模擬銃および模擬銃の薬莢

申请号 JP2011543202 申请日 2010-11-10 公开(公告)号 JPWO2011065225A1 公开(公告)日 2013-04-11
申请人 有限会社ビッグショット; 发明人 貴久男 納富; 貴久男 納富;
摘要 【課題】実銃および実銃に使用する薬莢と酷似した形状であり、実銃に似た発射音を発し、銃口から発火・発煙を発生させ、薬莢の装着・排出動作を行うことが可能で、かつ、薬莢が安全に再利用可能な電気着火式の模擬銃の薬莢および該薬莢を使用する模擬銃を提供すること。【解決手段】薬莢100のアウターケース110内をスライド可能で火薬を装填可能なインナー部材120が、アウターケース110の開口部112から一部突出可能な小径部を有する段付き円筒形状に形成されるとともに、導火孔124により連通する前方薬室122と後方薬室123とを有し、底部部材130が絶縁部材131を介してアウターケース110内に嵌合されて、着火部材140をインナー部材120との間に装填可能に構成したこと。【選択図】図5
权利要求
  • 少なくとも前方が開口し内部に火薬が装填されるケース本体と、前記火薬を電気的に着火する着火部材と、前記ケース本体の後方に装填されて着火部材と電気的に導通する底部部材とを有する電気着火式の模擬銃の薬莢であって、
    前記ケース本体が、中空円筒状のアウターケースと、該アウターケース内をスライド可能で火薬を装填可能なインナー部材からなり、
    前記アウターケースが、前方にインナー部材の脱落を係止する開口部を有するとともに、後方の外周面に係合溝を有し、
    前記インナー部材が、前記アウターケースの開口部から突出可能な小径部を有する段付き円筒形状に形成されるとともに、前方に開口し噴出用火薬が装填される前方薬室と、後方に開口し推進用火薬が装填される後方薬室とを有し、
    前記前方薬室と後方薬室とが、導火孔により連通するように形成され、
    前記底部部材が、前記アウターケースの後方端部に絶縁部材を介して嵌合可能に形成され、
    前記着火部材が、前記インナー部材と前記底部部材の間に装填可能に構成されたことを特徴とする模擬銃の薬莢。
  • 前記アウターケースが、前方ケースと後方ケースとが着脱可能に嵌合されてなることを特徴とする請求項1に記載の模擬銃の薬莢。
  • 前記着火部材が、絶縁材料で中空部を有するリング形状に形成され、該中空部を通って両表面に延びる電熱線が設けられるとともに、前記中空部に着火用火薬が装填されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の模擬銃の薬莢。
  • 前記着火部材と前記インナー部材の間に、前記アウターケースの内径よりわずかに大径の導電体からなり前記着火部材の電熱線と前記アウターケースとを導通する導電補助板が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の模擬銃の薬莢。
  • 銃身の後方に請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の模擬銃の薬莢を装填可能で、薬莢を銃身方向にスライドして押圧する遊底を有し、トリガを操作することで薬莢内の火薬に点火可能な電気着火式の模擬銃であって、
    前記銃身が、薬莢の先端側に当接する押え部を有するとともに、該押え部から先端部まで貫通する噴出孔を有し、
    前記遊底が、薬莢のアウターケースに設けられた係合溝に係合する係合爪と、薬莢が後退した際に薬莢の底部に当接するイジェクタを遊嵌する貫通孔あるいは貫通溝と、前記底部部材から電流を供給する電流供給部材とを有していることを特徴とする模擬銃。
  • 说明书全文

    本発明は、模擬銃および模擬銃の薬莢に係り、特に電気着火式の模擬銃および模擬銃に使用する再利用可能な薬莢に関する。

    従来、模擬銃は実銃と酷似させて製造され、特に、劇映画、ドラマ、演劇等において用いられる場合、使用時の動作をより本物らしく見せるために、外見のみならず、実銃に似た発射音を発したり、銃口から発火・発煙を発生させたり、薬莢の装着・排出動作を行ったりすることが求められている。

    一方、これらすべての動作を酷似させると同時に、安全面、法規制面から、実弾を発射可能な構造とならないようにする必要があり、最近では電気着火式の模擬銃によって、安全に実銃に似た発射音を発し、銃口から発火・発煙を発生させるものが知られている。

    例えば、電気着火式の模擬銃として、銃身内に火薬を装填した多数の装薬部材を装着し、トリガを引く毎に電気的に順次一つずつ点火することで、連続的に実銃に似た発射音を発し銃口から発火・発煙を発生させるものが公知である(例えば、特許文献1参照)。

    米国特許第533776号明細書(全頁、全図)

    しかしながら、この公知の電気式の模擬銃に使用される装薬部材は実銃に使用する薬莢とは全く異なる形状であり、薬莢の装着・排出動作が模擬できず、また、銃口の形状も実銃とは異なるという問題があった。

    本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、実銃および実銃に使用する薬莢と酷似した形状であり、実銃に似た発射音を発し、銃口から発火・発煙を発生させ、薬莢の装着・排出動作を行うことが可能で、かつ、薬莢が安全に再利用可能な電気着火式の模擬銃の薬莢および該薬莢を使用する模擬銃を提供することである。

    本請求項1に係る発明は、少なくとも前方が開口し内部に火薬が装填されるケース本体と、前記火薬を電気的に着火する着火部材と、前記ケース本体の後方に装填されて着火部材と電気的に導通する底部部材とを有する電気着火式の模擬銃の薬莢であって、前記ケース本体が、中空円筒状のアウターケースと、該アウターケース内をスライド可能で火薬を装填可能なインナー部材からなり、前記アウターケースが、前方にインナー部材の脱落を係止する開口部を有するとともに、後方の外周面に係合溝を有し、前記インナー部材が、前記アウターケースの開口部から突出可能な小径部を有する段付き円筒形状に形成されるとともに、前方に開口し噴出用火薬が装填される前方薬室と、後方に開口し推進用火薬が装填される後方薬室とを有し、� ��記前方薬室と後方薬室とが、導火孔により連通するように形成され、前記底部部材が、前記アウターケースの後方端部に絶縁部材を介して嵌合可能に形成され、前記着火部材が、前記インナー部材と前記底部部材の間に装填可能に構成されたことにより、前記課題を解決するものである。

    本請求項2に係る発明は、請求項1に記載された模擬銃の薬莢の構成に加えて、前記アウターケースが、前方ケースと後方ケースとが着脱可能に嵌合されてなることにより、前記課題をさらに解決するものである。

    本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された模擬銃の薬莢の構成に加えて、前記着火部材が、絶縁材料で中空部を有するリング形状に形成され、該中空部を通って両表面に延びる電熱線が設けられるとともに、前記中空部に着火用火薬が装填されることにより、前記課題をさらに解決するものである。

    本請求項4に係る発明は、請求項4に記載された模擬銃の薬莢の構成に加えて、前記着火部材と前記インナー部材の間に、前記アウターケースの内径よりわずかに大径の導電体からなり前記着火部材の電熱線と前記アウターケースとを導通する金属板が配置されていることにより、前記課題をさらに解決するものである。

    本請求項5に係る発明は、銃身の後方に請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の模擬銃の薬莢を装填可能で、薬莢を銃身方向にスライドして押圧する遊底を有し、トリガを操作することで薬莢内の火薬に点火可能な電気着火式の模擬銃であって、前記銃身が、薬莢の先端側に当接する押え部を有するとともに、該押え部から先端部まで貫通する噴出孔を有し、前記遊底が、薬莢のアウターケースに設けられた係合溝に係合する係合爪と、薬莢が後退した際に薬莢の底部に当接するイジェクタを遊嵌する貫通孔あるいは貫通溝と、前記底部部材から電流を供給する電流供給部材とを有していることにより、前記課題を解決するものである。

    本請求項1に係る発明の模擬銃の薬莢は、薬莢の後方から底部部材に電流を加えて着火部材によって推進用火薬に着火するとともに導火孔と通じて噴出用火薬にも着火することで実銃に似た発射音を発し、着火した噴出用火薬が薬莢の前方から模擬銃の銃口を通じて噴出することで実銃に似た発火・発煙を発生させ、推進用火薬によりインナー部材とアウターケースがスライドする圧を発生させ、該圧力によって1回の着火毎に薬莢が後退し模擬銃に排出動作を行わせることができる。
    また、アウターケースを実弾と酷似した形状とすることにより、装着・排出の動作も実銃の動作に酷似させることができる。
    アウターケースが前方ケースと後方ケースとが着脱可能に嵌合されてなることにより組立が容易になるとともに、使用後の薬莢を分解し、インナー部材に火薬を再装填して再利用することができる。

    本請求項2に記載の構成によれば、アウターケースが前方ケースと後方ケースとが着脱可能に嵌合されてなることにより組立が容易になるとともに、使用後の薬莢を分解し、インナー部材に火薬を再装填して再利用することができる。

    本請求項3に記載の構成によれば、着火部材に推進用火薬への着火用に発火しやすい火薬を少量独立して装填することができるため、推進用火薬を安全なものとすることができ、薬莢の組立、再利用時の安全性がより向上する。

    本請求項4に記載の構成によれば、アウターケースの内面にすす等の汚れが残っていても、アウターケースの内径より大径の金属板を挿入することで電熱線とアウターケースとの導通を確実に行うことができるため、着火部材を確実に点火することができ、薬莢の組立、再利用時のアウターケースの内面の清掃不足による点火ミスを防止することができる。

    本請求項5に係る発明の模擬銃は、薬莢の後方から底部部材に電流を加えて着火部材によって推進用火薬に着火するとともに導火孔と通じて噴出用火薬にも着火することで実銃に似た発射音を発し、着火した噴出用火薬が噴出孔を通じて銃身の先端から噴出することで実銃に似た発火・発煙を発生させ、インナー部材を押え部に当接させることで推進用火薬により薬莢を後退させることで遊底を後退させ、遊底の後退によりイジェクタと係合爪によって薬莢を係合爪側の側方に排出することができ、実銃の動作に酷似させることができる。

    本発明の一実施例である模擬銃の薬莢の分解平面図。

    本発明の一実施例である模擬銃の薬莢の組立断面図。

    本発明の一実施例である模擬銃の薬莢の着火部材の拡大斜視図。

    本発明の一実施例である模擬銃の一部分解側面図。

    本発明の一実施例である模擬銃への薬莢装着時の説明図。

    本発明の一実施例である模擬銃および薬莢の着火直後の動作説明図。

    図6のさらに後の動作説明図。

    図7のさらに後の動作説明図。

    図8の後の薬莢排出時の動作説明図。

    本発明の他の実施例である模擬銃と薬莢の通電部分の拡大説明図。

    本発明の他の実施例である模擬銃の押え部と薬莢の拡大説明図。

    本発明の他の実施例である模擬銃の薬莢の組立断面図。

    本発明の他の実施例である模擬銃の薬莢の金属板の拡大斜視図。

    本発明の模擬銃の薬莢は、少なくとも前方が開口し内部に火薬が装填されるケース本体と、火薬を電気的に着火する着火部材と、ケース本体の後方に装填されて着火部材と電気的に導通する底部部材とを有する電気着火式の模擬銃の薬莢であって、ケース本体が中空円筒状のアウターケースと、該アウターケース内をスライド可能で火薬を装填可能なインナー部材からなり、アウターケースが前方にインナー部材の脱落を係止する開口部を有するとともに、後方の外周面に係合溝を有し、インナー部材がアウターケースの開口部から突出可能な小径部を有する段付き円筒形状に形成されるとともに、前方に開口し噴出用火薬が装填される前方薬室と、後方に開口し推進用火薬が装填される後方薬室とを有し、前方薬室と後方薬室とが導火孔に� ��り連通するように形成され、底部部材がアウターケースの後方端部に絶縁部材を介して嵌合可能に形成され、着火部材がインナー部材と底部部材の間に装填可能に構成されており、電気着火式の模擬銃で使用可能で、実銃に使用する薬莢と酷似した形状であり、実銃に似た発射音を発し、模擬銃の銃口から発火・発煙を発生させ、模擬銃への装着・排出動作を行うことが可能で、かつ、安全に再利用可能であれば、その具体的な実施態様は如何なるものであっても何ら構わない。

    また、本発明の模擬銃は、銃身の後方に請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の模擬銃の薬莢を装填可能で、薬莢を銃身方向にスライドして押圧する遊底を有し、トリガを操作することで薬莢内の火薬に点火可能な電気着火式の模擬銃であって、銃身が、薬莢の先端側に当接する押え部を有するとともに、該押え部から先端部まで貫通する噴出孔を有し、遊底が、薬莢のアウターケースに設けられた係合溝に係合する係合爪と、薬莢が後退した際に薬莢の底部に当接するイジェクタを遊嵌する貫通孔あるいは貫通溝と、底部部材から電流を供給する電流供給部材とを有し、実銃と酷似した形状であり、実銃に似た発射音を発し、銃口から発火・発煙を発生させ、薬莢の装着・排出動作を行うことが可能であれば、その具体的な実施態様は如� ��なるものであっても何ら構わない。

    以下に、本発明の一実施例である模擬銃の薬莢について図面に基づいて説明する。
    本発明の実施例である模擬銃の薬莢100は、図1、図2に示すように、中空円筒状のアウターケース110と、該アウターケース110内をスライド可能で火薬を装填可能なインナー部材120とを有している。

    アウターケース110は、前方ケース111と後方ケース113とがネジ結合により着脱可能に嵌合されており、前方ケース111の前方には縮径された開口部112が設けられ、後方ケース113の後方には縮径された底部縮径開口部115が設けられ、その外周面には係合溝114が設けられている。

    インナー部材120の外形は段付きの円筒形状に形成され、前後方向の中間に設けられた段部121の前方側が前方ケース111の開口部112から突出可能な小径部に形成され、段部121の後方側がアウターケース110の中空内径とほぼ同一径で摺動する大径部に形成されている。

    なお、前方ケース111は開口部112のみの短いものであっても良く、アウターケース110を開口部まで一体のものとし、開口部から内方にインナー部材120の大径部を係止して突出を阻止するピン等の部材を着脱可能に設けても良い。

    大径部の外周面には円周溝125が設けられOリング126が装着されており、インナー部材とアウターケースの寸法精度を高めることなく推進用火薬が発生する圧力を逃さずスライドのための圧力として使用でき、安価に製造できるとともに、着火によりインナー部材とアウターケースのスライド部表面に汚損等があっても安価なOリンクのみを交換することで再利用可能となり、再利用の回数を増大させることができる。
    なお、円周溝125およびOリング126は、必要に応じて設ければ良い。

    また、インナー部材120には、前方に開口し噴出用火薬が装填される前方薬室122と、後方に開口し推進用火薬が装填される後方薬室123が設けられ、前方薬室122と後方薬室123とは小径の導火孔124により連通するように形成されている。
    なお、インナー部材120のアウターケース110内でのスライド量、すなわち、大径部の長さは、推進用火薬の圧力によって模擬銃への装着・排出動作を行うことができる範囲で適宜選択することができる。

    後方ケース113の後方の縮径された底部縮径開口部115には、底部部材130が絶縁部材131を介して嵌合され、着火部材140がインナー部材120と底部部材130の間に挟まれて固定装填可能に構成されている。

    着火部材140は、絶縁材料で中空部141を有するリング形状に形成され、図3に示すように、中空部141を通って両表面に延びる電熱線142が設けられるとともに、中空部141に着火用火薬が装填される。

    着火部材140の装着時に前方に位置する表面は、電熱線142が外周まで伸びるとともに、装着時に後方に位置する表面は、外周に段部が形成され、電熱線142が段部の手前まで伸びており、底部部材130から電熱線142を通ってアウターケース110に至る電気回路が絶縁部材131に絶縁されて形成される。

    なお、電熱線142は断線や導通不良等による着火ミスを防止するため、必要に応じて放射方向に複数本設けても良い。
    また、図12に示すように、着火部材140の装着時に前方に位置する表面の電熱線142とアウターケース110の電気的導通をより良くし、薬莢の組立、再利用時のアウターケース110の内面の清掃不足による点火ミスを防止するために、着火部材140の前方のインナー部材120との間に、図13に示すような、アウターケース110の内径より大径に形成された銅等の薄い金属板143を装着することで、電熱線142とアウターケース110との電気的な導通を確実に行うようにしても良い。

    次に、本発明の一実施例である模擬銃について図面に基づいて説明する。
    本発明の実施例である模擬銃200は、図4に示すように、銃身220の後方に薬莢100を装填可能に構成され、薬莢100の装填部の後方には遊底210を有しており、遊底210が押圧ばね204により銃身220方向にスライドして薬莢100を銃身220に押圧するように構成されている。

    銃身220には、図5に示すように、薬莢100の前方ケース111に設けられた縮径開口部112を越えてインナー部材120の先端に当接する押え部221を有するとともに、押え部221から先端部まで貫通する噴出孔222を有している。

    遊底210には、薬莢100の後方ケース113に設けられた係合溝114に係合する係合爪214と、薬莢100が後退して遊底210が後方にスライドした際に薬莢100の底部に当接するイジェクタ212を遊嵌する貫通溝213と、薬莢100の底部部材130に接して電圧を印加する電流供給部材211とを有している。
    電流供給部材211は遊底210内で薬莢100の底部に向けて押圧されており、途中に設けられた段部によって、薬莢100が無い状態で遊底210からわずかに突出するように規制されている。

    また、模擬銃200にはトリガ201の操作を検出するスイッチ202が設けられており、電流発生装置203がスイッチ202の信号を受けて接点部材211に電圧を印加して着火用火薬の爆発に必要な電流を流すように構成されている。

    なお、機械的あるいは電気的にトリガ201の一回の操作によってスイッチ202から一度のみ電流発生装置203に信号を供給するようにしたり、電流発生装置203がスイッチ202の信号が一定時間途切れるまでは一度のみしか電流を発生しないようにすることで、トリガ201を握り続けても連続して発射動作が行われないよう構成されている。
    さらに、模擬銃200には薬莢100が火薬の爆発後に側方に排出された後、連続的に新たな薬莢を下方から供給するマガジン205が設けられている。

    以上のように構成された模擬銃200および模擬銃の薬莢100の動作について以下に説明する。
    まず、薬莢100が模擬銃200に図5に示すように装填された状態で電流供給部材211に電圧が印加されると、底部部材130、着火部材140の電熱線142を通って後方ケース113へと電流が流れ、着火部材140の中空部141に装填された着火用火薬に点火される。

    着火用火薬が点火すると、ほぼ瞬時に隣接するインナー部材120の後方薬室123に装填された推進用火薬、さらに導火孔124を通じてインナー部材120の前方薬室122に装填された噴出用火薬が着火して実銃に似た発射音を発する。

    インナー部材120の前方薬室122に装填された噴出用火薬は、銃身220の噴出孔222を通って銃口から噴出して実銃に似た発火・発煙を発生させると同時に、図6に示すように、インナー部材120の後方薬室123に装填された推進用火薬の爆圧により薬莢100のインナー部材120以外の部分が後方に推進され、該薬莢100の推進力により押圧ばね204の押圧力に抗して遊底210を後方にスライドさせる。

    さらに、薬莢100のインナー部材120以外の部分が後方に推進されると、図7に示すように、インナー部材120の段部121と前方ケース111の縮径開口部112が当接し、インナー部材120と薬莢100のインナー部材120以外の部分の相対移動が完了する。

    しかしながら、薬莢100が後方に推進される速度は減少しながらも持続するため、図8に示すように、薬莢100はインナー部材120も含めてさらに後方に推進されて、さらに遊底210を後方にスライドさせる。
    一方、遊底210の貫通溝213に遊嵌されているイジェクタ212は、遊底210とは独立して位置が固定されており、相対的に薬莢100の底部に接近して図8の状態で接触する。

    そして、さらに薬莢100が後退すると、図9に示すように、イジェクタ212は遊底210から前方に突出し、薬莢100の底部の側方で薬莢100の後退を阻止する。
    このとき、遊底210に設けられた係合爪214が薬莢100の後方ケース113に設けられた係合溝114に係合しているとともに、さらに薬莢100が後方に推進される速度が持続しているため、薬莢100には係合爪214側に回転モーメントが発生し、側方に排出されることとなる。

    薬莢100が側方から排出されると、遊底210が後方にスライドした状態から押圧ばね204の押圧力によって再度前方にスライドして戻ることとなるが、このタイミングで、図4に示す下方のマガジン205から新たな薬莢100が上昇し、遊底210が押圧ばね204によって再度前方にスライドする際に、マガジン205の最上部の薬莢100を前方に押し出して、図5に示す装填位置に新たな薬莢100がセットされ、再び、トリガ201を操作して発射動作を行うことが可能となる。

    以上のように、本発明は、実銃および実銃に使用する薬莢と酷似した形状であり、実銃に似た発射音を発し、銃口から発火・発煙を発生させ、薬莢の装着・排出動作を行うことが可能な電気着火式の模擬銃および模擬銃の薬莢を提供することができる。

    また、薬莢100は分解可能であり、インナー部材および着火部材に火薬を再装填することで繰り返し使用可能で経済的な模擬銃の薬莢を提供することができる。
    なお、着火部材については、安価な絶縁材料で構成されること、電熱線が着火毎に断線する可能性が高いこと、中空部に装填する着火用火薬の爆発性が高く慎重に取り扱う必要があることから、着火部材のみを1回使用毎に廃棄するようにしても良い。
    また、他の構成部材も経済的な問題がなければ、すべて1回使用毎に廃棄するようにしても良く、その場合、アウターケース110を開口部まで一体のものとし、開口部を内方に変形させてインナー部材120の大径部を係止するようにしても良い。

    なお、本発明の模擬銃の薬莢は、上記実施例以外の構造の模擬銃に使用することも可能であり、例えば、回転式の弾倉を備えた、いわゆるリボルバータイプの模擬銃に使用しても良く、複数の薬莢を強制的に供給するマシンガンタイプの模擬銃に使用しても良い。

    本発明の模擬銃の薬莢は、インナー部材に火薬を装填して繰り返し使用することが可能なため、前記のリボルバータイプやマシンガンタイプのように、推進用火薬の圧力による排出アクションを必要としない模擬銃に用いる場合は、推進用火薬の薬量を減らしたり、爆発力の小さなものとすることも可能である。

    また、着火部材140への電流の供給は、例えば、図10に示すように、薬莢100の底部にフェライトコア、鉄心等に巻回された受電コイル331を有する無接点底部部材330を備えるとともに、模擬銃200の遊底210にフェライトコア、鉄心等に巻回された給電コイル412有する無接点電流供給部材411を備え、給電コイル412に電流発生装置203から高周波の交流を供給することにより受電コイル331に電流を発生させることで、遊底210から薬莢100に対して無接点で給電を行うようにしても良い。

    無接点底部部材330の受電コイル331の導線の、一方が着火部材側通電板332、他方が薬莢側通電板333に接続されることにより、薬莢側通電板333から着火部材140の電熱線142を通って後方ケース113へと電流が流れて、着火部材140の中空部141に装填された着火用火薬に点火される。

    このことで、無接点底部部材330と無接点電流供給部材411の表面が等の汚れが付着しても通電不良となることがなく、連続発射動作の際にも発射不良を起こすことなく、メンテナンス性も向上することができる。

    さらに、着火部材140にもコイル状の配線を施し、無接点底部部材330の両側にコイルを備えて、着火部材140、底部部材130ともに内部で電流導通経路を完結させることによって、完全に無接点としても良く、そうすることで、さらにメンテナンス性が向上し発射動作の不良を低減することができる。

    また、上記実施例では、模擬銃200の押え部221が薬莢100のアウターケース110に設けられた開口部112を越えてインナー部材120の先端に当接する凸状の形状に形成されているが、アウターケース110の先端にのみ当接する凸状部のない形状とし、火薬の点火によりインナー部材120がある程度前方に推進された後に押え部221に当接して薬莢100が遊底を後方に推進するようにしても良い。

    また、図11に示すように、薬莢500を、インナー部材を省略しアウターケース510の前方ケース511が後方ケース513内部まで伸びて着火部材540を押さえ、前方ケース511内に火薬を詰める構造とし、模擬銃を、噴出孔の途中に小径部を設ける構造とすることによって、模擬銃の噴出孔から前方に噴出される火薬の噴出圧力の一部が薬莢500を遊底を後方に推進する圧力とすることができ、前述と同様に薬莢の装着・排出動作を行うことが可能な電気着火式の模擬銃および模擬銃の薬莢を提供することができる。

    100 ・・・薬莢110 ・・・アウターケース111 ・・・前方ケース112 ・・・縮径開口部113 ・・・後方ケース114 ・・・係合溝115 ・・・底部縮径開口部120 ・・・インナー部材121 ・・・段部122 ・・・前方薬室123 ・・・後方薬室124 ・・・導火孔125 ・・・円周溝126 ・・・Oリング130 ・・・底部部材131 ・・・絶縁部材140 ・・・着火部材141 ・・・中空部142 ・・・電熱線143 ・・・金属板200 ・・・模擬銃201 ・・・トリガ202 ・・・スイッチ203 ・・・電流発生装置204 ・・・押圧ばね205 ・・・マガジン210 ・・・遊底211 ・・・電流供給部材212 ・・・イジェクタ213 ・・・貫通溝214 ・・・係合爪220 ・・・銃身221 ・� ��・押え部222 ・・・噴出孔330 ・・・無接点底部部材331 ・・・受電コイル332 ・・・着火部材側通電板333 ・・・薬莢側通電板411 ・・・無接点電流供給部材412 ・・・給電コイル500 ・・・薬莢(インナー部材のないタイプ)
    510 ・・・アウターケース

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