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疾患診断および健康評価のための個々の対象の低分子生化学プロファイリングの方法

申请号 JP2016561615 申请日 2015-04-08 公开(公告)号 JP2017516085A 公开(公告)日 2017-06-15
申请人 メタボルン インコーポレーティッド; メタボルン インコーポレーティッド; 发明人 マイケル ブイ. ミルバーン; マイケル ブイ. ミルバーン; ジョン エイ. ライアルズ; ジョン エイ. ライアルズ; リンイン クオ; リンイン クオ; アンドレア エックハート; アンドレア エックハート; ジェイコブ ウルフ; ジェイコブ ウルフ; アダム ディー. ケネディ; アダム ディー. ケネディ; トーマス ジェイ ヨンソン; トーマス ジェイ ヨンソン; ライアン ダグラス ミハウェック; ライアン ダグラス ミハウェック; ブライアン ウィットマン; ブライアン ウィットマン; マシュー ミッチェル; マシュー ミッチェル;
摘要 疾患もしくは障害の診断のための個々の対象の低分子生化学プロファイリング方法、疾患もしくは障害の診断を容易にするための方法、および/または個々の対象において疾患もしくは障害を発症するリスクが高いことを特定するための方法が本明細書において説明される。個々の対象に由来する試料に存在する低分子の異常なレベルが特定され、特定された異常なレベルに基づいて、個々の対象に関連した診断情報が得られる。得られた診断情報には、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの生化学経路の特定、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの疾患または障害の特定、および異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの推奨されるフォローアップ検査の特定、の1つまたは複数が含まれる。
权利要求

個々の対象における疾患または障害の診断を容易にするための方法であって、以下の工程: 個々の対象から試料を入手する工程; 試料中にある複数種の低分子それぞれの存在または非存在およびレベルに関する情報を含む試料の低分子プロファイルを作成する工程; 該試料の低分子プロファイルと、複数種の低分子それぞれのレベルの標準範囲を含む参照低分子プロファイルとを比較して、それぞれの低分子が異常なレベルを有する、試料中にある低分子のサブセットを特定する工程であって、該試料中にある低分子の異常なレベルが、該低分子の標準範囲外のレベルであり、該比較および特定が、計算装置のプロセッサ上で動作する分析機能を用いて行われる、工程; 該低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいてデータベースから診断情報を得る工程であって、データベースが、複数の疾患および障害それぞれについて、複数種の低分子のうちの1種類または複数種の低分子の異常なレベルを、疾患または障害に関する情報と関連付ける情報を含む、工程;ならびに 得られた診断情報を記憶する工程であって、記憶された診断情報が、以下:異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの生化学経路の特定、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの疾患または障害の特定、および異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの推奨されるフォローアップ検査の特定、の1つまたは複数を含む、工程 を含み、 それによって、個々の対象における疾患または障害の診断を容易にする、方法。複数の疾患または障害について個々の対象をスクリーニングする方法であって、以下の工程: 個々の対象から試料を入手する工程; 試料中にある複数種の低分子それぞれの存在または非存在およびレベルに関する情報を含む試料の低分子プロファイルを作成する工程; 複数種の低分子のいずれかが試料中で異常なレベルを有するかどうか確かめるために、該試料の低分子プロファイルと、複数種の低分子それぞれのレベルの標準範囲を含む参照低分子プロファイルとを比較する工程であって、該試料中にある低分子の異常なレベルが、該低分子の標準範囲外にあるレベルである、工程; 試料中にある複数種の低分子のいずれかの異常なレベルを有する低分子プロファイルについて、それぞれの低分子が試料中で異常なレベルを有する、低分子のサブセットを特定する工程; ここで、該比較および特定は、計算装置のプロセッサ上で動作する分析機能を用いて行われ; 試料中にある複数種の低分子のいずれかの異常なレベルを有する低分子プロファイルについて、低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいてデータベースから診断情報を得る工程であって、データベースが、複数の疾患および障害それぞれについて、複数種の低分子のうちの1種類または複数種の低分子の異常なレベルを、疾患または障害に関する情報と関連付ける情報を含む、工程; 試料中にある複数種の低分子のいずれかの異常なレベルを有する低分子プロファイルについて、得られた診断情報を記憶する工程であって、記憶された診断情報が、以下:異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの生化学経路の特定、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの疾患または障害の特定、および異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの推奨されるフォローアップ検査の特定、の1つまたは複数を含む、工程;ならびに 試料中にある複数種の低分子のいずれの異常なレベルも有さない低分子プロファイルについて、異常なレベルが検出されなかったことを示す情報を記憶する工程 を含み、 それによって、複数の疾患および障害について個々の対象をスクリーニングする、方法。異常なレベルを有すると特定された低分子のサブセットの1つまたは複数からのデータの重みつき組み合わせに基づいて疾患特異的または障害特異的な複合スコアを作成する工程をさらに含み、前記低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいてデータベースから診断情報を得る工程が、作成された疾患特異的または障害特異的な複合スコアに基づいてデータベースから診断情報を得る工程を含む、請求項1または請求項2記載の方法。3-メチルクロトニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレラート、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、3-メチルクロトニルグリシン、アジパート、グルタラート(ペンタンジオアート)、オクタデカンジオアート(C18)、ヘキサデカンジオアート(C16)、テトラデカンジオアート(C14)、ドデカンジオアート(C12)、イソバレラート、ロイシン、イソバレリルグリシン、α-ヒドロキシイソバレラート、スクシニルカルニチン、3-メチルグルタリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、アラニルアラニン、ピログルタミルバリン、X-12007、X-12814、エチルマロナート、N-アセチルロイシン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症を示し; 2'-デオキシアデノシン、2'-デオキシイノシン、アデニン、N2-メチルグアノシン、2'-デオキシグアノシン、ウラート、N1-メチルアデノシン、アデノシン、アラントイン、キサンチン、グアノシン、ヒポキサンチン、N2,N2-ジメチルグアノシン、7-メチルグアノシン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、アデノシンデアミナーゼ欠損症を示し; アルギニノスクシナート、N-δ-アセチルオルニチン、ソルボース、フルクトース、シトルリン、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート、ウラシル、アルギニン、アスパルタート、イソロイシルアスパルタート、オルニチン、ウリジン、ホモシトルリン、オロタート、ホモアルギニン、O-スルホ-L-チロシン、パルミトイルスフィンゴミエリン、X-13507、X-15245、X-15664、X-15454、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症を示し; アルギニン、4-グアニジノブタノアート、ホモアルギニン、N-アセチルアルギニン、オルニチン、尿素、ホモシトルリン、ウラシル、アスパルタート、アルギニノスクシナート、プロリン、オロタート、クレアチニン、ウリジン、3-ウレイドプロピオナート、クレアチン、ベタイン、ロイシン、イソロイシン、γ-グルタミルロイシン、X-12339、X-12681、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、アルギニン血症を示し; キシリトール、ビオチン、3-メチルクロトニルグリシン、プロピオニルカルニチン(C3)、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、ビオチニダーゼ欠損症を示し; メチルマロン酸、ホモシステイン、2-メチルシトラート、シスタチオニン、2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン、X-12749、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、Cbl(コバラミン欠損症)を示し; メチルマロン酸、ホモシステイン、2-メチルシトラート、シスタチオニン、2-メチルマロニルカルニチン、チグリルカルニチン、2-メチルブチリルカルニチン、プロピオニルカルニチン、X-12749、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、Cbl Aを示し; メチルマロン酸、ホモシステイン、2-メチルシトラート、シスタチオニン、2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン、X-12749、X-17677、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、Cbl Cを示し; シトルリン、アルギニノコハク酸、ホモシトルリン、3-ウレイドプロピオナート、N-アセチルアラニン、フェニルアセタート、フェニルアセチルグルタミン、4-ウレイドブチラート、N-カルバモイルアスパルタート、グアニジノアセタート、尿素、4-グアニジノブタノアート、N-アセチルアルギニン、ヒプラート、オルニチン、2-メチルヒプラート、フェニルアセチルグリシン、4-フェニルブチラート、クレアチニン、オロタート、3,4-ジヒドロキシフェニルアセタート、ホモアルギニン、グアニジノスクシナート、γ-グルタミルフェニルアラニン、γ-グルタミルイソロイシン、トリプトファン、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)、N-アセチル-シトルリン、X-19684、X-12681、X-20598、X-18446、X-20588、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、シトルリン血症を示し; カルニチン、アシルカルニチン、N-オクタノイルグリシン(C8エステル)、セバカート(C8)、カプラート(C10)、カプリラート(C8)、オクタノイルカルニチン、ヘキサノイルカルニチン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2欠損症(CPTII)を示し; システイン、cys-gly(酸化型)、X-12846、X-12303、X-19145、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)、グリココレナートスルファート、4-アセチルフェノールスルファート、クレゾールグルクロニド、エリスリトール、バニリルマンデラート、N2,N2-ジメチル-グアノシン、フェニルアセチルグルタミン、X-12216、X-17717、X-15667、X-12119、X-11315、X-12731、X-12705、X-17685、X-18371、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、シスチン症を示し; シチジン、5,6-ジヒドロウラシル、4-ウレイドブチラート、3-ウレイドプロピオナート、ウリジン、オロタート、N-カルバモイルアスパルタート、ウラシル、チミン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症を示し; グルタラート(ペンタンジオアート)、グルタリルカルニチン(C5)、3-ヒドロキシグルタラート、グルタコナート、3-メチルグルタリルカルニチン、2-アミノアジパート、X-12364、X-15674、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、グルタル酸尿症1型を示し; クレアチン、3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、1,3-ジパルミトイルグリセロール、グアニジノアセタート、クレアチニン、システインs-スルファート、X-19602、X-12906、X-13007、X-10458、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、グアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ(GAMT)欠損症を示し; 3-メチルグルタリルカルニチン(C6)、β-ヒドロキシイソバレラート、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、アルギニルプロリン、1-ステアロイルグリセロホスホエタノールアミン、o-クレゾールスルファート、3-メチルクロトニルグリシン、アジパート、グルタラート(ペンタンジオアート)、オクタデカンジオアート(C18)、ヘキサデカンジオアート(C16)、テトラデカンジオアート(C14)、ドデカンジオアート(C12)、イソバレラート、アセチルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ヘキサノイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、ヘキセンジオイルカルニチン、X-17715、X-12741、X-16134、X-10593、X-12688、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸尿症(HMG CoAリアーゼ欠損症)を示し; β-ヒドロキシイソバレラート、3-メチルクロトニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン(C5)、プロピオニルグリシン(C3)、3-ヒドロキシプロパノアート、チグロイルグリシン、スクシニルカルニチン、2-メチルシトラート、3-ヒドロキシイソブチラート、ラクタート、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、イソブチリルグリシン、α-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、3-メチル-2-オキソブチラート、3-メチル-2-オキソバレラート、3-ヒドロキシ-2-メチルブチラート、4-メチル-2-オキソペンタノアート、マロニルカルニチン、α-ヒドロキシイソバレラート、2-ヒドロキシ-3-メチルバレラート、プロピオニルカルニチン、チグリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、スクシナート、2-メチルマロニルカルニチン、α-ヒドロキシイソカプロアート、ビオチン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症を示し; ホモシステイン、システイン、メチオニン、他のアミノ酸、γ-グルタミルメチオニン、5-メチルチオアデノシン(MTA)、S-アデノシルホモシステイン(SAH)、N1-メチルアデノシン、グリシルプロリン、1-エイコセノイルグリセロホスホエタノールアミン(20:1n9)、1-メチルニコチンアミド、N-アセチル-アスパルチル-グルタマート(NAAG)、ピリドキサール、2-ヒドロキシイソブチラート、アシソガ、カルノシン、3-メトキシチロシン、2-ヒドロキシデカノアート、δ-トコフェロール、α-CEHC(2,5,7,8-テトラメチル-2-(2'-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン)スルファート)、N-アセチルトリプトファン、アデニン、コルチゾール、X-18965、X-15649、X-17303、X-18897、X-11564、X-18891、X-12748、X-18918、X-18905、X-18606、X-16574、X-18895、X-18907、X-19455、X-18909、X-19574、X-12110、X-20676、X-11360、X-18920、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、ホモシスチン尿症を示し; イソバレラート(C5)、イソバレリルグリシン、イソバレリルカルニチン(C5)、バレラート;バレリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、フェニルカルニチン、β-ヒドロキシブチラート、3-メチルクロトニルグリシン、α-ヒドロキシブチラート、X-16577、X-14331、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、イソ吉草酸血症を示し; オルニチン、アルギニン、リジン、アスパラギン、N6-アセチルリジン、グルタミン、N2-アセチルリジン、N-アセチルアルギニン、γ-グルタミルグルタミン、プロリン、S-メチルシステイン、2-ヒドロキシデカノアート、1-メチルイミダゾールアセタート、2-アミノヘプタノアート、3-メチルグルタリルカルニチン、グルタリルカルニチン、N6-トリメチルリジン、5-(ガラクトシルヒドロキシ)-L-リジン、X-15636、17654、X-12193、X-12425、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、リジン尿性タンパク質不耐症を示し; アシルカルニチン、カルニチン、有機酸、N-オクタノイルグリシン、カプロアート(6:0)、カプリラート(8:0)、ヘプタノアート(7:0)、ドデカンジオアート、デカノイルカルニチン、N-パルミトイルタウリン、ペラルゴナート(9:0)、デオキシカルニチン、O-メチルカテコールスルファート、1-ステアロイルグリセロホスホコリン(18:0)、1-マルガロイルグリセロホスホコリン(17:0)、1-ドコサペンタエノイルグリセロホスホコリン(22:5n3)、4-オクテンジオアート、アジパート、ヘプタノイルグリシン、3-メチルアジパート、2-ヒドロキシグルタラート、α-CEHC(2,5,7,8-テトラメチル-2-(2'-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン)スルファート、X-11521(考えられる実験式:C15H27NO4および構造:2-オクテノイルカルニチン)、X-15646、X-12802、X-11478、X-11440(考えられる二硫酸ヒドロキシプレグネン-ジオールまたは二硫酸プレグナノロン-ジオール)、X-15486、X-18913、メチルヘキサノイルグルタミン、X-13837、X-18946、X-11861、X-18888、X-18922、X-17438、X-18916、X-16674、X-12824からなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症を示し; メチルマロナート、メチルマロニルCoA、2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン(C3)、チグリルカルニチン、2-メチルブチリルカルニチン(C5)、2-メチルシトラート、スクシニルカルニチン、プロピオニルグリシン、3-ヒドロキシプロパノアート、バレリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、スクシナート、チグロイルグリシン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、イソブチリルカルニチン、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、ブチリルカルニチン、3-メチルグルタリルカルニチン、メチルスクシナート、3-メチル-2-オキソバレラート、3-メチル-2-オキソブチラート、X-12749、X-17564、X-12114、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、メチルマロン酸血症を示し; キサンチン、S-スルホシステイン、チオスルファート、5-HETE、ロイコトリエンB4、13-HODE+9-HODE、12-HETE、ウラート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、モリブデン補因子欠損症または亜硫酸酸化酵素欠損症を示し; ロイシン、イソロイシン、バリン、2-ヒドロキシ-3-メチルバレラート、α-ヒドロキシイソバレラート、イソバレリルカルニチン、2-アミノヘプタノアート、4-メチル-2-オキソペンタノアート、1-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、2-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、1-ミリストイルグリセロホスホコリン(14:0)、2-ミリストイルグリセロホスホコリン、二硫酸5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオール、バリン、3-メチル-2-オキソブチラート、イソバレラート、イソブチリルカルニチン、3-ヒドロキシイソブチラート、2-メチルブチリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、アロ-イソロイシン、3-メチル-2-オキソバレラート、β-ヒドロキシイソバレラート、スクシナート、アセチルカルニチン、2-メチルシトラート、チグロイルグリシン、チグリルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、α-ヒドロキシイソカプロアート、X-13581、X-17690、X-13689(グルクロニドコンジュゲート)、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、メープルシロップ尿症を示し; オロタート、シトルリン、アルギニン、フェニルアセチルグルタミン、ステアリドナート(18:4n3)、3-ウレイドプロピオナート、2-メチルヒプラート、2-ヒドロキシフェニルアセタート、フェニルカルニチン、ヒプラート、フェニルプロピオニルグリシン、ベンゾアート、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート、4-フェニルブチラート、2-ペンタンアミド-3-フェニルプロパン酸、フェニルアセタート、フェニルアセチルグリシン、trans-4-ヒドロキシプロリン、pro-ヒドロキシ-pro、尿素、フェニルラクタート(PLA)、グアニジノスクシナート、オルニチン、X-20598、X-20588、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症を示し; プロピオナート、プロピオニルグリシン(C3)、2-メチルシトラート、3-ヒドロキシプロパノアート、プロピオニルカルニチン(C3)、1-ペンタデカノイルグリセロホスホコリン(15:0)、チグロイルグリシン、スクシニルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、3-メチルグルタリルカルニチン(C6)、チグリルカルニチン、ブチリルカルニチン、2-メチルマロニルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、X-12819、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、プロピオン酸血症を示し; フェニルアラニン、γ-グルタミルフェニルアラニン、フェニルラクタート、N-アセチルフェニルアラニン、フェニルピルバート、γ-グルタミルチロシン、3-メトキシチロシン、4-ヒドロキシフェニルピルバート、p-クレゾールスルファート、カテコールスルファート、フェニルアセチルグルタミン、フェニルアラニルアルギニン、バリルフェニルアラニン、ヒスチジルフェニルアラニン、フェニルアラニルセリン、ロイシルフェニルアラニン、スレオニルフェニルアラニン、フェニルアラニルアラニン、フェニルアラニルグリシン、フェニルアラニルグルタマート、フェニルアラニルフェニルアラニン、アスパルチルフェニルアラニン、トリプトフィルフェニルアラニン、フェニルアラニルイソロイシン、グリシルフェニルアラニン、フェニルアラニルロイシン、フェニルアラニルアスパルタート、o-クレゾールスルファート、フェニルアセチルグリシン、X-16283、X-15497、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、フェニルケトン尿症(PKU)を示し; γ-アミノブチラート(GABA)、スクシンイミド、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症を示し; N6-スクシニルアデノシン、キサントシン、2'-デオキシグアノシン、2'-デオキシイノシン、アデニン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、スクシニルアデノシンリアーゼ欠損症を示し; チミジン、2'-デオキシウリジン、5,6-ジヒドロチミン、5-メチルウリジン(リボチミジン);ヒプラート、2-リノレオイルグリセロホスホコリン、4-メチルカテコールスルファート、1-アラキドイルグリセロホスホコリン(20:0)、タウロリトコラート3-スルファート、グリコリトコラートスルファート、イミダゾールプロピオナート、X-13862、X-19330、X-20620、X-12170、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、チミジンホスホリラーゼ欠損症を示し; N-6-トリメチルリジン、1-アラキドノイルグリエルコホスファート、X-16574、X-12822、X-15136、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、トリメチルリジンヒドロキシラーゼを示し; チロシン、3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、4-ヒドロキシフェニルピルバート、3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、4-ヒドロキシフェニルアセタート、フェニルラクタート(PLA)、X-13581、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、チロシン血症を示し; ミリストイルカルニチン、ステアロイルカルニチン(C18)、パルミトイルカルニチン(C16)、オレオイルカルニチン(C18)、ミリストレアート(14:1n5)、リノレオイルカルニチン、9-メチル尿酸、キシルロース、アラキドナート(20:4n6)、ドコサヘキサエノアート(DHA;22:6n3)、エイコサペンタン酸(EPA)、5,8-テトラデカジエン酸、1-ドコサヘキサエノイル-GPC(22:6;DHA-GPC)、X-18739(2-テトラデセノイルカルニチンの考えられる異性体)、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症を示し; ウラート、クレアチン、ヒポキサンチン、キサントシン、2'-デオキシイノシン、イノシン、N2-メチルグアノシン、クレアチニン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、キサンチン尿症を示し; クレアチン、グリシルロイシン、2-ヒドロキシオクタノアート、X-11483、X-18943、X-17422、X-17761、X-17335、1,6-アンヒドログルコース、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、X連鎖性クレアチン輸送体を示し; 2-ヒドロキシアセトアミノフェンスルファート、2-メトキシアセトアミノフェンスルファート、3-(システイン-S-イル)アセトアミノフェン、4-アセトアミノフェンスルファート、4-アセトアミドフェノール、p-アセトアミドフェニルグルクロニス、グリコヒオコラート、クリコケノデオキシコラート、タウロコラート、タウロケノデオキシコラート、グルタチオン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、アセトアミノフェン誘導毒性を示し; キシルロース、カプロアート(6:0)、ヘプタノアート(7:0)、カプリラート(C8)、ペラルゴナート(9:0)、カプラート(C10)、ミリストレアート(14:1n5)、エイコサペンタン酸(EPA)、ドコサヘキサエノアート(DHA;22:6n3)、アラキドナート(20:4n6)、スベラート(オクタンジオアート)、セバカート(C8)、ドデカンジオアート(C12)、ヘキサノイルグリシン(C6)、N-オクタノイルグリシン、ヘキサノイルカルニチン、オクタノイルカルニチン、デカノイルカルニチン、cis-4-デセノイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、パルミトイルカルニチン(C16)、ステアロイルカルニチン(C18)、オレオイルカルニチン(C18)、デオキシカルニチン、カルニチン、3-ヒドロキシデカノアート、5-ヒドロキシヘキサノアート、N-パルミトイルタウリン、1-マルガロイルグリセロホスホコリン(17:0)、1-ステアロイルグリセロホスホコリン(18:0)、1-ドコサペンタエノイルグリセロホスホコリン(22:5n3)、9-メチル尿酸、α-CEHC(2,5,7,8-テトラメチル-2-(2'-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン)スルファート、O-メチルカテコールスルファート、5,8-テトラデカジエン酸、メチルヘキサノイルグルタミン、2-ヒドロキシグルタラート、3-メチルアジパート、4-オクテンジオアート、ヘプタノイルグリシン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、脂肪酸酸化障害を示し; 1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)、2-ヒドロキシブチラート(AHB)、3-ヒドロキシブチラート、グルコース、グリシン、イソロイシン、ロイシン、バリン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、糖尿病を示し;ならびに グリココラート、グリコケノデオキシコラート、タウロコラート、タウロケノデオキシコラート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、肝機能不全を示し; ジメチルグリシン、ベタイン、コリン、グリシン、サルコシン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、サルコシン血症を示し; α-ケトグルタラート、スクシナート、フマラート、マラート、グルタマート、シトラート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、クエン酸輸送体欠損症を示し; ピルバートおよびラクタートからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症を示し; ウラシル、3-ウレイドプロピオナート、オロタート、グルタミン、N-アセチル-β-アラニン、ウリジン、N-アセチルアスパルタート(NAA)、ジメチルアルギニン(SDMA+ADMA)、5-メチルチオアデノシン(MTA)、β-アラニン、4-ウレイドブチラート、ホモシトルリン、オルニチン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症を示し; チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、3-メトキシチロシン、5-ヒドロキシトリプトファン、L-ドーパ、ホモバニラート、5-ヒドロキシインドールアセタート、バニル乳酸、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ欠損症を示し; コレスタノール、7-デヒドロコレステロール、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、スミス・レムリ・オピッツ症候群を示し; N6-トリメチルリジン、カルニチン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、原発性カルニチン欠損症を示し;ならびに オロタート、シトルリン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、シトリン欠損症を示し;ならびに 2-ピロリドン、GABA、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、ABAT欠損症を示し;ならびに フルクトース、マンノース、プロリルヒドロキシプロリン、ヒドロキシプロリン、グリシルプロリン、N-アセチルノイラミナート、ジメチルアルギニン(ADMA+SDMA)、グルタミン、γ-グルタミルグルタミン、N-アセチル-アスパルチル-グルタマート(NAAG)、N-アセチルグルタミン、エチルマロナート、クレアチン、グルコース、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、GLUT1欠損症を示し;ならびに 3-メチルグルタリルカルニチン、3-メチルグルタコン酸、3-メチルグルタル酸、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、MGAを示し;ならびに ブチリルグリシン、エチルマロナート、ブチリルカルニチン、メチルスクシナート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、SCAD欠損症を示し;ならびに cis-ウロカナート、trans-ウロカナート、イミダゾールプロピオナート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、ウロカナーゼ欠損症を示し;ならびに 3-ヒドロキシイソブチラート、イソブチリルグリシン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、3-ヒドロキシイソブチリル-CoA加分解酵素欠損症を示し;ならびに オキサラート、グリコラート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、高シュウ酸尿症を示し;ならびに ヘキサデカンジオアート(C16)、ドコサジオアート、エイコサノジオアート、オクタデカンジオアート(C18)、ドデカンジオアート(C12)、2-アミノオクタノアート、2-アミノヘプタノアート、α-ヒドロキシイソカプロアート、イソバレラート(C5)、デカノイルカルニチン(C10)、cis-4-デセノイルカルニチン、パルミトイルカルニチン(C16)、オレオイルカルニチン(C18)、ラウリルカルニチン(C12)、ミリストレオイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、グリセロール、3-ヒドロキシミリスタート、2-ヒドロキシデカノアート、3-ヒドロキシラウラート、3-ヒドロキシセバカート、3-ヒドロキシオクタノアート、3-ヒドロキシデカノアート、ペラルゴナート(9:0)、カプロアート(6:0)、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、BBOX欠損症を示す、請求項1または請求項2記載の方法。試料中にある複数種の低分子それぞれの存在または非存在およびレベルに関する情報を含む試料の低分子プロファイルを作成する工程が、該試料から該複数種の低分子の少なくとも一部を抽出する工程を含む、請求項1または請求項2記載の方法。低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいてデータベースから診断情報を得る工程であって、データベースが、複数の疾患および障害それぞれについて、複数種の低分子のうちの1種類または複数種の低分子の異常なレベルを、疾患または障害に関する情報と関連付ける情報を含む、工程が、 試料の低分子プロファイルと参照低分子プロファイルとの比較に基づいて1つまたは複数の異常生化学経路を特定する工程であって、記憶された診断情報が1つまたは複数の異常生化学経路の特定を含む、工程 を含む、請求項1または請求項2記載の方法。試料の低分子プロファイルと参照低分子プロファイルとの比較に基づいて1つまたは複数の異常生化学経路を特定する工程が、 複数の生化学経路を特定する工程であって、それぞれの生化学経路が、作成された試料の低分子プロファイルの中にある低分子の1つまたは複数と関連付けられる、工程; 複数の生化学経路それぞれについて、経路の生化学距離(biochemical distance)を計算し、該計算された生化学距離と、該経路の生化学距離の標準範囲とを比較し、計算された生化学距離が標準範囲外にあれば、生化学経路を異常だと特定する工程 を含む、請求項6記載の方法。生化学経路が、異常だと特定された低分子のいずれかと関連付けられれば、該生化学経路は異常だと特定される、請求項7記載の方法。異常だと特定された経路に関する情報を表示する工程をさらに含む、請求項7記載の方法。個々の対象が複数の疾患および障害のうちの1つまたは複数の症候を示す、請求項1または請求項2記載の方法。個々の対象が複数の疾患および障害の症候を示さない、請求項1または請求項2記載の方法。個々の対象がヒト新生児またはヒト乳児である、請求項1または請求項2記載の方法。異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた、記憶された診断情報が、少なくとも1つの疾患または障害の提案される診断を含む、請求項1または請求項2記載の方法。異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた、記憶された診断情報が、疾患または障害の診断を裏付けるための少なくとも1つの推奨される診断検査または診断法の特定を含む、請求項1または請求項2記載の方法。複数の疾患および障害が希少疾患または希少障害を含む、請求項1または請求項2記載の方法。個々の対象から得られた試料の体積が100μL(0.100mL)未満である、請求項1または請求項2記載の方法。個々の対象から得られた試料の体積が25μL〜100μL(0.025mL〜0.100mL)である、請求項1または請求項2記載の方法。試料の低分子プロファイルが、試料に存在する内因性低分子および生物性低分子に関する情報を含む、請求項1または請求項2記載の方法。試料の低分子プロファイルが、試料に存在する生体異物性低分子に関する情報をさらに含む、請求項18記載の方法。試料の低分子プロファイルが、試料に存在する食事性低分子に関する情報をさらに含む、請求項18記載の方法。試料の低分子プロファイルが、試料に存在する生体異物性低分子に関する情報をさらに含む、請求項20記載の方法。異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた1つまたは複数の生化学経路を表す情報を表示する工程をさらに含む、請求項1または請求項2のいずれか一項記載の方法。異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた1つまたは複数の生化学経路を表す情報を表示する工程が、 異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられたスーパー経路(superpathway)を表す情報を表示する工程;および 異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられたサブ経路(subpathway)を表す情報を表示する工程 を含む、請求項22記載の方法。複数種の低分子と関連付けられた複数の経路の図による表示、および複数の経路の中のどの経路が、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられたかを図で示したものを表示する工程をさらに含む、請求項1または請求項2記載の方法。異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが指定済生化学物質を含む、請求項1または請求項2記載の方法。異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットの中にある、それぞれの指定済生化学物質について、該指定済生化学物質と関連付けられた生化学経路を表す情報を表示する工程をさらに含む、請求項25記載の方法。複数種の低分子と関連付けられた複数の経路の図による表示、および複数の経路の中のどの経路が、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられたかを図で示したものを含むデータを記憶する工程をさらに含む、請求項1または請求項2記載の方法。異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットの図による表示を表示する工程をさらに含む、請求項1または請求項2記載の方法。異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットの図による表示を含むデータを記憶する工程をさらに含む、請求項1または請求項2記載の方法。試料中にある異常なレベルの低分子が、参照低分子プロファイルに存在しかつ個々の対象に由来する試料の低分子プロファイルに存在しない低分子を含む、請求項1または請求項2記載の方法。試料中にある異常なレベルの低分子が、個々の対象に由来する試料の低分子プロファイルに存在しかつ参照低分子プロファイルでは希少な低分子を含む、請求項1または請求項2記載の方法。個々の対象から試料の低分子プロファイルを作成する工程が、 実験操作中に、個々の対象に由来する試料から実験データを作成する工程;および 実験操作中に、少なくとも1つのアンカー試料(anchor sample)から実験データを作成する工程 を含む、請求項1または請求項2記載の方法。少なくとも1つのアンカー試料が、複数の対象に由来する試料のプールされたアリコートを含む、請求項32記載の方法。それぞれの低分子の参照レベルの標準範囲が、複数の対象に由来する試料から作成された低分子プロファイルの統計解析に基づいている、請求項33記載の方法。それぞれの低分子の参照レベルの標準範囲が、複数の参照対象に由来する試料から作成された低分子プロファイルの統計解析に基づいている、請求項1または請求項2記載の方法。それぞれの低分子の参照レベルの標準範囲が、複数の参照対象に由来する試料から作成された低分子プロファイルの統計解析における四分位範囲に基づいている、請求項35記載の方法。それぞれの低分子の参照レベルの標準範囲が、複数の参照対象に由来する試料から作成された低分子プロファイルの統計解析における標準スコア(Z-スコア)の範囲に基づいている、請求項36記載の方法。複数の参照対象の中にあるそれぞれの参照対象から参照試料を得る工程; それぞれの参照対象について参照試料の低分子プロファイルを作成する工程であって、該低分子プロファイルが、それぞれの参照試料について、該参照試料中にある複数種の低分子それぞれの存在または非存在およびレベルに関する情報を含む、工程;ならびに 複数の参照対象について低分子プロファイルを統計解析して、複数種の低分子それぞれのレベルの標準範囲を決定し、それによって、参照低分子プロファイルを作成する工程 をさらに含む、請求項1または請求項2記載の方法。個々の対象に由来する試料が血液、血漿、または血清を含む、請求項1または請求項2記載の方法。個々の対象に由来する試料が尿を含む、請求項1または請求項2記載の方法。個々の対象に由来する試料が血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料を含む、請求項1または請求項2記載の方法。複数種の低分子が少なくとも200種類の低分子を含む、請求項1または請求項2記載の方法。複数種の低分子が少なくとも500種類の低分子を含む、請求項1または請求項2記載の方法。複数種の低分子が500〜1300種類の低分子を含む、請求項1または請求項2記載の方法。複数種の低分子が500〜25,000種類の低分子を含む、請求項1または請求項2記載の方法。複数の疾患および障害が、3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症、アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症、アデノシンデアミナーゼ欠損症、アルギニン血症、ビオチニダーゼ欠損症、コバラミン欠損症(Cbl)、Cbl A、Cbl C、シトルリン血症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2欠損症(CPTII)、シスチン症、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症、グルタル酸尿症、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸尿症(HMG CoAリアーゼ欠損症)、ホロカルボキシラーゼ、ホモシスチン尿症、リジン尿性タンパク質不耐症、イソ吉草酸血症、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症、メチルマロン酸血症、モリブデン補因子欠損症または亜硫酸酸化酵素欠損症、メープルシロップ尿症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、プロピオン酸血症、フェニルケトン尿症(PKU)、コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症、スクシニルリアーゼ欠損症、チミジンホスホリラーゼ欠損症、トリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症、チロシン血症、超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症、キサンチン尿症、X連鎖性クレアチン輸送体、サルコシン血症、クエン酸輸送体欠損症、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症、高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ欠損症、スミス・レムリ・オピッツ症候群、原発性カルニチン欠損症、シトリン欠損症、ABAT欠損症、GLUT1欠損症、MGA、SCAD欠損症、ウロカナーゼ欠損症、3-ヒドロキシイソブチリル-CoA加水分解酵素欠損症、高シュウ酸尿症、BBOX欠損症、アセトアミノフェン誘導毒性、糖尿病、および肝機能不全のうちの2以上を含む、請求項1または請求項2記載の方法。複数の疾患および障害が、3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症、アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症、アデノシンデアミナーゼ欠損症、アルギニン血症、ビオチニダーゼ欠損症、コバラミン欠損症(Cbl)、Cbl A、Cbl C、シトルリン血症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2欠損症(CPTII)、シスチン症、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症、グルタル酸尿症、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸尿症(HMG CoAリアーゼ欠損症)、ホロカルボキシラーゼ、ホモシスチン尿症、イソ吉草酸血症、リジン尿性タンパク質不耐症、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症、メチルマロン酸血症、モリブデン補因子欠損症または亜硫酸酸化酵素欠損症、メープルシロップ尿症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、プロピオン酸血症、フェニルケトン尿症(PKU)、コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症、スクシニルリアーゼ欠損症、チミジンホスホリラーゼ欠損症、トリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症、チロシン血症、超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症、キサンチン尿症、X連鎖性クレアチン輸送体、サルコシン血症、クエン酸輸送体欠損症、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症、高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ欠損症、スミス・レムリ・オピッツ症候群、原発性カルニチン欠損症、シトリン欠損症、ABAT欠損症、GLUT1欠損症、MGA、SCAD欠損症、ウロカナーゼ欠損症、3-ヒドロキシイソブチリル-CoA加水分解酵素欠損症、高シュウ酸尿症、BBOX欠損症、アセトアミノフェン誘導毒性、糖尿病、および肝機能不全のうちの5以上を含む、請求項1または請求項2記載の方法。複数の疾患および障害が、3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症、アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症、アデノシンデアミナーゼ欠損症、アルギニン血症、ビオチニダーゼ欠損症、コバラミン欠損症(Cbl)、Cbl A、Cbl C、シトルリン血症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2欠損症(CPTII)、シスチン症、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症、グルタル酸尿症、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸尿症(HMG CoAリアーゼ欠損症)、ホロカルボキシラーゼ、ホモシスチン尿症、イソ吉草酸血症、リジン尿性タンパク質不耐症、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症、メチルマロン酸血症、モリブデン補因子欠損症または亜硫酸酸化酵素欠損症、メープルシロップ尿症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、プロピオン酸血症、フェニルケトン尿症(PKU)、コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症、スクシニルリアーゼ欠損症、チミジンホスホリラーゼ欠損症、トリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症、チロシン血症、超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症、キサンチン尿症、X連鎖性クレアチン輸送体、サルコシン血症、クエン酸輸送体欠損症、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症、高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ欠損症、スミス・レムリ・オピッツ症候群、原発性カルニチン欠損症、シトリン欠損症、ABAT欠損症、GLUT1欠損症、MGA、SCAD欠損症、ウロカナーゼ欠損症、3-ヒドロキシイソブチリル-CoA加水分解酵素欠損症、高シュウ酸尿症、BBOX欠損症、アセトアミノフェン誘導毒性、糖尿病、および肝機能不全のうちの10以上を含む、請求項1または請求項2記載の方法。記憶された診断情報が、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた障害の特定を含む、請求項1または請求項2記載の方法。特定された障害が3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、3-メチルクロトニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレラート、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、3-メチルクロトニルグリシン、アジパート、グルタラート(ペンタンジオアート)、オクタデカンジオアート(C18)、ヘキサデカンジオアート(C16)、テトラデカンジオアート(C14)、ドデカンジオアート(C12)、イソバレラート、ロイシン、イソバレリルグリシン、α-ヒドロキシイソバレラート、スクシニルカルニチン、3-メチルグルタリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、アラニルアラニン、ピログルタミルバリン、X-12007、X-12814、エチルマロナート、N-アセチルロイシン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がアデノシンデアミナーゼ欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、デオキシアデノシン、S-アデノシルホモシステイン、2'-デオキシイノシン、アデニン、N2-メチルグアノシン、2'-デオキシグアノシン、ウラート、N1-メチルアデノシン、アデノシン、アラントイン、キサンチン、グアノシン、ヒポキサンチン、N2,N2-ジメチルグアノシン、7-メチルグアノシン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がアルギニノコハク酸リアーゼ欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、アルギニノスクシナート、N-δ-アセチルオルニチン、ソルボース、フルクトース、シトルリン、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート、ウラシル、アルギニン、アスパルタート、イソロイシルアスパルタート、オルニチン、ウリジン、ホモシトルリン、オロタート、ホモアルギニン、O-スルホ-L-チロシン、パルミトイルスフィンゴミエリン、X-13507、X-15245、X-15664、X-15454、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がアルギニン血症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、アルギニン、4-グアニジノブタノアート、ホモアルギニン、N-アセチルアルギニン、オルニチン、尿素、ホモシトルリン、ウラシル、アスパルタート、アルギニノスクシナート、プロリン、オロタート、クレアチニン、ウリジン、3-ウレイドプロピオナート、クレアチン、ベタイン、ロイシン、イソロイシン、γ-グルタミルロイシン、X-12339、X-12681、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がビオチニダーゼ欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、キシリトール、ビオチン、3-メチルクロトニルグリシン、プロピオニルカルニチン(C3)、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がCbl(コバラミン欠損症)であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、メチルマロン酸、ホモシステイン、2-メチルシトラート、シスタチオニン、2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン、X-12749、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がCbl Aであり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、メチルマロン酸、ホモシステイン、2-メチルシトラート、シスタチオニン、2-メチルマロニルカルニチン、チグリルカルニチン、2-メチルブチリルカルニチン、プロピオニルカルニチン、X-12749、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がCbl Cであり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、メチルマロン酸、ホモシステイン、2-メチルシトラート、シスタチオニン、2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン、X-12749、X-17677、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がシトルリン血症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、シトルリン、アルギニノコハク酸、ホモシトルリン、3-ウレイドプロピオナート、N-アセチルアラニン、フェニルアセタート、フェニルアセチルグルタミン、4-ウレイドブチラート、N-カルバモイルアスパルタート、グアニジノアセタート、尿素、4-グアニジノブタノアート、N-アセチルアルギニン、ヒプラート、オルニチン、2-メチルヒプラート、フェニルアセチルグリシン、4-フェニルブチラート、クレアチニン、オロタート、3,4-ジヒドロキシフェニルアセタート、ホモアルギニン、グアニジノスクシナート、γ-グルタミルフェニルアラニン、γ-グルタミルイソロイシン、トリプトファン、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)、N-アセチル-シトルリン、X-12681、X-19684、X-20598、X-18446、X-20588、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2欠損症(CPTII)であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、カルニチン、アシルカルニチン、N-オクタノイルグリシン(C8エステル)、セバカート(C8)、カプラート(C10)、カプリラート(C8)、オクタノイルカルニチン、ヘキサノイルカルニチン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がシスチン症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、システイン、cys-gly(酸化型)、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)、グリココレナートスルファート、4-アセチルフェノールスルファート、クレゾールグルクロニド、エリスリトール、バニリルマンデラート、N2,N2-ジメチル-グアノシン、フェニルアセチルグルタミン、X-12846、X-12303、X-19145、X-12216、X-17717、X-15667、X-12119、X-11315、X-12731、X-12705、X-17685、X-18371、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、ウラシル、チミン、シチジン、5,6-ジヒドロウラシル、4-ウレイドブチラート、3-ウレイドプロピオナート、ウリジン、オロタート、N-カルバモイルアスパルタート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がグルタル酸尿症1型であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、グルタラート(ペンタンジオアート)、グルタリルカルニチン(C5)、3-ヒドロキシグルタラート、グルタコナート、3-メチルグルタリルカルニチン、2-アミノアジパート、X-12364、X-15674、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がグアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ(GAMT)欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、クレアチン、3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、1,3-ジパルミトイルグリセロール、グアニジノアセタート、クレアチニン、システインs-スルファート、X-19602、X-12906、X-13007、X-10458、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害が3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸尿症(HMG CoAリアーゼ欠損症)であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、3-メチルグルタリルカルニチン(C6)、β-ヒドロキシイソバレラート、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、アルギニルプロリン、1-ステアロイルグリセロホスホエタノールアミン、o-クレゾールスルファート、3-メチルクロトニルグリシン、アジパート、グルタラート(ペンタンジオアート)、オクタデカンジオアート(C18)、ヘキサデカンジオアート(C16)、テトラデカンジオアート(C14)、ドデカンジオアート(C12)、イソバレラート、アセチルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ヘキサノイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、ヘキセンジオイルカルニチン、X-17715、X-12741、X-16134、X-10593、X-12688、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、β-ヒドロキシイソバレラート、3-メチルクロトニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン(C5)、プロピオニルグリシン(C3)、3-ヒドロキシプロパノアート、チグロイルグリシン、スクシニルカルニチン、2-メチルシトラート、3-ヒドロキシイソブチラート、ラクタート、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、イソブチリルグリシン、α-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、3-メチル-2-オキソブチラート、3-メチル-2-オキソバレラート、3-ヒドロキシ-2-メチルブチラート、4-メチル-2-オキソペンタノアート、マロニルカルニチン、α-ヒドロキシイソバレラート、2-ヒドロキシ-3-メチルバレラート、プロピオニルカルニチン、チグリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、スクシナート、2-メチルマロニルカルニチン、α-ヒドロキシイソカプロアート、ビオチン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がホモシスチン尿症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、ホモシステイン、システイン、メチオニン、他のアミノ酸、γ-グルタミルメチオニン、5-メチルチオアデノシン(MTA)、S-アデノシルホモシステイン(SAH)、N1-メチルアデノシン、グリシルプロリン、1-エイコセノイルグリセロホスホエタノールアミン(20:1n9)、1-メチルニコチンアミド、N-アセチル-アスパルチル-グルタマート(NAAG)、ピリドキサール、2-ヒドロキシイソブチラート、アシソガ、カルノシン、3-メトキシチロシン、2-ヒドロキシデカノアート、δ-トコフェロール、α-CEHC(2,5,7,8-テトラメチル-2-(2'-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン)スルファート、N-アセチルトリプトファン、アデニン、コルチゾール、X-19350、X-18965、X-15649、X-17303、X-18897、X-11564、X-18891、X-12748、X-18918、X-18905、X-18606、X-16574、X-18895、X-18907、X-19455、X-18909、X-19574、X-12110、X-20676、X-11360、X-18920、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がイソ吉草酸血症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、イソバレラート(C5)、イソバレリルグリシン、イソバレリルカルニチン(C5)、バレラート;バレリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、フェニルカルニチン、β-ヒドロキシブチラート、3-メチルクロトニルグリシン、α-ヒドロキシブチラート、X-16577、X-14331、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がリジン尿性タンパク質不耐症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、オルニチン、アルギニン、リジン、アスパラギン、N6-アセチルリジン、グルタミン、N2-アセチルリジン、N-アセチルアルギニン、γ-グルタミルグルタミン、プロリン、S-メチルシステイン、2-ヒドロキシデカノアート、1-メチルイミダゾールアセタート、2-アミノヘプタノアート、3-メチルグルタリルカルニチン、グルタリルカルニチン、N6-トリメチルリジン、5-(ガラクトシルヒドロキシ)-L-リジン、X-15636、17654、X-12193、X-12425、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害が中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、アシルカルニチン、カルニチン、有機酸、N-オクタノイルグリシン、カプロアート(6:0)、カプリラート(8:0)、ヘプタノアート(7:0)、ドデカンジオアート、デカノイルカルニチン、N-パルミトイルタウリン、ペラルゴナート(9:0)、デオキシカルニチン、O-メチルカテコールスルファート、1-ステアロイルグリセロホスホコリン(18:0)、1-マルガロイルグリセロホスホコリン(17:0)、1-ドコサペンタエノイルグリセロホスホコリン(22:5n3)、4-オクテンジオアート、アジパート、ヘプタノイルグリシン、3-メチルアジパート、2-ヒドロキシグルタラート、α-CEHC(2,5,7,8-テトラメチル-2-(2'-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン)スルファート、X-11521(考えられる実験式:C15H27NO4および構造:2-オクテノイルカルニチン)、X-15646、X-12802、X-11478、X-11440(考えられる二硫酸ヒドロキシプレグネン-ジオールまたは二硫酸プレグナノロン-ジオール)、X-15486、X-18913、メチルヘキサノイルグルタミン、X-13837、X-18946、X-11861、X-18888、X-18922、X-17438、X-18916、X-16674、X-12824、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がメチルマロン酸血症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、メチルマロナート、メチルマロニルCoA、2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン(C3)、チグリルカルニチン、2-メチルブチリルカルニチン(C5)、2-メチルシトラート、スクシニルカルニチン、プロピオニルグリシン、3-ヒドロキシプロパノアート、バレリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、スクシナート、チグロイルグリシン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、イソブチリルカルニチン、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、ブチリルカルニチン、3-メチルグルタリルカルニチン、メチルスクシナート、3-メチル-2-オキソバレラート、3-メチル-2-オキソブチラート、X-12749、X-17564、X-12114、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がモリブデン補因子欠損症または亜硫酸酸化酵素欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、キサンチン、S-スルホシステイン、チオスルファート、5-HETE、ロイコトリエンB4、13-HODE+9-HODE、12-HETE、ウラート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がメープルシロップ尿症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、ロイシン、イソロイシン、バリン、2-ヒドロキシ-3-メチルバレラート、α-ヒドロキシイソバレラート、イソバレリルカルニチン、2-アミノヘプタノアート、4-メチル-2-オキソペンタノアート、1-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、2-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、1-ミリストイルグリセロホスホコリン(14:0)、2-ミリストイルグリセロホスホコリン、二硫酸5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオール、バリン、3-メチル-2-オキソブチラート、イソバレラート、イソブチリルカルニチン、3-ヒドロキシイソブチラート、2-メチルブチリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、アロ-イソロイシン、3-メチル-2-オキソバレラート、β-ヒドロキシイソバレラート、スクシナート、アセチルカルニチン、2-メチルシトラート、チグロイルグリシン、チグリルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、α-ヒドロキシイソカプロアート、X-13581、X-17690、X-13689(グルクロニドコンジュゲート)、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がオルニチントランスカルバミラーゼ欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、オロタート、シトルリン、アルギニン、フェニルアセチルグルタミン、ステアリドナート(18:4n3)、3-ウレイドプロピオナート、2-メチルヒプラート、2-ヒドロキシフェニルアセタート、フェニルカルニチン、ヒプラート、フェニルプロピオニルグリシン、ベンゾアート、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート、4-フェニルブチラート、2-ペンタンアミド-3-フェニルプロパン酸、フェニルアセタート、フェニルアセチルグリシン、trans-4-ヒドロキシプロリン、pro-ヒドロキシ-pro、尿素、フェニルラクタート(PLA)、グアニジノスクシナート、オルニチン、X-20598、X-20588、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がプロピオン酸血症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、プロピオナート、プロピオニルグリシン(C3)、2-メチルシトラート、3-ヒドロキシプロパノアート、プロピオニルカルニチン(C3)、1-ペンタデカノイルグリセロホスホコリン(15:0)、チグロイルグリシン、スクシニルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、3-メチルグルタリルカルニチン(C6)、チグリルカルニチン、ブチリルカルニチン、2-メチルマロニルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、X-12819、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がフェニルケトン尿症(PKU)であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、フェニルアラニン、γ-グルタミルフェニルアラニン、フェニルラクタート、N-アセチルフェニルアラニン、フェニルピルバート、γ-グルタミルチロシン、3-メトキシチロシン、4-ヒドロキシフェニルピルバート、p-クレゾールスルファート、カテコールスルファート、フェニルアセチルグルタミン、フェニルアラニルアルギニン、バリルフェニルアラニン、ヒスチジルフェニルアラニン、フェニルアラニルセリン、ロイシルフェニルアラニン、スレオニルフェニルアラニン、フェニルアラニルアラニン、フェニルアラニルグリシン、フェニルアラニルグルタメート、フェニルアラニルフェニルアラニン、アスパルチルフェニルアラニン、トリプトフィルフェニルアラニン、フェニルアラニルイソロイシン、グリシルフェニルアラニン、フェニルアラニルロイシン、フェニルアラニルアスパルタート、o-クレゾールスルファート、フェニルアセチルグリシン、X-16283、X-15497、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がコハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、γ-アミノブチラート(GABA)、スクシンイミド、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がスクシニルアデノシンリアーゼ欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、N6-スクシニルアデノシン、キサントシン、2'-デオキシグアノシン、2'-デオキシイノシン、アデニン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がチミジンホスホリラーゼ欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、チミジン、2'-デオキシウリジン、5,6-ジヒドロチミン、5-メチルウリジン(リボチミジン);ヒプラート、2-リノレオイルグリセロホスホコリン、4-メチルカテコールスルファート、1-アラキドイルグリセロホスホコリン(20:0)、タウロリトコラート3-スルファート、グリコリトコラートスルファート、イミダゾールプロピオナート、X-13862、X-19330、X-20620、X-12170、およびその組み合わせ、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がトリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、N-6-トリメチルリジン、1-アラキドノイルグリエルコホスファート、X-16574、X-12822、X-15136、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がチロシン血症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、チロシン、3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、4-ヒドロキシフェニルピルバート、3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、4-ヒドロキシフェニルアセタート、フェニルラクタート(PLA)、X-13581、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害が超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、ミリストイルカルニチン、ステアロイルカルニチン(C18)、パルミトイルカルニチン(C16)、オレオイルカルニチン(C18)、ミリストレアート(14:1n5)、リノレオイルカルニチン、9-メチル尿酸、キシルロース、アラキドナート(20:4n6)、ドコサヘキサエノアート(DHA;22:6n3)、エイコサペンタン酸(EPA)、5,8-テトラデカジエン酸、1-ドコサヘキサエノイル-GPC(22:6;DHA-GPC)、X-18739(2-テトラデセノイルカルニチンの考えられる異性体)、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がキサンチン尿症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、キサンチン、ウラート、クレアチン、ヒポキサンチン、キサントシン、2'-デオキシイノシン、イノシン、N2-メチルグアノシン、クレアチニン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がX連鎖性クレアチン輸送体であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、グリシルロイシン、2-ヒドロキシオクタノアート、1,6-アンヒドログルコース、クレアチン、X-11483、X-18943、X-17422、X-17761、X-17335、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がアミノ酸代謝および輸送の障害であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、N-アセチルアラニン、アスパルタート、グルタラート(ペンタンジオアート)、グルタリルカルニチン(C5)、3-ヒドロキシグルタラート、グルタコナート、フェニルアラニン、N-アセチルフェニルアラニン、フェニルピルバート、フェニルラクタート(PLA)、フェニルアセタート、フェニルアセチルグリシン、フェニルアセチルグルタミン、4-ヒドロキシフェニルピルバート、3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、p-クレゾールスルファート、o-クレゾールスルファート、3-メトキシチロシン、ロイシン、4-メチル-2-オキソペンタノアート、イソバレラート、イソバレリルグリシン、イソバレリルカルニチン(C5)、3-メチルクロトニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレラート、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、3-メチルグルタリルカルニチン(C6)、α-ヒドロキシイソバレラート、イソロイシン、アロ-イソロイシン、3-メチル-2-オキソバレラート、2-メチルブチリルカルニチン(C5)、チグリルカルニチン、チグロイルグリシン、2-ヒドロキシ-3-メチルバレラート、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、バリン、3-メチル-2-オキソブチラート、イソブチリルカルニチン、3-ヒドロキシイソブチラート、α-ヒドロキシイソカプロアート、ホモシステイン、シスタチオニン、アルギニン、尿素、オルニチン、プロリン、シトルリン、アルギニノスクシナート、ホモアルギニン、ホモシトルリン、N-アセチルアルギニン、N-δ-アセチルオルニチン、trans-4-ヒドロキシプロリン、pro-ヒドロキシ-pro、クレアチン、クレアチニン、4-グアニジノブタノアート、グアニジノスクシナート、γ-グルタミルフェニルアラニン、γ-グルタミルチロシン、アラニルアラニン、アルギニルプロリンアスパルチルフェニルアラニン、グリシルフェニルアラニン、ヒスチジルフェニルアラニン、イソロイシルアスパルタート、ロイシルフェニルアラニン、フェニルアラニルアラニン、フェニルアラニルアルギニン、フェニルアラニルアスパルタート、フェニルアラニルグルタマート、フェニルアラニルグリシン、フェニルアラニルイソロイシン、フェニルアラニルロイシンフェニルアラニルフェニルアラニン、フェニルアラニルセリン、ピログルタミルバリン、スレオニルフェニルアラニン、トリプトフィルフェニルアラニン、バリルフェニルアラニン、フルクトース、ソルボース、スクシニルカルニチン、スクシナート、2-メチルシトラート、バレラート、ステアリドナート(18:4n3)、アジパート、ドデカンジオアート(C12)、テトラデカンジオアート(C14)、ヘキサデカンジオアート(C16)、オクタデカンジオアート(C18)、2-アミノヘプタノアート、2-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、2-メチルマロニルカルニチン、ブチリルカルニチン、プロピオニルカルニチン(C3)、プロピオニルグリシン(C3)、メチルマロニルCoA、メチルマロン酸、アセチルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、バレリルカルニチン、ヘキサノイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、パルミトイルカルニチン(C16)、ヘキセンジオイルカルニチン、3-ヒドロキシプロパノアート、1-ミリストイルグリセロホスホコリン(14:0)、2-ミリストイルグリセロホスホコリン、1-ペンタデカノイルグリセロホスホコリン(15:0)、1-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、1-ステアロイルグリセロホスホエタノールアミン、1,3-ジパルミトイルグリセロール、二硫酸5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオール、オロタート、ウリジン、ウラシル、3-ウレイドプロピオナート、ヒプラート、カテコールスルファート、フェニルカルニチン、プロピオナート、5-ヒドロキシトリプトファン、5-メチルチオアデノシン(MTA)、β-アラニン、ジメチルアルギニン(SDMA+ADMA)、グルタミン、N-アセチルアスパルタート(NAA)、N-アセチル-β-アラニン、トリプトファン、チロシン、2-ピロリドン、γ-グルタミルロイシン、O-スルホ-L-チロシン、パルミトイル-スフィンゴミエリン、γ-グルタミルイソロイシン、システインs-スルファート、2-アミノアジパート、フェニルアセチルグルタミン、3,4-ジヒドロキシフェニルアセタート、フェニルプロピオニルグリシン、2-ペンタンアミド-3-フェニルプロパン酸、2-ヒドロキシフェニルアセタート、N-アセチルロイシン、メチルスクシナート、エチルマロナート、グアニジノアセタート、β-ヒドロキシブチラート、N-カルバモイルアスパルタート、4-ウレイドブチラート、ヒプラート、2-メチルヒプラート、ベンゾアート、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート、4-フェニルブチラート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害が脂肪酸酸化障害であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、キシルロース、カプロアート(6:0)、ヘプタノアート(7:0)、カプリラート(C8)、ペラルゴナート(9:0)、カプラート(C10)、ミリストレアート(14:1n5)、エイコサペンタン酸(EPA)、ドコサヘキサエノアート(DHA;22:6n3)、アラキドナート(20:4n6)、スベラート(オクタンジオアート)、セバカート(C8)、ドデカンジオアート(C12)、ヘキサノイルグリシン(C6)、N-オクタノイルグリシン、ヘキサノイルカルニチン、オクタノイルカルニチン、デカノイルカルニチン、cis-4-デセノイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、パルミトイルカルニチン(C16)、ステアロイルカルニチン(C18)、オレオイルカルニチン(C18)、デオキシカルニチン、カルニチン、3-ヒドロキシデカノアート、5-ヒドロキシヘキサノアート、N-パルミトイルタウリン、1-マルガロイルグリセロホスホコリン(17:0)、1-ステアロイルグリセロホスホコリン(18:0)、1-ドコサペンタエノイルグリセロホスホコリン(22:5n3)、9-メチル尿酸、α-CEHC(2,5,7,8-テトラメチル-2-(2'-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン)スルファート、O-メチルカテコールスルファート、5,8-テトラデカジエン酸、メチルヘキサノイルグルタミン、7-デヒドロコレステロール、コレスタノール、N6-トリメチルリジン、ブチリルグリシン、1-ドコサヘキサエノイル-GPC(22:6DHA-GPC)、2-ヒドロキシグルタラート、3-メチルアジパート、4-オクテンジオアート、ヘプタノイルグリシン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がアセトアミノフェン誘導毒性であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、2-ヒドロキシアセトアミノフェンスルファート、2-メトキシアセトアミノフェンスルファート、3-(システイン-S-イル)アセトアミノフェン、4-アセトアミノフェンスルファート、4-アセトアミドフェノール、p-アセトアミドフェニルグルクロニス、グリコヒオコラート、クリコケノデオキシコラート、タウロコラート、タウロケノデオキシコラート、グルタチオン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害が糖尿病であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)、2-ヒドロキシブチラート(AHB)、3-ヒドロキシブチラート、グルコース、グリシン、イソロイシン、ロイシン、バリン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害が肝機能不全であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、グリココラート、グリコケノデオキシコラート、タウロコラート、タウロケノデオキシコラート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がサルコシン血症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、ジメチルグリシン、ベタイン、コリン、グリシン、サルコシン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がクエン酸輸送体欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、α-ケトグルタラート、スクシナート、フマラート、マラート、グルタマート、シトラート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害が高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、ウラシル、3-ウレイドプロピオナート、オロタート、グルタミン、N-アセチル-β-アラニン、ウリジン、N-アセチルアスパルタート(NAA)、ジメチルアルギニン(SDMA+ADMA)、5-メチルチオアデノシン(MTA)、β-アラニン、4-ウレイドブチラート、ホモシトルリン、オルニチン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害が芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、3-メトキシチロシン、5-ヒドロキシトリプトファン、L-ドーパ、ホモバニラート、5-ヒドロキシインドールアセタート、バニル乳酸、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がスミス・レムリ・オピッツ症候群であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、コレスタノール、7-デヒドロコレステロール、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害が原発性カルニチン欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、N6-トリメチルリジン、カルニチン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がシトリン欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、オロタート、シトルリン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がABAT欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、2-ピロリドン、GABA、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がGLUT1欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、フルクトース、マンノース、プロリルヒドロキシプロリン、ヒドロキシプロリン、グリシルプロリン、N-アセチルノイラミナート、ジメチルアルギニン(ADMA+SDMA)、グルタミン、γ-グルタミルグルタミン、N-アセチル-アスパルチル-グルタマート(NAAG)、N-アセチルグルタミン、エチルマロナート、クレアチン、グルコース、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がMGAであり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、3-メチルグルタリルカルニチン、3-メチルグルタコン酸、3-メチルグルタル酸、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がSCAD欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、ブチリルグリシン、エチルマロナート、ブチリルカルニチン、メチルスクシナート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がウロカナーゼ欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、cis-ウロカナート、trans-ウロカナート、イミダゾールプロピオナート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害が3-ヒドロキシイソブチリル-CoA加水分解酵素欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、3-ヒドロキシイソブチラート、イソブチリルグリシン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害が高シュウ酸尿症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、オキサラート、グリコラート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。特定された障害がBBOX欠損症であり、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットが、ヘキサデカンジオアート(C16)、ドコサジオアート、エイコサノジオアート、オクタデカンジオアート(C18)、ドデカンジオアート(C12)、2-アミノオクタノアート、2-アミノヘプタノアート、α-ヒドロキシイソカプロアート、イソバレラート(C5)、デカノイルカルニチン(C10)、cis-4-デセノイルカルニチン、パルミトイルカルニチン(C16)、オレオイルカルニチン(C18)、ラウリルカルニチン(C12)、ミリストレオイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、グリセロール、3-ヒドロキシミリスタート、2-ヒドロキシデカノアート、3-ヒドロキシラウラート、3-ヒドロキシセバカート、3-ヒドロキシオクタノアート、3-ヒドロキシデカノアート、ペラルゴナート(9:0)、カプロアート(6:0)、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の代謝産物を含む、請求項49記載の方法。複数の疾患または障害について疾患または障害を発症するリスクが高いかどうか個々の対象をスクリーニングするための方法であって、以下の工程: 個々の対象から試料を入手する工程; 試料中にある複数種の低分子それぞれの存在または非存在およびレベルに関する情報を含む試料の低分子プロファイルを作成する工程; 複数種の低分子のいずれかが試料中で異常なレベルを有するかどうか確かめるために、該試料の低分子プロファイルと、複数種の低分子それぞれのレベルの標準範囲を含む参照低分子プロファイルとを比較する工程であって、該試料中にある低分子の異常なレベルが、該低分子の標準範囲外にあるレベルである、工程; 試料中にある複数種の低分子のいずれかの異常なレベルを有する低分子プロファイルについて、それぞれの低分子が試料中で異常なレベルを有する、低分子のサブセットを特定する工程; ここで、該比較および特定が、計算装置のプロセッサ上で動作する分析機能を用いて行われ; 試料中にある複数種の低分子のいずれかの異常なレベルを有する低分子プロファイルについて、該低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいてデータベースから診断情報を得る工程であって、データベースが、複数の疾患および障害それぞれについて、複数種の低分子のうちの1種類または複数種の低分子の異常なレベルを、疾患または障害に関する情報と関連付ける情報を含む、工程; 試料中にある複数種の低分子のいずれかの異常なレベルを有する低分子プロファイルについて、得られた診断情報を記憶する工程であって、記憶された診断情報が、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた疾患または障害を発症するリスクが高いことの特定を含む、工程;ならびに 試料中にある複数種の低分子のいずれの異常なレベルも有さない低分子プロファイルについて、異常なレベルが検出されなかったことを示す情報を記憶する工程 を含み、 それによって、複数の疾患および障害について疾患または障害を発症するリスクが高いかどうか個々の対象をスクリーニングする、方法。複数の疾患または障害がアセトアミノフェン過剰投与および糖尿病を含む、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害がアセトアミノフェン過剰投与を含み、2-ヒドロキシアセトアミノフェンスルファート、2-メトイアセトアミノフェンスルファート、2-(システイン-S-イル)アセトアミノフェン、4-アセトアミノフェンスルファート、4-アセトアミドールフェノール、p-アセトアミドフェニルグルクロニド、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベル、ならびにグリコヒオコラート、グリコケノデオキシコラート、タウロコラート、タウオルケノデオキシコラート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、アセトアミノフェン過剰投与のリスクが高いことを示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害が糖尿病を含み、2-ヒドロキシブチラート、3-ヒドロキシブチラート、1,5-アンヒドログルシトール、グリシン、イソロイシン、ロイシン、バリン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、糖尿病を発症するリスクが高いことを示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害が肝臓疾患を含み、グリココラート、グリコケノデオキシコラート、タウロコラート、タウロケノデオキシコラート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、肝機能が損なわれていること、および肝臓疾患を発症するリスクが高いことを示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害が代謝疾患を含み、1,5-アンドログルシトール(1,5AG)、1-リノレオイルグリセロホスホコリン(18:2n6、LGCP)、2-ヒドロキシブチラート(AHB)、3-ヒドロキシブチラート(BHBA)、3-ヒドロキシイソブチラート、3-メチル-2-オキソブチラート、3-メチル-2-オキソバレラート、4-メチル-2-オキソペンタノアート、アラニン、フルクトース、グルコース、グルタマート、グリシン、イソレロイシン、ロイシン、マンノース、オレアート(18:1n9)、パルムリトイルカルニチン、フェニルアラニン、セリン、チロシン、バリン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、代謝疾患のリスクを示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害が心血管機能不全を含み、アデノシン、アゼラート、コルセトロール、クレアチニン、ドデカンジオアート、ヘキサデカンジオアート、ヒスチジン、オクタデカンジオアート、フェニルアラニン、セバカート、テトラデカンジオアート、ウラート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、心血管機能不全のリスクを示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害が腎機能不全を含み、3-インドキシルスルファート、3-メチルヒチジン、4-アセトアミドブタノアート、アラビトール、C-グリコシルトリプトファン、クレアチニン、エルトリトール、インドールアセタート、キヌレニン、ラソステロール、ミオイノシトール、N2,N2-ジメチルグアノシン、N-アセチルアラニン、N-アセチルセリン、N-アセチルスレオニン、N-ホルミルメチオニン、フィルアセチルグルタミン、プソイドウリジン、スクシニルカルニチン、trans-4-ヒドロキシプロリン、トリプトファン、尿素、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、腎機能不全のリスクを示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害が機能不全を含み、ルボキシ-4-メチル-5-プロピル-2-フラノプロパノアート、3-フィルプロピオナート(ヒドロシンナマート)、α-トコフェロール、アスパラギン、ベンゾアート、ビリルビン(Z,Z)、ブチリルカルニチン、γ-グルタミルバリン、グリセラート、グリシン、インドエプロピオナート、N-アセチルグリシン、プロリン、プソイドウリジン、ピリドキサート、セリン、スクシニルカルニチン、トレオナート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、肺機能不全のリスクを示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害が炎症を含み、13-HODE+9-HODE、アラキドナート(20:4n6)、コルチゾール、ドコサヘキサエノアート(DHA、22:6n3)、エイコサペンタエノアート(EPA、20:5n3)、キヌレナート、キヌレニン、キノリナート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、炎症を示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害がホルモンアンバランスを含み、硫酸プレグネノロン、一硫酸21-ヒドロキシプレグネノロン、二硫酸21-ヒドロキシプレグネノロン、5-プレグネン-3b,17-ジオール-20-オン3-スルファート、一硫酸5α-プレグナン-3β,20α-ジオール、二硫酸5α-プレグナン-3β,20α-ジオール、プレグナンジオール-3-グルクロニド、コルチゾール、コルチコステロン、11-デヒドロコルチコステロン、コルチゾン、硫酸デヒドロイソアンドロステロン(DHEA-S)、16a-ヒドロキシDHEA 3-スルファート、硫酸エピアンドロステロン、硫酸アンドロステロン、一硫酸5α-アンドロスタン-3α,17α-ジオール、二硫酸5α-アンドロスタン-3α,17α-ジオール、エチオコラノロングルクロニド、11-ケトエチオコラノロングルクロニド、一硫酸4-アンドロステン-3β,17β-ジオール、二硫酸4-アンドロステン-3β,17β-ジオール、硫酸テストステロン、一硫酸5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオール、二硫酸5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオール、一硫酸5α-アンドロスタン-3β,17β-ジオール、二硫酸5α-アンドロスタン-3β,17β-ジオール、エストロン3-スルファート、チロキシン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、ホルモンアンバランスのリスクを示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害が酸化ストレスを含み、13-HODE+9-HODE、5-オキソプロリン、アラントイン、α-トコフェロール、アンセリン、ビリルビン(Z,Z)、ビリベルジン、cys-gly,酸化型、システイン-グルタチオンジスルフィド、システイン、γ-トコフェロール、ヒポキサンチン、メチオニンスルホン、メチオニンスルホキシド、トレオナート、ウラート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、酸化ストレスのリスクを示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害がミトコンドリア機能不全を含み、ホモシトルリン、ロイシン、4-メチル-2-オキソペンタノアート、イソバレラート、イソバレリルグリシン、イソバレリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、α-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、3-メチルグルタコナート、α-ヒドロキシイソバレラート、メチルスクシナート、イソロイシン、3-メチル-2-オキソバレラート、2-メチルブチリルカルニチン(C5)、チグリルカルニチン、チグロイルグリシン、2-ヒドロキシ-3-メチルバレラート、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、エチルマロナート、バリン、3-メチル-2-オキソブチラート、イソブチリルカルニチン、イソブチリルグリシン、3-ヒドロキシイソブチラート、α-ヒドロキシイソカプロアート、アゼラート(ノナンジオアート)、セバカート(デカンジオアート)、ドデカンジオアート、テトラデカンジオアート、ヘキサデカンジオアート、オクタデカンジオアート、ホルミルメチオニン、アラニン、ラクタート、シトラート、α-ケトグルタラート、スクシニルカルニチン、スクシナート、フマラート、マラート、パルミトイルカルニチン、ステアロイルカルニチン、オレオイルカルニチン、BHBA、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、ミトコンドリア機能不全のリスクを示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害がストレス反応を含み、コルチゾール、コルチゾン、グルコース、チロキシン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、ストレス増加を示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害が代謝老化を含み、ルボキシ-4-メチル-5-プロピル-2-フラノプロアノアート、C-グリコシルトリプトファン、シトラート、シトルリン、クレアチニン、硫酸デヒドロイソアンドロステロン(DHEA-S)、エイコサペンタエノアート(EPA、20:5n3)、エリスリトール、グルコース、グルタマート、グリシン、ロイシン、ミオイノシトール、パルミトレオイルスフィンゴミエリン、p-クレゾールスルファート、フェニルアセチルグタミン、プソイドウリジン、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、代謝老化増加のリスクを示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害がマイクロバイオームアンバランスを含み、3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、3-(3-(スルホオキシ)フェニル)プロパン酸、3-ヒドロキシヒプラート、3-インドキシルスルファート、3-フェニルプロピオナート(ヒドロシンナマート)、4-エチルフェニルスルファート、4-ヒドロキシヒプラート、4-ヒドロキシフェニルピルバート、4-ビニルフェノールスルファート、5-ヒドロキシインドールアセタート、ケノデオキシコラート、コラート、デオキシコラート、グリココレナートスルファート、グルコデオキシコラート、グリコホコラート、グリコリトコラート、グリコリトコラートスルファート、グリコウルソデオキシコラート、ヒプラート、ヒオデオキシコラート、インドールアセタート、インドールアセチルグルタミン、インドールブチラート、インドールラクト、インドールプロイオナート、p-クレオソールスルファート、o-クレオソールスルファート、p-クレゾール-グルクロニド、フェノールスルファート、フェニルアセタート、フェニルアセチルグタミン、フェニルラクタート(PLA)、タウロコレナートスルファート、タウロデオキシコラート、タウロリトコラート3-スルファート、タウロウルソデオキシコラート、ウルソデオキシコラート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、マイクロバイオームアンバランスのリスクを示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害が多量栄養素アンバランスを含み、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、バリン、リジン、メチオニン、フェニルアラミン、トリプトファン、スレオニン、アラニン、アルギニン、アスパルタート、システイン、グルタマート、グルタミン、グリシン、プロリン、セリン、チロシン、アスパラギン、コリン、リノレナート[αまたはγ;(18:3n3または6)]、リノレアート(18:2n6)、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、多量栄養素アンバランスのリスクを示す、請求項104記載の方法。複数の疾患または障害が大気汚染曝露を含み、α-トコフェロール、アスパラギン、ベンゾアート、グリセラート、グリシン、N-アセチルグリシン、セリン、トレオナート、およびその組み合わせからなる群より選択される1種類または複数種の低分子の異常なレベルが、大気汚染への曝露を示す、請求項104記載の方法。

说明书全文

関連出願 本願は、2014年8月8日に出願された米国特許仮出願第61/976,886号、2014年8月14日に出願された米国特許仮出願第62/037,422号、および2015年2月19日に出願された米国特許仮出願第62/118,338号に係る優先権を主張する。これらの全ての内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。

背景 メタボロミクスは、生物学的試料中にある全ての低分子(代謝産物)を測定することを目標とする急速に発展している分野である。代謝産物は、遺伝子機能と環境影響と健康/疾患エンドポイントを結ぶ橋渡しの役をする中間の生物プロセスに相当する(Suhre, K. & Gieger, C. Genetic variation in metabolic phenotypes: study designs and applications. Nat Rev Genet 13, 759-769(2012)(非特許文献1))。代謝表現型とゲノミクスを用いると、遺伝子機能、疾患病態、ならびに疾患の診断および予後のためのバイオマーカーへの新たな洞察を得ることができる(Suhre, K. et al. Human metabolic individuality in biomedical and pharmaceutical research. Nature 477, 54-60 (2011)(非特許文献2); Milburn, M.V. & Lawton, K.A. Application of metabolomics to diagnosis of insulin resistance. Annu Rev Med 64, 291-305(2013)(非特許文献3))。

今世紀の初頭から、メタボロミクスは科学研究と発見において居場所を見つけてきた。このアプローチは、様々な適応症のバイオマーカーを特定するために広く、かつ首尾よく用いられてきた。しかしながら、メタボロミクスは個々の患者における疾患を診断するために広く用いられたことがない。

現在、臨床診断検査では、1種類の化合物(例えば、尿有機酸)から最大で100種類の生化学化合物、典型的には、1種類の生化学物質だけが測定され、このため多くの診断検査を行うことが必要とされる。典型的には、検査は次から次へと行われ、十分な量の試料(例えば、1回の検査につき少なくとも0.5mL)が必要とされ、場合によっては、前記試料を得るために侵襲方法(例えば、組織生検)が必要とされる場合がある。

Suhre, K. & Gieger, C. Genetic variation in metabolic phenotypes: study designs and applications. Nat Rev Genet 13, 759-769(2012)

Suhre, K. et al. Human metabolic individuality in biomedical and pharmaceutical research. Nature 477, 54-60 (2011)

Milburn, M.V. & Lawton, K.A. Application of metabolomics to diagnosis of insulin resistance. Annu Rev Med 64, 291-305(2013)

概要 本明細書に記載の一部の態様は、臨床の場で未知の疾患(または対照として、既知の疾患)をもつ症候性個体と無症候性個体の代謝プロファイリングを用いるシステム、方法、および器具を含む。一部の態様では、症候性個体のメタボロームプロファイリングは、これらの個体において観察された症状の原因である疾患または障害の診断を支援する。一部の態様では、症候性個体のメタボロームプロファイリングは個体の疾患の重篤度を決定する。一部の態様において、無症候性個体のメタボロームプロファイリングは健康リスクを明らかにし、これにより、症状および疾患が開始する前または疾患の初期段階での治療介入が可能になる。本明細書に記載の実施例では、個体に由来する生物学的試料が、生化学物質および関連する生化学経路の変化(増加または減少、存在または非存在)について調査され、疾患および障害に関連する生化学サブ経路および生化学経路の混乱を示す、内因性低分子、食事性低分子、微生物性低分子、および生体異物性低分子(すなわち、代謝産物、生化学物質、化学物質、化合物)の変化が検出され、個体集団の中にいる各個体を対象にして、いくつかの疾患もしくは障害を有する個体またはいくつかの疾患もしくは障害のリスクがある個体が特定された。この実施例では、個体集団の中にいる各個体を対象にして、個体に由来する1つの生物学的試料が、内因性低分子、食事性低分子、微生物性低分子、および生体異物性低分子の存在、非存在、または異常なレベルについて同時に調査された。生物学的試料の同時調査は、生物学的試料の生化学プロファイルを自動的に作成し、次いで、生化学プロファイルデータを自動的に統計解析して、統計アウトライアーである低分子を特定する工程を含んだ。この実施例から、症候性個体に由来する試料の作成された生化学プロファイルと、作成された生化学プロファイルの自動統計解析から、症候性個体の診断を支援する、混乱した生化学経路もしくは異常な生化学経路および/または異常なレベルの低分子が明らかになることが証明された。一部の態様において、混乱した生化学経路もしくは異常な生化学経路および/または異常なレベルの低分子の特定を支援するために、作成された生化学プロファイルの自動統計解析の結果が視覚化されてもよい。一部の態様において、特定された混乱した生化学経路もしくは異常な生化学経路および/または異常なレベルの低分子に関連する1つまたは複数の可能性のある診断のリストが表示される。一部の態様において、特定された混乱した生化学経路もしくは異常な生化学経路および/または異常なレベルの低分子に関連する、さらなる診断検査および診断法のリストが表示される。一部の態様において、本発明のシステム、方法、および器具は、個体の疾患を診断し、個体の健康状態の臨床評価を改善する能を広げる。

一態様において、症候性個体の診断を支援するための方法が提供される。

一態様において、前記症候性個体は新生児である。

一態様において、「健常な」臨床コホートの中にいるリスク個体(すなわち、無症候性個体)を特定するための方法が提供される。

一態様において、無症候性個体は新生児である。

一態様において、診断される疾患は希少疾患である。

態様は、個々の対象における疾患または障害の診断を容易にするための方法を含む。前記方法は、個々の対象から試料を入手する工程、ならびに試料中にある複数種の低分子それぞれの存在または非存在およびレベルに関する情報を含む試料の低分子プロファイルを作成する工程を含む。前記方法はまた、試料の低分子プロファイルと、複数種の低分子それぞれのレベルの標準範囲を含む参照低分子プロファイルを比較する工程、およびそれぞれが異常なレベルを有する、試料中にある低分子のサブセットを特定する工程も含む。試料中にある低分子の異常なレベルは、低分子の標準範囲外にあるレベルである。比較および特定は、計算装置のプロセッサ上で動作する分析機能(analysis facility)を用いて行われる。前記方法は、低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいてデータベースから診断情報を得る工程をさらに含む。データベースは、複数の疾患および障害それぞれについて、複数種の低分子のうちの1種類または複数種の低分子の異常なレベルを、疾患または障害に関する情報と関連付ける情報を保持する。前記方法はまた、得られた診断情報を記憶する工程も含む。記憶された診断情報は、以下:異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの生化学経路の特定、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの疾患または障害の特定、および異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの推奨されるフォローアップ検査の特定、の1つまたは複数を含む。

一態様において、診断される疾患または障害は複数の疾患および障害のいずれかである。前記疾患および障害には、尿素サイクル障害、有機酸血症、アミノ酸代謝および輸送の障害、脂肪酸酸化障害、炭化物代謝の障害、ヌクレオシド合成および再利用の欠陥、金属輸送の障害、神経伝達物質および小ペプチドの障害、ミトコンドリアエネルギー代謝の障害、リソソーム蓄積症、タンパク質グリコシル化の障害、ペントースリン酸代謝の障害、グルコース輸送の障害、ケトン体生成およびケトン分解の障害、ビタミン/補因子合成および再利用の障害、脂質代謝および胆汁酸代謝の障害、ならびにペルオキシソーム病を含むヒト遺伝性代謝障害が含まれるが、これに限定されない。

別の態様は、複数の疾患または障害について個々の対象をスクリーニングする方法を含む。前記方法は、個々の対象から試料を入手する工程、ならびに試料中にある複数種の低分子それぞれの存在または非存在およびレベルに関する情報を含む試料の低分子プロファイルを作成する工程を含む。前記方法は、複数種の低分子のいずれかが試料中で異常なレベルを有するかどうか確かめるために、試料の低分子プロファイルと、複数種の低分子それぞれのレベルの標準範囲を含む参照低分子プロファイルとを比較する工程をさらに含む。試料中にある低分子の異常なレベルは、低分子の標準範囲外にあるレベルである。試料中にある複数種の低分子のいずれかの異常なレベルを有する低分子プロファイルについて、それぞれの低分子が試料中で異常なレベルを有する、低分子のサブセットが特定される。比較および特定は、計算装置のプロセッサ上で動作する分析機能を用いて行われる。試料中にある複数種の低分子のいずれかの異常なレベルを有する低分子プロファイルについて、低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいてデータベースから診断情報が得られる。データベースは、複数の疾患および障害それぞれについて、複数種の低分子のうちの1種類または複数種の低分子の異常なレベルを、疾患または障害に関する情報と関連付ける情報を含む。試料中にある複数種の低分子のいずれかの異常なレベルを有する低分子プロファイルについて、得られた診断情報は記憶される。記憶された診断情報は、以下:異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの生化学経路の特定、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの疾患または障害の特定、および異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの推奨されるフォローアップ検査の特定、の1つまたは複数を含む。試料中にある複数種の低分子のいずれの異常なレベルも有さない低分子プロファイルについて、異常なレベルが検出されなかったことを示す情報が記憶される。

態様は、複数の疾患または障害について疾患または障害を発症するリスクが高いかどうか個々の対象をスクリーニングするための方法を含む。前記方法は、個々の対象から試料を入手する工程、ならびに試料中にある複数種の低分子それぞれの存在または非存在およびレベルに関する情報を含む試料の低分子プロファイルを作成する工程を含む。前記方法はまた、複数種の低分子のいずれかが試料中で異常なレベルを有するかどうか確かめるために、試料の低分子プロファイルと、複数種の低分子それぞれのレベルの標準範囲を含む参照低分子プロファイルとを比較する工程も含む。試料中にある低分子の異常なレベルは、低分子の標準範囲外にあるレベルである。試料中にある複数種の低分子のいずれかの異常なレベルを有する低分子プロファイルについて、それぞれの低分子が試料中で異常なレベルを有する、低分子のサブセットが特定され、ここで、比較および特定は、計算装置のプロセッサ上で動作する分析機能を用いて行われる。試料中にある複数種の低分子のいずれかの異常なレベルを有する低分子プロファイルについて、低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいてデータベースから診断情報が得られる。データベースは、複数の疾患および障害それぞれについて、複数種の低分子のうちの1種類または複数種の低分子の異常なレベルを、疾患または障害に関する情報と関連付ける情報を含む。試料中にある複数種の低分子のいずれかの異常なレベルを有する低分子プロファイルについて、得られた診断情報は記憶される。記憶された診断情報は、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた疾患または障害を発症するリスクが高いことの特定を含む。試料中にある複数種の低分子のいずれの異常なレベルも有さない低分子プロファイルについて、異常なレベルが検出されなかったことを示す情報が記憶される。

態様に従う、個々の対象における疾患または障害の診断を容易にするための方法のブロック図である。

態様に従う、複数の疾患または障害について個々の対象をスクリーニングするための方法のブロック図である。

態様に従う、疾患または障害を発症するリスクが高いかどうか個々の対象をスクリーニングするための方法のブロック図である。

患者113を対象にした8つの生化学スーパー経路(super-pathway)および各経路の分類状態の視覚表示を図にしたものである。

患者113を対象にした全ての生化学サブ経路(subpathway)の状態の例示的な視覚表示である。

患者113を対象にした異常な生化学サブ経路の視覚表示を図にしたものである。

患者113を対象にした個々の異常生化学物質の例示的な視覚表示である。

障害を診断するか、または診断用生化学物質と生化学的に関連するZ-スコア分析に基づいた患者113を対象にした個々の異常生化学物質の視覚表示の一例である。

患者101を対象にした個々の異常生化学物質の視覚表示の一例である。図9の中にある1-ペンタデカノイルグリセロホスホコリン(pentadecanoylglycerophosphocholin)」とは1-ペンタデカノイルグリセロホスホコリン(15:0)を意味し、「15-メチルパルミタート-同重核(isobar-with)-2-メト(meth)」とは15-メチルパルミタート(2-メチルパルミタートと同重核)を意味し、「3-カルボキシ-4-メチル-5-プロピル-2-フランプロ」とは3-カルボキシ-4-メチル-5-プロピル-2-フランプロパノアート(CMPF)を意味する。

患者101について異常だと確かめられた生化学サブ経路の視覚表示を図にしたものである。図10の中にある「薬物」とは生体異物性薬物代謝産物を指す。「脂肪酸代謝、BCAA代謝も(Fatty.Acid.Metabolism.Also.BCAA.Meta...)」とは脂肪酸代謝(BCAA代謝も)を意味し、「ピリミジン代謝、チミン含有(Pyrimidine.Metabolism.Thymine.Conta...)」とはピリミジン代謝(チミン含有)を意味する。

患者139を対象にした個々の異常生化学物質の視覚表示を図にしたものである。図11の中にある「1-エイコサペンタエノイルグリセロホスホエタ...」とは1-エイコサペンタエノイルグリセロホスホエタノールアミン意味し、「2-アラキドノイルグリセロホスホエタノール...」とは2-アラキドノイルグリセロホスホエタノールアミンを意味する。

患者120844を対象にした個々の異常生化学物質の視覚表示の一例である。図12の中にある「5-アセチルアミノ-6-ホルミルアミノ-3-メチル..」とは5-アセチルアミノ-6-ホルミルアミノ-3-メチルウラシルを意味し、「5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオール...」とは二硫酸5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオールを意味する。

患者135109を対象にした個々の異常生化学物質の例示的な視覚表示である。

患者135308を対象にした個々の異常生化学物質の視覚表示を図にしたものである。図14の中にある「3-カルボキシ-4-メチル-5-プロピル-2-フランプロ...」とは3-カルボキシ-4-メチル-5-プロピル-2-フランプロパノアート(CMPF)を意味する。

51人の患者に由来する異常代謝産物のある分枝アミノ酸(BCAA)生化学経路と、経路にマッピングされたBCAA代謝障害の視覚表示の一例である。障害は数字1〜7で示される。ひし形は、特定の障害について、分かっている生化学経路の破壊を示す。

実施例4における患者の補充療法の結果として変化した代謝産物の例示的な視覚表示中のプロットである。図16Aは、患者のIEM障害によって分けられた、または「ビン分割された(binned)」、補充カルニチンによる治療を受けていた患者において測定したトリメチルアミンN-オキシドレベルの変化のプロットである。プロットにより示されるように補充カルニチンはトリメチルアミンN-オキシドレベルを増やす。図16Bは、患者のIEM障害によってビン分割された、アンモニア除去フェニルブチラート療法(ammonia scavenging phenylbutyrate therapy)を受けていた患者におけるフェニルアクチルグルタミン(phenylactylglutamine)レベルの変化のプロットである。プロットにより示されるように、アンモニア除去フェニルブチラート療法によってフェニルアセチルグルタミンは増加する。図16Cは、患者のIEM障害によってビン分割された、補充クレアチンによる治療を受けた患者において測定したクレアチンレベルの変化のプロットである。プロットにより示されるように、クレアチンは血漿中で直接測定することができる。「その他」とは、示されたビン分割されたクラスの1つに属さないIEMをもつ残りの患者を指す。

アルギニン血症に関連する生化学経路と、経路にマッピングされた異常代謝産物の例示的な視覚表示である。患者は数字1〜4で示される。ひし形は、アルギニン血症における欠損酵素の場所を示す。値はz-スコア(y軸)であり、灰色の破線は>2または<-2のz-スコアを示す。経路中間体は、(1)アルギニン、(2)アルギニノスクシナート、(3)シトルリン、(4)オルニチン、(5)カルバモイルホスファート、(6)オロタート、(7)ウリジン、(8)ウラシル、(9)ジヒドロウラシル、(10)3-ウレイドプロピオナート、(11)ホモアルギニン、(12)ホモアルギニノスクシナート、および(13)ホモシトルリンの番号を付けた丸によって示される。

各対象の代謝産物アウトライアーの総数を順位で示した図による表示である。

アセトアミノフェン代謝産物、4種類の一次胆汁酸、およびグルタチオンについてコホート内のデータ分布を示したドットプロットの例示的な視覚表示を示す。黒色の点は3976または3958の代謝産物レベルを示す。白色の点はコホートの残りのデータ分布を示す。箱は分布の中央50%を表し、左と右の「ひげ」はデータの広がり全体を表す。垂直線は中央値を指し、プラスの記号は平均を表す。

エネルギー代謝のための簡略した代謝スキームの例示的な視覚表示と、コホートにおける、II型糖尿病と関連することが分かっている重要な代謝産物のデータ分布を示したドットプロットを示す。黒色の点はプロットの隣に表示された特定の対象の代謝産物レベルを示す。白色の点はコホートの残りのデータ分布を示す。箱は分布の中央50%を表し、左と右の「ひげ」はデータの広がり全体を表す。垂直線は中央値を指し、プラスの記号は平均を表す。

胆汁酸循環の視覚表示の図および4種類の一次胆汁酸についてコホート内のデータ分布を示したドットプロットを示す。黒色の点は3917または3952の代謝産物レベルを示す。白色の点はコホートの残りのデータ分布を示す。箱は分布の中央50%を表し、左と右の「ひげ」はデータの広がり全体を表す。垂直線は中央値を指し、プラスの記号は平均を表す。

一部の態様による、一部の例示的な方法の一部の工程を実施する際に使用するための計算装置のブロック図である。

態様に従う、個体の分析結果を示し、疾患リスクスコアを含む個体の臨床状態を報告する例示的な報告書である。

対象におけるイソ吉草酸血症の診断を支援するための例示的な疾患特異的または障害特異的な複合スコアリング方法のスコアの視覚表示の図を示す。200個の患者試料の複合スコアを示した。2人のイソ吉草酸血症対象の複合スコアを黒色四で示した。

対象におけるリジン尿性タンパク質不耐症の診断を支援するための例示的な疾患特異的または障害特異的な複合スコアリング方法のスコアの視覚表示の図を示す。200個の患者試料の複合スコアを示した。2人のリジン尿性タンパク質不耐症対象の複合スコアを黒色四角で示した。

詳細な説明 個々の対象の疾患を診断するか、または疾患の診断を支援するためには、少量(例えば、100μl以下)の試料を用いて、複数の生化学物質クラスおよび生化学経路の中にある数百種類もの生化学物質を測定することができる単回検査があることが望ましい。このような検査は現行の臨床診断検査より早期に疾患を特定することもでき、そのため、早期に治療および/または介入を行うことが可能になる。このような検査は、健常な、もしくは無症候性の個体において疾患の代謝適応症を早期に検出するのに、または健康評価として有用な可能性がある。このような検査は、診断がなされていない症候性個体において有用な可能性がある。このような検査は、多量の試料を複数得ることが難しい場合がある新生児において特に有用な可能性がある。

増え続けている医療費を抑制し、生活の質を維持するためには、臨床診療においてより高度な、かつ情報価値の高い技術を取り入れて疾患予防および早期診断を教え導くことが重要視されている。本明細書に記載の技術の一部の態様では、個体の包括的な代謝表現型を得るための効率的かつ効果的なアプローチが用いられる。このアプローチは、小さな試料サイズに基づいて、個体の健康状態を評価し、疾患の診断を支援するのに有用な可能性がある。

定義 「試料」または「生物学的試料」または「標本」とは、対象から単離された生物学的材料を意味する。生物学的試料は、望ましいバイオマーカーを検出するのに適した任意の生物学的材料を含有してもよく、対象に由来する細胞材料および/または非細胞材料を含んでもよい。試料は、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料などの任意の適切な生物学的組織または生物学的液体から単離することができる。試料は、例えば、血液試料が濾紙に吸い取られ、乾かされた乾燥血液スポットでもよい。

「対象」とは任意の動物を意味するが、好ましくは、例えば、ヒト、サル、非ヒト霊長類、ラット、マウス、ウシ、イヌ、ネコ、ブタ、ウマ、またはウサギなどの哺乳動物である。前記対象は症候性でもよく(すなわち、疾患、状態、または障害を遺伝学的に示すものを含む、疾患、状態、または障害の存在または素因を示唆する1つまたは複数の特徴があってもよく)、無症候性でもよい(すなわち、前記特徴がなくてもよい)。前記対象は新生児でもよい。前記対象は乳児でもよい。前記対象は子供または年少者でもよい。前記対象は成人でもよい。

「ヒト乳児」とは、人生の最も初期の期間にある、特に、歩くことができる前の、典型的には出生時から1歳までのヒトの幼い子供を意味する。

「ヒト新生児」とは誕生から始まって、誕生後28日まで続く期間を意味する。

1種類または複数種のバイオマーカーの「レベル」とは、試料中にあるバイオマーカーの絶対量もしくは相対量または濃度を意味する。

「低分子」、「代謝産物」、「生化学物質」とは、細胞に存在する有機分子および無機分子を意味する。この用語は、大きな高分子、例えば、大きなタンパク質(例えば、分子量が2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、もしくは10,000より大きなタンパク質)も、大きな核酸(例えば、分子量が2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、もしくは10,000より大きな核酸)も、大きな多糖(例えば、分子量が2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、もしくは10,000より大きな多糖)も含まない。細胞の低分子は一般的に細胞質またはミトコンドリアなどの他の細胞小器官の中で溶解して遊離状態で見出される。これらの場所で、細胞の低分子は中間体のプールを形成し、中間体のプールはさらに代謝されるか、または高分子と呼ばれる大きな分子を生成するのに用いられる。「低分子」という用語は、シグナル伝達分子、および食物由来エネルギーを使用可能な形態に変える化学反応の中間体を含む。低分子の非限定的な例には、細胞プロセスの間に形成される糖、脂肪酸、アミノ酸、ヌクレオチド、中間体、および細胞内に見出される他の低分子が含まれる。

「内因性低分子」とは、ヒト対象に由来する低分子またはヒト対象の中で産生された低分子を意味する。

「食事性低分子」とは、典型的には植物に由来し、ヒトでは内因的に産生されない、食事から生じた低分子、例えば、必須アミノ酸および必須脂肪酸を意味する。

「生体異物性低分子」または「生体異物」とは、通常、天然では産生されないか、または生物の中に存在すると予想されない、生物の中で見出された低分子を意味する。本明細書で使用する生体異物性低分子とは、薬物(例えば、抗生物質)、毒素、毒物、または汚染物質(例えば、ダイオキシン、ポリ塩化ビフェニル)などの化学物質を指す。

「微生物性低分子」とは、微生物から生じ、ヒトでは産生されない低分子(例えば、3-インドキシルスルファート)を意味する。

「異常な」または「異常代謝産物」または「異常なレベル」とは、規定された標準範囲より上の、または規定された標準範囲より下の代謝産物または前記代謝産物のレベルを指す。例えば、一部の代謝産物について、少なくとも1.5*IQR(四分位範囲)の外にある対数変換したレベルは異常である。別の例で、一部の代謝産物について、少なくとも3.0*IQRの外にある対数変換したレベルは異常だと特定される。一部の例では、少なくとも1.5*IQRの外にある対数変換したレベルが異常であると仮定してデータを分析し、一部の例では、少なくとも3.0*IQRの外にある対数変換したレベルが異常だと仮定してデータを分析した。別の例で、一部の代謝産物について、対数変換したレベルのZ-スコアが>1または<-1である代謝産物は異常である。一部の態様において、一部の代謝産物について、対数変換したレベルのZ-スコアが>1.5または<-1.5である代謝産物は異常である。一部の態様において、一部の代謝産物について、対数変換したレベルのZ-スコアが>2.0または<-2.0である代謝産物は異常である。一部の態様において、異なる代謝産物についてZ-スコアの異なる範囲が用いられる。一部の態様において、規定された標準範囲は、対数変換したレベルのIQRの代わりにレベルのIQRに基づいてもよい。一部の態様において、規定された標準範囲は、対数変換したレベルZ-スコアの代わりにレベルのZ-スコアに基づいてもよい。異常代謝産物はまた、下記で定義されるような希少代謝産物、および/または欠損代謝産物も含んでもよい。任意の統計学的方法を用いて異常代謝産物を確かめることができる。

「アウトライアー」または「アウトライアー値」とは、規定された標準範囲より上のレベルまたは規定された標準範囲より下のレベルを有する任意の生化学物質を指す。任意の統計学的方法を用いてアウトライアー値を決定することができる。非限定的な例として、アウトライアーを特定するために、以下の検定:t検定、Z-スコア、改良Z-スコア(modified Z-score)、グラブス(Grubbs)検定、ティエッツェン・ムーア(Tietjen-Moore)検定、一般化極限スチューデント化偏差(Generalized Extreme Studentized Deviate)(ESD)が用いられてもよく、これらを変換データ(例えば、対数変換)または非変換データに対して行うことができる。

「経路」とは、互いに結び付いている一連の工程または反応を規定するために一般的に用いられる用語である。例えば、ある反応の産物が後の反応の基質となる生化学経路。生化学反応は必ずしも直線的であるとは限らない。もっと正確に言うと、生化学経路という用語は、生合成反応および異化反応を含む代謝に関与する相互関連生化学反応のネットワークを含むと理解される。修飾語のない「経路」は「スーパー経路」および/または「サブ経路」を指すことがある。「スーパー経路」とは代謝の広範なカテゴリーを指す。「サブ経路」とは、さらに広範な経路の中の任意のサブセットを指す。例えば、グルタミン酸代謝は、アミノ酸代謝生化学スーパー経路のサブ経路である。「異常経路」とは、1つまたは複数の異常生化学物質がマッピングされている経路、または個体のその経路の生化学距離(biochemical distance)が、集団におけるその経路の予想された生化学距離と比較された時に長い経路を意味する(例えば、個体のその経路の生化学距離は、ある特定の経路について参照対象に由来する試料の集団と比較された時に最上位10%の中にある)。

「希少疾患」または「オーファン疾患」は、集団のわずかな割合、典型的には、米国立衛生研究所によれば、ある時に200,000人未満の米国人に罹患する任意の疾患である。

「検査試料」とは、分析しようとする個々の対象に由来する試料を意味する。

「参照試料」とは、低分子のレベルの標準範囲を求めるために用いられる試料を意味する。「参照試料」とは、年齢および性別の点で検査対象によく似るように選択されることがある、個々の参照対象(例えば、正常(健常)参照対象または疾患参照対象)に由来する個々の試料を指すことがある。「参照試料」とはまた、個々の参照対象の参照試料に由来するプールされたアリコートを含む試料も指すことがある。

「アンカー試料(anchor sample)」とは、複数の分析において操作される試料を指し、同じアンカー試料が操作された任意の分析からの結果を比較するのに用いられることがある。場合によっては、参照試料がアンカー試料としても役立つことがある。

「マトリックス試料」とは、年齢および性別の点で一般集団に最も似ているように設計されたプールされた試料を指す。これは、年齢および性別が一致する適切な試料からアリコートを採取し、これらを混ぜ合わせて1つの試料プールにすることによって調製される。これらのマトリックス試料はプラットフォーム操作全体を通して注入され、技術的反復試験片(replicate)として役立ち、これを用いると、一貫して検出された全生化学物質の定量のばらつきを確かめ、プロセス全体のばらつき、およびプラットフォームの性能をモニタリングすることが可能になる。

「希少代謝産物」または「希少生化学物質」とは、検査試料に存在するが、参照試料では稀にしか観察されない生化学物質を指す。「希少」代謝産物は、参照試料において存在しないか、検出限界未満であるか、または参照試料のほんのわずかな部分にしか存在しないか、参照試料のほんのわずかな部分において検出される(例えば、参照試料の15%未満で検出されるか、または参照試料の10%未満で検出される)。

「欠損代謝産物」または「欠損生化学物質」とは、検査試料のプロファイルには検出されないが、参照試料のプロファイルにおいて検出されるか、または参照試料の90%超で検出される生化学物質を指す。

「ヒト遺伝性代謝障害」とは、尿素サイクル障害(例えば、アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症、アルギニン血症、シトルリン血症、グアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ欠損症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症、シトリン欠損症)、有機酸血症(例えば、グルタル酸尿症、メチルマロン酸血症、イソ吉草酸血症、プロピオン酸血症)、アミノ酸代謝および輸送の障害(例えば、HMG Coリアーゼ欠損症、メープルシロップ尿症、PKU、コバラミン欠損症、Cbl A、Cbl C、3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症、ホモシスチン尿症、モリブデン補因子、チロシン血症、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ欠損症、3-メチルグルタコン酸尿症、ウロカナーゼ欠損症、3-ヒドロキシイソブチリル-CoA加水分解酵素欠損症)、脂肪酸酸化障害(例えば、CPTII、MCAD欠損症、超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症、SCAD欠損症、LCHAD欠損症、カルニチン輸送欠陥、カルニチン-アシルカルニチントランスロカーゼ欠損症、トリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症、原発性カルニチン欠損症、γ-ブチロベタインヒドロキシラーゼ欠損症)、炭水化物代謝の障害(例えば、ガラクトース血症)、ヌクレオシド合成および再利用の欠陥(例えば、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症、キサンチン尿症、チミジンホスホリラーゼ欠損症、アデノシンデアミナーゼ欠損症、スクシニルアデノシンリアーゼ欠損症)、金属輸送の障害(例えば、無トランスフェリン血症、無セルロプラスミン血症)、中心炭素代謝に関連する障害(例えば、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症、クエン酸輸送体欠損症、GLUT1欠損症、高シュウ酸尿症)、GABA代謝に関連する障害(例えば、コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症、4-アミノ酪酸アミノトランスフェラーゼ欠損症)、ミトコンドリアエネルギー代謝の障害(例えば、チトクロムcオキシダーゼ欠損症)、リソソーム蓄積症(例えば、シスチン症)、タンパク質グリコシル化障害(例えば、先天性のグリコシル化障害)、ペントースリン酸代謝障害(例えば、リボース-5-リン酸イソメラーゼ欠損症、トランスアルドラーゼ欠損症)、グルコース輸送の障害(例えば、GLUT1欠損症症候群)、ケトン体生成およびケトン分解の障害(例えば、ミトコンドリア3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoA合成酵素欠損症、スクシニル-CoA 3-オキソ酸CoAトランスフェラーゼ欠損症、ミトコンドリアアセトアセチル-CoAチオラーゼ欠損症)、ビタミン/補因子合成および再利用の障害(例えば、ビオチニダーゼ欠損症、ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症)、脂質および胆汁酸代謝の障害(例えば、コレステロール7α-ヒドロキシラーゼ、ステロール27-ヒドロキシラーゼ)、ペルオキシソーム病(例えば、スミス・レムリ・オピッツ症候群、ツェルウェガー症候群)、ならびにサルコシン血症を含む、先天的な代謝の誤りを指す。

当該技術および/または現行の臨床診療を上回る改善 7000種類以上の化合物を同時に調査するための、単一少量の試料から得られた分析の全体的な性質および幅は大きな進歩であり、現行の臨床診療を上回る改善である。実施例に記載の方法では、個々の対象の個々の検査試料の分析から作成した報告書には700種類を超える指定済代謝産物が収められた。これらの代謝産物を問合せ(interrogation)および測定することによって、代謝産物を少なくとも8つの生化学スーパー経路および41の生化学サブ経路にまたがって同時に調査することが可能になる。

多量の生化学情報を得るために必要な試料量が少ないということは現行の臨床診療を上回る大幅な改善である。この方法において典型的に用いられる量の試料は、100uL未満の体液(例えば、血液、血漿、血清、尿、脳脊髄液、唾液、歯肉滲出液など)である。一部の態様において、前記方法は、少量の非侵襲的生物学的試料の使用が可能になり、多くの生化学物質、サブ経路、およびスーパー経路を同時に評価できるようになることで時間およびコストの点から見て節約となる。一部の態様において、スーパー経路およびサブ経路に関連して生化学物質を分析できることは現行の臨床検査を上回る利点である。前記方法のアウトプットの1つは、一部の態様によれば、実施しようとする推奨される臨床診断検査のリストである。現在、臨床診断検査では、1クラスの化合物(例えば、尿有機酸)から最大で100種類の生化学化合物が測定され、典型的には、1種類の生化学物質しか測定されない。このため、その生化学物質またはクラスに影響を及ぼしている疾患または障害の診断が制限され、多くの診断検査を実施することが必要である。検査は典型的には順々に行われ、従って、検査結果を得るのに数日〜数週間かかり、そのため診断が遅れる場合がある。さらに、検査には、かなり多量の試料(0.5mL)が必要であり、場合によっては、前記試料(例えば、組織生検)を得るために侵襲的方法が必要となることがある。現行の臨床診断検査は典型的には1種類の生化学物質または1クラスの化合物に関する報告しかしないので、診断は必然的に、1種類の生化学物質または1クラスの化合物からの生化学物質が変化した疾患または障害に限定される。本方法の一部の態様は、複数の生化学物質クラスおよび生化学経路からの数千種類の低分子について単一少量の非侵襲的または最小侵襲的な生物学的試料を同時に調査し、フォローアップのために必要な診断検査の数の「短いリスト」を自動的に提供することで診断を支援する。一部の態様において、本明細書に記載の方法は、診断を確定するのに必要な検査の数を少なくすることで現行の臨床診療を上回る改善となる。現行の臨床診療では、本明細書に記載の方法と同じ診断有用性を実現するためには、アミノ酸、アシルカルニチン、有機酸、プリン、ピリミジン、アシルグリシン、胆汁酸、オロチン酸、およびカルニチン生合成中間体を対象にした、標的のあるパネルアッセイを含む複数の異なる検査が行われる必要があるだろう。例えば、コバラミン合成障害またはプロピオン酸血症などの単一の疾患または障害の中でさえも、これらの障害を互いに区別し、治療レジメンを決定するためには複数の異なる検査が必要である。一部の態様において、本明細書に記載の方法は、現行の診断パネルを用いて現在利用できない、さらなる代謝産物を分析することで現行の臨床診療を上回る改善となる。1回の評価では、尿有機酸分析、血漿アミノ酸分析、または他の無数のさらに小さな、標的のある検査パネルのいずれかを含む利用可能な検査を全て用いた時でも、本明細書に記載の実施例において陽性と特定された400種類を超える内因性ヒト分析物を臨床生化学遺伝学検査室において分析することができなかった。一部の態様において、単一少量の非侵襲的な試料を、数千種類の低分子の存在、非存在、またはレベルの変化について調査することは数十種類、数百種類、数千種類、または数万種類の疾患または障害の診断の助けとなり、これは、対象から複数の試料、多量の試料、または侵襲的試料を入手し、複数の検査を行う現行の臨床診療を上回る改善である。さらに、本明細書に記載のいくつかの例示的な方法において提供される推奨に基づいて、いくつかのフォローアップ診断検査を並行して行うことができ、これにより診断する時間が節約されるだろう。さらに、一部の態様において、前記方法は単一の試料タイプに頼っている。現行の臨床診断方法では、血清、血漿、または血液にある、いくつかの代謝産物(例えば、ホモシステイン)が測定されるのに対して、他の診断方法では尿中の代謝産物(例えば、有機酸)が測定され、他の診断方法ではCSF中の他の測定生化学物質(例えば、γ-アミノ酪酸)が測定される。本明細書に記載の方法は参照試料の使用を含む。参照試料の低分子プロファイルを統計解析することによって、それぞれの低分子のレベルの標準範囲が得られる。

一部の態様において、参照試料は、年齢および性別の点で検査試料によく似るように設計される。例えば、女の症候性新生児に由来するエチレンジアミン四酢酸-血漿(EDTA-血漿)検査試料が、女の新生児に由来するEDTA-血漿試料のプールから作成された参照試料と比較される。

一部の態様において、参照試料は検査試料と同時に操作されてもよい。これらの態様において、参照試料の1つまたは複数はアンカー試料としても役立つ場合がある。一部の態様において、検査試料は参照試料の1つとしても役立つ場合がある。一部の態様において、参照試料は検査試料とは別々の操作において分析される。これらの態様において、検査試料を用いた操作からのデータを参照試料を用いた操作からのデータと結び付けるために、検査試料と一緒に同じ操作において分析された別々のアンカー試料が用いられてもよい。

一部の態様において、本明細書に記載の方法はまた、検査試料と同時に(すなわち、同じ操作において)操作されるアンカー試料の使用も含む。一部の態様において用いられる実験技法(例えば、LC/MS、GC/MS)から、試料中にある低分子のレベルについて絶対値ではなく相対値が得られ、この値は操作間で異なる。同じ実験操作において分析されたアンカー試料を用いて、操作間のばらつきを調整することができる。例えば、参照試料が1回操作された後に、その後で、参照試料のアリコートがアンカー試料として新たな試料と一緒に操作されてもよい。これにより、操作間のばらつきを補正することが可能になり、その結果、後の分析の結果と前の分析を比較することができる。別の例として、検査試料が1回分析され、結果が報告される。次いで、同じ検査試料がアンカー試料として新たな検査試料と一緒に再び分析される。これにより、操作間のばらつきを補正することが可能になり、その結果、2回目の分析の結果と1回目の分析の結果を比較することができる。

参照試料が検査試料とは別々に操作される態様では、検査試料と、参照試料の統計解析から作成された参照低分子プロファイルを比較する時に、操作間のばらつきを補正するために1つまたは複数のさらなるアンカー試料が用いられる。例えば、一部の態様において、参照対象に由来する参照試料のプールされたアリコートから1つまたは複数のアンカー試料が作り出され、検査試料と同時に操作される。プールされた参照試料から作り出された1つまたは複数のアンカー試料を用いると、検査試料データと、複数の参照対象に由来する参照試料の以前の統計解析を比較するために操作間のばらつきを補正することが可能になる。参照試料の統計解析の結果は比較のためにデータベースに記憶されてもよい。一部の態様において、参照試料は検査試料前に操作されてもよい。一部の態様において、参照試料は検査試料後に操作されてもよい。

一部の態様において、それぞれの低分子のレベルの標準範囲を含む参照低分子プロファイルを求めるために、複数の参照対象に由来する参照試料からのデータが統計解析される。一部の態様において、参照試料のプールされたアリコートから1つまたは複数のアンカー試料が作り出され、検査試料と同時に操作される。プールされた参照試料から作り出された1つまたは複数のアンカー試料を用いると、検査試料データと、複数の参照対象に由来する試料の以前の統計解析を比較するために操作間のばらつきを補正することが可能になる。

必要に応じて操作間のばらつきが補正された後に、検査試料と参照低分子プロファイルを比較することによって、異常低分子またはアウトライアー低分子が特定される。一部の態様において、個体一人一人について、異常な、または「アウトライアー」代謝産物、スーパー経路、およびサブ経路はユークリッド距離に基づく自動統計解析によって自動的に特定され、自動的に報告され、自動的に視覚化されてもよい。一部の態様において、アウトライアー代謝産物は、少なくとも1.5*IQRの対数変換したレベルをもつ代謝産物と定義される。アウトライアー代謝産物はまた、選択された対数変換したZ-スコア範囲(例えば、>1または<-1のZ-スコア、>1.5または<-1.5のZ-スコア、または>2.0または<-2.0のZ-スコア)をもつ代謝産物と定義される場合もある。一部の態様において、アウトライアー代謝産物レベルを規定するのに用いられるZ-スコア範囲は一部の代謝産物については他の代謝産物と異なる場合がある(例えば、一部の代謝産物には>1または<-1のZ-スコアが用いられる場合があり、他の代謝産物には>1.5または<-1.5のZ-スコアが用いられる場合がある)。一部の態様において、報告書が自動的に作成され、報告書は、稀にしか観察されされない代謝産物と、プロファイルからなくなった、よくある代謝産物を全て列挙する。一部の態様において、代謝産物はサブ経路およびスーパー経路に自動的に振り分けられる。一部の態様において、スーパー経路、サブ経路、および個々の低分子を示す結果の自動視覚化が作成される。一部の態様において、異常生化学経路(すなわち、異常スーパー経路および/または異常サブ経路)が特定される。従って、一部の態様において、前記方法は生化学プロファイル全体を分析し、これから得られた情報を報告し、異常な代謝産物、生化学スーパー経路および生化学サブ経路(例えば、正常な経路および/または異常な経路)を特定して、特定の疾患の1種類のバイオマーカーまたはバイオマーカーセット(例えば、バイオマーカーパネル)で構成される特定の診断検査に頼ることなく、疾患もしくは障害の診断を確定するか、または疾患もしくは障害の診断を支援し、個体の健康状態を評価する。

さらに、報告書の作成を含む一態様において、個体群ではなく個体の報告書が提供される。これは、現行の生化学プロファイリングまたはメタボロミクスベースの疾患診断方法とは対照的である。典型的に、メタボロミクス/生化学プロファイリング実験では対象群が分類され、対象は群の一員であることに基づいてしか分類されず、個別に分類されない。これは、特に、「アウトライアー」とみなされた生化学プロファイルまたは測定値をもつ個体に当てはまる。これらのアウトライアーは、通常、無視されるか、データセットから取り除かれるか、または典型的なメタボロミクス生化学プロファイリング実験では分類の際に誤りとみなされる。対照的に、本明細書において示した方法の態様は、アウトライアーを特定し、この情報を用いて疾患を診断するか、または疾患の診断を支援しようと努める。

態様 一態様において、統計解析により、内因性低分子、食事性低分子、微生物性低分子、および生体異物性低分子の存在、非存在、または異常なレベルについて症候性対象に由来する生物学的試料を調査して、前記低分子が前記試料中で異常なことを示す前記低分子のアウトライアー値を特定し、異常低分子を列挙することによって、症候性対象における疾患もしくは障害を診断するための方法、または疾患もしくは障害の診断を支援するための方法が提供される。

さらなる態様において、異常低分子が視覚的に表示される。視覚化することによって、前記経路について希少値または欠損値を示すものを含む、前記経路のそれぞれが正常/典型的か異常かを示すものを用いて各経路(例えば、スーパー経路またはサブ経路)を表示することができる。任意の数の経路を表示に列挙することができ、任意の数の図表を用いて結果を提示することができる。一態様において、図表は、試料中にある生化学物質のレベルに従って分類された、それぞれの異常生化学物質を表示する。任意の数の生化学物質を図表に表示することができる。例えば、試料中に測定された全生化学物質が表示されてもよく、ある特定の統計カットオフを満たす生化学物質しか表示されなくてもよい。生化学物質は表示内でどのように順序付けられてもよく、例えば、アルファベット順、有意性、疾患との関係性、生化学スーパー経路および/またはサブ経路などによって順序付けられてもよい。

一態様において、統計解析により、内因性低分子、食事性低分子、微生物性低分子、および生体異物性低分子の存在、非存在、または異常なレベルについて症候性対象に由来する生物学的試料を調査して、前記低分子が前記試料中で異常なことを示す前記低分子のアウトライアー値を特定し、異常低分子のリストを視覚化および列挙し、異常低分子を経路(例えば、生化学スーパー経路および/または生化学サブ経路)にマッピングして、疾患もしくは障害を診断する、または疾患もしくは障害の診断を支援することによって、症候性対象における疾患もしくは障害を診断するための方法、または疾患もしくは障害の診断を支援するための方法が提供される。低分子は、疾患との関連性、生化学物質との関わり、化学構造などによる分類を含む任意のやり方で分類することができる。任意の数のカテゴリーを使用することができる。例えば、低分子を分類するために、1以上、2以上、3以上、5以上、10以上、15以上、20以上、50以上、100以上のカテゴリーを使用することができる。任意の数のサブカテゴリーを使用することができる。例えば、低分子をサブカテゴリーに分類するために、1以上、2以上、3以上、5以上、10以上、15以上、20以上、50以上、100以上を使用することができる。一態様において、異常低分子は1つまたは複数の生化学スーパー経路によって分類されてもよく、前記スーパー経路には、アミノ酸;ペプチド;炭水化物;エネルギー;脂質;複合脂質;ヌクレオチド;補因子およびビタミン;ならびに生体異物が含まれる。一態様において、異常低分子は1つまたは複数の生化学サブ経路にマッピングされてもよく、前記サブ経路には、グリシン代謝、セリン代謝、およびスレオニン代謝;アラニン代謝およびアスパラギン酸代謝;グルタミン酸代謝;ヒスチジン代謝;リジン代謝;フェニルアラニン代謝およびチロシン代謝;トリプトファン代謝;ロイシン代謝、イソロイシン代謝、およびバリン代謝;メチオニン代謝、システイン代謝、SAM代謝、およびタウリン代謝;尿素サイクル;アルギニン代謝およびプロリン代謝;クレアチン代謝;ポリアミン代謝;グアニジノ代謝およびアセトアミド代謝;グルタチオン代謝;フェリニン代謝;γ-グルタミルアミノ酸;ジペプチド誘導体;ジペプチド;ポリペプチド;フィブリノゲン切断ペプチド;解糖、糖新生、およびピルビン酸代謝;解糖、糖新生、およびピルビン酸代謝;ペントースリン酸経路;ペントース代謝;グリコーゲン代謝;二糖およびオリゴ糖;フルクトース代謝、マンノース代謝、およびガラクトース代謝;ヌクレオチド糖;アミノ糖代謝;終末糖化産物;TCA回路;酸化的リン酸化;短鎖脂肪酸;中鎖脂肪酸;長鎖脂肪酸;多価不飽和脂肪酸(n3およびn6);定量的遊離脂肪酸(Quantitative Free Fatty Acid);脂肪酸、分枝;脂肪酸、ジカルボン酸;脂肪酸、メチルエステル;脂肪酸、エステル;脂肪酸、アミド;脂肪酸、ケト;脂肪アルコール、長鎖;脂肪酸合成;脂肪酸代謝;脂肪酸代謝(BCAA代謝も);脂肪酸代謝(アシルグリシン);脂肪酸代謝(アシルカルニチン);カルニチン代謝;ケトン体;神経伝達物質;脂肪酸、モノヒドロキシ;脂肪酸、ジヒドロキシ;脂肪酸、酸化型;エイコサノイド;エンドカンナビノイド;イノシトール代謝;リン脂質代謝;リゾ脂質;グリセロ脂質代謝;モノアシルグリセロール;ジアシルグリセロール;スフィンゴ脂質代謝;メバロン酸代謝;ステロール;ステロイド;一次胆汁酸代謝;二次胆汁酸代謝;ジアシルグリセロール;トリアシルグリセロール;リゾホスファチジルコリン;ホスファチジルコリン;ホスファチジルエタノールアミン;ホスファチジルセリン;スフィンゴミエリン;スフィンゴ脂質代謝;カルジオリピン;コレステロールエステル;リン脂質;プリン代謝、(ヒポ)キサンチン/イノシン含有;プリン代謝、アデニン含有;プリン代謝、グアニン含有;ピリミジン代謝、オロタート含有;ピリミジン代謝、ウラシル含有;ピリミジン代謝、シチジン含有;ピリミジン代謝、チミン含有;プリン代謝およびピリミジン代謝;ニコチン酸代謝およびニコチンアミド代謝;リボフラビン代謝;パントテン酸代謝およびCoA代謝;アスコルビン酸代謝およびアルダル酸(Aldarate)代謝;トコフェロール代謝;ビオチン代謝;葉酸代謝;テトラヒドロビオプテリン代謝;プテリン代謝;ヘモグロビン代謝およびポルフィリン代謝;リポ酸代謝;チアミン代謝;ビタミンK代謝;ビタミンA代謝;ビタミンB12代謝;ビタミンB6代謝;安息香酸代謝;キサンチン代謝;タバコ代謝産物;食物成分/植物;細菌;薬物;フタル酸;ならびに化学物質が含まれる。

一態様において、統計解析により、内因性低分子、食事性低分子、微生物性低分子、および生体異物性低分子の存在、非存在、または異常なレベルについて症候性対象に由来する生物学的試料を調査して、前記低分子が前記試料中で異常なことを示す前記低分子のアウトライアー値を特定し、異常低分子の列挙し、異常低分子を生化学経路(例えば、生化学スーパー経路および/または生化学サブ経路)にマッピングし、その地図を視覚化し、さらに、推奨される、後に続く臨床診断検査のリストを提供することによって、症候性対象における疾患もしくは障害を診断するための方法、または疾患もしくは障害の診断を支援するための方法が提供される。

一態様において、統計解析により、内因性低分子、食事性低分子、微生物性低分子、および生体異物性低分子の存在、非存在、または異常なレベルについて症候性対象に由来する生物学的試料を調査して、前記低分子が前記試料中で異常なことを示す前記低分子のアウトライアー値を特定し、異常低分子を列挙し、異常低分子を経路(例えば、生化学スーパー経路および/または生化学サブ経路)にマッピングし、その地図を視覚化し、可能性のある/考えられる疾患または障害のリストを提供することによって、症候性対象における疾患もしくは障害を診断するための方法、または疾患もしくは障害の診断を支援するための方法が提供される。

一態様において、統計解析により、内因性低分子、食事性低分子、微生物性低分子、および生体異物性低分子の存在、非存在、または異常なレベルについて症候性対象に由来する生物学的試料を調査して、前記低分子が前記試料中で異常なことを示す前記低分子のアウトライアー値を特定し、異常低分子を列挙し、異常低分子を経路(例えば、生化学スーパー経路および/または生化学サブ経路)にマッピングし、その地図を視覚化し、さらに、可能性のある/考えられる疾患または障害のリストを提供し、さらに、推奨される、後に続く臨床診断検査のリストを提供することによって、症候性対象における疾患もしくは障害を診断するための方法、または疾患もしくは障害の診断を支援するための方法が提供される。

図1は、一部の態様による、個々の対象における疾患もしくは害を診断するための方法10、または疾患もしくは障害の診断を容易にするための方法10のブロック図である。試料が個々の対象から得られる(工程12)。試料中にある複数種の低分子それぞれの存在、非存在、およびレベルに関する情報を含む試料の低分子プロファイルが作成される(工程14)。試料の低分子プロファイルは、複数種の低分子それぞれのレベルの標準範囲を含む参照低分子プロファイルと比較され、異常なレベルを有する、試料中にある低分子のサブセットが特定される(工程16)。低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいてデータベースから診断情報が得られる(工程18)。一部の態様において、低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいて診断情報を得る工程は、1つまたは複数の異常生化学経路を特定する工程を含む(工程19)。データベースは、複数の疾患および障害それぞれについて、複数種の低分子のうちの1種類または複数種の低分子の異常なレベルを、疾患または障害に関する情報と関連付ける情報を含む。一部の態様において、前記方法は、異常なレベルを有すると特定された低分子のサブセットの1つまたは複数からのデータの重みつき(weighted)組み合わせに基づいて疾患特異的または障害特異的な複合スコアを作成する工程を含み、低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいてデータベースから診断情報を得る工程は、作成された疾患特異的または障害特異的な複合スコアに基づいてデータベースから診断情報を得る工程を含む。得られた診断情報は記憶される(工程20)。記憶された診断情報は、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの生化学経路の特定、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの疾患または障害の特定、および異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの推奨されるフォローアップ検査の特定、の1つまたは複数を含む。従って、記憶された診断情報は、個々の対象における疾患または障害の診断を容易にする。一部の態様において、前記方法は、得られた診断情報の図による表示を記憶する工程をさらに含む(工程22)。図1にある工程19および工程22のボックスを取り囲む破線は、これらが全態様において存在する必要はないことを示す。

本明細書に記載の方法の一部の態様において、個々の対象は、複数の疾患および障害のうちの1つまたは複数の症候を示す。一部の態様において、方法10は、症候性の個々の対象における疾患もしくは障害を診断するための方法、または疾患もしくは障害の診断を容易にするための方法である。

本明細書に記載の方法の一部の態様において、個々の対象は複数の疾患および障害全ての症候を示さない。一部の態様において、方法10は、無症候性の個々の対象における疾患もしくは障害を診断するための方法、または疾患もしくは障害の診断を容易にするための方法である。本明細書に記載の方法の一部の態様において、個々の対象はヒト新生児である。本明細書に記載の方法の一部の態様において、個々の対象はヒト乳児である。

工程12では、個々の対象から得られた試料は生物学的試料である。定義のセクションにおいて説明したように、様々な態様において、生物学的試料は、対象から単離された任意の生物学的材料でよい。生物学的試料は、望ましいバイオマーカーを検出するのに適した任意の生物学的材料を含有してもよく、対象に由来する細胞材料および/または非細胞材料を含んでもよく、任意の適切な生物学的組織または生物学的液体から単離されてもよい。一部の態様において、個々の対象はヒト新生児であり、生物学的試料は血液または尿である。一部の態様において、個体はヒト新生児またはヒト乳児であり、生物学的試料は、おむつから得られた尿である。

一部の態様において、個々の対象から得られた試料の体積は、500μL未満、400μL未満、300μL未満、200μL未満、100μL未満、90μL未満、80μL未満、70μL未満、60μL未満、50μL未満、40μL未満、または30μL未満である。一部の態様において、個々の対象から得られた試料の体積は、20〜500μL、20〜400μL、20〜300μL、20〜200μL、20〜100μL、20〜90μL、20〜80μL、20〜70μL、20〜60μL、20〜50μL、20〜40μL、または15μL〜30μLの範囲である。上記で説明したように、小さな生物学的試料サイズは、ヒトの新生児から得られた生物学的試料を検査する時に特に有益な場合がある。

試料の低分子プロファイルの作成(工程14)は、複数種の低分子それぞれの存在、非存在、およびレベルに関する情報を作成する工程を含む。これはまた、本明細書では生物学的試料を調査する工程と述べられることもある。試料中にある複数種の低分子それぞれの存在、非存在、およびレベルに関する情報を含む試料の低分子プロファイルが作成される(工程14)。

一部の態様において、複数種の低分子は、内因性低分子、食事性低分子、微生物性低分子、および生体異物性低分子の2つ以上(例えば、内因性低分子および微生物性低分子;内因性低分子および生体異物性低分子;内因性低分子および食事性低分子)を含む。一部の態様において、複数種の低分子は、内因性低分子、食事性低分子、微生物性低分子、および生体異物性低分子の3つ以上(例えば、内因性低分子、微生物性低分子、および食事性低分子;内因性低分子、微生物性低分子、および生体異物性低分子)を含む。一部の態様において、複数種の低分子は、内因性低分子、食事性低分子、微生物性低分子、および生体異物性低分子を含む。

複数種の低分子は、様々なクラスまたはスーパー経路からの低分子、例えば、アミノ酸;ペプチド;炭水化物;エネルギー;脂質;複合脂質;ヌクレオチド;補因子およびビタミン;および生体異物を含む。一部の態様において、複数種の低分子は、糖、脂肪酸、アミノ酸、ヌクレオチド、および異化産物の2つ以上を含む。一部の態様において、複数種の低分子は、糖、脂肪酸、アミノ酸、ヌクレオチド、および異化産物の3つ以上を含む。一部の態様において、複数種の低分子は、糖、脂肪酸、アミノ酸、ヌクレオチド、および異化産物の4つ以上を含む。一部の態様において、複数種の低分子は、糖、脂肪酸、アミノ酸、ヌクレオチド、および異化産物を含む。

一部の態様において、複数種の低分子は、25種類より多い低分子、50種類より多い低分子、100種類より多い低分子、200種類より多い低分子、300種類より多い低分子、400種類より多い低分子、500種類より多い低分子、600種類より多い低分子、700種類より多い低分子、800種類より多い低分子、900種類より多い低分子、1000種類より多い低分子、1100種類より多い低分子、1200種類より多い低分子、1300種類より多い低分子、1400種類より多い低分子、1500種類より多い低分子、2000種類より多い低分子、3000種類より多い低分子、4000種類より多い低分子、5000種類より多い低分子、6000種類より多い低分子、または7000種類より多い低分子を含む。

一部の態様において、複数種の低分子は、25〜2500種類の低分子、50〜2500種類の低分子、100〜2500種類の低分子、200〜2500種類の低分子、300〜2500種類の低分子、400〜2500種類の低分子、500〜2500種類の低分子、600〜2500種類の低分子、700〜2500種類の低分子、800〜2500種類の低分子、900〜2500種類の低分子、または1000〜2500種類の低分子を含む。

一部の態様において、複数種の低分子は、25〜25,000種類の低分子、50〜25,000種類の低分子、100〜25,000種類の低分子、200〜25,000種類の低分子、300〜25,000種類の低分子、400〜25,000種類の低分子、500〜25,000種類の低分子、600〜25,000種類の低分子、700〜25,000種類の低分子、800〜25,000種類の低分子、900〜25,000種類の低分子、1000〜25,000種類の低分子、1100〜25,000種類の低分子、1200〜25,000種類の低分子、または1300〜25,000種類の低分子を含む。

試料の低分子プロファイルの作成には、その構成要素である生化学低分子の分析が必要である。分析は、試料から複数種の低分子の少なくとも一部を抽出する工程を含んでもよい。分析は、当技術分野において公知の1つまたは複数の異なる分析法、例えば、液体クロマトグラフィー(LC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(Kristal, et al. Anal. Biochem. 263:18-25 (1998)を参照されたい)、ガスクロマトグラフィー(GC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、電気化学的分離法(WO99/27361、WO92/13273、U.S.5,290,420、U.S.5,284,567、U.S.5,104,639、U.S.4,863,873、およびU.S.RE32,920を参照されたい)、屈折率分光法(RI)、紫外線分光法(UV)、蛍光分析、放射化学分析、近赤外線分光法(Near-IR)、核磁気共鳴分光法(NMR)、光散乱分析(LS)、質量分析法(MS)、タンデム質量分析(MS/MS2)、ならびに組み合わされた方法、例えば、ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC-MS)、液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC-MS)、超高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法(UHLC/MS/MS2)、およびガスクロマトグラフィー/タンデム質量分析法(GC/MS/MS2)を用いて行われてもよい。

米国特許第7,884,318号は、一部の態様に従って、試料の低分子プロファイルを作成するのに用いられ得る、複合混合物中にある化学構成要素の組成を決定するためのシステム、方法、およびコンピュータ読取り可能媒体を開示する。米国特許第7,884,318号は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。米国特許第7,884,318号に記載のように、試料の分離データおよび質量分光法データが作成され、作成された分離データおよび質量分光法データは化学情報ライブラリー(「化合物ライブラリー」)と比較されて、試料の低分子化学構成要素が決定される。

米国特許第7,561,975号および米国特許第7,949,475号はそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み入れられ、複数の生物学的試料について生物学的試料の低分子構成要素を特定するための、分析に関するさらなる開示を提供する。

一部の態様において、単一の検査試料の複数のアリコート(例えば、2、3、4、5、6など)が検査されてもよい。一部の態様において、低分子プロファイルを作成するためのデータ分析は完全に自動化され、適切な品質管理(QC)の後に、検査試料の各分析から得られた情報は再結合される。一部の態様において、1つまたは複数のさらなる対照試料または標準試料(例えば、アンカー試料、品質管理試料)が、単一の検査試料からの1つまたは複数のアリコートと同じ操作において分析される。一部の態様において、複数の異なる個体に由来する検査試料からのアリコートが同じ操作において分析される。一態様において、検査試料は個別の試料として2回、3回、4回など繰り返して操作されてもよい。

一部の態様において、低分子プロファイルを作成するためのデータ分析は部分的に自動化されている(例えば、人間が、作成されたデータに基づいて一部の低分子または全ての低分子の特定を手作業で検証する)。一部の態様において、低分子プロファイルを作成するためのデータ分析は完全に自動化されている。

試料の低分子プロファイルには、多くの異なる低分子の存在、非存在、およびレベルに関する情報が含まれる。一部の低分子について、情報は低分子の特定の化学組成または特定の化学構造を示すことがある(以下の「指定済」低分子の議論を参照されたい)。一部の低分子について、情報は、低分子の特定の化学組成も特定の化学構造を示すことなく、分析方法から得られた低分子の特性または挙動を示すことがある(以下の「未指定」低分子の議論を参照されたい)。

一部の態様において、低分子プロファイルは、試料に存在すると確かめられた低分子、存在するそれぞれの低分子に関連するレベル、および試料に存在しないことが確かめられた低分子を明確に特定する。試料に存在しないことが確かめられた低分子に関する情報を推論することができる限り、低分子プロファイルは、試料に存在しないことが確かめられた低分子を明確に特定する必要はない。例えば、一部の態様において、低分子プロファイルは、試料に存在する低分子および試料に存在するそれぞれの低分子のレベルを特定する。存在する場合に、使用された実験技法に基づいて検出された低分子のリストと比較することによって、存在しないことが確かめられた低分子を推論することができる。

低分子プロファイルは参照低分子プロファイルと比較されて、それぞれの低分子が試料中で異常なレベルを有する、複数種の低分子のサブセットが特定される(工程16)。参照低分子プロファイルは、複数種の低分子それぞれのレベルの標準範囲を含む。試料中にある低分子の異常なレベルは、低分子の標準範囲外にあるレベルである。試料中にある異常なレベルの低分子には、低分子が存在するはずだということを示す標準範囲の場合は、試料に存在しない低分子(例えば、欠損生化学物質)、低分子が存在しないはずだということを示す標準範囲の場合は、試料に存在する低分子(例えば、希少生化学物質)、および標準範囲により予測される濃度外にある濃度で試料に存在する低分子(例えば、アウトライアー)が含まれる。

一部の態様において、参照低分子プロファイルは、少なくとも部分的には、参照対象集団に由来する参照試料について作成された低分子プロファイルの統計解析から決定される。前述したように、一部の態様において、参照試料は、年齢および/または性別の点で検査試料(すなわち、個々の対象に由来する試料)に似ているように選択される。一部の態様において、参照試料は、複数の疾患および障害の症候を示さないように選択される。一部の態様において、参照試料は無症候性か症候性かどうかに基づいて選択されない。

検査試料と同様に、それぞれの参照対象は分析のために複数のアリコートに分けられてもよく、様々な操作において並行して、同時に、または連続して分析されてもよく、結果として生じたデータは適切な品質管理後に組み合わされてもよい。

前述したように、一部の態様において、参照試料は、アンカー試料として役立っている検査試料と同じ実験操作において分析される。一部の態様において、参照試料は検査試料とは別々の操作において分析され、さらなるアンカー試料が、操作間のばらつきを補正するために用いられる。一部の態様において、アンカー試料は、参照試料のプールされたアリコートまたは以前の操作からの検査試料のプールされたアリコートである。

複数種の低分子それぞれの標準範囲を含む参照低分子プロファイルを作成するために、参照試料の統計解析が用いられる。一部の態様において、低分子の標準範囲は、参照試料中にある低分子の対数変換濃度データの四分位範囲(IQR)に基づいている(例えば、<1.5*IQR)。一部の態様において、低分子の標準範囲は、参照試料中にある低分子の対数変換濃度データの平均からの標準偏差の数(すなわち、Z-スコア)に基づいている。

低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいてデータベースから診断情報が得られる(工程18)。データベースは、複数の疾患および障害それぞれについて、複数種の低分子のうちの1種類または複数種の低分子の異常なレベルを、疾患または障害に関する情報と関連付ける情報を含む。異常なレベルを有すると特定された低分子のサブセットの1つまたは複数からのデータの重みつき組み合わせに基づいて疾患特異的または障害特異的な複合スコアが作成される方法では、データベースは、疾患または障害の1つまたは複数について、ある範囲の疾患特異的または障害特異的な複合スコアを、疾患または障害に関する情報と関連付ける情報をさらに含む。

一部の態様において、データベース内の診断情報は、異常なレベルの低分子を1つまたは複数の生化学経路と関連付け、得られた診断情報は、異常なレベルを有する低分子のサブセットと関連付けられた1つまたは複数の生化学経路を特定する。一部の態様において、データベース内の診断情報は、異常なレベルの低分子を、生化学スーパー経路および生化学サブ経路と関連付け、得られた診断情報は、異常なレベルを有する低分子のサブセットと関連付けられた生化学スーパー経路および生化学サブ経路を特定する。本明細書で使用する、試料中にある異常なレベルを有する低分子のサブセットと関連付けられた生化学経路(例えば、生化学スーパー経路および/または生化学サブ経路)に関する情報を得る工程は、異常なレベルを有する低分子を経路にマッピングする工程と呼ばれる。異常なレベルを有する低分子のサブセットと関連付けられた生化学経路を示す情報は、個々の対象において正常に機能していない可能性がある生化学経路(異常経路)を示すので診断情報とみなされる。この診断情報を用いると診断が容易になる。

一部の態様において、異常なレベルを有する低分子のサブセットと関連付けられた経路は異常経路だと特定される。一部の態様において、1つまたは複数の異常生化学経路は、個体のその経路の生化学距離が、参照集団におけるその経路の予想された生化学距離と比較して長い(例えば、個体の経路の生化学距離が、ある特定の経路の参照対象に由来する試料の集団と比較して上位10%の中にある)ことを確かめることによって特定される。生化学距離は、その経路の中にあるそれぞれの低分子の幾何平均からのユークリッド距離から計算されてもよい。一部の態様において、生化学距離の標準範囲は、参照試料集団からの各経路について決定されてもよく、異常経路は、その試料の各経路の生化学距離と、その経路の生化学距離の対応する標準範囲を比較することによって特定されてもよい(例えば、標準範囲外にあるか、または参照試料の上位10%にある距離が異常経路を特定するように、生化学距離の標準範囲は参照試料の90%を含む生化学距離の範囲でもよい)。一部の態様において、異常経路を特定するために上述の組み合わせが用いられる(例えば、経路は、異常なレベルを有するサブセットもしくは低分子のいずれかと関連付けられれば、または経路の生化学距離が、集団内でのその経路の予想された生化学距離と比較して長ければ異常である)。

一部の態様において、データベース内の情報は、異常なレベルを有する低分子を疾患または障害の特定と関連付け、得られた情報は、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの疾患または障害の特定を含む。一部の態様において、データベース内の情報は、ある範囲の疾患特異的または障害特異的な複合スコアを少なくとも1つの疾患または障害の特定と関連付ける。一部の態様において、特定は、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた1つまたは複数の疾患または障害の可能性のある、または考えられる診断である。一部の態様において、特定は、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた1つまたは複数の可能性のある疾患または診断のリストである。

一部の態様において、データベース内の診断情報は、異常なレベルを有する低分子を、少なくとも1つのフォローアップ検査の特定と関連付け、得られた情報は、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つのフォローアップ検査の特定を含む。

一部の態様において、データベース内の診断情報は、異常なレベルの低分子を1つまたは複数の生化学経路と関連付ける情報、異常なレベルの低分子を少なくとも1つの疾患または障害の特定と関連付ける情報、および異常なレベルの低分子を少なくとも1つのフォローアップ検査の特定と関連付ける情報を含む。一部の態様において、診断情報は複数のデータベースの中に記憶されてもよい(例えば、経路情報はあるデータベースの中に記憶されてもよく、疾患または障害の特定に関する情報およびフォローアップ検査に関する情報は別のデータベースの中に記憶されてもよい)。

得られた診断情報は記憶される(工程20)。記憶された診断情報は、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの生化学経路の特定、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの疾患または障害の特定、および異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つのフォローアップ検査の特定、の1つまたは複数を含む。一部の態様において、記憶された診断情報は、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの生化学経路の特定、ならびに異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの疾患または障害の特定、および異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つのフォローアップ検査の特定、の1つまたは複数を含む。

疾患または障害の存在を示す、試料中にある1種類または複数種の低分子の異常なレベルは、本明細書では疾患または障害のシグネチャーと述べられる。シグネチャーは、試料を検査するのに用いられた方法に固有のものでもよい。一部の態様において、データベースは複数の疾患または障害のシグネチャーを含む。

本明細書に記載の方法の一部の態様において、複数の疾患および障害には、2を超える疾患もしくは障害、10を超える疾患もしくは障害、20を超える疾患もしくは障害、30を超える疾患もしくは障害、50を超える疾患もしくは障害、100を超える疾患もしくは障害、200を超える疾患もしくは障害、300を超える疾患もしくは障害、400を超える疾患もしくは障害、500を超える疾患もしくは障害、600を超える疾患もしくは障害、700を超える疾患もしくは障害、800を超える疾患もしくは障害、900を超える疾患もしくは障害、1000を超える疾患もしくは障害、1100を超える疾患もしくは障害、1200を超える疾患もしくは障害、1300を超える疾患もしくは障害、1400を超える疾患もしくは障害、1500を超える疾患もしくは障害、2000を超える疾患もしくは障害、3000を超える疾患もしくは障害、4000を超える疾患もしくは障害、5000を超える疾患もしくは障害、6000を超える疾患もしくは障害、または7000を超える疾患もしくは障害が含まれる。

本明細書に記載の方法の一部の態様において、複数の疾患および障害には、2〜10,000の疾患もしくは障害、10〜10,000の疾患もしくは障害、20〜10,000の疾患もしくは障害、30〜10,000の疾患もしくは障害、50〜10,000の疾患もしくは障害、100〜10,000の疾患もしくは障害、200〜10,000の疾患もしくは障害、300〜10,000の疾患もしくは障害、400〜10,000の疾患もしくは障害、500〜10,000の疾患もしくは障害、600〜10,000の疾患もしくは障害、700〜10,000の疾患もしくは障害、800〜10,000の疾患もしくは障害、900〜10,000の疾患もしくは障害、1000〜10,000の疾患もしくは障害、1100〜10,000の疾患もしくは障害、1200〜10,000の疾患もしくは障害、1300〜10,000の疾患もしくは障害、1400〜10,000の疾患もしくは障害、1500〜10,000の疾患もしくは障害、2000〜10,000の疾患もしくは障害、3000〜10,000の疾患もしくは障害、4000〜10,000の疾患もしくは障害、5000〜15,000の疾患もしくは障害、6000〜15,000の疾患もしくは障害、または7000〜15,000の疾患もしくは障害が含まれる。

一部の態様は、得られた診断情報の一部または全ての図による表示を記憶する工程(工程22)を含む。一部の態様において、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた1つまたは複数の生化学経路の図による表示は記憶される。一部の態様において、図による表示は、スーパー経路の図による表示と、スーパー経路が、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられたことを示す表示を含む(例えば、図4および以下の実施例セクションにある関連説明を参照されたい)。一部の態様において、図による表示は、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられたサブ経路の図による表示を含む(例えば、図6および以下の実施例セクションにある関連説明を参照されたい)。一部の態様において、図による表示は、全ての生化学サブ経路の図による表示と、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた生化学サブ経路の図による表示を含む(例えば、図5および以下の実施例セクションにある関連説明を参照されたい)。一部の態様において、図による表示は、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットの図による表示と、それぞれのレベルの図による表示をさらに含む(例えば、図7〜9、11〜14、および19〜21、ならびに以下の実施例セクションの関連する説明を参照されたい)。本明細書で使用する、得られた診断情報の一部または全部の図による表示の作成、記憶、および/または表示は情報の視覚化または結果の視覚化とも呼ばれる。

図による表示は、画像を電子的に記憶するために、任意の公知のフォーマット(例えば、JPEG/JFIF、JPEG2000、Exif、TIFF、RAW、GIF、BMP、PNG、PPM、PGM、PNM、WEBP、CGM、SVGなど)で記憶することができる。一部の態様において、図による表示は文書の中に取り込まれ、文書ファイルフォーマット(例えば、PDF、.ps、.doc、.docx、.ppt、.odt、.htm、.htmlなど)で記憶されてもよい。

一部の態様において、個々の対象の複数のタイプの診断情報は編集されて、本明細書において報告書と呼ばれる1つの文書にまとめられてもよい。報告書は、検出された異なる低分子生化学物質の総数、異常なレベルを有する低分子と関連付けられた生化学経路(例えば、スーパー経路および/またはサブ経路)の特定;特定されたサブ経路の中で、どの低分子が異常なレベルで存在したかということの特定、異常なレベルで存在する生化学低分子の特定およびレベルの表示、希少生化学物質の特定、欠損生化学物質の表示、それぞれのアウトライアー生化学物質が標準範囲より高いレベルまたは低いレベルで存在するかどうかの表示;可能性のある、または考えられる診断のリスト、推奨される確認検査のリスト、ならびに推奨されるフォローアップ検査のリストのいずれか、または全てに関する情報を含んでもよい。報告書は適切な電子ファイルフォーマットで記憶されてもよい。一部の態様において、結果の報告書は、任意の適切な電子的な形または非電子的な形(例えば、紙)で医療提供者および/または個々の対象に提供される。

図2は、態様による、複数の疾患または障害について個々の対象をスクリーニングするための方法20のブロック図である。試料が個々の対象から得られる(工程32)。試料中にある複数種の低分子それぞれの存在、非存在、およびレベルに関する情報を含む試料の低分子プロファイルが作成される(工程34)。試料の低分子プロファイルは、複数種の低分子それぞれのレベルの標準範囲を含む参照低分子プロファイルと比較されて、プロファイル中の低分子のいずれかが試料中で異常なレベルを有するかどうかが確かめられる(工程36)。上記で説明したように、試料中にある異常なレベルの低分子には、低分子が存在するはずだということを示す標準範囲の場合は、試料に存在しない低分子(例えば、欠損生化学物質)、低分子が存在しないはずだということを示す標準範囲の場合は、試料に存在する低分子(例えば、希少生化学物質)、および標準範囲により予測される濃度外にある濃度で試料に存在する低分子(例えば、アウトライアー)が含まれる。

試料の低分子プロファイル中にある、どの低分子も異常なレベルを有さなければ、異常なレベルが検出されなかったことを示す情報が記憶される(工程37)。

異常なレベルが検出されれば、異常なレベルを有する複数種の低分子のサブセットが特定される(工程38)。低分子の特定されたサブセットに基づいてデータベースから診断情報が得られる(工程40)。一部の態様において、前記方法は、異常なレベルを有すると特定された低分子のサブセットの1つまたは複数からのデータの重みつき組み合わせに基づいて疾患特異的または障害特異的な複合スコアを作成する工程を含み、低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいてデータベースから診断情報を得る工程は、作成された疾患特異的または障害特異的な複合スコアに基づいてデータベースから診断情報を得る工程を含む。一部の態様において、低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいて診断情報を得る工程は、1つまたは複数の異常生化学経路を特定する工程(工程41)を含む。データベースは、複数の疾患または障害それぞれについて、複数種の低分子の1つまたは複数の異常なレベルを、疾患または障害に関する情報と関連付ける情報を含む。得られた診断情報は記憶される(工程42)。記憶された診断情報は、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの生化学経路の特定、異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つの疾患または障害の特定、および異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた少なくとも1つのフォローアップ検査の特定、の1つまたは複数を含む。一部の態様において、前記方法はまた、得られた診断情報の図による表示を記憶する工程(工程44)も含む。図2にある工程41および工程44のボックスを取り囲む破線は、これらの工程が全態様において存在する必要はないことを示す。

一部の態様において、個々の対象は複数の疾患および障害の症候を示さず、方法30は、複数の疾患または障害について個々の無症候性対象をスクリーニングするための方法である。

一部の態様において、個々の対象は症候性であり、方法30は、複数の疾患または障害について個々の症候性対象をスクリーニングするための方法である。

一部の態様において、個々の対象はヒト新生児であり、方法30は、複数の疾患または障害についてヒト新生児をスクリーニングするための方法である。一部の態様において、個々の対象はヒト乳児であり、方法30は、複数の疾患または障害についてヒト乳児をスクリーニングするための方法である。

図3は、態様による、複数の疾患または障害のうちの1つを発症するリスクが高いかどうか個々の対象をスクリーニングするための方法50のブロック図である。試料が個々の対象から得られる(工程52)。試料中にある複数種の低分子それぞれの存在、非存在、およびレベルに関する情報を含む試料の低分子プロファイルが作成される(工程54)。試料の低分子プロファイルは、複数種の低分子それぞれのレベルの標準範囲を含む参照低分子プロファイルと比較されて、プロファイル中にある低分子のいずれかが試料中で異常なレベルを有するかどうかが確かめられる(工程56)。試料の低分子プロファイル中にある、どの低分子も異常なレベルを有さなければ、異常なレベルが検出されなかったことを示す情報が記憶される(工程57)。

異常なレベルが検出されれば、異常なレベルを有する複数種の低分子のサブセットが特定される(工程58)。低分子の特定されたサブセットに基づいてデータベースから診断情報が得られる(工程60)。一部の態様において、低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいて診断情報を得る工程は、1つまたは複数の異常生化学経路を特定する工程(工程61)を含む。データベースは、複数の疾患または障害それぞれについて複数種の低分子のうちの1つまたは複数の異常なレベルを、疾患または障害に関する情報と関連付ける情報を含む。異常なレベルを有する低分子の特定されたサブセットと関連付けられた疾患または障害を発症するリスクが高いことの特定を含む、得られた診断情報は記憶される(工程62)。一部の態様において、前記方法はまた、得られた診断情報の図による表示を記憶する工程(工程64)も含む。

疾患または障害を発症するリスクが高いことを示す、試料中にある1種類または複数種の低分子の異常なレベルは、本明細書では疾患または障害のリスクが高いことのシグネチャーと述べられる。方法50において、データベースは複数の疾患または障害のシグネチャーを含む。図3にある工程61および工程64のボックスを取り囲む破線は、これらが全態様において存在する必要はないことを示す。

さらなる態様において、新生児または乳児における疾患もしくは障害を診断するための、または疾患もしくは障害の診断を支援するための方法が提供される。

さらなる態様において、無症候性対象における疾患もしくは障害を診断するための方法、または疾患もしくは障害の診断を支援するための方法が提供される。

一態様において、症候性対象における疾患もしくは障害を診断するための方法、または疾患もしくは障害の診断を支援するための方法が提供される。前記方法は、1つもしくは複数の可能性のある疾患および/または1つもしくは複数の推奨されるさらなる検査のリストを含む診断情報を決定する工程を含んでもよい。

一態様において、疾患もしくは障害を診断するために、または疾患もしくは障害の診断を支援するために希少代謝産物の検出が用いられてもよい。

一態様において、疾患もしくは障害を診断するために、または疾患もしくは障害の診断を支援するために欠損代謝産物の特定が用いられてもよい。

一態様において、生物学的試料は尿試料であり、おむつなどの材料から得られてもよい。

一態様において、試料の低分子プロファイルの作成は、検査試料中にある生化学物質の特定を支援するためのマトリックス試料の使用を含む。

試料の低分子プロファイルを作成する工程、試料の低分子プロファイルと参照低分子プロファイルを比較して、試料中にある低分子が異常なレベルを有するかどうか確かめる工程、異常なレベルを有する複数種の低分子のサブセットを特定する工程、低分子の特定されたサブセットの異常なレベルに基づいてデータベースから診断情報を得る工程、異常なレベルが見出されなかったことを示すものを記憶する工程、得られた診断情報を記憶する工程、得られた診断情報の図による表示を記憶する工程が、一部または全部、1つまたは複数の計算システムの1つまたは複数のプロセッサ上で実行する命令を用いて行われてもよい。

一部の態様は、本明細書に記載の方法の様々な工程を実施するための命令を備えるコンピュータ実行可能なコードを保持する記憶装置を含む。

図22は、例示的な本明細書に記載の方法の様々な工程を実行するのに用いられ得る例示的な計算装置100のブロック図である。計算装置100は、1つまたは複数のコンピュータ実行可能な命令を記憶するための1つまたは複数の非一時的(non-transitory)コンピュータ読取り可能媒体または例示的な態様を実行するためのソフトウェアを含む。非一時的コンピュータ読取り可能媒体には、1つまたは複数のタイプのハードウェアメモリ、非一時的な手で触れることができる媒体(例えば、1つまたは複数の磁気記憶ディスク、1つまたは複数の光ディスク、1つまたは複数のフラッシュドライブ)などが含まれ得るが、これに限定されない。例えば、計算装置100に搭載されるメモリ106は、本明細書に記載の工程または方法の全てまたは一部を実行するために、コンピュータ読取り可能およびコンピュータ実行可能な命令またはソフトウェアを記憶してもよい。計算装置100はまた、メモリ106およびシステムハードウェアを制御するための他のプログラムに記憶されたコンピュータ読取り可能およびコンピュータ実行可能な命令またはソフトウェアを実行するための、構成可能および/またはプログラム可能なプロセッサ102および関連するコア104と、任意で、1つまたは複数のさらなる構成可能および/またはプログラム可能なプロセッサ102'ならびに関連するコア104'(例えば、複数のプロセッサ/コアを有するコンピュータシステムの場合)も備える。プロセッサ102およびプロセッサ102'はそれぞれ、単一のコアプロセッサまたは複数のコア(104および104')プロセッサでもよい。

計算装置内でインフラストラクチャおよびリソースが動的に共有され得るように、計算装置100において仮想化が用いられてもよい。複数のプロセッサ上で走るプロセスが複数の演算リソースではなく1つだけの演算リソースを用いているようにしかみえないように、このプロセスを取り扱うために仮想計算機114が設けられてもよい。複数の仮想計算機が1つのプロセッサと一緒に用いられてもよい。

メモリ106は、コンピュータシステムメモリまたはランダムアクセスメモリ、例えば、DRAM、SRAM、EDO RAM、などを備えてもよい。メモリ106は他のタイプのメモリも備えてもよく、その組み合わせを備えてもよい。

ユーザは、コンピュータモニターなどの視覚表示装置118を通じて計算装置100と対話してもよい。視覚表示装置118は、例示的な態様に従って提供され得る1つまたは複数のグラフィカルユーザインターフェースを表示してもよい。計算装置100は、ユーザから入力を受け取るための他のI/O装置、例えば、キーボードまたは任意の適切なマルチポイントタッチインターフェース108、ポインティング装置110(例えば、マウス)、マイクロフォン128、および/または画像取り込み装置132(例えば、カメラもしくはスキャナー)を備えてもよい。マルチポイントタッチインターフェース108およびポインティング装置110は視覚表示装置118とつながれてもよい。計算装置100は他の適切な従来のI/O周辺装置を備えてもよい。

計算装置100はまた、データを記憶するための、ハードドライブ、CD-ROM、または他のコンピュータ読取り可能媒体などの1つまたは複数の記憶装置124、ならびに本明細書に記載の例示的な態様を実行するためのコンピュータ読取り可能な命令および/またはソフトウェアも備えてもよい。例示的な記憶装置124はまた、例示的な態様を実行するのに必要な任意の適切な情報を記憶するために1つまたは複数のデータベースを記憶してもよい。例えば、例示的な記憶装置124は、化合物ライブラリー、参照低分子プロファイル、1つまたは複数の参照試料の低分子プロファイル、1つまたは複数の検査試料の低分子プロファイル、複数の疾患および障害について1種類または複数種の異常低分子と関連付けられた診断情報、経路を1種類または複数種の異常低分子と関連付ける情報、複数の疾患または障害について疾患または障害を1種類または複数種の異常低分子レベルと関連付ける情報、および1種類または複数種の異常低分子レベルと関連付けられた少なくとも1つの推奨されるフォローアップ検査の特定のいずれか、または全てを含む1つまたは複数のデータベース126を記憶することができる。他の態様において、異なる工程のための異なるデータベースが異なる計算装置と関連付けられてもよい。

得られた診断情報、得られた診断情報の図による表示、個々の対象の報告書などのいずれか、または全てを記憶するために1つまたは複数の記憶装置124が用いられてもよい。

1つまたは複数の記憶装置124および/またはメモリ106は、試料の低分子プロファイルと、複数種の低分子それぞれのレベルの標準範囲を含む参照低分子プロファイルを比較し、それぞれが異常なレベルを有する、試料中にある低分子のサブセットを特定する分析機能を実行するための、プロセッサ102上で実行可能なソフトウェア125を保持してもよい。

計算装置100は、標準的な電話線、LANまたはWANリンク(例えば、802.11、T1、T3、56kb、X.25)、ブロードバンド接続(例えば、ISDN、フレームリレー(Frame Relay)、ATM)、無線接続、コントローラエリアネットワーク(CAN)、または上記のいずれかのいくつかの組み合わせ、もしくは全てを含むが、これに限定されない様々な接続を通じて、1つまたは複数のネットワーク装置120を介して、1つまたは複数のネットワーク、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはインターネットとインターフェースするように構成されたネットワークインターフェース112を備えてもよい。例示的な態様において、計算装置100は、(例えば、ネットワークインターフェースを介して)計算装置100とネットワークとの間の無線通信を容易にする1つまたは複数のアンテナ130を備えてもよい。ネットワークインターフェース112は、ビルトインネットワークアダプタ、ネットワークインターフェースカード、PCMCIAネットワークカード、カードバスネットワークアダプタ、無線ネットワークアダプタ、USBネットワークアダプタ、モデム、または通信し、かつ本明細書に記載の動作を実施することができる任意のタイプのネットワークに計算装置100をインターフェースするのに適した他の任意の装置を備えてもよい。さらに、計算装置100は、任意のコンピュータシステム、例えば、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、サーバー、ラップトップ、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピュータ(例えば、iPad(商標)タブレットコンピュータ)、移動計算装置もしくは移動通信装置(例えば、iPhone(商標)通信装置)、または通信することができ、かつ本明細書に記載の動作を行うのに十分なプロセッサ能力およびメモリ容量をもつ他の種類の計算装置もしくは電気通信装置でよい。一部の態様において、計算装置100は、実験データを得るのに用いられる1つまたは複数の計算装置(例えば、LC/MSシステムに関連する計算装置、GC/MSシステムに関連する計算装置)とネットワークを介して通信してもよい。

計算装置100は、任意のオペレーティングシステム116、例えば、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)オペレーティングシステムの任意のバージョン、UnixおよびLinuxオペレーティングシステムの様々なリリース、Macintoshコンピュータ用のMacOS(登録商標)の任意のバージョン、任意の組込みオペレーティングシステム、任意のリアルタイムオペレーティングシステム、任意のオープンソースオペレーティングシステム、任意の知的財産権によって保護されているオペレーティングシステム、または計算装置において実行し、かつ本明細書に記載の動作を行うことができる他の任意のオペレーティングシステムを実行してもよい。例示的な態様において、オペレーティングシステム116は固有モードで実行されてもよく、エミュレートモードで実行されてもよい。例示的な態様において、オペレーティングシステム116は1つまたは複数のクラウドマシンインスタンス(cloud machine instance)において実行されてもよい。

例示的な態様を説明する際に、理解しやすいようにするために特定の専門用語が用いられる。説明の目的で、それぞれの特定の用語は、少なくとも、同様の目的を果たすように同じように働く全ての技術的等価物および機能的等価物を含むことが意図される。さらに、特定の例示的な態様が複数のシステム要素、装置構成部分、または方法工程を含む一部の場合には、これらの要素、構成部分、または工程は単一の要素、構成部分、または工程と取り替えられてもよい。同様に、単一の要素、成分、または工程は、同じ目的を果たす複数の要素、構成部分、または工程と取り替えられてもよい。さらに、例示的な態様が示され、その特定の態様に関して説明されたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、態様には形態および細部の点で様々な置換および変化がなされ得ることを理解するものとする。なおさらに、他の態様、機能、および利点も本発明の範囲内である。

例示的なブロック図/フローチャートが例示目的で本明細書において示され、方法の非限定的な例である。当業者は、例示的な方法が、例示的なブロック図/フローチャートに図示したものより多いか、または少ない工程を含んでもよく、例示的なブロック図/フローチャートにある工程は、例示的なブロック図/フローチャートに示した順序とは異なる順序で実施されてもよいことを認めるだろう。

一部の態様において、本明細書に記載の方法の結果は他の方法(例えば、全エクソーム配列決定)と併用されてもよい。

疾患状態を示すバイオマーカー 本明細書に記載のメタボロームプロファイリング技法を用いて、特定の障害に特有の新規のバイオマーカーを特定した。一般的に、1つまたは複数の障害と診断された対象ならびに前記の障害と診断されていない他の対象(例えば、健常対照対象)から得られた生物学的試料のメタボロームプロファイルを決定した。ある特定の障害をもつ対象に由来する生物学的試料のメタボロームプロファイルと、健常対照対象に由来する生物学的試料のメタボロームプロファイルを比較した。健常対照対象と比較して、ある特定の障害をもつ対象に由来する試料のメタボロームプロファイルに異なって存在する分子(例えば、統計的に有意なレベルで異なって存在する分子)を、これらの群を区別するバイオマーカーとして特定した。このように特定された1つまたは複数のバイオマーカーのレベルの検出を用いて、個々の対象を診断するか、または個々の対象の診断を容易にすることができる。前記バイオマーカーは、個々に、または他のバイオマーカーと組み合わせて(例えば、プロファイルの一部として)対象において検出することができる。

バイオマーカーの検出に適した生物学的試料には、対象から単離された生物学的材料が含まれる。例示的な態様において、試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

試料中にある1つまたは複数のバイオマーカーのレベルを確かめるために、任意の適切な方法を用いて生物学的試料を分析することができる。適切な方法には、クロマトグラフィー(例えば、HPLC、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー)、質量分析法(例えば、MS、MS-MS)、酵素結合免疫測定法(ELISA)、抗体結合、他の免疫化学的技法、およびその組み合わせが含まれるが、これに限定されない。さらに、1つまたは複数のバイオマーカーのレベルは、間接的に、例えば、測定することが望まれるバイオマーカーのレベルと相関関係にある化合物のレベルを測定するアッセイを用いることによって測定されてもよい。1つまたは複数のバイオマーカーのレベルはまた、例えば、本明細書に示した方法を用いて、バイオマーカープロファイル、例えば、メタボロームプロファイルの一部として確かめられてもよい。

対象から得られた生物学的試料中にある1つまたは複数のバイオマーカーのレベルが確かめられた後に、このレベルは、障害のある対象に特有の(すなわち、障害が「陽性」の)参照レベルおよび/または障害がない対象に特有の(すなわち、障害が「陰性」の)参照レベルと比較される。ある特定の障害が陽性の対象に特有の参照レベルと一致する1つまたは複数のバイオマーカーのレベル(例えば、参照レベルと同じレベル、参照レベルと実質的に同じレベル、参照レベルと統計学的に差がないレベル、参照レベルの定められた範囲内にあるレベル)は、対象における障害の陽性診断を示す。ある特定の障害が陰性の対象に特有の参照レベルと一致する1つまたは複数のバイオマーカーのレベル(例えば、参照レベルと同じレベル、参照レベルと実質的に同じレベル、参照レベルと統計学的に差がないレベル、参照レベルの定められた範囲内にあるレベルなど)は、対象における障害の陰性診断を示す。さらに、ある特定の障害が陽性の対象に特有の参照レベルと比較して、対象から得られた試料中で異なって(例えば、統計的に有意なレベルで)存在する1つまたは複数のバイオマーカーのレベルは、対象における障害の陰性診断を示す。ある特定の障害が陰性の対象に特有の参照レベルと比較して、対象から得られた試料中で異なって(例えば、統計的に有意なレベルで)存在する1つまたは複数のバイオマーカーのレベルは、対象における障害の陽性診断を示す。

1つまたは複数のバイオマーカーのレベルは、生物学的試料中にある1つまたは複数のバイオマーカーのレベルと障害陽性参照レベルおよび/または障害陰性参照レベルとの単純な比較を含む様々な技法を用いて障害陽性参照レベルおよび/または障害陰性参照レベルと比較されてもよい。生物学的試料中にある1つまたは複数のバイオマーカーのレベルはまた、1つまたは複数の統計解析(例えば、t検定、ウエルチT検定、ウィルコクソン順位和検定、ランダムフォレスト(random forest))を用いて障害陽性参照レベルおよび/または障害陰性参照レベルと比較されてもよい。様々な態様において、このような比較は、手作業で、自動システムによって、または自動システムと手作業での確認によって行われてもよい。

バイオマーカーの「参照レベル」とは、特定の疾患状態、表現型、またはその欠如、ならびに疾患状態、表現型、またはその欠如の組み合わせを示すバイオマーカーレベルを意味する。バイオマーカーの「陽性」参照レベルとは、特定の疾患状態または表現型を示すレベルを意味する。バイオマーカーの「陰性」参照レベルとは、特定の疾患状態または表現型が無いことを示すレベルを意味する。バイオマーカーの「参照レベル」は、バイオマーカーの絶対量もしくは相対量または濃度、バイオマーカーの存在または非存在、バイオマーカーの量もしくは濃度の範囲、バイオマーカーの最小量および/もしくは最大量または濃度、バイオマーカーの量または濃度の平均、ならびに/あるいはバイオマーカーの量または濃度の中央値でもよい。さらに、バイオマーカーの組み合わせの「参照レベル」はまた、互いと比較した2以上のバイオマーカーの絶対量もしくは相対量または濃度の比でもよい。特定の疾患状態、表現型、またはその欠如に適した、バイオマーカーの陽性参照レベルおよび陰性参照レベルは1つまたは複数の適切な対象において望ましいバイオマーカーのレベルを測定することによって求められてもよく、このような参照レベルは特定の対象集団に合わせられてもよい(例えば、ある特定の年齢の対象に由来する試料におけるバイオマーカーレベルと、ある特定の年齢群における特定の疾患状態、表現型、またはその欠如の参照レベルとの間で比較がなされ得るように、参照レベルは年齢が合わせられてもよい)。このような参照レベルはまた、生物学的試料中にあるバイオマーカーのレベルを測定するのに用いられる特定の技法(例えば、LC-MS、GC-MSなど)に合わせられてもよい。この場合、バイオマーカーのレベルは、用いられる特定の技法に基づいて異なる場合がある。

一態様において、特定の障害に特有の新規のバイオマーカーは、現在用いられている診断用代謝産物と生化学的に関連してもよい。他の態様において、新規のバイオマーカーは、ある特定の障害の現在用いられている、どの診断用代謝産物とも関連がない。新規のバイオマーカーを表2の最後の縦列および表3の最後の縦列に列挙した。個々の対象における障害を診断するために、または障害の診断を容易にするために、表2および表3に示した1つまたは複数のバイオマーカーのレベルが用いられる場合がある。例えば、このような方法において、表2および/もしくは表3にある全バイオマーカーまたはその任意の一部の組み合わせを含む、1つのバイオマーカー、2以上のバイオマーカー、3以上のバイオマーカー、4以上のバイオマーカー、5以上のバイオマーカー、6以上のバイオマーカー、7以上のバイオマーカー、8以上のバイオマーカー、9以上のバイオマーカー、10以上のバイオマーカーなどのレベルが確かめられ、用いられる場合がある。バイオマーカーの組み合わせのレベルを確かめると、特定の障害の診断における感度および特異度が高くなる可能性があり、他の障害とよりよく区別することができる可能性がある。一態様において、特定の障害に特有の1つまたは複数の新規のバイオマーカーのレベルは、障害を示す、現在用いられている1つまたは複数の診断用代謝産物のレベルと組み合わせて評価されてもよい。特定の障害を示す、現在用いられている診断用代謝産物を表2の縦列5および表3の縦列5に示した。一部のバイオマーカーは、あるタイプの試料(例えば、血漿)については現在用いられている診断用代謝産物であるが、別のタイプの試料(例えば、尿)については新規の診断用代謝産物である場合がある。

特定の障害の新規の代謝バイオマーカーを特定することで、障害を治療することも可能になる。従って、例示的な態様では、本明細書に示したバイオマーカーを用いて特定の疾患または障害と診断された対象に、有効量の治療剤を投与することができる。

特定の障害を診断するか、または特定の障害の診断を容易にするのに使用することができるバイオマーカーを以下で説明する。

3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症 3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、3-メチルクロトニルグリシン、アジパート、グルタラート(ペンタンジオアート)、オクタデカンジオアート(C18)、ヘキサデカンジオアート(C16)、テトラデカンジオアート(C14)、ドデカンジオアート(C12)、イソバレラート、ロイシン、イソバレリルグリシン、α-ヒドロキシイソバレラート、スクシニルカルニチン、3-メチルグルタリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、アラニルアラニン、ピログルタミルバリン、エチルマロナート、N-アセチルロイシン、X-12007、X-12814、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象における3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、3-メチルクロトニルグリシン、アジパート、グルタラート(ペンタンジオアート)、オクタデカンジオアート(C18)、ヘキサデカンジオアート(C16)、テトラデカンジオアート(C14)、ドデカンジオアート(C12)、イソバレラート、ロイシン、イソバレリルグリシン、α-ヒドロキシイソバレラート、スクシニルカルニチン、3-メチルグルタリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、アラニルアラニン、ピログルタミルバリン、エチルマロナート、N-アセチルロイシン、X-12007、およびX-12814を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物の3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症陽性参照レベルおよび/または3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象における3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物には3-メチルクロトニルグリシンおよびβ-ヒドロキシイソバレラートが含まれる。従って、3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症を診断する方法または3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、3-メチルクロトニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレラート、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、イソバレリルグリシン、ロイシン、3-メチルクロトニルグリシン、イソバレラート、および3-ヒドロキシイソバレラートからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象における3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症の診断または3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症の診断の支援において用いられてもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象における3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析して、エチルマロナート、N-アセチルロイシン、およびその組み合わせのいずれかを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめることによって行うことができるか、または容易にすることができる。

アデノシンデアミナーゼ欠損症 アデノシンデアミナーゼ欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、2'-デオキシイノシン、アデニン、N2-メチルグアノシン、2'-デオキシグアノシン、ウラート、N1-メチルアデノシン、アデノシン、アラントイン、キサンチン、グアノシン、ヒポキサンチン、N2,N2-ジメチルグアノシン、7-メチルグアノシン、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるアデノシンデアミナーゼ欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、2'-デオキシイノシン、アデニン、N2-メチルグアノシン、2'-デオキシグアノシン、ウラート、N1-メチルアデノシン、アデノシン、アラントイン、キサンチン、グアノシン、ヒポキサンチン、N2,N2-ジメチルグアノシン、および7-メチルグアノシンを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のアデノシンデアミナーゼ欠損症陽性参照レベルおよび/またはアデノシンデアミナーゼ欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるアデノシンデアミナーゼ欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。アデノシンデアミナーゼ欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはデオキシアデノシンおよびS-アデノシルホモシステインが含まれる。従って、アデノシンデアミナーゼ欠損症を診断する方法またはアデノシンデアミナーゼ欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、デオキシアデノシンおよびS-アデノシルホモシステインを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるアデノシンデアミナーゼ欠損症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析して、2'-デオキシイノシン、アデニン、N2-メチルグアノシン、2'-デオキシグアノシン、ウラート、N1-メチルアデノシン、アデノシン、アラントイン、キサンチン、グアノシン、ヒポキサンチン、N2,N2-ジメチルグアノシン、7-メチルグアノシン、およびその組み合わせのいずれかを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめることによって行うことができるか、または容易にすることができる。

アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症 アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、N-δ-アセチルオルニチン、ウラシル、アルギニン、アスパルタート、ソルボース、フルクトース、シトルリン、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート、イソロイシルアスパルタート、オルニチン、ウリジン、ホモシトルリン、オロタート、ホモアルギニン、O-スルホ-L-チロシン、パルミトイルスフィンゴミエリン、X-13507、X-15245、X-15664、X-15454、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるアルギニノコハク酸リアーゼ欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、N-δ-アセチルオルニチン、ウラシル、アルギニン、アスパルタート、ソルボース、フルクトース、シトルリン、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート;イソロイシルアスパルタート、オルニチン、ウリジン、ホモシトルリン、オロタート、ホモアルギニン、O-スルホ-L-チロシン、パルミトイルスフィンゴミエリン、X-13507、X-15245、X-15664、およびX-15454を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のアルギニノコハク酸リアーゼ欠損症陽性参照レベルおよび/またはアルギニノコハク酸リアーゼ欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるアルギニノコハク酸リアーゼ欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはアルギノスクシナートが含まれる。従って、アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症を診断する方法またはアルギニノコハク酸リアーゼ欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、アルギニノスクシナートを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、アルギニノスクシナート、シトルリン、ウラシル、アルギニン、およびアスパルタートからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるアルギニノコハク酸リアーゼ欠損症の診断またはアルギニノコハク酸リアーゼ欠損症の診断の支援において用いられてもよい。

アルギニン血症 アルギニン血症を示す新規の代謝バイオマーカーには、ホモアルギニン、N-アセチルアルギニン、オルニチン、尿素、ホモシトルリン、ウラシル、アスパルタート、アルギニノスクシナート、プロリン、オロタート、クレアチニン、ウリジン、3-ウレイドプロピオナート、クレアチン、ベタイン、ロイシン、イソロイシン、γ-グルタミルロイシン、X-12339、X-12681、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるアルギニン血症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、ホモアルギニン、N-アセチルアルギニン、オルニチン、尿素、ホモシトルリン、ウラシル、アスパルタート、アルギニノスクシナート、プロリン、オロタート、クレアチニン、ウリジン、3-ウレイドプロピオナート、クレアチン、ベタイン、ロイシン、イソロイシン、γ-グルタミルロイシン、X-12339、およびX-12681を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のアルギニン血症陽性参照レベルおよび/またはアルギニン血症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるアルギニン血症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。アルギニン血症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはアルギニンおよび4-グアニジノブタノアートが含まれる。従って、アルギニン血症を診断する方法またはアルギニン血症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、アルギニン、4-グアニジノブタノアート、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、アルギニノスクシナート、4-グアニジノブタノアート、ウリジン、アルギニン、ホモシトルリン、N-アセチルアルギニン、オロタート、ウラシル、アスパルタート、クレアチニン、尿素、プロリン、オルニチン、X-12681、およびX-12339からなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるアルギニン血症の診断またはアルギニン血症の診断の支援において用いられてもよい。

ビオチニダーゼ欠損症 ビオチニダーゼ欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、ビオチン、キシリトール、3-メチルクロトニルグリシン、プロピオニルカルニチン(C3)、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるビオチニダーゼ欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、キシリトール、ビオチン、3-メチルクロトニルグリシン、およびプロピオニルカルニチン(C3)を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のビオチニダーゼ欠損症陽性参照レベルおよび/またはビオチニダーゼ欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

Cbl(コバラミン欠損症) コバラミン欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン、X-12749、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるコバラミン欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン、およびX-12749を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のコバラミン欠損症陽性参照レベルおよび/またはコバラミン欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるコバラミン欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。コバラミン欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物には、メチルマロン酸、ホモシステイン、2-メチルシトラート、およびシスタチオニンが含まれる。従って、cbl(コバラミン欠損症)を診断する方法またはcbl(コバラミン欠損症)の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、メチルマロン酸、ホモシステイン、2-メチルシトラート、シスタチオニン、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、2-メチルマロニルカルニチン、チグリルカルニチン、2-メチルブチリルカルニチン、および2-メチルシトラートからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるコバラミン欠損症の診断またはコバラミン欠損症の診断の支援において用いられてもよい。

Cbl A Cbl Aを示す新規の代謝バイオマーカーには、2-メチルマロニルカルニチン、チグリルカルニチン、2-メチルブチリルカルニチン、プロピオニルカルニチン、X-12749、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるCbl Aの診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、2-メチルマロニルカルニチンおよびチグリルカルニチン、2-メチルブチリルカルニチン、プロピオニルカルニチン、ならびにX-12749を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のCbl A陽性参照レベルおよび/またはCbl A陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるCbl Aの診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。Cbl Aを示す現在用いられている診断用代謝産物には、メチルマロン酸、ホモシステイン、2-メチルシトラート、およびシスタチオニンが含まれる。従って、Cbl Aを診断する方法またはCbl Aの診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、メチルマロン酸、ホモシステイン、2-メチルシトラート、シスタチオニン、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

Cbl C Cbl Cを示す新規の代謝バイオマーカーには、2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン、X-17677、X-12749、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるCbl Cの診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン、X-12749、およびX-17677を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のCbl C陽性参照レベルおよび/またはCbl C陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるCbl Cの診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。Cbl Cを示す現在用いられている診断用代謝産物には、メチルマロン酸、ホモシステイン、2-メチルシトラート、およびシスタチオニンが含まれる。従って、Cbl Cを診断する方法またはCbl Cの診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、メチルマロン酸、ホモシステイン、2-メチルシトラート、シスタチオニン、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

シトルリン血症 シトルリン血症を示す新規の代謝バイオマーカーには、ホモシトルリン、3-ウレイドプロピオナート、N-アセチルアラニン、フェニルアセチルグルタミン、フェニルアセタート、4-ウレイドブチラート、N-カルバモイルアスパルタート、グアニジノアセタート、尿素、4-グアニジノブタノアート、N-アセチルアルギニン、ヒプラート、オルニチン、2-メチルヒプラート、フェニルアセチルグリシン、4-フェニルブチラート、クレアチニン、オロタート、3,4-ジヒドロキシフェニルアセタート、ホモアルギニン、グアニジノスクシナート、γ-グルタミルフェニルアラニン、γ-グルタミルイソロイシン、トリプトファン、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)、N-アセチル-シトルリン(以前はX-12386)、X-19684、X-12681、X-20598、X-18446、X-20588、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるシトルリン血症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、ホモシトルリン、3-ウレイドプロピオナート、N-アセチルアラニン、フェニルアセチルグルタミン、フェニルアセタート、4-ウレイドブチラート、N-カルバモイルアスパルタート、グアニジノアセタート、尿素、4-グアニジノブタノアート、N-アセチルアルギニン、ヒプラート、オルニチン、2-メチルヒプラート、フェニルアセチルグリシン、4-フェニルブチラート、クレアチニン、オロタート、3,4-ジヒドロキシフェニルアセタート、ホモアルギニン、グアニジノスクシナート、γ-グルタミルフェニルアラニン、γ-グルタミルイソロイシン、トリプトファン、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)、N-アセチル-シトルリン(以前はX-12386)、X-19684、X-12681、X-20598、X-18446、およびX-20588を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のシトルリン血症陽性参照レベルおよび/またはシトルリン血症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるシトルリン血症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。シトルリン血症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはシトルリンおよびアルギニノコハク酸が含まれる。従って、シトルリン血症を診断する方法またはシトルリン血症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、シトルリン、アルギニノコハク酸、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、3-ウレイドプロピオナート、ホモシトルリン、シトルリン、およびN-アセチル-シトルリン(以前はX-12386)からなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるシトルリン血症の診断またはシトルリン血症の診断の支援において用いられてもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるシトルリン血症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析して、4-ウレイドブチラート、N-カルバモイルアスパルタート、グアニジノアセタート、4-グアニジノブタノアート、N-アセチルアルギニン、ヒプラート、オルニチン、2-メチルヒプラート、4-フェニルブチラート、クレアチニン、オロタート、3,4-ジヒドロキシフェニルアセタート、およびその組み合わせのいずれかを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめることによって行うことができるか、または容易にすることができる。

カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2欠損症(CPTII) カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2欠損症(CPTII)を示す新規の代謝バイオマーカーには、N-オクタノイルグリシン(C8エステル)、セバカート(sebacate)(C8)、カプラート(C10)、カプリラート(C8)、オクタノイルカルニチン、ヘキサノイルカルニチン、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるCPTIIの診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、N-オクタノイルグリシン(C8エステル)、セバカート(C8)、カプラート(C10)、カプリラート(C8)、オクタノイルカルニチン、およびヘキサノイルカルニチンを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のCPTII陽性参照レベルおよび/またはCPTII陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるCPTIIの診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。CPTIIを示す現在用いられている診断用代謝産物にはカルニチンおよびアシルカルニチンが含まれる。従って、CPTIIを診断する方法またはCPTIIの診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、カルニチン、アシルカルニチン、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、セバカート(デカンジオアート)、デカノイルカルニチン、カプリラート、カプラート、オクタノイルカルニチン、ヘキサノイルカルニチン、およびN-オクタノイルグリシンからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるCPTIIの診断またはCPTIIの診断の支援において用いられてもよい。

シスチン症 シスチン症を示す新規の代謝バイオマーカーには、cys-gly(酸化型)、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)、グリココレナートスルファート、4-アセチルフェノールスルファート、クレゾールグルクロニド(以前はX-11837)、エリスリトール、バニリルマンデラート、N2,N2-ジメチル-グアノシン、フェニルアセチルグルタミン、X-12846、X-12303、X-19145、X-12216、X-17717、X-15667、X-12119、X-11315、X-12731、X-12705、X-17685、X-18371、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるシスチン症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、cys-gly(酸化型)、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)、グリココレナートスルファート、4-アセチルフェノールスルファート、クレゾールグルクロニド(以前はX-11837)、エリスリトール、バニリルマンデラート、N2,N2-ジメチル-グアノシン、フェニルアセチルグルタミン、X-12846、X-12303、X-19145、X-12216、X-17717、X-15667、X-12119、X-11315、X-12731、X-12705、X-17685、およびX-18371を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のシスチン症陽性参照レベルおよび/またはシスチン症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるシスチン症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。シスチン症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはシスチンが含まれる。従って、シスチン症を診断する方法またはシスチン症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、シスチンを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症 ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、シチジン、5,6-ジヒドロウラシル、4-ウレイドブチラート、3-ウレイドプロピオナート、ウリジン、オロタート、N-カルバモイルアスパルタート、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、シチジン、5,6-ジヒドロウラシル、4-ウレイドブチラート、3-ウレイドプロピオナート、ウリジン、オロタート、およびN-カルバモイルアスパルタートを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症陽性参照レベルおよび/またはジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはウラシルおよびチミンが含まれる。従って、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症を診断する方法またはジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、ウラシル、チミン、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

グルタル酸尿症1型 グルタル酸尿症1型を示す新規の代謝バイオマーカーには、3-メチルグルタリルカルニチン、2-アミノアジパート、X-12364、X-15674、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるグルタル酸尿症1型の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、3-メチルグルタリルカルニチン、2-アミノアジパート、X-12364、およびX-15674を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のグルタル酸尿症1型陽性参照レベルおよび/またはグルタル酸尿症1型陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるグルタル酸尿症1型の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。グルタル酸尿症1型を示す現在用いられている診断用代謝産物には、グルタラート(ペンタンジオアート)、グルタリルカルニチン(C5)、3-ヒドロキシグルタラート、およびグルタコナートが含まれる。従って、グルタル酸尿症1型を診断する方法またはグルタル酸尿症1型の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、グルタラート(ペンタンジオアート)、グルタリルカルニチン(C5)、3-ヒドロキシグルタラート、グルタコナート、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、グルタリルカルニチンおよびグルタラート(ペンタンジオアート)からなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるグルタル酸尿症1型の診断またはグルタル酸尿症1型の診断の支援において用いられてもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるグルタル酸尿症1型の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析して、3-メチルグルタリルカルニチン、2-アミノアジパート、およびその組み合わせの1つまたは複数を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめることによって行うことができるか、または容易にすることができる。

グアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ(GAMT)欠損症 グアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、クレアチン、3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、1,3-ジパルミトイルグリセロール、グアニジノアセタート、クレアチニン、システインs-スルファート、X-19602、X-12906、X-13007、X-10458、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるグアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、クレアチン、3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、1,3-ジパルミトイルグリセロール、グアニジノアセタート、クレアチニン、システインs-スルファート、X-19602、X-12906、X-13007、X-10458を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のグアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ欠損症陽性参照レベルおよび/またはグアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるグアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ欠損症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析して、グアニジノアセタートを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめることによって行うことができるか、または容易にすることができる。

3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸尿症(HMG CoAリアーゼ欠損症) 3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸尿症(HMG CoAリアーゼ欠損症)を示す新規の代謝バイオマーカーには、β-ヒドロキシイソバレラート、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、アルギニルプロリン、1-ステアロイルグリセロホスホエタノールアミン、o-クレゾールスルファート、3-メチルクロトニルグリシン、アジパート、グルタラート(ペンタンジオアート)、オクタデカンジオアート(C18)、ヘキサデカンジオアート(C16)、テトラデカンジオアート(C14)、ドデカンジオアート(C12)、イソバレラート、アセチルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ヘキサノイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、ヘキセンジオイルカルニチン(hexenedioylcarnitine)(以前はX-17001)、X-17715、X-12741、X-16134、X-10593、X-12688、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるHMG CoAリアーゼ欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、β-ヒドロキシイソバレラート、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、アルギニルプロリン、1-ステアロイルグリセロホスホエタノールアミン、o-クレゾールスルファート、3-メチルクロトニルグリシン、アジパート、グルタラート(ペンタンジオアート)、オクタデカンジオアート(C18)、ヘキサデカンジオアート(C16)、テトラデカンジオアート(C14)、ドデカンジオアート(C12)、イソバレラート、アセチルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ヘキサノイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、ヘキセンジオイルカルニチン(以前はX-17001)、X-17715、X-12741、X-16134、X-10593、およびX-12688を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のHMG CoAリアーゼ欠損症陽性参照レベルおよび/またはHMG CoAリアーゼ欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるHMG CoAリアーゼ欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。HMG CoAリアーゼ欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物には、3-メチルグルタリルカルニチン(C6)、3-ヒドロキシ-3-メチル-グルタラート、3-メチルグルタラート、および3-ヒドロキシイソバレラートが含まれる。従って、HMG CoAリアーゼ欠損症を診断する方法またはHMG CoAリアーゼ欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、3-メチルグルタリルカルニチン(C6)、3-ヒドロキシ-3-メチル-グルタラート、3-メチルグルタラート、および3-ヒドロキシイソバレラート、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、グルタリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、3-メチルグルタリルカルニチン、グルタラート、ヘキサデカンジオアート、テトラデカンジオアート、オクタデカンジオアート、ドデカンジオアート、3-メチルクロトニルグリシン、3-メチルグルタリルカルニチン、およびアジパートからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるHMG CoAリアーゼ欠損症の診断またはHMG CoAリアーゼ欠損症の診断の支援において用いられてもよい。

ホロカルボキシラーゼ ホロカルボキシラーゼを示す新規の代謝バイオマーカーには、3-メチルクロトニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン(C5)、プロピオニルグリシン(C3)、3-ヒドロキシプロパノアート、チグロイルグリシン、スクシニルカルニチン、2-メチルシトラート、3-ヒドロキシイソブチラート、ラクタート、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、イソブチリルグリシン、α-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、3-メチル-2-オキソブチラート、3-メチル-2-オキソバレラート、3-ヒドロキシ-2-メチルブチラート、4-メチル-2-オキソペンタノアート、マロニルカルニチン、α-ヒドロキシイソバレラート、2-ヒドロキシル-3-メチルバレラート、プロピオニルカルニチン、チグリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、スクシナート、2-メチルマロニルカルニチン、α-ヒドロキシイソカプロアート、ビオチン、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるホロカルボキシラーゼの診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、3-メチルクロトニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン(C5)、プロピオニルグリシン(C3)、3-ヒドロキシプロパノアート、チグロイルグリシン、スクシニルカルニチン、2-メチルシトラート、3-ヒドロキシイソブチラート、ラクタート、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、イソブチリルグリシン、α-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、3-メチル-2-オキソブチラート、3-メチル-2-オキソバレラート、3-ヒドロキシ-2-メチルブチラート、4-メチル-2-オキソペンタノアート、マロニルカルニチン、α-ヒドロキシイソバレラート、2-ヒドロキシル-3-メチルバレラート、プロピオニルカルニチン、チグリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、スクシナート、2-メチルマロニルカルニチン、およびα-ヒドロキシイソカプロアート、ビオチンを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のホロカルボキシラーゼ陽性参照レベルおよび/またはホロカルボキシラーゼ陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるホロカルボキシラーゼの診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。ホロカルボキシラーゼを示す現在用いられている診断用代謝産物にはβ-ヒドロキシイソバレラートが含まれる。従って、ホロカルボキシラーゼを診断する方法またはホロカルボキシラーゼの診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、β-ヒドロキシイソバレラートを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、β-ヒドロキシイソバレリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、3-ヒドロキシプロパノアート、プロピオニルグリシン、チグロイルグリシン、3-メチルクロトニルグリシン、スクシニルカルニチンからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるホロカルボキシラーゼの診断またはホロカルボキシラーゼの診断の支援において用いられてもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるホロカルボキシラーゼの診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析して、2-メチルシトラート、3-ヒドロキシイソブチラート、ラクタート、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、イソブチリルグリシン、α-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、3-メチル-2-オキソブチラート、3-メチル-2-オキソバレラート、3-ヒドロキシ-2-メチルブチラート、4-メチル-2-オキソペンタノアート、マロニルカルニチン、α-ヒドロキシイソバレラート、2-ヒドロキシル-3-メチルバレラート、プロピオニルカルニチン、チグリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、スクシナート、2-メチルマロニルカルニチン、α-ヒドロキシイソカプロアート、およびその組み合わせのいずれかを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめることによって行うことができるか、または容易にすることができる。

ホモシスチン尿症 ホモシスチン尿症を示す新規の代謝バイオマーカーには、γ-グルタミルメチオニン、5-メチルチオアデノシン(MTA)、S-アデノシルホモシステイン(SAH)、N1-メチルアデノシン、グリシルプロリン、1-エイコセノイルグリセロホスホエタノールアミン(eicosenoylglycerophosphoethanolamine)(20:1n9)、1-メチルニコチンアミド、N-アセチル-アスパルチル-グルタマート(NAAG)、ピリドキサール、2-ヒドロキシイソブチラート、アシソガ(acisoga)、カルノシン、3-メトキシチロシン、2-ヒドロキシデカノアート、δ-トコフェロール、α-CEHC(2,5,7,8-テトラメチル-2-(2'-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン)スルファート(以前はX-12435)、N-アセチルトリプトファン、アデニン、コルチゾール、X-19350、X-18965、X-15649、X-17303、X-18897、X-11564、X-18891、X-12748、X-18918、X-18905、X-18606、X-16574、X-18895、X-18907、X-19455、X-18909、X-19574、X-12110、X-20676、X-11360、X-18920、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるホモシスチン尿症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、γ-グルタミルメチオニン、5-メチルチオアデノシン(MTA)、S-アデノシルホモシステイン(SAH)、N1-メチルアデノシン、グリシルプロリン、1-エイコセノイルグリセロホスホエタノールアミン(20:1n9)、1-メチルニコチンアミド、N-アセチル-アスパルチル-グルタマート(NAAG)、ピリドキサール、2-ヒドロキシイソブチラート、アシソガ、カルノシン、3-メトキシチロシン、2-ヒドロキシデカノアート、δ-トコフェロール、α-CEHC(2,5,7,8-テトラメチル-2-(2'-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン)スルファート(以前はX-12435)、N-アセチルトリプトファン、アデニン、コルチゾール、X-19350、X-18965、X-15649、X-17303、X-18897、X-11564、X-18891、X-12748、X-18918、X-18905、X-18606、X-16574、X-18895、X-18907、X-19455、X-18909、X-19574、X-12110、X-20676、X-11360、およびX-18920を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のホモシスチン尿症陽性参照レベルおよび/またはホモシスチン尿症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるホモシスチン尿症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。ホモシスチン尿症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはホモシステイン、システイン、メチオニン、および他のアミノ酸が含まれる。従って、ホモシスチン尿症を診断する方法またはホモシスチン尿症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、ホモシステイン、システイン、メチオニン、他のアミノ酸、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、メチオニン、S-アデノシルホモシステイン(SAH)、γ-グルタミルメチオニン、5-メチルチオアデノシン(MTA)、およびN1-メチルアデノシンからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるホモシスチン尿症の診断またはホモシスチン尿症の診断の支援において用いられてもよい。

イソ吉草酸血症 イソ吉草酸血症を示す新規の代謝バイオマーカーには、イソバレリルグリシン、イソバレリルカルニチン(C5)、バレラート、バレリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、フェニルカルニチン、β-ヒドロキシブチラート、3-メチルクロトニルグリシン、α-ヒドロキシブチラート、X-16577、X-14331、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるイソ吉草酸血症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、イソバレリルグリシン、イソバレリルカルニチン(C5)、バレラート、バレリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、フェニルカルニチン、β-ヒドロキシブチラート、3-メチルクロトニルグリシン、α-ヒドロキシブチラート、X-16577、およびX-14331を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のイソ吉草酸血症陽性参照レベルおよび/またはイソ吉草酸血症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるイソ吉草酸血症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。イソ吉草酸血症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはイソバレラート(C5)が含まれる。従って、イソ吉草酸血症を診断する方法またはイソ吉草酸血症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、イソバレラート(C5)を含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一態様において、イソバレリルグリシン、イソバレリルカルニチン、イソバレラート、ラクタート、3-メチルグルタロイルカルニチン、グルタロイルカルニチン、およびβ-ヒドロキシイソバレラートからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが対象におけるイソ吉草酸血症の診断またはイソ吉草酸血症の診断の支援において用いられてもよい。

一部の態様において、対象におけるイソ吉草酸血症の診断を支援するために、疾患特異的な複合スコアの形をとる、試料中で測定された1種類または複数種の異常低分子からの結果の重みつき組み合わせが用いられてもよい。一態様において、重みつき組み合わせ、すなわち複合スコアには、代謝産物3-ヒドロキシイソバレラート、イソバレリルカルニチン、およびイソバレラートに関する結果が含まれる。

一部の態様において、対象におけるイソ吉草酸血症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析して、β-ヒドロキシブチラートおよびα-ヒドロキシブチラートを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめることによって行うことができるか、または容易にすることができる。

リジン尿性タンパク質不耐症 リジン尿性タンパク質不耐症を示す新規の代謝バイオマーカーには、アスパラギン、N6-アセチルリジン、グルタミン、N2-アセチルリジン、N-アセチルアルギニン、γ-グルタミルグルタミン、プロリン、S-メチルシステイン、2-ヒドロキシデカノアート、1-メチルイミダゾールアセタート、2-アミノヘプタノアート、3-メチルグルタリルカルニチン、グルタリルカルニチン、N6-トリメチルリジン、5-(ガラクトシルヒドロキシ)-L-リジン、X-15636、17654、X-12193、X-12425、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるリジン尿性タンパク質不耐症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、アスパラギン、N6-アセチルリジン、グルタミン、N2-アセチルリジン、N-アセチルアルギニン、γ-グルタミルグルタミン、プロリン、S-メチルシステイン、2-ヒドロキシデカノアート、1-メチルイミダゾールアセタート、-アミノヘプタノアート、3-メチルグルタリルカルニチン、グルタリルカルニチン、N6-トリメチルリジン、5-(ガラクトシルヒドロキシ)-L-リジン、X-15636、17654、X-12193、およびX-12425を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のリジン尿性タンパク質不耐症陽性参照レベルおよび/またはリジン尿性タンパク質不耐症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるリジン尿性タンパク質不耐症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。リジン尿性タンパク質不耐症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはオルニチン、アルギニン、およびリジンが含まれる。従って、リジン尿性タンパク質不耐症を診断する方法またはリジン尿性タンパク質不耐症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、オルニチン、アルギニン、リジン、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、N6-アセチルリジン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、オルニチン、およびリジンからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるリジン尿性タンパク質不耐症の診断またはリジン尿性タンパク質不耐症の診断の支援において用いられてもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるリジン尿性タンパク質不耐症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析して、2-アミノヘプタノアート、3-メチルグルタリルカルニチン、グルタリルカルニチン、N6-トリメチルリジン、5-(ガラクトシルヒドロキシ)-L-リジン、およびその組み合わせのいずれかを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめることによって行うことができるか、または容易にすることができる。

中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症 中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、N-オクタノイルグリシン、カプロアート(6:0)、カプリラート(8:0)、ヘプタノアート(7:0)、ドデカンジオアート、O-メチルカテコールスルファート、1-ステアロイルグリセロホスホコリン(18:0)、1-マルガロイルグリセロホスホコリン (17:0)、1-ドコサペンタエノイルグリセロホスホコリン(22:5n3)、N-パルミトイルタウリン、ペラルゴナート(9:0)、デオキシカルニチン、ヘプタノイルグリシン、3-メチルアジパート、2-ヒドロキシグルタラート、α-CEHC(2,5,7,8-テトラメチル-2-(2'-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン)スルファート(以前はX-12435)、メチルヘキサノイルグルタミン(以前はX-12637)、X-11521(考えられる実験式:C15H27NO4および構造:2-オクテノイルカルニチン)、X-15646、X-12802、X-11478、X-11440(考えられる二硫酸ヒドロキシプレグネン-ジオールまたは二硫酸プレグナノロン-ジオール)、X-15486、X-18913、X-13837、X-18946、X-11861、X-18888、X-18922、X-17438、X-18916、X-16674、X-12824、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象における中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、N-オクタノイルグリシン、カプロアート(6:0)、カプリラート(8:0)、ヘプタノアート(7:0)、ドデカンジオアート、O-メチルカテコールスルファート、1-ステアロイルグリセロホスホコリン(18:0)、1-マルガロイルグリセロホスホコリン(17:0)、1-ドコサペンタエノイルグリセロホスホコリン(22:5n3)、N-パルミトイルタウリン、ペラルゴナート(9:0)、デオキシカルニチン、ヘプタノイルグリシン、3-メチルアジパート、2-ヒドロキシグルタラート、α-CEHC(2,5,7,8-テトラメチル-2-(2'-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン)スルファート(以前はX-12435)、メチルヘキサノイルグルタミン(以前はX-12637)、X-11521(考えられる実験式:C15H27NO4および構造:2-オクテノイルカルニチン)、X-15646、X-12802、X-11478、X-11440(考えられる二硫酸ヒドロキシプレグネン-ジオールまたは二硫酸プレグナノロン-ジオール)、X-15486、X-18913、X-13837、X-18946、X-11861、X-18888、X-18922、X-17438、X-18916、X-16674、およびX-12824を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物の中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症陽性参照レベルおよび/または中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象における中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物には、アシルカルニチン、カルニチン、4-オクテンジオアート、アジパート、および有機酸(例えば、ヘキサノイルグリシン(C6)、オクタノイルカルニチン(C8)、ヘキサノイルカルニチン(C6)、cis-4-デセノイルカルニチン、5-ヒドロキシヘキサノアート、スベラート(オクタンジオアート)、セバカート(デカンジオアート)、デカノイルカルニチン、3-ヒドロキシデカノアートを含む)が含まれる。従って、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症を診断する方法または中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、アシルカルニチン、カルニチン、4-オクテンジオアート、アジパート、有機酸、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、カプロアート、ヘキサノイルグリシン、オクタノイカルニチン(octanoycarnitine)、ヘキサノイカルニチン(hexanoycarnitine)、N-オクタノイカルニチン(octanoyglycine)、cis-4-デセノイルカルニチン、デオキシカルニチン、カプリラート、5-ヒドロキシヘキサノアート、デカノイルカルニチン、スベラート(オクタンジオアート)、N-パルミトイルタウリン、およびヘプタノアートからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象における中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症の診断または中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症の診断の支援において用いられてもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象における中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析して、ヘプタノイルグリシン、3-メチルアジパート、2-ヒドロキシグルタラート、およびその組み合わせのいずれかを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめることによって行うことができるか、または容易にすることができる。

メチルマロン酸血症 メチルマロン酸血症を示す新規の代謝バイオマーカーには、2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン(C3)、チグリルカルニチン、2-メチルブチリルカルニチン(C5)、2-メチルシトラート、スクシニルカルニチン、プロピオニルグリシン、3-ヒドロキシプロパノアート、バレリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、スクシナート、チグロイルグリシン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、イソブチリルカルニチン、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、ブチリルカルニチン、3-メチルグルタリルカルニチン、メチルスクシナート、3-メチル-2-オキソバレラート、3-メチル-2-オキソブチラート、X-12749、X-17564、X-12114、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるメチルマロン酸血症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン(C3)、チグリルカルニチン、2-メチルブチリルカルニチン(C5)、2-メチルシトラート、スクシニルカルニチン、プロピオニルグリシン、3-ヒドロキシプロパノアート、バレリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、スクシナート、チグロイルグリシン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、イソブチリルカルニチン、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、ブチリルカルニチン、3-メチルグルタリルカルニチン、メチルスクシナート、3-メチル-2-オキソバレラート、3-メチル-2-オキソブチラート、X-12749、X-17564、およびX-12114を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のメチルマロン酸血症陽性参照レベルおよび/またはメチルマロン酸血症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるメチルマロン酸血症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。メチルマロン酸血症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはメチルマロナートおよびメチルマロニルCoAが含まれる。従って、メチルマロン酸血症を診断する方法またはメチルマロン酸血症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、メチルマロナート、メチルマロニルCoA、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、プロピオニルカルニチン、2-メチルマロニルカルニチン、2-メチルブチリルカルニチン、バレリルカルニチン、プロピオニルグリシン、3-ヒドロキシプロパノアート、チグロイルグリシン、チグリルカルニチン、スクシニルカルニチン、スクシナート、イソバレリルカルニチン、および2-メチルシトラートからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるメチルマロン酸血症の診断またはメチルマロン酸血症の診断の支援において用いられてもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるメチルマロン酸血症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析して、3-メチルグルタリルカルニチン、メチルスクシナート、およびその組み合わせのいずれかを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめることによって行うことができるか、または容易にすることができる。

モリブデン補因子欠損症または亜硫酸酸化酵素欠損症 モリブデン補因子欠損症または亜硫酸酸化酵素欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、5-HETE、ロイコトリエンB4、13-HODE+9-HODE、12-HETE、ウラート、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるモリブデン補因子欠損症または亜硫酸酸化酵素欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、5-HETE、ロイコトリエンB4、13-HODE+9-HODE、12-HETE、およびウラートを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のモリブデン補因子欠損症もしくは亜硫酸酸化酵素欠損症陽性参照レベルおよび/またはモリブデン補因子欠損症もしくは亜硫酸酸化酵素欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるモリブデン補因子欠損症または亜硫酸酸化酵素欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。モリブデン補因子欠損症または亜硫酸酸化酵素欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはキサンチン、S-スルホシステイン、およびチオスルファートが含まれる。従って、モリブデン補因子欠損症もしくは亜硫酸酸化酵素欠損症を診断する方法またはモリブデン補因子欠損症もしくは亜硫酸酸化酵素欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、キサンチン、S-スルホシステイン、チオスルファート、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、5-HETE、ロイコトリエンB4、13-HODE+9-HODE、および12-HETEからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるモリブデン補因子欠損症もしくは亜硫酸酸化酵素欠損症の診断またはモリブデン補因子欠損症もしくは亜硫酸酸化酵素欠損症の診断の支援において用いられてもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるモリブデン補因子欠損症または亜硫酸酸化酵素欠損症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析して、ウラート、キサンチン、S-スルホシステイン、およびその組み合わせのいずれかを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめることによって行うことができるか、または容易にすることができる。

メープルシロップ尿症 メープルシロップ尿症を示す新規の代謝バイオマーカーには、2-ヒドロキシ-3-メチルバレラート、α-ヒドロキシイソバレラート、イソバレリルカルニチン、2-アミノヘプタノアート、4-メチル-2-オキソペンタノアート、1-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、2-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、1-ミリストイルグリセロホスホコリン(14:0)、2-ミリストイルグリセロホスホコリン、二硫酸5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオール、3-メチル-2-オキソブチラート、イソバレラート、イソブチリルカルニチン、3-ヒドロキシイソブチラート、2-メチルブチリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、アロ-イソロイシン、3-メチル-2-オキソバレラート、β-ヒドロキシイソバレラート、スクシナート、アセチルカルニチン、2-メチルシトラート、チグロイルグリシン、チグリルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、α-ヒドロキシイソカプロアート、X-13581、X-17690、X-13689(グルクロニドコンジュゲート)、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるメープルシロップ尿症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、2-ヒドロキシ-3-メチルバレラート、α-ヒドロキシイソバレラート、イソバレリルカルニチン、2-アミノヘプタノアート、4-メチル-2-オキソペンタノアート、1-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、2-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、1-ミリストイルグリセロホスホコリン(14:0)、2-ミリストイルグリセロホスホコリン、二硫酸5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオール、3-メチル-2-オキソブチラート、イソバレラート、イソブチリルカルニチン、3-ヒドロキシイソブチラート、2-メチルブチリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、アロ-イソロイシン、3-メチル-2-オキソバレラート、β-ヒドロキシイソバレラート、スクシナート、アセチルカルニチン、2-メチルシトラート、チグロイルグリシン、チグリルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、α-ヒドロキシイソカプロアート、X-13581、X-17690、およびX-13689(グルクロニドコンジュゲート)を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のメープルシロップ尿症陽性参照レベルおよび/またはメープルシロップ尿症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるメープルシロップ尿症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。メープルシロップ尿症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはロイシン、イソロイシン、およびバリンが含まれる。従って、メープルシロップ尿症を診断する方法またはメープルシロップ尿症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、ロイシン、イソロイシン、バリン、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、アロ-イソロイシン、a-ヒドロキシイソバレラート、2-ヒドロキシ-3-メチルバレラート、4-メチル-2-オキソペンタノアート、ロイシン、3-メチル-2-オキソバレラート、イソロイシン、イソバレラート、3-メチル-2-オキソブチラート、バリン、3-ヒドロキシイソブチラート、イソブチリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、および2-メチルブチリルカルニチンからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるメープルシロップ尿症の診断またはメープルシロップ尿症の診断の支援において用いられてもよい。

オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症(OTC欠損症) OTC欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、フェニルアセチルグルタミン、ステアリドナート(18:4n3)、3-ウレイドプロピオナート、2-メチルヒプラート、2-ヒドロキシフェニルアセタート、フェニルカルニチン、ヒプラート、フェニルプロピオニルグリシン、ベンゾアート、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート、4-フェニルブチラート、2-ペンタンアミド-3-フェニルプロパン酸、フェニルアセタート、フェニルアセチルグリシン、trans-4-ヒドロキシプロリン、pro-ヒドロキシ-pro、尿素、フェニルラクタート(PLA)、グアニジノスクシナート、オルニチン、X-20598、X-20588、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるOTC欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、フェニルアセチルグルタミン、ステアリドナート(18:4n3)、3-ウレイドプロピオナート、2-メチルヒプラート、2-ヒドロキシフェニルアセタート、フェニルカルニチン、ヒプラート、フェニルプロピオニルグリシン、ベンゾアート、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート、4-フェニルブチラート、2-ペンタンアミド-3-フェニルプロパン酸、フェニルアセタート、フェニルアセチルグリシン、trans-4-ヒドロキシプロリン、pro-ヒドロキシ-pro、尿素、フェニルラクタート(PLA)、グアニジノスクシナート、オルニチン、X-20598、およびX-20588を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のOTC欠損症陽性参照レベルおよび/またはOTC欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるOTC欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。OTC欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはオロタート、シトルリン、およびアルギニンが含まれる。従って、OTC欠損症を診断する方法またはOTC欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、オロタート、シトルリン、アルギニン、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、フェニルアセチルグルタミン、フェニルカルニチン、フェニュルアセタート(phenyulacetate)、ヒプラート、グルタミン、フェニルアセチルグリイクン(phenylacetylglyicne)、オロタート、クレアチニン、および尿素からなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるOTC欠損症の診断またはOTC欠損症の診断の支援において用いられてもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるOTC欠損症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析して、2-メチルヒプラート、2-ヒドロキシフェニルアセタート、フェニルプロピオニルグリシン、ベンゾアート、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート、4-フェニルブチラート、2-ペンタンアミド-3-フェニルプロパン酸、およびその組み合わせのいずれかを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめることによって行うことができるか、または容易にすることができる。

プロピオン酸血症 プロピオン酸血症を示す新規の代謝バイオマーカーには、プロピオニルグリシン(C3)、2-メチルシトラート、3-ヒドロキシプロパノアート、プロピオニルカルニチン(C3)、1-ペンタデカノイルグリセロホスホコリン(15:0)、チグロイルグリシン、スクシニルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、3-メチルグルタリルカルニチン(C6)、チグリルカルニチン、ブチリルカルニチン、2-メチルマロニルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、X-12819、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるプロピオン酸血症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、プロピオニルグリシン(C3)、2-メチルシトラート、3-ヒドロキシプロパノアート、プロピオニルカルニチン(C3)、1-ペンタデカノイルグリセロホスホコリン(15:0)、チグロイルグリシン、スクシニルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、3-メチルグルタリルカルニチン(C6)、チグリルカルニチン、ブチリルカルニチン、2-メチルマロニルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、およびX-12819を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のプロピオン酸血症陽性参照レベルおよび/またはプロピオン酸血症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるプロピオン酸血症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。プロピオン酸血症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはプロピオナートが含まれる。従って、プロピオン酸血症を診断する方法またはプロピオン酸血症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、プロピオナートを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、2-メチルシトラート、3-ヒドロキシプロパノアート、プロピオニルカルニチン、プロピオニルグリシン、チグロイルグリシン、およびスクシニルカルニチンからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるプロピオン酸血症の診断またはプロピオン酸血症の診断の支援において用いられてもよい。

フェニルケトン尿症(PKU) PKUを示す新規の代謝バイオマーカーには、γ-グルタミルフェニルアラニン、フェニルラクタート、N-アセチルフェニルアラニン、フェニルピルバート、γ-グルタミルチロシン、3-メトキシチロシン、4-ヒドロキシフェニルピルバート、p-クレゾールスルファート、カテコールスルファート、フェニルアセチルグルタミン、o-クレゾールスルファート、フェニルアセチルグリシン、フェニルアラニン含有ジペプチド(例えば、フェニルアラニルアルギニン、バリルフェニルアラニン、ヒスチジルフェニルアラニン、フェニルアラニルセリン、ロイシルフェニルアラニン、スレオニルフェニルアラニン、フェニルアラニルアラニン、フェニルアラニルグリシン、フェニルアラニルグルタマート、フェニルアラニルフェニルアラニン、アスパルチルフェニルアラニン、トリプトフィルフェニルアラニン、フェニルアラニルイソロイシン、グリシルフェニルアラニン、フェニルアラニルロイシン、フェニルアラニルアスパルタート)、X-16283、X-15497、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるPKUの診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、γ-グルタミルフェニルアラニン、フェニルラクタート、N-アセチルフェニルアラニン、フェニルピルバート、γ-グルタミルチロシン、3-メトキシチロシン、4-ヒドロキシフェニルピルバート、p-クレゾールスルファート、カテコールスルファート、フェニルアセチルグルタミン、o-クレゾールスルファート、フェニルアセチルグリシン、フェニルアラニン含有ジペプチド(例えば、フェニルアラニルアルギニン、バリルフェニルアラニン、ヒスチジルフェニルアラニン、フェニルアラニルセリン、ロイシルフェニルアラニン、スレオニルフェニルアラニン、フェニルアラニルアラニン、フェニルアラニルグリシン、フェニルアラニルグルタマート、フェニルアラニルフェニルアラニン、アスパルチルフェニルアラニン、トリプトフィルフェニルアラニン、フェニルアラニルイソロイシン、グリシルフェニルアラニン、フェニルアラニルロイシン、フェニルアラニルアスパルタート)、X-16283、およびX-15497を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のPKU陽性参照レベルおよび/またはPKU陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるPKUの診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。PKUを示す現在用いられている診断用代謝産物にはフェニルアラニンが含まれる。従って、PKUを診断する方法またはPKUの診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、フェニルアラニンを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、フェニルアラニン、フェニルラクタート、γ-グルタミルフェニルアラニン、N-アセチルフェニルアラニン、フェニルピルバート、フェニルアラニン含有ジペプチド、4-ヒドロキシフェニルピルバート、3-メトキシチロシン、シクロ(L-phe-L-pro)、γ-グルタミルチロシン、シクロ(L-phe-D-pro)、p-クレゾールスルファート、およびカテコールスルファートからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるPKUの診断またはPKUの診断の支援において用いられてもよい。

コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症 コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーにはスクシンイミドが含まれる。従って、対象におけるコハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、スクシンイミドを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のコハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症陽性参照レベルおよび/またはコハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるコハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはγ-アミノブチラート(GABA)が含まれる。従って、コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症を診断する方法またはコハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、γ-アミノブチラート(GABA)を含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるコハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

スクシニルアデノシンリアーゼ欠損症 スクシニルアデノシンリアーゼ欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、キサントシン、2'-デオキシグアノシン、2'-デオキシイノシン、アデニン、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるスクシニルアデノシンリアーゼ欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、キサントシン、2'-デオキシグアノシン、2'-デオキシイノシン、およびアデニンを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のスクシニルアデノシンリアーゼ欠損症陽性参照レベルおよび/またはスクシニルアデノシンリアーゼ欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるスクシニルアデノシンリアーゼ欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。スクシニルアデノシンリアーゼ欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはN6-スクシニルアデノシンが含まれる。従って、スクシニルアデノシンリアーゼ欠損症を診断する方法またはスクシニルアデノシンリアーゼ欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、N6-スクシニルアデノシンを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるスクシニルアデノシンリアーゼ欠損症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

チミジンホスホリラーゼ欠損症 チミジンホスホリラーゼ欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、2'-デオキシウリジン;5,6-ジヒドロチミン、5-メチルウリジン(リボチミジン)、ヒプラート、2-リノレオイルグリセロホスホコリン、4-メチルカテコールスルファート、1-アラキドイルグリセロホスホコリン(20:0)、タウロリトコラート3-スルファート、グリコリトコラートスルファート、イミダゾールプロピオナート、X-13862、X-19330、X-20620、X-12170、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるチミジンホスホリラーゼ欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、2'-デオキシウリジン、5,6-ジヒドロチミン、5-メチルウリジン(リボチミジン)、ヒプラート、2-リノレオイルグリセロホスホコリン、4-メチルカテコールスルファート、1-アラキドイルグリセロホスホコリン(20:0)、タウロリトコラート3-スルファート、グリコリトコラートスルファート、イミダゾールプロピオナート、X-13862、X-19330、X-20620、およびX-12170を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のチミジンホスホリラーゼ欠損症陽性参照レベルおよび/またはチミジンホスホリラーゼ欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるチミジンホスホリラーゼ欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。チミジンホスホリラーゼ欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはチミジンが含まれる。従って、チミジンホスホリラーゼ欠損症を診断する方法またはチミジンホスホリラーゼ欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、チミジンを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、チミジン、2'-デオキシウリジン、およびチミンからなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象におけるチミジンホスホリラーゼ欠損症の診断またはチミジンホスホリラーゼ欠損症の診断の支援において用いられてもよい。

トリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症 トリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、1-アラキドノイルグリエルコホスファート(arachidonoylglyercophosphate)、X-16574、X-12822、X-15136、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるトリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、1-アラキドノイルグリエルコホスファート、X-16574、X-12822、およびX-15136を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のトリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症陽性参照レベルおよび/またはトリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるトリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。トリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはN-6-トリメチルリジンが含まれる。従って、トリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症を診断する方法またはトリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、N-6-トリメチルリジンを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、バイオマーカーN6-トリメチルリジンが、対象におけるトリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症の診断またはトリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症の診断の支援において用いられてもよい。

チロシン血症 チロシン血症を示す新規の代謝バイオマーカーには、3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、4-ヒドロキシフェニルピルバート、3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、4-ヒドロキシフェニルアセタート、フェニルラクタート(PLA)、X-13581、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるチロシン血症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、4-ヒドロキシフェニルピルバート、3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、4-ヒドロキシフェニルアセタート、フェニルラクタート(PLA)、およびX-13581を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のチロシン血症陽性参照レベルおよび/またはチロシン血症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるチロシン血症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。チロシン血症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはチロシンが含まれる。従って、チロシン血症を診断する方法またはチロシン血症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、チロシンを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるチロシン血症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症 超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、9-メチル尿酸、キシルロース、アラキドナート(20:4n6)、ドコサヘキサエノアート(DHA;22:6n3)、エイコサペンタン酸(EPA)、5,8-テトラデカジエン酸(以前はX-12442)、1-ドコサヘキサエノイル-GPC(22:6;DHA-GPC)、X-18739(2-テトラデセノイルカルニチンの考えられる異性体)、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象における超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、9-メチル尿酸、キシルロース、アラキドナート(20:4n6)、ドコサヘキサエノアート(DHA;22:6n3)、エイコサペンタン酸(EPA)、5,8-テトラデカジエン酸(以前はX-12442)、1-ドコサヘキサエノイル-GPC(22:6;DHA-GPC)、およびX-18739(2-テトラデセノイルカルニチンの考えられる異性体)を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物の超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症陽性参照レベルおよび/または超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象における超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物には、ミリストイルカルニチン、ステアロイルカルニチン(C18)、パルミトイルカルニチン(C16)、オレオイルカルニチン(C18)、ミリストレアート(14:1n5)、ミリストレオイルカルニチン(myristoleoylcarnitine)、およびリノレオイルカルニチンが含まれる。従って、超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症を診断する方法または超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、ミリストイルカルニチン、ステアロイルカルニチン(C18)、パルミトイルカルニチン(C16)、オレオイルカルニチン(C18)、ミリストレアート(14:1n5)、ミリストレオイルカルニチン、リノレオイルカルニチン、およびその組み合わせを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

一態様において、ミリストイルカルニチン、ミリストレアート、ステアロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ラウリルカルニチン、エイコサペンタンエノアート、アラキドナート、オレオイルカルニチン、ドコサヘキサエノアート、ドコサペンタエノアート、およびX-12442からなる群より選択される1種類または複数種のバイオマーカーが、対象における超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症の診断または超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症の診断の支援において用いられてもよい。

キサンチン尿症 キサンチン尿症を示す新規の代謝バイオマーカーには、ヒポキサンチン、キサントシン、2'-デオキシイノシン、イノシン、N2-メチルグアノシン、クレアチニン、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるキサンチン尿症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、ヒポキサンチン、キサントシン、2'-デオキシイノシン、イノシン、N2-メチルグアノシン、およびクレアチニンを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のキサンチン尿症陽性参照レベルおよび/またはキサンチン尿症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるキサンチン尿症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。キサンチン尿症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはキサンチン、ウラート、およびクレアチンが含まれる。従って、キサンチン尿症を診断する方法またはキサンチン尿症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、キサンチン、ウラート、およびクレアチンを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるキサンチン尿症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

X連鎖性クレアチン輸送体 X連鎖性クレアチン輸送体を示す新規の代謝バイオマーカーには、グリシルロイシン、2-ヒドロキシオクタノアート、1,6-アンヒドログルコース、X-11483、X-18943、X-17422、X-17761、X-17335、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるX連鎖性クレアチン輸送体の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、グリシルロイシン、2-ヒドロキシオクタノアート、1,6-アンヒドログルコース、X-11483、X-18943、X-17422、X-17761、およびX-17335を含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のX連鎖性クレアチン輸送体陽性参照レベルおよび/またはX連鎖性クレアチン輸送体陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるX連鎖性クレアチン輸送体の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。X連鎖性クレアチン輸送体を示す現在用いられている診断用代謝産物にはクレアチンが含まれる。従って、X連鎖性クレアチン輸送体を診断する方法またはX連鎖性クレアチン輸送体の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、クレアチンを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるX連鎖性クレアチン輸送体の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

サルコシン血症 サルコシン血症を示す新規の代謝バイオマーカーには、コリン、ベタイン、グリシン、ジメチルグリシン、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるサルコシン血症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、コリン、ベタイン、グリシン、およびジメチルグリシンを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のサルコシン血症陽性参照レベルおよび/またはサルコシン血症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるサルコシン血症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。サルコシン血症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはサルコシンが含まれる。従って、サルコシン血症を診断する方法またはサルコシン血症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、サルコシンを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

クエン酸輸送体欠損症 クエン酸輸送体欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、α-ケトグルタラート、スクシナート、フマラート、マラート、グルタマート、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるクエン酸輸送体欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、α-ケトグルタラート、スクシナート、フマラート、マラート、およびグルタマートを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のクエン酸輸送体欠損症陽性参照レベルおよび/またはクエン酸輸送体欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるクエン酸輸送体欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。クエン酸輸送体欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはシトラートが含まれる。従って、クエン酸輸送体欠損症を診断する方法またはクエン酸輸送体欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、シトラートを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるクエン酸輸送体欠損症の診断は、対象の血漿、CSF、または尿に由来する生物学的試料を分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症 対象におけるピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症の診断は、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはピルバートおよびラクタートが含まれる。従って、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症を診断する方法またはピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、ピルバートおよびラクタートを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症 高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症を示す新規の代謝バイオマーカーには、ウラシル、3-ウレイドプロピオナート、オロタート、グルタミン、N-アセチル-β-アラニン、ウリジン、N-アセチルアスパルタート(NAA)、ジメチルアルギニン(SDMA+ADMA)、5-メチルチオアデノシン(MTA)、β-アラニン、4-ウレイドブチラート、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象における高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、ウラシル、3-ウレイドプロピオナート、オロタート、グルタミン、N-アセチル-β-アラニン、ウリジン、N-アセチルアスパルタート(NAA)、ジメチルアルギニン(SDMA+ADMA)、5-メチルチオアデノシン(MTA)、β-アラニン、および4-ウレイドブチラートを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物の高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症陽性参照レベルおよび/または高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象における高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはオルニチン、ホモシトルリン、スペルミン、およびスペルミジンが含まれる。従って、高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症を診断する方法または高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、オルニチン、ホモシトルリン、スペルミン、およびスペルミジンを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ(AAAD)欠損症 芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ(AAAD)欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるAAAD欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、チロシン、フェニルアラニン、およびトリプトファンを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のAAAD欠損症陽性参照レベルおよび/またはAAAD欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるAAAD欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。AAAD欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物には、L-ドーパ、3-メトキシチロシン、5-ヒドロキシトリプトファン、ホモバニラート、5-ヒドロキシインドールアセタート、およびバニル乳酸が含まれる。従って、AAAD欠損症を診断する方法またはAAAD欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、L-ドーパ、3-メトキシチロシン、5-ヒドロキシトリプトファン、ホモバニラート、5-ヒドロキシインドールアセタート、およびバニル乳酸を含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。一部の態様において、対象におけるAAAD欠損症の診断は、対象の血漿に由来する生物学的試料を分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

スミス・レムリ・オピッツ症候群 スミス・レムリ・オピッツ症候群を示す新規の代謝バイオマーカーにはコレスタノールが含まれる。従って、対象におけるスミス・レムリ・オピッツ症候群の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、コレスタノールを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のスミス・レムリ・オピッツ症候群陽性参照レベルおよび/またはスミス・レムリ・オピッツ症候群陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるスミス・レムリ・オピッツ症候群の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。スミス・レムリ・オピッツ症候群を示す現在用いられている診断用代謝産物には7-デヒドロコレステロールが含まれる。従って、スミス・レムリ・オピッツ症候群を診断する方法またはスミス・レムリ・オピッツ症候群の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、7-デヒドロコレステロールを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

原発性カルニチン欠損症 原発性カルニチン欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーにはN6-トリメチルリジンが含まれる。従って、対象における原発性カルニチン欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、N6-トリメチルリジンを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物の原発性カルニチン欠損症陽性参照レベルおよび/または原発性カルニチン欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象における原発性カルニチン欠損症の診断は、前述の新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。原発性カルニチン欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはカルニチンおよびアシルカルニチンが含まれる。従って、原発性カルニチン欠損症を診断する方法または原発性カルニチン欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、カルニチンおよびアシルカルニチンを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

シトリン欠損症 シトリン欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーにはオロタートが含まれる。従って、対象におけるシトリン欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、オロタートを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のシトリン欠損症陽性参照レベルおよび/またはシトリン欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるシトリン欠損症の診断は、新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。シトリン欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物には、シトルリン、アルギニン、スレオニン、セリン、メチオニン、フェニルアラニン、およびチロシンが含まれる。従って、シトリン欠損症を診断する方法またはシトリン欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、シトルリン、アルギニン、スレオニン、セリン、メチオニン、フェニルアラニン、およびチロシンを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

4-アミノ酪酸アミノトランスフェラーゼ(ABAT)欠損症 ABAT欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには2-ピロリドンが含まれる。従って、対象におけるABAT欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、2-ピロリドンを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のABAT欠損症陽性参照レベルおよび/またはABAT欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるABAT欠損症の診断は、新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。ABAT欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはGABAが含まれる。従って、ABAT欠損症を診断する方法またはABAT欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、GABAを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるABAT欠損症の診断は、対象の血漿または尿に由来する生物学的試料を分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

GLUT1欠損症(SLC2A1欠損症) GLUT1欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、フルクトース、マンノース、プロリルヒドロキシプロリン、ヒドロキシプロリン、グリシルプロリン、N-アセチルノイラミナート、ジメチルアルギニン(ADMA+SDMA)、グルタミン、γ-グルタミルグルタミン、N-アセチル-アスパルチル-グルタマート(NAAG)、N-アセチルグルタミン、エチルマロナート、クレアチン、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるGLUT1欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、フルクトース、マンノース、プロリルヒドロキシプロリン、ヒドロキシプロリン、グリシルプロリン、N-アセチルノイラミナート、ジメチルアルギニン(ADMA+SDMA)、グルタミン、γ-グルタミルグルタミン、N-アセチル-アスパルチル-グルタマート(NAAG)、N-アセチルグルタミン、エチルマロナート、およびクレアチンを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のGLUT1欠損症陽性参照レベルおよび/またはGLUT1欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるGLUT1欠損症の診断は、新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。GLUT1欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはグルコースが含まれる。従って、GLUT1欠損症を診断する方法またはGLUT1欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、グルコースを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるGLUT1欠損症の診断は、対象のCSFに由来する生物学的試料を分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

3-メチルグルタコン酸尿症(MGA) MGAを示す新規の代謝バイオマーカーには3-メチルグルタリルカルニチンが含まれる。従って、対象におけるMGAの診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、3-メチルグルタリルカルニチンを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のMGA陽性参照レベルおよび/またはMGA陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるMGAの診断は、新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。MGAを示す現在用いられている診断用代謝産物には3-メチルグルタコン酸および3-メチルグルタル酸が含まれる。従って、MGAを診断する方法またはMGAの診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、3-メチルグルタコン酸および3-メチルグルタル酸を含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるMGAの診断は、対象の血漿に由来する生物学的試料を分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

短鎖アシル-CoAデカルボキシラーゼ(SCAD)欠損症 SCAD欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーにはブチリルグリシンが含まれる。従って、対象におけるSCAD欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、ブチリルグリシンを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のSCAD欠損症陽性参照レベルおよび/またはSCAD欠損症陰性参照レベルを比較することことによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるSCAD欠損症の診断は、新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。SCAD欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物には、エチルマロナート、ブチリルカルニチン、およびメチルスクシナートが含まれる。従って、SCAD欠損症を診断する方法またはSCAD欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、エチルマロナート、ブチリルカルニチン、およびメチルスクシナートを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

ウロカナーゼ欠損症 対象におけるウロカナーゼ欠損症の診断は、新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。ウロカナーゼ欠損症を示す現在用いられている診断用代謝産物には、cis-ウロカナート、trans-ウロカナート、およびイミダゾールプロピオナートが含まれる。従って、ウロカナーゼ欠損症を診断する方法またはウロカナーゼ欠損症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、cis-ウロカナート、trans-ウロカナート、およびイミダゾールプロピオナートを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるウロカナーゼ欠損症の診断は、対象の血漿に由来する生物学的試料を分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

3-ヒドロキシイソブチリル-CoA加水分解酵素欠損症 3-ヒドロキシイソブチリル-CoA加水分解酵素欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、3-ヒドロキシイソブチラート、イソブチリルグリシン、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象における3-ヒドロキシイソブチリル-CoA加水分解酵素欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、3-ヒドロキシイソブチラート、イソブチリルグリシン、およびその組み合わせを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物の3-ヒドロキシイソブチリル-CoA加水分解酵素欠損症陽性参照レベルおよび/または3-ヒドロキシイソブチリル-CoA加水分解酵素欠損症陰性参照レベルを比較することことによって行うことができるか、または容易にすることができる。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

高シュウ酸尿症 対象における高シュウ酸尿症の診断は、新規の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。高シュウ酸尿症を示す現在用いられている診断用代謝産物にはオキサラートおよびグリコラートが含まれる。従って、高シュウ酸尿症を診断する方法または高シュウ酸尿症の診断を容易にする方法は、対象から得られた生物学的試料を分析して、オキサラートおよびグリコラートを含む1種類または複数種のさらなる代謝産物のレベルを確かめる工程をさらに含んでもよい。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象における高シュウ酸尿症の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

γ-ブチロベタインヒドロキシラーゼ欠損症(BBOX欠損症) BBOX欠損症を示す新規の代謝バイオマーカーには、ヘキサデカンジオアート(C16)、ドコサジオアート、エイコサノジオアート、オクタデカンジオアート(C18)、ドデカンジオアート(C12)、2-アミノオクタノアート、2-アミノヘプタノアート、α-ヒドロキシイソカプロアート、イソバレラート(C5)、デカノイルカルニチン(C10)、cis-4-デセノイルカルニチン、パルミトイルカルニチン(C16)、オレオイルカルニチン(C18)、ラウリルカルニチン(C12)、ミリストレオイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、グリセロール、3-ヒドロキシミリスタート、2-ヒドロキシデカノアート、3-ヒドロキシラウラート、3-ヒドロキシセバカート、3-ヒドロキシオクタノアート、3-ヒドロキシデカノアート、ペラルゴナート(9:0)、カプロアート(6:0)、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるBBOX欠損症の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、ヘキサデカンジオアート(C16)、ドコサジオアート、エイコサノジオアート、オクタデカンジオアート(C18)、ドデカンジオアート(C12)、2-アミノオクタノアート、2-アミノヘプタノアート、α-ヒドロキシイソカプロアート、イソバレラート(C5)、デカノイルカルニチン(C10)、cis-4-デセノイルカルニチン、パルミトイルカルニチン(C16)、オレオイルカルニチン(C18)、ラウリルカルニチン(C12)、ミリストレオイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、グリセロール、3-ヒドロキシミリスタート、2-ヒドロキシデカノアート、3-ヒドロキシラウラート、3-ヒドロキシセバカート、3-ヒドロキシオクタノアート、3-ヒドロキシデカノアート、ペラルゴナート(9:0)、カプロアート(6:0)、およびその組み合わせを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物のBBOX欠損症陽性参照レベルおよび/またはBBOX欠損症陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

アミノ酸代謝および輸送の障害(尿素サイクル障害および有機酸血症を含む) アミノ酸代謝および輸送の障害(尿素サイクル障害および有機酸血症を含む)を示す代謝バイオマーカーには、N-アセチルアラニン、アスパルタート、グルタラート(ペンタンジオアート)、グルタリルカルニチン(C5)、3-ヒドロキシグルタラート、グルタコナート、フェニルアラニン、N-アセチルフェニルアラニン、フェニルピルバート、フェニルラクタート(PLA)、フェニルアセタート、フェニルアセチルグリシン、フェニルアセチルグルタミン、4-ヒドロキシフェニルピルバート、3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、p-クレゾールスルファート、o-クレゾールスルファート、3-メトキシチロシン、ロイシン、4-メチル-2-オキソペンタノアート、イソバレラート、イソバレリルグリシン、イソバレリルカルニチン(C5)、3-メチルクロトニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレラート、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、3-メチルグルタリルカルニチン(C6)、α-ヒドロキシイソバレラート、イソロイシン、アロ-イソロイシン、3-メチル-2-オキソバレラート、2-メチルブチリルカルニチン(C5)、チグリルカルニチン、チグロイルグリシン、2-ヒドロキシ-3-メチルバレラート、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、バリン、3-メチル-2-オキソブチラート、イソブチリルカルニチン、3-ヒドロキシイソブチラート、α-ヒドロキシイソカプロアート、ホモシステイン、シスタチオニン、アルギニン、尿素、オルニチン、プロリン、シトルリン、アルギニノスクシナート、ホモアルギニン、ホモシトルリン、N-アセチルアルギニン、N-δ-アセチルオルニチン、trans-4-ヒドロキシプロリン、pro-ヒドロキシ-pro、クレアチン、クレアチニン、4-グアニジノブタノアート、グアニジノスクシナート、γ-グルタミルフェニルアラニン、γ-グルタミルチロシン、アラニルアラニン、アルギニルプロリンアスパルチルフェニルアラニン、グリシルフェニルアラニン、ヒスチジルフェニルアラニン、イソロイシルアスパルタート、ロイシルフェニルアラニン、フェニルアラニルアラニン、フェニルアラニルアルギニン、フェニルアラニルアスパルタート、フェニルアラニルグルタマート、フェニルアラニルグリシン、フェニルアラニルイソロイシン、フェニルアラニルロイシンフェニルアラニルフェニルアラニン、フェニルアラニルセリン、ピログルタミルバリン、スレオニルフェニルアラニン、トリプトフィルフェニルアラニン、バリルフェニルアラニン、フルクトース、ソルボース、スクシニルカルニチン、スクシナート、2-メチルシトラート、バレラート、ステアリドナート(18:4n3)、アジパート、ドデカンジオアート(C12)、テトラデカンジオアート(C14)、ヘキサデカンジオアート(C16)、オクタデカンジオアート(C18)、2-アミノヘプタノアート、2-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、2-メチルマロニルカルニチン、ブチリルカルニチン、プロピオニルカルニチン(C3)、プロピオニルグリシン(C3)、メチルマロニルCoA、メチルマロン酸、アセチルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、バレリルカルニチン、ヘキサノイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、パルミトイルカルニチン(C16)、ヘキセンジオイルカルニチン(以前はX-17001)、3-ヒドロキシプロパノアート、1-ミリストイルグリセロホスホコリン(14:0)、2-ミリストイルグリセロホスホコリン、1-ペンタデカノイルグリセロホスホコリン(15:0)、1-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、1-ステアロイルグリセロホスホエタノールアミン、1,3-ジパルミトイルグリセロール、二硫酸5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオール、オロタート、ウリジン、ウラシル、3-ウレイドプロピオナート、ヒプラート、カテコールスルファート、フェニルカルニチン、プロピオナート、5-ヒドロキシトリプトファン、5-メチルチオアデノシン(MTA)、β-アラニン、ジメチルアルギニン(SDMA+ADMA)、グルタミン、N-アセチルアスパルタート(NAA)、N-アセチル-β-アラニン、トリプトファン、チロシン、2-ピロリドン、γ-グルタミルロイシン、O-スルホ-L-チロシン、パルミトイル-スフィンゴミエリン、γ-グルタミルイソロイシン、システインs-スルファート、2-アミノアジパート、フェニルアセチルグルタミン、3,4-ジヒドロキシフェニルアセタート、フェニルプロピオニルグリシン、2-ペンタンアミド-3-フェニルプロパン酸、2-ヒドロキシフェニルアセタート、N-アセチルロイシン、メチルスクシナート、エチルマロナート、グアニジノアセタート、β-ヒドロキシブチラート、N-カルバモイルアスパルタート、4-ウレイドブチラート、ヒプラート、2-メチルヒプラート、ベンゾアート、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート、4-フェニルブチラート、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象におけるアミノ酸代謝および輸送の障害(尿素サイクル障害および有機酸血症を含む)の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、上記で列挙した1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物の疾患陽性もしくは障害陽性参照レベルおよび/または疾患陰性もしくは障害陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象におけるアミノ酸代謝および輸送の障害(尿素サイクル障害および有機酸血症を含む)の診断は、前述の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるアミノ酸代謝および輸送の障害の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析して、2-アミノアジパート、フェニルアセチルグルタミン、3,4-ジヒドロキシフェニルアセタート、フェニルプロピオニルグリシン、2-ペンタンアミド-3-フェニルプロパン酸、2-ヒドロキシフェニルアセタート、N-アセチルロイシン、メチルスクシナート、エチルマロナート、グアニジノアセタート、β-ヒドロキシブチラート、N-カルバモイルアスパルタート、4-ウレイドブチラート、ヒプラート、2-メチルヒプラート、ベンゾアート、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート、4-フェニルブチラート、およびその組み合わせのいずれかを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめることによって行うことができるか、または容易にすることができる。

脂肪酸酸化障害 脂肪酸酸化障害を示す代謝バイオマーカーには、キシルロース、カプロアート(6:0)、ヘプタノアート(7:0)、カプリラート(C8)、ペラルゴナート(9:0)、カプラート(C10)、ミリストレアート(14:1n5)、エイコサペンタン酸(EPA)、ドコサヘキサエノアート(DHA;22:6n3)、アラキドナート(20:4n6)、スベラート(オクタンジオアート)、セバカート(C8)、ドデカンジオアート(C12)、ヘキサノイルグリシン(C6)、N-オクタノイルグリシン、ヘキサノイルカルニチン、オクタノイルカルニチン、デカノイルカルニチン、cis-4-デセノイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、パルミトイルカルニチン(C16)、ステアロイルカルニチン(C18)、オレオイルカルニチン(C18)、デオキシカルニチン、カルニチン、3-ヒドロキシデカノアート、5-ヒドロキシヘキサノアート、N-パルミトイルタウリン、1-マルガロイルグリセロホスホコリン(17:0)、1-ステアロイルグリセロホスホコリン(18:0)、1-ドコサペンタエノイルグリセロホスホコリン(22:5n3)、9-メチル尿酸、α-CEHC(2,5,7,8-テトラメチル-2-(2'-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン)スルファート(以前はX-12435)、O-メチルカテコールスルファート、5,8-テトラデカジエン酸(以前はX-12442)、メチルヘキサノイルグルタミン(以前はX-12637)、7-デヒドロコレステロール、コレスタノール、N6-トリメチルリジン、ブチリルグリシン、1-ドコサヘキサエノイル-GPC(22:6;DHA-GPC)、2-ヒドロキシグルタラート、3-メチルアジパート、4-オクテンジオアート、ヘプタノイルグリシン、およびその組み合わせが含まれる。従って、対象における脂肪酸酸化障害の診断は、対象から得られた生物学的試料を分析して、1種類または複数種の前述の代謝バイオマーカーのレベルを確かめ、試料中の代謝産物のレベルと、代謝産物の疾患陽性もしくは障害陽性参照レベルおよび/または疾患陰性もしくは障害陰性参照レベルを比較することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

任意で、対象における脂肪酸酸化障害の診断は、前述の代謝バイオマーカーと組み合わせて、1種類または複数種の現在用いられている診断用代謝産物のレベルを分析することによって行うことができるか、または容易にすることができる。

上記で説明したように、対象に由来する生物学的試料は、任意の適切な生物学的供給源、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、表皮組織、脂肪組織、大動脈組織、肝臓組織、尿、脳脊髄液、歯肉滲出液、または細胞試料から単離することができる。

一部の態様において、対象におけるアミノ酸代謝および輸送の障害の診断は、対象の尿に由来する生物学的試料を分析して、2-ヒドロキシグルタラート、3-メチルアジパート、4-オクテンジオアート、ヘプタノイルグリシン、およびその組み合わせのいずれかを含む1種類または複数種の代謝産物のレベルを確かめることによって行うことができるか、または容易にすることができる。

I.一般的方法 A.メタボロームプロファイリング メタボロームプラットフォームは、3つの独立した方法:塩基性種に最適化された超高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法(UHLC/MS/MS2)と、酸性種に最適化されたUHLC/MS/MS2と、ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)からなった。

B.試料調製 血漿試料および尿試料を必要となるまで-80℃で保管し、次いで、抽出直前に氷上で解凍した。抽出は自動液体操作ロボット(MicroLab Star, Hamilton Robotics, Reno, NV)を用いて行った。この場合、450μlのメタノールを100μlの各試料に添加してタンパク質を沈殿させた。抽出効率を確認するために、メタノールは4種類の回収用標準品を含有した。次いで、各溶液をGeno/Grinder 2000 (Glen Mills Inc., Clifton, NJ)において675ストローク/分で混合し、次いで、2000rpmで5分間、遠心分離した。各試料の上清の4つの110μlアリコートを採取し、窒素下で乾燥させ、次いで、減圧下で一晩乾燥させた。翌日、水(pH8)に溶解した6.5mM炭酸水素アンモニウム50μLで1つのアリコートを再構成した。水に溶解した0.1%ギ酸50μLを用いて1つのアリコートを再構成した。両再構成溶媒とも、LC保持指数を記録し、LC-MS機器の性能を評価するために機器内標準セットを含有した。3つ目の110μlアリコートは、GC保持指数を記録し、誘導体化プロセスからの回収を評価するために内標準を添加した、シクロヘキサン:ジクロロメタン:アセトニトリル(5:4:1)に溶解したN,O-bisトリメチルシリルトリフルオロアセトアミドおよび1%トリメチルクロロシラン+5%トリエチルアミンの混合物50μLで処理することによって誘導体化した。次いで、この混合物を減圧下で一晩乾燥させ、次いで、乾燥した抽出物に蓋をし、5分間振盪し、次いで、60℃で1時間、加熱した。試料を冷却し、短時間、回転させて残渣をペレット化した後に、GC-MSによって分析した。残っているアリコートを乾燥後に密封し、必要に応じて予備試料として使用するために-80℃で保管した。抽出物を3つの別々の質量分析計:1つは陽イオンを検出するための超高性能液体クロマトグラフィー-質量分析法を用いたUPLC-MSシステム、1つは陰イオンを検出するUPLC-MSシステム、1つはTrace GC Ultra Gas Chromatograph-DSQガスクロマトグラフィー-質量分析法(GC-MS)システム(Thermo Scientific, Waltham, MA)で分析した。

C.UPLC法 LC-MSで分析した再構成アリコートを全てWaters Acquity UPLC(Waters Corp., Milford, MA)を用いて分離した。0.1%ギ酸で再構成したアリコートでは、水に溶解した0.1%ギ酸(A)およびメタノールに溶解した0.1%ギ酸(B)からなる移動相溶媒を使用した。6.5mM炭酸水素アンモニウムで再構成したアリコートでは、pH8の水に溶解した6.5mM炭酸水素アンモニウム(A)および95/5メタノール/水に溶解した6.5mM炭酸水素アンモニウムからなる移動相溶媒を使用した。ギ酸で再構成した抽出物および炭酸水素アンモニウムで再構成した抽出物の両方に利用した勾配プロファイルは、4分で0.5%B〜70%B、0.5分で70%B〜98%Bであり、0.9分間にわたって98%Bに保った後に、0.2分で0.5%Bに戻った。流速は350μL/minであった。試料注入体積は5μLであり、2xニードルループオーバーフィル(needle loop overfill)を使用した。液体クロマトグラフィー分離は、酸専用または塩基専用の別々の2.1mmx100mm Waters BEH C18 1.7μm粒径カラムにおいて40℃で行った。

D.UPLC-MS法 実施例1では、リニアトラップ四重極(linear trap quadrupole)質量分析計(LTQ, Thermo Scientific, Waltham, MA)を使用した。実施例4では、35,000質量分解能で動作するQ-Exactive高分解能/正確質量(high resolution/accurate mass)orbitrap質量分析計(Q-Exactive, ThermoFisher Scientific, Waltham, MA)を使用した。他の全ての実施例で、OrbitrapElite(OrbiElite Thermo Scientific, Waltham, MA)質量分析計を使用した。Q-ExactiveおよびOrbiElite質量分析計では、ポジティブモードの場合は、HESI-II源と、80に設定したシースガス、12に設定した補助ガス、4.2kVに設定した電圧を利用した。ネガティブモード用の設定は、75のシースガス、15の補助ガスであり、電圧を2.75kVに設定した。両モードのソースヒーター(source heater)温度は430℃であり、キャピラリー温度は350℃であった。質量範囲は99〜1000m/zであり、スキャン速度は4.6全スキャン/秒であり、これも1回のフルスキャンと1回のMS/MSスキャンを交替した。分解能を30,000に設定した。フーリエ変換質量分光法(Fourier Transform Mass Spectroscopy)(FTMS)フルスキャン自動利得制御(AGC)ターゲットを5x105に設定し、カットオフ時間を500msに設定した。イオントラップMS/MSのAGCターゲットは3x103であり、最大充填時間(maximum fill time)は100msであった。ポジティブモードの基準化衝突エネルギーを32任意単位に設定し、ネガティブモードを30に設定した。両方法とも、活性化(activation)Qは0.35であり、活性化時間は30msであり、これも単離質量ウィンドウ(isolation mass window)は3m/zであった。OrbiEliteの場合、3.5秒の持続時間で設定した動的排除(dynamic exclusion)が可能であった。キャリブレーションは、Pierce(商標)LTQ Velosエレクトロスプレーイオン化(ESI)陽イオンキャリブレーション溶液またはPierce(商標)ESI陰イオンキャリブレーション溶液の注入を用いて毎週行った。

E.GC-MS法 誘導体化試料をGC-MSで分析した。1.0μlの試料体積を、20:1スプリット比のスプリットモードでジフェニルジメチルポリシロキサン固定相、薄膜溶融シリカカラム、Crossbond RTX-5Sil, 0.18mm i.d.x20m、薄膜の厚さ20μm(Restek, Bellefonte, PA)に注入した。化合物をキャリアーガスであるヘリウムと一緒に溶出させた。温度勾配は、60℃で1分間保った初期温度からなり、次いで、17.1℃/分の速度で220℃まで上昇させ、その後に、30℃/分の速度で340℃まで上昇させ、次いで、この温度に3.67分間保った。次いで、温度を下げ、次の注入のために60℃に安定化させた。質量分析計は、50〜750質量単位のスキャン範囲、4スキャン/秒、3077amu/secでの電子衝撃イオン化を用いて操作した。デュアルステージ四重極(dual stage quadrupole)(DSQ)を、イオン源温度290℃および増倍管電圧1865Vで設定した。MSトランスファーライン(transfer line)を300℃に保った。最適な性能を確かなものにするために、DSQの調整およびキャリブレーションを毎日行った。

F.データ処理および解析 各機器における各生物マトリックスデータセットについて、抽出効率、機器性能、カラム完全性、クロマトグラフィー、および質量キャリブレーションを確認するために、それぞれの内標準についてピーク面積の相対的標準偏差(RSD)を計算した。これらの内標準のいくつかが保持指数(RI)マーカーとして役立ち、保持時間および整列のチェックを受けた。ピーク検出および積分のために、UPLC-MSおよびGC-MSシステムに添付されているソフトウェアの修正版を用いた。この処理のアウトプットから、m/z比、保持時間、および曲線下面積の値のリストが作成された。ソフトウェアが、信号対ノイズ比、高さ、および幅の閾値を含むピーク検出のための判断基準を指定した。

ある決まったRI値が割り当てられた内標準を利用した保持指数に基づいて、QC試料を含む生物データセットをクロマトグラフ上で整列させた。値が変化しない隣接するRIマーカー間の線形フィット(linear fit)を考えることによって実験ピークのRIを求めた。RIの利点は、試料pHおよびカラムの年齢(column age)などの体系的な誤りによって引き起こされる保持時間ドリフトを補正することである。各化合物のRIは、2つの側方の保持マーカーとの溶出関係に基づいて指定された。社内ソフトウェアパッケージを用いて、積分され整列されたピークを、基準標準品および日常的に検出される未知の化合物の社内ライブラリー(化合物ライブラリー)と突き合わせた。このライブラリーは、使用するポジティブ、ネガティブ、またはGC-MSデータ収集方法に固有のものである。一致は、LTQおよびDSQデータの場合、期待がもてる特定の150RI単位内の保持指数値と、0.4m/z内でライブラリー基準標準品と実験プレカーサー質量が一致することに基づいた。実験MS/MSを基準標準品のライブラリースペクトルと比較し、フォワード(forward)スコアおよびリバース(reverse)スコアを割り当てた。完全なフォワードスコアは、実験スペクトル中の全イオンが基準標準品のライブラリーに正しい比で見出されたことを示している。完全なリバーススコアは、全ての基準標準品ライブラリーイオンが実験スペクトル中に正しい比で存在したことを示している。フォワードスコアおよびリバーススコアを比較し、一致を提案するためにMS/MS断片化スペクトルスコアを示した。次いで、全ての一致を分析者が手作業で点検し、上記の判断基準に基づいて各コール(call)を許可または却下した。しかしながら、分析者による手作業での点検は絶対必要ではない。一部の態様では、一致プロセスは完全に自動化されている。

化合物ライブラリー、指定済化合物および日常的に検出される未知の化合物を特定するために積分され整列されたピークを一致させるための方法、ならびに試料中にある低分子を特定するためのコンピュータ読取り可能なコードに関するさらなる詳細が、その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,561,975号において見つかるかもしれない。

G.品質管理 血漿試料または尿試料から、個々の試料それぞれのアリコートを組み合わせて技術的反復試験片を作製し、前記のように抽出した。プロセスのばらつきを評価するために、このプールされた血漿試料または尿試料の抽出物を各機器の各データセットについて6回注入した。さらなる品質管理として、アーチファクトを特定するためのプロセスブランクとして役立つように、各機器で試料セットの一部として5つの水アリコートも抽出した。抽出効率および機器性能を評価するために、かつイオンを特定するための保持指数マーカーとして役立つように全QC試料に機器内標準が含まれた。標準品を同位体標識したか、または内在するイオンの検出を妨げないように選択した他の外因性分子で標識した。

H.統計解析 統計解析の目的は、試料中で検出された代謝産物それぞれの「極端な」値(アウトライアー)を特定することであった。パーセントフィル(fill)(代謝産物において値が検出された試料のパーセント)に基づいて2段階プロセスを行った。フィルが10%未満または10%である時、値が検出された試料に目印(flag)を付けた。フィルが10%を超えている時、平均が観察最小値に等しく、標準偏差が1に等しくなるランダム正規変数を用いて欠損値を補完(impute)した。次いで、データを対数変換し、第3四分位数と第1四分位数の差と定義された四分位範囲(IQR)を計算した。次いで、第3四分位数より1.5*IQR多いか、または第1四分位数より1.5*IQR少ない値に目印を付けた。対数変換したデータを分析して、各個体におけるそれぞれの代謝産物のZ-スコアも計算した。個体の代謝産物のZ-スコアは、特定の代謝産物の平均を上回る標準偏差の数である。プラスのZ-スコアは、代謝産物のレベルが平均を上回ることを意味し、マイナスのZ-スコアは、代謝産物のレベルが平均を下回ることを意味する。

以下の実施例に記載のように、得られた結果は、対象に由来する単一少量の試料を用いて、かつ障害または疾患の予備知識なく、30を超える障害を診断するのに、および/または30を超える障害の診断を支援するのに有用であった。実際には、場合によっては、個体は遺伝障害の治療がなされていたが、示されたメタボロミクスデータは浸透性(penetrant)ではなく、従って、患者は治療を必要としていなかった。他の場合では、エクソーム配列決定によって明らかにされた遺伝子変異は意義がないと考えられていたが、メタボロミクス分析から障害が存在することが判明した。下記の方法を用いて、さらなるタイプの診断結果が得られた。

一部の対象について、診療診断バイオマーカーが異常だと確かめられ、さらなる異常生化学物質も異常なことが示され、さらなる異常生化学物質の一部は臨床診断用代謝産物と生化学的に関連した。一部の対象について、診療診断代謝産物は検出されなかった。しかしながら、新規の生化学物質は異常なことが示され、新規の生化学物質の少なくとも一部は診断用代謝産物と関連し、このため診断が可能になった。一部の対象について、診療診断代謝産物は、臨床で現在用いられているものとは異なる試料タイプにおいて異常だと確かめられ(例えば、尿マーカーが血漿中で検出され)、このため、新規の試料タイプを用いた診断が可能になった。ある特定の障害について、診療診断代謝産物が利用できなかったが、この分析から、臨床診断するのに有用な新規の生化学物質が明らかになった。

実施例1:パイロット試験における疾患をもつ個体の評価 疾患を診断する、または疾患の診断を支援する能力を評価するために、前記方法を、100人の症候性個体で構成されるコホートに対して行った。このうち56人は診断が分かっており(前記方法の陽性「対照」、N=56)、44人は診断が確定していなかった(「検査」個体、N=44)。各個体から血漿試料を入手し、血漿試料のアリコート(典型的に50〜100uL)から低分子を抽出した。7000種類以上の生化学物質の生化学ライブラリーにまたがって各試料アリコートを調査して、試料に存在する生化学物質が検出された。分析の際に、全試料が診断について盲検化された。523種類が指定済生化学物質であり、400種類が未指定生化学物質である合計923種類の生化学物質が検出された。指定済生化学物質は、基準化学標準品が入手可能であり、基準化学標準品が同等のプラットフォームにおいて操作されたことがあり、その標準品の「イオン断片化シグネチャー」が社内化合物ライブラリー内で特定および捕捉されている分子である。未指定生化学物質は、「イオン断片化シグネチャー」が分かっているが、化合物ライブラリーにおいて既知の標準品が利用できない実体である。未指定生化学物質は、固有に特定するために分析法によって十分に特徴付けられている。未指定生化学物質は、本明細書では、用語「X-」とそれに続く特定の5桁の数字によって表される。未指定生化学低分子の分析情報の特定を以下の表4に示した。

100人の症候性個体一人一人について、IQRを用いてデータを自動的に統計解析して、調査した生化学物質のアウトライアーを特定した。それぞれの個体について希少生化学物質および欠損生化学物質も分析した。試料中の代謝産物はサブ経路およびスーパー経路に自動的にマッピングされ、データの視覚化が作成された。症候性対象100人の分析の結果を表1にまとめた。それぞれの個々の対象の診断、1.5*IQR、3.0*IQRに基づいてアウトライアーであると確かめられた代謝産物の数、ならびにアウトライアー(すなわち、1.5*IQRの場合および3.0*IQRの場合)の総数を示した。

本明細書の方法を用いて行った分析の際に、診断は分析者に盲検化された。分析後、所見を比較し、結果が診断と一致するかどうか確かめるのに臨床診断を利用することができた。IQRデータおよび欠損代謝産物データに基づいて対象に由来する試料中で異常代謝産物が特定され、この情報を用いて、5人の対象の診断が提案された。診断情報が非盲検化された時に、異常代謝産物に基づく診断が臨床診断と一致することが示された。例えば、異常代謝産物フェニルアラニンおよびフェニルラクタートを用いて、ある個体におけるフェニルケトン尿症(PKU)を診断した。別の例で、異常代謝産物セバカート(デカンジオアート)、2-ヒドロキシグルタラート、アゼラート(ノナンジオアート)、カプリラート(8:0)、ヘキサノイルカルニチン、およびオクタノイルカルニチンを用いて、個体における中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症(MCAD欠損症)を診断した。別の例で、異常代謝産物イソロイシン、バリン、3-メチル-2-オキソブチラート、3-メチル-2-オキソバレラート、およびα-ヒドロキシイソバレラートを用いて、個体におけるメープルシロップ尿症を診断した。別の例で、異常代謝産物イソバレリルカルニチンを用いて、ある個体におけるイソ吉草酸血症を診断した。別の例で、1人の対象をチミジンホスホリラーゼ欠損症と診断した。対象に由来する試料中でチミジンが、チミジンホスホリラーゼ欠損症の診断と一致する希少生化学物質(参照試料では通常検出されない生化学物質)と特定された。

(表1)疾患または障害の診断の初回分析のために異常生化学物質を特定した実験に基づく結果

実施例2:拡大した試験における疾患のある個体の臨床評価 別の例で、本明細書に記載の方法を用いて、200人の個体に由来する血漿試料を評価した。200個の試料は、実施例1に記載の100個の試料のコホートと、症候性個体の新たなコホートに由来する100個の試料からなった。この検査に入れられた200個の試料は全て、臨床診断検査室で行う定量分析において、1つまたは複数の、標的のある分析物パネルを用いて分析されたことがある。完了した、標的のある最も一般的な検査は、アミノ酸またはアシルカルニチンを対象にしたパネルアッセイ(それぞれ、108人および26人の患者)であった。組み合わせられたコホート内の200人の対象のうち、治療を行っている医師により132人の対象が先天性代謝異常(IEM)陽性と診断された。68人の対象については臨床診断を確定することができなかった。

LC-MS分析法ではOrbiElite質量分析計を用いて、7000種類以上の生化学ライブラリー全体にまたがって各試料を調査して、その試料中で検出された生化学物質を測定した。各試料から、アリコートを取り出し、低分子(生化学物質)を抽出および分析した。試料中で検出された生化学物質を特定し、異常なレベルを求めて、診断情報(例えば、表2)を入手し、データベースに記憶した。706種類が指定済生化学物質であり、586種類が未指定生化学物質である合計1292種類の生化学物質が検出された。これらの生化学物質には、小さなペプチド(例えば、ジ、トリ)、ならびにアミノ酸(140)、ペプチド(94)、炭水化物(26)、脂質(243)、補因子(29)、エネルギー代謝産物(11)、ヌクレオチド(32)、および生体異物(131)を含む多くのクラスのバイオマーカーに相当する低分子が含まれる。

200人の症候性個体一人一人について、IQRおよびZ-スコアを用いてデータを自動的に統計解析して、調査された生化学物質のアウトライアーを特定した。各個体について希少生化学物質および欠損生化学物質も分析した。標的のある診断分析と異なり、メタボローム診断発見は1種類の分析物に限定されない。その代わりに、例えば、アミノ酸、ヌクレオチド、および脂質、ならびにカルニチンおよびグリシン共役付加物を含む複数の生化学経路からの代謝産物が検出され、分析に用いられた。試料中で検出された代謝産物がサブ経路およびスーパー経路に自動的にマッピングされた。検出された生化学物質は全て41の生化学サブ経路に自動的に分類された。異常生化学物質と、異常生化学物質がマッピングされた異常な生化学スーパー経路および生化学サブ経路を含むデータの自動視覚化を作成した。視覚化の図表の例を図4〜14に示し、以下で詳述する。

以下のように異常生化学物質が特定され、異常経路が確かめられた。異常生化学物質には、欠損生化学物質、希少生化学物質、およびアウトライアーが含まれた。対数変換したデータを用いて、1.5*IQRまたは3.0*IQRのいずれかに基づいて、アウトライアーの形をとる異常生化学物質が特定された。欠損値に対応するために、全試料の≦10%に存在する化合物は希少化合物と自動的に報告された。全試料の>10%に存在する化合物の観察最小値に中心を置いたランダム正規変数を用いて欠損値を補完した。それぞれの代謝産物のZ-スコアを求めることによっても異常生化学物質が特定された。本実施例では、Z-スコア<-1.5または>1.5の代謝産物が異常だと確かめられた。

異常経路を特定するために、それぞれの生化学物質のデータを対数変換し、中心に置き(すなわち、平均が平均=0になるように設定した)、正規化した(sd=1)。次に、観察値を2乗し、次いで、その経路の全化合物を足し合わせた。変換前の観察最小値を用いて欠損値を補完した。経路は、ある特定の集団に典型的な経路または異常な経路のいずれかに分類された。異常な経路とは、個体のその経路の生化学距離が、ある特定の経路について全試料の上位10%の中にあることを意味する。異常分類は、各経路の幾何平均からのユークリッド距離を用いて計算した。それぞれのスーパー経路は、下記のように複数のサブ経路で構成される。

分析前に、診断は全て分析者に盲検化された。分析後に、臨床所見と比較して、分析結果が臨床診断と一致するかどうか確かめるために臨床診断を利用することができた。さらに、実施例1からの以前に分析した100個の試料は、実施例1において説明および分析した対象からのデータと、反復分析で得られたデータと、100人の新たな対象からのデータとの比較を可能にするアンカー試料として役立った。100人の新たな対象に由来する試料を用いた操作において、以前に分析した試料をアンカー試料として含めることによって操作間のばらつきを補正することできた。データの再現性を評価するために、以前に分析した100人の症候性対象に由来する100個のアンカー試料の分析結果と、実施例1の1回目の操作から得られた結果を比較した。重要なことに、異常だと特定された代謝産物(希少生化学物質または欠損生化学物質を含む)は2回の分析間で一致していた。

説明した方法を用いて得られた結果が、臨床的に確定した診断と一致するかどうか確かめるために、臨床家がデータおよび視覚化を評価した。分析および臨床診断に基づく診断結果を表2にまとめた。表2の縦列1は、別名を含む障害を列挙する。縦列2は、それぞれの診断のある個体の数を示し、縦列3は障害の診断の感度を列挙し、縦列4は障害の診断の特異度を列挙する(注:感度および特異度は本明細書に記載の分析方法に基づいた)。縦列5は、障害を診断するのに診療所において現在用いられている代謝産物を列挙する。分析結果を縦列6および縦列7に示した。縦列6は、本明細書において開示された方法を用いて異常だと見出された、臨床に用いられる代謝産物を列挙する。「分析結果:診断された対象において異常であった新規の代謝産物」と表記した縦列7は、臨床診断された対象において、本明細書において用いられる方法の結果に基づいて異常だと特定された、臨床診断に現在用いられていない代謝産物を列挙する。これらの代謝産物の一部は、臨床に用いられる診断用代謝産物と生化学的に関連する。

一部の個体では、診療診断代謝産物は観察されなかった。しかしながら、他の代謝産物は異常であり、他の代謝産物の少なくとも一部は診断用代謝産物と生化学的に関連し、その障害の診断を支援した。従って、本明細書の方法は、現行の臨床方法を用いて診断されない障害の診断を支援した。これらの新規の結果は、以下の実施例で説明し、上記の表2にまとめた障害について示された。各試料中で代謝産物が測定され、同時に報告した全疾患について各試料がアッセイされたことを強調しなければならない。このように、下記の疾患および障害全ての診断を支援するために、単一少量(≦100ul)の試料中で複数種の代謝産物が測定されて、異常代謝産物が特定され、生化学経路に自動的にマッピングされた。

前述したように、対象200人のデータの分析から、疾患を診断するか、または疾患の診断を支援するのに有用な可能性のある、さらなる異常代謝産物が特定された。これらの代謝産物は、現在用いられている臨床診断アッセイを補うための、代理バイオマーカーを提供するための、および/または診断もしくは診断支援のための情報を与える可能性のある、さらなる経路情報を提供するためのバイオマーカーとして役立つことができる。このようなマーカーを、臨床に用いられる現行の代謝産物と組み合わせて、疾患または障害の代謝産物シグネチャーを形成する代謝産物パネルを作成することができる。疾患の診断を支援するために、このようなマーカーを単独で使用することができるか、または臨床に用いられる現行の代謝産物と併用することができる。結果は視覚的に表示されてもよい。一部の態様において、1つまたは複数の関連する代謝産物に基づく疾患特異的または障害特異的な予測複合スコアを用いて、疾患の診断を支援することができる。さらに、臨床に用いられる代謝産物が検出されないか、または前記代謝産物の測定されたレベルがはっきりしない時に、このようなマーカーは診断を支援することができる。前記シグネチャーをデータベースに記憶し、疾患もしくは障害を診断するのに、または疾患もしくは障害の診断を支援するのに使用することができる。

(表2)疾患または障害の実験に基づく診断結果

生化学スーパー経路の自動視覚化の図表を示した非限定的な例を図4に示し、生化学サブ経路を図5、図6、および図10に示し、生化学物質を図7〜9および図11〜14に示した。ある患者を対象にした生化学スーパー経路の視覚化の図表の例を図4に示した。生化学スーパー経路を左側に列挙した。黒色の点は、その対象について経路が典型的または異常であることを示す。本明細書に記載の方法を用いて、この患者のエネルギー経路は異常だと確かめられた。この患者の生化学サブ経路の視覚化を図5に例として示す。アスコルビン酸代謝およびアルダル酸代謝;エイコサノイド代謝;脂肪酸代謝(分枝アミノ酸(BCAA)代謝);脂肪酸合成;葉酸代謝;グリコーゲン代謝;ペントース代謝、ならびにTCA(トリカルボン酸)回路の生化学サブ経路が異常だと示された。異常なサブ経路の視覚化の一例を図6に図示した。

IQR分析またはZ-スコア分析によって確かめられた異常生化学物質の自動視覚表示の例をそれぞれ図7および図8に図表で示した。これらの結果は、この患者の臨床診断と一致する。これらの方法を用いて、下記のさらなる非限定的な実施例を行って、200人の参加者から収集した血漿試料から、以下の示された障害の結果を得た。

プロピオン酸血症 プロピオン酸血症患者に由来する試料中にあるプロピオニルグリシンレベルは3.0*IQR高かった。生化学物質の自動視覚表示から、プロピオニルグリシンに関連する他の代謝産物(例えば、2-メチルシトラート、3-ヒドロキシプロパノアート、およびプロピオニルカルニチン)が異常であったことも明らかであった。視覚表示を図7に図示した。これらの関連代謝産物を特定する能力はプロピオン酸血症の診断における信頼度を高めた。図7の表示に示したように、生化学物質である葉酸は希少生化学物質であり、生化学物質3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナートおよびアラビノースは欠損していた。2-メチルマロニル-カルニチンおよび3-メチル-2-オキソブチラートは少なくとも3.0*IQR低いレベルで存在した。カルニチンおよびグルタリルカルニチン(C5)は少なくとも1.5*IQR低いレベルで存在した。1,2-プロパンジオール、1-パルミトイルグリセロホスホコリン(16:0)、および1-ペンタデカノイルグリセロホスホコリン(15:0)は、少なくとも1.5*IQR高いレベルで存在した。2-メチルシトラート、3-ヒドロキシプロパノアート、N-オクタノイルグリシン、ヘキサノイルグリシン、プロピオニルカルニチン、プロピオニルグリシン、およびスクラロースは少なくとも3.0*IQR高いレベルで存在した。統計学的に異常な生化学物質を特定するために、それぞれの代謝産物のZ-スコアを計算することでもデータを統計解析した。Z-スコア視覚化の一例を図8に図示した。プロピオン酸血症(PAA)と診断された9人の患者について全代謝産物のZ-スコアを計算した。プロピオニルグリシンならびに関連代謝産物(例えば、2-メチルシトラート、3-ヒドロキシプロパノアート、およびプロピオニルカルニチン)は全てZ-スコア値が2より大きかった。別のプロピオン酸血症患者では、チグロイルグリシン、プロピオニルカルニチン(C3)、プロピオニルグリシン、2-メチルシトラート、および3-ヒドロキシプロパノアートのレベルは3.0*IQR高かったのに対して、2-メチルマロニルカルニチン(C3)およびスクシニルカルニチンは3.0*IQR低かった。データの自動視覚表示を図9に図示した。異常生化学物質は生化学経路に自動的にマッピングされた。異常生化学物質を生化学経路にマッピングした自動視覚表示を図10に例として示した。別の例で、プロピオン酸血症患者の一部では臨床診断用代謝産物プロピオナートは検出されなかった。しかしながら、9つ全ての特許において、生化学的に関連する代謝産物2-メチルシトラート、3-ヒドロキシプロパノアート、およびプロピオニルカルニチン(C3)は上昇し、前記代謝産物のZ-スコア値は少なくとも2であった。さらなる代謝産物プロピオニルグリシン(C3)、1-ペンタデカノイルグリセロホスホコリン(15:0)、チグロイルグリシン、スクシニルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、3-メチルグルタリルカルニチン(C6)、チグリルカルニチン、ブチリルカルニチン、2-メチルマロニルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、およびX-12819はZ-スコアに基づいて異常であった。これらの代謝産物の観察された異常なレベルは診断を助け、これらの化合物がプロピオン酸血症の新規のバイオマーカーとして有用であることを示した。

3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症 3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症患者において測定した3-メチルクロトニルグリシンレベルは3.0*IQR高かった。生化学物質の視覚表示から、3-メチルクロトニルグリシンレベルが異常であっただけでなく、さらなる代謝産物も異常であったことが明らかであった。データの視覚表示の図表を図11に示した。さらなる例では、3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症と診断された患者では、臨床診断用代謝産物3-メチルクロトニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレラートのZ-スコアは2より大きかった。さらに、代謝産物β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、3-メチルクロトニルグリシン、アジパート、グルタラート(ペンタンジオアート)、オクタデカンジオアート(C18)、ヘキサデカンジオアート(C16)、テトラデカンジオアート(C14)、ドデカンジオアート(C12)、イソバレリルグリシン、ロイシン、イソバレラート、アラニルアラニン、ピログルタミルバリン、ロイシン、イソバレラート、アラニルアラニン、α-ヒドロキシイソバレラート、スクシニルカルニチン、3-メチルグルタリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、X-12007、およびX-12814はZ-スコア分析に基づいて異常であった。

チミジンホスホリラーゼ欠損症 チミジンは血漿試料に稀にしか存在しない。データの自動視覚表示から、チミジンホスホリラーゼ欠損症をもつことが確かめられた患者からチミジンが観察されたことが分かった。チミジンについて、これらの結果を、図12に示した、ある患者の視覚表示の図表の例にある「希少」縦列に黒色の点で示した。チミジンが、この患者に由来する血漿試料に存在する生化学物質と特定されたことはチミジンホスホリラーゼ欠損症の診断を助けた。

別の例で、チミジンホスホリラーゼ欠損症患者において臨床代謝産物チミジンは希少化合物だと特定された。さらに、生化学物質2'-デオキシウリジン、5-メチルウリジン(リボチミジン)、5,6-ジヒドロチミン、ヒプラート、2-リノレオイルグリセロホスホコリン、4-メチルカテコールスルファート、1-アラキドイルグリセロホスホコリン(20:0)、タウロリトコラート3-スルファート、グリコリトコラートスルファート、イミダゾールプロピオナート、X-13862、X-19330、X-20620、およびX-12170はZ-スコア分析に基づいて両患者において異常であった。

フェニルケトン尿症(PKU) PKU患者に由来する試料中にあるフェニルアラニンレベルは3.0*IQR高かった。さらなる代謝産物も異常であった。ある患者を対象にした生化学物質統計解析の自動視覚表示の図表を図13に示した。視覚表示から、フェニルアラニンが異常であっただけでなく、フェニルアラニンに関連する他の生化学物質(例えば、γ-グルタミルフェニルアラニンおよびフェニルラクタート(PLA))も異常であったことが分かる。別の例で、PKUと診断された患者において臨床診断用代謝産物フェニルアラニンのZ-スコアは2より大きかった。さらに、生化学的に関連する代謝産物フェニルラクタート、γ-グルタミルフェニルアラニン、N-アセチルフェニルアラニン、フェニルピルバート、γ-グルタミルチロシン、3-メトキシチロシン、4-ヒドロキシフェニルピルバート、p-クレゾールスルファート、カテコールスルファート、o-クレゾールスルファート、フェニルアセチルグリシン、ならびにさらなる代謝産物フェニルアセチルグルタミン、フェニルアラニン含有ジペプチド(例えば、フェニルアラニルアルギニン、バリルフェニルアラニン、ヒスチジルフェニルアラニン、フェニルアラニルセリン、ロイシルフェニルアラニン、スレオニルフェニルアラニン、フェニルアラニルアラニン、フェニルアラニルグリシン、フェニルアラニルグルタマート、フェニルアラニルフェニルアラニン、アスパルチルフェニルアラニン、トリプトフィルフェニルアラニン、フェニルアラニルイソロイシン、グリシルフェニルアラニン、フェニルアラニルロイシン、フェニルアラニルアスパルタート)、X-15497、およびX-16283はZ-スコアに基づいて異常であった。

アルギニン血症 アルギニン、4-グアニジノブタノアート、およびホモアルギニンのレベルは1.5*IQR高かった。アルギニン血症患者においてN-アセチルアルギニンレベルは3.0*IQR高かった。生化学物質の自動視覚表示から、アルギニン、ホモアルギニン、およびN-アセチルアルギニンのレベルが異常であったことが分かっただけでなく、さらなる代謝産物も異常であったことが明らかになった。IQRデータの視覚表示の図表の例を図14に示した。Z-スコアに基づいた、さらなる分析において、臨床代謝産物アルギニンおよび4-グアニジノブタノアートならびにさらなる代謝産物ホモアルギニン、N-アセチルアルギニン、オルニチン、尿素、ホモシトルリン、ウラシル、アスパルタート、アルギニノスクシナート、プロリン、オロタート、クレアチニン、ウリジン、3-ウレイドプロピオナート、クレアチン、ベタイン、ロイシン、イソロイシン、γ-グルタミルロイシン、X-12339、およびX-12681は異常であった。

BCAA代謝 尿試料から3-メチル-2-オキソブチラート、3-メチル-2-オキソバレラート、β-ヒドロキシイソバレラート、およびチグリグリシン(tiglyglycine)を含む、いくつかの有機酸を有機酸抽出することによって、BCAA代謝障害を診断するための現行の臨床診療を行った。しかしながら、説明した方法を用いて、これらの障害は血漿試料で診断されてもよく、それによって、1種類の試料タイプから同時に多くの障害のマルチプレックススクリーニングをすることが容易になる。例えば、実施例2に記載の血漿試料を用いて、BCAA代謝障害(例えば、メチルマロン酸血症、コバラミン欠損症、プロピオン酸血症、HMG CoAリアーゼ欠損症、3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症、イソ吉草酸血症、メープルシロップ尿症)をもつ51人の患者の試料中で検出された異常代謝産物がBCAA代謝生化学経路に自動的にマッピングされた。結果から、バリン経路、ロイシン経路、およびイソロイシン経路は、示された疾患をもつ対象において異常であったことが分かった。異常であった、バリン生化学経路、イソロイシン生化学経路、およびロイシン(BCAA代謝)生化学経路において測定された異常代謝産物のレベルを図15に図示した。

メチルマロン酸血症 一例では、メチルマロン酸血症と診断された患者の一部において、臨床診断用代謝産物メチルマロナートおよびメチルマロニルCoAは検出されなかった。しかしながら、生化学的に関連する代謝産物2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン(C3)、チグリルカルニチン、2-メチルブチリルカルニチン(C5)、2-メチルシトラート、スクシニルカルニチン、プロピオニルグリシン、3-ヒドロキシプロパノアート、バレリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、スクシナート、チグロイルグリシン、およびさらなる代謝産物β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、イソブチリルカルニチン、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、ブチリルカルニチン、3-メチル-2-オキソバレラート、3-メチル-2-オキソブチラート、X-12749、X-17564、およびX-12114はZ-スコア分析に基づいて異常であった。

ビオチニダーゼ欠損症 別の例で、ビオチニダーゼ欠損症の診断に有用な臨床代謝産物はない。しかしながら、これらの対象から収集した試料の分析から、代謝産物3-メチルクロトニルグリシン、プロピオニルカルニチン(C3)、ビオチン、およびキシリトールはZ-スコア分析に基づいて異常だったことが明らかになった。従って、ビオチニダーゼ欠損症の生化学シグネチャーが本明細書に記載の方法を用いて血漿試料中で観察された。

シスチン症 別の例で、シスチン症と診断された患者において臨床代謝産物シスチンは検出されなかった。シスチン症について非還元血漿中での病理ゲノム(pathogenomic)異常は説明されておらず、この障害は、普通、白血球溶解産物を用いて診断される。しかしながら、生化学物質cys-gly(酸化型)、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)、グリココレナートスルファート、4-アセチルフェノールスルファート、クレゾールグルクロニド(以前はX-11837)、エリスリトール、バニリルマンデラート、N2,N2-ジメチル-グアノシン、フェニルアセチルグルタミン、X-12846、X-12303、X-19145、X-12216、X-17717、X-15667、X-12119、X-11315、X-12731、X-12705、X-17685、およびX-18371はZ-スコア分析に基づいて異常であった。従って、生化学シグネチャーが本明細書に記載の方法を用いて血漿試料中で観察された。

グアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ(GAMT)欠損症 別の例で、グアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ(GAMT)欠損症の診断に有用な臨床代謝産物はない。しかしながら、代謝産物クレアチン、3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、1,3-ジパルミトイルグリセロール、グアニジノアセタート、システインs-スルファート、X-19602、X-12906、X-13007、およびX-10458はZ-スコア分析に基づいて異常であった。これらの代謝産物の観察された異常なレベルは、これらの化合物がGAMT欠損症の新規のバイオマーカーとして有用なことを示している。

モリブデン補因子欠損症 別の例で、モリブデン補因子欠損症について非還元血漿中での病理ゲノム異常は説明されておらず、この障害は、普通、還元剤処理血漿を用いて診断される。モリブデン補因子欠損症(MOCD)と診断された患者において、還元剤処理血漿中で観察された臨床代謝産物:キサンチン;チオスルファート;およびS-スルホシステインは血漿中で検出されなかった。さらに、生化学物質5-HETE、ロイコトリエンB4、13-HODE+9-HODE、および12-HETEはZ-スコア分析に基づいて異常であった。これらの代謝産物の観察された異常なレベルは、これらの化合物がモリブデン補因子欠損症の新規のバイオマーカーとして有用なことを示している。

X連鎖性クレアチン輸送体 別の例で、X連鎖性クレアチン輸送体について非還元血漿中での病理ゲノム異常は説明されておらず、この障害は、普通、尿を用いて診断される。X連鎖性クレアチン輸送体患者に由来する血漿試料の本発明者らの分析において、尿中にある臨床代謝産物クレアチンは検出されなかった。しかしながら、生化学物質グリシルロイシン、2-ヒドロキシオクタノアート、1,6-アンヒドログルコース、X-11483、X-18943、X-17422、X-17761、およびX-17335はZ-スコア分析に基づいて血漿中で異常であった。この障害について血漿の診療診断代謝産物は説明されていないが、これらの代謝産物の観察された異常なレベルは、これらの化合物が、血漿中にあるX連鎖性クレアチン輸送体の新規のバイオマーカーとして有用なことを示している。

アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症 別の例で、アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症と診断された患者において、臨床代謝産物アルギニノスクシナートは異常生化学物質(すなわち、希少化合物)であった。さらなる代謝産物ウラシル、アルギニン、アスパルタート、N-δ-アセチルオルニチン、シトルリン、イソロイシルアスパルタート、オルニチン、ウリジン、ホモシトルリン、オロタート、ホモアルギニン、ソルボース、フルクトース、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート、O-スルホ-L-チロシン、パルミトイルスフィンゴミエリン、X-13507、X-15245、X-15664、およびX-15454もZ-スコア分析に基づいて異常であった。これらの代謝産物の観察された異常なレベルは、これらの化合物がアルギニノコハク酸リアーゼ欠損症の新規のバイオマーカーとして有用なことを示している。

コバラミン欠損症 別の例で、コバラミン欠損症と診断された患者において、臨床代謝産物メチルマロン酸、ホモシステイン、2-メチルシトラート、およびシスタチオニンは検出されなかった。しかしながら、さらなる代謝産物2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン、およびX-12749はZ-スコア分析に基づいて異常であった。

Cbl a 別の例で、Cbl aと診断された患者において、診断に有用な臨床代謝産物である生化学物質2-メチルシトラートは異常であった。さらなる代謝産物2-メチルマロニルカルニチン、チグリルカルニチン、2-メチルブチリルカルニチン、プロピオニルカルニチン、およびX-12749もZ-スコア分析に基づいて異常であった。

Cbl c 別の例で、Cbl cと診断された患者において、臨床代謝産物メチルマロン酸、ホモシステイン、2-メチルシトラート、およびシスタチオニンは検出されなかった。しかしながら、さらなる代謝産物2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン、X-12749、およびX-17677はZ-スコア分析に基づいて異常であった。

シトルリン血症 別の例で、シトルリン血症と診断された患者において、臨床に用いられる診断用代謝産物であるシトルリンは異常であった。さらなる代謝産物ホモシトルリン、3-ウレイドプロピオナート、N-アセチルアラニン、フェニルアセチルグルタミン、フェニルアセタート、フェニルアセチルグリシン、ホモアルギニン、尿素、グアニジノスクシナート、γ-グルタミルフェニルアラニン、γ-グルタミルイソロイシン、トリプトファン、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)、N-アセチル-シトルリン(以前はX-12386)、X-19684、X-12681、X-20598、X-18446、およびX-20588はZ-スコア分析に基づいて異常であった。

CPTII 別の例で、CPTII患者において、臨床に用いられる診断用代謝産物であるデカノイルカルニチン(C10)のレベルは異常であった。セバカート(C8)、カプラート(C10)、カプリラート(C8)、およびN-オクタノイルグリシン(C8エステル)、オクタノイルカルニチン、およびヘキサノイルカルニチンのレベルはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

グルタル酸尿症1型 別の例で、グルタル酸尿症1型患者において、臨床代謝産物グルタラート(ペンタンジオアート)およびグルタリルカルニチン(C5)ならびに生化学物質X-12364およびX-15674はZ-スコア分析に基づいて異常であった。

HMG CoAリアーゼ欠損症 別の例で、HMG CoAリアーゼ欠損症患者において、臨床代謝産物3-メチルグルタリルカルニチン、3-ヒドロキシ-3-メチル-グルタラート、3-メチルグルタラート、および3-ヒドロキシイソバレラートは異常であった。生化学物質β-ヒドロキシイソバレラート、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、グルタリルカルニチン(C5)、アルギニルプロリン、1-ステアロイルグリセロホスホエタノールアミン、o-クレゾールスルファート、3-メチルクロトニルグリシン、アジパート、グルタラート(ペンタンジオアート)、オクタデカンジオアート(C18)、ヘキサデカンジオアート(C16)、テトラデカンジオアート(C14)、ドデカンジオアート(C12)、イソバレラート、アセチルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ヘキサノイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、ヘキセンジオイルカルニチン(以前はX-17001)、X-17715、X-12741、X-16134、X-10593、およびX-12688もZ-スコア分析に基づいて両患者において異常であった。

ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症 別の例で、ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症と診断された患者において、臨床代謝産物β-ヒドロキシイソバレラートのレベルは異常であった。生化学物質3-メチルクロトニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン(C5)、プロピオニルグリシン(C3)、3-ヒドロキシプロパノアート、チグロイルグリシン、スクシニルカルニチン、およびビオチンもZ-スコア分析に基づいて異常であった。

ホモシスチン尿症 別の例で、ホモシスチン尿症と診断された患者において、臨床代謝産物メチオニンは異常であった。生化学物質γ-グルタミルメチオニン、5-メチルチオアデノシン(MTA)、S-アデノシルホモシステイン(SAH)、N1-メチルアデノシン、グリシルプロリン、1-エイコセノイルグリセロホスホエタノールアミン(20:1n9)、1-メチルニコチンアミド、N-アセチル-アスパルチル-グルタマート(NAAG)、ピリドキサール、2-ヒドロキシイソブチラート、アシソガ、カルノシン、3-メトキシチロシン、2-ヒドロキシデカノアート、δ-トコフェロール、α-CEHC(2,5,7,8-テトラメチル-2-(2'-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン)スルファート(以前はX-12435)、N-アセチルトリプトファン、アデニン、コルチゾール、X-19350、X-18965、X-15649、X-17303、X-18897、X-11564、X-18891、X-12748、X-18918、X-18905、X-18606、X-16574、X-18895、X-18907、X-19455、X-18909、X-19574、X-12110、X-20676、X-11360、およびX-18920もZ-スコア分析に基づいて両対象において異常であった。

イソ吉草酸血症 別の例で、イソ吉草酸血症患者において、臨床代謝産物イソバレラートは異常であった。生化学物質イソバレリルグリシン、イソバレリルカルニチン(C5)、バレラート、フェニルカルニチン、バレリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、3-メチルクロトニルグリシン、X-16577、およびX-14331もZ-スコア分析に基づいて両患者において異常であった。

リジン尿性タンパク質不耐症 別の例で、リジン尿性タンパク質不耐症患者において、臨床代謝産物オルニチン、アルギニン、およびリジンは異常であった。生化学物質アスパラギン、N6-アセチルリジン、グルタミン、N2-アセチルリジン、N-アセチルアルギニン、γ-グルタミルグルタミン、プロリン、S-メチルシステイン、2-ヒドロキシデカノアート、1-メチルイミダゾールアセタート、X-15636、X-17654、X-12193、およびX-12425もZ-スコア分析に基づいて異常であった。

中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ(MCAD)欠損症 別の例で、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ(MCAD)欠損症患者において、臨床代謝産物ヘキサノイルグリシン(C6)、オクタノイルカルニチン(C8)、ヘキサノイルカルニチン(C6)、cis-4-デセノイルカルニチン、5-ヒドロキシヘキサノアート、スベラート(オクタンジオアート)、セバカート(デカンジオアート)、デカノイルカルニチン、および3-ヒドロキシデカノアートは異常であった。生化学物質N-オクタノイルグリシン、カプロアート(6:0)、カプリラート(8:0)、ヘプタノアート(7:0)、ドデカンジオアート、1-ドコサペンタエノイルグリセロホスホコリン(22:5n3)、O-メチルカテコールスルファート、1-ステアロイルグリセロホスホコリン(18:0)、1-マルガロイルグリセロホスホコリン(17:0)、N-パルミトイルタウリン、ペラルゴナート(9:0)、デオキシカルニチン、α-CEHC(2,5,7,8-テトラメチル-2-(2'-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン)スルファート(以前はX-12435)、X-11521(考えられる実験式:C15H27NO4および構造:2-オクテノイルカルニチン)、X-11440(考えられる二硫酸ヒドロキシプレグネン-ジオールまたは二硫酸プレグナノロン-ジオール)、メチルヘキサノイルグルタミン(以前はX-12637)、X-15646、X-12802、X-11478、X-15486、X-18913、X-13837、X-18946、X-11861、X-18888、X-18922、X-17438、X-18916、X-16674、およびX-12824もZ-スコア分析に基づいて異常であった。

メープルシロップ尿症 別の例で、メープルシロップ尿症患者において、臨床代謝産物イソロイシンおよびロイシンは異常であり、生化学物質2-ヒドロキシ-3-メチルバレラート、α-ヒドロキシイソバレラート、イソバレリルカルニチン、2-アミノヘプタノアート、4-メチル-2-オキソペンタノアート、1-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、2-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、1-ミリストイルグリセロホスホコリン(14:0)、2-ミリストイルグリセロホスホコリン、二硫酸5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオール、バリン、3-メチル-2-オキソブチラート、イソバレラート、イソブチリルカルニチン、3-ヒドロキシイソブチラート、2-メチルブチリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、アロ-イソロイシン、3-メチル-2-オキソバレラート、β-ヒドロキシイソバレラート、スクシナート、アセチルカルニチン、2-メチルシトラート、チグロイルグリシン、チグリルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、α-ヒドロキシイソカプロアート、X-13689(グルクロニドコンジュゲート)、X-13581、X-17690はZ-スコア分析に基づいて18人の患者のうち少なくとも10人において異常であった。

オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症 別の例で、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症患者において、臨床代謝産物シトルリンおよびアルギニンは検出されなかった。しかしながら、臨床代謝産物オロタートならびに生化学物質フェニルアセチルグルタミン、ステアリドナート(18:4n3)、3-ウレイドプロピオナート、フェニルアセタート、フェニルカルニチン、フェニルアセチルグリシン、trans-4-ヒドロキシプロリン、pro-ヒドロキシ-pro、尿素、フェニルラクタート(PLA)、グアニジノスクシナート、ヒプラート、オルニチン、X-20598、およびX-20588はZ-スコア分析に基づいて異常であった。

トリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症 別の例で、トリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症患者において、臨床代謝産物N-6-トリメチルリジンは異常であった。生化学物質1-アラキドノイルグリエルコホスファート、X-16574、X-12822、およびX-15136はZ-スコア分析に基づいて4人の患者のうち少なくとも3人において異常であった。

超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症 別の例で、超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症患者において、臨床代謝産物ミリストイルカルニチン、ステアロイルカルニチン(C18)、パルミトイルカルニチン(C16)、オレオイルカルニチン(C18)、ミリストレアート(14:1n5)、およびリノレオイルカルニチンは異常であった。生化学物質9-メチル尿酸、キシルロース、アラキドナート(20:4n6)、ドコサヘキサエノアート(DHA;22:6n3)、エイコサペンタン酸(EPA)、5,8-テトラデカジエン酸(以前はX-12442)、1-ドコサヘキサエノイル-GPC(22:6;DHA-GPC)、およびX-18739(2-テトラデセノイルカルニチンの考えられる異性体)もZ-スコア分析に基づいて異常であった。

サルコシン血症 別の例で、サルコシン血症患者において、臨床代謝産物サルコシンは異常であった。生化学物質ジメチルグリシン、ベタイン、コリン、およびグリシンもZ-スコア分析に基づいて異常であった。

クエン酸輸送体欠損症 別の例で、クエン酸輸送体欠損症患者において、臨床代謝産物シトラートは異常であった。生化学物質α-ケトグルタラート、スクシナート、フマラート、およびマラートもZ-スコア分析に基づいて異常であった。現在、クエン酸輸送体欠損症について利用可能な診断検査はなく、従って、診断のために好ましい試料タイプはない。本明細書に記載のように、クエン酸輸送体欠損症において異常な代謝産物が血漿中、尿中、およびCSF試料中で特定された。

高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症(HHH) 別の例で、高オルニチン・ホモシトルリン・高アンモニア血症患者において、臨床代謝産物ホモシトルリンおよびオルニチンは異常であった。生化学物質ウラシル、3-ウレイドプロピオナート、オロタート、グルタミン、N-アセチル-β-アラニン、ウリジン、N-アセチルアスパルタート(NAA)、ジメチルアルギニン(SDMA+ADMA)、5-メチルチオアデノシン(MTA)、β-アラニン、および4-ウレイドブチラートもZ-スコア分析に基づいて異常であった。

芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ欠損症 別の例で、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ欠損症と診断された患者において、臨床代謝産物L-ドーパ、ホモバニラート、5-ヒドロキシインドールアセタート、およびバニル乳酸は検出されなかった。芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ欠損症の場合、この障害は、普通、CSF試料を用いて検出される。しかしながら、血漿試料中で、臨床代謝産物3-メトキシチロシンおよび5-ヒドロキシトリプトファンならびに生化学物質チロシン、フェニルアラニン、およびトリプトファンはZ-スコア分析に基づいて異常であった。従って、生化学シグネチャーが本明細書に記載の方法を用いて血漿試料中で観察された。

スミス・レムリ・オピッツ症候群 別の例で、スミス・レムリ・オピッツ症候群患者において、臨床代謝産物7-デヒドロコレステロールは異常であった。生化学物質コレスタノールもZ-スコア分析に基づいて異常であった。

原発性カルニチン欠損症 別の例で、原発性カルニチン欠損症患者において、臨床代謝産物カルニチンは異常であった。生化学物質N6-トリメチルリジンもZ-スコア分析に基づいて異常であった。

シトリン欠損症 別の例で、シトリン欠損症患者において、臨床代謝産物シトルリンは異常であった。生化学物質オロタートもZ-スコア分析に基づいて異常であった。

ABAT欠損症 別の例で、ABAT欠損症患者において、臨床代謝産物GABAは異常であった。生化学物質2-ピロリドンもZ-スコア分析に基づいて異常であった。

3-メチルグルタコン酸尿症(MGA) 別の例で、MGA患者において、臨床代謝産物3-メチルグルタコン酸および3-メチルグルタル酸は検出されなかった。MGAの場合、この障害は、普通、尿試料を用いて検出される。しかしながら、血漿試料中で生化学物質ブチリルグリシンはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

SCAD欠損症 別の例で、SCAD欠損症患者において、臨床代謝産物エチルマロナート、ブチリルカルニチン、およびメチルスクシナートは異常であった。生化学物質ブチリルグリシンもZ-スコア分析に基づいて異常であった。

ウロカナーゼ欠損症 別の例で、ウロカナーゼ欠損症患者において、普通、尿中で検出される臨床代謝産物であるcis-ウロカナート、trans-ウロカナート、およびイミダゾールプロピオナートもZ-スコア分析に基づいて血漿試料中で異常であった。

3-ヒドロキシイソブチリル-CoA加水分解酵素欠損症 別の例で、3-ヒドロキシイソブチリル-CoA加水分解酵素欠損症の診断に有用な臨床代謝産物はない。対象における3-ヒドロキシイソブチリル-CoAヒドロキシラーゼ欠損症は、ヒドロキシイソブチリル-CoAおよびヒドロキシプロピオニル-CoAを加水分解する酵素をコードするHIBCH遺伝子の変異に起因する。この酵素はバリン代謝に重要である。3-ヒドロキシイソブチリル-CoAヒドロキシラーゼ欠損症と診断された2人の対象のうち1人では、バリン代謝における2種類の代謝産物、具体的には、3-ヒドロキシイソブチラートおよびイソブチリルグリシンがZ-スコア分析に基づいて異常であった。両個体とも、変異による影響を直接受けない経路であるロイシン代謝のいくつかの代謝産物の異常なレベルも示した。これは、おそらく投薬または栄養介入の結果である。従って、両個体とも、3-ヒドロキシイソブチリル-CoAヒドロキシラーゼ欠損症の治療を受けていた可能性が高い。このため、一方の患者では、この疾患の代謝シグネチャーが隠された可能性がある。しかしながら、代謝産物3-ヒドロキシイソブチラートおよびイソブチリルグリシンの観察された異常なレベルは、これらの化合物が3-ヒドロキシイソブチリル-CoA加水分解酵素欠損症の新規のバイオマーカーとして有用なことを示している。

γ-ブチロベタインヒドロキシラーゼ欠損症(BBOX欠損症) 別の例で、BBOX欠損症の診断に有用な臨床代謝産物はない。しかしながら、代謝産物ヘキサデカンジオアート(C16)、ドコサジオアート、エイコサノジオアート、オクタデカンジオアート(C18)、ドデカンジオアート(C12)、2-アミノオクタノアート、2-アミノヘプタノアート、α-ヒドロキシイソカプロアート、イソバレラート(C5)、デカノイルカルニチン(C10)、cis-4-デセノイルカルニチン、パルミトイルカルニチン(C16)、オレオイルカルニチン(C18)、ラウリルカルニチン(C12)、ミリストレオイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、グリセロール、3-ヒドロキシミリスタート、2-ヒドロキシデカノアート、3-ヒドロキシラウラート、3-ヒドロキシセバカート、3-ヒドロキシオクタノアート、3-ヒドロキシデカノアート、ペラルゴナート(9:0)、およびカプロアート(6:0)はZ-スコア分析に基づいて異常であった。これらの代謝産物の観察された異常なレベルは、これらの化合物がBBOX欠損症の新規のバイオマーカーとして有用なことを示している。

アミノ酸代謝および輸送の障害(尿素サイクル障害および有機酸血症を含む) 別の例で、アミノ酸代謝および輸送の障害(尿素サイクル障害および有機酸血症を含む)をもつ患者において、代謝産物N-アセチルアラニン、アスパルタート、グルタラート(ペンタンジオアート)、グルタリルカルニチン(C5)、3-ヒドロキシグルタラート、グルタコナート、フェニルアラニン、N-アセチルフェニルアラニン、フェニルピルバート、フェニルラクタート(PLA)、フェニルアセタート、フェニルアセチルグリシン、フェニルアセチルグルタミン、4-ヒドロキシフェニルピルバート、3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、p-クレゾールスルファート、o-クレゾールスルファート、3-メトキシチロシン、ロイシン、4-メチル-2-オキソペンタノアート、イソバレラート、イソバレリルグリシン、イソバレリルカルニチン(C5)、3-メチルクロトニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレラート、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、3-メチルグルタリルカルニチン(C6)、α-ヒドロキシイソバレラート、イソロイシン、アロ-イソロイシン、3-メチル-2-オキソバレラート、2-メチルブチリルカルニチン(C5)、チグリルカルニチン、チグロイルグリシン、2-ヒドロキシ-3-メチルバレラート、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、バリン、3-メチル-2-オキソブチラート、イソブチリルカルニチン、3-ヒドロキシイソブチラート、α-ヒドロキシイソカプロアート、ホモシステイン、シスタチオニン、アルギニン、尿素、オルニチン、プロリン、シトルリン、アルギニノスクシナート、ホモアルギニン、ホモシトルリン、N-アセチルアルギニン、N-δ-アセチルオルニチン、trans-4-ヒドロキシプロリン、pro-ヒドロキシ-pro、クレアチン、クレアチニン、4-グアニジノブタノアート、グアニジノスクシナート、γ-グルタミルフェニルアラニン、γ-グルタミルチロシン、アラニルアラニン、アルギニルプロリンアスパルチルフェニルアラニン、グリシルフェニルアラニン、ヒスチジルフェニルアラニン、イソロイシルアスパルタート、ロイシルフェニルアラニン、フェニルアラニルアラニン、フェニルアラニルアルギニン、フェニルアラニルアスパルタート、フェニルアラニルグルタマート、フェニルアラニルグリシン、フェニルアラニルイソロイシン、フェニルアラニルロイシンフェニルアラニルフェニルアラニン、フェニルアラニルセリン、ピログルタミルバリン、スレオニルフェニルアラニン、トリプトフィルフェニルアラニン、バリルフェニルアラニン、フルクトース、ソルボース、スクシニルカルニチン、スクシナート、2-メチルシトラート、バレラート、ステアリドナート(18:4n3)、アジパート、ドデカンジオアート(C12)、テトラデカンジオアート(C14)、ヘキサデカンジオアート(C16)、オクタデカンジオアート(C18)、2-アミノヘプタノアート、2-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、2-メチルマロニルカルニチン、ブチリルカルニチン、プロピオニルカルニチン(C3)、プロピオニルグリシン(C3)、メチルマロニルCoA、メチルマロン酸、アセチルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、バレリルカルニチン、ヘキサノイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、パルミトイルカルニチン(C16)、ヘキセンジオイルカルニチン(以前はX-17001)、3-ヒドロキシプロパノアート、1-ミリストイルグリセロホスホコリン(14:0)、2-ミリストイルグリセロホスホコリン、1-ペンタデカノイルグリセロホスホコリン(15:0)、1-リノレノイルグリセロホスホコリン(18:3n3)、1-ステアロイルグリセロホスホエタノールアミン、1,3-ジパルミトイルグリセロール、二硫酸5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオール、オロタート、ウリジン、ウラシル、3-ウレイドプロピオナート、ヒプラート、カテコールスルファート、フェニルカルニチン、プロピオナート、5-ヒドロキシトリプトファン、5-メチルチオアデノシン(MTA)、β-アラニン、ジメチルアルギニン(SDMA+ADMA)、グルタミン、N-アセチルアスパルタート(NAA)、N-アセチル-β-アラニン、トリプトファン、チロシン、2-ピロリドン、γ-グルタミルロイシン、O-スルホ-L-チロシン、パルミトイル-スフィンゴミエリン、γ-グルタミルイソロイシン、システインs-スルファートはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

脂肪酸酸化障害 別の例で、脂肪酸酸化障害患者において、代謝産物キシルロース、カプロアート(6:0)、ヘプタノアート(7:0)、カプリラート(C8)、ペラルゴナート(9:0)、カプラート(C10)、ミリストレアート(14:1n5)、エイコサペンタン酸(EPA)、ドコサヘキサエノアート(DHA;22:6n3)、アラキドナート(20:4n6)、スベラート(オクタンジオアート)、セバカート(C8)、ドデカンジオアート(C12)、ヘキサノイルグリシン(C6)、N-オクタノイルグリシン、ヘキサノイルカルニチン、オクタノイルカルニチン、デカノイルカルニチン、cis-4-デセノイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、パルミトイルカルニチン(C16)、ステアロイルカルニチン(C18)、オレオイルカルニチン(C18)、デオキシカルニチン、カルニチン、3-ヒドロキシデカノアート、5-ヒドロキシヘキサノアート、N-パルミトイルタウリン、1-マルガロイルグリセロホスホコリン(17:0)、1-ステアロイルグリセロホスホコリン(18:0)、1-ドコサペンタエノイルグリセロホスホコリン(22:5n3)、9-メチル尿酸、α-CEHC(2,5,7,8-テトラメチル-2-(2'-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン)スルファート(以前はX-12435)、O-メチルカテコールスルファート、5,8-テトラデカジエン酸(以前はX-12442)、メチルヘキサノイルグルタミン(以前はX-12637)、7-デヒドロコレステロール、コレスタノール、N6-トリメチルリジン、ブチリルグリシン、および1-ドコサヘキサエノイル-GPC(22:6;DHA-GPC)はZ-スコア分析に基づいて異常であった。

実施例3:疾患をもつ個体の臨床評価(尿) 別の例で、疾患を診断するか、または疾患の診断を支援するために、100人の症候性個体に由来する尿試料を実施例2に記載のように分析した。この検査に入れられた試料は全て、臨床診断検査室で行う定量分析において、1つまたは複数の、標的のある分析物パネルを用いて分析されている。コホート内の100人の対象のうち、治療を行っている医師により33人の対象が陽性と診断された。67人の対象については臨床診断を確定することができなかった。分析の際に、試料に関連する診断情報は分析者に盲検化された。663種類の指定済生化学物質と538種類の未指定生化学物質である合計1201種類の生化学物質が検出された。実施例2に記載の血漿試料と同様に、本発明の方法を用いて得られた結果が臨床的に確定された診断と一致するかどうかを確かめるために、試料分析後に、結果として生じたデータおよび視覚化を臨床家が評価した。分析の診断結果を表3にまとめた。縦列1は、別名を含む障害を列挙し、縦列2は、診断された対象の数を列挙し、縦列3は障害の診断の感度を列挙し、縦列4は障害の診断の特異度を列挙する。縦列5は、障害を診断するのに診療所において現在用いられている代謝産物を列挙する。縦列6は、本明細書において開示された方法を用いて異常だと見出された、臨床に用いられる代謝産物を列挙する。縦列7は、臨床診断された対象において、本明細書において用いられる方法の結果に基づいて異常だと特定された、臨床診断に現在用いられていない代謝産物を列挙する。これらの代謝産物の一部は、臨床に用いられる診断用代謝産物と生化学的に関連する。一部の個体において、診療診断代謝産物は観察されなかった。しかしながら、他の生化学的に関連する代謝産物は異常であり、このことが、この障害の診断を助けた。これらの結果は、以下の実施例に記載の障害について示される。

(表3)疾患または障害の実験に基づく診断結果(尿)

アデノシンデアミナーゼ欠損症 一例では、アデノシンデアミナーゼ欠損症と診断された患者において、臨床診断用代謝産物2'-デオキシアデノシンのZ-スコアは2より大きかった。さらに、生化学的に関連する代謝産物2'-デオキシイノシン、アデニン、N2-メチルグアノシン、2'-デオキシグアノシン、ウラート、N1-メチルアデノシン、アデノシン、アラントイン、キサンチン、グアノシン、ヒポキサンチン、N2,N2-ジメチルグアノシン、および7-メチルグアノシンはZ-スコアに基づいて異常であった。これらの代謝産物の観察された異常なレベルは、これらの化合物がアデノシンデアミナーゼ欠損症の新規のバイオマーカーとして有用なことを示している。

ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症 別の例で、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損症と診断された患者において、臨床代謝産物ウラシルおよびチミンならびにさらなる代謝産物シチジン、5,6-ジヒドロウラシル、4-ウレイドブチラート、3-ウレイドプロピオナート、ウリジン、オロタート、およびN-カルバモイルアスパルタートはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症 別の例で、コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症患者において、臨床代謝産物γ-アミノブチラート(GABA)および生化学的に関連する代謝産物スクシンイミドはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

スクシニルアデノシンリアーゼ欠損症 別の例で、スクシニルアデノシンリアーゼ欠損症患者において、臨床代謝産物N6-スクシニルアデノシンおよび生化学的に関連する代謝産物キサントシン、2'-デオキシグアノシン、2'-デオキシイノシン、およびアデニンはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

チロシン血症 別の例で、チロシン血症患者において、臨床代謝産物チロシンならびにさらなる代謝産物3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、4-ヒドロキシフェニルピルバート、3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、4-ヒドロキシフェニルアセタート、フェニルラクタート(PLA)、およびX-13581はZ-スコア分析に基づいて異常であった。

キサンチン尿症 別の例で、キサンチン尿症患者において、臨床代謝産物キサンチンは検出されなかった。しかしながら、臨床代謝産物ウラートおよびクレアチンならびに生化学的に関連する代謝産物ヒポキサンチン、キサントシン、2'-デオキシイノシン、イノシン、N2-メチルグアノシン、およびクレアチニンはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症 別の例で、3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症と診断された患者において、臨床診断用代謝産物3-メチルクロトニルグリシンおよびβ-ヒドロキシイソバレラートは異常であった。さらに、代謝産物β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、エチルマロナート、およびN-アセチルロイシンはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

シトルリン血症 別の例で、シトルリン血症と診断された患者において、臨床に用いられる診断用代謝産物シトルリンは異常であった。さらなる代謝産物4-ウレイドブチラート、ホモシトルリン、3-ウレイドプロピオナート、フェニルアセチルグルタミン、N-カルバモイルアスパルタート、グアニジノアセタート、尿素、4-グアニジノブタノアート、N-アセチルアルギニン、ヒプラート、オルニチン、2-メチルヒプラート、フェニルアセチルグリシン、4-フェニルブチラート、クレアチニン、オロタート、および3,4-ジヒドロキシフェニルアセタートはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

グルタル酸尿症1型 別の例で、グルタル酸尿症1型患者において、臨床代謝産物グルタラート(ペンタンジオアート)およびグルタリルカルニチン(C5)ならびに生化学物質3-メチルグルタリルカルニチンおよび2-アミノアジパートはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

グアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ(GAMT)欠損症 別の例で、グアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ(GAMT)欠損症の診断に有用な臨床代謝産物はない。しかしながら、GAMT欠損症患者において、生化学物質クレアチニンおよびグアニジノアセタートはZ-スコア分析に基づいて異常であった。これらの代謝産物の観察された異常なレベルは、これらの化合物がGAMT欠損症の新規のバイオマーカーとして有用なことを示している。

ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症 別の例で、ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症と診断された患者において、臨床代謝産物β-ヒドロキシイソバレラートのレベルは異常であった。生化学物質3-メチルクロトニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、プロピオニルグリシン(C3)、3-ヒドロキシプロパノアート、2-メチルシトラート、3-ヒドロキシイソブチラート、ラクタート、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、イソブチリルグリシン、α-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、3-メチル-2-オキソブチラート、3-メチル-2-オキソバレラート、3-ヒドロキシ-2-メチルブチラート、4-メチル-2-オキソペンタノアート、スクシニルカルニチン、マロニルカルニチン、α-ヒドロキシイソバレラート、2-ヒドロキシ-3-メチルバレラート、プロピオニルカルニチン、チグリルカルニチン、イソバレリルカルニチン、ヒドロキシブチリルカルニチン、スクシナート、2-メチルマロニルカルニチン、およびα-ヒドロキシイソカプロアートもZ-スコア分析に基づいて異常であった。

イソ吉草酸血症 別の例で、イソ吉草酸血症患者において、臨床代謝産物イソバレラートは異常であった。生化学物質イソバレリルグリシン、イソバレリルカルニチン(C5)、β-ヒドロキシブチラート、およびα-ヒドロキシブチラートもZ-スコア分析に基づいて両患者において異常であった。

リジン尿性タンパク質不耐症 別の例で、リジン尿性タンパク質不耐症患者において、臨床代謝産物オルニチン、アルギニン、およびリジンは検出されなかった。生化学物質2-アミノヘプタノアート、N6-アセチルリジン、N2-アセチルリジン、3-メチルグルタリルカルニチン、グルタリルカルニチン、N6-トリメチルリジン、および5-(ガラクトシルヒドロキシ)-L-リジンはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ(MCAD)欠損症 別の例で、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ(MCAD)欠損症患者において、臨床代謝産物ヘキサノイルグリシン(C6)、5-ヒドロキシヘキサノアート、オクタノイルカルニチン(C8)、スベラート(オクタンジオアート)、4-オクテンジオアート、アジパート、ヘキサノイルカルニチン(C6)、およびデカノイルカルニチンは異常であった。生化学物質N-オクタノイルグリシン、ヘプタノイルグリシン、3-メチルアジパート、および2-ヒドロキシグルタラートもZ-スコア分析に基づいて異常であった。

メチルマロン酸血症 別の例で、メチルマロン酸血症と診断された患者において臨床診断用代謝産物メチルマロニルCoAは検出されなかった。しかしながら、臨床代謝産物メチルマロナートおよびさらなる代謝産物2-メチルマロニルカルニチン、2-メチルシトラート、3-メチルグリタリルカルニチン、プロピオニルカルニチン(C3)、スクシニルカルニチン、プロピオニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、およびメチルスクシナートはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

モリブデン補因子欠損症 別の例で、尿中でのモリブデン補因子欠損症の病理ゲノム異常は説明されておらず、この障害は、普通、還元剤処理血漿を用いて診断される。モリブデン補因子欠損症(MOCD)と診断された患者において、還元剤処理血漿中で観察された臨床代謝産物キサンチンおよびS-スルホシステインは尿試料中で異常であった。臨床代謝産物チオスルファートは検出されなかった。さらに、生化学物質ウラートはZ-スコア分析に基づいて異常であった。これらの代謝産物の観察された異常なレベルは、これらの化合物がモリブデン補因子欠損症の新規のバイオマーカーとして有用なことを示している。

オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症 別の例で、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症患者において、臨床代謝産物シトルリンおよびアルギニンは検出されなかった。しかしながら、臨床代謝産物オロタートならびに生化学物質フェニルアセチルグルタミン、2-メチルヒプラート、2-ヒドロキシフェニルアセタート、フェニルカルニチン、ヒプラート、フェニルプロピオニルグリシン、ベンゾアート、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート、4-フェニルブチラート、および2-ペントアミド-3-フェニルプロパン酸はZ-スコア分析に基づいて異常であった。

クエン酸輸送体欠損症 別の例で、クエン酸輸送体欠損症患者において、臨床代謝産物シトラートはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

ABAT欠損症 別の例で、ABAT欠損症患者において、臨床代謝産物GABAおよび生化学物質2-ピロリドンはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

高シュウ酸尿症 別の例で、高シュウ酸尿症患者において、臨床代謝産物オキサラートおよびグリコラートはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

別の例で、アミノ酸代謝および輸送の障害(尿素サイクル障害および有機酸血症を含む)をもつ患者において、代謝産物2-アミノアジパート、フェニルアセチルグルタミン、3,4-ジヒドロキシフェニルアセタート、フェニルプロピオニルグリシン、2-ペンタンアミド-3-フェニルプロパン酸、2-ヒドロキシフェニルアセタート、N-アセチルロイシン、メチルスクシナート、エチルマロナート、グアニジノアセタート、β-ヒドロキシブチラート、N-カルバモイルアスパルタート、4-ウレイドブチラート、ヒプラート、2-メチルヒプラート、ベンゾアート、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート、4-フェニルブチラート、グルタラート(ペンタンジオアート)、グルタリルカルニチン(C5)、3-ヒドロキシグルタラート、グルタコナート、フェニルアセチルグリシン、イソバレラート、イソバレリルグリシン、イソバレリルカルニチン(C5)、3-メチルクロトニルグリシン、β-ヒドロキシイソバレラート、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、3-メチルグルタリルカルニチン(C6)、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、アルギニン、尿素、オルニチン、シトルリン、アルギニノスクシナート、ホモシトルリン、N-アセチルアルギニン、クレアチン、4-グアニジノブタノアート、スクシニルカルニチン、2-メチルシトラート、2-メチルマロニルカルニチン、プロピオニルカルニチン(C3)、プロピオニルグリシン(C3)、メチルマロニルCoA、メチルマロン酸、オロタート、3-ウレイドプロピオナート、フェニルカルニチン、および2-ピロリドンはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

脂肪酸酸化障害 別の例で、脂肪酸酸化障害患者において、代謝産物2-ヒドロキシグルタラート、3-メチルアジパート、4-オクテンジオアート、ヘプタノイルグリシン、アジパート、スベラート(オクタンジオアート)、ヘキサノイルグリシン(C6)、N-オクタノイルグリシン、ヘキサノイルカルニチン、オクタノイルカルニチン、デカノイルカルニチン、カルニチン、および5-ヒドロキシヘキサノアートはZ-スコア分析に基づいて異常であった。

実施例4:疾患のある個体の臨床評価:治療効果および/または疾患重篤度の確認およびおよびモニタリング 別の例で、治療効力および治療コンプライアンスを確かめるために、実施例2からの試料に対する本明細書で説明した方法の結果を用いて、治療介入の有効性と、患者の臨床モニタリングを助ける診断個体における疾患の臨床管理に応答した生化学的変化を評価した。例えば、中鎖トリグリセリド処方による治療を受けている超長鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症(VLCAD)患者において治療の効果が観察された。Z-スコア分析により短鎖および中鎖の長さの脂肪酸のレベルは患者の血漿試料中で異常であり、生化学物質7-ヒドロキシオクタノアートは希少生化学物質(血漿試料中で稀にしか検出されない代謝産物)として異常であった。別の例で、数人のオルニチントランスカルバモイラーゼ(OTC)欠損症患者では、食事介入とフェニルブチラート治療の組み合わせによって、OTC欠損症に関連する代謝障害が隠された(すなわち、診断用代謝産物は正常なレベルであった)。図16Bに図示したように、フェニルブチラート治験を受けていたOTC欠損症患者、シトルリン血症患者、およびMSUD患者においてフェニルブチラート代謝産物であるフェニルアセチルグルタミンは高かった。別の例で、図16Aに示したように、イソ吉草酸血症、プロピオン酸血症(PAA)、およびメチルマロン酸血症(MMA)を治療するために補充カルニチンが与えられていた患者において、代謝産物トリメチルアミンN-オキシドは高かった。別の例で、図16Cに図示したように、アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症(AL)またはGAMTと診断された患者から収集した血漿中で補充クレアチンを直接測定することができる。別の例で、ピルビン酸デヒドロゲナーゼE1α欠損症と診断された患者において、診断用代謝産物であるラクタートおよびピルバートが試料中で特定されたが、患者は医学的処置および栄養学的処置を受けていたので異常ではなかった。別の例で、スミス・レムリ・オピッツ症候群と診断された患者はコレステロール補充療法を受けていた。この対象は異常なコレステロールレベルを示さなかったが、コレステロールの還元型であるバイオマーカーコレスタノールが試料中で希少代謝産物として特定された。

別の例で、本明細書に記載の方法を用いて疾患重篤度を確かめた。本明細書に記載の方法を用いて、疾患重篤度の変化をモニタリングすることができる。例えば、アルギニン血症は、尿素サイクル酵素アルギナーゼに影響を及ぼす常染色体劣性変異によって引き起こされ、この障害は、血漿中アルギニンレベルの測定値に基づいて臨床診断される。4人のアルギニン血症患者において確かめられた異常生化学物質が疾患関連生化学経路に自動的にマッピングされた。異常に高いレベルのアルギニン、ならびに主要な酵素欠陥からもっと遠くにある異常なレベルの複数種の分析物(例えば、オロタート、ウリジン、ウラシル、3-ウレイドプロピオナート、尿素、オルニチン、N-アセチルアルギニン、4-グアニジノブタノアート、クレアチニン、およびホモアルギニン)が観察された。各患者における生化学物質レベルを示したデータと重ね合わせた前記生化学経路の図を図17に示した。患者1には、他のアルギニン血症症例と比較して高レベルの複数種の代謝産物があった。このことは、患者1の方が臨床症状が重篤であることを示唆している。実際に、サンプリングの3ヶ月前に、患者1は高アンモニア血症事象に関連する急性代償不全のために3回にわたって病院に収容された。逆に、患者2〜4には、試料提出の数ヶ月前にも直後にも、入院につながる急性事象はなかった。重要なことに、アルギニンレベルはアルギニン血症患者全員で同じように上昇し、臨床状態の違いは新規の診断バイオマーカーを調べることでしか予測されなかった。図17には、単に便宜のために患者に1〜4の番号が付けられ、これらの番号は、表1で用いた患者の番号に対応しない。

実施例5:対照コホート内の個体の臨床評価 別の例で、本明細書に記載の方法を用いて分析した、実施例2からの68個の対照試料(すなわち、生化学遺伝学検査が正常だった患者に由来する試料)の一部において異常代謝産物が明らかになった。このことは、現在、無症候性の患者に障害が存在することを示している。例えば、患者1165ではトリメチルリジンが異常だと特定され、他のどの対照試料よりもレベルが高く、この高いレベルは、トリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症が確認された他の患者のものと一致した。従って、分析結果に基づいてトリメチルリジンヒドロキシラーゼε欠損症が疑われ、フォローアップ検査が推奨された。

別の例で、患者1169では、臨床アシルカルニチン分析からC14、C14.1、およびC14.2のわずかな上昇が観察され、VLCADの疑念が高まった。ACADVLのさらなる臨床分子検査(DNA配列決定)によって遺伝子配列中に有害な変異は検出されなかった。しかしながら、本明細書に記載の方法を用いた分析の結果から、(i)異常な(高い)レベルのC14/C16脂肪酸、(ii)異常な(高い)レベルのアセトアセタート、および(iii)正常なレベルのC14/C16アシルカルニチンコンジュゲートが明らかになった。多量のケトン産生と、C14/C16脂肪酸の極端な上昇をものともしない比較的正常なアシルカルニチンレベルからVLCAD欠損症の可能性が極めて低いことが示された。本明細書に記載の方法を用いて得られた、このさらに完全な代謝図が、この個体の診断を支援した。さらに、異常代謝産物のレベルおよび異常経路のマッピング分析から、患者1169における代謝変化は、十中八九、絶食で説明がつくと示唆された。この情報を手にすると、ACADVL遺伝子の配列決定は必要でなかっただろう。

別の例で、本明細書において用いられる方法は、全エクソーム配列決定(WES)を用いて検出された塩基対変化の重要性を確かめるのに有用であり、診断において(すなわち、障害の「可能性を含める(rule-in)」または「可能性を排除する(rule-out)」)助けとなった。例えば、本明細書に記載の方法の結果は、WESが意義不明の変異(variant of unknown significance)(VUS)と報告した患者において障害の可能性を排除した。一例では、グリセリン酸尿症において影響を受ける遺伝子であるGLYCTKの中にVUS[c.673G>T(p.G225W)]が報告された。しかしながら、本明細書に記載の方法を用いると、この患者のグリセラートレベルは正常であることが確かめられた。別の例で、高オルニチン・高アンモニア・ホモシトルリン血症症候群において影響を受ける遺伝子であるSLC25A15にVUS[c.730G>A(p.G244R)]のある患者において、正常なレベルのオルニチン、グルタミン、およびホモシトルリンが確かめられ、これにより障害の可能性が排除された。別の例で、本明細書に記載の方法の結果は分子的結果の病原性を裏付けるを助けた。例えば、患者1186のWES結果から、サルコシン血症にいて欠損している遺伝子であるSARDHのヘテロ接合性VUS[c.455G>A(p.G152D)]が明らかになった。本明細書に記載の方法を用いて、コリン、ベタイン、ジメチルグリシン、およびサルコシンのかなりの上昇が確かめられた。これらの高いレベルは、臨床症状の存在が議論された代謝障害であるサルコシン血症と一致する。

実施例6:健常コホート内の個体のmPROFILE臨床評価 3つの独立した質量分析法からなるメタボロミクスプラットフォームを用いて、本発明者らは、80人の対象に由来する血漿試料を、8つの経路およびこれらの関連する41のサブ経路の中にある生化学物質について調査し、構造が既知である合計575種類の代謝産物を測定した。80人の対象全体にわたって個々の代謝産物はかなりの範囲のばらつきを示したことが見出された。このコホートが概して健常だったことに基づいて、本発明者らは、どの代謝産物についても、コホート内でのその値の四分位数間が健常な代謝状態の動的範囲に相当する可能性があると仮定した。各対象について、本発明者らは、さらなる調査の根拠となる代謝異常を示している可能性がある、集団の四分位範囲から有意に逸脱したレベルをもつ代謝産物(アウトライアー)を特定するために統計解析を行った。図18は、各対象と関連付けられた代謝産物アウトライアーの総数の順位である。本発明者らは、アウトライアーと同じ化学経路および生物機能を共有する代謝産物をさらに調べた。これらの分析から、疾患状態の初期適応症への洞察を与える生化学シグネチャーをもつ様々な対象が特定された。

A.アセトアミノフェン誘導毒性に対する感受性 アセトアミノフェン過剰投与は急性肝不全の主な原因の一つである。肝臓内で、アセトアミノフェンは、細胞グルタチオン(GSH)を枯渇させ、従って、酸化ストレスおよび細胞死につながる反応性代謝産物に変換される。疼痛および発熱にはアセトアミノフェンが頻繁かつ長期的に用いられるために、リスク集団を特定することによって、個々の患者の治療選択肢を改善し、有害な臨床アウトカムを予防することができるだろう。このコホート内では対象3958および対象3976において最高レベルのアセトアミノフェン代謝産物が検出された(図19)。対象3976はまた、肝臓機能が損なわれていることを示唆する一次胆汁酸レベルの上昇も示した(図19)。血漿中一次胆汁酸の上昇はラットにおける薬物誘導性肝臓損傷の初期バイオマーカーであることが見出されている(Yamazaki, M. et al. Perturbation of bile acid homeostasis is an early pathogenesis event of drug induced liver injury in rats. Toxicol Appl Pharmacol 268, 79-89 (2013))。同時に、対象3976はまた、このコホート内で最低のグルタチオンも示した(図19)。対照的に、対象3958は、タウロコラートが上昇したことを除けば正常な胆汁酸レベルを示した。対象3958はまたグルタチオンも上昇した(図19)。まとめると、これらの観察から、対象3976はアセトアミノフェン誘導肝臓損傷に対する感受性があったのに対して、対象3958はアセトアミノフェンに対する忍容性が高かったことが示唆され得る。このことは、細胞がアセトアミノフェンに応答してグルタチオンレベルを維持する能力と関連しているのかもしれない。

B.糖尿病の初期適応症 代謝疾患の初期の顕著な特徴の1つはミトコンドリア機能不全である。メタボロミクスデータの中で、エネルギーホメオスタシスおよび酸化還元バランスなどの重要なミトコンドリア機能から生じる、いくつかの生化学経路を容易に観察することができる。さらに、α-ヒドロキシブチラート(α-HB)(Ferrannini, E. et al. Early metabolic markers of the development of dysglycemia and type 2 diabetes and their physiological significance. Diabetes 62, 1730-1737 (2013)、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)(Yamanouchi, T. et al. Clinical usefulness of serum 1,5-anhydroglucitol in monitoring glycaemic control. Lancet 347, 1514-1518 (1996))、分枝アミノ酸(BCAA)(Newgard, C.B. et al. A branched-chain amino acid-related metabolic signature that differentiates obese and lean humans and contributes to insulin resistance. Cell Metab 9, 311-326 (2009))、およびグリシン(Perseghin, G., Ghosh, S., Gerow, K. & Shulman, G.I. Metabolic defects in lean nondiabetic offspring of NIDDM parents: a cross-sectional study. Diabetes 46, 1001-1009 (1997))を含む、インスリン抵抗性およびII型糖尿病と関連することが分かっている代謝産物から疾患状態への洞察が得られる可能性がある。対象3902は、α-HBの上昇、1,5-AGの減少、グリシンの減少、およびBCAAのわずかな上昇を示した(図20)。さらに、グルコースおよび3-ヒドロキシブチラート(脂肪酸β-酸化およびBCAA異化の産物)の増加から、解糖の破壊と脂肪分解の増加と一致するエネルギー代謝の変化が示唆された(図20)。まとめると、これらの生化学シグネチャーから糖尿病の初期適応症が示唆された。対象3926および3923は、さらにとらえにくいが同様のシグネチャーを示した(図20)。

C.肝機能不全 一次胆汁酸(グリココラート、グリコケノデオキシコラート、タウロコラート、およびタウロケノデオキシコラート)は肝臓で合成され、胆嚢に保存され、その後に消化のために消化管に放出される(図21)。回腸において胆汁酸は腸肝循環によって活発に輸送されて、肝臓に再吸収される。健常な状態では、肝臓は循環から胆汁酸を取り出すのに非常に効率がよいが、肝臓疾患は全身循環中の全胆汁酸レベルを上昇させることが知られている(Barnes, S., Gallo, G.A., Trash, D.B. & Morris, J.S. Diagnositic value of serum bile acid estimations in liver disease. J Clin Pathol 28, 506-509 (1975))。対象3917および3952において、一次胆汁酸は大幅に上昇した(図21)。このことから、これらの2人の対象は肝機能が損なわれている可能性があることが示唆される。

D.代謝疾患 エネルギー利用、貯蔵、およびミトコンドリア機能を反映する代謝産物を、対象に由来する生物学的試料(血漿、尿)中で測定した。測定した代謝産物は、1,5-アンヒドログルシトール(1,5AG)、1-リノレオイルグリセロホスホコリン(linoleoyleglycerophosphocholine)(18:2n6、LGCP)、2-ヒドロキシブチラート(AHB)、3-ヒドロキシブチラート(BHBA)、3-ヒドロキシイソブチラート、3-メチル-2-オキソブチラート、3-メチル-2-オキソバレラート、4-メチル-2-オキソペンタノアート、アラニン、フルクトース、グルコース、グルタマート、グリシン、イソレロイシン(isollelucine)、ロイシン、マンノース、オレアート(18:1n9)、パルムリトイルカルニチン(palmlitoylcarnitine)、フェニルアラニン、セリン、チロシン、およびバリンであった。分析測定値を用いて代謝疾患リスクスコア(スケール0〜100)を作成した。このような分析の結果を報告書にまとめた。報告書の例を図23に図示した。

E.心血管機能 心血管の健康状態を示す代謝産物を、対象に由来する生物学的試料(血漿、尿)中で測定した。測定した代謝産物は、アデノシン、アゼラート、コルセトロール(cholsetrol)、クレアチニン、ドデカンジオアート、ヘキサデカンジオアート、ヒスチジン、オクタデカンジオアート、フェニルアラニン、セバカート、テトラデカンジオアート、およびウラートであった。分析測定値を用いて心血管疾患リスクスコア(スケール0〜100)を作成した。このような分析の結果を報告書にまとめた。報告書の例を図23に図示した。

F.腎機能 腎臓濾過状態を示す代謝産物を、対象に由来する生物学的試料(血漿、尿)中で測定した。測定した代謝産物は、3-インドキシルスルファート、3-メチルヒチジン(methylhitidine)、4-アセトアミドブタノアート、アラビトール、C-グリコシルトリプトファン、クレアチニン、エルトリトール、インドールアセタート、キヌレニン、ラソステロール、ミオイノシトール、N2,N2-ジメチルグアノシン、N-アセチルアラニン、N-アセチルセリン、N-アセチルスレオニン、N-ホルミルメチオニン、フィルアセチルグルタミン(phylacethylglutamine)、プソイドウリジン、スクシニルカルニチン、trans-4-ヒドロキシプロリン、トリプトファン、および尿素であった。分析測定値を用いて腎機能スコア(スケール0〜100を作成した。このような分析の結果を報告書にまとめた。報告書の例を図23に図示した。

G.機能 肺機能を示す代謝産物を、対象に由来する生物学的試料(血漿、尿)中で測定した。測定した代謝産物は、ルボキシ(rboxy)-4-メチル-5-プロピル-2-フラノプロパノアート、3-フィルプロピオナート(phylpropionate)(ヒドロシンナマート)、α-トコフェロール、アスパラギン、ベンゾアート、ビリルビン(Z,Z)、ブチリルカルニチン、γ-グルタミルバリン、グリセラート、グリシン、インドエプロピオナート(indoepropionate)、N-アセチルグリシン、プロリン、プソイドウリジン、ピリドキサート、セリン、スクシニルカルニチン、およびトレオナートであった。分析測定値を用いて肺機能スコア(スケール0〜100)を作成した。このような分析の結果を報告書にまとめた。報告書の例を図23に図示した。

H.炎症 炎症を示す代謝産物を、対象に由来する生物学的試料(血漿、尿)中で測定した。測定した代謝産物は、13-HODE+9-HODE、アラキドナート(20:4n6)、コルチゾール、ドコサヘキサエノアート(DHA、22:6n3)、エイコサペンタエノアート(EPA、20:5n3)、キヌレナート、キヌレニン、およびキノリナートであった。分析測定値を用いて炎症スコア(スケール0〜100)を作成した。このような分析の結果を報告書にまとめた。報告書の例を図23に図示した。

I.ホルモンバランス ホルモンバランスを示す代謝産物を、対象に由来する生物学的試料(血漿、尿)中で測定した。測定した代謝産物は、硫酸プレグネノロン、一硫酸21-ヒドロキシプレグネノロン、二硫酸21-ヒドロキシプレグネノロン、5-プレグネン-3b,17-ジオール-20-オン3-スルファート、一硫酸5α-プレグナン-3β,20α-ジオール、二硫酸5α-プレグナン-3β,20α-ジオール、プレグナンジオール-3-グルクロニド、コルチゾール、コルチコステロン、11-デヒドロコルチコステロン、コルチゾン、硫酸デヒドロイソアンドロステロン(DHEA-S)、16a-ヒドロキシDHEA 3スルファート、硫酸エピアンドロステロン、硫酸アンドロステロン、一硫酸5α-アンドロスタン-3α,17α-ジオール、二硫酸5α-アンドロスタン-3α,17α-ジオール、エチオコラノロングルクロニド、11-ケトエチオコラノロングルクロニド、一硫酸4-アンドロステン-3β,17β-ジオール、二硫酸4-アンドロステン-3β,17β-ジオール、硫酸テストステロン、一硫酸5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオール、二硫酸5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオール、一硫酸5α-アンドロスタン-3β,17β-ジオール、二硫酸5α-アンドロスタン-3β,17β-ジオール、エストロン3-スルファート、およびチロキシンであった。分析測定値を用いてホルモンバランススコア(スケール0〜100)を作成した。このような分析の結果を報告書にまとめた。報告書の例を図23に図示した。

J.酸化ストレス 酸化ストレスを示す代謝産物を、対象に由来する生物学的試料(血漿、尿)中で測定した。これらの代謝産物は、酸化ストレス状態と、反応性酸素状態と戦う能力を示す。低レベルの抗酸化物質および高レベルの最終電子受容体は高い酸化ストレスに関連する。測定した代謝産物は、13-HODE+9-HODE、5-オキソプロリン、アラントイン、α-トコフェロール、アンセリン、ビリルビン(Z,Z)、ビリベルジン、cys-gly,酸化型、システイン-グルタチオンジスルフィド、システイン、γ-トコフェロール、ヒポキサンチン、メチオニンスルホン、メチオニンスルホキシド、トレオナート、およびウラートであった。分析測定値を用いて酸化ストレススコア(スケール0〜100)を作成した。このような分析の結果を報告書にまとめた。報告書の例を図23に図示した。

K.ミトコンドリア機能 ミトコンドリア機能を示す代謝産物を、対象に由来する生物学的試料(血漿、尿)中で測定した。測定した代謝産物は、ホモシトルリン、ロイシン、4-メチル-2-オキソペンタノアート、イソバレラート、イソバレリルグリシン、イソバレリルカルニチン、β-ヒドロキシイソバレラート、β-ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、α- ヒドロキシイソバレロイルカルニチン、3-メチルグルタコナート、α-ヒドロキシイソバレラート、メチルスクシナート、イソロイシン、3-メチル-2-オキソバレラート、2-メチルブチリルカルニチン(C5)、チグリルカルニチン、チグロイルグリシン、2-ヒドロキシ-3-メチルバレラート、3-ヒドロキシ-2-エチルプロピオナート、エチルマロナート、バリン、3-メチル-2-オキソブチラート、イソブチリルカルニチン、イソブチリルグリシン、3-ヒドロキシイソブチラート、α-ヒドロキシイソカプロアート、アゼラート(ノナンジオアート)、セバカート(デカンジオアート)、ドデカンジオアート、テトラデカンジオアート、ヘキサデカンジオアート、オクタデカンジオアート、ホルミルメチオニン、アラニン、ラクタート、シトラート、α-ケトグルタラート、スクシニルカルニチン、スクシナート、フマラート、マラート、パルミトイルカルニチン、ステアロイルカルニチン、オレオイルカルニチン、およびBHBAであった。分析測定値を用いてミトコンドリア機能スコア(スケール0〜100)を作成した。このような分析の結果を報告書にまとめた。報告書の例を図23に図示した。

L.ストレスプロファイル ストレス反応を示す代謝産物を、対象に由来する生物学的試料(血漿、尿)中で測定した。測定した代謝産物は、コルチゾール、コルチゾン、グルコース、およびチロキシンであった。分析測定値を用いてストレススコア(スケール0〜100)を作成した。このような分析の結果を報告書にまとめた。報告書の例を図23に図示した。

M.代謝老化 代謝老化を示す代謝産物を、対象に由来する生物学的試料(血漿、尿)中で測定した。測定した代謝産物は、ルボキシ-4-メチル-5-プロピル-2-フラノプロアノアート(furanoproanoate)、C-グリコシルトリプトファン、シトラート、シトルリン、クレアチニン、硫酸デヒドロイソアンドロステロン(DHEA-S)、エイコサペナエノアート(eicosapenaenoate)(EPA、20:5n3)、エリスリトール、グルコース、グルタマート、グリシン、ロイシン、ミオイノシトール、パルミトレオイルスフィンゴミエリン、p-クレゾールスルファート、フィルアセチルグタミン(phylyacetylgutamine)、およびプソイドウリジンであった。分析測定値を用いて代謝年齢スコア(スケール0〜100)を作成した。この値は対象の代謝年齢を示し、暦年齢に関係して全体的な代謝の健康状態を示す。このような分析の結果を報告書にまとめた。報告書の例を図23に図示した。

N.マイクロバイオームバランス マイクロバイオームバランスを確かめるのに使用することができるマイクロバイオーム活性を示す代謝産物を、対象に由来する生物学的試料(血漿、尿)中で測定した。測定した代謝産物は、3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、3-(4-ヒドロキシフェニル)ラクタート、3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、3-(3-(スルホオキシ)フェニル)プロパン酸、3-ヒドロキシヒプラート、3-インドキシルスルファート、3-フェニルプロピオナート(ヒドロシンナマート)、4-エチルフェニルスルファート、4-ヒドロキシヒプラート、4-ヒドロキシフェニルピルバート、4-ビニルフェノールスルファート、5-ヒドロキシインドールアセタート、ケノデオキシコラート、コラート、デオキシコラート、グリココレナートスルファート、グルコデオキシコラート、グリコホコラート(glycohocholate)、グリコリトコラート、グリコリトコラートスルファート、グリコウルソデオキシコラート、ヒプラート、ヒオデオキシコラート(hyodeoxycholate)、インドールアセタート、インドールアセチルグルタミン、インドールブチラート、インドールラクト(indolelacte)、インドールプロイオナート(indoleproionate)、p-クレオソールスルファート、o-クレオソールスルファート、p-クレゾール-グルクロニド、フェノールスルファート、フェニルアセタート、フェニルアセチルグタミン(phenylacetylgutamine)、フェニルラクタート(PLA)、タウロコレナートスルファート、タウロデオキシコラート、タウロリトコラート3-スルファート、タウロウルソデオキシコラート、およびウルソデオキシコラートであった。分析測定値を用いてマイクロバイオームプロファイルスコア(スケール0〜100)を作成した。このような分析の結果を報告書にまとめた。報告書の例を図23に図示した。

O.多量栄養素バランス 多量栄養素バランスを示す代謝産物を、対象に由来する生物学的試料(血漿、尿)中で測定した。測定した代謝産物は、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、バリン、リジン、メチオニン、フェニルアラミン(phenylalamine)、トリプトファン、スレオニン、アラニン、アルギニン、アスパルタート、システイン、グルタマート、グルタミン、グリシン、プロリン、セリン、チロシン、アスパラギン、コリン、リノレナート[αまたはγ;(18:3n3または6)]、およびリノレアート(18:2n6)であった。分析測定値を用いて多量栄養素バランススコア(スケール0〜100)を作成した。このような分析の結果を報告書にまとめた。報告書の例を図23に図示した。

P.大気汚染曝露 大気汚染への曝露を示す代謝産物を、対象に由来する生物学的試料(血漿、尿)中で測定した。測定した代謝産物は、α-トコフェロール、アスパラギン、ベンゾアート、グリセラート、グリシン、N-アセチルグリシン、セリン、およびトレオナートであった。分析測定値を用いて大気汚染スコア(スケール0〜100)を作成した。このような分析の結果を報告書にまとめた。報告書の例を図23に図示した。

Q.薬/生体異物 本明細書に記載の方法を用いて薬が検出された。対象に由来する生物学的試料(血漿、尿)中で測定したレベルを報告する。本明細書に記載の方法を用いて他の生体異物も検出された。対象に由来する生物学的試料中で測定したレベルがもしあれば、これも報告する。

実施例7:1種類または複数種の異常低分子に基づいた疾患特異的または障害特異的な予測複合スコア 各試料中で検出された1種類または複数種の異常低分子の測定値を1つまたは複数の数学(統計)モデルに用いて、疾患特異的または障害特異的な予測複合スコアを作成することができる。このスコアは、試料を収集した個々の対象の疾患状態を自動的に決定するのを容易にするのに有用である。一例では、以下のように、回帰アルゴリズムを用いて得られた異常低分子のz-スコアに基づいて複合スコアを作成した。複合スコアを得るために、パネルの中にあるp個の代謝産物について、coef1*(代謝産物1のz-スコア)+coef2*(代謝産物2のz-スコア)+...+coefp*(代謝産物pのz-スコア)を行う。式中、複合スコアに含まれるそれぞれの低分子について、coef1とは「係数1」を意味し、coef2とは「係数2」などを意味する。200人の患者からのデータを用いて、複数の異なる疾患または障害について疾患特異的または障害特異的な複合スコアを作成するための係数を求めた。30種類を超える疾患について、上記の回帰アルゴリズムを用いて、関連する異常低分子の得られたz-スコアに基づいた疾患または障害の予測複合スコアリング方法が今までに開発されている。患者群からのデータに基づいて係数が求められた後に、これらの係数を、さらなる個々の患者およびさらなる患者群の疾患特異的または障害特異的な複合スコアを作成するのに用いることができる。これらの複合スコアリング方法を表4に示した。一部の疾患または障害については、2つのスコアリング(scording)方法が導き出された。これらの疾患または障害において、スコアリング方法に入れられた異常低分子の中に「希少」代謝産物があり、これらの「希少」低分子はアンカー試料セットにおいて検出されない場合がある。このような疾患または障害において、「希少」低分子を含まず、アンカー試料を用いることによって試料セットを前の試料と比較するのを可能にする第2のスコアリング方法を開発した。非限定的な例示のために、2つの異なる障害の複合スコアリング方法の結果を下記で例として示す。

(表4)疾患の診断を支援するための複合スコアリング方法

一例では、対象におけるイソ吉草酸血症の診断を支援するために、生化学物質3-ヒドロキシイソバレラート、イソバレルカルニチン(isovalerlcarnitine)、イソバレリルグリシン、およびイソバレラートを用いて複合スコアを作成した。以下のスコアリング方法:0.22*(イソバレラートのz-スコア)+0.26*(イソバレリルカルニチンのz-スコア)+0.36*(イソバレリルグリシンのz-スコア)-0.15*(β-ヒドロキシイソバレラートのz-スコア)に基づいて、コホート内の200人の対象のうち2人ついて得られた複合スコアからイソ吉草酸血症が予測された。イソ吉草酸血症がない対象と比較して、2人の個体について計算した複合スコアを図24の予測図に示した。説明した予測スコアリング方法を用いて、2人のイソ吉草酸血症患者(黒色四角で示した)をコホートの残りと区別することができる。

別の例で、対象におけるリジン尿性タンパク質不耐症の診断を支援するために、生化学物質N6-アセチルリジン、グルタミン、アスパラギン、リジン、アルギニン、およびオルニチンを用いて複合スコアを作成した。以下のスコアリング方法:0.2*(N6-アセチルリジンのz-スコア)+0.2*(グルタミンのz-スコア)+0.2*(アスパラギンのz-スコア)-0.2*(リジンのz-スコア)-0.1*(アルギニンのz-スコア)-0.1*(オルニチンのz-スコア)に基づいてコホート内の200人の対象のうち2人ついて得られた複合スコアからリジン尿性タンパク質不耐症が予測された。リジン尿性タンパク質不耐症がない対象と比較して、2人の個体について計算した複合スコアを図25の予測図に示した。説明した予測スコアリング方法を用いて、2人のリジン尿性タンパク質不耐症患者(黒色四角で示した)をコホートの残りと区別することができる。

実施例8:未指定低分子の分析特徴付け 実施例2に記載のように、試料を患者コホートから収集した。代謝産物を抽出し、450μlのメタノールを添加することによって試料(100μl)からタンパク質を沈殿させた。2つの異なるUPLC法を一方は酸性条件で、他方は塩基性条件で利用した。沈殿した抽出物を4つのアリコートに分け、窒素下で乾燥させ、次いで、減圧下で乾燥させた。1つのアリコートを、水に溶解した0.1%ギ酸50μlに溶解して再構成し(酸性方法で使用した)、もう1つのアリコートを、pH8の水に溶解した6.5mM炭酸水素アンモニウム50μlで再構成した(塩基性方法で使用した)。

両方法とも、Acquity UPLCシステムを用いて2.1mmx100mm Acquity 1.7um C18 BEHカラム(Waters Corp., Milford, MA, USA)において行ったクロマトグラフィーを使用した。酸性方法の場合、移動相では、350μL/minの流速で、溶媒A、水に溶解した0.1%ギ酸と溶媒B、メタノールに溶解した0.1%ギ酸(勾配プロファイル:4分で0%B〜70%B、0.5分で70〜98%B、0.9分間にわたって98%B)を使用した。塩基性方法用に処理した試料アリコートを、350μL/minの流速で、溶媒A、pH8の水に溶解した6.5mM炭酸水素アンモニウムと溶媒B、95/5のメタノール/水に溶解した6.5mM炭酸水素アンモニウム(勾配プロファイル:4分で0%B〜70%B、0.5分で70〜98%B、0.9分間にわたって98%B)を用いて勾配溶出させた。

試料溶離剤(eluent)を、加熱エレクトロスプレーイオン化(HESI)を用いたOrbiElite質量分析計(MS)(ThermoFisher Corporation)を用いて分析した。40℃まで加熱した別々の酸/塩基専用カラムを用いて個別に注入して、酸性方法では陽イオンをモニタリングし、塩基性方法では陰イオンをモニタリングした。MSインターフェースキャピラリーを350℃に維持し、ソースヒーターを430℃に維持し、陽イオン注入および陰イオン注入にはシースガス流をそれぞれ80および75(任意単位)にし、陰注入および陽注入には補助ガス(aux gas)流をそれぞれ15および12(任意単位)にした。陽イオン注入の場合、スプレー電圧は4.0kVであり、陰イオン注入の場合、3.0kVであった。機器は80〜1000m/zでスキャンし、高分解能正確質量MSスキャン(分解能30,000)と単位質量分解能MS/MSスキャンを交替した。スキャン速度は約6スキャン/sec(3MSおよび3MS/MSスキャン)であった。MS/MS基準化衝突エネルギーを陽イオン注入および陰イオン注入それぞれについて28および32に設定した。両注入とも活性化Qは0.25であり、活性化時間は30msであり、単離ウィンドウは3m/zであった。動的排除と3.5秒の排除時間(exclusion time)を用いてMS/MSスキャンを収集した。試料ごとに同位体標識化合物を添加し、操作(通常、20時間)の間に保持時間、質量および感度の安定性を含む機器の性能および適性を評価するのに使用した。さらに、技術的再現性を確かなものにするために、8回の注入ごとに、全試料からプールされたアリコートからなる品質管理試料を分析した。

MSピークを検出および積分するために、MSピーク検出用の標準的な産業アプローチを用いたソフトウェアを使用した。簡単に述べると、抽出したイオンクロマトグラムを、ある特定の範囲にある質量によってビン分割した。ベースラインノイズを確かめ、ピーク面積を計算し、最小の高さ、信号対ノイズ、幅、対称性、および面積を含む様々なユーザ規定されたピーク閾値を、検出されたMSピークに適用した。閾値判断基準を上回って合格したMSピークをリストに集め、次いで、記憶およびさらなる分析のためにリレーショナルデータベースに挿入した。最後に、同じように保持されたイオン特徴を見やすくするために、個々のMSピークをピーク頂点保持時間に基づいてグループ化した。全試料を、保持指数(RI)を用いて、クロマトグラム全体に存在する保持時間(RT)マーカーに基づいて並べた。試料成分の保持指数は、試料成分の空間補正保持容量(時間)または保持係数を、試料成分のピーク前とピーク後に溶出された2つの標準品の空間補正保持容量(時間)と関係づける、補間法によって得られた数(通常は対数)である。

結果として生じたデータを、各方法専用に作成した化合物ライブラリーに対して探索した(例えば、UPLC陽イオンデータを、UPLC陽イオンモード専用のライブラリーに対して探索した)。生化学物質の特定は、3つの判断基準:提案された特定の75RI単位(または約5s)の範囲内にある保持指数、0.4m/zの範囲内でライブラリーと実験プレカーサー質量が一致すること、ならびにMS/MSフォワードスコアおよびリバーススコアに基づいた。MS/MSスコアは、実験スペクトルに存在するイオンと、ライブラリースペクトルに存在するイオンとの比較に基づいた。生化学物質の特定はソフトウェアプログラムによって行い、コンピュータによってなされた特定は人間の分析者によって検証した。

コンピュータソフトウェアは、注入セット全体にわたって、どのライブラリーエントリーにも割り当てられず、かつ指定されたクロマトグラフィータイムウィンドウ(time window)の中にあるイオンを全てチェックした。複数回の注入全体にわたってイオンを相関付けることによって、生化学物質の自然の生物学的なばらつきを用いて、ライブラリーの一部としてエントリーとして含まれていなかった、可能性のある新たな基準生化学物質を特定した。ライブラリーと一致しなかったが、生化学物質のスペクトルパターンの繰り返し現れる性質に基づいて本物の生化学物質だと確かめられた、あらゆる生化学物質をライブラリーに追加した。その結果、このような生化学物質は未指定であるが、現行および将来の検査において追跡することができるだろう。従って、(基準化学標準品がライブラリー内で入手できなかったので)生化学物質は特定されなかったが、分析方法から得られた生化学物質の特性または挙動が、生化学物質の具体的な化学組成または構造が示されることなく示された(未指定生化学物質と呼ばれる)。

以下の表5は、上記の表2に列挙した未指定代謝産物それぞれの分析特徴を含む。表5は、それぞれの列挙したバイオマーカー代謝産物について、代謝産物を示すために用いた識別子(識別子)、基準標準品データベースの化合物ライブラリー内にある代謝産物を特定するために用いた番号(化合物ID)、前記の分析方法を用いて得られた保持時間(RT)、保持指数(RI)、定量質量(quant mass)(質量)、および極性を含む。「質量」とは、化合物の定量の際に用いた親イオンのC12同位体の質量を指す。定量に使用した分析方法を縦列3(プラットフォーム)に示した。「202」は、酸性種に最適化された方法を用いたLC-MS/MSnを示し、「203」は、塩基性種に最適化されたLC-MS/MSnを示す。「極性」は、定量イオンの極性がプラス(+)またはマイナス(-)のいずれかであることを示す。

(表5)未指定低分子の分析特徴

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