締め具システムの故障後に部品の除去を可能にする締め具システム

申请号 JP2016134003 申请日 2016-07-06 公开(公告)号 JP2017025698A 公开(公告)日 2017-02-02
申请人 チャンネル コマーシャル コーポレイション; 发明人 マイケル エー.レマックス;
摘要 【課題】改良された締め具システムを提供すること。 【解決手段】地下ボールトにカバーを取り付けるための締め具システムであって、ねじ山を有するボルトと、複合繊維強化ポリマーのナットと、を備え、ナットが、ナットを通って延びるねじ山係合部を有し、ねじ山係合部が、ボルトが挿入された後にナットとボルトとがかじり付く前に、剪断で故障する。締め具システムはまた、ナット保持器であって、ナット保持器内でナットが浮動することを可能にする大きさのナット保持器を含むことができる。 【選択図】図2
权利要求

地下ボールトにカバーを取り付けるための締め具システムであって、 ねじ山を有するボルトと、 複合繊維強化ポリマーのナットと、 を備え、 前記ナットが、前記ナットの少なくとも一部を通って延びるねじ山係合部を有し、 前記ねじ山係合部が、前記ボルトを受容した後に前記ナットと前記ボルトとがかじり付く前に、剪断で故障する、 締め具システム。ナット保持器を更に備え、 前記ナット保持器が、前記ナット保持器内で前記ナットが浮動することを可能にする大きさである、 請求項1に記載の締め具システム。前記ナットが、前記ねじ山係合部の上方に位置する、ねじ山が形成されていないボルト位置決め部を更に含む、請求項1に記載の締め具システム。前記ナットが、前記ねじ山係合部の下方に位置するボルト覆い部を含む、請求項1に記載の締め具システム。前記ナットが、前記ねじ山係合部に隣接する引入れ面取り及び引出し面取りを更に含む、請求項1に記載の締め具システム。前記ナットが、前記ナットの一部から半径方向外側に延びる少なくとも1つの突出部を含む、請求項1に記載の締め具システム。留め具を受容するための孔を各々が有する2つの突出部を有する、請求項6に記載の締め具システム。前記ナット保持器が、前記ナットの少なくとも一部を受容し前記ナットが前記ナット保持器内で完全に回転することを防止するような大きさの空洞を有する、請求項2に記載の締め具システム。前記ナット保持器が、取付け孔を有する、請求項2に記載の締め具システム。前記複合繊維強化ポリマーのナットが、ガラス充填ナイロンである、請求項1に記載の締め具システム。前記複合繊維強化ポリマーのナットが、繊維又は微粒子フィラーを有するエンジニアリングプラスチックである、請求項1に記載の締め具システム。前記繊維が、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維又は金属撚りひもの少なくとも1つである、請求項11に記載の締め具システム。前記微粒子フィラーが、炭化物、セラミック又は無機物の少なくとも1つである、請求項11に記載の締め具システム。地下箱に蓋を取り付けるための締め具システムであって、 ねじ山が形成されたボルトと、 ねじ山係合部を有する繊維強化複合材のナットと、 を備え、 前記ボルトと、前記ナットの前記ねじ山係合部と、の間に捕捉された微粒子が、前記ナットに押し込まれる、又は、砕かれて前記ナットの底部から追い出される、 締め具システム。前記ナットが、前記ねじ山係合部の上方に位置する、ねじ山が形成されていないボルト位置決め部と、前記ねじ山係合部の下方に位置するボルト覆い部と、を更に含む、請求項14に記載の締め具システム。ナット保持器を更に備え、 前記ナットが、前記ナット保持器内で前記ナットが浮動できるように、前記ナットの一部において半径方向外側に延びる少なくとも1つの突出部を含む、請求項14に記載の締め具システム。前記繊維強化複合材のナットが、ガラス充填ナイロンを含む、請求項14に記載の締め具システム。前記繊維強化複合材のナットが、繊維又は微粒子フィラーをともなうエンジニアリングプラスチックを含む、請求項14に記載の締め具システム。前記繊維が、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維又は金属撚りひもの少なくとも1つである、請求項18に記載の締め具システム。前記微粒子フィラーが、炭化物、セラミック又は無機物の少なくとも1つである、請求項18に記載の締め具システム。

说明书全文

[関連出願の相互参照] 本願は、参照により内容が本明細書に取り込まれる2015年7月20日に提出された米国特許仮出願第62/194716号の利益及び優先権を主張する。

本発明は、様々な地下産業において用いられる地下又は地盤高さのボールトに使用される蓋又はカバーのための締め具システムに関する。

公共施設、警備及び鉄道分野又は他の産業において使用される地下若しくは埋設されたボールト、ピットチャンバ又は箱は、同軸又は光ファイバ、銅ケーブルだけでなく、ガス及び電線、並びに他の管、工業的な弁又はWi-Fiアンテナ等を収容することができる。地下施設のためのボールト及びピットはしばしば、修理を行うため又はサービスを向上させるために、開けられる必要がある。典型的には、施設のボールト及びピットは、一端にフックを有する工具又はピックにより開けられるコンクリート、ポリマーコンクリート、又はプラスチックの蓋を含む。フックは、蓋又はカバーの孔を通して挿入され、ボールト又はピットの頂部にある開口から蓋又はカバーを引き離すために使用される。

地下箱を使用する過程では、カバー又は蓋は、ほぼ地盤高さに取り付けられ得る。これらのプラスチック、コンクリート、ポリマーコンクリート及び繊維強化複合材等の様々な材料のカバー又は蓋は、まっすぐなボルト又はL字ボルト等の様々な手段によって適切な場所に固定される。ボルトは、典型的には、カバーを貫通して地下箱に進入し、保持ナット又は同様な装置にねじ込まれ、これにより、カバーを箱に締め付ける。この締め具システムはとても故障しやすく、多数の取り付けられた箱/カバーユニットが、箱チャンバ内へ再び進入し銅又は光ファイバなどの封入物等の内部のインフラストラクチャに近づくために計画的に破損される。破損は、典型的には、しかし非限定的に、カバーのを壊すことであり、当該角ではボルトがカバーを箱に固定し、ボルトは通常は対向する角上に配置される。これはもちろん、カバーがもはや箱に固定されないことを意味し、車両荷重に近接する取付け物に対して規定されている荷重条件に合格しないであろうという程度まで、カバーが顕著に弱められる。一般的には入手できないアクセスのための特別な工具を必要とする「Penta」のヘッドデザイン等の不正開封防止機能を典型的には含むカバーがもはやボルトによって固定されないため、施設のボールトは、そのようなセキュリティー機能によって保護されることが企図されているインフラストラクチャへの即座のアクセスが簡単に得られるという事実により、器物破損、窃盗又は望まない損害にさらされることになる。

締め具システムの故障は、典型的には、ボルト及びナットが互いにかじり付き、ボルトが除去のために回せなくなること、又は、ボルト及びナットかじり付き、ナットが保持器に制限されなくなってボルトが回されるのにともない回転すること、のどちらかである、2つのメカニズムによって発生する。いくつかのシステムでは、ボルトのねじ山がはぎ取られ、ボルトを除去できない更なる故障モードがある。これらの状況の全てが、カバーの除去を妨害し、進入できるように技術者にカバーを破損させることにつながる。この問題の更に悪いことは、カバーを製造するのに使用される先進の複合材の最近の開発及び発展であり、当該複合材は、古い材料では可能であったように角で壊すことができず、締め具システムが故障したときに箱に再進入するために極端な手段を必要とする。これらのシナリオはありがちであり、電気通信、輸送、エネルギー分配及び他の施設を非限定的に含む地下箱を使用するインフラストラクチャ会社に広く知られている。

締め具システムの故障を解決する様々な試みが試されてきた。例えば、ステンレス鋼のナット及びボルトがすり減ってかじり付きを生じさせる等、ボルト/ナットのかじり付きのいくつかの側面に取り組むために、ナット又はボルトのいずれかが銅のナット又はボルトに置き換えられる、又は、かじり付き防止複合材がステンレスとステンレスとのすり減りを防止するために添加される。しかしながら、すり減りは問題となり得るが、より大きな問題は、特に砂、土、セメント及びポリマーコンクリートの顆粒等の微粒子によるねじ山の汚染である。これらの取付け物は土壌又は歩道にあるため、微粒子はほぼ常にねじ山を汚染しており、かじり付き防止複合材の添加はボルト/ナットのねじ山の境界面に付着し微粒子を運び込むグリースのような合成物を微粒子に付与する。したがって、故障のほとんどはねじ山の汚染に起因し、既存の解決策はこの問題に取り組んでいない。

よって、従来の締め具システムの欠点に取り組み、蓋又はカバーを破損することなく箱のチャンバ内への進入を可能にする、蓋又はカバーを地下若しくは埋設されたボールト、ピット、チャンバ又は箱に取り付けるための改良された締め具システムに対する要求が存在する。

本発明は、従来の締め具システムの問題に取り組み、蓋を破損することなく箱のチャンバ内へ簡単に費用をかけることなく進入できる、地下若しくは埋設されたボールト、ピット、チャンバ又は箱のためのカバー又は蓋のための締め具システムである。本発明は、故障の機会を低減するナット及びボルトの組み合わせを備える締め具システムであり、故障が起きたときに、カバー又は箱への破損無しにボールト内に依然として進入可能なように故障モードが変化させられ、故障した部品を簡単に安価に置き換えることができる。本発明の締め具システムは、地下箱及びカバーに配置されるナット保持設計の2つのタイプを提供し、1つ目が、ナットが静止状態にとどまる固定されたナットの箱への取付けであり、2つ目が、ナットが、位置決め誤差をいくらかの程度補正するために箱中の軌道又はかご内を動くことが許容される浮動ナット設計である。

本発明の締め具システムの故障モードは、ボルト、ナット保持器、及びナットの取付け点が無傷のままとなるように、ナットに含まれるねじ山へと移動される。この態様では、他に何も破損すること無く、ナットのねじ山がすり減る。締め具を形成するナット、ボルト及び保持器の材料を注意深く選択することにより、所望の故障モードが実現され、故障モードの特性が、有益な結果となるように、具体的にはねじ山及びナットがいかなる他の故障モードよりも先にすり減るように、設計される。

ナットに使用される材料は、例えば、非限定的に、優れた強度を示すがナットのねじ山がいかなる他の故障モードよりも先に剪断することを可能にするガラス充填ナイロン等の複合材タイプである。ねじ山係合部の長さ及び孔の直径をボルトの直径に相対的に制御することにより、締め具は、トルク条件を満たすことができ、ナットのねじ山が先ず故障することを依然として可能にする。材料、孔の直径及びねじ山係合部の調節により、所望の故障モードが達成される。ねじ山を形成する際にナット中に高応力が発生するため、ナットの破壊を防止するために適切な案内面取りが必要とされ、典型的には二面幅1.5875mm(1/16インチ)から3.175mm(1/8インチ)の45度の面取りである。

部品の材料選択と同時に、特に部品境界面におけるいくつかの形状が、所望のモードで所望の部品において故障が生じることを確実にするために、最適化される。非常に目の粗いラグボルトタイプのねじ山が用いられることができる、何故なら、それらは複合材にねじ山を形成するのに優れており、ナット材料が最終的に剪断で故障する必要な高トルク限度を達成するのを可能にするからである。本発明のこれら及び他の側面が、以下の詳細な説明及び図面を参照することにより、より明確に理解されるであろう。

本発明の締め具システムの上面図である。

図1の締め具システムの部分断面図である。

代替実施形態の締め具システムの部分断面図である。

図1又は図3の締め具システムにより取り付けられた蓋又はカバーを有する地下ボールト、ピット、チャンバ又は箱の斜視図である。

図4の断面図である。

図1及び図2を参照すると、本発明の締め具システム10が示されている。締め具システムは、ボルト12、ナット14及びナット保持器16を備えている。締め具システム10は、本明細書の以下でより詳細に説明される地下若しくは地盤高さのボールト(vault)、ピット、チャンバ又は箱に蓋又はカバーを取り付けるのに利用される。ボルト12は、典型的には、ナット14を通って延びる孔24のねじ山係合部22の位置においてナット14と係合するための、粗い目のねじ山18を有するラグボルトである。ボルトのねじ山は、取付けの際にナットのねじ山係合部に切り込んで、これによりナットにねじ山を形成する。

ボルト12は頭19を含み、頭19は従来の頭デザインであることができ、又は、例えば操作に特別な工具を必要とするPentaの頭デザイン等の不正開封防止機能を含むことができる。目の細かいねじ山を有するボルトが同様に、締め具に対して利用されることができる。ナットを通って延びる孔24は、ねじ山係合部へと延びるボルト位置決め部28へと延びるボルト引入れ面取り26と、ボルト位置決め部28及びねじ山係合部22の間に位置する引入れ面取り30と、を含む。引出し面取り32が、ねじ山係合部からナットのボルト覆い部34に向かって延びる。ナットは更に、引入れ面取り26及びボルト位置決め部28に隣接するナット上部の両側に、突出部36及び38を含む。突出部は同様に、ナットの他の部分に沿って配置されることができる。

ナット14は、ナットの突出部に比べて大きい空洞40を含むナット保持器16内に位置しており、これにより、空洞と、突出部の側面及び底面と、の間に隙間が存在し、本質的にナットが空洞40内を浮動することを可能にする。空洞40は孔42を含み、これにより、ナットの残りの部分、すなわちねじ山係合部及びボルト覆い部が、保持器を通って延びることができる。孔42の直径は突出部の外側の寸法よりも小さく、これにより、ナット上部が空洞内に留められる。ナット保持器16は更に、本明細書の以下で説明されるボールトに保持器を取り付けるためのねじ48及び49を受領するためのボス44及び46を両側の位置に含む。図1及び図2の締め具システムは浮動ナットバージョンであり、互いに締め付けられる部品の位置決め誤差をある程度補正するために、ナットが保持器内で動くことが可能とされている。

図3は、固定ナット52及びボルト54を利用する代替実施形態の締め具システム50を示す。締め具システム50は締め具システム10のようにナット保持器を利用せず、固定ナット52が、本明細書の以下でより詳細に説明される互いに締め付けられる部品のうちの1つに、ナットを固く固定するためのねじ60及び62をそれぞれ受容するための孔56及び58を含む。固定ナット52のその他の点についてはナット14と同様であり、ナットを通って延びる孔78内に全て存在するボルト引入れ面取り64、ボルト位置決め部66、ねじ山係合部の引入れ面取り68、ねじ山係合部70、ボルト覆い部の引出し面取り74、及びボルト覆い部76を有する。

本発明の締め具システムの双方の実施形態が、図4及び図5に示されるボールト、ピット、チャンバ又は箱82に蓋又はカバー80を取り付けるために設計された。蓋80は、コンクリート、ポリマーコンクリート、鋳鉄、亜鉛めっき鋼、又はプラスチックから製造でき、より最近では、不飽和ポリエステル熱硬化性樹脂マトリックス、ガラス繊維強化材、及び無機フィラーから成るガラス繊維強化ポリマーマトリックス材料から製造されることができる。ボールト82は同様に、これらの材料のうちの任意のものから製造できる。カバー又は蓋80は、蓋の対向する角に位置する貫通孔84及び86を含む。締め具システム10又は50のいずれかが、蓋80をボールト82に固く取り付けるために組み込まれ、図示の目的のために、締め具10が貫通孔84を通って位置するように図示され、締め具50が貫通孔86を通って位置している。締め具システムのいずれか又は双方が、特定の要求に基づいて利用できることが理解されよう。締め具システム10に関して、保持器16が、ボールトの内壁周囲の出っ張りに固定され、これにより、ボルト12が、蓋の下方に位置するナット14にねじ込まれる。ボルト12は、ボールトの出っ張りに蓋を固定する。締め具システム50は、ボルト54が貫通孔86を通してナットにねじ込まれるように、固定ナット52を内壁の出っ張りに固定することを必要とし、これにより、ボールトに蓋を固定する。

本発明の締め具システムの利点は、ボルト、ナット保持器及びナットの取付け点が無傷のままとなるように、システムの故障モードがナットに含まれるねじ山へと移動することであり、本質的に他に何も破損すること無くナットをはぎ取ることを可能にし、ボルトを依然として除去できる。ナット、ボルト及び保持器が製造される材料を注意深く選択することにより、所望の故障モードが実現され、ねじ山及びナットがいかなる他の故障モードよりも先にすり減ることを可能とするように故障モードの特性が設計される。これは、例えば、非限定的に、優れた強度を示すがいかなる他の故障モードよりも先にナットのねじ山が剪断することを可能にするガラス充填ナイロン等の複合材料でナットを製造することにより達成される。ボルトの直径に相対的にねじ山係合部の長さ及び孔の直径を制御することにより、締め具システムは、標準のトルク条件を満たすことができ、過トルクの際にナットのねじ山が先ず故障することを依然として可能にする。結果として、材料、孔の直径及びねじ山係合部の調整が、所望の結果を達成するために、設計される。ねじ山を形成する際にナット中に高応力が発生するため、引入れ及び引出し面取りがナットの破壊を防止し、面取りは、二面幅1.5875mm(1/16インチ)から3.175mm(1/8インチ)を有する45度の面取りであり得る。典型的には、非常に目の粗いラグボルトタイプのねじ山が、ナットのねじ山係合部に利用される、何故なら、それらは複合材にねじ山を形成するのに理想的であり、ナット材料が必要な高トルク限度を達成するが最終的にはナットのねじ山が剪断で故障することを引き起こすのを可能にするからである。複合材料及びナットの設計形状は、ねじ山及びナットがはぎ取られた後でさえもボルトを除去できるように、相補いながら機能する。さらに、ほとんどの場合、より低いレベルの固定力ではあるが、ボルトを再度取り付けること及び取り除くことが可能である。これは、交換部品がすぐには入手できない場合に特に有用であり、最終的に修理が達成されるまで、ボルトが、カバー及びボールトの組立品に対していくらかのレベルの不正開封防止機能を引き続き提供する。

本発明の締め具システムの他の利点は、複合材料及びねじ山形状が、ナット及びボルトのねじ山境界面中の微粒子の影響を大きく取り消すことである。ナットに利用されるより従順な、しかし弾力のある材料は、微粒子が重大な破損無しにナット材料にいくらか押し込まれることを可能にし、非常に目の粗いボルトのねじ山と結合して、ボルト及びナットのねじ山がともに固定されることを防ぐ。第二に、複合材料の選択に起因して、ボルトのねじ山がナットに捕捉された微粒子上を移動するにつれて、微粒子が砕かれますます細かい微粒子へと挽かれて、微粒子はその後、ナットの底部から追い出される又はボルトが取り除かれたときに落下する。締め具システムは、自己清浄型である。

ナットに利用される複合材料は、ガラス繊維充填ナイロン又は同様な繊維又は微粒子フィラーをともなうエンジニアリングプラスチックを含む。そのようなフィラーは、例えばケブラー(登録商標)及びノーメックス(登録商標)等のアラミド繊維、炭素繊維、様々なガラス繊維、ホウ素、金属の撚りひも、及びタングステンを含むことができ、これらは、ボルトがナット内にねじ込まれるのにつれて微粒子を砕くための材料を付与する。ポリマーの弾力性と、フィラーの硬さ及び鋭さと、の組み合わせがナットをかじり付きから防ぎ、微粒子がより小さなサイズへと挽かれて締め具システムのかじり付きを防止する。繊維の代わりに又は繊維に加えて、挽かれる微粒子のための媒体として作用するような、例えば、炭化物、セラミック、又はガーネット及びサファイアなどの無機物、等の硬い微粒子が複合材マトリックス内に結合されることができる。

図1及び図2の締め具システム又は浮動ナットバージョンの他の利点は、複合材料及び形状選択が、故障モードがナットのねじ山で発生し、ナット及びナット保持器の境界面では発生しないことを確実にすることである。従来の締め具システムは、ナット及びボルトのねじ山が互いにかじり付いたときに、保持器内でナットが回転する故障シナリオをもたらし、このため、ボルトの除去を妨げていた。締め具システム10の複合材料の選択及び形状が、先ずねじ山が故障することを保証し、故障の際には、カバーを取り除けることを確実にする。加えて、突出部36及び38が、角度位置決め誤差と共にX及びY軸に沿った位置決め誤差を吸収するために、X、Y及びZ軸に沿った隙間を提供する。2つの突出部が示されているが、ナット及びナット保持器の境界面の耐久性を更に向上させるために、追加の形状が利用可能である。そのような形状は、ナット及び保持器の間でかみ合う1つ又は2つよりも多い突起若しくは突出部、ゼロスラスト角の境界面、又はスプラインを含むことができ、これらは全て、ナット及びナット保持器の間の相対移動を許容する一方で、ナットのねじ山が剪断荷重で故障するまで無傷のままであることを可能にするように設計される。

本発明の締め具システムの他の利点は、ナットのボルト位置決め部である。ボルト位置決め部は、ボルトの外側直径とほぼ同じであり、ねじ山係合部に進入する前にボルトを位置決めする。自己位置決め機能は、ボルトにおいては一般的だが、ナットにおいては一般的ではない。ボルト位置決め部は、ボルトの軸とナットの中心線とがほぼ同軸の状態でボルトがナットに進入することを保証し、これは、固定に関する値に対して一貫したトルクを、及び故障に関する値に対して一貫したトルクをもたらす。

本発明の締め具システムの他の利点は、ねじ山係合部を通り過ぎて延びるボルトの一部を覆う、ボルト覆い部をナットに組み込んだことである。これは、全ての金属部品が導電的な理由のために覆われることを必要とするボールト適用例における使用のために重要であり、またボールト中の中身をボルトから物理的に保護する。

本発明の締め具システムの他の利点は、ナットのための複合材料はナットからボルトを取り除くためのトルクを劇的に増加させ、振動又は他の応力から緩むことに対する抵抗力を実質的に改善する。本発明の締め具システムに関する向上された優勢的なトルク機能に起因して、個々の部品が緩むこと無しに非常に高いトルクを締め具システムに加えることができる。結果として、非常に低い軸方向圧縮力、又は、それどころかゼロ軸方向圧縮力が、締め具システムを適切に維持するために必要とされる。これは、複合材又は他の粉砕に繊細な材料を噛み合わせるときに特に有利である。繊細な部品は、破損、又は、振動、膨張/収縮サイクル、結合圧縮力のクリープ若しくは応力解放に起因して経時的に緩くなることの心配無しに、他の粉砕に繊細な材料又は粉砕に繊細でない材料と結合可能である。

本発明の締め具システムは、地下又は地盤高の封じ込め箱及びカバーシステムの適用例に関して開発されたが、本締め具システムが、ナット/ボルト締め具システムにおいて広範囲にわたる適用例を有することが理解されるべきであり、本発明は2つの部品が結合される全てのシナリオに等しく適用可能であり、公共施設のボールト/カバーの適用例のみに限定されないことが理解されるべきである。

本発明が様々な実施形態に関して開示され示されてきたが、特許請求の範囲に記載された本発明の企図された全範囲内にある変更及び改良が可能であることが理解されるべきである。

本発明のいくつかの態様を以下に列挙する。

項目1 地下ボールトにカバーを取り付けるための締め具システムであって、 ねじ山を有するボルトと、 複合繊維強化ポリマーのナットと、 を備え、 ナットが、ナットの少なくとも一部を通って延びるねじ山係合部を有し、 ねじ山係合部が、ボルトを受容した後にナットとボルトとがかじり付く前に、剪断で故障する、 締め具システム。

項目2 ナット保持器を更に備え、 ナット保持器が、ナット保持器内でナットが浮動することを可能にする大きさである、 項目1に記載の締め具システム。

項目3 ナットが、ねじ山係合部の上方に位置する、ねじ山が形成されていない(unthreaded)ボルト位置決め部を更に含む、項目1に記載の締め具システム。

項目4 ナットが、ねじ山係合部の下方に位置するボルト覆い部を含む、項目1に記載の締め具システム。

項目5 ナットが、ねじ山係合部に隣接する引入れ面取り及び引出し面取りを更に含む、項目1に記載の締め具システム。

項目6 ナットが、ナットの一部から半径方向外側に延びる少なくとも1つの突出部を含む、項目1に記載の締め具システム。

項目7 留め具を受容するための孔を各々が有する2つの突出部を有する、項目6に記載の締め具システム。

項目8 ナット保持器が、ナットの少なくとも一部を受容しナットがナット保持器内で完全に回転することを防止するような大きさの空洞を有する、項目2に記載の締め具システム。

項目9 ナット保持器が、取付け孔を有する、項目2に記載の締め具システム。

項目10 複合繊維強化ポリマーのナットが、ガラス充填ナイロンである、項目1に記載の締め具システム。

項目11 複合繊維強化ポリマーのナットが、繊維又は微粒子フィラーを有するエンジニアリングプラスチックである、項目1に記載の締め具システム。

項目12 繊維が、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維又は金属撚りひもの少なくとも1つである、項目11に記載の締め具システム。

項目13 微粒子フィラーが、炭化物、セラミック又は無機物の少なくとも1つである、項目11に記載の締め具システム。

項目14 地下箱に蓋を取り付けるための締め具システムであって、 ねじ山が形成されたボルトと、 ねじ山係合部を有する繊維強化複合材のナットと、 を備え、 ボルトと、ナットのねじ山係合部と、の間に捕捉された微粒子が、ナットに押し込まれる、又は、砕かれてナットの底部から追い出される、 締め具システム。

項目15 ナットが、ねじ山係合部の上方に位置する、ねじ山が形成されていないボルト位置決め部と、ねじ山係合部の下方に位置するボルト覆い部と、を更に含む、項目14に記載の締め具システム。

項目16 ナット保持器を更に備え、 ナットが、ナット保持器内でナットが浮動できるように、ナットの一部において半径方向外側に延びる少なくとも1つの突出部を含む、項目14に記載の締め具システム。

項目17 繊維強化複合材のナットが、ガラス充填ナイロンを含む、項目14に記載の締め具システム。

項目18 繊維強化複合材のナットが、繊維又は微粒子フィラーをともなうエンジニアリングプラスチックを含む、項目14に記載の締め具システム。

項目19 繊維が、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維又は金属撚りひもの少なくとも1つである、項目18に記載の締め具システム。

項目20 微粒子フィラーが、炭化物、セラミック又は無機物の少なくとも1つである、項目18に記載の締め具システム。

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