Apparatus and method for orthodontics on malocclusion modifications

申请号 JP2009552027 申请日 2008-03-05 公开(公告)号 JP2010519984A 公开(公告)日 2010-06-10
申请人 ダレントン ホールディングス ピーティーワイ リミテッド; 发明人 ダレンデリラー,エム.,アリ;
摘要 複数の歯と係合させるための本体(64)と、整復を必要とする歯(60,65,69)の表面に接着された磁石(61,66,70)に対して誘引的又は反撥的構成を採るように配置される少なくとも1つの磁気アタッチメント(63,68,72)とを具備してなる逐次的矯正装置である。 この本体は引 力 又は反撥力により整復を必要とする歯の移動を可能にする空間を画定している。
【選択図】 図3
权利要求
  • 複数の歯と係合させるための本体と、整復を必要とする歯の表面に接着された磁石に対して誘引的又は反撥的構成を採るように配置される少なくとも1つの磁気アタッチメントとを具備してなる逐次的矯正装置であって、前記本体は引力又は反撥力により整復を必要とする歯の移動を可能にする空間を画定している前記装置。
  • 前記本体が熱可塑性材料からなる請求項1記載の逐次的矯正装置。
  • 1又はそれ以上の一時的定着装置を更に備えた請求項1記載の逐次的矯正装置。
  • 1又はそれ以上の一時的定着装置と接続するための手段を更に備えた請求項1記載の逐次的矯正装置。
  • 前記本体が、少なくとも1つの磁気アタッチメントを位置決めするための空間を画定するものである請求項1記載の逐次的矯正装置。
  • 第1の磁気アタッチメントが、歯を被覆する歯肉を通って萌出することを要する未萌出歯の最も外側の表面に接着された磁石と誘引的構成を採るよう配置されている請求項1記載の逐次的矯正装置。
  • 前記の少なくとも1つの磁気アタッチメントが、整復を必要とする歯の表面に接着された磁石と誘引的構成を採るよう配置され磁気的に接続された一対の磁石を備え、この一対の磁石の内で整復を必要とする歯に最も近い磁石が着脱自在となっていて歯の移動のための更なる余地を形成するようになっている請求項1記載の逐次的矯正装置。
  • 前記の少なくとも1つの磁気アタッチメントの位置を調整するための手段を更に具備してなる請求項1記載の逐次的矯正装置。
  • 複数の歯と係合させるための本体と、逐次的矯正装置をその係合位置に保持させるため、歯の表面に接着された磁石と誘引的構成を採るように配置された少なくとも1つの磁気アタッチメントとを具備してなる逐次的矯正装置。
  • 歯科矯正学上不正咬合の修正のための方法であって:
    (a)請求項1記載の逐次的矯正装置を用意すること;
    (b)該矯正装置を複数の歯に嵌装し、該矯正装置の少なくとも1つの磁気アタッチメントが整復を必要とする歯の表面に接着された磁石に対して誘引的又は反撥的構成を採るように配置すること;
    (c)引力又は反撥力により整復を必要とする歯の移動のための十分な時間、状態を維持すること;
    を含む前記方法。
  • 说明书全文

    本発明は歯科矯正学上不正咬合、並びにその他の歯又は顎、顎関節およびそれに関連する問題、すなわち、それらの審美的および機能的問題の修正に関する。 特に、本発明は矯正学的および磁気的伝達装置の一部として磁石を使用することに関する。 本発明は位置異常の歯を修正するのに使用される逐次的着脱自在な装置および逐次的固定装置に特に適用されるものである。

    位置異常の歯の問題およびこの問題を修正するための着脱自在な装置および固定された装置の使用は長い間、矯正治療の主な部分となっている。 歯の位置異常は三次元で見ることができる。 歯は高すぎたり、低すぎたり、捻転していたり、傾斜していたり、異なる面で正しくない形成をなしていたり、あるいは正しい又は矯正学的に理想的な位置との関係で口蓋側又は舌側の異常位置にあり得る。 位置異常の歯の問題を修正するために多くの取り組みがなされてきた。

    19世紀の終りおよび20世紀の初めにおいて、矯正学的および整形外科的問題を修正するために着脱自在な装置および固定された装置が導入された。 これらの装置は多種の異なる材料および形状のものから作られており、様々な機構を有するものであった。 このような矯正装置および現在も使用されている矯正装置は、着脱自在のもの(従って、患者は取り外すことができる)、歯に対し固定(糊付けなど)されるもの(従って、患者は取り外すことができないが、歯科医などの訓練されたスペシャリストが取り外すことができる)、あるいはその組合せのものである。 このような矯正装置により付加される応力伝達(又は機械的負荷)は通常、ワイヤー、弾性バンド、コイル、プラスチックなどの異なる弾性を有する種々のタイプの材料を使用して得るようにしている。

    着脱自在な装置は三次元での動きを制御する点において、固定された装置ほど効果的ではない。 しかし、固定された装置は殆どの患者に審美的に好ましくないと考えられており、更に、良好な口内衛生を妨げるものとなる。

    近年、審美的により好ましい透明な熱可塑性材料を使用する新しい矯正技術および装置が開発されている。 これらの熱可塑性材料からなる装置は定期的に替える必要があり、通常、“逐次的着脱自在な装置(sequential removable appliances)”と呼ばれている。 逐次的着脱自在な装置は通常、2週間毎に新しいものと置き換える必要がある。 これらの装置は傾斜した歯を修正するための傾斜動作を達成するのに非常に有効であると考えられているが、他のタイプの動作、特に歯体移動、歯の捻転、挺出および著しい陥入の修正を達成するのには効果的ではない。 従って、これらの装置は著しい叢生のケースにおいては使用することができず、空間を生じさせるために抜歯を必要とするケースなどにはさほど有効とはならない。

    公知の逐次的装置の関連する欠点は、所望の移動距離および方向を達成するための十分な“足掛かり”又はグリップを可能とする歯の解剖学的構造との十分な把持(装置と歯との接続の滑り又は喪失を生じさせることなく)が常に得られるものではないことである。 更に、このような装置はそれらを移動させる場合に、歯の角形成を制御することができない。 更に、小臼歯又は大臼歯などの円筒状の歯の捻転を効果的に修正することができない。 アンダーカット並びに装置の保持および把持を増大させるためにアタッチメントを歯に装着させることもできるが、そのようなアタッチメントは必ずしも信頼性が高くかつ効果的であるとは限らない。

    歯を垂直に移動させることも、十分な“足掛かり”又は把持を提供するための歯におけるアンダーカットの存在に依存することになる。 しかし、これは逐次的着脱自在な装置を用いて達成することは容易ではなく、特に修正すべき不一致(ディスクリパンシー)が大きいときは容易ではない。

    矯正学上の理由から歯を抜歯する場合、隣接する歯を移動させることにより抜歯空間を閉じることがしばしば必要となる。 もし、装置が歯を適切に保持することができない場合、歯を歯体移動させたり、あるいはその角形成を一定に保つことが出来ないであろう。 ときには、歯を抜歯することなく後方又は前方に移動させる(遠心又は近心)ことが必要となり、これらの移動も歯の良好な制御および把持が必要となる。

    逐次的着脱自在な装置の主な弱点は、その三次元制御およびその非常に短い活性期間(active stage)である。 これらの装置で備えられている移動量は通常、2週間毎に装置1つ当たりに1本又は数本の歯に対し約0.25〜0.5mmである。 この制限された動きおよび通常2週間毎に装置を変える必要性は、逐次的着脱自在な装置を用いての歯科的矯正治療を制限する要因となっている。

    従って、本発明の1つの目的は、従来の逐次的着脱自在な装置に関係する前記諸問題および欠点を克服することができる改良された逐次的着脱自在な装置を提供することである。

    本発明の他の目的は、審美的に好ましく、粗悪な口内衛生をもたらすことのない改良された逐次的着脱自在な装置を提供することである。

    本発明の説明において、“装置”とは、矯正学的問題、並びにその他の歯又は、顎、顎関節およびそれに関連する問題の修正のため、あるいは現存する又は先に修正された歯の位置又は位置関係を維持(又は保持)するために使用されるところの、1又はそれ以上の逐次的に使用される着脱自在な装置、若しくは既に固定されている装置又はそのような装置の組合せを意味する。

    本発明の説明において、“磁気アタッチメント”とは、用途に応じてコーティングされた又はコーティングされていない1又はそれ以上の磁石、1又はそれ以上の強磁性材料、磁石及び/又は強磁性材料のグループ又は特異なアセンブリー、及び磁性体を意味する。

    本発明によれば、複数の歯と係合させるための本体と、整復を必要とする歯の表面に接着された磁石を用いて誘引的又は反撥的構成を採るように配置される少なくとも1つの磁気アタッチメントとを具備してなる逐次的矯正装置であって、前記本体は引力又は反撥力により整復を必要とする歯の移動を可能にする空間を画定しているものが提供される。

    好ましくは、前記本体は熱可塑性材料からなるものであるが、他の適当な材料を使用することもできる。

    前記逐次的矯正装置は1又はそれ以上の一時的定着装置を更に有することが好ましい。

    好ましい形態として、前記本体は少なくとも1つの磁気アタッチメントを位置決めするための空間を画定するようになっている。

    更なる好ましい形態として、前記の少なくとも1つの磁気アタッチメントは前記本体の表面に取着されるようになっている。

    本発明の他の形態として、歯科矯正学上不正咬合の修正のための方法が提供され、これは:
    (a)前記のような逐次的矯正装置を用意すること;
    (b)該矯正装置を複数の歯に嵌装し、該矯正装置の少なくとも1つの磁気アタッチメントが整復を必要とする歯の表面に接着された磁石に対して誘引的又は反撥的構成を採るように配置すること;
    (c)引力又は反撥力により整復を必要とする歯の移動のための十分な時間、状態を維持すること;
    を含む。

    他の形態として、前記方法は顎の不一致又は骨格問題を修正するのに使用してもよい。

    磁気アタッチメントは、治療の間又は治療後に、逐次的矯正装置の保持を強化させるのに使用することもできる。

    本発明が容易に理解でき、実施できるよう、以下で図面を参照して説明する。

    一本の歯が位置異常である複数の歯と、この位置異常を修正するために使用された逐次的矯正装置の平面図であって、ここで、この逐次的矯正装置に組み込まれた対向磁石に対し誘引する構成として相互作用する磁石がこの位置異常の歯に接着されている。

    挺出、陥入および遠心における磁気構成を示す図であって、ここで、この逐次的矯正装置に組み込まれた対向磁石に対し誘引又は反撥する構成として相互作用する磁石が一本又は複数の歯に接着されている。

    捻転、頬側又は口蓋側移動のための磁気構成を示す図であって、ここで、この逐次的矯正装置に組み込まれ、又は固定された対向磁石に対し誘引又は反撥する構成として相互作用する複数の磁石が一本又は複数の歯に接着されている。

    抜歯のケースにおける磁気構成を示す図であって、ここで、この逐次的矯正装置に組み込まれた対向磁石に対し誘引又は反撥する構成として相互作用する複数の磁石が一本又は複数の歯に接着されている。

    抜歯および遠心のケースにおける磁気構成を示す図であって、ここで、一本又は複数の歯に接着された対向磁石に対し誘引又は反撥する構成として相互作用する複数の磁石が一本又は複数の歯に接着されている。

    抜歯および遠心のケースにおける磁気構成の他の例を示す図であって、ここで、複数の磁石が一本又は複数の歯並びに逐次的矯正装置の双方に接着されている。

    上方および下方歯列及び/又は顎の不一致を修正するため逐次的矯正装置に組み込まれた磁石の第1の位置関係を示す図。

    上方および下方歯列及び/又は顎の不一致を修正するため逐次的矯正装置に組み込まれた磁石の第2の位置関係を示す図であって、夫々1個の磁石が備えられた上方整合装置および下方整合装置が示されている。

    3個磁石構成を示す図であって、2個の磁石が上方整合装置に設けられ、1個の磁石が下方整合装置に設けられている。

    4個磁石構成を示す図であって、2個の磁石が上方整合装置に設けられ、2個の磁石が下方整合装置に設けられている。

    上方および下方歯列及び/又は顎の不一致を修正するため逐次的矯正装置に組み込まれた磁石の他の位置関係を示す図であって、夫々2個の磁石が備えられた上方整合装置および下方整合装置が示されている。

    逐次的矯正装置を骨に固定するために該装置と共に使用される一時的定着装置を示す図。

    逐次的矯正装置に磁気的に取着された一時的定着装置を示す図。

    抜歯および遠心のケースにおける調整可能な磁石構成の例を示す図。

    図12の配置に使用される第1の調整可能な装置を示す図。

    図12の配置に使用される第2の調整可能な装置を示す図。

    上方および下方歯列及び/又は顎の不一致を修正するため一つの顎に係合された逐次的矯正装置に対し嵌合させた磁石の調整可能な位置関係を示す図。

    磁気アタッチメントを歯に設けること、及び/又は逐次的矯正装置に含めることにより、磁気力による相互作用が生じ、任意の方向に歯を移動させることが可能となり、かつそれが容易になる。 磁気アタッチメントの寸法、構造、数および組成並びにそれらのコーティングタイプおよび材料は利用可能な空間、力のレベルおよび必要とする移動のタイプにより左右される。

    捻転のケースにおいて、1又はそれ以上の磁気アタッチメントが一本の歯に固定され、1又はそれ以上の対向磁気アタッチメントが誘引及び/又は反撥(すなわち、撥ね付け)構成として矯正装置の本体に固定ないし該装置内に組み込まれる。

    図1aは門歯10,11,12および13を示し、この内、門歯13が位置異常となっている。 第1の磁石14が門歯13の前庭面15に接着され、第2の磁石16が逐次的矯正装置17に組み込まれている。 ここで、この矯正装置17の本体は輪郭が破線で示されており、門歯10〜13と係合している。 磁石14および16は矢線18で示すように互いに誘引するように作用し、門歯13をその正しい位置に向けて前方に引出すようにしている。

    図1bは図1aと似ているが、追加としての第3の磁石19が門歯13の口蓋側面20に接着され、第4の磁石21が逐次的矯正装置22に組み込まれている。 ここで、この矯正装置22の本体は輪郭破線で示されている。 磁石19および21は互いに反撥し合い、磁石14および16は互いに誘引するように作用し、これら磁石のアセンブリーは反撥及び誘引構成として相互作用し、その結果、門歯13はその正しい位置に向けて前方に引出されることになる。

    1又は数本の歯の挺出および陥入(頬側、口蓋側又は舌側位置での)のケースにおいては、磁気アタッチメントの位置が1ないし複数の歯の垂直移動の方向を決定する。

    挺出、陥入および遠心における磁気構成の例が図2a〜2dに示されている。

    図2aにおいて磁石31が歯30の口蓋側面32に接着され、誘引用磁石33が逐次的矯正装置34に組み込まれている。

    図2bにおいて、磁石36が歯35の頬側面37に接着され、この磁石36と誘引構成を採る反撥用磁石38が逐次的矯正装置39に組み込まれている。

    図2cにおいて、磁石41が歯40の頬側面42に接着され、この磁石41と誘引構成を採る磁石43が逐次的矯正装置本体44に固定されている。 この逐次的矯正装置本体は、磁石41と43との間に空間45又は垂直通路を有すると共に、歯40の下方に空間46を有し、これら磁石41、43の誘引力により歯40の垂直移動を可能にしている。

    図2dにおいて、磁石51が歯50の頬側面52に接着され、この磁石51と誘引構成を採る磁石53が逐次的矯正装置本体54に固定されている。 この逐次的矯正装置本体は、磁石51と53との間に空間55又は平通路を有すると共に、歯50の前方に空間56を有し、これら磁石51、53の誘引力により歯50の水平移動を可能にしている。

    図3に示す歯60は、磁石61がその前庭面62に接着され、この磁石61と誘引構成を採る磁石63が逐次的矯正装置64に組み込まれていて、歯60の捻転を修正するようになっている。 歯65はその前庭面67に磁石66が接着され、更に、誘引用磁石68が逐次的矯正装置64に組み込まれていて、歯65を頬側に引っ張るようになっている。 歯69はその口蓋側面71に磁石70が接着され、誘引用磁石72が逐次的矯正装置64に組み込まれている。 輪郭破線で示す逐次的矯正装置本体64は全ての歯を囲みそのことによりそれらと係合しているが、歯60,65および69の移動を許容する幾らかの空間を画成している。 図3の磁石構成の総体的作用は、歯60および65が外側に引かれ、かつ、歯60が正しい角形成となるよう回転するようにし、更に歯69が内側に引かれるようになっている。

    1つ又は数個の歯の遠心および近心のケースにおいて、磁気アタッチメントの位置は1つ又は数個の歯の水平移動の方向を決定する。 これは抜歯又は非抜歯治療において使用することができる。

    図4aおよび図4bは、抜歯および遠心のケースにおける磁気構成の例を示している。 図4aにおいて、歯80はその前庭面82に磁石81が接着されており、誘引磁石83が逐次的矯正装置84に組み込まれている。 歯85はその表面87に磁石86が接着され、誘引磁石88が逐次的矯正装置84に組み込まれている。 歯80および85が小臼歯により近い場合は、磁石83および88は別法として小臼歯に接着させてもよい。

    図4bにおいて、磁石98と89は反撥構成となっており、また、磁石93と94も反撥構成となっている。 磁石98および89は歯91および92の前庭面に夫々接着されており、磁石93および94は歯95および96の前庭面に夫々接着されていて隣接する大臼歯を遠方に移動させるようになっている。 その他の態様として、磁石98および93が逐次的矯正装置90に組み込まれている。

    図4cは抜歯および遠心のケースにおける磁石の構成の他の例を示している。 歯175は、その表面177に接着された磁石176を有し、磁石176に対して誘引構成である磁気的に接続された一対の磁石178aおよび178bが歯180の表面179に接着されている。 歯175がより小臼歯180の近くまで移動したならば、磁石178aを図示のその位置から取り外し、歯180上の残留磁石178bに向けての歯175およびその接着された磁石176の移動のための更なる空間を作るようにしてもよい。 その他、一対の磁石178aおよび178bを逐次的矯正装置187に組み込み、歯175がより小臼歯180の近くまで移動したならば、磁石178aを図示のその位置から取り外し、上述のように更なる移動のための空間を作るようにしてもよい。 歯181は、その表面183に接着された磁石182を有し、この磁石182に対する誘引構成としての磁石184が歯186の表面185に接着されている。 逐次的矯正装置187の本体は、誘引する磁気力の影響下で、歯の所望の移動、特に犬歯175および181の移動のための十分な空間を許容するよう構成されている。

    図4dは抜歯および遠心のケースにおける磁石の構成の更なる例を示している。 歯188は、逐次的矯正装置191に組み込まれた反撥用磁石190に沿うその後方にて頬側表面に接着された磁石189を有する。 更に、この磁石189は、同じく逐次的矯正装置191に組み込まれた誘引用磁石192から離間するようにしてその前方に位置している。 従って、磁石189と、磁石190との間に反撥力が作用し、磁石189と、磁石192との間には誘引力が作用し、それにより逐次的矯正装置191の本体の構成により利用可能なこれら歯間の空間を介して犬歯188は一定の力の作用のもとで、小臼歯193に向けて移動することになる。

    更に図4dに示すように、歯194は、逐次的矯正装置191に組み込まれた反撥用磁石197に沿うその後方にてその表面に接着された磁石195を有する。 更に、この歯194の反対側表面199には、歯201に接着された誘引用磁石200から離間するようにしてその前方に位置する磁石198が接着されている。

    他の実施例において、誘引用磁石200は逐次的矯正装置191に組み込まれる。 従って、磁石195と、磁石197との間に反撥力が作用し、磁石198と、磁石200との間には誘引力が作用し、それにより歯の変位全体にわたり一定の力の作用のもとで、犬歯194は小臼歯201に向けて移動することになる。

    更に図4dには、必要に応じて骨に逐次的矯正装置191を固定するための一時的定着装置202が示されている。 逐次的矯正装置191の本体には装置202を接続させるために使用される装着部が備えられている。

    上方および下方歯列及び/又は顎の不一致を修正するための好適な磁石構成が図5a〜図5cに示されている。 上方逐次的矯正装置100には磁石101および102が組み込まれ(図5a参照)、下方逐次的矯正装置103には誘引用磁石104および105が組み込まれている(図5b参照)。 磁石101および104の垂直方向整合が図5cに示されている。

    図6〜図9には、上方および下方歯列及び/又は顎の不一致を修正するための様々な磁石構成が模式的に示されている。 図6〜図9においては、上方および下方逐次的矯正装置は夫々上方および下方整合装置という。

    図6において、上方整合装置120はS極122が露出している単一の磁石121を備え、下方整合装置123はN極125が露出している単一の磁石124を備えていて、それによりその間に誘引性磁気力のベクトル126が存在することになる。

    図7において、上方整合装置130は2つの互いに離間する磁石131および132を有し、磁石131はN極133が露出し、磁石132はS極134が露出している。 下方整合装置135はN極137が露出している単一の磁石136を備えている。 この磁石136は、上方の磁石131および132の間に位置し、それにより磁石131と磁石136との間には反撥性磁気力のベクトル138が存在し、磁石132と磁石136との間には誘引性磁気力のベクトル139が存在することになる。

    図8において、上方整合装置140は2つの互いに離間する磁石141および142を有し、磁石141はN極143が露出し、磁石142はS極144が露出している。 下方整合装置145も2つの互いに離間する磁石146および147を有し、磁石146はS極148が露出し、磁石147はN極149が露出している。 これら磁石146、141、147および142は互いに食い違うようにして設けられ、従って、磁石141と磁石146との間には誘引性磁気力ベクトル150が存在し、磁石141と磁石147との間には反撥性磁気力のベクトル151が存在し、磁石142と磁石147との間には誘引性磁気力のベクトル152が存在することになる。

    図9において、上方整合装置160は一対の互いに離間する磁石161および162を有し、磁石161はN極163が露出し、磁石162はS極164が露出している。 下方整合装置165も一対の互いに離間する磁石166および167を有し、これらはN極168および169が露出している。 図9に見られるように、磁石162および167は部分的に重なり合い、磁石161と磁石162との間の間隔が磁石166と磁石167との間の間隔よりも大きくなっていて、磁石161と磁石166とは重なっていない。 磁石161と磁石166との間には反撥性磁気力のベクトル170が存在し、磁石162と磁石167との間には誘引性磁気力のベクトル171が存在することになる。

    図10は複数の一時的定着装置202により逐次的矯正装置203が顎骨に固定されている状態を示している。

    装置本体の装着部を介して逐次的矯正装置203に接続された第1の装置202aが、犬歯204と小臼歯205との間の骨に逐次的矯正装置203を垂直に固定し、第2の接続された装置202bが大臼歯206の内側の骨に逐次的矯正装置203を垂直に固定し、逐次的矯正装置203に備えられた第3の装置202cが大臼歯207の下方の骨に逐次的矯正装置203の本体を水平に固定している状態が示されている。

    図11に示す一時的定着装置202は逐次的矯正装置208の本体に磁気的に接続されている。 この装置202は、装置を骨又は他の構造物に固定するためのテーパー状のねじ込みシャフト209と、研磨された経粘膜鍔部210、頭部211および磁気キャップ212を具備してなり、磁気キャップ212は、逐次的矯正装置208の本体に固定された磁石213に対し誘引的構成をなしている。 他の実施例として、磁石212および213は任意の適当な強磁性材料で置き換えてもよい。

    更に、前記逐次的矯正装置は、普通の矯正学的ネジ又はボルトにより、あるいは他の均等の機械的又は磁気的固定装置により骨又は他の構造物に固定することもできる。

    図12は抜歯および遠心のケースにおける調整可能な磁石構成の例を示している。 犬歯220は、その表面222に接着された磁石221を有し、誘引性磁石223が装置224に固定されている。 この装置224は磁石221との関連で磁石223の位置を調整するよう操作することができる。 この装置224は好ましくは逐次的矯正装置225に固定されるが、それに代って小臼歯227の表面226に接着させてもよい(図13に示すように)。

    小臼歯230は、その表面232に接着された磁石231を有し、誘引性磁石233が装置224と同様の装置234に固定されている。 この装置234は好ましくは逐次的矯正装置225に固定されるが、それに代って犬歯236の表面235に接着させてもよい(図14に示すように)。

    逐次的矯正装置225は、誘引性磁気力の影響下での犬歯の所望の移動を行わせるための十分な空間を設けるよう構成された本体を有している。 これら装置224,234の操作による磁石221,231との関係での磁石223,233の夫々の位置調整により、誘引力レベルを所望の作用に合致するよう調節することができる。

    図15は、上方および下方歯列及び/又は上方および下方顎の不一致を修正するために、一つの顎についての調整可能な磁気構成の1例を示している。 磁石240が調整可能な装置241に固定され、この装置241は、顎の第1の側にて逐次的矯正装置243の外側本体部分242に固定されている。 磁石244が調整可能な装置245に固定され、この装置245も、顎の第2の側、つまり反対側にて逐次的矯正装置243の反対の外側本体部分246に固定されている。 これら装置241,245により、磁石240,244の位置を前方又は後方に調整することができ、更に、他方の顎に対し配置される対応する磁石(図示しない)の位置との関連でも調整することができ、それにより誘引力の調節されたレベルでの上顎と下顎の垂直方向の整合を容易にすることができる。 対応する磁石は好ましくは、逐次的矯正装置に嵌合させた調整可能な装置に固定される。 但し、これら磁石は、歯の表面に直接接着された調整可能な、又は調整不能の装置に固定させても良い。 この配置により、治療の期間を通して使用される各逐次的矯正装置間の誘引力又は反撥力の方向、並びに上方および下方顎に設けられた逐次的矯正装置間の誘引力又は反撥力の方向を変更させることが可能となる。

    埋伏歯又は未萌出歯のケースにおいても、磁気アタッチメントを逐次的矯正装置との関連で使用することができる。 被覆する歯肉を開口させて埋伏歯を露出させた後、磁気アタッチメントを埋伏歯上に固定させ、歯肉フラップを閉じることができる。 逐次的矯正装置に取り付けた他の磁気アタッチメントを使用することにより、誘引的磁気力をこれら磁石間に生じさせ、他の病状がなければ埋伏歯/未萌出歯を萌出させることができる。

    磁気アタッチメントは、アセンブリー又はキットとして入手可能とし、それによりその配送、固定、使用を、より実用的にし、より衛生的にし、より安全にすることができる。

    ときには、上方および下方歯列が合致しないことがあり、逐次的矯正装置での治療と同時に、又はその治療の或る段階でこの問題を修正する必要がある。 従来の固定装置の場合は、上方歯列と下方歯列との間に弾性バンド(複数)が使用され、その治療の成功はこれらの弾性バンドの長さおよび張力に依存している。

    着脱自在な装置(複数)が使用される場合、これらの弾性バンドは歯に固定されたアタッチメントにのみ装着させることができる。 これは患者の重要な協力を必要とし、更に、歯に何も固定せずに審美的に好ましい逐次的矯正装置を使用する意図を台無しにすることがある。 これら弾性バンドはときには、フック間、ボタン間および矯正装置に形成されたアンダーカット間に装着される。 このような弾性バンド(複数)の使用は、弾性バンドを歯又は他の構造物に固定しないので、矯正装置の保持を低下させることがある。

    磁石は、上方および下方歯列がそれらの修正方向に引かれ及び/又は押されるように逐次的矯正装置に組み込むことができ、従って顎間の弾性バンド(複数)と同じように作用させることができる。 これは、逐次的矯正装置が装着されると直ちに顎間に磁気力ベクトルが作用することを意味する。

    逐次的矯正装置の一部として磁石を使用する他の利点は、成長しつつある患者において、磁気力が下方顎を三次元的に正しい位置に保持させ、成長変化による位置的順応が発生することである。 さもなくば、顎修正を固定又は着脱自在な装置の使用前に行わなければならず、それにより治療期間が延びることになる。 更なる利点は、患者が寝ている間において、磁石が患者の顎を正しい位置に向けて方向づけし、それにより作用の効能をより高めることができる。 これは翻って、矯正装置を歯に装着させなければならない期間を減少させることになり、患者にとっての許容度を増大させるものとなる。 更に、理想的な顎の位置への生理学的および機能的適合性がより高めるられることになる。

    磁気アタッチメントは歯科的及び/又は骨格的垂直方向不一致、例えば開咬(open-bite)および深咬(deep-bite)などの修正に使用することもできる。 そのような場合、磁気アタッチメントはこれらの垂直的不一致を和らげ、修正するために反撥的又は誘引的構成あるいはそれらの組合せで使用することができる。

    磁気アタッチメントは、歯科的変位又は顎変位(機能的又は形態学的)による正中線シフトのような横断方向の課題の修正にも使用することができる。

    磁気アタッチメントは歯科的/口腔構造の印象及び/又は走査の前又は後で配置させることができ、また、歯及び/又は矯正装置に直接、固定することができる。 この磁気アタッチメントは各アポイントメントにおいて歯科医又は歯科補助スタッフにより、あるいは必要に応じて患者により固定する必要がある。 更に、この磁気アタッチメントは、製造段階において、あるいは売買プロセスの一部として矯正装置に組み込むことができる。 この磁気アタッチメントは、歯の頬側、咬合側、口蓋側又は舌側に配置させたり、あるいは歯の種々の側の組合せ位置に配置させたりすることができる。 この磁気アタッチメントは、患者による各逐次的矯正装置の使用の間に交換したり、移動させたりすることができる。 この場合の移動は臨床医、歯科医、衛生士又は歯科補助スタッフあるいは必要に応じて患者が行うことができる。

    歯に装着され又は矯正装置に組み込まれる磁気アタッチメントは種々の配置および構成で使用することができる。 これらの構成は、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の磁気アタッチメントを用い、必要に応じて誘引及び/又は反撥構成とすることができる。

    磁石の寸法、形状は任意のものとすることができ、他の強磁性体との関連で使用することもできる。 これら磁石は適当な材料でコーティングしたり、封止したりすることができる。

    磁石は更に、インプラント、ピン、プレート及び/又はネジなどの一時的定着装置と共に使用することもできる。 磁石は定着装置と相互作用させたり、定着装置内に組み込んでもよい。

    磁気アタッチメントは、歯科的用途で使用される間、特に歯の或る特定の動きを同時に得ようとする場合において矯正装置の保持を増大させるために使用することができる。

    60:歯61:磁石62:歯60の前庭面63:磁石64:逐次的矯正装置本体65:歯66:磁石67:歯65の前庭面68:誘引用磁石69:歯70:磁石71:歯69の口蓋側面72:誘引用磁石

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