開閉イベントの信頼できる検出のための方法と装置

申请号 JP2017522095 申请日 2015-10-14 公开(公告)号 JP2017533430A 公开(公告)日 2017-11-09
申请人 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V.; コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V.; 发明人 カテ ワーナー ルドルフ テオフィル テン; カテ ワーナー ルドルフ テオフィル テン;
摘要 センサにより生成される出 力 信号 を用いたドア若しくは引き出しの開閉の確実かつ正確な検出のための方法が提供され、出力信号は経時的なセンサの 加速 度を直接若しくは間接的にあらわす。加速度に対する曲線下面積、若しくはその表現が決定され、所定閾値との計算される面積の比較を通じて運動イベントの発生が識別される。対応する合計の全要素が同符号であり、結果としてのエリア信号が最大振幅を持つように、加速度曲線のゼロ交差点間に張る面積が考慮される。所与の時間分離内に生じる、実質的に等しい及び反対のエリア信号のペアが求められ得、これらは開閉運動に特徴的であり、第一の方向における第一の加速度と、続く反対方向における第二の加速度とから成る。開閉イベントの信頼できる検出のための装置も提供される。
权利要求

運動センサの運動に依存するセンサ信号を提供可能な当該運動センサを用いて開閉イベントを検出するための方法であって、 a)前記センサ信号を経時的に取得するステップと、 b)前記運動センサの加速度がゼロを交差することを前記センサ信号が示す、交差時点を決定するステップと、 c)前記運動センサの加速度対時間の曲線下面積をあらわすエリア信号を導出するステップと、 d)前記エリア信号と一つ以上の閾値との比較に基づいて開閉イベントを検出するステップと を有する方法。前記開閉イベントを検出するステップが、前記一つ以上の閾値を超える、正の加速度に関連するエリア信号を識別するステップと、前記一つ以上の閾値を超える、負の加速度に関連する後続エリア信号が存在するかどうかを各々について決定するステップとを有する、請求項1に記載の方法。前記センサ信号を取得するステップが、まずセンサ出を取得し、その後当該出力を処理して単一方向成分を抽出するステップを有し、当該方向は前記センサの運動方向に対応する、請求項1から2のいずれか一項に記載の方法。前記センサ信号を取得するステップが、 センサ出力ベクトルを取得するステップと、 前記センサの運動方向をあらわす第二のベクトルを定義するステップと、 その後前記第二のベクトルについて前記センサ出力ベクトルへ内積演算を実行するステップと を有する、請求項3に記載の方法。前記センサの運動方向をあらわす第二のベクトルを定義するステップが、取得される前記センサ出力ベクトルの一つ以上の成分に対し主成分分析のプロセスを実行するステップを有する、請求項4に記載の方法。前記センサ出力ベクトルを取得するステップが、まず三次元の初期出力ベクトルを取得し、その後当該初期出力ベクトルを処理して重力方向に垂直な面内の成分を抽出するステップを有する、請求項5に記載の方法。一つ以上のセンサ出力の分析を通じて前記運動センサに対する重力方向を決定するステップをさらに有する、請求項6に記載の方法。運動センサの運動に依存するセンサ信号を提供可能な当該運動センサを用いて開閉イベントを検出する方法であって、 前記センサ信号を経時的に取得するステップと、 平軸まわりの任意の回転開閉イベントの発生を前記センサ信号の分析により検出するステップと、 水平軸まわりの開閉イベントの発生が検出されない場合、その後請求項1−7のいずれか一項に記載の方法に従って開閉イベントを検出するステップと を有する、方法。前記水平軸まわりの回転開閉イベントの発生を検出するステップが、 前記運動センサに対する経時的な重力方向を決定するように前記センサ信号を分析するステップと、 決定される前記重力方向における経時的な変化を検出するステップと、 検出される前記変化と一つ以上の閾値との比較に基づいて回転開閉イベントの発生を検出するステップと を有する、請求項8に記載の方法。検出される開閉イベント各々について決定される重力方向ベクトル間で一つ以上のベクトル積演算を実行すること、並びに、連続検出されるイベントについて前記一つ以上のベクトル積演算の結果の符合を比較することにより方向性の変化を識別することによって、連続検出される開閉イベントの方向性の変化を識別するステップとをさらに有する、請求項9に記載の方法。コンピュータ上で実行されるときに、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施するように適応されるプログラムコード命令を有することを特徴とする、通信ネットワークからダウンロード可能な、並びに/或いは、コンピュータ可読及び/又はマイクロプロセッサ実行可能媒体上に保存される、コンピュータプログラム製品。信号を経時的に取得するステップが加速度計を使用するステップを有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。開閉イベントの検出用装置であって、 可動オブジェクトに取り付けられるように適応される運動センサと、 一つ以上のセンサ出力を分析し、当該分析から開閉イベントの発生を検出するための処理素子とを有し、当該処理素子は、 前記センサの運動に依存する信号を経時的に取得し、 前記運動センサの加速度がゼロを交差することを前記センサ信号が示す、交差時点を決定し、 前記運動センサの加速度対時間の曲線下面積をあらわすエリア信号を導出し、各エリア信号は連続交差時点間で導出され、 前記エリア信号と一つ以上の閾値との比較に基づいて開閉イベントを検出するように適応される、 装置。前記処理素子が、前記運動センサの既知の軸と一致する前記運動センサの主運動方向を仮定するように適応される、請求項13に記載の開閉イベントの検出用装置。前記センサが加速度計であり、前記開閉イベントが例えば第一の方向の第一の加速度と、続く第二の反対の方向の第二の加速度とによって特徴付けられる、請求項13又は14に記載の開閉イベントの検出用装置。

说明书全文

本発明はドア若しくは引き出しと関連する開閉イベントの信頼できる検出のための方法と装置に関する。本発明は方法を実施するためのコンピュータプログラム製品にも関する。

独り暮らしをする能を失っている高齢者の健康と福祉をモニタリングするスマートホーム環境が導入されている。かかるシステムは通常、日々の活動のモニタリングのために家庭内の様々な場所に取り付けられる複数のセンサを有する。例えば、そうした空間内の人の存在若しくは動きを検出するPIRセンサが一つ以上の部屋に取り付けられ得る。

かかるシステムに共通する一特徴は、ドアの開閉のモニタリングのための一つ以上のセンサ配列の提供である。例えば、玄関ドアに組み込まれるかかるセンサ配列は、高齢者が例えば異常な若しくは危険な時間に家を出ているかどうか、及び家を出ているときを検出するために使用され得る。別の例において、センサは入浴及び排泄挙動がモニタリングされ得るように浴室若しくはトイレのドアに取り付けられ得る。台所の戸棚、キャビネット及び引き出し、又は冷蔵庫のドア若しくはパン入れにも取り付けられ、かかるセンサは食習慣についての情報を提供するために使用され得る。

このようなドアの開閉のモニタリングは機械式ドアスイッチによって実行され得る。これらはドアフレーム若しくはドア自体のいずれかに取り付けられ、ドアが完全に閉められるときに機械的に駆動され、ドアが開かれるときに機械的に解除される。

機械式ドアスイッチの一つの欠点は、ドアが完全に閉められること若しくは完全に閉められないことの検出には信頼性が高いが、他の種類の部分的な開閉イベントをモニタリングするためには使用できないことである。例えば、半開から全開まで、若しくはわずかに少し開いた(ajar)状態からより十分に少し開いた状態まで、ドアの動きを検出できることが望ましい。同様に、ドアが完全に押して閉められない場合でも閉イベントを検出する能力を持つことが望ましい。

機械式スイッチの別の欠点は、スイッチがドアの全閉を妨げたりドアと完全に接触し損なったりしないことを保証するために、熟練者による設置を要することである。

典型的に、これらの問題は、ドア若しくは引き出しに取り付けられる、加速度を検出する若しくは加速度について知らせる能力を持つセンサ、例えば加速度計若しくは磁力計を代わりに用いて克服される。これらは設置に特別な技術を必要とせず、関係のあるドア若しくは引き出しのいかなる部分にも例えば介護者によって取り付けられ得る。

しかしながら、従来技術の加速度ベースのドアセンサの主な欠点は、一般に開閉イベントの検出の信頼性に劣ることである。可動オブジェクトに取り付けられるセンサからの出力信号は開閉イベントと無関係のノイズレベル若しくは信号変動に匹敵するピーク強度を示し得る。

US2013/327142は、加速度の測定及び閾値との比較に基づいて力によるドアの開放を検出する方法を開示する。このシステムは暴力的な動きを検出することしかできず、通常の開閉イベントを検出することができない。

従って運動センサの出力信号から、センサが取り付けられるドア若しくは引き出しの通常開閉を検出する方法であって、これらの運動イベントが信号によって伝えられるバックグラウンドノイズから確実かつ正確に解放される方法が望ましい。

より信頼できる検出方法を提供することが本発明の目的である。本発明は独立請求項によって定義される。従属請求項は有利な実施形態を定義する。

本発明によれば、運動センサを用いて開閉イベントを検出するための方法が提供される。経時的に取得されるセンサ信号はセンサの動きに依存する。

本発明は、運動イベントの発生の確実かつ正確な検出のために、積分された、若しくは同様に合計されたセンサ信号を用いるという原理に基づく。信号は運動センサから経時的に捕捉され、信号は加速度値を直接若しくは間接的にあらわす。これが間接的にあらわす場合、直接あらわす加速度信号を導き出すよう何らかの追加処理が適用され得る。運動イベントの発生は加速度信号強度直接ではなく、ゼロ交差点間の信号曲線下面積、又はその表現の分析によって検出される。曲線下面積の分析は、強度とは対照的に、信号強度がノイズに対して非常に低いときでも運動イベントの確実な検出を可能にする。これは特に例えばドア若しくは引き出しの回転若しくはスライド開閉イベントに当てはまる。

開閉イベントは典型的にセンサの静止ノイズ信号中のわずかなシフトとしてのみあらわれ得る。ゼロ交差間の信号値の合計若しくは積分をとることは存在する任意のシフト信号を効果的に増幅する。典型的に、ゼロ交差間の間隔の長さと信号強度の大きさの両方が、静止中と比較して運動中に増加する。従って曲線下面積は、当然これらの効果両方を考慮して、信号強度のみの分析よりもかかる運動イベントの検出において大きな感度を提供し得る。さらに、ゼロ交差点間のみを合計することによって、合計中の全サンプルが等しい符号を持つので積分が最大になり、従って運動イベントがバックグラウンドノイズからより容易に識別可能である。

一つ以上の閾値とのエリア信号の比較に基づく開閉イベントの検出は、一つ以上の閾値を超える、正加速度(すなわち増速)に関連するエリア信号を識別すること、及び一つ以上の閾値を超える、負加速度(すなわち減速)に関連する後続エリア信号が存在するかどうかを各々について決定することを有し得る。

開閉イベントは典型的に、実質的に等しい及び反対の加速度イベントのペアの発生によって特徴付けられる:ドア若しくは引き出しが静止状態から最初に動かされる際の第一の方向の第一の加速度、少し後に続くドア若しくは引き出しが開位置若しくは閉位置のいずれかで止まる際の反対方向の第二の加速度。

例えば互いに何らかの既定閾値時間内に生じる実質的に等しい及び反対の信号のかかる特徴的なペアを探すことによって、バックグラウンドノイズ、誤ノック、若しくは他の自然な非ユーザ誘導運動イベントと対照的に、真の開閉イベントの検出におけるより大きな精度が保証され得る。

信号の取得は、センサ出力をまず取得し、その後当該出力を処理して信号方向成分を抽出することを有し、方向はセンサの運動方向に対応する。

典型的な運動センサは例えば二若しくは三の空間次元で動きをあらわす出力信号を提供し得る一方で、一つの主運動方向に対応する動きデータのみが開閉イベントの決定に関与する。開閉イベントの発生によって生じるセンサ信号中のシフトは、運動イベントが生じた方向に対応する信号成分にのみあらわれる。これらのイベントの検出におけるより大きな感度と精度は、センサによって生成される任意のより広い出力からこの一成分を抽出することによって保証され得る。

より具体的には、信号の取得は: センサ出力ベクトルを取得すること; センサの運動方向をあらわす第二のベクトルを定義すること; その後第二のベクトルに対する上記センサ出力ベクトルへの内積演算を実行すること を有し得る。

第二のベクトルが正規化される場合、出力ベクトルとの内積はセンサの主運動方向における出力ベクトルの成分をあらわす信号値を生成する。そしてこれらの成分値は残りの方法内で後に利用される信号の値を追加投入するために使用され得る。

一実施形態において、センサの運動方向をあらわす第二のベクトルは、取得されるセンサ出力ベクトルの一つ以上の成分に対し主成分分析のプロセスを実行することによって定義される。

この場合、センサに対する運動方向は方法の一部として自動的に計算されるので、いかなる運動センサの配向若しくは配置でも方法が実行され得る。代替的に、方法は特定の規定(相対)運動方向に合わせられなければならず、方法が有効であるために運動センサが特定配向で位置合わせされることを要する。

これに加えて、センサ出力ベクトル自体を取得することは、初期三次元出力ベクトルをまず取得し、その後当該初期出力ベクトルを処理して重力方向に垂直な面内の成分を抽出することを有し得る。

センサの主運動方向が、回転若しくは線形のいずれにせよ、(重力に対して)平面内にある場合は、重力加速度によって生成されるいかなる信号も、3Dセンサ出力から、重力方向に垂直な面へのこの出力の射影によってフィルタリングされ得る。そして任意の所定時間における主運動方向に対応する信号成分を抽出するように合成2D出力ベクトルが上記に従って分析され得る。

この目的で、重力方向に垂直な面を張る基底ベクトルの直交ペアが定義され得る。二次元センサ出力ベクトルはこれら二つの基底ベクトルの線形結合で表現できる。二次元センサ出力ベクトルの二成分の各々は、次に三次元センサ出力ベクトルと二つの定義された基底ベクトルの各々との内積をとることによって求められ得る。このように、重力と垂直な面内のみの動きに対応するセンサ出力が選択される。

運動センサに対する重力方向は一つ以上のセンサ出力の分析を通じて決定され得る。例えば、重力信号をバックグラウンドノイズから解放するためにローパスフィルタが適用され得、その後者は典型的にはセンサ出力内の高周波数トレースとしてあらわれる。

センサの主運動方向が垂直面内(すなわち重力方向と平行な面内)である場合、上記運動検出の方法の有効性は限られ得る。開閉イベントが例えば水平軸まわりの回転を有する場合、重力加速度によって生成される信号は検出方法の感度と干渉し得る。垂直面内の開閉イベントの検出を可能にするため、追加ステップがオプションとして上記方法に追加され得る。

対応して、本発明の別の実施形態において、 センサの運動に依存する信号を経時的に取得するステップと; 水平軸まわりの任意の回転開閉イベントの発生を信号の分析によって検出するステップと; 水平軸まわりの開閉イベントの発生が検出されない場合、その後上記方法のいずれかに従って開閉イベントを検出するステップと を有する、運動センサを用いて開閉イベントを検出する方法が提供される。

より具体的には、水平軸まわりの回転開閉イベントの発生の検出は、 信号を分析してセンサに対する経時的な重力方向を決定するステップと; 決定された重力方向における経時的な変化を検出するステップと; 一つ以上の閾値との当該検出された変化の比較に基づいて回転開閉イベントの発生を検出するステップと を有し得る。

水平軸まわりの回転運動の場合、固定配向における運動オブジェクトに対して取り付けられるセンサについて、センサに対する重力方向はオブジェクトが回転するにつれて変化する。絶対加速度を検出可能なセンサの場合、重力方向はセンサ出力の分析によって、例えばローパスフィルタを用いて重力中心力下の影響に特徴的な動きの遅い配向を識別することによって、取得可能である。

例えば所定閾値時間間隔内に生じる、重力方向における顕著な変化は、経時的な決定方向の比較によって識別され得る。そして何らかの既定閾値を超える変化が、回転開閉イベントの発生の識別子として使用され得る。

付加的に、上記方法は、連続的に検出される開閉イベントの方向性における変化を、検出される開閉イベント各々について決定される重力方向ベクトル間で一つ以上のベクトル積演算を実行すること、及び連続的に検出されるイベントについて当該一つ以上のベクトル積演算の結果の相対方向を比較することにより方向性における変化を識別することによって、識別するステップをさらに有し得る。

この実施形態では、互いに対する、後で検出される運動イベントの方向が、運動方向における変化が識別可能であるように決定され得る。運動イベントが上記の方法で検出される場合、‐何らかの閾値度だけ異なり、互いに所与の時間内に決定される、二つの重力方向ベクトルの識別を通じて‐前のベクトルと後のベクトルの間で外積が取られ、その結果は方法によって使用される座標系内の二つのベクトルの相対配向に依存する。一つの方向における一つの運動イベントの後、第二の反対方向における第二の運動イベントが続く場合、前のベクトルと後のベクトルの間の外積演算の結果は、二つのイベントについて対向する相対方向性を持つ。そしてこの反対方向性は例えば二つの結果の間の内積を計算することによって検出され得、そしてそのうち負の結果が運動方向における変化を識別するために使用され得る。

代替的に、反対方向性は他の手段によって検出され得る。例えば、外積結果の主方向をあらわす基底ベクトルが(自動学習プロセスを通じて)まず決定され得、後の外積結果が座標変換されてそれらをこれらの軸へ射影する。そして運動イベントの方向性における変化は、連続運動イベントに対応する外積結果の符号の変化を探すことによって検出される。

経時的な信号の取得は加速度計の使用を有し得る。

加速度計の出力信号は加速度値を直接あらわし、従って上記方法を実行するために追加処理を要しない。

本発明によれば、開閉イベントの検出のための装置も提供される。

これに加え、主運動方向に既知の軸を持つ可動オブジェクトにセンサが取り付けられ得る。そしてシステムの処理素子は、運動センサの主運動方向を運動センサのこの既知の軸に一致すると仮定するように適応され得る。

この場合、主運動方向は経時的な信号の取得の一部として処理ユニットによって計算される必要がなく;運動方向に一致してセンサを取り付けることによって、処理ユニットは、例えば固定既定(相対)方向ベクトルとの内積演算を実行することにより、運動方向における信号成分を取得するように適応され得る。

センサは加速度計であり得る。

開閉イベントは、第一の方向における第一の加速度と、続く第二の反対方向における第二の加速度によって特徴付けられ得る。

本発明によれば本発明の方法を実施するためのコンピュータプログラム製品が提供される。好適には本発明の方法の少なくとも最後の三ステップがプログラム製品において実施される。マイクロプロセッサはコンピュータ若しくはポータブルデバイスの中央処理ユニットなどの通常の半導体ベース型マイクロプロセッサであり得る。保存可能媒体はデータとプログラムコードをデジタル保存するための任意のタイプの媒体であり得る。通信ネットワークはLAN、WAN WiFi(登録商標)若しくは他の無線ネットワークなどの任意の適切なネットワークであり得る。

本発明の実施例が添付の図面を参照して詳細に記載される。

本発明にかかる開閉イベントを検出するための第一の方法例の略図を示す。

抽出される運動の単一方向成分をあらわす信号トレースの一実施例を示す。

ゼロ交差点間のセンサ出力を積分する結果をあらわす信号トレースの一実施例を示す。

3D運動センサによる信号トレース出力の一実施例を示す。

本発明にかかる開閉イベントを検出するための方法例の略図を示す。

本発明にかかる開閉イベントを検出するための装置の一実施例を示す。

本発明は、センサにより生成される出力信号を用いたドア若しくは引き出しの開閉の確実かつ正確な検出のための方法を提供し、出力信号は経時的なセンサの加速度を直接若しくは間接的にあらわす。加速度に対する曲線下面積、若しくはその表現が決定され、所定閾値との計算される面積の比較を通じて運動イベントの発生が識別される。対応する合計の全要素が同符号であり、結果としてのエリア信号が最大振幅を持つように、加速度曲線のゼロ交差点間に張る面積が考慮される。所与の時間分離内に生じる、実質的に等しい及び反対のエリア信号のペアが求められ得、これらは開閉運動に特徴的であり、第一の方向における第一の加速度と、続く反対方向における第二の加速度とから成る。開閉イベントの信頼できる検出のための装置も提供される。

下記実施例において一つ以上のセンサ出力を分析するための方法が記載され、そこでデータ点、傾向線、曲線及び他の明示的図形概念などの特徴が言及される。かかる用語が使用される場合、それらは潜在的に比喩的であり、あからさまに図式的技法に限定しないものとして常に理解されるものとする。例えば曲線、トレース若しくは傾向線という語は、図形要素、又は代替的に、その数学的均等表現を意味すると理解され得る。それらが採用される表現は、あらゆる方法で、ただし当業者によって頻繁に利用されるこれらの目的を達成するための方法へマップする条件で実行され得る、方法若しくは手順の説明へのヒューリスティックな若しくは図的ショートカットとして意図とされる。

図1において、本発明にかかる方法の第一の実施例をあらわす略図が示される。ステップ1で経時的に運動センサから信号がまず取得され、信号は加速度を直接若しくは間接的にあらわす。そしてステップ2で、センサの加速度がゼロレベルと交差することが信号によって示される時点における信号の二つ以上のゼロ交差点を識別するために、信号が分析される。かかる点の二つ以上が識別されると、ステップ3で一つ以上のエリア信号値が決定され、これらの値はゼロ交差点間の加速度曲線下面積をあらわす。最後に、ステップ4で、開閉イベントの発生と対応する時間間隔を識別するために決定されたエリア信号値が一つ以上の閾値と比較される。

本発明の最も単純な実施例では、経時的にセンサの加速度を直接あらわす、連続的な信号が捕捉される。捕捉される信号はその後、センサの加速度がゼロと交差する瞬間に対応するものとして示される時点を識別するために分析される。時間連続信号の場合、これは単純に、信号値がゼロである、従って信号トレースが正から負の値へ横断する、及びその逆も然り、連続信号トレースに沿った点を決定することに対応する。

例えば規則的時間間隔で離散データ値を出力するセンサから不連続信号が捕捉される場合、ゼロ交差点はセンサにより出力されるいかなるデータ点とも一致しない可能性がある;ゼロの信号値を持つデータ点がない。この場合、ゼロ交差点の識別はあまり直接的ではなく、サンプリングされた対応する連続出力信号がゼロレベルを交差することが離散データ値によって示される時点の決定を通じて、達成され得る。例えば、異なる符号の信号値を持つ隣接データ点が求められ得、ゼロ交差点はかかるペアにおいて各点から時間的に等距離に収まる点と定義される。或いは、別の実施例では、センサにより出力される離散データ値へ傾向線をフィッティングする処理が実行され得、当該傾向線はその後連続信号と同様にゼロ交差について分析される。

このプロセスは信号に対するゼロレベルが明確に定義されることを要する。最も単純な場合、捕捉データ点が検出加速度の方向性に依存して正若しくは負の極性を持つように、ゼロレベルが既に明確に定義され、数値ゼロに対応するよう、センサは十分に良好に較正される。しかしながら代替実施例において、ゼロレベルは明確に定義され得るがゼロの数値と対応しなくてもよい、すなわち全出力データ値が正の極性を持ちゼロレベルは何らかのDCオフセット値に対応する。この場合、DCオフセット値をまず決定し、その後決定値を各信号値から減算するよう、追加処理が適用され得る。そしてゼロ交差点の決定は加速度が絶対値ゼロを交差することを信号が示す点の識別を通じて実行され得る。

しかしながら代替実施例では、DCオフセット値が決定され得、その後、単純に決定されたDC値を加速度が交差することを信号が示す時点を見つけることによってゼロ交差点が識別される。

DC値の推定は、例えばローパスフィルタ(LPF)、特に移動平均(MA)フィルタの使用を通じて達成され得る。かかるフィルタは低複雑性である。しかしながら一つの潜在的欠点は、開閉運動の加速度信号‐加速及び減速信号の交互ペア‐が運動に起因する真の信号の隣に追加偏位を伴って"拡張"されるような遷移性があらわれ得ることである。しかしながら一般にこの影響は許容され得る。遷移偏位を抑制する一方法は例えばメジアンフィルタなどの非線形フィルタを使用することである。

二つ以上のゼロ交差点が識別されると、識別されたゼロ交差点間の加速度曲線下面積をあらわす値を決定するために信号がさらに処理される。連続信号出力の場合、曲線下面積は単純に、最も単純な場合ゼロ交差点によって定義される限度間で実行される、積分プロセスを通じて決定され得る。上記の通り、積分の境界としてゼロ交差点をとることにより、その総和中の全サンプルが同符号を持つので、最大検出感度が実現される。信号中の任意変動(ノイズなど)はゼロレベル周辺で頻繁な変化を持ち、故に(ゼロ点の任意ペア間の)それらの累積和は小さいままである。

ドア/引き出しを動かすと、動きを始める加速度と動きを止める減速度が生じる。両モーメントにおいて、加速度はゼロから離れたいくらかの偏位を持つ。付加的に、この偏位は反対符号のペアにあらわれ、順番は運動方向に依存する。これは開イベントと閉イベントを区別する可能性を許す。

図2において、経時的に、主運動方向におけるセンサの加速度をあらわすセンサから取得される信号トレース20の一実施例が示される。開閉イベントはトレースの中心においてちょうど識別可能であり、反対符号のピークの特徴的ペアによって特徴付けられる。サンプル値のセットは22と示され、最初の二つが連続して22a、22bとラベルされる。

図3は一旦ゼロ交差点間で積分が実行された図2の信号20をあらわす信号トレース24を示す。トレース24は従って図1を参照して説明した方法のステップ3で計算されるエリア信号の連続表現である。信号20のサンプル値22は同じ順番で、信号24上の対応する時点においてオーバーレイされる。ゼロ点が交差される前の信号20の最後の微小ピークと一致する、図2に示すサンプル値22bは、信号24における二つの主要ピーク26、28のうち一つ目26の頂点に対応することが見られる。

図2の信号と比較して、開閉イベントの(第一の)加速と(第二の)減速をあらわす信号24におけるピークは明確に視認でき、バックグランドノイズから明確に区別できる。

積分はゼロ交差点の各ペアによって張られる時間範囲の全部若しくは一部だけにわたって実行され得るが、前者の方が好ましい。後者の場合、積分限界は必ずしも交差点によって定義されず、何らかの他の選ばれたスキームに従って定義される。しかしながら限界はゼロ交差点の関連ペアによって境界される範囲内に依然収まる。

不連続出力の場合、曲線下面積をあらわす値は異なって決定され得る。連続傾向線が離散データ出力点にフィッティングされる場合、曲線下面積は連続センサ出力の場合と同様に、すなわち完全に若しくは部分的にせよ、ゼロ交差点間の傾向曲線の積分を通じて、計算され得る。あらわれる傾向線が非平滑になるように隣接離散データ点が単純に直線でリンクされる場合、'曲線下面積'の計算は単純に'平行四辺形の面積'の和になり得る。

さらに代替的に、面積は純粋に具象的なものとみなされ、'曲線下面積'は信号値の倍数の和によって単純に示され、乗数は信号点間の時間間隔である。センサが所定時間間隔において確実に値を出力する場合、全乗数は同じであり、この場合それらは和に追加投入するデータ点の数に等しい、和全体の前の乗数に事実上置き換えられ得る。

上記全実施例において、DC値が計算されるが減算されない場合、エリア信号は所与の計算された面積に対応する張られた時間間隔とのDCバイアス値の積の各々からの減算によって修正される必要があり得ることに留意されたい。

一旦ゼロ交差点間の加速度曲線下面積をあらわす一つ以上の値が生成されると、これらの'エリア信号'は一つ以上の閾値をパスするようテストされる。エリア信号の絶対値が一つ以上の閾値を超える場合、これは運動イベントの発生と対応する時間内の特定間隔を識別するために使用され得る。

閾値の典型的な値は例えば0.04(m/sの単位)であり得る。図3において正加速度18に対するこの閾値例30と負加速度に対する閾値32がマークされ、曲線下面積信号24の上にオーバーレイされる。この値は曲線下面積積分において、総和がサンプル周波数に正規化されるよう、結果にサンプル時間を乗じていると仮定する。閾値はユーザ設定可能に、又は適応的にされ得る。後者の場合、採用される値は、例えばユーザにより実行される(前の)開閉運動からの結果に従って適応され得る。

捕捉センサ信号が経時的なセンサ信号の加速度の直接表現を提供する場合、開閉イベントの検出はセンサ出力への上記方法の直接適用によって達成され得る。しかしながら、経時的なセンサの加速度を間接的にのみあらわす信号が捕捉される場合は、主要方法が適用される前に原センサ出力に追加処理が適用され得る。

例えば、地面に対するセンサの速度をあらわす信号が捕捉され得る。この場合、加速度をあらわす信号は単純にセンサ出力信号を時間について微分することによって取得され得る。別の実施例において、信号は何らかの固定外部基準点に対するセンサの変位をあらわし得る。この場合、加速度信号は先と同様、今回は二回適用される、時間に関する微分演算によって取得され得る。両方の場合において微分演算はいかなるDCバイアスも除去し、故に方法におけるこのステップは自動的に満たされることに留意されたい。

典型的な開閉イベントの場合、問題のドア若しくは引き出しは開閉運動の前後で静止するので、対応する加速度信号は加速部分と減速部分の両方を有する。従って、かかる運動イベントに対応する積分信号はピーク26及び28として図3に図示の通り反対極性のピークのペアを特徴付ける。一つ以上の閾値を超える個別エリア信号だけでなく、例えば互いに何らかの既定閾値時間内に発生する実質的に等しい及び反対の信号のかかる特徴的ペアも探すことによって、バックグラウンドノイズ、誤ノック、若しくは他の自然な非ユーザ誘導運動イベントと対照的に、真の開閉イベントの検出におけるより大きな精度が保証され得る。

従って、本発明の一実施形態において、所与のエリア信号について閾値通過が見られる場合、当該信号は付随する反対符号の閾値通過についてテストされる。オプションとして、両エリア信号はそれらが何らかの定義された制限時間内に収まるかどうかを決定するようさらにテストされ得る。この実施例では、両通過が近接した同時生起性において見られる場合のみ、開閉イベントが生じたと決定される。第二の通過が第一の通過と同符号を持つ場合、第二の通過は(潜在的な)第一の通過の役割を担い得る。同時生起時間が通過されている場合、全閾値通過は破棄される。

付加的に、極性が生じる順番がさらに決定され得、この情報は'開'若しくは'閉'いずれかの運動方向について知らせるために利用される。較正なしで、どちらの運動イベントが開に対応してどちらが閉に対応するかを絶対的な感覚で決定することは不可能である。代替アプローチでは、開閉を絶対的に区別するためにヒューリスティックが使用され得る。例えば、ドア若しくは引き出しがほとんど閉まっており、時間において互いに近くで発生する反対方向のイベントは開(第一の)イベントに続く閉(第二の)イベントから成ることが仮定され得る。

イベントが等しい方向符号を持つことも起こり得る。これらが時間においてすぐ近くで発生するとき、それらは例えばさらなる開放を示し、対応して単一の(開)イベントとして一緒にグループ化され得る。本発明の意図する用途に依存して、他のグルーピングが付加的に若しくは代替的に適用され得る。例えば、連続開閉イベント(上記方法を通じて互いに区別される)は、'引き出し使用イベント'、若しくは'戸棚アクセスイベント'など、特定種類の単一イベントとしてグループ化され得る。

一般に、典型的な運動センサは二若しくは三の空間次元で運動をあらわす出力信号を提供し得る。しかしながら、一つの主運動方向に対応する動きデータのみが開閉イベントの決定に関与する。開閉イベントの発生によって生じるセンサ信号におけるシフトは、運動イベントが発生する方向に対応する信号の成分のみにあらわれる。センサにより生成される任意のより広い出力からこの一成分を抽出することによって、これらのイベントの検出においてより大きな感度と精度が保証され得る。

従って本発明の一実施形態において、信号20は図4に図示の通り多次元センサ出力40をまず取得し、その後当該出力を処理して、センサの運動方向に対応する方向の単一方向成分を抽出することを通じて取得される。

3D運動センサによって生成される出力信号40が図4に示され、それぞれ(センサ座標系に対し)X、Y、Z方向の動きに対応する個別信号42、44、46が捕捉される。信号40はその後、センサの主運動方向における運動をあらわす、図2に図示の信号20などの単一信号を抽出するように処理される。開閉イベントはY方向トレース44の中心付近にちょうど見える。図2において、このイベントは抽出された一次元信号20においてより明確に視認できる。

一実施例において、単一方向成分20の抽出は運動センサの多次元出力40間の内積演算の実行を通じて達成され、この出力はベクトルとしてあらわすことができ、センサの主運動方向をあらわす第二のベクトルが定義される。一部の場合において、第二の方向ベクトルは予め既知であり得る。例えばセンサが、そのz軸が主開閉方向を指し示すようにドア若しくは引き出しパネルに対して取り付けられる場合、信号方向成分20を抽出するプロセスは単にz軸におけるセンサ信号のハードコード選択に簡易化され得る(この場合単軸センサが例えば代わりに、使用されていない)。

しかしながら一般に、運動主軸は変化し得る。例えばスライド式引き出しの場合、センサは引き出しの側壁に対して取り付けられ、ある程度回転される可能性があり、主(水平)軸が当該側壁に沿ったセンサ軸の合成になるようにすることもできる。センサは引き出しの底に置かれていてもよく、傾けられる可能性があり、スライド方向と平行な単一センサ軸がない。

この一般的場合において、一実施形態によれば、主運動方向を決定するためにアルゴリズムが実行され得る。このアルゴリズムは連続的に実行され得るか、又は代替的に特定較正フェーズ中のみコールされ得、その後主方向は固定されたままである。この場合、計算負荷、故にバッテリ消費が控えられ得る。オプションとして、加えて、較正はいくらかの使用期間後にチェックされ得る。

以下、多成分センサ出力の単一対応成分を抽出する目的で、主運動方向の決定のために利用され得るアルゴリズムの一実施例が記載される。他のアルゴリズム的方法が存在し、下記実施例の代わりに適用され得る。

一実施例によれば、主方向の発見における第一のステップは当該主方向がある(水平)面を張る二ベクトルを見つけることである。面の法線は一つ以上のセンサ出力の分析によって推定され得る重力方向によって与えられる。重力信号をバックグラウンドノイズから解放するために例えばローパスフィルタが適用され得、そのうち後者は典型的にセンサ出力内のかなり高周波数トレースとしてあらわれる。過渡効果が最小化されるように好適にはメジアンフィルタのような非線形フィルタが使用される。オプションとして、方向信号をさらに平滑化する追加フィルタが適用され得る。例えば、活動がほとんど若しくは全くない(例えば低分散)信号の部分のみが選択される。

重力方向を仮定して、センサ座標系において、二つの空間を張る(すなわち基底)ベクトルが以下の通り見つけられ得る(ただし他の方法が考えられる)。両方とも重力方向に直交する、二つの線形独立ベクトルが必要である。重力方向をg=(gx,gy,gz)であらわし、第一のベクトルは例えば次式の構成を介して見つけられ得る:

ax0はgに直交することがそのドット積を計算することによって直接立証され得る。そして第二の基底ベクトルはgとax0のベクトル(外)積を計算することによって見つけられ得る:

外積はax1がax0とg両方に直交することを保証し、付加的に外積におけるgとax0の選択順は外積ax0×ax1の結果がgの方向を指し示すことを保証する。そうして見つけられるax0、ax1は水平面内にある。

これに続いて、上記の発見された基底ベクトルのペアによって定義される軸へ(3D)加速度信号が射影され、このようにして二つの1D信号、accP0とaccP1を取得し、これらは水平面内の加速度成分をあらわす。射影は例えばax0及びax1ベクトルを単位サイズへまず正規化し、 その後各正規化axベクトルと3D加速度信号accの内積をサンプルごとに計算すること、すなわち によって実行され得る。

accP0とaccP1は水平面内にあり、すなわち重力方向と垂直である。加速度の主成分、すなわち主運動方向に対応する成分は、これら二つの1D信号の何らかの線形結合になる。

水平面内の運動方向は二つの1D加速度信号へ適用される主成分分析(PCA)のプロセスを通じて見つけられ得る。PCAは当技術分野で周知である。プロセスの適用の一実施例がここで記載される。

1D信号、accP0とaccP1は、典型的に0.4秒のウィンドウサイズを持つセグメントにわたって観察される。このウィンドウについて、その平均値(μ01)が計算され、ウィンドウ期間を通じて信号について取得される全サンプル値から減算される。そうして得られる値はその後対応する分散(cov00,cov11)及び共分散(cov01)値を計算するために使用される: Nはウィンドウの期間を通じて取得されるサンプルの数である(代替的に、これは中間結果のスケーリングは別として結果に影響しないので、Nはこの場合省略され得る)。

再度、当技術分野で周知の通り、共分散行列の固有値解析を通じて主成分が見つけられ得る:

共分散行列は2×2なので、固有値は閉形式で容易に表現され得る:

加えて、関心があるのは主方向のみなので、常にλ01であることから対応する主固有値がλ0として特定され得る。λ0と対応する固有ベクトルq0(すなわちMq00q0)も閉形式で表現され得る。例えば:

ベクトルq0は水平面内の主運動方向を与え、従って、その方向における加速度の1D成分は次式の通りである:

q0の符号が任意であり、計算される共分散の次のセットにおいて反対方向にスイッチし得るという点においてわずかな不確実性が残る。かかるスイッチはaccPCにおける符号変化も引き起こし、これは人為的であり物理的なこととは全く無関係である。一実施例において、この影響は、セグメント全体に対して一つの固有ベクトルのみを計算すること、又は代替的に、サンプルごとに固有ベクトルが計算される場合は、前のサイクルにおいて計算される固有ベクトルを記憶し、現在のベクトルと前のベクトルとの間の内積が負の結果を持つかどうかをテストすることを通じて、安定化され得る。方向のわずかな変化を仮定して、内積は常に正であるべきであり、負の結果は計算結果における符号変化を示す。内積が負である場合、qxとqyの両方で符号が逆になる。

センサの主運動方向が水平面内(すなわち重力方向に垂直な面内)にない場合、上記運動検出の方法の有効性は限られ得る。特に、開閉イベントが(重力に対して)水平軸、若しくはほぼ水平軸まわりの回転を有する場合、このターンを通じて重力加速度によって生成される連続的に変化する信号は、回転自体によって生成される小さな加速度信号にあふれ、開閉イベントの検出を困難にする。かかる水平軸まわりの回転開閉イベントの検出を可能にするために、従って追加ステップが上記方法にオプションとして追加され得る。

実に、実際のところ、完全に垂直でない(すなわち重力方向と完全に一致しない)任意のヒンジまわりの回転は、多かれ少なかれいくらかの上記重力'干渉'を伴う加速度信号を生成することに留意されたい。従って実際のところ、何らかの範囲の水平若しくはほぼ水平なヒンジ角度が定義され得、そのまわりの回転は検出するために追加ステップの適用を必要とするが、一方垂直からの逸脱が少ない角度の場合、今まで記載した方法は十分に有効なままであり得る。しかしながら単に説明を簡単にするために、以下の記載では、'水平'軸それ自体のまわりの回転イベントに関するステップについて言及され得る。これはしかしながら限定ではなく省略形として意図され、ここで論じられる考察の文脈内で読まれ理解されるべきである。

対応して、本発明の別の実施形態において、水平軸まわりの回転開閉イベントは付加的に、(センサに対する)検出される重力方向の変化のモニタリングを通じてテストされる。一実施例において、これは現在の重力方向g1と、数秒前、例えば1秒前の重力方向g0との間の内積の計算を通じて達成される。(例えばセンサ出力信号にローパスフィルタを適用することによって生成される)重力信号は、内積が回転以外の性質の偶発的加速度によってあまり影響されないように、好適にはユニットサイズへ正規化される。計算された内積は回転イベントが発生したかどうかを決定するために一つ以上の閾値と比較される。一実施例において、開閉イベントに対する閾値は回転が起こるはずの最小角度の余弦の項で表現され得る、すなわち(正規化gベクトルの場合):

内積に対する典型的な閾値は0.9であり得、これはおよそ25°の角度分離に対応する。

一実施例において、変化が検出される場合、回転イベント(開又は閉)の方向を決定する追加オプションステップが実行される。取り付け及び回転方法(上ヒンジ若しくは下ヒンジ)の自由を仮定すると、回転が開又は閉に対応するかどうかを分離して決定することは不可能であるが、二つを区別することは可能である。代替的に、上記水平運動の場合のように、開閉を絶対的に区別するためにヒューリスティックが使用され得る。例えば、ドアがほとんど閉まっており、時間において互いに近くで発生する反対方向のイベントは開(第一の)イベントに続く閉(第二の)イベントから成ることが仮定され得る。

開イベントを閉イベントから区別するための一つの可能な方法は、二つの重力方向ベクトルg0、g1(二つは1秒差で測定され、指定閾値よりも小さい内積を持つ)のベクトル(外)積を観察することによるものである。ベクトル積の結果、cs1は保存され、閾値が同様に満たされた前のインスタンスにおいて計算されるcs0と比較される。開始時、cs0はヌル(0,0,0)に設定される。比較は二つの間の内積cs0・cs1を計算することを有する。内積が正である場合、回転は前の回転イベントと同じ方向である。例えば、最終インスタンスにおいて開と結論付けられた場合、現在のイベントも開イベントである(又は同じ開イベントでさえある可能性がある)。内積が負である場合、これは現在の回転が最後と異なる方向であることを示す。オプションとして、現在のイベントは付加的に、前のイベントから一定時間、例えば1秒経過したかどうかを決定するためにテストされ得る。

加えて、内積cs0・cs1が負である場合、保存された変数cs0はcs1に等しくなるよう更新される。このように同じ開閉イベントからの重力方向ベクトルg0、g1の次の閾値通過は次の負の内積をもたらさない。内積cs0・cs1が正である場合もこのようにcs0を更新することによって、さらなる改良が達成され得る。特に、cs1のノルムがcs0のノルムより大きい場合、cs0はcs1へ更新される。g0とg1は単位サイズを持つので、それらの外積の大きさはそれらを運利する角度の正弦に等しい。従って、より大きなノルムはg0とg1の間のより大きな角度を、すなわちより大きな回転を反映する。

図5において上記複数の特徴例を組み込む方法の一実施形態の略図が提示される。この実施形態によれば、センサの多次元信号は演算より前にステップ50で較正される。方法の主なプロセスフローはステップ52で重力方向の推定から始まり、その後ステップ54で水平ヒンジまわりの開閉イベントについてテストするステップが続き、両方とも上記実施例で記載の方法又は他の方法に従う。

水平軸まわりの開閉イベントが検出される場合、ステップ56で何らかの追加イベントがそれに応じて実行され得、残りのプロセスフローは一時中断される。そして方法は例えば、おそらく較正50をスキップしてステップ52で重力方向の推定から再度始めて、再開され得る。

水平軸まわりの開閉イベントが検出されない場合、プロセスフローは垂直軸まわりの、又は引き出しの運動の場合のように線形の開閉イベントの検出に移る。図5の実施例では、ステップ58で水平面を張る基底ベクトルのペアをまず決定し、その後ステップ60でこれらを利用してセンサの主運動方向をあらわすベクトルを決定することによって(両方とも上記方法又は他の方法に従う)、単一方向信号成分が取得される。そしてこの方向の動きをあらわす単一信号成分がステップ62で抽出される。

これに続き、図5の実施形態の最後の三つの方法ステップが実行される:まずステップ58、60、62を介して取得される信号が、ステップ64で信号の二つ以上のゼロ交差点;センサの加速度がゼロレベルを交差することが信号によって示される時点を識別するために分析される。一旦かかる点の二つ以上が識別されると、一つ以上のエリア信号値がステップ66で決定され、これらの値はゼロ交差点間の加速度曲線下面積をあらわす。最後に、決定されたエリア信号値が、開閉イベントの発生と対応する時間間隔を識別するためにステップ68で一つ以上の閾値と比較される。開閉イベントが検出される場合、先と同様に何らかの追加イベントがステップ70で実行され得、場合によりその後プロセスフローが再開される。開閉イベントが検出されない場合、方法はかかるイベントが検出されるまで連続的にループされ得る。

この実施形態の利点は、ありとあらゆる種類の開閉イベント(水平線形及び回転イベント並びに垂直回転イベントの両方)が同じプロセスフローの一部として検出可能であるということである。さらに、リアルタイムに主運動方向を決定するステップが含まれるので、センサは問題のドア若しくは引き出しに任意の配向及び任意の位置で取り付けられ得る。付加的に、プロセスフローの始めに一度だけ重力方向を推定することにより処理リソースが節約され、この一つの計算の結果がその後ステップ54と58の両方において適用可能である。

図6において、本発明にかかる開閉イベントを検出するための装置の一実施例が描かれる。戸棚82のドア80に運動センサ84が取り付けられる。ドアは垂直ヒンジまわりに回転可能であり、それにより一端において戸棚に取り付けられる。センサはその動きに依存する経時的な信号を出力する。ドアが開閉されると、センサは最初に静止から(回転軸と一致するz方向基底ベクトルを持つ、グローバル円筒座標系に対する)アジマス方向に加速し、その後、いくらかわずかな時間の後、反対アジマス方向に減速して再度静止に戻る。均等に、センサ自体の(デカルト)座標系に対し、最初に正の線形方向(ドアの運動の接線方向)の加速度があり、その後いくらかわずかな時間の後、正反対の線形方向の減速がある。

図6の実施形態の特定の場合において、開閉イベント中の動きは垂直ヒンジまわりに生じる回転である。従ってセンサの運動の持続時間を通じて、回転加速度に加えて、半径方向(すなわちヒンジに向かう方向)にセンサに作用するいくらかの変動する(求心)加速度がある。この加速度は動きの開始時(すなわち静止時)のゼロから、ドアが回転している間に何らかの(場合により一定の)非ゼロ値へ、回転の終わりに減少してゼロへ戻る前に、増加する。しかしながら、好適な実施形態において、主運動方向(すなわちアジマス方向)において生じない求心加速度はセンサ信号からフィルタリングされ、角加速度のみが抽出され考慮される。

一実施形態においてセンサ84は主運動方向に既知の軸を伴って取り付けられるので、処理素子がこの既知の方向の成分を抽出するように配線接続され得、リアルタイムに運動方向を計算するのに処理リソースを使用する必要がない。

信号を収集するために使用されるセンサ装置に関して様々な可能性が存在する。一実施例において、信号は加速度計を用いて取得される。加速度計はその出力が正確な加速度の測定をあらわすという利点を持ち、正確な加速度とは重力により誘導されるものを含む絶対加速度を意味する。従ってこの種のセンサからの信号を利用する方法は経時的なセンサの加速度を直接あらわす信号を生成するためにいかなる追加処理も要しない。さらに、水平軸まわりの回転イベントを検出するために変化する重力方向を利用する実施形態がセンサ出力から直接実施可能である。

しかしながら、代替実施形態では、他の種類のセンサが利用され得る。一実施例において、磁力計からの出力信号が開閉イベントを検出するために利用される。磁力計は一般に空間中の点における磁場の強度と方向の測定を提供するために使用され得る。短距離にわたって、地球の(地)磁場の強度と方向はおよそ一定のままであり、従ってこの場ベクトルが方法ステップ52、54(水平若しくはほぼ水平軸まわりの回転イベントについてテストされる)において重力場ベクトルと同様に利用され得る。52、54の方法は一定(垂直)重力ベクトルに垂直な面内若しくはその近くにある回転軸に適用可能である。同様に、一定地球磁場ベクトルを利用する方法はこのベクトルに垂直な面内若しくは実質的に面内に軸を持つ回転イベントに適用可能である。地球の磁場の方向は地球表面上の異なる点において異なる。例えばヨーロッパでは、およそ50‐70度の角度で地球表面へ内向きに指す成分を加えて、方向は北向きである。一旦場ベクトルが識別されると、(センサ座標系に対する)その方向の変化が検出され、上記垂直面内にある軸まわりの回転イベントを示すために使用され得る。

付加的に、磁力計の出力は、原センサ出力からの加速度信号の抽出のための追加ステップの適用を条件として、主方法ステップ64、66、68内で利用され得る。これらのステップは、例えば、センサ座標系における何らかの任意に定義される点に対する、センサの位置に対応する'変位'ベクトルを決定するために、センサ出力の(おそらく連続)分析を含み得る。かかるベクトルは例えば、所与の時点において測定される場方向ベクトルを、おそらく較正段階中に設定される、場方向について確立される基準値から減算することによって確立され得る。そしてこのように生成される時変変位信号は時間について二回微分され得、それにより加速度信号を生成し、そしてそれに対しステップ64、66、68が前述の通り適用され得る。

また代替的に、ドアがヒンジまわりに回転する場合、ジャイロスコープが使用され得る。ジャイロスコープは角速度に敏感である。従って、この場合、センサからの出力信号は(角)加速度をあらわす信号を生成するために時間について一回微分される必要があり得る。ジャイロスコープセンサを利用する一つの利点は、例えば加速度計と対照的に、信号出力の振幅がセンサの取り付け位置から独立していることである。これはジャイロスコープが軸からの半径方向距離から独立している角速度(若しくは角速さ)に敏感であるのに対して、加速度計出力が軸からのセンサの半径方向距離に反比例して変化するという事実から得られる。従って、ジャイロスコープがドアの任意の場所に取り付けられ、同じ強度の信号を生成し得る。

上記データ処理はデバイス自体の中で実行され得るか、又は原センサデータが遠隔データ処理のために出力され得る。例えば、任意の適切な無線データ転送プロトコルを用いて、マルチセンサが中央遠隔プロセッサへデータを供給し得る。このように、処理ユニットとセンサは同じ場所に収容される必要がない。例えば、図6におけるドア取り付けユニット84は別の処理ユニットへセンサデータを無線送信するための送信器と運動センサのみを有し得る。一緒に、ドア取り付けユニットと遠隔処理ユニットが開閉イベントの検出用装置を定義する。代わりに、全処理性能が単一ユニットにおいて設けられ得る。

開閉イベントの履歴は患者の挙動を分析するために介護者によって使用され得る。センサ情報若しくは開閉イベント情報はインターネット若しくは携帯電話ネットワークを介して介護者へ自動的に送信され得るか、又はこれはオンサイトでセンサシステムから抽出され得る。

センサ信号を開閉イベント検出へ変換する処理は、センサユニットの一部としてローカルに若しくは遠隔に実行されるにせよ、処理素子、例えばコントローラによって実装され得る。コントローラは多数の方法で、ソフトウェア及び/又はハードウェアで、様々な所要機能を実行するように実装され得る。プロセッサは所要機能を実行するようにソフトウェア(例えばマイクロコード)を用いてプログラムされ得る一つ以上のマイクロプロセッサを利用するコントローラの一実施例である。しかしながらコントローラはプロセッサ利用の有無を問わず実装され得、一部機能を実行する専用ハードウェアと他の機能を実行するプロセッサ(例えば一つ以上のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連回路)の組み合わせとして実装されてもよい。

本開示の様々な実施形態で採用され得るコントローラコンポーネントの実施例は、限定されないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む。

様々な実施例において、プロセッサ若しくはコントローラは、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROMといった揮発性及び不揮発性コンピュータメモリなどの一つ以上の記憶媒体と関連し得る。記憶媒体は、一つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されるとき、所用機能を実行する一つ以上のプログラムでエンコードされ得る。様々な記憶媒体は、プロセッサ若しくはコントローラ内に固定され得るか、又はその上に保存される一つ以上のプログラムがプロセッサ若しくはコントローラにロードされ得るように可搬型であり得る。

開示の実施形態への他のバリエーションが、図面、開示、及び添付の請求項の考察から、請求される発明を実施する上で当業者によって理解されもたらされ得る。請求項において、"有する"という語は他の要素若しくはステップを除外せず、不定冠詞"a"若しくは"an"は複数を除外しない。特定手段が相互に異なる従属請求項に列挙されるという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示さない。請求項中の任意の参照符号は範囲を限定するものと解釈されてはならない。

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