ヒートポンプ、および自由冷却モードでの熱ポンプ方法

申请号 JP2015512047 申请日 2013-05-15 公开(公告)号 JP2015520351A 公开(公告)日 2015-07-16
申请人 エフィシエント・エネルギ・ゲーエムベーハー; 发明人 ゼドラク,ホルガー; クニッフラー,オリヴァー;
摘要 【課題】【解決手段】ヒートポンプは、蒸発器吸入口(10a)および蒸発器排出口(10b)を有する蒸発器(10)と、蒸発器(10)で蒸発された動作液を圧縮する圧縮機(32)と、圧縮機(32)で圧縮された蒸発動作液を凝縮する凝縮器(12)とを備え、凝縮器(12)は凝縮器吸入口(12a)および凝縮器排出口(12b)を備え、蒸発器吸入口(15b)が加熱対象領域(16)からの戻り(16b)に接続され、凝縮器吸入口(12a)が冷却対象領域からの戻り(14b)に接続される。【選択図】図1
权利要求

蒸発器吸入口(10a)および蒸発器排出口(10b)を有する蒸発器(10)と、 前記蒸発器(10)で蒸発された動作液を圧縮する圧縮機(32)と、 前記圧縮機(32)で圧縮された蒸発動作液を凝縮する凝縮器(12)と、 を備え、 前記凝縮器(12)は凝縮器吸入口(12a)および凝縮器排出口(12b)を有し、 前記蒸発器吸入口(10a)が加熱対象領域(16)からの戻り(16b)に接続され、前記凝縮器吸入口(12a)が冷却対象領域(14)からの戻り(14b)に接続される、 ヒートポンプ。請求項1に記載のヒートポンプにおいて、 前記蒸発器吸入口(10a)を前記加熱対象領域(16)からの前記戻り(16b)から切り離すとともに前記蒸発器吸入口(10a)に前記冷却対象領域(14)からの前記戻り(14b)を接続し、前記凝縮器吸入口(12a)を前記冷却対象領域からの前記戻り(14b)から切り離すとともに前記凝縮器吸入口(12a)に前記加熱対象領域(16)からの前記戻り(16b)を接続する切換手段(SW1、SW2、SW3、SW4)をさらに備えたヒートポンプ。請求項2に記載のヒートポンプにおいて、 入部が前記冷却対象領域(14)の前記戻り(17b)に結合された第1の切換スイッチ(SW1)と、 出力部が前記蒸発器吸入口(10a)に結合された第2の切換スイッチ(SW2)と、 出力部が前記凝縮器吸入口(12a)に結合された第3の切換スイッチ(SW3)と、 入力部が前記加熱対象領域(16)からの前記戻り(16b)に結合された第4の切換スイッチ(SW4)と、 をさらに備えたヒートポンプ。請求項3に記載のヒートポンプにおいて、 前記第1の切換スイッチ(SW1)の第1の出力部が前記第3の切換スイッチ(SW2)の第1の入力部に接続され、 前記第1の切換スイッチ(SW1)の第2の出力部が前記第2の切換スイッチ(SW2)の第1の入力部に結合され、 前記第3の切換スイッチ(SW3)の第2の出力部が前記第4の切換スイッチ(SW4)の第1の入力部に結合され、 前記第2の切換スイッチ(SW2)の第2の入力部が前記第4の切換スイッチ(SW4)の第2の出力部に結合された、 ヒートポンプ。請求項1から4のいずれか1項に記載のヒートポンプにおいて、 前記蒸発器排出口(10b)が前記冷却対象領域(14)への送り(16a)に接続され、 前記凝縮器排出口(12b)が前記加熱対象領域(16)への送り(16a)に接続された、 ヒートポンプ。請求項1から5のいずれか1項に記載のヒートポンプにおいて、 前記冷却対象領域(14)に割り当てられた第1の熱交換器(15)をさらに備え、 この第第1の熱交換器(15)は、前記冷却対象領域からの前記戻りが前記熱交換器(15)の第1の端部(15a)に接続され、前記第1の熱交換器の第2の端部(15b)が前記蒸発器排出口(10b)に接続された ヒートポンプ。請求項1から6のいずれか1項に記載のヒートポンプにおいて、 前記加熱対象領域(16)に割り当てられた第2の熱交換器(17)をさらに備え、 この第2の熱交換器(17)の第1の端部(17b)が前記加熱対象領域からの前記戻り(16b)に接続され、前記第2の熱交換器(17)の前記第2の端部(17a)が前記凝縮器排出口(12b)に接続された ヒートポンプ。請求項1から7のいずれか1項に記載のヒートポンプにおいて、 前記ヒートポンプを自由冷却モードから通常動作モードに再構成する制御部(20)をさらに備え、 この制御部(20)は、前記加熱対象領域からの前記戻りおよび前記冷却対象領域からの前記戻りに分散を与えるように実装された、 ヒートポンプ。請求項8および請求項2に記載のヒートポンプにおいて、 前記制御部が、前記切換手段(SW1、SW2、SW3、SW4)を動作させるように実装された、 ヒートポンプ。請求項1から9のいずれか1項に記載のヒートポンプにおいて、 前記加熱対象領域(16)の周囲温度を与える手段を備え、 制御部(20)は、前記加熱対象領域の前記周囲温度に応じて、前記ヒートポンプを自由冷却モードから通常動作モードに、または前記通常動作モードから前記自由冷却モードに再構成するように実装された、 ヒートポンプ。請求項10に記載のヒートポンプにおいて、 前記制御部(20)は、前記加熱対象領域における20℃以下の温度では前記ヒートポンプを前記自由冷却モードに構成し、15℃以上の周囲温度では前記通常動作モードに前記ヒートポンプを構成するように実装された、 ヒートポンプ。請求項1から11のいずれか1項に記載のヒートポンプにおいて、 前記加熱対象領域(16)からの前記戻り(16b)が、前記蒸発器吸入口(10a)に液体気密および圧力気密に接続された配管を備え、 前記冷却対象領域(14)からの前記戻り(14b)が、前記凝縮器吸入口(12a)に液体気密および圧力気密に接続された配管を備えた、ヒートポンプ。請求項1から12のいずれか1項に記載のヒートポンプにおいて、 複数の相互に接続されたヒートポンプユニット(41、42)を備え、 各ヒートポンプユニットが蒸発器(31)、圧縮機(32)および凝縮器(33)を備えた、 ヒートポンプ。請求項1から13のいずれか1項に記載のヒートポンプにおいて、 前記動作液がであり、この水が25℃未満の温度で蒸発するように前記蒸発器(31、10)が負の圧力を有するように実装された、 ヒートポンプ。蒸発器吸入口(10a)および蒸発器排出口(10b)を有する蒸発器(10)と、この蒸発器(10)で蒸発された動作液を圧縮する圧縮機(32)と、この圧縮機(32)で圧縮された蒸発動作液を凝縮する凝縮器(12)とを備え、前記凝縮器(12)が凝縮器吸入口(12a)および凝縮器排出口(12b)を備えたヒートポンプによって、熱をポンピングする方法において、 加熱対象領域(16)からの戻り(16b)から前記蒸発器吸入口(15b)に動作液を導入し、 冷却対象領域(14)からの戻り(16b)から前記凝縮器吸入口(12a)に動作液を導入する 熱ポンプ方法。請求項15に記載の方法において、、 前記蒸発器吸入口(10a)を前記加熱対象領域(16)からの前記戻り(16b)から切り離し、 前記蒸発器吸入口(10a)に前記冷却対象領域(14)からの前記戻り(14b)を接続し、 前記凝縮器吸入口(12a)を前記冷却対象領域の前記戻り(14b)から切り離し、 前記凝縮器吸入口(12a)に前記加熱対象領域(16)からの前記戻り(16b)を接続する 熱ポンプ方法。蒸発器吸入口(10a)および蒸発器排出口(10b)を有する蒸発器(10)と、この蒸発器(10)で蒸発された動作液を圧縮する圧縮機(32)と、この圧縮機(32)で圧縮された蒸発動作液を凝縮する凝縮器吸入口(12a)および凝縮器排出口(12b)を有する凝縮器(12)とを供給し、 前記蒸発器吸入口(10a)を加熱対象領域(16)からの戻り(16b)に接続し、 前記凝縮器吸入口(12a)を冷却対象領域(14)からの戻り(14b)に接続する ヒートポンプの製造方法。加熱対象領域(16)からの戻り(16b)を有する加熱対象領域(16)と、 冷却対象領域(14)からの戻り(14b)を有する冷却対象領域(14)と、 請求項1から14のいずれか1項に記載のヒートポンプと、 を備えたヒートポンプシステム。

说明书全文

本発明は、ヒートポンプ利用に関し、特に、効率的な自由冷却モードに適したヒートポンプに関する。

ヒートポンプの標準的な使用分野は、冷却対象領域を冷却し、および/または加熱対象領域を加熱することである。通常、蒸発器、圧縮機および凝縮器からなるヒートポンプは、その目的のため、図5のヒートポンプ100によって例示されるように、一方に蒸発器側、他方に凝縮器側を備える。ヒートポンプは、蒸発器側で熱交換器102に結合され、凝縮器側で熱交換器104に結合される。この目的のため、ヒートポンプ100は、特に、蒸発器吸入口101aと蒸発器排出口101bとを備える。そして、ヒートポンプ100は、凝縮器吸入口103aと凝縮器排出口103bとを備える。蒸発器側の動作液は、蒸発器吸入口101aを介してヒートポンプ100の蒸発器に導入され、そこで冷却され、冷たい動作液として蒸発器排出口101bから排出される。同時に、図5に示すように、(温度tの)熱せられた動作液が熱交換器に供給され、熱交換器で冷却され、そして、冷却対象領域に伝達されるように、蒸発器吸入口101aと蒸発器排出口101bとが熱交換器102に結合される。標準的な温度比が図5に示され、1℃の「熱交換損失」が想定される。特に、tは、例えば冷却対象領域における設定温度である。

熱交換器102または104は、ヒートポンプに向けられた一次側と、ヒートポンプの逆、すなわち、冷却対象領域または加熱対象領域を向く二次側とを有する。熱交換器102の一次側は、温端部101aと冷端部101bとを含む。ここで「温」および「冷」は字義通りの意味であり、媒体は、端部101bよりも端部101aにおいて温かい。したがって、熱交換器104の一次側の温端部は端部103bとなり、冷端部は端部103aとなる。図5において、熱交換器102または104の二次側では、温端部はいずれの場合も上側の端部であり、冷端部はいずれの場合も下側の端部である。

ヒートポンプ100の凝縮器側では、凝縮器排出口103bが熱交換器104の「温」端子に接続され、凝縮器吸入口が熱交換器104の冷側端に接続される。そして、熱交換器104の他方側でヒートポンプ100から離れる側では、熱交換器104が加熱対象領域に接続され、その設定温度がTとなっている。

ヒートポンプが冷却ユニットとして使用される場合、冷却対象領域が「有効側」となる。冷却対象領域は、例えば、コンピュータ室または空冷若しくは空調される部屋のような室内となる。そして、加熱対象領域は、例えば、建物の外壁、屋上、または排熱が導入される他の領域となる。一方で、ヒートポンプ100が加熱用として使用される場合、加熱対象領域が「有効側」となり、冷却対象領域は、例えば、土壌、地下などとなる。

図5に示すようなヒートポンプの利用において、それが例えば屋外にあり、加熱対象領域の周囲温度が大きく変動する場合に、その構成が考慮されないことは問題である。冬には温度が−20℃ともなり、夏には30℃を超える。例えば、コンピュータ室が空調されるような利用が想定される場合、周囲温度が、例えば、冷却対象領域における設定温度の範囲内またはそれ以下である場合については、もはやコンピュータ室を全く空調しなくても、単に「窓を開ける」ことで十分である。しかし、これには問題がある。なぜなら、コンピュータ室が窓を有しているとは限らず、また、上述の冷却が想定される際に、窓からさらに離れ、または特定のラックの背後にあるので十分に冷却されないであろう高温区域がある場合には、特に冷えた区域が窓付近となるであろうことのために、部屋が一定の温度となっているかを確認するのが比較的難しいからである。一方、図5に示すようなヒートポンプの構成では、周囲温度が大きく変動し、特に、しばしば冷却が通常は必要とはならない範囲内となるという事実のため、有効に利用できないことになるという問題がある。この理由のため、図5に示す構成は、最悪ケースの状況に対して、すなわち、非常に暑い夏の日に対しては実用的であるが、そのような暑い夏の日は、少なくともドイツでは概して非常に稀であり、一年のうちのほとんどの部分の時間は、要求される最悪ケースの状況よりも、必要冷却能がはるかに低くなるような温度となる。

EP 2016349 B1

本発明の課題は、より効率的なヒートポンプの概念を提供することである。

この課題は、請求項1に記載のヒートポンプ、請求項15に記載の熱ポンプ方法(熱をポンピングする方法)、または請求項17に記載のヒートポンプの製造方法によって解決される。

本発明は、周囲温度が最大温度よりもはるかに低い範囲にあり、標準的な構成ではヒートポンプが動作しないが、加熱対象領域からの戻りが蒸発器吸入口に接続され、冷却対象領域からの戻りが凝縮器吸入口に接続される構成であれば動作するような場合がしばしばあるという事実が有効に考慮されたことに基づいている。このいわば自由冷却モードでは、加熱対象領域からの戻り温度が、既に蒸発器が通常に「供給」される温度の範囲内にあることが利用される。そして、冷却対象領域からの戻りは、既にヒートポンプの凝縮器が「供給」されることができるような温度の範囲内にあることが利用される。これは、ヒートポンプが蒸発器排出口と凝縮器排出口の間に与えなければならない温度差が、通常モードに比べて急速に減少する、という作用を有する。ヒートポンプによって与えられる温度差は、消費駆動能力に二乗的に影響するので、これによって、特に圧縮機について、図5に示すような標準的構成で得ることができないヒートポンプの大幅な効率増大がもたらされる。

したがって、本発明によると、冷却対象領域からの戻りに蒸発器吸入口が接続され、加熱対象領域からの戻りに凝縮器吸入口が接続される標準的な構成との差として、水の循環が、加熱対象領域の戻りから蒸発器を介して冷却対象領域に流れ、そこから戻ってきて加熱対象領域に凝縮器を介して流れるような代替の構成が用いられる。

本発明の好適な実施形態は、制御指令に応じて、ヒートポンプを、自由冷却モード、または通常動作モード、すなわち通常の構成の動作モードで動作させる切換手段を備える。好ましくは、切換は、周囲温度が高すぎて自由冷却モードでのヒートポンプの冷却能力がもはや十分でない場合、すなわち、加熱対象領域からの戻りが高温すぎて蒸発器がこれによってもはや「給送」されない場合、または通常のヒートポンプによって与えられるような冷却対象領域の熱交換器に対する冷却もしくは冷却対象領域への供給をもはや与えることができない場合に行われる。切換はまた、手動で、時間制御により、またはこれらのの組み合せによって行われる。

本発明の実施形態では、切換手段のための制御が、例えば、加熱対象領域における温度センサによって行われる。さらなる実施形態では、切換手段は、二つの領域、すなわち冷却対象領域および加熱対象領域の戻りラインを再構成する4つの切換スイッチとして実装される。

本発明の好適な実施形態を、添付図面を参照して以下に説明する。

図1は、自由冷却モードに適した構成におけるヒートポンプシステムのブロック図である。

図2は、切換手段を有するヒートポンプシステムの実施形態のブロック図である。

図3は、図1または図2のヒートポンプの内部構造の説明図である。

図4aは、自由冷却モードにおける電力消費の模式説明図である。

図4bは、自由冷却領域に関する「フランクフルト表」の模式説明図である。

図5は、二つの熱交換器の間のヒートポンプシステムの構成を示す。

図6は、通常動作モードにおける図2のヒートポンプの構成を示す。

図7は、図1または図2のヒートポンプの例示的実施のための二つのヒートポンプ段の並列接続を示す。

図1は、ヒートポンプと加熱対象領域および冷却対象領域とを有し、特に、これら領域への送りラインおよびこれら領域からの戻りラインを有するヒートポンプシステムを示す。ヒートポンプは、蒸発器吸入口10aと蒸発器排出口10bとを有する蒸発器10を備える。また、ヒートポンプは、凝縮器吸入口12aと凝縮器排出口12bとを有する凝縮器12を備える。また、ヒートポンプは、蒸発器で蒸発された動作液を圧縮するための圧縮機を標準的に備え、凝縮器12は、圧縮機で圧縮された蒸発動作液を圧縮するように実装される。圧縮機は、通常は高速回転するラジアルホイールを有するターボ圧縮機として実装され、必要な圧縮能力を管理することが好ましい。例示のヒートポンプは、参照によりここに取り込まれる特許文献1に記載されている。

そして、図1におけるヒートポンプ構成は、送りラインと戻りラインとを備える。特に、冷却対象領域14への送りラインは14aで示され、冷却対象領域14からの戻りラインは14bで示される。また、加熱対象領域16がヒートポンプに割り当てられ、これも送りライン16aと戻りライン16bとを備える。そして、発明の一実施形態では、冷却対象領域14には熱交換器15が割り当てられ、加熱対象領域には熱交換器17が割り当てられる。両熱交換器15および17の各々は、ヒートポンプに向けられた一次側と、ヒートポンプと逆を向く二次側、すなわち、熱交換器15の場合には冷却対象領域に向き、熱交換器17の場合には加熱対象領域に向く二次側とを有する。熱交換器15の一次側は、戻り14bに結合された温端部15aを有するとともに、送り14aに結合された冷端部15bを有する。二次側において、熱交換器は、温端部15cと冷端部15dとをさらに有する。

したがって、加熱対象領域に割り当てられた熱交換器17も、送り16aに接続された温端部17aと戻り16bに接続された冷端部17bとを有する。二次側でも、熱交換器17は、温端部17cと冷端部17dとを有する。なお、熱交換器は、絶対に必要となるわけではない。代わりに、動作液が加熱対象領域または冷却対象領域に直接誘導されることもできるが、ここでは、常に、加熱対象領域もしくは冷却対象領域へ、またはそこからの送りおよび戻りが存在することになる。なお、文言「温」および「冷」は字義通りの意味であり、温端部の液体は冷端部よりも高温である。したがって、熱交換器15の一次側の温端部は端部15aであり、冷端部は端部15bである。

図1はさらに、それぞれの端部での種々の温度仕様を示す。これにより、図1に示す実施形態では、大気の温度が例えば13℃であるときに、熱交換器17またはその二次側の温度として、例えば23℃および17℃が得られる。ここで、熱交換器17の端部17cおよび17dを有する二次側回路は、例えば13℃の周囲の空気をラジエータを介して送風するファンに接続されていてもよく、これにより液体は23℃から17℃に冷却される。これは、熱交換器17の一次側では、送りの温度は24℃であり、戻りの温度は18℃であることを意味する。温度18℃は既に蒸発器が通常に「供給」される範囲内であるので、本発明によると、熱交換器17の戻りまたは加熱対象領域からの戻りは、蒸発器吸入口に供給される。蒸発器は、蒸発器排出口において3℃だけ冷却されることにより温度15℃となり、これは、冷却対象領域における各設定温度、例えば22℃とするのに適している。この温度は、冷却対象領域に割り当てられる熱交換器15の二次側の温端部で得られ、冷却手段が16℃から20℃に加熱されるほどのエネルギーを冷却対象物が媒体に対して出力した状況を反映する。これは、熱交換器によって、冷却対象領域の熱交換器の温端部が温度21℃となることを意味する。戻りが蒸発器に結合される標準的な構成とは異なり、ここでは、戻りは凝縮器吸入口12aに結合され、冷却手段として好適に使用される水が凝縮器においてヒートポンプ動作によって24℃に加熱され、そして、このエネルギーが、加熱対象領域または熱交換器17を介して出力される。蒸発器排出口10bと凝縮器排出口12bの間にある温度差は、ここでは9℃に過ぎないということは明確である。これは、図6に示され、例えば31℃である通常動作と比べて小さい温度差である。本発明によると、ヒートポンプに対して小さい温度差が得られるような特定の構成によって、より低い周囲温度が用いられる。温度差は、流量とは異なり、ヒートポンプの電力消費に二乗的に影響するので(流量は線形的にしか影響しない)、ヒートポンプによって与えられる温度差の減少によって大幅な電力節約が得られ、それゆえ効率が増加する。

また、熱交換器17の端部において、さらに多くの温度が実現される。例えば、10℃の周囲温度には、17dで示される熱交換器の二次側の冷端部の温度が14℃となるとともに温端部の温度が20℃となるという作用がある。これは、熱交換器17の一次側の温度が15℃であることを意味する。蒸発器吸入口10aに供給されるこの温度は、蒸発器排出口における設定温度と厳密に同じであり、当該例における10℃の周囲温度に対応する蒸発器吸入口順方向における温度が15℃であることから、ヒートポンプは動作から除外されることができるが、蒸発器および凝縮器によって循環は容易に維持できるようになっている。単に圧縮機がオフされるので、ヒートポンプの電力消費はほぼゼロとなる。同時に、一方で、冷却対象領域からの排熱は、加熱対象領域に効率的に確実に伝達される。この状況が図4aに例示される。10℃の周囲温度、すなわち加熱対象領域の周囲温度での電力消費は、ほぼ0%となると推定され、そして、約16℃の周囲温度での電力消費は、従来構成と比べて100%まで増加する。これに対して、通常のヒートポンプは常に、すなわち任意の温度において、消費電力が100%となる。なお、図4aにおける説明では、より低い周囲温度において、通常のヒートポンプでも圧縮機の回転速度を低減することができることを、既に考慮している。圧縮機の回転速度を低減できるのは、排熱の全体量をより容易に管理でき、流量が減少するからである。温度差とは異なり、流量は電力消費に線形的に影響する。したがって、図4aにおける0%の線と100%の線の間の10℃と16℃の差は、図1に示した発明の構成の効率増加を示す。

図4bは、「フランクフルト表」としても知られる温度の確率分布を摂氏で示し、年間を通じた中央ドイツにおける具体的温度の確率を示す。明らかに確率分布のピークは完全に自由冷却範囲内またはそれ付近にあることが分かる。図4aに示す構成では、自由冷却範囲は周囲温度16℃で始まり、この温度は既に図4bの確率分布の最大点の右側にある。これは、図1に示す構成から統計的にみて、温度が低くなるほど良くなる通常の構成と比べて、1年のうちの半分以上の時間において効率の増加が得られることを意味する。

16℃以上の周囲温度では、図4aの例に示す構成は、その設定要件が故に、冷却対象領域における冷却を得るにはもはや十分でなくなる。したがって、本発明の好適な実施形態では、ヒートポンプの構成は切換的に実現される。このために、蒸発器吸入口10aを加熱対象領域からの戻り16bから切り離し、蒸発器吸入口10aに冷却対象領域からの戻り14bを結合するように実装された切換手段が設けられる。図2に示す実施形態では、この機能が二つのスイッチSW1およびSW2によって得られる。また、凝縮器吸入口12aを冷却対象領域からの戻り14bから切り離し、凝縮器吸入口12aに加熱対象領域からの戻り16bを結合するように実装された切換手段が設けられる。この機能は、図2に示す実施形態では、二つの切換スイッチSW3およびSW4によって得られる。

切換スイッチSW1、SW2、SW3およびSW4の切換位置を、二つの変動、すなわち、図1に示す自由冷却モードと、図6に示す通常動作モードと、で示す。通常モードにおいては、スイッチSW1は位置2にあり、スイッチSW2は位置1にあり、スイッチSW3は位置1にあり、スイッチSW4は位置1にある。これに対して、自由冷却モードにおいては、スイッチSW1は位置1にあり、スイッチSW2は位置2にあり、スイッチSW3は位置1にあり、スイッチSW4は位置2にある。液体の循環に関して、自由冷却モードは図1に示す通りであり、通常動作モードは図6に示す通りである。これは、図6に示す実施形態では、想定される現実的な夏の35℃の周囲温度に基づいて、加熱対象領域に対する熱交換器の二次側の冷端部17dにおける液体の温度は39℃であり、熱交換器の作用によって45℃まで加熱されることを意味する。これは、熱交換器17の一次側では、送りの温度が46℃であり、戻りの温度が40℃であることを意味する。一方、蒸発器側では、図2に示す実施形態におけるように、熱交換器15の二次側は図2または図1の場合と同じ設定温度を有し、一次側も同じ設定温度を有する。しかし、これは、蒸発器10および凝縮器12を有するヒートポンプが通常動作モードにおける大きな温度差、すなわち、周囲温度の想定温度が例えば最大35℃である場合には、31℃を克服しなければならないことを意味する。

本発明の好適な実施形態では、図2に示すように、制御部20により、加熱対象領域における温度、すなわち、例えば建造物の屋上または壁面における周囲温度に応じて、再構成が実行される。本発明の好適な実施形態において、周囲温度が18℃以下である場合、特に、16℃以下である場合、制御部は、図1の自由冷却モードが作動されるようにスイッチSW1、SW2、SW3およびSW4を制御し、温度がそれより高い場合には、通常モードに制御する。したがって、ある場合には通常モードを16℃の周囲温度から作動させ、またある場合には、例えば18℃の周囲温度から作動させることもできる。正確な切換温度は、特に、システムの実装、および熱交換器の実装または熱交換器が全て使用されるかどうかによる。また、周囲温度から熱交換器17の二次側への、または熱交換器が使用されない場合には送り16aおよび戻り16bへの、熱伝達がどの程度強く行われるかも重要である。

切換はまた、手動で、または時間制御により、あるいはこれらを組み合せて行うことができる。手動操作の切換は、例えば何らかの種類の表示によって、再構成の指示を受けたプラントのオペレータによって行われることができる。あるいは、切換は、例えば、プラントが冬には自由冷却モードで、夏には通常動作モードで、春および秋における日中は通常動作モードで、夜間には自由冷却モードで動作されるような、時間制御により行われることもできる。あるいは、時間的条件と温度条件とを組み合わせて自動で制御し、またはヒートポンプシステムの構成に対する最適な指示をオペレータに与えるようにすることもできる。

以降において、図2の個々の切換スイッチをより詳細に説明する。切換スイッチSW1は、第1の熱交換器15の一次側の温端部に接続された入力部を備える。また、切換スイッチSW1は二つの出力部を含み、第1の出力部は切換スイッチSW3の第1の入力部に接続され、第2の出力部は切換スイッチSW2の第1の入力部に接続される。切換スイッチSW1は、入力部が第1の出力部または第2の出力部のいずれかに接続されるように制御部20によって制御されることができる。

切換スイッチSW2は、蒸発器吸入口10aに接続される単一の出力部を含む。そして、切換スイッチSW2は二つの入力部を含み、第1の入力部は切換スイッチSW1の第2の出力部に接続され、第2の入力部は切換スイッチSW4の第2の出力部に接続される。ここでも、制御部20は、出力部が第1の入力部または第2の入力部のいずれかに接続されるように、例えば電気的または機械的に、または他の何らかのやり方で、切換スイッチSW2を制御することができる。

切換スイッチSW3も、二つの入力部と一つの出力部を備える。切換スイッチSW3の出力部は、凝縮器吸入口12aに接続される。第1の入力部は切換スイッチSW1の第1の出力部に接続され、第2の入力部は切換スイッチSW4の第1の出力部に接続される。ここでも、制御部20は、第1の入力部または第2の入力部のいずれかがスイッチの出力部に、それゆえ凝縮器吸入口12aに接続されるように、例えば電気的に、または他の何らかのやり方で、切換スイッチSW3を作動させるように実装される。

切換スイッチSW4は、熱交換器16の冷端部17bと、特にその一次側に接続される単一の入力部とを備え、切換スイッチSW4の第1の出力部は切換スイッチSW3の第2の入力部に接続され、切換スイッチSW4の第2の出力部は切換スイッチSW2の第2の入力部に接続される。ここでも、制御部20は、入力部が第1の出力部または第2の出力部のいずれかに接続されるように、例えば電気的に、または他の何らかのやり方で、切換スイッチSW4を作動させるように実装される。特に、圧密および液密に接続を形成または結合することが好ましく、それぞれの液体切換スイッチは当業者には知られており、通常は外部に向かう3本の配管端部を有し、それによって切換スイッチが、配管、好ましくはプラスチック配管を介して他のそれぞれの端部に圧密かつ液密に結合されることができる。

図3は、ヒートポンプ段、特に、ヒートポンプユニットの構造の1以上がヒートポンプ段に存在し得る実施例を示す。ヒートポンプユニットは、蒸発器31、圧縮機32および凝縮器33からなる。蒸発器31は、蒸発される(「温」)動作媒体を導入するための蒸発器吸入口を含み、さらに(「冷」)蒸発媒体を排出するための蒸発器排出口を含む。したがって、凝縮器33は、「冷」動作媒体を導入するための、および「温」動作媒体を排出するための凝縮器吸入口を含み、蒸発器31および33における媒体は液体である。そして、ヒートポンプ処理によって、蒸発器31からの「冷」蒸気が圧縮機32によって圧縮されて加熱されてから「温」蒸気が凝縮器33に給送されるので、「温」蒸気は凝縮されるとともに、凝縮器排出口を介して排出される凝縮器33内の液体は圧縮処理による「温」蒸気によって加熱される。ヒートポンプ段が単に図3に示す一つのヒートポンプユニットを備える場合、図1および2に示す吸入口および排出口は図3の吸入口および排出口に対応する。したがって、各ヒートポンプ段は、図7に示す二つのヒートポンプユニット41および42のような個々のヒートポンプユニットの相互接続を備えることもできる。蒸発器または凝縮器についての流入量または蒸発器および凝縮器についての流出量の設計に関して、図1におけるヒートポンプが図7の二つのヒートポンプユニット41および42の並列接続からなることが前提となっている。

具体的な要素を装置の要素として説明したが、その説明は同様に方法のステップの説明およびその逆として理解されるべきことを注記しておく。したがって、図1〜3、5、6および7に示したブロック図は、対応の発明の方法のフロー図も表している。

状況に応じて、情報信号を解析する発明の方法は、ハードウェアで、またはソフトウェアで実施されることができる。その実施は、例えば、その方法が実行されるようにプログラマブルコンピュータシステムと協働することができる電子的に可読な制御信号を有する不揮発性メモリ媒体、デジタルもしくは他のメモリ媒体、特にディスクまたはCDにおいてなされる。したがって、発明は、そのコンピュータプログラム製品がコンピュータ上で稼働したときにその方法を実行するための機械可読キャリア上に記憶されたプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品から構成されることも一般的である。言い換えると、発明は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で稼働したときにその方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムとして実現されることもできる。

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