Installation foundation

申请号 JP2011273811 申请日 2011-12-14 公开(公告)号 JP2012140849A 公开(公告)日 2012-07-26
申请人 Marutaka Kogyo Inc; 株式会社丸高工業; 发明人 TAKAGI KAZUMASA; TAKAGI EIZO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an installation foundation capable of reducing labor and a cost for installation as well as shortening a construction period.SOLUTION: An installation foundation 10A comprises: a metal base 16; height adjustment bolts 18 to adjust a height dimension of the metal base 16; support bolts 19 inserted into support bolt through-holes 39 and 40; a metal lid installed on a metal base 16; and mortar 20 filled in a space 46 between an upper surface of a concrete floor 12 and the metal base 16. In the installation foundation 10A, the support bolt 19 is fixed to a metal plate 24 with a first fixation edge portion 47 of the support bolt 19 inserted through a nut 50 into a support bolt insertion hole 39 provided on the metal plate 24. A second fixation edge portion 48 of the support bolt 19 is fixed to a steel beam 56 through a nut 51. A portion of the first fixation edge portion 47 of the support bolts 19 between the upper surface of the concrete floor 12 and the metal plate 24 is integrated with the mortar 20 placed in the space 46. The metal lid 17 closes an apex opening 27 of a metal tube 23.
权利要求
  • 鉄骨柱および鉄骨梁から形成された鉄骨躯体と前記鉄骨躯体に施設されたコンクリート床とを有する鉄骨構造物の所定の箇所に設置される据え付け基礎において、
    前記据え付け基礎が、前記鉄骨梁と前記コンクリート床とに開口するボルト孔に挿通されて、前記コンクリート床を貫通して上方へ延びる第1固定端部および前記鉄骨梁を貫通して下方へ延びる第2固定端部を有する複数本の支持ボルトと、前記コンクリート床から上方へ所定寸法離間する土台と、前記土台に設置された蓋と、前記土台の外周縁と前記コンクリート床との間に設置されて該コンクリート床と該土台の外周縁との間の空隙を塞ぐ枠材と、前記コンクリート床と前記土台と前記枠材とに囲繞された空間に充填されたセメント硬化物とから形成され、
    前記土台が、前記コンクリート床に対向する底板と、前記底板から上方へ延びる中空の管材とを備え、それら支持ボルトの第1固定端部が、前記底板に開口するボルト孔に挿通されて所定の固定手段を介して該底板に固定され、それらボルトの第2固定端部が、前記鉄骨梁に所定の固定手段を介して固定され、それら支持ボルトの第1固定端部のうちの前記コンクリート床と前記底板との間に延びる部分が、前記空間に充填されたセメント硬化物と一体になり、前記蓋が、前記管材の頂部開口を塞ぎ、
    前記据え付け基礎では、前記空間にセメント硬化物を充填した直後であって該セメント硬化物の養生期間の経過前に、前記蓋によって前記管材の頂部開口が塞がれ、前記蓋によって前記管材の頂部開口が塞がれた後からセメント硬化物の養生期間が開始し、前記養生期間の経過後に、前記ボルトの第1固定端部のうちの前記コンクリート床と前記底板との間に延びる部分が前記セメント硬化物と一体になることを特徴とする据え付け基礎。
  • 前記底板が、前記管材の径方向内方へ延びる第1部分と、前記管材の径方向外方へ延びる第2部分とを備え、前記支持ボルトの第1固定端部が、前記底板の第2部分に開口するボルト孔に挿通されて該底板の第2部分に固定され、前記支持ボルトの第2固定端部が、前記第2部分に対向する前記鉄骨梁に開口するボルト孔に挿通されて該鉄骨梁に固定され、前記枠材が、前記底板の第2部分の外周縁と前記コンクリート床との間に設置されて該コンクリート床と該第2部分の外周縁との間の空隙を塞ぎ、前記支持ボルトの第1固定端部のうちの前記コンクリート床と前記底板の第2部分との間に延びる部分が、前記空間に充填されたセメント硬化物と一体になっている請求項1記載の据え付け基礎。
  • 前記コンクリート床が、前記鉄骨柱および前記鉄骨梁の上に施設されたコンクリートスラブと、前記スラブの上に施設された防水層と、前記防水層の上に施設された押さえコンクリートとから形成され、前記支持ボルトが、前記底板の第2部分に開口するボルト孔に挿通されるとともに、前記コンクリート床から前記押さえコンクリートと前記防水層とを取り除いた前記スラブに開口するボルト孔に挿通され、前記管材と前記底板の第1部分とが、前記鉄骨柱と前記鉄骨梁との交差箇所に施設された前記スラブの上に配置され、前記底板の第2部分が、前記鉄骨梁に施設された前記スラブの上に配置され、前記底板が、前記スラブから上方へ所定寸法離間している請求項2に記載の据え付け基礎。
  • 鉄骨柱および鉄骨梁から形成された鉄骨躯体と前記鉄骨躯体に施設されたコンクリート床とを有する既設の鉄骨構造物の所定の箇所に設置される据え付け基礎において、
    前記据え付け基礎が、前記コンクリート床から上方へ延びる第1固定端部および該コンクリート床に開口するアンカーホールに固定された第2固定端部を有する複数本のアンカーボルトと、前記コンクリート床から上方へ所定寸法離間する土台と、前記土台に設置された蓋と、前記土台の外周縁と前記コンクリート床との間に設置されて該コンクリート床と該土台の外周縁との間の空隙を塞ぐ枠材と、前記コンクリート床と前記土台と前記枠材とに囲繞された空間に充填されたセメント硬化物とから形成され、
    前記土台が、前記コンクリート床の上面に対向する底板と、前記底板の上面に位置する中空の管材とを備え、それらアンカーボルトの第1固定端部が、前記底板に開口するボルト孔に挿通されて所定の固定手段を介して該底板に固定され、それらアンカーボルトの第1固定端部のうちの前記コンクリート床と前記底板との間に延びる部分が、前記空間に充填されたセメント硬化物と一体になり、前記蓋が、前記管材の頂部開口を塞ぎ、
    前記据え付け基礎では、前記空間にセメント硬化物を充填した直後であって該セメント硬化物の養生期間の経過前に、前記蓋によって前記管材の頂部開口が塞がれ、前記蓋によって前記管材の頂部開口が塞がれた後からセメント硬化物の養生期間が開始し、前記養生期間の経過後に、前記ボルトの第1固定端部のうちの前記コンクリート床と前記底板との間に延びる部分が前記セメント硬化物と一体になることを特徴とする据え付け基礎。
  • 前記底板が、前記管材の径方向内方へ延びる第1部分と、前記管材の径方向外方へ延びる第2部分とを備え、前記アンカーボルトの第1固定端部が、前記底板の第2部分に開口するボルト孔に挿通されて該底板の第2部分に固定され、前記アンカーボルトの第2固定端部が、前記第2部分に対向する前記コンクリート床に開口するアンカーホールに固定され、前記アンカーボルトの第1固定端部のうちの前記コンクリート床と前記底板の第2部分との間に延びる部分が、前記空間に充填されたセメント硬化物と一体になっている請求項4記載の据え付け基礎。
  • 前記コンクリート床が、前記鉄骨柱および前記鉄骨梁の上に施設されたコンクリートスラブと、前記スラブの上に施設された防水層と、前記防水層の上に施設された押さえコンクリートとから形成され、前記アンカーボルトが、前記底板の第2部分に開口するボルト孔に挿通されるとともに、前記コンクリート床から前記押さえコンクリートと前記防水層とを取り除いた前記スラブに開口するアンカーホールに固定され、前記管材と前記底板の第1部分とが、前記鉄骨柱と前記鉄骨梁との交差箇所に施設された前記スラブの上に配置され、前記底板の第2部分が、前記鉄骨梁に施設された前記スラブの上に配置され、前記底板が、前記スラブから上方へ所定寸法離間している請求項5記載の据え付け基礎。
  • 前記底板の第2部分には、その周縁から上方へ起立する第1側板と、前記第1側板の間に位置して前記第2部分から上方へ起立する第2側板とが連接され、前記土台には、前記底板の第2部分と前記第1側板とに囲繞されたスペースが画成され、前記セメント硬化物が、前記スペースに充填されている請求項2、請求項3、請求項5、請求項6いずれかに記載の据え付け基礎。
  • 前記底板の第2部分には、その周縁から上方へ起立する第1側板と、前記第1側板の間に位置して前記第2部分から上方へ起立する第2側板とが連接され、前記土台には、前記底板の第2部分と前記第1側板とに囲繞されたスペースが画成され、頂板が、前記スペースの頂部開口を塞いでいる請求項2、請求項3、請求項5、請求項6いずれかに記載の据え付け基礎。
  • 前記据え付け基礎が、前記土台を覆う防水層を含み、前記防水層の前記底板の第2部分から外側に延びる部分が、前記コンクリート床の防水層につながっている請求項2、請求項3、請求項5〜請求項8いずれかに記載の据え付け基礎。
  • 前記底板の所定の箇所には、前記コンクリート床と前記底板との間の空間に前記セメント硬化物を充填するための充填孔が作られている請求項1ないし請求項9いずれかに記載の据え付け基礎。
  • 前記底板の所定の箇所には、前記コンクリート床と前記底板との間の空間に充填された前記セメント硬化物の充填状態を確認するための確認孔が作られている請求項1ないし請求項10いずれかに記載の据え付け基礎。
  • 前記据え付け基礎が、前記底板に開口する螺着孔に螺着されて前記土台の高さ寸法を調節する高さ調節ボルトを含み、前記高さ調節ボルトの前記底板に対する螺着位置を調節することによって前記空間の高さ寸法を調節可能かつ前記コンクリート床からの前記土台の高さ寸法を調節可能である請求項1ないし請求項11いずれかに記載の据え付け基礎。
  • 说明书全文

    本発明は、据え付け基礎に関し、さらに詳細には、鉄骨柱および鉄骨梁から形成された鉄骨躯体と鉄骨躯体に施設されたコンクリート床とを有する鉄骨構造物にソーラーパネルやアンテナ、貯槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を設置するために使用する据付け基礎に関する。

    新設または既設の鉄筋コンクリート造や鉄筋鉄骨コンクリート造等のコンクリート構造物では、屋上や地下のスラブにソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の様々な機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の様々な建築物が設置される。 通常、そのような機械器具や建築物は、その内部への水の侵入を防ぐ目的、機械器具や建築物の背面側のメンテナンスを可能にする目的からそれらがコンクリートスラブの表面に直に設置されることはなく、それらがスラブに設置された据え付け基礎の上に備え付けられる。

    そのような据え付け基礎の一例として、特許文献1は、太陽電池パネル据え付け構造を開示している。 特許文献1において説明されている従来技術では、太陽電池パネルの施工現場の据え付け箇所において型枠を製作し、その型枠内にコンクリートを打設・養生することにより基礎を作り、搬送されてきた太陽電池パネルおよびその架台をその基礎の上に備え付ける構造である。 そのような従来技術の据え付け基礎では、施工現場で型枠を製作しなければならないから、その分の手間がかかることはもちろん、型枠内に流し込んだコンクリートの養生に時間がかかり、短い施工期間で据え付け構造を作ることができない。

    かかる従来技術の問題点を解決するために、特許文献1に開示の太陽電池パネル据え付け構造では、基礎部品製造工場においてコンクリート製または鉄筋コンクリート製の基礎をあらかじめ製造し、その基礎をコンクリート構造物の屋上や地下の施工現場に搬送する。 その後、屋上や地下のスラブの据え付け箇所に薄いセメント層を形成し、そのセメント層を接着層としてその上に基礎を載せてスラブと一体化し、太陽電池パネルの設置用架台をそれらの基礎の上に備え付ける。 特許文献1に開示された太陽電池パネル据え付け構造は、太陽電池パネルを備え付けるための基礎を形成する際に施工現場において型枠を製作する必要がないから、その分の手間が省け、施工現場における施工作業を簡略化することができるとともに、コンクリートを養生する時間を省くことができ、その分の施工期間を短縮することができる。

    特開平9−070188号公報

    前記特許文献1に開示の太陽電池パネル据え付け構造では、施工現場においてコンクリートを養生する必要はないが、基礎部品製造工場においてコンクリートを養生して基礎を作らなければならず、基礎の製造にコンクリートの養生が必要であることに変わりはなく、基礎の製造に時間を要する。 さらに、製造した基礎を工場から施工現場に搬送する必要があり、相当な重量を有する基礎を搬送する手間を要するから、基礎を施工する労やコストを低減することができない。 また、工場で製造された基礎をスラブに固定する場合、コンクリート層を接着層としてスラブに固定する方法や凹部をスラブに形成して基礎の下端をその凹部に嵌め込む方法しか採用できず、基礎をスラブに強固に据え付けることができない。

    本発明の目的は、設置に要する労力やコストを低減することができるとともに、施工期間を短縮することができる据え付け基礎を提供することにある。 本発明の他の目的は、鉄骨構造物に強固に設置することができ、機械機器や建築物を強固に備え付けることができる据え付け基礎を提供することにある。

    前記課題を解決するための第1および第2発明の前提は、鉄骨柱および鉄骨梁から形成された鉄骨躯体と鉄骨躯体に施設されたコンクリート床とを有する鉄骨構造物の所定の箇所に設置される据え付け基礎である。

    前記前提における第1発明の特徴は、据え付け基礎が、鉄骨梁とコンクリート床とに開口するボルト孔に挿通されて、コンクリート床を貫通して上方へ延びる第1固定端部および鉄骨梁を貫通して下方へ延びる第2固定端部を有する複数本の支持ボルトと、コンクリート床から上方へ所定寸法離間する土台と、土台に設置された蓋と、土台の外周縁とコンクリート床との間に設置されてコンクリート床と土台の外周縁との間の空隙を塞ぐ枠材と、コンクリート床と土台と枠材とに囲繞された空間に充填されたセメント硬化物とから形成され、土台が、コンクリート床に対向する底板と、底板から上方へ延びる中空の管材とを備え、それら支持ボルトの第1固定端部が底板に開口するボルト孔に挿通されて所定の固定手段を介して底板に固定され、それらボルトの第2固定端部が鉄骨梁に所定の固定手段を介して固定され、それら支持ボルトの第1固定端部のうちのコンクリート床と底板との間に延びる部分が空間に充填されたセメント硬化物と一体になり、蓋が管材の頂部開口を塞ぎ、据え付け基礎では、空間にセメント硬化物を充填した直後であってセメント硬化物の養生期間の経過前に、蓋によって管材の頂部開口が塞がれ、蓋によって管材の頂部開口が塞がれた後からセメント硬化物の養生期間が開始し、養生期間の経過後に、ボルトの第1固定端部のうちのコンクリート床と底板との間に延びる部分がセメント硬化物と一体になることにある。

    前記第1発明の一例としては、底板が、管材の径方向内方へ延びる第1部分と、管材の径方向外方へ延びる第2部分とを備え、支持ボルトの第1固定端部が底板の第2部分に開口するボルト孔に挿通されて底板の第2部分に固定され、支持ボルトの第2固定端部が第2部分に対向する鉄骨梁に開口するボルト孔に挿通されて鉄骨梁に固定され、枠材が底板の第2部分の外周縁とコンクリート床との間に設置されてコンクリート床と第2部分の外周縁との間の空隙を塞ぎ、支持ボルトの第1固定端部のうちのコンクリート床と底板の第2部分との間に延びる部分が空間に充填されたセメント硬化物と一体になっている。

    前記第1発明の他の一例としては、コンクリート床が、鉄骨柱および鉄骨梁の上に施設されたコンクリートスラブと、スラブの上に施設された防水層と、防水層の上に施設された押さえコンクリートとから形成され、支持ボルトが、底板の第2部分に開口するボルト孔に挿通されるとともに、コンクリート床から押さえコンクリートと防水層とを取り除いたスラブに開口するボルト孔に挿通され、管材と底板の第1部分とが鉄骨柱と鉄骨梁との交差箇所に施設されたスラブの上に配置され、底板の第2部分が鉄骨梁に施設されたスラブの上に配置され、底板がスラブから上方へ所定寸法離間している。

    前記前提における第2発明の特徴は、据え付け基礎が、コンクリート床から上方へ延びる第1固定端部およびコンクリート床に開口するアンカーホールに固定された第2固定端部を有する複数本のアンカーボルトと、コンクリート床から上方へ所定寸法離間する土台と、土台に設置された蓋と、土台の外周縁とコンクリート床との間に設置されてコンクリート床と土台の外周縁との間の空隙を塞ぐ枠材と、コンクリート床と土台と枠材とに囲繞された空間に充填されたセメント硬化物とから形成され、土台が、コンクリート床の上面に対向する底板と、底板の上面に位置する中空の管材とを備え、それらアンカーボルトの第1固定端部が底板に開口するボルト孔に挿通されて所定の固定手段を介して底板に固定され、それらアンカーボルトの第1固定端部のうちのコンクリート床と底板との間に延びる部分が空間に充填されたセメント硬化物と一体になり、蓋が管材の頂部開口を塞ぎ、据え付け基礎では、空間にセメント硬化物を充填した直後であってセメント硬化物の養生期間の経過前に、蓋によって管材の頂部開口が塞がれ、蓋によって管材の頂部開口が塞がれた後からセメント硬化物の養生期間が開始し、養生期間の経過後に、ボルトの第1固定端部のうちのコンクリート床と底板との間に延びる部分がセメント硬化物と一体になることにある。

    前記第2発明の一例としては、底板が、管材の径方向内方へ延びる第1部分と、管材の径方向外方へ延びる第2部分とを備え、アンカーボルトの第1固定端部が底板の第2部分に開口するボルト孔に挿通されて底板の第2部分に固定され、アンカーボルトの第2固定端部が第2部分に対向するコンクリート床に開口するアンカーホールに固定され、アンカーボルトの第1固定端部のうちのコンクリート床と底板の第2部分との間に延びる部分が空間に充填されたセメント硬化物と一体になっている。

    前記第2発明の他の一例としては、コンクリート床が、鉄骨柱および鉄骨梁の上に施設されたコンクリートスラブと、スラブの上に施設された防水層と、防水層の上に施設された押さえコンクリートとから形成され、アンカーボルトが、底板の第2部分に開口するボルト孔に挿通されるとともに、コンクリート床から押さえコンクリートと防水層とを取り除いたスラブに開口するアンカーホールに固定され、管材と底板の第1部分とが鉄骨柱と鉄骨梁との交差箇所に施設されたスラブの上に配置され、底板の第2部分が鉄骨梁に施設されたスラブの上に配置され、底板がスラブから上方へ所定寸法離間している。

    前記第1および第2発明の他の一例として、底板の第2部分には、その周縁から上方へ起立する第1側板と、第1側板の間に位置して第2部分から上方へ起立する第2側板とが連接され、土台には、底板の第2部分と第1側板とに囲繞されたスペースが画成され、セメント硬化物がスペースに充填されている。

    前記第1および第2発明の他の一例として、底板の第2部分には、その周縁から上方へ起立する第1側板と、第1側板の間に位置して第2部分から上方へ起立する第2側板とが連接され、土台には、底板の第2部分と第1側板とに囲繞されたスペースが画成され、頂板がスペースの頂部開口を塞いでいる。

    前記第1および第2発明の他の一例としては、据え付け基礎が土台を覆う防水層を含み、防水層の底板の第2部分から外側に延びる部分がコンクリート床の防水層につながっている。

    前記第1および第2発明の他の一例として、底板の所定の箇所には、コンクリート床と底板との間の空間にセメント硬化物を充填するための充填孔が作られている。

    前記第1および第2発明の他の一例として、底板の所定の箇所には、コンクリート床と底板との間の空間に充填されたセメント硬化物の充填状態を確認するための確認孔が作られている。

    前記第1および第2発明の他の一例としては、据え付け基礎が底板に開口する螺着孔に螺着されて土台の高さ寸法を調節する高さ調節ボルトを含み、高さ調節ボルトの底板に対する螺着位置を調節することによって空間の高さ寸法を調節可能かつコンクリート床からの前記土台の高さ寸法を調節可能である。

    前記第1発明にかかる据え付け基礎によれば、複数本の支持ボルト、コンクリート床から上方へ所定寸法離間する土台、土台に設置された蓋と、コンクリート床と土台の外周縁との間の空隙を塞ぐ枠材、空間に充填されたセメント硬化物とから形成され、それらがすべて汎用部品化され、施工現場(据え付け箇所)においてユニットシステムとして組み立てられるから、基礎を施工する際に施工現場において型枠を製作する必要がないことはもちろん、基礎部品製造工場や施工現場において基礎を作るためにセメント硬化物を養生する必要はなく、複数本の支持ボルトを軽量な土台の底板と鉄骨梁とに固定し、空間にセメント硬化物を充填するとともに、土台に蓋を固定するだけで基礎を構築することができ、型枠の製作やセメント硬化物の養生にかかる手間や時間を省くことができるとともに、施工作業を簡略化することができ、その分の施工期間を大幅に短縮することができる。 据え付け基礎は、支持ボルトの第1固定端部が土台の底板に固定され、支持ボルトの第2固定端部が鉄骨梁に固定されるとともに、セメント硬化物の養生期間が経過した後にボルトの部分がセメント硬化物と一体になり、基礎にかかる荷重をボルトとセメント硬化物とで分担するから、鉄骨構造物に強固に設置することができるとともに、それにソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を強固に備え付けることができる。 据え付け基礎は、コンクリート床と土台の底板と枠材とに囲繞された空間にセメント硬化物が充填され、基礎の上に機械機器や建築物を備え付けた場合の基礎にかかる荷重を支持ボルトと硬化したセメント硬化物とで分担するから、基礎にかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎が崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持することができる。 据え付け基礎は、コンクリート床と土台の外周縁との間の空隙が枠材によって塞がれ、セメント硬化物を前記空間に充填したとしても、そのセメント硬化物が空隙(空間)から漏れ出すことはなく、空間にセメント硬化物を充填した直後であってセメント硬化物の養生期間を待つことなく、蓋によって管材の頂部開口を塞ぐことができ、セメント硬化物の養生期間を待つことなく次の基礎の据え付け作業を行うことができるから、セメント硬化物の養生期間の分の施工期間を短縮することができ、据え付け基礎の施工期間を大幅に短縮することができる。 据え付け基礎は、土台の外周縁の外側近傍にセメント硬化物の養生ための型枠を設置する必要がなく、型枠を設置するための手間や時間、コストを省くことができる。

    底板が第1および第2部分を備え、支持ボルトの第1固定端部が底板の第2部分に開口するボルト孔に挿通されて第2部分に固定され、支持ボルトの第2固定端部が第2部分に対向する鉄骨梁に開口するボルト孔に挿通されて鉄骨梁に固定され、枠材がコンクリート床と第2部分の外周縁との間の空隙を塞ぎ、支持ボルトの第1固定端部のうちのコンクリート床と底板の第2部分との間に延びる部分が空間に充填されたセメント硬化物と一体になっている据え付け基礎は、それを施工する際に施工現場において型枠を製作する必要がないことはもちろん、基礎部品製造工場や施工現場において基礎を作るためにセメント硬化物を養生する必要はなく、複数本の支持ボルトを軽量な土台の底板の第2部分と鉄骨梁とに固定し、空間にセメント硬化物を充填するとともに、土台に蓋を固定するだけで基礎を構築することができ、型枠の製作やセメント硬化物の養生にかかる手間やコスト、時間を省くことができるとともに、施工作業を簡略化することができ、その分の施工期間を大幅に短縮することができる。 据え付け基礎は、支持ボルトの第1固定端部が底板の第2部分に固定され、支持ボルトの第2固定端部が鉄骨梁に固定されるとともに、セメント硬化物の養生期間が経過した後にボルトの部分がセメント硬化物と一体になり、基礎にかかる荷重をボルトとセメント硬化物とで分担するから、鉄骨構造物に強固に設置することができるとともに、それにソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を強固に備え付けることができる。 据え付け基礎は、底板を管材の径方向外方へ延ばして第2部分を形成することで底板の面積を確保し、その底板によって基礎にかかる荷重を支え、代わりに管材の径方向の寸法を小さくして管材の重量を減少させることができるから、管材の重量を軽量化することができ、その結果として基礎の重量を軽量化することができる。

    コンクリート床がコンクリートスラブ、防水層、押さえコンクリートから形成され、支持ボルトが底板の第2部分に開口するボルト孔に挿通されるとともにコンクリート床から押さえコンクリートと防水層とを取り除いたスラブに開口するボルト孔に挿通され、管材および底板の第1部分が鉄骨柱と鉄骨梁との交差箇所に施設されたスラブの上に配置され、底板の第2部分が鉄骨梁に施設されたスラブの上に配置され、底板がスラブの上面から上方へ所定寸法離間している据え付け基礎は、複数本の支持ボルトを軽量な土台の底板の第2部分と鉄骨梁とに固定し、空間にセメント硬化物を充填するとともに、土台に蓋を固定するだけで基礎を構築することができ、型枠の製作やセメント硬化物の養生にかかる手間やコスト、時間を省くことができるとともに、施工作業を簡略化することができ、その分の施工期間を大幅に短縮することができる。 据え付け基礎は、その据え付け箇所が既設の鉄骨構造物の屋上や地下に防水機能を施した防水層を備えたコンクリート床である場合でも、据え付け箇所の防水層を取り除いた後の露出したコンクリートスラブに基礎を設置し、基礎を設置した直後に据え付け箇所近傍の防水層を補修する(新たな防水層を施す)ことができるから、基礎を迅速に設置することができ、基礎の設置に要する時間を大幅に短縮することができる。

    前記第2発明にかかる据え付け基礎によれば、複数本のアンカーボルト、コンクリート床から上方へ所定寸法離間する土台、土台に設置された蓋、コンクリート床と土台の外周縁との間の空隙を塞ぐ枠材、空間に充填されたセメント硬化物とから形成され、それらがすべて汎用部品化され、施工現場(据え付け箇所)においてユニットシステムとして組み立てられるから、基礎を施工する際に施工現場において型枠を製作する必要がないことはもちろん、基礎部品製造工場や施工現場において基礎を作るためにセメント硬化物を養生する必要はなく、複数本のアンカーボルトをコンクリート床のアンカーホールと軽量な土台の底板とに固定し、空間にセメント硬化物を充填するとともに、土台に蓋を固定するだけで基礎を構築することができ、型枠の製作やセメント硬化物の養生にかかる手間や時間を省くことができるとともに、施工作業を簡略化することができ、その分の施工期間を大幅に短縮することができる。 据え付け基礎は、アンカーボルトの第1固定端部が土台の底板に固定され、アンカーボルトの第2固定端部がコンクリート床のアンカーホールに固定されるとともに、セメント硬化物の養生期間が経過した後にボルトの部分がセメント硬化物と一体になり、基礎にかかる荷重をボルトとセメント硬化物とで分担するから、鉄骨構造物に強固に設置することができるとともに、それにソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を強固に備え付けることができる。 据え付け基礎は、コンクリート床と土台の底板と枠材に囲繞された空間にセメント硬化物が充填され、基礎の上に機械機器や建築物を備え付けた場合の基礎にかかる荷重をアンカーボルトと硬化したセメント硬化物とで分担するから、基礎にかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎が崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持することができる。 据え付け基礎は、コンクリート床と土台の外周縁との間の空隙が枠材によって塞がれ、セメント硬化物を前記空間に充填したとしても、そのセメント硬化物が空隙(空間)から漏れ出すことはなく、空間にセメント硬化物を充填した直後であってセメント硬化物の養生期間を待つことなく、蓋によって管材の頂部開口を塞ぐことができ、セメント硬化物の養生期間を待つことなく次の基礎の据え付け作業を行うことができるから、セメント硬化物の養生期間の分の施工期間を短縮することができ、据え付け基礎の施工期間を大幅に短縮することができる。 据え付け基礎は、土台の外周縁の外側近傍にセメント硬化物の養生ための型枠を設置する必要がなく、型枠を設置するための手間や時間、コストを省くことができる。

    底板が第1および第2部分を備え、アンカーボルトの第1固定端部が底板の第2部分に開口するボルト孔に挿通されて第2部分に固定され、アンカーボルトの第2固定端部が第2部分に対向するコンクリート床に開口するアンカーホールに固定され、アンカーボルトの第1固定端部のうちのコンクリート床と底板の第2部分との間に延びる部分が空間に充填されたセメント硬化物と一体になっている据え付け基礎は、それを施工する際に施工現場において型枠を製作する必要がないことはもちろん、基礎部品製造工場や施工現場において基礎を作るためにセメント硬化物を養生する必要はなく、複数本のアンカーボルトをコンクリート床のアンカーホールと軽量な土台の底板の第2部分とに固定し、空間にセメント硬化物を充填するとともに、土台に蓋を固定するだけで基礎を構築することができ、型枠の製作やセメント硬化物の養生にかかる手間や時間を省くことができるとともに、施工作業を簡略化することができ、その分の施工期間を大幅に短縮することができる。 据え付け基礎は、アンカーボルトの第1固定端部が底板の第2部分に固定され、アンカーボルトの第2固定端部がコンクリート床のアンカーホールに固定されるとともに、セメント硬化物の養生期間が経過した後にボルトの部分がセメント硬化物と一体になり、基礎にかかる荷重をボルトとセメント硬化物とで分担するから、鉄骨構造物に強固に設置することができるとともに、それにソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を強固に備え付けることができる。 据え付け基礎は、底板を管材の径方向外方へ延ばして第2部分を形成することで底板の面積を確保し、その底板によって基礎にかかる荷重を支え、代わりに管材の径方向の寸法を小さくして管材の重量を減少させることができるから、管材の重量を軽量化することができ、その結果として基礎の重量を軽量化することができる。

    コンクリート床がコンクリートスラブ、防水層、押さえコンクリートから形成され、アンカーボルトが底板の第2部分に開口するボルト孔に挿通されるとともにコンクリート床から押さえコンクリートと防水層とを取り除いたスラブに開口するアンカーホールに固定され、管材と底板の第1部分とが鉄骨柱と鉄骨梁との交差箇所に施設されたスラブの上に配置され、底板の第2部分が鉄骨梁に施設されたスラブの上に配置され、底板がスラブから上方へ所定寸法離間している据え付け基礎は、複数本のアンカーボルトをコンクリートスラブのアンカーホールと軽量な土台の底板の第2部分とに固定し、空間にセメント硬化物を充填するとともに、土台に蓋を固定するだけで基礎を構築することができ、型枠の製作やセメント硬化物の養生にかかる手間やコスト、時間を省くことができるとともに、施工作業を簡略化することができ、その分の施工期間を大幅に短縮することができる。 据え付け基礎は、その据え付け箇所が既設の鉄骨構造物の屋上や地下に防水機能を施した防水層を備えたコンクリート床である場合でも、据え付け箇所の防水層を取り除いた後の露出したコンクリートスラブに基礎を設置し、基礎を設置した直後に据え付け箇所近傍の防水層を補修する(新たな防水層を施す)ことができるから、基礎を迅速に設置することができ、基礎の設置に要する時間を大幅に短縮することができる。

    底板の第2部分に第1側板と第2側板とが連接され、土台に底板の第2部分と第1側板とに囲繞されたスペースが画成され、セメント硬化物がスペースに充填されている据え付け基礎は、第1および第2側板が底板の強度を増加させる補強板として機能するから、底板の変形や破損がそれら側板によって防止され、据え付け基礎を鉄骨構造物に強固に据え付けることができ、基礎にかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎が崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持することができる。 据え付け基礎は、スペースにセメント硬化物を充填するから、支持ボルトまたはアンカーボルトがスペースにおいて露出することがなく、ボルトの腐食や固定の緩みを防ぐことができ、ボルトが腐食することによるボルトと底板との固定の解除を防ぐことができるとともに、ボルトが緩むことによる基礎としての機能の喪失を防ぐことができる。

    底板の第2部分に第1側板と第2側板とが連接され、土台に底板の第2部分と第1側板とに囲繞されたスペースが画成され、頂板がスペースの頂部開口を塞いでいる据え付け基礎は、第1および第2側板が底板の強度を増加させる補強板として機能するから、底板の変形や破損がそれら側板によって防止され、据え付け基礎を鉄骨構造物に強固に据え付けることができ、基礎にかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎が崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持することができる。 据え付け基礎は、支持ボルトまたはアンカーボルトが外部に露出することがなく、スペースへの水の進入を防ぐことができるから、ボルトの腐食を防ぐことができ、ボルトが腐食することによるボルトと底板との固定の解除を防ぐことができる。 据え付け基礎は、スペースの頂部開口を頂部板で塞ぐだけなので、スペースにセメント硬化物を充填する場合と比較し、セメント硬化物を養生する期間を短縮することができ、その分の施工期間を短縮することができる。

    土台を覆う防水層を含み、防水層の底板の第2部分から外側に延びる部分がコンクリート床の防水層につながっている据え付け基礎は、それが鉄骨構造物の屋外に設置された場合でも防水層によって土台への水の侵入を防ぐことができ、土台に水が進入することによる土台の腐食や強度低下を防ぐことができる。 また、コンクリート床への水の進入を防ぐことができ、水の進入によるコンクリート床や鉄骨躯体の劣化を防ぐことができる。

    コンクリート床の上面と底板との間の空間にセメント硬化物を充填するための充填孔が底板の所定の箇所に作られている据え付け基礎は、ボルトを固定した後に充填孔を利用して空間にセメント硬化物を充填することができるから、空間にセメント硬化物を確実に充填することができる。 据え付け基礎は、その上に機械機器や建築物を備え付けた場合の基礎にかかる荷重を支持ボルトまたはアンカーボルトと硬化したセメント硬化物とに分担させることができ、基礎にかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎が崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持することができる。

    コンクリート床と底板との間の空間に充填されたセメント硬化物の充填状態を確認するための確認孔が底板の所定の箇所に作られている据え付け基礎は、確認孔を利用して空間に充填されたセメント硬化物の充填状態を確認することで、セメント硬化物が空間に偏って充填されることはなく、セメント硬化物を空間全域に満遍なく充填することができる。 据え付け基礎は、その上に機械機器や建築物を備え付けた場合の基礎にかかる荷重を支持ボルトまたはアンカーボルトと硬化したセメント硬化物とに分担させることができ、基礎にかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎が崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持することができる。

    底板に開口する螺着孔に螺着されて土台の高さ寸法を調節する高さ調節ボルトを含み、高さ調節ボルトの底板に対する螺着位置を調節することによって空間の高さ寸法を調節可能かつコンクリート床からの土台の高さ寸法を調節可能な据え付け基礎は、高さ調節ボルトを利用することで基礎の施工中に土台の高さ寸法を自由に変えることができ、基礎の高さ寸法の変更要求に即座に対応することができる。 据え付け基礎は、複数個のそれらを設置する場合にそれら基礎どうしの高さ寸法を容易に調節することができ、それら基礎の高さ寸法を均一に揃えることができる。

    一例として示す据え付け基礎の斜視図。

    据え付け基礎の上面図。

    図1のA−A線断面図。

    金属土台の上面図。

    金属土台の側面図。

    据え付け基礎の施工手順の一例を示す図。

    図6から続く据え付け基礎の施工手順を示す図。

    図7から続く据え付け基礎の施工手順を示す図。

    図8から続く据え付け基礎の施工手順を示す図。

    他の一例として示す据え付け基礎の斜視図。

    据え付け基礎の上面図。

    図10のB−B線断面図。

    金属土台の上面図。

    金属土台の側面図。

    据え付け基礎の施工手順の一例を示す図。

    図15から続く据え付け基礎の施工手順を示す図。

    図15から続く据え付け基礎の施工手順を示す図。

    他の一例として示す据え付け基礎の斜視図。

    図1のA−A線断面図。

    金属土台の上面図。

    金属土台の側面図。

    図18の据え付け基礎の施工手順の一例を示す図。

    図22から続く据え付け基礎の施工手順を示す図。

    図23から続く据え付け基礎の施工手順を示す図。

    図24から続く据え付け基礎の施工手順を示す図。

    一例として示す据え付け基礎10Aの斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる据え付け基礎の詳細を説明すると、以下のとおりである。 図1では、鉄骨構造物11に設置された1個の据え付け基礎10Aを図示しているが、基礎10Aの個数を図示のそれに限定するものではなく、一般的には2個以上の基礎10Aが鉄骨構造物11に設置される。 なお、図2は、据え付け基礎10Aの上面図であり、図3は、図1のA−A線断面図である。 図4は、金属土台16の上面図であり、図5は、金属土台16の側面図である。 図1では、上下方向を矢印X1、横方向を矢印X2で示し、前後方向を矢印X3で示す。

    据え付け基礎10Aは、新設または既設の鉄骨構造物11(鉄骨建物を含むあらゆる鉄骨建造物)の屋上や地下の所定の据え付け箇所に設置される。 据え付け箇所は、屋上や地下の鉄骨柱と鉄骨梁との交差箇所に施設されたスラブである。 ここで、「スラブ」とは、厳密には「床版」を意味するが、この実施の形態では、鉄骨構造物11の地下の床のみならず屋上の床も含む意味で用いる。

    この基礎10Aを据え付ける鉄骨構造物11は、図3に示すように、鉄骨躯体54と、躯体54の上に施設されたコンクリート床12とから形成されている。 鉄骨躯体54は、鉄骨柱55と鉄骨梁56とから形成されている。 鉄骨柱55や鉄骨梁56には、ウェブ57およびフランジ58を有するH形鋼が使用されている。 鉄骨柱55のH形鋼には、コンクリート59が打設されている。 それらH形鋼は、それらのフランジ58に固定されたつなぎ板60を介して連結されている。 なお、鉄骨柱55や鉄骨梁56には、H形鋼の他に、形鋼管や円形鋼管、山形鋼、溝形鋼、C形鋼のいずれかを使用することもできる。

    コンクリート床12は、コンクリートスラブ13と、スラブ13の上に施設された防水層14と、防水層14の上に施設され押さえコンクリート15(モルタル層)とから形成されている。 なお、鉄骨構造物11が地下に構築された場合、防水層14と押さえコンクリート15とが存在せず、スラブ13のみからコンクリート床12を形成する場合がある。 また、スラブ13には、図示はしていないが、複数本の鉄筋が埋設されている。

    据え付け基礎10Aは、それがコンクリート床12から押さえコンクリート15と防水層14とを取り除いたコンクリートスラブ13の上に設置される。 据え付け基礎10Aは、金属土台16(土台)および金属蓋17(蓋)、複数本の高さ調節ボルト18、複数本の支持ボルト19、モルタル20(セメント硬化物)、防水層21、成型材22(枠材)の汎用化(規格化)された各基礎構成部品を利用し、それら基礎構成部品を所定のマニュアル化された手順で組み立てることから作られている。

    鉄骨梁56を形成するH形鋼の上部フランジ58Aには、支持ボルト19を挿通する複数の支持ボルト挿通孔61(ボルト孔)が作られている。 支持ボルト挿通孔61は、ドリルによって作られ、コンクリートスラブ13に埋設された鉄筋を避けた状態で、H形鋼の上部フランジ58Aを上下方向へ貫通している。 それら支持ボルト挿通孔61は、上部フランジ58Aにおいて横方向と前後方向とへ所定間隔で並んでいる。 上部フランジ58Aには支持ボルト挿通孔61が8個作られているが、挿通孔61の個数に特に限定はなく、基礎10Aを設置する前に行う構造計算(強度計算)によってその個数が決定される。

    金属土台16は、形状や寸法が同一の規格化された汎用品であり、複数個のそれらが施工現場以外の基礎部品製造工場で製造された後、施工現場に搬送される。 金属土台16は、コンクリート床12から押さえコンクリート15と防水層14とを取り除いたコンクリートスラブ13の上に配置されている。 金属土台16は、中空筒状の金属管23(管材)と、平面形状が略矩形の金属板24(底板)とから形成されている。 金属土台16は、金属板24の上面に金属管23を溶接することによって製造される。 金属管23や金属板24は、鉄やアルミニウム、合金等の金属から作られている。

    金属土台16では、それを形成する金属管23(金属板24の後記する第1部分30を含む)が鉄骨柱55と鉄骨梁56との交差箇所に施設されたコンクリートスラブ13の直上に配置され、金属板24の後記する第2部分31が鉄骨梁56に施設されたコンクリートスラブ13の直上に配置されている。 なお、金属土台16は、鉄筋コンクリート基礎と比較し、コンクリートが省かれている分だけ軽量である。 ゆえに、その金属土台16を利用することで、基礎10Aの重量を大幅に軽量化することができる。

    金属管23は、略矩形の各側板25を有し、その断面が略四角形に成型されている。 金属管23は、金属板24の中央部の上面に配置され、その下端縁が金属板24の上面に溶接によって接合(融着)されている。 金属管23にはそれら側壁25によって中空スペース26が画成され、金属管23の頂部にはそれら側板25の上端縁に囲繞された頂部開口27が形成されている。 金属管23の頂部には、蓋固定ボルト28を螺着する複数の固定ボルト螺着孔29が作られている。 固定ボルト螺着孔29には、蓋固定ボルト28が螺着する雌螺子(図示せず)が作られている。

    金属板24は、金属管23の下端縁から径方向内方(金属管23の横方向内側)へ延びる第1部分30と、金属管23の下端縁から径方向外方(金属管23の横方向外側)へ延びる第2部分31とを有する。 第1部分30には、高さ調節ボルト18を螺着する複数の調節ボルト螺着孔32が作られている(図4参照)。 調節ボルト螺着孔32には、高さ調節ボルト18が螺着する雌螺子(図示せず)が作られている。 なお、第1部分30におけるボルト螺着孔32の個数や穿孔箇所に特に限定はなく、それら孔32を第1部分30の任意の箇所に作ることができる。

    金属板24の第1部分30の中央部には、モルタル20を充填するための楕円形の充填孔33が作られている。 第1部分30の四隅には、モルタル20の充填状態を確認するための確認孔34が作られている(図4参照)。 第1部分30には、横方向と縦方向とへ延びる複数の補強板35が設置されている。 それら補強板35は、金属管23の内面と金属板24の上面とに溶接によって接合(融着)されている。 補強板35は、金属管23および金属板24の強度を増加させる補強材として機能する。

    金属板24の第2部分31は、横方向へ延びる両端縁(周縁)と、前後方向へ延びる両側縁(周縁)とを有する。 第2部分31には、その両端縁に沿って端縁から上方へ起立する矩形の第1側板36が溶接によって接合(融着)され、その両側縁に沿って側縁から上方へ起立する矩形の第1側板36が溶接によって接合(融着)されている。 第2部分31(第1部分30を含む)の端縁に連接された第1側板36は、互いに平行して横方向へ延びている。 第2部分31の側縁に連接された第1側板36は、互いに平行して前後方向へ延びている。

    金属板24の第2部分31には、第1側板36の間に位置して第2部分31から上方へ起立する矩形の第2側板37が溶接によって接合(融着)されている。 第2側板37は、互いに平行して前後方向へ延びている。 第1および第2側板36,37は、金属板24の第2部分31の強度を増加させる補強板として機能する。 金属土台16には、金属板24の第2部分31と第1側板36とに囲繞されたスペース38が画成されている。 スペース38には、モルタル20(セメント硬化物)が充填され、そのモルタル20がスペース38において硬化している(図3参照)。 なお、図示はしていないが、金属板24の第2部分31の上面に金属製の頂板が配置され、その頂板がスペース38の開口を塞いでいてもよい。 この場合、スペース38にモルタル20は充填されず、頂板が第1および第2側板36,37の上端縁に溶接によって接合(融着)される。

    金属板24の第2部分31には、支持ボルト19を挿通する複数の支持ボルト挿通孔39(ボルト孔)が作られている。 支持ボルト挿通孔39は、ドリルによって作られ、金属板24の第2部分31を上下方向へ貫通している。 それら支持ボルト挿通孔39は、第2部分31において横方向と前後方向とへ所定間隔で並んでいる。 図4では、支持ボルト挿通孔39が8個作られているが、挿通孔39の個数に特に限定はなく、基礎10Aを設置する前に行う構造計算(強度計算)によってその個数が決定される。

    なお、コンクリートスラブ13の基礎据え付け位置には、それら支持ボルト19を挿通する複数の支持ボルト挿通孔40(ボルト孔)が作られている。 支持ボルト挿通孔40は、ドリルによって作られ、コンクリートスラブ13に埋設された鉄筋を避けた状態で、コンクリートスラブ13を上下方向へ貫通している。 支持ボルト挿通孔40は、金属土台16をコンクリートスラブ13の上面に載置した場合の、金属板24の第2部分31に形成された支持ボルト挿通孔39の位置と一致する。 それら支持ボルト挿通孔40は、コンクリートスラブ13において横方向と前後方向とへ所定間隔で並んでいる。

    金属蓋17は、形状や寸法が同一の規格化された汎用品であり、複数個のそれらが施工現場以外の基礎部品製造工場で製造された後、施工現場に搬送される。 金属蓋17は、鉄やアルミニウム、合金等の金属から作られ、その平面形状が略矩形に成型されている。 金属蓋17の下面であって蓋17の周縁の内側には、蓋17を金属管23の頂部に固定するためのアングル材41(鋼材)が溶接によって接合(融着)されている。 金属蓋17の下面であって蓋17の周縁には、水切り用アングル材42(鋼材)が溶接によって接合(融着)されている。 アングル材41には、蓋固定ボルト28を挿通する固定ボルト挿通孔(図示せず)が作られ、その固定ボルト挿通孔に六角ナット43が溶接によって接合(融着)されている。

    金属蓋17は、アングル材41に作られた固定ボルト挿通孔に挿通された蓋固定ボルト28とアングル材41に取り付けられた六角ナット43とによって金属管24の頂部に固定され、金属管24の頂部開口27を水密に塞いでいる。 金属蓋17の上面には、図示はしていないが、ソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を設置するための固定器具が取り付けられている。

    高さ調節ボルト18は、雄螺子(図示せず)が作られた軸44とボルトヘッド45とから形成された六角ボルトである。 高さ調節ボルト18の軸44は、金属板24の第1部分30に作られた調節ボルト螺着孔32にあらかじめ螺着されている。 ボルトヘッド45において高さ調節ボルト18を反時計回りに回転させると、ボルト18の軸44がボルト螺着孔32の下方へ次第に進むとともに、第1部分30の下面から下方へ延出し、ボルトヘッド45がコンクリート梁13の上面に当接する。 それによって、金属土台16をコンクリートスラブ12やコンクリート梁13の上面から上方へ所定の寸法だけ離間させることができる。 逆に、高さ調節ボルト18を時計回りに回転させると、ボルト18の軸44がボルト螺着孔32の上方へ次第に進むとともに、第1部分30の下面から上方へ延出する。 それによって、金属土台16をコンクリートスラブ12やコンクリート梁13の上面に近づけることができる。

    高さ調節ボルト18を調節ボルト螺着孔32において回転させることによって金属土台16の金属板24がコンクリートスラブ12やコンクリート梁13の上面から上方へ離間し、スラブ12や梁13の上面と金属板24の下面との間に所定の高さ寸法の空間46が形成される。 金属土台16の金属板24の第1部分30に対するそれら高さ調節ボルト18の螺着位置を調節することによって、空間46の高さ寸法を調節することができ、コンクリートスラブ12やコンクリート梁13の上面からの金属土台16の高さ寸法をボルト18の長さを限度に調節することができる。

    支持ボルト19は、長さや直径が同一の規格化された汎用品であり、複数本のそれらが施工現場以外の基礎部品製造工場で製造された後、施工現場に搬送される。 それらボルト19は、鋼材から作られ、金属板24の第2部分31に作られた支持ボルト挿通孔39に挿通され、コンクリートスラブ13(コンクリート床)に作られた支持ボルト挿通孔40に挿通され、さらに、H形鋼の上部フランジ58Aに作られた支持ボルト挿通孔61に挿通されている。 支持ボルト19は、コンクリートスラブ13の上面から上方へ延びる第1固定端部47と、H形鋼の上部フランジ58Aから下方へ延びる第2固定端部48と、支持ボルト挿通孔40,61に位置して第1および第2固定端部47,48の間に延びる中間部49とを有する。

    支持ボルト19の第1固定端部47は、金属板24に開口する支持ボルト挿通孔39に挿通され、六角二重ナット50(固定手段)を介して金属板24に固定されている。 六角二重ナット50は、第1固定端部47の金属板24から上方に延出する部分に取り付けられている。 支持ボルト19の第2固定端部48は、H形鋼の上部フランジ58Aに六角二重ナット51(固定手段)を介して固定されている。 支持ボルト19のそれら固定端部47,48に六角二重ナット50,51を螺着する場合、高さ調節ボルト18によってコンクリートスラブ12やコンクリート梁13の上面からの金属土台16の高さ寸法が既に調節されている。

    モルタル20は、コンクリートスラブ13の上面と金属板24の下面との間に形成された空間46に充填されている。 モルタル20は、金属板24に形成された充填孔33から充填される。 空間46では、そこに充填されたモルタル20が硬化し、モルタル20がコンクリートスラブ13の上面と金属板24の第1および第2部分30,31の下面とに接合されているとともに、支持ボルト19に接合されている。

    空間46では、支持ボルト19の第1固定端部47のうちのコンクリートスラブ13の上面と金属板24の第2部分31との間に延びる部分がモルタル20と一体になっている。 硬化したモルタル20は、基礎10Aの上(金属蓋17の上)にソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を備え付けた場合の基礎10Aにかかる荷重を支持ボルト19とともに分担する。 なお、空間46に充填するセメント硬化物には、モルタル20の他に、コンクリートを利用することもできる。

    金属管23と金属板24との交差部には、三角柱状の成型材22(枠材)が設置されている。 成型材22は、金属管23や金属板24に接着剤(図示せず)を介して固着され、金属管23外周縁全域を取り囲んでいる。 押さえコンクリート15とコンクリートスラブ13とには、三角柱状の成型材22(枠材)が設置されている。 成型材22は、スラブ13や押さえコンクリート15に接着剤(図示せず)を介して固着されている。 成型材22は、金属土台16の外周縁(金属板24の外周縁)とコンクリートスラブ13(コンクリート床)との間に設置され、金属板24の外周縁全域を取り囲み、コンクリートスラブ13と金属板24の外周縁との間の空隙を塞いでいる。

    防水層21は、金属管23の各側板25の外側に設置されて側板25全域を覆うとともに、金属板24の外側(スペース38の充填されたモルタル20の上面、または、スペース38を塞ぐ頂板の上面)に設置されて金属板24全域や第1および第2側板36,37全域を覆っている。 防水層21には、薄いアスファルトシートを複数重ね合わせてアスファルトシート層を作るアスファルト防水が利用されている。 アスファルトシートは、その接着性によって金属管23の側板25、モルタル20、第1および第2側板36,37、成型材22に固着している。 防水層21の金属板24の第2部分31から外側に延びる部分(成型材22に固着されたアスファルトシート)は、鉄骨構造物11の防水層14につながっている。 なお、防水層21として、アスファルト防水の他に、塩ビシート防水やゴムシート防水、ウレタン防水やエポキシ防水、FRP防水を利用することもできる。

    図6は、据え付け基礎10Aの施工手順の一例を示す図であり、図7は、図6から続く据え付け基礎10Aの施工手順を示す図である。 図8は、図7から続く据え付け基礎10Aの施工手順を示す図であり、図9は、図8から続く据え付け基礎10Aの施工手順を示す図である。 図6〜図9では、鉄骨構造物11を断面として示し、一部を除く基礎10Aの各部品を断面として示す。 図6〜図9を参照し、据え付け基礎10Aを鉄骨構造物11の屋上に設置する場合を例として、基礎10Aの施工手順を説明すると、以下のとおりである。

    基礎部品製造工場で製造された汎用部品化された各基礎部品(金属土台16(土台)、金属蓋17(蓋)、高さ調節ボルト18、支持ボルト19、防水層21、成型材22(枠材))を工場から施工現場に搬送する。 なお、基礎部品製造工場からの出荷時では、金属板24の第2部分31に支持ボルト挿通孔39(ボルト孔)が作られておらず、施工箇所において第2部分31に支持ボルト挿通孔39を穿孔する。 また、金属板24の第1部分30には、複数の調節ボルト螺着孔32が基礎部品製造工場においてあらかじめ作られており、それらボルト螺着孔32に高さ調節ボルト18が螺着されている。

    屋上における鉄骨構造物11の構成は、図6に示すように、鉄骨柱55および鉄骨梁56(鉄骨躯体54)と、コンクリートスラブ13と、スラブ13の上に施設された防水層14と、防水層14の上に施設され押さえコンクリート15とから形成されている。 最初に、鉄骨構造物11の屋上における基礎10Aの据え付け箇所を位置決めし、その据え付け箇所(コンクリート床12)にマーキングをするとともに、図6に示すように、その据え付け箇所において、コンクリート床12から押さえコンクリート15と防水層14とを取り除き、スラブ13を露出させる。

    なお、図示のコンクリート床12は、コンクリートスラブ13と防水層14と押さえコンクリート15とから形成されているが、コンクリート床12を図示のそれに限定するものではなく、現在使用されている他の構成のコンクリート床構造すべてにこの据え付け基礎10Aを施工することができる。 たとえば、コンクリートスラブの上にさらに合成樹脂を塗布して樹脂被膜を形成したコンクリート床構造の場合、基礎据え付け箇所では、コンクリート床から樹脂被膜と押さえコンクリートと防水層とを取り除き、スラブを露出させる。

    コンクリート床12からコンクリートスラブ13を露出させた後スラブ13の内部に設置された鉄筋の位置をセンサを利用して測定する。 次に、それら鉄筋を避ける位置に支持ボルト19を設置するため、支持ボルト挿通孔39(ボルト孔)の鉄筋を避けた位置の穿孔箇所を金属板24の第2部分31にマーキングする。 マーキングに合わせ、ドリルを利用して金属板24の第2部分31の穿孔箇所に支持ボルト挿通孔39を穿孔する(挿通孔ボルト孔穿孔工程)。 ボルト挿通孔39を穿孔した後、図7に示すように、スラブ13における基礎据え付け箇所のマーキングに合わせ、その据え付け箇所に金属土台16を仮設置する(土台仮設置工程)。

    土台仮設置工程において金属土台16を仮設置すると、金属管23および金属板24の第1部分30が鉄骨柱55と鉄骨梁56との交差箇所に施設されたコンクリートスラブ13の直上に位置し、金属板24の第2部分31が鉄骨梁56に施設されたコンクリートスラブ13の直上に位置するとともに、高さ調節ボルト18のボルトヘッド45がコンクリートスラブ13の上面に当接する。 据え付け箇所に金属土台16を仮設置すると、コンクリートスラブ13の上面に当接するそれら高さ調節ボルト18に支えられて土台16がスラブ13の上面に自立する。

    金属土台16を仮設置した後、土台16の金属板24の第1部分30に対するそれら高さ調節ボルト18の螺着位置を調節し、コンクリートスラブ13の上面からの土台16の設置高さ(高さ寸法)(空間46の高さ寸法)を調節する(設置高さ調節工程)。 設置高さ調節工程では、高さ調節ボルト18の説明において述べたように、調節ボルト18を調節ボルト螺着孔32において時計回りと反時計回りとのいずれかに回転させ、金属土台16のコンクリートスラブ13の上面からの離間寸法を調節する。

    据え付け基礎10Aは、高さ調節ボルト18を利用することで基礎10Aの施工中に金属土台16の高さ寸法を自由に変えることができ、基礎10Aの高さ寸法の変更要求に即座に対応することができる。 据え付け基礎10Aは、複数個のそれらを設置する場合にそれら基礎10Aどうしの高さ寸法を容易に調節することができ、それら基礎10Aの高さ寸法を均一に揃えることができる。

    金属土台16の高さ寸法を調節した後、金属板24の支持ボルト挿通孔39の位置にあわせてコンクリートスラブ13の支持ボルト挿通孔40(ボルト孔)の穿孔箇所にマーキングをする。 次に、仮設置箇所(据え付け箇所)から金属土台16を一時的に退かした後、ドリルを利用してマーキングした穿孔箇所に支持ボルト挿通孔40を穿孔するとともに(ボルト孔穿孔工程)、支持ボルト挿通孔39の位置にあわせてH形鋼の上部フランジ58Aに支持ボルト挿通孔61を穿孔する(ボルト孔穿孔工程)。 コンクリートスラブ13や上部フランジ58Aに支持ボルト挿通孔40,61を作った後、図8に示すように、金属板24の第2部分31に作られた支持ボルト挿通孔39に支持ボルト19を挿通し、スラブ13に作られた支持ボルト挿通孔40にボルト19を挿通するとともに、上部フランジ58Aに作られた支持ボルト挿通孔61にボルト19を挿通する。

    支持ボルト19を支持ボルト挿通孔39,40,61に挿通すると、第1固定端部47がコンクリートスラブ13の上面から上方へ延出し、第2固定端部48が上部フランジ58Aから下方へ延出するとともに、中間部49が支持ボルト挿通孔40,61に位置する。 次に、支持ボルト19の第1固定端部47のうちの金属板24から上方に延出する部分に六角二重ナット50を螺着するとともに、支持ボルト19の第2固定端部48に六角二重ナット51を螺着し、支持ボルト19を金属板24とH形鋼の上部フランジ58Aとに固定する(支持ボルト固定工程)。

    支持ボルト19を金属板24と上部フランジ58Aとに固定した後、図9に示すように、金属板24の第2部分31と第1側板36とに囲繞されたスペース38にモルタル29(セメント硬化物)を充填し、モルタル20を養生させる。 なお、モルタル20の養生期間をなくすため、図示はしていないが、モルタル20の充填に代えて、金属板24の第2部分31の上面に金属製の頂板を配置し、その頂板によってスペース38の頂部開口を塞ぐ。 この場合、スペース38にモルタル20は充填せず、頂板を第1および第2側板36,37の上端縁に溶接によって接合(融着)する。

    モルタル20が硬化した後(養生した後)、または、頂板でスペース38の頂部開口を塞いだ後、金属管23と金属板24との交差部に三角柱状の成型材22を設置し、その成型材22を金属管23と金属板24とに接着剤(図示せず)を介して固着する。 さらに、押さえコンクリート15とコンクリートスラブ13とに三角柱状の成型材22を設置し、その成型材22を押さえコンクリート15とスラブ13とに接着剤(図示せず)を介して固着する(枠材設置工程)。 金属管23と金属板24との交差部に成型材22を設置すると、成型材22が金属管23の外周縁全域を取り囲む。 押さえコンクリート15とコンクリートスラブ13とに成型材22を設置すると、成型材22が金属板24の外周縁全域を取り囲み、成型材22がコンクリートスラブ13と金属板24の外周縁との間の空隙を塞ぐ。

    成型材22を設置した後、金属管23の各側板25の外側と金属板24の外側(スペース38の充填されたモルタル20の上面、または、スペース38を塞ぐ頂板の上面)とに防水層21を設置する(防水層設置工程)。 防水層設置工程では、複数の薄いアスファルトシートを金属管23の各側板25の外側と金属板24の外側と成型材22の外側とに固着して防水層21を作るとともに、成型材22から延びる防水層21をコンクリート床12の防水層14につなげる。 据え付け基礎10Aは、それが鉄骨構造物11の屋外に設置された場合でも防水層21によって金属土台16への水の侵入を防ぐことができ、土台16に水が進入することによる土台16の腐食や強度低下を防ぐことができる。 また、コンクリート床12(スラブ13)への水の進入を防ぐことができ、水の進入によるコンクリート床12や鉄骨構造物11の劣化を防ぐことができる。

    防水層21を設置した後、コンクリートスラブ13の上面と金属板24の下面との間に形成された空間46にモルタル20(セメント硬化物)を充填する(セメント硬化物充填工程)。 セメント硬化物充填工程では、確認孔34から空間46におけるモルタル20の充填状態を確認しつつ、充填孔33から空間46にモルタル20を充填する。

    据え付け基礎10Aは、支持ボルト19を金属板24や上部フランジ58Aに固定した後に充填孔33を利用して空間46にモルタル20を充填することができるから、空間46にモルタル20を確実に充填することができる。 据え付け基礎10Aは、確認孔34を利用して空間46に充填されたモルタル20の充填状態を確認することで、モルタル20が空間46に偏って充填されることはなく、モルタル20を空間46全域に満遍なく充填することができる。

    空間46にモルタル20を充填した直後、モルタル20の養生期間を待つことなく、直ちに金属管23の頂部に金属蓋17を嵌め込み、金属管23の頂部開口27を塞ぐ。 金属管23の頂部に金属蓋17を嵌め込んだ後、金属管23の各側板25の上部に作られた固定ボルト螺着孔29に蓋固定ボルト28を螺着するとともに、金属蓋17のアングル材41の蓋固定ボルト挿通孔にボルト29を挿通し、ボルト挿通孔に取り付けられた六角ナット43にボルト29を螺着して蓋17を金属管25の頂部に固定する(頂部閉鎖工程)(図3援用)。 金属管25の頂部開口27は、金属蓋17によって水密に閉塞される。

    なお、空隙(空間46の周縁)が成型材22によって塞がれているから、成型材22が硬化前のモルタル20の漏れを防ぐ堤防となり、空間46に充填されたモルタル20が空隙(空間46)から漏れ出すことはなく、モルタル20の充填後に直ちに金属蓋17で頂部開口27を閉塞することができる。 据え付け基礎10Aでは、金属管25の頂部に金属蓋17を嵌め込んだ(固定した)直後において空間46に充填されたモルタル20が未硬化状態にあり、管25の頂部に蓋17を固定した後からモルタル20の養生期間が開始する。

    空間46では、モルタル20の養生期間が経過し、そこに充填されたモルタル20が硬化することで、支持ボルト19の第1固定端部47のうちのコンクリート梁13(コンクリート躯体13)の上面と金属管25の金属板24との間に延びる部分(ボルト19の第1固定端部47のうちの板24の下面から下方へ露出する部分)がモルタル20と一体になり、鉄筋モルタルを形成する。

    以上の各工程が終了すると、図1〜3に示す据え付け基礎10Aが完成する。 据え付け基礎10Aは、モルタル20を空間46に充填した後、モルタル20の養生期間を待つことなく、直ちに金属管23の頂部開口27を金属蓋17によって塞ぎ、基礎10Aを完成させることができるから、空間46に充填したモルタル20の養生期間の分だけ施工期間を短縮することができ、養生期間を待つことなく、複数の基礎10Aの施工を平行して行うことができる。

    据え付け基礎10Aは、複数本の支持ボルト19を軽量な金属土台16の金属板24の第2部分31と鉄骨梁56(H形鋼の上部フランジ58A)とに固定し、空間46にモルタル20を充填するとともに、金属管23の頂部に金属蓋17を固定するだけで基礎10Aを構築することができ、それらがすべて汎用部品化されてユニットシステムとして組み立てられるから、型枠の製作やモルタルの養生にかかる手間やコスト、時間を省くことができるとともに、施工作業を簡略化することができ、その分の施工期間を大幅に短縮することができる。

    据え付け基礎10Aは、その据え付け箇所が既設の鉄骨構造物11の屋上や地下に防水機能を施した防水層を備えたスラブ13である場合でも、据え付け箇所の防水層14を取り除いた後の露出したスラブ13に基礎10Aを設置し、基礎10Aを設置した直後に据え付け箇所近傍の防水層を補修する(新たな防水層21を施す)ことができるから、基礎10Aを迅速に設置することができ、基礎10Aの設置に要する時間を大幅に短縮することができる。

    据え付け基礎10Aは、支持ボルト19の第1固定端部47が金属板24の第2部分31に固定され、支持ボルト19の第2固定端部48が鉄骨梁56(H形鋼の上部フランジ58A)に固定されるから、それを鉄骨構造物11に強固に据え付けることができ、ソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を強固に備え付けることができる。 据え付け基礎10Aは、コンクリートスラブ13の上面と金属板24の下面との間の空間46にモルタル20が充填され、基礎10Aの上に機械機器や建築物を備え付けた場合の基礎10Aにかかる荷重を支持ボルト19とモルタル20とで分担するから、基礎10Aにかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎10Aが崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持することができる。

    図10は、他の一例として示す据え付け基礎10Bの斜視図であり、図11は、据え付け基礎10Bの上面図である。 図12は、図10のB−B線断面図であり、図13は、金属土台16の上面図である。 図14は、金属土台16の側面図である。 図10では、上下方向を矢印X1、横方向を矢印X2で示し、前後方向を矢印X3で示す。

    この据え付け基礎10Bが図1のそれと異なるところは、支持ボルト19に代えてアンカーボルト62が使用され、そのアンカーボルト62がコンクリートスラブ13に作られたアンカーホール63に固定されている点、鉄骨梁56を形成するH形鋼の上部フランジ58Aに支持ボルト挿通孔61が作られていない点にある。 なお、この基礎10Bのその他の構成は、図1の基礎10Aの構成と同一であるから、図1の基礎10Aと同一の符号を付すとともに、図1の基礎10Aの説明を援用することで、この基礎10Bにおけるその他の構成の詳細な説明は省略する。

    据え付け基礎10Bは、図1のそれと同様に、コンクリート床12から押さえコンクリート15(モルタル層)と防水層14とを取り除いたコンクリートスラブ13の上に設置される。 据え付け基礎10Bは、金属土台16(土台)および金属蓋17(蓋)、複数本の高さ調節ボルト18、複数本のアンカーボルト62、モルタル20、防水層21、成型材22(枠材)の汎用化(規格化)された各基礎構成部品を所定の手順で組み立てることから作られている。

    金属土台16は、コンクリート床12から押さえコンクリート15と防水層14とを取り除いたコンクリートスラブ13の上に配置されている。 金属土台16は、金属管23と金属板24とから形成されている。 金属管23(金属板24の第1部分30を含む)は、鉄骨柱55と鉄骨梁56との交差箇所に施設されたコンクリートスラブ13の直上に配置され、金属板24の第2部分31は、鉄骨梁56に施設されたコンクリートスラブ13の直上に配置されている。 金属管23は、図1の基礎10Aのそれと同一である。 なお、金属土台16はコンクリートが省かれている分だけ軽量であり、その土台16を利用することで、基礎10Bの重量を大幅に軽量化することができる。

    金属板24は、金属管23の下端縁から径方向内方へ延びる第1部分30と、金属管23の下端縁から径方向外方へ延びる第2部分31とを有する。 第1部分30には、高さ調節ボルト18を螺着する複数の調節ボルト螺着孔32が作られている(図13参照)。 第1部分30の中央部には、モルタル20を充填するための楕円形の充填孔33が作られ、第1部分30の四隅には、モルタル20の充填状態を確認するための確認孔34が作られている(図13参照)。 第1部分30には、横方向と縦方向とへ延びる複数の補強板35が設置されている。

    金属板24の第2部分31には、その両端縁に沿って端縁から上方へ起立する第1側板36が設置され、その両側縁に沿って側縁から上方へ起立する第1側板36が設置されている。 さらに、第1側板36の間に位置して第2部分31から上方へ起立する第2側板37が設置されている。 金属板24の第2部分31と第1側板36とに囲繞されたスペース38には、モルタル20(セメント硬化物)が充填され、そのモルタル20がスペース38において硬化している(図12参照)。 なお、図1の基礎10Aと同様に、金属板24の第2部分31の上面に金属製の頂板が配置され、その頂板がスペース38の開口を塞いでいてもよい。

    金属板24の第2部分31には、アンカーボルト62を挿通する複数のアンカーボルト挿通孔39(ボルト孔)が作られている。 それらアンカーボルト挿通孔39は、第2部分31において横方向と前後方向とへ所定間隔で並んでいる。 なお、コンクリートスラブ13の基礎据え付け位置には、それらアンカーボルト62を固定する複数のアンカーホール63が作られている。 アンカーホール63は、ドリルによって作られ、コンクリートスラブ13に埋設された鉄筋を避けた状態で、スラブ13の上面から下面に向かって上下方向へ延び、H形鋼の上部フランジ58A近傍に達している。 アンカーホール63は、金属土台16をコンクリートスラブ13の上面に載置した場合の、金属板24の第2部分31に形成されたアンカーボルト挿通孔39の位置と一致する。 それらアンカーホール63は、コンクリートスラブ13において横方向と前後方向とへ所定間隔で並んでいる。

    金属蓋17や高さ調節ボルト18は、図1の基礎10Aのそれらと同一である。 金属蓋17は、図1のそれと同様に、アングル材41に作られた固定ボルト挿通孔に挿通された蓋固定ボルト28とアングル材41に取り付けられた六角ナット43とによって金属管24の頂部に固定され、金属管24の頂部開口を水密に塞いでいる。

    高さ調節ボルト18は、図1のそれと同様に、それを調節ボルト螺着孔32において回転させることによって金属土台16の金属板24がコンクリートスラブ13の上面から上方へ離間し、スラブ13の上面と金属板24の下面との間に所定の高さ寸法の空間46が形成される。 金属土台16の金属板24の第1部分30に対するそれら高さ調節ボルト18の螺着位置を調節することによって、空間46の高さ寸法を調節することができ、コンクリートスラブ13の上面からの金属土台16の高さ寸法をボルト18の長さを限度に調節することができる。

    アンカーボルト62は、長さや直径が同一の規格化された汎用品であり、複数本のそれらが施工現場以外の基礎部品製造工場で製造される。 アンカーボルト62は、鋼材から作られ、金属板24の第2部分31に作られたアンカーボルト挿通孔39に挿通され、さらに、コンクリートスラブ13に作られたアンカーホール63に挿入されている。 それらアンカーボルト62は、コンクリートスラブ13の上面から上方へ延びる第1固定端部64と、アンカーホール63に挿入されてホール63に固定された第2固定端部65とを有する。 アンカーボルト62のそれら端部64,65には、雄螺子(図示せず)が作られている。

    アンカーボルト62の第2固定端部65は、その周面がアンカーホール63に樹脂接着剤を介して固定されている。 アンカーボルト62の第1固定端部64はアンカーボルト挿通孔39に挿通され、第1固定端部64のうちの金属板24の上面から上方へ露出する部分には六角二重ナット50が螺着されている。 アンカーボルト62の第1固定端部64は、六角二重ナット50(固定手段)を介して金属板24に固定されている。 アンカーボルト62の固定端部64に六角二重ナット50を螺着する場合、高さ調節ボルト18によってコンクリートスラブ13の上面からの金属土台16の高さ寸法が既に調節されている。

    モルタル20は、金属板24に形成された充填孔33から空間46に充填されている。 空間46では、そこに充填されたモルタル20が硬化し、モルタル20がコンクリートスラブ13の上面と金属板24の第1および第2部分30,31の下面とに接合されているとともに、アンカーボルト62に接合されている。 空間46では、アンカーボルト62の第1固定端部64のうちのコンクリートスラブ13の上面と金属板24の第2部分31との間に延びる部分がモルタル20と一体になっている。 硬化したモルタル20は、基礎10Aの上(金属蓋17の上)にソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を備え付けた場合の基礎10Aにかかる荷重をアンカーボルト62とともに分担する。

    金属管23と金属板24との交差部には、三角柱状の成型材22(枠材)が設置されている。 成型材22は、金属管23や金属板24に接着剤(図示せず)を介して固着され、金属管23の外周縁全域を取り囲んでいる。 押さえコンクリート15とコンクリートスラブ13とには、三角柱状の成型材22(枠材)が設置されている。 成型材22は、スラブ13や押さえコンクリート15に接着剤(図示せず)を介して固着されている。 成型材22は、金属土台16の外周縁(金属板24の外周縁)とコンクリートスラブ13(コンクリート構造物)との間に設置され、金属板24の外周縁全域を取り囲み、スラブ13と金属板24の外周縁との間の空隙を塞いでいる。

    防水層21は、金属管23の各側板25の外側に設置されて側板25全域を覆うとともに、金属板24の外側(スペース38の充填されたモルタル20の上面、または、スペース38を塞ぐ頂板の上面)に設置されて金属板24全域や第1および第2側板36,37全域を覆っている。 防水層21には、薄いアスファルトシートを複数重ね合わせてアスファルトシート層を作るアスファルト防水が利用されている。 アスファルトシートは、その接着性によって金属管23の側板25、モルタル20、第1および第2側板36,37、成型材22に固着している。 防水層21の金属板24の第2部分31から外側に延びる部分(成型材22に固着されたアスファルトシート)は、コンクリート床12の防水層14につながっている。

    図15は、据え付け基礎10Bの施工手順の一例を示す図であり、図16は、図15から続く据え付け基礎10Bの施工手順を示す図である。 図17は、図15から続く据え付け基礎10Bの施工手順を示す図である。 図15〜図17では、鉄骨構造物11を断面として示し、一部を除く基礎10Bの各部品を断面として示す。

    図6を援用するとともに図15〜図17を参照し、据え付け基礎10Bを鉄骨構造物11の屋上に設置する場合を例として、据え付け基礎10Bの施工手順を説明すると、以下のとおりである。 なお、基礎部品製造工場からの出荷時では、金属板24の第2部分31に支持ボルト挿通孔39(ボルト孔)が作られておらず、施工箇所において第2部分31に支持ボルト挿通孔39を穿孔する。 また、金属板24の第1部分30には、複数の調節ボルト螺着孔32が基礎部品製造工場においてあらかじめ作られており、それらボルト螺着孔32に高さ調節ボルト18が螺着されている。

    基礎部品製造工場で製造された汎用部品化された各基礎部品(金属土台16(土台)、金属蓋17(蓋)、高さ調節ボルト18、アンカーボルト62、防水層21、成型材22(枠材))を工場から施工現場に搬送した後、鉄骨構造物11の屋上における基礎10Bの据え付け箇所を位置決めし、その据え付け箇所にマーキングをする。 次に、その据え付け箇所において、コンクリート床12から押さえコンクリート15と防水層14とを取り除き、コンクリートスラブ13を露出させる(図6援用)。

    コンクリート構造物11からコンクリートスラブ13を露出させた後、スラブ13の内部に設置された鉄筋の位置をセンサを利用して測定する。 次に、それら鉄筋を避ける位置に支持ボルト19を設置するため、支持ボルト挿通孔39(ボルト孔)の鉄筋を避けた位置の穿孔箇所を金属板24の第2部分31にマーキングする。 マーキングに合わせ、ドリルを利用して金属板24の第2部分31の穿孔箇所に支持ボルト挿通孔39を穿孔する(挿通孔ボルト孔穿孔工程)。 ボルト挿通孔39を穿孔した後、図15に示すように、スラブ13における基礎据え付け箇所のマーキングに合わせ、その据え付け箇所に金属土台16を仮設置する(土台仮設置工程)。

    土台仮設置工程において金属土台16を仮設置すると、金属管23および金属板24の第1部分30が鉄骨柱55と鉄骨梁56との交差箇所に施設されたコンクリートスラブ13の直上に位置し、金属板24の第2部分31が鉄骨梁56に施設されたコンクリートスラブ13の直上に位置するとともに、高さ調節ボルト18のボルトヘッド45がコンクリートスラブ13の上面に当接する。 据え付け箇所に金属土台16を仮設置すると、コンクリートスラブ13の上面に当接する高さ調節ボルト18に支えられて土台16がスラブ13の上面に自立する。

    金属土台16を仮設置した後、土台16の金属板24の第1部分30に対するそれら高さ調節ボルト18の螺着位置を調節し、コンクリートスラブ13の上面からの土台16の設置高さ(高さ寸法)(空間46の高さ寸法)を調節する(設置高さ調節工程)。 据え付け基礎10Bは、高さ調節ボルト18を利用することで基礎10Bの施工中に金属土台16の高さ寸法を自由に変えることができ、基礎10Bの高さ寸法の変更要求に即座に対応することができる。 据え付け基礎10Bは、複数個のそれらを設置する場合にそれら基礎10Bどうしの高さ寸法を容易に調節することができ、それら基礎10Bの高さ寸法を均一に揃えることができる。

    金属土台16の高さ寸法を調節した後、金属板24の支持ボルト挿通孔39の位置にあわせてコンクリートスラブ13の支持ボルト挿通孔40(ボルト孔)の穿孔箇所にマーキングをする。 次に、仮設置箇所(据え付け箇所)から金属土台16を一時的に退かした後、ドリルを利用してマーキングした穿孔箇所に支持ボルト挿通孔40を穿孔する(挿通孔穿孔工程)。 コンクリートスラブ13に支持ボルト挿通孔40を作った後、金属土台16を据え付け箇所に再び仮設置し、図16に示すように、金属板24の第2部分31に作られた支持ボルト挿通孔39に支持ボルト19を挿通するとともに、スラブ13に作られた支持ボルト挿通孔40に支持ボルト19を挿通する。

    アンカーボルト62を挿通孔39に挿通し、アンカーホール63に挿入すると、第1固定端部64がコンクリートスラブ13の上面から上方へ延出し、第2固定端部65がアンカーホール63に位置する。 アンカーボルト62の第2固定端部65は、その周面がアンカーホール63に樹脂接着剤を介して固定される。 次に、アンカーボルト62の第1固定端部64のうちの金属板24から上方に延出する部分に六角二重ナット50を螺着し、アンカーボルト62を金属板24とコンクリートスラブ13とに固定する(支持ボルト固定工程)。

    アンカーボルト62を金属板24とコンクリートスラブ13とに固定した後、図17に示すように、金属板24の第2部分31と第1側板36とに囲繞されたスペース38にモルタル20を充填し、モルタル20を養生させる。 なお、図1の基礎10Aと同様に、モルタル20の充填に代えて、金属板24の第2部分31の上面に金属製の頂板を配置し、その頂板によってスペース38の頂部開口を塞いでもよい。

    モルタル20が硬化した後、または、頂板でスペース38の頂部開口を塞いだ後、金属管23と金属板24との交差部に三角柱状の成型材22を設置するとともに、押さえコンクリート15とコンクリートスラブ13とに三角柱状の成型材22を設置する(枠材設置工程)。 金属管23と金属板24との交差部に成型材22を設置すると、成型材22が金属管23の外周縁全域を取り囲む。 押さえコンクリート15とコンクリートスラブ13とに成型材22を設置すると、成型材22が金属板24の外周縁全域を取り囲み、成型材22がスラブ13と金属板24の外周縁との間の空隙を塞ぐ。

    成型材22を設置した後、金属管23の各側板25の外側と金属板24の外側(スペース38の充填されたモルタル20の上面、または、スペース38を塞ぐ頂板の上面)とに防水層21を設置する(防水層設置工程)。 防水層設置工程では、図1の基礎10Aと同様に、複数の薄いアスファルトシートを金属管23の各側板25の外側と金属板24の外側と成型材22の外側とに固着して防水層21を作るとともに、成型材22から延びる防水層21を鉄骨構造物11の防水層14につなげる。 据え付け基礎10Bは、それが鉄骨構造物11の屋外に設置された場合でも防水層21によって金属土台16への水の侵入を防ぐことができ、土台16に水が進入することによる土台16の腐食や強度低下を防ぐことができる。 また、コンクリート床12への水の進入を防ぐことができ、水の進入による床12や鉄骨構造物11の劣化を防ぐことができる。

    防水層21を設置した後、空間46にモルタル20を充填する(セメント硬化物充填工程)。 セメント硬化物充填工程では、確認孔34から空間46におけるモルタル20の充填状態を確認しつつ、充填孔33から空間46にモルタル20を充填する。 据え付け基礎10Bは、アンカーボルト62を金属板24やコンクリートスラブ13に固定した後に充填孔33を利用して空間46にモルタル20を充填することができるから、空間46にモルタル20を確実に充填することができる。 据え付け基礎10Bは、確認孔34を利用して空間46に充填されたモルタル20の充填状態を確認することで、モルタル20が空間46に偏って充填されることはなく、モルタル20を空間46全域に満遍なく充填することができる。

    空間46にモルタル20を充填した直後、モルタル20の養生期間を待つことなく、直ちに金属管23の頂部に金属蓋17を嵌め込み、金属管23の頂部開口27を塞ぐ。 金属管23の頂部に金属蓋17を嵌め込んだ後、金属管23の各側板25の上部に作られた固定ボルト螺着孔29に蓋固定ボルト28を螺着するとともに、金属蓋17のアングル材41の蓋固定ボルト挿通孔にボルト29を挿通し、ボルト挿通孔に取り付けられた六角ナット43にボルト29を螺着して蓋17を金属管25の頂部に固定する(頂部閉鎖工程)(図12援用)。 金属管25の頂部開口27は、金属蓋17によって水密に閉塞される。

    なお、空隙(空間46の周縁)が成型材22によって塞がれているから、成型材22が硬化前のモルタル20の漏れを防ぐ堤防となり、空間46に充填されたモルタル20が空隙(空間46)から漏れ出すことはなく、モルタル20の充填後に直ちに金属蓋17で頂部開口27を閉塞することができる。 据え付け基礎10Bでは、金属管25の頂部に金属蓋17を嵌め込んだ(固定した)直後において空間46に充填されたモルタル20が未硬化状態にあり、管25の頂部に蓋17を固定した後からモルタル20の養生期間が開始する。

    空間46では、モルタル20の養生期間が経過し、そこに充填されたモルタル20が硬化することで、支持ボルト19の第1固定端部47のうちのコンクリートスラブ12の上面と金属管25の金属板24との間に延びる部分(ボルト19の第1固定端部47のうちの板24の下面から下方へ露出する部分)がモルタル20と一体になり、鉄筋モルタルを形成する。

    以上の各工程が終了すると、図10〜12に示す据え付け基礎10Bが完成する。 据え付け基礎10Bは、モルタル20を空間46に充填した後、モルタル20の養生期間を待つことなく、直ちに金属管23の頂部開口27を金属蓋17によって塞ぎ、基礎10Bを完成させることができるから、空間46に充填したモルタル20の養生期間の分だけ施工期間を短縮することができ、養生期間を待つことなく、複数の基礎10Bの施工を平行して行うことができる。

    据え付け基礎10Bは、複数本のアンカーボルト62を軽量な金属土台16の金属板24の第2部分31とコンクリートスラブ13(アンカーホール63)とに固定するとともに、空間46にモルタル20を充填し、金属管23の頂部に金属蓋17を固定するだけで基礎10Bを構築することができ、それらがすべて汎用部品化されてユニットシステムとして組み立てられるから、型枠の製作やモルタルの養生にかかる手間やコスト、時間を省くことができるとともに、施工作業を簡略化することができ、その分の施工期間を大幅に短縮することができる。

    据え付け基礎10Bは、その据え付け箇所が既設の鉄骨構造物11の屋上や地下に防水機能を施した防水層を備えたコンクリート床12である場合でも、据え付け箇所の防水層14を取り除いた後の露出したコンクリートスラブ13に基礎10Bを設置し、基礎10Bを設置した直後に据え付け箇所近傍の防水層14を補修する(新たな防水層21を施す)ことができるから、基礎10Bを迅速に設置することができ、基礎10Bの設置に要する時間を大幅に短縮することができる。

    据え付け基礎10Bは、アンカーボルト62の第1固定端部64が金属板24の第2部分31に固定され、アンカーボルト62の第2固定端部65がコンクリートスラブ12(アンカーホール63)に固定されるから、それを鉄骨構造物11に強固に据え付けることができ、ソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を強固に備え付けることができる。

    据え付け基礎10Bは、コンクリートスラブ13の上面と金属板24の下面との間の空間46にモルタル20が充填され、基礎10Bの上に機械機器や建築物を備え付けた場合の基礎10Bにかかる荷重をアンカーボルト62とモルタル20とで分担するから、基礎10Bにかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎10Bが崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持することができる。

    図18は、他の一例として示す据え付け基礎10Cの斜視図であり、図19は、図18のC−C線断面図であり、図20は、金属土台16の上面図である。 図21は、金属土台16の側面図である。 図18では、上下方向を矢印X1、横方向を矢印X2で示し、前後方向を矢印X3で示す。 据え付け基礎10Cは、図1のそれと同様に、コンクリート床12から押さえコンクリート15(モルタル層)と防水層14とを取り除いたコンクリートスラブ13の上に設置される。 据え付け基礎10Cは、金属土台16(土台)および金属蓋17(蓋)、複数本の高さ調節ボルト18、複数本のアンカーボルト62、モルタル20、防水層21、成型材22(枠材)の汎用化(規格化)された各基礎構成部品を所定の手順で組み立てることから作られている。

    金属土台16は、形状や寸法が同一の規格化された汎用品であり、複数個のそれらが施工現場以外の基礎部品製造工場で製造された後、施工現場に搬送される。 金属土台16は、コンクリート床12から押さえコンクリート15と防水層14とを取り除いたコンクリートスラブ13の上に配置されている。 金属土台16は、中空筒状の金属管23(管材)と、平面形状が略矩形の金属板24(底板)とから形成されている。 金属土台16は、金属板24の上面に金属管23を溶接することによって製造される。 金属管23や金属板24は、鉄やアルミニウム、合金等の金属から作られている。 金属管23や後記する金属板24の第1および第2部分30,31は、鉄骨柱55と鉄骨梁56との交差箇所に施設されたコンクリートスラブ13の直上に配置されている。 なお、金属土台16は、鉄筋コンクリート基礎と比較し、コンクリートが省かれている分だけ軽量である。 ゆえに、その金属土台16を利用することで、基礎10Cの重量を大幅に軽量化することができる。

    金属管23は、略矩形の各側板25を有し、その断面が略四角形に成型されている。 金属管23は、金属板24の中央部の上面に配置され、その下端縁が金属板24の上面に溶接によって接合(融着)されている。 金属管23にはそれら側壁25によって中空スペース26が画成され、金属管23の頂部にはそれら側板25の上端縁に囲繞された頂部開口27が形成されている。 金属管23の頂部には、蓋固定ボルト28を螺着する複数の固定ボルト螺着孔29が作られている。 固定ボルト螺着孔29には、蓋固定ボルト28が螺着する雌螺子(図示せず)が作られている。

    金属板24は、金属管23の下端縁から径方向内方へ延びる第1部分30と、金属管23の下端縁から径方向外方へ延びる第2部分31とを有する。 第2部分31には、高さ調節ボルト18を螺着する複数の調節ボルト螺着孔32が作られている(図20参照)。 調節ボルト螺着孔32には、高さ調節ボルト18が螺着する雌螺子(図示せず)が作られている。 なお、第2部分31におけるボルト螺着孔32の個数や穿孔箇所に特に限定はなく、それら孔32を第2部分31の任意の箇所に作ることができる。 金属板24の第1部分30の中央部には、モルタル20を充填するための楕円形の充填孔33が作られている。 第2部分31には、モルタル20の充填状態を確認するための確認孔34が作られている(図20参照)。

    金属板24の第2部分31は、横方向へ延びる両端縁(周縁)と、前後方向へ延びる両側縁(周縁)とを有する。 金属管23と金属板24の第2部分31とには、上下方向へ延びる複数の補強板35が設置されている。 それら補強板35は、金属管23の外面と金属板24の上面とに溶接によって接合(融着)されている。 補強板35は、金属管23および金属板24の強度を増加させる補強材として機能する。

    金属板24の第2部分31には、アンカーボルト62を挿通する複数のアンカーボルト挿通孔39(ボルト孔)が作られている。 アンカーボルト挿通孔39は、ドリルによって作られ、金属板24の第2部分31を上下方向へ貫通している。 それらアンカーボルト挿通孔39は、第2部分31において横方向と前後方向とへ所定間隔で並んでいる。 図20では、アンカーボルト挿通孔39が4個作られているが、挿通孔39の個数に特に限定はなく、基礎10Cを設置する前に行う構造計算(強度計算)によってその個数が決定される。

    なお、コンクリート躯体12の基礎据え付け位置には、それらアンカーボルト62を挿通する複数のアンカーホール63(ボルト孔)が作られている。 アンカーホール63は、ドリルによって作られ、コンクリートスラブ13に埋設された鉄筋を避けた状態で、スラブ13において上下方向へ延びている。 アンカーホール63は、金属土台16をコンクリートスラブ13の上面に載置した場合の、金属板24の第2部分31に形成されたアンカーボルト挿通孔39の位置と一致する。 それらアンカーホール63は、コンクリートスラブ13において横方向と前後方向とへ所定間隔で並んでいる。

    金属蓋17は、形状や寸法が同一の規格化された汎用品であり、鉄やアルミニウム、合金等の金属から作られ、その平面形状が略矩形に成型されている。 金属蓋17の下面であって蓋17の周縁の内側には、蓋17を金属管23の頂部に固定するためのアングル材41(鋼材)が溶接によって接合(融着)されている。 アングル材41には、蓋固定ボルト28を挿通する固定ボルト挿通孔(図示せず)が作られ、その固定ボルト挿通孔に六角ナット43が溶接によって接合(融着)されている。

    金属蓋17は、アングル材41に作られた固定ボルト挿通孔に挿通された蓋固定ボルト28とアングル材41に取り付けられた六角ナット43とによって金属管24の頂部に固定され、金属管24の頂部開口27を水密に塞いでいる。 金属蓋17の上面には、図示はしていないが、ソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を設置するための固定器具が取り付けられている。

    高さ調節ボルト18は、雄螺子が作られた軸44とボルトヘッド45とから形成された六角ボルトである。 高さ調節ボルト18の軸44は、金属板24の第2部分31に作られた調節ボルト螺着孔32にあらかじめ螺着されている。 ボルトヘッド45において高さ調節ボルト18を反時計回りに回転させると、ボルト18の軸44がボルト螺着孔32の下方へ次第に進むとともに、第2部分31の下面から下方へ延出し、ボルトヘッド45がコンクリート梁13の上面に当接する。 それによって、金属土台16をコンクリート躯体12の上面から上方へ所定の寸法だけ離間させることができる。 逆に、高さ調節ボルト18を時計回りに回転させると、ボルト18の軸44がボルト螺着孔32の上方へ次第に進むとともに、第2部分31の下面から上方へ延出する。 それによって、金属土台16をコンクリート躯体12の上面に近づけることができる。

    高さ調節ボルト18を調節ボルト螺着孔32において回転させることによって金属土台16の金属板24がコンクリート躯体12の上面から上方へ離間し、躯体12の上面と金属板24の下面との間に所定の高さ寸法の空間46が形成される。 金属土台16の金属板24の第2部分31に対するそれら高さ調節ボルト18の螺着位置を調節することによって、空間46の高さ寸法を調節することができ、コンクリート躯体12の上面からの金属土台16の高さ寸法をボルト18の長さを限度に調節することができる。

    アンカーボルト62は、長さや直径が同一の規格化された汎用品であり、鋼材から作られ、金属板24の第2部分31に作られたアンカーボルト挿通孔39に挿通され、さらに、コンクリートスラブ13に作られたアンカーホール63に挿通されている。 アンカーボルト62は、コンクリートスラブ13の上面から上方へ延びる第1固定端部64と、スラブ13に固定された第2固定端部65とを有する。

    アンカーボルト62の第1固定端部64は、金属板24に開口するアンカーボルト挿通孔39に挿通され、六角ナット50(固定手段)を介して金属板24に固定されている。 六角ナット50は、第1固定端部64の金属板24から上方に延出する部分に取り付けられている。 アンカーボルト62の第2固定端部65は、コンクリートスラブ13のアンカーホール63に注入された樹脂接着剤(固定手段)(図示せず)によって挿通孔40に固定されている。 アンカーボルト62の第1固定端部64に六角ナット50を螺着する場合、高さ調節ボルト18によってコンクリートスラブ13の上面からの金属土台16の高さ寸法が既に調節されている。

    モルタル20は、コンクリートスラブ13の上面と金属板24の下面との間に形成された空間46に充填されている。 モルタル20は、金属板24に形成された充填孔33から充填される。 空間46では、そこに充填されたモルタル20が硬化し、モルタル20がコンクリートスラブ13の上面と金属板24の第1および第2部分30,31の下面とに接合されているとともに、アンカーボルト62に接合されている。

    空間46では、アンカーボルト62の第1固定端部64のうちのコンクリートスラブ13の上面と金属板24の第2部分31との間に延びる部分がモルタル20と一体になっている。 硬化したモルタル20は、基礎10Cの上(金属蓋17の上)にソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を備え付けた場合の基礎10Cにかかる荷重をアンカーボルト62とともに分担する。

    金属管23および金属板24と押さえコンクリート15およびコンクリートスラブ13とには、成型材22(枠材)が設置されている。 成型材22は、金属管23やスラブ13、押さえコンクリート15に接着剤(図示せず)を介して固着されている。 成型材22は、金属管23外周縁全域を取り囲むとともに、金属土台16の外周縁(金属板24の外周縁)とコンクリートスラブ13との間に設置されて金属板24の外周縁全域を取り囲んでいる。 成型材22は、コンクリートスラブ13と金属板24の外周縁との間の空隙を塞いでいる。

    防水層21は、金属管23の各側板25の外側に設置されて側板25全域を覆うとともに、金属板24の外側に設置されて金属板24全域を覆っている。 防水層21には、薄いアスファルトシートを複数重ね合わせてアスファルトシート層を作るアスファルト防水が利用されている。 アスファルトシートは、その接着性によって金属管23の側板25、モルタル20、成型材22に固着している。 防水層21の金属板24の第2部分31から外側に延びる部分(成型材22に固着されたアスファルトシート)は、コンクリート構造物11の防水層14につながっている。

    図22は、据え付け基礎10Cの施工手順の一例を示す図であり、図23は、図22から続く据え付け基礎10Cの施工手順を示す図である。 図24は、図23から続く据え付け基礎10Cの施工手順を示す図であり、図25は、図24から続く据え付け基礎10Cの施工手順を示す図である。 図22〜図25では、鉄骨構造物11を断面として示し、一部を除く基礎10Cの各部品を断面として示す。 図22〜図25を参照し、据え付け基礎10Cを鉄骨構造物11の屋上に設置する場合を例として、基礎10Cの施工手順を説明すると、以下のとおりである。

    なお、基礎部品製造工場からの出荷時では、金属板24の第2部分31にアンカーボルト挿通孔39(ボルト孔)が作られておらず、施工箇所において第2部分31にアンカーボルト挿通孔39を穿孔する。 また、金属板24の第2部分31には、複数の調節ボルト螺着孔32が基礎部品製造工場においてあらかじめ作られており、それらボルト螺着孔32に高さ調節ボルト18が螺着されている。

    基礎部品製造工場で製造された汎用部品化された各基礎部品(金属土台16(土台)、金属蓋17(蓋)、高さ調節ボルト18、アンカーボルト62(アンカーボルト)、防水層21、成型材22(枠材))を工場から施工現場に搬送した後、鉄骨構造物11の屋上における基礎10Cの据え付け箇所を位置決めし、その据え付け箇所にマーキングをする。 次に、その据え付け箇所において、鉄骨構造物11から押さえコンクリート15と防水層14とを取り除き、コンクリートスラブ13を露出させる。

    鉄骨構造物11からコンクリートスラブ13を露出させた後、スラブ13の内部に設置された鉄筋の位置をセンサを利用して測定する。 次に、それら鉄筋を避ける位置にアンカーボルト62を設置するため、アンカーボルト挿通孔39(ボルト孔)の鉄筋を裂けた位置の穿孔箇所を金属板24の第2部分31にマーキングする。 マーキングに合わせ、ドリルを利用して金属板24の第2部分31の穿孔箇所にアンカーボルト挿通孔39を穿孔する(挿通孔ボルト孔穿孔工程)。 ボルト挿通孔39を穿孔した後、図23に示すように、コンクリートスラブ13における基礎据え付け箇所のマーキングに合わせ、その据え付け箇所に金属土台16を仮設置する(土台仮設置工程)。

    土台仮設置工程において金属土台16を仮設置すると、金属管23および金属板24の第1および第2部分30,31がコンクリート躯体12の上に位置し、高さ調節ボルト18のボルトヘッド45がコンクリート躯体12の上面に当接する。 据え付け箇所に金属土台16を仮設置すると、コンクリート躯体12の上面に当接するそれら高さ調節ボルト18に支えられて土台16が躯体12の上面に自立する。

    金属土台16を仮設置した後、土台16の金属板24の第2部分31に対するそれら高さ調節ボルト18の螺着位置を調節し、コンクリートスラブ13の上面からの土台16の設置高さ(高さ寸法)(空間46の高さ寸法)を調節する(設置高さ調節工程)。 据え付け基礎10Cは、高さ調節ボルト18を利用することで基礎10Cの施工中に金属土台16の高さ寸法を自由に変えることができ、基礎10Cの高さ寸法の変更要求に即座に対応することができる。 据え付け基礎10Cは、複数個のそれらを設置する場合にそれら基礎10Cどうしの高さ寸法を容易に調節することができ、それら基礎10Cの高さ寸法を均一に揃えることができる。

    金属土台16の高さ寸法を調節した後、金属板24のアンカーボルト挿通孔39の位置にあわせてコンクリートスラブ13のアンカーホール63(ボルト孔)の穿孔箇所にマーキングをする。 次に、仮設置箇所(据え付け箇所)から金属土台16を一時的に退かした後、ドリルを利用してマーキングした穿孔箇所にアンカーホール63を穿孔する(挿通孔穿孔工程)。 コンクリートスラブ13にアンカーホール63を作った後、金属土台16を据え付け箇所に再び仮設置し、図24に示すように、金属板24の第2部分31に作られたアンカーボルト挿通孔39にアンカーボルト62を挿通するとともに、スラブ13に作られたアンカーホール63にアンカーボルト62を挿通する。

    アンカーボルト62をアンカーボルト挿通孔39,40に挿通すると、第1固定端部64がコンクリートスラブ13の上面から上方へ延出し、第2固定端部65がスラブ13のアンカーホール63に位置する。 なお、アンカーホール63には樹脂接着剤(固定手段)(図示せず)が注入されており、アンカーボルト62の第2固定端部65が樹脂接着剤によって挿通孔40に固定されている。 次に、アンカーボルト62の第1固定端部64のうちの金属板24から上方に延出する部分に六角ナット50を螺着し、アンカーボルト62を金属板24とコンクリートスラブ13とに固定する(アンカーボルト固定工程)。

    アンカーボルト62を金属板24とコンクリートスラブ13とに固定した後、図25に示すように、金属管23および金属板24と押さえコンクリート15およびコンクリートスラブ12とに成型材22(枠材)を設置する(枠材設置工程)。 成型材22を設置すると、成型材22が金属管23外周縁全域を取り囲むとともに、金属板24の外周縁全域を取り囲み、成型材22がコンクリートスラブ13と金属板24の外周縁との間の空隙を塞ぐ。

    成型材22を設置した後、金属管23の各側板25の外側と金属板24の外側(成型材22の外側)とに防水層21を設置する(防水層設置工程)。 防水層設置工程では、図1の基礎10Aと同様に、複数の薄いアスファルトシートを金属管23の各側板25の外側と成型材22の外側とに固着して防水層21を作るとともに、成型材22から延びる防水層21を鉄骨構造物11の防水層14につなげる。 据え付け基礎10Cは、それが鉄骨構造物11の屋外に設置された場合でも防水層21によって金属土台16の内部への水の侵入を防ぐことができ、内部に水が進入することによる土台16の腐食や強度低下を防ぐことができる。 また、コンクリート構造物11への水の進入を防ぐことができ、水の進入による鉄骨構造物11の劣化を防ぐことができる。

    防水層21を設置した後、空間46にモルタル20を充填する(セメント硬化物充填工程)。 セメント硬化物充填工程では、確認孔34から空間46におけるモルタル20の充填状態を確認しつつ、充填孔33から空間46にモルタル20を充填する。 据え付け基礎10Cは、アンカーボルト62を金属板24やコンクリートスラブ13に固定した後に充填孔33を利用して空間46にモルタル20を充填することができるから、空間46にモルタル20を確実に充填することができる。 据え付け基礎10Cは、確認孔34を利用して空間46に充填されたモルタル20の充填状態を確認することで、モルタル20が空間46に偏って充填されることはなく、モルタル20を空間46全域に満遍なく充填することができる。

    空間46にモルタル20を充填した直後、モルタル20の養生期間を待つことなく、直ちに金属管23の頂部に金属蓋17を嵌め込み、金属管23の頂部開口27を塞ぐ。 金属管23の頂部に金属蓋17を嵌め込んだ後、金属管23の各側板25の上部に作られた固定ボルト螺着孔29に蓋固定ボルト28を螺着するとともに、金属蓋17のアングル材41の蓋固定ボルト挿通孔にボルト29を挿通し、ボルト挿通孔に取り付けられた六角ナット43にボルト29を螺着して蓋17を金属管25の頂部に固定する(頂部閉鎖工程)(図19参照)。 金属管25の頂部開口27は、金属蓋17によって水密に閉塞される。

    なお、空隙(空間46の周縁)が成型材22によって塞がれているから、成型材22が硬化前のモルタル20の漏れを防ぐ堤防となり、空間46に充填されたモルタル20が空隙(空間46)から漏れ出すことはなく、モルタル20の充填後に直ちに金属蓋17で頂部開口27を閉塞することができる。 据え付け基礎10Cでは、金属管25の頂部に金属蓋17を嵌め込んだ(固定した)直後において空間46に充填されたモルタル20が未硬化状態にあり、管25の頂部に蓋17を固定した後からモルタル20の養生期間が開始する。

    空間46では、モルタル20の養生期間が経過し、そこに充填されたモルタル20が硬化することで、アンカーボルト62の第1固定端部64のうちのコンクリートスラブ13の上面と金属管25の金属板24との間に延びる部分(ボルト19の第1固定端部64のうちの板24の下面から下方へ露出する部分)がモルタル20と一体になり、鉄筋モルタルを形成する。

    以上の各工程が終了すると、図18,19に示す据え付け基礎10Cが完成する。 据え付け基礎10Cは、モルタル20を空間46に充填した後、モルタル20の養生期間を待つことなく、直ちに金属管23の頂部開口27を金属蓋17によって塞ぎ、基礎10Cを完成させることができるから、空間46に充填したモルタル20の養生期間の分だけ施工期間を短縮することができ、養生期間を待つことなく、複数の基礎10Cの施工を平行して行うことができる。

    据え付け基礎10Cは、複数本のアンカーボルト62を軽量な金属土台16の金属板24の第2部分31とコンクリートスラブ13とに固定し、空間46にモルタル20を充填するとともに、金属管23の頂部に金属蓋17を固定するだけで基礎10Cを構築することができ、それらがすべて汎用部品化されてユニットシステムとして組み立てられるから、型枠の製作やモルタルの養生にかかる手間や時間を省くことができるとともに、施工作業を簡略化することができ、その分の施工期間を大幅に短縮することができる。

    据え付け基礎10Cは、その据え付け箇所が既設の鉄骨構造物11の屋上や地下に防水機能を施した防水層を備えている場合でも、据え付け箇所の防水層14を取り除いた後の露出したコンクリートスラブ13に基礎10Cを設置し、基礎10Cを設置した直後に据え付け箇所近傍の防水層を補修する(新たな防水層21を施す)ことができるから、基礎10Cを迅速に設置することができ、基礎10Cの設置に要する時間を大幅に短縮することができる。

    据え付け基礎10Cは、アンカーボルト62の第1固定端部64が金属板24の第2部分31に固定され、アンカーボルト62の第2固定端部65がコンクリートスラブ13に固定されるから、それを鉄骨構造物11に強固に据え付けることができ、ソーラーパネルやアンテナ、貯水槽、浄化槽、空調機器等の機械器具、鉄塔や鉄骨建設物等の建築物を強固に備え付けることができる。

    据え付け基礎10Cは、コンクリートスラブ13の上面と金属板24の下面との間の空間46にモルタル20が充填され、基礎10Cの上に機械機器や建築物を備え付けた場合の基礎10Cにかかる荷重をアンカーボルト62とモルタル20とで分担するから、基礎10Cにかかる荷重でそれが不用意に傾斜したり、基礎10Cが崩壊することはなく、機械機器や建築物を確実に支持することができる。

    10A 据え付け基礎 10B 据え付け基礎 10C 据え付け基礎 11 鉄骨構造物 12 コンクリート床 13 コンクリートスラブ 14 防水層 15 押さえコンクリート 16 金属土台(土台)
    17 金属蓋(蓋)
    18 高さ調節ボルト 19 支持ボルト(アンカーボルト)
    20 モルタル(セメント硬化物)
    21 防水層 22 成型材(枠材)
    23 金属管(管材)
    24 金属板(底板)
    26 中空スペース 27 頂部開口 30 第1部分 31 第2部分 33 充填孔 34 確認孔 36 第1側板 37 第2側板 39 支持(アンカー)ボルト挿通孔(ボルト孔)
    40 支持ボルト挿通孔(ボルト孔)
    46 空間 47 第1固定端部 48 第2固定端部 50 六角二重ナット(固定手段)
    51 六角二重ナット(固定手段)
    54 鉄骨躯体 55 鉄骨柱 56 鉄骨梁 57 ウェブ 58 フランジ 61 アンカーボルト挿通孔(ボルト孔)
    62 アンカーボルト 63 アンカーホール(ボルト孔)
    64 第1固定端部 65 第2固定端部

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