Rotary steam engine

申请号 JP2005229152 申请日 2005-08-08 公开(公告)号 JP4735116B2 公开(公告)日 2011-07-27
申请人 いすゞ自動車株式会社; 发明人 康 山本;
摘要
权利要求
  • 液体を封入した密閉容器(2)を設置して、その密閉容器(2)の下方には、液体の蒸気を発生する蒸気発生部(4)を前記密閉容器(2)と連通させて配置するとともに、前記密閉容器(2)の上方には液体の蒸気を凝縮するコンデンサ(3)を前記密閉容器(2)と連通させて配置し、
    前記密閉容器(2)の内部には、 仕切壁(13)により分割される複数の容積室(11)を形成したロータ(1)を設け、
    前記仕切壁(13)は、根元部分から前記ロータ(1)の径方向に対しロータ回転方向の後ろ向きに傾斜するよう形成されており、
    前記ロータ(1)を液体中に浸漬して前記密閉容器(2)に回転可能に支持し、
    前記蒸気発生部(4)を加熱して発生させた液体の蒸気を、 前記ロータ(1)の接線方向に設定した流出路(42)から前記ロータ回転方向に向けて噴出して、前記容積室(11)に供給し、
    前記ロータ(1)に、蒸気の噴出による衝動作用及び反動作用によって回転力を付与するとともに、前記ロータ(1)の一方側に浮力を作用させて、前記ロータ(1)を回転させることを特徴とする蒸気エンジン。
  • 前記コンデンサ(3)には真空ポンプ(34)が接続されており、前記密閉容器(2)及び前記コンデンサ(3)内の圧力が液体の飽和蒸気圧とされている 請求項1に記載の蒸気エンジン。
  • 说明书全文

    本発明は、熱エネルギを回転エネルギ等の機械的エネルギに変換するための蒸気エンジン、殊に、比較的低温の熱源から効率的に機械的エネルギを発生させる、簡易な構成を備えた蒸気エンジンに関するものである。

    環境対策あるいは省資源、省エネルギの観点から、近年、多様なエネルギ資源の利用技術の開発が進んでおり、その中には、太陽熱等自然界に存在する熱エネルギから機械的エネルギを取り出す技術がある。 また、ディーゼル機関等の内燃機関の排気ガスや冷却中に廃棄される排熱を利用して動を発生させ、その動力を回収することにより内燃機関の熱効率を向上させる技術も開発されている。

    熱エネルギを回転エネルギ等の機械的エネルギに変換するには熱機関(エンジン)が使用される。 石油、天然ガス等、通常の燃料を用いる内燃機関あるいは蒸気タービンなどの熱機関は、燃料の燃焼により高温高圧の作動流体を発生させて熱エネルギを機械的エネルギに変換するものであリ、高温状態の熱源から機械的エネルギを取り出すので熱効率が高い。 ところが、自然界の熱エネルギや内燃機関の排熱などは一般的にそれほど高温ではない、つまり低温状態の熱エネルギであって、このような熱源から機械的エネルギを効率的に取り出すには、低温状態の熱源に適した熱機関が必要となる。

    低温状態の熱源から機械的エネルギを発生させる熱機関として、特開2001−20706号公報に示されるエンジンがある。 このエンジンは、図3に示されるように、蒸気発生部101と冷却部102とを備え、それらの間はノズル103で連結される。 冷却部102のノズル103と対向する位置にはタービン106が配置してあり、タービン106はマグネット107と一体となって回転する。 マグネット107の内側には、静止した発電コイル110が対向するように配置され、マグネット107と発電コイル110は発電装置を構成する。 蒸気発生部101と冷却部102とはそれぞれ密閉され、その内部には作動流体である水104が封入されるとともに、内部の空気等は真空ポンプにより排気されている。 また、冷却部102の上方には放熱のための多数のヒートパイプ105が取り付けられている。

    蒸気発生部101と冷却部102とは全体としてヒートパイプをなしており、蒸気発生部101で下方から加熱され水蒸気となった水104は、高速流となりノズル103からタービン106のブレードに噴出する。 これにより、タービン106及びマグネット107が回転して回転エネルギが生じ、回転エネルギはマグネット107と発電コイル110により最終的には電気エネルギの形に変換されて外部に出力される。 タービン106を駆動した後の蒸気は、ヒートパイプ105の放熱作用に伴い冷却されて水に戻る。 この復水は重力によって冷却部102の下方に落下し、中央部から蒸気発生部101に還流される。

    密封容器内に封入された液体の蒸発と凝縮とを利用するヒートパイプは、一般的には熱の輸送手段つまり熱伝達装置として用いられるものである。 しかし、ヒートパイプ内に封入された液体の蒸気は大きな速度エネルギを伴って移動するから、上記のとおりこれから動力を取り出すことが可能であって、この場合には、低温状態の熱源から機械的エネルギを取り出すことができるようになる。

    特開2001−20706号公報

    特許文献1に示されるタービンは、作動流体の速度エネルギを利用するいわゆる速度型機関であるが、タービンを効率的に作動させるには、タービンの回転数を上昇させその周速を蒸気の速度に匹敵するような値まで増大させる必要がある。 タービンを小型化し直径を小さくしたときは、タービン回転数は非常に高回転となり、タービンには大きな遠心力が作用して破損の虞れが生じるとともに、高速回転の機関により負荷を駆動するには、通常、減速機を設置して回転数を低下させることが不可欠となる。 発電機を利用して電気エネルギの形で動力を取り出す場合でも、高速の発電機は制御装置などが複雑で高価なものである。 さらに、加熱部の温度が低く蒸気が低温であるときは、蒸気の過熱度が低いので冷却により水滴が生じやすい。 水滴が発生すると高速でタービンブレードに衝突し、タービンブレードには水滴の衝突による浸食、いわゆるエロージョンが起こる。

    また、密閉容器の中に熱機関を収容しこれを回転させるときは、回転軸はシール性を備えた軸受により支持しなければならない。 タービンのような高速回転を行う回転軸を支持するには精密な軸受が必要であって、シール性を確保しながら支持するには、その軸受部に複雑高価なものを採用することとなり、保守管理のコストも増大する。
    本発明の課題は、高温の熱源に限らず、内燃機関の排熱等低温状態の各種の熱源から機械的エネルギを得ることが可能な熱機関を提供し、しかも、従来の熱機関における上述の問題点を解決することにある。

    上記の課題に鑑み、本発明の蒸気エンジンは、液体を充満させた密閉容器内に複数の容積室を設けたロータを配置し、その容積室に作用する浮力を利用してロータを回転させることにより、簡易な構造で低回転であっても効率的に動力を取り出すものである。 すなわち、本発明は、
    「液体を封入した密閉容器を設置して、その密閉容器の下方には、液体の蒸気を発生する蒸気発生部を前記密閉容器と連通させて配置するとともに、前記密閉容器の上方には液体の蒸気を凝縮するコンデンサを前記密閉容器と連通させて配置し、
    前記密閉容器の内部には、 仕切壁により分割される複数の容積室を形成したロータを設け、
    前記仕切壁は、根元部分から前記ロータの径方向に対しロータ回転方向の後ろ向きに傾斜するよう形成されており、
    前記ロータを液体中に浸漬して前記密閉容器に回転可能に支持し、
    前記蒸気発生部を加熱して発生させた液体の蒸気を、 前記ロータの接線方向に設定した流出路から前記ロータ回転方向に向けて噴出して、前記容積室に供給し、
    前記ロータに、蒸気の噴出による衝動作用及び反動作用によって回転力を付与するとともに、前記ロータの一方側に浮力を作用させて、前記ロータを回転させる」
    ことを特徴とする蒸気エンジンとなっている。

    また、 請求項2に記載のように、前記コンデンサに真空ポンプを接続して、前記密閉容器及び前記コンデンサ内の圧力を液体の飽和蒸気圧とすることが好ましい。

    本発明の蒸気エンジンでは、液体を封入した密閉容器内に、複数の容積室を形成したロータを液体中に浸漬させて設置し、このロータの一方側の容積室に蒸気発生部で発生させた蒸気を供給する。 蒸気は容積室内の液体を押しのけて一方側の容積室に充満し、その蒸気は液体に比べはるかに比重量が小さいから、ロータの一方側には密度差による浮力が作用してロータに回転トルクが働く。 容積室はロータに連続的に複数個設けられているので、ロータは連続的に回転し、これにより、動力を取り出すことができる。 ロータに作用する浮力の大きさはロータの回転速度には無関係であるため、ロータが低速で回転する際にも一定のトルクが得られる。 したがって、このエンジンは、蒸気の速度エネルギを回転エネルギに変換するタービンとは異なり、低速でも効率よく作動させることが可能である。
    ロータの容積室内の蒸気は、ロータの回転に伴って密閉容器内の液体中に排出され、密閉容器の上部に配置されたコンデンサ内に送られる。 蒸気はここで冷却され凝縮して液体となり、密閉容器内に還流する。

    この蒸気エンジンのロータは、外周に複数の容積室を形成しただけの構造であり、相対的に動く可動部材やシール部材等を設ける必要がない。 つまり、構造が単純で簡易なものであるから、耐久性に優れ保守管理のコストを大幅に削減することができる。 そして、回転速度も低速であるため、タービンのように、回転軸を支持するベアリングに高回転用の精度の高いものを採用する必要はなく、また、水滴の衝突に起因するエロージョンは発生しない。

    さらに、この蒸気エンジンでは 、ロータに設けた複数の容積室の間に仕切壁を、根元部分からロータの径方向に対しロータ回転方向の後ろ向きに傾斜するよう形成し、蒸気発生部からロータの回転方向に向けて液体の蒸気を噴出して、容積室に蒸気を供給するよう構成しているので 、蒸気は、速度エネルギを持ちながら仕切壁に衝突し、容積室内の液体をロータの回転方向後方に向けて排出する。 ロータは蒸気の衝突に伴う衝動作用を受けるとともに、排出される液体からは反動作用を受け、これにより、ロータに作用する回転方向のトルクが助勢されることとなり、蒸気エンジンとしての出力及び効率をより向上させることができる。

    請求項2の発明のように、コンデンサに真空ポンプを接続してコンデンサ内から空気等のガスを排気し、密閉容器及びコンデンサ内の圧力を封入された液体の飽和蒸気圧としたときは、液体の沸点が低下して低温でも液体が蒸気状態となる。 その結果、加熱部の温度がそれほど高温ではない場合でも、液体は容易に蒸気となり、エンジンを効率的に作動させ回転エネルギを取り出すことが可能である。

    以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。 図1は、本発明の蒸気エンジンの断面図であって、(a)はロータの回転軸に直交する面を示し、(b)はロータの回転軸を含む面を示すものである。 図2には、作動時におけるロータの拡大断面図を示す。

    本発明の蒸気エンジンはロータ1を収容する密閉容器2を有し、その内部には、作動流体として水が封入されており、水は密閉容器2内にほぼ充満している。 図1(a)に示されるように、密閉容器2の断面は矩形をなしているが、ロータ1の外周に沿うような円形断面とすることもできる。 密閉容器2の上部には水蒸気を凝縮し復水とするコンデンサ3が設置してあり、密閉容器2とコンデンサとは、連結用短管及び継手により接続される。 密閉容器2の下部には、外部の熱源により加熱される蒸気発生部4が配置される。

    蒸気発生部4は、内部に蒸発空間を有するほぼ円筒形状のケーシングで構成され、その下部には水の流入路41を備え、上部には蒸気の流出路42を備えている。 この実施例では、蒸気発生部4が密閉容器2内に内蔵されているが、蒸気発生部4を密閉容器2と分離し、管路によって連結するよう構成することもできる。 また、コンデンサ3は水平断面が円形の蒸気溜め部31を備え、蒸気溜め部31の上部には、放熱により蒸気を冷却し凝縮するため、蒸気溜め部31と連通する多数の管体32が円形状に配置して取り付けられており、この管体32の上端は閉鎖されている。 さらに、コンデンサ3の蒸気溜め部31には、逆止弁33を介して真空ポンプ34が接続され、空気等のガスを排気しコンデンサ3及び密閉容器2の内部を飽和蒸気圧に保つ。

    密閉容器2には、多数の容積室11が設けられたロータ1が水中に浸漬して設置される。 容積室11は、ロータ1の周囲に窪みとして形成され、その両端は側壁12によって閉鎖されるとともに外方は密閉容器2内に開放されている。 多数の容積室11の間にはブレード状の仕切壁13が形成され、仕切壁13は、ロータ1の径方向に対しロータ回転方向の後ろ向きに傾斜するように、根元部分から直線状に延びており、したがって、ロータ1の断面は水車状をなしている。 場合によっては、仕切壁13を曲線形状とすることもできる。 ロータ1は、その両端が密閉容器2の側壁に軸受けして回転可能に支持される。

    ロータ1の一方の端部の近傍には、図1(b)に示されるように、複数個のマグネット5が埋め込まれて固定され、これはロータ1と一体に回転する。 マグネット5と対向する位置には、複数個の鉄心7及びこれを取り巻く発電用コイル6が置かれ、これらはマグネット5が置かれた端部側の密閉容器2の側壁に固定されている。 図示しないが、発電用コイル6には発電電力を取り出すための電線が接続され、マグネット5及び発電コイル6は、水の侵入を防止するケースに収められている。 この実施例は、回転エネルギを電気エネルギとして出力するものであるが、ロータ1に歯車を固着し、これと噛合う歯車を密閉容器2の側壁に回転可能に支持することにより、回転エネルギの形で動力を取り出すこともできる。

    次いで、本発明の蒸気エンジンの作動について説明する。
    水が封入された密閉容器2の下方に配置された蒸気発生部4では、流入路41から空間部に水が供給される。 空間部の下方は、例えば、内燃機関の排熱等の熱源によって加熱される加熱部となっており、供給された水はここで加熱され高圧の蒸気となる。 この高圧蒸気は蒸気発生部4の上方に設けられた流出路42からロータ1の接線方向に向けて噴出される。

    噴出された蒸気は、図2の破線の矢印に示されるように、流出路42の直上に存在するロータ1の容積室11に送り込まれ、その容積室内の水を押しのけ容積室11内に充満する。 このため、図2において中心軸の左側の容積室11には、蒸気と水の密度差に基づく浮力が作用し、ロータ1には時計方向の回転トルクが働いて、白抜き矢印で示す方向にロータ1が回転することとなる。 また、蒸気の噴出は、ロータ1の接線方向で回転方向に向けて行われるので、この蒸気は仕切壁13に衝動によるトルクを付与し、押しのけられた水は、図2の実線の矢印に示されるように、回転方向の後方に排出され、反動によるトルクをロータに付与する。 このように、蒸気の流出路42を接線方向に設定することにより、浮力に基づく回転トルクを助勢することができる。

    容積室11内の蒸気は、ロータ1の回転に伴って徐々に密閉容器2の水の中に放出され、仕切壁13が水平状態となると容積室11は再び水で満たされる。 このとき、仕切壁13を上向きに凸の曲線状とすると、長時間蒸気を容積室11内に留めることが可能となる。 水中に放出された蒸気は気泡となって密閉容器2内を上昇し、密閉容器2の上方の短管を経て、コンデンサ3の蒸気溜まり31に送られる。 蒸気はさらに冷却管32に入り、ここで冷却されて復水となり、復水は重力により下方に移動し、短管を経て密閉容器2内に還流する。 この蒸発、凝縮の過程は、ヒートパイプと類似したものである。
    コンデンサ3には空気等を排出する真空ポンプ34が接続され、これにより、コンデンサ3及び密閉容器2の内部の圧力は低下して飽和水蒸気圧に保持されている。 そのため、密閉容器2内の水の沸点は低下しており、加熱部の温度がそれほど高くない低温状態であっても、水が蒸発して水蒸気となリ、ロータ1を回転させる回転トルクを発生させることができる。

    ロータ1の回転エネルギは、ロータ1と一体に回転するマグネット5により鉄心7に発生する変動磁界と、 発電用コイル6との相互電磁作用によって、電気的エネルギとして外部に取り出される。 この出力取り出し方法によると、出力取り出し機構と密閉容器2との間にシール装置を配置する必要がない。 また、本発明のロータ1は、容積室11と仕切壁13とが形成されただけの単純な構成であって、相対的に移動する可動部材や複雑なシール装置を備えていない。 このため、エンジンを堅牢な構造とすることが容易であり、その結果、エンジンは耐久性の優れたものとなる。

    以上詳述したように、本発明の蒸気エンジンは、液体を充満させた密閉容器内に複数の容積室を設けたロータを配置し、その容積室に作用する浮力を利用してロータを回転させ、簡易な構造で加熱部に加えられた熱を回転エネルギに変換するものである。 上記の実施例では、内燃機関の排熱等低温状態の熱を回転エネルギに変換する場合について述べているけれども、本発明の蒸気エンジンにおいては、燃焼等による高温の熱源を使用して動力を取り出すことが可能であるのは言うまでもない。 また、作動流体となる液体としては、水に限らず例えばアンモニア、アルコール、フロン等の冷媒を用いることができるのは明らかである。

    本発明の蒸気エンジンの断面図である。

    本発明の蒸気エンジンの作動状態を示す図である。

    従来の蒸気エンジンの一例を示す図である。

    符号の説明

    1 ロータ 11 容積室 13 仕切壁 2 密閉容器 3 コンデンサ 32 冷却管 34 真空ポンプ 4 蒸気発生部 41 流入路 42 流出路 5 マグネット 6 発電用コイル

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