転倒検出システム及び方法

申请号 JP2016541871 申请日 2014-08-28 公开(公告)号 JP2016529081A 公开(公告)日 2016-09-23
申请人 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V.; コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V.; 发明人 アンネハルン,ヤネケ; カーテ,ワルネル リュドルフ テオフィーレ テン; カーテ,ワルネル リュドルフ テオフィーレ テン; バルデュス,ヘリベルト;
摘要 ユーザによる転倒を検出する際に使用するための転倒検出システムが提供される。転倒検出システムは、ユーザ及び/又はユーザが置かれている環境に関するコンテキスト情報を決定し、決定されたコンテキスト情報が、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ることを示す場合、ユーザによる転倒を検出するのに使用される転倒検出アルゴリズムの感度を上げるように構成される処理ユニットを備え、上記感度の上昇は、決定されたコンテキスト情報により転倒リスクの増加した状態が示される間に起こる。
权利要求

ユーザによる転倒を検出する際に使用するための転倒検出システムであって、当該転倒検出システムは: 前記ユーザ及び/又は前記ユーザが置かれている環境に関するコンテキスト情報を決定し、前記決定されたコンテキスト情報が、前記ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ることを示す場合に、ユーザによる転倒を検出するのに使用される転倒検出アルゴリズムの感度を上げるように構成される処理ユニットであって、前記感度の上昇は、前記決定されたコンテキスト情報により前記転倒リスクが増加した状態が示される間に起こる、処理ユニット を備える、転倒検出システム。前記コンテキスト情報は、前記ユーザが転倒リスク評価テスト又は平衡感覚トレーニングを実行しているかどうかの指示を備え;前記処理ユニットは、前記コンテキスト情報が、前記ユーザが転倒リスク評価テスト又は平衡感覚トレーニングを実行していることを示す場合に、前記ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ると決定するように構成される、 請求項1に記載の転倒検出システム。前記コンテキスト情報は、前記ユーザが歩いているかどうかの指示を備え、前記処理ユニットは、前記コンテキスト情報が、前記ユーザが歩いていることを示す場合に、前記ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ると決定するように構成される、 請求項1又は2に記載の転倒検出システム。前記コンテキスト情報は、前記ユーザについての異常な動きパターンが検出されたかどうかの指示を備え、前記処理ユニットは、前記コンテキスト情報が前記異常な動きパターンを示す場合に、前記ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ると決定するように構成される、 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の転倒検出システム。前記コンテキスト情報は、前記ユーザの現在の位置の指示を備え、前記処理ユニットは、前記ユーザの現在の位置が、前記ユーザが転倒するリスクの高い既知の位置である場合に、前記ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ると決定するように構成される、 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の転倒検出システム。前記ユーザが置かれている環境に関する前記コンテキスト情報は、前記ユーザの位置における環境光の指示、地面がどの程度平らであるか若しくは平らでないかの指示、現在の天気若しくは気温の指示及び/又は環境雑音レベルの指示を備え、前記処理ユニットは、前記環境光が閾値未満である場合、前記地面が平らでない場合、前記天気が湿っているか気温が閾値未満である場合、かつ/又は環境雑音レベルが閾値超である場合に、前記ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ると決定するように構成される、 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の転倒検出システム。前記コンテキスト情報は、現在の時間の指示を備え、前記処理ユニットは、前記現在の時間が1つ以上の指定された期間内である場合に、前記ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ると決定するように構成される、 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の転倒検出システム。前記1つ以上の指定された期間は、夜間、並びに/あるいは薬の定期的投与の直前及び/又は後の期間を備える、 請求項7に記載の転倒検出システム。前記コンテキスト情報は、前記ユーザが歩行補助を使用しているかどうかの指示、前記ユーザが眼鏡を装着しているかどうかの指示及び/又は前記ユーザが履いている靴のタイプの指示を備え、前記処理ユニットは、前記ユーザが必要な歩行補助を使用していない場合、前記ユーザが眼鏡を装着していない場合及び/又は前記ユーザが通常の又は正しい靴を履いていない場合に、前記ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ると決定するように構成される、 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の転倒検出システム。前記コンテキスト情報は、前記ユーザの現在の活動レベルの指示を備え、前記処理ユニットは、前記現在の活動レベルが閾値活動レベルよりも高い場合に、前記ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ると決定するように構成される、 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の転倒検出システム。前記処理ユニットは、前記コンテキスト情報が、前記ユーザは転倒リスクが低下した状態である又は転倒リスクが低下した状態であり得ることを示すかどうかを判断し、前記決定されたコンテキスト情報により前記転倒リスクの低下した状態が示される間、前記転倒検出アルゴリズムの感度を低下させるように構成される、 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の転倒検出システム。ユーザによる転倒を検出するよう転倒検出システムを作動させる方法であって、当該方法は: 前記ユーザ及び/又は前記ユーザが置かれている環境に関するコンテキスト情報を決定するステップと; 前記決定されたコンテキスト情報が、前記ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ることを示す場合に、前記決定されたコンテキスト情報により前記転倒リスクの増加した状態が示される間、ユーザによる転倒を検出するのに使用される転倒検出アルゴリズムの感度を上げるステップと; を備える、方法。前記ユーザ及び/又は前記ユーザが置かれている環境に関する更なるコンテキスト情報を決定するステップと; 前記更なるコンテキスト情報が、前記ユーザはもはや転倒リスクが増加した状態にないことを示す場合、前記転倒検出アルゴリズムの感度をリセットするか低下させるステップと; を更に備える、請求項12に記載の方法。前記転倒検出システムを、最初に、前記ユーザについての通常の転倒リスクに対応する通常の感度に設定された前記転倒検出アルゴリズムを用いて動作させるステップ; を更に備え、 前記コンテキスト情報が、前記ユーザは、前記ユーザについての前記通常の転倒リスクに対して転倒リスクが増加した状態にある又は転倒リスクが増加した状態にあり得ることを示すとき、前記転倒検出アルゴリズムの感度を前記通常の感度より上に上げる、 請求項12又は13に記載の方法。適切なコンピュータ又は処理ユニットによって実行されると、該コンピュータ又は処理ユニットに請求項12乃至14のいずれか一項に記載の方法を実行させるように構成される、コンピュータ読取可能なコードを有するコンピュータプログラム。

说明书全文

本発明は、ユーザによる転倒を検出するための転倒検出システムに関する。

転倒は、毎年何百万人もの人に影響を与え、特に高齢者に重大な傷害をもたらす。実際、転倒は、高齢者の上位3つの死因のうちの1つである。転倒は、地面に対する突然の無制御かつ意図的でない身体の下向きの変位であり、続いて衝撃があり、その後、身体が地面の上に倒れた状態でとどまるものとして定義される。

個人緊急時応答システム(PERS:personal emergency response system)は、ユーザへの助けを保証することができるシステムである。パーソナルヘルプボタン(PHB)によって、ユーザは緊急時にボタンを押して助けを呼ぶことができる。呼出しの多くは、ユーザが転倒していることによる。また、ユーザが深刻な転倒状態にある場合(例えばユーザは転倒により混乱し、悪ければ強打して意識を失うことさえある)、ユーザはボタンを押すことができない可能性があり、これは、特にユーザが1人で暮らしている場合には、かなり長い期間助けが到着しないことを意味する可能性がある。ユーザが長い時間倒れたままである場合、転倒の結果はより深刻なものとなり得る。

1つ以上の動きセンサの出を処理して、ユーザが転倒状態にあるかどうかを判断する、転倒検出システムも利用可能である。ほとんどの既存の身体装着型の転倒検出システムは、加速度計(通常は、3次元の加速度を測定する加速度計)を使用し、これらのシステムは、加速度計によって生成される時系列を処理することにより転倒の発生を推論するように構成される。幾つかの転倒検出システムは、例えば特許文献1(国際公開第2004/114245号パンフレット)に説明されるように、転倒検出システムの高さ、高さの変化又は絶対高度を測定するための気圧センサを含むこともできる。転倒を検出すると、転倒検出システムによって警報(alarm)がトリガされる。

一部の転倒検出システムは、ユーザの首の周囲のペンダントとして装着されるように設計されており、他のものは、胴体部分上に又は胴体部分で(例えばウエスト、ウエストのベルト上に又はポケット内に)、あるいはユーザの手足上に、例えば手首で装着されるように設計される。

多くの尽力により、転倒を正確に検出するためのロバストな分類方法が提供され、あるいはアルゴリズムが処理されている。一般に、転倒検出器は、衝撃、向き、向きの変化、高さの変化、垂直速度等のような特徴を検査する。これらの特徴について計算された値のセットが、転倒について、転倒でない他の動きのものと異なるとき、信頼性のある検出が得られる。アルゴリズムは、検出された特徴を所定の閾値及び/又は分類パターンと比較して、転倒イベントが生じたかどうかを判断する。

分類方法の信頼性を、受信者動作特性(ROC)曲線によって視覚化することができ、この曲線では、検出確率が誤警報レートに対してプロットされる。図1は、長期間にわたってテストされた多くのユーザにわたるアルゴリズムの平均性能を表すROC曲線を示している。検出された転倒と転倒アラーム(「動作点」)との間の最適なトレードオフは、顧客/ユーザ満足度及び経済的ファクタのような幾つかのファクタに依存する。高い割合の誤警報は、サービスセンタにとってよりコストがかかり、顧客(ユーザ)をイライラさせるものであり、一方、誤警報の量を減少させることは、転倒の見逃しにつながる可能性があり、これは、顧客(ユーザ)に対して非常に厄介で害がある可能性がある。転倒検出アルゴリズムの設計者の目的は、出来るだけROC曲線の左上のの近くに到達する動作点によりアルゴリズムを作成することである。しかしながら、正確な動作点は、言及される外部条件及び好みに依存する可能性がある。

一般に、転倒リスクの低い人々は、より活動的であり、転倒検出アルゴリズムには転倒として見える、より多くの動きを日常生活の中で生じることがある。したがって、誤警報の量は、この「低転倒リスク」のグループについては平均より高くなり、実際の転倒の量は平均よりも低くなる。図2及び図3は、誤警報レート/真の転倒と、転倒リスク/活動レベルとの例示的関係をそれぞれ示している。これらの曲線は他の形状をとってもよい。例えば誤警報レートは、双方のグラフの最大半分ほどを有してもよい。

国際公開第2004/114245号パンフレット

日常生活における動きの挙動に加えて、低転倒リスクの人々と高転倒リスクの人々との間では、転倒中の動き挙動も異なる可能性がある。「低転倒リスク」のグループは一般的に、ゆっくりした動きの間に小さな平衡感覚障害を修正することが可能である。したがって、このグループにおける大部分の転倒は、早い動きの結果及び/又は大きな平衡感覚障害の結果として起こり、したがって、人が地面に接触するときに比較的大きな衝撃を生じる。「高転倒リスク」のグループは概して、よりゆっくりかつ注意深く動く。人が立っている時にも、徐々にバランスを失うがこれを修正することができずに、転倒が生じる可能性もある。しかしながら、そのようなユーザは、バランスを維持するよう何らかの努力を払って、転倒する間に支持物をつかもうとする可能性があり、これは、ユーザが比較的小さい衝撃で地面に接触することにつながる可能性がある。このため、異なるレベルの転倒リスクを有する人々について、異なるROC曲線を描くことができる。動き挙動の差に起因して、最適な分類方法、結果として得られるROC曲線及び/又はROC曲線上の最適な動作点は、ユーザの動的な転倒リスクに依存する。図4は、異なる2つのタイプのユーザグループ(低転倒リスクのユーザと高転倒リスクのユーザ)についての例示のROC曲線を示す。衣服の下又は衣服の上に転倒検出システムを装着するユーザについて、あるいは転倒中の異なる高さの落下につながる高さのような、異なる特性を有するユーザについて、異なるROC曲線が描かれる可能性もある。転倒及び誤警報の発生並びに転倒確率が分布を変化させ、これは最適な転倒検出の設計を変化させることが分かる。

転倒についての最も強力なリスク指示の一部は、ユーザによる以前の転倒の発生と、その強さ、歩行及び平衡感覚障害を含むことが分かっている。図4に示されるROC曲線は、以前の転倒及び異なる身体的能力を有するユーザの間で相違するだけでなく、特定の瞬間におけるユーザ又はその環境の状況(コンテキスト)にも依存する。特に、ユーザの転倒リスクは時間とともに動的に変化し、転倒リスク評価は進行中のプロセスである必要がある。ある時点で(例えば座って友達と話している間)「低リスク」カテゴリの人が、別の時点では(例えば薬について話した後、バスルームを使用し、照明を暗くするとき等)「高リスク」カテゴリである可能性がある。一部の場合には、例えばユーザが自身の平衡感覚を評価の一部としてテストするか、あるいは能力を向上させるようトレーニング若しくはエクササイズをするときに、ユーザの平衡感覚の能力に意図的に挑むか又は検査することがある。転倒は主に歩行中に起こることが知られているので、歩行は、本質的に「高リスク」の活動である。また、(例えば照明がオンの)低転倒リスクのユーザは、(照明がオンであるとき又は日中の間、ユーザはより活動的であるので)より多くの誤警報を生じ、(照明がオンのときは、ユーザは恐らく大きな障害により転倒するので、衝撃は検出するのに十分に高いため)転倒が見逃されることは少ない。(例えば照明がオフの)高転倒リスクの人は、(例えばユーザは多くの場合この時間は眠っているので)誤警報を生じる可能性は少なく、(ユーザは、小さな衝撃を生じる非常に小さな障害により既に転倒している可能性があるので)検出される警報は少ない。

上記の議論から、全てのユーザにとって全ての状況においてROC曲線上の最適な点で動作するように、転倒検出アルゴリズムを構成することできないことが認識されよう。

したがって、本発明は、ユーザ及び/又はユーザの環境に関するコンテキスト情報を使用して転倒検出アルゴリズムの感度を適合させることを提供する。特に、コンテキスト情報が、ユーザは転倒リスクが高い状態であることを示す場合、転倒検出アルゴリズムの感度を上げる。好ましくは、感度の上昇は、一時的であり、転倒リスクが高い状態が存在するか検出される間のみ続き、その後、転倒検出アルゴリズムは、ユーザについての以前の(例えばデフォルトの)感度に戻るか、これに近くなる。好ましい実施形態において、転倒検出アルゴリズムの感度は、ROC曲線上の動作点を動かすことによって調整される。したがって、ユーザが、高い転倒リスクをもたらす状況にあるとき、検出確率を上げるように、動作点を一時的に動かす。これらの場合において、目的は、確実に転倒を見逃さないようにすることであるので、この適合された設定が誤警報の発生の確率も上昇させることは受け入れる。転倒検出アルゴリズムは、短い期間の間だけより感度が良くなるよう構成されるので、ユーザが転倒リスクの高い状態にあるときに転倒が見逃される可能性を減少させつつ、平均では依然として比較的低い誤警報レートが得られる。

本発明の第1の態様によると、ユーザによる転倒を検出するよう転倒検出システムを作動させる方法が提供され、当該方法は:ユーザ及び/又はユーザが置かれている環境に関するコンテキスト情報を決定するステップと;決定されたコンテキスト情報が、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ることを示す場合、決定されたコンテキスト情報によって転倒リスクの増加した状態が示される間、ユーザによる転倒を検出するのに使用される転倒検出アルゴリズムの感度を上げるステップと;を備える。

一部の実施形態において、コンテキスト情報は、ユーザが転倒リスク評価テスト又は平衡感覚トレーニングを実行しているかどうかの指示を備え、コンテキスト情報は、ユーザが転倒リスク評価テスト又は平衡感覚トレーニングを実行している場合に、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ることを示す。

一部の実施形態において、コンテキスト情報は、ユーザが歩いているかどうかの指示を備え、コンテキスト情報は、ユーザが歩いている場合、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ることを示す。

一部の実施形態において、コンテキスト情報は、ユーザについての異常な動きパターンが検出されたかどうかの指示を備え、コンテキスト情報は、異常な動きパターンが検出された場合、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ることを示す。

一部の実施形態において、コンテキスト情報は、ユーザの現在の位置の指示を備え、コンテキスト情報は、ユーザの現在の位置が、ユーザが転倒するリスクが高い既知の位置である場合に、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ることを示す。ユーザが転倒するリスクが高い既知の位置は、バスルーム、階段の上、ドアの外又はユーザ若しくは他のユーザが以前に転倒したことがある位置、のうちのいずれか1つ以上を含み得る。

一部の実施形態において、ユーザが置かれている環境に関するコンテキスト情報は、ユーザの位置における環境光の指示、地面がどの程度平らであるか若しくは平らでないかの指示、現在の天気若しくは気温の指示及び/又は環境雑音レベルの指示を備え、コンテキスト情報は、環境光が閾値未満である場合、地面が平らでない場合、天気が湿っているか気温が閾値未満である場合、かつ/又は環境雑音レベルが閾値超である場合に、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ることを示す。

一部の実施形態において、コンテキスト情報は、現在の時間の指示を備え、コンテキスト情報は、現在の時間が1つ以上の指定された期間内である場合に、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ることを示す。1つ以上の指定された期間は、夜間、並びに/あるいは薬の定期的投与の直前及び/又は後の期間を含み得る。

一部の実施形態において、コンテキスト情報は、ユーザの現在の活動レベルの指示を備え、コンテキスト情報は、現在の活動レベルが閾値活動レベルよりも高い場合に、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ることを示す。

一部の実施形態において、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるステップは、転倒が検出されることになる尤度を上げるステップを備える。

一部の実施形態において、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるステップは、受信者動作特性曲線における、アルゴリズムの動作点の位置を調整するステップを備える。

一部の実施形態において、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるステップは、検出されるべき転倒のために、転倒の尤度が、非転倒の尤度を上回らなければならない閾値を低下させるステップを備える。

他の実施形態において、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるステップは、受信者動作特性曲線における、アルゴリズムの必要な動作点の位置を決定するステップと、その必要な動作点を有する転倒検出アルゴリズムの構成を選択するステップを備える。

他の実施形態において、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるステップは、ユーザの動きの測定値から1つ以上の特徴値を決定するステップと、1つ以上の特徴値をそれぞれの閾値と比較して、転倒が起こっているかどうかを検出するステップとを備え、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるステップは、閾値の1つ以上を調整して、転倒が検出されることになる尤度を上げるステップを備える。

他の実施形態において、転倒検出アルゴリズムは、ユーザの動きの測定値から複数の特徴値を決定することと、特徴値のセットを閾値と比較して、転倒が起こっているかどうかを検出することを備え、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるステップは、閾値を調整して、転倒が検出されることになる尤度を上げるステップを備える。

他の実施形態において、転倒検出アルゴリズムは、ユーザの動きの測定値から1つ以上の特徴値を決定することと、特徴値のセットが転倒を表す尤度を示す値及び特徴値のセットが転倒を表さない尤度を示す値を決定することと、尤度の値の比を決定し、その比の対数を閾値と比較して、転倒が起こっているかどうかを検出することを備え、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるステップは、閾値を調整して、転倒が検出されることになる尤度を上げるステップを備える。

一部の実施形態において、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるステップは、2つ以上の段階でユーザの動きの測定値から1つ以上の特徴値を決定するステップを備え、各段階は、前の段階で決定された1つの特徴値又は複数の特徴値が、転倒が起こっている可能性があることを示す場合にのみ実行され、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるステップは、前の段階で決定された1つの特徴値又は複数の特徴値を変更するステップ及び/又は特徴値と比較されることになる1つ以上の閾値を調整するステップを備える。

一部の実施形態において、方法は、ユーザ及び/又はユーザが置かれている環境に関する更なるコンテキスト情報を決定するステップと;更なるコンテキスト情報が、ユーザはもはや転倒リスクが増加した状態にないことを示す場合、転倒検出アルゴリズムの感度をリセットするか低下させるステップ;を更に備える。

一部の実施形態において、方法は、転倒検出システムを、最初に、ユーザについての通常の転倒リスクに対応する通常の感度に設定された転倒検出アルゴリズムを用いて動作させるステップを更に備え、コンテキスト情報が、ユーザは、ユーザの通常の転倒リスクに対して転倒リスクの増加した状態にある又は転倒リスクの増加した状態にあり得ることを示すとき、通常の感度より上に転倒検出アルゴリズムの感度を上昇させる。

一部の実施形態において、決定されたコンテキスト情報が、ユーザは転倒リスクが低下した状態にある又は転倒リスクが低下した状態にあり得ることを示す場合、方法は、決定されたコンテキスト情報によって転倒リスクの低下した状態が示されている間、ユーザによる転倒を検出するのに使用される転倒検出アルゴリズムの感度を低下させるステップを備える。

本発明の第2の側面によると、適切なコンピュータ又は処理ユニットによって実行されると、該コンピュータ又は処理ユニットに上述の方法を実行させるコンピュータ読取可能コードを有する、コンピュータプログラム製品が提供される。

本発明の第3の側面によると、ユーザによる転倒を検出する際に使用するための転倒検出システムが提供され、この転倒検出システムは、ユーザ及び/又はユーザが置かれている環境に関するコンテキスト情報を決定し、決定されたコンテキスト情報が、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ることを示す場合に、ユーザによる転倒を検出するのに使用される転倒検出アルゴリズムの感度を上げるように構成される処理ユニットを備え、感度の上昇は、決定されたコンテキスト情報により転倒リスクの増加した状態が示される間に起こる。

一部の実施形態において、コンテキスト情報は、ユーザが転倒リスク評価テスト又は平衡感覚トレーニングを実行しているかどうかの指示を備え;処理ユニットは、コンテキスト情報が、ユーザが転倒リスク評価テスト又は平衡感覚トレーニングを実行していることを示す場合に、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ると決定するように構成される。

一部の実施形態において、コンテキスト情報は、ユーザが歩いているかどうかの指示を備え、処理ユニットは、コンテキスト情報が、ユーザが歩いていることを示す場合に、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ると決定するように構成される。

一部の実施形態において、コンテキスト情報は、ユーザについての異常な動きパターンが検出されたかどうかの指示を備え、処理ユニットは、コンテキスト情報が異常な動きパターンを示す場合に、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ると決定するように構成される。

一部の実施形態において、コンテキスト情報は、ユーザの現在の位置の指示を備え、処理ユニットは、ユーザの現在の位置が、ユーザが転倒するリスクの高い既知の位置である場合に、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ると決定するように構成される。ユーザが転倒するリスクの高い既知の位置は、バスルーム、階段の上、ドアの外、あるいはユーザ及び/又は他のユーザが以前に転倒したことがある位置、のうちのいずれか1つ以上を含み得る。

一部の実施形態において、ユーザが置かれている環境に関するコンテキスト情報は、ユーザの位置における環境光の指示、地面がどの程度平らであるか若しくは平らでないかの指示、現在の天気若しくは気温の指示、及び/又は環境雑音レベルの指示を備え、処理ユニットは、環境光が閾値未満である場合、地面が平らでない場合、天気が湿っているか気温が閾値未満である場合、かつ/又は環境雑音レベルが閾値超である場合に、ユーザは転倒リスクが増加した状態にある又は転倒リスクが増加した状態にあり得ると決定するように構成される。

一部の実施形態において、コンテキスト情報は、現在の時間の指示を備え、処理ユニットは、現在の時間が1つ以上の指定された期間内である場合に、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクが増加した状態であり得ると決定するように構成される。1つ以上の指定された期間は、夜間、並びに/あるいは薬の定期的投与の直前及び/又は後の期間を含み得る。

一部の実施形態において、コンテキスト情報は、ユーザの現在の活動レベルの指示を備え、コンテキスト情報は、現在の活動レベルが閾値活動レベルよりも高い場合に、ユーザは転倒リスクが増加した状態である又は転倒リスクの増加した状態であり得ることを示す。

一部の実施形態において、処理ユニットは、転倒検出アルゴリズムの感度を上げて、転倒が検出されることになる尤度を上げるように構成される。

一部の実施形態において、処理ユニットは、受信者動作特性曲線における、アルゴリズムの動作点の位置を調整することにより、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるように構成される。

一部の実施形態において、処理ユニットは、検出されるべき転倒のために、転倒の尤度が、非転倒の尤度を上回らなければならない閾値を低下させることにより、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるように構成される。

他の実施形態において、処理ユニットは、受信者動作特性曲線における、アルゴリズムの必要な動作点の位置を決定し、その必要な動作点を有する転倒検出アルゴリズムの構成を選択することにより、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるように構成される。

他の実施形態において、転倒検出アルゴリズムは、ユーザの動きの測定値から1つ以上の特徴値を決定することと、1つ以上の特徴値をそれぞれの閾値と比較して、転倒が起こっているかどうかを検出することとを備え、処理ユニットは、閾値の1つ以上を調整して、転倒が検出されることになる尤度を上げることにより、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるように構成される。

他の実施形態において、転倒検出アルゴリズムは、ユーザの動きの測定値から複数の特徴値を決定することと、特徴値のセットを閾値と比較して、転倒が起こっているかどうかを検出することとを備え、処理ユニットは、閾値を調整して、転倒が検出されることになる尤度を上げることにより、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるように構成される。

他の実施形態において、転倒検出アルゴリズムは、ユーザの動きの測定値から1つ以上の特徴値を決定することと、特徴値のセットが転倒を表す尤度を示す値及び特徴値のセットが転倒を表さない尤度を示す値を決定することと、尤度の値の比を決定し、その比の対数を閾値と比較して、転倒が起こっているかどうかを検出することとを備え、処理ユニットは、閾値を調整して、転倒が検出されることになる尤度を上げることにより、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるように構成される。

一部の実施形態において、転倒検出アルゴリズムは、2つ以上の段階でユーザの動きの測定値から1つ以上の特徴値を決定することを備え、各段階は、前の段階で決定された1つの特徴値又は複数の特徴値が、転倒が起こっている可能性があることを示す場合にのみ実行され、処理ユニットは、前の段階で決定された1つの特徴値又は複数の特徴値を変更すること及び/又は特徴値と比較されることになる1つ以上の閾値を調整することによって、転倒検出アルゴリズムの感度を上げるように構成される。

一部の実施形態において、処理ユニットは、ユーザ及び/又はユーザが置かれている環境に関する更なるコンテキスト情報を決定し、更なるコンテキスト情報が、ユーザはもはや転倒リスクが増加した状態でないことを示す場合、転倒検出アルゴリズムの感度をリセットするか低下させるように更に構成される。

一部の実施形態において、処理ユニットは、転倒検出システムを、最初に、ユーザの通常の転倒リスクに対応する通常の感度に設定された転倒検出アルゴリズムを用いて動作させるように構成され、処理ユニットは、コンテキスト情報が、ユーザは、ユーザの通常の転倒リスクに対して転倒リスクが増加した状態にある又は転倒リスクの増加した状態にあり得ることを示すことを決定し、処理ユニットは、通常の感度より上へ転倒検出アルゴリズムの感度を上げるように構成される。

一部の実施形態において、処理ユニットは、コンテキスト情報が、ユーザは転倒リスクが低下した状態にある又は転倒リスクが低下した状態にあり得ることを示すかどうかを判断し、決定されたコンテキスト情報によって転倒リスクの低下した状態が示されている間、転倒検出アルゴリズムの感度を低下させるように構成される。

本発明の例示の実施形態は、単なる例示として下記の図面との関連で以下に説明される。

転倒検出アルゴリズムについての例示のROC曲線を示すグラフである。

ユーザの転倒リスクに対する誤警報レートと真の転倒レートを示すグラフである。

ユーザの活動レベルに対する誤警報レートと真の転倒レートを示すグラフである。

それぞれ高転倒リスクと低転倒リスクを有するユーザについての2つの例示のROC曲線を示すグラフである。

本発明の実施形態に係る転倒検出システムのブロック図である。

本発明の実施形態に係る方法を示すフローチャートである。

本発明の実施形態の動作を示す機能フローチャートである。

転倒リスク推定に適用されるベイジアンネットワークの例である。

特定の実施形態に係るシステムの動作を示すフローチャートである。

本発明の実施形態に係る転倒検出システム2が、図5に示されている。本発明のこの実施形態では、転倒検出システム2は、ユーザによって装着されるか携行されるように設計されるユーザデバイス4を備える。

ユーザデバイス4は、好ましくは、ユーザの首の周囲のコード又はチェーン上に装着されるように設計されるペンダントの形であるが、ユーザデバイス4は、このフォームファクタに限定されず、代わりに、ユーザの手首やウエスト、胸又は背中で装着されるか、ポケット内で携行されるように設計されることも可能であることが認識されよう。

ユーザデバイス4は、ユーザの動きの測定値を取得するための1つ以上の動きセンサを備える。1つ以上の動きセンサ6、8は典型的に、ユーザによって体感される加速度を測定するための加速度を測定する加速度計6を少なくとも含み、この例示の実施形態では、ユーザデバイス4は、高さ(高度)又はユーザの高さの変化を決定するために処理することができる気圧の測定値を取得する気圧センサ8も備える。1つ以上の動きセンサ6、8は処理ユニット10に接続される。処理ユニット10は、動きセンサ6、8から測定値を受け取り、これらの測定値を処理して、転倒検出システム2のユーザが転倒状態にあるかどうかを判断する。また、処理ユニット10は、ユーザデバイス4の動作も制御する。

認識されるように、加速度計6は、ユーザデバイス4によって体感される加速度を測定し、処理ユニット10は、加速度を分析して衝撃を特定し、ユーザデバイス4の速度、向きの変化及び/又は位置若しくは高さの変化を決定することができる。ある実施形態において、処理ユニット10はまた、加速度計6からの信号を処理し、ユーザによるユーザデバイス4との所定のジェスチャの実行(すなわち、動き)を検出することもできる(例えばユーザデバイス4を振ること、ユーザデバイス4を振動させて又は円状に動かすこと、図8等)。気圧センサからの信号を処理ユニット10によって分析して、ユーザデバイス4の高さ及び/又は高さの変化を決定することができる。

この実施形態では2つの動きセンサが示されているが、代替的な実施形態に係る転倒検出システムは、1つの動きセンサのみを備えてもよいことが認識されよう(例えば加速度計6のみを備えて、気圧センサ8を省略する)。更なる実施形態では、ユーザデバイス4は、気圧センサ8に加えて又はこれに代えて、ジャイロスコープ及び/又は磁場センサを備えることができる。

ユーザデバイス4は、トランスミッタ又はトランシーバ回路12も備え、このトランスミッタ又はトランシーバ回路12は、転倒が検出される場合に、リモートのコールセンタ又は緊急サービスに信号を伝送することを可能にする。トランスミッタ又はトランシーバ回路12は、(その後アラームを発するか、医療機関又は緊急サービスからの助けを要求することができる)ユーザデバイス4に関連付けられる基地局と、あるいは(携帯電話通信網のような)公衆電話網を介して(例えば医療機関のコールセンタに置かれる)リモート局と通信するように構成され得る。トランスミッタ又はトランシーバ回路12が基地局と通信するように構成される場合、回路12は、任意の公知の無線技術、例えばWi-Fi、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、近距離無線通信(NFC)等に従って構成され得る。あるいは、トランスミッタ又はトランシーバ回路12が携帯電話網のような公衆電話網と通信を可能にするように提供される場合には、回路12は、代替的に、GSM(登録商標)、WCDMA(登録商標)、LTE等を含め、第2世代、第3世代又は第4世代の通信網のうちの任意の適切なタイプとの使用のために構成されてもよい。また、図5には図示されていないが、ユーザデバイス4は、ユーザが、医療機関又は緊急サービスと通信するのを可能にするためのラウドスピーカ及び/又はマイクロフォンを備えてもよい。

ユーザデバイス4はメモリモジュール14も備え、メモリモジュール14は、処理ユニット10に接続され、動きセンサ6、8からの測定値データ及び/又は処理ユニット10によって使用するためのコンピュータ読取可能コードを格納することができる。

メモリモジュール14は、最新の測定値データのみを格納してもよく、所定の期間の測定値データを格納してもよいことが認識されよう。

任意選択により、ユーザデバイス4は、ユーザに情報を提供し、かつ/又はユーザがユーザデバイス4と対話するか、ユーザデバイスを制御することを可能にする、ユーザインタフェース16を含むことができる。ユーザインタフェース16は、ボタン、キー、スイッチ、トラックボール、タッチ画面又はマイクロフォンのようなユーザ入力コンポーネント;並びに/あるいはスピーカ、ライト、LED、ディスプレイ又は(ユーザに知覚フィードバックを提供するための)振動デバイスのようなユーザフィードバックコンポーネントを備えることができる。一部の実施形態において、ユーザインタフェース16は、ユーザが緊急時に助けを求めるために押す、専用のボタンを少なくとも備える(このボタンは、時々パーソナルヘルプボタンとも呼ばれる)。

ユーザデバイス4は、ユーザデバイス4のコンポーネントに電力を供給するバッテリ等の電源18も備える。

図1に示される実施形態に対する代替的な実施形態では、転倒検出システム2は更に、ユーザの家に置かれ、ユーザデバイス4と無線で通信することができるベースユニット(親機)を備える。ベースユニットは、ユーザデバイス4の充電ステーションとして機能してもよい。ベースユニットは、公衆交換電話通信網及び/又は携帯電話通信網を介して、ユーザとリモートのコールセンタ(緊急サービス等)との間の通信を可能にする回路を備えてよく、かつ/又はインターネットへの接続を提供し得る。このシステム2の一部の実装では、本発明に係る処理及び動作を、ユーザデバイス4内の処理ユニット10によって実行することができ、ベースユニットは単に、リモートのコントロールセンタ/緊急サービス/インターネットとの通信を容易にするよう提供される。代替的な実装では、ユーザデバイス4は、動きセンサ6、8によって取得される測定値をベースユニットに通信することができ、ベースユニット内の処理ユニットが、これらの測定値を使用して、本発明に係る処理及び動作を実行することができる。この後者の実施形態は、ユーザデバイス4の電力消費を大いに低減することができるという利点を有する。

また更なる実施形態では、転倒検出システム2のユーザデバイス4は、コンピュータ、ラップトップ、タブレット又はスマートフォン等のようなユーザに属する別の電子デバイスに接続され、この電子デバイスを介して、ユーザがユーザデバイス4を制御することを可能にするよう構成され得る。これらの実施形態において、通信は、任意の既知の無線技術、例えばWi-Fi、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、近距離無線通信(NFC)等を使用して確立され得る。これらの実施形態において、ユーザデバイス4を制御するための別のデバイスの使用は、ユーザインタフェース16が(恐らくは、単一のパーソナルへルプボタンとは別個に)ユーザデバイス4内に含まれることの必要性にとって代わる可能性がある。これらの実施形態において、ユーザデバイス4ではなく、他の電子デバイスを使用して、動き測定値を処理して転倒を検出し、ユーザデバイス4の電力消費を低減することも可能である。

一部の実施形態では、リモートに位置する臨床医又は他の医療提供者(医療機関)は、ユーザデバイス4を介してユーザと対話することができる。例えば臨床医又は医療提供者は、ユーザデバイス4内のトランシーバ回路12を介してユーザと連絡をとり、ユーザに、転倒リスク評価を実行すべきであること、あるいは何らかの薬を服用すべきであることをアドバイスすることができる。

一部の実装において、ユーザデバイス4内の処理ユニット10は、動きセンサ測定値から、ある特徴の値又は転倒に関連付けられる様々な特徴の値を抽出することにより、転倒検出アルゴリズムを使用してユーザが転倒状態にあるかどうかを判断する。例えばユーザデバイス4によって体感される加速度及び気圧の変化が、加速度計6及び気圧センサ8を使用して測定され、これらの測定値が処理ユニット10によって分析され、ユーザが転倒状態にあるかどうかを判断する。

転倒は、例えば約0.5〜1.5メートル(この範囲は、ユーザデバイス4が装着されることになる身体の部分及びユーザの高さに応じて異なる可能性がある)の高さで変化があり、最終的に大きな衝撃があり、その後ユーザがあまり動かない期間が続くことによって、広く特徴付けられ得る。したがって、転倒が起こっているかどうかを決定するために、処理ユニット10は、センサ測定値を処理して、(気圧センサ8の測定値から導出されるが、代替的には、例えば気圧センサ8が存在しない場合には加速度計4の測定値から導出される可能性もある)高さの変化、高さの変化が生じる時間周辺の(典型的には加速度計6の測定値から導出される)最大活動レベル(すなわち、衝撃)及びユーザがその衝撃の後に相対的に非活動的になる期間(やはり、典型的には加速度計4の測定値から導出される)から導出され得る。また、他の特徴が検出アルゴリズムを更に改善する可能性があることが認識されよう。例えば転倒時の向きの変化の検出は、信号が転倒に起因するものである尤度を改善することができる。

上記の特徴のサブセット又は全てが測定値で識別される場合、ユーザによる転倒を検出することができる。言い換えると、必要な高さの変化、衝撃、非活動的な期間のうちのいずれか1つ以上が測定値で検出される場合に、転倒を特定することができる。

以下で議論されるように、転倒検出システム2は、動きセンサ6、8からの測定値から導出される特徴(例えば高さの変化、衝撃、向き等)を処理して、ユーザが転倒しているかどうかを判断する転倒検出アルゴリズムを使用する。一部の実施形態において、完全な転倒検出処理が実施されると、特徴値のセットが、転倒に対応する(多次元の)領域内であるかどうかを判断する。好ましくは、転倒の尤度を示す値が、特徴値のセットについて決定され、この尤度を閾値と比較して、転倒が起こっているかどうかを判断する。あるいは、それぞれの個々の特徴値をそれぞれの閾値と比較して、特定の数の特徴がその閾値を超える場合に転倒を検出することができる。

別の(好ましい)代替形態では、転倒検出アルゴリズムを、複数の段階で実行することができ、この場合、第1の段階では、動きセンサ測定値を、(処理に関して)軽量のアルゴリズムによって継続的に評価することにより、潜在的な転倒事故を検出する(潜在的な転倒は、例えば十分な規模の衝撃又は所定の量より大きな下向きの高さの変化によって示される)。潜在的な転倒事故が検出される場合、「トリガ」が生成される。トリガが生成される場合、トリガが見つかった測定値内の時間周辺の動きセンサ測定値を、第2の段階で評価する。この段階では、幾つかの特徴が計算される。例えば高さの変化、向きの変化、垂直速度及び衝撃を計算することができる。これらの特徴値の各々を閾値と比較し、閾値に対する特徴値の比較が転倒に一致しない場合、第2の段階の転倒の検出を停止し、動きセンサ測定値の軽量の処理を再開する。

閾値に対する特徴値の比較が転倒に一致する場合(あるいは、この段階では、閾値に対する特徴値の比較が存在しない場合)、第3の処理段階に入る。この第3の段階では、計算された特徴値が、分類子によって、例えばネイティブベイジアン分類子(NBC:Naive Bayesian Classifier)によって評価される。分類子は、一般集団の転倒データ及び/又はユーザ固有の転倒及び活動データに対してトレーニングされている。この第3の段階は、(第2の)閾値処理テストとして見ることができる−特徴値をそれぞれの閾値に対して比較するのではなく、特徴値のセットが単一の閾値と比較されるという点で、第2の段階とは異なる。分類子はバイナリなので(すなわち、転倒か非転倒)、これは通常、検出要素(detector)と呼ばれる。転倒が検出される場合、第4のオプションの段階に入り、例えばこの段階では、転倒アラームを取り消すべきか、あるいはデバイスの偶発的な落下等の例外的な状況について特徴セットを検査すべきかに関して、決定を行うことができる(一部の場合には、第2又は第3の段階に先行して、順番のより早い段階で、例外を検査することもできる)。

転倒検出アルトリズム全体(あるいは、単に第3の段階単独)の挙動を、ROC曲線を通して評価することができる。値のセットが転倒に対応する可能性がどの程度であるかを表す特徴値のセットに、尤度を割り当てることができる。同様に、値のセットが非転倒に対応する可能性がどの程度であるかを表すセットに尤度を割り当てることができる(これらの2つの尤度は相補的ではない、すなわち、これらの2つの尤度は、必ずしもその和が1となる必要はないことに留意されたい)。2つの尤度の比は尤度比であり、その対数は、対数尤度比(LLR:log likelihood ratio)として知られる。

上述の第3の処理段階において、分類(転倒の検出)は、特徴値のセットのLLRを閾値と比較することを備える。閾値を超える場合、転倒が検出され、そうでなければこのイベントは、非転倒として分類される。低い閾値は、転倒の検出をより可能性の高いものにするが(高い又はより高い感度の転倒検出アルゴリズムに対応する)、誤警報レートの増加という代償がある(低い特異性)。高い閾値は特異性を高めるが、転倒を見逃すという代償がある(低下した感度の転倒検出アルゴリズムに対応する)。ROC曲線は、相互に対してこれらの数をプロットし、この場合、閾値をパラメータとして変化させる。

上記の発明の概要の章の議論から認識されるように、全てのユーザにとって全ての状況においてROC曲線上の最適な点で動作するように転倒検出アルゴリズムを構成することは不可能であり、したがって、本発明は、ユーザ及び/又はユーザの環境に関するコンテキスト情報を使用して、転倒検出アルゴリズムの感度を適合させることを提供する。

転倒検出アルゴリズムは、全てのユーザに共通であり得るデフォルト又は通常の感度レベル(すなわち、ROC曲線上のデフォルト又は通常の点)、あるいはユーザに固有のデフォルト又は通常の感度レベルを有するであろう。ユーザに固有のデフォルト又は通常の感度レベルは、システム2が最初にセットアップされるときにユーザによって実行される転倒リスク評価に基づいて及び/又はユーザ特性に基づいて、そのユーザに対して較正され、かつ/又は繰り返しの転倒リスク評価に基づいて、長期間にわたって調整され得る。デフォルト又は通常の感度レベルは、ユーザがそのデフォルトの又は通常の転倒リスクであるときに使用される感度レベルである。

本発明によると、ユーザ及び/又はユーザの環境に関するコンテキスト情報が、ユーザは一時的に(すなわち、そのユーザの通常の転倒リスクに相対して)転倒リスクが増加した状態であることを示す場合、転倒検出アルゴリズムの感度を上げて、ユーザによる転倒が検出される可能性を向上させる。一部の実施形態において、ユーザ及び/又はユーザの環境に関するコンテキスト情報を更に検査して、ユーザが、一時的に(すなわち、そのユーザの通常の転倒リスクに相対して)転倒リスクが低下した状態であるかどうか、あるいはユーザが、誤警報を生じる可能性がより高い活動にユーザが関与しているかどうかを判断することができる。ユーザが、誤警報を生じる可能性の高い活動に関与している場合は、転倒検出アルゴリズムの感度が一時的に低下され得るので、誤警報が出される可能性は低減する。

図6のフローチャートは、本発明に係る転倒検出システムを作動させる例示の方法を図示しており、この場合、コンテキスト情報が、ユーザは転倒リスクが増加した状態であることを示す間、転倒検出アルゴリズムの感度を上げる。当業者には認識されるように、コンテキスト情報が、ユーザは転倒リスクが低下した状態であることを示す場合、転倒検出アルゴリズムの感度を低下させるという更なる実施形態において、同様のステップを使用することができる。図7は、例示の実施形態に係る本発明の動作を示す機能ブロック図である。認識されるように、図6の方法が実行されている間、転倒検出システム2は、動きセンサ56からユーザの動きを測定し、転倒検出アルゴリズム54を使用して、これらの動きを継続的又は周期的に処理し、ユーザが転倒しているかどうかを判断する。

ステップ101において、ユーザ及び/又はユーザの環境に関するコンテキスト情報が、処理ユニット10によって決定される。コンテキスト情報が決定される方法は、コンテキスト情報の特定のタイプに依存し、以下で簡潔に説明することにする。コンテキスト情報は:ユーザが転倒リスク評価テスト又は平衡感覚トレーニングを行っているかどうかの指示、ユーザが歩いているかどうかの指示、ユーザにとって異常な動きパターンが検出されたかどうかの指示、ユーザの位置を示す情報、ユーザの周囲の環境に関する情報、現在の時間の指示及び/又はユーザの活動レベルの指示(その時点のユーザの活動レベル又は日時等の期間にわたる活動プロファイルを備えることができる);のうちの任意の1つ以上を備えることができる。

ステップ103において、コンテキスト情報が、ユーザが現在転倒するリスクが高い状態であることを示すかどうかを判断する。コンテキスト情報が、ユーザが転倒リスクが高い状態にあることを示していない場合、方法はステップ101に戻り、更なる/新たなコンテキスト情報を決定する。

コンテキスト情報のうちのいずれかが、ユーザは現在転倒リスクが高い状態であることを示す場合、転倒が検出されない可能性を低減するため、(図7のブロック54によって表される)転倒検出アルゴリズムの感度を上げる。転倒検出アルゴリズムの感度を上げる方法は、使用されている転倒検出アルゴリズムの性質に依存する。導出された特徴値の各々が、それぞれの閾値と比較される場合、アルゴリズムの感度を上げることは、陽性(positive)の転倒指示の可能性をより高めるよう、閾値の1つ以上を調整することを備えることができる。特徴値のセットが閾値と比較される場合、又は特徴値のセットの尤度の値が閾値と比較される場合、アルゴリズムの感度を上げることは、転倒の検出の可能性をより高めるよう、閾値を調整することを備えることができる(すなわち、閾値に対する尤度の値が転倒を示す場合、閾値を小さくする)。LLRが導出され、閾値と比較される場合、アルゴリズムの感度を調整することは、ROC曲線上の動作点を調整することを備える(その結果、異なる(より低い)閾値を使用することになる)。あるいは、メモリモジュール14は、各構成がROC曲線上の既知の位置を有する、転倒検出アルゴリズムの異なる構成を格納することができ、ステップ105は、ROC曲線上の必要な動作点を決定することと、使用すべき適切な転倒検出アルゴリズムを選択することとを備えることができる。あるいは、転倒検出アルゴリズムが状態マシンの形の場合、転倒検出アルゴリズムの感度を上げることは、第1の(トリガ)段階で異なる特徴を使用すること、かつ/又はトリガ特徴と比較される閾値を調整すること、かつ/又は第2の段階で使用される閾値を調整することを備えることができる。

ステップ105における転倒検出アルゴリズムの感度の向上は、好ましくは一時的であり、ユーザが、転倒リスクの高い状態にある間のみ続く。ユーザの転倒リスクが(ユーザ又は平均のユーザの)通常レベル又はデフォルトレベルに戻ると、転倒検出アルゴリズムの感度は以前の感度レベルにリセットされる。代替的な実装では、転倒検出アルゴリズムの感度を、以前の感度の近くまで戻すことができる。これは、図6のステップ107〜111に図示されている。

したがって、ステップ107において、ユーザ及び/又はユーザの環境に関する更なるコンテキスト情報が決定される。このコンテキスト情報は、ステップ101と同じ方法で決定される。幾つかの場合には、ステップ107は、コンテキスト情報における変更をモニタリングすることを備えることができる。

ステップ109において、ステップ107で決定されたコンテキスト情報から、ユーザは、まだ転倒リスクが高い状態であるかどうかを決定する。ユーザがまだ転倒リスクが高い状態にある場合、方法は、ステップ107に戻り、更なるコンテキスト情報を決定する。

コンテキスト情報が、ユーザは既に転倒リスクが高い状態でないことを示す場合、方法は、ステップ111に移り、ステップ111において、転倒検出アルゴリズムの感度は、元の感度(すなわち、ステップ105の前に使用された感度)にリセットされる。方法はその後、ステップ101に戻る。

ステップ103〜ステップ111で実行される処理は、図7の機能ブロック52によって表される。転倒検出アルゴリズム54の実行に続いて、転倒が検出された場合、警報58がトリガされ得る。

一部の実装で認識されるように、図6の複数のステップの動作を単一のステップに組み合わせることができる。例えばステップ101とステップ107を組み合わせることができ、ステップ103とステップ109を組み合わせることができ、かつ/又はステップ105とステップ111とを組み合わせることができる。

認識されるように、ステップ103及びステップ105は、決定されたコンテキスト情報を処理し、ベイジアンネットワークを使用してROC曲線を修正することができる。例示のベイジアンネットワークが図8に図示されている。ネットワークは異なるノードを含んでおり、各ノードが異なるリスクファクタを表す。全てのノードは、転倒リスクを保持するルートノードに寄与する。異なるタイプのリスクが存在する。これらは、階層木において反映される。この例示の図では、モデル化されるべき3つの主なクラスを見ることができる。これらのクラスは、ユーザを観察することから得られるセンサデータ、現在の照明(光)の状態のような短期のコンテキスト情報、慢性疾患や転倒履歴のような長期のコンテキスト情報である。ネットワーク内の矢印は、出発ノードの値を所与として到着ノードの値についての条件的確率を保持する。このようにして、転倒リスク(fall_risk)の確率は、他のノードによって表されるファクタの結合によって表現される。リーフノードは、(実際この集団では最もよく遭遇する値である)以前の確率であるデフォルト値に割り当てられる。値が既知であるとき、デフォルトを置き換えるノードに割り当てられる。中間のノードの値が既知であることも起こり得る。次いで、この値は(同様に)割り当てられる。その値の変更の結果として、他のノードにおける値も変化することになる。この更新は、所与の条件的確率に従って起こる。更新を実行する効果的なアルゴリズムは当技術分野において公知である。また、当技術分野において公知であるように、有利には、ベイジアンネットワークは、反対の矢印を用いて、すなわちノードの「原因(cause)」的性質及び「効果的(effect)]的性質を反転させる矢印を用いて設計され得る。これは、ネットワークの複雑性を低減することを助け(迅速な更新につながる)、以前の条件的確率値に到達することも助ける。

一部の実施形態において、ユーザは、通常の日常の状況について特定の転倒リスクを有するであろう。例えばユーザが、自身の平衡感覚を改善するようエクササイズを行うとき、対応するノード(図面には存在しないが、「照明(光)の状態」と同様のもの)に別の値が割り当てられることになり、効果は、転倒リスク(fall_risk)ノードへ伝搬することになり、次いで、場合によっては、転倒リスク(fall_risk)値をROCの動作点(例えばLLR閾値)に変換する何らかの追加の処理の後、図7の出力54を駆動することになる。上述のように、「エクササイズを行う」の検出により、出力54をすぐに駆動してもよい。ベイジアンネットワークは、例えばコンテキストノードの変更に加えて、例えばエクササイズの部分の間に他の追加ノードが修正する場合に有利であり得る。

上記のように、例示の実施形態において、ステップ101で決定されるコンテキスト情報は:ユーザが転倒リスク評価テスト又は平衡感覚トレーニングを行っているかどうかの指示、ユーザが歩いているかどうかの指示、ユーザについて異常な動きパターンが検出されたかどうかの指示、ユーザの位置を示す情報、ユーザの周囲の環境に関する情報、現在の時間の指示及び/又はユーザの活動レベルの指示、のうちの任意の1つ以上を備えることができる。

コンテキスト情報が、ユーザが転倒リスク評価テスト又は平衡感覚トレーニングを行っているかどうかの指示を備える場合、転倒検出システム2は、このコンテキスト情報を幾つかの異なる方法で決定することができる。例えばユーザは、評価テスト又は平衡感覚トレーニングの開始時にシステム2と対話し、テスト又はトレーニングを開始すべきことを指示することができる(これは特に、転倒検出システム2が、評価テストの一部として又は平衡感覚トレーニングをモニタするよう使用される場合であり得る)。対話は、ユーザがユーザデバイス4との所定のジェスチャを実行すること、ユーザデバイス4上のボタンを押すこと又はメニューベースのユーザインタフェース内のオプションを選択することを備え得る。あるいは、ユーザの医療提供者が、評価テスト又はトレーニングを開始すべきことを指示する入力又は信号を、システム2へ提供することができる。一部の場合には、評価テスト又は平衡感覚トレーニングには(エンドポイントが既知の場合)予め構成される時間がかかることがあるが、他の場合には、ユーザ又は医療提供者は、システム2との別の対話を実行してテスト又はトレーニングが完了したことを示すことができる。あるいは、テスト又はトレーニングの完了は、動きセンサからの測定値を処理することから検出することもできる。認識されるように、ユーザが転倒リスク評価テスト、平衡感覚トレーニング又は他のエクササイズを実行しているとき、ユーザの身体的能力がテストされ、ユーザの限界に近くなり、このような限界は、テスト又はトレーニング中にユーザをより高い転倒リスク状態にする。したがって、ステップ101で決定されるコンテキスト情報が、ユーザは転倒リスク評価テスト又は平衡感覚トレーニングを行っていることを示す場合、ステップ103では、ユーザは転倒リスクの高い状態であると決定され、ステップ105において、転倒検出アルゴリズムの感度を上げる。コンテキスト情報が、ユーザはテスト又はトレーニングを完了しているか、そうでなくとも終了していることを示す場合、転倒検出アルゴリズムの感度を低下させるか、以前の設定にリセットすることができる。

コンテキスト情報が、ユーザが歩いているという指示を備える場合、処理ユニット10は、動きセンサ6、8からの測定値を処理して、歩行に一致するパターン(例えば一定のヒールストライク等)を特定することにより、ユーザが歩いているかどうかを判断することができる。動きセンサ測定値を処理して歩行パターンを特定する技術は当技術分野で公知であるので、ここでは更には説明しない。あるいはまた、転倒検出システム2が何らかの形式の位置追跡機能(例えば衛星測位システムのレシーバ)を含む場合、ユーザが歩いているという指示を、経時的なユーザ位置の変化から推論することができる。歩行は、ユーザの転倒のリスクを増加させるので、ユーザが歩いていることをコンテキスト情報が示すとき、ユーザは転倒リスクが高い状態にあると考えられ(ステップ103)、したがって、ユーザが歩いていると決定される間、転倒検出アルゴリズムの感度を上げる。処理ユニット10が、ユーザはもはや歩いていないと決定する場合、ユーザの転倒のリスクは低くなるので、転倒検出システムの感度を低下させる、以前の設定にリセットすることができる。

コンテキスト情報が、ユーザについて異常な動きパターンが検出されたかどうかの指示を備える場合、処理ユニット10は、動きセンサ6、8からの測定値を処理することによって、これを決定することができる。異常な動きパターンは、ユーザが新たな又は身体的に困難な環境(例えば丘をのぼるか、平らでない地面を歩くこと)に入ることに起因する、ユーザの動きの通常の範囲外での動きパターンとすることができる。通常の範囲外での異常な動きパターンは、ユーザによるスリップやトリップといった動きを含む可能性がある。ミスステップ(転倒しそうになること(near fall)や、トリップ及びスリップを含む)は、その後に転倒することが、より一般的であり、転倒しそうになることが、転倒リスクの有効な代理となり得ることが提案されている(Srygley,J.M.,T.Herman等著(2009)「Self-report of missteps in older adults:a valid proxy of fall risk?」Archives of Physical Medicine and Rehabilitation 90(5):786-792)。マシン学習アルゴリズムを使用して、個々のユーザの典型的な動き特性を学習することができる。転倒しそうになることを識別するために、これらの特性的な動き(すなわち、通常の範囲外の動きパターン)に対する障害を定量化することができる。通常の範囲外での異常な動きパターンは、通常よりも早く歩くとき(例えばユーザがバスに乗ろうと急いでいるとき)、犬を歩かせているとき(例えば犬が急にリードを引っ張る場合)に生じることもある。地面から物体を取り上げるという動きがユーザによって行われることがまれである場合、異常な動きパターンは、地面から物体を取り上げる動きを含む可能性もある。一部の実装では、異常な動きパターンは、ユーザが日常的にほとんど行わないか、全く行わない任意の動き又は活動とすることができる。異常な動きパターンの間、ユーザは転倒リスクが高い状態であると考えられ、したがって、転倒検出アルゴリズムの感度を上げる。処理ユニット10が、ユーザの動きには、もはや異常な動きパターンがない(すなわち、ユーザがもはや異常な動きパターンを行っていない)と決定すると、転倒検出アルゴリズムの感度を下げるか、以前の設定にリセットすることができる。

コンテキスト情報が、ユーザの位置を示す情報を備える場合、この情報を、衛星測位システムレシーバ及び/又はインドア位置追跡システム等のような転倒検出システム2内の位置追跡機能によって提供することができる。処理ユニット10は、レシーバ又はインドア追跡システムによって提供される位置情報を解釈して、その位置についての何らかのコンテキスト、例えばその位置がユーザの家、病院、店舗等及び/又はユーザがいる家の部分、例えばユーザが居間、バスルーム、階段等にいることを決定することができる。あるいはまた、処理ユニット10は、ユーザの位置が、そのユーザ又は他のユーザが以前に転倒した位置に一致するかどうか(これらの位置のうち、ユーザが転倒リスクの高い状態にあり得ることを示す位置との合致があるか)を判断することができる。ユーザは、あまり慣れていない場所(例えば店舗)にいるとき、外にいるとき及び/又はユーザの家の中の特定の場所、例えば(濡れていて滑りやすい)バスルームや階段にいるときに、転倒するリスクが高いことがあり、したがって、コンテキスト情報が、ユーザが転倒するリスクの高い既知の場所にユーザがいることを示す場合、転倒検出アルゴリズムの感度は、ユーザがその位置にいる間上がるであろう。ユーザが転倒リスクが低い又は通常の位置に移動すると、転倒検出アルゴリズムの感度を低下させるか、以前の設定にリセットすることができる。

コンテキスト情報が、ユーザの周囲の環境についての情報を備える場合、この情報は、転倒検出システム2内の光センサを使用して測定することができる、ユーザの位置における環境光の指示(可視性の低下により、ユーザを転倒リスクの高い状態にする低い光レベル)、地面がどの程度平らであるか又は平らではないかの指示(スロープ又は階段があるかどうかを含む)、現在の天気又は気温の指示(例えばユーザを転倒リスクの高い状態にする雨又は寒さの条件)、環境雑音レベルの指示(例えばユーザが方向感覚を失うか混乱することになり得るリスクを増加させ、したがってユーザを転倒リスクの高い状態にする、高い環境雑音レベル)等のうちのいずれかを含むことができる。ユーザの周囲の環境についてのコンテキスト情報が、低レベルの光があること、雨が降っているか寒いこと、かつ/又は特に雑音が多いことを示す場合、ユーザは転倒リスクが高い状態であり、ステップ105において、転倒検出アルゴリズムの感度を上げることができる。コンテキスト情報がその後、環境内で良好な光があること、地面が比較的平らであること、もはや濡れていないか、雨又は寒くないこと、かつ/又は特に雑音が多くないことを示す場合、転倒検出アルゴリズムの感度を下げるか、以前の設定にリセットすることができる。

コンテキスト情報が、現在の時間の指示を備える場合、これは処理ユニット10の内部クロックによって提供され得る。ユーザは、一日の特定の時間、例えば夜間や、薬の定期的投与の直前又はその後の時間に、転倒リスクが高い状態である可能性があり、したがって、ステップ103は、現在の時間を、所定の投薬スケジュール及び/又はユーザが転倒リスクの高い状態にあると思われる時間の範囲と比較することを備えることができる。

コンテキスト情報が、ユーザの活動レベルの指示を備える場合、処理ユニット10は、動きセンサ6、8からの測定値から活動レベルを決定することができる。動きセンサ測定値から活動レベルを決定するための技術は当技術分野で公知であり、ここでは詳細には説明しないことにする。活動レベルは、その時点での(すなわち、ステップ103を実行するとき)ユーザについて決定することができ、あるいは日時等の、ある期間の間の活動プロファイルを、動きセンサ6、8の測定値から決定することができる。ユーザは、より活動的なときに転倒リスクが高い状態である可能性があるので、ステップ103は、決定された活動レベルを閾値と比較し、活動レベルが閾値を超える場合に、ユーザは転倒リスクが高い状態であると決定することを備えることができる。そのような場合、ユーザが特に活動的な状態にある間、転倒検出アルゴリズムの感度を上げることができる。ユーザの活動レベルが閾値より下に下がると、転倒検出アルゴリズムの感度を低下させるか、以前の設定にリセットすることができる。一部の実施形態において、活動プロファイルが決定される場合、活動プロファイルを、以前の期間の間に決定された活動プロファイルと比較して、ユーザが通常よりも活動的であるか、(例えばユーザが通常よりも活動的であるか、特に活動的であった期間の後に)疲れているかどうかを決定し、比較結果が、ユーザが通常よりも活動的であるか疲れていることを示す場合、活動プロファイルが通常レベルに戻るまで、転倒検出アルゴリズムの感度を一時的に上げることができる。

一部の実施形態において、コンテキスト情報は、ユーザの歩行パターンの変動の指示も含むか、そのような変動の指示とすることができる。(「Physical Fatigue Affects Gait Characteristics in Older Persons」Helbostad等著、Journal of Gerontology:Medical Sciences、2007、Vol.62A、No.9、1010-1015に説明されるように)歩行パターンの変動は、疲労による影響を受け得るからである。この場合、コンテキスト情報が、ユーザが疲れていることを示す場合、転倒検出アルゴリズムの感度を上げる。

あるいは、コンテキスト情報は、例えばつえやフレームといった歩行の補助を(ユーザが典型的にこのタイプの歩行補助を使用する必要がある場合に)ユーザが使用しているかどうかの指示、(ユーザが通常眼鏡を装着すべき場合)ユーザが眼鏡を装着しているかどうかの指示及び/又はユーザが履いている靴のタイプの指示といった、ユーザに関する他の情報も含むことができる。コンテキスト情報が、ユーザが必要な歩行補助を使用しておらず、眼鏡を装着しておらず、かつ/又は通常の靴若しくは正しい靴を履いていないことを示す場合、ユーザの転倒リスクは増加し、したがって、転倒検出アルゴリズムの感度を上げることができる。当業者には、ユーザが歩行補助を使用しているかどうか、眼鏡を装着しているか又は正しい靴を履いているかどうかを決定するために使用することができる、様々な技術及びセンサが認識されよう。

ユーザが一時的に転倒リスクの低い状態にあることをコンテキスト情報が示す場合、あるいはユーザが誤警報を生じる可能性がより高い活動状態に関与している場合に、転倒検出アルゴリズムの感度を低下させる実施形態では、そのようなコンテキスト情報は、例えばユーザがスポーツをしていることや、多くのカーブが存在し、衝撃のような及び/又は地面に接触する動きが存在する活動を行っていること(例えばゴルフをプレイすることやガーデニングをすること等)を示すことができる。

本発明の特定の実施形態が、図9のフローチャートによって図示されている。この実施形態において、コンテキスト情報は、ユーザが転倒リスク評価テストを行っているかどうか、及びユーザが高リスクの活動(例えば歩行、平らでない地面の歩行、階段の上り下り、バスルーム内の移動等)を行っているかどうかの指示を含む。この実施形態において、コンテキスト情報が、ユーザは転倒リスクが増加した状態であることを示す間、転倒検出アルゴリズムの感度を上げる。当業者には、同様の方法を、コンテキスト情報が、ユーザが転倒リスクが低下した状態であることを示す間、転倒検出アルゴリズムの感度を更に下げるべき場合に使用することができることが認識されよう。この実施形態では、転倒検出システム2は、転倒リスク評価テストを実施するようにも構成され、その結果、このシステム2は3つの異なるモードで動作するように構成される。第1のモードは、転倒検出モードであり、このモードでは、システム2は動きセンサ6、8からの測定値を処理して、上述のように転倒を検出する。第2のモードは、転倒リスク評価データ収集モードであり、ユーザが転倒リスク評価を開始する時にこのモードに入り(この実施形態では、ユーザがユーザデバイス4との所定のジェスチャを行うこと、例えばデバイス4を振ることによって、デバイス4を所定のパターンで動かすことによって、あるいはデバイス4上のボタンを押すことによって、システム2にこれを指示する)、このモードでは、システム2は、動きセンサ6、8からの測定値を、後続の分析のためにメモリモジュール内に格納する。転倒リスク評価の間、ユーザは、転倒リスクを評価する目的のために特定の動き及び/又はエクササイズを実行する。転倒リスク評価データの収集モードの終了は、(例えばユーザデバイス4との別の又は同じ所定のジェスチャを実行することによって、あるいは同じボタン又は別のボタンを押すことによって)ユーザによりシステム2に指示され得るか、あるいは所定の期間後にデータ収集モードを終了することができる。データ収集モードの完了後、システム2は、転倒検出モードでの動作に戻る。第3のモードは、転倒リスクデータ分析モードであり、このモードでは、転倒リスク評価データ収集モード中に測定され、格納された測定値を分析して、ユーザの転倒リスクを決定又は推定する。データ分析モードは、データ収集モードの完了時に自動的に入ることができ、あるいは所定の時間に又は(例えばユーザがユーザデバイス4との別のジェスチャを行うこと又は別のボタンを押すことによって指示されるような)ユーザからの入力に応答してデータ分析モードに入ることができる。データ分析モードの完了後、システム2は、転倒検出モードでの動作に戻る。

ユーザデバイス4が、データ収集モードで動作して、転倒リスク評価中に収集された動き測定値データを格納し、データ分析モードで動作して、転倒リスクを決定する間、ユーザデバイス4は好ましくは、ユーザが転倒しているかどうかを判断するために(ユーザデバイス4が転倒検出モードで動作していた場合と同様に)ユーザの動き測定値をリアルタイム又はほぼリアルタイムで処理し続ける。転倒検出システム2が、データ収集モード又はデータ分析モードの間に転倒を検出する場合、通常の方法で(すなわち、システム2が転倒検出モードで動作しているかのように)警報がトリガされる。

ユーザが、転倒リスク評価の一部として実行する可能性がある、幾つかの異なる動き及び/又はエクササイズが存在する。各動き又はエクササイズは、ユーザの歩行能力、平衡感覚、強さ又は反応時間、あるいはこれらの任意の組合せをテストすることができる。適切な動き及び/又はエクササイズの例には、ユーザが様々な方法で立ち続けること(例えば両足をそろえて、ほぼ縦に並んで、縦に並んで、片足で等)、歩行、座ることと立つことの遷移(すなわち、座っている姿勢から立ち上がること)、タイムアップ・アンド・ゴーテスト(すなわち、ユーザが立ち上がって特定の距離を歩き、その後、椅子の上で座る姿勢に戻るまでにどの程度の時間がかかるかを計時する)及びユーザがユーザデバイス4からの視覚的及び/又は聴覚的刺激に対して反応するのにどの程度の時間がかかるかを計時することを伴う反応テスト、低い位置(例えば床)から物体を取り上げること、あるいは何らかの所定の角度(例えば360度)の周囲を回ることを含む。これらの動き又はエクササイズの各々は、ユーザの転倒リスクについてのより良い指示を提供するために、異なる困難性レベルでユーザによって実行され得る。これらの動き及びエクササイズは、典型的に、ユーザが経時的に転倒のリスクを低減することを助けるよう、転倒防止エクササイズプログラムの一部として含まれる。

転倒リスクを評価する際のこれらの動き及び/又はエクササイズの使用は、ユーザの動きの測定値でこれらを識別し、ユーザがこれらの動き及び/又はエクササイズをどの程度上手く実行することができるかを分析するための技術のように、当技術分野では公知であるので、ここでは、動き測定値を処理するための詳細な技術は提供しない。

本発明の実施形態に従ってユーザデバイス4を作動させる、より詳細な方法が図7に図示されている。この実施形態では、転倒検出モードは、2つの処理レベルを備える。1つは、低電力段階であり、処理ユニット10は、単一の容易に検出される転倒の特性、例えば衝撃(例えば閾値より大きい加速度)について、測定された加速度を分析する。この低電力の処理は、測定値データの各新たなブロックについて実行され得る。任意の時に特性が検出される場合、処理ユニット10は、完全な転倒検出処理をアクティブにし、測定値を処理して、自由落下、高さの変化、向きの変化等といった転倒の他の特性が存在するかどうかを検出する。

図9では、システム2は、転倒検出モードを転倒検出アルゴリズムの標準の感度で開始する。転倒検出アルゴリズムは、動きセンサデータ内のトリガ特徴を探す低電力の初期の処理段階と、トリガ特徴が見つかったときにアクティブにされる完全処理段階とを備える。

新たな測定値データ(301)の各ブロックについて、処理ユニット10は、(例えばデバイス4にデータ収集モードを開始又は終了させる)第1の所定のジェスチャが認識されるかどうかを確認する(303)。第1の所定のジェスチャが認識されない場合、処理ユニット10は、転倒検出アルゴリズムをトリガすべきかどうかを(すなわち、動きデータの処理を通して)確認する(305)。転倒検出アルゴリズムをトリガすべきでない場合、処理ユニット10は、データ分析モードを開始するのに使用される第2の所定のジェスチャ(例えばデバイス4を振ること)が認識されるかどうかを確認する(307)。認識されない場合、処理ユニット10は、デバイス4が既に転倒リスク評価データ収集モードであるかどうかを確認する(308)。転倒リスク評価データ収集モードでない場合、ユーザデバイス4は転倒検出モードで(そして、特に測定値データの低電力処理を使用して)動作を継続するが、これはユーザデバイス4内にデータが格納されておらず、いずれのタイマーも実行中ではなく、完全な転倒検出アルゴリズムも実行中ではなく、転倒リスクを決定するために格納データが分析されないことを意味する。

この段階において、コンテキスト情報が、ユーザが高リスクの活動を行っていることを示すかどうかも確認される(309)。ユーザが高リスクの活動を行っていない場合、処理ユニット10は301に戻り、測定値データの次のブロックに対して作用する。コンテキスト情報が、ユーザが高リスクの活動を行っていることを示す場合、方法は310に移り、310において、転倒検出アルゴリズムの感度を上げる。その後、コンテキスト情報が、ユーザはもはや転倒リスクが高い状態にないことを示すまで、感度を上昇させた転倒検出アルゴリズムを使用して、測定値データ301の次の後続のブロックを処理する。

認識されるように、(第1の所定のジェスチャの実行についての)303、(転倒検出のトリガについての)305及び(第2の所定のジェスチャの実行についての)307における確認を、図9に図示されているものと異なる順序で実施することができる。また、これらの確認を、順番ではなく同時に実行することもできることが認識されよう。

303において、第1の所定のジェスチャが認識される場合、ユーザデバイス4は、該デバイス4が既に転倒リスク評価データ収集モードで動作しているかどうかを確認する(311)。転倒リスク評価データ収集モードで動作していない場合、データ収集モードを開始して、タイマーを開始する(312)。データ取集モード中に、データを格納し、タイマーを実行する。ここでユーザが転倒リスク評価を実行しているので、ユーザは、転倒リスクが高い状態であると見なされ、したがって、転倒検出アルゴリズムが上記の310の後に既に高感度で動作してない限り、転倒検出アルゴリズムの感度を上げる(313)。次いで、ステップ305及び後続のステップでは、この感度を上昇させた転倒検出アルゴリズムを使用して動きデータを処理し、転倒が起こっているかどうかを検出する。311において、ユーザデバイス4が既にデータ収集モードであると決定された場合、データ収集モードを停止して、タイマーを非アクティブにする(314)。ここでデータ収集モードは終了するので、ユーザはもはやエクササイズ又は動きを行っていないと見なされ、したがって、転倒リスクの高い状態でないと見なされる。このため、転倒検出アルゴリズムの感度を下げて、標準の感度に(又はその近くに)戻すことができる(315)。方法はその後、ステップ305から継続する。

305において、完全な転倒検出アルゴリズムが必要とされると決定した場合、次いで処理ユニット10は、測定値を処理してユーザが転倒しているかどうかを判断する(317及び319)。転倒が検出される場合、転倒に関連する測定値データを、後の分析のために格納し、警報をトリガして、コールセンタ又は緊急サービスからの助けを要求する(321)。

一部の実施形態において、例えば検出された転倒が実際の転倒であったか誤警報であったかを指示するサービスセンタからのフィードバックを、転倒検出システム2に提供することができる(322)。この指示は、サービスセンタの人により、その人とユーザとの間の会話の後に提供され得る。あるいはまた、転倒が実際の転倒であったかどうかに関するフィードバックは、ユーザがボタンを押して警報を無効にしたことに応答してシステム2自体により、並びに/あるいは検出された転倒の後にユーザが立ち上がったかどうか及び/又は「通常に」活動しているかどうかをシステム2が検出することにより、決定され得る。322の後、データ収集モード(又はアクティブである場合はデータ分析モード)を終了し(323)、全てのタイマーを終了する。次いで転倒検出アルゴリズムの感度は、検出された転倒がユーザによる実際の転倒であったかどうかに基づいて、調整(例えば上昇又は低下)され得る。デバイス4は次いで、測定値データの次のブロックに対して作用する(301)。

319において転倒が検出されないか、305において完全な転倒検出処理がトリガされない場合、処理ユニット10は、第2の所定のジェスチャを確認する(307)。測定値データで第2の所定のジェスチャが認識される場合、次いでユーザデバイス4は、データ分析モードで動作し(325)、このモードでは、最後にデータ分析モードが実行されてからこのデータ分析モード又はいずれかのデータ収集モードまでの間に格納された全てのデータを処理して、転倒リスクを決定する。325においてデータ分析モードがアクティブにされると、(まだアクティブである場合に)データ収集モードをオフに切り替えて、全ての実行中のタイマーを終了する(323)。そのような場合、転倒検出アルゴリズムの感度は、その後、通常のレベルまで下げられることになる(310)。

307において第2の所定のジェスチャが認識されないが、308においてデータ収集モードがアクティブにされるように決定される場合、次いで、327において、タイマーの期限が切れたかどうかを確認する(すなわち、データ収集の開始からの経過時間が閾値に到達したかどうかを確認する)。タイマーの期限が切れた場合、次いでデータ収集モードを非アクティブにする(323)。その後、転倒検出アルゴリズムの感度を、通常の感度レベルまで下げるか、戻す。タイマーの期限がまだ切れていない場合、301において受け取ったデータのブロックを格納する(329)。

データ分析モードが完了した後、ユーザについて、新たな又は更新された転倒リスクスコアがあり、転倒検出アルゴリズムの感度は、この新たな又は更新された転倒リスクスコアに基づいて必要に応じて調整され得る。

処理は、測定値データの新たなブロック(301)について繰り返す。測定値データの次のブロックは、測定値データの以前のブロックと連続であってもよく(すなわち、データのブロック間に間隔がない)、測定値データの以前のブロックと非連続であってもよく、あるいは測定値データの以前のデータと重なっていてもよい(例えばデータの以前のブロック内の最も古いサンプル又はサンプルのセットを破棄し、新たなサンプル及びサンプルのセットを残りのサンプルに追加して、測定値データの次のブロックを形成する)。測定値データの被連続ブロックは、例えば(例えばユーザが横たわっているか、座っているために)測定値データの以前のブロック内で動きがほとんど検出されないか全く検出されない場合に使用することができ、これは、ユーザデバイス4の電力消費を低減する。

図9には図示されていないが、任意の時にユーザデバイス4上のパーソナルヘルプボタンがユーザによって押されると、処理は、真っ直ぐ321に進み、警報がトリガされて、ユーザデバイス4によりユーザのために助けが要求される。

したがって、ユーザがよりリスクの高い活動に関与しているか、環境がユーザをより転倒リスクの高い状態に置くときに、主として誤警報の発生は最小限に保持しつつ、転倒をより確実に検出することを可能にするシステム及び方法が提供される。

本発明は、図面及び上記の説明において詳細に図示及び説明されているが、そのような図及び説明は、例示又は実施例であって制限的ではないので、本発明は開示される実施形態に限定されない。

当業者が特許請求に係る発明を実施する際に、図面、本開示内容及び添付の特許請求の範囲の教示から、開示される実施形態への変更が理解され、有効にされる可能性がある。特許請求の範囲において、「備える(comprising)」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項内に記載される幾つかの項目の機能を満たすことがある。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用することができないことを示唆しない。コンピュータプログラムは、ハードウェアとともに又はハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又は半導体記憶媒体のような適切な媒体に格納/分散されてよいが、例えばインターネットや他の有線又は無線電気通信システムを介すること等により、他の形式で分散されてもよい。特許請求の範囲におけるいずれの参照符号も、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

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