焼結用造粒原料の製造装置

申请号 JP2016511858 申请日 2015-03-30 公开(公告)号 JPWO2015152112A1 公开(公告)日 2017-04-13
申请人 Jfeスチール株式会社; 发明人 隆英 樋口; 隆英 樋口; 友司 岩見; 友司 岩見; 一洋 岩瀬; 一洋 岩瀬; 山本 哲也; 哲也 山本; 大山 伸幸; 伸幸 大山;
摘要 【課題】 造粒 時に、粒径の不揃いな結合強度の弱い粗大な造粒粒子が発生するのを阻止し、均一な大きさの擬似粒子を造粒する装置を提案する。【解決手段】被処理焼結配合原料中の微粉鉄鉱石および 水 分を均一に分散させる攪拌ほぐし機と;攪拌ほぐし処理後の焼結配合原料をサンプリングして粒度分布および水分分布を求める第1の測定器と;攪拌ほぐし処理後の焼結配合原料を水分添加の下で攪拌混合して造粒する造粒機と;造粒後の焼結用造粒原料をサンプリングして粒度分布および水分分布を求める第2の測定器と;を備え、第1の測定器で求めた粒度分布および水分分布と第2の測定器で求めた粒度分布および水分分布とに基づき、攪拌ほぐし機の攪拌条件、攪拌ほぐし機への添加水の有無、造粒機での添加水分値を制御する。【選択図】図5
权利要求

微粉鉄鉱石を含有する焼結配合原料から焼結用造粒原料を製造する装置において: 被処理焼結配合原料中の微粉鉄鉱石および分を均一に分散させる攪拌ほぐし機と;この攪拌ほぐし機の下流側に設けられ、攪拌ほぐし処理後の焼結配合原料をサンプリングして粒度分布および水分分布を求める第1の測定器と;この第1の測定器の下流側に設けられ、攪拌ほぐし処理後の焼結配合原料を水分添加の下で攪拌混合して造粒する造粒機と;この造粒機の下流側に設けられ、造粒後の焼結用造粒原料をサンプリングして粒度分布および水分分布を求める第2の測定器と;を備え、 前記第1の測定器で求めた粒度分布および水分分布と前記第2の測定器で求めた粒度分布および水分分布とに基づき、前記攪拌ほぐし機の攪拌条件、攪拌ほぐし機への添加水の有無、造粒機での添加水分値を制御することを特徴とする焼結用造粒原料の製造装置。微粉鉄鉱石を含有する焼結配合原料から焼結用造粒原料を製造する装置において: 被処理焼結配合原料中の微粉鉄鉱石および水分を均一に分散させる攪拌ほぐし機と;この攪拌ほぐし機の下流側に設けられ、攪拌ほぐし処理後の焼結配合原料をサンプリングして粒度分布および水分分布を求める第1の測定器と;この第1の測定器の下流側に設けられ、攪拌ほぐし処理後の焼結配合原料を水分添加の下で攪拌混合して造粒する第1の造粒機と;この第1の造粒機の下流側に設けられ、第1の造粒機により造粒された焼結用造粒原料をさらに造粒する第2の造粒機と;この第2の造粒機の下流側に設けられ、第2の造粒機により造粒された焼結用造粒原料をサンプリングして粒度分布および水分分布を求める第2の測定器と;を備え、 前記第1の測定器で求めた粒度分布および水分分布と前記第2の測定器で求めた粒度分布および水分分布とに基づき、前記攪拌ほぐし機の攪拌条件、攪拌ほぐし機への添加水の有無、第1の造粒機での添加水分値を制御することを特徴とする焼結用造粒原料の製造装置。前記焼結配合原料は、5〜50mass%のペレットフィードやテーリング鉱である微粉鉄鉱石と、残部がシンターフィードである粉鉄鉱石の他、返鉱、珪石、石灰、生石灰の如き焼結原料であることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結用造粒原料の製造装置。前記攪拌ほぐし機は、不均一に固化し粗粒化した焼結配合原料の解砕−分散に伴うほぐし機能をもつ解砕用高速攪拌機を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結用造粒原料の製造装置。前記解砕−分散に伴うほぐし機能は、ミキサー内で高速回転する攪拌羽根を用いることによって粒度と水分とを均一に分散させる機能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の焼結用造粒原料の製造装置。前記解砕−分散機能のための攪拌羽根の周速を、1〜50m/sとすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の焼結用造粒原料の製造装置。

说明书全文

本発明は、DL式焼結機などで用いられる焼結用造粒原料の製造装置に関する。

焼結鉱は、複数銘柄の粉鉄鉱石(一般に、125〜1000μm程度のシンターフィードと呼ばれているもの)に、石灰石や珪石、蛇紋岩等の副原料粉と、ダスト、スケール、返鉱等の雑原料と、粉コークス等の固体燃料とを適量ずつ配合した焼結配合原料に、分を添加して混合・造粒し、得られた造粒原料を焼結機に装入して焼成することによって得られる。前記造粒時、配合原料は、水分を含むことで互いに凝集して擬似粒子となる。この擬似粒子化した焼結用造粒原料を焼結機に装入することにより、焼結機上では良好な通気を確保することができ、円滑な焼結が進むようになる。

ところで、焼結用の粉鉄鉱石は、近年、高品質鉄鉱石の枯渇による低品位化、例えばスラグ成分の増加や微粉化の傾向が顕著であり、アルミナ含有量の増大、微粉比率の増大による造粒性の悪いものが多くなっている。その一方で、高炉で使用する焼結鉱としては、高炉での溶銑製造コストの低減やCO2発生量の低減という観点から低スラグ比、高被還元性、高強度のものが求められており、何らかの改善が必要となっている。

焼結用鉄鉱石を取り巻くこのような環境の中で、ペレットフィードと呼ばれるペレット用などの難造粒性の微粉鉄鉱石を使って、高品質の焼結鉱を製造するための技術が提案されている。例えば、こうした従来技術の1つに、Hybrid Pelletized Sinter法(以下、「HPS法」という)がある。この技術は、ペレットフィードのような微粉鉄鉱石を多量に含む焼結配合原料をドラムミキサーとペレタイザーとを使って造粒することにより、低スラグ比・高被還元性の焼結鉱を製造しようというものである(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。

特許文献1:特公平2−4658号公報 特許文献2:特公平6−21297号公報 特許文献3:特公平6−21298号公報 特許文献4:特公平6−21299号公報 特許文献5:特公平6−60358号公報

しかしながら、ペレットフィードなどの微粉鉄鉱石を多量に含む焼結配合原料を、従来の前記HPS法を用いて造粒した場合、図1に示すように、細粒(0.5mm未満)のみならず、粗粒(10mm超)の擬似粒子が増加することがわかった。これは、ペレットフィードのような微粉鉄鉱石は、濡れ性が同じであれば、比表面積の大きい細粒ほど水分を吸収しやすく、かつ粉体間に多くの水分を保持しやすいため、個々の微粉鉄鉱石が水分を優先的に吸収し、微粉どうしが単に凝集しただけにすぎないものや、核粒子のまわりに微粉が付着した形態の粒径の不揃いな粗大な擬似粒子が生成したためと考えられる。

この点については、発明者らの行なった下記の実験からも明らかである。 まず、ペレットフィードなどの難造粒性の微粉鉄鉱石として、バナジウムを多く含む(40mass%)配合原料を使用して造粒した後、生成した造粒(擬似)粒子の粒度分布とペレットフィードの粒度分布を計測した。その結果を図2に示す。まず、図2(a)に示すように、配合原料中のペレットフィードを多量に含むと、ペレットフィードを含まない場合に比べて粗粒(8mm超)になる割合が高くなり、その重量割合は75mass%程度となることがわかった。また、造粒粒子中のペレットフィードの(粒度)分布(図2(b))も、造粒粒子の粒度分布と同様の傾向を示し、粗粒中のペレットフィードの割合が80mass%程度と高く、ペレットフィードの殆どが粗粒の部分に偏在していることがわかった。このことから、粗大な擬似粒子というのは、ペレットフィードどうしが凝集し合うことで形成さていることが確認できた。さらに、造粒した擬似粒子の水分量を測定したところ(図2(b))、粗粒領域における水分量が高いこともわかった。このことから、水分はペレットフィードが優先して吸収し、そのためにペレットフィードどうしで凝集し合って粗大な擬似粒子中に多く吸収されて偏在していると考えられる。

このようにペレットフィード等の微粉鉄鉱石を多く含む配合原料を造粒すると、どうしても粒径が不揃いになって粒度分布も大きくなり、しかも、結合強度の弱い微粉が単に凝集したにすぎないものとなって粗大な擬似粒子が多数生成することになる。そのため、この粒子を焼結機のパレット上に装入して堆積させると、図3(a)に示すように密な堆積構造となり、かさ密度が大きくなる。しかも、このような粗大な擬似粒子は、焼結機のパレット上に一定の層厚で堆積させると、該擬似粒子に荷重(圧縮)が加わり圧壊されやすいため、空隙率が低下し、ひいては通気性の悪化を招いて焼結機操業の阻害要因になり、焼結時間が長くなったり、焼結鉱の歩留低下を招いて生産性が低下したりするおそれがある。さらには、造粒に用いられるバインダーである生石灰の使用量を増加せざるを得なくなり、焼結鉱製造コストの増大を招くことや、後工程において粉コークス等の固体燃料を被覆する際に、焼結原料全体としての粉コークス等の賦存状態が不均一となり、燃焼や着熱が不均一となって焼成速度が低下するという問題もあった。

そこで、本発明の目的は、微粉鉄鉱石を焼結鉱製造用原料として使用する場合において、造粒時に、粒径の不揃いな結合強度の弱い粗大な造粒粒子(擬似粒子)が発生するのを阻止し、均一な大きさの擬似粒子を造粒する装置を提案することにある。

即ち、本発明は、微粉や細粒同士が強固に凝集または核粒子のまわりに微粉が付着した構造の、粒径が比較的揃って粒度分布が小さい擬似粒子からなる焼結用造粒原料を製造する装置を提案するものであって、こうした装置によって製造された焼結用造粒原料を、焼結機のパレット上に装入したときに形成される原料堆積層の密度の低減や、通気性の向上に伴う焼成時間の短縮を実現し、ひいては焼結生産性を向上させる技術を提案することを目的とする。

さらに、本発明は、このような焼結用造粒原料を用いて焼結鉱を製造することにより、燃焼効率や融液生成条件の改善を通じて、焼結鉱強度の向上や生産性を向上させ、このことによって、溶銑製造コストの低減や高炉からのCO2発生量の低減を図ることができる技術を提案する。

本発明は、前述のとおり、従来の焼結原料である粉鉄鉱石(シンターフィード)(平均粒径:積算頻度分布で50%を示す粒径が約1000μm程度のもの)だけでなく、さらに、平均粒径が40〜100μm程度の微粉鉄鉱石(ペレットフィード)、10μm以下の超微粉の鉄鉱石(テーリング鉱)の粒度分布を示すものをも焼結原料として用いるための提案である。なお、図4は、こうした各種鉄鉱石粉の平均粒子径の比較グラフである。

前述したように、ペレットフィードのような難造粒性の微粉鉄鉱石(平均粒径40〜100μm)などを含む配合原料を造粒する場合、粉や微粉、超微粉どうしが水分を介して互いに優先的に凝集して結合強度の弱い粗大な擬似粒子が生成しやすくなる。しかも、このような擬似粒子は、大きな粒度分布をもつことが多く、焼結機の操業時に、パレット上の原料堆積(充填)層が図3(a)に示すようになって通気性を悪化させる。

そこで、このような問題を克服できる技術として、本発明では、造粒機の上流側に、攪拌機能の大きい攪拌機を用いるとともに、その攪拌機の攪拌条件を、攪拌機の下流側に設けた第1のサンプラーおよび造粒機の下流側に設けた第2のサンプラーによりそれぞれ求めた粒度分布および水分分布に基づきフィードバック制御して、微粉・超微粉鉄鉱石どうしの優先的凝集を防いで、該微粉鉄鉱石ならびに水分それぞれについて均一分散を図り、最終的に結合強度の弱い粗大な擬似粒子が発生するのを阻止して、粒径が比較的揃って粒度分布が小さくかつ結合強度の強い擬似粒子を製造する装置を開発した。

即ち、本発明は、微粉鉄鉱石を含有する焼結配合原料から焼結用造粒原料を製造する装置において:被処理焼結配合原料中の微粉鉄鉱石および水分を均一に分散させる攪拌ほぐし機と;この攪拌ほぐし機の下流側に設けられ、攪拌ほぐし処理後の焼結配合原料をサンプリングして粒度分布および水分分布を求める第1の測定器と;この第1の測定器の下流側に設けられ、攪拌ほぐし処理後の焼結配合原料を水分添加の下で攪拌混合して造粒する造粒機と;この造粒機の下流側に設けられ、造粒後の焼結用造粒原料をサンプリングして粒度分布および水分分布を求める第2の測定器と;を備え、前記第1の測定器で求めた粒度分布および水分分布と前記第2の測定器で求めた粒度分布および水分分布とに基づき、前記攪拌ほぐし機の攪拌条件、攪拌ほぐし機への添加水の有無、造粒機での添加水分値を制御することを特徴とする焼結用造粒原料の製造装置である。

また、本発明は、微粉鉄鉱石を含有する焼結配合原料から焼結用造粒原料を製造する装置において:被処理焼結配合原料中の微粉鉄鉱石および水分を均一に分散させる攪拌ほぐし機と;この攪拌ほぐし機の下流側に設けられ、攪拌ほぐし処理後の焼結配合原料をサンプリングして粒度分布および水分分布を求める第1の測定器と;この第1の測定器の下流側に設けられ、攪拌ほぐし処理後の焼結配合原料を水分添加の下で攪拌混合して造粒する第1の造粒機と;この第1の造粒機の下流側に設けられ、第1の造粒機により造粒された焼結用造粒原料をさらに造粒する第2の造粒機と;この第2の造粒機の下流側に設けられ、第2の造粒機により造粒された焼結用造粒原料をサンプリングして粒度分布および水分分布を求める第2の測定器と;を備え、前記第1の測定器で求めた粒度分布および水分分布と前記第2の測定器で求めた粒度分布および水分分布とに基づき、前記攪拌ほぐし機の攪拌条件、攪拌ほぐし機への添加水の有無、第1の造粒機での添加水分値を制御することを特徴とする焼結用造粒原料の製造装置である。

また、本発明のより好ましい解決手段としては、 (1)前記焼結配合原料は、5〜50mass%のペレットフィードやテーリング鉱である微粉鉄鉱石と、残部がシンターフィードである粉鉄鉱石の他、返鉱、珪石、石灰、生石灰の如き焼結原料であること、 (2)前記攪拌ほぐし機は、不均一に固化し粗粒化した焼結配合原料の解砕−分散に伴うほぐし機能をもつ解砕用高速攪拌機を用いること、 (3)前記解砕−分散に伴うほぐし機能は、ミキサー内で高速回転する攪拌羽根を用いることによって粒度と水分とを均一に分散させる機能であること、 (4)前記解砕−分散機能のための攪拌羽根の周速を、1〜50m/sとすること、 が考えられる。

(1)本発明の焼結用造粒原料の製造装置における設備列によれば、ペレットフィードなどの難造粒性微粉鉄鉱石などを焼結原料用鉄鉱石として多量に使用することができるようになると共に、それでも粒径が揃って粒度分布小さく、高強度の焼結用造粒原料を有利に製造することができる。 (2)また、本発明の焼結用造粒原料の製造装置における設備列によれば、焼結配合原料の攪拌混合時に微粉鉄鉱石や水分の均一分散を効果的に果すことができるので造粒時に使用されるバインダーの量を削減することができる。 (3)本発明によって製造された焼結用造粒原料をDL焼結機に用いると、これが装入されたときに原料堆積層の密度の低減を図ることができ、ひていは通気性の向上に伴う焼成時間の短縮ならびに焼結生産性の向上を図ることができる。

微粉鉄鉱石配合の有無における擬似粒子の粒度分布の比較グラフである。

擬似(造粒)粒子の粒径ごとのペレットフィードの分布と水分の分散状況を示すグラフである。

従来の造粒粒子堆積層(a)と本発明の造粒粒子堆積層(b)の比較図である。

粉鉱石、微粉鉱石、超微粉鉱石の平均粒子径の比較グラフである。

(a)〜(c)はそれぞれ焼結用造粒原料の製造装置における設備列を比較するための図である。

<本発明の焼結用造粒原料の製造装置における特徴事項について> 図5(a)〜(c)はそれぞれ焼結用造粒原料の製造装置における設備列を比較するための図であり、(a)は従来例に係る設備列の一例を、(b)、(c)は本発明例に係る設備列の一例を、それぞれ示している。図5(a)に示す従来例に係る設備列の一例では、配合槽から切り出された鉄鉱石粉や副原料粉を、まず、混合工程としてドラムミキサー1にて混合し、次いで、混合後の配合原料を造粒工程としてパン型ペレタイザー2等の造粒機に送給して造粒処理する。なお、混合工程および造粒工程では、それぞれ1〜2mass%程度の水添加が行なわれ、所定の造粒水分になるように加湿調整されて所定の擬似粒子が製造される。図3(a)、(b)は、焼結用造粒原料である擬似粒子の構造的特徴を模式図として示したものである。

本発明では、ヤードで存在する粗大粒子を確実に壊砕し、その後に造粒機に導入することが重要である。発明者らは、従来の造粒機の前において、微粉の凝集した粗大粒子を、せん断力により確実に崩壊せしめ、かつ原料全体に水分と微粉を再分配させ、核粒子と付着層からなる均一な二層構造の粒子構造を実現するために、高速で回転する羽根と、原料を混合可能なパン型容器からなる装置(今後、高速撹拌機と呼ぶ)の導入を想起した。

以上のことから、本発明の焼結用造粒原料の製造装置は、造粒機での調湿前に、原料中に偏在した水分と微粉を、原料全体に均一に分散させることが重要である。したがって、高速攪拌機の設置位置は、造粒機よりも上流側に有ることが特徴となる。また、いかなる原料条件においても、適正な攪拌条件を実現するために、高速撹拌機の下流側には、原料をサンプリングし、粒度分布および水分分布を測定できるサンプラーを設置することが特徴となる。ここで、サンプラーの一例として、粒度分布測定機器と水分測定機器とからなる装置を例示することができるが、粒度および水分を測定できれば、これらに限定されるものではない。

図5(b)に示す本発明例に係る焼結用造粒原料の製造装置の一例は、被処理焼結配合原料中の微粉鉄鉱石および水分を均一に分散させる攪拌ほぐし機としての攪拌機11と;この攪拌機11の下流側に設けられ、攪拌ほぐし処理後の焼結配合原料をサンプリングして粒度分布および水分分布を求める第1の測定器としての第1のサンプラー(a1)と;この第1のサンプラー(a1)の下流側に設けられ、攪拌ほぐし処理後の焼結配合原料を水分添加の下で攪拌混合して造粒する造粒機としての1次ミキサー12と;この1次ミキサー12の下流側に設けられ、造粒後の焼結用造粒原料をサンプリングして粒度分布および水分分布を求める第2の測定器としての第2のサンプラー(a2)と;を備え、第1のサンプラー(a1)で求めた粒度分布および水分分布と第2のサンプラー(a2)で求めた粒度分布および水分分布とに基づき、攪拌機11の攪拌条件、攪拌機11への添加水の有無、1次ミキサー12での添加水分値を制御している。

図5(c)に示す本発明例に係る焼結用造粒原料の製造装置の他の例は、被処理焼結配合原料中の微粉鉄鉱石および水分を均一に分散させる攪拌ほぐし機としての攪拌機11と;この攪拌機11の下流側に設けられ、攪拌ほぐし処理後の焼結配合原料をサンプリングして粒度分布および水分分布を求める第1の測定器としての第1のサンプラー(a1)と;この第1のサンプラー(a1)の下流側に設けられ、攪拌ほぐし処理後の焼結配合原料を水分添加の下で攪拌混合して造粒する第1の造粒機としての1次ミキサー12と;この1次ミキサー12の下流側に設けられ、1次ミキサー12により造粒された焼結用造粒原料をさらに造粒する第2の造粒機としての2次ミキサー13と;この2次ミキサー13の下流側に設けられ、2次ミキサー13により造粒された焼結用造粒原料をサンプリングして粒度分布および水分分布を求める第2の測定器としての第2のサンプラー(a2)と;を備え、第1のサンプラー(a1)で求めた粒度分布および水分分布と第2のサンプラー(a2)で求めた粒度分布および水分分布とに基づき、攪拌機11の攪拌条件、攪拌機11への添加水の有無、1次ミキサー12での添加水分値を制御している。

<本発明の特徴事項のうちの攪拌機について> 本発明では、図5(a)に示す従来例のような、ドラムミキサーによる混合工程及びパンペレタイザーによる造粒工程からなる従来の焼結用造粒原料の製造装置の設備列に代えて、図5(b)に示す例および図5(c)に示す例とも、造粒機としての1次ミキサー12の前に、微粉鉄鉱石を含む焼結配合原料をまず、解砕用高速攪拌機11を使って、該微粉鉄鉱石の均一分散(拡散)ならびに水分の均一分散処理を行っている。

このように、シンターフィードである通常の粉鉄鉱石の他、前記ペレットフィードやテーリング鉱の如き微粉鉄鉱石(超微粉のテーリング鉱を含めて微粉鉄鉱石と言う)を多く含む焼結配合原料の場合、船からの荷降し、原料ヤードへの荷揚げ、数種類の粉・微粉鉄鉱石の混合処理であるベッティングの際に、微粉原料どうしが集まったにすぎない凝集体や粗大擬似粒子が不可避に形成されることが知られている。これをそのまま(直ちに)、ドラムミキサーに供給して混合処理や引き続きペレタイザー2にて造粒処理すると、結合強度の弱い粗大な凝集粒子や擬似粒子が不可避に発生し、粒径が不揃いで粒度分布幅の大きい焼結用造粒原料となる。

そこで、本発明では、こうした微粉鉄鉱石を5mass%以上〜50mass%以下含む焼結配合原料については、これを図5(b)および図5(c)に示す如く、造粒機としての1次ミキサー12による造粒の前に、予め高速攪拌機11で微粉鉄鉱石と水分の均一分散を図る処理を施すことにしたのである。その理由は、少なくとも造粒処理の前段階で予め原料と水分の均一分散処理を行なうことが有効だと考えられたからである。なお、本発明に係る焼結配合原料には、上述した5〜50mass%のペレットフィードやテーリング鉱である微粉鉄鉱石と、残部がシンターフィードである粉鉄鉱石の他、返鉱、珪石、石灰、生石灰などのその他の焼結原料とからなることが好ましい。

以上説明したように、高速撹拌機11の目的は、粗大な造粒粒子の生成を抑止するために、粗大な造粒粒子の種となる微粉の凝集体を造粒前に壊砕することにある。微粉の凝集体を効率的に壊砕するためには、ミクロ的には、凝集体自身に、せん断力を加えて、直接微粉を剥離させることが有効である。

解砕用高速攪拌機11の一例としては、たとえば、アイリッヒミキサー(日本アイリッヒ製)、ペレガイアミキサー(北川鉄工製)、プロシェアミキサー(太平洋機工)などを用いることができる。このうちアイリッヒミキサーは、「高速攪拌造粒」機として知られ、液体架橋による粒子の凝集、成長に伴う造粒機能を併せもつ設備である。

ただし、本発明では、このアイリッヒミキサーなどの解砕用高速攪拌機の高速攪拌機能をより強調した設備構成のものを用いることにした。即ち、本発明に適合する高速攪拌機は、混合パンの回転中心に対し半径方向に少し偏心した位置に攪拌羽根を配置したものであって、該攪拌羽根と原料との供回りを防ぎながら原料を効率良く攪拌混合する際に、造粒作用よりもむしろ焼結配合原料および生成粒子の解砕作用を強化したものとすることによって、微粉鉄鉱石の均一分散、水分の均一分散が図れるようにしたものである。そのために、前記攪拌羽根の速度は、本来、高剪断力を発揮する高速から緩やかな攪拌によって造粒を図る低速まで自在に変更可能であるところ、特に本発明では、高速にして原料の解砕、微粉鉄鉱石の攪拌、水分の均一な拡散、分散と混合、一部で粒子(造粒のとなるもの)生成を促す等を行なうようにした設備構成にした点に特徴がある。なお、攪拌羽根を中〜低速側で運転すると粒の成長、整粒が助長され、原料解砕作用が多少犠牲になると考えられるものである。

本発明に特有な高速攪拌による解砕機能の強化の為に、前記攪拌羽根の周速は1〜50m/s、好ましくは2〜40m/s、さらに好ましくは5〜30m/sにすることが推奨される。それは1m/s未満の遅い周速では攪拌効果が得られず好ましくないからである。なお、この場合において前記混合パンの回転速度については、いずれの場合であっても略15rpm程度の定速で運転され、攪拌羽根の枚数についても、8枚〜32枚程度の通常のものが適用される。

なお、前記混合パンは、原料全体を動かす回転式混合容器で、これによりミキサー内の全ての原料を常に流動させている。その他、この高速攪拌機には、スクレーパが設置されるのが普通である。このスクレーパは混合パンの上方に位置し、混合パンの内壁あるいは底面付近に留まろうとする原料を引き剥がし、絶えず攪拌羽根へと原料を送り込む役割を担っている。とくに、底部で滞留しようとする原料は、攪拌羽根最下端に取り付けられた底掻きチップによっても引き剥がされるが、前記スクレーパと併せて機能するようになっている。

これに対し、前記攪拌羽根の周速を1m/s未満とし、攪拌羽根数8個としたアイリッヒミキサーを用いたケースでは、粗大な擬似粒子の発生が多く観察され、その擬似粒子の平均径は4.5mm程度と大きく、擬似粒子の重量割合は13%程度と、従来装置と差がなかった。

<本発明の特徴事項のうちのサンプラーについて> 以下、図5(b)および図5(c)における、第1のサンプラー(a1)および第2のサンプラー(a2)について説明する。

撹拌性能を正確に評価するためには、撹拌後の原料を統計学的に有意な標本数だけ採取する必要があるが、対象とする原料粒子のサイズは125μmから8mm程度まで幅広く存在しており、単純に標本同士のバラツキを工程評価するのは困難である。そこで、発明者らは、造粒粒子の粒度毎に及ぶ水分や粒度のミクロなバラツキを評価するために、サンプラー(a1)または(a2)にてサンプルを採取し、振動篩機のような装置を用いて粒度分布を測定し、さらに、赤外水分計のような装置を用いて粒度毎の水分を測定し、バラツキの評価を行った。

その結果、ヤードでサンプリングした原料の平均水分は4.7mass%であったが、篩目4.8mm以上の粒子の水分は、平均水分を大きく上回った。一方、篩目4.8mm未満の粒子の水分は、平均水分を下回り、粒度毎に水分の分布が異なることが判った。一方、粒度分布に関しても、粗大な粒子が存在していることがわかった。

次に、ヤード原料を高速撹拌機に導入し、撹拌羽根を250rpm(周速5m/s)、容器パン回転数を28rpmとして、10秒間、300秒間撹拌した原料について、水分分布、粒度分布を同様に測定した。

その結果、撹拌時間の増加にともない、粗大粒子の水分が低下し、中間粒度の水分が増加した。300秒間以上撹拌した場合も、水分の分布は300秒間のものと大きな差は見られなかった。粒度分布に関しては、攪拌時間の増加にともない、粗大粒子の比率が低下し、中間粒度の比率が増加した。粗大粒子および中間粒子の断面構造を観察したところ、高速撹拌前の粗大粒子では、核粒子の周囲に微粉の層が厚く付着しており、中間粒子では、微粉のみで凝集している粒子や核粒子のみで存在している様子が見られた。撹拌後の造粒粒子においては、核粒子の周囲に薄く微粉が付着する、均一な二層構造を成していることが観察された。すなわち、撹拌操作により、高水分の微粉付着層が核粒子から剥離、および、微粉凝集体が壊砕され、粒子全体に均一に再分配されていることが示唆された。

次に、水分のばらつきを評価するために、撹拌時間毎、各粒度毎の水分値より、混合度を定義した。撹拌羽根500rpm(周速9m/s)、撹拌時間600秒後の水分分布を基準として、バラツキσを定義した。つぎに、バラツキσの経時変化のグラフにおいて、撹拌初期の0秒から60秒までを指数関数でフィッティングし、係数を決定した。

なお、時間tにおける水分の分散度σtを以下の式(1)で定義して、水分の混合度Mを以下の式(2)で算出した。また、M=100は均一混合を示し、M=0は不均一混合を示す。 なお、式(1)および式(2)において、サンプル粒子径: x(mm)、粒子径χのサンプル中の水分割合:C(x) (mass%)、粒子径χのサンプルの重量割合: f (x) (mass%)、サンプル数:m(区間)、である。

解析の結果、撹拌時間の増加にともない、バラツキは指数関数的に減少し、撹拌羽根の回転数が増加すると、混合速度も増加することがわかった。混合度90%、95%、99%となる撹拌時間において、その後ドラムミキサーで300秒間造粒したところ、混合度90%に比べて、95%、99%では造粒粒子径が増加し、95%と99%では造粒粒子径に大きな差は見られなかった。したがって、混合度95%を到達目標混合度として、撹拌機の条件を設定することが好ましいことがわかった。

つぎに、混合度95%を達成するための攪拌条件を、均一混合時間、周速、撹拌装置のスケールで整理した。均一混合時間は、上記の混合度の経時変化より求めた。撹拌装置のスケールは、代表径として撹拌容器の直径を用いた。解析の結果、均一混合時間は、装置径によらず、周速で良く整理されることがわかった。また、原料の水分が増加すると、均一混合時間は低下し、原料中の微粉比率が増加すると、均一混合時間は増加することがわかった。

以上の事から、適正な攪拌条件を実現するためには、撹拌後サンプルの水分分布、粒子分布を測定して混合度を評価し、最終的な造粒粒子の水分分布、粒子分布の良否と比較しながら、撹拌羽根の回転数、撹拌時間、攪拌機への水分添加量などの攪拌条件、および造粒機への水分添加量を制御すればよいことが示唆された。それを実行するために、本発明では、図5(b)および図5(c)に示すように、所定の位置に第1のサンプラー12および第2のサンプラー13を設け、それらのサンプラーで求めた粒度分布および水分分布に基づき、攪拌装置11の攪拌条件を制御することとした。

本発明に係る焼結用造粒原料の製造装置における設備列によれば、原料中の水分および微粉を均一に分散させ、かつ、粒度分布の揃った均一な造粒粒子を得ることができる。そのため、得られた焼結用造粒原料を用いて焼結を行うことで、燃焼効率や融液生成条件の改善を通じて、焼結鉱強度の向上や生産性を向上させ、このことによって、溶銑製造コストの低減や高炉からのCO2発生量の低減を図ることができる技術を得ることができる。

1 ドラムミキサー 2 パン型ペレタイザー 11 攪拌機 12 1次ミキサー 13 2次ミキサー (a1) 第1のサンプラー (a2) 第2のサンプラー

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