メソダイセクションのためのシステムおよび方法

申请号 JP2017540268 申请日 2016-01-29 公开(公告)号 JP2018511036A 公开(公告)日 2018-04-19
申请人 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー; F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT; 发明人 バーネス マイケル; チュッカ スリニヴァス; クァドリ モハンマド;
摘要 本開示は、デジタルパソロジー・イメージングシステムおよびメソダイセクション(または切削)システム内にアノテーション付けモジュールおよびマーカー間 位置 合わせモジュールを組み込むことによる、 生物 標本および組織スライドのメソダイセクションのためのシステム、コンピュータ実装方法、および臨床ワークフローを提供する。基準スライドの画像と切削用スライドの画像を同じイメージングシステムを用いて取得することができ、切削用スライドと関連付けられた画像上のアノテーションはマーカー間位置合わせに基づく。各画像を、各画像のそれぞれのアノテーションおよびメタデータと共に、プロジェクトまたは症例と関連付けて、画像管理システムに記憶させることができる。同一マーカー位置合わせを用いて、切削用スライドのアノテーション付き画像から切削用スライドのライブ画像にアノテーションをマッピングすることができる。切削用スライドは、アノテーションに基づいて切削されることができ、切削された組織は、ラベル付き入 力 スライドと関連付けてラベル付けされた容器の中に産出される。
权利要求

デジタルパソロジーおよびメソダイセクションの組合せのための機器であって、 プロセッサ;および 前記プロセッサに接続された、コンピュータ可読命令を記憶するためのメモリ; を備え、 前記コンピュータ可読命令は、前記プロセッサによって実行されると、 マーカー間位置合わせ動作を用いて、第1の画像から、切削用画像を含む複数の隣接画像のうちの1つまたは複数にアノテーションをマッピングすること;および 続いて、前記アノテーションに基づいて前記切削用画像に対応する切削用スライドからの切り出しをすること; を含む動作を前記プロセッサに行わせ、 前記アノテーションが前記切削用スライドのライブ画像にマッピングされる、 前記機器。前記第1の画像および前記複数の隣接画像が、組織ブロックの連続切片に対応する、請求項1に記載の機器。続いて、前記切削用スライド上のアノテーション付けされた関心領域が、アノテーション付けされた前記ライブ画像に基づいて切り出される、前記請求項のいずれか一項に記載の機器。前記第1の画像および前記切削用画像が、同じ切削用スライドに対応する、前記請求項のいずれか一項に記載の機器。前記動作が、前記アノテーションに基づいて切削用アノテーションを作成することをさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の機器。前記1つまたは複数のアノテーションが、XMLデータを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の機器。前記動作が、前記1つまたは複数のアノテーションおよび前記切削用スライドからの切削された組織試料を患者と関連付けることをさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の機器。前記関連付けることが、一意の識別子を用いることを含む、請求項7に記載の機器。前記切削された組織試料の分析結果も前記患者と関連付けられる、請求項7または8に記載の機器。前記切削された組織試料の分析結果が、後続のスキャン動作または後続の切削動作のうちの1つまたは複数を決定するのに用いられる、前記請求項のいずれか一項に記載の機器。デジタルパソロジー機器であって、 プロセッサ;および 前記プロセッサに接続された、コンピュータ可読命令を記憶するためのメモリ; を備え、 前記コンピュータ可読命令は、前記プロセッサによって実行されると、 組織ブロックの複数の連続画像のうちの第1の画像にアノテーションを付けること; 前記第1の画像から切削用画像に1つまたは複数のアノテーションをマッピングすること;および 前記切削用画像の前記1つまたは複数のアノテーションを切削システムにエクスポートすること; を含む動作を前記プロセッサに行わせる、 前記機器。前記切削システムが、前記1つまたは複数のアノテーションに基づいて、前記切削用画像と関連付けられた切削用スライドからの切り出しをし、かつ/または前記切削システムが、同一マーカー位置合わせ動作を用いて、前記アノテーション付けされた切削用画像から切削用スライドのライブ画像に前記アノテーションをマッピングする、請求項11に記載の機器。前記第1の画像から前記切削用画像にアノテーションをマッピングすることが、マーカー間位置合わせ動作を用いる、請求項11または12に記載の機器。メソダイセクション機器であって、 プロセッサ;および 前記プロセッサに接続された、コンピュータ可読命令を記憶するためのメモリ; を備え、 前記コンピュータ可読命令は、前記プロセッサによって実行されると、 イメージングシステムから1つまたは複数のアノテーションをインポートすることであって、前記1つまたは複数の切削アノテーションが、組織ブロックの複数の連続切片のうちの1つである組織標本の関心領域を指示し、かつ前記組織標本をスキャンするためのスキャナに接続されたワークステーション上で作成されたものである、インポートすること; 切削用アノテーションを作成するために、前記1つまたは複数のアノテーションを切削用スライドのライブ画像にマッピングすること;および 前記切削用アノテーションに基づいて前記切削用スライドからの切り出しをすること; を含む動作を前記プロセッサに行わせる、 前記機器。前記ライブ画像にアノテーションをマッピングすることが、同一マーカー位置合わせ動作に基づく、請求項14に記載の機器。前記アノテーションが前記ライブ画像の座標系に変換される、請求項14または15に記載の機器。デジタルパソロジーおよびメソダイセクションの組合せのためのコンピュータ実装方法であって、 第1の画像から、切削用画像を含む複数の隣接画像のうちの1つまたは複数にアノテーションをマッピングする工程;および 続いて、前記アノテーションに基づいて前記切削用画像に対応する切削用スライドからの切り出しをする工程; を含み、 前記アノテーションが前記切削用スライドのライブ画像にマッピングされる、 前記方法。前記第1の画像から前記切削用画像にアノテーションをマッピングする前記工程が、マーカー間位置合わせ動作を用い、かつ/または前記切削システムが、同一マーカー位置合わせ動作を用いて、前記アノテーション付けされた切削用画像から切削用スライドのライブ画像に前記アノテーションをマッピングする、請求項17に記載の方法。前記第1の画像および前記複数の隣接画像が、組織ブロックの連続切片に対応する、請求項17または18に記載の方法。前記1つまたは複数の切削用アノテーションが、組織標本の関心領域を指示し、前記組織標本が、組織ブロックの複数の連続切片のうちの1つであり、かつ前記1つまたは複数の切削用アノテーションが、前記組織標本をスキャンするためのスキャナに接続されたワークステーションで作成される、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。デジタルパソロジーおよびメソダイセクションの組合せのための機器であって、 プロセッサ;および 前記プロセッサに接続された、コンピュータ可読命令を記憶するためのメモリ; を備え、 前記コンピュータ可読命令は、前記プロセッサによって実行されると、請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法を前記プロセッサに行わせる、 前記機器。請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法で用いるために装備された、デジタルパソロジー機器であって、 プロセッサ;および 前記プロセッサに接続された、コンピュータ可読命令を記憶するためのメモリ; を備え、 前記コンピュータ可読命令は、前記プロセッサによって実行されると、 第1の画像から、切削用画像を含む複数の隣接画像のうちの1つまたは複数にアノテーションをマッピングすること;および 前記切削用画像の前記1つまたは複数のアノテーションを切削システムにエクスポートすること; を含む動作を前記プロセッサに行わせる、 前記機器。請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法で用いるために装備された、メソダイセクション機器であって、 プロセッサ;および 前記プロセッサに接続された、コンピュータ可読命令を記憶するためのメモリ; を備え、 前記コンピュータ可読命令は、前記プロセッサによって実行されると、 イメージングシステムから1つまたは複数のアノテーションをインポートすること;および 前記アノテーションに基づいて切削用画像に対応する切削用スライドからの切り出しをすること; を含む動作を前記プロセッサに行わせ、 前記アノテーションが前記切削用スライドのライブ画像にマッピングされる、 前記機器。

说明书全文

本開示の分野 本開示は、医療診断のためのイメージングに関する。より詳細には、本開示は、デジタルパソロジーにより誘導される、スライドガラスに載せた組織スライドの自動マイクロダイセクション(メソダイセクション)に関する。

本開示の背景 組織切片、血液、細胞培養などといった生物標本の分析においては、生物標本をスライドガラスに載せ、染色剤およびバイオマーカーの1つまたは複数の組み合わせを用いて染色し、得られたアッセイをさらに分析するために観察または画像化する。アッセイを観察することにより、疾病の診断、治療に対する反応の評価、および疾病と闘うための新薬の開発を含む、様々なプロセスが可能になる。アッセイは、標本中の対象タンパク質、対象タンパク質断片、または他の対象物に結合する抗体にコンジュゲートされた1つまたは複数の染色剤を含む。染色後、アッセイは、組織標本の内容物をさらに分析するために画像化される場合がある。さらに、組織標本の染色切片または未染色切片に、さらなる分子分析またはゲノム分析に供するために物理的な切り出し(ダイセクション)をする場合もある。例えば、癌細胞を濃縮してその後の生化学的特性付けにおいてより良好なシグナル・ノイズ比をもたらすために、スライドガラスに載せた腫瘍試料の切り出しがよく用いられる。多くの臨床検査室では、実際上の理由で、レーザーマイクロダイセクションシステムの出費および問題を回避するために、用手(マニュアル)ダイセクションが用いられている。残念ながら、用手法では、解像度、ならびにプロセスのトレーサビリティおよびプロセス文書を欠くことが多い。メソダイセクションシステムは、用手法より優れた精度を提供すると同時に、デジタル画像誘導およびプロセスの電子文書も提供する。スライドガラスに載せた組織の既存のメソダイセクションシステム、例えば、AvanSci Bio(登録商標)製のメソダイセクションシステム(詳細は、http://avansci-bio.com/uploads/CDP-08 MesoDissection System Flyer Rev 1.pdfに記載されている)は、用手法より優れた精度を提供すると同時に、デジタル画像誘導およびプロセスの電子文書も提供する。メソダイセクションシステムは、液体の分注、スライドガラスに載せた組織の表面からの組織の切り取り、ならびに液体および切り取った組織断片の吸引を同時に行う、専用の使い捨てミルビットを用いる微細組織ミルを備えることができる。また、メソダイセクション機器は光学イメージングシステム部品からも構成され、この構成部品は組織スライドを保持する可動xyステージを備え、該ステージに組織スライドのうちの1つ(典型的にはH&Eスライド)がロードされて、ユーザがアノテーションを付けるために画像化される。このスライドを基準スライドと呼ぶ。よって、切り出しをされる組織スライドを切削用スライドと呼び、このスライドもステージにロードされて、組織抽出のためにそのライブ画像が取り込まれる。これらのメソダイセクションシステムは、関心領域のアノテーション付けを可能にするため、および順次に切り取られた組織切片に対応する基準スライドと切削用スライドの画像の間で相互にアノテーションを手動で転写するためのソフトウェア・インターフェースをさらに提供し、これにより切り出しとプロセスの電子記録の生成とのさらなる誘導が可能となる。

既存のメソダイセクションシステムは、マニュアルダイセクション法より効果的であり、生物試料のバイオマーカー分析に適用できるが、より幅広い用途に用いるには多くの点で限界がある。既存のシステムでは、切削のためのアノテーションの指定および作成が不十分である。基準スライド画像上で付けたアノテーションは、メソダイセクションシステム上での手動での双方向の画像位置合わせおよびアノテーションマッピング処理によって、切削用スライド画像にマッピングする必要がある。よって、マッピング処理の正確さは、メソダイセクションシステムの倍率(解像度)(約5倍の顕微鏡対物レンズ)によって制限され、この倍率は、所望の領域境界(例えば、腫瘍や免疫の領域境界)を正確に画定するのに必要な倍率よりも低く、デジタルパソロジー・システムで可能な典型的な倍率(20倍、40倍の顕微鏡対物レンズなど)と比べてはるかに低く、その結果、抽出された組織データは、所望の生物学的に特異な領域からの組織を限定的に抽出した場合と比べて、他の形の組織では損なわれている。

特定の診断目的または生物学上の目的で組織を取得する際には、切削用アノテーションの作成プロセスが極めて重要である。既存のシステムは、熟練した専門家が一度に1つのスライドを順次に操作するように設計されており、これらのアノテーションを作成するプロセスは、手動での集中的なプロセスである。これらのシステムには、複数の組織スライドから組織を相関的に抽出し、前臨床創薬、開発調査研究および臨床予後予測分析に有益な複数の領域および隣接するスライドからの分子およびゲノム配列分析情報を分析し、精査するための柔軟性が欠けている。

本開示の概要 本開示は、デジタルパソロジー・ソフトウェア・アプリケーションを用いて、直接アノテーションを付けることによって、または自動マーカー間位置合わせ動作を利用して、スキャンされた基準スライドの高倍率画像から切削用画像へとアノテーションをマッピングすることによって、切削用スライドのデジタル高解像度画像上で切削用アノテーションを作成し、次いで、主に切削のために用いられるメソダイセクションシステム上でアノテーション付き切削用画像に基づいて1つまたは複数の切削用スライドを処理する、デジタルパソロジー・イメージングシステム上での基準スライドおよび切削用スライドのデジタル画像の取得を介した、生物標本および組織スライドのメソダイセクションのための機器またはシステム、コンピュータ実装方法、および臨床ワークフローを提供することによって上述の問題を解決する。組織試料の隣接切片に対応する複数のスライドは、高解像度画像を生成するために、デジタルパソロジー・ホールスライド・スキャナを用いて所望の高解像度(20倍、40倍など)でデジタルスキャンされる。デジタル化すると、任意のデジタルパソロジー・ホールスライド画像閲覧アプリケーション上で、オペレータが、または画像分析動作を用いて、関心領域を示すために1つまたは複数の画像にアノテーションを付けることができる。アノテーション付き画像のうちの1つまたは複数を、基準画像セットとして指定することができる。同様に、1つまたは複数の画像を、切削用画像グループ、すなわち、メソダイセクションシステムまたは切削システムによって切り出しをしようとするスライドとして指定することができる。例えば、切削用スライドは、未染色組織スライドとすることができる。したがって、基準スライドおよび切削用スライドの画像を、同じイメージングシステムを用いて取得することができる。

切削用スライドの各々に特定の切削用アノテーションセットを作成するために、ユーザは、基準画像の中から意図する基準アノテーションセットを選択することができ、デジタルパソロジー・ソフトウェア・アプリケーションにおいてマーカー間位置合わせ動作を実行して、対応する基準画像から切削用画像へのアノテーションの位置合わせを、スキャンされた高倍率で正確に行い、マッピングすることができる。切削用画像は、同じ染色剤または異なる染色剤の組み合わせで染色された組織スライドを表していてもよい。切削用スライドは、未染色組織スライドとすることができる。したがって、基準スライドおよび切削用スライドの画像を、同じイメージングシステムを用いて取得することができ、任意の切削用スライドと関連付けられた画像上のアノテーションは、マーカー間位置合わせに基づく。各画像を、各画像のアノテーションおよびメタデータと共に、プロジェクトまたは症例と関連付けて、画像管理システムに記憶させることができる。さらに、切削用スライドはメソダイセクションシステム上にロードされ、対応する切削用画像がその切削用アノテーションと共に、画像管理システムから、メソダイセクションシステム上のソフトウェア・インターフェースから呼び出されて、メソダイセクションシステムにインポートされる。切削対象スライドの各々について、切削用スライドのライブ画像を取り込むことができ、同一マーカー位置合わせを用いて、インポートされたアノテーション付き画像から切削されるスライドのライブ画像へとアノテーションをマッピングすることができる。したがって、メソダイセクションシステムにおいて切削用スライド上で意図する領域を切削するプロセスでは、対応するアノテーション付き切削用画像をインポートしさえすればよく、基準画像に依存することも、基準画像をインポートし、さらに利用する必要もない。したがって、切削システムは、主に、切削および組織抽出の目的に用いられる。関連付けられたアノテーションに基づいて切削用スライドを切削することができ、切削された組織は、ラベル付きの切削されたスライドならびに基準スライドおよびアノテーション情報を含むメタデータと関連付けてラベル付けされた容器の中に産出される。

したがって、提案するワークフローは、組織ブロックまたは患者からのすべてのラベル付き組織スライドを、高解像度デジタルパソロジー・システムにおいてバッチ・アセンブリ・モードでデジタル化し、画像管理システムに保存することを可能にする。また、病理学者や医療専門家は、任意のコンピュータ上でデジタルパソロジー・ソフトウェア・アプリケーションをオフラインで用いて、デジタル画像をインポートし、点検し、選択した基準スライドの画像上でアノテーションを付け、切削対象スライドの各々に基準アノテーションセットを選択することができる。基準アノテーションを付けると、コンピュータ上でマーカー間位置合わせ動作が実行され、すべての組織データセットに対して一括で実行され、切削対象スライドの画像上で対応する切削用アノテーションが出され、それらのアノテーションが画像管理システムに保存される。中間セッションまたは後のセッションにおいて、メソダイセクションシステムの技師またはオペレータは、医療専門家からさらなる指導も入力も受けずに、すべてのラベル付き切削用スライドを物理的にロードし、それらをメソダイセクションシステムにロードし、画像管理システムに接続して、切削用画像および関連付けられたアノテーションをインポートすることができる。また、物理的切削対象スライドの各々について、切り出し(ダイセクション)システム上のソフトウェア・インターフェースを用いて、同一マーカー位置合わせ動作を用いて、切削用アノテーションをライブキャプチャのカメラ座標系にマッピングし、抽出された組織をラベル付き容器に集める。したがって、このワークフロー全体により、デジタルパソロジーにより誘導されるメソダイセクションシステムを、大量の前臨床および臨床状況において運用することができる。

例示的一態様において、本開示は、デジタルパソロジー・イメージング・サブシステムと、メソダイセクションまたは切削サブシステムとを組合せた機器またはシステムを提供する。本システムは、プロセッサと、該プロセッサに接続された、コンピュータ実行可能命令を記憶するためのメモリとを備え、該コンピュータ実行可能命令は、マーカー間位置合わせ動作を用いて、第1の画像から、切削用画像を含む複数の隣接画像のうちの1つまたは複数にアノテーションをマッピングすること;および続いて、切削用スライドのライブ画像にマッピングされたアノテーションに基づいて、切削用画像に対応する切削用スライドからの切り出しをすること;を含む動作を行うためにプロセッサによって実行される。

本態様によれば、第1の画像および複数の隣接画像は、組織ブロックの連続切片に対応する。第1の画像および切削用画像は、同じ切削用スライドに対応する。動作は、アノテーションに基づいて切削用アノテーションを作成することをさらに含んでもよい。1つまたは複数のアノテーションは、XMLデータを含んでもよい。動作は、1つまたは複数のアノテーションおよび切削用スライドからの切削された組織試料を患者と関連付けることをさらに含んでもよい。関連付けることは、一意の識別子を用いることを含んでもよい。切削された組織試料の分析結果も患者と関連付けられてよい。切削された組織試料の分析結果は、後続のスキャン動作または後続の切削動作のうちの1つまたは複数を決定するのに用いることができる。アノテーションは、同一マーカー位置合わせ動作を用いて切削用スライドの各々のライブ画像にマッピングされることができる。続いて、切削用スライド上のアノテーション付けされた関心領域を、アノテーション付きライブ画像に基づいて切り出すことができる。

別の例示的態様において、本開示は、前記組合せシステムで用いるための、それぞれのデジタルパソロジー・イメージング・サブシステムと、メソダイセクションまたは切削サブシステムとを提供する。

別の例示的態様において、本開示は、プロセッサと、該プロセッサに接続された、コンピュータ実行可能命令を記憶するためのメモリとを備える、デジタルパソロジー・イメージング機器またはシステムを提供し、該コンピュータ実行可能命令は、組織ブロックの複数の連続画像のうちの第1の画像にアノテーションを付けること;第1の画像から切削用画像に1つまたは複数のアノテーションをマッピングすること;および切削用画像の1つまたは複数のアノテーションを切削システムにエクスポートすることであって、該切削システムは、1つまたは複数のアノテーションに基づいて切削用画像と関連付けられた切削用スライドからの切り出しをするものである、エクスポートすること;を含む動作を行うためにプロセッサによって実行される。

本態様によれば、切削システムは、同一マーカー位置合わせ動作を用いて、アノテーション付き切削用画像から切削用スライドのライブ画像にアノテーションをマッピングすることができる。第1の画像から切削用画像へのアノテーションのマッピングでは、マーカー間位置合わせ動作を用いることができる。

さらに別の例示的態様において、本開示は、プロセッサと、該プロセッサに接続された、コンピュータ実行可能命令を記憶するためのメモリとを備える、切削またはメソダイセクションのシステムまたは機器を提供し、ここで、前記コンピュータ実行可能命令は、イメージングシステムから1つまたは複数のアノテーションをインポートすることであって、該1つまたは複数の切削アノテーションは、組織ブロックの複数の連続切片のうちの1つである組織標本の関心領域を指示し、かつ該組織標本をスキャンするためのスキャナに接続されたワークステーション上で作成されたものである、インポートすること;切削用アノテーションを作成するために、前記1つまたは複数のアノテーションを切削用スライドのライブ画像にマッピングすること;および切削用アノテーションに基づいて切削用スライドからの切り出しをすること;を含む動作を行うために前記プロセッサによって実行される。

本態様によれば、ライブ画像へのアノテーションのマッピングは、同一マーカー位置合わせ動作に基づくものとすることができる。アノテーションは、切削システムの座標系に変換されることができる。

さらに別の例示的態様において、本開示は、デジタルパソロジーおよびメソダイセクションの組合せためのコンピュータ実装方法を提供する。本方法は、第1の画像から、切削用画像を含む複数の隣接画像のうちの1つまたは複数にアノテーションをマッピングする工程と、続いて、切削用スライドのライブ画像にマッピングされたアノテーションに基づいて切削用画像に対応する切削用スライドからの切り出しをする工程と、を含む。

本態様によれば、第1の画像から切削用画像へのアノテーションのマッピングでは、マーカー間位置合わせ動作を用いることができる。切削システムは、同一マーカー位置合わせ動作を用いて、アノテーション付き切削用画像から切削用スライドのライブ画像にアノテーションをマッピングすることができる。第1の画像および複数の隣接画像は、組織ブロックの連続切片に対応してもよい。1つまたは複数の切削用アノテーションは、組織標本の関心領域を指示することができ、前記組織標本は組織ブロックの複数の連続切片のうちの1つである。1つまたは複数の切削用アノテーションは、前記組織標本をスキャンするためのスキャナに接続されたワークステーションで作成されたものであってよい。

具体的には、本方法は、前記システムで実行されることができる。したがって、システムに関して開示した特徴は、本方法に関してもしかるべく開示されたものと理解されたい。

さらに別の例示的態様において、本開示は、プロセッサと、該プロセッサに接続された、コンピュータ可読命令を記憶するためのメモリとを備える、デジタルパソロジーおよびメソダイセクションの組合せのための機器を提供し、ここで該コンピュータ可読命令は、プロセッサによって実行されると前記方法のうちの1つをプロセッサに行わせる。

さらに別の例示的態様において、本開示は、プロセッサと、該プロセッサに接続された、コンピュータ可読命令を記憶するためのメモリとを備える、前記方法のうちの1つで用いるために装備されたデジタルパソロジー機器を提供し、ここで該コンピュータ可読命令は、プロセッサによって実行されると、第1の画像から、切削用画像を含む複数の隣接画像のうちの1つまたは複数にアノテーションをマッピングすること;および切削用画像の1つまたは複数のアノテーションを切削システムにエクスポートすること;を含む動作をプロセッサに行わせる。

さらに別の例示的態様において、本開示は、プロセッサと、該プロセッサに接続された、コンピュータ可読命令を記憶するためのメモリとを備える、前記方法のうちの1つで用いるために装備されたメソダイセクション機器を提供し、ここで該コンピュータ可読命令は、プロセッサによって実行されると、イメージングシステムから1つまたは複数のアノテーションをインポートすること;および切削用スライドのライブ画像にマッピングされたアノテーションに基づいて切削用画像に対応する切削用スライドからの切り出しをすること;を含む動作をプロセッサに行わせる。

本開示の例示的一態様による、別個のイメージングサブシステムおよび切削サブシステムを含むデジタルパソロジー・システムを示す図である。

本開示の例示的一態様による、イメージングサブシステムおよび切削サブシステムの組合せを含むデジタルパソロジー・システムを示す図である。

本開示の例示的一態様による、別個のイメージングサブシステムおよび切削サブシステムを用いたメソダイセクションのための方法を示す図である。

本開示の例示的一態様による、別個のイメージングサブシステムおよび切削サブシステムを用いた別のメソダイセクションのための方法を示す図である。

本開示の例示的一態様による、イメージングサブシステムおよび切削サブシステムの組合せを用いたメソダイセクションのための方法を示す図である。

本開示の例示的一態様による、本明細書で開示するシステムおよび方法が可能にするループバック分析を示す図である。

本開示の詳細な説明 本開示は、デジタルパソロジー・ソフトウェア・アプリケーションを用いて、直接アノテーションを付けることによって、または自動マーカー間位置合わせ動作を利用して、スキャンされた基準スライドの高倍率画像から切削用画像へとアノテーションをマッピングすることによって、切削用スライドのデジタル高解像度画像上で切削用アノテーションを作成し、次いで、主に切削のために用いられるメソダイセクションシステム上でアノテーション付き切削用画像に基づいて1つまたは複数の切削用スライドを処理する、デジタルパソロジー・イメージングシステム上での基準スライドおよび切削用スライドのデジタル画像を取得を介した、生物標本および組織スライドのメソダイセクションのための機器またはシステム、コンピュータ実装方法、および臨床ワークフローを提供することによって上述の問題を解決する。組織試料の隣接切片に対応する複数のスライドは、高解像度画像を生成するために、デジタルパソロジー・ホールスライド・スキャナを用いて所望の高解像度(20倍、40倍など)で、デジタルスキャンされる。デジタル化すると、任意のデジタルパソロジー・ホールスライド画像閲覧アプリケーション上で、オペレータが、または画像分析動作を用いて、関心領域を示すために1つまたは複数の画像にアノテーションを付けることができる。アノテーション付き画像のうちの1つまたは複数を、基準画像セットとして指定することができる。同様に、1つまたは複数の画像を、切削用画像グループ、すなわち、メソダイセクションシステムまたは切削システムによって切り出しをしようとするスライドとして指定することができる。例えば、切削用スライドは、未染色組織スライドとすることができる。したがって、基準スライドおよび切削用スライドの画像を、同じイメージングシステムを用いて取得することができる。

切削用スライドの各々に特定の切削用アノテーションセットを作成するために、ユーザは、基準画像の中から意図する基準アノテーションセットを選択することができ、デジタルパソロジー・ソフトウェア・アプリケーションにおいてマーカー間位置合わせ動作を実行して、対応する基準画像から切削用画像へのアノテーションの位置合わせを、スキャンされた高倍率で正確に行い、マッピングすることができる。切削用画像は、同じ染色剤または異なる染色剤の組み合わせで染色された組織スライドを表していてもよい。切削用スライドは、未染色組織スライドとすることができる。したがって、基準スライドおよび切削用スライドの画像を、同じイメージングシステムを用いて取得することができ、任意の切削用スライドと関連付けられた画像上のアノテーションは、マーカー間位置合わせに基づく。各画像を、各画像のアノテーションおよびメタデータと共に、プロジェクトまたは症例と関連付けて、画像管理システムに記憶させることができる。さらに、切削用スライドはメソダイセクションシステム上にロードされ、対応する切削用画像がその切削用アノテーションと共に、画像管理システムから、メソダイセクションシステム上のソフトウェア・インターフェースから呼び出されて、メソダイセクションシステムにインポートされる。切削対象スライドの各々について、切削用スライドのライブ画像を取り込むことができ、同一マーカー位置合わせを用いて、インポートされたアノテーション付き画像から切削されるスライドのライブ画像へとアノテーションをマッピングすることができる。したがって、メソダイセクションシステムにおいて切削用スライド上で意図する領域を切削するプロセスでは、対応するアノテーション付き切削用画像をインポートしさえすればよく、基準画像に依存することも、基準画像をインポートし、さらに利用する必要もない。したがって、切削システムは、主に、切削および組織抽出の目的に用いられる。関連付けられたアノテーションに基づいて切削用スライドを切削することができ、切削された組織は、ラベル付きの切削されたスライドならびに基準スライドおよびアノテーション情報を含むメタデータと関連付けてラベル付けされた容器の中に産出される。

したがって、提案するワークフローは、組織ブロックまたは患者からのすべてのラベル付き組織スライドを、高解像度デジタルパソロジー・システムにおいてバッチ・アセンブリ・モードでデジタル化し、画像管理システムに保存することを可能にする。病理学者や医療専門家は、任意のコンピュータ上でデジタルパソロジー・ソフトウェア・アプリケーションをオフラインで用いて、デジタル画像をインポートし、点検し、選択した基準スライドの画像にアノテーションを付け、切削対象スライドごとに基準アノテーションセットを選択することができる。基準アノテーションを付けると、コンピュータ上でマーカー間位置合わせ動作が実行され、すべての組織データセットに対して一括で実行され、切削対象スライドの画像上で対応する切削用アノテーションが出力され、それらのアノテーションが画像管理システムに保存される。中間セッションまたは後のセッションにおいて、メソダイセクションシステムの技師またはオペレータは、医療専門家からさらなる指導も入力も受けずに、すべてのラベル付き切削用スライドを物理的にロードし、それらをメソダイセクションシステムにロードし、画像管理システムに接続して、切削用画像および関連付けられたアノテーションをインポートすることができる。物理的切削対象スライドごとに、切り出し(ダイセクション)システム上のソフトウェア・インターフェースを用い、同一マーカー位置合わせ動作を用いて、切削用アノテーションをライブキャプチャのカメラ座標系にマッピングし、抽出された組織をラベル付き容器に集める。したがって、このワークフロー全体により、デジタルパソロジーにより誘導されるメソダイセクションシステムを、大量の前臨床および臨床状況において運用することができる。

図1に、本開示の例示的一態様による、イメージング用100および切削用110の別個のサブシステムを含むデジタルパソロジー・システムを示す。イメージングサブシステム100は、1つまたは複数のアッセイの画像を生成するためのハードウェアおよびソフトウェアを含んでもよい。例えば、イメージングサブシステム100はメモリ101を備え、メモリ101は、コンピュータ104に接続されたプロセッサ103によって実行される複数の処理モジュールまたは論理命令を記憶している。プロセッサ103およびメモリ101以外に、コンピュータ104は、キーボード、マウス、スタイラス、ディスプレイ/タッチスクリーン、ネットワーキング要素といった、ユーザ入出力装置も含んでもよい。例えば、メモリ101内の処理モジュールの実行は、ユーザ入力によってトリガされてもよいし、記憶されており後でコンピュータ104により取り出される、ネットワークサーバまたはデータベースからネットワーク経由で提供される入力によってトリガされてもよい。イメージングサブシステム100は、Ventana iScan HTや iScan Coreoといったホールスライド・スキャナ、またはVIRTUOSO(登録商標)やSCANSCOPE(登録商標)といったホールスライド画像管理システムを備えていてもよい。

イメージングサブシステム100は、デジタル顕微鏡やホールスライド・スキャナといった、イメージングコンポーネント102をさらに含んでもよい。イメージングコンポーネント102は、生成される画像の種類によって異なる。例えば、試料は、明視野イメージング用の色素産生染色剤または蛍光イメージング用の蛍光体と結合した1つまたは複数の異なるバイオマーカーを含む染色アッセイを利用することによって染色されており、イメージングハードウェア102は、明視野RGBカメラまたは蛍光イメージングシステムのうちの1つまたは複数を含む。イメージングサブシステム100は、癌を患っていると考えられる患者から採取された生検等の組織ブロックの連続切片に対応する複数の画像を生成することができる。連続切片はそれぞれ個別のスライドに載せられ、異なる染色剤とバイオマーカーの組み合わせで染色されており、隣接する組織切片を示す複数のアッセイが得られる。各画像は、病理学者が指定した任意のズームレベル(例えば、20倍、40倍など)でスキャンされることができ、任意の種類の生物学的特徴(例えば、H&Eまたは任意の他のIHC、ISH、細胞学(尿、血液スミア・シン・プレップ、風乾、タッチプレップ、セルブロック)CTC、および/または関心対象の血液学用スライド)から示すことができる。これらの画像および他の情報(例えば、標的組織の種類や目的に関する情報、ならびに染色および/またはイメージングプラットフォームの識別情報、組織上の特定の結合部位または標的(例えば、特定の免疫細胞の腫瘍マーカーやバイオマーカー等)にどの特定の抗体分子が何個結合しているか)がイメージングコンポーネント102によってメモリ101に提供され、メモリ101に記憶された論理モジュールに従って処理される。さらに、病理学者による生物学的質問/要求された診断が患者情報と共に提供されることができ、当該患者情報によって、後続の処理結果の追跡、ならびに当該結果と診断対象患者のデータベース記録との関連付けが可能になる。

例えば、アノテーション付け&位置合わせモジュール105は、画像およびデータを受け取ることができ、画像の一部のアノテーションを選択し、これらのアノテーションを隣接する組織スライドの画像へと位置合わせすることを可能にすることができる。ユーザが関心領域または関心物体を指定し、これらの関心領域に、切削のためまたは他の診断および処理の目的でラベルおよびアノテーションを付けることを可能にするインターフェース上で提示される基準画像として、1つまたは複数の画像を指定することができる。アノテーションは、特定のバイオマーカーの発現が高い免疫領域や腫瘍領域といった臨床上意味のある領域を示すことができる。アノテーションは、腫瘍、または任意の他の生物学的に意味のある非腫瘍構成要素、例えば、リンパ領域、不均質領域、IHCマーカーサブタイプ領域などの完全な領域または部分領域とすることができる。アノテーションは、基準画像内の関心物体または関心領域を検出し、かつ/または区分するための画像分析動作を用いて自動的に生成されてもよい。例えば、自動画像分析動作では、H&Eスライド内の腫瘍、リンパ領域などといった所望の種類の組織や、任意の腫瘍、免疫または血管マーカー、腫瘍マーカー、免疫マーカーなどのような、IHC染色スライド内の高マーカー発現のホットスポットを検出することができる。基準画像はH&Eスライドを表すことができる。

アノテーション付け&位置合わせモジュール105の位置合わせコンポーネントは、前記基準画像から1つまたは複数の隣接画像へとアノテーションを転写するために呼び出されることができる。例えば、1つまたは複数の画像は、切削システム110が切り出しをするために指定されたスライドに対応することができる。これらの画像を以後「切削用画像」と呼び、これらには、例えばマーカー間位置合わせ動作や同一マーカー位置合わせ動作を用いて、自動的に関心領域のアノテーションを付けることができる。切削用アノテーションは、切削用スライドごとにカスタム指定であってもよく、特定の生物学的質問を反映または分析するように選択された基準アノテーションの対応するサブセットから構築されることができる。異なる染色剤とマーカーの組み合わせによるアッセイ間での例示的な位置合わせ動作では、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる、同一出願人による同時係属中の欧州特許出願WO2014140070A2を参照してさらに説明する方法のように、マーカー間動作を用いる。組み込まれる特許出願の関連する各項には、1人の患者の隣接する組織切片のデジタル画像セットの中から第1の組織切片の第1のデジタル画像を選択する工程と、該セットの中から第2の組織切片の第2のデジタル画像を選択する工程と、第1のデジタル画像と第2のデジタル画像との間で組織構造のマッチングを行う工程と、第1のデジタル画像上に描かれたアノテーションを第2のデジタル画像に自動的にマッピングする工程とを含む、コンピュータ化された画像位置合わせプロセスが記載されている。第1のデジタル画像は、染色およびイメージングモードを用いて取得された画像から導出され、第2のデジタル画像は、第1のデジタル画像と比べて異なる染色、異なるイメージングモード、またはその両方を用いて取得された画像から導出される。染色は、ヘマトキシリン・エオジン染色(「H&E」染色)、免疫組織化学(「IHC」染色)、または蛍光染色の中から選択することができる。イメージングモードは、明視野顕微鏡検査または蛍光顕微鏡検査の中から選択することができる。組織構造のマッチングを行う工程は、粗位置合わせモードを含むことができ、このモードは、第1のデジタル画像から第1のグレーレベル組織表面画像を生成し、第2のデジタル画像から第2のグレーレベル組織表面画像を生成すること、第1のグレーレベル組織表面画像から第1の組織バイナリーエッジマップを計算し、第2のグレーレベル組織表面画像から第2の組織バイナリーエッジマップを計算すること、第1のバイナリーエッジマップと第2のバイナリーエッジマップとを位置合わせするために大域的変換パラメータを計算すること、ならびに、大域的変換パラメータに基づいて、第1のデジタル画像および第2のデジタル画像を、第1のデジタル画像と第2のデジタル画像の両方を包含する共通の大きなグリッドにマッピングすること、を含む。大域的変換パラメータを計算することは、モーメントに基づくマッピング法を用いて、第1のバイナリーエッジマップと第2のバイナリーエッジマップとの間のアフィンマッピングを生成することをさらに含んでもよい。微細位置合わせモードを用いて、第1のデジタル画像と第2のデジタル画像との位置合わせの精度を上げることができる。微細位置合わせモードは、第1のデジタル画像にアノテーションを付けること、共通の大きなグリッド上のアノテーションを第2のデジタル画像内の対応する位置にマッピングすること、およびバイナリー組織エッジマップに基づいて面取り距離マッチングを用いて位置を更新すること、を含む。組織エッジバイナリーマップの派生バージョンを用いてもよく、この方法は、粗モード位置合わせと比べてマッチングを改善する最小コストウィンドウを選択することをさらに含んでもよい。

アノテーション付け&位置合わせモジュール105によって実行される別の例示的な位置合わせ法は、同一マーカー線分ベース位置合わせ動作を含むことができ、この動作は、各スライドにおいて反映された組織試料の境界領域を線分でモデル化し、次いで、全体の大域的変換を取得するために組織試料間で(すなわち、スライド画像間で)線分セットのマッチング、すなわち、粗マッチングを行うことを含む。いくつかの態様では、線分ベースの粗マッチングの手法は、画像間の不適合(例えば、摩耗の影響、関心領域の不適合(高解像度スキャン用スキャナによって取得された物理スライドの領域が、隣接する切片間で異なる場合に生じうる)、最大180度までの回転、平垂直反転)の場合でさえも、例えば、2つの画像間で50%を超える線分がマッチする場合に、画像を位置合わせすることができる。別の態様では、勾配強度画像に対する正規化された相関ベースのブロックマッチングを含む、さらにより微細な部分画像位置合わせプロセスを実行して、大域的に位置合わせされた画像間の局所的な改善点を割り出すことができる。この位置合わせ法については、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる、同一出願人による同時係属中の米国特許出願第61/885024号を参照してさらに説明する。この同一マーカー位置合わせ法は、切削用画像が未染色スライドを表し、切削用画像から切削用スライドのライブ画像キャプチャへとアノテーションをマッピングしようとする場合に用いることができる。他のどんな位置合わせ法でも、それがアノテーション付き基準スライドに基づいて関心領域を精密に切削することを可能にするか、または染色されたスライドおよび未染色スライドの位置合わせを可能にするように、異なる染色を有する画像間でのアノテーションの自動マッピングを提供する限りにおいて、用いることができる。

任意のアノテーション付き画像、基準画像、および切削用画像を含む、患者と関連付けられた画像、ならびにXMLまたは他のフォーマットのアノテーションを含む任意の追加メタデータおよびアッセイ情報は、プロジェクトデータベース106に記憶されてもよい。プロジェクトデータベース106は、イメージングサブシステム100が、1つまたは複数のプロジェクトまたは画像コレクションを、アノテーションと共に、切削サブシステム110といった他の外部システムにエクスポートすることを可能にする。プロジェクトデータベース106は、画像管理システム(IMS)を含むか、または包含してもよい。

本明細書に記載されるように、切削用画像のアノテーションは、切削サブシステム110のような既存のメソダイセクションシステムまたは切削システムにインポートされることができ、それによって、切削サブシステム110によって切り出しをしようとする切削用スライドのライブ画像に高解像度切削用アノテーションを用いる能力が改善される。切削サブシステム110は、1つまたは複数の組織スライドまたは切削用スライドのメソダイセクションを行って画像プロジェクトまたは診断対象患者と関連付けられた特定の容器に入れるための、ハードウェアおよびソフトウェアを含んでもよい。例えば、切削サブシステム110はメモリ111を備え、メモリ111は、コンピュータ114に接続されたプロセッサ113によって実行される複数の処理モジュールまたは論理命令を記憶している。プロセッサ113およびメモリ111以外に、コンピュータ114は、キーボード、マウス、スタイラス、ディスプレイ/タッチスクリーン、ネットワーキング要素といった、ユーザ入出力装置も含んでもよい。例えば、メモリ111内の処理モジュールの実行は、ユーザ入力によってトリガされてもよいし、記憶されており後でコンピュータ104により取り出される、ネットワークサーバまたはデータベースからネットワーク経由で提供される入力によってトリガされてもよい。

切削サブシステム110は、切削プラットフォーム上に取り付けられたカメラや、切削または切り出しされた組織をラベル付き容器に取り込むためのハードウェアといった、イメージング&切削コンポーネント112をさらに含んでもよい。典型的には、このカメラは、組織スライドをデジタル化するのに用いられるデジタルパソロジー・システムの倍率より低い倍率のカメラである。組織スライドなどの物体は、当該物体が固定式の回転切断ビットに押し当てられ、それによって当該物体が成形されるように、制御されたxy軸移動を行うことができるプラットフォームまたはステージに取り付けられてもよい。プラスチック製ミルビットは、液体の分注、組織の切り取り、スライドガラスの表面からの組織断片の吸引を同時に行うことができる。組織はガラスと比べて相対的に軟らかいため、ブレードが、組織を切り抜くのに十分な下向きの力を有してスライド表面で止まっているが、スライドガラス全体を滑るように移動するように、スプリング圧制御システムが用いられてもよい。スライドガラスから組織を切削することは、プロセスを観察し、切り出しを指示し、デジタル文書を作成するために、デジタル顕微鏡をスライドの下方に配置する機会も提供する。

切削サブシステム112のメモリ111は、イメージングサブシステム100からアノテーションおよび画像をインポートし、アノテーションに基づいて組織スライドから切り出しをするように切削ハードウェア112を制御するための、インポート&位置合わせモジュール115を記憶していてもよい。一般に、先行技術の切削システムは、ユーザが、関心領域をデジタル方式で指示するか、またはインポートされたアノテーション付き基準画像を、切削用スライドの拡大されたライブビュー上で手動で位置合わせすることを可能にするインターフェースを提供するソフトウェアを含む。しかし、本態様のインポート&位置合わせモジュール115は、より精密な切り出しを可能にする同一マーカー位置合わせ動作といった位置合わせ動作を用いて、プロジェクトデータベース106の任意のスライドから切削用スライドのライブキャプチャへとアノテーションを自動でマッピングすることを可能にする。切削用スライドのライブ画像は、ユーザ指定のズームレベルで取り込まれことができる。切削用スライドの画像へのアノテーションのマッピングを可能にするフォーマットへとアノテーションを変換することができる、.XMLファイルとして、またはXMLファイルと画像ファイルの任意の組み合わせとして、アノテーションをインポートすることができる。XMLファイルは、関心領域を含むおよび含まない、アノテーションの多形および輪郭に関する幾何情報を含みうる。切削用スライドから複数の関心領域を切り出すことを可能にする、複数の基準画像からのアノテーションをインポートすることができる。切削の質を高めるために高解像度アノテーションをインポートすることができる。

アノテーションをインポートすることにより、切削サブシステム110に基準スライドをロードする必要性、または基準画像をインポートする必要性がなくなる。イメージングサブシステム100と切削サブシステム110との間のリアルタイム通信を提供し、両サブシステムに共通の位置合わせ機構を設けることにより、イメージングサブシステム100のデジタルパソロジー・ワークステーションのオペレータが、切削サブシステム100のライブキャプチャコンポーネントと対話することが可能になる。例えば、本開示の例示的態様において、インポート&位置合わせモジュール115は、イメージング&切削コンポーネント112によって取り込まれた切削用スライドのライブ画像をイメージングサブシステム100にエクスポートする。アノテーションがイメージングサブシステム100上のライブ画像上に位置合わせされ、切削プロセスを制御するために切削制御モジュール116に切削用アノテーションが提供される。これにより、デジタルパソロジー・ワークステーション上のリモートオペレータが、外部切削サブシステム上で切削動作を制御することが可能になる。

さらに、プロジェクトデータベース106に記憶された異なる染色のスライドからのアノテーションを全てインポートすることにより、未染色の組織スライドのみならず、カバーガラスを除去した後の染色された組織スライドからも、切り出しをすることが可能になる。本開示のいくつかの態様では、基準画像として用いられる同じ組織を、切削のために用いることもできる。同一マーカー位置合わせ動作は、同じアッセイで染色した画像間でアノテーションを転写するのに用いることができ、マーカー間位置合わせまたは特徴ベースの位置合わせは、アノテーションを未染色画像にマッピングするのに用いることができる。例えば、未染色スライドを表す切削用画像を、イメージングサブシステム100上で上述のようにアノテーションを付けて切削サブシステム110にインポートし、未染色スライドのライブ画像上にマッピングして、未染色スライドからの切り出しをするために切削制御モジュール116を誘導することができる。加えて、アノテーションをインポートすることができることにより、複数の基準画像(上述のようにホールスライド・スキャナ上でデジタル化されたもの)から組織切り出しのための1つの切削用スライドまたは複数の切削用スライドのセットへの前記アノテーションのマッピングも可能になる。例えば、H&E、ER、PR、HER2、ISHなどといった複数の個別のバイオマーカースライドがデジタル化され、個別にアノテーション付けされる患者からの組織ブロックが与えられた場合、これらのアノテーションの任意の所望の組み合わせを、切削用スライドの画像にインポートし、自動的に位置合わせし、マッピングすることができる。基準画像から切削用スライド画像にアノテーションをマッピングすることに加えて、切削サブシステム110は、切削の前にアノテーションを微調整または調節するためのインターフェースも提供することができる。イメージングサブシステム102からインポートされた高解像度切削用アノテーションは、イメージング&切削コンポーネント112に適した解像度で、ライブ画像のズーム/倍率レベルに応じて、ライブ画像にマッピングされることができる。

切削制御モジュール116は、切削用画像から切削用スライドのライブ画像にマッピングされたアノテーションに従って、切削用スライドに対して切り出しを行う。切削制御モジュール116は、切削のために必要なメトリックをさらに決定することができ、これには、アノテーションに基づいて切削用スライド上の最適な切削経路を決定すること、ならびに必要なピペットの直径および切り出しをされる組織に分注すべき最適な液体量を決定することが含まれる。高解像度での位置合わせおよびマッピングから作成された切削用アノテーションに基づくこの自動切削により、技師または人間のオペレータが切削用スライド画像に手動でアノテーションを付ける負担が軽減される。さらに、柔軟な機能を可能にするために、また異なる目的で、(切削システム上で更新されうる)切削されたアノテーションを、コンピュータ記憶装置に保存して、経過観察用途に用いるためにデジタルパソロジー・ソフトウェア・アプリケーションに逆にインポートすることもできる。したがって、アノテーション付けおよびプラットフォーム間での位置合わせが改善される。アノテーションに基づいて切削された組織は、続いて、分析のために、プロジェクトまたは診断対象患者と関連付けてラベル付けされた容器に抽出される。例えば、1つの切削用スライドと関連付けられた複数の容器、すなわち、切り出される組織の種類または領域ごとに1つの容器があってもよい。あるいは、またはこれに加えて、対応する複数の容器に対応するように複数の切削用スライドに、バーコードを付けるか、またはそれ以外の方法でラベルを付けてもよい。それらの容器は、特定の組織標本と関連付けられた分析結果と共に追跡することができる。分析は、分子分析および/または遺伝子配列分析といった、任意の種類の分析とすることができる。分析の結果も、プロジェクト内の基準画像/切削用画像、切削された組織を生成するのに用いられる特定のアノテーション、および容器を、生物標本または患者の記録とリンクさせる同様のラベル付け機構を用いて追跡することができる。

上述のように、各モジュールは、プロセッサ105およびプロセッサ115によって実行される論理を含む。「論理」とは、本明細書および本開示全体において用いる場合、プロセッサの動作に影響を及ぼすように適用されうる命令信号および/またはデータの形の任意の情報をいう。そうした論理の一例がソフトウェアである。プロセッサの例は、コンピュータプロセッサ(処理装置)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラおよびマイクロコントローラなどである。論理は、例示的態様では、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能/電気的消去可能書込み可能な読取り専用メモリ(EPROM/EEPROM)、フラッシュメモリなどとすることができる、メモリ101やメモリ111のようなコンピュータ可読媒体上に記憶された信号から形成されてもよい。論理は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路、例えば、論理AND、OR、XOR、NAND、NOR、およびその他の論理演算を含むハードウェア回路も含みうる。論理は、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせから形成されてよい。ネットワーク上で、論理は、サーバ、またはサーバの複合体においてプログラムされてよい。個々の論理ユニットは、ネットワーク上の一箇所の論理位置だけに限定されない。さらに、各モジュールは、特定の順序で実行されなくてもよい。各モジュールは、実行する必要に応じて別のモジュールを呼び出すことができる。

図2に、本開示の例示的一態様による、イメージングサブシステムおよび切削サブシステムの組合せを含むデジタルパソロジー・システム200を示す。図2の態様は、図1のイメージングサブシステム100と切削サブシステム110とを組み合わせて得られる、イメージングコンポーネント202を介して1つまたは複数のアッセイの画像を生成し、切削コンポーネント212を用いてメソダイセクションを行うための、ハードウェアおよびソフトウェアを含むシステム200であり、イメージングコンポーネントおよび切削コンポーネントの両方の制御および動作は共通ソフトウェア・アプリケーションを介して行われ、当該共通ソフトウェア・アプリケーションは、例えば、コンピュータ204に接続されたプロセッサ203によって実行される複数の処理モジュールまたは論理命令を記憶しているメモリ201上に記憶されている。プロセッサ203およびメモリ201以外に、コンピュータ204は、キーボード、マウス、スタイラス、ディスプレイ/タッチスクリーン、ネットワーキング要素といった、ユーザ入出力装置も含んでもよい。例えば、メモリ201内の処理モジュールの実行は、ユーザ入力によってトリガされてもよいし、記憶されており後でコンピュータ204により取り出される、ネットワークサーバまたはデータベースからネットワーク経由で提供される入力によってトリガされてもよい。

イメージングサブシステム100に関連して説明したように、システム200のイメージングコンポーネント202は、顕微鏡もしくは対物レンズに取り付けられたカメラ、または顕微鏡を備えるホールスライド・スキャナおよび/または20倍もしくは40倍の倍率でRGB画像もしくは蛍光画像を取り込むことができる高解像度カメラ、ならびに切削用スライドのライブ画像を生成するためのカメラを含む。物理スライドをロードし、処理するシステム、組織スライドを保持するxyステージ、カメラなどの光学イメージングコンポーネント、対物レンズその他のスキャンおよび切削のための関連ハードウェアは、独立していてもよいし、スキャンコンポーネントと切削コンポーネントとの間で共用されてもよい。統合システムに追加のハードウェアおよびソフトウェア・アプリケーションを追加することができ、それには、ホールスライド・スキャン・サブシステムからメソダイセクションシステムに組織スライドを移すための任意のハードウェア、ならびに抽出組織容器を切削ノズル内に自動的にロードおよびアンロードするための任意のロボット機器および関連ハードウェアが含まれる。イメージングコンポーネント202は、組織ブロックの連続切片に対応する複数の画像を生成するのに用いることができ、連続切片はそれぞれ個別のスライドに載せられ、異なる染色剤とバイオマーカーの組み合わせで染色されており、隣接する組織切片を示す複数のアッセイが得られる。システム200は、ハードウェアを共用することもでき、例えば、同じステージおよび同じカメラをスキャンおよび切削に用いることができる。各画像は、病理学者が指定した任意のズームレベルでスキャンされることができ、任意の種類の生物学的特徴(例えば、H&Eまたは任意の他のIHC、ISH、細胞学(尿、血液スミア・シン・プレップ、風乾、タッチプレップ、セルブロック)CTC、および/または関心対象の血液学用スライド)から示すことができる。これらの画像および他の情報(例えば、標的組織の種類や対象に関する情報、ならびに染色および/またはイメージングプラットフォームの識別情報、組織上の特定の結合部位または標的(例えば、特定の免疫細胞の腫瘍マーカーやバイオマーカー等)にどの特定の抗体分子が何個結合しているか)がイメージングコンポーネント202によってメモリ201に提供され、メモリ101に記憶された論理モジュールに従って処理される。

アノテーション付けモジュール205は、画像を受け取ることができ、画像の一部のアノテーションの選択を可能にすることができ、位置合わせモジュール215は、これらのアノテーションを、上述のように隣接する組織スライドの画像へと位置合わせすることを可能にすることができる。例えば、ユーザが関心領域または関心物体を指定し、これら関心領域に、切削のためまたは他の診断および処理の目的でラベルおよびアノテーションを付けることを可能にするインターフェースが提供される。アノテーションは、画像分析動作を用いて自動的に作成されてもよい。位置合わせモジュール215は、アノテーション付き画像から、切削用画像を含む1つまたは複数の隣接した画像へとアノテーションを転写するために呼び出されることができる。位置合わせモジュール215は、マーカー間位置合わせ動作または同一マーカー位置合わせ動作の任意の組み合わせを実行することができる。例えば、異なる染色剤とマーカーの組み合わせによるアッセイ間での位置合わせ動作では、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる、同一出願人による同時係属中の欧州特許出願WO2014140070A2を参照してさらに説明する方法のように、マーカー間動作を用いる。同じ染色剤の組み合わせによるアッセイ間の位置合わせ動作は、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる、同一出願人による同時係属中の米国特許出願第61/885024号を参照して説明する動作のように、同一マーカー位置合わせ動作によって行うことができる。他のどんな位置合わせ法でも、それがアノテーション付き基準スライドに基づいて関心領域を精密に切削することを可能にするか、または染色されたスライドおよび未染色スライドの位置合わせを可能にするように、異なる染色を有する画像間でのアノテーションの自動マッピングを提供する限りにおいて、用いることができる。

任意のアノテーション付き画像、基準画像、および切削用画像を含む、生物標本と関連付けられた画像、ならびにアノテーションを含む任意の追加メタデータおよびアッセイ情報は、プロジェクトデータベースに記憶されてもよいし、または画像をアノテーションと共に記憶するネットワーキングサーバに記憶されてもよく、これらはプロジェクトデータベース206に示されている。アノテーションは、XML、JSON、SQL、INI、もしくはバイナリーデータ、または他のフォーマットといった、アノテーションデータを交換することのできる任意のフォーマットで保存されてよい。プロジェクトデータベース206は、基準スライドおよび切削用スライドの高解像度画像を組織ブロックの他の画像と共に記憶するための画像管理システム(IMS)を含むことができる。プロジェクトデータベース206からのアノテーションの任意の組み合わせを、切り出しをしようとする切削用スライドのライブ画像の切削用アノテーションを生成するのに用いることができる。例えば、位置合わせモジュール215は、より精密な切り出しを可能にするために、マーカー間位置合わせ動作または同一マーカー位置合わせ動作を用いて、プロジェクトデータベース206の任意のスライドから切削用スライドのライブキャプチャへとアノテーションを自動でマッピングすることを可能にする。例えば、同一マーカー位置合わせは、切削用スライドから、切削コンポーネント212上に取り付けられた切削用スライドのライブ画像キャプチャにアノテーションを位置合わせするのに用いることができる。ライブ画像は、切削コンポーネント212が備える切削プラットフォームまたはステージに取り付けられたカメラを含むイメージングコンポーネント202によって生成されることができ、切削コンポーネント212は、切削または切り出しされた組織をラベル付き容器に取り込むためのハードウェアをさらに含むことができる。ライブ画像は、基準画像/切削用画像が最初に取り込まれたズームレベルと同じまたは異なるユーザ指定のズームレベルで取り込まれることができる。ホールスライド・スキャンに用いられるカメラも、切削用スライドのライブ画像キャプチャを取り込むために、異なるカメラ・パラメータ・セットを用いて共用することができる。

切削制御モジュール216は、切削用画像から切削用スライドのライブ画像にマッピングされたアノテーションに従って、切削用スライドに対して切り出しを行うことができる。切削制御モジュール216は、切削のために必要なメトリックをさらに決定することができ、これには、アノテーションに基づいて切削用スライド上の最適な切削経路を決定すること、ならびに必要なピペットの直径および切り出しされる組織に分注すべき最適な液体量を決定することが含まれる。切削/イメージングステージは、切削用スライドを取り付けるためのxyテーブルを含んでもよい。染色されたスライドである切削用スライドのカバーガラスを除去するための装置が設けられていてもよい。アノテーションに基づいて切削された組織は、続いて、分析のために、プロジェクトまたは診断対象患者と関連付けてラベル付けされた容器に抽出される。分析は、分子分析および/または遺伝子配列分析といった、任意の種類の分析とすることができる。分析の結果も、プロジェクト内の基準画像/切削用画像、切削された組織を生成するのに用いられる特定のアノテーション、および容器を、患者の記録とリンクさせる同様のラベル付け機構を用いて追跡することができる。

上述のように、各モジュールは、プロセッサ205およびプロセッサ215によって実行される論理を含む。「論理」とは、本明細書および本開示全体において用いる場合、プロセッサの動作に影響を及ぼすように適用されうる命令信号および/またはデータの形の任意の情報をいう。そうした論理の一例がソフトウェアである。プロセッサの例は、コンピュータプロセッサ(処理装置)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラおよびマイクロコントローラなどである。論理は、例示的態様では、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能/電気的消去可能書込み可能な読取り専用メモリ(EPROM/EEPROM)、フラッシュメモリなどとすることができる、メモリ201やメモリ211のようなコンピュータ可読媒体上に記憶された信号から形成されてもよい。論理は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路、例えば、論理AND、OR、XOR、NAND、NOR、およびその他の論理演算を含むハードウェア回路も含みうる。論理は、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせから形成されてよい。ネットワーク上で、論理は、サーバ、またはサーバの複合体においてプログラムされてよい。個々の論理ユニットは、ネットワーク上の一箇所の論理位置だけに限定されない。さらに、各モジュールは、特定の順序で実行されなくてもよい。各モジュールは、実行する必要に応じて別のモジュールを呼び出すことができる。

図3に、本開示の例示的一態様による、別個のイメージングサブシステムと切削サブシステムとを用いたメソダイセクションのための方法を示す。図3の方法は、図1のサブシステムに示す各モジュールの任意の組み合わせによって、またはサブシステムとモジュールの任意の他の組み合わせによって実行されてよい。例えば、図3の方法は、左側のイメージングサブシステム300と右側の切削サブシステム310で示すように実行されてよい。本方法に記載する各工程は、図示の特定の順序で実行されなくてもよい。イメージングサブシステム300は、1つまたは複数のアッセイの画像を生成するためのハードウェアおよびソフトウェアを含んでもよい。例えば、イメージングサブシステム300は、Ventana iScanHTやVentana iScan Coreoといったホールスライド・スキャナ、およびVIRTUOSO(登録商標)やSCANSCOPE(登録商標)といったホールスライド画像点検管理システム、または任意の他のデジタルパソロジー・ワークステーションを含んでもよい。イメージングサブシステム300は、顕微鏡または顕微鏡を有するホールスライド・スキャナに取り付けられたカメラのようなイメージングコンポーネントをさらに含んでもよい。切削サブシステム310は、1つまたは複数の組織スライドまたは切削用スライドのメソダイセクションを行って画像プロジェクトまたは診断対象患者と関連付けられた特定の容器に入れるための、ハードウェアおよびソフトウェアを含んでもよい。切削サブシステム310は、本明細書でさらに説明されるように、切削プラットフォーム上に取り付けられたカメラや、切削または切り出しされた組織をラベル付き容器に取り込むためのハードウェアといった、イメージング&切削コンポーネントをさらに含んでもよい。

イメージングサブシステム300は、任意の生物標本の組織ブロック、例えば、癌を患っていると考えられる患者から採取された生検の連続切片に対応する複数の画像を生成およびスキャンする(S301)ことができる。ユーザが関心領域または関心物体を指定し、これらの関心領域に、切削のためまたは他の診断および処理の目的でラベルおよびアノテーションを付ける(S302)ことを可能にするインターフェース上で提示される基準画像として、1つまたは複数の画像を指定することができる。後で切削するために切削用画像をさらに指定することができる。例えば、切削用画像は、未染色の組織切片を表す。基準画像または切削用画像の一部のアノテーション(S302)は、特定のバイオマーカーの発現が高い免疫領域や腫瘍領域といった臨床上意味のある領域を示すことができる。アノテーションは、腫瘍、または任意の他の生物学的に意味のある非腫瘍構成要素、例えば、リンパ領域、不間質領域、不均質領域、IHCマーカーサブタイプ領域などの完全な領域または部分領域とすることができる。アノテーションは、基準画像内の関心物体または関心領域を検出し、かつ/または区分するための画像分析動作を用いて自動的に生成されてもよい。例えば、自動画像分析動作では、H&Eスライド内の腫瘍、リンパ領域などといった所望の種類の組織や、任意の腫瘍、免疫または血管マーカー、腫瘍マーカー、免疫マーカーなどのような、IHC染色スライド内の高マーカー発現のホットスポットを検出することができる。基準画像はH&Eスライドを表すことができる。

これらのアノテーションの隣接する組織スライドの画像への位置合わせ(S303)は、前記アノテーション付き基準画像から1つまたは複数の切削用画像へのアノテーションのマッピングを含んでもよい。位置合わせ(S303)では、異なる染色剤とマーカーの組み合わせによるアッセイ間での位置合わせ動作に、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる、同一出願人による同時係属中の欧州特許出願WO2014140070A2を参照してさらに説明する方法のように、マーカー間動作を用いることができる。同一マーカー位置合わせ動作は、同様に染色されたスライドを表す画像間でアノテーションを転写するのに用いることができる。任意のアノテーション付き画像、基準画像、および切削用画像を含む、患者と関連付けられた画像、ならびにXMLその他のフォーマットのアノテーションを含む任意の追加メタデータおよびアッセイ情報は、プロジェクトデータベースにエクスポートされる(S304)ことができる。例えば、プロジェクトデータベース106は、イメージングサブシステム100が、1つまたは複数のプロジェクトまたは画像コレクションを、アノテーションと共に、切削サブシステム110といった他の外部システムにエクスポートすることを可能にする。プロジェクトデータベース106は、画像管理システム(IMS)を含んでもよい。

本明細書で述べるように、切削用スライドの高解像度画像および高解像度切削用アノテーションを、切削サブシステム310のような既存のメソダイセクションシステムまたは切削システムにインポートすることができ、それによって、切削用アノテーションを、切削サブシステム310によって切り出しをしようとする切削用スライドのライブ画像に用いる能力が改善される。イメージングサブシステム300による画像取得中いつでも、切削サブシステム310に切削用スライドをロードし(S311)、切削用スライドのライブ画像を取り込む(S312)ことができる。切削用スライドをイメージングサブシステム300によって画像化しようとする場合には、切削用スライドのスキャン(S301)後に切削用スライドのロード(S311)を行うことが必要である。あるいは、切削用スライドのロード(S311)は、画像プロジェクトが作成される(S304)ときにいつでも行うことができる。いずれの場合も、プロジェクトからのアノテーション付きの切削用画像もしくは基準画像の任意の組み合わせまたはアノテーションだけをインポートすることができる(S313)。切削用スライドのライブ画像は、ユーザ指定のズームレベルで取り込まれることができる。切削用スライドの画像へのアノテーションのマッピングを可能にするフォーマットへとアノテーションを変換することができる、.XMLファイルとして、またはXMLファイルと画像ファイルの任意の組み合わせとして、または本明細書に記載される任意の他のフォーマットとして、アノテーションをインポートすることができる。より精密な切り出しを可能にするために、マーカー間位置合わせまたは同一マーカー位置合わせを用いて、切削用スライドのライブキャプチャへとアノテーションを位置合わせする(S314)ことができる。基準画像が切削用画像と同じであるか、または切削用画像がライブ画像と同じ未染色スライドを表しているものとすると、同一マーカー位置合わせ(S314)を用いることができる。

切削用画像のアノテーションをインポートすることにより、切削サブシステム310に基準スライドをロードする必要性、または基準画像をインポートする必要性がなくなる。イメージングサブシステム300と切削サブシステム310との間のリアルタイム通信を提供し、両サブシステムに位置合わせ機構を設けることにより、イメージングサブシステム300のデジタルパソロジー・ワークステーションのオペレータが、切削サブシステム300のライブキャプチャコンポーネントと対話することが可能になる。さらに、プロジェクトデータベースに記憶された異なる染色のスライドからのアノテーションを全てインポートすることにより、未染色の組織スライドのみならず、カバーガラスを除去した後の染色された組織スライドからも、切り出しをすることが可能となる。加えて、複数のアノテーションをインポートすることができることにより、複数の基準画像から組織切り出しのための1つまたは複数の切削用スライドへと前記アノテーションをマッピングすることも可能になる。基準画像から切削用スライド画像にアノテーションをマッピングすることに加えて、切削サブシステム310は、切削の前にアノテーションを微調整または調節するためのインターフェースも提供することができる。イメージングサブシステム300からインポートされた高解像度切削用アノテーションは、イメージング&切削コンポーネントに適した解像度で、ライブ画像のズームレベルに応じて、ライブ画像にマッピングされることができる。

最後に、基準画像または切削用画像から切削用スライドのライブ画像にマッピングされたアノテーションに従って、切削用スライドに対して切り出しを行う(S315)ことができる。これには、切削のための必要なメトリックを決定することが含まれ、この決定には、アノテーションに基づいて切削用スライド上の最適な切削経路を決定すること、ならびに必要なピペットの直径および切り出しされる組織に分注すべき最適な液体量を決定することが含まれる。アノテーションに基づいて切削された組織は、続いて、分析のために、プロジェクトまたは診断対象患者と関連付けてラベル付けされた容器に抽出される。分析は、分子分析および/または遺伝子配列分析といった、任意の種類の分析とすることができる。分析の結果も、プロジェクト内の基準画像/切削用画像、切削された組織を生成するのに用いられる特定のアノテーション、および容器を、患者の記録とリンクさせる同様のラベル付け機構を用いて追跡することができる。

本明細書に記載されるように、デジタルパソロジー・ワークステーションといったイメージングシステム上のリモートオペレータが、イメージングサブシステムの外部にあるリモート切削サブシステム上での切削動作を制御することも可能である。図4に、本開示の例示的一態様による、別個のイメージングサブシステムと切削サブシステムとを用いた別のメソダイセクションのための方法を示す。図4の方法は、図1のサブシステムに示す各モジュールの任意の組み合わせによって、またはサブシステムとモジュールの任意の他の組み合わせによって実行されうるという点で、図3の方法と同様である。例えば、図3の方法は、左側のイメージングサブシステム400と右側の切削サブシステム410で示すように実行されてよい。イメージングサブシステム400は、1つまたは複数のアッセイの画像を生成するためのハードウェアおよびソフトウェアを含んでもよい。例えば、イメージングサブシステム400は、VIRTUOSO(登録商標)やSCANSCOPE(登録商標)といったホールスライド画像管理システム、または任意の他のデジタルパソロジー・ワークステーションを含んでもよい。イメージングサブシステム400は、顕微鏡または顕微鏡を有するホールスライド・スキャナに取り付けられたカメラのようなイメージングコンポーネントをさらに含んでもよい。切削サブシステム410は、1つまたは複数の組織スライドまたは切削用スライドのメソダイセクションを行って画像プロジェクトまたは診断対象患者と関連付けられた特定の容器に入れるための、ハードウェアおよびソフトウェアを含んでもよい。切削サブシステム410は、本明細書でさらに説明されるように、切削プラットフォーム上に取り付けられたカメラや、切削または切り出しされた組織をラベル付き容器に取り込むためのハードウェアといった、イメージング&切削コンポーネントをさらに含んでもよい。しかし、各サブシステムによって行われる動作は図3の動作とは異なる。

例えば、イメージングサブシステム400は、癌を患っていると考えられる患者から採取された生検といった、組織ブロックの連続切片に対応する複数の画像を生成し、スキャンする(S401)ことができる。ユーザが関心領域または関心物体を指定し、これらの関心領域に、切削のためまたは他の診断および処理の目的でラベルおよびアノテーションを付ける(S402)ことを可能にするインターフェース上で提示される基準画像として、1つまたは複数の画像を指定することができる。後で切削するために切削用画像をさらに指定することができる。例えば、切削用画像は、未染色組織切片を表す。

同時に、または画像取得後の任意の時に、切削サブシステム410に切削用スライドをロードし(S411)、切削用スライドのライブ画像を取り込む(S412)ことができる。切削用スライドのライブ画像は、ユーザ指定のズームレベルで取り込まれことができる。ライブ画像は、位置合わせ動作のためにイメージングシステムにエクスポート(S413)されることができる。行われる位置合わせ動作は、切削用画像がアノテーション付き基準画像と同じであるか否かの判定(S403)によって異なりうる。切削用画像がアノテーション付き基準画像と同じである場合には、同一マーカー位置合わせ(S404)を用いてアノテーションをマッピングすることができる。例えば、切削用画像は、ライブ画像を取り込まれた(S412)スライドと同じ未染色スライドを表している場合もある。あるいは、切削用画像が基準画像と異なる場合、すなわち、異なる染色剤の組み合わせを用いている場合には、マーカー間位置合わせ(S405)を用いて、アノテーション付き基準画像から1つまたは複数の切削用画像にアノテーションをマッピングすることができる。

したがって、図4の方法によれば、切削システム上での手動または自動での位置合わせが不要になる。位置合わせ動作は、もっぱら、デジタルパソロジー・ワークステーション/イメージングシステム400上で行われ、最終的なアノテーション付きライブ切削用画像が、切り出しを行うために切削サブシステム410によってインポートされる(S414)。これはさらに、アノテーション付き切削用画像を切削サブシステム410に送る前に、複数の異なる染色のスライドから切削用画像にアノテーションをマッピングすることを可能にする。イメージングサブシステム400からアノテーションをインポートすることに加えて、切削サブシステム410は、切削の前にアノテーションを微調整または調節するためのインターフェースも提供することができる。最後に、インポートされたアノテーションに従って切削用スライドに対して切り出し(S415)を行うことができる。アノテーションに基づいて切削された組織は、続いて、分析のために、プロジェクトまたは診断対象患者と関連付けてラベル付けされた容器に抽出される。

図5に、本開示の例示的一態様による、イメージングサブシステムおよび切削サブシステムの組合せを用いたメソダイセクションのための方法を示す。図5の方法は、図2のシステムに示す各モジュールの任意の組み合わせによって、またはサブシステムとモジュールの任意の他の組み合わせによって実行されうる。例えば、図5の動作は、1つまたは複数のアッセイの画像を生成してメソダイセクションを行うためのハードウェアおよびソフトウェアを含むシステムによって行われ、イメージングコンポーネントおよび切削コンポーネントの両方の制御および動作が共通ソフトウェア・アプリケーションによって行われ、当該共通ソフトウェア・アプリケーションは、例えば、コンピュータに接続されたプロセッサによって実行される複数の処理モジュールまたは論理命令を記憶しているメモリに記憶されている。さらに、本方法に記載する各工程は、図示されている特定の順序で実行されなくてもよい。

図5に関連して示すように、患者と関連付けられた組織の連続切片からの複数のスライドと、切削された組織を受け取るための容器には、診断対象患者の記録に固有の識別子でラベルを付ける(S520)ことができ、切削された組織を、切削された組織と特定のアノテーションおよび基準スライドとの関連付けと共に追跡することが可能になる。これにより、インポートされた各基準画像およびアノテーションが、特定の切削動作および結果として得られる切削された組織と適正に関連付けられ、それらすべてが電子カルテと関連付けられることが保証される。連続切片はそれぞれ個別のスライドに載せられ、異なる染色剤とバイオマーカーの組み合わせで染色されており、隣接する組織切片を示す複数のアッセイが得られる。さらに、イメージングコンポーネント502は、各スライドに対応する画像を生成するためにスライドをスキャンする(S521)のに用いられることができる。イメージングコンポーネント502は、顕微鏡に取り付けられたカメラ、または顕微鏡を有するホールスライド・スキャナ、および切削用スライドのライブ画像を生成する(S525)ためのカメラを備えていてもよい。スキャンおよび切削のためのイメージングコンポーネント502は、独立していてもよいし、スキャンコンポーネントと切削コンポーネントとの間で共用されてもよい。各画像は、病理学者が指定した任意のズームレベルでスキャン(S521)されてよく、任意の種類の生物学的特徴(例えば、H&Eまたは任意の他のIHC、ISH、細胞学(尿、血液スミア・シン・プレップ、風乾、タッチプレップ、セルブロック)CTC、および/または関心対象の血液学用スライド)を示すことができる。

生成された画像のアノテーション付けおよびラベル付け(S522)により、ユーザまたは自動画像分析動作が、関心領域または関心物体を指定し、これら関心領域に、切削のためまたは他の診断および処理の目的でラベルおよびアノテーションを付けることが可能になる。アノテーションは、アノテーション付き画像から、切削用画像を含む1つまたは複数の隣接した画像へとアノテーションを転写するために位置合わせされる(S523)ことができる。マーカー間位置合わせまたは同一マーカー位置合わせの任意の組み合わせが用いられてよい。例えば、異なる染色剤とマーカーの組み合わせによるアッセイ間での位置合わせ動作では、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる、同一出願人による同時係属中の欧州特許出願WO2014140070A2を参照してさらに説明する方法のように、マーカー間動作を用いる。同じ染色剤の組み合わせによるアッセイ間の位置合わせ動作は、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる、同一出願人による同時係属中の米国特許出願第61/885024号を参照して説明する動作のように、同一マーカー位置合わせ動作によって行うことができる。他のどんな位置合わせ法でも、それがアノテーション付き基準スライドに基づいて関心領域を精密に切削することを可能にするか、または染色されたスライドおよび未染色のスライドの位置合わせを可能にするように、異なる染色を有する画像間でのアノテーションの自動マッピングを提供する限りにおいて、用いることができる。任意のアノテーション付き画像、基準画像、および切削用画像を含む、患者と関連付けられた画像、ならびにXMLその他のフォーマットのアノテーションを含む任意の追加メタデータおよびアッセイ情報は、プロジェクトデータベース506に記憶されてもよい。例えば、画像および関連付けられたデータ/メタデータは、画像管理システム(IMS)にエクスポートされることができる。

プロジェクトデータベース406内の任意の1つまたは複数の画像からのアノテーションは、生物学的質問または目的の診断に応じて、ライブ画像に自動的にマッピングされてよい。例えば、切削用スライドとして指定され、患者またはプロジェクトと関連付けてラベル付けされたスライドが、xyテーブルといった切削ステージまたはプラットフォーム上に載せられ(S524)、イメージングコンポーネント502または切削プラットフォームもしくはステージ上に搭載されたカメラを含む他のイメージングコンポーネントを用いてライブ切削用画像が生成される(S525)。ライブ画像は、基準画像/切削用画像が最初に取り込まれたズームレベルと同じまたは異なるユーザ指定のズームレベルで取り込まれることができる。より精密な切り出しを可能にするために、マーカー間位置合わせまたは同一マーカー位置合わせを用いて、プロジェクトデータベース506の任意のスライドからのアノテーションを切削用スライドのライブ画像に位置合わせする(S526)ことができる。例えば、同一マーカー位置合わせは、アノテーション付き切削用画像からライブ画像にアノテーションを位置合わせするのに用いることができる。

ライブ画像にマッピングされた切削用アノテーションに従って切削用スライドに対して切り出しが行われる(S527)。これには、手動での処理、または適切にラベル付けされた容器をロードするための自動ロボットツールもしくは機器の制御命令ソフトウェアにより、切削のための必要なメトリックを決定することが含まれ、この決定には、アノテーションに基づいて切削用スライド上の最適な切削経路を決定すること、ならびに必要なピペットの直径および切り出しのための組織に分注すべき最適な液体量を決定し、アノテーションに基づいて切削された組織を抽出してラベル付き容器に入れること、が含まれる。

本明細書に記載されるように、複数の基準画像からのアノテーションをインポートすることができ、切削用スライドから複数の関心領域を切り出すことが可能になる。例えば、切削のためのアノテーションは、個々の基準スライド上で指定されたアノテーションの順列または組み合わせから作成することができる。切削用アノテーションは、ユーザによって指定され、問題別、すなわち、(腫瘍不均一性、IHC4などのような)特定の生物学的質問に答えるために生成されてよい。例えば、共発現分析が重要である場合、個々のマーカーアノテーションは、マーカー基準スライドの各々において指定される。この場合、切削用アノテーションは、共発現分析の特定の領域を指示する場合、複数の個々のスライドアノテーションからのこれらのアノテーションの論理積である。同様に、生物学的対象がすべてのマーカーからのすべてのアノテーション付き領域を包含する場合、切削用アノテーションは、すべての個々の基準スライドのアノテーションの論理和である。例えば、乳癌患者の場合、典型的な一連のIHCスライドには、H&Eスライド、ER標識スライド、KRおよびPR標識スライド、Ki-67標識スライド、およびHER2標識スライドが含まれ、各スライドはそれぞれのマーカーの発現についての別々のアノテーションを有する。H&Eスライドでは、例えば、腫瘍領域およびリンパ領域がアノテーション付けされる。病理学者または生物学者は、ER陽性PR陰性の領域に、またはすべてのマーカーがPR陽性Ki-67陰性である場合に、または分析のための領域の任意の論理的組み合わせに関心を持つ可能性がある。切削用アノテーションを自動的に作成するためにこれらの制約条件の複数の組み合わせを指定することができる。別の例では、組織ブロック、BRAFV600Eが染色されたIHCスライドの隣接する連続切片、およびPTENが染色されたIHCスライドの隣接する連続切片と関連付けられたH&Eスライド、ならびに、BRAFV600Eを発現しているがPTENを発現していない領域を特定するという生物学的質問が与えられた場合、本方法は、(BRAFV600Eスライドからの)BRAFV600E発現領域と、(PTENスライドからの)PTEN非発現領域とをそれぞれ特定し、これらの領域がH&Eスライド上でオーバーラップする領域を特定することができる。結果として得られる切削用アノテーションは、H&Eスライド上でメソダイセクションすべきこれらのオーバーラップ領域を含むはずである。腫瘍マーカーの任意の組み合わせまたは発現(例えば陽性/陰性)の組み合わせを、組織標本の腫瘍環境をさらに理解するために指定することができる。よって、発端となる問題が規定するように、アノテーションのいくつかの論理順列および組み合わせを用いて、切削用アノテーションセットを構築することができる。切削用アノテーションは、本明細書でさらに説明するように、切削システムが、切削用スライドの各々からの組織を穿孔、抽出し、指定された組織容器に入れるために用いるアノテーションである。さらに、切削用アノテーションを作成するために高解像度アノテーションが用いられるため、より高品質の切削動作が行われ、分析のための生データ(切削された組織)の汚損が最小限に抑えられることが保証される。

本明細書に記載されるように、スライド、スライドの画像、および抽出された組織試料/容器に、診断対象患者の記録に固有の識別子でラベルを付けることができ、切削された組織を、切削された組織と特定の切削用アノテーションおよび基準スライドセットとの関連付けと共に追跡することが可能になる。これは、例えば、上述のワークフローのあらゆる構成要素にバーコードを付け(または同等の一意のラベル付けシステムを用い)、それらを画像管理システム(IMS)または電子カルテ(EPR)に記録することによって可能となる。したがって、本明細書に記載される正確なアノテーション位置合わせ動作および切削動作を用いて強化されたあらゆる分析プロセス情報を1つの記録で維持することができる。これにより、インポートされた各アノテーションまたはアノテーションセットが、特定の切削動作および結果として得られる切削された組織と適正に関連付けられ、それらすべてが電子カルテと関連付けられることが保証される。

さらに、これにより、スライド集合内の同じスライドまたは異なるスライドから切り出された追加的な組織試料をさらなる分析を用いて分析の結果をループバックすることによって、組織標本の分析を高めることが可能になる。図6に、本開示の例示的一態様による、本明細書で開示するシステムおよび方法が可能にするループバック分析を示す。組織は、本明細書に記載されるようにスキャンされ(S631)、アノテーション付けおよび位置合わせされ(S632)、切削され(S633)、分析され(S634)、切削された組織に対して行われた分析に基づいて、追加的な、同じまたは異なる種類の分子/遺伝子分析のために同じまたは異なる切削されたスライドからの追加的な領域についてアノテーション付けおよび切削を行うことを決定する、追加的な試験スライドのセットを染色、作成し、それらをアノテーション付けおよび切削に用いることを決定するといった、ワークフローの後続のステップが決定される。分析は、切削された組織だけに対して行うこともできるし、切削されたスライドに対して行われる分析に加えて、基準スライドまたは他の染色されたスライドに対して行われる任意の分析または評価動作の組み合わせを含んでもよい。

H&E/IHC/ISH基準スライドからの分析情報を、いくつかの方法で未染色スライドの抽出組織から取得した分子発現/遺伝子配列情報と組み合わせることもできる。例えば、組織スライドから切り出された異なる種類の組織について、腫瘍組織を抽出すると、いくつかの異なる種類の分子分析および遺伝子配列分析の結果を取得することができ、当該分析には、qRT-PCR、PCR、NGS、DNA-seq、mRNA-seq、MeDIP-seq、MRE-seq、メチル特異的PCRなどが含まれる。基準スライドに対して独立に行われた分析と、切削されたスライドから抽出された組織領域に対して行われた分析との組み合わせを用いて、臨床転帰に対して相関させることによって、特定の生物学的仮説に答えることができる。分析の組み合わせは、基準スライドから抽出された画像特徴を、抽出された組織から割り出された特徴と共に用いて、特定の生物学的質問に答えること、および臨床転帰に対して相関させること、を含んでもよい。(IHC4分析を用いた)初期の乳癌患者の予後といった特定の生物学的仮説について、分析動作では、関連付けられた臨床転帰データに対して複合情報を相関させることによって、基準スライド(H&E/IHC/ISH)組織画像分析からの分析結果から割り出された特徴と、分子/遺伝子特徴データ/分析情報とを統合することができる。この動作の一例は、おそらくは、そうしたワークフローからの複合情報を用いて、IHC4に関連して初期の乳癌患者を予測するものである。

さらに、開示の態様の適用は、前臨床、臨床、および/または研究用途であってもよい。本開示の動作は、臨床診断目的、予後予測目的、または予測目的、製薬業における研究目的の医薬品開発、創薬に用いられることができ、薬物応答者および不応答者としての患者層別化のためのコンパニオン非依存型/アルゴリズムワークフローとして有用である。さらに、解剖病理学または臨床病理学、乳癌/前立腺//結腸直腸/胃癌診断などといった医療用途以外に、同じ方法を、地質学データや天文学データなどの遠隔感知といった他の種類の試料を分析するために行うこともできる。本明細書で開示する動作は、マルチスレッド並列実行を可能にするハードウェアグラフィックス処理装置(GPU)に移植されてもよい。

コンピュータは、通常、プロセッサ、オペレーティングシステム、システムメモリ、記憶装置、入出力コントローラ、入出力装置、表示装置といった公知の構成要素を含む。また当業者には理解されるように、コンピュータには多くの可能な構成および構成要素があり、キャッシュメモリ、データ・バックアップ・ユニット、および多くの他の装置も含まれてもよい。入力装置の例には、キーボード、カーソル制御装置(マウスなど)、マイクロフォン、スキャナ、タッチスクリーンなどが含まれる。出力装置の例には、表示装置(モニタやプロジェクタなど)、スピーカ、プリンタ、ネットワークカードなどが含まれる。表示装置は、視覚情報を提供する表示装置を含んでもよく、この情報は、通常、画素の配列として論理的に、かつ/または物理的に編成される。入出力インターフェースを提供するための様々な公知のソフトウェア・プログラムまたは将来のソフトウェア・プログラムのいずれかを含むインターフェースコントローラが含まれてもよい。例えば、インターフェースには、ユーザに1つまたは複数のグラフィック表現を提供する、一般に「グラフィカル・ユーザ・インターフェース」(GUIと呼ばれることが多い)と呼ばれるものが含まれる。インターフェースは、通常、当業者に公知の選択手段または入力手段を用いてユーザ入力を受け取ることができる。またインターフェースは、タッチ・スクリーン・デバイスであってもよい。同じまたは別の態様において、コンピュータ上のアプリケーションは、「コマンド・ライン・インターフェース」(CLIと呼ばれることが多い)と呼ばれるものを含むインターフェースを用いてもよい。CLIは、通常、アプリケーションとユーザとの間でテキストベースの対話を提供する。通常、コマンド・ライン・インターフェースは、表示装置を介してテキスト行として出力を提示し、出力を受け取る。例えば、実装形態の中には、例えば、当業者に公知のUnixシェルや、Microsoft .NETフレームワークのようなオブジェクト指向型のプログラミングアーキテクチャを用いるMicrosoft Windows Powershellといった、「シェル」と呼ばれるものを含むものもある。

インターフェースが1つまたは複数のGUI、CLI、またはそれらの組み合わせを含んでもよいことを、当業者は理解するであろう。プロセッサは、Intel Corporation製のCeleron、Core、またはPentiumプロセッサ、Sun Microsystems製のSPARCプロセッサ、AMD Corporation製のAthlon、Sempron、Phenom、またはOpteronプロセッサといった市販のプロセッサを含んでもよく、現在入手可能な、または将来入手可能になる他のプロセッサのうちの1つであってもよい。プロセッサの態様の中には、マルチコアプロセッサと呼ばれるものを含み、かつ/またはシングルコア構成またはマルチコア構成において並列処理技術を用いることができるものもある。例えば、マルチコアアーキテクチャは、通常、2つ以上のプロセッサ「実行コア」を含む。この例では、各実行コアは、複数のスレッドの並列実行を可能にする独立プロセッサとして動作することができる。加えて、当業者は理解するように、プロセッサは、32ビットアーキテクチャまたは64ビットアーキテクチャと一般に呼ばれるものとして構成されてもよく、現在公知であるか、将来に開発される他のアーキテクチャ構成として構成されていてもよい。

プロセッサは、通常、オペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、例えば、Microsoft CorporationのWindows型オペレーティングシステム、Apple Computer Corp.のMac OS Xオペレーティングシステム、多くのベンダから入手可能な、またはオープンソースと呼ばれるUnixまたはLinux型のオペレーティングシステム、別の、もしくは将来のオペレーティングシステム、またはそれらの何らかの組み合わせとすることができる。オペレーティングシステムは、周知の方法でファームウェアおよびハードウェアとインターフェースし、プロセッサによる、様々なプログラミング言語で書かれている様々なコンピュータプログラムの機能の協調および実行を円滑に行わせる。オペレーティングシステムは、通常はプロセッサと協働して、コンピュータのその他の構成要素の機能を協調させ、実行する。またオペレーティングシステムは、スケジューリング、入出力制御、ファイルおよびデータ管理、メモリ管理、通信制御および関連サービスを、すべて公知の技術に従って提供する。

システムメモリは、所望の情報を記憶するのに用いることができ、コンピュータがアクセスすることのできる、様々な公知の、または将来の記憶装置のいずれかを含んでもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールその他のデータといった情報の記憶のための任意の方法または技術で実施された揮発性および不揮発性、リムーバブルおよび非リムーバブルの媒体を含んでもよい。例には、任意の一般に利用可能なランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能書込み可能読取り専用メモリ(EEPROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、常駐ハードディスクやテープといった磁気媒体、書き換え可能なコンパクトディスクといった光媒体、その他の記憶装置が含まれる。記憶装置には、コンパクト・ディスク・ドライブ、テープドライブ、リムーバブル・ハード・ディスク・ドライブ、USBもしくはフラッシュドライブ、またはディスケットドライブを含む、様々な公知の、または将来の装置が含まれうる。そうした種類の記憶装置は、通常、コンパクトディスク、磁気テープ、リムーバブル・ハード・ディスク、USBもしくはフラッシュドライブ、またはフロッピーディスケットといったプログラム記憶媒体からの読取りおよび/またはそれらへの書込みをそれぞれ行う。これらのプログラム記憶媒体、または現在用いられており、または将来開発される可能性のある他の媒体のいずれかを、コンピュータプログラム製品とみなすことができる。理解されるように、これらのプログラム記憶媒体は、通常、コンピュータ・ソフトウェア・プログラムおよび/またはデータを記憶する。コンピュータ・ソフトウェア・プログラムは、コンピュータ制御論理とも呼ばれ、通常、システムメモリおよび/または記憶装置と併用されるプログラム記憶装置に記憶されている。いくつかの態様では、コンピュータプログラム製品は、制御論理(プログラムコードを含むコンピュータ・ソフトウェア・プログラム)が記憶されているコンピュータ使用可能媒体を含むものとして説明される。制御論理は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに本明細書に記載した機能を果たさせる。他の態様では、いくつかの機能が、例えば、ハードウェア状態機械を用いて主にハードウェアとして実装される。本明細書に記載した機能を果たすためのハードウェア状態機械の実装は、当業者には明らかであろう。入出力コントローラは、人間か機械か、ローカルかリモートかを問わず、ユーザからの情報を受け入れ、処理するための様々な公知の装置のいずれかを含むことができるはずである。そうした装置には、例えば、モデムカード、無線カード、ネットワーク・インターフェース・カード、サウンドカード、様々な公知の入力装置のいずれかのためのその他の種類のコントローラが含まれる。出力コントローラは、人間か機械か、ローカルかリモートかを問わず、ユーザに情報を提示するための様々な公知の表示装置のいずれかのためのコントローラを含むことができるはずである。本態様では、コンピュータの機能要素は、システムバスを介して相互にやりとりする。コンピュータの態様の中には、ネットワークまたはその他の種類のリモート通信を用いていくつかの機能要素と通信できるものがある。当業者には明らかなように、機器制御アプリケーションおよび/またはデータ処理アプリケーションは、ソフトウェアとして実装される場合、システムメモリおよび/または記憶装置にロードされ、システムメモリおよび/または記憶装置から実行される。機器制御アプリケーションおよび/またはデータ処理アプリケーションの全部または一部が、記憶装置の読取り専用メモリまたは類似した装置に常駐していてもよく、そうした装置では、機器制御アプリケーションおよび/またはデータ処理アプリケーションは、入出力コントローラを介してまずロードされなくてもよい。当業者には理解されるように、機器制御アプリケーションおよび/またはデータ処理アプリケーション、またはその一部を、実行に有利なように、プロセッサによって、公知の方法で、システムメモリ、またはキャッシュメモリ、またはその両方にロードすることができる。また、コンピュータは、システムメモリに記憶された1つまたは複数のライブラリファイル、実験データファイル、および固有のインターネットクライアントも含んでもよい。例えば、実験データは、検出された信号値といった1つまたは複数の実験またはアッセイに関連したデータや、1つまたは複数のSBS(sequencing by synthesis(合成による配列決定))実験またはプロセスと関連付けられた他の値を含むことができるはずである。加えて、インターネットクライアントは、ネットワークを用いて別のコンピュータ上のリモートサービスにアクセスすることができるアプリケーションを含んでもよく、例えば、「ウェブブラウザ」と一般に呼ばれるものを含む。この例では、一般に用いられるウェブブラウザには、Microsoft Corporationから入手可能なMicrosoft Internet Explorer、Mozilla CorporationのMozilla Firefox、Apple Computer Corp.のSafari、Google CorporationのGoogle Chrome、当分野で現在公知の、または将来開発される他の種類のウェブブラウザが含まれる。また、同じ態様または他の態様において、インターネットクライアントは、生物学アプリケーションのためのデータ処理アプリケーションといった、ネットワークを介してリモート情報にアクセスすることができる専用のソフトウェア・アプリケーションを含んでもよく、またはその1要素とすることもできる。

ネットワークは、当業者に周知の多種多様なネットワークのうちの1つまたは複数を含んでもよい。例えば、ネットワークは、TCP/IPプロトコルスイートと一般に呼ばれるものを用いて通信することができるローカル・エリア・ネットワークまたは広域ネットワークを含む。ネットワークは、インターネットと一般に呼ばれる相互接続されたコンピュータネットワークの世界規模のシステムを含むネットワークを含んでもよく、様々なイントラネットアーキテクチャを含むこともできる。当業者はやはり理解するように、ネットワークで接続された環境のユーザによっては、ハードウェアシステムおよび/またはソフトウェアシステムとの間の情報トラフィックを制御するために、「ファイアウォール」(パケットフィルタやボーダ・プロテクション・デバイスと呼ばれる場合もある)と一般に呼ばれるものを用いる場合もある。例えば、ファイアウォールは、ハードウェア要素またはソフトウェア要素または両者の何らかの組み合わせを含み、通常は、例えばネットワーク管理者などといったユーザが設定したセキュリティポリシを執行するように設計されている。

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