車速制御装置

申请号 JP2015131330 申请日 2015-06-30 公开(公告)号 JP6013564B1 公开(公告)日 2016-10-25
申请人 本田技研工業株式会社; 发明人 安井 裕司;
摘要 【課題】補正後車速の算出 精度 、クルーズ制御の制御性、安全性及び商品性をいずれも向上させることができる車速制御装置を提供する。 【解決手段】車速制御装置1は、FI・ECU2及びメータ・ECU11を備える。メータ・ECU11は、メータ用車速Vmeterを算出し、CAN通信ネットワーク8を介して、FI・ECU2に送信する。FI・ECU2は、コントローラ用車速Vecuを算出し、コントローラ用車速Vecuを車速補正係数Kvで補正することによって、CC用車速Vccを算出し、CC用車速Vccとメータ用車速Vmeterとの間の相関性をコントローラ用車速Vecuに対応して反映させながら、CC用車速Vccとメータ用車速Vmeterとの間の偏差を減少させるように、局所補正係数Kv_iを更新して記憶し、記憶した局所補正係数Kv_iを用いて、車速補正係数Kvを算出し、目標車速Vrを決定し、CC用車速Vccが目標車速Vrになるように、クルーズ制御を実行する。 【選択図】図2
权利要求

車両の速度である車速を表す車速検出信号を出する車速検出手段と、 当該車速検出信号に基づいて、前記車両の車速表示部に表示するための表示用車速を算出する表示用車速算出手段と、 前記車速検出信号に基づいて、前記表示用車速とは別個のコントローラ用車速を算出するコントローラ用車速算出手段と、 当該コントローラ用車速を補正値で補正することによって、補正後車速を算出する補正後車速算出手段と、 所定の制御アルゴリズムを用いて、前記補正後車速と前記表示用車速との間の相関性を前記車速を表す車速パラメータに対応して反映させながら、前記補正後車速と前記表示用車速との間の誤差を減少させるように、補正成分を更新し、記憶する補正成分更新記憶手段と、 当該記憶された補正成分を用いて、前記補正値を算出する補正値算出手段と、 前記補正後車速の目標となる目標車速を決定する目標車速決定手段と、 前記補正後車速が前記目標車速になるように、前記車両の動力源を制御するクルーズ制御を実行するクルーズ制御手段と、 を備えることを特徴とする車速制御装置。前記補正成分更新記憶手段は、前記補正成分を、前記相関性を反映させながら、前記誤差を減少させると同時に、前記補正後車速を用いて前記クルーズ制御を実行したときに前記車両に発生すると推定される加速度の絶対値が所定の最大値未満になるように、更新することを特徴とする請求項1に記載の車速制御装置。前記補正値算出手段は、前記補正値を、前記車速パラメータの複数の領域にそれぞれ対応する複数の前記補正成分と、当該複数の領域にそれぞれ対応して設定された複数の関数値との積の総和として算出し、 当該複数の関数値は、各関数値が前記対応する領域で同符号の値を示すとともに、隣り合う2つの関数値が前記車速パラメータに対して互いに重なり合うように設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車速制御装置。前記表示用車速算出手段は、前記補正成分更新記憶手段と別体に設けられ、 前記表示用車速算出手段によって算出された前記表示用車速を所定の送信周期で前記補正成分更新記憶手段に送信する送信手段をさらに備え、 前記補正成分更新記憶手段は、前記所定の送信周期に同期して前記補正成分を更新し、記憶するように構成され、 前記補正値算出手段は、前記補正値を、前記所定の送信周期よりも短い所定の制御周期で算出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車速制御装置。前記車両の運転者の操作に伴って第1目標速度を設定する第1目標速度設定手段と、 前記車速及び前記車両の前方に位置する先行車両との位置関係に応じて、第2目標速度を設定する第2目標速度設定手段と、 をさらに備え、 前記目標車速決定手段は、前記第1目標速度及び前記第2目標速度の一方を目標車速として選択することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車速制御装置。

说明书全文

本発明は、車速検出信号に基づいて、車両のスピードメータなどの車速表示部に表示するための表示用車速と、表示用車速とは別個のコントローラ用車速とを算出し、このコントローラ用車速を用いてクルーズ制御を実行する車速制御装置に関する。

従来、車速制御装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。この車速制御装置は、車速センサ、クルーズ制御スイッチ、スピードメータ用ECU及びエンジン制御用コントローラなどを備えている。このスピードメータ用ECUでは、車速センサの検出信号に基づいて表示用車速が算出され、この表示用車速を表示するように、スピードメータが駆動される。また、スピードメータ用ECUは、CAN通信ネットワークを介してエンジン制御用コントローラに接続されており、それにより、両者の間では、CANプロトコルによるデータ通信が実行される。

さらに、エンジン制御用コントローラでは、クルーズ制御の実行条件が成立している場合、車速センサの検出信号に基づいて、コントローラ用車速が算出され、クルーズ制御スイッチの設定状態に基づいて、目標車速が算出される。そして、クルーズ制御の実行中、コントローラ用車速が目標車速になるように、スロットル弁モータを介して、スロットル弁の開度が制御される。

特開2007−326494号公報

上記特許文献1の車速制御装置によれば、表示用車速は、様々な法規上の理由により、車速センサの検出信号に対して修正が加えられる関係上、同一の車速センサの検出信号に基づいて算出されているにもかかわらず、コントローラ用車速と異なる値を示すことになる。その結果、クルーズ制御を実行したときに、コントローラ用車速が目標車速に到達しているにもかかわらず、表示用車速が目標車速に対してずれてしまい、運転者が違和感を感じたり、制御性の低下を感じたりすることで、商品性の低下を招いてしまう。

このような特許文献1の問題点を解消する方法として、特許文献は見当たらないものの、近年の車速制御装置においては、表示用車速とコントローラ用車速との比を補正係数として算出し、この補正係数をコントローラ用車速に乗算することによって、補正後車速を算出するとともに、この補正後車速に基づいて、クルーズ制御を実行する手法が用いられている。しかし、このような補正後車速を用いる手法の場合、以下に述べるような問題がある。

すなわち、クルーズ制御の実行によって補正後車速が目標車速に収束するまでの過渡状態では、補正係数の算出結果が不安定になってしまうので、その影響を回避するために、補正後車速が目標車速に接近するまでの間は、補正係数を更新することなく、補正後車速が目標車速にある程度接近したときに、補正係数の算出を開始する必要がある。その結果、クルーズ制御の開始直後においては、補正後車速が目標車速に対して定常偏差を生じている状態となり、その状態から補正係数の算出が開始されることになる関係上、表示用車速が目標車速に到達するのに時間がかかってしまい、運転者はクルーズ制御の制御性が低いと感じてしまうことになる。

さらに、上記の補正後車速を用いる手法の場合、スピードメータ用ECUが故障し、表示用車速が急減したときに、補正係数が急減するのに伴って、補正後車速も急減し、実際の車速をかなり下回ることになる。その状態で、クルーズ制御が実行されると、急減した補正後車速を目標車速に近づけるために、車両が急加速し、運転者にとって意図しない急加速状態や増速状態などが発生することで、安全性が低下することになる。特に、近年の機能安全規格(ISO26262)では、例えば、スピードメータ用ECUが故障した場合でも、運転者にとって意図しない急加速状態や増速状態の発生を抑制することや、運転者がその故障に気がついたときに、運転者のブレーキ操作やシフト操作によって安全性が低下した状態を回避できることが要求されている。

これに加えて、特許文献1のように、CANプロトコルによって、スピードメータ用ECUとエンジン制御用コントローラの間でのデータ通信が実行される場合、エンジン制御用コントローラでの制御周期の方が、データ通信周期よりも短いのが一般的である。そのため、特許文献1の車速制御装置によれば、補正係数の算出周期(すなわち制御周期)とデータ通信周期との差異に起因して、補正係数がステップ状に変化したり、振動的な挙動となったりすることで、制御性が低下するおそれがある。

本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、補正後車速の算出精度、クルーズ制御の制御性、安全性及び商品性をいずれも向上させることができる車速制御装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、請求項1に係る車速制御装置1は、車両Vの速度である車速を表す車速検出信号を出する車速検出手段(車速センサ20)と、車速検出信号に基づいて、車両Vの車速表示部(スピードメータ12)に表示するための表示用車速Vmeterを算出する表示用車速算出手段(メータ・ECU11)と、車速検出信号に基づいて、表示用車速Vmeterとは別個のコントローラ用車速Vecuを算出するコントローラ用車速算出手段(FI・ECU2)と、コントローラ用車速Vecuを補正値(車速補正係数Kv)で補正することによって、補正後車速(CC用車速Vcc)を算出する補正後車速算出手段(FI・ECU2)と、所定の制御アルゴリズムを用いて、補正後車速(CC用車速Vcc)と表示用車速Vmeterとの間の相関性を車速を表す車速パラメータ(コントローラ用車速Vecu)に対応して反映させながら、補正後車速(CC用車速Vcc)と表示用車速Vmeterとの間の誤差(車速偏差DV)を減少させるように、補正成分(局所補正係数Kv_i)を更新し、記憶する補正成分更新記憶手段(FI・ECU2)と、記憶された補正成分(局所補正係数Kv_i)を用いて、補正値(車速補正係数Kv)を算出する補正値算出手段(FI・ECU2)と、補正後車速(CC用車速Vcc)の目標となる目標車速Vrを決定する目標車速決定手段(FI・ECU2)と、補正後車速(CC用車速Vcc)が目標車速Vrになるように、車両Vの動力源(エンジン3)を制御するクルーズ制御を実行するクルーズ制御手段(FI・ECU2)と、を備えることを特徴とする。

この車速制御装置によれば、車速検出信号に基づいて、車両の車速表示部に表示するための表示用車速が算出され、車速検出信号に基づいて、表示用車速とは別個のコントローラ用車速が算出され、コントローラ用車速を補正値で補正することによって、補正後車速が算出され、補正後車速の目標となる目標車速が決定されるとともに、補正後車速が目標車速になるように、車両の動力源を制御するクルーズ制御が実行される。さらに、補正成分が、所定の制御アルゴリズムを用いて、補正後車速と表示用車速との間の相関性を車速を表す車速パラメータに対応して反映させながら、補正後車速と表示用車速との間の誤差を減少させるように更新され、記憶される。そして、記憶された補正成分を用いて、補正値が算出されるので、そのような補正値を用いることによって、補正後車速を、補正後車速と表示用車速との間の誤差が減少した状態で算出できる。すなわち、補正後車速を、表示用車速に精度よく追従した状態で算出することができる。また、上記のように算出された補正値を用いることで、補正後車速を、補正後車速と表示用車速との間の相関性を車速パラメータに対応して記憶した状態で算出することができる。その結果、そのような補正後車速を用いてクルーズ制御を実行したときに、特許文献1の車速制御装置と異なり、クルーズ制御の開始直後においても、補正後車速が目標車速に対して定常偏差を生じることがないとともに、その状態からクルーズ制御が実行されることで、表示用車速を目標車速に迅速に到達させることができる。それにより、クルーズ制御の制御性及び商品性を向上させることができる。

請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車速制御装置1において、補正成分更新記憶手段は、補正成分(局所補正係数Kv_i)を、相関性を反映させながら、誤差(車速偏差DV)を減少させると同時に、補正後車速(CC用車速Vcc)を用いてクルーズ制御を実行したときに車両Vに発生すると推定される加速度の絶対値が所定の最大値(最大許容加速度Gmax)未満になるように更新することを特徴とする。

この車速制御装置によれば、補正成分が、相関性を反映させながら、誤差を減少させると同時に、補正後車速を用いてクルーズ制御を実行したときに車両に発生すると推定される加速度の絶対値が所定の最大値未満になるように更新されるので、補正後車速を用いて、クルーズ制御を実行したときに、急激な加速状態が発生するのを回避することができる。特に、表示用車速算出手段の故障に伴って、表示用車速が急減したときでも、急激な加速状態が発生するのを回避することができる。それにより、クルーズ制御の制御性、安全性及び商品性をいずれも向上させることができる。

請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の車速制御装置1において、補正値算出手段は、補正値を、車速パラメータの複数の領域にそれぞれ対応する複数の補正成分(局所補正係数Kv_i)と、複数の領域にそれぞれ対応して設定された複数の関数値(重み関数値W_i)との積の総和として算出し、複数の関数値(重み関数値W_i)は、各関数値が対応する領域で同符号の値を示すとともに、隣り合う2つの関数値が車速パラメータ(コントローラ用車速Vecu)に対して互いに重なり合うように設定されていることを特徴とする。

この車速制御装置によれば、補正値が、車速パラメータの複数の領域にそれぞれ対応する複数の補正成分と、複数の領域にそれぞれ対応して設定された複数の関数値との積の総和として算出され、複数の関数値は、各関数値が対応する領域で同符号の値を示すとともに、隣り合う2つの関数値が車速パラメータに対して互いに重なり合うように設定されているので、補正後車速と表示用車速との間の相関性が車速パラメータに対して急変する特性を有している場合でも、そのような相関性の急変の影響を回避しながら、補正値すなわち補正後車速を算出することができる。それにより、クルーズ制御の制御性、安全性及び商品性をより一層、向上させることができる。

請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の車速制御装置1において、表示用車速算出手段は、補正成分更新記憶手段と別体に設けられ、表示用車速算出手段によって算出された表示用車速Vmeterを所定の送信周期で補正成分更新記憶手段に送信する送信手段(CAN通信ネットワーク8)をさらに備え、補正成分更新記憶手段は、所定の送信周期DTnに同期して補正成分(局所補正係数Kv_i)を更新し、記憶するように構成され、補正値算出手段は、補正値(車速補正係数Kv)を、所定の送信周期DTnよりも短い所定の制御周期DTkで算出することを特徴とする。

この車速制御装置によれば、補正成分は、表示用車速の送信周期に同期して更新され、記憶されるので、特許文献1の車速制御装置と異なり、補正成分の更新周期と表示用車速の送信周期の差異に起因して、補正成分がステップ状に変化したり、振動的な挙動となったりするのを回避することができる。また、補正値は、そのような補正成分を用いて、所定の制御周期で算出されるので、その算出精度を向上させることができ、良好な制御性を確保することができる。

請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の車速制御装置1において、車両Vの運転者の操作に伴って第1目標速度(CC用目標車速Vr_c)を設定する第1目標速度設定手段(FI・ECU2)と、車速及び車両Vの前方に位置する先行車両Vとの位置関係に応じて、第2目標速度(ACC用目標車速Vr_a)を設定する第2目標速度設定手段(FI・ECU2)と、をさらに備え、目標車速決定手段は、第1目標速度(CC用目標車速Vr_c)及び第2目標速度(ACC用目標車速Vr_a)の一方を目標車速Vrとして選択することを特徴とする。

この車速制御装置によれば、車両の運転者の操作に伴って第1目標速度が設定され、車速及び車両の前方に位置する先行車両との位置関係に応じて、第2目標速度が設定されるとともに、第1目標速度及び第2目標速度の一方が目標車速として選択されるので、第2目標速度が目標車速として選択されているときには、目標車速が、車速及び車両の前方に位置する先行車両との位置関係に応じて変化することになる。その場合、前述したように補正後車速が算出されるので、目標車速が変化したときでも、補正後車速を目標車速に精度よく追従させることができ、クルーズ制御を精度よく実行することができる。

本発明の一実施形態に係る車速制御装置及びこれを適用した車両の概略構成を模式的に示す図である。

車速制御装置の機能的な構成を示すブロック図である。

(a)コントローラ用車速に対するコントローラ用車速と表示用車速との偏差の関係と、(b)第1〜第4重み関数値の算出用マップの一例とを示す図である。

コントローラ用車速に対する、(a)コントローラ用車速と表示用車速との偏差、(b)第1重み関数値と第1局所補正係数の積、(c)第2重み関数値と第2局所補正係数の積、(d)第3重み関数値と第3局所補正係数の積、(e)第4重み関数値と第4局所補正係数の積、(f)車速補正係数の算出結果をそれぞれ示す図である。

クルーズ制御処理を示すフローチャートである。

補正後車速の算出処理を示すフローチャートである。

局所補正係数の更新処理を示すフローチャートである。

実施形態のクルーズ制御処理を実行したときの、車速偏差及び表示用車速のシミュレーション結果を示すタイミングチャートである。

比較のために、第1局所補正係数のみを更新し、第1重み関数値を値1に保持しながらクルーズ制御処理を実行したときの、車速偏差及び表示用車速のシミュレーション結果を示すタイミングチャートである。

以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車速制御装置について説明する。本実施形態の車速制御装置1は、図1に示す車両Vのクルーズ制御処理などを実行するものである。この車両Vは、4輪車両タイプのものであり(図示せず)、FI・ECU2、エンジン3、先行車検出装置4及び車速表示装置10などを備えている。

エンジン3は、動力源として車両Vに搭載されたガソリンエンジンタイプのものであり、その運転状態がFI・ECU2によって制御される。このエンジン3の吸気通路5には、スロットル弁機構6が設けられている。

スロットル弁機構6は、スロットル弁6a及びこれを開閉駆動するTHアクチュエータ6bなどを備えている。スロットル弁6aは、吸気通路の途中に回動自在に設けられており、当該回動に伴う開度の変化によりスロットル弁6aを通過する空気の流量を変化させる。THアクチュエータ6bは、ECU2に接続されたモータにギヤ機構(いずれも図示せず)を組み合わせたものであり、ECU2に電気的に接続されている。ECU2は、THアクチュエータ6bを駆動することによって、スロットル弁6aの開度を制御する。それにより、エンジン3の気筒内に吸入される吸入空気量が制御される。

また、FI・ECU2には、車速センサ20及びクルーズ制御スイッチ21が接続されている。この車速センサ20(車速検出手段)は、車両Vの速度である車速を検出して、それを表す車速検出信号をFI・ECU2に出力するとともに、この車速検出信号を、CAN通信ネットワーク8(通信手段)を介して、後述するメータ・ECU11にも出力する。

一方、クルーズ制御スイッチ21においては、運転者によって、クルーズ制御モードとして、CC制御モード又はACC制御モードが選択可能であるとともに、CC制御モード中の目標車速であるCC用目標車速Vr_c(第1目標車速)が設定可能に構成されている。

このCC制御モードは、車速を運転者によって設定されたCC用目標車速Vr_cになるように制御する制御モードであり、ACC制御モードは、後述するように、先行車検出装置4によって検出された先行車データに基づいて、車速を制御する制御モードである。このクルーズ制御スイッチ21からは、運転者による制御モードの選択状態やこのスイッチ21のON/OFF状態などの設定状態を表すスイッチ設定状態信号が、FI・ECU2に出力される。

さらに、前述した先行車検出装置4は、本出願人が特開2002−178786号で提案済みのものと同様に構成されているので、その詳細な説明はここでは省略するが、レーザー光を用いて、先行車両との車間距離、先行車両の方向及び相対速度などの先行車データを検出するものである。

この先行車検出装置4は、CAN通信ライン8を介して、FI・ECU2に接続されており、先行車検出装置4とFI・ECU2との間では、CAN(Controller Area Network)プロトコルによるデータ通信が実行される。それにより、先行車検出装置4で検出された先行車データは、CAN通信ライン8を介してFI・ECU2に送信される。

さらに、前述した車速表示装置10は、車速を表示するためのものであり、メータ・ECU11(表示用車速算出手段)及びスピードメータ12(車速表示部)を備えている。このメータ・ECU11は、CPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、CAN通信ライン8を介して、FI・ECU2に接続されている。

このメータ・ECU11は、CAN通信ライン8を介して、前述した車速検出信号が入力されると、それに基づいて、表示用車速Vmeterを算出し、この表示用車速Vmeterを表示するように、スピードメータ12を駆動するとともに、表示用車速Vmeterのデータ(以下「表示用車速データ」という)を、CAN通信ライン8を介して、FI・ECU2に出力する。

また、スピードメータ12の中央部には、CC用目標車速表示部12aが設けられている。FI・ECU2は、運転者によるクルーズ制御スイッチ21の操作によって、CC制御モード用の目標車速であるCC用目標車速Vr_cが設定されたときに、そのデータを、CAN通信ライン8を介して、車速表示装置10に送信する。それにより、CC用目標車速Vr_cがCC用目標車速表示部12aに表示される。

また、FI・ECU2は、CPU、RAM、E2PROM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、前述したスイッチ設定状態信号、車速検出信号、先行車データ及び表示用車速データに基づいて、後述するように、クルーズ制御処理などの各種の制御処理を実行する。

なお、本実施形態では、FI・ECU2が、コントローラ用車速算出手段、補正後車速算出手段、補正成分更新記憶手段、補正値算出手段、目標車速決定手段、クルーズ制御手段、第1目標速度設定手段及び第2目標速度設定手段に相当する。

次に、図2を参照しながら、本実施形態の車速制御装置1の機能的な構成について説明する。なお、以下の説明において、記号(k)付きの各離散データは、FI・ECU2により、所定の制御周期DTk(例えば10〜50msec)で算出又はサンプリングされたデータであることを示しており、記号(n)付きの各離散データは、FI・ECU2により、前述したCAN通信ライン8によるデータの通信周期DTnに同期した制御周期DTnで算出又はサンプリングされたデータであることを示している。

この場合、制御周期DTnは、CAN通信ライン8の通信周期に同期した値である関係上、制御周期DTkよりも大きい値に設定されており、本実施形態の場合、制御周期DTkの2倍の値2・DTkに設定されている。また、以下の説明では、各離散データにおける記号(k),(n)を適宜省略する。

同図に示すように、車速制御装置1は、クルーズコントローラ30及びメータコントローラ40を備えている。このクルーズコントローラ30は、具体的には、FI・ECU2によって構成されており、メータコントローラ40は、具体的には、メータ・ECU11によって構成されている。

このメータコントローラ40は、表示用車速算出部41を備えている。この表示用車速算出部41は、車速センサ20からの車速検出信号に基づき、所定の算出アルゴリズムを用いて、表示用車速Vmeterを算出し、この表示用車速Vmeterをスピードメータ12に出力する。それにより、表示用車速Vmeterがスピードメータ12に表示される。

また、表示用車速算出部41は、表示用車速Vmeterの算出結果を、前述した通信周期で、CAN通信ライン8を介して、クルーズコントローラ30の後述するCC用車速算出部32に送信する。

さらに、前述したように、クルーズ制御スイッチ21の操作によって、クルーズコントローラ30でCC用目標車速Vr_cが設定されたときには、このCC用目標車速Vr_cが、CAN通信ライン8を介して、クルーズコントローラ30からメータコントローラ40に送信される。それにより、CC用目標車速Vr_cがCC用目標車速表示部12aに表示される。

一方、クルーズコントローラ30は、コントローラ用車速算出部31、CC用車速算出部32、CC用目標車速読込部33、ACC用目標車速算出部34、目標車速選択部35及びTHコントローラ36を備えている。

このコントローラ用車速算出部31では、車速センサ20からの車速検出信号に基づき、所定の算出アルゴリズムを用いて、コントローラ用車速Vecuが、前述した制御周期DTkで算出され、CC用車速算出部32に出力される。

また、CC用車速算出部32は、上述したコントローラ用車速Vecuと、表示用車速算出部41から入力される表示用車速Vmeterとを用い、以下に述べる手法によって、CC用車速Vccを算出し、その算出結果をTHコントローラ36に出力する。

まず、下式(1)により、車速補正係数Kv(補正値)を算出した後、下式(2)により、CC用車速Vcc(補正後車速)を算出する。

上式(1)のKv_i(i=1〜4)は、第1〜第4局所補正係数(補正成分)であり、これらの局所補正係数Kv_iの更新アルゴリズム(すなわち算出アルゴリズム)については後述する。また、上式(1)のW_iは、第1〜第4重み関数値であり、これらの重み関数値W_iの値は、コントローラ用車速Vecuに応じて、図3(b)に示すマップを検索することにより算出される。

同図において、V1〜V3及びVmaxは、0

また、4つの重み関数値W_iの各々は、上述した対応する領域では値1以下の正値にかつそれ以外の領域では値0に設定されており、隣り合う各2つの重み関数値は、互いにオーバーラップするように設定されている。

さらに、図3(a),(b)に示すように、第2重み関数値W_2及び第3重み関数値W_3のピークポイントは、コントローラ用車速Vecuと表示用車速Vmeterとの偏差Vecu−Vmeterにおける変曲点に位置するように設定されている。これは、2つの重み関数値W_2,W_3のピークポイントを偏差Vecu−Vmeterの変曲点に位置するように設定した場合、変曲点以外に位置するように設定した場合と比べて、車速補正係数Kvを後述する理想値(図4(f)に破線で示す値)により近づけることができ、CC用車速Vccの表示用車速Vmeterへの追従性が向上するためである。

次に、前述した4つの局所補正係数Kv_i(i=1〜4)の更新アルゴリズムについて説明する。このCC用車速算出部32では、4つの局所補正係数Kv_iが、以下に述べる手法により、前述した制御周期DTnで更新される。これは、表示用車速Vmeterが、前述した通信周期で、表示用車速算出部41からCC用車速算出部32に送信されることによる。

まず、下式(3),(4)により、更新実行フラグF_Vcc_adjを算出する。

この式(3),(4)のV_Lは、所定の下限値であり、V_Hは所定の上限値である。

次いで、下式(5)により、更新用のCC用車速Vcc_hatを算出する。

さらに、下式(6),(7)により、追従誤差ev_adpを算出する。

また、下式(8)に示す固定ゲイン法の同定アルゴリズムによって、追従誤差ev_adpが最小になるように、修正項dKv_unlmtを算出する。

この式(8)のKadp_vは、所定ゲイン(一定値)である。この場合、修正項dKv_unlmtは、追従誤差ev_adpが最小になるように算出されるので、更新用のCC用車速Vcc_hatを、表示用車速Vmeterに追従させるように算出されることになる。すなわち、修正項dKv_unlmtは、CC用車速Vccを表示用車速Vmeterに追従させるように算出される。また、上述した式(7)に示すように、更新実行フラグF_Vcc_adj=0のときには、追従誤差ev_adpが値0に設定されるので、修正項dKv_unlmt=0となる。

一方、加速度制限値max_dKv_absを、下式(9)により算出する。

この式(9)において、Gmaxは所定の最大許容加速度(最大値)であり、Kは所定の換算係数である。この加速度制限値max_dKv_absは、4つの局所補正係数Kv_iを用いてクルーズ制御を実行したときに、運転者が違和感を感じるような急加速状態/急減速状態の発生を回避するための値である。

次いで、下式(10)〜(12)により、制限済み修正項dKv_lmtを算出する。

上式(10)〜(12)に示すように、制限済み修正項dKv_lmtは、その絶対値が加速度制限値max_dKv_absを超えないように算出されるので、これを用いてクルーズ制御を実行したときに、運転者が違和感を感じるような急加速状態/急減速状態の発生を回避できる値として算出されることになる。

さらに、下式(13)により、4つの局所修正項dKv_w_i(i=1〜4)を算出する。

この式(13)に示すように、4つの局所修正項dKv_w_iは、4つの重み関数値W_iを制限済み修正項dKv_lmtに乗算することによって算出される。

そして、最終的に、下式(14)により、4つの局所補正係数Kv_i(i=1〜4)が算出される。

この式(14)に示すように、4つの局所補正係数Kv_iは、それらの前回値Kv_i(n−1)を、4つの局所修正項dKv_w_iで修正することによって更新される。以上の更新アルゴリズムより、4つの局所補正係数Kv_iは、コントローラ用車速Vecuの前述した第1〜第4領域の各々において、更新用のCC用車速Vcc_hatと表示用車速Vmeterとの相関性、すなわちCC用車速Vccと表示用車速Vmeterとの相関性が反映された機能と、CC用車速Vccを表示用車速Vmeterに追従させる機能と、運転者が違和感を感じるような急加速状態/急減速状態の発生を回避できる機能とを備えた値として算出されることになる。なお、前述したように、更新実行フラグF_Vcc_adj=0のときには、修正項dKv_unlmt=0となるので、4つの局所補正係数Kv_iは、更新されず、それらの前回値に保持される。

以上の更新アルゴリズムよって4つの局所補正係数Kv_iを更新した場合、図4に示すように、車速補正係数Kvが算出されることになる。すなわち、コントローラ用車速Vecuが値0〜所定値V3との間で変化するのに伴って、コントローラ用車速Vecuと表示用車速Vmeterとの偏差Vecu−Vmeterが図4(a)に示す状態で発生した場合、4つの局所補正係数Kv_iと4つの重み関数値W_iの積Kv_i・W_iは、図4(b)〜図4(e)に示すように算出される。

この場合、4つの積Kv_i・W_iの各々は、4つの局所補正係数Kv_iが上述した機能を備えていることにより、コントローラ用車速Vecuの前述した第1〜第4領域の各々において、CC用車速Vccと表示用車速Vmeterとの相関性が反映された機能と、前述したような急加速状態/急減速状態の発生を回避できる機能と、CC用車速Vccを表示用車速Vmeterに追従させる機能とを備えた値として算出されることになる。

そして、車速補正係数Kvは、前述した式(1)により、4つの積Kv_i・W_iの総和として算出される関係上、図4(f)に示すように算出されることになる。なお、同図4(f)において破線で示す曲線は、偏差Vecu−Vmeterを最適に補正可能な車速補正係数Kvの理想値を示している。この理想値と車速補正係数Kvを比較すると明らかなように、車速補正係数Kvが、ほぼ理想値に近い値として算出されていることが判る。すなわち、車速補正係数Kvを、4つの局所補正係数Kv_iと4つの重み関数値W_iの積Kv_i・W_iを用いて算出することによって、CC用車速Vccの算出精度を向上させることができることが判る。

また、CC用車速算出部32では、以上のように、4つの局所補正係数Kv_iが制御周期DTnで更新され、これら4つの局所補正係数Kv_iの更新結果は、エンジン運転中は、FI・ECU2のRAM内に記憶されるとともに、運転者のイグニッション・スイッチOFFによるエンジン停止制御時には、E2PROM内に記憶される。それにより、エンジン停止後の次回のエンジン始動時、FI・ECU2のE2PROM内に記憶された4つの局所補正係数Kv_iのデータを使用して、4つの局所補正係数Kv_iの更新を開始することができる。

さらに、前述した式(1)に示すように、車速補正係数Kvは、制御周期DTnよりも短い制御周期DTkで算出されるので、RAM内に記憶されている4つの局所補正係数Kv_iのオーバーサンプリング値を用いて算出される。

次に、前述したCC用目標車速読込部33は、クルーズ制御スイッチ21からのスイッチ設定状態信号に基づき、CC制御モードが選択されているときには、運転者によって設定されたCC用目標車速Vr_cを制御周期DTkで読み込み、読み込んだCC用目標車速Vr_cを目標車速選択部35に出力すると同時に、このCC用目標車速Vr_cを、前述したように、CAN通信ライン8を介して、メータコントローラ40に送信する。

一方、前述したACC用目標車速算出部34は、クルーズ制御スイッチ21からのスイッチ設定状態信号と、先行車検出装置4からの先行車データとに基づき、ACC制御モードが選択されているときには、所定の制御アルゴリズムを用いて、ACC用目標車速Vr_a(第2目標車速)を制御周期DTkで算出し、目標車速選択部35に出力する。この場合、前述したように、先行車データは、制御周期DTkよりも長い送信周期DTnで送信されるので、ACC用目標車速算出部34では、先行車データのオーバーサンプリング値を用いて、ACC用目標車速Vr_aが算出される。

さらに、前述した目標車速選択部35は、クルーズ制御スイッチ21からのスイッチ設定状態信号に基づき、制御周期DTkで、CC用目標車速Vr_c及びACC用目標車速Vr_aの一方を目標車速Vrとして選択し、その選択結果をTHコントローラ36に出力する。この場合、クルーズ制御モードとして、CC制御モードが選択されているときには、CC用目標車速Vr_cが目標車速Vrとして選択される一方、ACC制御モードが選択されているときには、ACC用目標車速Vr_aが目標車速Vrとして選択される。

そして、前述したTHコントローラ36では、所定の制御アルゴリズムを用いて、CC用車速Vccが目標車速Vrになるように、制御入力Uthが制御周期DTkで算出され、この制御入力Uthに対応する制御入力信号がTHアクチュエータ6bに供給される。それにより、CC用車速Vccが目標車速Vrになるように、スロットル弁6aの開度が制御される。すなわち、クルーズ制御が実行される。

次に、図5を参照しながら、クルーズ制御処理について説明する。このクルーズ制御処理は、前述した制御手法で制御入力Uthを算出するものであり、FI・ECU2により前述した制御周期DTkで実行される。なお、このクルーズ制御処理で算出・設定される各種の値はFI・ECU2のRAM内に記憶されるものとする。

同図に示すように、まず、ステップ1(図では「S1」と略す。以下同じ)で、クルーズ制御許可フラグF_Acc_OKが「1」であるか否かを判別する。このクルーズ制御許可フラグF_Acc_OKは、図示しない判定処理において、前述した先行車検出装置4などの各機器が正常に動作中のときに「1」に設定され、それ以外のときには「0」に設定される。

このステップ1の判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ1の判別結果がYESのとき、すなわち、各機器が正常に動作中で、クルーズ制御処理を実行可能なときには、ステップ2に進み、前述したスイッチ設定状態信号に基づき、クルーズ制御スイッチ(図では「CC・SW」と表記)21がON状態にあるか否かを判別する。

この判別結果がNOのときには、クルーズ制御処理を実行する必要がないと判定して、そのまま本処理を終了する。

一方、ステップ2の判別結果がYESのときには、クルーズ制御処理を実行すべきであると判定して、ステップ3に進み、前述したスイッチ設定状態信号に基づき、クルーズ制御モードとして、ACC制御モードが選択されているか否かを判別する。

この判別結果がYESで、ACC制御モードが選択されているときには、ステップ4に進み、前述したように、スイッチ設定状態信号及び先行車データに基づき、所定の制御アルゴリズムを用いて、ACC用目標車速Vr_aを算出する。次いで、ステップ5に進み、目標車速VrをACC用目標車速Vr_aに設定する。

一方、ステップ3の判別結果がNOで、CC制御モードが選択されているときには、ステップ6に進み、CC用目標車速Vr_cをスイッチ設定状態信号から読み込む。次いで、ステップ7に進み、目標車速VrをCC用目標車速Vr_cに設定する。

以上のステップ5又は7に続くステップ8で、CC用車速Vccを算出する。このCC用車速Vccは、具体的には、図6に示すように算出される。

同図に示すように、まず、ステップ10で、車速検出信号に基づき、コントローラ用車速Vecuを算出する。

次いで、ステップ11に進み、RAM内に記憶されている4つの局所補正係数Kv_iを読み込む。なお、今回の制御タイミングがエンジン始動直後である場合には、前述したように、E2PROM内に記憶されている4つの局所補正係数Kv_iを読み込む。

次いで、ステップ12に進み、コントローラ用車速Vecuに応じて、前述した図3(b)のマップを検索することにより、4つの重み関数値W_iを算出する。

ステップ12に続くステップ13で、前述した式(1)により、車速補正係数Kvを算出する。

次いで、ステップ14に進み、CC用車速Vccを車速補正係数Kvとコントローラ用車速Vecuの積Kv・Vecuに設定した後、本処理を終了する。

図5に戻り、ステップ8で、CC用車速Vccを以上のように算出した後、ステップ9に進み、前述したように、所定の制御アルゴリズムを用いて、CC用車速Vccが目標車速Vrになるように、制御入力Uthを算出した後、本処理を終了する。以上により、CC用車速Vccが目標車速Vrになるように、スロットル弁6aの開度が制御される。

次に、図7を参照しながら、4つの局所補正係数Kv_iの更新処理について説明する。この更新処理は、FI・ECU2により前述した制御周期DTnで実行されるとともに、クルーズ制御処理の実行タイミングでは、これに同期してクルーズ制御処理に続けて実行される。なお、この更新処理で更新される局所補正係数Kv_iの値は、前述したように、エンジン運転中は、FI・ECU2のRAM内に記憶されるとともに、運転者のイグニッション・スイッチOFFによるエンジン停止制御時には、FI・ECU2のE2PROM内に記憶される。

同図に示すように、まず、ステップ20で、RAM内に記憶されている車速補正係数Kv及びコントローラ用車速Vecuを読み込む。この場合、2つの値Kv,Vecuは、前述した制御周期DTkで算出されるので、2つの値Kv,Vecuのダウンサンプリング値を読み込むことになる。

次いで、ステップ21に進み、V_L≦Vecu≦V_Hが成立しているか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ステップ22に進み、前述した更新実行フラグF_Vcc_adjを「1」に設定する。

一方、ステップ21の判別結果がNOのときには、ステップ23に進み、更新実行フラグF_Vcc_adjを「0」に設定する。

以上のステップ22又は23に続くステップ24で、前述した式(5)により、更新用のCC用車速Vcc_hatを算出する。

次いで、ステップ25に進み、前述した式(6),(7)により、追従誤差ev_adpを算出する。

次に、ステップ26で、前述した式(8)により、修正項dKv_unlmtを算出する。

ステップ26に続くステップ27で、前述した式(9)により、加速度制限値max_dKv_absを算出する。

次いで、ステップ28に進み、前述した式(10)〜(12)により、制限済み修正項dKv_lmtを算出する。

次に、ステップ29で、コントローラ用車速Vecuに応じて、前述した図3(b)のマップを検索することにより、4つの重み関数値W_iを算出する。

ステップ29に続くステップ30で、前述した式(13)により、4つの局所修正項dKv_w_iを算出する。

次いで、ステップ31に進み、前述した式(14)により、4つの局所補正係数Kv_iを算出した後、本処理を終了する。

次に、以上のように構成された本実施形態の車速制御装置1によるクルーズ制御のシミュレーション結果(以下「制御結果」という)について説明する。まず、図8は、本実施形態の制御結果(以下「本制御結果」という)を示している。この図8におけるDVは、車速偏差(誤差)であり、CC用車速Vccと表示用車速Vmeterとの偏差Vcc−Vmeterに相当する。この点は以下の図9においても同様である。

また、図9は、比較のために、車速補正係数Kvの前述した算出式(1)と、前述した4つの局所補正係数Kv_iの更新アルゴリズムの算出式(13)とにおいて、第1重み関数値W_1をコントローラ用車速Vecuとは無関係に一定値1に保持し、3つの重み関数値W_2〜4を値0に保持するとともに、表示用車速Vmeterを本制御結果と同一の振幅及び周期で変化させた場合の制御結果(以下「比較制御結果」という)を示している。

この比較制御結果の場合、前述した式(1)では、Kv=Kv_1が成立することになるとともに、前述した4つの局所補正係数Kv_iの算出式(14)では、第1局所補正係数Kv_1のみが算出され、更新されることになる。

両図を参照すると明らかなように、比較制御結果の場合、表示用車速Vmeterが変動するのに伴って、比較的大きな車速偏差DVが発生しているのに対して、本制御結果の場合、表示用車速Vmeterが変動したときでも、車速偏差DVの発生度合いを比較制御結果よりも抑制できており、表示用車速Vmeterに対するCC用車速Vccの追従性が向上していることが判る。

また、比較制御結果の場合、時刻t10において、表示用車速Vmeterがステップ状に変化した際、それ以降の車速偏差DVの値0への収束時間が極めて短いのに対して、本制御結果の場合、時刻t1において、表示用車速Vmeterがステップ状に変化したときでも、それ以降の車速偏差DVの値0への収束時間が、比較制御結果よりも長くなっていることが判る。すなわち、メータ・ECU11の故障などに起因して、表示用車速Vmeterの値が急変したときでも、CC用車速Vccが急変するのを抑制できており、クルーズ制御において、運転者の意図しない急加速状態などが発生するのを抑制できることが判る。

以上のように、本実施形態の車速制御装置1によれば、メータコントローラ40においては、車速検出信号に基づき、表示用車速Vmeterが算出され、その算出結果が所定の通信周期DTnで、クルーズコントローラ30に送信される。また、クルーズコントローラ30では、所定の制御周期DTkで、車速検出信号に基づいて、コントローラ用車速Vecuを算出し、E2PROM内に記憶されている4つの局所補正係数Kv_iの各々と4つの重み関数値W_iの各々の積Kv_i・W_iの総和として、車速補正係数Kvを算出するとともに、車速補正係数Kvをコントローラ用車速Vecuに乗算することによって、CC用車速Vccが算出される。そして、CC用車速Vccが目標車速Vrになるように、クルーズ制御が実行される。

この場合、4つの局所補正係数Kv_iは、前述したように、式(3)〜(14)に示す更新アルゴリズムによって更新され、E2PROM内に記憶されるので、コントローラ用車速Vecuの前述した第1〜第4領域の各々において、CC用車速Vccと表示用車速Vmeterとの相関性が反映された機能と、CC用車速Vccを表示用車速Vmeterに追従させる機能と、運転者が違和感を感じるような急加速状態/急減速状態の発生を回避できる機能とを備えた状態で、E2PROM内に記憶されていることになる。

そして、E2PROM内に記憶されている4つの局所補正係数Kv_iの各々と4つの重み関数値W_iの各々の積の総和として、車速補正係数Kvが算出され、これをコントローラ用車速Vecuに乗算することによってCC用車速Vccが算出されるので、このCC用車速Vccを用いてクルーズ制御を実行したときに、特許文献1の車速制御装置と異なり、クルーズ制御の開始直後においても、CC用車速Vccが目標車速Vrに対して定常偏差を生じることがないとともに、その状態からクルーズ制御が実行されることで、表示用車速Vmeterを目標車速Vrに迅速に到達させることができる。特に、4つの局所補正係数Kv_iはE2PROM内に記憶されるので、エンジン3の始動時から、CC用車速Vccを目標車速Vrに対して定常偏差を生じることがない状態で算出することができる。それにより、クルーズ制御の制御性及び商品性を向上させることができる。

また、4つの局所補正係数Kv_iの、上述した急加速状態/急減速状態の発生を回避できる機能により、クルーズ制御を実行したときに、急加速状態/急減速状態が発生するのを回避することができる。特に、メータ・ECU11の故障などに伴って、表示用車速Vmeterが急減したときでも、急加速状態/急減速状態が発生するのを回避することができる。それにより、クルーズ制御の制御性、安全性及び商品性をいずれも向上させることができる。

さらに、4つの重み関数値W_iの各々は、対応するコントローラ用車速Vecuの領域において、同一符号の値(正値)を示すとともに、隣り合う2つの重み関数値W_iは、コントローラ用車速Vecuに対して互いに重なり合うように設定されているので、CC用車速Vccと表示用車速Vmeterとの間の相関性がコントローラ用車速Vecuに対して急変する特性を有している場合でも、そのような相関性の急変の影響を回避しながら、車速補正係数Kvを算出することができ、CC用車速Vccを算出することができる。それにより、クルーズ制御の制御性、安全性及び商品性をより一層、向上させることができる。

また、4つの局所補正係数Kv_iは、表示用車速Vmeterの送信周期に同期して更新され、記憶されるので、特許文献1の車速制御装置と異なり、4つの局所補正係数Kv_iの更新周期と表示用車速Vmeterの送信周期の差異に起因して、4つの局所補正係数Kv_iがステップ状に変化したり、振動的な挙動となったりするのを回避することができる。

さらに、クルーズ制御においてACC制御モードが選択されている場合、ACC用目標車速Vr_aが目標車速Vrとして選択されるので、目標車速Vrは、前述した先行車データに応じて変化することになる。そのように目標車速Vrが変化した場合でも、前述したように、CC用車速Vccが表示用車速Vmeterに追従するように算出されることで、表示用車速Vmeterを目標車速Vrに精度よく追従させることができ、クルーズ制御を精度よく実行することができる。

なお、実施形態は、本発明の車速制御装置を4輪タイプの車両に適用した例であるが、本発明の車速制御装置はこれに限らず、1〜3輪車や、6輪以上の車両にも適用可能である。

また、実施形態は、車速パラメータとして、コントローラ用車速Vecuを用いた例であるが、本発明の車速パラメータはこれに限らず、車速を表すものであればよい。例えば、車速パラメータとして、表示用車速Vmeterを用いてもよく、車速検出信号から算出した値を用いてもよい。

さらに、実施形態は、補正後車速と表示用車速との間の誤差として、偏差Vcc−Vmeterを用いた例であるが、本発明の誤差はこれに限らず、補正後車速と表示用車速との間の誤差を表すものであればよい。例えば、誤差として、偏差Vmeter−Vccや偏差の絶対値|Vmeter−Vcc|を用いてもよく、補正後車速と表示用車速の比(Vcc/Vmeter)又はその逆数(Vmeter/Vcc)を用いてもよい。このように、補正後車速と表示用車速の比又はその逆数を誤差として用いた場合、「誤差を減少させること」は、「補正後車速と表示用車速の比又はその逆数を値1に収束させること」に相当する。

一方、実施形態は、車両の動力源として、ガソリンエンジン3を用いた例であるが、本発明の動力源はこれに限らず、動力を発生するものであればよい。例えば、動力源として、軽油、LPG又は混合燃料を燃料する内燃機関や、電気モータ、電気モータ及び内燃機関を組み合わせて用いてもよい。

また、実施形態は、クルーズ制御の手法として、スロットル弁6aの開度すなわち吸入空気量を制御する手法を用いた例であるが、本発明のクルーズ制御の手法はこれに限らず、補正後車速が目標車速になるように動力源を制御する手法であればよい。例えば、補正後車速が目標車速になるように、動力源の発生トルクを制御してもよく、動力源が内燃機関である場合には、内燃機関の燃料量を制御してもよい。

さらに、実施形態は、車速表示部として、スピードメータ12を用いた例であるが、本発明の車速表示部はこれに限らず、車速を表示するものであればよい。例えば、車速表示部として、デジタル表示式(すなわちLEDやLCDタイプ)の車速表示部などを用いてもよい。

一方、実施形態は、コントローラ用車速算出手段としてのFI・ECU2と、表示用車速算出手段としてのメータ・ECU11とを別体に設けた例であるが、本発明の車速制御装置においては、コントローラ用車速算出手段及び表示用車速算出手段を一体に設けてもよい。その場合には、コントローラ用車速算出手段として、表示用車速とは別個のコントローラ用車速を算出するものを用いればよい。

V 車両 1 車速制御装置 2 FI・ECU(コントローラ用車速算出手段、補正後車速算出手段、補正成分更 新記憶手段、補正値算出手段、目標車速決定手段、クルーズ制御手段、第1目標 速度設定手段、第2目標速度設定手段) 3 エンジン(動力源) 8 CAN通信ライン(通信手段) 11 メータ・ECU(表示用車速算出手段) 12 スピードメータ(車速表示部) 20 車速センサ(車速検出手段) Vmeter 表示用車速 Vecu コントローラ用車速 Kv 車速補正係数(補正値) Vcc CC用車速(補正後車速) DV 車速偏差(誤差) Kv_i 局所補正係数(補正成分) Vr 目標車速 Gmax 最大許容加速度(所定の最大値) DTn 所定の通信周期 DTk 所定の制御周期 Vr_c CC用目標車速(第1目標速度) Vr_a ACC用目標車速(第2目標速度)

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