レーダ装置

申请号 JP2013549192 申请日 2012-11-22 公开(公告)号 JPWO2013088938A1 公开(公告)日 2015-04-27
申请人 三菱電機株式会社; 发明人 佑樹 高林; 佑樹 高林; 小幡 康; 康 小幡; 洋志 亀田; 洋志 亀田;
摘要 送信 信号 をレーダ波として送信する送信手段1と、目標からの反射波を受信して受信信号を発生し、当該受信信号及び送信信号に基づきチャープごとにビート周 波数 を特定する信号処理器2と、アップチャープ時のビート周波数に基づき追尾処理を行い、目標のビート周波数を得るアップチャープ用追尾フィルタ19と、ダウンチャープ時のビート周波数に基づき追尾処理を行い、目標のビート周波数を得るダウンチャープ用追尾フィルタ20と、チャープごとのビート周波数時系列データに基づきチャープごとに目標の距離・速度推定値を算出する目標検出部6,7と、チャープごとの目標の距離・速度推定値に基づき同一目標かを判定する同一目標判定部8と、同一目標であると判定された目標のチャープごとのビート周波数に基づき目標の距離・速度を算出する距離・速度算出部11とを備えた。
权利要求

一定の変調幅で周波数が周期的に線形に増減する送信信号をレーダ波として送信する送信手段と、 前記送信手段により送信されたレーダ波に対する目標からの反射波を受信して受信信号を発生し、当該受信信号及び前記送信信号に基づいてチャープごとにビート周波数を特定する信号処理器と、 前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施し、目標のビート周波数を得るアップチャープ用追尾フィルタと、 前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施し、目標のビート周波数を得るダウンチャープ用追尾フィルタと、 前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタによりチャープごとに得られた目標のビート周波数を時系列に記憶するビート周波数記憶部と、 前記ビート周波数記憶部にチャープごとに記憶されたビート周波数時系列データに基づいて、チャープごとに目標の距離・速度推定値を算出する目標検出部と、 前記目標検出部によりチャープごとに算出された目標の距離・速度推定値に基づいて、チャープごとに検出された目標が同一目標であるかを判定する同一目標判定部と、 前記同一目標判定部により同一目標であると判定された目標のチャープごとのビート周波数に基づいて、目標の距離・速度を算出する距離・速度算出部とを備えた ことを特徴とするレーダ装置。一定の変調幅で周波数が周期的に線形に増減する送信信号をレーダ波として送信する送信手段と、 前記送信手段により送信されたレーダ波に対する目標からの反射波を受信して受信信号を発生し、当該受信信号及び前記送信信号に基づいてチャープごとにビート周波数を特定する信号処理器と、 前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施して目標のビート周波数を得て、当該ビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値を算出するアップチャープ用追尾フィルタと、 前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施して目標のビート周波数を得て、当該ビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値を算出するダウンチャープ用追尾フィルタと、 前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標の距離・速度推定値に基づいて、チャープごとに検出された目標が同一目標であるかを判定する同一目標判定部と、 前記同一目標判定部により同一目標であると判定された目標のチャープごとのビート周波数に基づいて、目標の距離・速度を算出する距離・速度算出部とを備えた ことを特徴とするレーダ装置。前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に付与された測値に基づいて追尾処理を実施し、目標の角度・角速度推定値を算出するアップチャープ用角度追尾フィルタと、 前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に付与された測角値に基づいて追尾処理を実施し、目標の角度・角速度推定値を算出するダウンチャープ用角度追尾フィルタと、 前記アップチャープ用角度追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用角度追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標の角速度推定値に基づいて、追尾フィルタの運動モデルを選択するモデル判定部とを備え、 前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタは、前記モデル判定部により選択された運動モデルに従って追尾処理を行う ことを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。前記同一目標判定部において同一目標ではないと判定されたアップチャープにおける目標の距離・速度推定値をダウンチャープにおけるビート周波数推定値に変換し、当該ビート周波数推定値及び前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて当該目標が同一であるかを判定するダウンチャープ用同一目標判定部と、 前記同一目標判定部において同一目標ではないと判定されたダウンチャープにおける目標の距離・速度推定値をアップチャープにおけるビート周波数推定値に変換し、当該ビート周波数推定値及び前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて当該目標が同一であるかを判定するアップチャープ用同一目標判定部とを備えた ことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。前記同一目標判定部において同一目標ではないと判定されたアップチャープにおける目標の距離・速度推定値をダウンチャープにおけるビート周波数推定値に変換し、当該ビート周波数推定値及び前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて当該目標が同一であるかを判定するダウンチャープ用同一目標判定部と、 前記同一目標判定部において同一目標ではないと判定されたダウンチャープにおける目標の距離・速度推定値をアップチャープにおけるビート周波数推定値に変換し、当該ビート周波数推定値及び前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて当該目標が同一であるかを判定するアップチャープ用同一目標判定部とを備えた ことを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。前記同一目標判定部は、前記チャープごとに算出された目標の距離・速度推定値、及び、前記信号処理器により特定されたビート周波数に付与された測角値に基づいて、同一目標判定を行う ことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。前記同一目標判定部は、前記チャープごとに算出された目標の距離・速度推定値、及び、前記信号処理器により特定されたビート周波数に付与された測角値に基づいて、同一目標判定を行う ことを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタは、前記モデル判定部により速度一定モデルが選択された場合には、目標の距離・速度推定値を算出し、非速度一定モデルが選択された場合には、目標の距離・速度・加速度推定値を算出する ことを特徴とする請求項3記載のレーダ装置。前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタは、前記モデル判定部により選択された運動モデルに応じて、追尾フィルタの駆動雑音を切り替える ことを特徴とする請求項3記載のレーダ装置。一定の変調幅で周波数が周期的に線形に増減する送信信号をレーダ波として送信する送信手段と、 前記送信手段により送信されたレーダ波に対する目標からの反射波を受信して受信信号を発生し、当該受信信号及び前記送信信号に基づいてチャープごとにビート周波数を特定する信号処理器と、 前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施し、目標のビート周波数・ビート周波数変化率推定値を算出するアップチャープ用追尾フィルタと、 前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施し、目標のビート周波数・ビート周波数変化率推定値を算出するダウンチャープ用追尾フィルタと、 前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標のビート周波数・ビート周波数変化率推定値に付与された時刻に基づいて、所定の時刻に合わせるように当該ビート周波数・ビート周波数変化率推定値を補正する時刻補正部と、 前記時刻補正部により補正されたチャープごとのビート周波数・ビート周波数変化率推定値を目標の距離・速度推定値に変換する距離・速度変換部と、 前記距離・速度変換部によりチャープごとに変換された目標の距離・速度推定値に基づいて、チャープごとに検出された目標が同一目標であるかを判定する同一目標判定部と、 前記同一目標判定部により同一目標であると判定された目標のチャープごとのビート周波数推定値に基づいて、目標の距離・速度を算出する距離・速度算出部とを備えた ことを特徴とするレーダ装置。前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に付与された測角値に基づいて追尾処理を実施し、目標の角度・角速度推定値を算出するアップチャープ用角度追尾フィルタと、 前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に付与された測角値に基づいて追尾処理を実施し、目標の角度・角速度推定値を算出するダウンチャープ用角度追尾フィルタと、 前記距離・速度算出部によりチャープごとに算出された目標の距離・速度推定値、及び、前記アップチャープ用角度追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用角度追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標の角度・角速度推定値を、目標の2次元の位置・速度に変換する座標変換部とを備え、 前記同一目標判定部は、前記チャープごとに変換された目標の距離・速度推定値、前記アップチャープ用角度追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用角度追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標の角度・角速度推定値に基づいて、同一目標判定を行う ことを特徴とする請求項10記載のレーダ装置。前記座標変換部は、前記アップチャープ用角度追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標の角度・角速度推定値を重み付け統合して用いる ことを特徴とする請求項11記載のレーダ装置。前記時刻補正部は、前記ビート周波数変化率推定値に基づいて、前記ビート周波数推定値を前記所定の時刻に外挿する ことを特徴とする請求項10記載のレーダ装置。

一定の変調幅で周波数が周期的に線形に増減する送信信号をレーダ波として送信する送信手段と、 前記送信手段により送信されたレーダ波に対する目標からの反射波を受信して受信信号を発生し、当該受信信号及び前記送信信号に基づいてチャープごとにビート周波数を特定する信号処理器と、 前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施して目標のビート周波数を得て、当該ビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値を算出するアップチャープ用追尾フィルタと、 前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施して目標のビート周波数を得て、当該ビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値を算出するダウンチャープ用追尾フィルタと、 前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に付与された測角値に基づいて追尾処理を実施し、目標の角度・角速度推定値を算出するアップチャープ用角度追尾フィルタと、 前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に付与された測角値に基づいて追尾処理を実施し、目標の角度・角速度推定値を算出するダウンチャープ用角度追尾フィルタと、 前記目標の距離・速度推定値、並びに、前記目標の角度・角速度推定値に基づいて、チャープごとに検出された目標が同一目標であるかを判定する同一目標判定部と、 前記同一目標判定部により同一目標であると判定された目標のチャープごとのビート周波数に基づいて、目標の距離・速度を算出する距離・速度算出部とを備えた ことを特徴とするレーダ装置。前記アップチャープ用角度追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用角度追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標の角速度推定値に基づいて、追尾フィルタの運動モデルを選択するモデル判定部を備え、 前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタは、前記モデル判定部により選択された運動モデルに従って追尾処理を行う ことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。前記同一目標判定部において同一目標ではないと判定されたアップチャープにおける目標の距離・速度推定値をダウンチャープにおけるビート周波数推定値に変換し、当該ビート周波数推定値及び前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて当該目標が同一であるかを判定するダウンチャープ用同一目標判定部と、 前記同一目標判定部において同一目標ではないと判定されたダウンチャープにおける目標の距離・速度推定値をアップチャープにおけるビート周波数推定値に変換し、当該ビート周波数推定値及び前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて当該目標が同一であるかを判定するアップチャープ用同一目標判定部とを備えた ことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタは、前記モデル判定部により速度一定モデルが選択された場合には、目標の距離・速度推定値を算出し、非速度一定モデルが選択された場合には、目標の距離・速度・加速度推定値を算出することを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタは、前記モデル判定部により選択された運動モデルに応じて、追尾フィルタの駆動雑音を切り替えることを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。前記アップチャープ用追尾フィルタは、前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施し、目標の距離・速度推定値に代えて目標のビート周波数・ビート周波数変化率推定値を算出し、 前記ダウンチャープ用追尾フィルタは、前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施し、目標の距離・速度推定値に代えて目標のビート周波数・ビート周波数変化率推定値を算出し、 前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標のビート周波数・ビート周波数変化率推定値に付与された時刻に基づいて、所定の時刻に合わせるように当該ビート周波数・ビート周波数変化率推定値を補正する時刻補正部と、 前記時刻補正部により補正されたチャープごとのビート周波数・ビート周波数変化率推定値を目標の距離・速度推定値に変換する距離・速度変換部とを備えた ことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。前記距離・速度算出部によりチャープごとに算出された目標の距離・速度、及び、前記アップチャープ用角度追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用角度追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標の角度・角速度推定値を、目標の2次元の位置・速度に変換する座標変換部を備えたことを特徴とする請求項6記載のレーダ装置。前記座標変換部は、前記アップチャープ用角度追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用角度追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標の角度・角速度推定値を重み付け統合して用いることを特徴とする請求項7記載のレーダ装置。前記時刻補正部は、前記ビート周波数変化率推定値に基づいて、前記ビート周波数推定値を前記所定の時刻に外挿することを特徴とする請求項6記載のレーダ装置。一定の変調幅で周波数が周期的に線形に増減する送信信号をレーダ波として送信する送信手段と、 前記送信手段により送信されたレーダ波に対する目標からの反射波を受信して受信信号を発生し、当該受信信号及び前記送信信号に基づいてチャープごとにビート周波数を特定する信号処理器と、 前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施して目標のビート周波数を得て、当該ビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値を算出するアップチャープ用追尾フィルタと、 前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施して目標のビート周波数を得て、当該ビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値を算出するダウンチャープ用追尾フィルタと、 前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に付与された測角値に基づいて追尾処理を実施し、目標の角度・角速度推定値を算出するアップチャープ用角度追尾フィルタと、 前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に付与された測角値に基づいて追尾処理を実施し、目標の角度・角速度推定値を算出するダウンチャープ用角度追尾フィルタと、 前記目標の距離・速度推定値、並びに、前記目標の角度・角速度推定値に基づいて、チャープごとに検出された目標が同一目標であるかを判定する同一目標判定部と、 前記同一目標判定部により同一目標であると判定された目標のチャープごとのビート周波数に基づいて、目標の距離・速度を算出する距離・速度算出部と、 前記同一目標判定部において同一目標ではないと判定されたアップチャープにおける目標の距離・速度推定値をダウンチャープにおけるビート周波数推定値に変換し、当該ビート周波数推定値及び前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて当該目標が同一であるかを判定するダウンチャープ用同一目標判定部と、 前記同一目標判定部において同一目標ではないと判定されたダウンチャープにおける目標の距離・速度推定値をアップチャープにおけるビート周波数推定値に変換し、当該ビート周波数推定値及び前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて当該目標が同一であるかを判定するアップチャープ用同一目標判定部と を備えたことを特徴とするレーダ装置。一定の変調幅で周波数が周期的に線形に増減する送信信号をレーダ波として送信する送信手段と、 前記送信手段により送信されたレーダ波に対する目標からの反射波を受信して受信信号を発生し、当該受信信号及び前記送信信号に基づいてチャープごとにビート周波数を特定する信号処理器と、 前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施して目標のビート周波数を得て、当該ビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値を算出するアップチャープ用追尾フィルタと、 前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施して目標のビート周波数を得て、当該ビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値を算出するダウンチャープ用追尾フィルタと、 前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に付与された測角値に基づいて追尾処理を実施し、目標の角度・角速度推定値を算出するアップチャープ用角度追尾フィルタと、 前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に付与された測角値に基づいて追尾処理を実施し、目標の角度・角速度推定値を算出するダウンチャープ用角度追尾フィルタと、 前記目標の距離・速度推定値、並びに、前記目標の角度・角速度推定値に基づいて、チャープごとに検出された目標が同一目標であるかを判定する同一目標判定部と、 前記同一目標判定部により同一目標であると判定された目標のチャープごとのビート周波数に基づいて、目標の距離・速度を算出する距離・速度算出部と、 前記アップチャープ用角度追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用角度追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標の角速度推定値に基づいて、前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタで用いられる運動モデルを選択するモデル判定部とを備え、 前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタは、前記モデル判定部により選択された運動モデルに従って追尾処理を行う ことを特徴とするレーダ装置。前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタは、前記モデル判定部により速度一定モデルが選択された場合には、目標の距離・速度推定値を算出し、非速度一定モデルが選択された場合には、目標の距離・速度・加速度推定値を算出することを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタは、前記モデル判定部により選択された運動モデルに応じて、追尾フィルタの駆動雑音を切り替えることを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。前記アップチャープ用追尾フィルタは、前記信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施し、目標の距離・速度推定値に代えて目標のビート周波数・ビート周波数変化率推定値を算出し、 前記ダウンチャープ用追尾フィルタは、前記信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施し、目標の距離・速度推定値に代えて目標のビート周波数・ビート周波数変化率推定値を算出し、 前記アップチャープ用追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標のビート周波数・ビート周波数変化率推定値に付与された時刻に基づいて、所定の時刻に合わせるように当該ビート周波数・ビート周波数変化率推定値を補正する時刻補正部と、 前記時刻補正部により補正されたチャープごとのビート周波数・ビート周波数変化率推定値を目標の距離・速度推定値に変換する距離・速度変換部とを備えた ことを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。前記距離・速度算出部によりチャープごとに算出された目標の距離・速度、及び、前記アップチャープ用角度追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用角度追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標の角度・角速度推定値を、目標の2次元の位置・速度に変換する座標変換部を備えたことを特徴とする請求項5記載のレーダ装置。前記座標変換部は、前記アップチャープ用角度追尾フィルタ及び前記ダウンチャープ用角度追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標の角度・角速度推定値を重み付け統合して用いることを特徴とする請求項6記載のレーダ装置。前記時刻補正部は、前記ビート周波数変化率推定値に基づいて、前記ビート周波数推定値を前記所定の時刻に外挿することを特徴とする請求項5記載のレーダ装置。

说明书全文

この発明は、移動体の衝突防止や一定距離追従走行等に使用され、レーダ波の送受信により移動体の外部に存在する目標との相対速度や距離を検出するFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダ等のレーダ装置に関するものである。

ここで、Bは送信信号の周波数変位幅、f0は送信信号の中心周波数、Tは1周期の変調に要する時間、cは光速を表す。なお、変調時間Tは短く、目標の距離Rと速度Vはアップチャープ−ダウンチャープ間で変化しないという前提がある。

以上のように、従来のレーダ装置では、アップチャープ時及びダウンチャープ時のビート周波数の対応付けにより、目標の距離及び速度を検出可能である。 ただし、アップチャープ・ダウンチャープのそれぞれで得られたビート周波数は同一目標のビート周波数だとしてもオフセットを生じている。特に、複数目標、すなわちビート周波数が複数存在する環境においては、アップチャープ時のどのビート周波数がダウンチャープ時のビート周波数に対応するかの判定が必要となり、その判定は極めて困難である。

上記課題について、図17,18を用いて説明する。 例えば、図17に示すように、スキャンごとにアップチャープとダウンチャープを繰り返す送信パターンを用いて、図18に示すように、アップチャープ・ダウンチャープごとに目標が検出されたとする。ここで、図18の□印が目標1、○印が目標2、×印が不要信号であり、ダウンチャープでは目標2が検出されなかったとする。アップチャープとダウンチャープには目標速度によるオフセットが生じるため、複数の組み合わせが発生する。そのため、不要な目標が発生し、目標2のように検出不可能な目標もある。 この対策として、以下のような方法が開示されている(例えば特許文献1〜4参照)。

特許文献1では、アップチャープ時及びダウンチャープ時に得られたビート周波数の対応付けにおいて、各掃引周期別に得られたビート周波数を昇順に並べ、並びが保存されるようにアップチャープ・ダウンチャープで得られたビート周波数の対応付けを実施している。これにより、複数目標環境に対応することができる。 しかしながら、この方法ではアップチャープ又はダウンチャープいずれかに誤警報が発生し、目標以外の不要信号成分によるビート周波数が存在する場合、すなわち目標の探知状況がアップチャープとダウンチャープで異なりビート周波数の数が合わない場合、ビート周波数の対応付け(以下、ペアリングと称す)が正確でなくなる可能性が高い。

また、特許文献2では、過去に検出された目標の距離及び速度に基づいて現在の目標の距離及び速度を予測し、この予測値に基づいてアップチャープとダウンチャープのビート周波数を算出する。そして、これらの予測ビート周波数ペアに対して周波数が近い検出ペアを真のペアとしている。また、特許文献3では、目標追尾後、追尾予測値を予測ビート周波数へ変換し、予測ビート周波数と入されるビート周波数の対応付けを実施し、追尾推定値を更新している。 しかしながら、これらの方法では、過去に検出された目標もしくは追尾対象の目標が誤目標である場合は誤目標が継続して残ることとなり、目標検出には課題が残っている。

一方、特許文献4では、図19に示すように、アップチャープ・ダウンチャープごとに得られるビート周波数を直接追尾し、時間方向に相関のとれたビート周波数時系列データを用いて、目標の距離と速度を算出している。 しかしながら、この方法では、各スキャン間で速度が変化しない(速度一定)という前提をおいて、距離と速度を算出するため、前提が成立しない条件では距離精度及び速度精度が劣化する。

特開平5−142337号公報

特開平11-271429号公報

特開2005−55240号公報

特開2010-019824号公報

上述したように、特許文献1〜4に開示された従来の方法では、多目標環境や目標以外の不要信号成分によるビート周波数が存在する場合においてビート周波数の対応付けが正確でなくなる可能性が高く、時間方向にビート周波数を追尾し、チャープごとに距離・速度を算出する方法でもアップチャープ・ダウンチャープのペアに比べ推定精度が劣化するという課題があった。

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ビート周波数によりチャープごとに追尾処理を行って距離・速度推定値を算出し、当該距離・速度推定値によりアップチャープとダウンチャープのビート周波数を対応付けることで、距離・速度推定精度を向上することができるレーダ装置を提供することを目的としている。

この発明に係るレーダ装置は、一定の変調幅で周波数が周期的に線形に増減する送信信号をレーダ波として送信する送信手段と、送信手段により送信されたレーダ波に対する目標からの反射波を受信して受信信号を発生し、当該受信信号及び送信信号に基づいてチャープごとにビート周波数を特定する信号処理器と、信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施し、目標のビート周波数を得るアップチャープ用追尾フィルタと、信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施し、目標のビート周波数を得るダウンチャープ用追尾フィルタと、アップチャープ用追尾フィルタ及びダウンチャープ用追尾フィルタによりチャープごとに得られた目標のビート周波数を時系列に記憶するビート周波数記憶部と、ビート周波数記憶部にチャープごとに記憶されたビート周波数時系列データに基づいて、チャープごとに目標の距離・速度推定値を算出する目標検出部と、目標検出部によりチャープごとに算出された目標の距離・速度推定値に基づいて、チャープごとに検出された目標が同一目標であるかを判定する同一目標判定部と、同一目標判定部により同一目標であると判定された目標のチャープごとのビート周波数に基づいて、目標の距離・速度を算出する距離・速度算出部とを備えたものである。

また、この発明に係るレーダ装置は、一定の変調幅で周波数が周期的に線形に増減する送信信号をレーダ波として送信する送信手段と、送信手段により送信されたレーダ波に対する目標からの反射波を受信して受信信号を発生し、当該受信信号及び送信信号に基づいてチャープごとにビート周波数を特定する信号処理器と、信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施して目標のビート周波数を得て、当該ビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値を算出するアップチャープ用追尾フィルタと、信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施して目標のビート周波数を得て、当該ビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値を算出するダウンチャープ用追尾フィルタと、アップチャープ用追尾フィルタ及びダウンチャープ用追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標の距離・速度推定値に基づいて、チャープごとに検出された目標が同一目標であるかを判定する同一目標判定部と、同一目標判定部により同一目標であると判定された目標のチャープごとのビート周波数に基づいて、目標の距離・速度を算出する距離・速度算出部とを備えたものである。

また、この発明に係るレーダ装置は、一定の変調幅で周波数が周期的に線形に増減する送信信号をレーダ波として送信する送信手段と、送信手段により送信されたレーダ波に対する目標からの反射波を受信して受信信号を発生し、当該受信信号及び送信信号に基づいてチャープごとにビート周波数を特定する信号処理器と、信号処理器により特定されたアップチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施し、目標のビート周波数・ビート周波数変化率推定値を算出するアップチャープ用追尾フィルタと、信号処理器により特定されたダウンチャープにおけるビート周波数に基づいて追尾処理を実施し、目標のビート周波数・ビート周波数変化率推定値を算出するダウンチャープ用追尾フィルタと、アップチャープ用追尾フィルタ及びダウンチャープ用追尾フィルタによりチャープごとに算出された目標のビート周波数・ビート周波数変化率推定値に付与された時刻に基づいて、所定の時刻に合わせるように当該ビート周波数・ビート周波数変化率推定値を補正する時刻補正部と、時刻補正部により補正されたチャープごとのビート周波数・ビート周波数変化率推定値を目標の距離・速度推定値に変換する距離・速度変換部と、距離・速度変換部によりチャープごとに変換された目標の距離・速度推定値に基づいて、チャープごとに検出された目標が同一目標であるかを判定する同一目標判定部と、同一目標判定部により同一目標であると判定された目標のチャープごとのビート周波数に基づいて、目標の距離・速度を算出する距離・速度算出部とを備えたものである。

この発明によれば、上記のように構成したので、ビート周波数によりチャープごとに追尾処理を行って距離・速度推定値を算出し、当該距離・速度推定値によりアップチャープとダウンチャープのビート周波数を対応付けることで、距離・速度推定精度を向上することができる。

この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示す図である。

この発明の実施の形態1におけるアップチャープ用追尾フィルタの構成を示す図である。

この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の動作を示すフローチャートである。

この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の構成を示す図である。

この発明の実施の形態2におけるアップチャープ用追尾フィルタの構成を示す図である。

この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の動作を示すフローチャートである。

この発明の実施の形態3に係るレーダ装置の構成を示す図である。

この発明の実施の形態3におけるアップチャープ用度追尾フィルタの構成を示す図である。

この発明の実施の形態3に係るレーダ装置の動作を示すフローチャートである。

この発明の実施の形態3における時刻補正部の動作を説明する図である。

この発明の実施の形態4に係るレーダ装置の構成を示す図である。

この発明の実施の形態4に係るレーダ装置の動作を示すフローチャートである。

この発明の実施の形態4におけるモデル判定部の動作を説明する図である(速度一定が成立するケース)。

この発明の実施の形態4におけるモデル判定部の動作を説明する図である(速度一定が成立しないケース)。

この発明の実施の形態4におけるモデル判定部の動作を示すフローチャートである。

従来のレーダ装置の動作原理を説明する図である。

従来のレーダ装置の送信パターン例を示す図である。

従来のレーダ装置のビート周波数のペアリングを示す図である。

従来のレーダ装置のビート周波数時系列データを示す図である。

以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。 実施の形態1. 図1はこの発明の実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示す図である。 レーダ装置は、図1に示すように、送信手段1、信号処理器2、ビート周波数追尾手段3、ビート周波数記憶部4,5、目標検出部6,7、同一目標判定部8、ダウンチャープ用同一目標判定部9、アップチャープ用同一目標判定部10及び距離・速度算出部11から構成されている。

送信手段1は、一定の変調幅で周波数が周期的に線形に増減する送信信号を発生し、レーダ波として外部に送信するものである。この送信手段1は、三角波発生部12、送信器13及び送信アンテナ14を有している。

三角波発生部12は、所定の三角波状の変調信号を発生するものである。この三角波発生部12により発生された変調信号は送信器13に出力される。 送信器13は、三角波発生部12からの変調信号に従って周波数変調した送信信号を送信アンテナ14を介してレーダ波として送信するものである。また、送信器13は、当該送信信号を信号処理器2にも直接出力する。

信号処理器2は、送信手段1からのレーダ波に対する反射物(目標)からの反射波を受信して受信信号を発生し、当該受信信号及び送信信号1から直接取得した送信信号に基づいて、チャープごとにビート周波数を特定するものである。この信号処理器2は、受信アンテナ15、受信器16、A/D変換器17及びビート周波数ピーク検出部18を有している。

受信器16は、目標からの反射波を受信アンテナ15を介して受信して受信信号を発生すると共に、当該受信信号を送信手段1から直接受信した送信信号と混合することで、中間周波のビート信号を発生するものである。この受信器16により発生されたビート信号はA/D変換器17に出力される。 A/D変換器17は、受信器16からのビート信号をディジタル信号に変換するものである。このA/D変換器17によりディジタル信号に変換されたビート信号はビート周波数ピーク検出部18に出力される。

ビート周波数ピーク検出部18は、A/D変換器17からのビート信号に基づいて、FFT(Fast Fourier Transform)等によって周波数分析を行い、チャープごとにビート周波数を抽出するものである。なお、ビート周波数には、当該ビート周波数が得られた時刻(以下、ビート周波数観測時刻と称す)が付与されている。このビート周波数ピーク検出部18により抽出されたアップチャープにおけるビート周波数を示すデータは後述するアップチャープ用追尾フィルタ19に出力され、ダウンチャープにおけるビート周波数を示すデータは後述するダウンチャープ用追尾フィルタ20に出力される。

ビート周波数追尾手段3は、信号処理器2からのチャープごとのビート周波数を示すデータに基づいて追尾処理をそれぞれ実施し、チャープごとに目標のビート周波数を得るものである。このビート周波数追尾手段3は、アップチャープ用追尾フィルタ19及びダウンチャープ用追尾フィルタ20を有している。

アップチャープ用追尾フィルタ19は、信号処理器2からのアップチャープにおけるビート周波数(周波数ピーク)を示すデータに基づいて追尾処理を実施し、複数サンプリングのアップチャープ間で相関の取れた周波数ピークを目標のビート周波数として得るものである。このアップチャープ用追尾フィルタ19により得られた目標のビート周波数を示すデータはビート周波数記憶部4に出力される。また、アップチャープ用追尾フィルタ19は、ビート周波数記憶部4に記憶されたビート周波数時系列データを抽出して目標検出部6に出力する。 ダウンチャープ用追尾フィルタ20は、信号処理器2からのダウンチャープにおけるビート周波数(周波数ピーク)を示すデータに基づいて追尾処理を実施し、複数サンプリングのダウンチャープ間で相関の取れた周波数ピークを目標のビート周波数として得るものである。このダウンチャープ用追尾フィルタ20により得られた目標のビート周波数を示すデータはビート周波数記憶部5に出力される。また、ダウンチャープ用追尾フィルタ20は、ビート周波数記憶部5に記憶されたビート周波数時系列データを抽出して目標検出部7に出力する。 このアップチャープ用追尾フィルタ19及びダウンチャープ用追尾フィルタ20の構成については後述する。

ビート周波数記憶部4は、アップチャープ用追尾フィルタ19からの目標のビート周波数を示すデータを時系列に記憶するものである。また、ビート周波数記憶部4に記憶されたビート周波数時系列データはアップチャープ用追尾フィルタ19により抽出される。 ビート周波数記憶部5は、ダウンチャープ用追尾フィルタ20からの目標のビート周波数を示すデータを時系列に記憶するものである。また、ビート周波数記憶部5に記憶されたビート周波数時系列データはダウンチャープ用追尾フィルタ20により抽出される。

目標検出部6は、アップチャープ用追尾フィルタ19からのアップチャープにおけるビート周波数時系列データに基づいて、目標の距離・速度推定値を算出するものである。この目標検出部6により算出された目標の距離・速度推定値を示すデータは同一目標判定部8に出力される。 目標検出部7は、ダウンチャープ用追尾フィルタ20からのダウンチャープにおけるビート周波数時系列データに基づいて、目標の距離・速度推定値を算出するものである。この目標検出部7により算出された目標の距離・速度推定値を示すデータは同一目標判定部8に出力される。

同一目標判定部8は、目標検出部6,7からのチャープごとの目標の距離・速度推定値を示すデータに基づいて、チャープごとに検出された目標が同一目標であるか(ビート周波数のペアリングが成立するか)を判定するものである。この同一目標判定部8による判定結果(ペアリングされたビート周波数)を示すデータはダウンチャープ用同一目標判定部9、アップチャープ用同一目標判定部10及び距離・速度算出部11に出力される。

ダウンチャープ用同一目標判定部9は、目標検出部6で扱われた目標のうち、同一目標判定部8により同一目標ではないと判定された(ビート周波数のペアリングが成立しなかった)目標の距離・速度推定値をダウンチャープにおけるビート周波数推定値に変換し、ダウンチャープにおけるビート周波数との同一目標判定を実施する(信号処理器2からのダウンチャープにおけるビート周波数と相関をとり、ビート周波数のペアリングを行う)ものである。このダウンチャープ用同一目標判定部9による判定結果(ペアリングされたビート周波数)を示すデータは距離・速度算出部11に出力される。

アップチャープ用同一目標判定部10は、目標検出部7で扱われた目標のうち、同一目標判定部8により同一目標ではないと判定された(ビート周波数のペアリングが成立しなかった)目標の距離・速度推定値をアップチャープにおけるビート周波数推定値に変換し、アップチャープにおけるビート周波数との同一目標判定を実施する(信号処理器2からのアップチャープにおけるビート周波数と相関をとり、ビート周波数のペアリングを行う)ものである。このアップチャープ用同一目標判定部10による判定結果(ペアリングされたビート周波数)を示すデータは距離・速度算出部11に出力される。

距離・速度算出部11は、同一目標判定部8、ダウンチャープ用同一目標判定部9及びアップチャープ用同一目標判定部10からのペアリングされたビート周波数を示すデータに基づいて、目標の距離・速度を算出するものである。

次に、アップチャープ用追尾フィルタ19及びダウンチャープ用追尾フィルタ20の構成について、図2を用いて説明する。なお、以下では、アップチャープ用追尾フィルタ19の構成についてのみ図示し、説明を行うが、ダウンチャープ用追尾フィルタ20の構成についても同様である。 アップチャープ用追尾フィルタ19は、図2に示すように、相関部191、初期化部192、平滑部193及び予測部194から構成されている。

相関部191は、ビート周波数ピーク検出部18からのビート周波数を示すデータに対して、予測部194からの仮目標の予測ビート周波数との相関処理を実施するものである。そして、相関部191は、相関なしとみなした場合には当該ビート周波数を示すデータを初期化部192に出力する。一方、相関部191は、相関ありとみなした場合には当該ビート周波数を示すデータを平滑部193に出力する。 さらに、相関部191は、相関ありとみなしたビート周波数を示すデータをビート周波数記憶部4に出力し、時系列に記憶させる。そして、ビート周波数記憶部4に記憶されたビート周波数時系列データは、アップチャープ用追尾フィルタ19により抽出されて目標検出部6に出力される。

初期化部192は、相関部191により相関なしと判定されたビート周波数に基づいて、新たな仮目標の初期平滑値(ビート周波数・ビート周波数変化率推定値)を設定するものである。なお、初期化部192により設定された平滑値にはビート周波数の取得時刻が付与されている。この初期化部192により設定された仮目標の平滑値を示すデータは予測部194に出力される。

平滑部193は、相関部191により相関ありと判定されたビート周波数に基づいて、仮目標の平滑値(ビート周波数・ビート周波数変化率推定値)を更新するものである。なお、平滑部193により更新された仮目標の平滑値にはビート周波数の更新時刻が付与されている。この平滑部193により更新された仮目標の平滑値を示すデータは予測部194及び目標検出部6に出力される。なお、図2では、平滑部193から目標検出部6への平滑値(ビート周波数・ビート周波数変化率推定値)を示すデータの出力について記載されているが、実施の形態1では、この出力は行われない。

予測部194は、ビート周波数ピーク検出部18からのビート周波数観測時刻を示すデータ、及び、初期化部192又は平滑部193からの仮目標の平滑値を示すデータに基づいて、仮目標の予測ビート周波数を算出するものである。この予測部194により算出された予測ビート周波数を示すデータは相関部191に出力される。

次に、上記のように構成されたレーダ装置の動作について、図3を参照しながら説明する。 レーダ装置の動作では、図3に示すように、まず、送信手段1は、送信信号を発生してレーダ波として送信する(ステップST31)。すなわち、まず、三角波発生部12は、所定の三角波状の変調信号を発生する。そして、送信器13は、当該変調信号に従って周波数変調した送信信号を送信アンテナ14を介してレーザ波として送信する。また、送信器13は、当該送信信号を信号処理器2に直接出力する。

次いで、ビート周波数追尾手段3は、信号処理器2からのチャープごとのビート周波数を示すデータに基づいて追尾処理をそれぞれ実施し、チャープごとに目標のビート周波数を得る(ステップST33)。以下では、アップチャープ用追尾フィルタ19による処理の詳細について説明する。

さらに、式(17)に示すように、新たな仮目標に対するトラック品質TQ値として0を設定し、仮目標の総数Mを1増加させる。 また、登録済みの仮目標mに関して相関のあるビート周波数が得られなかった場合はメモリトラックとして、式(22),(23)のように処理し、さらにTQ値を1減少させる(式(24))。このときTQ値が事前に設定した下限値TQminを下回る場合はTQminで固定する。

また、目標検出部6で距離・速度推定値を算出するため、相関の取れたビート周波数を示すデータをビート周波数記憶部4に時系列に記憶させておく。

そして、予測部194は、上記のように初期化部192又は平滑部193により得られた平滑値に対して、当該平滑値に付与された取得時刻又は更新時刻と新たにビート周波数ピーク検出部18によって供給されたビート周波数観測時刻との差Δtを算出し、式(7)の状態推移行列を算出後、式(25),(26)によってビート周波数観測時刻に状態量を合わせて予測ビート周波数を算出する。

なお、アップチャープ用追尾フィルタ19では、式(5)〜(26)を用いて処理を行う場合について示しているが、ビート周波数と同時に角度や信号電力が利用できる場合は、これらのパラメータを状態ベクトルに追加し、機能拡張することは可能である。また、上記では追尾処理としてカルマンフィルタを用いた例を示したが、α−β(−γ)フィルタなど、他の追尾フィルタを用いてもよい。さらに、式(5)では、目標の運動モデルが速度一定モデルであるとして、ビート周波数とビート周波数変化率(ビート周波数の1階時間微分)を追尾フィルタの状態ベクトルとした場合について示しているが、目標の運動モデルが非速度一定モデルであるとして、上記にビート周波数の2階時間微分を加えた状態ベクトルとしてもよい。 また、ダウンチャープ用追尾フィルタ20についても、上記アップチャープ用追尾フィルタ19と同様の処理が実施される。なお、式(5)〜(26)における状態ベクトルの上付きuはdに変更する。

次いで、目標検出部6は、アップチャープ用追尾フィルタ19からの信号に基づいて、仮目標として追尾処理されたビート周波数のTQ値より目標検出判定を実施し、アップチャープ用追尾フィルタ19によって得られた仮目標mと相関の取れたビート周波数時系列データに基づいて、目標の距離・速度推定値を算出する(ステップST34)。 以下では、目標検出部6による処理の詳細について説明する。なお、目標検出部6では、下式(27)〜(34)に従って処理を行う。

目標検出部6では、まず、仮目標m(m=1,2,・・・,M)のTQ値を入力し、TQ値が事前に定めたTQthre(閾値)を超えた場合に目標検出と判断する。なお、目標検出と判定された仮目標を検出目標と呼ぶ。 検出目標はアップチャープ用追尾フィルタ19により追尾処理が実施されているため、相関の取れたアップチャープ時のビート周波数時系列データ、すなわち異なるサンプリング時刻におけるビート周波数の集まりを取得できる。

目標検出部6では、ビート周波数時系列データより目標番号mの距離と速度を算出するために、基準サンプリング時刻t0における目標の距離と速度を式(28)に示すように定義し、式(29)に示すように任意のサンプリング時刻における目標の距離と速度をモデル化する。すると、基準時刻t0と任意のサンプリング時刻の時間差Δにより状態遷移行列を式(31)のように定義できるため、式(27)記載の任意の時刻におけるアップチャープ時のビート周波数を基準時刻における距離と速度で表現できる。従って、基準時刻における目標の距離と速度を連立方程式によって算出できる。 また任意のサンプリング時刻における距離・速度推定値は式(30)〜(32)より得る事ができる。例えば、ビート周波数時系列データが少なくとも2サンプル蓄積されていれば、式(33),(34)の連立方程式を用いて基準時刻における目標の距離・速度推定値が算出可能となる。

また、目標検出部7についても同様に、ダウンチャープ用追尾フィルタ20からの信号に基づいて、仮目標として追尾処理されたビート周波数のTQ値より目標検出判定を実施し、ダウンチャープ用追尾フィルタ20によって得られた仮目標mと相関の取れたダウンチャープ時のビート周波数の時系列データに基づいて、目標の距離・速度推定値を算出する。なお、式(27)〜(34)における状態ベクトルの上付きuはdに変更する。また、式(27)の右辺第2項に負号(−)を付ける。 ここで、目標検出部6,7において、算出する目標の距離・速度の基準時刻を合わせておけば、同一基準時刻における目標の距離・速度推定値を算出できる。

次いで、同一目標判定部8は、目標検出部6,7からのチャープごとの目標の距離・速度推定値を示すデータに基づいて、チャープごとに検出された目標が同一目標であるかを判定する(ステップST35)。なお、同一目標判定部8では、下式(35)〜(43)等に従って処理を行う。

同一目標判定部8において式(35),(36)を同時に満足又は式(37)を満足する組み合わせが複数存在する場合は、式(35),(36)又は式(37)の評価値が最小となる組み合わせを選択し、アップチャープとダウンチャープにおけるビート周波数のペアを出力する。 また、同一目標の判定方法としてカイ二乗検定を用いる方法もある。例えば式(40)が成立する場合を同一目標の可能性があると判断する。なお式(40)右辺のdは自由度2のカイ二乗分布表より定める。

なお、前述したようにペアの組み合わせは複数存在し、割り当て重複が発生する可能性もある。そこで、相関行列を式(41)のように作成する。相関行列において、行の要素はアップチャープの検出目標番号を表している。一方、列の要素はダウンチャープの検出目標番号を表す。式(41)を満足するアップチャープとダウンチャープの組み合わせに相当する行と列の要素に1を入れる。満足しない場合は0を設定し、最適な組み合わせを選択する。 例えば、アップチャープ・ダウンチャープ共に2目標が存在し、式(40)の判定式による結果、式(42)の相関行列が生成されたものとする。式(42)より、アップチャープ・ダウンチャープにおける検出目標の組み合わせとしては、式(43)のような組み合わせが想定される。これらは下記に示す2通りの仮説を表している。 仮説1:「アップチャープの検出目標1とダウンチャープの検出目標1」かつ「アップチャープの検出目標2とダウンチャープの検出目標2」 仮説2:「アップチャープの検出目標2とダウンチャープの検出目標1」 さらに、式(43)で表される個々の組み合わせに関する仮説より、最良の仮説を選択する。例えば、式(40)の結果の和が最小となる組み合わせを選択する。

次いで、ダウンチャープ用同一目標判定部9は、目標検出部6で扱われた目標のうち、同一目標判定部8により同一目標ではないと判定された目標の距離・速度推定値をダウンチャープにおけるビート周波数推定値に変換し、ダウンチャープにおけるビート周波数との同一目標判定を実施する(ステップST36)。 以下では、ダウンチャープ用同一目標判定部9による処理の詳細について説明する。なお、ダウンチャープ用同一目標判定部9では、下式(44),(45)に従って処理を行う。

また、ダウンチャープ用同一目標判定部9において式(45)を満たす組み合わせが複数存在する場合は、式(45)の評価値が最小となる組み合わせを選択し、アップチャープとダウンチャープにおけるビート周波数のペアを出力する。

また、アップチャープ用同一目標判定部10についても、上記ダウンチャープ用同一目標判定部9と同様の処理が実施される。なお、式(44),(45)における状態ベクトルの上付きdはuに変更する。

次いで、距離・速度算出部11は、同一目標判定部8、ダウンチャープ用同一目標判定部9及びアップチャープ用同一目標判定部10からのペアリングされたビート周波数を示すデータに基づいて、式(3),(4)を用いて、目標の距離・速度を算出する(ステップST37)。

以上のように、実施の形態1によれば、多目標環境においてアップチャープで得たビート周波数の追尾処理、及びダウンチャープで得たビート周波数の追尾処理を個別に行い、時間方向の相関をとるように構成したので、従来のアップチャープとダウンチャープ間のペアリングで問題となるオフセットの影響を受けず、目標に対して高い相関性能を実現することができる。そして、各追尾処理で相関済みのビート周波数時系列データより距離・速度推定値を算出し、その距離・速度推定値を介してアップチャープとダウンチャープ間のビート周波数ペアリングを行うように構成したので、誤ペアの発生を抑えることができる。さらに、距離・速度の推定精度についても従来ペアリングと同等の精度を確保することができる。

実施の形態2. 図4はこの発明の実施の形態2に係るレーダ装置の構成を示す図である。図4に示す実施の形態2に係るレーダ装置は、図1に示す実施の形態1に係るレーダ装置のビート周波数記憶部4,5及び目標検出部6,7を削除し、ビート周波数追尾手段3をビート周波数追尾手段3bに変更したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。

ビート周波数追尾手段3bは、信号処理器2からのチャープごとのビート周波数を示すデータに基づいて追尾処理をそれぞれ実施し、チャープごとに得た目標のビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値を算出するものである。このビート周波数追尾手段3bは、アップチャープ用追尾フィルタ19b及びダウンチャープ用追尾フィルタ20bを有している。

アップチャープ用追尾フィルタ19bは、信号処理器2からのアップチャープにおけるビート周波数(周波数ピーク)を示すデータに基づいて追尾処理を実施し、複数サンプリングのアップチャープ間で相関の取れた周波数ピークを目標のビート周波数として得て、当該ビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値を算出するものである。このアップチャープ用追尾フィルタ19bにより得られた目標のビート周波数、及び、算出された目標の距離・速度推定値を示すデータは同一目標判定部8に出力される。 ダウンチャープ用追尾フィルタ20bは、信号処理器2からのダウンチャープにおけるビート周波数(周波数ピーク)を示すデータに基づいて追尾処理を実施し、複数サンプリングのダウンチャープ間で相関の取れた周波数ピークを目標のビート周波数として得て、当該ビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値を算出するものである。このダウンチャープ用追尾フィルタ20bにより得られた目標のビート周波数、及び、算出された目標の距離・速度推定値を示すデータは同一目標判定部8に出力される。

次に、アップチャープ用追尾フィルタ19b及びダウンチャープ用追尾フィルタ20bの構成について、図5を用いて説明する。なお、以下では、アップチャープ用追尾フィルタ19bの構成についてのみ図示し、説明を行うが、ダウンチャープ用追尾フィルタ20bの構成についても同様である。 アップチャープ用追尾フィルタ19bは、図5に示すように、相関部191b、初期化部192b、平滑部193b及び予測部194bから構成されている。

相関部191bは、ビート周波数ピーク検出部18からのビート周波数を示すデータに対して、予測部194bからの仮目標の予測ビート周波数との相関処理を実施するものである。そして、相関部191bは、相関なしとみなした場合には当該ビート周波数を示すデータを初期化部192bに出力する。一方、相関部191bは、相関ありとみなした場合には当該ビート周波数を示すデータを平滑部193bに出力する。また、相関部191bは相関ありとみなした最新時刻におけるビート周波数を示すデータを同一目標判定部8に出力する。

初期化部192bは、相関部191bにより相関なしと判定されたビート周波数に基づいて、新たな仮目標のビート周波数の初期平滑値(距離・速度推定値)を設定するものである。なお、初期化部192bにより設定された平滑値にはビート周波数の取得時刻が付与されている。この初期化部192bにより設定された仮目標の平滑値を示すデータは予測部194bに出力される。

平滑部193bは、相関部191bにより相関ありと判定されたビート周波数に基づいて、仮目標の平滑値(距離・速度推定値)を更新するものである。なお、平滑部193bにより更新された仮目標の平滑値にはビート周波数の更新時刻が付与されている。この平滑部193bにより更新された仮目標の平滑値を示すデータは予測部194b及び同一目標判定部8に出力される。

予測部194bは、ビート周波数ピーク検出部18からのビート周波数観測時刻を示すデータ、及び、初期化部192b又は平滑部193bからの仮目標の平滑値を示すデータに基づいて、仮目標の予測ビート周波数を算出するものである。この予測部194bにより算出された予測ビート周波数を示すデータは相関部191bに出力される。

なお、同一目標判定部8は、ビート周波数追尾手段3bからのチャープごとの目標の距離・速度推定値を示すデータに基づいて、チャープごとに検出された目標が同一目標であるかを判定する。

次に、上記のように構成されたレーダ装置の動作について、図6を参照しながら説明する。なお以下では、実施の形態1に係るレーダ装置と動作の異なる部分についてのみ説明を行う。 レーダ装置の動作では、図6に示すように、ステップST63において、ビート周波数追尾手段3bは、信号処理器2からのチャープごとのビート周波数を示すデータに基づいて追尾処理をそれぞれ実施し、チャープごとに得た目標のビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値を算出する。以下では、アップチャープ用追尾フィルタ19bによる処理の詳細について説明する。

このアップチャープ用追尾フィルタ19bでは、基本的には、実施の形態1のアップチャープ用追尾フィルタ19と同様に式(5)〜(26)に従って処理を行う。ただし、一部異なる箇所があるため以下に示す。

そして、アップチャープ用追尾フィルタ19bでは、まず、相関部191bは、式(12)を用いて、ビート周波数ピーク検出部18からのアップチャープにおけるビート周波数に対して、予測部194bからの仮目標の予測ビート周波数との相関処理を実施する。 ここで、相関部191bは、ビート周波数が式(12)の不等式を満足する仮目標が存在すると判断した場合には、相関ありとみなす。

一方、相関部191bは、ビート周波数が式(12)の不等式を満足する仮目標が存在しないと判断した場合には、相関なしとみなし、初期化部192bは、そのビート周波数に基づいて、新たな仮目標を設定する。設定した新たな仮目標については、次スキャン以降に相関のとれるビート周波数がある場合、新たな仮目標を含め2スキャン以上のビート周波数が蓄積した段階で、速度一定という前提の下、式(33),(34)の連立方程式を解くことで、式(49)のように距離と速度で構成される平滑ベクトル初期値を設定する。 その他の処理は実施の形態1と同様のため省略する。

以上のように、実施の形態2によれば、チャープごとに得たビート周波数を用いて、目標の距離・速度推定値を直接算出するように構成したので、実施の形態1と比較して、ビート周波数時系列データを記憶しておく必要がなくなり、また、ビート周波数追尾処理後に距離と速度を算出する機能(目標検出部6,7)も不要となるため、演算負荷やメモリの削減を可能とする。

実施の形態3. 図7はこの発明の実施の形態3に係るレーダ装置の構成を示す図である。図7に示す実施の形態3に係るレーダ装置は、図1に示す実施の形態1に係るレーダ装置のビート周波数記憶部4,5、目標検出部6,7、ダウンチャープ用同一目標判定部9及びアップチャープ用同一目標判定部10を削除し、時刻補正部21,22、距離・速度変換部23,24、アップチャープ用角度追尾フィルタ25、ダウンチャープ用角度追尾フィルタ26及び座標変換部27を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。

なお、実施の形態3では、図2に示すアップチャープ用追尾フィルタ19において、相関部191からビート周波数記憶部4へのビート周波数を示すデータの出力は行われず、平滑部193から目標検出部6への平滑値(ビート周波数・ビート周波数変化率推定値)を示すデータの出力が行われる。また、ダウンチャープ用追尾フィルタ20についても同様である。

時刻補正部21は、アップチャープ用追尾フィルタ19からのアップチャープにおける目標の平滑値(ビート周波数・ビート周波数変化率推定値)に付与された更新時刻と、時刻補正部22に入力された更新時刻とに基づいて、所定の時刻に合わせるように当該平滑値を補正するものである。 時刻補正部22は、ダウンチャープ用追尾フィルタ20からのダウンチャープにおける目標の平滑値(ビート周波数・ビート周波数変化率推定値)に付与された更新時刻と、時刻補正部21に入力された更新時刻とに基づいて、所定の時刻に合わせるように当該平滑値を補正するものである。 この際、時刻補正部21,22は、チャープごとの平滑値に付与された更新時刻を所定の時刻(例えば最新時刻)に合わせるため、当該ビート周波数変化率推定値に基づいて、当該ビート周波数推定値を当該所定の時刻に外挿する。この時刻補正部21,22により補正された平滑値を示すデータはそれぞれの距離・速度変換部23,24に出力される。

距離・速度変換部23は、時刻補正部21からのアップチャープにおける平滑値を距離・速度推定値に変換するものである。この距離・速度変換部23により変換された距離・速度推定値を示すデータは同一目標判定部8に出力される。 距離・速度変換部24は、時刻補正部22からのダウンチャープにおける平滑値を距離・速度推定値に変換するものである。この距離・速度変換部24により変換された距離・速度推定値を示すデータは同一目標判定部8に出力される。

アップチャープ用角度追尾フィルタ25は、信号処理部2からのアップチャープにおけるビート周波数に付与された測角値に基づいて追尾処理を実施し、目標の角度・角速度推定値を算出するものである。このアップチャープ用角度追尾フィルタ25により算出されたアップチャープにおける目標の角度・角速度推定値を示すデータは座標変換部27に出力される。 ダウンチャープ用角度追尾フィルタ26は、信号処理部2からのダウンチャープにおけるビート周波数に付与された測角値に基づいて追尾処理を実施し、目標の角度・角速度推定値を算出するものである。このダウンチャープ用角度追尾フィルタ26により算出されたダウンチャープにおける目標の角度・角速度推定値を示すデータは座標変換部27に出力される。 なお、アップチャープ用角度追尾フィルタ25及びダウンチャープ用角度追尾フィルタ26の構成については後述する。

座標変換部27は、距離・速度算出部11からの目標の距離・速度推定値を示すデータ、及び、アップチャープ用角度追尾フィルタ25及びダウンチャープ用角度追尾フィルタ26からのチャープごとの目標の角度・角速度推定値を示すデータを、目標の2次元位置・速度に変換するものである。

なお、同一目標判定部8は、距離・速度変換部23,24からの目標の距離・速度推定値を示すデータ、及び、アップチャープ用角度追尾フィルタ25及びダウンチャープ用角度追尾フィルタ26からのチャープごとの目標の角度・角速度推定値を示すデータに基づいて、チャープごとに検出された目標が同一目標であるかを判定する。

次に、アップチャープ用角度追尾フィルタ25及びダウンチャープ用角度追尾フィルタ26の構成について、図8を用いて説明する。なお、以下では、アップチャープ用角度追尾フィルタ25の構成についてのみ図示し、説明を行うが、ダウンチャープ用角度追尾フィルタ26の構成についても同様である。 アップチャープ用角度追尾フィルタ25は、図8に示すように、相関部251、初期化部252、平滑部253及び予測部254から構成されている。

相関部251は、ビート周波数ピーク検出部18からのビート周波数に付与された測角値(角度)に対して、予測部254からの仮目標の予測角度との相関処理を実施するものである。そして、相関部251は、相関なしとみなした場合には当該角度を示すデータを初期化部252に出力する。一方、相関部251は、相関ありとみなした場合には当該角度を示すデータを平滑部253に出力する。

初期化部252は、相関部251により相関なしと判定された角度に基づいて、新たな仮目標の初期平滑値(角度・角速度推定値)を設定するものである。なお、初期化部252により設定された平滑値には角度の取得時刻が付与されている。この初期化部252により設定された仮目標の平滑値を示すデータは予測部254に出力される。

平滑部253は、相関部251により相関ありと判定された角度に基づいて、仮目標の平滑値(角度・角速度推定値)を更新するものである。なお、平滑部253により更新された仮目標の平滑値には角度の更新時刻が付与されている。この平滑部253により更新された仮目標の平滑値を示すデータは予測部254、同一目標判定部8及び座標変換部27に出力される。

予測部254は、ビート周波数ピーク検出部18からのビート周波数観測時刻を示すデータ、及び、初期化部252又は平滑部253からの仮目標の平滑値を示すデータに基づいて、仮目標の予測角度を算出するものである。この予測部254により算出された予測角度を示すデータは相関部251に出力される。

次に、上記のように構成されたレーダ装置の動作について、図9を参照しながら説明する。なお以下では、実施の形態1に係るレーダ装置と動作の異なる部分についてのみ説明を行う。 レーダ装置の動作では、図9に示すように、ステップST94において、時刻補正部21,22は、アップチャープ用追尾フィルタ19及びダウンチャープ用追尾フィルタ20からの各チャープにおける目標の平滑値(ビート周波数・ビート周波数変化率推定値)及び更新時刻を示すデータをそれぞれ入力し、当該更新時刻を所定の時刻に合わせるように当該平滑値を補正する。 以下、時刻補正部21による処理の詳細について、図10を用いて説明する。図10は、図17に示すような送信パターンに対するアップチャープ・ダウンチャープにおけるビート周波数平滑値を表している。また、時刻補正部21では、下式(50)〜(52)に従って処理を行う。

図10に示すように、ビート周波数変化率が大きい場合は、スキャン間のみならず、アップチャープ(図10に示す符号a)とダウンチャープ(図10に示す符号b)の取得時刻の差によってビート周波数が変動する。そこで、このビート周波数の変動を補償するために、アップチャープとダウンチャープの平滑値の時刻を合わせることとする。例えば、アップチャープにおける平滑値の更新時刻tu(例えば図10に示すt1)と任意の時刻t(例えば図10に示すt1’)との差をΔt(例えば図10に示すT)とした場合、式(51)によって任意の時刻における平滑値を算出することができる。ダウンチャープについても同様のため、省略する。

この時刻補正部21,22の処理によって、例えば、図10に示すようなアップチャープとダウンチャープにおける取得時刻に差が生じる送信パターンについても、ビート周波数の変動を補償することが可能となる。

次いで、距離・速度変換部23は、時刻補正部21からのアップチャープにおける平滑値を距離・速度推定値に変換する(ステップST95)。この際、例えば平滑値を2スキャン分蓄積し、式(33),(34)を用いることで、距離・速度推定値を算出する。

また、距離・速度変換部24についても、上記距離・速度変換部23と同様の処理が実施される。なお、ダウンチャープのため、各変数の上付き添え字uをdに変更し、式(54)の右辺第2項の符号を負号(−)に変更したものを使用する。

次いで、アップチャープ用角度追尾フィルタ25は、信号処理部2からのアップチャープにおけるビート周波数に付与された測角値に基づいて追尾処理を実施し、目標の角度・角速度推定値を算出する(ステップST96)。 以下、アップチャープ用角度追尾フィルタ25による処理の詳細について説明する。なお、アップチャープ用角度追尾フィルタ25では、基本的には式(5)〜(26)に従って処理を行うが、一部異なる箇所があるため以下に示す。

また、ダウンチャープ用角度追尾フィルタ26についても、上記アップチャープ用角度追尾フィルタ25と同様の処理が実施される。なお、ダウンチャープのため、各変数の上付き添え字uをdに変更する。

次いで、同一目標判定部8は、距離・速度変換部23,24からの目標の距離・速度推定値を示すデータ、及び、アップチャープ用角度追尾フィルタ25及びダウンチャープ用角度追尾フィルタ26からのチャープごとの目標の角度・角速度推定値を示すデータに基づいて、チャープごとに検出された目標が同一目標であるかを判定する(ステップST97)。また、チャープごとに検出された目標に信号強度の情報が付与されている場合は、信号強度も含めて同一目標判定を実施してもよい。例えば、付与された信号強度の差が大きい目標同士は同一目標とみなさないなどの処理の拡張は容易に実現可能である。

次いで、距離・速度算出部11は、同一目標判定部8からのペアリングされたビート周波数を示すデータに基づいて、目標の距離・速度を算出する(ステップST98)。ここで、距離・速度算出部11は、式(3),(4)のビート周波数の代わりにビート周波数の平滑値を用いて距離・速度を算出し、距離・速度推定値とする。

次いで、座標変換部27は、距離・速度算出部11からの目標の距離・速度推定値を示すデータ、及び、アップチャープ用角度追尾フィルタ25及びダウンチャープ用角度追尾フィルタ26からのチャープごとの目標の角度・角速度推定値を示すデータに基づいて、目標の2次元位置・速度を算出する(ステップST99)。 以下、座標変換部27による処理の詳細について説明する。なお、座標変換部27では、下式(58)〜(60)に従って処理を行う。

その他の処理は実施の形態1と同様のため省略する。

以上のように、実施の形態3によれば、平滑値とそれに付与された更新時刻を用いて任意の時刻における平滑値に補正するように構成したので、アップチャープとダウンチャープにおけるビート周波数取得時刻の差(変調時間)が大きい場合であっても、アップチャープとダウンチャープ間のペアリングにおける推定精度を向上させる効果がある。 また、実施の形態1,2では、出力される距離・速度に観測誤差が含まれているため、所望の精度を得るには、後段で追尾フィルタなどを用いて誤差を抑圧する処理が必要となる。本実施の形態では、ビート周波数に含まれる観測誤差を追尾フィルタによって抑圧した後のビート周波数平滑値同士のペアと測角値に含まれる観測誤差を追尾処理によって抑圧した後の角度推定値より2次元位置及び速度を算出するため、推定精度が向上する。さらに、後段の追尾フィルタの処理を省略することも可能となる。

実施の形態4. 図11はこの発明の実施の形態4に係るレーダ装置の構成を示す図である。図11に示す実施の形態4に係るレーダ装置は、図1に示す実施の形態1に係るレーダ装置のビート周波数記憶部4,5及び目標検出部6,7を削除し、アップチャープ用角度追尾フィルタ25、ダウンチャープ用角度追尾フィルタ26、モデル判定部28,29を追加し、ビート周波数追尾手段3をビート周波数追尾手段3cに変更したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。

モデル判定部28は、アップチャープ用角度追尾フィルタ25からの角度・角速度平滑値を示すデータに基づいて、追尾フィルタの運動モデル(速度一定モデル又は非速度一定モデル)を選択するものである。 モデル判定部29は、ダウンチャープ用角度追尾フィルタ26からの角度・角速度平滑値を示すデータに基づいて、追尾フィルタの運動モデル(速度一定モデル又は非速度一定モデル)を選択するものである。

ビート周波数追尾手段3cは、モデル判定部28,29により選択された運動モデルに従い、信号処理器2からのチャープごとのビート周波数を示すデータに基づいて追尾処理をそれぞれ実施し、チャープごとに得た目標のビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値、又は、目標の距離・速度・加速度推定値を算出するものである。このビート周波数追尾手段3cは、アップチャープ用追尾フィルタ19c及びダウンチャープ用追尾フィルタ20cを有している。

アップチャープ用追尾フィルタ19cは、モデル判定部28により選択された運動モデルに従い、信号処理器2からのアップチャープにおけるビート周波数(周波数ピーク)を示すデータに基づいて追尾処理を実施し、複数サンプリングのアップチャープ間で相関の取れた周波数ピークを目標のビート周波数として得る。そして、選択された運動モデルに従い、当該ビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値、又は、目標の距離・速度・加速度推定値を算出するものである。このアップチャープ用追尾フィルタ19cにより得られた目標のビート周波数、及び、算出された距離・速度推定値又は距離・速度・加速度推定値を示すデータは同一目標判定部8に出力される。 ダウンチャープ用追尾フィルタ20cは、モデル判定部29により選択された運動モデルに従い、信号処理器2からのダウンチャープにおけるビート周波数(周波数ピーク)を示すデータに基づいて追尾処理を実施し、複数サンプリングのダウンチャープ間で相関の取れた周波数ピークを目標のビート周波数として得る。そして、選択された運動モデルに従い、当該ビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値、又は、目標の距離・速度・加速度推定値を算出するものである。このダウンチャープ用追尾フィルタ20cにより得られた目標のビート周波数、及び、算出された距離・速度推定値又は距離・速度・加速度推定値を示すデータは同一目標判定部8に出力される。

次に、上記のように構成されたレーダ装置の動作について、図12を参照しながら説明する。なお以下では、実施の形態1に係るレーダ装置と動作の異なる部分についてのみ説明を行う。 レーダ装置の動作では、図12に示すように、ステップST124において、モデル判定部28は、アップチャープ用角度追尾フィルタ25からの角度・角速度平滑値を示すデータに基づいて、追尾フィルタの運動モデルを選択する。 以下、モデル判定部28による処理の詳細について、図13〜15を参照しながら説明する。なお、モデル判定部28では、下式(61)〜(64)に従って処理を行う。

ここで、図13,14のAはレーダ装置、B,Cは等速で進行する目標である。図13では、目標B,Cがレーダ装置Aに対して遠ざかる方向に移動するため、視線方向の速度(ドップラ速度)が一定となる様子を表している。それに対して、図14では、目標B,Cが視線方向以外の方向にも運動するため、等速運動であるもののドップラ速度は変化する様子を表している。 距離と速度で構成される状態ベクトルに基づく追尾処理(式(46))は図13に示すようにレーダ装置から視線方向に速度一定の目標を追尾する場合には適しているが、図14の目の前を横行する目標など視線方向の速度が変化する場合には適していない。そこで、目標ごとに速度一定モデルか非速度一定モデルであるかを判定する。

また、モデル判定部29についても、上記モデル判定部28と同様の処理が実施される。なお、各変数の上付き添え字uをdに変更する。

次いで、ビート周波数追尾手段3cは、モデル判定部28,29により選択された運動モデルに従い、信号処理器2からのチャープごとのビート周波数を示すデータに基づいて追尾処理をそれぞれ実施し、チャープごとに得た目標のビート周波数に基づいて目標の距離・速度推定値、又は、目標の距離・速度・加速度推定値を算出する(ステップST125)。以下では、アップチャープ用追尾フィルタ19cによる処理の詳細について説明する。なお、アップチャープ用追尾フィルタ19cでは、下式(65)〜(67)に従って処理を行う。

その他の処理は実施の形態2と同様のため省略する。

以上のように、実施の形態4によれば、角度・角速度推定値を用いて追尾フィルタの運動モデルを切り替えて追尾処理を行うように構成したので、実施の形態1と比較して、距離・速度推定精度を向上させることができる。

なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。

以上のように、この発明に係るレーダ装置は、ビート周波数によりチャープごとに追尾処理を行って距離・速度推定値を算出し、当該距離・速度推定値によりアップチャープとダウンチャープのビート周波数を対応付けることで、距離・速度推定精度を向上することができるため、移動体の衝突防止や一定距離追従走行等に使用され、レーダ波の送受信により移動体の外部に存在する目標との相対速度や距離を検出するFMCWレーダ等のレーダ装置に用いるのに適している。

1 送信手段、2 信号処理器、3,3b,3c ビート周波数追尾手段、4,5 ビート周波数記憶部、6,7 目標検出部、8 同一目標判定部、9 ダウンチャープ用同一目標判定部、10 アップチャープ用同一目標判定部、11 距離・速度算出部、12 三角波発生部、13 送信器、14 送信アンテナ、15 受信アンテナ、16 受信器、17 A/D変換器、18 ビート周波数ピーク検出部、19,19b,19c アップチャープ用追尾フィルタ、20,20b,20c ダウンチャープ用追尾フィルタ、21,22 時刻補正部、23,24 距離・速度変換部、25 アップチャープ用角度追尾フィルタ、26 ダウンチャープ用角度追尾フィルタ、27 座標変換部、28,29 モデル判定部、191,191b,251 相関部、192,192b,252 初期化部、193,193b,253 平滑部、194,194b,254 予測部。

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