脱圧器

申请号 JP2016240321 申请日 2016-12-12 公开(公告)号 JP2018096424A 公开(公告)日 2018-06-21
申请人 株式会社タツノ; 发明人 竹 澤 正 浩; 寺 杣 友 貴; 木 村 潔;
摘要 【課題】安全装置(安全継手)が作動(分断)した際に充填装置から分断した充填ホースを脱圧する機能を有する脱圧器の提供。 【解決手段】本発明の脱圧器(10、11)は、 水 素充填装置(100)から車両に水素を充填する充填ホース(21)に介装されている。本発明において、脱圧器(10、11)の本体部(1)に水素ガス流路(1A)と連通する脱圧用連通孔(1B)を形成し、当該脱圧用連通孔(1B)に挿入可能なプラグ(2)を設け、脱圧用連通孔(1B)とプラグ(2)には相補形状のテーパー部(プラグ2におけるピンテーパー部2B、脱圧用連通孔1Bのテーパー部1BB)を形成することが好ましい。 【選択図】図4
权利要求

素充填装置から車両に水素を充填する充填ホースに介装されていることを特徴とする脱圧器。金属製の本体部に水素ガス流路と連通する脱圧用連通孔を形成し、当該脱圧用連通孔に挿入可能な金属製のプラグを設け、脱圧用連通孔とプラグには相補形状のテーパー部が形成されている請求項1の脱圧器。また本発明において、水素ガスが流出するリリーフ回路を形成し、リリーフ回路は前記脱圧用連通孔に連通しており、リリーフ回路の出口はプラグ上方から離隔した位置に形成されている請求項2の脱圧器。プラグの水素流路側先端部の長さと脱圧用連通孔の水素流路側先端部の長さが長い請求項2、請求項3の何れかの脱圧器。廻り止めピン挿入孔を設けている請求項1〜3の何れか1項の脱圧器。

说明书全文

本発明は、高圧の気体(例えば素)を配管(例えば水素充填装置に設けられた充填ホース)内から小流量で流出させる脱圧機構に関する。

例えば水素を燃料として走行する車両では、水素充填装置が配置された水素充填所で、充填ノズルと車両側充填口(レセプタクル)とを接続して水素ガスを充填している。水素充填装置には、先端に充填ノズルを設けた充填ホースが接続されている。ここで、水素充填装置による充填は、車両に搭載された水素タンクの最高使用圧に応じて制御しながら行われる。 この様な水素充填装置としては、例えば本出願人が提案している水素充填装置(例えば、特許文献1参照)が存在し、係る水素充填装置は有効な技術である。

水素充填所において、水素充填中に車両が走行する等により充填ホースが引っ張られると、水素充填装置が転倒し、各種機器が破損して水素ガスが噴出し、危険な状態になる。そのため、一定以上の引張荷重が掛かると分離する安全継手を設け、充填ホース、充填ノズルと水素充填装置を分断せしめ、水素充填装置が転倒し、各種機器が破損する事態を防止している。 ここで安全継手が分断した際には直ちに安全継手内の遮断弁が作動して、安全継手の分断箇所から水素が噴出することが防止される。また、水素充填装置本体側には脱圧機構が備わっているので、安全継手が分断した際に、高圧ガスが一気に噴出する事態が防止される。

しかし従来技術においては、充填ノズル或いは充填ホースには脱圧機構は設けられていない。そのため、安全継手が作動(分断)した場合には、安全継手よりも車両側の充填ホースから高圧の水素ガスを除去することが出来ないので、高圧の水素ガスを充填した状態が維持されてしまう。 高圧水素ガスを充填した状態の充填ホースが、例えば車両に引きずられて充填ホースに穴が空くと、当該孔から高圧の水素ガスが噴出すると共に、噴出の勢いでホースが動き回り(いわゆる「暴れる」状態となり)、周囲の人や車両を傷つけてしまう恐れがある。 そのため、安全継手が作動(分断)した後の状態等の充填ホースから高圧水素ガスを小流量で除去する(脱圧する)ための機構が望まれていたが、その様な脱圧機構は提案されていない。

特開2014−109350号公報

本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、安全装置或いは安全継手)が作動(分断)した際に充填装置から分断した充填ホースを脱圧する機能を有する脱圧器の提供を目的としている。

本発明の脱圧器(10、11)は、水素充填装置(100)から車両に水素を充填する充填ホース(21)に介装されていることを特徴としている。

本発明の脱圧器(10、11)は、金属製の本体部(1)に水素ガス流路(1A)と連通する脱圧用連通孔(1B)を形成し、当該脱圧用連通孔(1B)に挿入可能な金属製のプラグ(2)を設け、脱圧用連通孔(1B)とプラグ(2)には相補形状のテーパー部(プラグ2におけるピンテーパー部2B、脱圧用連通孔1Bのテーパー部1BB)を形成することが好ましい。 また本発明において、水素ガスが流出するリリーフ回路(1C)を形成し、リリーフ回路(1C)は前記脱圧用連通孔(1B)に連通しており、リリーフ回路(1C)の出口はプラグ(2)上方から離隔した位置に形成することが好ましい。

本発明において、プラグ(2)の水素流路側先端部(2A:ピン先端部)の長さ(L)と脱圧用連通孔(1B)の水素流路側先端部(1BA:小径部)の長さ(HL)が長いことが好ましい。 或いは本発明において、例えばプラグ(2)の水素流路側先端部(2A:ピン先端部)の長さ(L)が短い場合には、廻り止めピン挿入孔(1D)を設け(六棒スパナSの回転を抑制する廻り止めピンPを挿入可能に構成し)ているのが好ましい。

上述の構成を具備する本発明によれば、脱圧器(10、11)が充填ホース(21)に介装されているので、例えば安全継手(20)が分断しても、脱圧器(10、11)を介して、充填ホース(21)内の高圧水素ガスを小流量で充填ホース(21)外(脱圧器10、11外)に流出することが出来る。そのため、高圧水素ガスが急激に噴出することが防止され、水素ガスの急激な噴出により充填ホース(21)が動き回ってしまう(いわゆる「暴れる」)ことが防止される。

本発明の脱圧器(10、11)において、金属製の本体部(1)に水素ガス流路(1A)と連通する脱圧用連通孔(1B)を形成し、当該脱圧用連通孔(1B)に挿入可能な金属製のプラグ(2)を設け、脱圧用連通孔(1B)とプラグ(2)には相補形状のテーパー部(プラグ2におけるピンテーパー部2B、脱圧用連通孔1Bのテーパー部1BB)を形成していれば、プラグ(2)におけるテーパー部(2B:ピンテーパー部)と脱圧用連通孔(1B)のテーパー部(1BB)の当接箇所が金属シールを構成して、水素ガス流路(1A)を流れる高圧の水素ガスを完全に遮断することが出来る。 そして、脱圧時には、プラグ(2)におけるテーパー部(2B:ピンテーパー部)と脱圧用連通孔(1B)のテーパー部(1BB)の当接を解除すると、プラグ(2)の水素流路側先端部(2A:ピン先端部、径寸法φ)の外周と脱圧用連通孔(1B)の水素流路側先端部(1BA:小径部、内径d)内周との間に形成される隙間(断面積(π/4)(d2−φ2)の円環状の隙間)がオリフィスとして機能して、当該オリフィスを流過する高圧の水素ガスに圧損を与えるので、脱圧器(10、11)から流出する水素ガスの噴射速度が遅くなり、脱圧器(10、11)が介装された充填ホース(21)が動き回る(いわゆる「暴れる」)ことが防止される。

また本発明において、水素ガスが流出するリリーフ回路(1C)を形成し、リリーフ回路(1C)の出口をプラグ(2)上方から離隔した位置に形成すれば、プラグ(2)上方の六角穴(2E:プラグ六角穴)に六角棒スパナ(S:六角レンチ)を挿入して回転する際に、金属同士の接触により火花が生じたとしても、リリーフ回路(1C)から水素ガスが流出する位置は、金属同士の接触により火花が生じる位置から離隔しているので、水素ガスに火花が引火する危険性は極めて少なくなり、安全性が向上する。

本発明において、プラグ(2)の水素流路側先端部(2A:ピン先端部)の長さ(L)と脱圧用連通孔(1B)の水素流路側先端部(1BA:小径部)の長さ(HL)を長くすれば(図2〜図5)、プラグ(2)上方の六角穴(2E:プラグ六角穴)に六角棒スパナ(S:六角レンチ)を挿入して回転し過ぎたとしても、プラグ(2)の水素流路側先端部(2A:ピン先端部)が脱圧用連通孔(1B)の水素流路側先端部(1BA:小径部)から完全に抜け出てしまうことは無く、プラグ(2)の水素流路側先端部(2A:ピン先端部)と圧用連通孔(1B)の水素流路側先端部(1BA:小径部)の隙間(断面積(π/4)(d2−φ2)の円環状の隙間)を介して水素ガスが流れるので、当該隙間がオリフィスとして機能し、高圧の水素ガスに対して圧力損失を与えることが出来る。そのため、六角棒スパナ(S)が回転し過ぎることを抑制する必要が無い。 一方、プラグ(2)の水素流路側先端部(2A:ピン先端部)の長さ(L)が短い場合には(図6〜図8)、六角棒スパナ(S)の回転を抑制するための廻り止めピン挿入孔(1D)を設ければ、廻り止めピン挿入孔(1D)に廻り止めピン(P)を挿入することにより、プラグ(2)上方の六角穴(2E:プラグ六角穴)に六角棒スパナ(S:六角レンチ)を挿入して回転しても、廻り止めピン(P)により六角棒スパナ(S)が廻り過ぎてしまうことが抑制される。その結果、プラグ(2)の水素流路側先端部(2A:ピン先端部)が圧用連通孔(1B)の水素流路側先端部(1BA:小径部)から外れてしまうことが防止され、プラグ(2)の水素流路側先端部(2A:ピン先端部)と圧用連通孔(1B)の水素流路側先端部(1BA:小径部)の隙間の断面積が大きくなり過ぎることが防止される。そして、オリフィス(断面積(π/4)(d2−φ2)の円環状の隙間)により、高圧の水素ガスに対して圧力損失を与える機能が維持される。

本発明の第1実施形態の概要を示す説明図である。

第1実施形態に係る脱圧器の断面図である。

図2のA矢視図である。

図3のB−B矢視断面図である。

図4と同様な断面図であるが、プラグが上昇して水素ガス流路からリリーフ回路に流出可能となった状態を示す断面図である。

本発明の第2実施形態を示す断面図である。

図6と同様な断面図であるが、プラグが上昇して水素ガス流路からリリーフ回路に流出可能となった状態を示す断面図である。

第2実施形態に係る脱圧器の斜視図である。

以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。 最初に図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。 図1において、水素を燃料として走行する車両Aの水素タンク24の車両側充填口23(レセプタクル)に、充填ノズル22が接続されている。充填ノズル22は充填ホース21先端に設けられ、充填ホース21は水素充填装置100に接続されている。 充填ホース21には安全継手20が介装され、安全継手20は充填ホース21に一定以上の引張荷重が掛かると分離する機能を有している。

第1実施形態に係る脱圧器10は、分断した安全継手20よりも車両側の充填ホース21に介装されている。 ここで、安全継手20は従来公知の構造であり、分断すると同時に水素ガス流路(図示せず)が遮断されるので、分断した安全継手20から高圧の水素ガスが噴出することは無い。また、水素充填装置100には脱圧機構(図示せず)が設けられており、図示しない脱圧機構により、分断した安全継手20よりも水素充填装置100側の領域から高圧の水素ガスが小流量で抜き取られるので、水素充填装置100側においては、高圧水素ガスの噴射による不都合(例えば、ホースが「暴れる」等の不都合)は生じない。 一方、分断した安全継手20よりも車両A側の領域における充填ホース21内の高圧水素ガスは、脱圧器10を介して、小流量で充填ホース21外(脱圧器10外)に流出される。 第1実施形態に係る脱圧器10について、図2〜図5を参照して詳細に説明する。

図2において、脱圧器10は、直方体形形状(後述する突出部1Eを含むが)で金属製の脱圧器本体部1(以下、「本体部」という)と、金属製のプラグ2を有しており、プラグ2は本体部1の脱圧用連通孔1Bに係合(螺合)する様に構成されている。 図2において、本体部1の左側には突出部1Eが設けられており、突出部1Eには車両側の充填ホース21(図1参照:充填ノズル22が接続された充填ホース21)が挿入される。一方、図2において、本体部1の右側には凹部1Fが設けられ、凹部1Fには充填装置100(図1参照)側の充填ホース21が挿入される。ただし、突出部1Eを充填装置100側の充填ホース21と接続し、凹部1Fを車両A側の充填ホース21と接続することも可能である。 図2において、本体部1の上下方向中央部には水素ガス流路1Aが形成され、水素ガス流路1Aは、突出部1Eと凹部1Fを連通している。

図2において、水素ガス流路1Aに連通する脱圧用連通孔1Bが、上下方向に延在して形成されている。脱圧用連通孔1Bは本体部1の上面1Gから水素ガス流路1Aに連通しており、リリーフ回路1C(図4、図5参照:図2では図示せず)が連通している。後述するように、リリーフ回路1Cの断面積は、底を流れる水素ガスに十分な圧損を与えることが出来る程度に充分小さく設定されている。 脱圧用連通孔1Bには、プラグ2が嵌合(係合、螺合)しており、図4に示す様に、プラグ2が脱圧用連通孔1Bと係合することにより、リリーフ回路1Cは水素ガス流路1Aから遮断される。

図2において、脱圧用連通孔1Bは、水素ガス流路1Aと連通している小径部1BA、小径部1BAから上方に向かって拡径しているテーパー部1BB、テーパー部1BBから上方に延在する第1中径部1BC、第1中径部1BC上方の第2中径部1BD、上面1Gに連通する雌ネジ部1BEにより構成されている。 プラグ2は、下端部における最小径のピン先端部2A、ピン先端部2Aから上方に向かって拡径するピンテーパー部2B、ピンテーパー部2Bから上方に延在するピン中径部2C、ピン中径部2C上方に位置しており且つ外周に雄ネジを形成した雄ネジ部2Dにより構成されている。

脱圧用連通孔1Bにプラグ2を嵌合する際に、プラグ2のピン先端部2Aは脱圧用連通孔1Bの小径部1BAに挿入される。 図5において、ピン先端部2Aの径寸法は符号「φ」で示されており、脱圧用連通孔1Bの小径部1BAの内径は符号「d」で示されている。ここで、ピン先端部2Aの径寸法φは脱圧用連通孔1Bの小径部2BAの内径dよりも僅かに小さく(φ

図2で示す様に、プラグ2におけるピンテーパー部2Bと脱圧用連通孔1Bのテーパー部1BBは相補形状であり、プラグ2におけるピンテーパー部2Bは、脱圧用連通孔1Bのテーパー部1BBに当接している。ここで、プラグ2及び本体部1は共に金属製であるため、ピンテーパー部2Bとテーパー部1BBとが当接している部分は、いわゆる「金属シール」を構成している。 図4において、プラグ2におけるピンテーパー部2Bと脱圧用連通孔1Bのテーパー部1BBの当接箇所(金属シール箇所)は、リリーフ回路1Cよりも水素ガス流路1Aに近い位置に設けられている。そのため、プラグ2におけるピンテーパー部2Bと脱圧用連通孔1Bのテーパー部1BBの金属シールにより、リリーフ回路1Cは水素ガス流路1Aから完全に遮断されている。

図2において、脱圧用連通孔1Bの第1中径部1BCと第2中径部1BDには、プラグ2のピン中径部2Cが位置している。そしてピン中径部2Cと第2中径部1BDとの間にはOリング1Hが配置され、Oリング1Hは第1中径部1BCと第2中径部1BDの境界を形成する段部(肩部)に設けられている。 Oリング1Hは、プラグ2が脱圧用連通孔1Bに対して十分に上昇した場合(プラグ2と本体部1の係合を解除した状態:図5参照)に、プラグ2と脱圧用連通孔1Bの隙間から高圧の水素ガスが図5の上方に噴出するのを防止する機能を有している。 換言すれば、図2で示す状態(プラグ2が脱圧用連通孔1Bに締め込まれた状態で嵌合が完全な状態)ではOリング1Hはシール機能を発揮しない。プラグ2におけるピンテーパー部2Bと脱圧用連通孔1Bのテーパー部1BBの当接箇所における金属シールが、水素ガス流路1Aを流れる高圧の水素ガスをシールしているからである。

図2において、脱圧用連通孔1Bの上方の領域には雌ネジ部1BEが設けられ、雌ネジ部1BEにはプラグ2の雄ネジ部2Dの外周に形成された雄ネジが螺合している。 また、プラグ2の上面には六角穴2E(プラグ六角穴)が形成されている。プラグ2を脱圧用連通孔1Bに取り付け或いは取り外す際には、図8で示す様に、六角棒スパナS(六角レンチ)をプラグ六角穴2Eに挿入して、六角棒スパナSを回転させる。 なお、図8において矢印Cは水素充填装置側を示し、矢印Dは車両側を示す。

図3で示す様に、本体部1の上面1Gにおいて、プラグ2に形成したプラグ六角穴2Eの周辺には、周方向に等間隔に複数個(例えば6個)の廻り止めピン挿入孔1Dが形成されている。図8で示す様に、廻り止めピン挿入孔1Dに(例えば、複数個の廻り止めピン挿入孔1Dのうち適当な1個に)廻り止めピンPを挿入し、六角棒スパナSをプラグ六角穴2Eに挿入し回転すれば、廻り止めピンPが六角棒スパナSと干渉するので、六角棒スパナSが廻り過ぎてしまうことが抑制される。 六角棒スパナSが廻り過ぎ、プラグ2が緩められ過ぎて、脱圧用連通孔Bの小径部1BAからプラグ2のピン先端部2Aが完全に離隔すると、プラグ2と脱圧用連通孔Bの隙間の断面積が大きくなり過ぎてしまい、高圧の水素ガスに十分な圧損を与えることが出来なくなってしまう。それに対して、廻り止めピン挿入孔1Dを形成して、廻り止めピンPが六角棒スパナSと干渉する様に構成すれば、プラグ2と脱圧用連通孔Bの隙間の断面積が大きくなり過ぎることが防止される。 ただし後述する様に、図1〜図5の第1実施形態では廻り止めピン挿入孔1Dは省略することが出来る。

図4、図5で示す様に、脱圧用連通孔1Bは、テーパー部1BBと第1中径部1BCの境界近傍の領域において、リリーフ回路1Cに連通している。 図2、図4で示す様に、プラグ2が脱圧用連通孔1Bに締め込まれた状態(例えば、安全継手20(図1)が分断せずに水素充填が行われている状態では、ピンテーパー部2Bと脱圧用連通孔1Bのテーパー部1BBが当接して金属シールを構成するので、水素ガス流路1Aを流れる高圧の水素ガスは金属シールで完全に遮断され、リリーフ回路Cを流れることは無い。

一方、安全継手20が分断した場合等において分断した充填ホース21を脱圧する場合は、図8で示す様に、プラグ六角穴2Eに六角棒スパナSを挿入し、脱圧方向(例えば反時計方向)に回転して、脱圧用連通孔1Bの雌ネジ部1BEとプラグ2の雄ネジ部2Dとの螺合を解除して、プラグ2を上昇させる。 プラグ2を上昇させる(締め込みを緩める)ことにより、ピンテーパー部2Bと脱圧用連通孔1Bのテーパー部1BBが離隔し、金属シールが解除される。

金属シールを解除した状態が、図5に示されている。図5において、ピン先端部2Aの径寸法φは脱圧用連通孔1Bの小径部1BAの内径dよりも僅かに小さく設定されており(φ

2−φ

2) の円環状の隙間が形成されている。 脱圧の際には、当該円環状の隙間を介して、水素ガス流路1Aに充填されている高圧の水素ガスはリリーフ回路1Cに流入し、リリーフ回路1Cを流過した上、矢印Oで示す様に脱圧器10外(充填ホース外)に流出する。 なお、リリーフ回路1Cを流れずに図5で上方に向かって噴出しようとする水素ガスは、第2中径部1BDに配置されたOリング1Hによりシールされる。

ここで、ピン先端部2Aの径寸法φと脱圧用連通孔1Bの小径部1BAの内径dの差は非常に小さいので、前記隙間(ピン先端部2Aの外周と脱圧用連通孔1Bの小径部1BAの内周との間における円環状の隙間)の断面積(π/4)(d2−φ2)は、脱圧用連通孔1Bの小径部1BAの断面積(π/4)d2に比較して、遥かに小さい。 そのため、断面積(π/4)(d2−φ2)の円環状の隙間(ピン先端部2Aの外周と脱圧用連通孔1Bの小径部1BAの内周との隙間)はオリフィスとして作用し、当該オリフィスを流過する高圧の水素ガスは大きな圧損を受ける。それに加えて、リリーフ回路1Cの断面積も小さいので、リリーフ回路1C内においても水素ガスの圧損が生じる。 その結果、リリーフ回路1Cから流出する水素ガス(矢印O)の噴射速度は小さくなり、リリーフ回路1Cから流出する水素ガスにより、脱圧器10が介装された充填ホース21(図1)が動き回る(いわゆる「暴れる」)ことが防止される。

ここで、プラグ2も六角棒スパナSも金属製であるので、プラグ六角穴2Eに六角棒スパナSを挿入して回転する際に、火花が生じる恐れがある。また、図8で示す様な廻り止めピンPを設けている場合には、六角棒スパナSが廻り止めピンSに当接した際に火花が生じる恐れがある。 これに対して第1実施形態では、図4、図5から明らかな様に、リリーフ回路1Cの水素ガスの出口はプラグ六角穴2Eから離隔した位置にも設けられている。そのため、リリーフ回路1Cから水素ガスが流出する位置は、金属同士の接触により火花が生じる位置(本体部1の上面1G)から離隔しているので、当該火花が可燃性の水素ガスに引火する可能性は少なく、安全である。

第1実施形態では、例えば図4で示す様に、プラグ2が脱圧用連通孔1Bに締め込まれた状態では、ピン先端部2Aの長さL(図4における上下方向長さ)と脱圧用連通孔1Bの小径部1BAの長さHL(図4における上下方向長さ)が比較的長く、脱圧用連通孔1Bの小径部1BA内にピン先端部2Aが挿入されている長さLW(図4の上下方向長さ)も比較的長い。 そのため、プラグ六角穴2Eに六角棒スパナSを挿入して回転する際に、六角棒スパナSを回転し過ぎたとしても、脱圧用連通孔1Bの小径部1BAからピン先端部2Aが完全に抜け出てしまうことは無く、小径部1BAとピン先端部2Aの円環状の隙間、すなわち断面積(π/4)(d2−φ2)の隙間を介して水素ガスが流過する状態が維持され、当該円環状の隙間はオリフィスとして機能し、高圧の水素ガスに対して圧力損失を与えることが出来る。 従って、第1実施形態では六角棒スパナSが回転し過ぎることを抑制する必要は無く、廻り止めピンP、廻り止めピン挿入孔1Dを省略することが可能である。

図1〜図5の第1実施形態によれば、脱圧器10が充填ホース21に介装されており、係合した状態では、ピンテーパー部2Bと脱圧用連通孔1Bのテーパー部1BBの当接箇所が金属シールを構成して、水素ガス流路1Aを流れる高圧の水素ガスが脱圧用連通孔1Bを流れることを完全に遮断することが出来る。 脱圧する際には、プラグ2と脱圧用連通孔1Bの係合を解除すれば、プラグ2の水素流路側先端部2A(ピン先端部)の外周と脱圧用連通孔1Bの水素流路側先端部1BA(小径部)内周との間に形成される隙間(断面積(π/4)(d2−φ2)の円環状の隙間)がオリフィスとして機能して、当該オリフィスを流過する高圧の水素ガスに圧損が生じる。さらに、リリーフ回路1Cの断面積も小さいので、リリーフ回路1Cを流過する際にも水素ガスに圧損が生じる。そのため、脱圧器10(のリリーフ回路1C)から流出する水素ガス(図5の矢印O)の噴射速度は小さくなり、脱圧器10が介装された充填ホース21が動き回る(いわゆる「暴れる」)ことが防止される。

また第1実施形態において、水素ガスが流出するリリーフ回路1Cの出口はプラグ2上方から離隔した位置に形成されているので、プラグ六角穴2Eに六角棒スパナSを挿入して回転する際に火花が発生したとしても、可燃性の水素ガスが流出する位置(図5の矢印O)は火花が生じる位置から離隔しているので、水素ガスに火花が引火する危険性は少なく、安全である。

さらに第1実施形態においては、プラグ2のピン先端部2Aの長さLと脱圧用連通孔1Bの小径部1BAの長さHLを長いので、プラグ上方のプラグ六角穴2Eに六角棒スパナSを挿入して回転し過ぎたとしても、プラグ2のピン先端部2Aが脱圧用連通孔1Bの小径部1BAから完全に抜け出てしまうことは無く、プラグ2のピン先端部2Aと脱圧用連通孔1Bの小径部1BAの隙間(断面積(π/4)(d2−φ2)の円環状の隙間)が維持され、当該隙間がオリフィスとして機能して水素ガスに圧力損失が生じる。したがって、六角棒スパナSが回転し過ぎたとしても不都合は無く、脱圧器本体部1に廻り止めピン挿入孔1Dを設ける必要は無く、廻り止めピンPを挿入する必要もない。

それに加えて図示の第1実施形態において、プラグ2のピン中径部2Cと脱圧用連通孔1Bの第2中径部1BDとの間にはOリング1Hを配置している。プラグ2と脱圧用連通孔1Bとの係合を解除した際に(図5参照)に、高圧の水素ガスがリリーフ回路1Cを流れずに、プラグ2と脱圧用連通孔1Bの隙間から図5において上方に噴出しようとしても、Oリング1Hにより防止することが出来る。

次に、図6〜図8を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。 第2実施形態の脱圧器11は、図6、図7から明らかな様に、プラグ2のピン先端部2Aの長さL(図7における上下方向長さ)が、図4(第1実施形態)と比較すれば明らかなに短く、小径部1BA内にピン先端部2Aが挿入されている長さLW(図6の上下方向長さ)も短い。 図7で示す脱圧時に、プラグ六角穴2Eに六角棒スパナSを挿入して回転する際に、六角棒スパナSを回転し過ぎてしまうと、脱圧用連通孔Bの小径部1BAからプラグ2のピン先端部2Aが完全に離隔してしまい、脱圧用連通孔Bとプラグ2との隙間の断面積が大きくなり、オリフィスとしての効果を発揮しなくなる。その結果、水素ガス流路1Aに残留する高圧の水素ガスに生じる圧損が小さくなり、リリーフ回路1Cから流出する速度が大きくなってしまう。

そのため、第2実施形態では、図8で示す様に、本体部1の上面1Gに廻り止めピン挿入孔1Dを形成して、六角棒スパナSの回転を抑制するための廻り止めピンPを挿入することが必須である。すなわち、廻り止めピンPにより六角棒スパナSが廻り過ぎてしまうことが抑制され、プラグ2のピン先端部2Aと圧用連通孔1Bの小径部1BAの隙間は断面積(π/4)(d2−φ2)の円環状に維持され、オリフィスとして水素ガスに圧損を生じる機能を発揮する。 図示はしないが、プラグ2のピン先端部2Aの長さL(図7の上下方向長さ)に加えて、脱圧用連通孔1Bの小径部1BAの長さHL(図7の上下方向長さ)を短く設定しても良く、その場合も廻り止めピン挿入孔1Dを形成して、廻り止めピンPを挿入することが必須となる。

図6〜図7において、図1〜図5で示す部材に対応する部材には、図1〜図5と同様な符号を付けている。 図6〜図8の第2実施形態のその他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様である。

図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。

1・・・本体部(脱圧器の本体部) 1A・・・水素ガス流路 1B・・・脱圧用連通孔 1BA・・・小径部 1BB・・・テーパー部 1C・・・リリーフ回路 1D・・・廻り止めピン挿入孔 2・・・プラグ 2A・・・ピン先端部 2B・・・ピンテーパー部 10、11・・・脱圧器 20・・・安全継手 21・・・充填ホース 100・・・水素充填装置 HL・・・脱圧用連通孔の小径部の長さ L・・・プラグのピン先端部の長さ LW・・・ピン先端部2Aが小径部内に挿入されている長さ P・・・廻り止めピン S・・・六角棒スパナ

QQ群二维码
意见反馈