Humidification device

申请号 JP2013181833 申请日 2013-09-03 公开(公告)号 JP2014066507A 公开(公告)日 2014-04-17
申请人 Daikin Ind Ltd; ダイキン工業株式会社; 发明人 SAKAI TAKETO; EGUCHI AKIHIRO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a humidification device with which a room can be humidified as quickly as possible when the room humidity is low.SOLUTION: A humidification device 10 includes: an operation control means 90 that selects either a humidification priority mode or a normal operation mode on the basis of a prescribed condition, and operates the humidification device 10; and fans 34, 35 that can regulate the amount of air, and that generate airflow which pass through a condenser and an evaporator. In the humidification priority mode, the operation is performed in such a manner that the amount of air from the fans 34, 35 is decreased in comparison with the amount in the normal operation mode, thereby increasing the desorption of moisture from an adsorbent material in the condenser and increasing the recovery of moisture by an adsorbent material in the evaporator in comparison with the normal operation mode, and thus prioritizing humidification over air ventilation.
权利要求
  • 吸着剤が担持された2つの吸着熱交換器(31,32)、圧縮機(27)、膨張機構(28)、及び切換機構(26)を有し、かつ前記圧縮機(27)によって冷媒を循環させる冷媒回路(12)を備え、前記切換機構(26)による冷媒循環方向の切り換えによって2つの吸着熱交換器(31,32)の一方が蒸発器となり他方が凝縮器となる冷凍サイクル動作と、一方が凝縮器となり他方が蒸発器となる冷凍サイクル動作とを交互に行いながら、前記凝縮器を通過する室外の空気に前記吸着剤から脱離した水分を付与して当該空気を室内に供給し、かつ前記蒸発器を通過する室内の空気の水分を前記吸着剤に回収して当該空気を室外へ排出し、換気しながら加湿を行う加湿装置(10)であって、
    所定の条件に基づいて加湿優先モードと通常運転モードとのいずれかを選択して当該加湿装置(10)を運転させる運転制御手段(90)と、前記凝縮器及び前記蒸発器を通過する空気流を生成する風量調整可能なファン(34,35)とを備えており、
    前記加湿優先モードは、前記ファン(34,35)の風量を前記通常運転モードよりも低下させることによって、前記凝縮器の吸着剤からの水分の脱離及び前記蒸発器の吸着剤による水分の回収を前記通常運転モードよりも促進し、換気よりも加湿を優先する運転である、加湿装置。
  • 前記圧縮機(27)が容量可変型であり、
    前記加湿優先モードが、前記圧縮機(27)の容量を最大に高めた運転である請求項1に記載の加湿装置。
  • 室内の絶対湿度が、当該絶対湿度の目標値に基づいて設定された所定の閾値以下である場合に、前記加湿優先モードが実行される、請求項1又は2に記載の加湿装置。
  • 室内の絶対湿度と室外の絶対湿度とが、室内の絶対湿度の目標値に基づいて設定された所定の加湿優先域内にあるときに、前記加湿優先モードが実行される、請求項1又は2に記載の加湿装置。
  • 室内のCO 濃度を検出するCO 濃度センサ(73c)をさらに備えており、
    前記運転制御手段(90)は、前記加湿優先モードを実行する条件が満たされた場合であっても、前記CO 濃度が所定の閾値を超える場合には、予め設定された優先度に基づいて、前記通常運転モードと前記加湿優先モードとのいずれかを優先して実行する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加湿装置。
  • 说明书全文

    本発明は、室内の空気を加湿する加湿装置に関する。

    下記特許文献1には、冷媒を循環させることによって冷凍サイクル動作を行う冷媒回路を備えた調湿装置が開示されている。 この調湿装置の冷媒回路は、吸着剤が担持された2つの吸着熱交換器と、圧縮機と、膨張弁と、四路切換弁と、これらを接続する冷媒配管とを備えている。 また、冷媒回路は、四路切換弁で所定時間おきに冷媒の循環方向を切り換えることによって、2つの吸着熱交換器の一方に高圧冷媒が流れかつ他方に低圧冷媒が流れる冷凍サイクル動作と、一方に低圧冷媒が流れかつ他方に高圧冷媒が流れる冷凍サイクル動作とを交互に行うことが可能となっている。

    低圧冷媒が流れる吸着熱交換器は蒸発器となり、冷媒の吸熱によって空気に含まれる分を吸着剤に吸着(回収)することができる。 また、高圧冷媒が流れる吸着熱交換器は凝縮器となり、冷媒の熱によって吸着剤に吸着されていた水分を脱離し、空気に付与することができる。 このように、各吸着熱交換器では、四路切換弁の切り換えに伴って水分を吸着する動作(回収動作)と水分を脱離する動作(再生動作)とが交互に行われる。

    また、調湿装置は、冷媒回路を収容したケーシングの内部に室外空気と室内空気とをそれぞれ取り込み、各吸着熱交換器に流通させた後に、室内と室外とにそれぞれ排出する空気の流れを生成する。 そして、加湿運転を行う場合は、ケーシング内に取り込んだ室外空気を凝縮器となる吸着熱交換器に流通させ、吸着剤から脱離した水分を当該空気に付与した後、当該空気を室内に供給する。 また、ケーシング内に取り込んだ室内空気を、蒸発器となる吸着熱交換器に流通させ、当該空気中の水分を吸着剤に吸着させた後、当該空気を室外に排出する。

    特開2009−109120号公報

    前述の調湿装置は、加湿運転を行う場合に、室内空気から吸着剤に回収した水分を、室外空気に付与して再び室内に戻す動作を行っている。 そのため、室内を迅速に加湿するには、室内空気からより多くの水分を回収することが必要となる。
    しかし、室内や室外の湿度が非常に低い状態で調湿装置を起動した場合や調湿装置の運転中に室内や室外の湿度が大きく低下した場合は、室内空気に含まれる水分が少ないため、蒸発器の吸着剤で水分を回収するのが困難となり、また、室外からより湿度の低い空気がケーシング内に流入するため、凝縮器の吸着剤から脱離した水分を当該空気に付与してもそれほど湿度が上がらず、その結果、室内の加湿に比較的長い時間を要していた。

    そこで、本発明は、室内の湿度が低い場合に可及的に短時間で室内を加湿することができる加湿装置を提供することを目的とする。

    本発明は、吸着剤が担持された2つの吸着熱交換器、圧縮機、膨張機構、及び切換機構を有し、かつ前記圧縮機によって冷媒を循環させる冷媒回路を備え、前記切換機構による冷媒循環方向の切り換えによって2つの吸着熱交換器の一方が蒸発器となり他方が凝縮器となる冷凍サイクル動作と、一方が凝縮器となり他方が蒸発器となる冷凍サイクル動作とを交互に行いながら、前記凝縮器を通過する室外の空気に前記吸着剤から脱離した水分を付与して当該空気を室内に供給し、かつ前記蒸発器を通過する室内の空気の水分を前記吸着剤に回収して当該空気を室外へ排出し、換気しながら加湿を行う加湿装置であって、
    所定の条件に基づいて加湿優先モードと通常運転モードとのいずれかを選択して当該加湿装置を運転させる運転制御手段と、前記凝縮器及び前記蒸発器を通過する空気流を生成する風量調整可能なファンとを備えており、
    前記加湿優先モードは、前記ファンの風量を前記通常運転モードよりも低下させることによって、前記凝縮器の吸着剤からの水分の脱離及び前記蒸発器の吸着剤による水分の回収を前記通常運転モードよりも促進し、換気よりも加湿を優先する運転であることを特徴とする。

    本発明によれば、例えば、加湿装置を起動したときや加湿装置の運転中等に所定の条件が満たされると、加湿優先モードによる運転が実行される。 この加湿優先モードでは、ファンの風量を低下させることで、より湿度の低い室外空気の室内への流入量を少なくし、外部負荷(潜熱負荷)を低減させる一方、凝縮器及び蒸発器を流通する空気の量を少なくすることで、凝縮器の温度をより高め、蒸発器の温度をより下げることができる。 これにより、凝縮器の吸着剤からの水分の脱離と蒸発器の吸着剤による水分の回収をより促進することができ、室外や室内の温度及び湿度が低い場合でも迅速に室内の加湿を行うことができる。

    上記構成において、前記圧縮機が容量可変型であり、前記加湿優先モードが、前記圧縮機の容量を最大に高めた運転であってもよい。
    このように圧縮機の容量を最大に高めることで、凝縮器の温度をより高め蒸発器の温度をより下げることができ、凝縮器の吸着剤からの水分の脱離と蒸発器の吸着剤による水分の回収をより促進することができる。

    前記加湿優先モードは、室内の絶対湿度が、当該絶対湿度の目標値に基づいて設定された所定の閾値以下である場合に実行されることが好ましい。

    また、前記加湿優先モードは、室内の絶対湿度と室外の絶対湿度とが、室内の絶対湿度の目標値に基づいて設定された所定の加湿優先域内にあるときに実行されてもよい。

    本発明の加湿装置は、室内のCO 濃度を検出するCO 濃度センサをさらに備えており、
    前記運転制御手段は、前記加湿優先モードを実行する条件が満たされた場合であっても、前記CO 濃度が所定の閾値を超える場合には、予め設定された優先度に基づいて、前記通常運転モードと前記加湿優先モードとのいずれかを優先して実行するように構成されていてもよい。
    室内のCO 濃度が高い状態で加湿優先モードによりファンの風量を低下させると、十分な換気が行えず、室内環境が悪化するおそれがある。 そのため、本発明では、加湿と換気とのどちらを優先して運転を行うかを予め設定しておき、前記加湿優先モードを実行する条件が満たされた場合であっても、CO 濃度が所定の閾値を超える場合には、予め設定された優先度に基づいて加湿優先モードと通常運転モードとのいずれかを選択して運転を行う。 このように構成することで、例えば室内の湿度が所定より低い場合であってもCO 濃度が所定よりも高ければ換気を優先し、CO 濃度を積極的に低下させることが可能となる。

    本発明の加湿装置は、室内の湿度が低い場合に可及的に短時間で室内を加湿することができる。

    本発明の一実施の形態に係る調湿装置の内部の平面説明図である。

    図1におけるA−A線矢視方向から見た調湿装置の内部の説明図である。

    図1におけるB−B線矢視方向から見た調湿装置の内部の説明図である。

    調湿装置の冷媒回路を示す配管系統図である。

    調湿装置内の空気の流れを示す平面説明図である。

    調湿装置内の空気の流れを示す平面説明図である。

    調湿装置内の空気流通路と熱交換室との間の空気の流れを示す説明図である。

    調湿装置内の空気流通路と熱交換室との間の空気の流れを示す説明図である。

    ファン周辺の構造を拡大して示す断面図である。

    コントローラの機能構成を示す図である。

    運転制御例1における運転モード判定部による運転モードの判定処理の手順を示すフローチャートである。

    運転制御例2における運転モード判定部による運転モードの判定処理の手順を示すフローチャートである。

    運転制御例3におけるコントローラの機能構成を示す図である。

    運転制御例3における運転モード判定部による運転モードの判定処理の手順を示すフローチャートである。

    加湿優先域を示すグラフである。

    他の実施の形態に係る調湿装置の内部の平面説明図である。

    以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
    図1は、本発明の一実施の形態に係る調湿装置(加湿装置)の内部の平面説明図である。 図2は、図1におけるA−A線矢視方向から見た調湿装置の内部の説明図である。 図3は、図1におけるB−B線矢視方向から見た調湿装置の内部の説明図である。
    本実施の形態の調湿装置10は、室内の換気を行いながら除湿又は加湿を行うものであり、ケーシング11と、冷媒回路12と、空気流制御機構13等を備えている。

    ケーシング11は、平面形状が長方形で扁平な直方体の箱形に形成されている。 具体的に、ケーシング11は、底板18と、天板19と、4枚の側板(第1〜第4側板)21〜24とを備えている。 これら底板18、天板19、及び側板21〜24によって囲まれた空間内に冷媒回路12の一部や空気流制御機構13等が収容されている。 また、ケーシング11の一側面(第1側板21の外面)には、電装品ユニット15が設けられている。 なお、以下の説明においては、ケーシング11の平面形状(長方形状)における長辺に沿った方向を前後方向とし、短辺に沿った方向を左右方向とする。 また、前後方向については、第1側板21側を前側とし、第4側板24側を後側とする。

    図4は、調湿装置10の冷媒回路12を示す配管系統図である。
    冷媒回路12は、第1熱交換器31、四路切換弁(切換機構)26、圧縮機27、第2熱交換器32、及び電動膨張弁(膨張機構)28を冷媒配管29によって接続してなり、冷媒を循環させることによって蒸気圧縮式の冷凍サイクルを実行するように構成されている。
    圧縮機27は、その吐出側が四路切換弁26の第1のポートに接続され、その吸入側が四路切換弁26の第2のポートに接続されている。 第1熱交換器31の一端は、四路切換弁26の第3のポートに接続されている。 第1熱交換器31の他端は、電動膨張弁28に接続されている。 第2熱交換器32の一端は、四路切換弁26の第4のポートに接続されている。 第2熱交換器32の他端は、電動膨張弁28に接続されている。

    圧縮機27は、いわゆる全密閉型であり、インバータによって回転数が制御される容量可変型の圧縮機とされている。
    第1熱交換器31及び第2熱交換器32は、いずれも、伝熱管と多数のフィンとを備えた、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ式熱交換器により構成されている。 また、第1熱交換器31及び第2熱交換器32の外表面には、その概ね全面に亘ってゼオライト等の吸着剤が担持されている。

    四路切換弁26は、第1のポートと第3のポートが連通しかつ第2のポートと第4のポートが連通する状態(図4(a)参照)と、第1のポートと第4のポートが連通しかつ第2のポートと第3のポートが連通する状態(図4(b)参照)とに切り換え可能に構成されている。 そして、冷媒回路12は、この四路切換弁26のポートの連通状態を切り換えることにより、冷媒循環方向を反転させ、第1熱交換器31が凝縮器として機能し、第2熱交換器32が蒸発器として機能する第1の冷凍サイクル動作と、第1熱交換器31が蒸発器として機能し、第2熱交換器32が凝縮器として機能する第2の冷凍サイクル動作とを行うことができる。

    図1〜図3に示されるように、空気流制御機構13は、ケーシング11内に室外空気及び室内空気を取り込み、それぞれ熱交換器31,32を通過させた後にケーシング11から室内及び室外に吹き出す空気流を生成するものである。 具体的に、空気流制御機構13は、ケーシング11内に空気を吸い込む第1ファン34及び第2ファン35を備えている。

    第1ファン34及び第2ファン35は、シロッコファンにより構成されている。 シロッコファンは、図9に示されるように、モータ36によって回転する多翼の羽根車37をファンケーシング38内に設けたものである。 ファンケーシング38は円筒形に形成され、ファンケーシング38の両側面には吸込口38aが形成され、外周面には吐出口38bが形成されている。 また、第1ファン34及び第2ファン35は、インバータ制御によって風量を調整可能に構成されている。

    また、空気流制御機構13は、図1〜図3に示されるように、第1,第2ファン34,35によってケーシング11内に取り込まれた空気の流通路を制御する複数のダンパ41〜48を備えている。 このダンパ41〜48の具体的な動作については後述する。

    図1に示されるように、ケーシング11の第2側板22には、室外の空気をケーシング11内に取り入れるための外気取入口51と、ケーシング11から室外に空気を排出するための排気吹出口52とが形成されている。 排気吹出口52は、ケーシング11の前後方向の略中央部に形成され、外気取入口51は、ケーシング11の前部側に形成されている。 そして、外気取入口51の近傍には、外気取入用の第1ファン34が配置されている。 外気取入口51と排気吹出口52とには、それぞれダクトD1,D2の一端が接続され、これらのダクトD1,D2の他端側は室外(屋外)に接続されている。

    ケーシング11の第3側板23には、室内の空気をケーシング11内に取り入れるための内気取入口53と、ケーシング11から室内に空気を供給するための給気吹出口54とが形成されている。 給気吹出口54は、ケーシング11の前後方向の略中央部に形成され、内気取入口53は、ケーシング11の前部側に形成されている。 そして、内気取入口53の近傍には、内気取入用の第2ファン35が配置されている。 内気取入口53と給気吹出口54とには、それぞれダクトD3,D4の一端が接続され、これらのダクトD3,D4の他端側は室内に接続されている。

    以上の構成により、室外と室内とは、ダクトD1〜D4及びケーシング11を介して相互に連通されている。
    なお、以下の説明においては、図1に示されるように、外気取入口51からケーシング11内に取り入れられる空気をOA、内気取入口53からケーシング11内に取り入れられる空気をRA、排気吹出口52からケーシング11外へ排出される空気をEA、給気吹出口54からケーシング11外へ排出される空気をSAと表記することがある。

    図1に示されるように、ケーシング11の内部には、第1ファン34及び第2ファン35が配置される送風室56a,56bと、その後方の空間とを区画する第1区画壁61が設けられている。 また送風室56a,56bは、第2区画壁62によって、外気取入用の第1ファン34が配置される第1送風室56aと、内気取入用の第2ファン35が配置される第2送風室56bとに区画されている。 第2送風室56bは第1送風室56aよりも左右方向に広く形成されている。

    第1ファン34と第2ファン35との間における第2送風室56b内のスペースSには、冷媒回路12を構成する電動膨張弁28や四路切換弁26等(図4参照)が配置されている。 このスペースSから第1側板21を貫通して引き出された冷媒配管29には、ケーシング11の外部に設置された圧縮機27が接続されている。 ただし、圧縮機27はケーシング11内のスペースSに配置されていてもよい。

    ケーシング11内における第1,第2送風室56a,56bの後方には、熱交換室57,58と空気流通路59,60とが形成されている。 具体的に、第1区画壁61の後方には、前後方向に沿って延びる第3区画壁63と第4区画壁64とが左右方向に並べて設けられている。 第3区画壁63及び第4区画壁64の前端は第1区画壁61に接続され、後端は第4側板24に接続されている。 第3区画壁63と第4区画壁64との間には、第1,第2熱交換器31,32が配置される熱交換室57,58が形成されている。 第3区画壁63と第2側板22との間、及び、第4区画壁64と第3側板23との間には、それぞれ第1空気流通路59及び第2空気流通路60が形成されている。

    熱交換室57,58は、第5区画壁65によって前後に区画されている。 そして、前側の第1熱交換室57には第1熱交換器31が配置され、後側の第2熱交換室58には第2熱交換器32が配置されている。 第1熱交換器31及び第2熱交換器32は、図7及び図8に示されるように、それぞれ第1空気流通路59側が第2空気流通路60側よりも高くなるように傾斜した姿勢で配置されている。 そのため、第1及び第2熱交換室57,58内の空気流は、第1及び第2熱交換器31,32を左右方向かつ上下方向に流通するようになっている。 このように第1及び第2熱交換器31,32を傾斜した姿勢で配置することで、空気の流通面積を拡大し、熱交換効率の向上及び吸着剤による水分の吸着効率の向上を図ることができる。

    図2に示されるように、第1空気流通路59は、第6区画壁66によって上下2段に区画されている。 外気取入口51の近傍に配置された外気取入用の第1ファン34は、その吐出口38bが下段側の第1空気流通路59bに接続されている。 また、排気吹出口52は、上段側の第1空気流通路59aに連通している。
    図3に示されるように、第2空気流通路60は、第7区画壁67によって上下2段に区画されている。 内気取入口53の近傍に配置された内気取入用の第2ファン35は、その吐出口38bが上段側の第2空気流通路60aに接続されている。 また、給気吹出口54は、下段側の第2空気流通路60bに連通している。

    図1及び図9に示されるように、第1区画壁61の左右両端部は、左右方向の外側ほど前方に位置するように傾斜している。 そして、第1区画壁61の傾斜部分に第1,第2ファン34,35の吐出口38bが接続されている。 また、第1,第2ファン34,35は、各羽根車37の回転軸が第1区画壁61の傾斜部分と略平行となるように配置されている。 したがって、第1,第2ファン34,35は、第2側板22及び第3側板23に対して傾斜した姿勢で配置されている。

    そのため、第1,第2ファン34,35のファンケーシング38の側面に形成された吸込口38aは、第2側板22及び第3側板23から離れて配置され、両者の間には平面視で略三形状の空気引込空間70が形成されている。 この空気引込空間70は、吸込口38aからファンケーシング38内へ吸い込まれる前の空気の流動スペースとして機能している。 特に、空気引込空間70は、吸込口38aの外周側から吸込口38aへ流入する空気(図9に矢印aで示す)の流動スペースとして有効に機能し、吸込口38aへ空気流を円滑に導くために役立っている。 したがって、このような空気引込空間70を形成することによって、外気取入口51及び内気取入口53から第1,第2ファン34,35の吸込口38aへ吸い込まれる空気の圧損失を効果的に低減し、効率よく室外空気及び室内空気をケーシング11内に取り入れることができる。

    また、外気取入口51及び内気取入口53の近傍に第1,第2ファン34,35が配置されているので、第1,第2ファン34,35の作動音や送風音は、後述するようにケーシング11内を空気流が通過する間に減衰される。 したがって、当該音がケーシング11外に伝播し、騒音の原因となることを防止することができる。

    空気引込空間70にはエアフィルタ71が配置されている。 このエアフィルタ71は、ファン34,35の側面と略平行に配置されている。 したがって、エアフィルタ71も第2側板22及び第3側板23に対して傾斜して配置されている。 このようにエアフィルタ71を傾斜して配置することによって空気の流通面積を拡大することができる。 また、ケーシング11の第1側板21の一部又は全部は着脱可能に構成されており、第1側板21の一部又は全部を取り外すことによって、エアフィルタ71を着脱するための着脱口を形成することが可能となっている。 そして、図1に矢印bで示すように、エアフィルタ71を斜め前方へ引き出すことによってケーシング11からエアフィルタ71を取り外し、エアフィルタ71の清掃や交換を行うことができる。

    空気引込空間70には、外気取入口51や内気取入口53から取り入れられる空気の温度や湿度を計測するセンサ類72,73が設けられている。 このセンサ類72,73の電気配線は、それぞれ第1、第2送風室56a,56bから第1側板21に設けられた電装品ユニット15に引き込まれている。 このように外気取入口51及び内気取入口53を電装品ユニット15とともにケーシング11の前部側に配置することによって、センサ類72の電気配線を短い距離で電装品ユニット15に接続することができる。 また、電気配線がケーシング11内の区画壁を貫通することを可及的に少なくし、区画された空間相互で空気漏れが生じるのを防止することができる。

    第1側板21の前面に配置された電装品ユニット15は、電装品箱内に、調湿装置10全体の制御基板、圧縮機27や第1,第2ファン34,35の制御基板(インバータ基板)等の電気部品を収容してなる。 この電装品ユニット15の点検や部品交換等を行うため、ケーシング11の前方にはメンテナンス用の作業スペースが形成される。 また、第1,第2ファン34,35に対するメンテナンスや冷媒回路12における膨張弁28や四路切換弁26等のメンテナンスも第1側板21を取り外すことによってケーシング11の前方の作業スペースにおいて行うことができる。 さらに、前述したように、エアフィルタ71は、ケーシング11の前方にて着脱されるので、同じ作業スペースを利用してエアフィルタ71の着脱作業も行うことができる。

    すなわち、本実施の形態では、電装品ユニット15、第1,第2ファン34,35、冷媒回路12の一部28,26、及びエアフィルタ71がケーシング11の一側部である前部側の領域(第1側板21の近傍の領域)に集中して配置されているので、これらのメンテナンスのための作業スペースもケーシング11の前側に集中して形成することができる。 その結果、当該作業スペースをケーシング11の周囲に分散して形成する場合に比べて、作業スペース全体の平面的な面積を可及的に小さくすることができるとともに、調湿装置10の周囲全体に広くスペースを確保する必要がなくなるので、調湿装置10の設置場所の制約が少なくなり、調湿装置10の設置の自由度を高めることができる。

    また、外気取入口51及び排気吹出口52は、ケーシング11の第2側板22に形成され、内気取入口53及び給気吹出口54は、ケーシング11の第3側板23に形成されている。 そのため、第2側板22及び第3側板23の周囲にはダクトD1〜D4を配設するためのスペースを確保する必要がある。 一方、ケーシング11の第4側板24には、開口も形成されず、部品も設けられていないので、第4側板24の周囲には特にスペースを確保する必要がない。 そのため、第4側板24を建物の壁際等に配置するような調湿装置10の設置が可能となり、これによっても調湿装置10の設置場所の制約を少なくし、設置の自由度を高めることができる。

    また、第2側板22に形成された外気取入口51及び排気吹出口52には、それぞれ室外へ向けて配設されるダクトD1,D2が接続されている。 第3側板23に形成された内気取入口53及び給気吹出口54には、それぞれ室内に向けて配設されるダクトD3,D4が接続されている。 したがって、いずれのダクトD1〜D4も、同一の場所へ向けて配設されるものがケーシング11の同一の側板22,23に接続されている。 このような構成によって、ダクトの曲げ回数を少なくする等、配設経路を簡素化することができ、ダクトの設置に要するスペースを小さくすることができる。

    図2に示されるように、第3区画壁63には、4つの通気口81〜84が前後上下に並べて形成されている。 これらの通気口81〜84は、それぞれダンパ41〜44によって開閉可能に構成されている。
    また、図3に示されるように、第4区画壁64には、4つの通気口85〜88が前後上下に並べて形成されている。 これらの通気口85〜88は、それぞれダンパ45〜48によって開閉可能に構成されている。

    図2に示されるように、第3区画壁63に形成された上段側の通気口83,84は、上段側の第1空気流通路59aに連通している。 また、下段側の通気口81,82は、下段側の第1空気流通路59bに連通している。
    図3に示されるように、第4区画壁64に形成された上段側の通気口85,86は、上段側の第2空気流通路60aに連通している。 また、下段側の通気口87,88は、下段側の第2空気流通路60bに連通している。

    また、第3,第4区画壁63,64に形成された通気口81〜88のうち、前側に配置された4つの通気口81,83,85,87は、前側の第1熱交換室57(図1参照)に連通し、後側に配置された4つの通気口82,84,86,88は、後側の第2熱交換室58(図1参照)に連通している。

    次に、ダンパ41〜48の具体的な開閉動作とケーシング11内の空気流について説明する。 各ダンパ41〜48は、次の開閉パターンに従って開閉動作を行う。
    図2に示されるように、第3区画壁63に設けられたダンパ41〜44のうち、上段側の前後のダンパ43,44は交互に開閉し(一方が開いたときに他方が閉じ、他方が開いたときに一方が閉じる)、同様に、下段側の前後のダンパ41,42も交互に開閉する。 また、前側の上下のダンパ43,41は交互に開閉し、後側の上下のダンパ44,42も交互に開閉する。 また、図3に示されるように、第4区画壁64に設けられたダンパ45〜48のうち、上段側の前後のダンパ45,46は交互に開閉し、下段側の前後のダンパ47,48も交互に開閉する。 また、前側の上下のダンパ45,47は交互に開閉し、後側の上下のダンパ46,48も交互に開閉する。

    また、第3,第4区画壁63,64に設けられた下段側のダンパ41,42,47,48のうち、前側に配置された2つのダンパ41,47が組となって同時に開閉し(一方が開いたときに他方も開き、一方が閉じたときに他方も閉じる)、後側に配置された2つのダンパ42,48が組となって同時に開閉する。
    同様に、第3,第4区画壁63,64に設けられた上段側のダンパ43,44,45,46のうち、前側に配置された2つのダンパ43,45が組となって同時に開閉し、後側に配置された2つのダンパ44,46が組となって同時に開閉する。

    そして、本実施の形態では、以上のようなダンパ41〜48の開閉パターンの組み合わせによって、図5に示される態様と、図6に示される態様とに空気流が切り換えられる。
    図5に示される態様は、第1ファン34によって外気取入口51から取り入れられた室外空気が第1熱交換室57を通過して給気吹出口54から排出され、第2ファン35によって内気取入口53から取り入れられた室内空気が第2熱交換室58を通過して排気吹出口52から排出される態様である。 また、図6に示される態様は、第1ファン34によって外気取入口51から取り入れられた室外空気が第2熱交換室58を通過して給気吹出口54から排出され、第2ファン35によって内気取入口53取り入れられた室内空気が第1熱交換室57を通過して排気吹出口52から排出される態様である。

    図7は、図5に示される空気流の態様に対応した、第1,第2空気流通路59,60と第1,第2熱交換室57,58との間の空気流れを示す説明図である。
    図7(a)に示されるように、第1ファン34の吐出口38bから下段側の第1空気流通路59bを流れる空気流は、第3区画壁63の下段前側に形成された通気口81を介して第1熱交換室57に流入する。 その後、当該空気流は、第1熱交換器31を通過し、第4区画壁64の下段前側に形成された通気口87を介して下段側の第2空気流通路60bに流入し、給気吹出口54から室内に排出される。

    同時に、図7(b)に示されるように、第2ファン35の吐出口38bから上段側の第2空気流通路60aを流れる空気流は、第4区画壁64の上段後側に形成された通気口86を介して第2熱交換室58に流入する。 その後、当該空気流は、第2熱交換器32を通過し、第3区画壁63の上段後側に形成された通気口84を介して上段側の第1空気流通路59aに流入し、排気吹出口52から室外に排出される。

    図8は、図6に示される空気流の態様に対応した、第1,第2空気流通路59,60と第1,第2熱交換室57,58との間の空気の流れを示す説明図である。
    図8(a)に示されるように、第1ファン34の吐出口38bから下段側の第1空気流通路59bを流れる空気流は、第3区画壁63の下段後側に形成された通気口82を介して第2熱交換室58に流入する。 その後、当該空気流は、第2熱交換器32を通過し、第4区画壁64の下段後側に形成された通気口88を介して下段側の第2空気流通路60bに流入し、給気吹出口54から室内に排出される。

    同時に、図8(b)に示されるように、第2ファン35の吐出口38bから上段側の第2空気流通路60aを流れる空気流は、第4区画壁64の上段前側に形成された通気口85を介して第1熱交換室57に流入する。 その後、当該空気流は、第1熱交換器31を通過し、第3区画壁63の上段前側に形成された通気口83を介して上段側の第1空気流通路59aに流入し、排気吹出口52から室外に排出される。

    図5及び図7に示される空気流の態様と図6及び図8に示される空気流の態様とは、図4に示される冷媒循環方向の切換動作(第1及び第2の冷凍サイクル動作)に合わせて所定時間毎(例えば、3分毎)に交互に繰り返して実行される。 これによって調湿装置10は、除湿運転と加湿運転とを行うことが可能となっている。

    (除湿運転の説明)
    まず、除湿運転について説明する。 第1の冷凍サイクル動作は、図4(a)に示されるように、圧縮機27から吐出された冷媒が、第1熱交換器31で放熱して凝縮し、その後に電動膨張弁28へ送られて減圧される。 減圧された冷媒は、第2熱交換器32で吸熱して蒸発し、その後に圧縮機27に吸入されて圧縮され、再び吐出される。 したがって、第1の冷凍サイクル動作では、第1熱交換器31が凝縮器として機能し、第2熱交換器32が蒸発器として機能する。

    このとき、図6及び図8に示されるように、外気取入口51から取り入れられた室外空気OAは第2熱交換器32を通過し、熱交換後の空気SAが給気吹出口54から排出される。 また、内気取入口53から取り入れられた室内空気RAは第1熱交換器31を通過し、熱交換後の空気EAが排気吹出口52から排出される。 具体的に、凝縮器としての第1熱交換器31においては、吸着剤に吸着されていた水分が冷媒の熱によって脱離し、室内空気RAに取り込まれる。 これにより、第1熱交換器31の吸着剤が再生されるとともに、室内空気RAが加湿され、加湿後の空気EAが排気吹出口52から室外に排出される。 また、蒸発器としての第2熱交換器32においては、冷媒の吸熱によって室外空気OAに含まれる水分が吸着剤に吸着(回収)され、室外空気OAが除湿される。 除湿後の空気SAは給気吹出口54から室内に供給される。

    第2の冷凍サイクル動作は、図4(b)に示されるように、圧縮機27から吐出された冷媒が、第2熱交換器32で放熱して凝縮し、その後に電動膨張弁28へ送られて減圧される。 減圧された冷媒は、第1熱交換器31で吸熱して蒸発し、その後に圧縮機27へ吸入されて圧縮され、再び吐出される。 したがって、第2の冷凍サイクル動作では、第1熱交換器31が蒸発器として機能し、第2熱交換器32が凝縮器として機能する。

    このとき、図5及び図7に示されるように、外気取入口51から取り入れられた室外空気OAは第1熱交換器31を通過し、熱交換後の空気SAが給気吹出口54から排出される。 内気取入口53から取り入れられた室内空気RAは第2熱交換器32を通過し、熱交換後の空気EAが排気吹出口52から排出される。 具体的に、凝縮器としての第2熱交換器32においては、吸着剤に吸着されていた水分が冷媒の熱によって脱離し、室内空気RAに取り込まれる。 これにより、第2熱交換器32の吸着剤が再生されるとともに、室内空気RAが加湿され、加湿後の空気EAは排気吹出口52から室外に排出される。 また、蒸発器としての第1熱交換器31においては、冷媒の吸熱によって室外空気OAに含まれる水分が吸着剤に吸着(回収)され、室外空気OAが除湿される。 除湿後の空気SAは、給気吹出口54から室内に供給される。

    (加湿運転の説明)
    次に、加湿運転について説明する。 図4(a)に示される第1冷凍サイクル動作では、第1熱交換器31が凝縮器として機能し、第2熱交換器32が蒸発器として機能する。 このとき、図5及び図7に示されるように、外気取入口51から取り入れられた室外空気OAは第1熱交換器31を通過し、熱交換後の空気SAが給気吹出口54から排出される。 内気取入口53から取り入れられた室内空気RAは第2熱交換器32を通過し、熱交換後の空気EAが排気吹出口52から排出される。 具体的に、凝縮器としての第1熱交換器31においては、吸着剤に吸着されていた水分が冷媒の熱によって脱離し、室外空気OAに取り込まれる。 これにより、吸着剤が再生されるとともに室外空気OAが加湿され、加湿後の空気SAが給気吹出口54から室内に供給される。 また、蒸発器としての第2熱交換器32においては、冷媒の吸熱によって室内空気RAに含まれる水分が吸着剤に吸着(回収)され、室内空気RAが除湿される。 除湿後の空気EAは、排気吹出口52から室外へ排出される。

    図4(b)に示される第2の冷凍サイクル動作では、第1熱交換器31が蒸発器として機能し、第2熱交換器32が凝縮器として機能する。 このとき、図6及び図8に示されるように、外気取入口51から取り入れられた室外空気OAは第2熱交換器32を通過し、熱交換後の空気SAが給気吹出口54から排出される。 内気取入口53から取り入れられた室内空気RAは第1熱交換器31を通過し、熱交換後の空気EAが排気吹出口52から排出される。 具体的に、凝縮器としての第2熱交換器32においては、吸着剤に吸着されていた水分が冷媒の熱によって脱離し、室外空気OAに取り込まれる。 これにより、吸着剤が再生されるとともに室外空気OAが加湿され、加湿後の空気SAが給気吹出口54から室内に供給される。 また、蒸発器としての第1熱交換器31においては、冷媒の吸熱によって室内空気RAに含まれる水分が吸着剤に吸着(回収)され、室内空気RAが除湿される。 除湿後の空気EAは、排気吹出口52から室外へ排出される。

    (運転制御例1)
    次に、調湿装置10における運転制御例を説明する。
    調湿装置10は、電装品ユニット15に設けられた制御基板等によって構成されるコントローラ(運転制御手段)を備えており、このコントローラにより運転制御される。 具体的に、コントローラは、CPUやメモリ等を含み、前述したようなダンパ41〜48の開閉動作、膨張弁28の開度調節、四路切換弁26の切換動作等を制御する。 また、図10に示されるように、コントローラ90は、圧縮機27の容量(運転周波数)をインバータ制御する圧縮機制御部92と、第1,第2ファン34,35の風量(運転周波数)をインバータ制御するファン制御部91と、調湿装置10の運転モードを判定する運転モード判定部93としての機能を備えている。

    本実施の形態の調湿装置10は、加湿運転を行う場合における運転モードとして、「起動運転モード」と「通常運転モード」とを具備している。 コントローラ90の運転モード判定部93は、所定の条件に応じて調湿装置10を起動運転モードで運転させるか通常運転モードで運転させるかを判定する。 圧縮機制御部92及びファン制御部91は、運転モード判定部93の判定結果に基づいて、それぞれ圧縮機27及びファン34,35の動作を制御する。

    本実施の形態における通常運転モードは、一般的な加湿運転を実行させる運転モードであり、室内の湿度が目標湿度により近い場合に、専ら室内の湿度を目標湿度に維持するために用いられる運転モードである。 これに対して、起動運転モードは、調湿装置10を起動したとき、室内の湿度が目標湿度からより離れている場合に実行され、室内の換気よりも加湿を優先する運転モード(加湿優先モード)である。

    本実施の形態の調湿装置10によって加湿運転を行う場合、室内の空気は、蒸発器を通過する間にその蒸発器に担持された吸着剤によって水分が吸着される。 そして、冷媒回路12の冷媒循環方向が反転すると、今度は蒸発器が凝縮器となるため、その吸着剤に吸着された水分は室外空気に取り込まれ、室内の加湿のために利用される。 そのため、調湿装置10を起動したときの室内の湿度が非常に低い状態であると、蒸発器の吸着剤に吸着させる水分が少なくなり、凝縮器の吸着剤から室外空気に付与する水分も少なくなる。 したがって、このような場合は、調湿装置10を起動したときに室内空気からできるだけ多くの水分を回収し、また、室外空気にできるだけ多くの水分を付与することが必要となる。

    そのため、本実施の形態の調湿装置10は、起動運転モードを実行する場合に、通常運転モードに比べてファン34,35の風量を低下させるとともに、圧縮機27の容量を最大にまで増大させる運転を行う。
    調湿装置10が加湿装置として使用される場合、室外の湿度は室内の湿度よりも更に低くなるため、室外の空気を大量に取り入れることで室内に対する外部負荷(潜熱負荷)を増大させる可能性がある。 したがって、ファン34,35の風量を低下させることによって室外から室内に流入する空気の量を少なくし、外部負荷を低減させることができる。

    また、ファン34,35の風量を低下させると、凝縮器及び蒸発器を通過する空気の量が少なくなるので、凝縮器の温度がより高くなり、逆に蒸発器の温度がより低くなる。 そのため、凝縮器の吸着剤からの水分の脱離がより促進され、蒸発器の吸着剤への水分の吸着がより促進される。 したがって、室内の湿度が低い場合であっても可及的に迅速に室内の加湿を行うことができるようになる。

    また、圧縮機27の容量を最大にまで高めた場合も、凝縮器の温度がより高くなり、蒸発器の温度がより低くなる。 したがって、凝縮器の吸着剤からの水分の脱離がより促進され、蒸発器の吸着剤への水分の吸着がより促進されることになる。
    したがって、本実施の形態では、コントローラ90の運転モード判定部93によって起動運転モードを選択する判定がなされると、ファン制御部91がファン34,35の風量を通常運転モードよりも低下させる制御を実行するとともに、圧縮機制御部92が、圧縮機27の容量を最大にまで高める制御を実行する。

    本実施の形態の運転モード判定部93は、所定の条件として次の式(1)の条件を満たすか否かにより、起動運転モードを選択するか否かを判定する。
    ≦αX ・・・ (1)
    (ただし、X :室内の絶対湿度、X :室内の目標絶対湿度、α:所定の係数(α<1;例えば、α=0.7〜0.8))

    調湿装置10の内気取入口53(図1参照)の近傍には、図10に示されるように室内温度センサ73aと室内湿度センサ73bとが設けられており、各センサ73a,73bによって室内の温度と相対湿度とが検出される。 そして、各センサ73a,73bの検出値はコントローラ90の運転モード判定部93に入力され、運転モード判定部93は、各検出値から室内の絶対湿度X を算出する。

    一方、本実施の形態の調湿装置10は、サービスマンやユーザーがリモートコントローラ等を介して室内の目標温度及び目標相対湿度を入力できるようになっている。 そして、運転モード判定部93は、入力された目標温度及び目標相対湿度から、目標絶対湿度X を算出する。 そして、運転モード判定部93は、室内の絶対湿度X と目標絶対湿度X とが上記の式(1)の条件を満たすか否かを判断し、その判断結果に基づいて起動運転モードと通常運転モードとのいずれかを選択して運転を実行させる。

    以下、運転モード判定部93による運転モードの判定処理手順の一例を説明する。 図11は、運転制御例1における運転モード判定部93による運転モードの判定処理の手順を示すフローチャートである。
    図11において、調湿装置10が起動されると(ステップS1)、室内温度センサ73a及び室内湿度センサ73bの検出値(検出信号)がコントローラ90の運転モード判定部93に入力される(ステップS2)。 運転モード判定部93は、各検出値から室内の絶対湿度X を算出するとともに、上記の式(1)で示される条件に当てはめ、室内の絶対湿度X が所定の閾値(αX )以下であるか否かを判断する(ステップS3)。

    この判断結果が肯定的(Yes)であった場合、運転モード判定部93は、起動運転モードを選択する判定を行い(ステップS4)、圧縮機制御部92やファン制御部91に対して起動運転モードによる運転を実行する旨の指示を与え、処理をステップS2に戻す。
    一方、ステップS3における判断結果が否定的(No)である場合には、運転モード判定部93は通常運転モードを選択する判定を行い(ステップS5)、圧縮機制御部92やファン制御部91に対して通常運転モードによる運転を実行する旨の指示を与える。

    以上のような制御を行うことによって、調湿装置10を起動したときに室内の湿度が非常に低い場合であっても、起動運転モードによる運転で凝縮器の吸着剤からの水分の脱離と蒸発器の吸着剤への水分の吸着とを通常運転モードに比べて促進することができ、迅速に室内の加湿を行うことができる。

    (運転制御例2)
    上述の運転制御例1において、起動運転モードによる運転中は、ファン34,35の風量を低下させるため、室内の換気が不十分となる可能性がある。 この点において、起動運転モードは、換気を犠牲にして加湿を促進させる運転であるということができる。
    しかしながら、調湿装置10を起動したときに室内のCO 濃度が高い状態であると、起動運転モードではCO 濃度を迅速に低下させることができず、室内のCO 環境を改善することが困難となる。

    次に説明する運転制御例2は、調湿装置10を起動したときの室内のCO 濃度が所定よりも高い場合には、起動運転モードではなく通常運転モードによる運転を選択できるようにした運転制御例である。 この制御を可能にするため、調湿装置10の内気取入口53の近傍には、室内のCO 濃度を検出するCO 濃度センサ73c(図10参照)が設けられている。 このCO 濃度センサ73cの検出値はコントローラ90の運転モード判定部93に入力される。

    また、調湿装置10には、CO 濃度が高い場合に起動運転モードと通常運転モードとのどちらの運転を優先的に実行するか、すなわち加湿と換気のどちらを優先するかを予め入力することが可能となっている。 この入力は、例えばサービスマンやユーザーがリモートコントローラ等を介して行うことができる。 運転モード判定部93は、調湿装置10を起動したときに上記の式(1)を満たす場合であっても、換気が優先されている場合には、起動運転モードではなく通常運転モードを選択する判定を行うようになっている。

    以下、運転制御例2について図12を参照して説明する。 図12は、運転制御例2における運転モード判定部93による運転モードの判定処理の手順を示すフローチャートである。
    図12において、調湿装置10が起動されると(ステップS11)、室内温度センサ73a、室内湿度センサ73b、及びCO 濃度センサ73cの検出値がそれぞれ運転モード判定部93に入力される(ステップS12)。 運転モード判定部93は、室内温度センサ73a及び室内湿度センサ73bの検出値から室内の絶対湿度X を算出するとともに、上記の式(1)で示される条件に当てはめ、室内の絶対湿度X が所定の閾値(αX )以下であるか否かを判断する(ステップS13)。

    ステップS13における判断結果が肯定的(Yes)であった場合、次いで運転モード判定部93は、CO 濃度が所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS14)。 そして、この判断結果が肯定的(Yes)であった場合、運転モード判定部93は、換気よりも加湿を優先して起動運転モードによる運転を選択し(ステップS15)、圧縮機制御部92やファン制御部91に対して起動運転モードによる運転を実行する旨の指示を与え、処理をステップS12に戻す。

    また、ステップS13における判断結果が否定的(No)であった場合、運転モード判定部93は、通常運転モードを選択する判定を行い(ステップS17)、圧縮機制御部92やファン制御部91に対して通常運転モードによる運転を実行する旨の指示を与える。

    一方、ステップS14における判断結果が否定的(No)である場合には、運転モード判定部93は、予め設定されている優先度が加湿優先であるか否かの判断を行う(ステップS16)。 この判断結果が肯定的(Yes)である場合、運転モード判定部93は、処理をステップS15に進め、起動運転モードを選択する判定を行う。 ステップS16の判断結果が否定的(No)である場合、加湿よりも換気が優先されているので、運転モード判定部93は、通常運転モードを選択する判定を行う(ステップS17)。

    以上のような運転制御例2によれば、調湿装置10を起動したときの室内の湿度が所定より低い場合であっても、CO 濃度が所定よりも高ければ加湿よりも換気を優先し、CO 濃度を積極的に下げて室内環境を改善することが可能となる。
    なお、起動運転モードによる運転中、加湿と換気の優先度の変更が可能とされていない場合には、ステップS14及びS16における処理(破線Cで囲まれた処理)は、初回のみ実行されることにしてもよい。 初回の実行の際に「加湿優先」と判断された場合、その後も加湿優先の状態が維持され、ステップS16からステップS17への移行が行われないからである。 また、逆に言うと、起動運転モードによる運転中、加湿と換気の優先度の変更が可能である場合には、ステップS14及びS16の処理を毎回行うことによって当該変更に対して好適に追従することができる。

    (運転制御例3)
    上述した運転制御例1及び2は、いずれも調湿装置10を「起動」したときの室内の絶対湿度に基づき、加湿を優先した「起動運転モード」を実行するものであったが、運転制御例3では、調湿装置10を起動したときに限らず、調湿装置10によって加湿運転を行っている間、常に、所定の条件に基づいて加湿を優先した運転を実行可能としたものである。

    したがって、運転制御例3においては、調湿装置10の運転モードとして、「起動運転モード」を含み、さらにこれを拡張した「加湿優先モード」が設けられている。 この加湿優先モードは、運転制御例1及び2の起動運転モードと全く異なるものではなく、例えば、運転制御例3の加湿優先モードが調湿装置10を起動したときに実行された場合には、運転制御例1,2の起動運転モードが実行されたことと実質的に同じになる。

    また、運転制御例3においては、調湿装置10の運転モードとして、運転制御例2と同様に、室内のCO 濃度が所定の閾値を超える場合には、加湿を優先した加湿優先モードを実行せず、例外的に通常運転モードを実行する「CO 濃度優先モード」が設けられている。

    運転制御例3においては、加湿優先モードのオンオフ設定の切り換え(有効・無効の切り換え)が可能となっている。 さらに、加湿優先モードがオン設定されている場合には、さらにCO 濃度優先モードのオンオフ設定の切り換え(有効・無効の切り換え)が可能となっている。 そして、このCO 濃度優先モードを有効とするか否かによって、換気と加湿とのいずれを優先するかについての優先度を設定することができる。 加湿優先モード及びCO 濃度優先モードのオンオフ設定は、例えば、調湿装置10を設置するときや設置した後に、ユーザーの要望に応じてサービスマン等が行うように構成することができる。

    運転制御例3におけるコントローラ90の運転モード判定部93には、室内温度センサ73a、室内湿度センサ73b、及びCO 濃度センサ73cの検出値だけでなく、室外温度センサ72a及び室外湿度センサ72bの検出値も入力される。
    運転モード判定部93は、室内温度センサ73a及び室内湿度センサ73bの検出値から室内の絶対湿度X を求めると共に、室外温度センサ72a及び室外湿度センサ72bの検出値から室外の絶対湿度X を求める。 そして、運転モード判定部93は、室内及び室外の絶対湿度X ,X が、所定の加湿優先域内にあるか否かを判断し、加湿優先域内にあるときには加湿運転を実行する。

    図15は、加湿優先域を示すグラフである。 このグラフの横軸は室外絶対湿度とされ、縦軸は室内絶対湿度とされている。 そして、加湿優先域は、図15にハッチングを付して示すように、室内絶対湿度が、室内の目標絶対湿度X 未満であり、なおかつ室外絶対湿度が、室内の目標絶対湿度X に所定の係数β(例えば、β=0.56〜0.7、より好ましくは、β=0.63)をかけた値未満となる領域である。

    以下、運転制御例3について図14を参照して説明する。 図14は、運転制御例3における運転モード判定部93による運転モードの判定処理の手順を示すフローチャートである。
    図14において、調湿装置10が起動されると、まず、運転モード判定部93は、調湿装置10の運転の態様として加湿運転が選択されているか否かを判断する(ステップS21)。 上述したように調湿装置10は、加湿運転だけでなく除湿運転が可能であり、さらに、圧縮機27を停止してファン34,35のみを運転する「換気運転」も可能である。 したがって、運転モード判定部93は、加湿運転が選択されているか否かを判断し、その判断結果が肯定的(Yes)である場合には、ステップS22に処理を進める。 また、ステップS21の判断結果が否定的(No)である場合には、加湿運転における運転モード判定処理は行わず、調湿装置10は、選択された態様での運転(除湿運転又は換気運転)を実行する(ステップS30)。

    次に、ステップS22において、運転モード判定部93は、加湿優先モードがオン設定されているか否かを判断する。 そして、この判断結果が肯定的(Yes)である場合、処理をステップS23に進め、否定的(No)である場合、処理をステップS29に進める。 このステップS29において、運転モード判定部93は、通常運転モードを選択する判定を行い、圧縮機制御部92やファン制御部91に対して通常運転モードによる運転を実行する旨の指示を与える。

    ステップS23では、室内温度センサ73a、室内湿度センサ73b、室外温度センサ72a、及び室外湿度センサ72bの検出値がそれぞれ運転モード判定部93に入力される。 運転モード判定部93は、室内温度センサ73a及び室内湿度センサ73bの検出値から室内の絶対湿度X を算出するとともに、室外温度センサ72a及び室外湿度センサ72bの検出値から室外の絶対湿度X を算出する。 そして、室内及び室外の絶対湿度X ,X が、それぞれ図15に示される加湿優先域に含まれるか否かを判断する(ステップS24)。

    ステップS24における判断結果が肯定的(Yes)であった場合、運転モード判定部93は、処理をステップS25に進める。 ステップS24における判断結果が否定的(No)であった場合、加湿を優先する必要が無いので、運転モード判定部93は、通常運転モードを選択する判定を行い、圧縮機制御部92やファン制御部91に対して通常運転モードによる運転を実行する旨の指示を与える(ステップS29)。

    ステップS25において、運転モード判定部93は、CO 濃度優先モードがオン設定されているか否かを判断する。 そして、この判断結果が肯定的(Yes)である場合には、CO 濃度センサ73cの検出値が運転モード判定部93に入力され(ステップS26)、さらに、CO 濃度が所定の閾値以下であるか否かが判断される(ステップS27)。 CO 濃度が所定の閾値以下である場合(Yesの場合)、運転モード判定部93は、ステップS28に処理を進め、加湿優先モードを選択する判定を行い、圧縮機制御部92やファン制御部91に対して加湿優先モードによる運転を実行する旨の指示を与える(ステップS28)。

    また、ステップS27における判断結果が否定的(No)である場合、すなわち、CO 濃度が所定の閾値を超えていた場合、加湿よりも換気が優先される。 したがって、運転モード判定部93は、ステップS29に処理を進め、通常運転モードを選択する判定を行い、圧縮機制御部92やファン制御部91に対して通常運転モードによる運転を実行する旨の指示を与える。

    ステップS25における判断結果が否定的(No)である場合(CO 濃度優先モードがオフ設定の場合)、運転モード判定部93は、ステップS28に処理を進め、加湿優先モードを選択する判定を行う。
    したがって、本運転制御例3では、加湿優先モードを実行する条件が満たされた場合(ステップS24のYes)であっても、CO 濃度が所定の閾値を超える場合には、予め設定された優先度(ステップS25のCO 濃度優先モードのオンオフ設定)に基づいて、前記通常運転モードと前記加湿優先モードとのいずれかを優先して実行するようになっている。

    加湿優先モード又は通常運転モードにおける運転中、運転モード判定部93はステップS21〜S27の処理を常時又は定期的に行い、室内の湿度状態の変化に応じて加湿優先モードと通常運転モードとが適宜選択されるようになっている。

    本運転制御例3においては、加湿優先モードで運転するか否かの判断材料として、室外絶対湿度を取り入れている。 これは、室内絶対湿度X が目標絶対湿度X よりも低い場合であっても、室外の絶対湿度X が所定よりも高ければ、加湿優先モードによる運転を行わなくても十分に室外の水分を取り込んで室内に供給することが可能だからである。 ただし、運転制御例3においても、運転制御例1,2と同様に、上記の式(1)を用いて加湿優先モードを実行するか否かの判定を行ってもよい。 逆に、運転制御例1,2においても、運転制御例3と同様に、図15の加湿優先域を用いて加湿優先モードを実行するか否かの判定を行ってもよい。

    本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更することができる。
    例えば、上記実施の形態では、起動運転モード及び加湿優先モードとして、ファン34,35の風量を低下させるとともに、圧縮機27の容量を最大にする制御を行っていたが、ファン34,35の風量を低下させる制御のみを行ってもよい。

    また、運転制御例1,2において、起動運転モードと通常運転モードのいずれの運転を行うかの判定に用いられる上記の式(1)において、係数αの値は調湿装置10の性能や設置環境等に応じて適宜設定することができる。 同様に、運転制御例3において、加湿優先モードと通常運転モードのいずれの運転を行うかの判定に用いられる図15のグラフにおいて、係数βの値は調湿装置10の性能や設置環境等に応じて適宜設定することができる。
    また、本発明は、除湿を行わず加湿のみを行う加湿専用の装置にも適用することができる。

    また、上記実施の形態の調湿装置10は、図1に示されるように、ファン34,35の近傍に配置された外気取入口51及び内気取入口53から室内や室外の空気をケーシング11内に取り入れ、ファン34,35から離れて配置された排気吹出口52及び給気吹出口54から空気を吹き出すように構成された、空気押し込みタイプの調湿装置であったが、本発明は、例えば図16に示されるように、ファン34,35から離れて配置された外気取入口51及び内気取入口53から室内や室外の空気をケーシング11内に取り入れ、ファン34,35の近傍に配置された排気吹出口52及び給気吹出口54から空気を吹き出すように構成された、空気吸込タイプの調湿装置(加湿装置)10にも採用することができる。

    10 調湿装置(加湿装置)
    12 冷媒回路13 空気流制御機構15 電装品ユニット26 四路切換弁(切換機構)
    27 圧縮機28 電動膨張弁(膨張機構)
    31 第1熱交換器(吸着熱交換器)
    32 第2熱交換器(吸着熱交換器)
    34 第1ファン35 第2ファン90 コントローラ(運転制御手段)

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