加速度測定に基づく平又は垂直方向の速度推定

申请号 JP2014525555 申请日 2012-08-17 公开(公告)号 JP6023809B2 公开(公告)日 2016-11-09
申请人 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ; KONINKLIJKE PHILIPS N.V.; 发明人 テン ケイト ワーナー ルドルフ テオフィレ;
摘要
权利要求

デバイスの平又は垂直方向の速度の推定を決定する方法であって、 前記デバイスに作用する加速度の測定値を3次元で取得するステップと、 重による加速度を推定するよう、第1フィルタ及び前記取得された測定値を用いるステップと、 前記推定された重力による加速度を用いて、前記デバイスの動きによる水平又は垂直方向に作用する加速度を推定するステップと、 前記デバイスの動きによる前記方向に作用する前記加速度の推定を積分し、前記方向の速度の推定を提供するステップと、 前記速度からオフセット及び/又はドリフトを除去する第2フィルタを用いて、フィルタリングされた速度を提供するステップとを有し、 前記第1フィルタ及び前記第2フィルタのうちの少なくとも1つは非線形フィルタである、方法。重力による加速度を推定するよう、前記第1フィルタ及び前記取得された測定値を用いる前記ステップは、 前記取得された測定値から前記デバイスに垂直方向に作用する加速度を推定するステップと、 前記第1フィルタを前記垂直方向に作用する加速度の推定に適用して重力による加速度を推定するステップとを含み、 加速度を推定する前記ステップは、前記デバイスの動きによる垂直方向に作用する加速度を推定するステップを含み、 前記推定された重力による加速度を用いて、前記デバイスの動きによる垂直方向に作用する加速度を推定する前記ステップは、 前記推定された垂直方向に作用する加速度から前記推定された重力による加速度を引き、前記デバイスの動きによる垂直方向に作用する加速度の推定を提供するステップを含む、請求項1に記載の方法。重力による加速度を推定するよう、前記第1フィルタ及び前記取得された測定値を用いる前記ステップは、 前記第1フィルタを前記取得された測定値に適用して前記重力による加速度を3次元方向で推定するステップを含み、 前記推定された重力による加速度を用いて、前記デバイスの動きによる水平又は垂直方向に作用する加速度を推定する前記ステップは、 前記推定された重力による加速度を用いて、前記取得された測定値から前記水平又は垂直方向に作用する加速度を推定するステップとを含み、 前記デバイスの動きによる垂直方向に作用する加速度を推定するとき、前記推定された重力による加速度を用いて、前記デバイスの動きによる垂直方向に作用する加速度を推定する前記ステップは、 前記推定された垂直方向に作用する加速度から前記推定された重力による加速度を引き、前記デバイスの動きによる垂直方向に作用する加速度の推定を提供するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。前記第1フィルタの動作は、 入力信号をダウンサンプリングするステップと、 前記ダウンサンプリングされた信号に非線形フィルタを適用するステップと を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。前記ダウンサンプリングステップは、それぞれが各自の位相を有する複数のダウンサンプリングされた信号を生成するステップを含み、 非線形フィルタを適用する前記ステップは、前記非線形フィルタを前記複数のダウンサンプリングされた信号のそれぞれに適用するステップを含む、請求項4に記載の方法。前記第1フィルタの動作はさらに、 前記複数のフィルタリングされた信号を1つの信号に結合するステップと、 前記1つの信号を元のサンプリング周波数にアップサンプリングするステップと を含む、請求項5に記載の方法。前記第1フィルタの動作はさらに、 前記複数のフィルタリングされた信号をそれぞれアップサンプリングするステップと、 前記複数のアップサンプリングされたフィルタリングされた信号を1つの信号に結合するステップと を含む、請求項5に記載の方法。前記第1フィルタの動作はさらに、 前記ダウンサンプリングステップの前に、前記入力信号にローパスフィルタを適用してローパスフィルタリングされた信号を生成するステップを含み、 前記ダウンサンプリングステップは、前記ローパスフィルタリングされた信号を前記ローパスフィルタのカットオフ周波数に基づく周波数にダウンサンプリングするステップを含む、請求項4乃至7のいずれか一項に記載の方法。前記第2フィルタの動作は、 入力信号内の対象のサンプル又はその付近を中心とする複数のサブウィンドウの中央値をそれぞれ算出するステップと、 前記算出された中央値に基づいて、前記対象のサンプルの出力値を生成するために用いられるメディアンフィルタのウィンドウサイズを適合するステップであって、前記対象のサンプルを中心とする前記サブウィンドウの中央値が、前記複数の中央値の最大値又は最小値である場合、前記出力値を生成するために用いられるウィンドウサイズは前記対象のサンプルを中心とする前記サブウィンドウのウィンドウサイズより大きい、適合ステップと を含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。前記非線形フィルタは、メディアンフィルタ、荷重メディアンフィルタ、再帰型メディアンフィルタ、及びモードフィルタから選択される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。前記フィルタリングされた速度を積分することによって前記デバイスの位置又は高さを推定するステップと、 前記デバイスの水平変位又は高さ変化が計算されるべき時間窓において前記フィルタリングされた速度推定を加算して前記水平変位又は高さ変化を推定するステップと をさらに含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。デバイスに作用する加速度の測定値を3次元で受信し、 第1フィルタ及び前記加速度の測定値を用いて重力による加速度を推定し、 前記推定された重力による加速度を用いて、前記デバイスの動きによる水平又は垂直方向に作用する加速度を推定し、 前記デバイスの動きによる前記方向に作用する前記加速度の推定を積分して、前記方向の速度の推定を提供し、 第2フィルタを用いて前記速度からオフセット及び/又はドリフトを除去し、フィルタリングされた速度を提供する、処理手段を含み、 前記処理手段が用いる前記第1フィルタ及び前記第2フィルタのうちの少なくとも1つは非線形フィルタである、装置。前記デバイスに作用する加速度を3次元で測定する加速度計と、 請求項12に記載の装置と を含む、ユーザによって装着されるデバイス。ユーザによって装着されるデバイスであって、前記デバイスに作用する加速度を3次元で測定する加速度計を含むデバイスと、 前記デバイスと通信するベースユニットであって、請求項12に記載の装置を含むベースユニットと を有する、システム。コンピュータプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能な媒体を有し、前記コンピュータプログラムコードがコンピュータ又はプロセッサによって実行されると、前記コンピュータ又は前記プロセッサは請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法を実行する、コンピュータプログラム。

说明书全文

本発明は、デバイスによって体験される加速度の測定に基づいて、デバイスの平又垂直方向の速度を測定又は推定するための方法及び装置に関する。また、本発明は、推定された垂直速度からデバイスの高さ若しくは高さの変化を測定若しくは推定するための、又は推定された水平速度から水平位置若しくは水平変位を推定するための方法及び装置に関する。

老人の介護において、転倒は罹病及び死につながり得る重大な問題である。身体的な見地から見ると、転倒は傷害を引き起こし、精神的な見地から見ると、転倒は転倒への恐怖を引き起こし、社会的な孤立及び鬱病につながる。

ユーザが転倒したことを検知するための自動的且つ高信頼性の手段を提供し得る転倒検知デバイス及びシステムが市販されている。転倒が検知されると、デバイス又はシステムはユーザのために助けを呼ぶアラームを発する。これは、転倒が起こった際に適切な対応が取られることをユーザに保証する。

一般に、転倒検知器は、ユーザの体に取り付けられるデバイスの一部である加速度計(通常は3次元で加速度を測定する3D加速度計)をベースとする。加速度計からの信号は、転倒が起こったか否かを判定するよう処理される。

転倒検知の信頼性は、転倒の特徴的な様々な異なる特徴を検知するために用いられ得る追加のセンサを用いることによって改善できる。重要な特徴としては、転倒におけるユーザの地面との衝撃、ユーザの転倒に伴う方向(オリエンテーション)の変化、及びセンサユニットの地上高さの減少が含まれる。EP1642248は、デバイスによって測定される相対的な高さの変化を検知するために気圧センサを使用することを提案する。

現在入手可能な気圧センサは、10cm単位の相対的な高度の決定を提供する。しかし、これらのセンサの性質は、測定が重の影響を受け、よってセンサユニットの向きの影響を受けることを含意する。これは、WO2009/101566に示すように、圧力センサの測定値をセンサユニットの方向に関して補正することで解決できる。また、気圧センサは当然環境内の気圧変動にも反応するため、転倒検知器は、気圧測定値の上昇によって示唆された高さの変化がセンサユニット及びユーザの動きによるものか(又はその可能性があるのか)否かを検証する必要がある。気圧センサのさらなる問題は、センサを収容するデバイスの機械的構造を複雑化することである。具体的には、デバイスはデバイス内の気圧センサと外の環境空気との間に、水分、光、及び他の汚染に対して保護されている高速反応チャンネルを有する必要がある。

高さ変化の測定値を決定する他のアプローチとして、加速度計信号の使用がある。鉛直加速度信号を積分することにより鉛直速度の測定値を得ることができ、鉛直速度信号を積分することにより位置/高さの測定値を得ることができる。積分は、通常、初期鉛直速度及び初期位置/高さの知識を必要とする。

転倒検知においては、1つの目標は高さの変化、すなわち、時間変化に伴う2点間の差を検知することであるため、差分方程式によって初期位置の値が相殺されるので、積分は実際には初期位置の値の知識を有さずとも実行できる。

また、転倒検知において、「初期」時点が正しく選択されていたとすれば、初期鉛直速度はゼロである。日常の状況において、「初期」時点は転倒の開始前のあらゆる時点であり得る。しかし、真の物理的な鉛直速度ゼロからのわずかのずれも、選択された範囲にかけて積分され、位置/高さ推定の誤差を生じ得ることに留意されたい。

しかし、加速度計信号の2重積分を用いる他の問題は、ユーザの動きによる加速度成分から重量による加速度を適切に分離することに関する。1秒間10cmの高さ測定において正確を期するためには、加速度信号内に残る重力成分は0.2ms−2以内でなければならない。重力が約10ms−2であることを考えると、重力は数パーセントの精度で分離されなければならない。

センサユニットの向き(方向)は、ユーザの転倒に伴って変化する可能性が高いため、センサユニットの座標系における垂直方向も変化する。方向推定における誤差は加速度の非重力垂直成分の算出における誤差を引き起こす。同じ理由により、方向における誤差は、対応する重力成分の計算における誤差も含意する。これらの誤差は鉛直速度推定に現れ、よってデバイスの推定高さ(又は高さ変化)にも現れる。

さらに、加速度センサが適切に校正されない場合、又は長時間の使用により校正を失った場合、検知される重力はセンサユニットの方向によって変化する。

したがって、上記問題を克服する、デバイスによって体験される加速度の測定に基づいて、デバイスの水平又は垂直方向の速度を測定又は推定するための改善された方法及び装置に対するニーズが存在する。

本発明の第1の側面によれば、デバイスの水平又は垂直方向の速度の推定を決定する方法であって、前記デバイスに作用する加速度の測定値を3次元で取得するステップと、重力による加速度を推定するよう、第1フィルタ及び前記取得された測定値を用いるステップと、前記推定された重力による加速度を用いて、前記デバイスの動きによる水平又は垂直方向に作用する加速度を推定するステップと、前記デバイスの動きによる前記方向に作用する前記加速度の推定を積分し、前記方向の速度の推定を提供するステップと、前記速度からオフセット及び/又はドリフトを除去する第2フィルタを用いて、フィルタリングされた速度を提供するステップとを有し、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタのうちの少なくとも1つは非線形フィルタである、方法が提供される。

一実施形態によれば、 重力による加速度を推定するよう、前記第1フィルタ及び前記取得された測定値を用いる前記ステップは、前記取得された測定値から前記デバイスに垂直方向に作用する加速度を推定するステップと、前記第1フィルタを前記垂直方向に作用する加速度の推定に適用して重力による加速度を推定するステップとを含み、加速度を推定する前記ステップは、前記デバイスの動きによる垂直方向に作用する加速度を推定するステップを含み、前記推定された重力による加速度を用いて、前記デバイスの動きによる垂直方向に作用する加速度を推定する前記ステップは、前記推定された垂直方向に作用する加速度から前記推定された重力による加速度を引き、前記デバイスの動きによる垂直方向に作用する加速度の推定を提供するステップを含む。

この実施形態において、取得された測定値からデバイスに垂直方向に作用する加速度を推定するステップは、取得された測定値のノルムを算出することを含み得る。

他の実施形態において、重力による加速度を推定するよう、前記第1フィルタ及び前記取得された測定値を用いる前記ステップは、前記第1フィルタを前記取得された測定値に適用して前記重力による加速度を3次元方向で推定するステップを含み、前記推定された重力による加速度を用いて、前記デバイスの動きによる水平又は垂直方向に作用する加速度を推定する前記ステップは、前記推定された重力による加速度を用いて、前記取得された測定値から前記水平又は垂直方向に作用する加速度を推定するステップと、前記推定された前記方向に作用する加速度から前記推定された重力による加速度を引き、前記デバイスの動きによる前記方向に作用する加速度の推定を提供するステップとを含む。

一実施形態において、第2フィルタは非線形フィルタであり、第1フィルタは線形フィルタである。他の実施形態において、第1フィルタは非線形フィルタであり、第2フィルタは線形フィルタである。

非線形フィルタは、例えばメディアンフィルタ、荷重メディアンフィルタ、再帰型メディアンフィルタ、サブメディアンフィルタ、適合メディアンフィルタ、及びモードフィルタから選択され得る。線形フィルタは、例えば一定値を出力する推定器、ローパスフィルタ、及び移動平均フィルタから選択され得る。

ある好適な実施形態において、第1フィルタ及び第2フィルタはともに非線形フィルタである。非線形フィルタは、例えばそれぞれメディアンフィルタ、荷重メディアンフィルタ、再帰型メディアンフィルタ、サブメディアンフィルタ、適合メディアンフィルタ、及びモードフィルタから選択され得る。

本発明のある好適な実施形態によれば、前記第1フィルタの動作は、入力信号をダウンサンプリングするステップと、前記ダウンサンプリングされた信号に非線形フィルタを適用するステップとを含む。

好ましくは、前記ダウンサンプリングステップは、それぞれが各自の位相を有する複数のダウンサンプリングされた信号を生成することを含み、非線形フィルタを適用する前記ステップは、前記非線形フィルタを前記複数のダウンサンプリングされた信号のそれぞれに適用することを含む。

一実施形態において、前記第1フィルタの動作はさらに、前記複数のフィルタリングされた信号を1つの信号に結合するステップと、前記1つの信号を元のサンプリング周波数にアップサンプリングするステップとを含む。

他の実施形態において、前記第1フィルタの動作はさらに、前記複数のフィルタリングされた信号をそれぞれアップサンプリングするステップと、前記複数のアップサンプリングされたフィルタリングされた信号を1つの信号に結合するステップとを含む。

ある好適な実施形態において、前記第1フィルタの動作はさらに、前記ダウンサンプリングステップの前に、前記入力信号にローパスフィルタを適用してローパスフィルタリングされた信号を生成するステップを含み、前記ダウンサンプリングステップは、前記ローパスフィルタリングされた信号を前記ローパスフィルタのカットオフ周波数に基づく周波数にダウンサンプリングすることを含む。

本発明のある好適な実施形態によれば、前記第2フィルタの動作は、入力信号内の対象のサンプル又はその付近を中心とした複数のサブウィンドウの中央値をそれぞれ算出するステップと、前記算出された中央値に基づいて、前記対象のサンプルの出力値を生成するために用いられるメディアンフィルタのウィンドウサイズを適合するステップであって、前記対象のサンプルを中心とする前記サブウィンドウの中央値が、前記複数の中央値の最大値又は最小値である場合、出力値を生成するために用いられる前記ウィンドウサイズは前記対象のサンプルを中心とする前記サブウィンドウのウィンドウサイズより大きい、適合ステップとを含む。

一実施形態において、対象のサンプルを中心とするサブウィンドウの中央値が複数の中央値の最大値又は最小値ではない場合、対象のサンプルの前のサンプルに対して決定された値が出力値として使用される。

本発明のある好適な実施形態によれば、前記第2フィルタの動作は、入力信号内の対象のサンプル又はその付近を中心とした複数のサブウィンドウの中央値をそれぞれ算出するステップと、前記算出された中央値に基づいて、前記対象のサンプルの出力値を生成するために用いられるメディアンフィルタのウィンドウサイズを適合するステップとを含み、 −対象のサンプルを中心とするサブウィンドウの中央値が複数の中央値の最大値である場合、対象のサンプルを中心とするサブウィンドウのウィンドウサイズより大きなウィンドウサイズを用いて出力値が生成され、 −対象のサンプルを中心とするサブウィンドウの中央値が複数の中央値の最小値である場合、対象のサンプルを中心とするサブウィンドウのウィンドウサイズと同じウィンドウサイズを用いて出力値が生成され、 −その他の場合、対象のサンプルを中心とするサブウィンドウ及び中央値の最大値を有するサブウィンドウに対応するウィンドウを用いて出力値が生成される。

また、本発明のこの側面は、デバイスの位置又は高さを推定する方法であって、上記のようにデバイスの水平又は垂直方向の速度の推定を決定するステップと、フィルタリングされた速度を積分してデバイスの位置又は高さの推定を提供するステップとを含む方法を提供する。

本発明の他の側面は、デバイスのユーザによる転倒を検知する方法を提供する。方法は、前段落に記載のようにデバイスの高さを推定するステップと、推定されたデバイスの高さの経時的な変化を解析することによって転倒を検知するステップとを含む。

また、デバイスの水平変位又は高さ変化を推定する方法であって、上記のようにデバイスの水平又は垂直方向の速度の推定を決定するステップと、前記デバイスの水平変位又は高さ変化が計算される時間窓において前記フィルタリングされた速度推定を加算するステップとを含む方法が提供される。

本発明の他の側面は、デバイスのユーザによる転倒を検知する方法を提供する。方法は、前段落に記載されたようにデバイスの高さ変化を推定するステップと、推定されたデバイスの高さ変化を解析することによって転倒を検知するステップとを含む。

いくつかの実施形態において、方法は、転倒の検知後にデバイスの高さ変化を解析して、ユーザの起き上がりに対応するデバイスの高さ上昇を検知するステップをさらに含む。

本発明の他の側面によれば、コンピュータプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能な媒体を有し、前記コンピュータプログラムコードがコンピュータ又はプロセッサによって実行されると、前記コンピュータ又は前記プロセッサは先行する段落のいずれか一項に記載の方法を実行する、コンピュータプログラム製品が提供される。

本発明の他の側面によれば、処理手段であって、デバイスに作用する加速度の測定値を3次元で受信するステップと、第1フィルタ及び前記加速度の測定値を用いて重力による加速度を推定するステップと、前記推定された重力による加速度を用いて、前記デバイスの動きによる水平又は垂直方向に作用する加速度を推定するステップと、前記デバイスの動きによる前記方向に作用する前記加速度の推定を積分して、前記方向の速度の推定を提供するステップと、第2フィルタを用いて前記速度からオフセット及び/又はドリフトを除去し、フィルタリングされた速度を提供するステップとを実行する、処理手段を含み、前記処理手段が用いる前記第1フィルタ及び前記第2フィルタのうちの少なくとも1つは非線形フィルタである、装置が提供される。

一実施形態において、処理手段は、第1フィルタ及び加速度の測定値を用いて、重力による加速度を推定するために、加速度の測定値からデバイスに垂直方向に作用する加速度を推定し、垂直方向に作用する加速度の推定に第1フィルタを適用して重力による加速度を推定するよう構成され、加速度を推定するステップは、デバイスの動きによる垂直方向に作用する加速度を推定することを含み、処理手段は、推定された重力による加速度を用いて、推定された垂直方向に作用する加速度から推定された重力による加速度を引き、デバイスの動きによる垂直方向に作用する加速度の推定を提供することによって、デバイスの動きによる垂直方向に作用する加速度を推定するよう構成される。

この実施形態において、処理手段は、受信された測定結果のノルムを算出することによって、受信された測定結果からデバイスに垂直方向に作用する加速度を推定するよう構成され得る。

他の実施形態において、処理手段は、第1フィルタ及び加速度の測定値を用いて、第1フィルタを加速度の測定値に適用し、重力による加速度を3方向で推定することによって重力による加速度を推定するよう構成され、処理手段は、推定された重力による加速度を用いて、加速度の測定値から前記方向に作用する加速度を推定し、推定された前記方向に作用する加速度から推定された重力による加速度を引き、デバイスの動きによる前記方向に作用する加速度の推定を提供することによって、デバイスの動きによる水平又は垂直方向に作用する加速度を推定するよう構成される。

一実施形態において、第2フィルタは非線形フィルタであり、第1フィルタは線形フィルタである。他の実施形態において、第1フィルタは非線形フィルタであり、第2フィルタは線形フィルタである。

好ましくは、非線形フィルタは、例えばメディアンフィルタ、荷重メディアンフィルタ、再帰型メディアンフィルタ、サブメディアンフィルタ、適合メディアンフィルタ、及びモードフィルタから選択され得る。線形フィルタは、例えば一定値を出力する推定器、ローパスフィルタ、及び移動平均フィルタから選択され得る。

好適な実施形態において、第1フィルタ及び第2フィルタはともに非線形フィルタである。非線形フィルタは、例えばそれぞれメディアンフィルタ、荷重メディアンフィルタ、再帰型メディアンフィルタ、サブメディアンフィルタ、適合メディアンフィルタ、及びモードフィルタから選択され得る。

本発明の好適な実施形態によれば、処理手段によって使用される第1フィルタは、入力信号をダウンサンプリングし、非線形フィルタをダウンサンプリングされた信号に適用するよう構成されている。

好ましくは、第1フィルタは、それぞれが各自の位相を有する複数のダウンサンプリングされた信号を生成するよう入力信号をダウンサンプリングし、複数のダウンサンプリングされた信号のそれぞれに非線形フィルタを適用するよう構成される。

一実施形態において、第1フィルタはさらに、複数のフィルタリングされた信号を1つの信号に結合し、当該1つの信号を元のサンプリング周波数にアップサンプリングするよう構成される。

他の実施形態において、第1フィルタはさらに、複数のフィルタリングされた信号のそれぞれをアップサンプリングし、複数のアップサンプリングされたフィルタリングされた信号を1つの信号に結合するよう構成される。

好適な実施形態において、第1フィルタはさらに、ダウンサンプリングの前に、入力信号にローパスフィルタを適用してローパスフィルタリングされた信号を生成し、ローパスフィルタリングされた信号を、ローパスフィルタのカットオフ周波数に基づく周波数にダウンサンプリングするよう構成される。

本発明の好適な実施形態によれば、処理手段によって用いられる第2フィルタは、入力信号内の対象のサンプル又はその付近を中心とする複数のサブウィンドウの中央値をそれぞれ算出し、算出された中央値に基づいて、対象のサンプルの出力値を生成するために用いられるメディアンフィルタのウィンドウサイズを適合するよう構成され、 −対象のサンプルを中心とするサブウィンドウの中央値が複数の中央値の最大値又は最小値である場合、対象のサンプルを中心とするサブウィンドウのウィンドウサイズより大きなウィンドウサイズを用いて出力値が生成される。

一実施形態において、対象のサンプルを中心とするサブウィンドウの中央値が複数の中央値の最大値又は最小値ではない場合、第2フィルタは対象のサンプルの前のサンプルの決定値を出力値として用いる。

本発明の他の実施形態によれば、処理手段によって用いられる第2フィルタは、入力信号内の対象のサンプルに又はその付近を中心とする複数のサブウィンドウのそれぞれの中央値を算出し、算出された中央値に基づいて、対象のサンプルの出力値を生成するために用いられるメディアンフィルタのウィンドウサイズを適合するよう構成され、 −対象のサンプルを中心とするサブウィンドウの中央値が複数の中央値の最大値である場合、対象のサンプルを中心とするサブウィンドウのウィンドウサイズより大きなウィンドウサイズを用いて出力値が生成され、 −対象のサンプルを中心とするサブウィンドウの中央値が複数の中央値の最小値である場合、対象のサンプルを中心とするサブウィンドウのウィンドウサイズと同じウィンドウサイズを用いて出力値が生成され、 −それ以外の場合、対象のサンプルを中心とするサブウィンドウ及び中央値の最大値を有するサブウィンドウに対応するウィンドウを用いて出力値が生成される。

他の実施形態において、処理手段はさらに、フィルタリングされた速度を積分してデバイスの位置又は高さを提供することによって、フィルタリングされた速度からデバイスの水平位置又は高さを推定するよう構成される。

他の実施形態において、処理手段はさらに、デバイス水平変位及び高さ変化が計算されるべき時間窓内のフィルタリングされた速度推定を加算することによって、水平変位又は高さ変化を推定するよう構成される。

好適な実施形態において、装置はデバイスのユーザによる転倒を検知するために用いられ、処理手段はさらに、デバイスの経時的な推定高さの変化を解析することによって転倒を検知するよう構成される。

他の好適な実施形態において、装置はデバイスのユーザによる転倒を検知するために用いられ、処理手段はさらに、デバイスの推定高さ変化を解析することによって転倒を検知するよう構成される。

他の実施形態において、処理手段はさらに、転倒の検知後、デバイスの高さ変化を解析してユーザの起き上がりに対応するデバイスの高さの上昇を検知するよう構成される。

本発明の他の側面によれば、ユーザによって装着されるよう構成されたデバイスが提供され、デバイスは、デバイスに作用する加速度を3次元で測定する加速度計と、上記装置とを含む。

本発明の他の側面によれば、ユーザによって装着されるよう構成されたデバイスを含むシステムが提供され、デバイスは、デバイスに作用する加速度を3次元で測定する加速度計と、デバイスと通信するよう構成されたベースユニットとを有する。ベースユニットはデバイスから受信された加速度の測定結果を処理するための上記装置を有する。

本発明の他の側面によれば、デジタル信号をフィルタリングするためのフィルタが提供され、フィルタは、入力信号をダウンサンプリングし、ダウンサンプリングされた信号に非線形フィルタを適用するよう構成される。

好ましくは、フィルタは入力信号をダウンサンプリングして、それぞれが各自の位相を有する複数のダウンサンプリングされた信号を生成し、複数のダウンサンプリングされた信号のそれぞれに非線形フィルタを適用するよう構成される。

一実施形態において、フィルタはさらに、複数のフィルタリングされた信号を1つの信号に結合し、当該1つの信号を元のサンプリング周波数にアップサンプリングするよう構成される。

他の実施形態において、フィルタはさらに、複数のフィルタリングされた信号をそれぞれアップサンプリングし、複数のアップサンプリングされたフィルタリングされた信号を1つの信号に結合するよう構成される。

好適な実施形態において、フィルタはさらに、ダウンサンプリングの前に、ローパスフィルタを入力信号に適用してローパスフィルタリングされた信号を生成し、ローパスフィルタリングされた信号をローパスフィルタのカットオフ周波数に基づく周波数にダウンサンプリングするよう構成される。

本発明の他の側面によれば、デジタル信号をフィルタリングするためのフィルタが適用され、フィルタは、入力信号内の対象のサンプル又はその付近を中心とする複数のサブウィンドウのそれぞれの中央値を算出し、算出された中央値に基づいて、対象のサンプルの出力値を生成するために用いられるメディアンフィルタのウィンドウサイズを適合するよう構成され、対象のサンプルを中心とするサブウィンドウの中央値が複数の中央値の最大値又は最小値である場合、出力値を生成するために用いられるウィンドウサイズは、対象のサンプルを中心とするサブウィンドウのウィンドウサイズより大きい。

本発明の他の側面によれば、上記フィルタに対応する、デジタル信号をフィルタリングする方法が提供される。

以下、本発明の具体的な実施形態を、以下の図面を参照して例として説明する。

図1(a)は、本発明の実施形態に係るデバイスのブロック図を示す。

図1(b)は、本発明の実施形態に係るシステムのブロック図を示す。

図2は、本発明の実施形態に係る、高さ変化を決定するための加速度計信号の処理を示すブロック図である。

図3は、本発明の実施形態に係る、高さ変化を決定するための加速度計信号の処理の方法を示すフローチャートである。

図4(a)は、本発明の実施形態に係る処理のある段階における信号を示すグラフである。

図4(b)は、本発明の実施形態に係る処理のある段階における信号を示すグラフである。

図4(c)は、本発明の実施形態に係る処理のある段階における信号を示すグラフである。

図4(d)は、本発明の実施形態に係る処理のある段階における信号を示すグラフである。

図4(e)は、本発明の実施形態に係る処理のある段階における信号を示すグラフである。

図4(f)は、本発明の実施形態に係る処理のある段階における信号を示すグラフである。

図5は、例示的な加速度測定結果のセットから推定された高さ変化及び高さを示すグラフのセットである。

図6は、本発明の好適な実施形態に用いられるサブメディアン(subMedian)フィルタのブロック図である。

図7は、サブメディアンフィルタの動作の基本原理を示すグラフである。

図8は、サブメディアンフィルタの動作を示す他のグラフである。

図9は、サブメディアンフィルタの例示的な動作方法を示すフローチャートである。

図10は、正弦波信号及びガウスノイズのセットを含む信号にサブメディアンフィルタを適用した結果を示すグラフである。

図11は、本発明の好適な実施形態に用いられる適合メディアンフィルタによって用いられるメディアンフィルタサブウィンドウを示すグラフである。

図12は、本発明の好適な実施形態に用いられる例示的な適合メディアンフィルタのブロック図である。

本発明は、本発明がユーザによる転倒を検知するために用いられる場合(推定鉛直速度を、任意で、ユーザによって装着されるデバイスの高さ又は高さの変化を提供するために使用できる)に関連して説明される。本発明は、他の用途、例えばユーザの身体的な活動をモニタリングする(例えば、活動中に消費されたエネルギー若しくは発揮されたパワーの計算、又は歩行中、着席(着座)中、横たわっている、及び立っている等の活動の種類の計算)ためにも利用可能であることを理解されたい。これらの用途において、水平又は垂直速度を直接用いてもよいし、且つ/又はさらに積分してユーザが装着しているデバイスの変位又は高さを決定してもよい。以下の本発明の説明において、垂直速度及び高さの推定が詳細に説明されているが、当業者は、説明された技術が加速度の水平成分を決定するために用いることができ、よって水平速度及び水平位置又は変位を決定するために使用できることを理解するであろう。

また、以下に説明される転倒検知用途において、転倒が起こったか否かを判定するためにデバイス/ユーザの高さ又は高さの変化が推定されるが、デバイスの推定された高さを用いてユーザが転倒後に起き上がろうとしているか否かを判定してもよいし(この場合、転倒アラームは取り消され得る)、又はユーザが床の上に横たわっている時間の長さを測定してもよい。

図1(a)は、本発明に係る垂直速度を決定する方法を転倒検知のために実装する例示的なデバイス2を示す。デバイス2は、ユーザによって装着されるセンサユニットの形態を取る。デバイス2は、ユーザの首のまわりに装着されるネックコードを有するペンダントの形態を取ってもよいが、手首、ウェスト、胴、骨盤、又は胸板等、ユーザの体の他の箇所に装着されるよう構成されてもよく、その箇所にデバイス2を取り付けるために適した構成を有する(例えば、ベルト又はストラップ)。

デバイス2は、ユーザが体験する加速度を測定し、測定値を処理してデバイス2の垂直速度を決定し、そしてデバイス2の高さの変化(よってユーザの高さの変化)を決定するために用いられる。ここでは説明されないが、デバイス2は、加速度測定結果に追加の処理を行い、衝撃又は衝撃後の静止(不動)時間等の転倒の他の特徴を特定してもよい。デバイス2は、信号が高さ、方向、又は転倒に関係する他の特徴を決定するために処理され得る、又は決定を援助するために処理され得る他のセンサ、例えばジャイロスコープ、磁力計、気圧センサ、及び/又はエアフロセンサ等を有してもよい。

デバイス2は、3つの直交軸に沿って加速度を測定する加速度計4を有する。加速度計4によって出力された信号は解析のためにプロセッサ6に供給される。図示のように、デバイス2は、転倒が検知された場合にプロセッサ6によって起動され得る可聴式アラームユニット8を有する。このアラームはユーザのために助けを呼ぶことができる。ただし、デバイスにおける可聴式アラームユニットの存在は任意であることに留意されたい。他のオプション(任意)の部品は、ユーザが押すことによって助けを呼ぶことができるヘルプボタンである。

デバイス2は、さらに、転倒が検知されたときに、又はヘルプボタン(存在する場合)が押されたときに、処理の結果を遠隔(ベース)ユニットに送信するために、又は、コールセンターに緊急電話をかけて助けを呼ぶために用いることができる、送信機又は送受信機回路9及び付属のアンテナ10を有する。

また、デバイス2は、加速度計4からの測定結果、及びプロセッサ6による処理の結果を記憶するためのメモリ11をオプションで有する。

いくつかの実施形態において、加速度計4はMEMS(micro−electromechanical system)加速度計である。

加速度計4が体験する加速度は30Hzのレートでサンプリングされるが、多数の他のサンプリング周波数が用いられる得ることが理解されるであろう(例えば、50Hz)。

本発明の他の実施形態において、図1(b)に示すように、デバイス2は、加速度計測定値の処理が、ユーザが装着するデバイス2とは別個のベースユニット13内で行われ得るシステム12の一部である。この場合、加速度計測定値はデバイス/センサユニット2から送受信回路9を介してベースユニット13に送信することができる。

ベースユニット13は、本発明に係るデバイス2及び測定値を処理するためのプロセッサ16からの送信(加速度計測定値等)を受信するための送受信回路14及びアンテナ15を有する。

また、ベースユニット13は、デバイス2から受信される加速度測定値及びプロセッサ16による処理の結果を記憶するためのメモリ17をオプションで有する。

送受信回路14は、ポート18を介して無線でコールセンターに緊急電話をかけられるように、且つ/又は慣用的な公衆電話回線への接続できるように構成され得る。

他の変形例において、デバイス2は、ベースユニット13に結果を送信する前に加速度計測定値の初期処理ステップのいくつかを実行することが可能であり、例えば、ベースユニット13は処理を完了してデバイス2の垂直速度及び高さの変化を推定する。

図1(a)及び図1(b)は、本発明の説明に必要なデバイス2(及びシステム12)の部品のみを示し、本発明に係るデバイス2(又はシステム12)は、ここで説明されない部品及び機能性を有し得ることを理解されたい。例えば、デバイス2(及びベースユニット13)は、電源、及びデバイス2(及びベースユニット13)の動作を制御するための回路を何らかの形態で有し得る。

本発明の以下の記載は図1(a)に示すデバイス2に言及するが、当業者は、どのようにして本発明を図1(b)に示すシステム12での使用のために適合し得るかを容易に理解するであろう。

簡潔に述べると、本発明の実施形態に係る、デバイスの水平又は垂直方向の速度の推定を決定する方法は、デバイス2に作用する加速度の測定値を加速度計4を用いて取得するステップと、第1フィルタを用いて取得された測定値から重力による加速度を除去し、デバイス2の動きによる垂直方向に作用する加速度の推定を提供するステップと、デバイスの動きによる垂直方向に作用する加速度の推定を積分し、垂直方向の速度の推定を提供するステップと、垂直速度からオフセット及び/又はドリフトを除去する第2フィルタを用いて、フィルタリングされた垂直速度を提供するステップとを有する。本発明によれば、第1フィルタ及び第2フィルタの片方及び両方が非線形フィルタである。

図2は、本発明の実施形態に係る垂直速度及び高さ変化を推定するために必要な処理のブロック図を示す。当業者は、これらの処理ブロックがデバイス2のプロセッサ6内に、又は別個の電子部品として実装され得ることを理解するであろう。図3のフローチャートは、垂直速度推定に対応する方法(ステップ101〜113)、及び垂直速度から高さを推定するステップ(ステップ115)を示す。図4(a)〜4(f)は、図2に示す処理の様々な段階における信号を示すグラフである。

最初のステップ(ステップ101)として、加速度計4(デバイス2)に作用する(かかる)加速度の測定値のシリーズが集められる。上記のように、加速度計4は加速度を3次元で測定し、各測定軸に対応する信号を出力する。

加速度計測定値は、測定値を処理して垂直方向に作用する加速度成分を特定する第1処理ブロック22に供給される。この処理は、図3ではステップ103によって表され、多様な方法によって実行できる。

垂直加速度の正確な推定を実現するには、加速度測定値に座標変換(回転)を適用するため、加速度計4(デバイス2)の方向の正確な推定を得ることが望ましい。

この方向推定は、デバイス2がジャイロスコープ及び/又は磁力計等他のセンサを含む場合に得ることができ、これらのセンサからの出力は、場合によっては加速度計4からの出力とともに、加速度計測定結果に適用される座標変換(回転)を決定するために用いられる。座標変換後、加速度の垂直成分を容易に特定することができる。

あるいは、重力による加速度(定義上は垂直方向に作用する)を、加速度計測定結果のローパス成分として推定でき(ローパス成分の大きさが一定であることを確認して)、この成分が作用する方向は加速度計4の(垂直)方向を決定するために用いることができる。ローパスフィルタリングされた加速度の方向における加速度は、垂直方向の加速度に対応する。他の変形例として、下記で述べる非線形フィルタを用いた場合の処理ブロック24によって行われる処理と同様の処理の出力を、重力の推定、及びしたがって重力の方向を得るために用いることができる(3次元加速度計信号の各成分に作用するという意味では同様である)。

加速度の垂直成分を推定するためのより簡単な方法は、3D加速度測定結果のノルムを算出することである。3つの測定軸のそれぞれに対応して出力された信号は、垂直方向を指す重力を含み、これは動き(モーション)による加速度と比べて比較的大きいとみなすことができる。動きによる加速度及び重力による加速度はベクトル和として結合される。このベクトル和のノルムを算出すると、水平成分は、重力成分と直交し、重力成分と比較して絶対値が小さいため、水平成分の寄与は比較的小さい。加速度が下方向である場合、加速度は重力を超えないことを前提とすると、垂直方向における加速度はノルムでは不変の大きさで現れる(さもなければ、ノルムは正味(ネット)の負の成分を正の成分に変え、この場合、例えば重力のみによる上方向の加速度が正として定義される)。したがって、ノルムは鉛直加速度(重力を含む)のコスト効率的な推定因子である。しかし、上記において示唆したように、大きな水平方向加速度及び大きな下方向加速度(すなわち、重力を超える)は、推定垂直加速度に歪みを生む。

例えば、デバイス2がユーザの首のまわりに装着されるペンダントとして実装される場合、デバイス2は、典型的には1つの方向を有し、この方向の知識は、加速度計測定結果から加速度の垂直成分を特定するために用いることができる。ただし、デバイス2が適切に装着されていない場合、又はデバイス2の方向が通常の使用中又は転落中に変化する場合、このアプローチは大きな誤差を生じる可能性があることを理解されたい。

WO2010/035191は他のアプローチとして、任意の方向を有する3D加速度計信号から加速度の垂直方向を推定するための技術を説明する。この技術によれば、加速度の垂直成分は(1)加速度計からの信号を分析して加速度の最も高い成分を有する加速度計の軸を特定し、(2)加速度計に作用する加速度(この加速度は通常は重力による加速度とみなされる)と加速度の最も高い成分を有する軸との間の度を決定することによって加速度計の方向を決定し、(3)推定された加速度計の方向を用いて、加速度の測定結果から垂直方向における加速度を決定することによって推定される。

第1処理ブロック22によって出力される加速度の垂直成分が図2においてacczで示され、図4(a)は例示的な垂直方向信号を示す。この信号は、高さの上昇があった時間を含み(1368秒あたり)、これは例えば、デバイスがデスク上の静止位置から持ち上げられて手で保持された際に起こり、いくらかの振動を引き起こす。加速度の垂直成分は、第2処理ブロック24及び加算/減算ブロック26に供給される。

処理ブロック24は、第1フィルタを用いて加速度の垂直成分内の重力による加速度を推定する(図3のステップ105に対応)。

ある単純な実施形態において、処理ブロック24は重力に一定値を使用する。この値は9.81ms−2でもよいが、加速度計4の特定の特徴又は校正に応じて異なる値であってもよい。例えば、加速度計4が加速度の実際の値から0.2ms−2以上離れた値を出力することは珍しくなく、これを使用される一定値に因数として組み込むことができる。これは、一定値が10ms−2より大きい図4(a)において見ることができる。この単純な実施形態において、処理ブロック24は、重力として一定値(例えば9.81ms−2)を出力する加速度の垂直成分に推定関数を適用することができる。既知のように、一定の出力は別として、推定関数はフィルタとして理解され得る。

他の実施形態において、処理ブロック24は重力の推定値を提供するために加速度の垂直成分に線形フィルタを適用できる。線形フィルタは、適切なカットオフ周波数を有するローパスフィルタであり得る。例えば、フィルタは移動平均フィルタであり得る。

既知のように、線形フィルタはインパルス応答曲線によって特徴づけられる。入力におけるパルスは、時間とともに拡がる信号をもたらす。したがって、加速度における突然の変化(転倒中に起こる)は、続いて検知される重力信号に重なるパルスとして見られる。結果として、線形成分を用いて重力成分を推定する場合、インパルスの広がりによる過大及び過小評価が起こる。過大又は過小評価の深刻さはフィルタのバンド幅(又はインパルス応答の長さ)に依存する。これらの過大及び過小評価は後続の積分ステップにおいて動きによる垂直加速度の一部として扱われ、よって誤差を含んだ速度推定、したがって位置推定につながる。

また、加速度計4の各測定軸に沿う重力成分は、加速度計4の方向が変化すると変化する。この変化は、推定される重力において過渡誤差として現れる。過渡誤差はインパルス応答と類似しており、同じ広がりを持つ(より正確には、過渡誤差はステップ応答である)。この広がりは、積分ステップ後の速度及び位置推定における誤差につながる。校正誤差が無いと仮定すると、このタイプの誤差はノルムが用いられる実施形態には存在しない。これは、ノルムは方向によって影響を受けないからである。

加速度の垂直成分が(上記の処理においてのように)推定される際、この方向変化が考慮され、その影響は、ブロック22によって推定される方向(ステップ103)において誤差のレベルまで減少される。加速度計4からの測定値がオフセット(例えば、上記の0.2ms−2)を含む場合、方向の変化はオフセットのため、検知される重力成分の大きさの変化を引き起こす。これは過渡誤差を起こし得る他の原因であり、適切にフィルタリングされない場合は、同様に位置推定において誤差として現れ得る。

したがって、これらの問題を考慮して、本発明の好ましい実施形態においては、処理ブロック24は加速度の垂直成分に非線形フィルタを適用して重力推定を提供する。これは、非線形フィルタは、転倒中に起こる又は方向変化の際に起こる過渡応答に伴う加速度の突然の変化を「無視する」能力が遥かに高いからである。

ある好適な実施形態において、非線形フィルタはメディアンフィルタである。既知のように、入力信号内の各サンプルを順番に処理し、各サンプルを複数の隣り合うサンプルの中央値によって置換する。各段階(ステージ)で考慮されるサンプルの数は、フィルタのウィンドウサイズによって決定される。典型的なハーフウィンドウサイズは1.6秒であり得る(したがって、ウィンドウは現在のサンプルの前の1.6秒分のサンプル及び現在のサンプルの後の1.6秒分のサンプルを含む)。

メディアンフィルタは、ビデオ画像内のごま塩ノイズを抑制する、すなわち、短時間の(白黒の)信号スパイクを抑制することが知られている。転落中に体験される加速度は、加速度信号における(比較的)短時間のスパイクとして考えることができ、したがって、メディアンフィルタを用いてこのスパイクを除去することによって、線形フィルタに付随する応答広がり問題の影響を受けない、遥かに優れた重力推定が提供される。

他の特に好ましい実施形態において、非線形フィルタは再帰型メディアンフィルタである。このタイプのフィルタは、過去の(重力の)推定に捉われがちであるという特性を有する。この方法では、加速度の変動は重力成分の推定値におけるクロストークとしてすぐに現れないが、変化、例えば加速度計4の方向変化及び乏しい校正によるステップは、依然として追従される。

既知のように、再帰型メディアンフィルタはメディアンフィルタと類似しているが、特定のサンプルの中央値の算出において、再帰型メディアンフィルタは信号内のオリジナルのサンプル値の代わりに、サンプルウィンドウ内の既に算出された中央値を用いる。

再帰型メディアンフィルタは、前方又は後方再帰型メディアンフィルタのいずれでもよく、これによって垂直加速度信号がフィルタリングされる方向が決定される。

前方再帰型メディアンフィルタは過去の値を維持しようとする(一定に保とうとする)一方、後方再帰型フィルタは未来の値を維持しようとする。信号の特性に応じて、これらの種類の再帰型フィルタの出力は異なり得る。例えば、信号がパルスの前においてパルスの後より低い値を有する場合、前方再帰型メディアンフィルタは低い値を利用とする一方、後方再帰型メディアンフィルタは高い値を利用しようとし、両者の出力の間には差が生じる。したがって、垂直加速度信号に両方のフィルタを別々に適用し、その結果を平均して重力成分を得ることが可能である。あるいは、2つのフィルタ出力が分岐する点の間で線形補間を用いることもできる。当業者は、2つの結果を組み合わせる他の形態を使用できることを理解するであろう。

他の実施形態において、非線形フィルタは、フィルタウィンドウ内の各サンプルに荷重が与えられる荷重メディアンフィルタである。

他の実施形態において、非線形フィルタはモードフィルタである。このフィルタは、現行のウィンドウ内の最多のサンプル値が最も近いサンプル値を取る。

他の実施形態において、混成バージョン(フィルタ)を用いて垂直加速度のフィルタリングが行われる。このフィルタは重力を推定し、使用する値を決定するために決定処理を実行する。この決定は、例えば、異なるフィルタによる推定値の組み合わせを用いてもよいし、動きのレベルが閾値を超えたときに推定された重力をフリーズしてもよい。

他の特に好適な実施形態において(通常のメディアンフィルタ又は再帰型メディアンフィルタの使用より複雑ではあるが)、改変メディアンフィルタ(ここではサブメディアン(subMedian)フィルタと呼ぶ)を用いて垂直加速度のフィルタリングが行われる。サブメディアンフィルタは以下でより詳細に説明される。

図4(b)は、線形ローパス(移動平均)フィルタが垂直加速度信号に適用された場合(線50)、及び非線形メディアンフィルタが垂直加速度信号に適用された場合(線60)において、処理ブロック24が出力した重力による加速度の推定値を示す。

図2には図示されないが、信号を平滑化するために、重力加速度の推定値に追加のフィルタを適用してもよい。

また、デバイス2が転倒の検知に続いてユーザが起き上がろうとしているかを判定するよう加速度計測定結果を処理する構成を有する場合、推定された重力による加速度を1又は2秒時間シフトすることが可能である。ユーザが床に横たわっている場合、重力成分の信号は比較的平滑(一定)である。したがって、重力推定を時間シフトすることによって、ユーザが起き上がろうとしているかもしれない期間において一定値を用いることができる。

処理ブロック24によって出力される重力による加速度の推定値は加算/減算ブロック26に供給され、第1処理ブロック22によって出力された加速度の垂直成分から重力による加速度の推定値が引かれてデバイス2の動きによる垂直方向の加速度が残る(ステップ107)。図4(c)は、ブロック26によって出力された(61:非線形メディアンフィルタを用いて取得された重力推定値を引いた後、51:移動平均フィルタを用いて取得された重力推定値を引いた後)、動きによる垂直加速度の推定を示す。

処理ブロック24の出力は、処理ブロック24による処理に要求される時間のため、加算/減算ブロック26に直接供給される垂直加速度の推定結果に対して遅延され得ることを理解されたい。したがって、ブロック26の入力は同期されてもよい(例えば、垂直加速度推定acczに遅延を導入することによって)。

垂直加速度信号に適用される非線形メディアンフィルタ24、及び後続の加算/減算ブロック26は、ここでは「相補的」メディアンフィルタと呼ぶ単一のフィルタによって置き換えることができる。「相補的」メディアンフィルタは、メディアンフィルタとは反対の作用を及ぼす、すなわち、メディアンフィルタによってブロックされる信号の部分を通し、メディアンフィルタによって通される信号の部分をブロックする。したがって、「相補的」メディアンフィルタは、デバイス2の動きによる垂直加速度を表す短時間のパルスを通過させ、水力加速度信号内の重力加速度を除去する。図3を参照して、相補的フィルタはステップ105及び107の組み合わせに対応する。

デバイス2の動きによる垂直加速度を表す信号は、処理ブロック28によって時間に関して積分され、垂直方向の速度の推定が与えられる(ステップ109)。積分ブロック28に入力される初速度値v(t0)は未知であるが、通常は0と見なされる。いずれにせよ、次のフィルタリングステージ(以下でより詳細に説明)は垂直速度信号内のオフセット及びドリフトを除去し、よって初速度成分が(非ゼロの場合)実質的に除去される。

重力除去(フリー)加速度信号(図4(c))は、デバイス2の物理的な動きによる加速度の完全な表現ではないことがわかった。信号は歪み、積分ブロック28の出力に事実上追加の速度成分を発生させる。歪みは、処理ブロック22によって実行される方向推定処理によって引き起こされると考えられる。歪みは一定ではなく動き信号に関係し、よって処理ブロック24によって重力推定結果の一部としてフィルタリングされることができない。しかし、ブロック28による積分後、歪みは主に単調な成分を引き起こす。これは、例えば図4(d)の線62に示され、線62では、積分結果の速度に約0.25ms−1のオフセットが残される。重力推定ステージにおいて線形フィルタが用いられる場合、フィルタ応答拡散(拡がり)による推定重力の誤差は、大きな速度成分を引き起こす(図4(d)の線52)。

したがって、本発明によれば、垂直速度を表す信号は第4処理ブロックに供給され、垂直速度信号にフィルタが適用されて、信号内のオフセット及びあらゆるドリフト成分が推定される(ステップ111)。このフィルタリングの結果は、単調成分(すなわち、オフセット及び)の変動を表す信号である。

DC(一定)又は徐々に変化する成分(オフセット及びドリフト)をフィルタリングする慣用的な線形フィルタは、ローパスフィルタ及び移動変形フィルタ(ローパス挙動も示す)を含む。しかし、これらのフィルタは、フィルタに応じた時間応答によって隣接するサンプルに影響を及ぼす。したがって、オフセットを除去したとしても、補正された一連のサンプルの前後には「ゴーストオフセット」が出現する。これらの「ゴーストオフセット」は、高さの変化を取得するための補正された一連のサンプルの積分結果を著しく不明瞭にする可能性がある。

したがって、この問題は、処理ブロック30が好んで垂直速度信号に非線形フィルタを適用して信号内のオフセット及びドリフトを除去することによって克服される(ステップ111)。

ある好適な実施形態において、処理ブロック30は垂直速度信号にメディアンフィルタを適用する。上記のように、メディアンフィルタは事実上信号内のパルス及び振動(オシレーション)をブロックし、定数及びエッジ(すなわち、オフセット及びドリフト)を通過させる。このフィルタの典型的なハーフウィンドウサイズは0.8秒であり得る(ウィンドウは現在のサンプルの前の0.8秒分のサンプル及び現在のサンプルの後の0.8秒分のサンプルを包囲する)。他の好適な実施形態において、処理ブロック30は垂直速度信号に荷重メディアンフィルタ又はモードフィルタを適用してもよい。

特に好適な実施形態において、処理ブロック30はここでは「適合フィルタ」と呼ぶメディアンフィルタを適用する。適合フィルタについては以下で詳述する。

処理ブロック24が適用するフィルタが非線形フィルタである場合、第4処理ブロック30は、速度推定を用いる用途に応じて、線形フィルタを垂直速度信号に適用してオフセット及びドリフトを推定できる。図4(d)に示すように、処理ブロック24における非線形フィルタの適用は取得される速度の広がりを限定する。オフセット及びドリフトの除去のための線形フィルタの適用はいくらかの広がりを引き起こすが、この場合においては、許容可能な範囲に限定される。

図4(d)において、非線形メディアンフィルタを用いて取得され、処理ブロック30によって出力される垂直速度信号内のオフセット及びドリフトを表す信号を点線63で示す。図4(d)において、線形移動平均フィルタを用いて取得され、上記のように「ゴーストオフセット」を含む垂直速度信号内のオフセット及びドリフトを表す信号を点線53で示す。

この信号は積分ブロック28からの垂直速度信号とともに加算/減算ブロック32に入力され、垂直速度信号から引かれてオフセット及びドリフト除去垂直速度信号を与える(ステップ113)。この信号は、図4(e)において線64によって示される。したがって、早期の処理ステージにおける非線形フィルタの適用は、デバイス2の実際の垂直速度のより正確な推定をもたらす。垂直速度推定に線形移動平均フィルタを適用することによって得られた均等垂直速度を、図4(e)において線54で示す。速度の広がりの一部は除去されるが、ピーク付近に大きな反転成分が残る。

加算/減算ブロック26と同様に、処理ブロック30によって導入される遅延を補償するために、加算/減算ブロック32への入力を同期しなければならない可能性がある。

垂直速度信号に適用される非線形メディアンフィルタ30、及び後続の加算/減算ブロック32は、ここでは「相補的」メディアンフィルタと呼ぶ単一のフィルタによって置き換えることができる。「相補的」メディアンフィルタはメディアンフィルタとは反対の作用を及ぼす、すなわち、メディアンフィルタによってブロックされる信号の部分を通し、メディアンフィルタが通す信号の部分をブロックする。したがって、「相補的」メディアンフィルタは、デバイスの実際の速度を表す短時間のパルスを通し、垂直速度信号内に存在するオフセット及びドリフトを除去する。

オフセット及びドリフト除去信号は、処理ブロック34によって時間に関して積分され、デバイス2の高さ又は高さの変化が与えられる(ステップ115)。積分ブロック34に入力される初期位置値p(t0)は典型的には未知であるが、積分の結果が高さの変化を決定するために用いられる場合、初期位置の知識は不要である。実際の高さを計算することが望ましい場合、p(t0)を設定するためにいくらかの校正又はイニシエーションが要求される。

上記したように、デバイス2ユーザの転倒に対応する大きさのデバイス2の高さ変化が起こったことを判定するために、デバイス2は加速度計測定結果を処理する。また、転倒を示す高さ変化が観測された取得された高さ推定値は「維持」されるはずであり、これはデバイス2が転倒前とは異なる高さにあることを示すことを理解されたい。言い換えれば、転倒前の第1の高さと転倒後の第2の高さ(第1の高さより低い)とでは高さの変化があるはずである。図4(f)の線65は、処理において非線形フィルタが用いられた場合の位置推定結果を示し、「維持」される高さ変化が起こったことを示している(ただし、この図では高さが下降するのではなく上昇していることに留意されたい)。図4(f)の線55は、処理において線形フィルタが用いられた場合の位置推定を示し、フィルタ応答拡散によるエラー速度成分が上昇(起き上がり)を完全に打消し、(維持される)高さ変化を事実上残さないことが示されている。

積分ブロック34の出力は高さの推定値を提供する。転倒又は起き上がり(起立)を検知するために用いられる高さ変化は、2つの時点、例えば現在時点及び数秒(例えば2秒)後において推定された高さ間の差を算出することによってもたらされる。転倒検知の決定論理に高さ変化を用いる方法は複数ある。例えば、算出された高さ変化が(下方)閾値を超えるか否かを判定できる。より洗練された例は、確率メトリックにおける変化のサイズの使用であろう。

高さ変化は、高さ変化が算出されるべき時点間の積分(加算)を行う「移動積分器」又は加算器を用いることによって、積分器34をバイパスして、加算/減算ブロック32によって出力された速度推定結果から直接算出することができる。移動加算器は移動平均フィルタと類似するが、移動平均フィルタのウィンドウ長による除算(平均化)が省略される点で異なる。したがって、基本的には、ウィンドウ内の速度サンプルが加算されて出力として戻される(ウィンドウは2時点間の領域)。好適なアプローチ(最初に積分して差又は移動和を算出する)は算出負荷まで考慮する。選択は他のファクタ、例えば高さの差が算出されるべきウィンドウサイズの数等によって影響されてもよい。移動加算器の実装は、MAフィルタ実装において知られる技術と同様な技術を用いて最適化されてもよい。

図5は、第1フィルタ24としてサブメディアンフィルタ及び第2フィルタ30としてメディアンフィルタを用いる、転倒中に取得された加速度計測定結果に実行される本発明に係る処理の結果を示す。したがって、各グラフは一番下のグラフに示される加速度計測定結果から導き出された高度下降(すなわち、高さ変化)及び高さ(初期高さ約0に対する)を示す。上のグラフ内の高さ変化は、現在の高さ推定値と所定の時間(この例では2秒)前の高さ推定値との差として算出される。したがって、高さにおける下降は転倒の開始において起こり、グラフにおいて2秒間、「所定の時間前」が開始を過ぎる(この例では2秒後)まで見られる。

したがって、図5において、時間t=509(上のグラフ参照)付近で起こる転倒を示す高さ変化が存在し、この高さ変化はデバイス2の高さの維持される差をもたらす(例えば、中央のグラフを参照:高さ変化前の時間窓で観測されたデバイス2の高さは高さ変化後の時間窓で観測されたデバイス2の高さより高い)。

図2及び図3を参照して上記したように、垂直方向に作用する加速度は3次元垂直時計測定結果から推定され(例えば、加速度計推定結果のノルムを取ることによって)、続いて1次元垂直加速度推定にフィルタが適用されることによって重力による加速度が推定される。ただし、他の実施形態において、加速度の垂直成分の推定の前に、加速度計4の各測定軸からの信号に第1フィルタを適用することによって、重力による加速度を3次元で推定することができる。この3次元重力推定結果は、続いて3次元加速度測定結果内の加速度の垂直成分を推定するのに用いることができ、その後、推定垂直成分から重力推定(又は、第1フィルタと同じ又は異なるタイプの追加のフィルタを用いて取得された他の重量推定)を引き、デバイスの動きによる推定垂直加速度が提供される。また、このアプローチを用いることにより、水平速度及び変位を推定するのと同様な方法で、(動きによる)水平加速度を推定及び処理することができる。

サブメディアンフィルタ 上記のように、本発明の好適な実施形態において、処理ブロック22によって出力される垂直加速度の推定にフィルタ(ここではサブメディアンフィルタとする)が適用され、信号内の重力成分が推定される。あるいは、加速度計4から受信される3次元信号内の重力による3次元加速度を推定するためにサブメディアンフィルタを用いてもよい。

また、上記のように、加速度信号内の重力成分は大体一定(DC)であり、加速度計4及びデバイス2が回転すると加速度計の基準系における方向が変化し、加速度計4が完璧に校正されない場合、3次元加速度計測定値のノルムが変化する。

したがって、加速度計測定結果(又は垂直加速度の推定結果)に適用されるフィルタは、信号内のDC成分を出力し、瞬間的に変化(例えば、回転による)を追わなければならない(すなわち、フィルタの適用によって広がりが導入されるべきではない)。

ローパスフィルタはDC成分を返すことができるが、広がりを導入し、加速度計4の方向が変化した際に素早く変化を追わない。一般的に、メディアンフィルタは許容可能な出力を供給するが、入力信号がより複雑な際にはドリフトし得る(例えば、加速度計4の緩やかではあるが継続的な小さな高さ変化の上下動、並びにそれに続く大きな高さ変化及び小さな上下動の継続は、推定重力成分を表す出力内のドリフトを明らかにし得る)。

したがって、ローパスフィルタ及び非線形フィルタを組み合わせたサブメディアンフィルタが設計された。好ましくは、このフィルタはメディアンフィルタ又はメディアンベース変形フィルタである。図6は例示的なサブメディアンフィルタ70を示す。

したがって、信号がローパスフィルタ72に入力され、ローパスフィルタリングされた信号がメディアンフィルタ74に入力される。ローパスフィルタ72は、単体で用いられるときより大きなバンド幅を有し、これは入力信号内の高周波数成分をいくらか除去することを可能にするが、依然として急速な動きを追うことができる。

メディアンフィルタ74は、代わりにメディアン変形フィルタでもよく、例えば再帰型メディアンフィルタ又は荷重メディアンフィルタでもよい。

入力信号はローパスフィルタリングされるため、ナイキスト・シャノンの定理によれば、ローパスフィルタリングされた信号は、ローパスフィルタのバンド幅に対応するナイキスト周波数にエイリアシング効果なくダウンサンプリングすることができる。ナイキスト周波数へのダウンサンプリングは、メディアンフィルタ74の作用を2つの意味でより効果的にする。1つ目は、フィルタのウィンドウ内のサンプルが少ないため、算出上の利益が提供されることである。2つ目として、フィルタは不要な成分(スパイク)を除去する上でより効果的であるはずだということに気付かれたい。これは、図7を参照して以下でより詳細に説明される。

したがって、サブメディアンフィルタ70は、ローパスフィルタ72と、ローパスフィルタリングされた信号をナイキスト周波数(ローパスフィルタ72のカットオフ周波数の2倍)にダウンサンプリングするメディアンフィルタ74との間にダウンダンプリングブロック76をさらに有する。ここでは「サブサンプリング比」又は「サブ比(subRatio)」と呼ぶパラメータは、ローパスフィルタリング信号のサンプリング周波数が減少される量(大きさ)を決定する。サブ比の典型的な値は20である。ローパスフィルタ72のカットオフ周波数は典型的にはサブサンプリング周波数の信号のバンド幅より低く設定される(バンド幅はサンプリング周波数の半分)。サブサンプリング周波数の信号のバンド幅は、例えば0.8をかけることによってローパスフィルタ72のカットオフ周波数に設定される。0.8という値は、ダウンサンプリング時におけるエイリアシング効果を防ぐよう選択された。したがって、サンプリング周波数50Hzの信号のためのローパスフィルタ72のカットオフ周波数は典型的には1Hzであり、これはダウンダンプリング後のサンプリング周波数の半分(1.25Hz)の0.8倍である。

メディアンフィルタ74の出力をアップサンプリングしてサブメディアンフィルタ70に入力された信号のサンプリング周波数に戻すために、アップサンプリングブロック78が設けられる。当該技術分野において知られるように、アップサンプリングの後には、典型的にはブロック72内で用いられるローパスフィルタと同じバンド幅を有するローパスフィルタである補間フィルタ(図示なし)が続く。両フィルタは信号強度を特定可能なレベルに維持できるよう調整されるべきである。当該技術分野で知られているように、アップサンプリングは複数の方法で実行できる。例えば、1つの方法は複数の値がゼロの追加サンプルを挿入することである。他の例は、sample&holdを用いる、すなわち、最後の利用可能なサンプルと同じ値のサンプルを挿入することである。

メディアンフィルタ74をダウンサンプリングされたローパスフィルタ信号に適用することで、メディアンフィルタ74はより効果的に信号内のスパイク(すなわち、加速度計4の動きによる加速度)を除去することができる。

図7は、サブメディアンフィルタ70の動作の基礎原理を示すグラフである。図7の線80はローパスフィルタ72のバンド幅に対応するsinc信号である。線81は同じsinc信号であるがナイキスト周波数でサンプリングされた、すなわち、ブロック76の出力でサンプリングされたものである。サブサンプリングはsinc信号81のちょうどゼロ交差であることがわかり、よって結果的に信号内にパルスが生じる。

点線82及び83は、それぞれ信号80及び81のメディアンフィルタリングされた値を示す。したがって、メディアンフィルタ74をサブサンプリングされたローパスフィルタリングされた信号に適用することにより、より良い結果(真のDC値)が得られる。

ただし、ローパスフィルタリングされた信号をサブサンプリング又はダウンサンプリングする場合、第1サンプルの選択は任意であることを理解されたい。図7は、サブサンプリングがちょうどsinc信号80のゼロ交差である理想的なケースを示す。一方、図8はサブサンプリングがsinc信号のゼロ交差の中間のサンプルをもたらす場合を示す(最悪のケース)。線84はサブサンプリングされた信号に対応し、点線85はメディアンフィルタリングされた信号を示す。

したがって、サブメディアンフィルタ70は、サブサンプリングされたローパスフィルタリングされた信号におけるこの位相効果のために適合され得る。特に、ダウンサンプリングブロック76は全ての位相でサブサンプリングし、各サブサンプリングされた信号にメディアンフィルタ74を適用するよう構成されてもよい。メディアンフィルタ74の最終的な出力は各サブサンプリングされた信号のメディアンフィルタリングの結果の組み合わせであり得る。

図9は、例示的なサブメディアンフィルタ70の動作を示すフローチャートである。ステップ131において、サブサンプリング比、サブ比が設定され、加速度計信号が50Hzでサンプリングされる場合は典型的には20である。

ステップ133において、ローパスフィルタ72のカットオフ周波数はFs/2/サブ比の0.8倍に設定される(Fs/2は、ローパスフィルタ72の入力における信号「acc」の全バンド幅である)。

ステップ135において、ローパスフィルタ72が入力加速度計信号accに適用され、acc_LPFが提供される。

ステップ137において、ローパスフィルタリングされた加速度計信号acc_LPFは、サブサンプリング比に従って多相信号acc_polyにダウンサンプリングされる。acc_LPFがサブサンプリングされ得る方法の数はサブサンプリング比に等しい。よって、各位相pにおいて(0〜subRatio−1)、指数kにおけるサンプルacc_polyは以下の式の通りである。 acc_poly[p,k]=acc_LPF[p+subRatio*k](1)

ステップ139において、メディアンフィルタ74が各位相pのダウンサンプリングされた信号に適用される。これにより、信号のセットacc_poly_filt[p,k]が与えられる。この例において、メディアンフィルタ74のハーフウィンドウサイズは1.6秒であるが、他の値も使用できることを理解されたい。

あるいは、上記のように、再帰型メディアンフィルタ等メディアンフィルタの他の形態を用いることができ、また、(メディアン)フィルタ処理を繰り返してもよい(すなわち、前回のラウンドの結果に複数回メディアンフィルタリングを繰り返すことによって)。

その後、ステップ141において、取得されたフィルタリングされた位相信号が単一の信号に組み合わされる。信号の組み合わせは、subRatio位相数を超える各サンプルkの平均又は中央値を取ることによって実行することができるが、他の方法、例えば、他の判定基準に基づく方法も可能であることは、当業者にとって明らかであろう。

組み合わされた信号は、その後元のサンプリング周波数にアップサンプリングされることができる(ステップ143)。

ステップ141及び143の他のアプローチにおいて、ステップ139において取得された各フィルタリングされた位相信号acc_poly_filt[p,k]をアップサンプリングして元のサンプリング周波数に戻し、acc_poly_filt_up[p,t]をまず与えて(ステップ145)その後アップサンプリングされた信号を結合することができる(ステップ147)。このアプローチでは、信号acc_poly_filt_up[p,t]が位相を含むことができ、各信号の結合において位相を考慮することができる、すなわち、t=p+subRatio*kである整数tに対して、acc_poly_filt_up[p,t]がacc_poly_filt[p,k]に設定される。残りのサンプルは補間フィルタ(ダウンサンプリングステップの前に適用されるローパスフィルタと同じであり、好ましくは、残りのサンプルは「整数t」を用いて指名された隣接するサンプルに設定される、すなわち、sample&holdが用いられる)を用いて求められる。

ステップ143又は149の後、結合されたアップサンプリングされた信号にさらにメディアンフィルタを適用して、補間フィルタによって導入される「リンギング」効果を除去することができる。このメディアンフィルタは、ステップ139で適用されるメディアンフィルタと同じウェインドウサイズ(秒)を有する。

全てのステップが必須ではないことを理解されたい。サブメディアンフィルタのコアは、ダウンサンプリング周波数における非線形フィルタの適用である。対エイリアシングフィルタ、及び異なる位相への考慮は、用途に応じて応用できる改良点である。

図10は、異なる周波数、位相、及び振幅、並びにガウスノイズを有する4つの正弦波信号のセットを含む信号86にサブメディアンフィルタを適用した結果を示すグラフである。また、時間t=3000において信号内にはステップがある。線87は、上記のように信号86にサブメディアンフィルタ70を適用した結果を示し、出力がDC成分の良い推定を提供し、適切にステップを追っていることが分かる。

適合メディアンフィルタ 上記のように、本発明の好適な実施形態において、ここでは「適合メディアン」フィルタであるフィルタが積分ブロック28によって出力される垂直速度の推定に適用され、信号内のオフセット及びドリフトが推定される。

フィルタの目的は、ドリフトDC(オフセット及びドリフト)成分から逸れるパルス形状に対応する速度推定内の速度成分を抽出することである。

このような変化において、オフセットの変化を実際の速度信号がたどること、よって、実際の速度の過小推定につながることが発見されたため、オフセットの現在値を保つことが望ましい。

したがって、適合メディアンフィルタにおいて、特定のサンプルの中央値を決定するために使用されるウィンドウサイズは、ウィンドウ内のサブウィンドウ内の中央値のランク順に応じて適合される。中央値のランク順はオフセットに増加又は減少があるかを示し、後続の適合(すなわち、ウィンドウサイズの選択)は、オフセット値の過小評価を補償又は防ぐことを目的とする。

図11は、16のサンプルを含む信号の一部、及び現在のサンプルiを中心とした、ハーフウィンドウサイズ7のメディアンフィルタウィンドウ90を示す。適合メディアンフィルタにおいて、メディアンフィルタウィンドウ90は3つのサブウィンドウ91a、91b、及び91cに分割される(この例ではハーフウィンドウサイズ2)。1つのサブウィンドウ(図11、91a)は現在サンプルiを中心とし、他のサブウィンドウ(図11、91b)はサンプルi−5(現在サンプル−フルサブウィンドウ幅)を中心とし、第3サブウィンドウ(図11、91c)はサンプルi+5(現在サンプル+フルサブウィンドウ幅)を中心とする。

上記のように、中央値は3つのサブウィンドウごとに計算され、3つの中央値はランク付けされる。ランキングの順位は、適合メディアンフィルタの出力の生成に用いられるウィンドウ選択の決定に用いられる。

ある例示的実施形態によれば、出力の計算のためのウィンドウの選択を決定するために用いられるルールのセットは以下の通りである。 −中央サブウィンドウ91aの中央値が3つの中央値の最大値である場合、適合メディアンフィルタの出力は、サブウィンドウ91aより大きなハーフウィンドウサイズ(例えば2倍)を有し、サンプルiを中心とするサブウィンドウ内の中央値であり、 −中央サブウィンドウ91aの中央値が他のサブウィンドウ91b及び91cの中央値の間にある場合、適合メディアンフィルタの出力は、中央サブウィンドウ91a及び最も高い中央値を生成したサブウィンドウ91b又は91cに対応するサブウィンドウの中央値であり、 −中央サブウィンドウ91aの中央値が3つの中央値の最小値である場合、適合メディアンフィルタの出力は中央サブウィンドウ91aを用いて得られた中央値である。

他の好適な実施形態によれば、出力を計算するためのウィンドウの選択を決定するために用いられるルールのセットは以下の通りである。 −中央サブウィンドウ91aの中央値が3つの中央値の最大値又は最小値である場合、適合メディアンフィルタの出力はサブウィンドウ91aより大きなハーフウィンドウサイズを有し、サンプルiを中心とするサブウィンドウ内の中央値である。 −それ以外の場合、適合メディアンフィルタの出力は直前のサンプル(i−1)に用いられた値である。

一実施形態において、中央サブウィンドウ91aの中央値が3つの中央値の最大値又は最小値である場合、サブウィンドウ91aの2倍のハーフウィンドウサイズが出力値を生成するために用いられる。だたし、サブウィンドウ91aより大きい他のサイズのウィンドウを用いてもよいことを理解されたい。

中央サブウィンドウ91aの中央値が3つの中央値の最大値又は最小値ではない場合において、直前のサンプルの値の使用以外のアクションは、現在の中央サブウィンドウ91aからの値の使用、又は現在の中央サブウィンドウ91a若しくは全ウィンドウに再帰型メディアンフィルタを適用することを含む。

この方法によれば、中央サブウィンドウが最大又は最小中央値を提供する場合に大きなウィンドウを使用することは、メディアンフィルタが速度信号内に存在する短時間の上昇(立ち上がり)/下降傾向を追う効果を減じる。中央サブウィンドウが最大又は最小中央値を提供しない場合に直前の値を使用することは、上記した一定性をもたらす。

図12は、本発明の実施形態で用いられる例示的な適合メディアンフィルタ92のブロック図である。

入力信号は3つのフィルタ93、94、及び95に供給され、上記の3つのサブウィンドウ91a、91b、及び91cのうち対応するものが適用される。この実施形態において、フィルタはメディアンフィルタであるが、フィルタは通常のメディアンフィルタの変形体であり得ることが理解されるであろう。各メディアンフィルタの出力は上記のルールセットのうちの1つを実装する決定論理96に供給され、適合メディアンフィルタ92の出力を生成するために用いられるウィンドウサイズが決定される。

決定論理96によって、要求されるウィンドウサイズを示す制御信号がメディアンフィルタ97に出力される。また、メディアンフィルタ97は入力信号を(メディアンフィルタ93、94、及び95、並びに決定論理96によって導入された処理遅延を許容するための適切な遅延とともに)受信し、要求されるウィンドウサイズを用いて入力信号に対して動作する。メディアンフィルタ97の出力は、適合メディアンフィルタの出力である。

当業者は、適合メディアンフィルタ92が、図12に示される部品の構成とは異なる構成を用いて実装され得ることを理解するであろう。例えば、ルールセットは中央サブウィンドウ91aの中央値が出力として用いられ得ることを規定し得るため、決定論理96は、メディアンフィルタ97に再計算を要求することなく単純にこの値を出力することができる。また、明白ながら、前に計算した出力値を再使用することはメディアンフィルタ97による完全な再計算を要求しない。

また、必要に応じてウィンドウを3つ以上のサブウィンドウに分割することができ、またサブウィンドウは異なるサイズを有し得ることが理解されるであろう。

よって、既知の技術が持つ問題を克服する、デバイスによって体験される加速度の計算結果に基づいてデバイスの水平又は垂直方向の速度を推定するための改良された方法及び装置が提供される。

本発明は図面及び明細書において詳細に図示及び記載されるが、かかる図示及び記載は限定的でなく説明的と考えられるべきであり、本発明は開示の実施形態に限定されない。

当業者は、図面、明細書、及び特許請求の範囲に基づき、請求の発明の実行にあたり開示の実施形態の他の変形例を理解及び実施できる。特許請求の範囲において、「有する(又は含む若しくは備える)」という単語は他の要素又はステップを排除せず、また要素は複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に記載の複数のアイテムの機能を果たしてもよい。ある手段が互いに異なる独立クレームに記載れているからといって、これらの特徴を好適に組み合わせることができないとは限らない。コンピュータプログラムは、一体的に又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体等の適切な媒体上に記憶/分配され得るが、他の形態、例えばインターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介しても分配され得る。特許請求の範囲における参照符号は保護範囲を限定すると解されるべきではない。

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