【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、時々吸着剤の再生をしながら、固体吸着剤に吸着させることにより、1 又は複数の成分をガス流から除去する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】その方法において、ガス流を供給し、固体吸着剤と接触させて、除去すべき成分を除去すると、 その除去成分は、次第に吸着剤中に蓄積する。 吸着剤中の除去された成分の濃度は、次第に上昇する。 吸着剤中の除去されたガス成分の濃度は、均一でなく、吸着床の上流端部で最も高く、かつ吸着剤中の物質移動帯域を通って次第に減少する。 この方法を永続させると、物質移動帯域は、吸着床中を次第に下流に移動し、終には、除去された成分が吸着床の下流端から流出する。 これが起こる前に、吸着剤を再生する必要がある。 【0003】圧力スイング吸着(PSA)システムでは、処理するガスが吸着剤へ流入するのを停止し、吸着剤を減圧して、又通常は製品の供給方向とは反対方向に、通常は処理されるガスより低い圧力で、吸着床に吸着された成分濃度より低くして、吸着床に再生用ガスを通すことにより、再生を行う。 吸着床が稼動中、除去成分が吸着されるにつれて、吸着工程で吸着熱が発生し、 その熱は吸着剤を通過して下流に進行する熱パルスを発生する。 再生工程の間、吸着床に吸着されているガス成分を脱着するために、熱を供給しなければならない。 P SAシステムでは、上記熱パルスが吸着床の下流端に到達する前に、再生を開始することを狙いとする。 再生工程において、熱パルスの方向を逆にして、懸案のガス成分の吸着によって生じた上記熱を、再生の間、その成分を脱着するのに利用する。 このようにして、再生段階において、加熱する必要性を回避する。 【0004】その他の選択できるシステムとして、温度スイング吸着システム(TSA)が知られている。 TS Aでは、サイクル時間は長くなり、上記の熱パルスは、 供給中又は稼動中に、吸着剤床の下流端から外に排出する。 従って、再生するには、吸着したガス成分を脱着するための熱を供給する必要がある。 この目的のために、 使用する再生用ガスを暫く加熱して、通常の供給方向とは反対の方向の、吸着床を通る熱パルスを生成する。 この加熱した再生用ガスを流した後は、通常冷たい再生用ガスを流して、吸着床を通って上流端に向けて熱パルスの置換を続行する。 TSAは、PSAに比べて、サイクル期間が長いことに特徴がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】それぞれの手順は、それぞれの特徴ある長所と欠点を持っている。 TSAは、 再生用ガスに熱を供給する必要があるので、エネルギー集約的である。 システム工学上の要求を満たすには、経費を高くするが、再生用ガスに必要な温度は、典型的にはかなり高く、例えば150℃〜200℃である。 典型的には、この方法により除去しようとする、不要なガス成分は1以上あり、しかも一般的には、その成分の内の1又はそれ以上が強く吸着され、その他の成分が相当弱く吸着されている。 TSAシステムによる再生に使用する高温は、より強く吸着されている成分を脱着するのに十分高い必要がある。 通常、ガス流から同時に異なった成分を吸着する必要があるとき、最適化TSAシステムでは、より強く吸着する成分(即ち水)を吸着する第1 層と、より弱く吸着する成分(即ち二酸化炭素)を吸着する第2層を有する2元吸着床を用いる。 このように、 ガス流から水分と二酸化炭素を除去するために、TSA システムでは、典型的に、水を除去するアルミナの第1 層、二酸化炭素及びその他のマイナー成分を除去する1 3Xモレキュラーシーブの第2層を有する吸着床を利用する。 しかしながら、通常、この方法では、アルミナに対して全ゼオライトも使用するので、事実上ゼオライトから吸着水を蒸発させるために高い再生温度、通常10 0℃以上にする必要がある。 脱着する水分量を最小限にするために、処理する空気を予備冷却して、含有水分をできるだけ凝出するのが普通である。 【0006】TSAシステムでは高温を使用するので、 絶縁容器と、パージ予備過熱器、及び入口端部の予備冷却器を使用する必要性が高くなる。 又一般に高温であると、システムに対してより厳格で、コストのかかる機械仕様が必要となる。 操業中、パージ予備加熱器の使用に伴って、余分のエネルギーコストが必要となる。 【0007】PSAシステムは、同じように高温にする必要はないので、これらの欠点を回避できるが、PSA の特徴であるサイクル時間が短いことは、それ自体の欠点を生む。 各操業サイクルの間、吸着剤は、供給期間に当てられ、その間吸着がなされ、その後減圧、再生、再加圧が続いて行われる。 減圧する間に、吸着床中の供給ガスは、脱気されてなくなる。 このシステムにより消失する供給ガスの量は、「切り替え損失」として知られている。 PSAシステムにおいてサイクル時間が短いことは、切り替え損失を大きくすることとなる。 又、サイクルが短いので、再加圧を迅速に行う必要がある。 実際に、このシステムは、上記の操業をする2つの吸着床を有しており、その2つの吸着床の1つは、常に供給又は稼動中であるように、操業サイクルの位相を相互に同調させて操業する。 従って、再加熱と再生に利用できる時間は、短いサイクル時間で交番するよう規定されたサイクルの、他の吸着床が供給体制にある間に制約される。 これらの制約下で迅速に再加圧するので、供給と製品の流れにおける一時的変動が生じ、プラントの操業、特に吸着システムから下流にある工程の操業において、好ましくない影響を生ずることになる。 【0008】PSAは、Skarstrom,C. W. によって、「Heatless Fractionat ion of Gases over Solid A dsorbents」、Vol. 11、95、N. W. Li(ED)C. R. C. Press,Clevela nd,Ohio (1972)に開示され、又、米国特許第4711645号明細書{クマール(Kuma r)})に開示されている。 TSAは、von Gem mingen,Uによって、「Designs of Adsorptive driers in air separation plants」-Report s on Thchnology 54/1994− (Linde)に、通常温度より低い温度、例えば80 〜130℃で、短サイクル時間を用いて開示されている。 【0009】更に低い温度のTSAの態様が、米国特許第5137548号明細書{グレニエル(Grenie r)}に、13Xモレキュラーシーブ吸着剤により、3 5℃の再生温度を用いて開示されている。 この方法では、供給空気を冷却して、事前に水分を取り除くことが必要である。 米国特許第4541851号明細書には、 より強く吸着された成分及びより弱く吸着された成分を共に、吸着剤から脱着するのに、熱パルスを利用してT ASを実施することが開示されている。 【0010】米国特許第4249915号明細書、及び米国特許第4472178号明細書には、相互分離型吸着床で吸着することにより、大気から、水分、炭素、及び二酸化炭素を除去する吸着方法が開示されている。 水分を多量に吸着した吸着床は、圧力スイング吸着法(P SA)により、比較的短い操業サイクルで再生され、一方、二酸化炭素を吸着した吸着床は、熱によってかなり長い時間間隔で再生される。 これを実施するに当たっては、当然、水分と二酸化炭素を除去する吸着床を有する別々のカラムと、その他の付属設備を必要とすることから、かなり装置費が増加せざるを得ない。 一定の利点を提供する一方で、これらの明細書の教示するところ、P SA及びTSAの両方の短所がある程度ある。 一つは、 PSAの切り替え損失が高いこと、及び水除去モジュールの出力変動が大きいことであり、又一つは、TSAの高エネルギーを必要とすること、及び、二酸化炭素除去モデュールの設備費が高いことである。 【0011】欧州特許公開第766989号公報には、 アルミナを使用すること、その後低温分離に先立って、 空気から二酸化炭素と水分を除去するために、モレキュラーシーブを使用ことが開示されている。 「『Adso rption Purification For A ir Separation Units'−M』、I ntersociety Cryogenics Sy mposium、Winter Annual Mee ting of ASMI、Dec. 9−14、198 4、New Orleans、LA、M. Grenie r et al」では、アルミナの上流部(吸着中の流れ方向に関して、)とモレキュラーシーブの下流部を有する吸着床を用いて、空気から二酸化炭素及び水分を除去している。 モレキュラーシーブを水分から守るために、アルミナに水分を吸着させる。 二酸化炭素は、主としてモレキュラーシーブに吸着される。 【0012】吸着剤の再生は、吸着床に吸着中の流れとは反対方向に加熱した窒素を通して行う。 一定時間後に窒素の加熱を止めて、窒素自体は流し続ける。 これにより、吸着剤を通って移動する熱パルスを発生し、この熱パルス中の熱量により、水分と二酸化炭素とを吸着剤から脱着するためのエネルギーが供給される。 脱着に必要とされる熱に正確にバランスさせるために、窒素の加熱中に加えられる熱量を調整する必要があることが示されている。 加熱が長く続き過ぎると、再生が終わった時に吸着床に熱が残り、その熱は吸着床を稼動状態に戻した時、水分と二酸化炭素の吸着を阻害し、又窒素/酸素の深冷分離器に伝わり、その機能を阻害する。 加熱を余りに早く停止すると、吸着床の一部しか再生されない結果となることが言及されている。 これは、加熱がより少ない結果と考えられるから、ほんの僅かばかりアルミナ吸着床のサイズを大きくして、継続するサイクルの間に、 熱パルスが吸着床から離れないで、大き目にしたアルミナの範囲内で消滅するようにする。 【0013】 【課題を解決するための手段】熱パルスを吸着床のアルミナの部分内で消滅する様にした結果、吸着床の一部が再生されない訳ではないことがここで分かった。 経路の再生に使用する乾燥窒素流は、例え供給温度以上に加熱されていないとしても、熱エネルギーを有している。 その加熱されてない窒素から抽出された必要な熱によって、アルミナのごとき吸着剤から、水分と二酸化炭素を脱着することができる。 それ故窒素は、その供給温度より低い温度で排出される。 適度に条件を調節することにより再生用ガスを加熱して、ほんの僅かの脱着熱を供給するだけで、吸着と再生のサイクルの繰り返しを可能とする、再生を実施できることがわかった。 この原理は、 空気から水分及び二酸化炭素を除去することのみならず、さらに一般的に利用できる。 【0014】 【この発明の概要】以上のとおり、この発明は、下記の構成を含む、ガス流からある成分を除去する方法を提供する。 a)ガス流を吸着剤に接触させつつ第1の方向に通し、 吸着熱を解放しながら、ガス流からある成分を吸着床に吸着させること、 b)前記ガス流を前記吸着剤に接触させつつ通すのを停止すること、 c)再生用ガスを加熱して、再生用ガスに熱を加えて、 再生用ガスの温度を前記ガス流の温度以上の温度に昇温すること、 d)前記第1の方向とは反対の第2の方向に、吸着剤と接触させつつ通す再生用ガスに加える熱量が、前記ガス成分の吸着の間に解放された吸着熱の熱量の90%以下であるように、前記の加熱した再生用ガスを通して、前記ガス流成分を前記吸着剤からある期間脱着すること、 e)前記再生用ガスの加熱を停止して、加熱しない状態の前記再生用ガスを通し続けて、前記吸着剤からガス流のある成分を脱着し続けること、及び f)工程(a)から(e)を繰り返すこと。 【0015】工程(b)が、更に前記吸着剤上のガス圧を減少させることを含み、更に工程(a)の繰り返しを開始する時又はその前に、そのガス圧を回復することを含むことが好ましい。 その時再生方法は、供給された熱が消費されるときは、TSAフェーズであり、続いてその後に、加熱されないパージガスから熱が抽出されるときは(従って、そのガスは、加熱されてない入口のガス温度より低い温度に低下して系外に排出される。)、P SAフェーズを有するものと見なすことができる。 【0016】少なくとも2つの前記吸着剤含有容器があり、前記方法が、少なくとも1つの容器が吸着フェーズにある間、他の容器が再生フェーズにあるように、容器同士のフェーズを調整した工程により、各容器上で操業されることが好ましい。 前記再生用ガスに加えられる熱量は、前記ガス成分の吸着の間に解放された吸着熱の熱量の80%以下が好ましく、更に70%以下がより好ましく、更にそれ以下、例えば60%以下、又は50%、 40%若しくは30%程度がより好ましい。 吸着剤は、 水分及び任意に更に二酸化炭素も吸着するアルミナから構成されるか、そのアルミナを含む。 更に、吸着剤は、 二酸化炭素吸着用のモレキュラーシーブを有することができ、そのモレキュラーシーブは、吸着中のガス流方向に沿って、アルミナの下流に配置される。 【0017】この発明は、水分と二酸化炭素を含む空気流を処理して、空気流から水分と二酸化炭素を除去し、 更に深冷分離ユニットで酸素と窒素を分離することを含み、二酸化炭素と水分の除去を下記の工程を有する方法によって行う、空気中の酸素と窒素を分離する方法を含む。 a)空気を吸着剤に接触させつつ第1の方向に通して、 吸着熱を解放しながら、空気から水分と二酸化炭素とを吸着床に吸着すること、 b)前記空気を前記吸着剤に接触させつつ通すのを停止すること、 c)乾燥した、窒素豊富な再生用ガスを加熱して、再生用ガスに熱を加えて、再生用ガスの温度を前記空気の温度以上の温度に昇温すること、 d)前記第1の方向とは反対の第2の方向に、吸着剤と接触させつつ通す再生用ガスに加える熱量が、前記水分と二酸化炭素の吸着の間に解放された吸着熱の熱量の9 0%以下であるように、前記の加熱した再生用ガスを通して、前記水分と二酸化炭素を前記吸着剤から所定期間脱着すること、 e)前記再生用ガスの加熱を停止して、加熱しない状態の前記再生用ガスを通し続けて、加熱された再生ガスと置換して、前記吸着剤から前記水分と二酸化炭素を脱着し続けること、及び f)工程(a)から(e)を繰り返すこと。 熱パルスは、再生の間に水分吸収帯域へ移動されなければならないから、このサイクル時間は、従来のTSA方法と同じ程度長いが、欧州特許出願公開第076698 9号明細書に記載の方法よりは短い。 【0018】好ましい操業条件の範囲は、下記の表1のごとくまとめられる。 【表1】 【0019】 【発明の実施の形態】第1図のとおり、精製される空気は、入口12から主空気圧縮系10に供給され、水冷式熱交換による中間冷却式又は後置冷却式の多段階圧縮機によって圧縮される。 供給する圧縮空気を冷却器8で過冷却することは任意である。 冷却された圧縮空気は、一組の吸着床を有する容器20及び22に連結された、入口調節弁16及び18を有する入口多岐管14に供給される。 入口多岐管14は、ガス抜き弁26及び28を有するガス抜き多岐管24によって、調節弁16及び18 の下流で橋架けされる。 そのガス抜き弁26及び28 は、吸着剤容器20及び22の各々の上流端と、消音器32経由のガス抜き弁30との間の結合を開閉するのに機能する。 2つの吸着床20及び22は、各々2つの吸着剤を有することが望ましい。 吸着床の下部は、それぞれの吸着床は、番号34、34´で示され、上部は、番号36、36´で示される。 下部34、34´は、活性化されたアルミナ、又は(下記に示すごとき)変成されたアルミナを内蔵し、上部36、36´は、ゼオライトを内蔵する。 【0020】この装置は、出口調節弁42、44を有する出口多岐管40によって、2つの吸着剤容器20、2 2の下流端に連結された出口38を有する。 出口多岐管40は、再生用ガス調節弁48及び50を有する再生用ガス多岐管46によって橋架けされる。 再生用ガス多岐管46の上流で、調節弁54を有する管路52は、又出口多岐管40を横断して橋架けする。 再生用ガスの入口は、56に設けられ、調節弁58及び60を介して加熱器62又はバイパス路64を通り再生用ガス多岐管46 に接続される。 バルブの操作は、適正にプログラムされたタイミングで、図示されてない公知技術の調節弁の開放手段により制御できる。 【0021】操業中、空気は、主圧縮器系10で圧縮され、入口多岐管14に供給され、吸着剤を有する2つの容器の1つを通る。 空気が開放された弁16を通り、吸着剤容器20に至り、開放された弁42を通り、出口3 8に至る状態に入り始めると、その時入口多岐管の弁1 8は閉鎖され、容器22への精製する空気の供給が遮断される。 供給弁44もその時閉鎖される。 この段階で弁46、50、54、26、及び28は全て閉鎖される。 以上のとおり、吸着床20は稼動中となり、吸着床22 は再生されることになる。 吸着床22の減圧を開始するために、弁28は開放され、容器22の圧力が一旦所望のレベルまで低下すると、弁28を開放したままにして、一方弁50を開放して、再生用ガスを流し始める。 再生用ガスは、典型的には空気の分離ユニット冷却ボックスから得られた二酸化炭素のない、乾燥窒素流であり、少量のアルゴン、酸素、及びその他のガスを含んでいてもよく、その分離ユニットボックスには、図示の装置で精製した空気を通す。 バルブ60は閉鎖され、バルブ58は開放されるので、再生用ガスは、容器22に通す前に、例えば100℃の温度に加熱する。 再生用ガスは、決められた昇温温度で容器中に導入されるが、容器中の吸着剤の上部、即ち下流部の36´から二酸化炭素を脱着するために熱を使うので、再生用ガスは極めて僅か冷却する。 熱パルスは保持され、系内で消費されるので、出口のパージガスは排気孔30から冷却された状態で排出される。 継続的に熱パルスは、吸着剤の上部36 ´を通って移動して、二酸化炭素が除去される。 所望の期間経過後、バルブ58が閉鎖されて、バルブ60が開放されるので、ここで、再生用ガスの流れは冷たくなる。 冷却された再生ガスは、更に吸着剤の下部34´を通って熱パルスと置換する。 【0022】吸着剤の上部及び下部の一部を、TSAによって再生する一方、低温の再生用ガスを吸着剤の下部を通して流し続けて、その再生ガスを減圧することによって、TSAと、一部PSAによって、吸着剤の上流部から水分を脱着した。 割り当てられた再生期間が終わると、バルブ50を閉じて、再生用ガス流を停止し、バルブ54を開けて、吸着剤から窒素を置換し、更にバルブ28を閉鎖後、精製した空気で容器22を再加圧する。 その後バルブ54を閉鎖し、バルブ18及び44を開いて容器22を稼動状態に戻す。 その後同様にして容器2 0を再生し、容器の稼動、減圧、再生、再加圧、及び操業サイクルのフェーズに合わせて稼動状態へ復帰の全工程を繰り返し継続する。 この発明によると、再生の間に、熱パルスは水を吸着した吸着剤の全ての部分を通過しないで完全に消費されて、十分な水分と二酸化炭素を除去するので、残った部分の再生は、加熱されてない再生用ガス流を継続することによって行われる。 【0023】上記の装置と方法において使用される吸着剤は数種類がある。 各吸着剤容器は、上記のごとき単一のタイプの吸着剤を有することもできるし、又2つ以上のタイプの吸着剤を有することもできる。 このように、 アルミナの上流層と、モレキュラーシーブの下流層を有する層状の吸着床を採用することもできる。 しかしながら、選択肢として全てを単一タイプのもので調整した、 又は異なった型のものを層状に調整した、全アルミナ吸着剤を採用することができる。 このように例えば、吸着剤は、全てを公知技術の活性化アルミナあるいはシリカアルミナにすることもできるし、又それらを含有することもできる。 選択肢として、その上に塩基性塩を沈着させることによって得た強化アルミナタイプのもの、例えば、出発物質のアルミナを炭酸カリウム溶液で処理し、 125℃まで昇温して乾燥して、約5重量%の炭酸カリウムを沈着させたアルミナとすることもできる。 そのアルミナは、二酸化炭素に対して特に高い性能を有し、それだけ使用することもでき、又2層吸着床中の上部層としても使用できる。 それらは、米国特許第565606 4号明細書に更に詳しく開示されている。 【0024】容器20及び22は、必要に応じて、直列に配置したより小さい複数の容器に分離することができること、及び上記吸着剤の「複数の層」の意味として、 分離した吸着剤が別々の容器に直列に配置されたものを含むことは、勿論理解されるべきである。 モレキュラーシーブは、この技術分野で、この目的のために公知のいかなるもの、例えばNaYゼオライト、4Aゼオライト、又は13Xゼオライトでもよい。 1997年3月7 日付け出願の米国特許出願第08/814749号に開示された種類の単一吸着剤、例えば、ゼオライトとアルミナの混合物を含むものを用いることもできる。 【0025】 【実施例】実施例1 この発明に係る上記装置を使用するための、好ましい操業パラメーターを次の表に示す。 【0026】 【表2】 【0027】 【発明の効果】この発明に係る方法は、従来のTSA法に比較すると、そこで必要とされる脱着熱量のたった3 5%を再生用窒素に加えれば良いこと、又このようにして、余分なプラント建設費を要しないで、エネルギー運転経費を実質的に節約できることが分かる。 【0028】実施例2 この発明の実施に当たっての選択条件は、下記のとおりである。 供給圧 = 2バール(bara) パージ圧 = 1.1バール(bara) 供給温度 = 30℃ P/A = 0.7 稼動: 87分 加熱時間 40分 供給熱量/脱着熱量 = 0.54 最大パージ温度 = 130℃ 【0029】実施例3 その他の選択条件は、下記のとおりである。 供給圧 = 10バール(bara) パージ圧 = 1.1バール(bara) 供給温度 = 40℃ P/A = 0.45 稼動: 72分 加熱時間 25分 供給熱量/脱着熱量 = 0.35 最大パージ温度 = 82℃ 【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の好ましい態様に使用する装置の略図である。 【符号の説明】 8…冷却器 10…多段階圧縮器 12…入口 14…入口多岐管 16、18…調節弁 20、22…吸着床内蔵容器 30…ガス抜き弁 32…消音器 34,34´…吸着床下部 36,36´…吸着床上部 38…出口 56…再生用ガス供給口 62…加熱器 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 モハマッド アリ カルバッシー イギリス国,ケイティー12 2エイキュ ー,サリー,ワルトン−オン−テムズ,ク ロムウェル クロース 6 (72)発明者 ティモシー クリストファー ゴールデン アメリカ合衆国,ペンシルバニア 18104, アレンタウン,ハンプシャアー コート 4104 |