)のいずれかで実現される。

    【0027】本発明によるシステムの代表的な仕様は次の通りである。 IS−95の標準では、CDMA PC
    Sバンド幅は1.228MHzで、チップレートは約8
    14nsである。 200nsのCDMAチップタイミング解像度は、このチップレートの約4分の1に相当し、
    射程距離に対しては十分なマージンを与える。 SEGC
    により生成されたサイレントエコー信号は、 Fc−19
    80kHz<f<Fc−900kHzとFc+900k
    Hz<f<Fc+1980kHzの範囲内の周波数の間で約−50dBc以下であり、これにより上記のIS−
    95AとIS−98Aの標準で仕様が決められたスプリアス信号要件に対しては十分なマージンを与えることができる。 このシステムの仕様は以下の通りである。

    【0028】 SEGCキャリア: Fc±1000kHz SEGCスプリアス: Fc−1980kHz<f<F
    c−900kHzおよびFc+900kHz<f<Fc
    +1980kHzに対して−50dBc/30kHz タイミング解像度: 200ns 位置の精度: ±100フィート(rms) フレームエラーレート: 2%(max) 応答遅延: 100ns以下 例えば*EPSのような所定キーの押圧により自動移動局ユーザ位置検出 他のユーザとの重大な干渉が存在しないこと 移動局装置のサイズと重量と電力消費を大幅に増加させないこと 新たなマルティレイヤユーザインタフェースを必要としないこと 音声品質の劣化のないこと

    【0029】上記のIS−95Aドキュメントは、CD
    MA PCSシステムの移動局の動作を規定している。
    移動局は初期化状態に入り、パイロットチャネルを探索してかつ捕獲し、プロトコール、ページングチャネルデータレート、ネットワークとシステムの識別のようなシステム構成パラメータを確保することにより動作を開始する。 移動局は、疑似乱数(PN)オフセットと世界標準時刻(UTC)表示のシステム時間と同期チャネルからの長符号状態を含むシステムタイミング情報を復号化する。

    【0030】同期チャネルの捕獲後、移動局はアイドル状態に入りCDMAチャネルリストと、近傍リストと、
    アクセスパラメータと、ページングメッセージを含むページングチャネルを捕獲しモニタする。 その後、移動局はアクセス状態に入り、全二重音声通信用のトラフィック状態に入る前に発信(origination)と登録(registr
    ation)とページング応答を実行する。

    【0031】本発明による位置探索機能を有するCDM
    A PCSシステムは、逆方向リンクのアクセスチャネルと、順方向リンクのパイロットチャネル、同期チャネルまたはページングチャネルのいずれかを用いて上記のサイレントエコー信号に基づいた射程距離計算機能を実行するよう構成されている。 この構成はトラフィックチャネルの妨害を回避し、それにより音声の品質を維持する。

    【0032】順方向リンクのパイロットチャネルは、I
    S−95A標準に適合するために、変調されないキャリア信号である点で好ましくない。 同期チャネルとページングチャネルのフレームフォーマットは、アプリケーション仕様による制御、状態、データレート用に調整できるフィールドを有する。 この同期チャネルは、本発明のSEGCとMPSAの順方向リンク部分を実行するためにページングチャネルよりもよりよい構造である。

    【0033】図2は、本発明の一実施例による移動局のブロック図である。 移動局10は、RF回路12とBB
    (ベースバンド)回路14とを有する。 アンテナ16を用いて基地局との間で信号を送受信する。 アンテナ16
    から受信したRF信号r m (t)は、ディプレクサフィルタ18により低ノイズ増幅器(LNA)20に伝送される。 低ノイズ増幅器20からの増幅された受信信号r
    m (t)は、バンドパスフィルタ22内でフィルタ処理されて、不要のサイドバンド信号とスプリアス信号を除去し、その後ミキサ24に加えられる。

    【0034】このミキサ24は、信号r m (t)とローカル発振器(LO)26からの信号とを混合し、r
    m (t)を中間周波数にダウンコンバートする。 このようにして得られたダウンコンバートされた信号はアナログ/デジタル変換器(ADC)30に加えられ、さらにベースバンド復調器32に加えられる。 ベースバンド復調器32からの受信データは、ベースバンド処理装置3
    4に加えられる、このベースバンド処理装置34は信号プロセッサ36とメモリ38とユーザI/O回路40とパワーソース42を含む。 この受信データは、従来手法により処理してユーザI/O回路40を介して移動局ユーザに送る。

    【0035】データは、移動局10から基地局に以下のようにして伝送される。 データは、ベースバンド処理装置34からベースバンド変調器44の入力点に加えられる。 このベースバンド変調器44は、この伝送データを変調してこの変調されたデータをデジタル/アナログ変換器(DAC)46に送り、このデジタル/アナログ変換器46はミキサ48に入力するのに適した中間周波数信号を生成する。 このミキサ48は、この中間周波数信号をローカル発振器26からの信号と混合することによりアップコンバートする。

    【0036】本発明によれば、RF回路12内のサイレントエコー生成回路(SEGC)50はローカル発振器26からLO信号を受信し、ゲーティッドタイムスタンプにより変調された疑似スプリアスサイレントエコー信号を生成する。 前述したようにこのゲーティッドタイムスタンプは、ある基地局から移動局10に伝送された同期信号のエコーに相当する。 このサイレントエコー信号は、ミキサ48を通過し約Fc±1000kHzの周波数に落される。 サイレントエコー生成回路50からのサイレントエコー信号はこの実施例ではミキサ48を通過するが、他の実施例においては、ミキサIF入力ポートに加えられる伝送データ信号と混合してもよい。

    【0037】ミキサ48のアップコンバートされた出力は、パワー増幅器52内で増幅され、バンドパスフィルタ54内でフィルタ処理され、その後ディプレクサフィルタ18を介してアンテナ16に送られ、そして逆方向リンクアクセスチャネルにより基地局に伝送される。 本発明の他の実施例では、サイレントエコー信号を直接パワー増幅器52、バンドパスフィルタ54またはディプレクサフィルタ18に伝送してもよい。 しかし、この他の実施例では移動局のサイズ・重量・電力消費を増加させるような余分の周波数変換回路が必要となる。

    【0038】次に移動局10により伝送され、ある基地局で受信されたRF信号r b (t)について説明する。
    基地局で受信した信号r b (t)は、マルチパスフェージングに起因した時間の関数であるランダムに変動した振幅と位相とを有する数個のキャリアの合成であり、次式で表される。

    【数1】

    【0039】上記の式において、A i (t)は時間変動振幅であり、ω iはキャリア中心周波数で、φ iは時間変動位相である。 説明を簡単にするため、マルチパス環境は無視して単一のキャリア受信である簡単な場合を考える。 そのため上記の式(1)のインデックスiの項は取り除き基地局で受信した信号r b (t)は次式で表される。

    【数2】

    【0040】受信信号r b (t)は移動局10のローカル発振器26により生成された信号と類似のLO信号と混合することによりダウンコンバートされる。 CDMA
    波形の場合には式(1)と(2)の周波数項は、直交位相(quadriphase)の疑似乱数シーケンス[PN(i)
    とPN(q)]と直交サブキャリア[cosωtとsi
    nωt]とを有し、データ部分は上記のIS−95A標準に従って畳み込み符号化とブロックインタリービングとウォルシュ符号化を用いて符号化される。

    【0041】信号r b (t)を受信する基地局は、コヒーレント検波を用いて受信信号r b (t)を一対の直交位相ミキサに加えて、このミキサは信号r b (t)を同相(I)に対してはcosωtを、直交相(Q)に対してはsinωtを乗算する。 (2)式を展開すると、次式となる。

    【数3】

    【0042】ここでA(T)=1、cosφ(t)=I
    (t)とsinφ(t)=Q(t)とする。 直交サブキャリアcosωtとsinωtを(3)式に乗算すると、出力Y i (t)とY q (t)となり、これは次式で表される。

    【数4】

    【0043】式(4)と(5)の第2項と第3項は、適当なバンドパスフィルタによりフィルタ処理される。 信号Y i (t)とY q (t)はその後相関器を通過し、この相関器が次式(6)、(7)で示すようにシンボル周期Tに対し、信号を積分することにより自己相関関数を実行する。

    【数5】

    式(6)、(7)の離散フーリエ変換を実行して対応する信号のパワースペクトル密度を得る。 受信信号r


    b (t)の操作を実行するよう構成されたシステムの基地局の詳細を図6を用いて詳述する。

    【0044】前述したように本発明の一実施例では、疑似スプリアスサイレントエコー信号を周波数バンドFc
    −1980kHz<f<Fc−900kHz、Fc+9
    00kHz<f<Fc+1980kHzに置き、 30k
    Hzのバンド幅内で約−50dBcのパワーに調整する。 このサイレントエコー信号は、キャリア周波数Fc
    の中心から±1000kHz離れた場所に置かれ、例えばナローバンドの周波数変調(FM)技術、ワイドバンドのCDMA技術あるいは他の適当な変調技術を用いて実行される。

    【0045】ワイドバンドのCDMAを用いることは、
    現存の移動局のCDMAのハードウェアを再使用することによりこの実施例では新たな基地局のハードウェアの必要性を完全に取り除いているが、その代わりにアクセスチャネルのプロトコールとデータフォーマットの変更を必要とする。 他のサービスプロバイダーとの間の相互互換性を維持しなければならないようなアプリケーションにおいては、アクセスチャネルプロトコールとデータフォーマットの変更は回避した方が好ましい。

    【0046】このアクセスプロトコールとデータフォーマットを変更しないようにすることは、標準化委員会の承認を不要とし、それにより製品の開発期間の短縮化が図れる。 そのため以下に説明する実施例は、CDMAキャリア周波数Fcから1000kHz離れた場所のナローバンドのFMサイレントエコー信号を生成するために余分のハードウェアを用いてSEGCを実行するものである。

    【0047】図3は、約30kHzのバンド幅を有するナローバンドのFMサイレントエコー信号を生成する代表的なサイレントエコー生成回路50を表すブロック図である。 特に図3Aは、ゲーティッドパルスにより変調されたタイムスタンプを生成し、このゲーティッドタイムスタンプをCDMAキャリア周波数から1000kH
    z離れた場所に、ナローバンドFMキャリア上に変調して、サイレントエコー信号を生成するサイレントエコー生成回路50を示す。

    【0048】サイレントエコー生成回路50の出力は疑似スプリアスFM信号に類似するように見えるが、IS
    −95Aのスプリアス信号仕様を満足するものであり、
    順方向リンク同期信号のエコーに対応するゲーティッドタイムスタンプを搬送し、そして移動局の位置を決定するために射程距離計算を実行するのに適したものである。 図3のBは、サイレントエコー生成回路50内で使用されるのに適したナローバンドFM変調器66を示す。 図3BのナローバンドFM変調器66は、ギルバートセル72と少数の受動要素とを用いて実現でき、その結果移動局の大きさ、重量、電力消費をわずかしか増加させないようなものである。

    【0049】サイレントエコー生成回路50は、順方向リンク同期チャネルを復号化し、世界時間標準(UT
    C)フィールドを抽出する移動局10により初期化される。 この抽出されたUTCはタイムタグ生成器62に加えられ、50Hzのアクセスチャネルフレームクロック(FCLK)でもってゲート処理され、粗タイムスタンプを生成する。 秒の粗解像度は、所望の移動局の射程距離解像度を与えるのには十分な精度ではない。

    【0050】タイムタグ生成器62からの粗タイムスタンプは、ドライバ回路64内で所望の解像度(desired
    resolution(DR))により分割される。 この実施例においては、100nsのタイムスタンプ解像度を用いて上記の射程距離要件を満足させる。 サイレントエコー生成回路50または他の移動局回路の属性である内部パス遅延が、ナローバンドFM変調器66内のキャリア信号に変調が加えられる前にタイムスタンプに付加されなければならない。

    【0051】例えば、あるタイムスタンプの所望の解像度が100nsの場合には、その対応する出力は、10
    0ns+Δtでなければならない。 ここでΔtは内部パス遅延を表す。 この内部パス遅延測定値は、あるシステムの特定のサンプルの移動局に対する統計的平均値に基づいている。 これらの内部パス遅延は、ドライバ回路6
    4内に適宜構成されたレジスタ、遅延線またはソフトウェアプロセスを用いてあるいはサイレントエコー生成回路50内の別の回路を用いて修正が施される。

    【0052】このようにして得られたゲーティッドタイムスタンプTSは、サイレントエコー生成回路50のナローバンドFM変調器66内の従来のギルバートセル7
    2に加えられる(図3B)。 図3Bのギルバートセル7
    2とそれに関連する外部素子は、供給電圧Vccで動作し、ゲーティッドタイムスタンプTSをFc±1000
    kHzの周波数を有する、−50dBcのパワーレベルのナローバンドRFキャリアに変調する。

    【0053】ナローバンドFM変調器66内のギルバートセル72は、図2のRF回路12のローカル発振器2
    6から受信したローカル発振信号を用いる。 ギルバートセルとその関連回路は公知であるので、ここでは詳述しない。 所望の疑似スプリアスサイレントエコー信号をゲーティッドタイムスタンプで変調する別の変調技術および回路は当業者には公知である。

    【0054】図4はRFサイレントエコーキャリア信号に変調される際の 、ゲーティッドタイムスタンプ(A)
    と、それに対応するパワースペクトラム密度(B)とを表すグラフである。 ゲーティッドタイムスタンプは、図3のナローバンドFM変調器66内のナローバンドFM
    キャリアを変調するタイムスタンプTSの幅に対応するゲート幅Gwを有する。 タイムスタンプTSのゲート幅Gwは、この実施例では1/30kHz、即ち33.3
    3μ秒である。

    【0055】タイムスタンプのキャリアの周期は、1/
    f0であり、個々でf0はナローバンドFM変調器66
    のFMキャリア周波数に相当する。 この対応するパワースペクトラム密度は、1/Gwのメインローブを有し、
    これはこの実施例では30kHzである。 図4A、Bのタイムスタンプ信号特性は、本発明の単なる一実施例である。

    【0056】以下の疑似コード(ソフトウエア)は、本発明によるサイレントエコー生成回路50の初期化を表す。 移動局の位置の決定は、緊急位置検出サービス「Em
    ergency Position Service」即ちEPSと称し、これは例えば移動局の* EPSのような所定のキーストロークシーケンスを入力することにより移動局のユーザにより初期化される。

    【0057】 /* 緊急位置サービスの開始 */ SEGC_初期化の実行 ユーザが*EPSを入力 SEGCキャリアをFc+1000kHzに設定 パワー増幅器ゲインを最低値に設定 EPS用にアクセスチャネルメッセージを設定 前記実行の終了

    【0058】SEGC_処理の実行 同期チャネルを復号化してUTCを抽出する UTCを50Hzのアクセスフレームクロックを用いてゲート処理する システムタイミング解像度を得る 内部処理遅延時間を付加する データをアクセスフレームに転送する タイムタグメッセージの前に所定のメッセージ長さを挿入する 巡回冗長性復号化CRC−30を実行する 終了するまで送信する 実行の終了 /* SEGCの初期化の終了 */

    【0059】上記の疑似コード(ソフトウエア pseudo
    code)から移動局のユーザが、*EPSを押すとSEG
    CキャリアがFc+1000kHzに設定され、パワー増幅器52のゲインがその最小値に設定され、そして逆方向リンクアクセスチャネルフィールドが所定のEPS
    メッセージを含むよう設定される。 パワー増幅器52のゲインが最初はその最小値に設定されているが、例えば移動局が弱いカバレッジ領域にいるときにはその最小値以上にゲインはその後上げられる。

    【0060】この初期化の後、同期チャネルは復号化されてUTCを抽出し、このUTCをサイレントエコー生成回路50のタイムタグ生成器62に加え、50Hzのアクセスフレームクロックを用いてゲート処理して粗タイムスタンプを生成する。 このシステムのタイミング解像度は、その後例えばメモリ38のような適宜の蓄積領域から取り出し、前記の粗ゲーティッドタイムスタンプは細分化され所望の射程距離解像度を提供し、さらにS
    EGC回路の内部遅延時間がその結果に加算され、 SE
    GC RFキャリアの変調に適したゲーティッドタイムスタンプを生成する。

    【0061】従来のアクセスデータは、その後所定のメッセージ長とタイムタグ長と共にアクセスフレームに転送され、CRC−30の処理がこのアクセスフレームに対し実行される。 このアクセスフレームは、アクセス到着指示(access terminationindication)が基地局から受信されるまで移動局10により送信される。 逆方向リンクアクセスチャネルのこれらの動作は、上記のIS−
    95Aの参考文献に詳述されている。 その後ゲーティッドタイムスタンプを含むサイレントエコー信号が前述したように移動局から送信される。

    【0062】本発明によるワイアレスシステムの基地局の動作について以下詳述する。 このシステムの基地局はサイレントエコー生成回路50により生成された上記のサイレントエコー信号を受信し、処理することにより移動局の位置を決定できるよう設計されている。 前述したようにこのサイレントエコー信号は、ある移動局から基地局へ逆方向リンクのアクセスチャネルを用いて送信される。

    【0063】表1は、アクセスチャネルの逆方向リンクの内容を示す。 この実施例においては、本体の損失は約2dBで、移動局10内のパワー増幅器52とアンテナ16との間の信号損失は無視できるものとし、そして例えば移動局の有効等方性放射パワー(effective isotro
    pically-radiated power(EIRP))は21dBmとする。 同時にまたフェードマージンは10dBでソフトハンドオフのゲインは3dBで、セル境界内の他のユーザにより誘起される受信機の干渉マージンは5dBで、
    移動体内の損失は5dBと仮定する。

    【0064】この実施例において用いられるフェードマージンの値は、市街地のマルチパス環境内においてスローフェージングとシャドーイングの影響に対し、1.3
    σの対数正規型の分布を表している。 そのためネットチャネル効果は−17dBである。 基地局は17dBiゲインで、65゜の平ビーム幅と、6.5゜の垂直ビーム幅を有する汎用の方向性受信用アンテナを具備するものと仮定する。

    【0065】コネクタとケーブルの損失は約3dBである。 低ノイズ増幅器の前のネット基地局ゲインはそのため14dBである。 4.8kHzのアクセスチャネルデータバンド幅内の熱ノイズは、−137.2dBmとする。 基地局のノイズ係数(noise figure(NF))と、
    Eb/Noは両方とも7dBとする。 基地局の受信機感度はそのため−123.2dBmとする。

    【0066】この実施例においては、全逆方向リンクのパスの損失P l(rvs)は141.2dBである。 このことは逆方向リンクは、距離と環境により141.2dBの損失を超えないカバレッジ境界内に移動局がいる限り閉鎖することができることを意味する。 この全逆方向リンクパスの損失P l(rvs)は、次式で与えられる。

    【数6】

    【0067】EIRP msは移動局のEIRPで、Ch
    effはネットチャネル効果で、G bsは基地局のゲインで、RS bsは基地局の受信機の感度である。 アクセスチャネルの逆方向リンクの内容解析を次の表1に示す。

    【0068】 表1. アクセスチャネル逆方向リンクの内容解析 パラメータ 仕様 メモ (A)MS Txパワー 23.0dBm =200mW (B)MSアンテナゲイン 0dBi (C)本体損失 2dB (D)MS EIRP 21dBm D=A+B−C (E)フェードマージン 10dB (F)ソフトハンドオフゲイン 3dB (G)Rx干渉マージン 5dB (H)移動体内損失 5dB (I)ネットCH効果 −17dB I=E−F−G−H (J)BSアンテナゲイン 17dBi (K)BS CC損失 3dB (L)BSネットゲイン 14dB L=J−K (M)kBT -137.2dBm/4.8kHz =−174dBm/Hz (N)BSノイズ係数 7dB (O)BS Eb/No 7dB (P)BS Rx Sen −123.2dBm P=M+N+O (Q)逆方向リンクパス損失 141.2dB Q=D+I+L−P

    【0069】ある基地局はサイレントエコー受信機を有し、このサイレントエコー受信機はバンドパスフィルタ、低ノイズ増幅器、ダウンコンバータ、移動局により生成された疑似スプリアスサイレントエコー信号を受信する復調器とを有する。 1.23MHzの従来のCDM
    Aバンド幅内では基地局の受信機ノイズは、近傍の基地局からの基地局間共通チャネル干渉により主に影響される。

    【0070】しかし、30kHzのナローSEGCバンド幅内ではサイレントエコー信号の受信は、システムの熱ノイズにより主に影響される理由は他のユーザはFc
    ±1000kHz近傍で動作する可能性が少ないからである。 基地局の受信機のノイズフロアーは、−129.
    2dBmとする。 Hzあたりの必要なキャリア対ノイズパワー密度比(C/N 0 )は約12dBで、これは熱ノイズパワーと他のノイズパワー(人工のノイズと基地局間共通チャネル干渉)とを含む。

    【0071】この実施例では、システムのノイズパワー以外のノイズパワーは無視するものとする。 この実施例において、必要な基地局の受信機感度は次式で与えられる。

    【数7】

    上記の式でN

    fは、30kHzのサイレントエコー信号バンド幅内のノイズフロアーでNFはシステムのノイズ係数である。 式(9)を上記のN

    f 、NF、(C/N

    0


    の値に適応すると、基地局の受信感度は−110.2d


    Bmが得られる。

    【0072】図5は、セル102−i,i=1,2,3
    …7を有するワイアレス通信システム100が7個の六形のセルのパターンで配置された図を表す。 本発明による移動局の位置の探索は、三つの120゜セクタを含むセル102−iの各々の二次元形状(地表面)に基づいている。 本発明は射程距離計算時間が増加するが三次元形状(空間)を用いて実施することもできる。

    【0073】この実施例においては、移動局104はセル102−1、102−2、102−3の交差部分を移動するものとする。 これらのセルに対応する基地局BS
    1、BS2、BS3は従来のGPS受信機により使用されるのと類似の移動体位置探索アルゴリズム(mobile p
    osition search algorithm(MPSA))を用いる。 このようなアルゴリズムは、次式の変数の使用を含む。

    【数8】

    添え字1、2、3は、基地局BS1、BS2、BS3のそれぞれを表し、その対応する位置パラメータを表す。


    添え字0は移動局の位置パラメータで、変数r1、r


    2、r3は疑似のレンジ値を表す。

    【0074】この疑似射程距離値は、サイレントエコー信号RFキャリア周波数を正確に追跡し、位相差を測定し、光速cを乗算することにより計算できる。 この実施例においては、基地局は固定しており、正確なタイミングと位置パラメータ情報を提供できる。 そのため基地局は、送信されたタイムスタンプと受信したタイムスタンプとの間の時間差を測定し、その結果をベクトル化することにより、移動局の位置を決定できる。

    【0075】このようにして基地局は、同時に移動局の位置を計算するために移動局の射程距離を測定する。 このようにして計算された移動局の位置は、緯度と経度に変換され、基地局のデータベースと共に詳細なマップ、
    相対方向あるいは他の有効な位置データを移動局のユーザに与える。 ある基地局で計算された移動局の位置は、
    次式で表される。

    【数9】

    【0076】ここでT(tx)は、基地局から移動局への順方向リンク同期チャネルを介して伝送された送信タイムスタンプであり、T(rx)は、移動局から基地局にサイレントエコー信号上で伝送され受信した受信タイムスタンプであり、dT(ms)は、移動局回路内の遅延量であり、dT(bs)は、基地局回路内の遅延量である。

    【0077】以下の疑似コード(ソフトウエア)は、図5のシステム内で移動局104の位置を見いだすためにセル102−1、102−2、102−3のそれぞれのBS1、BS2、BS3により実行される移動局の位置探索技術の実施例を表す。

    【0078】 /* 移動局位置探索の開始 */ MPSA_初期化の実行 BS1、BS2、BS3内の時間を同期化する タイムスタンプの所望の解像度を設定する サレントエコー信号受信機のスイッチを入れる 測定された内部時間遅延を記憶する 組み込みテストにより基地局回路を校正する EPSに対しアクセスチャネルメッセージフィールドを設定する 実行の終了

    【0079】射程距離解像の実行 BS1をマスターにBS2、BS3をスレーブに設定する 次式のR1を測定し記憶する R1=c[T1(rx)−T(tx)−dT(ms)−dT
    (bs)] BS2から測定された次式のR2を得て記憶する R2=c[T2(rx)−T(tx)−dT(ms)−dT
    (bs)] BS1とBS2とのライン遅延を減算する BS3から測定された次式のR3を得て記憶する R3=c[T3(rx)−T(tx)−dT(ms)−dT
    (bs)] BS1とBS3とのライン遅延を減算する 測定された射程距離R1、R2、R3をベクトル化して記憶する 実行の終了

    【0080】方位解像の実行 各基地局アンテナセクタをRef_方位角に設定する 各セクタ境界_範囲を±60度に設定する 符号をCWをプラス、CCWをマイナスに設定する R1を直交座標に変換する X1=R1cosθ,Y1=R1sinθ R2を直交座標に変換する X2=R2cosθ,Y2=R2sinθ R3を直交座標に変換する X3=R3cosθ,Y3=R3sinθ 3個の符号のうちの2個一致した方を選択する 位置を緯度と経度に変換し記憶する 実行の終了

    【0081】データ変換 移動局の緯度と経度を得る それをマップデータベースに重ね合わせる 最も近い交点を見いだす データを編集して移動局に送信する データ変換の終了 受領確認通知を移動局から受信するまで継続する 受領確認通知を受領した場合にプロセスを終了する /* 移動局の位置探索の終了 */

    【0082】上記の疑似コードにおいてBS1、BS
    2、BS3は、互いに同期化してタイムスタンプに対する適切な解像度を決定し、そのサイレントエコー信号受信機をターンオンして、測定された内部時間遅延を記憶し、基地局回路を校正してESPを表すようにアクセスチャネルメッセージを設定する。 その後射程距離解像プロセスが、3つの基地局のうち1つをマスターとして他の2つをスレーブとして開始する。

    【0083】この実施例においては、BS1がマスターとして、BS2、BS3がスレーブと指定されている。
    BS1は上記の式に従って、R1を、送信タイムスタンプT(tx)を同期チャネルで移動局に送信し、受信タイムスタンプT1(rx)を移動局により送信されたサレントエコー信号を介して逆方向リンクアクセスチャネル上で受信し、移動局と基地局の内部回路遅延を修正し、このようにして得られた結果に光速cを乗算することにより得る。

    【0084】BS2、BS3も同様な計算を実行して、
    それぞれの逆方向リンクアクセスチャネルによりサイレントエコー信号を介して受信したそれぞれの受信タイムスタンプT2(rx)とT3(rx)を用いてR2、R
    3を生成する。 BS1はR1を記憶し、BS2からR2
    を、BS3からR3を受信して記憶し、R2からBS2
    からBS1へのライン遅延を減算し、R3からBS3からBS1へのライン遅延を減算し、この得られた結果を用いて移動局のベクトル表示を生成し記憶する。

    【0085】BS1はその後、このベクトルの方位を決定する。 これには基準方位を3個の120゜方向性アンテナの各々の方位角に設定し、セクター境界範囲を±6
    0゜に設定し、方位角に対し時計方向(CW)の符号変換をプラスとして、方位角に対し反時計方向をマイナスとして設定する。 その後BS1は、R1、R2、R3の値を上記の式に従って変換し、3個の符号のうちの2個
    の符号一致に基づいて方位角を決定する。

    【0086】このようにしてベクトルと方位角が決定された後、その結果は緯度と経度の値に変換されて記憶される。 その後、BS1はさらにデータ変換を、移動局の経度と緯度の位置を取り出しそれをマップデータベースから取り出したマップの一部に重ね合わせ最も近い交差点を見いだし、マップと交差データを編集し、それを適当なフォーマットで移動局に送ることにより実行する。
    このBS1は、受領確認を移動局から受信するまでこのプロセスを継続する。

    【0087】図6は、本発明によるBS1のブロック図である。 BS1は、移動局10から上記の信号r
    b (t)を受信するアンテナ110を有する。 この信号r b (t)は、図2のサイレントエコー生成回路50内で生成された疑似スプリアスサイレントエコー信号を含む。 この受信信号は、ディプレクサフィルタ112により受信機114に入力され、この受信機114は式(1)から(7)でもって信号r b (t)のコヒーレント検出を実行する。

    【0088】検出されたタイムスタンプを含む信号は、
    基地局のプロセッサに与えられ、このプロセッサが上記の疑似コードで記載したステップを実行して移動局の位置を決定する。 BS1は送信器118を有し、この送信器118はプロセッサ116と共に動作してMPSAを実行するのに必要な信号をアンテナ110を介して基地局に伝送するために生成する。

    【0089】以上述べたように、本発明はサイレントエコー信号を用いてPCS、セルラあるいは他の種類のワイアレスセルラシステム内でGPSと類似の位置決定特徴を与えるが、これは移動局のコスト、サイズ、重量、
    電力消費を大幅に増加させることなく、さらにまた新たなマルティレイヤインタフェースを付加する必要もなく、そしてワイアレスシステムの音声の品質を劣化させることもなく行うことができる。

    【0090】この本発明のシステムの基地局は、サイレントエコー信号を受信し、処理するよう容易に再構成でき、それにより移動局位置を決定できる。 上記のMPS
    Aは、マルチパス環境に起因するフェージングを保証するよう拡張することができるが、但しワイアレスシステムは受信信号強度を計算する統計的解析および遅延拡散のリアルタイムの処理を行えなければならない。

    【0091】上記は単なる実施例であり、本発明の範囲を変更せずに様々な変形例が考え得る。

    【0092】 略語基地局(BS)-- Base Station バンドパスフィルタ(BPF)-- Band Pass Filter 符号分割多重(CDMA)-- Code Division Multiple Access 有効等方性放射パワー(EIRP)--Effective Isotropically Radiated Power グローバルポジショニングシステム(GPS)-- Golbal Positioning System 低ノイズ増幅器(LNA)-- Low Noise Amplifier ローカル発振器(LO)-- Local Oscillator 移動局位置探索アルゴリズム(MPSA)--Mobile Position Search Algorithm 移動局(MS)-- Mobile Station パーソナル通信サービス(PCS)-- Personal Communications Service 疑似乱数(PN)-- Pseudo-random Number 無線周波数モジュール(RFM)-- Radio Frequency Module サレントエコー生成回路(SEGC)-- Silent Echo Generation Circuit 時分割多重(TDMA)-- Time Division Multiple Access 世界標準時刻(UTC)-- Universal Time Coordinates

    【図面の簡単な説明】

    【図1】IS−95CDMAPCS周波数計画の周波数バンドAの周波数要件とインバンドスプリアス信号要件とを表す図

    【図2】本発明の一実施例により構成された移動局のブロック図

    【図3】本発明による図2の移動局に使用されるサイレントエコー生成回路(SEGC)(A)と、このサイレントエコー生成回路に使用されるナローバンドFM変調器(B)を表す図

    【図4】本発明によるゲーティッド受信時間スタンプ(A)とその対応するパワースペクトラム密度(B)を表す図

    【図5】本発明による移動局位置探索アルゴリズム(M
    PSA)の動作を表すワイアレス通信システムの一部を表す図

    【図6】本発明による基地局を表す図

    【符号の説明】

    10 移動局 12 RF回路 14 BB(ベースバンド)回路 16 アンテナ 18 ディプレクサフィルタ 20 低ノイズ増幅器(LNA) 22 バンドパスフィルタ 24 ミキサ 26 ローカル発振器(LO) 30 アナログ/デジタル変換器(ADC) 32 ベースバンド復調器 34 ベースバンド処理装置 36 信号プロセッサ 38 メモリ 40 ユーザI/O回路 42 パワーソース 44 ベースバンド変調器 46 デジタル/アナログ変換器(DAC) 48 ミキサ 50 サイレントエコー生成回路(SEGC) 52 パワー増幅器 54 バンドパスフィルタ 62 タイムタグ生成器 64 ドライバ回路 66 ナローバンドFM変調器 68 増幅器 72 ギルバートセル 100 ワイアレス通信システム 102 セル 104 移動局 110 アンテナ 112 ディプレクサフィルタ 114 受信機 116 プロセッサ 118 送信器

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 596077259 600 Mountain Avenue, Murray Hill, New J ersey 07974−0636U. S. A. (56)参考文献 特開 平7−170548(JP,A) 特開 平2−222330(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) H04B 7/24 - 7/26 102 H04Q 7/00 - 7/38

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