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申请号 JP20890384 申请日 1984-10-04 公开(公告)号 JPH0627808B2 公开(公告)日 1994-04-13
申请人 防衛庁技術研究本部長; 发明人 JINRIKI MASANORI; AZEYANAGI TOSHIRO; CHOKAI YOSHIHIRO;
摘要
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】送信機と、該送信機からの高周波信号を外部空間に放射するフェーズド・アレイ・アンテナと、該フェーズド・アレイ・アンテナの受信信号を検波する受信機とを有し、観測フレーム毎に前記フェーズド・アレイ・アンテナのアンテナ・ビームを捜索と追尾とにそれぞれ割り当てて多目標の追尾、捜索の双方を行なうレーダ装置において、 前記受信機の出力から目標情報を得る信号処理器と、該信号処理器の出力を受ける情報処理器とを備え、 前記情報処理器は、前記信号処理器の出力である目標情報と目標ファイルに登録された目標との一致を判定する一致判定器と、該一致判定器で一致が判定された目標情報を受けて推定・予測計算を実施する追尾フィルタと、
    該追尾フィルタの出力を受ける前記目標ファイルと、前記追尾フィルタの出力を前記目標ファイルを経由して受けて前記フェーズド・アレイ・アンテナにビーム走査指令を出力し、アンテナ・ビームをランダムに走査可能なビーム配分器とを有し、 該ビーム配分器においては、追尾を行なう多数目標について時刻iで予測した観測フレームの最終時刻Nでの予測誤差をX j (i)、時刻i+1で予測した最終時刻Nでの予測誤差をX j (i+1)で表したとき、 X j (i+1)=X j (i)−U j (i)G{X j (i),i} (但し、添字jは目標jについてのものであることを示し、U j :ビーム割り当てを示す量で、時刻iで目標j
    に対してビームを割り当てるとき“1”で、それ以外のとき“0”をとる、G:目標の情報を受ける前記追尾フィルタで与えられる関数)となる関係式を用いて各目標について前記観測フレームの最終時刻Nで推定した当該最終時刻Nでの推定誤差X j (N)を求め、微分可能な非負スカラー関数を用いた評価相準J (但し、w j :目標の性質による重みで、添字jは目標jについてのものであることを示す、f:微分可能な非負スカラー関数、n:目標数) を、最小にするようなアンテナ・ビームの割り当て量U
    jを求め、該割り当て量U jに基づきビーム走査指令を前記フェーズド・アレイ・アンテナに与え、多目標に対する追尾精度を向上させることを特徴とするレーダ装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、フェーズド・アレイ・アンテナを用いて、
    他目標の追尾と捜索とを同時に行なうレーダ装置に係るもので、追尾を行なう多数目標の個々の追尾状態に対応して、アンテナ・ビームの最適配分を求め、その最適配分に応じてアンテナ・ビームをランダムに走査することによって、多目標に対する追尾精度を向上させるようにしたレーダ装置に関する。

    (従来の技術) 従来の機械的駆動によるアンテナを用いたこの種のレーダ装置について、以下に、第3図、第4図を用いて説明する。 第3図は、従来のレーダ装置の構成例を示すブロック図であり、第4図はアンテナ・ビームの走査を示す説明図である。

    第3図において、送信機1で発生した高周波パルス信号は、機械駆動アンテナ2を介して外部空間に放射される。 この時、機械駆動アンテナ2は、第4図に示すとおり、ビーム幅θ Bのペンシルビーム11で捜索領域13
    をすべて覆うようなビーム走査パター12に沿ったビーム走査を行なう。 このとき、目標14aからの反射信号が機械駆動アンテナ2により受信されると、その受信信号は、受信機3に入され、検波された後、信号処理器4によって処理され、目標の位置、速度情報に変換され、情報処理器5に入力される。 情報処理器5の内部では、入力された目標情報に対し、一致判定器6によって、目標ファイル(記憶装置)8に登録された目標との相関を計算し、一致が判定されると、その目標に関する目標ファイル8の情報が追尾フィルタ7に入力され、追尾フィルタ7によって推定・予測計算が実施され、その結果は、目標ファイル8にストアされ、次回の推定・予測計算に用いられる。 一致する目標が存在しない場合には、新規目標として、目標ファイル8への登録が行なわれる。 すべての目標(第4図の場合、目標14a,14b,
    14c)に対して同一の処理を行なうことにより、多数の目標に対する追尾が可能になる。

    (発明が解決しようとする問題点) ところで、従来のこの種のレーダ装置を用いると、アンテナが機械走査であるため、アンテナの走査パターンが固定となり、それぞれの目標に対する観測間隔はすべて同一となる。 一方、目標の推定・予測の誤差は、目標毎の観測ノイズ、観測開始後の経過時間により異なるため、一定の観測間隔で観測を行なうと、誤差の小さい目標に対しては、必要な追尾精度を得るための観測間隔よりも短い間隔で観測を行なうことになるため、追尾精度が必要以上に向上するのに対し、誤差の大きい目標に対しては、必要な追尾精度を得るための観測間隔よりも長い間隔となり、追尾が行なえなくなる場合が生じ、全体としての追尾精度は低いという欠点があった。

    この発明は、上記のような従来の装置の欠点の改善を図ったもので、追尾すべき多数目標の個々の追尾状態に対応してアンテナ・ビームの最適配分を求め、それに応じて、アンテナ・ビームをランダムに走査することにより、多目標全体に対する追尾精度を向上させることが可能なレーダ装置を提供することを目的とするものである。

    (問題点を解決するための手段) この発明では、送信機と、該送信機からの高周波信号を外部空間に放射するフェーズド・アレイ・アンテナと、
    該フェーズド・アレイ・アンテナの受信信号を検波する受信機とを有し、観測フレーム毎に前記フェーズド・アレイ・アンテナのアンテナ・ビームを捜索と追尾とにそれぞれ割り当てて多目標の追尾、捜索の双方を行なうレーダ装置において、 前記受信機の出力から目標情報を得る信号処理器と、該信号処理器の出力を受ける情報処理器とを備え、 前記情報処理器は、前記信号処理器の出力である目標情報と目標ファイルに登録された目標との一致を判定する一致判定器と、該一致判定器で一致が判定された目標情報を受けて推定・予測計算を実施する追尾フィルタと、
    該追尾フィルタの出力を受ける前記目標ファイルと、前記追尾フィルタの出力を前記目標ファイルを経由して受けて前記フェーズド・アレイ・アンテナにビーム走査指令を出力し、アンテナ・ビームをランダムに走査可能なビーム配分器とを有し、 該ビーム配分器においては、追尾を行なう多数目標について時刻iで予測した観測フレームの最終時刻Nでの予測誤差をX j (i)、時刻i+1で予測した最終時刻Nでの予測誤差をX j (i+1)で表したとき、 X j (i+1)=X j (i)−U j (i)G{X j (i),i} (但し、添字jは目標jについてのものであることを示し、U j :ビーム割り当てを示す量で、時刻iで目標jに対してビームを割り当てるとき“1”で、それ以外のとき“0”をとる、G:目標の情報を受ける前記追尾フィルタで与えられる関数)となる関係式を用いて各目標について前記観測フレームの最終時刻Nで推定した当該最終時刻Nでの推定誤差X j (N)を求め、微分可能な非負スカラー関数を用いた評価規準J

    (但し、w

    j :目標の性質による重みで、添字jは目標j


    についてのものであることを示す、f:微分可能な非負スカラー関数、n:目標数) を、最小にするようなアンテナ・ビームの割り当て量U


    jを求め、該割り当て量U

    jに基づきビーム走査指令を前記フェーズド・アレイ・アンテナに与え、多目標に対する追尾精度を向上させる構成としている。

    (実施例) 以下、この発明に係るレーダ装置の一実施例を図面に従って説明する。

    第1図は本発明によるレーダ装置の実施例のブロック図であり、第2図はアンテナ・ビームの走査例を示す説明図である。

    第1図において、送信機1で発生した高周波パルス信号はフェーズド・アレイ・アンテナ10を介して外部空間に放射される。 この時、フェーズド・アレイ・アンテナ10はビーム配分器9によるビーム走査指令により、第2図に示すように、ビーム幅θ Bのペンシルビーム11
    で、捜索領域13をすべて覆うとともに、登録済みの目標に対し、観測間隔を最適にするようなランダム・ビーム走査を行なうビーム走査パターン15による走査を行なう。 フェーズド・アレイ・アンテナを用いた場合、アンテナの慣性が存在しないため、ランダムなビーム走査が可能になる。

    このとき、目標14aからの反射信号フェーズド・アレイ・アンテナ10により受信されると、その受信信号は受信機3に入力され、検波された後、信号処理器4によって処理され、目標の位置、速度情報に変換されて、情報処理器5に入力される。 情報処理器5内部では、一致判定器6によって、目標ファイル8に登録された目標との相関を計算し、一致が判定されると、その目標に関する目標ファイル8の情報が追尾ファイル7に入力され、
    追尾フィルタ7によって推定・予測計算が実施され、その結果は、目標ファイル8にストアされ、次回の一致・
    予測計算に用いられるとともに、目標ファイル8を経由して、ビーム配分器9に入力され、アンテナ・ビームの最適走査計算に用いられる。 ビーム配分器9での最適走査計算の一例を以下に示す。

    今、アンテナ走査のフレーム時間(所定のビーム走査パターン15によりペンシルビーム11で捜索領域13をすべて覆うのに要する時間)をT Fとし、その時間内にビームの割り当ての可能なビーム数をN Fとする。 これらのビーム数N Fのうち捜索に用いるビーム数をN S個とし、追尾に用いるビーム数をN T個とする。 追尾すべき複数目標に対して、N T個のビームを最適に配分することにより、最適走査が可能となる。

    追尾すべき目標の運動は、その三次元座標をx,y,zと表記し、各方向での位置をx p (t),y p (t),z p (t)、速度をx
    v (t),y v (t),z v (t)、加速度をx a (t),y a (t),z a (t)、
    目標の操縦者等の操作による運動の変化を表す雑音をδ
    x (t),δ y (t),δ x (t)とする。 (但し、(t)は時刻tにおける値であることを示す)。

    このとき、時刻Tにおける値を用いて、 T+ΔT秒での値は例えばx軸においては、 x p (T+ΔT)=x p (T)+x v (T)・ΔT+(1/2)・x a (T)(Δ
    T) 2 x v (T+ΔT)=x v (T)+x a (T)・ΔT x a (T+ΔT)=x a (T)+δ x (T) 等となる。 ここでΔTを一定とし、時刻0,ΔT,2Δ
    T,…,iΔT,…,NΔTでの値を示すに0,1,2,
    …,i,…,Nなる離散値で示するものとし、行列で表記すれば

    であり、目標jの時刻iでの状態量をx

    j (i)としたとき、


    時刻i+1での目標jの運動を表す状態量x

    j (i+1)は、 x

    j (i+1)=Φ・x

    j (i)+δ

    j (i)…(1) となる。 ここで、多数の目標を区別するために添字jを用いている(例えば、第1の目標ではj=1、第2の目標ではj=2、第3の目標ではj=3、…)。 Φはいわゆる遷移行列である。

    それぞれの目標に対して観測を行うに際し、位置、速度、加速度の3者を測定することが理想であるが、位置、速度、加速度の同時測定は困難な場合が多いので、
    実際上は状態量の一部を観測することになり、例えば時刻iで目標の位置x p (i),y p (i),z p (i)のみを観測する場合、目標jについての実際の観測値y j (i)には誤差が含まれるのでx軸方向の観測値をx poj (i),y軸方向の観測値をy poj (i),z軸方向の観測値をz poj (i)とし、かつx軸方向の誤差をn xj (i),y軸方向の誤差をn yj (i),z軸方向の誤差をn zj (i)とし、行列で表示すれば

    と表記できる。 ここでM(i)はいわゆる観測行列となり、n

    j (i)は観測の誤差を示す量となる。 また、ここでは各方向の位置を観測するものとしたが、目標の距離と、度等を測定する場合にも適切な観測行列を構成できることはもちろんである。

    さらに、本発明においては、時刻iにおいて目標jに対しビームを割り当てて観測を行う場合と、目標にビームを割り当てずに別の観測を行う場合があるため、ビーム割り当てを示す量として、U j (i)を用いるものとし、この値は時刻iで目標jに対してビームを割り当てるとき“1”で、それ以外のとき“0”をとるものとすると、 y j (i)=U j (i){M(i)・x j (i)+n j (i)}…(2) により、観測値を表記でき、この観測値y j (i)は信号処理器4の出力として得られる。 但し、(2)式において、
    ある時刻iに目標に割り当てられるビーム個数は1個以下であり、目標jに対するU j (i)が“1”のとき、他の目標に対するU 1 (i)〜U j-1 (i),U j+1 (i)〜U n (i)は“0”となる(ここで、nは目標全体の個数)。 なお、
    信号処理器4の出力にはy j (i)以外の信号も含まれるので、これをy(i)とする。

    上記のごとく、運動を表す方程式{(1)式}と観測を表す方程式{(2)式}が与えられた場合に、観測値から目標の予測値

    を求める手順については、公知の文献(例えば、砂原善文他4名編、「確率システム理論III(応用編)」、83頁乃至91頁、発行1982年(昭和57年)10月5日発行、朝倉書店、等)に詳述されているカルマンフィルタ等の追尾フィルタ7を用いることができる。 追尾フィルタ7は(2)式の観測値から目標jの予測値 を求めて目標ファイル8に出力することができる。

    すなわち、前記文献等によるカルマンフィルタの理論によれば、時刻iにおける目標jの観測値をy j (i)、時刻i
    における目標jの状態量x j (i)の測定値を

    時刻i−1でのデータを用いて時刻iでの状態量x

    j (i)を予測した場合の予測値を とするとき、 (但し、K

    j (i)はフィルタのゲイン、H(i)は観測行列であって(2)式におけるU

    j (i)・M(i)に相当する。) また、時刻iにおける目標jの推定値 を用いて時刻i+1の目標jの状態量を予測すると、その予測値 は、 上記(2a)式を(2b)式の右辺に代入すると、 この(2c)式は予測値 が予測値 と観測値y

    j (i)とから得られることを表し、換言すれば予測値 が予測値 と観測値y

    j (i-1)とから得られることを示している。 従って、初期値 を設定した後、追尾フィルタ7は各時刻での観測値データを知ることにより予測値 を算出することができる。

    今、観測フレーム(ビーム走査フレームに対応)の最終の時刻Nでの目標状態量x j (N)の時刻iでの予測値を

    とするときの予測誤差を で表す。 ここでE[ ]は、統計的な平均値をとること、Tは転置を表す。 なお、最終の時刻Nでの目標状態量x

    j (N)の時刻Nでの推定値を とするときは、(3)式のX

    j (N)は推定誤差を表すことになる(式の意義は同じ)。

    前記文献等によるカルマンフィルタの理論によれば、時刻iにおける目標の推定誤差の共分散(状態量とその予測置との差の2乗の統計的な平均値)をP(i)、時刻iでのデータを用いて時刻i+1での状態量を予測した場合の予測誤差の共分散を

    同様に時刻i−1でのデータを用いて時刻iでの状態量を予測した場合の予測誤差の共分散を と表記するとき、以下に示す関係が成立する。

    ここで、H(i)は観測行列であり、(2)式におけるU

    j (i)


    ・M(i)に相当する。 また、Q

    d (i)は目標の運動の変化を表す雑音δの共分散である。 R

    d (i)は観測の誤差を表す雑音n

    j (i)の共分散である。

    ここで、時刻iにおいて、最終の時刻Nの値を予測した場合の誤差は現時刻i,i+1,…,Nにわたって上式を繰り返して計算することで求められる。 すなわち、時刻iでのデータを用いて(4),(5)式の計算を行った後、(4)式中のiをi+1に変え、(5)式で得られた

    を(4)式に代入してP(i+1)を求める。 それから、(5)式中のiをi+1に変え、(4)式で得られたP(i+1)を(5)式に代入して を求める。 以下同様にして、 を求めることができる。 このときi時刻以降では、まだ観測が行われないことからH(i+1)…H(N)は0とおいて良いことに注意して、繰り返し計算を行えば で表される。 但し、ここでは遷移行列Φ(i)は常に一定であることから、変数iを省略してΦとした。

    ここで、

    は、ある特定の目標についての誤差の量であり、前記のX

    j (i)において、jを固定したものに相当するので、この関係はX

    j (i)に対しては、 等に対し目標を表す添字jをつけて 等と表記するものとして、 なる関係を得る。

    j (i+1)についても

    を得る。 従って X

    j (i+1)−X

    j (i) =Φ

    Ni-1

    j (i+1)(Φ

    T )

    Ni-1 −Φ

    N-1

    j (i)(Φ

    T )

    N-1 −Φ

    Ni-1

    d (i)(Φ

    T )

    Ni-1 =Φ

    Ni-1 [P

    j (i+1)−ΦP

    j (i)Φ

    T )

    Ni-1 −Φ

    Ni-1

    d (i)(Φ

    T )

    Ni-1 …(8) となる。 ここで、前出のP(i)とP(i+1)に関する一般的な関係式、すなわち(4)式より また(5)式より を用い、(5)式より導いた を(4)式より導いたP

    j (i+1)の式に代入すると、 P

    j (i+1)=ΦP

    j (i)Φ

    T +Q

    d (i) −{ΦP

    j (i)Φ

    T +Q

    d (i)}H

    T (i+1) ×[H(i+1){ΦP

    j (i)Φ

    T +Q

    d (i)} ×H

    T (i+1)+R

    d (i+1)]

    -1 H(i+1) ×{ΦP

    j (i)Φ

    T +Q

    d (i)} と表記できる。

    P(i+1)がP(i)を用いて表されることが上記により示されたが、ここで、(6)式からP(i)はX jの関数として表示されることは、すでに示されている通りであるので前出のX j (i+1)−X j (i)に関する(8)式の右辺をまとめて X j (i+1)−X j (i)=F[X j (i),i] なる形式にまとめることができる。 ここで F[X j (i),i]は、X j (i)とiによって決定される関数であることを示す。

    さらに、F[X j (i),i]は、すべての項に H(i)=U j (i)M(i)を含むが、U j (i)を関数の外に出すことにより X j (i+1)=X j (i)−U j (i)G{X j (i),i}…(9) (但し、U j (i)G{X j (i),i}=−F[X j (i),i]である。) を得る。 ここでGは、追尾フィルタ7により与えられる関数であり、(9)式は観測による予測誤差の減少を示すものである。 すなわち、観測フレームの時刻iでU j (i)
    =1のとき(観測を行うとき)は、時刻i+1で予測した観測フレームの最終時刻Nでの予測誤差X j (i+1)は時刻iで予測したときの最終時刻Nでの予測誤差X j (i)よりも小さな値となる。

    上記(9)式で1個の目標について最終時刻Nで推定した当該最終時刻Nでの推定誤差X j (N)が計算でき、n個の目標全体に対しての追尾精度の評価はその最終時刻Nでの推定誤差X j (N)を用いて、評価基準J

    で規定する。 ここでw

    jは目標の性質による重み、fは微分可能な非負スカラー関数、nは目標数である。 例えば、目標の重みが同一(w

    j =1)であるとし、f{X


    j (N)}={X

    j (N)}

    1/2として推定誤差の平方根の総和を評価基準Jとする場合には 等となるが、これ以外の関数についても適用が可能なことはもちろんである。

    前記(2)式において示したように、ビームの配分はU jによって定まり、ビームの最適分配は、(9)式の条件下で各目標についての時刻Nでの推定誤差X j (N)を計算して
    (10)式の評価基準Jを最少にする、換言すれば全目標についての重み付けした推定誤差の総和を最小にするU
    jによって与えられ、このようなU jは繰り返し計算、近似計算等で得られる。 ビーム配分器9は、目標ファイル8を経由した追尾フィルタ7からの

    に対応したX

    j (i)の初期値を定め、(9)式及び(10)式の繰り返し計算、あるいは近似計算により(10)式の評価基準Jを最小にするU

    jを求め、フェーズド・アレイ・アンテナ10に対しU

    jに基づいてビーム走査指令を与える。 このとき、U

    jに基づくビーム配分は多目標追尾全体での推定誤差の和を最小にするようなアンテナ・


    ビームの最適配分となり、多数の目標に対する追尾精度は最良となる。

    第2図に示した走査例では、目標14aに対しては4
    回、目標14bに対しては3回、目標14cに対しては1
    回の観測を行なっている。 第5図は第2図に示した走査例の場合の捜索動作と追尾動作のタイミングチャートであり、捜索動作と追尾動作とは時分割で行なわれる。 すなわち、アンテナ走査のフレーム時間T F中、全ての目標についてU j =0のとき捜索動作を行い、ある時刻にU j =1となると当該時刻ではj番目の追尾目標にアンテナ・ビームが照射され、それ以外の目標の追尾及び捜索動作は行わない。 なお、観測順や回数は第2図に図示の場合に限定されるものではない。

    観測に一致する目標が、目標ファイル8内に存在しない場合、新規の目標として目標ファイル8に登録され、これ以後のビーム配分計算、追尾計算に用いられる。

    上記のようにして1回の観測フレームが終了すると、その時点を初期点として次回の観測フレームが同様にして繰り返し実行される。

    なお、上記実施例では、情報処理器5の構成を機能毎に分割して示したが、これを一台あるいは複数の計算機によって実現することが可能である。

    (発明の効果) 以上述べたごとく、この発明のレーダ装置によれば、ランダムな走査が可能なフェーズド・アレイ・アンテナとビーム配分器を組み合わせて用いることにより、多数目標の個々の追尾状態に応じてアンテナ・ビームを最適に配分することが可能となり、多数目標全体に対する追尾精度を向上させることができる。

    【図面の簡単な説明】

    第1図はこの発明に係るレーダ装置の実施例を示すブロック図、第2図は実施例におけるアンテナ・ビームの走査を示す説明図、第3図は従来のレーダ装置の構成例を示すブロック図、第4図はアンテナ・ビームの走査例を示す説明図、第5図は実施例における捜索と追尾動作のタイミングチャートである。 1……送信機、2……機械駆動アンテナ、3……受信機、4……信号処理器、5……情報処理器、6……一致判定器、7……追尾フィルタ、8……目標ファイル、9
    ……ビーム配分器、10……フェーズド・アレイ・アンテナ、11……ペンシル・ビーム、12……ビーム走査パターン、13……捜索範囲、14a,14b,14c……
    目標、15……ランダム・ビーム走査を行なうビーム走査パターン。

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