Portable device

申请号 JP2012140310 申请日 2012-06-22 公开(公告)号 JP2014006089A 公开(公告)日 2014-01-16
申请人 Seiko Epson Corp; セイコーエプソン株式会社; 发明人 MIYASAKA EIJI; MOGAMI KAZUTO; KUNISHIGE TAKAHIRO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To perform speed calculation without botheration of mounting of a separate sensor and surely and accurately even if used by any user, when incapable of receiving speed information grasped by processing signals from a position information satellite.SOLUTION: A portable device comprises an acceleration sensor 38 capable of detecting acceleration speeds in three axial directions. When GPS radio waves can be received by a GPS module 34, a correlation between a body vibration frequency detected by the acceleration sensor 38 and speed information grasped by processing signals included in the GPS radio waves is recorded in a flash ROM 33 by an MCU 30. When a reception state of the GPS radio waves does not satisfy a predetermined reference, based on the body vibration frequency detected by the acceleration sensor 38 and the correlation recorded in the flash ROM 33, a traveling speed is estimated by the MCU 30.
权利要求
  • 位置情報衛星からの電波を受信する受信手段と、
    走行中に使用者の体が上下に動く方向の体振動周波数を検知できる検知手段と、
    走行情報を表示する表示手段と、
    前記電波の受信状態が所定の基準を満たす場合に、前記検知手段により検知した体振動周波数と、前記電波に含まれる信号を処理して把握される速度情報との相関関係を特定する特定手段と、
    前記電波の受信状態が所定の基準に満たない場合には、前記検知手段により検知した体振動周波数と、前記特定手段により特定した相関関係とに基づいて、走行速度または走行ペースを推定する推定手段と、を備えた、
    ことを特徴とする携帯型機器。
  • 前記検知手段は、X軸、Y軸およびZ軸の3軸方向の加速度を検知する加速度センサーを備え、前記加速度センサーによって得られる振動の周波数のうち、重力方向に最も近い軸の方向の振動の周波数を前記体振動周波数として検知することを特徴とする請求項1記載の携帯型機器。
  • 前記検知手段は、X軸、Y軸およびZ軸の3軸方向の加速度を検知する加速度センサーを備え、前記加速度センサーによって得られる各軸の振動の波形を合成し、合成した波形の周波数を前記体振動周波数として検知することを特徴とする請求項1記載の携帯型機器。
  • 前記検知手段は、X軸、Y軸およびZ軸の3軸方向の加速度を検知する加速度センサーを備え、前記加速度センサーによって得られる各軸の振動の波形のうち、最も振幅が大きい軸の波形の周波数を前記体振動周波数として検知することを特徴とする請求項1記載の携帯型機器。
  • 前記特定手段は、前記体振動周波数と、前記電波に含まれる信号を処理して把握される速度情報との相関関係を、一次式として特定し、前記推定手段は、前記一次式に基づいて体振動周波数から走行速度または走行ペースを推定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の携帯型機器。
  • 前記特定手段は、前記体振動周波数と、前記電波に含まれる信号を処理して把握される速度情報との相関関係を特定するテーブルを生成し、前記推定手段は前記テーブルを参照して体振動周波数から走行速度または走行ペースを推定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の携帯型機器。
  • 前記電波の受信状態が所定の基準を満たす場合には、前記電波に含まれる信号を処理して把握される速度情報と時間に基づいて、また、前記電波の受信状態が所定の基準に満たない場合には、前記推定手段により推定した走行速度と時間または走行ペースと時間に基づいて、走行距離を計算する走行距離計算手段を備え、前記表示手段は計算した走行距離を表示することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一に記載の携帯型機器。
  • 前記電波の受信状態が所定の基準を満たす場合には、前記電波に含まれる信号を処理して把握される位置情報に基づいて、また、前記電波の受信状態が所定の基準に満たない場合には、前記推定手段により推定した走行速度と時間または走行ペースと時間に基づいて、走行距離を計算する走行距離計算手段を備え、前記表示手段は計算した走行距離を表示することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一に記載の携帯型機器。
  • 说明书全文

    本発明は、位置情報衛星からの電波を受信する受信モジュールと加速度センサーを備えた携帯型機器に関する。

    GPS(Global Positioning System)衛星などの位置情報衛星からの信号を処理して把握される速度情報などを表示するランニングウオッチにおいては、トンネル内などの位置情報衛星からの電波情報の受信ができなくなった場合に、どのようにして走行速度を表示するのかが問題となる。

    従来は、特許文献1に示すように、ランニングウオッチと別体の加速度センサーを用い、位置情報衛星からの電波情報の受信ができなくなった場合には、加速度センサーからの出信号に基づいてユーザーの走行能力を学習し、ユーザーの走行速度を推定する方法が提案されている。

    米国特許公報US7,827,000B2

    しかしながら、引用文献1の方法では、足部センサー、手首部センサー、および胸部センサーをそれぞれの部位に装着する必要があるため、煩わしいという問題があった。 また、これらのセンサーは、電池交換が必要で、古い電池を使用していた際には、電圧不足でデータ通信や記録に失敗するという問題があった。

    さらに、手首部センサーについては、走行中の腕の動きがユーザーによって多種多様で複雑であるため、正確に波形ピークを捉えることが難しく、出力値の精度悪化の原因となっていた。 また、腕を振らないランナーも存在するため、正確な腕振りの波形が取得できないという問題があった。

    本発明は、センサー装着の煩わしさがなく、また、どのようなユーザーが使用していても確実かつ正確に、位置情報衛星からの信号の受信ができない場合であっても速度算出を行うことのできる携帯型機器を提供することを解決課題としている。

    以上の課題を解決するため、本発明に係る携帯型機器は、位置情報衛星からの電波を受信する電波受信手段と、走行中に使用者の体が上下に動く方向の体振動周波数を検知できる検知手段と、走行情報を表示する表示手段と、前記電波の受信状態が所定の基準を満たす場合に、前記検知手段により検知した体振動周波数と、前記電波に含まれる信号を処理して把握される速度情報との相関関係を特定する特定手段と、前記電波の受信状態が所定の基準に満たない場合には、前記検知手段により検知した体振動周波数と、前記特定手段により特定した相関関係とに基づいて、走行速度または走行ペースを推定する推定手段とを備えたことを特徴とする。

    この携帯型機器では、位置情報衛星からの電波の受信状態が所定の基準を満たす場合には、前記検知手段により検知した体振動周波数と、前記電波に含まれる信号を処理して把握される速度情報との相関関係が、特定手段により特定される。 そして、前記電波の受信状態が所定の基準に満たない場合には、検知手段により検知した体振動周波数と、特定手段により特定した相関関係とに基づいて、推定手段が走行速度または走行ペースを推定する。

    従って、本発明によれば、検知手段を携帯型機器内に備えているため、携帯型機器以外に体の他の部位にセンサーを装着するという煩わしさがない。 また、走行中に使用者の体が上下に動く方向の体振動周波数に基づいて走行速度または走行ペースを推定するので、使用者の歩幅や運動能力に拘わらず、確実かつ正確に走行速度または走行ペースの推定が可能となる。

    この携帯型機器において、前記検知手段により、X軸、Y軸およびZ軸の3軸方向の加速度を検知する加速度センサーと、前記加速度センサーによって得られる振動の周波数のうち、重力方向に最も近い軸の方向の振動の周波数を前記体振動周波数として検知するようにしてもよい。 この発明によれば、3軸の加速度センサーを備えるので、X、Y、Z軸の各々について加速度を得ることができる。

    ところで、携帯型機器を使用者に装着した態様によって、上下方向の振動を最も反映する軸が相違する。 この発明によれば、携帯型装置を使用者に装着した態様で、重力方向に最も近い軸の振動の周波数を前記体振動周波数として特定するので、走行中に使用者の体が上下に動く方向の体振動周波数に基づいて走行速度または走行ペースを推定することができ、使用者の歩幅や運動能力に拘わらず、確実かつ正確に走行速度または走行ペースの推定が可能となる。

    この携帯型機器において、前記検知手段により、X軸、Y軸およびZ軸の3軸方向の加速度を検知する加速度センサーと、前記加速度センサーによって得られる各軸の振動の波形を合成し、合成した波形の周波数を前記体振動周波数として検知するようにしてもよい。 このように構成することにより、走行中に使用者の体が上下に動く方向の体振動周波数に基づいて走行速度または走行ペースを推定することができ、使用者の歩幅や運動能力に拘わらず、確実かつ正確に走行速度または走行ペースの推定が可能となる。

    この携帯型機器において、前記検知手段により、X軸、Y軸およびZ軸の3軸方向の加速度を検知する加速度センサーと、前記加速度センサーによって得られる各軸の振動の波形のうち、最も振幅が大きい軸の波形の周波数を体振動周波数として検知するようにしてもよい。 このように構成することにより、走行中に使用者の体が上下に動く方向の体振動周波数に基づいて走行速度または走行ペースを推定することができ、使用者の歩幅や運動能力に拘わらず、確実かつ正確に走行速度または走行ペースの推定が可能となる。

    この携帯型機器において、前記特定手段は、前記体振動周波数と、前記電波に含まれる信号を処理して把握される速度情報との相関関係を、一次式として特定し、前記推定手段は、前記一次式に基づいて体振動周波数から走行速度または走行ペースを推定するようにしてもよい。 このように構成することにより、相関関係として記録しておくべきデータ量を減らすことができ、前記電波の受信状態が所定の基準に満たない場合には、確実かつ正確に走行速度または走行ペースの推定が可能となる。

    この携帯型機器において、前記特定手段は、前記体振動周波数と、前記電波に含まれる信号を処理して把握される速度情報との相関関係を特定するテーブルを生成し、前記推定手段は前記テーブルを参照して体振動周波数から走行速度または走行ペースを推定するようにしてもよい。 このように構成することにより、前記電波の受信状態が所定の基準に満たない場合には、確実かつ正確に走行速度または走行ペースの推定が可能となる。

    この携帯型機器において、前記電波の受信状態が所定の基準を満たす場合には、前記電波に含まれる信号を処理して把握される速度情報から走行距離を計算し、また、前記電波の受信状態が所定の基準に満たない場合には、前記推定手段により推定した走行速度と時間または走行ペースと時間に基づいて、走行距離を計算するようにしてもよい。 このように構成することにより、前記電波の受信状態が所定の基準に満たない場合があっても、正確に走行距離を計算することができる。

    この携帯型機器において、前記電波の受信状態が所定の基準を満たす場合には、前記電波に含まれる信号を処理して把握される位置情報から走行距離を計算し、また、前記電波の受信状態が所定の基準に満たない場合には、前記推定手段により推定した走行速度と時間または走行ペースと時間に基づいて、走行距離を計算するようにしてもよい。 このように構成することにより、前記電波の受信状態が所定の基準に満たない場合があっても、正確に走行距離を計算することができる。

    本発明の一実施形態に係るGPSランニングウオッチ100を含むGPSシステムの全体図である。

    GPSランニングウオッチ100の平面図である。

    GPSランニングウオッチ100の回路構成を示すブロック図である。

    シューズに取り付ける別体型の加速度センサーを用いた場合の歩幅の誤差を説明するための図である。

    体振動周波数と走行速度との関係を示す図である。

    本発明の一実施形態におけるGPS受信時とGPS受信不可時の処理を説明するための図である。

    本発明の一実施形態における速度および距離の算出処理を示すフローチャートである。

    加速度センサーの各軸の出力波形を示す図である。

    様々なユーザーについて、体振動周波数と走行速度との関係を求めた図である。

    カーブしたトンネル内を走行した時の走行距離の測定方法の違いを説明するための図である。

    GPSランニングウオッチ100を腕に装着した場合の各軸の方向を示す図である。

    通常の走行中とGPSランニングウオッチ100の画面を見た場合の各軸方向の振動を示す図である。

    走行者Aの体振動周波数と走行速度との関係を求めた図である。

    図13のデータから求めた一次式を示す図である。

    走行者Bの体振動周波数と走行速度との関係を求めた図である。

    図15のデータから求めた一次式を示す図である。

    走行者Cの体振動周波数と走行速度との関係を求めた図である。

    図17のデータから求めた一次式を示す図である。

    図13のデータから求めた二次式を示す図である。

    図15のデータから求めた二次式を示す図である。

    図17のデータから求めた二次式を示す図である。

    以下、この発明の好適な実施の形態を、添付図面等を参照しながら詳細に説明する。 ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。 また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。

    <A:GPSランニングウオッチの機構的な構成>
    図1は、本発明の一実施形態に係る携帯型機器としてのGPSランニングウオッチ100を含むGPSシステムの全体図である。 GPSランニングウオッチ100は、GPS衛星20からの電波(無線信号)を処理して把握される速度情報などを表示する携帯型機器であり、腕に接触する面(以下、「裏面」という)の反対側の面(以下「表面」という)に時刻を表示する。

    GPS衛星20は、地球上空における所定の軌道上を周回する位置情報衛星であり、1.57542GHzの電波(L1波)に航法メッセージを重畳させて地上に送信している。 以降の説明では、航法メッセージが重畳された1.57542GHzの電波を「衛星信号」という。 衛星信号は、右旋偏波の円偏波である。

    現在、約31個のGPS衛星20(図1においては、約31個のうち4個のみを図示)が存在しており、衛星信号がどのGPS衛星20から送信されたかを識別するために、各GPS衛星20はC/Aコード(Coarse/Acquisition Code)と呼ばれる1023chip(1ms周期)の固有のパターンを衛星信号に重畳する。 C/Aコードは、各chipが+1又は−1のいずれかでありランダムパターンのように見える。 したがって、衛星信号と各C/Aコードのパターンの相関をとることにより、衛星信号に重畳されているC/Aコードを検出することができる。

    GPS衛星20は原子時計を搭載しており、衛星信号には原子時計で計時された極めて正確な時刻情報(以下、「GPS時刻情報」という)が含まれている。 また、地上のコントロールセグメントにより各GPS衛星20に搭載されている原子時計のわずかな時刻誤差が測定されており、衛星信号にはその時刻誤差を補正するための時刻補正パラメータも含まれている。 GPSランニングウオッチ100は、1つのGPS衛星20から送信された衛星信号を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と時刻補正パラメータを使用して内部時刻を正確な時刻に修正する。

    衛星信号にはGPS衛星20の軌道上の位置を示す衛星軌道情報も含まれている。 GPSランニングウオッチ100は、GPS時刻情報と衛星軌道情報を使用して測位計算を行うことができる。 測位計算は、GPSランニングウオッチ100の内部時刻にはある程度の誤差が含まれていることを前提として行われる。 すなわち、GPSランニングウオッチ100の3次元の位置を特定するためのx,y,zパラメータに加えて時刻誤差も未知数になる。 そのため、GPSランニングウオッチ100は、一般的には4つ以上のGPS衛星からそれぞれ送信された衛星信号を受信し、その中に含まれるGPS時刻情報と衛星軌道情報を使用して測位計算を行う。

    図2は、GPSランニングウオッチ100の平面図である。 図2に示すように、GPSランニングウオッチ100は、外装ケース80を備えている。 外装ケース80は、プラスチックで形成されたケース81に、ガラスやプラスチックで形成されたカバーガラス82が嵌合されて構成されている。 なお、本実施形態では、外装ケースを2部品で構成したが、1部品で構成するようにしてもよい。 あるいは、裏蓋を用い、3部品で構成するようにしてもよい。 このカバーガラス82の下部には、液晶パネル40が配置されており、走行速度、走行距離、走行時間、走行ペース(例えば、1km当たりの所要時間(分))、ピッチ(1分当たりの歩数)、歩数などの走行情報を表示するようになっている。

    また、GPSランニングウオッチ100は、操作ボタン16〜19を手動操作することにより、走行速度などを表示するランニングモード、時刻を表示する時刻表示モードなどに切り換えることが可能になっている。

    <B:GPSランニングウオッチの回路構成>
    図3は、GPSランニングウオッチ100の回路構成を示すブロック図である。 図3に示すように、GPSランニングウオッチ100は、MCU30、電源回路31、液晶パネル表示部32、フラッシュROM33、GPSモジュール34、無線通信部35、ブザー36、ライト37、加速度センサー38、晶発振器39、リセット回路41、および操作ボタン16〜19を含んで構成されている。

    MCU30は、内部にプログラムを記憶するメモリーを備えており、GPSランニングウオッチ100の各部の制御を行うほか、後述するようなユーザーの走行状態の記憶処理、および、速度算出処理などを行うようになっている。 電源回路31は、ACアダプタ42と接続された場合、二次電池31aを充電する。 二次電池31aは、液晶パネル表示部32やGPSモジュール34などに駆動電力を供給する。

    GPSモジュール34は、図示しないSAWフィルタが抽出した1.5GHz帯の衛星信号から航法メッセージに含まれる衛星軌道情報、GPS時刻情報、あるいは位置情報等の衛星情報を取得する処理を行う。 フラッシュROM33には、例えば時差情報が記憶されている。 時差情報は、時差データ(座標値(例えば、緯度及び経度)に関連づけられたUTCに対する補正量等)が定義された情報である。 また、後述するように、体振動周波数と、速度との相関関係もこのフラッシュROM33に記録される。

    無線通信部35は、GPSランニングウオッチ100とパーソナルコンピュータ等との無線通信を行い、GPSランニングウオッチ100に記憶したログデータ等をパーソナルコンピュータ等に送信できるようになっている。 ブザー36は、ユーザーの設定処理の完了を知らせるため等に用いられる。 また、ライト37は、ユーザーによる操作ボタンの操作により、液晶パネル40に光を照射して、夜間などにユーザーによる視認を容易にするために用いられる。

    加速度センサー38は、図2に示すようにGPSランニングウオッチ100を正面から見た時の横方向に相当するX軸方向、縦方向に相当するY軸方向、そして、GPSランニングウオッチ100のカバーガラス82に垂直な方向に相当するZ軸方向の3軸方向の加速度の検出が可能なセンサーである。 つまり、GPSランニングウオッチ100を腕に装着し、親指が上になるようにして走る状態では、ユーザーの進行方向がX軸方向、ユーザーの上下動方向(重力方向)がY軸方向、そして、ユーザーの左右の動きの方向がZ軸方向となる。 詳しくは後述する。 水晶発振回路39は、温度補償回路付きの水晶発振回路であり、温度に関係なくほぼ一定の周波数の基準クロック信号を生成する。 リセット回路41は、GPSランニングウオッチ100の動作をリセットさせるために用いられる。 操作ボタン16〜19は、動作モード(ランニングモードや時刻表示モードなど)を切り替えたり、液晶パネル40の表示設定や各種設定入力を行うために用いられる。

    <C:GPSランニングウオッチの加速度センサーによる速度推定処理および距離算出処理>
    次に、本実施形態のGPSランニングウオッチ100の加速度センサーによる速度推定処理および距離算出処理について詳しく説明する。 GPS衛星からの電波情報の受信ができなくなった場合、あるいは、GPS衛星からの電波が弱い場合などには、GPS衛星からの電波情報に含まれる信号を処理して把握される速度情報を用いることができない。

    このようにGPS衛星からの電波情報に含まれる信号を処理して把握される速度情報を用いることができない場合に走行速度を推定する方法としては、加速度センサーが内蔵された別体型機器をユーザーのシューズに取り付け、この機器を用いて走行速度を測定する方法がある。 しかしながら、この方法では、ユーザーによる歩幅の設定の如何によって測定値にばらつきを生じる。 また、同じユーザーでも、走行するペースがハイペースの場合と、スローペースの場合とでは、歩幅が異なる。 図4に示すように、例えば、歩幅を110cmに設定したとしても、下り坂などのハイペース時には歩幅が120cmになったり、上り坂などのスローペース時には歩幅が100cmになることもある。 したがって、1歩当たり±10cmの誤差があり、この誤差が常に累積していくことになるので、別体型の加速度センサーを用いる方法では、走行速度を正確に測定することは困難になる。

    しかしながら、検討の結果、体振動周波数、つまり、ランナーの体が走行中に上下に動く振動の周波数は、そのランナーの歩幅によらず、ランナーの実際の走行速度との相関関係があることが判明した。 また、この体振動周波数と走行速度との関係は、ランナーの運動能力の差にも依存することがなく、図5に示すように、一般のランナーから陸上競技のオリンピック選手に至るまで、ほぼ比例の関係にあり、体振動周波数が高いほど、走行速度が高くなるという関係にあることがわかった。 例えば、図5に示すように、一般のランナーの走行時には、体振動周波数は2.5Hz〜3.2Hz程度となり、マラソンのオリンピック選手では、体振動周波数は3.5Hz〜3.7Hz程度、100m競技のオリンピック選手では、体振動周波数は5.1Hz程度になることがわかった。

    そこで、本実施形態では、一例として、加速度センサー38のY軸方向の振動の周波数をユーザーの体振動周波数として、体振動周波数と走行速度との相関関係を特定している。 具体的には、図6に示すように、GPS衛星からの電波情報の受信が良好に行われている時に、ユーザーの体振動周波数を測定すると共に、その時のGPS衛星からの電波情報に含まれる信号を処理して把握される速度情報を走行速度とし、そのユーザーの体振動周波数のデータと走行速度のデータを関連付けて記録する。 そして、記録したデータから、ユーザーの体振動周波数と走行速度との相関関係を、一次式として特定する。 一次式の特定には、例えば、最小二乗法が用いられる。 そして、GPS衛星からの電波情報を良好に受信できないと判断した場合には、特定した一次式に、加速度センサーから計測されるユーザーの体振動周波数を当てはめ、走行速度を推定し、その速度から距離を求めるようにした。

    次に、図7のフローチャートと図8の加速度センサーの出力波形図に基づいて本実施形態における速度推定処理および距離算出処理の具体例について説明する。 まず、ユーザーは、ランニングを開始する際に、GPSランニングウオッチ100の操作ボタン16を操作して、速度と距離の測定を開始する。 測定が開始されると、加速度センサー38からは、X軸、Y軸、およびZ軸のそれぞれの方向の振動の振幅値が図8に示すように出力される。 そこで、一例として、加速度センサー38から出力される加速度波形のうち、Y軸方向の加速度波形の下ピーク値を検出し、その下ピーク値が得られた時間を随時記憶する(図7:S1)。

    そして、下ピーク値が得られた時間から、時間当たりのY軸方向の振動数、つまり、Y軸方向の振動の周波数を検知し、記憶する(図7:S2)。 次に、GPS衛星からの電波の受信状態が所定の基準を満たすか否かを判断し(図7:S3)、GPS衛星からの電波の受信状態が所定の基準を満たす場合には(図7:S3;YES)、記憶した周波数と、下ピーク値が得られた時のGPS衛星からの信号を処理して把握される速度情報とから、一次式を特定する(図7:S4)。

    また、その時のGPS衛星からの信号を処理して把握される速度情報を走行速度として表示すると共に、前回速度情報を取得した時から、今回速度情報を取得した時までの時間を、取得した速度情報に掛けて、前回速度情報を取得した時から、今回速度情報を取得した時までの走行距離を算出する(図7:S5)。 そして、算出した距離を、それまでの合計距離に加算する(図7:S7)。 合計距離の表示は、随時行ってもよいし、ユーザーによる操作ボタンの操作に応じて行ってもよい。

    次に、ユーザーの走行が終了したかどうかを判断する(図7:S8)。 この判断は、ユーザーがGPSランニングウオッチ100の操作ボタン16を操作して、速度と距離の測定を終了させた場合に、走行が終了したと判断するようにすればよい。 走行が終了していない場合には(図7:S8;NO)、上述した処理を繰り返す。

    また、GPS衛星からの電波の受信状態が所定の基準を満たさない場合には(図7:S3;NO)、加速度センサー38の出力から得られる体振動周波数を、求めた一次式に当てはめて走行速度を算出して表示する。 また、前回速度情報を取得した時または走行速度を算出した時から、今回走行速度を算出した時までの時間を、算出した走行速度に掛けて、前回速度情報を取得した時または走行速度を算出した時から、今回走行速度を算出した時までの走行距離を算出して表示する(図7:S6)。 そして、算出した距離を、それまでの合計距離に加算する(図7:S7)。 合計距離の表示は、随時行ってもよいし、ユーザーによる操作ボタンの操作に応じて行ってもよい。

    次に、ユーザーの走行が終了したかどうかを判断する(図7:S8)。 この判断は、ユーザーがGPSランニングウオッチ100の操作ボタン16を操作して、速度と距離の測定を終了させた場合に、走行が終了したと判断するようにすればよい。 走行が終了していない場合には(図7:S8;NO)、上述した処理を繰り返す。 なお、特定した一次式は、走行が終了した後もそのまま記憶しておいてもよいし、GPSランニングウオッチ100を使用するユーザーが変わる場合には、クリアするようにしてもよい。

    図9に、様々なユーザーの体振動周波数と走行速度との組で与えられるデータを記録し、記録したデータからそれぞれ一次式を特定した結果を示す。 図9に示すように、ユーザーによって走行速度に差があっても、それぞれのユーザーの体振動周波数と走行速度との関係を一次式で表すことができる。

    したがって、本実施形態によれば、トンネル内などを走行する場合のように、GPS衛星からの電波の受信状態が所定の基準を満たさない区間を走る場合でも、GPS衛星からの電波の受信状態が所定の基準を満たす間に特定した一次式に基づいて、ユーザーの走行速度を推定することができるので、ユーザーは常に自分の走行速度を確認することができ、所望のペースまたは適切なペースで走行することができる。

    さらに、本実施形態によれば、GPS衛星からの電波の受信状態が所定の基準を満たす間だけでなく、GPS衛星からの電波の受信状態が所定の基準を満たさない区間を走る場合でも、上述のような推定した走行速度から走行距離を算出し、それまでの合計距離に加算する処理を行うので、例えば、図10に示すように、カーブしたトンネル内を走行する場合でも、正確に走行距離を知ることができる。

    図10に示すようなカーブしたトンネル内を走行する場合に、GPS衛星からの電波の受信状態が所定の基準を満たすトンネルの入口の計測点と、その後にGPS衛星からの電波の受信状態が所定の基準を満たすトンネルの出口の計測点との、二つの計測点で判断してしまうと、あたかも直線のトンネル内を走行したかのように、誤った測定が行われることになる。

    しかしながら、本実施形態では、トンネル内に入り、GPS衛星からの電波の受信状態が所定の基準を満たさない区間を走っていると判断した場合には、加速度センサー38による測定した体振動周波数と、特定した一次式とから走行速度と走行距離を求めるので、図10に示すようなカーブしたトンネル内を走行する場合でも、正確に走行距離を知ることができる。

    なお、本実施形態では、加速度センサー38のY軸方向の振動の周波数を求めて体振動周波数としたが、体振動周波数とする振動の方向は、走行中にユーザーの体が上下に動く方向であればよく、重力方向に最も近い軸の振動を用いればよい。 重力方向に最も近い軸の振動とは、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の振動のうち、振幅が最も大きくなる軸方向の振動をいう。 例えば、GPSランニングウオッチ100を腕に装着して、親指が上になるようにして走る状態では、図11に示すY軸方向の振動の振幅が最も大きくなるので、重力方向に最も近い軸の振動としてY軸方向の振動を用いる。 しかし、図11に示すように、走りながらGPSランニングウオッチ100の液晶パネルを見ようとすると、GPSランニングウオッチ100の液晶パネルに垂直な方向であるZ軸方向の振動の振幅が最も大きくなる。 したがって、この場合には、重力方向に最も近い軸の振動としてZ軸方向の振動を用いる。 図12に各軸方向の振動の一例を示す。
    図12に示すように、GPSランニングウオッチ100を腕に装着し、親指を上にした走行中においては状態では、Y軸方向の振動の振幅が最も大きくなることがわかる。 しかし、GPSランニングウオッチ100の画面を見ている時には、図12の領域Aに示すように、Z軸方向の振動の振幅が最も大きくなることがわかる。 本実施形態では、このように、振幅が最も大きくなる軸方向の振動を重力方向に最も近い軸の振動として採用し、重力方向に最も近い軸の振動の周波数を求めて体振動周波数としている。 但し、本発明はこのような例に限定されず、加速度センサー38の各軸の振動波形を合成した波形の周波数を体振動周波数としてもよい。

    また、上述した実施形態では、体振動周波数と走行速度との関係から、一次式を特定し、この一次式を記憶する例について説明したが、体振動周波数と走行速度との相関関係を特定するテーブルを生成して記憶し、このテーブルを用いて走行速度を推定するようにしてもよい。
    なお、GPS衛星の電波の受信状態が所定の基準を満たすか否かの判断は、受信可能な衛星の数が所定数以下になったかどうか、あるいは、各衛星により測定位置の誤差が所定値以上になったかどうか等で判断するようにすればよい。

    以上のように、本実施形態によれば、GPSランニングウオッチ100内に多軸の加速度センサー38を備えて、走行速度を推定するようにしたので、足部や胸部にランニングウオッチとは別体のセンサーを取り付ける必要がなく、走行前の準備を楽にすることができる。 また、加速度センサー38がGPSランニングウオッチ100に内蔵されているので、別体のセンサーを用いた場合のような電池切れや古い電池によるデータ記録の失敗の危険性がない。

    また、本実施形態では、振幅の大きい体振動の動きを検知しているので、走行中の腕の動きがユーザーによって多種多様で複雑であっても、正確に波形ピークを捉えることが可能となり、出力値の精度を向上させることができる。
    さらに、ランナーによっては、走る時に腕を振らないランナーもいるが、本実施形態では、振幅の大きい体振動の動きを検知しているので、そのように腕を振らないランナーが用いた場合でも、出力値の精度を向上させることができる。

    また、ユーザーは、走行前に走行する距離を入力する必要がないので、ユーザーが任意のルートを走行した場合でも、その走行距離を適切に把握することが可能となる。 歩幅(ストライド)を設定入力する必要がないので、その設定誤差や、走行中の歩幅の誤差に影響されることがなく、正確に走行距離を算出することが可能になる。

    <D:変形例>
    上述した実施形態では、体振動周波数と走行速度との関係から一次式を求める例について説明したが、二次式を求めるようにしてもよい。 図13、図15および図17は、それぞれ走行者A、走行者B、走行者Cの体振動周波数と走行速度との関係を示すデータをプロットした図である。 そして、図14、図16および図18は、それぞれ図13、図15および図17に示したデータに基づいて、最小二乗法により一次式を算出した例である。

    一方、図19、図20および図21は、それぞれ図13、図15および図17に示したデータに基づいて、二次式を算出した例である。 このように、本実施形態によれば、体振動周波数と走行速度との関係は、二次式として学習することも可能である。 なお、二次式の特定も、一次式と同様に最小二乗法を用いればよい。

    なお、上述した実施形態では、GPSシステムが備える位置情報衛星としてGPS衛星20を例示して説明したが、これはあくまで一例である。 GPSシステムは、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)、北斗(中国)などの他の全地球的航法衛星システム(GNSS)や、SBASなどの静止衛星や準天頂衛星などの衛星信号を発信する位置情報衛星を備えるものであればよい。 すなわち、GPSランニングウオッチ100は、GPS衛星20以外の衛星を含む位置情報衛星からの電波(無線信号)を処理して把握される速度情報を取得する構成であってもよい。

    また、速度情報は、位置情報衛星からの電波に含まれる速度情報そのものであってもよいし、位置情報衛星からの電波に含まれるGPS時刻情報と衛星軌道情報とを使用して測位計算することによって得られる走行距離(移動距離)と、経過時間とから算出した対地速度の情報であってもよい。
    さらに、上述した実施形態及び変形例においては、体振動周波数と走行速度との相関関係を特定する例について説明したが、体振動周波数と走行ペースとの相関関係を特定するようにしてもよい。 また、特定した体振動周波数と走行速度との相関関係と、計測した体振動周波数とから、走行ペースを推定するようにしてもよい。 走行ペースは、走行速度の逆数で、1km当たりの時間(分)で表すようにすればよい。 但し、このような例に限定されるものではなく、所定の距離当たりの時間(秒、分、時間)で表すものであればよい。

    100…GPSランニングウオッチ、16,17,18,19…操作ボタン、30…MCU、31…電源回路、31a…二次電池、32…液晶パネル表示部、33…フラッシュROM、34…GPSモジュール、35…無線通信部、38…加速度センサー、40…液晶パネル、80…外装ケース、81…ケース、82…カバーガラス。

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