環状外側要素を備えた打上げ用ビークル並びに関連システム及び方法

申请号 JP2014051624 申请日 2014-03-14 公开(公告)号 JP6424008B2 公开(公告)日 2018-11-14
申请人 ブルー オリジン エルエルシー; 发明人 マーク フェザーストーン; ジョン マイケル サンダース; ロジャー イー ラムジー; エリック デイヴィッド ウェッツェル;
摘要
权利要求

航空宇宙システムであって、 第1の端部及びこの第1の端部と全体として反対側に位置する第2の端部とを備えた打上げ用ビークルを有し、この打上げ用ビークルは、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びるビークル軸線に沿って細長く、この打上げ用ビークルは、外向きの外面を有し、 更に、前記打上げ用ビークルに固定的に取り付けられた環状要素を有し、この環状要素は、前記ビークル軸線から半径方向に間隔を置いて位置すると共に前記第1の端部と前記第2の端部との間で前記ビークル軸線に沿う位置で前記外面の少なくとも一部分にわたって前記ビークル軸線周りに円周方向に延びる内向きの外面を有し、この環状要素は、前記ビークル軸線に沿って第1の方向に向いた第1の縁面及び前記ビークル軸線に沿って第2の方向に向いた第2の縁面を有し、前記第2の方向は、前記第1の方向と逆であり、 前記打上げ用ビークルに直接的に取り付けられた推進システムを含み、この推進システムは、前記打上げ用ビークルを打ち上げるよう前記打上げ用ビークルの前記第1の端部寄りに配置された少なくとも1つのノズルを有する、航空宇宙システム。前記内向きの外面は、前記打上げ用ビークルの前記外向きの外面から半径方向に間隔を置いて位置し、且つ、その外向きの外面周りに少なくとも部分的に延びている、請求項1記載の航空宇宙システム。前記環状要素は、固定フィンを支持している、請求項1記載の航空宇宙システム。前記環状要素は、少なくとも1つの展開可能な要素を備え、 実行されると前記少なくとも1つの展開可能な要素を収納位置から前記打上げ用ビークルの下降のための展開位置に動かす命令がプログラムされたコントローラを更に備えている、請求項1記載の航空宇宙システム。前記少なくとも1つの展開可能な要素は、フィンを含む、請求項4記載の航空宇宙システム。前記少なくとも1つの展開可能な要素は、減速面を含む、請求項4記載の航空宇宙システム。前記少なくとも1つの展開可能な要素の前記展開位置は、前記少なくとも1つの展開可能な要素のための多数の展開位置のうちの1つである、請求項4記載の航空宇宙システム。前記第1の縁面は、前記打上げ用ビークルの上昇中に外部流れから遮蔽され、前記打上げ用ビークルの下降中に外部流れに対して露出される、請求項1記載の航空宇宙システム。前記第1の縁面よりも前記第2の縁面の方が前記打上げ用ビークルの前記第1の端部の近くに配置され、前記第1の縁面は、前記第2の縁面よりも平坦である、請求項1記載の航空宇宙システム。前記環状要素の前記内向きの外面は、前記打上げ用ビークルの前記半径方向外向きの外面よりも前記ビークル軸線から半径方向に更に離れた位置に配置されている、請求項1記載の航空宇宙システム。前記打上げ用ビークルの前記第2の端部は、前記ビークル軸線回りに円周方向に延びる縁を形成する湾曲した途絶部を備えた閉鎖部を有する、請求項1記載の航空宇宙システム。前記環状要素は、前記ビークル軸線に沿って、前記第2の端部の最も遠くの軸方向末端部及び前記第1の端部の最も遠くの軸方向末端部から間隔を置いて配置されている、請求項1記載の航空宇宙システム。前記打上げ用ビークルは、 前記ビークル軸線に沿って配置された第1段と、 前記ビークル軸線に沿って配置されると共に所定の切り離し位置で前記第1段に連結された第2段とを有し、前記第2段は、飛行中、前記切り離し位置で前記第1段から切り離し可能であり、 前記環状要素は、前記第1段と前記第2段を連結したときに前記打上げ用ビークルの第1の全長に対して第1の位置を有し、前記第2段を前記第1段から切り離したときに前記打上げ用ビークルの第2の全長に対して第2の位置を有する、請求項1記載の航空宇宙システム。前記打上げ用ビークルと通信し、前記打上げ用ビークルの上昇中にこの打上げ用ビークルを前記第1の方向に方向付け、前記打上げ用ビークルの下降中にこの打上げ用ビークルを前記第2の方向に方向付けるよう構成されたコントローラを更に含む、請求項1記載の航空宇宙システム。前記コントローラは、前記打上げ用ビークルに搭載されている、請求項14記載の航空宇宙システム。前記第2の縁面は、全体として平坦であり、前記第1の縁面は、全体として湾曲している、請求項1記載の航空宇宙システム。前記環状要素は、前記第1段によって支持されている、請求項13記載の航空宇宙システム。前記少なくとも1つのノズルは、前記第1段によって支持された第1のノズル及び前記第2段によって支持された第2のノズルを含み、前記第2のノズルは、排出生成物を貫流隙間中に方向付けると共にこれを通過させるよう配置されている、請求項13記載の航空宇宙システム。前記打上げ用ビークルは、前記第1段及び前記第2段のうちの少なくとも一方を他方から押し離すよう配置される機械的アクチュエータを備えていない、請求項13記載の航空宇宙システム。航空宇宙システムを作動させる方法であって、 打上げ用ビークルのノズルからの推を方向付けて前記打上げ用ビークルを離陸させるステップを含み、前記打上げ用ビークルは、上側端部、下側端部及び前記上側端部と前記下側端部との間に延びるビークル軸線を有し、前記上側端部は、打上げ中、前記下側端部の上方に位置し、 打上げに続き、前記打上げ用ビークルを方向付けて、前記下側端部が前記上側端部の下に位置した状態で、この打上げ用ビークルを下降させて着陸させるステップを含み、 打上げ用ビークルの下降中、前記打上げ用ビークルの前記下側端部から遠ざかる方向で、前記打上げ用ビークルに固定的に取り付けられた環状要素から内向きに、前記打上げ用ビークルの外面に沿って空気が流れるようにするステップを含む、航空宇宙システムを作動させる方法。前記打上げ用ビークルは、前記ビークル軸線に沿って配置された第1段と、前記ビークル軸線に沿って配置されると共に既定の切り離し位置で前記第1段に連結された第2段とを有し、前記航空宇宙システムを作動させる方法は、 前記打上げ用ビークルを前記第1段と前記第2段が互いに連結された状態で且つ前記環状要素が前記打上げ用ビークルの第1の全長に対して第1の位置にある状態で前記打上げ用ビークルを上方に方向付けるステップと、 前記第1段と前記第2段を切り離すステップと、 前記環状要素が前記打上げ用ビークルの第2の全長に対して第2の位置にある状態で前記第1段を下方に方向付けるステップとを更に含み、前記第2の位置は、前記第1の位置とは異なっている、請求項20記載の方法。前記環状要素は、前記下側端部の方へ向いた第1の縁面及び前記上側端部の方へ向いた第2の縁面を有し、前記第2の縁面は、前記第1の縁面よりも平坦であり、前記航空宇宙システムを作動させる方法は、 前記打上げ用ビークルの上昇中に、前記第2の縁面が前縁面となるようにこの第2の縁面を配置するステップと、 前記打上げ用ビークルの下降中に、前記第1の縁面が前縁面となるようにこの第1の縁面を配置するステップとを更に含む、請求項20記載の方法。前記環状要素は、前記ビークル軸線に沿って第1の方向に向いた第1の縁面及び前記ビークル軸線に沿って第2の方向に向いた第2の縁面を有し、前記第2の方向は、前記第1の方向とは逆であり、前記方法は、 前記第1の縁面をビークル上昇中、外部流れから遮蔽するステップと、 前記第1の縁面をビークル下降中、外部流れに露出させるステップとを更に含む、請求項20記載の方法。前記ノズルは第1のノズルであり、前記打上げ用ビークルは、前記第1のノズルを支持した第1段と、第2のノズルを支持した第2段とを有し、前記航空宇宙システムを作動させる方法は、 打上げに続き、前記第2のノズルを作動させて前記第1段と前記第2段を切り離すステップと、 前記環状要素が前記第1段によって支持されている間、前記第2のノズルからの排気を環状要素中に方向付けるステップを更に含む、請求項20記載の方法。前記第1段と前記第2段を切り離すステップは、前記第1段及び前記第2段のうちの少なくとも一方を他方から押し離す機械的アクチュエータを用いないで前記第1段と前記第2段を切り離すステップを含む、請求項24記載の方法。前記第2のノズルからの排気を方向付けるステップは、前記排気の少なくとも一部分を方向付けて、その部分が前記第2のノズルの方へ向いた前記第1段の閉鎖面に当たるようにするステップを含む、請求項24記載の方法。前記第2のノズルからの排気を方向付けるステップは、前記排気の少なくとも一部分を前記環状要素と前記第1段の外向きの外面との間の隙間に方向付けるステップを含む、請求項26記載の方法。前記第2段は、乗員を搭載し、前記第2のノズルを作動させるステップは、乗員脱出手順の一部として前記第2のノズルを作動させるステップを含む、請求項24記載の方法。航空宇宙システムを作動させる方法であって、 打上げ用ビークルのノズルからの推力を方向付けて前記打上げ用ビークルを離陸させるステップを含み、前記打上げ用ビークルは、上側端部、下側端部及び前記上側端部と前記下側端部との間に延びるビークル軸線を有し、前記上側端部は、打上げ中、前記下側端部の上方に位置し、前記打上げ用ビークルは、前記ビークル軸線に沿って第1の方向に向いた第1の縁面及び前記ビークル軸線に沿って第2の方向に向いた第2の縁面を有する環状要素を更に有し、前記第2の方向は、前記第1の方向と逆であり、 前記第1の縁面をビークル上昇中、外部流れから遮蔽するステップと、 打上げに続き、前記打上げ用ビークルを方向付けて、前記下側端部が前記上側端部の下に位置した状態で、この打上げ用ビークルを下降させて着陸させるステップと、 打上げ用ビークルの下降中、前記第1の縁面を外部流れに露出させ、前記打上げ用ビークルの前記下側端部から遠ざかる方向で、前記環状要素から内向きに、前記打上げ用ビークルの外面に沿って空気が流れるようにするステップと、を更に含む、航空宇宙システムを作動させる方法。

说明书全文

本開示内容、即ち、本発明は、一般に、環状外側要素を備えた打上げ用ビークル並びに関連システム及び方法に関する。

ロケットは、長年にわたり、ペイロードとしての人間及びペイロードとしての人間ではないものを軌道に打ち上げるために用いられている。かかるロケットは、最初の人類を宇宙空間や月に送り出し、そしてかかるロケットは、数え切れないほどの人工衛星を地球の軌道に、そして軌道の向こう側に打ち上げている。かかるロケットは、無人宇宙探査機を推進し、最近においては、構造物、補給品又は食料・物資並びに人員を軌道上の国際宇宙ステーションに送るために用いられる。

ロケットミッションと関連した継続的に要望されている1つの課題は、システムの再利用性である。本発明の各態様は、この課題に取り組むことを目的としている。

本発明の一態様によれば、航空宇宙システムであって、第1の端部及びこの第1の端部と全体として反対側に位置する第2の端部とを備えた打上げ用ビークルを有し、この打上げ用ビークルは、第1の端部と第2の端部との間に延びるビークル軸線に沿って細長く、この打上げ用ビークルは、外向きの外面を有し、更に、打上げ用ビークルによって支持された環状要素を有し、この環状要素は、ビークル軸線から半径方向に間隔を置いて位置すると共に第1の端部と第2の端部との間でビークル軸線に沿う位置で外面の少なくとも一部分にわたってビークル軸線周りに円周方向に延びる内向きの外面を有し、この環状要素は、ビークル軸線に沿って第1の方向に向いた第1の縁面及びビークル軸線に沿って第2の方向に向いた第2の縁面を有し、第2の方向は、第1の方向と逆であり、打上げ用ビークルに搭載された推進システムを含み、この推進システムは、打上げ用ビークルを打ち上げるよう打上げ用ビークルの第1の端部寄りに配置された少なくとも1つのノズルを有する、航空宇宙システムが提供される。

また、本発明の別の態様によれば、航空宇宙システムを作動させる方法であって、打上げ用ビークルのノズルからの推を方向付けて打上げ用ビークルを離陸させるステップを含み、打上げ用ビークルは、上側端部、下側端部及び上側端部と下側端部との間に延びるビークル軸線を有し、上側端部は、打上げ中、下側端部の上方に位置し、打上げに続き、打上げ用ビークルを方向付けて、下側端部が上側端部の下に位置した状態で、この打上げ用ビークルを下降させて着陸させるステップを含み、打上げ用ビークルの下降中、空気が打上げ用ビークルの下側端部から遠ざかる方向で打上げ用ビークルの外面に沿って流れて、打上げ用ビークルによって支持された環状要素を通って流れるようにするステップを含む、航空宇宙システムを作動させる方法が提供される。

本発明の実施形態による展開可能なフレア状の面部を有する代表的なビークルを示す図である。

本発明の実施形態による展開可能なフレア状の面部を有する代表的なビークルを示す図である。

本発明の実施形態による上昇中における代表的なビークルを示す図である。

本発明の実施形態による下降中における代表的なビークルを示す図である。

収納位置にある展開可能なフレア状の面部を示す代表的なビークルの一部分の拡大図である。

展開位置にある展開可能なフレア状の面部を示す代表的なビークルの一部分の拡大図である。

本発明の別の実施形態に従って構成された収納状態の展開可能な面部を有するビークルの部分概略側面図である。

展開可能な面部が展開された状態の、図4Aに示されたビークルの部分概略側面図である。

展開可能な面部が展開された状態の、図4Bに示されたビークルの部分概略平面図である。

本発明の実施形態による並進面部を有するビークルの部分概略側面図である。

本発明の実施形態による並進面部を有するビークルの部分概略平面図である。

本発明の実施形態による2組の展開可能なフレア状の面部を有するビークルの部分概略側面図である。

本発明の実施形態による2組の展開可能なフレア状の面部を有するビークルの部分概略平面図である。

本発明の実施形態による上方且つ外方にテーパした形状を有するビークルの部分概略等図である。

本発明の別の実施形態による上方且つ外方にテーパした形状を有するビークルの部分の部分概略側面図である。

本発明の別の実施形態による上方且つ外方にテーパした形状を有するビークルの部分の部分概略側面図である。

本発明の別の実施形態による上方且つ外方にテーパした形状を有するビークルの部分の部分概略側面図である。

本発明の別の実施形態による上方且つ外方にテーパした形状を有するビークルの部分の部分概略側面図である。

本発明の別の実施形態による上方且つ外方にテーパした形状を有するビークルの部分の部分概略側面図である。

本発明の別の実施形態による上方且つ外方にテーパした形状を有するビークルの部分の部分概略側面図である。

本発明の更に別の実施形態に従って構成された形状及び特徴部を有する燃料タンクの部分概略等角図である。

本発明の更に別の実施形態に従って構成された燃料タンクの部分切除側面図である。

本発明の実施形態に従って構成された環状要素を含む代表的なビークルシステムの部分概略側面図である。

第2段が取り外された状態の図11に示されたビークルの実施形態の部分概略側面図である。

図12Aに示されたビークルの代表的な実施形態の等角底面図である。

図12Aに示されたビークルの代表的な実施形態の等角底面図及び等角上面図である。

本発明の実施形態に従って構成された展開可能なフィン及び関連ハウジングの部分概略等角図である。

本発明の別の実施形態に従って構成された環状要素を有する多段ビークルの部分概略等角図である。

本発明の実施形態による平面状の閉鎖面を有するビークル第1段の第2の端部の部分概略側面図である。

第2段及び環状要素が本発明の実施形態に従って配置された状態の図15に示された第1段の実施形態の部分概略側面図である。

本発明は、一般に、環状外側要素及び/又は固定状態の面部及び展開可能な減速面部を備えた打上げ用ビークル(例えば、ロケット)並びに関連のシステム及び方法に関する。周知であると共にロケット流れ面部と関連している場合の多い構造体及びプロセス及び/又は他の構造体を説明する幾つかの細部は、説明が煩雑になるのを避けるために以下の説明には記載されていない。さらに、以下の開示は、幾つかの実施形態に関するが、幾つかの他の実施形態は、このセクションに記載された形態、配置及び/又はコンポーネントとは異なる形態、配置及び/又はコンポーネントを有しても良い。具体的に説明すると、他の実施形態は、追加の要素を有すると共に/或いは図1A〜図16を参照して以下に説明する要素のうちの1つ又は2つ以上を欠いていても良い。

以下に説明する本発明の多くの実施形態は、プログラム可能なコンピュータ又はコントローラによって実行されるルーチンを含むコンピュータにより実行可能な命令の形態をしていても良い。当業者であれば理解されるように、本発明は、図示すると共に以下に説明するコンピュータシステム以外のコンピュータシステムで実施できる。本発明は、以下において説明するコンピュータにより実行可能な命令のうちの1つ又は2つ以上を実施するよう特別にプログラムされ、構成され又は構築された専用コンピュータ又はデータプロセッサで具体化できる。したがって、一般に本明細書において用いられる「コンピュータ」及び「コントローラ」という用語は、任意のデータプロセッサを意味すると共にインターネット機器及び手持ち型装置(パームトップコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、セルラーフォン、モバイルフォン、マルチプロセッサシステム、プロセッサ利用又はプログラム可能家電、ネットワークコンピュータ、ミニコンピュータ等)を含む場合がある。これらコンピュータにより取り扱われる情報は、CRTディスプレイ又はLCDを含む任意適当なディスプレイ媒体で提供できる。

本発明は又、タスク又はモジュールが通信ネットワークを介してリンクされた遠隔処理装置によって実施される分散型環境で実施可能である。分散型コンピュータ処理環境では、プログラムモジュール又はサブルーチンをローカル記憶装置又は遠隔記憶装置に配置可能である。以下において説明する本発明の観点は、磁気又は光学的に読み取り可能な又は取り外し可能なコンピュータディスクを含むコンピュータ可読媒体上に記憶又は分散可能であると共にネットワークにより電子的に分散可能である。特定の実施形態では、本発明の観点に特有のデータ構造及びデータの伝送も又、本発明の範囲に含まれる。

図1Aは、本発明の実施形態に従って構成されたビークル100の上から見た等角図である。図1Bは、図1Aに示されたビークル100の側面図である。図1A及び図1Bを参照すると、ビークル100は、ペイロードモジュール130を支持した推進モジュール110を含むロケット(例えば、軌道ビークル又は弾道ビークル)であるのが良い。推進モジュール110は、ビークル100の第1の又は船尾側の端部105寄りに配置された対応のエンジン排気ノズル111を有する1つ又は2つ以上のエンジンを含むのが良い。ビークル100は、長手方向ビークル軸線Vに沿って細長いのが良く、第1の端部105寄りの第1の領域103及びビークル100の第2の又は前方側端部102寄りに配置された第2の領域104を有する外方に向いた露出面101を有する。ビークル100は、ビークル100が尾部下げ向きで着陸することができるよう第1の端部105寄りに配置された着陸装置120を有するのが良い。ビークル100は、ビークル100の第2の端部102寄りに配置された展開可能な又は違ったやり方で動くことができる減速面部(例えば、フレア(ラッパ形)面部)140を更に有するのが良い。展開可能な面部140は、上昇中、収納可能であり、尾部下げ下降及び着陸中のビークル100の速度を安定化すると共に減少させるよう、下降中に展開可能である。特定の実施形態では、展開可能な減速面部140は、尾部下げ下降及び着陸中、安定性を高めると共に/或いはビークルの空気力学的揚力と抗力の比を向上させるような仕方でビークル100の空気力学的圧力中心の位置を高くすることができる(例えば、ビークル100の重心の上に)。ビークル100の船尾側端部105寄りに設けられたフィン150が上昇中、安定器及び/或いは制御面として働くことができ、又、下降中にも安定器及び/又は制御面として働くことができる。したがって、フィン150は、2010年2月24日に出願された同時係属中の米国特許出願第12/712,083号明細書(発明の名称:BIDIRECTIONAL CONTROL SURFACES FOR USE WITH HIGH SPEED VEHICLES, AND ASSOCIATED SYSTMES AND METHODS)に更に記載されているように前方方向(例えば、上昇中)及び逆方向(例えば、下降中)に作動可能である。

特定の実施形態では、ペイロードモジュール130は、貨物及び/又は乗員を運ぶよう構成されているのが良い。図1A及び図1Bに示された実施形態では、ペイロードモジュール130は、半球形の形をしているのが良く、他の実施形態では、ペイロードモジュール130は、他の形状をしていても良い。

特定の実施形態では、ビークル100は、ビークル100の内部に設けられた5つのエンジン(図1A及び図1Bでは見えず)を有し、各エンジンは、対応のエンジン排気ノズル111を有している。エンジンは、ビークル100を上方に推進するために(例えば、ダウンレンジコンポーネントの有無にかかわらず、垂直に)ブースト段階中に用いられる。オプションとして、エンジンは又、単独で又は他の制御システムと組み合わさってブースト段階中、ビークル100を操する推力偏向をもたらすことができる。

エンジンがブースト段階を完了した後、展開可能な面部140を展開すると、ビークル100の下降状態を遅くすることができる。展開可能な面部140は、ビークル100が下降しているとき(尾部下げ状態で)、ビークル抗力を増大させると共にビークル100の終端速度を減少させることによってビークル安定性を向上させることができ、その後、エンジンは、垂直着陸に先立って再始動する。特定の実施形態では、展開可能な面部140は、飛行中、1回だけ用いられ、ビークル100が着陸した後、次に地上整備員によって格納される。フィン150は、下降及び着陸中、ビークル100を制御すると共に操舵するために使用できる。したがって、ビークル100を操舵してこれが打ち上げられた場所まで直接戻すことができる。他の実施形態では、ビークル100を他の場所まで操舵することができる。これら実施形態のうちの任意のものにおいて、ビークル100が着陸場所に接近すると、エンジンを再始動させてビークル100を一段と減速するのが良い。次に、着陸装置120を最終の着陸のために展開する。

図2Aは、矢印Aで示された上昇中におけるビークル100の実施形態の部分概略側面図である。上昇段階中、展開可能な面部140(外面101の一部をなす)を収納し、従って、これをビークル100の下に位置する表面106に当てて平らにした状態で且つ一般に外面101の残部と面一をなして配置することができる。上昇段階中、着陸装置120(図1A及び図1B)は、収納される。

図2Bは、矢印Dで示された下降中におけるビークル100を示している。下降中、例えば展開可能な面部140を回動させて、その下に位置する表面106から外方に拡張するようにすることによって展開可能な面部140を展開する。上述したように、この形態は、ビークル100を減速させることが見込まれ、この形態は又、ビークルを安定化することができる。例えば、上述したように、面部140を展開することにより、ビークル100に上方に作用する圧力中心をずらすことができ(例えば、ビークルの重心の上方に)、その結果、ビークル100に加わる重力は、ビークル100に作用する空気力学的な力によって生じる場合のある摂動を安定化する傾向がある。

面部140を展開した場合の一作用効果は、第1の領域103に対し第2の領域104でのビークル100の横断面積又は平面形フットプリントを増大させることにある。例えば、第1の領域103内にある第1の位置191(フィン150の横断面積を含む)又は第2の位置192におけるビークル100の横断面積は、展開可能な面部140を展開したときに第2の領域104内にある第3の位置193におけるビークル100の横断面積よりも小さいであろう。横断面積のこの変化は、展開可能な面部140を続いて収納し又は他の方法で動かすことができるので、一時的であると言える。図7〜図10を参照して後述する他の実施形態では、かかる増大した横断面積は、ビークルの外側幾何学的形状の固定部分であり得る。

図3Aは、展開可能な面部140が収納された状態における、例えばビークル100のブースト又は上昇段階中におけるビークル100の第2の領域104の部分概略側面図である。展開可能な面部140は、多数の展開可能なペタル(花弁状部)141又は他の適当な表面若しくは表面要素を含むのが良い。収納形態では、ペタル141は、下に位置するビークル100の表面106に当てて閉じられている。したがって、ペタル141は、円筒形外面101の形状に合致するように筒体の断片で作られるのが良い。他の実施形態では、ペタル141は、他の形状を有していても良い。これら実施形態のうちの任意のものにおいて、外側ペタル141aは、内側ペタル141bと交互に位置して、間の内側ペタル141bとオーバーラップするのが良い。

図3Bは、ビークル100の第2の領域104を上方から見た部分概略等角図であり、展開可能な面部140を展開形態で示している。この形態では、ペタル141は、例えば1つ又は2つ以上のアクチュエータ142により下に位置するビークル100の表面106から外方に回動されている。特定の実施形態では、隣り合うペタル141は、収納時に互いにオーバーラップするのが良く、展開時には互いにオーバーラップし又は当接するのが良い。他の実施形態では、ペタル141は、展開時に互いに間隔を置いて配置され又は少なくとも部分的に互いに間隔を置いて配置されるのが良い。展開可能な面部140について選択される特定の配置は、展開可能な面部140により提供されることが見込まれる制動レベル、ビークル100との一体化及び/又は他の要因で決まる場合がある。

特定の実施形態では、展開可能な面部140は、16枚のペタル141を含み、各ペタルは、別個の空気圧、油圧、電気又は他のアクチュエータによって展開される。ペタル141は、収納時に互いにオーバーラップするのが良く、第1の組をなす8枚のペタル141は、外側に配置され、第2の組をなす8枚のペタル141は、内側に配置されると共に第1の組に属するペタルと交互に配置され、その結果、フレア状の面部140を完全に展開すると、隣り合うペタル141相互間にはそれほど大きな隙間が存在しないようになる。ビークル100は、ペタル141を開くための指令が与えられるまでペタル141を収納位置に保持する保持ラッチ又は他の特徴部を有するのが良い。特定の実施形態では、ビークル100の第2の領域104は、剛性を追加するためのアルミニウムリングフレームによって裏打ちされた複合サンドイッチパネルを含むのが良い。ペタル141も、複合サンドイッチパネルで形成できる。他の実施形態では、これら構造体のうちのいずれも他の構成のものであっても良い。

特定の実施形態では、個々のペタル141を一斉に動かし、1つ1つを他のものと同じ量、同じ速度及び同じ方向に(例えば、外方に又は内方に)動かす。他の実施形態では、展開可能な面部140の個々のペタル141は、個々に動くことができると共に制御可能であるのが良い。かかる実施形態では、ペタル141を例えばビークル100をその減速に加えて操舵するよう互いに異なる速度で、互いに異なる量だけ且つ/或いは互いに異なる方向に互いに対して動かすのが良い。ペタル141の運動は、コントローラ160によって制御されるのが良い。一実施形態では、コントローラ160は、ビークル100に搭載された電気機械式装置である。他の実施形態では、コントローラ160は、ビークル100に搭載され又は地上に設置されたディジタル又はコンピュータ利用装置160であり、適当な命令を含むコンピュータ可読媒体を有する。コントローラ160は、種々のセンサのうちの任意のもの(例えば、加速度計、GPSセンサ、高度センサ、圧力センサ又は時間センサ(例えば、クロック))から入力信号を受け取ることができ、かかる入力信号に基づいて、コントローラ160は、ペタル141を操作するための命令を出す。コントローラ160は、他のビークル機能、例えばエンジンの作動、着陸装置の作動及び制御面の操作も制御することができる。

上述したように、ペタル141は、展開時に互いに密封可能に係合することができる。他の実施形態では、隣り合うペタルは、展開時、互いに間隔を置いて位置しても良く、それにより軸方向に延びる隙間が生じる。さらに別の実施形態では、ペタル141にはベント孔が設けられても良い。例えば、ペタル141は、空気がペタル141を通過することができるようにするベント孔143(図3Bでは破線で示されている)を有しても良い。ベント孔143は、碁盤目状に又は他の適当なパターンをなして配置されるのが良い。この実施形態の別の観点では、個々のベント孔143は、ベント孔143を通る空気の量を制御するために選択的に開閉可能であるのが良い(例えば、作動パネル、絞り又は他の適当な装置により)。これにより、展開可能な面部140により生じる抗力を制御することができる。この実施形態の別の観点では、ビークル100を操舵するために使用できる抗力差をもたらすため、1つの周方向位置のベント孔143は開放可能であり、別の周方向位置のベント孔143は閉鎖可能である。

図1A〜図3Bを参照して上述した実施形態では、展開可能な面部は、ビークルの上側又は第2の端部寄りに配置されている。図4Aは、本発明の別の実施形態に従って下端部寄りに配置された展開可能な面部を有するビークル400の部分概略側面図である。この実施形態の一態様では、ビークル400は、外方にラッパ状に広がった形状を備えた第1の又は下側の領域403と第1の領域403の上方に位置する第2の又は上側の領域404とを備えた外面401を有している。展開可能な面部440は、第1の領域403に配置されている。展開可能な面部440は、収納位置で示されている4枚の展開可能なパネル441(これらのうち3つが図4Aで見える)を含むのが良い。図4B及び図4Cは、それぞれ、展開可能な面部440が展開位置にあるビークル400の側面図及び平面図である。この位置では、パネル441は、第1の領域403におけるラッパ状に広がった外面401による横断面積を超えてビークル400の横断面積を増大させるために、下に位置するビークル400の面部406から外方に遠ざかって回動されている。この構成により、下降時におけるラッパ形本体形状の安定性を一段と高めることができる。

図5Aは、作動中に回動するのではなく、並進する展開可能な面部540を備えたビークル500の部分概略側面図である。図5Bは、図5Aに示されたビークル500の部分概略平面図である。次に図5A及び図5Bをまとめて参照すると、展開可能な面部540は、上昇中、ビークル500の第1の又は下側領域503寄りに配置された多数のフィン又はベーン要素541(4つが図5A及び図5Bに示されている)を含むのが良い。したがって、展開可能な面部540は、安定性を提供すると共にオプションとしてビークルの重心の下の位置からのビークル500の制御を可能にする。尾部下げ状態の下降に先立って又は尾部下げ状態の下降中、フィン要素541は、ビークルの第2の又は上側領域504のところに配置されるよう矢印Uによって指示されるように上方に並進する。この位置では、フィン要素541は、ビークル500の圧力中心を上方に、例えばビークル重心の上方に動かすよう作用することができる。フィン要素541は、揚力発生装置なので、ビークルは、代表的には、フィンに十分な揚力を生じさせる迎え角をもたらすように、完全に垂直な傾斜角からひっくり返ることになる。ビークル500は、着陸に先立って完全に垂直の位置に戻ることができる。ビークル500は、フィン要素541の並進運動を案内する軌道、レール又は他の適当な案内構造体を有するのが良い。

図6A及び図6Bは、それぞれ、ビークル重心に対するビークル圧力中心の存在場所を制御するよう一斉に動作する多数の展開可能な面部を有するビークル600の部分概略側面図及び平面図である。特に、ビークル600は、ビークル600の第1の又は下側の領域603に配置された第1の又は下側の展開可能な面部640aとビークル600の第2の又は上側の領域604に配置された第2の又は上側の展開可能な面部640bとを有するのが良い。第1の展開可能な面部640aは、第1のフレア要素641aを含むのが良く、第2の展開可能な面部640bは、第2のフレア要素641bを含むのが良い。第1のフレア要素641aと第2のフレア要素641bの両方は、それぞれ矢印P1,P2で指示されているように、ビークル600に対して外方に展開することができ、次に、収納位置に戻ることができる。上昇中、第2のフレア要素641bをビークル600の外面に全体として平行に収納することができ、他方、第1のフレア要素641aを外方に回動させて安定性を提供すると共に/或いは制御可能にする。特定の実施形態では、第1のフレア要素641aは、追加の安定性を提供する必要性がない場合、上昇中、収納状態のままであって良い。かかる必要性は、1つ又は2つ以上のエンジンが上昇中に故障した場合に生じる場合がある。下降中、第1及び第2のフレア要素641a,641bの相対向きを逆にすることができる。具体的に説明すると、第1のフレア要素641aをビークル600の外面に全体として平行に収納することができ、他方、第2のフレア要素641bを展開して図1A〜図2Bを参照して上述した圧力運動中心とほぼ同じ圧力運動中心を提供する。

図1A〜図6Bを参照して上述した実施形態のうちの幾つかにおいて、展開可能な面部は、ビークル上昇とビークル下降との間における圧力中心の変化を制御する。展開可能な面部を含む更に別の構成例について図11〜図16を参照して後で説明する。図7〜図10を参照して以下に説明する他の実施形態では、ビークルの全体的形状は、一定のままであるのが良いが、従来型の円筒形又は上方及び内方にテーパしたロケット形状と比較したときに下降中に抗力を増大させる、ビークルの下側端部と上側端部との間の横断面形状の変化を有しても良い。したがって、ビークルの外面は、所望の横断面形状の変化を達成するよう位置決めされる(例えば、固定される)又は位置決め可能である(例えば、動くことができる)のが良い。

図7は、第1の端部705と第2の端部702との間のビークル軸線Vに沿って細長い打上げ用ビークル700の部分概略等角図である。ビークル700は、第2の端部702寄りに位置するペイロードモジュール730及び第1の端部705寄りに位置する1つ又は2つ以上の排気ノズル711を備えた推進モジュール710を有している。特定の実施形態では、ビークル700は、3つの排気ノズル711を有し、これらのうちの外側の2つは、固定されており、中央の排気ノズルは、ビークル制御のために偏向可能である。他の実施形態では、ビークル700は、他の数及び/又は他の構成のエンジン及び関連ノズルを有しても良い。ビークル700は又、上昇中と下降中の両方において追加のビークル制御を可能にするよう作動可能なフィン750を有するのが良い。ビークル700の外面701は、第1の端部705寄りの第1の領域703及び第2の端部702寄りの第2の領域704を含む。外面701によって画定されるビークル700の横断面領域は、ビークル軸線Vに沿って第1の領域703から第2の領域704まで増大している。したがって、第1の領域703内における第1の位置791のビークル700の横断面積は、第2の領域704における第2の位置792の対応する横断面積よりも小さい。

推進モジュール710及びペイロードモジュール730の外面701の形状は、上昇と下降の両方について所要の抗力特性を生じさせるよう選択されるのが良い。具体的に説明すると、外面701の形状は、一般に、上昇中、特に遷音速でバフェットを減少させ又は最小限に抑える一方で、尾部下げ状態の下降中、ビークルを安定させる空気力学的な力をもたらすよう選択される。

図7を参照して上述した構成の一特徴は、これにより、展開可能な減速面を不要にできるということにある。したがって、この構成は、ビークル全高を減少させることができると見込まれる。これとは逆に、図1A〜図6Bを参照して上述した展開可能な面部について見込まれる利点としては、これらは展開可能な面部がビークル700の外側成形線(OML)により生じる効力よりも大きな減速力をもたらすことができ、それにより、下降中、ビークルを減速させるようエンジンにより使用される燃料の量が減少するということにある。この構成は、展開可能な面部に起因して生じると見込まれる追加の重量を相殺することができ又は部分的に相殺することができる。減速面部(例えば、展開可能な面部又は固定されたフレア状面部)の特定の選択は、ビークルが成し遂げようとしている任務及びビークルが運搬しようとするペイロードを含む種々の要因で決まる場合がある。これら2つの構成例は、相互に排他的である必要はない。したがって、他の実施形態では、展開可能な面部を固定OML形状と組み合わせると、減速力とビークル重量の所望の組み合わせを得ることができる。

ビークルの固定外面は、単独で用いられるにせよ展開可能な減速面部と組み合わせて用いられるにせよ、上昇中にビークル抗力を甚だしくは増大させず、ビークル下降中に抗力を増大させることが見込まれる種々の形状を有するのが良い。図8A〜図8Fは、かかるビークル形状の代表的な選択肢を示している。説明の目的上、ペイロードモジュール及びエンジン/ノズル構造体並びに他の外部ビークル特徴部(例えば、フィン)は、図8A〜図8Fには示されていない。作動中、ペイロードモジュールは、図8A〜図8Fに示されているように推進モジュールとは別個に下降しても良く又は図7に示されているように下降中、推進モジュールに取り付けられたままであっても良い。図8A〜図8Cは、それぞれ、対応のビークル軸線の長さにわたって非単調に変化するOML表面を備えた対応のビークル800a,800b,800cを示している。具体的に説明すると、これらの形状は、ビークルの下端部寄りの全体として円筒形の部分と、ビークルの上端部寄りの外方且つ上方にテーパした部分とを含む。テーパは、直線状(例えば、円錐形)であっても良く、非直線状(例えば、凹状又は凸状)であっても良い。図8D、図8E及び図8Fに示されている他の実施形態では、対応するビークル800d,800e,800fは、それぞれ、ビークルの下端部から対応するペイロードカプセル(図示せず)との接合部まで連続的にテーパした外面を有する。ビークル軸線に対するこれら表面の特定の開き角度は、例えば、下降中には大きな抗力を付与し且つ上昇中には抗力を僅かに漸増させるように、ビークルの任務の内容及びビークルペイロードに応じて選択されるのが良い。

上述の実施形態のいずれにおいても、燃料は、ビークルの外面内に位置決めされた(又はその一部をなす)タンクに入れて運ばれる。本発明の特定の実施形態に従って構成され、打上げ用ビークルに適した液体推進剤(液体燃料)タンクは、(a)タンク内のスロッシング流体の動的効果を減少させると共に(b)上方且つ外方にテーパしたビークルOML内に嵌まり込むようカスタマイズされた形状を有する。例えば、タンクの半径を調節してスロッシング流体の非安定化効果を減少させることによりタンクOMLを変化させるのが良い。この実施形態の別の特定の態様では、燃料タンクは、プラスチック製タンクライナ内に成形された内部スロッシングバッフルを有するのが良い。この構成は、バッフルをタンク内に機械的に締結する必要性をなくすことができる。他の実施形態では、バッフルをタンクの内部から形成しても良い。上述の実施形態の別の態様では、タンクの形状は、ビークル内における推進剤の質量中心の位置を向上及び/又は最適化するよう構成されているのが良く、それにより、もしそうでなければタンク内の液体推進剤が通常の作動中にスロッシングしたときに結果として生じる恐れのある非安定化効果が減少する。

図9は、本発明の特定の実施形態に従って構成された燃料タンク960を備えたビークル900(例えば、ロケット)の一部分の部分概略側面図である。ビークル900は、図9に実線で示されているような全体として円筒形の形状のものであっても良く、或いは、図9に破線で示されているように上述した上方且つ外方にテーパした形状のうちの任意のものを有していても良い。この実施形態の特定の観点では、液体推進剤タンク960は、全体としてドーム状の外面を備えた大きな前方の又は上側の領域961及びこれまた全体としてドーム状の外面を備えているが前方領域961の直径よりも小さな直径を持つ小さな後方又は下側の領域963を有している。上側及び下側領域961,963は、長さ方向に沿って半径が直線的に変化する全体として円錐形の形をした中間領域962に対して、互いに反対側に配置されるのが良い。したがって、タンク960は、全体として「セイヨウナシ」形の形状のものであるのが良く且つタンクの長手方向中央軸線966に関して対称であるのが良い。しかしながら、タンク960の形状は、横方向中央軸線967に関して非対称である。この形状は、ビークル900内部の有効高さ及び容積に基づき、推進剤の質量中心を上昇中におけるビークル900内の高い位置から下降中におけるビークル900内の低い位置に調節する要望により、ビークルOMLの形状(例えば、テーパ付き形状)により、及び/又は種々の推進剤充填率に対してスロッシング減衰要件を調節する要望により、選択されるのが良い。

上述したように、ビークル900は、上昇の際、矢印Aにより示されているように前方方向(例えば、先端部を前にして)移動するよう構成され、下降の際、矢印Dにより示されているように後方方向(例えば、尾部を先にして)運動することができる。少なくとも幾つかの実施形態では、上昇中、推進剤の質量中心をビークル900内の高い位置に維持することが望ましい。加うるに、燃料スロッシングは、上昇に付随する高い充填率では問題が少ない。したがって、前方領域961の半径は、ビークル900の幅又は直径に対して比較的大きいのが良い。推進剤の自由表面が前方領域961を下回って中間領域962中に入ると、推進剤が全体として一定の体積流量でタンク960から流出し、タンク半径は長さ方向に沿って線形的に減少するので、推進剤の質量中心はより迅速に低下する。これにより、下降中の安定性が得られる所望の場所まで質量中心がビークル900内の下部に移動する。したがって、質量中心は、上昇の後半中及び/又は下降中、迅速に低下することができる。

図9に示された実施形態の特定の観点では、燃料タンク960は、燃料がタンク960内でスロッシングする傾向を制限する特徴を有するのが良い。例えば、タンク960は、スロッシングを制御する(例えば、減少させる)ためにタンク960の内部領域内に内方に延びるバッフル964を有するのが良い。スロッシング周波数とスロッシング質量の両方は、タンク半径の非線形関数なので、タンク半径の減少の結果としてスロッシング質量の減少及びスロッシング周波数の増大が生じ、これらの両方により、ビークル制御安定性を維持するのに必要なスロッシング減衰度が減少する。充填率が低いとき(スロッシングがより重大であるとき)に、推進剤の質量中心を下降させることにより、推進剤の質量中心からビークルの質量中心までのモーメントアームは短くなり、したがって、ビークル900に対するスロッシングの非安定化効果が減少する。タンク形状に起因して、推進剤の自由表面は、一定の流出量の間、非線形的に降下し、スロッシング振幅が増大するのにある程度の時間がかかる。特定の実施形態では、隣り合うスロッシングバッフル964相互間の間隔は、例えば上述の非線形性を考慮に入れるために前方領域961と後方領域963との間で様々であって良い。他の実施形態では、バッフルの間隔は、一定であるのが良い。後方領域963が極めて少量の推進剤を収容するので、バッフル964がこの領域で必要とされる可能性は低く、それにより、モールド設計及び製作を単純化することができる。

特定の実施形態では、タンク960は、成形プラスチックライナと、グラファイト/エポキシ複合材料のオーバーラップとで作られるのが良い。ライナは、燃料とオーバーラップとの接触を阻止することができる。したがって、タンク960は、もしそうでなければオーバーラップと不適合の燃料(例えば、過酸化素燃料)に使用可能である。他の実施形態では、タンク960は、他の燃料及び/又は他の成分を収容することができる。

上述の実施形態のいずれにおいても、伝統的な形式のバッフルをタンク960内に設置することが困難な場合がある。というのは、(少なくとも幾つかの実施形態においては)タンクライナが回転成形により一体品の状態に製作されているからである。したがって、一方式は、スロッシングバッフル964をライナの一部として成形することである。この作業に用いられる金型は、バッフル964を形成し、金型が開かれたときに外方に引き出されてタンク960を取り出すことができるようにする内方に延びるフランジを有するのが良い。この方式により、ライナの外側成形線(OML)に向かって開口した中空キャビティ(例えば、隙間965)が生じる。これらキャビティ又は隙間965は、タンク内に突き出たバッフル964に幾分かの剛性を与えると共にグラファイト/エポキシ複合材料のオーバーラップをフィラメント巻きする滑らかな外面を提供するように、低密度の発泡材又は他の材料で充填されるのが良い。

図10は、ビークル900内に位置決めされていて、本発明の別の実施形態に従って配列されると共に構成されたバッフル964を備えた燃料タンク960の部分概略部分切除図である。この実施形態の一態様では、燃料タンク960は、予備成形されており(例えば、回転成形により)、バッフル964は、後で追加される。タンク960は、タンク960の内部へのアクセスを可能にする1つ又は2つ以上のマンホールカバー970(頂部マンホール970a及び底部マンホールカバー970bとして示されている)を有するのが良い。カバー970は又、特定の実施形態では、適当な燃料入口及び/又は出口ポートを支持するのが良い。支持リング971(上側支持リング971a及び下側支持リング971bとして示されている)がタンク960の内部に位置決めされ、これら支持リングは、マンホールカバー970の近くに又はこれに直接取り付けられるのが良い。バッフル964は、上側支持リング971aと下側支持リング971bとの間に連結されると共にこれらによって支持されている。したがって、バッフル964は、支持リング971a,971b相互間に延びる軸方向バッフル要素972及び隣り合う軸方向バッフル要素972に連結されると共にこれら相互間に延びる横方向バッフル要素973を有するのが良い。軸方向バッフル要素972は、扁平なパネル形の形状のものであるのが良く、「グレープフルーツ」形のバッフルを形成するのが良い。特定の実施形態では、軸方向バッフル要素972は、上側支持リング971a及び下側支持リング971bにのみ連結されるのが良い。横方向バッフル要素973も又、扁平なパネル形の形をしているのが良く、これら横方向バッフル要素は、タンク960の内壁965内に位置決めされたリングを形成するよう配置されるのが良い。横方向バッフル要素973は、軸方向バッフル要素972のみ連結されるのが良い。したがって、バッフル要素972,973は、タンク960の内壁965に接触することなく、スロッシングを減少させ又は阻止することができる。軸方向バッフル要素972及び/又は横方向バッフル要素973には孔が設けられるのが良く、これらバッフル要素は、薄手の軽量材料(例えば、適当な金属)で作られるのが良い。

特定の実施形態では、バッフル964は、上側マンホールカバー970aを開放し、オペレータをタンク960の内容積部内に下降させることによりタンク内に位置決めされるのが良い。オペレータは、バッフル960の要素(例えば、軸方向バッフル要素972及び横方向バッフル要素973)を受け取ってこれら要素を互いに且つ支持リング971a,971bに取り付けるのが良い。特定の実施形態では、軸方向バッフル要素972は、当初、多数のコンポーネント、例えば、下側コンポーネント972a、中間コンポーネント972b及び上側コンポーネント972cを有するのが良い。これらコンポーネント972a〜972cを別々にタンク960内に下降させてタンク内においてオペレータにより現場で組み立てられるのが良い。オペレータとタンク960の内壁965の接触を阻止するため、オペレータは、タンクの外部に設けられたガントリ又は他の構造体から吊り下げられたブランコ又は他の適当なプラットホームにより支持されるのが良い。タンク960へのアクセス口の寸法に応じて、コンポーネント972a〜972cのうちの或る特定のものは、タンク960内への下降に先立ってあらかじめ取り付けられるのが良い。例えば、特定の実施形態では、下側コンポーネント972aと上側コンポーネント972bを互いに取り付けるのが良い。アクセス口が十分に大きい場合、軸方向バッフル要素972全体を一ユニットとしてタンク960内に下降させることができる。横方向バッフル要素973は、当初、セグメント化されても良く、例えば、個々のセグメントは、隣り合う軸方向バッフル要素973相互間で連結される。

図11〜図16は、本発明の更に別の実施形態に従って構成された代表的なビークル及びビークルシステムを示している。これら実施形態のうちの多くに関し、ビークルは、2つの方向、代表的には上昇方向と下降方向の両方においてビークル又はビークルの部分の作動を容易にすることができる環状要素を有する。有利には、これら構造体及び関連技術は、尾部下げ形態でビークル又はビークルの部分若しくは各段の発射と回収の両方を行うよう使用できる。

図11は、互いに逆の方向にしかしながら全体として同じ向きで、例えば、尾部下げ状態で上昇したり下降したりするよう構成された打上げ用ビークル1100を含むシステム1170を示している。したがって、ビークル1100は、第1の方向1151に下降することができ、第2の方向1152に上昇することができる。打上げ用ビークル1100は、第1段1171と第2段1172とを有し、ペイロードモジュール1130内に人及び/又は他のペイロードを乗せることができる。他の実施形態では、ビークル1100は、3つ以上の段を有するのが良い。ビークル1100は、第1段1171内に推進システム1110を搭載し、この推進システムは、排気生成物をビークル1100の第1の端部1105寄りに配置された1つ又は2つ以上のノズル1111中に差し向ける。ビークル1100は、ビークル軸線Vに沿って細長く、ペイロードモジュール1130は、ビークルの第2の端部1102寄りに配置されるのが良い。ビークル1100は、所定の切り離し位置1178を有するのが良く、この切り離し位置で、第1段1171は、代表的には上昇中、第2段1172から切り離される。ビークル1100は、1つ又は2つ以上の外方に向いた外面1173を有する。本明細書で用いられる「外面」という用語は、一般に、ビークルの外部の環境に露出される表面を意味している。フィン、例えば第1のフィン1150aが安定性をビークル1100にもたらす。コントローラ1190がビークル1100の作動を制御し、このコントローラは、ビークル1100に設置されても良く且つ/或いはビークルから離れて(例えば、空中ステーション、陸上ステーション、海上ステーション又は宇宙ステーションに)設置されても良い。

システム1170は、ビークル1100を安定化すると共に/或いは制御するために用いられる環状要素1180を更に含むのが良い。環状要素1180は、第1段1171と第2段1172との間で切り離し位置1178の近くに配置されるのが良い。代表的な実施形態では、環状要素1180は、第1段1171を安定化すると共に/或いは第1段1171を第2段1172から切り離した後に尾部下げ着陸に誘導するよう第1段1171によって支持されている。したがって、ビークルの全長に対する環状要素1180の位置は、第2段1172が取り付けられているか切り離されているかに応じて異なる。環状要素1180は、ビークル軸線Vの方へ向いている内向き外面1184を有するのが良い。内向き外面1184は、外向き外面1173と同様、ビークル1100の外部の環境に露出されるが、全体として、ビークル軸線Vから外方に向くのではなくビークル軸線Vの方へ内方に向く。環状要素1180は、第1の方向1151に向いた第1の縁面1181及び第2の方向1152に向いた第2の縁面1182を更に有するのが良い。特定の実施形態では、第2の縁面1182は、例えば第2段1172の下流側に配置されることによって、上昇中、ビークル1100を通る空気の流れから遮蔽され又は少なくとも部分的に遮蔽される。この形態では、第1の縁面1181は、第2の縁面1182が上昇中遮蔽されるとき、後縁を形成する。第2段1172が打上げ用ビークル1100から切り離した後であって第1段1171が第1の方向1151に下降を始めた後、第1の縁面1181は、前縁表面を形成し、今や露出状態の第2の縁面1182は、後縁表面を形成する。環状要素1180が打上げ用ビークルを安定化することができると共にこれを制御することができる構成のそれ以上の細部について以下に説明する。

図12Aは、図11を参照して上述した特徴部とほぼ同じ多くの特徴部並びに幾つかの追加の特徴部を有する第1段1171の実施形態の部分概略側面図である。追加の特徴部は、ビークルの第1の端部1105の近くでビークル軸線Vに全体として平行に延びるのが良い第2のフィン1150bを含む。図12Aに示された構成では、第2段1172(図11)は、ビークル1100から切り離してある。環状要素1180は、1つ又は2つ以上のストラット1183によって第1段1171によって支持され、この環状要素は、1つ又は2つ以上の展開可能な要素1139を有するのが良い。展開可能な要素1139は、1つ又は2つ以上の第3のフィン1150c及び/又は1つ又は2つ以上の空気力学的ブレーキ1140を有するのが良い。第3のフィン1150cは、ビークル1100が第1の方向1151に移動しているときにビークル1100を安定化するよう展開可能である。ブレーキ1140を用いると、ビークルの下降を遅くすることができる。一般に、第3のフィン1150c(及び他のフィン表面)は、ビークル軸線Vに平行に整列し、ブレーキ表面は、ビークル軸線Vに対して少なくとも部分的に横方向に配置されている。展開可能な面部1139はどれも、適当な操舵を提供するよう他の展開可能な面部と比較して異なる仕方で展開可能である(例えば、部分的に展開可能であり又は全く展開可能ではない)。

図12B及び図12Cは、それぞれ、図12Aに示された第1段1171の実施形態の上方及び下方から見た部分概略等角図である。まず図12Bを参照すると、環状要素1180は、ビークル軸線Vから半径方向外方に配置され、この環状要素は又、第1段1171の外方に向いた外面から1173から半径方向外方に配置されるのが良い。このように、第2段1172(図11)が取り外された状態で、空気流又は貫流隙間1185が環状要素1180の内方に向いた外面1184と第1段1171の外方に向いた外面1173との間に形成される。ビークルが第1の方向1151に下降しているとき、空気がストラット1183に隣接して隙間1185を通って流れる。したがって、ストラット1183及び環状要素1180は、第1段1171に追加の安定性をもたらすことができる。これら表面は、ビークルが下降しているときにビークル軸線に沿って船尾側に位置しているので、これらの表面は、前方に配置された第1及び第2のフィン1150a,1150bによっては利用できない安定性をもたらす場合がある。船尾側に取り付けられたブレーキ1140は又、上述したようにビークル1100の下降を遅くすることができる。特定の実施形態では、船尾側に取り付けられたブレーキ1140は、図1A〜図3Bを参照して上述した展開可能な面部140の向きに対して逆になっている。したがって、ブレーキ1140は、ビークル1100が下降しているとき、隣接する流れの中に傾けられ又はその中に向いて、制動力を著しく増大させることができる。

図12B及び図12Cに示された実施形態では、ビークル1100が下降しているとき、第1の縁面1181は、前縁を形成し、第2の縁面1182は、後縁を形成する。この実施形態の特定の態様では、第1の縁面1181は、下降中、滑らかな空気力学的流れを提供するよう鋭利にされ又は丸くされるのが良い。この実施形態の別の観点では、第2の縁面1182は、方形にされ又は平滑にされるのが良い(例えば、第1の縁面1181よりも平滑に)。この形態における第2の縁面1182により画定される平滑な後縁により、上昇時に複数の迎え角をなす環状要素1180から流れが分離する位置を予測することができ、それにより、高い迎え角で流れの分離位置が変化したことで環状要素1180に作用する空気力学的な力が著しく変化する恐れが減少する。平滑な第2の縁面1182は、滑らかな縁面の場合よりも上昇時に大きな抗力を生じさせる場合があるが、上述の利点の方がこの問題よりも価値が高いことが見込まれる。加うるに、揚力を減少させることにより、平滑な第2の縁面1182は、上昇中、例えば横風条件において、空気力学的な力が変化する恐れを減少させることができる。

図12Cは、図12Bに示された第1段1171を上方から見た等角図であり、方形の又はその他の平滑な第2の縁面1182を示している。図12Cは又、環状要素1180の内向き外面1184を更に示している。第3のフィン1150cは、完全展開状態で図12Cに示されている。図13を参照して以下に更に説明するように、第3のフィン1150cは、より能動的な動的ビークル制御を可能にするよう部分的に展開されるのが良い。

次に図13を参照すると、各第3のフィン1150cは、ビークル軸線Vに向かって内方に延びるフィンハウジング1153(図12B)内に移動可能に配置されるのが良い。第3のフィン1150cを展開することにより、下降中におけるビークルの圧力中心を変更することができ、それにより下降中におけるビークルの安定性及び操縦性を変えることができる。各フィンハウジング1153は、対応のストラット1183(図12C)と共に配置されるのが良く、その結果、第3のフィン1150cは、収納時にストラット1183内に収容されるようになる。この構成により、第3のフィン1150cを動かすための作動機構体と関連した追加の抗力を減少させ又はなくすことができる。フィンハウジング1153は、第3のフィン1150cを収納位置から1つ又は2つ以上の展開位置に駆動するアクチュエータ1154を更に収納するのが良い。代表的な実施形態では、第3のフィン1150cは、D1,D2,D3と示されている3つの代表的な既定の位置のうちの任意の位置に展開可能である。第3のフィン1150cは、微調整された方向性のある制御力を、これが収納されるビークルに作用させるように、中間位置にも展開可能である。別の実施形態では、第3のフィン1150cは、より多くの位置に又は種々の完全展開位置と収納位置との間で連続的に展開可能である。同様の構成を用いると、第3のフィンを異なる位置に展開することに加えて又はこれに変えて、ブレーキ1140(図12C)を異なる位置に展開することができる。

図14は、本発明の更に別の実施形態に従って構成された環状要素1480を有するビークル1400を下方から見た部分概略等角図である。ビークル1400は、既定の切り離し位置1478で第2段1472に取り外し可能に取り付けられた第1段1471を有するのが良い。ビークル1400は、ビークルの第1の端部1405寄りに配置された1つ又は2つ以上のノズル1411及び第2段1472の第2の端部1402b寄りに配置されたペイロードモジュール1430を更に有している。環状要素1480は、少なくとも第1段1471と第2段1472を接合したときに、ビークルの軸方向末端部相互間に配置される。上昇中、第2段1472の第2の端部1402aは、ビークル全体の第2の端部となり、第2段1472を第1段1471から切り離した後においては、第1段1471の第2の端部1402bは、第1段1471が下降しているときにビークルの第2の端部となる。したがって、環状要素は、第1段1471が第2段1472と結合しているにせよ切り離されているにせよ、第1段1471に対して単一の固定位置を有することができるにもかかわらず、第1段と第2段を互いに連結したときにビークルの第1の全長に対して第1の位置を有すると共に、第1段と第2段を切り離したとき、第1の位置とは異なる、打上げ用ビークル(例えば、第1段1471のみ)の第2の全長に対する第2の位置を有することができる。図11〜図12Cを参照して上述した構成とは異なり、第2段1472は、第1段1471の直径よりも小さな直径を有するのが良い。したがって、環状要素1480の第2の縁面1482がビークル上昇中とビークル下降中の両方において外部流れに露出される。上昇中、空気は、環状要素1480とビークル1400の他の部分との間にある空気流又は貫流隙間1485を通って第1の方向1151に流れる。下降中、空気は、この同じ隙間1485を通って逆方向1152に流れる。

特定の実施形態では、第1段1471は、第2の端部1402bに平滑な又は平坦な部分を有するのが良い。この特徴の代表的な実施形態のこれ以上の細部について図15及び図16を参照して以下に説明する。

図15は、本発明の実施形態に従って構成された、閉鎖面1575を備えた第2の端部1502を有するビークルの第1段1571の一部分の部分概略側面図である。この種の従来型ビークルは、図15に破線で示されているように円錐形の閉鎖面1574を有する場合が多い。かかる従来型ビークルは、尾部を前にして下降する場合、円錐形表面1574周りの空気流は、一般に、矢印Aで示された流路を辿る。かかる表面の潜在的な一欠点は、ビークルの迎え角が下降中に変化したとき、流れが円錐形表面から分離する箇所が劇的に変化する場合があるということである。これにより、第1段1571の第2の端部1502のところでの力が劇的に変化すると共に潜在的に不安定になる場合がある。したがって、本発明の実施形態は、平坦な又は湾曲の少ない部分1576を有する閉鎖面1575を有する。特定の実施形態では、閉鎖面1575は、(断面で見て)平坦な又は第1の湾曲を有する輪郭を備えた第1の円周方向に延びる部分1578a、第1の円周方向に延びる部分から半径方向内方に配置されていて、平坦であり又は第2の湾曲を有する輪郭を備えた第2の円周方向に延びる部分1578b、及び、第1の円周方向に延びる部分1578aと第2の円周方向に延びる部分1578bとの間に配置された第3の円周方向に延びる部分1578cを含む。第3の円周方向に延びる表面1578cは、第1の湾曲よりも急であり(例えば、半径が小さい)且つ第2の湾曲よりも急な第3の湾曲を有するのが良い。換言すると、第3の部分1578cは、第1の部分1578aと第2の部分1578bの両方よりも急に湾曲している。本明細書で用いられる「急に湾曲し」という語句は、相対的な表現として、平坦な輪郭と比較したときに任意の程度に湾曲した輪郭を含む。

特定の実施形態では、第3の円周方向に延びる表面1578cは、途絶部又は縁1577を形成している。この途絶部又は縁1577(又は第3の円周方向に延びる表面1578cにとって他の形状)は、ビークル軸線V回りに円周方向に延びるのが良く且つ流れが第2の端部1502から分離する固定された予測可能な場所を提供することができる。かかる流れの分離は、矢印Sで示されている。加うるに、尾部下げ下降中に第1段1571のこの船尾部分に起因して生じる抗力は、第1段の下降を一段と遅くすることができる。その結果、第1段1571を一段と遅くするのに必要な他の力(例えば、ロケット力)を減少させることができる。

図16は、図15を参照して上述した第1段1571の実施形態を第2段1572及び環状要素1680と組み合わせた状態で示している。この実施形態の特定の態様では、第2段1572は、乗員カプセルを含み、この乗員カプセルは、第2段1572内に乗っている乗員のための非常時脱出機能を提供するよう配置された第2段のノズル1611を有する。特に、第2段のノズル1611は、第2段1572を第1段1571から離れる方向に向けるように非常時に作動されるのが良い。環状要素1680は、露出した内向き表面1684、鋭利な又は湾曲した第1の縁面1681、及び平滑な又は方形の第2の縁面1682を有するのが良い。

閉鎖面1575の平坦な部分1576の一特徴は、この平坦な部分が第1段1571から離れる第2段1572の能力を妨害しないでこれを高めるように第2ステージノズル1611からの排出ガスを方向付けることができるということにある。特に、閉鎖面1575が円錐形の形状(図15を参照して上述した円錐形表面1574によって示されているように)を有しているとすれば、第2段ノズル1611を出た流れは、環状要素1680と第1段1571との間の隙間1685(例えば、空気流又は貫流隙間)を通って加速することができ、それにより第2段1572を第1段1571から遠ざけるのではなくこれに向かって引き寄せる。平坦な部分1576(又は図15に示された円錐形表面1574と同じ程度には強く湾曲していない他の部分)は、第1及び第2段1571,1572を適切に互いに遠ざけるように、流れを方向付けると共に/或いは第1段1571に作用する大きな軸方向の反力を生じさせることができる。

図11〜図14C及び図16に示された上述の構成は、言い換えれば、第2段が環状要素と組み合わされた状態で、第2段及び環状要素の配置により得られる更なるシステムの利点を提供できるということである。例えば、ロケットの第1段と第2段との間の少なくとも幾つかの従来型インターフェースは、第1段の頂部のところに、第2ステージノズルが嵌まり込む上方に開いた「缶」形状の領域を有する。この領域は、ベントされないので、第2段のロケットモータが始動したとき、この領域内に極めて高い圧力が生じると共に/或いは第2段に加わる極めて大きな力が生じる場合がある。この結果を回避するため、従来型設計例は、典型的には、第2段モータを始動させる前に第1段と第2段を押し離すばねシステム又は他のアクチュエータを含む。また、この切り離しは、典型的には地球の大気圏外で実施され、それにより大気による影響が回避される。これらの従来型構成とは異なり、上述の環状要素の実施形態は、図16に示されているように第2段ノズルが嵌まり込むベント領域を提供することができる。その結果、システムは、第2段モータを始動させる前に各段を互いに切り離すばね又は他のアクチュエータを必要とせず、それによりシステムの重量が軽減される。加うるに、環状要素は、2つの段を押し離す全体的圧力を増大させることができる(例えば、平坦な部分1576が円錐の場合よりも大きな軸方向推力を受けるので)と共にピーク力を減少させることができる(ベントにより)。ピーク力を減少させることにより、第2段により輸送される宇宙飛行士及び/又は貨物に加わる衝撃が減少する。

上述の構成は又、切り離しを行なう時間帯を拡大することができる。特に、この構成は、ロケット推力により引き起こされる切り離しの予測性を高めることができ、これは、地球の大気圏内を含む低い高度での切り離しを可能にし、それにより潜在的な空気流の不確実性が少なくなり又は最小限に抑えられる。それどころか、システムコンポーネントは、変化する大気条件においても、再現可能な挙動を生じさせることができる。特に、この構成の流体の動的効果は、一層予測可能なようにスケール変更が可能であると思われ(小スケールの試験がより正確になる)、しかもフルスケールの運転において一層予測可能である。したがって、この構成は、乗員の脱出マヌーバ(これは、大気圏内で発生する場合がある)に特に適していると言えるが、例えばアポロ計画に用いられた牽引式脱出タワーが不要である。かかる脱出タワーは、通常飛行時に切り離されなければならず、それにより、飛行安全上のリスクが生じる場合があり、かかるタワーは、再使用可能ではない。

上述の内容から理解されるように、本発明の特定の実施形態は、説明の目的のために本明細書において説明されたが、本発明は、他の実施形態をも含むことができる。例えば、展開可能な面部140は、図示すると共に上述した形状及び/又は配置とは異なる形状及び/又は配置のペタル141を有しても良い。別の例では、燃料タンクの別の特徴を打上げ用ビークルと一体化しても良い。例えば、打上げ用ビークルの外面の少なくとも一部は、燃料タンクの外面により形成されても良い。環状要素は、打上げ用ビークルを取り囲む完全なリングとして形作られても良く、或いは、他の実施形態では、1つ又は2つ以上の環状要素がビークルの一部分だけ又は幾つかの部分周りに延びても良い。或る特定の実施形態では、環状要素は、ビークルに対して固定され(例えば、ビークルの第1段に対して固定され)、他の実施形態では、環状要素は、これを垂下させているビークルの部分に対して動いても良い。例えば、環状要素は、多数の位置の間で軸方向に摺動することができる。特定の実施形態においては、第3のフィン1150cを展開可能であるとして説明した。他の実施形態では、第3のフィン1150cは、固定されても良く、例えば環状要素1180に対して固定されても良い。閉鎖面は、平坦な形状又は閉鎖面の中央部分にわたって著しく平坦なプロフィールを提供する別の形状を備えた中央部分を有するのが良く且つ/或いは途絶部から内方か外方かのいずれかよりも途絶部のところに高い曲率を有する。図11〜図16を参照して上述した環状要素は、図1A〜図6Bを参照して上述したフレア面及び/又は図7〜図10を参照して上述した燃料タンク及び関連ビークル形状と組み合わせ可能である。

特定の実施形態と関連して説明した本発明の或る幾つかの態様は、他の実施形態において組み合わされても良く省かれても良い。例えば、図9及び図10を参照して上述したテーパ付き燃料タンクは、開示したテーパ付き外側ビークル表面のうちの任意のものと組み合わせ可能であると共に/或いは、テーパ付き外面は、上述の展開可能な減速面部のうちの任意のものと組み合わせ可能である。さらに、或る特定の実施形態と関連した利点をこれらの実施形態との関連で説明したが、他の実施形態も又、かかる利点を奏することができ、また、本発明の範囲に含まれる実施形態が全て、かかる利点を必然的に奏する必要はない。したがって、本発明は、本明細書において明示しておらず又は説明していない他の実施形態を含むことができる。

100,1100 ロケット又はビークル 101 露出面部 102,1102 第2の端部 103 第1の領域 104 第2の領域 105,1105 第1の端部 110,1110 推進モジュール 111,1111 エンジン排気ノズル 120 着陸装置 130,1130 ペイロードモジュール 140,440 展開可能な面部 141 ペタル 150,1150a フィン 160,1190 コントローラ 1151 第1の方向 1152 第2の方向 1170 宇宙空間システム 1171 第1段 1172 第2段 1173 外向き外面 1178 切り離し位置 1180 環状要素 1181 第1の縁面 1182 第2の縁面 1184 内向き外面

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