Device and method for determining stop of car body for speed calculation device

申请号 JP2005005608 申请日 2005-01-12 公开(公告)号 JP2006194698A 公开(公告)日 2006-07-27
申请人 Macnica Inc; 株式会社マクニカ; 发明人 TSUNODA YASUNOBU; HOSAKA HITOSHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To determine whether a car body is at a standstill or not only from acceleration information acquired by an acceleration sensor and increase the accuracy of the value of speed without using angle information, which has a high possibility of including errors, when calculating the speed from the acceleration information acquired by the acceleration sensor installed in the car body.
SOLUTION: The speed calculation device comprises an angle calculation means 2 for calculating a road surface angle from an acceleration component Ax which is parallel to the road surface and an acceleration component Az which is perpendicular to the road surface obtained by the acceleration sensor 1 installed in the car body and a speed calculation means 3 for calculating a car body speed using the road surface angle and the acceleration component Ax obtained by the acceleration sensor. The speed calculation system further comprises a fluctuations detection means 4 for detecting the magnitude of fluctuations in the acceleration component Ax or Az obtained by the acceleration sensor 1 and a stop judgment means 5 which compares the magnitude of fluctuations to a predetermined value and judges that the car body is at a standstill when the magnitude of fluctuations does not exceed the predetermined value, thereby judging whether the car body is at a standstill or traveling prior to the calculation of the car body speed.
COPYRIGHT: (C)2006,JPO&NCIPI
权利要求
  • 車体に設置された加速度センサから得られた、路面に平行な加速度成分Axと路面に垂直な加速度成分Azから路面角度を算出する角度算出手段と、前記路面角度と前記加速度センサから得られた前記加速度成分Axを用いて車体速度を算出する速度算出手段を備える速度算出装置において、前記加速度センサから得られる加速度成分Ax、もしくはAzのブレの大きさを検出するブレ検出手段と、前記ブレの大きさが、ある設定値を超えるか否かを比較し、超えないときに前記車体が停止中であると判断する停止判定手段とを備えることを特徴とする速度算出装置における車体の停止判定装置。
  • 前記ブレ検出手段は蓄積された時刻毎の複数個の加速度成分Ax、もしくはAzのデータの内、最大値と最小値の差の絶対値を前記ブレの大きさとして求める第一演算手段を備え、前記停止判定手段は前記第一演算手段で得られた加速度成分の最大値と最小値の差の絶対値が、ある設定値を超えるか否かを比較することを特徴とする請求項1記載の速度算出装置における車体の停止判定装置。
  • 前記速度算出装置には前記複数個の加速度成分Axn、もしくはAznのデータを1セットとして複数セットのデータが保存されており、前記停止判定手段は前記複数セットのデータの内、前記第一演算手段で得られた加速度成分の最大値と最小値の差の絶対値が、ある設定値を超えているセットの数が複数あるか否かを判断することを特徴とする請求項2記載の速度算出装置における車体の停止判定装置。
  • 前記ブレ検出手段は蓄積された時刻毎の複数個の加速度成分Ax、もしくはAzのデータの平均値と、各時刻毎の加速度成分との差の2乗の和の平方根を前記ブレの大きさとして計算する第二演算手段を備え、前記停止判定手段は前記第二演算手段で得られた加速度成分の標準偏差値が、ある設定値を超えるか否かを比較することを特徴とする請求項1記載の速度算出装置における車体の停止判定装置。
  • 車体速度を低速、高速の少なくとも2通りの速度帯に区分したときに、前記速度算出手段が算出した車体速度が前記いずれの速度帯に属するかを判断する比較手段を備え、前記比較手段の判断結果に基づいて前記ブレ検出手段がブレの大きさを検出し、前記停止判定手段が、前記各速度帯毎に前記ブレの大きさが、ある設定値を超えるか否かを比較することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の速度算出装置における車体の停止判定装置。
  • 車体に設置された加速度センサから得られた、路面に平行な加速度成分Axと路面に垂直な加速度成分Azから路面角度を算出する角度算出手段と、前記路面角度と前記加速度センサから得られた前記加速度成分Axを用いて車体速度を算出する速度算出手段を備える速度算出装置において、ブレ検出手段が前記加速度センサから得られる加速度成分Ax、もしくはAzのブレの大きさを検出する工程と、停止判定手段が、前記ブレの大きさがある設定値を超えるか否かを比較し、超えないときに前記車体が停止中であると判断する工程とを含むことを特徴とする速度算出装置における車体の停止判定方法。
  • 前記ブレ検出手段において第一演算手段が蓄積された時刻毎の複数個の加速度成分Ax、もしくはAzのデータの内、最大値と最小値の差の絶対値を前記ブレの大きさとして求める工程と、前記停止判定手段が前記第一演算手段で得られた加速度成分の最大値と最小値の差の絶対値が、ある設定値を超えるか否かを比較する工程とを含むことを特徴とする請求項6記載の速度算出装置における車体の停止判定方法。
  • 前記速度算出装置には前記複数個の加速度成分Axn、もしくはAznのデータを1セットとして複数セットのデータが保存されており、前記停止判定手段が、前記複数セットのデータの内、前記第一演算手段で得られた加速度成分の最大値と最小値の差の絶対値が、ある設定値を超えているセットの数が複数あるか否かを判断する工程を含むこと特徴とする請求項7記載の速度算出装置における車体の停止判定方法。
  • 前記ブレ検出手段において第二演算手段が蓄積された時刻毎の複数個の加速度成分Ax、もしくはAzのデータの平均値と、各時刻毎の加速度成分との差の2乗の和の平方根を前記ブレの大きさとして計算する工程と、前記停止判定手段が前記第二演算手段で得られた加速度成分の標準偏差値が、ある設定値を超えるか否かを比較する工程とを含むことを特徴とする請求項6記載の速度算出装置における車体の停止判定方法。
  • 車体速度を低速、高速の少なくとも2通りの速度帯に区分したときに、比較手段が、前記速度算出手段が算出した車体速度が前記いずれの速度帯に属するかを判断する工程と、前記比較手段の判断結果に基づいて前記ブレ検出手段がブレの大きさを検出する工程と、前記停止判定手段が、前記各速度帯毎に前記ブレの大きさが、ある設定値を超えるか否かを比較する工程とを含むことを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の速度算出装置における車体の停止判定方法。


  • 说明书全文

    本発明は車体に設置された加速度センサから得られる加速度情報から速度を算出する上で、車体速度の算出に先立って車体が走行中か停止中かの判定をする速度算出装置における車体の停止判定装置及び停止判定方法に関するものである。

    図9に示すように車体に設置された例えば2軸加速度センサの加速度情報Ax、Azから現在の車体の速度Vnを算出する場合、速度Vnは路面に平行な加速度成分Axを時間で積分することにより求められる(Vn=Vn-1+(Ax−gsinα)dt)。 しかしながら、加速度センサから得られる加速度情報Ax、Azにはアイドリング時のエンジンの振動、走行時の路面の凹凸等に起因する加速度のブレ(変動)の影響が含まれている可能性があり、この情報を用いて求めた路面度α(=tan -1 (Ax/Az))自体が誤差を含んでいる可能性があるため、この路面角度αを直接用いて算出した速度Vnの値にも加速度のブレの影響が表れることになる。

    図9において加速度センサ1が検出する路面に平行な加速度成分Axの内、加速度gの路面に平行な成分をAgxとし、路面に平行な車体加速度をAaとしたとき、Ax=Agx+Aaであるから、例えば等速運転中には車体加速度Aaが0であり、加速度成分Ax=Agxであるため、Axからではアイドリングしながらの停止中との区別ができないことがある。 このような場合に、加速度センサからの加速度情報Ax、Azを用いて速度Vnを求めるとすれば、走行中であるにも拘らず、停止中(Vn=0)である、あるいは逆に停止中であるにも拘らず、走行中であるとの結果が出る可能性があるため、直ちには前記のように算出した速度Vnを現在の速度として採用し得ないことがある。

    そこで、等速運転中であるかアイドリングしながらの停止中であるかを区別するために、速度を算出する上で何らかの手当て(判断)を付加することが必要になるが、従来、車体が走行中か否かの判断をする方法として、車両に所定値以上の制動力が作用していることと、車両に作用する前後方向の加速度の絶対値が所定値以下であることの条件が揃ったときに、車両が停止していると判断する方法がある(特許文献1参照)。

    特開2002−242746号公報(段落0008〜0009)

    特許文献1の方法によれば、車体がある速度のときに制動を掛けていることの条件に加え、加速度の絶対値が、ある一定値以下であることの条件を用いることから、完全には停止していない停止直前の状態も停止と判断することになる。 よってその判断結果に基づいて前記のように加速度センサの加速度情報Ax、Azから速度Vnを算出したときには、速度Vnの算出に用いる加速度成分Axに前後のサスペンションのばね定数の差等の影響が出る可能性が高いため、求めた速度Vnの値の正確さに欠ける。
    またここでは路面が傾斜している場合に、路面角度を反映させるために上記ある一定値を変更することにしているが(段落0032〜0033)、車体に搭載された加速度センサには停止直前の車体の傾きの影響が表れるため、上記ある一定値を変更しても、前記式を用いて速度Vnを算出する上では有効とは言えない。

    本発明は上記背景より、従来方法の問題点を解決するために創案されたものであり、誤差を含む可能性のある角度情報を用いることなく、加速度センサから得られる加速度情報のみから車体が停止中か否かの判定をし、車体速度の精度を高めることを可能にする速度算出装置における車体の停止判定装置及び停止判定方法を提案するものである。

    請求項1に記載の車体の停止判定装置は車体に設置された加速度センサから得られた、路面に平行な加速度成分Axと路面に垂直な加速度成分Azから路面角度を算出する角度算出手段と、前記路面角度と加速度センサから得られた加速度成分Axを用いて車体速度を算出する速度算出手段を備える速度算出装置において、前記加速度センサから得られる加速度成分Ax、もしくはAzのブレ(変動)の大きさを検出するブレ検出手段と、前記ブレの大きさが、ある設定値を超えるか否かを比較し、超えないときに前記車体が停止中であると判断する停止判定手段とを備えることを構成要件とする。

    前記のように車体の速度Vnを加速度センサから得られる加速度Axとgsinαの差を積分することにより求める場合、アイドリング時のエンジンの振動、走行時の路面の凹凸等に起因する加速度Ax、Azのブレの影響により正確な速度を算出できない可能性がある。 例えば車体がアイドリングしながらの停止中である場合、加速度成分Ax、Azへは主にエンジンの振動によるブレの影響が表れ、走行中である場合には路面の凹凸による車体の振動、あるいはサスペンションの振動によるブレの影響が表れる傾向が強く、走行中にはエンジンの振動による影響より路面の凹凸に起因する影響が加速度成分Ax、Azに一層顕著に表れ易い。 Azは車体が重力加速度gと同じ下向きの加速度を受けたときに大きくなり、上向きの加速度を受けたときに小さくなる。

    このように加速度のブレは停止中より走行中に大きくなる傾向があるから、加速度センサから得られる加速度成分Ax、Azのブレの大きさを監視し、ブレの大きさが、ある設定値を超えるか否かを、停止中か走行中かの判断基準にすれば、判断基準が明快で、判断がし易い上、正確に停止中か走行中かの判断をすることができるため、加速度情報Ax、Azを用いて速度Vnを求めたときに、走行中に停止中であると判断される可能性と、停止中に走行中であると判断される可能性を排除することが可能になる。 実際には例えば整備された路面上を惰性で高速走行中のようにエンジンの振動と路面の凹凸の影響をほとんど受けない場合に、Ax、Azのブレが小さいために結果的に速度が0となる可能性もあるが、走行中であるとの判断結果から、新規に算出した速度Vnが0の可能性が否定されるため、前回の速度Vn-1を維持することで、誤った速度を取得する事態を回避できる。

    そこで、加速度センサから得られる加速度成分Ax、もしくはAzのブレの大きさを検出し、そのブレの大きさが、ある設定値を超えるか否かの判断に基づいて車体が走行中か停止中かの判断をすることで、エンジンの振動に起因するブレか、路面の凹凸による車体の振動やサスペンションの振動に起因するブレかの区別がし易くなるため、走行中か停止中かの正確な判断が可能になる。

    請求項2に記載の車体の停止判定装置は請求項1記載の発明において、ブレ検出手段が、蓄積された時刻毎の複数個の加速度成分Ax、もしくはAzのデータの内、最大値と最小値の差の絶対値をブレの大きさとして求める第一演算手段を備え、停止判定手段が、第一演算手段で得られた加速度成分Ax、もしくはAzの前記最大値と最小値の差の絶対値が、ある設定値を超えるか否かを比較することを構成要件とする。 停止判定手段は最大値と最小値の差の絶対値が、ある設定値を超えない(ある設定値以下の)ときに車体が停止中であると判断する。

    加速度成分Ax、Azのブレの大きさ(ノイズ)を示す指標としては具体的には加速度A(Ax、またはAz)の最大値Amax(Axmax、またはAzmax)と最小値Amin(Axmin、またはAzmin)の差Adif(Axdif、Azdif)が考えられる。 車体が停止状態から加速、減速を経て停止状態に至る過程では、加速度Aのノイズである最大値Amaxと最小値Aminの差(Adif)の絶対値は横軸に時間を取ったとき、図6に示すような曲線を描き、停止中と走行中とでは破線で示すようにある境界が表れるため、上記のある設定値Taとしてこの境界値を用いることで、停止中か走行中かの判断が容易になる。 Taの次元はAxと同じm/s 2である。

    そこで、蓄積された時刻毎の複数の加速度Aのデータ内において、第一演算手段がこの最大値Axmax、またはAzmaxと最小値Axmin、またはAzminの差Axdif(Axmax−Axmin)、またはAzdif(Azmax−Azmin)を時刻毎に算出する一方、図6に示すように停止中と走行中とで、最大値Axmax(Azmax)と最小値Axmin(Azmin)の差Axdif(Azdif)の大きさが相違すると判断できる境界の値をある設定値Taとして設定しておき、算出した前記最大値と最小値の差Axdif(Azdif)が、ある設定値Taを超えるか否かの比較に基づいて停止中かの否かの判断をすることで、明確に停止中かの否かの判断をすることが可能になる。

    請求項3に記載の発明は請求項2に記載の発明において、停止判定手段が、速度算出装置に保存されている複数個の加速度成分Axn、もしくはAznのデータを1セットとする複数セットのデータの内、第一演算手段で得られた加速度成分の最大値と最小値の差の絶対値が、ある設定値を超えているセットの数が複数あるか否かを判断することを構成要件とする。

    速度算出装置に保存されている時刻毎の複数個の加速度成分Axn、もしくはAznのデータを例えばAx1〜Ax5(Az1〜Az5)のように、ある複数個のデータ単位毎に区分し、この複数個のデータAx1〜Ax5(Az1〜Az5)を1セットとしたときに、この1セット、複数個のデータがある時刻(Δt)毎に、Ax1が更新→Ax2が更新→Ax3が更新→Ax4が更新→Ax5が更新のように更新されていくとすると、Ax1の更新から次にAx1が更新されるまでΔt×5の時間を要する。

    一方、加速度センサ(素子)の精度の影響により、またはエンジン振動からのノイズではない伝送路に発生するノイズの影響により実際には車体が静止しているにも拘らず、瞬間的にいずれかのデータAxn(Azn)が大きな、もしくは小さな値になることがある。 例えばある時点で車体の静止中にAx3が更新されたときの値が10であったとし、この更新されたAx3を含む1セット(Ax1〜Ax5)の他のデータがAx1=2、Ax2=3、Ax4=2、Ax5=2であったとしたとき、車体が静止状態を維持し続け、更なるAx1、Ax2、Ax4、Ax5の更新値に変化がないとすれば、Δt×5の時間における前記加速度成分の最大値と最小値の差の絶対値は8になる。 ここで、前記設定値Taが7以下であったとすれば、最大値と最小値の差の絶対値が、ある設定値Taを超えているため、停止判定手段はこのΔt×5の間、車体が走行中であると誤判断することになる。

    そこで、停止判定手段が、速度算出装置に保存されている複数個の加速度成分Axn、もしくはAznのデータを1セットとする複数セットのデータの内、第一演算手段で得られた加速度成分の最大値と最小値の差の絶対値が、ある設定値を超えているセットの数が複数あるか否かにより車体が停止中であるか否かを判断することにより、加速度センサの精度や伝送路に発生するノイズの影響による突出したデータを発見し、排除し易くなるため、上記のような誤判断を回避することが可能になる。

    具体的にはAxn1〜Axn5のデータを1セットとするデータ群をa=Ax01〜Ax05、b=Ax11〜Ax15、c=Ax21〜Ax25、d=Ax31〜Ax35、……i=Ax81〜Ax85、j=Ax91〜Ax95のように例えば10セット(a〜j)、常に速度算出装置に保存しておき、この10セットの内、加速度成分の最大値と最小値の差の絶対値が設定値Taを超えているセットの数が幾つあるかによって車体が停止中であるか、走行中であるかを停止判定手段が判断する。 ここで、例えば10セットの内、半数の5以上のセットに、絶対値が設定値Taを超えている加速度成分が含まれているときに走行中であると判断するとすれば、実際に車体が走行中である確率が高いと言えるため、停止判定手段による判断の信頼度が向上し、上記のような誤判断を排除することが可能となる。 1セットのデータの数は5より多い場合も少ない場合もあり、上記セット数は10より多い場合も少ない場合もある。

    複数個の加速度成分にはエンジンやサスペンションの振動と、素子や伝送路の振動が加速度を互いに打ち消し合う場合が含まれていると考えられるが、素子や伝送路の振動のみがデータに影響する確率は高くはないと考えられる。 よって10セットの内、連続するか否かに関係なく、半数以上のいずれか5セット以上に設定値Taを超えている加速度成分があれば、素子や伝送路の振動による影響ではなく、実際の車体の加減速がデータに表われている可能性が高いと言えるため、その場合には車体が走行中である(静止中ではない)と判断することにすれば、素子や伝送路の振動に起因する誤判断を排除できる。

    特に10セットの内、連続する5セット以上に、絶対値が設定値Taを超えている加速度成分が含まれているときに走行中であると判断するとすれば、加速度の変化が継続していることになり、実際に車体が走行中である確率が一層高いと言えるため、停止判定手段による判断の信頼度が更に向上する。

    請求項4に記載の車体の停止判定装置は請求項1記載の発明において、ブレ検出手段が蓄積された時刻毎の前記複数個の加速度成分Ax、もしくはAzのデータの平均値と、各時刻毎の加速度成分との差の2乗の和の平方根をブレの大きさとして計算する第二演算手段を備え、停止判定手段が、第二演算手段で得られた加速度成分の標準偏差値が、ある設定値を超えるか否かを比較することを構成要件とする。 第二演算手段は√Σ(An−Aav) 2 、すなわちA(Ax、またはAz)の標準偏差値を計算する。 Σはnを1から停止判定時の時刻回Nまで合計することを意味する。 停止判定手段はA(Ax、またはAz)の標準偏差値が、ある設定値を超えないときに車体が停止中であると判断する。

    加速度成分Ax、Azのブレの大きさを示す指標としては上記の最大値Amaxと最小値Aminの差Adifの他にA(Ax、またはAz)の標準偏差値が考えられる。 A(Ax、またはAz)の標準偏差値(√Σ(Axn−Axav) 2 、または√Σ(Azn−Azav) 2 )は、ある単位時間内でのAの変動の度合いを表すことから、A(Ax、またはAz)の変動が大きいとき、すなわちA(Ax、Az)と複数のデータの平均値Aav(Axav、Azav)との差が大きいとき程、Aの標準偏差値が大きくなる。 一方、前記のようにAの変動は走行中に大きくなることから、図7に示すようにAの標準偏差値を用い、Aの標準偏差値が、ある設定値を超えるか否かの比較に基づいて停止中かの否かの判断をすることで、明確に停止中かの否かの判断をすることが可能になる。

    車体が停止状態から加速、減速を経て停止状態に至る過程では、加速度Aの標準偏差値は横軸に時間を取ったとき、図7に示すように図6と同様の曲線を描き、停止中と走行中とでは破線で示すようにある境界が表れ、Aの標準偏差値には加速度Aのノイズの影響が最大値Amaxと最小値Aminの差より顕著に表れるため、ある設定値Tadevとしてこの境界値を用いることで、Adifを用いる場合より停止中か走行中かの判断がし易くなる。

    請求項5に記載の車体の停止判定装置は請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明において、車体速度を低速、高速の少なくとも2通りの速度帯に区分したときに、速度算出手段が算出した車体速度が前記いずれの速度帯に属するかを判断する比較手段を備え、比較手段の判断結果に基づいてブレ検出手段がブレの大きさを検出し、停止判定手段が、各速度帯毎にブレの大きさが、ある設定値を超えるか否かを比較することを構成要件とする。 比較手段による判断精度の面からは、中速を含めた3通り以上の速度帯に車体速度を区分することが適切である。

    例えば渋滞中のように一定時間以上、低速で走行中であれば、加速と減速の繰り返しに起因するサスペンションの影響によって車体の角度が変化し易く、速度が0に近いにも拘らず、走行中であると判断される可能性がある。 これに対し、高速での定速走行中には路面の影響やサスペンションの影響が表れにくく、車体の角度が変化しにくい上、加速度Aのノイズが小さいために走行中であるにも拘らず、停止中であると判断される可能性がある。 また急停止したときのように走行状態から停止状態に急激に移行したときには、停止中にも拘らず、停止直後の車体の振動の影響により加速度Aに変動が生じ、停止と判断されないことがあり、いずれの場合も加速度Aのノイズのみでは走行中か停止中かの判断がしにくいことがある。

    そこで、図8に示すように車体の速度を低速、中速、高速の少なくとも2通りの速度帯に区分し、その速度帯毎に加速度のノイズから走行中か停止中かの判断を加え、速度帯毎に、請求項1におけるブレ検出手段が、ブレの大きさが、ある設定値を超えるか否かを比較し、超えないときに停止判定手段が、車体が停止中であると判断することにより、ブレ検出手段での判断の前提に速度の範囲が反映されるため、加速度のノイズにのみ依存する場合の誤判断を回避し、速度の大きさに起因する誤差を低減することが可能になる。 ここで言うブレ検出手段は請求項2、請求項3における第一演算手段に相当し、請求項4における第三演算手段に相当する。

    同様に請求項2、請求項3における停止判定手段が、加速度の最大値Amaxと最小値Aminの差の絶対値が、ある設定値を超えるか否かを比較し、請求項4における停止判定手段が、加速度Aの標準偏差値が、ある設定値を超えるか否かを比較することにより、ブレ検出手段での判断に速度帯が反映されるため、速度の大きさに起因する誤差を低減することが可能になる。

    請求項6に記載の発明は車体に設置された加速度センサから得られた、路面に平行な加速度成分Axと路面に垂直な加速度成分Azから路面角度を算出する角度算出手段と、前記路面角度と前記加速度センサから得られた前記加速度成分Axを用いて車体速度を算出する速度算出手段を備える速度算出装置において、ブレ検出手段が前記加速度センサから得られる加速度成分Ax、もしくはAzのブレの大きさを検出する工程と、停止判定手段が、前記ブレの大きさがある設定値を超えるか否かを比較し、超えないときに前記車体が停止中であると判断する工程とを含むことを構成要件とし、請求項1に記載の発明に対応する。

    請求項7に記載の発明は請求項6に記載の発明において、前記ブレ検出手段において第一演算手段が蓄積された時刻毎の複数個の加速度成分Ax、もしくはAzのデータの内、最大値と最小値の差の絶対値を前記ブレの大きさとして求める工程と、前記停止判定手段が前記第一演算手段で得られた加速度成分の最大値と最小値の差の絶対値が、ある設定値を超えるか否かを比較する工程とを含むことを構成要件とし、請求項2に記載の発明に対応する。

    請求項8に記載の発明は請求項7に記載の発明において、停止判定手段が、速度算出装置に保存されている、複数個の加速度成分Axn、もしくはAznのデータを1セットとする複数セットのデータの内、第一演算手段で得られた加速度成分の最大値と最小値の差の絶対値が、ある設定値を超えているセットの数が複数あるか否かを判断する工程を含むことを構成要件とし、請求項3に記載の発明に対応する。

    請求項9に記載の発明は請求項6に記載の発明において、前記ブレ検出手段において第二演算手段が蓄積された時刻毎の複数個の加速度成分Ax、もしくはAzのデータの平均値と、各時刻毎の加速度成分との差の2乗の和の平方根を前記ブレの大きさとして計算する工程と、前記停止判定手段が前記第二演算手段で得られた加速度成分の標準偏差値が、ある設定値を超えるか否かを比較する工程とを含むことを構成要件とし、請求項4に記載の発明に対応する。

    請求項10に記載の発明は請求項6乃至請求項9のいずれかに記載発明において、車体速度を低速、高速の少なくとも2通りの速度帯に区分したときに、比較手段が、前記速度算出手段が算出した車体速度が前記いずれの速度帯に属するかを判断する工程と、前記比較手段の判断結果に基づいて前記ブレ検出手段がブレの大きさを検出する工程と、前記停止判定手段が、前記各速度帯毎に前記ブレの大きさが、ある設定値を超えるか否かを比較する工程とを含むことを構成要件とし、請求項5に記載の発明に対応する。

    上記の通り、本発明では誤差を含む可能性の高い角度情報を用いることなく、加速度センサから得られる加速度情報のみから車体が停止中かの否かの判定をするため、より正確な判定結果を得ることができ、この判定結果を踏まえて車体速度を求めることで、車体速度の精度を高めることができる。

    以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。

    図1は車体に設置された加速度センサ1から得られた、路面に平行な加速度成分Axと路面に垂直な加速度成分Azから路面角度αを算出するCPU等の角度算出手段2と、前記路面角度αと加速度センサ1から得られた加速度成分Axを用いて車体速度を算出するCPU等の速度算出手段3を備える速度算出装置において、前記加速度センサ1から得られる加速度成分Ax、もしくはAzのブレの大きさを検出するCPU等のブレ検出手段4と、前記ブレの大きさが、ある設定値を超えるか否かを比較し、超えないときに車体が停止中であると判断するCPU等の停止判定手段5とを備える請求項1に記載の車体停止判定装置のブロック図を示す。

    加速度センサ1には図9に示すように少なくともAxとAzの2方向の加速度を検出する機能を有する2軸加速度センサ、3軸加速度センサが使用される。 加速度センサ1は少なくともAxとAzの2方向の加速度を検出する機能を有すればよく、静電容量型や圧電素子型、振動型等の形式は問われない。

    角度算出手段2は加速度センサ1から得られた加速度情報AxとAzから、α=tan -1 (Ax/Az)として路面角度αを暫定的に算出している。 ここで求めた路面角度αは図5に示すように車体停止判定装置による判断の結果、最終的に変更されることがある。 角度算出手段2が算出した路面角度αは加速度センサ1からのAxと共に、角度算出手段2から速度算出手段3へ送られ、速度算出手段3において、一定の時刻毎に算出されている前回の時刻n-1における速度Vn-1と、Ax及びαを用いて今回の時刻nにおける速度VnがVn-1+(Ax−gsinα)dtとして算出される。

    加速度センサ1がある一定の時刻毎に検出したAxとAzのデータはブレ検出手段4へ送られ、ブレ検出手段4によってAx、もしくはAzのブレの大きさが検出された後、停止判定手段5による比較と判断が行われる。 ブレ検出手段4では時刻毎に得られた複数のAx、もしくはAzの最大値と最小値の差等の加速度のブレが検出され、停止判定手段5ではこの加速度のブレが、ある設定値以内であるか、超えているかが比較され、その結果から車体が停止中か否かの判断が行われる。

    図2はブレ検出手段4が、蓄積された時刻毎の複数個の加速度Ax、もしくはAzのデータの内、最大値Axmax(Azmax)と最小値Axmin(Azmin)の差Axdif(Azdif)の絶対値を加速度Ax(Az)のブレの大きさとして求めるCPU等の第一演算手段41を備え、停止判定手段5が第一演算手段41で得られた前記最大値Axmax(Azmax)と最小値Axmin(Azmin)の差Axdif(Azdif)の絶対値が、ある設定値Taを超えるか否かを比較する請求項2に記載の車体停止判定装置のブロック図を示す。

    加速度センサ1がある一定の時刻毎に検出したAxとAzのデータはブレ検出手段4の第一演算手段41へ送られ、第一演算手段41はその複数のデータの中から、演算時における最大値Axmax(Azmax)と最小値Axmin(Azmin)を発見し、その最大値Axmax(Azmax)と最小値Axmin(Azmin)の差Axdif(Azdif)の絶対値(│Axmax-Axmin│、または│Azmax-Azmin│)を算出する。 ここで算出された最大値Axmax(Azmax)と最小値Axmin(Azmin)の差Axdif(Azdif)の絶対値│Axmax-Axmin│(│Azmax-Azmin│)は停止判定手段5へ送られる。

    停止判定手段5には、図6に示すように最大値Axmax(Azmax)と最小値Axmin(Azmin)の差Axdif(Azdif)の絶対値を横軸の時間軸上に取ったとき、停止中と走行中との境界値として明確に表れる、ある設定値Ta(m/s 2 )が記憶されており、停止判定手段5はこの設定値Taと前記最大値Axmax(Azmax)と最小値Axmin(Azmin)の差Axdif(Azdif)の絶対値を比較し、差Axdif(Azdif)の絶対値が設定値Ta以下のときに車体が停止中であると判断し、設定値Taを超えるときに車体が走行中であると判断する。

    停止判定手段5の走行中であるとの判断結果は速度算出手段3へ送られ、速度算出手段3は停止判定手段5の判断結果に基づき、一定の時刻毎に算出されている前回の時刻n-1における速度Vn-1と、加速度センサ1から得られたAx、及び角度算出手段2から得られた路面角度αを用いて今回の時刻nにおける速度VnをVn-1+(Ax−gsinα)dtとして算出する。

    図2はまた、停止判定手段5が、速度算出装置に保存されている複数個の加速度成分Axn、もしくはAznのデータを1セットとする複数セットのデータの内、第一演算手段41で得られた加速度成分の最大値と最小値の差の絶対値が、ある設定値Taを超えているセットの数が複数あるか否かを判断する請求項3に記載の車体停止判定装置のブロック図も示す。

    前記のように速度算出装置にはAxn1〜Axn5のデータを1セットとするデータ群がa=Ax01〜Ax05、b=Ax11〜Ax15、c=Ax21〜Ax25、d=Ax31〜Ax35、……i=Ax81〜Ax85、j=Ax91〜Ax95のように例えば10セット(a〜j)程度、常に保存されており、停止判定手段5はこれら10セットの内、前記第一演算手段41で得られている加速度成分の最大値と最小値の差の絶対値(│Axmax-Axmin│、または│Azmax-Azmin│)が前記設定値Taを超えているセットの数が予め設定されている数(例えば5)以上であるか否かを判断し、前記設定値Taを超えているセットの数が5セット以上であれば、車体が走行中であると判断し、5セット未満であれば、車体が停止中であると判断する。 ここで言う5セットは3セット目から7セット目までのように連続する5セットであるか、10セットの内のいずれか5セットであるかは問われない。

    この場合も停止判定手段5の走行中であるとの判断結果は速度算出手段3へ送られ、速度算出手段3は停止判定手段5の判断結果に基づき、一定の時刻毎に算出されている前回の時刻n-1における速度Vn-1と、加速度センサ1から得られたAx、及び角度算出手段2から得られた路面角度αを用いて今回の時刻nにおける速度VnをVn-1+(Ax−gsinα)dtとして算出する。

    図3はブレ検出手段4が、蓄積された時刻毎の複数個の加速度Aのデータの平均値Axav(Azav)と、各時刻毎の加速度成分Axn(Azn)との差の2乗の和の平方根(√Σ(Axn(またはAzn)−Axav(またはAzav)) 2 )をブレの大きさとして計算するCPU等の第二演算手段42を備え、停止判定手段5が、第二演算手段42で得られた加速度Ax(Az)の標準偏差値が、ある設定値Tadevを超えるか否かを比較する請求項4に記載の車体停止判定装置のブロック図を示す。

    加速度センサ1がある一定の時刻毎に検出したAx、またはAzのデータ(Axn、Azn)はブレ検出手段4の第二演算手段42へ送られ、第二演算手段42はその複数のデータ(Axn、Azn)から、演算時における全Ax、または全Azの平均値Axav、またはAzavを計算した後、この平均値Axav、またはAzavと各データAxn、Aznとの差の2乗の和の平方根√Σ(Axn−Axav) 2 、または√Σ(Azn−Azav) 2 (Ax、またはAzの標準偏差値)を計算する。 演算時におけるAx、またはAzの標準偏差値の計算結果は停止判定手段5へ送られる。

    停止判定手段5には、図7に示すようにAx、またはAzの標準偏差値を横軸の時間軸上に取ったとき、停止中と走行中との境界値として明確に表れる、ある設定値Tadev(m/s 2 )が記憶されており、停止判定手段5はこの設定値Tadevと前記Ax、またはAzの標準偏差値を比較し、Ax、またはAzの標準偏差値が設定値Tadev以下のときに車体が停止中であると判断し、設定値Tadevを超えるときに車体が走行中であると判断する。

    走行中であるとの判断は速度算出手段3へ送られ、速度算出手段3は停止判定手段5の判断結果に基づき、一定の時刻毎に算出されている前回の時刻n-1における速度Vn-1と、加速度センサ1から得られたAx、及び角度算出手段2から得られた路面角度αを用いて今回の時刻nにおける速度VnをVn-1+(Ax−gsinα)dtとして算出する。

    図4は車体速度を低速、高速の少なくとも2通りの速度帯に区分したときに、速度算出手段3が算出した車体速度が前記いずれの速度帯に属するかを判断するCPU等の比較手段6を備え、比較手段6の判断結果に基づいてブレ検出手段4がブレの大きさを検出し、停止判定手段5が、各速度帯毎に前記ブレの大きさが、ある設定値を超えるか否かを比較する請求項5に記載の車体停止判定装置のブロック図を示す。

    車体速度がいずれかの速度帯に属するとの比較手段6の判断結果は停止判定手段5に送られ、停止判定手段5は比較手段6の判断結果、すなわち車体速度が低速、中速、高速のいずれの速度帯であるかの判断結果に基づいて、ブレ検出手段4(第一演算手段41、または第二演算手段42)で求めたブレの大きさが、ある設定値を超えるか否かを比較し、超えないときに車体が停止中であり、超えたときに走行中であると判断する。

    停止判定手段5は、前記のようにブレ検出手段4が第一演算手段41である場合には最大値Axmax(Azmax)と最小値Axmin(Azmin)の差の絶対値が、ある設定値Taを超えるか否かを比較し、ブレ検出手段4が第二演算手段42である場合にはAx、またはAzの標準偏差値が、ある設定値Tadevを超えるか否かを比較する。 走行中であるとの判断結果は速度算出手段3へ送られ、速度算出手段3が速度Vn-1と、Ax及びαを用いて今回の時刻nにおける速度Vnを算出する。

    図4に示す車体停止判定装置の作業手順の一例を図5の一部に示す。 前記のように加速度センサ1から得られた加速度情報AxとAzからは、角度算出手段2が路面角度αを算出し、この角度算出手段2が算出した路面角度αと加速度センサ1からのAxを用いて速度算出手段3が今回の時刻nにおける速度Vnを算出している。 この速度Vnから比較手段6が現在の車体速度が低速、中速、高速のいずれの速度帯であるかの判断をする。

    一方、加速度センサ1からの加速度情報AxとAzを受け取っているブレ検出手段4では第一演算手段41が加速度Aの最大値Axmax(Azmax)と最小値Axmin(Azmin)の差Axdif(Azdif)の絶対値を求めるか、または第二演算手段42が加速度Aのデータの平均値Axav、またはAzavと、各時刻毎の加速度成分Axn、Aznとの差の2乗の和の平方根√Σ(Axn−Axav) 2 、または√Σ(Azn−Azav) 2を計算することが行われる。

    停止判定手段5ではブレ検出手段4からの計算結果と比較手段6での判断結果、すなわち車体速度が低速、中速、高速のいずれの速度帯であるかの判断結果に基づいてブレ検出手段4(41、42)におけるブレの大きさが、ある設定値を超えるか否かを比較し、車体が停止中か否かを判断する。

    例えば比較手段6において車体速度が中速〜高速であると判断しているときに、第一演算手段41で得られた最大値Axmax(Azmax)と最小値Axmin(Azmin)の差Axdif(Azdif)の絶対値が設定値Ta以下であるとしても、この比較結果は比較手段6での判断に反するため、停止判定手段5は車体が停止中であるとは判断しない。 比較手段6において車体速度が低速であると判断しているときに、第一演算手段41で得られた最大値Axmax(Azmax)と最小値Axmin(Azmin)の差Axdif(Azdif)の絶対値が設定値Ta以下であるときには、その比較結果は比較手段6での判断に適合するため、停止判定手段5は車体が停止中であると判断することになる。

    逆に比較手段6において車体速度が低速であると判断しているときに、停止判定手段5において第一演算手段41で得られた最大値Axmax(Azmax)と最小値Axmin(Azmin)の差Axdif(Azdif)の絶対値が設定値Taを超えている結果が出たときには、その比較結果は比較手段6での判断に反するため、停止判定手段5は車体が走行中であるとは判断しない。 比較手段6において車体速度が中速〜高速であると判断しているときに、差Axdif(Azdif)の絶対値が設定値Taを超えていれば、その比較結果は比較手段6での判断に適合するため、停止判定手段5は車体が走行中であると判断することになる。 第二演算手段42の結果を用いた比較の場合でも同様の結論になる。

    停止判定手段5における判断結果が比較手段6における比較結果に合致し、停止判定手段5が、車体が停止中であると判断した場合には、車体停止判定装置の作業は終了する。 停止判定手段5が、車体が走行中であると判断した場合には、引き続き、車体速度Vnの精度を高めるために路面角度αの再算出をし、その算出値を用いて車体速度Vnを再算出することが行われる。

    図5では停止判定手段5での車体が走行中であるとの判断に続き、加速度センサ1から得られた加速度情報Ax、Azを用いて第三演算手段7が時刻毎に│Ax 2 +Az 2 −g 2 │の値を計算するか、第四演算手段8がAxの標準偏差値を計算する一方、角度算出手段2が時刻毎に路面角度αを算出すると共に、新規算出値αnewと前回算出値αoldの差αdif(αnew−αold)(°)を計算している。 Axの標準偏差値は路面に平行な加速度成分Axnの平均値Axavと、各時刻毎の加速度成分Axnとの差の2乗の和の平方根(√Σ(Axn−Axav) 2 )である。

    車体が停止中(Vn=0)であれば、車体加速度Aa=0であるから、図9から│Ax 2 +Az 2 −g 2 │=0が成立するのに対し、車体が上り勾配、または下り勾配に向かって加速しているときにはAgxにAaが加わる結果、│Ax 2 +Az 2 −g 2 │>0となる。 ここで、車体加速度Aaの影響は路面角度αの影響より顕著に表れるため、角度算出手段2が加速度センサ1から得られた加速度成分Ax及びAzを用いて路面角度αを算出したときのAxとAzを含む│Ax 2 +Az 2 −g 2 │の値が、車体加速度Aaの影響が表れるある設定値T1((m/s 22 )より小さい範囲にあることの条件、0<│Ax 2 +Az 2 −g 2 │<T1を満たしていることを確認すれば、より正確な路面角度αが得られていることが分かる。

    またAxの標準偏差値には車体加速度Aaの影響が顕著に表れるから、│Ax 2 +Az 2 −g 2 │の値に代えて第四演算手段8がAxの標準偏差値を算出し、この標準偏差値が、エンジンの振動や路面の凹凸による車体の振動、あるいはサスペンションの振動等に起因する加速度Ax、またはAzのブレの影響が表れる、ある設定値T2(m/s 2 )より小さいか否かの条件を用いれば、更に正確な路面角度αが得られていることが分かる。 すなわち角度算出手段2が加速度センサ1から得られた加速度成分Ax及びAzを用いて路面角度αを算出したときのAxとAzを含むAxの標準偏差値が、車体加速度Aaの影響が顕著に表れるある設定値T2((m/s 22 )より小さい範囲にあることの条件、Axの標準偏差値<T2を満たしていることを確認すれば、路面角度αの精度が高いことが分かる。

    続いて第二比較手段9は前回算出値(旧路面角度)αoldが複数の速度帯に区分したときのいずれの角度帯に属するか、及び上記角度算出手段2で求めた新規算出値αnewと前回算出値αoldの差αdifから、第二比較手段9が、新規算出値αnewの絶対値が増加傾向であるか否かを判断し、増加傾向でなければ、引き続き、第三比較手段10が、速度算出手段3が算出した車体速度が低速、中速、高速のいずれの速度帯に属するかを判断する。 ここで例えば中速、高速のいずれかの速度帯に属すると判断したときには、更に続いて第四比較手段11が0<│Ax 2 +Az 2 −g 2 │<T1の条件とAxの標準偏差値<T2の条件が一定時間T3(sec)継続するか否かの判断をする。 新規算出値αnewの絶対値が増加傾向である場合には、後述のように誤差を含んでいる可能性が高いため、以後の作業は継続されない。

    第四比較手段11がT3以下であると判断したときには、角度更新手段13においては新規算出値αnewは更新されずに前回算出値αoldが維持される。 第四比較手段11がT3より大きいと判断したときには、更に角度比較手段12が、新規算出値αnewと前回算出値αoldとの差αdif(αnew−αold)が、ある設定値M°(≦N°)より大きいか否かを判断する。

    新規算出値αnewと前回算出値αoldとの差αdifが設定値M°以下であると角度比較手段12が判断したときには、角度更新手段13が前回算出値に差を加えた値(αold+αdif)を新規算出値αnewとして前回算出値αoldを更新する。 角度比較手段12がM°より大きいと判断したときには、角度更新手段13が前回算出値αoldに、新規算出値αnewと前回算出値αoldの差αdifより十分に小さい値Δα(1°〜2°)を加えた値(αold+Δα)を更新後の新規算出値αnewとして計算し、前回算出値αoldを更新する。 速度算出手段3はこの更新後の新規算出値αnewに基づき、改めて車体速度Vnを算出する。

    特殊な路面でない限り、現実的な路面角度αとして想定される最大値、例えば±5°〜7°以上の角度を一度算出した場合に、次回の算出値が更に増加傾向になることは考えにくいため、この想定される最大値程度の角度を一度算出したときに次に算出される角度が増加傾向であれば、その算出値には誤差を含んでいる可能性が高い。 逆に前回算出値αoldが±5°〜7°以上であっても、次回の新規算出値αnewが減少傾向であれば、新規算出値αnewが誤差を含んでいる可能性が低いと言える。

    そこで、前記のように前回算出値αoldと新規算出値αnewの比較から路面角度が増加傾向であるか、減少傾向であるかの判断(第二比較手段9)を加え、第二比較手段9が、前回算出値αoldの絶対値が、ある設定値N°以上で、且つ新規算出値αnewの絶対値が前回算出値αoldの絶対値より大きいと判断したとき、すなわち前回算出値αoldが例えば±5°〜7°以上であり、且つ新規算出値αnewの絶対値が増加傾向であれば、新規算出値αnewを採用せずに前回算出値αoldを更新しないことにし、それ以外のときに前回算出値αoldを新規算出値αnewに更新することにすれば、エンジンの振動やサスペンションの影響を低減し、より正確な角度を算出することが可能になる。

    具体的には現実的に想定され得る最大の路面角度の絶対値N°(例えば5°〜7°であるが、状況により変動する)を設定しておいたとき、前回算出値αoldの絶対値がN°以上であるときに、新規算出値αnewの絶対値が前回算出値αoldの絶対値より大きい場合には、新規算出値αnewの絶対値が想定され得る最大の路面角度±N°を超えて増加傾向にあるから、新規算出値αnewが誤差を含んでいる可能性が高いと考えられる。 これらの場合には、前回算出値αoldを保存したまま維持し、新規算出値αnewに更新しないことにする。

    前回算出値αoldの絶対値がN°未満の場合には、新規算出値αnewの絶対値が増加傾向であっても、新規算出値αnewが誤差を含んでいる可能性が低いと考えられる。 また前回算出値αoldの絶対値がN°以上であっても、新規算出値αnewの絶対値が減少傾向である場合も、誤差を含んでいる可能性が低いと考えられる。 前回算出値αoldの絶対値がN°未満で、新規算出値αnewの絶対値が減少傾向である場合も、誤差を含んでいる可能性が低いと考えられる。 これらの場合に前回算出値αoldを新規算出値αnewに更新することになる。

    また実際の車道において路面角度αが急激に変化することは考えにくいため、前回算出値の角度αold(°)と新規算出値の角度αnew(°)の差αdif(°)が、ある設定値M°、例えば4°〜5°(これより大きい場合も小さい場合もある)より大きい場合には、新規角度αnewが誤差を含んでいる可能性が高いと考えられる。 そこで、前記のように角度比較手段12の判断を経由し、角度差αdifが5°以下であった場合には、前回角度αoldにその角度差αdifを加えた値(αnew=αold+αdif)、すなわち新規算出値を新規角度αnewとして用い、角度差αdifが5°より大きい場合には、新規角度αnewとして前回角度αoldに、想定される角度差の最大値より十分に小さい、例えばΔα(1°〜2°)を加えた値(αnew=αold+Δα)を用いることにより、新規算出値の誤差を低減することが可能になる。

    ブレ検出手段と停止判定手段を備える車体停止判定装置のブロック図である。

    第一演算手段を有するブレ検出手段と停止判定手段を備える車体停止判定装置のブロック図である。

    第二演算手段を有するブレ検出手段と停止判定手段を備える車体停止判定装置のブロック図である。

    比較手段と速度算出手段を備える車体停止判定装置のブロック図である。

    車体停止判定装置の作業手順の一例を示したフローチャートである。

    車体の状態と加速度の最大値と最小値の差の関係を示した横軸を時間とするグラフである。

    車体の状態と加速度の標準偏差値の関係を示した横軸を時間とするグラフである。

    速度帯の分割例を示したグラフである。

    傾斜した路面上の車体に搭載された加速度センサが検出する加速度成分を示した概要図である。

    符号の説明

    1 加速度センサ 2 角度算出手段 3 速度算出手段 4 ブレ検出手段 41 第一演算手段 42 第二演算手段 5 停止判定手段 6 比較手段 7 第三演算手段 8 第四演算手段 9 第二比較手段 10 第三比較手段 11 第四比較手段
    12 角度比較手段 13 角度更新手段

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