発電機、発電機の基礎台、および発電機の保守方法

申请号 JP2016037702 申请日 2016-02-29 公开(公告)号 JP2017158246A 公开(公告)日 2017-09-07
申请人 株式会社東芝; 发明人 新井 建人; 中村 英之; 宮池 潔; 郡司 雄一郎; 中山 真哉; 菊池 徹; 佐藤 一樹;
摘要 【課題】 発電機の保守コストおよび作業時間を削減しつつ保守作業を安全に行えるようにすること。 【解決手段】 発電機の両軸端がそれぞれ回転機に接合される発電設備に適用される発電機の保守方法において、前記発電機に当該発電機を基礎台床面上に設置するための脚板を設け、かつ前記脚板以外の発電機底部に発電機自重を支持可能な発電機底部平面を有するように構成すると共に、前記発電機を前記基礎台床面上に前記脚板を介して設置した状態で前記発電機底部平面と当該発電機底部平面に相対する 位置 の基礎台床面との間に前記発電機のリフトアップおよび 水 平方向移動を可能にする搬送装置を前記発電機のジャッキアップをすることなく挿入できる隙間を有するように構成し、前記隙間に対し前記搬送装置を前記発電機のジャッキアップをすることなく挿入し、前記搬送装置によって前記発電機のリフトアップおよび水平方向移動を行った後に、前記発電機の保守を行う。 【選択図】図6
权利要求

発電機の両軸端がそれぞれ回転機に接合される発電設備に適用される発電機の保守方法であって、 前記発電機に当該発電機を基礎台床面上に設置するための脚板を設け、かつ前記脚板以外の発電機底部に発電機自重を支持可能な発電機底部平面を有するように構成すると共に、前記発電機を前記基礎台床面上に前記脚板を介して設置した状態で前記発電機底部平面と当該発電機底部平面に相対する位置の基礎台床面との間に前記発電機のリフトアップおよび平方向移動を可能にする搬送装置を前記発電機のジャッキアップをすることなく挿入できる隙間を有するように構成し、 前記隙間に対し前記搬送装置を前記発電機のジャッキアップをすることなく挿入し、前記搬送装置によって前記発電機のリフトアップおよび水平方向移動を行った後に、前記発電機の保守を行うことを特徴とする発電機の保守方法。前記発電機底部平面を前記脚板の底面よりも高くすることによって前記隙間の一部または全てを構成することを特徴とする請求項1に記載の発電機の保守方法。前記発電機底部平面に相対する位置の基礎台床面を前記脚板が設置される基礎台床面よりも低くすることによって前記隙間の一部または全てを構成することを特徴とする請求項1に記載の発電機の保守方法。前記発電機底部平面に相対する位置の基礎台床面に、発電機軸方向に搬送装置9の幅以上の幅を有する溝を設けることを特徴とする請求項3に記載の発電機の保守方法。前記発電機の水平方向移動時に前記基礎台と干渉する構造が無いか、あるいは前記基礎台と干渉する部品が容易に取り外し可能な構造にすることを特徴とする請求項1に記載の発電機の保守方法。前記発電機の水平方向移動時に前記発電機と干渉する構造が無いか、あるいは前記発電機と干渉する部品が容易に取り外し可能な構造にすることを特徴とする請求項1に記載の発電機の保守方法。前記発電機の側面に前記発電機底部平面の面積を発電機軸直方向に拡張させる拡張荷重受け台を設けることを特徴とする請求項1に記載の発電機の保守方法。前記発電機の両軸端に締結されている回転機との接続を絶つ軸接続断工程と、前記発電機の基礎台と前記脚板との間の締結を絶つ基礎接続断工程と、前記発電機の水平方向移動時に前記基礎台との間で干渉する発電機側及び基礎台側の構造物を分解する分解工程と、前記搬送装置を前記隙間に挿入する搬送装置挿入工程と、前記搬送装置の作動により前記発電機をリフトアップしかつ水平方向に前記基礎台床面上を所定の位置まで移動させる搬送工程と、前記発電機を所定の位置で前記基礎台上に前記脚板を介して設置させる発電機設置工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の発電機の保守方法。前記搬送装置が、空気圧を利用し空気膜を介して物を搬送可能にする空気圧浮上式搬送機を備えると共に、空気圧未作動時に接地するキャスターを備えた装置であることを特徴とする請求項1に記載の発電機の保守方法。前記搬送装置が、ローラー台車上に空気圧または水圧または油圧を用いるジャッキを載せた装置であることを特徴とする請求項1に記載の発電機の保守方法。前記搬送装置が、空気圧または水圧または油圧を用いるジャッキとその取り付け台下にコロを並べた装置であることを特徴とする請求項1に記載の発電機の保守方法。前記発電機を前記搬送装置により水平方向に移動させる際に前記搬送装置の移動範囲を限定する移動ガイドまたはストッパーを設けることを特徴とする請求項1に記載の発電機の保守方法。前記発電機の保守終了後、前記各工程を逆の手順で実施することにより前記発電機を元の位置に戻すと共に、前記搬送装置のリフトアップ機能を用いて前記両軸端にある回転機に対する前記発電機のアライメント調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の発電機の保守方法。前記発電機を前記搬送装置により移動させる前に、前記発電機の重心と前記搬送装置の受荷重心とのずれを小さくするために、前記発電機の一端にカウンターウェイトを付加するあるいは発電機構造物の一部を分解することを特徴とする請求項8項に記載の発電機の保守方法。両軸端がそれぞれ回転機に接合される発電機であって、 当該発電機を基礎台床面上に設置するための脚板を備え、 前記脚板以外の発電機底部に発電機自重を支持可能な発電機底部平面を有すると共に、 前記発電機を前記基礎台床面上に前記脚板を介して設置した状態で前記発電機底部平面と当該発電機底部平面に相対する位置の基礎台床面との間に前記発電機のリフトアップおよび水平方向移動を可能にする搬送装置を前記発電機のジャッキアップをすることなく挿入できる隙間を有するように構成されていることを特徴とする発電機。前記発電機底部平面を前記脚板の底面よりも高くすることによって前記隙間の一部または全てが構成されていることを特徴とする請求項15に記載の発電機。前記発電機の水平方向移動時に前記基礎台と干渉する構造が無いか、あるいは前記基礎台と干渉する部品が容易に取り外し可能な構造にしていることを特徴とする請求項15に記載の発電機。前記発電機底部平面の面積を発電機軸直角方向に拡張させる拡張荷重受け台を備えていることを特徴とする請求項15に記載の発電機。両軸端がそれぞれ回転機に接合される発電機の基礎台であって、 前記発電機を設置するための基礎台床面を備え、 前記発電機を前記基礎台床面上に脚板を介して設置した状態で発電機底部平面と当該発電機底部平面に相対する位置の基礎台床面との間に前記発電機のリフトアップおよび水平方向移動を可能にする搬送装置を前記発電機のジャッキアップをすることなく挿入できる隙間を有するように構成されていることを特徴とする発電機の基礎台。前記発電機底部平面に相対する位置の基礎台床面を前記脚板が設置される基礎台床面よりも低くすることによって前記隙間の一部または全てが構成されていることを特徴とする請求項19に記載の発電機の基礎台。前記発電機底部平面に相対する位置の基礎台床面に、発電機が移動する水平方向に前記搬送装置の幅以上の幅を有する溝が設けられていることを特徴とする請求項19に記載の発電機の基礎台。前記発電機の水平方向移動時に前記発電機と干渉する構造が無いか、あるいは前記発電機と干渉する部品が容易に取り外し可能な構造にしていることを特徴とする請求項19に記載の発電機の基礎台。

说明书全文

本発明の実施形態は、発電機、発電機の基礎台、および発電機の保守方法に関する。

ガスタービンおよび蒸気タービンによって一つの発電機を駆動する一軸型複合サイクル発電プラントには、ガスタービンと蒸気タービンとが発電機を挟んで一つの軸で接合される形態がある。

発電機は、保守を行う場合に発電機固定子より回転子を引き抜いた上で回転子と固定子の内部点検や補修が行われる。その際、発電機の一軸端側に回転子を軸方向に引き抜くためのスペースが必要であるが、上記のような両端に原動機が接続される発電機の場合は、両端共に原動機が存在するため、回転子を引き抜くスペースが得られない。そのため、発電機の保守を行う際には、ガスタービンか蒸気タービンいずれか一方の原動機を分解しなければならないという問題がある。

特許文献1には、両軸端に原動機を接続する発電機の保守に関して、原動機を分解する必要のない方法が示されている。この方法では、いずれかの原動機の上方に仮設作業床を構築し、門型クレーンにより発電機をリフトアップし、前記仮設作業床上に発電機回転子を抜出して、発電機の点検を行う。

特許文献2には、両軸端に原動機を接続する発電機の保守に関して、原動機を分解する必要のない別の方法が示されている。この方法では、蒸気タービンの上方にプラットフォームを設けた後、発電機を仮設ガントリークレーン等によりプラットフォームレベルまでリフトアップした後、発電機を仮設支持コラム上に設置し、回転子をプラットフォーム上に引出して、発電機の点検を行う。

特許文献3には、両軸端に原動機を接続する発電機の保守に関して、原動機を分解する必要のない別の方法が示されている。この方法では、発電機をジャッキアップして基礎台との間に隙間を作り、発電機基礎に軸直方向の仮設レールを設けると共に、レール上を走行するコロ台車を発電機下部に設置し、発電機回転子の引き抜き時に原動機に干渉しない位置まで発電機を横移動させた後、回転子の引出しを行い、発電機の保守を行う。

特許4039165号公報

特開2009−250234号公報

特開2015−89225号公報

特許文献1および特許文献2に記載の方法では、発電機保守のために、仮設作業床(プラットフォーム)や仮設クレーンの設置等多くの付帯作業が伴うため、コストと作業時間が増す上、発電機を高くリフトアップするための安全上の問題が発生する。さらに蒸気タービンの上部に仮設作業床(プラットフォーム)を設けるため蒸気タービンの保守に制約が発生するという問題がある。

特許文献3に記載の方法では、発電機の軸直角方向移動のために、発電機ジャッキアップ、仮設レール設置、コロ台車取り付け等多くの付帯作業が伴うため、コストと作業時間が増す上、荷重が集中する仮設レールの強度等安全に対して確認すべき事項も増すという問題がある。

本発明が解決しようとする課題は、発電機の保守コストおよび作業時間を削減しつつ保守作業を安全に行うことができる発電機、発電機の基礎台、および発電機の保守方法を提供することにある。

実施形態による発電機の保守方法は、発電機の両軸端がそれぞれ回転機に接合される発電設備に適用される発電機の保守方法であって、前記発電機に当該発電機を基礎台床面上に設置するための脚板を設け、かつ前記脚板以外の発電機底部に発電機自重を支持可能な発電機底部平面を有するように構成すると共に、前記発電機を前記基礎台床面上に前記脚板を介して設置した状態で前記発電機底部平面と当該発電機底部平面に相対する位置の基礎台床面との間に前記発電機のリフトアップおよび平方向移動を可能にする搬送装置を前記発電機のジャッキアップをすることなく挿入できる隙間を有するように構成し、前記隙間に対し前記搬送装置を前記発電機のジャッキアップをすることなく挿入し、前記搬送装置によって前記発電機のリフトアップおよび水平方向移動を行った後に、前記発電機の保守を行う。

本発明によれば、発電機の保守コストおよび作業時間を削減しつつ保守作業を安全に行うことができる。

一実施形態による両端駆動発電機を用いた一軸型複合サイクル発電プラント(コンバインドサイクル発電プラント)の軸系構成を示す側面図。

同実施形態による発電機の構造を示す側面図。

同実施形態における発電機底部構造の一例を示す下面図。

同実施形態における発電機底部構造の別の例を示す下面図。

同実施形態における発電機底部構造の別の例を示す下面図。

同実施形態による発電機の保守方法の一例を説明するための側面図。

同実施形態で使用する搬送装置(空気圧浮上式搬送機を用いた場合)の構造を示す側面図および下面図。

同実施形態で使用する空気圧浮上式搬送機の作動原理を説明するための断面図。

同実施形態による発電機の保守方法の一例を説明するための上面図。

同実施形態による発電機の保守方法の一例を説明するための正面図。

同実施形態による発電機の保守方法の別の例を説明するための正面図。

同実施形態で使用する搬送装置ガイドの構造の一例を示す断面図。

同実施形態による基礎台の構造の変形例を示す側面図および上面図。

同実施形態による発電機の構造の変形例を示す側面図および上面図。

同実施形態による発電機の保守方法の変形例を説明するための側面図。

同実施形態で使用する搬送装置の変形例(空気圧または水圧または油圧によるリフトアップ機構とローラー台車を組み合わせた搬送装置)を示す側面図。

同実施形態で使用する搬送装置の別の変形例(空気圧または水圧または油圧によるリフトアップ機構とコロを組み合わせた搬送装置)を示す側面図。

同実施形態による発電機の保守方法の別の変形例を示す上面図。

以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。

最初に、点検対象である発電機を備えているプラントの軸系構成について説明する。

図1は、一実施形態に係る両端駆動発電機を用いた一軸型複合サイクル発電プラント(コンバインドサイクル発電プラント)の軸系構成を示す側面図である。

このプラントはガスタービンと蒸気タービンによって発電機を駆動するコンバインドサイクル発電プラントであり、図1に示すように発電機34の両端にそれぞれガスタービン32と中高圧蒸気タービン36/低圧蒸気タービン37とを配し、それらが中間軸33やクラッチ35等を介して結合され、一つの軸上に直線状に並ぶように構成している。また、ガスタービン32、中高圧蒸気タービン36、低圧蒸気タービン37、発電機34は、それぞれ、図1に示すように例えば鉄筋コンクリート製の基礎台38および6に据え付けられている。

なお、以降の説明では、発電機回転軸に対して直角かつ水平な方向を「横方向」と称す。

本実施形態による発電機の構造を図2に示す。

一般に発電機には発電した電を取り出すターミナルの取り出し方向やクーラの配置や脚板を設置する基礎台レベルから回転子軸中心までの距離(センターハイト)などに対し種々の形式が存在するが、本実施形態では、発電機34をわずかなリフトアップだけで横方向に移動させるため、ターミナル3やクーラ、フレーム等の発電機34の主要構造が横方向移動時に基礎台と干渉しない構造であることが前提となる。図2はそうした前提条件を満たす発電機34の一例として示しており、ターミナル3の取り出し方向を発電機上部としている。

発電機34は四隅に配した脚板4によって基礎台6上に設置され基礎ボルトやキー構造(図示省略)によって固定されている。発電機34の四隅の脚板4に囲まれる発電機底部平面5は脚板4の底面よりも高い位置に構成され、発電機34を横方向から見た時に基礎台床面7との間に隙間8を有している。

発電機34を下から見たときの発電機底部平面5の例を図3〜図5に示す。

発電機底部平面5は、後述する搬送装置に対し発電機自重を均等に伝達するためのものであるため、図3〜図5において斜線で示すよう平板構造や格子状や棚板状等の不連続な構造体の面として構成されていても構わない。

このような構成において、保守を実施する際には、図6に示すように発電機底部平面5と基礎台床面7との間に形成された隙間8に、搬送装置9を横から挿入する。搬送装置9は、発電機34のリフトアップおよび水平方向移動を行える装置であって、図6中に示される搬送装置9は、空気圧浮上式搬送機を用いた搬送装置の例を示している。

図7に空気圧浮上式搬送機を用いた搬送装置の一例を示す。図7(a)は側面図を示し、図7(b)は下面図(図7(a)中におけるA矢視の方向から見たA矢視図)を示している。また、図8に空気圧浮上式搬送機の動作原理を示す。なお、図8中の矢印は、圧縮空気の流れを表している。

図6中に示される搬送装置9は、図7(a),(b)に示すように空気圧浮上式搬送機22を複数個荷重受板21の下に固定すると共に、空気圧未作動時に接地するキャスター26を備えた構造となっている。

空気圧浮上式搬送機22は主として基盤23とバッグ24から構成されており、図8に示すように、バッグ24の内側に空気供給口25より圧縮空気を供給することによりバッグ内空気圧により荷重を載せた基盤23をリフトアップする。その際、バッグ24と床面27の間にわずかな空気膜が形成されるため、搬送時の摩擦力が非常に小さいという利点がある。また、搬送装置9の高さを低くすることができる利点もある。

発電機底部平面5と基礎台床面7との間に形成される隙間8は、搬送装置9の空気圧未作動時には搬送装置9の高さよりも高くなっている。これにより搬送装置9は発電機34のジャッキアップ作業なしに搬送装置9に付随するキャスター26によって隙間8に容易に挿入できる。

なお、予め発電機34の回転子軸の両端における他の回転軸との結合や、発電機構造物と基礎構造物の結合を分解すると共に、発電機34を横方向に移動する際に干渉する発電機配管や基礎構造物等を分解しておく。

また、発電機配管類は、基礎台床面7と同一レベルでフランジ接続するか、基礎台床面7のレベルにフランジ付短管を設けるなどして、横移動時に干渉を避けるように容易に分解可能な構造にしておく。基礎ボルトなど基礎構造物についても、基礎台床面7より上方に突き出すスタッド構造を排し、基礎台6側にタップを有し脚板4の上部側より締めこむ基礎ボルトの採用や、基礎台6の下部より立ち上げる励磁ブスバーなど、横移動時に発電機34と干渉する部品は容易に分解可能な構造にしておく。

次に、搬送装置9に対し空気圧を作動させて発電機34をリフトアップさせ、脚板4を基礎台6から浮かした状態にする。

その後、搬送装置9によって発電機34を図9に示すように基礎台床面7上を横方向に移動させる。発電機34の横移動方法の2つの例を図10、図11に示す。図10は搬送装置9に付随させた搬送駆動装置10を用いた例を示し、図11は横移動の動力として基礎台アンカー13との間でチェーンブロック12とワイヤー11を用いた例を示している。その他ウィンチやクレーンを用いる方法等を利用してもよい。

横移動に際しては、図12に示すような搬送装置の移動ガイド14またはストッパーを設けることにより、横移動の作業性と安全性の向上が図られる。この移動ガイド14やストッパーは基礎台床面上に恒久的に設置されたものでもよいし、作業時のみ締結等の手段により設置されるものであっても良い。

発電機34は、回転子1を他機器と干渉させずに引き抜ける位置まで横移動した後、搬送装置9の空気圧を除荷しリフトダウンすることによって、発電機34は脚板4を介して基礎台6上に設置され、この位置で発電機34の分解と回転子の引き抜きを伴う保守作業を実施する。

上述した発電機34の保守作業の実施に至るまでの各工程をまとめると、次の通りとなる。

・発電機34の両軸端に締結されている回転機との接続を絶つ軸接続断工程 ・発電機34の基礎台6と脚板4との間の締結を絶つ基礎接続断工程 ・発電機34の軸直角方向移動時に基礎台6との間で干渉する発電機34側及び基礎台6側の構造物を分解する分解工程 ・搬送装置9を隙間8に挿入する搬送装置挿入工程 ・搬送装置9の作動により発電機34をリフトアップし横方向に基礎台床面7上を所定の位置まで移動させる搬送工程 ・発電機34を所定の位置で基礎台6上に脚板4を介して設置させる発電機設置工程 発電機34の保守作業終了後は、前述した保守開始前の各工程を逆の手順で実施することにより、発電機34を元の位置に戻すことができる。その場合、搬送装置9の圧力を再度作動させて発電機34のリフトアップと横移動を行い、所定の据え付け位置まで戻した後、搬送装置9の圧力を除荷し、脚板4を介して発電機34を基礎台6上の所定の位置に据え付け、両軸端の回転機と接合させる。

この発電機34の再据え付けに際しては、発電機34の両端の結合すべき回転軸とのアライメントを調整する必要がある。この作業では上下方向には脚板4の下に挿入するシムの厚さを調整し、かつ発電機34の水平方向位置の微調整を行うが、いずれにせよ発電機34のジャッキアップが必要である。本実施形態では、この作業に対しても前記搬送装置9のリフトアップ機能が活用できるため、発電機34の横移動後に段取り替え無くアライメント調整を行いながら発電機34の据え付け作業を行える。すなわち、アライメント調整作業に対して、搬送装置9をそのまま発電機34のジャッキアップ装置として活用することができるため、新たなジャッキ装置段取りが不要となり、再据え付け作業の効率化を図ることができる。

このように本実施形態によれば、発電機34をリフトアップ(ジャッキアップ)することなく搬送装置9を発電機34と基礎台6との間に形成される隙間8に挿入するだけで発電機移動の準備が整い、かつ容易に発電機34の移動を行える。発電機34をリフトアップするための仮設クレーンや作業架台や横移動させるための仮設設備の設置作業が不要であるため、保守コストと作業時間を削減することができる上、発電機34のリフトアップ量が小さいため作業の安全性も向上する。また、搬送中の発電機34の荷重は、基礎台床面7の広範囲な面積で受けるため、基礎台6に対する負荷も小さくでき、建設時の基礎コスト削減にも貢献する。

[変形例1] 次に、上述した実施形態の変形例1について図13を用いて説明する。

図13(a),(b)は主に基礎台6の構造の変形例を示す側面図および上面図である。

前述した実施形態では、発電機底部平面5と基礎台床面7との間の隙間8は発電機底部平面5を脚板4の底面よりも高く構成することによって形成していた。これに対し図13に示す変形例1では、隙間8は当該部の基礎台床面15を脚板4が設置される基礎台床面7よりも低く構成することによって形成されている。すなわち、発電機底部平面5に相対する位置の基礎台床面を、脚板4が設置される基礎台床面よりも低く構成している。

また、この低い基礎台床面15は、発電機軸方向に搬送装置9の幅以上の幅を有し、発電機軸直角方向に発電機34の移動範囲や搬送装置に付随する駆動機構の大きさ等を考慮した長さを有する溝16の底面として形成されている。

このような構成において、保守を実施する際には、溝16内に搬送装置9を置き、当該発電機34の底部平面5の下に搬送装置9を挿入した後、この搬送装置9によって発電機34をリフトアップすると共に溝16内を横方向に所定の位置まで移動させる。

本変形例によれば、発電機34の回転軸中心の基礎台床面7からの高さ(いわゆるセンターハイト)を前述した実施形態よりも隙間分低くすることが可能となる上、溝16の側面が搬送装置の搬送時の移動ガイドやストッパーになるため、別途移動ガイドやストッパーを設ける必要がないことや、搬送装置の移動面が明確になり、搬送装置に要求される床面の平滑さの形成やその保守についても容易になるという利点がある。

[変形例2] 次に、上述した実施形態の変形例2について図14を用いて説明する。

図14(a),(b)は主に発電機34の構造の変形例を示す側面図および上面図である。

前述した第1の実施形態では、搬送装置9の荷重容量は発電機底部平面5の面積に依存しており、この発電機底部平面5の大きさの割に発電機重量が大きい発電機の場合、搬送装置9の荷重容量が不足する場合が想定される。そのような場合には図14に示すように、発電機固定子2の側面に発電機底部平面5の面積を発電機軸直角方向に拡張させる(発電機底部平面5と面一となる)拡張荷重受け台17を追設する。

拡張荷重受け台17は、発電機固定子2と一体で構成されていても良いし、あるいは発電機固定子2に対し締結等による分割型で構成されていても良い。

本変形例によれば、拡張荷重受け台17を設けることにより発電機底部平面5の面積は任意に拡張できるため、搬送装置9の荷重制限がなくなり、搬送装置の設計裕度を増加させることができると共に、適用可能な発電機34の重量を拡大することもできる。

[変形例3] 次に、上述した実施形態の変形例3について図15を用いて説明する。

図15は発電機34の保守方法の変形例を示す側面図である。

前述した第1の実施形態では、発電機34を横移動させる際には搬送装置9で発電機34を支持することになるが、発電機34の構造や移動する際の形態によっては、発電機34の重心に相当する発電機重心軸18と、搬送装置9の中心位置(受荷重心)に相当する搬送装置中心軸19とがずれる場合が想定される。このような場合、搬送装置9には不均一な荷重が作用し、当初性能を発揮できない可能性がある。

そこで搬送装置9の軸方向位置を調整して搬送装置中心軸19を発電機重心軸18に近づけることが有効であるが、搬送装置9や発電機34や基礎の寸法制約から十分に調整できない場合も想定される。そのような場合に搬送装置9を稼働させる前に発電機34の部品の一部を分解して荷重を減ずることによって発電機重心軸18の位置を調整することができるが、他の方法として図15に示すように発電機に対し必要なカウンターウェイト20を付加することによって、発電機重心軸18と搬送装置中心軸19とを近接させて、搬送装置への荷重を均等化させるようにしてもよい。

本変形例によれば、発電機34の重心と搬送装置9の受荷重心が許容値以上にずれている場合に、発電機34の一端にカウンターウェイト20を付加したり発電機構造の一部を分解したりして発電機34の重心の調整を搬送作業前に実施することにより、発電機重心軸18と搬送装置中心軸19とを近接させることができるので、搬送装置9の負荷の均一化を図ることができる。

[変形例4] 次に、上述した実施形態の変形例4について図16,図17を用いて説明する。

図16は搬送装置9の変形例(空気圧または水圧または油圧によるリフトアップ機構とローラー台車を組み合わせた搬送装置)を示す側面図である。また、図17は搬送装置9の別の変形例(空気圧または水圧または油圧によるリフトアップ機構とコロを組み合わせた搬送装置)を示す側面図である。

保守作業を行う上で供される搬送装置としては、前述した第1の実施形態で述べた図8に示す空気圧浮上式搬送機22を用いた搬送装置9の他に、図16に示すようにローラー台車29上に空気圧または水圧または油圧によるジャッキ28を載せた搬送装置9Aや、図17に示すようにコロ31にジャッキ台30を載せ更に空気圧または水圧または油圧によるジャッキ28を載せた搬送装置9Bを採用してもよい。

前述のように空気圧浮上式搬送機22は、微小な空気膜によって装置が浮上しているため、横移動の際の摩擦抵抗が極めて小さく、横方向移動のための駆動機構や段取りが容易になる利点がある上、他の方式に比べ高さ方向寸法が小さくできる利点がある一方、荷重容量が比較的小さい。一方、図16、図17に示すジャッキを用いる方式では、空気圧浮上式搬送機22よりも高さ方向寸法は増加するものの、特に圧力媒体を水圧や油圧とすることで荷重容量を大きくできる利点がある。

[変形例5] 次に、上述した実施形態の変形例5について図18を用いて説明する。

図18は発電機34の保守作業の変形例を示す上面図である。

上述した実施形態では、搬送装置9によって発電機34を図9に示すように基礎台床面7上を横方向に移動させることで保守点検を行う例を示したが、発電機34の保守点検は、横移動だけに限らず、図18に示すように水平に回転させることで回転子1を引き抜き、回転子1と固定子2の内部点検を実施するようにしてもよい。

なお、本変形例において発電機34の保守作業を実施するための手順は、発電機34を水平に回転させる手順を除けば、上述した実施形態と同様の手順となる。

本変形例によれば、発電機34を水平に回転させる方法により発電機34の移動範囲が小さくなるため、要求される基礎台6及び基礎台床面7の大きさも小さくなり、建設時の基礎コスト削減に貢献する。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

1…回転子、2…固定子、3…ターミナル、4…脚板、5…発電機底部平面、6…基礎台、7…基礎台床面、8…隙間、9,9A,9B…搬送装置、10…搬送機駆動装置、11…ワイヤー、12…チェーンブロック、13…アンカー、14…移動ガイド、15…低い基礎台床面、16…溝、17…拡張荷重受け台、18…発電機重心軸、19…搬送装置中心軸、20…カウンターウェイト、21…荷重受板、22…空気圧浮上式搬送機、23…基盤、24…バッグ、25…空気供給口、26…キャスター、27…床面、28…ジャッキ、29…ローラー台車、30…ジャッキ架台、31…コロ、32…ガスタービン、33…中間軸、34…発電機、35…クラッチ、36…中高圧蒸気タービン、37…低圧蒸気タービン、38…基礎台。

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