Oil pump

申请号 JP2004521131 申请日 2003-06-11 公开(公告)号 JP4519644B2 公开(公告)日 2010-08-04
申请人 日野自動車株式会社; 株式会社ジェイテクト; 发明人 孝 今西; 健太郎 山内; 信之 川幡; 洋通 末本; 聡 近藤;
摘要
权利要求
  • 作動室と、吸込ポートと、吐出ポートと、前記吸込ポートにオイルを供給する吸込通路と、前記吐出ポートからオイルが吐出される吐出通路と、 前記吐出通路と 前記吸込通路とを連通するバイパス通路とをもつ基部と、
    前記作動室に回転可能に設けられ、回転に伴い前記吸込通路のオイルを前記吸込ポート から吸い込んで前記吐出ポートを経て前記吐出通路に供給するポンプ作用を行うロータと、
    前記基部に設けられ、前記吐出通路のオイルの流量が過剰のとき過剰のオイルを帰還流として前記バイパス通路を経て前記吸込通路に帰還させる流量制御弁とを具備するオイルポンプにおいて、
    前記吸込通路及び前記バイパス通路のうち少なくとも一方の内壁面において、耐浸食性を有する耐浸食部材がオイルの帰還流に対面する位置に設けられており、
    前記耐浸食部材は、 これの全長にわたって、当該一方の中心線と直交する断面において当該一方の中心線の回りで非連続形状をなし 、当該一方の内壁面の周方向半分未満の範囲に設けられており、
    前記流量制御弁は、前記吐出通路の圧力に応答して前記吐出通路内を移動するスプールをもち、
    前記吐出通路のうち前記パイパス通路に背向する背向部位と前記パイパス通路とを連通させると共に前記吐出通路からのオイル帰還流の一部が流れて前記スプールのバランスを高めるバランス用凹部が前記基部に設けられており、
    前記バランス用凹部において、耐浸食性を有すると共に空気抜き通路を有する第2耐浸食部材がオイルの帰還流の一部に対面する位置に設けられていることを特徴とするオイルポンプ。
    するオイルポンプ。
  • 請求項1において、当該一方の中心線と直交する断面において、前記耐浸食部材は、少なくともV字形状、U字形状、C字形状のいずれかを有することを特徴とするオイルポンプ。
  • 請求項1において、当該一方の中心線と直交する断面において、前記耐浸食部材はこれの拡開方向に付勢するバネ力を有しており、前記耐浸食部材のバネ力により前記耐浸食部材は少なくとも当該一方に装着されていることを特徴とするオイルポンプ。
  • 請求項1において、前記基部はアルミニウム系であり、前記耐浸食部材はアルミニウム系よりも高い平均硬度を有しており耐浸食性が良好な材料で形成されていることを特徴とするオイルポンプ。
  • 請求項1において、前記耐浸食部材のうち少なくともオイルに接触する部分は、合金鋼、炭素鋼から選ばれる鉄系材料、または、セラミックス材料を基材として形成されていることを特徴とするオイルポンプ。
  • 請求項1において、前記吸込通路は横断面において長径及び短径をもつ横長形状であり、前記耐浸食部材は前記吸込通路の前記長径側に設けられていることを特徴とするオイルポンプ。
  • 請求項1において、前記吸込通路及び前記バイパス通路のうち前記耐浸食部材が設けられている内壁面と、前記耐浸食部材とは同一高さ面を形成していることを特徴とするオイルポンプ。
  • 請求項 1〜7のうちの一項において、前記第2耐浸食部材はコップ状またはプレート状であることを特徴とするオイルポンプ。
  • 請求項 1〜8のうちの一項において、前記基部はアルミニウム系であり、前記第2耐浸食部材はアルミニウム系よりも高い平均硬度を有しており耐浸食性が良好な材料で形成されていることを特徴とするオイルポンプ。
  • 請求項 1〜9のうちの一項において、前記第2耐浸食部材のうち少なくともオイルに接触する部分は、合金鋼、炭素鋼から選ばれる鉄系材料、または、セラミックス材料を基材として形成されていることを特徴とするオイルポンプ。
  • 说明书全文

    本発明は車両等に搭載されるオイルポンプに関する。 例えば車両のパワーステアリング装置に使用されるオイルポンプに利用することができる。

    車両等に搭載されるオイルポンプは、作動室と、吸込ポートと、吐出ポートと、吸込ポートにオイルを供給する吸込通路と、吐出ポートからオイルが吐出される吐出通路と、吐出通路と吸込通路とを連通するバイパス通路と、ポンプ作用を行うロータとをもつ。 ロータが回転すると、吸込通路のオイルを吸込ポートから吸い込んで吐出ポートを経て吐出通路に供給するポンプ作用が行なわれる。 そして吐出通路のオイルの流量が過剰のとき、吐出通路の過剰のオイルを帰還流としてバイパス通路を経て吸込通路に帰還させる流量制御弁が設けられている。 これにより吐出通路から油圧機器に供給されるオイルの流量の適切化を図り得る。

    ところで、上記したように高圧側の吐出通路の過剰のオイルをバイパス通路を経て低圧側の吸込通路に帰還させるとき、オイルの帰還流はかなりの高速で帰還する。 このためオイルポンプの使用期間が過度に長期にわたったり、オイルポンプの使用条件が過酷であったりすると、バイパス通路や吸込通路の内壁面のうち、オイルの帰還流が直撃する部位に浸食部分が生じるおそれがある。 キャビテーションによる浸食であると推察される。 殊にオイルポンプが高圧高容量化されている場合には、吐出通路の圧が高く、オイルの帰還流はかなりの高速で帰還するため、浸食部分が生じるおそれがある。 また殊に吸込通路がアルミニウム系を基材として形成されている場合には、浸食部分が生じるおそれがある。

    この浸食問題に対する対策を施したオイルポンプとして、実開平2−139386号公報には、オイルの帰還流が直撃する部位に、耐浸食性をもつ鋼系材料で形成した円筒形状の管体を取り付けた技術が開示されている。 この公報の技術によれば、オイルの帰還流がかなりの高速で帰還するときであっても、オイルの帰還流が直撃する部位における浸食が抑えられる。

    しかしながら上記した実開平2−139386号公報に係る技術によれば、耐浸食性をもつ材料で形成した管体は円筒形状をなしており、オイルの帰還流が流れる通路は、これの横断面において、当該通路の中心線の回りで1周するように円筒形状をなしているため、耐浸食性を有する材料が多く必要される。 またオイルの帰還流が流れる通路はこれの横断面で1周するように円筒形状をなしているため、オイルの帰還流が流れる通路の流路断面積を狭くすることになる。 オイルの帰還流が流れる通路の流路断面積を大きくすれば良いが、小型化の要請が厳しいオイルポンプでは、通路のレイアウト、ハウジングの肉厚等の制約があり、オイルの帰還流が流れる通路の流路横断面積の増大化には限界がある。

    実開平2−139386号公報

    本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、オイルの帰還流が直撃する部位における耐浸食性を確保しつつ、耐浸食性を有する材料の使用量の低減、オイルの帰還流が流れる通路の流路断面積の確保に有利なオイルポンプを提供することを課題とするにある。

    本発明に係るオイルポンプは、作動室と、吸込ポートと、吐出ポートと、吐出ポートにオイルを供給する吸込通路と、吐出ポートからオイルが吐出される吐出通路と、吐出通路と吸込通路とを連通するバイパス通路をもつ基部と、
    作動室に回転可能に設けられ、回転に伴い吸込通路のオイルを吸込ポートから吸い込んで吐出ポートを経て吐出通路に供給するポンプ作用を行うロータと、
    基部に設けられ、吐出通路のオイルの流量が過剰のとき過剰のオイルを帰還流としてバイパス通路を経て吸込通路に帰還させる流量制御弁とを具備するオイルポンプにおいて、
    吸込通路及びバイパス通路のうち少なくとも一方の内壁面において、耐浸食性を有する耐浸食部材がオイルの帰還流に対面する位置に設けられており、
    耐浸食部材は、 これの全長にわたって、当該一方の中心線と直交する断面において当該一方の中心線の回りで非連続形状をなし、当該一方の内壁面の周方向半分未満の範囲に設けられており、
    流量制御弁は、吐出通路の圧力に応答して吐出通路内を移動するスプールをもち、
    吐出通路のうちパイパス通路に背向する背向部位とパイパス通路とを連通させると共に吐出通路からのオイル帰還流の一部が流れてスプールのバランスを高めるバランス用凹部が基部に設けられており、
    バランス用凹部において、耐浸食性を有すると共に空気抜き通路を有する第2耐浸食部材がオイルの帰還流の一部に対面する位置に設けられていることを特徴とするものである。

    発明に係るオイルポンプによれば、吸込通路及びバイパス通路のうち少なくとも一方の内壁面に、耐浸食性を有する耐浸食部材がオイルの帰還流に対面する位置に設けられている。 このため吐出通路の過剰のオイルがバイパス通路を経て吸込通路に帰還するときであっても、オイルの帰還流が直撃する部位における浸食が抑えられる。 更に耐浸食部材は、当該一方の中心線と直交する断面において当該一方の中心線の回りで非連続形状をなしており、前記内壁面の周方向半分未満の範囲に設けられているため、前記した実開平2−139386号公報に係るオイルポンプの場合に比較して、耐浸食性を有する材料の使用量の低減を図り得、オイルの帰還流が流れる通路の流路断面積が確保される。

    本発明に係るオイルポンプによれば、バランス用凹部において、耐浸食性を有すると共に空気抜き通路を有する第2耐浸食部材がオイルの帰還流の一部に対面する位置に設けられている。 第2耐浸食部材をバランス用凹部に取り付けるとき、第2耐浸食部材とバランス用凹部との間に空気が残留する可能性がある。 空気が膨張すると、第2耐浸食部材の取付強度に影響を与えることがある。 上記したように第2耐浸食部材に空気抜き通路を形成すれば、第2耐浸食部材を取り付けるときにおいて、第2耐浸食部材とバランス用凹部との間において空気が残留するおそれを改善することができ、第2耐浸食部材の取付強度が更に高められる。

    図1は

    第1参考形態に係り、オイルポンプの断面図である。

    図2は

    第1参考形態に係り、第2サイドプレートを外した状態に係る図1に示すオイルポンプを矢視S1方向から視認した側面図である。

    図3は

    第1参考形態に係り、サクション穴付近の断面図(ハッチング省略)である。

    図4は

    第1参考形態に係り、ドレン出口付近の断面図(ハッチング省略)である。

    図5は流量制御弁の概念図である。

    図6は

    第1参考形態に係り、耐浸食部材が取り付けられている吸込通路の付近の状態を示す断面図である。

    図7は第2

    参考形態に係り、耐浸食部材が取り付けられている吸込通路の付近の状態を示す断面図である。

    図8は第3

    参考形態に係り、耐浸食部材が取り付けられている吸込通路の付近の状態を示す断面図である。

    図9は第4

    参考形態に係り、耐浸食部材が取り付けられている吸込通路の付近の状態を示す断面図である。

    図10は比較形態に係り、浸食が生じる吸込通路の付近の状態を示す断面図である。

    図11は第5

    参考形態に係り、耐浸食部材が取り付けられている吸込通路の付近の状態を示すと共に、第2耐浸食部材が取り付けられているバランス用凹部の付近の状態を示す断面図である。

    図12は第

    実施形態に係り、第2耐浸食部材が取り付けられているバランス用凹部の付近の状態を示す断面図である。

    図13は第

    実施形態に係り、第2耐浸食部材が取り付けられているバランス用凹部の付近の状態を示す断面図である。

    図14は第

    実施形態に係り、第2耐浸食部材が取り付けられているバランス用凹部の付近の状態を示す横断面図である。

    図15は第

    実施形態に係り、第2耐浸食部材が取り付けられているバランス用凹部の付近の状態を示す横断面図である。

    図16は第

    実施形態に係り、耐浸食部材が取り付けられている吸込通路の付近の状態を示すと共に、第2耐浸食部材が取り付けられているバランス用凹部の付近の状態を示す断面図である。

    図17は第

    実施形態に係り、第2耐浸食部材が取り付けられているバランス用凹部の付近の状態を示す断面図である。

    本発明に係るオイルポンプによれば、好ましくは、当該一方の中心線と直交する断面において、耐浸食部材はこれの拡開方向に付勢するバネ力を有しており、耐浸食部材のバネ力により耐浸食部材は少なくとも当該一方に装着されている構成を採用することができる。 このように耐浸食部材のバネ力により耐浸食部材を装着することにすれば、耐浸食部材が断面において非連続形状をなしているときであっても、耐浸食部材の保持性が高まり、耐浸食部材の位置ずれが抑制される。

    本発明に係るオイルポンプによれば、好ましくは、当該一方の中心線と直交する断面において、当該一方の中心線の回りで、耐浸食部材は少なくともV字形状、U字形状、C字形状のいずれかを有する構成を採用することができる。 この場合、耐浸食部材は、これの拡開方向に付勢するバネ力を有することができる。 そして耐浸食部材のバネ力により耐浸食部材は少なくとも当該一方に装着されている構成を採用することができる。 このように耐浸食部材のバネ力により耐浸食部材を装着することにすれば、耐浸食部材の保持性を高めることができる。 この場合、疑似V字形状、疑似U字形状、疑似C字形状のいずれかを有する構成を採用することができる。

    本発明に係るオイルポンプによれば、好ましくは、吸込通路及びバイパス通路のうちの少なくとも一方は、横断面で短径及び長径をもつ長円形状または楕円形状をなしていると共に、耐浸食部材は、長円形状または楕円形状に対応するように少なくともV字形状、U字形状、疑似V字形状、疑似U字形状のいずれかを有する構成を採用することができる。 この場合、耐浸食部材の保持性を高めることができ、耐浸食部材の位置ずれが抑えられる。 耐浸食部材のうち少なくともオイルに接触する部分は、合金鋼、炭素鋼から選ばれる鉄系材料、または、セラミックス材料を基材として形成されている形態を採用することができる。

    (第1 参考形態)
    本発明の第1 参考形態について図面を参照して説明する。 図1はベーン式のオイルポンプの断面図を示す。 本実施形態に係るオイルポンプは、車両のハンドルであるステアリングの操作をアシストするパワーステアリング装置に使用されるものであり、エンジンのクランクシャフトで回転されるように車両に搭載されている。 図1に示すようにオイルポンプでは、基部1は、内壁面11aで区画された作動室11及び作動室11に連通する吐出室12をもつフロントハウジングとも呼ばれるアルミニウムまたはアルミニウム合金を基材とするハウジング13と、リング状のシール部15を介して作動室11に嵌合して吐出室12に対面するように配置されたアルミニウムまたはアルミニウム合金を基材とする第1サイドプレート16と、ハウジング13の取付端面13aに一体的に固定されたアルミニウムまたはアルミニウム合金を基材とする第2サイドプレート18とを有する。

    図1に示すように、取付具としての取付ボルト14を第2サイドプレート18の通孔18pに挿通し、取付ボルト14をハウジング13のねじ孔13pにねじ込むことにより、第2サイドプレート18はハウジング13の取付端面13aにリング状のシール部18sを介して固定されている。 第1サイドプレート16の厚み方向には、吐出室12及び作動室11に連通する吐出ポート19が形成されている。 第1サイドプレート16と第2サイドプレート18とで挟持されるように、カムリング20が作動室11に嵌合して配置されている。

    図1に示すように、シャフト孔21は作動室11に繋がるように基部1のハウジング13に形成されている。 シャフト孔21は、ハウジング13に形成された相対的に大径の第1シャフト孔21aと、第1サイドプレート16に形成された相対的に小径の第2シャフト孔21bと、第2サイドプレート18に形成された相対的に小径の第3シャフト孔21cとを有する。

    図1に示すように、基部1のハウジング13に吸込通路24が形成されている。 吸込通路24はシャフト孔21の中心線に沿って平行に形成されており、第2サイドプレート18の吸込連通路26を経て吸込ポート27に連通する。 図2,図3に示すように、吸込通路24の横断面形状は真円形状ではなく、長径24b及び短径24aを有する長円または楕円状である。 吸込通路24の横断面における長径24bは、吐出通路28の中心線P2が延びる方向に沿っている。

    吸込通路24の横断面における短径24aは、吐出通路28の中心線P2と交差する方向に沿っている。 図1に示すように、バイパス通路29の中心線は、吸込通路24の中心線P1の延長線状に存在している。 従ってバイパス通路29及び吸込通路24は同芯的に連通している。 吸込通路24の流路断面積はバイパス通路29の流路断面積よりも大きくされている。

    図2に示すように、ロータ3は作動室11に回転可能に設けられており、具体的には作動室11に取り付けられたカムリング20内に回転可能に設けられている。 ロータ3は、回転に伴いオイルを吸込ポート27から吸い込んで吐出ポート19を経て吐出室12に吐出し、ひいては吐出通路28に供給する。 つまりロータ3はポンプ作用を行う。 図2に示すように、ロータ3は、カムリング20内で回転する回転体30と、回転体30の外周部の溝31aに放射方向に前進後退可能に嵌合された複数の羽根状のベーン31とを有する。 隣設するベーン31で室33が複数個形成されている。 なおカムリング20の内周面にはカム面20cが形成されている。 ロータ3の回転に伴い、カム面20cにベーン31の外端が摺動する。

    図1に示すように基部1のハウジング13には、内壁面28rで区画された吐出通路28が形成されている。 吐出通路28は横断面で円形状をなしており、吐出室12に連通しており、ひいては吐出室12及び吐出ポート19を介して作動室11に連通するように基部1のハウジング13に形成されている。 吐出通路28の中心線P2は、吸込通路24の中心線P1と交差する方向に沿って延設されている。 吐出通路28はバイパス通路29を介して吸込通路24に連通している。

    図2,図3に示すように、バイパス通路29は内壁面29rで区画され、横断面で円形状をなしており、バイパス通路29の内壁面29rの内径は吐出通路28の内径よりも小さく、吸込通路24の長径24bよりも小さくされており、且つ、吸込通路24の短径24aと同じ程度に設定されている。

    図1に示すように、駆動シャフト4はシャフト孔21に設けられたメタル軸受210を介して回転可能に支承されていると共に、ロータ3の回転体30の孔に一体的に係合している。 従って、エンジンのクランクシャフトに連結された駆動シャフト4が回転すると、ロータ3は連動して回転する。 駆動シャフト4がこれの中心線の周りで回転すると、ロータ3及びベーン31がカムリング20内で同方向に回転する。 ベーン31の先端はカムリング20のカム面20cに沿って移動する。 隣設するベーン31で室33が形成される。 吸込ポート27側では室33の容積は、吸込ポート27からのオイル吸い込み性を確保すべく相対的に大きくされており、吐出ポート19側では室33の容積は相対的に小さくされている。

    図1に示すように、ハウジング13のうちシャフト孔21に対面する部分にはシール取付位置13bが設けられている。 シール部材45はリング形状をなしており、駆動シャフト4とシャフト孔21との境界域において、シール取付位置13bに配置されている。 シール部材45は前記境界域をシールし、駆動シャフト4の外壁面からオイルが漏れることを抑える。 シール部材45は、シールリップ部45aを有するシール材料で形成されたリング状のシール部45bと、シールリップ部45aを径内方向に付勢してシール性を高めるリング状のバネ45cとをもつ。

    図4に示すように、ドレン孔5は、シャフト孔21に設けられたオイル導入路21wに開口してシャフト孔21に連通するドレン入口50と、開口中心51xを有すると共に吸込通路24に連通するドレン出口51と、ドレン入口50及びドレン出口51を連通するドレン連通路52とで形成されている。 ドレン入口50は、シャフト孔21のオイル導入路21wにおいてシール部材45のシール取付位置13bよりも作動室11側で開口している。 これによりオイルポンプの運転時に駆動シャフト4の外周の隙間に漏れたオイルを、ドレン入口50から矢印W1方向に吸い込んでドレン連通路52を経てドレン出口51へドレンとして排出する。 なお、オイルポンプのレイアウトの関係上、図4に示すように、ドレン孔5は細孔とされていると共に、ドレン孔5のドレン連通路52の中心線P4は吸込通路24の中心線P1及び吐出通路28の中心線P2に対して傾斜しつつ、吐出通路28と作動室11との間の狭い部位にハウジング13内を貫通するように細径で形成されている。

    図3に示すように、オイル供給用のサクション穴6が基部1のハウジング13において吸込通路24及びバイパス通路29に連通するように形成されている。 サクション穴6は横断面で円形状をなしている。 サクション穴6は、内径が相対的に大きい第1穴61と、内径が相対的に小さい第2穴62とを同軸的に有する。 第2穴62の先端の円錐面62mは、吸込通路24のうち作動室11側の底24x側に到達している。 図3に示すように、第2穴62の先端の円錐面62mにドレン出口51が開口している。 即ち、本実施形態によれば、図3に示すように、サクション穴6の深さ先端は吸込通路24のうち作動室11の底24x側に到達するように、サクション穴6は深く設定されている。 ドレン孔5のドレン出口51は、サクション穴6の第2穴62の円錐面62mにおいて開口している。

    上記した高圧側の吐出通路28におけるオイルがバイパス通路29を経て低圧側の吸込通路24に帰還するとき、オイルを吸引するスーパチャージ効果を期待できる。 このため上記したようにサクション穴6が吐出通路28にこれの近傍に隣設されていると、サクション穴6から吸込通路24に向かうオイルの供給性を高める効果を期待できる。 なお、図3に示すようにサクション穴6の中心線P5は、吸込通路24の中心線P1(バイパス通路29の中心線)に対してΔXずれて形成されている。

    図1に示すように、サクション穴6には、吸込筒65をもつ吸込部64がリング状のシール部64s及び係止部64wを介して取り付けられている。

    オイルポンプの運転時にはクランクシャフトによりロータ3がベーン31と共に回転されるため、オイルは、吸込筒65→吸込部64の孔64m→吸込通路24→吸込連通路26→吸込ポート27→ベーン31で区画された室33→吐出ポート19→吐出室12→吐出通路28→油路100a→油圧機器100へ流れる。

    図5は吐出通路28に配置されている流量制御弁7の概念図を模式的に示す。 図5に示すように、流量制御弁7は吐出通路28におけるオイルの流量を調整するためのものであり、吐出通路28に往復移動可能に嵌合されたスプール70と、バイパス通路29の入口開口29pを塞ぐ方向にスプール70を付勢する付勢手段として機能する付勢バネ71とをもつ。 スプール70は先端面70a及び後端面70bをもつ。 吐出ポート19、吐出室12の高圧のオイルは、ハウジング13に形成された供給通路28xを経て吐出通路28に供給され、更に吐出通路28から油路100aを経て油圧機器100に供給される(図5参照)。 吐出通路28のオイルが適量よりも過剰となったとき、吐出通路28のオイルの圧力により付勢バネ71が弾性収縮する方向(矢印K3方向)にスプール70が移動し、バイパス通路29の入口開口29pの開放量を増加させ、高圧側の吐出通路28の過剰のオイルをバイパス通路29を経て低圧側の吸込通路24に矢印K1方向に帰還させる。 これにより吐出通路28から油路100aを経て油圧機器100に供給されるオイルの流量の適切化を図り得る。

    次に本参考形態について説明を加える。 上記したように高圧側の吐出通路28の過剰のオイルをバイパス通路29を経て低圧側の吸込通路24に矢印K1方向に帰還させるとき、オイルの帰還流は一般的にはかなりの高速で帰還する。 このためオイルポンプの使用期間が長期化すれば、吸込通路24の内壁面24rのうち、オイルの帰還流が直撃する部位に浸食部分が生じるおそれがある。 キャビテーションによるエロージョンなどの浸食によるものと推察される。 殊にオイルポンプが高圧高容量化されている場合には、吐出通路28の圧力が高く、オイルの流量が多いため、オイルの帰還流はかなりの高速で帰還することになり、吸込通路24の内壁面24rのうち、オイルの帰還流が直撃する部位に浸食部分が生じるおそれがある。 なお吸込通路24を有するハウジング13はアルミニウムまたはアルミニウム合金を基材として形成されており、軽量化が図られている。

    この点本参考形態によれば、図1,図2,図5,図6に示すように、耐浸食性を有する耐浸食部材9がハウジング13の別体として使用されている。 つまり、耐浸食部材9は、吸込通路24の内壁面24rにおいてオイルの帰還流に対面する位置に装着されている。 耐浸食部材9は、吸込通路24の中心線P1と直交する断面において、中心線P1の回りを1周しないように非連続形状をなしており、前記内壁面24rの周方向半分未満の範囲に設けられている。 つまり、図6に示すように、吸込通路24の中心線P1と直交する断面において、耐浸食部材9はV形状またはU字形状をなしている。

    即ち、耐浸食部材9は、吸込通路24の内壁面24rと対応する形状または実質的に対応する形状をなしており、空間間隔93を形成するように所定距離隔てて互いに対向する一対の辺部90と、辺部90を連結する連結部92とをもつ。 辺部90は、互いに対向する対向面90aと、互いに背向すると共に吸込通路24の内壁面24rに対向する背向面90cとをもつ。 連結部92は、吸込通路24の通路部分に対向する対向面92aと、吸込通路24の内壁面24rに対向する背向面92cとをもつ。

    吸込通路24に取り付ける前の耐浸食部材9の辺部90は、これの拡開方向(図6に示す矢印H1方向)に付勢するバネ力を有する。 そして耐浸食部材9の組付時に、耐浸食部材9の辺部90を互いに接近する方向(図9に示す矢印H2方向)に変位させて辺部90間の空間間隔を狭めつつ、耐浸食部材9を吸込通路24に挿通し、耐浸食部材9の辺部90を拡開させる。 これにより耐浸食部材9の辺部90が発揮するバネ力により、耐浸食部材9の辺部90は吸込通路24に圧接して耐浸食部材9に装着される。

    図1に示すように、耐浸食部材9の長さ方向の一端9eは、吸込通路24の長さ方向の一端側に位置しており、バイパス通路29に接近している。 また耐浸食部材9の長さ方向の他端9fは、吸込通路24の長さ方向の他端側に位置しており、第2サイドプレート18の側に接近している。 耐浸食部材9は、キャビテーションに起因する浸食性を抑制するのに有利な耐浸食性が良好な材料で形成されており、つまり、アルミニウム系よりも高い平均硬度を有しており耐浸食性が良好な材料で形成されている。 具体的には、耐浸食部材9は、ステンレス鋼等の合金鋼、炭素鋼(例えば焼入鋼)等の鉄系材料、あるいは、セラミックス材料等を基材として形成されている。

    上記したように吸込通路24の断面が真円形状ではなく、短径24a及び長径24bを有する長円形状または楕円形状に形成されている本形態によれば、吸込通路24の内壁面24rに圧着した耐浸食部材9が、吸込通路24の中心線P1と直交する方向の断面において、吸込通路24の周方向へ空転してずれ変位することが抑止され、耐浸食部材9のホールド性が向上する。 故に、オイルポンプが高圧高容量化されている場合であっても、耐浸食部材9の位置ずれが抑えられ、吸込通路24の内壁面24rを長期にわたり浸食から保護できる。

    また本形態によれば、図5から理解できるように吸込通路24の長径24bが吐出通路28の中心線P2に沿って設定されているため、吸込通路24が真円形状である場合に比較して、バイパス通路29の入口開口29pから吸込通路24の内壁面24rに取り付けられている耐浸食部材9の直撃部位までの距離L1(図5参照)を増加させることができ、オイル帰還流の直撃の緩和に有効であり、ひいては耐浸食部材9の一層の長寿命化を図り得る。

    更に本形態によれば、図3から理解できるように、吸込通路24の中心線P1と直交する方向の断面において、ドレン出口51と耐浸食部材9とが吸込通路24の中心線P1を挟む位置に耐浸食部材9が取り付けられる。 このため図3に示すように吸込通路24の横断面形状がこれの短径24aを介して左右対称形状をなすときであっても、ドレン出口51が作業者等がサクション穴6から視認できるとき、耐浸食部材9の取付位置の反対側に形成されているドレン出口51が耐浸食部材9の取付時のマークとして機能でき、従って耐浸食部材9の取付位置の混同を無くすのに有利となる。

    本形態によれば、耐浸食部材9を取り付けたままとしておくこともできる。 あるいは、耐浸食部材9を着脱可能とし、オイルポンプの使用が長期にわたれば、第2サイドプレート18をハウジング13から離脱させた状態で、耐浸食部材9を吸込通路24から離脱させて交換可能とすることもできる。

    (第2 参考形態〜第4 参考形態)
    図7〜図9は第2 参考形態〜第4 参考形態を示す。 第2 参考形態〜第4 参考形態は、図1〜図6に示す形態と基本的には同様の構成、作用効果を有する。 共通する部位に共通の符号を付する。 図7に示す第2 参考形態のように、耐浸食部材9Bは、V字形状またはU字形状をなすベース材となる第1層901と、第1層901のうち吸込通路24の中心線P1に対面する側に設けられ第1層901よりも耐浸食性に富む第2層902とを有する構成としても良い。 耐浸食性に富む第2層902は、ステンレス鋼等の合金鋼、炭素鋼、あるいは、セラミックスで形成することができる。 第2層902が第1層901よりも耐浸食性に富むため、ベース材となる第1層901は鉄系でも良いが、アルミニウムまたはアルミニウム系合金で形成することもできる。 また耐浸食部材9Bを構成する材料に合金元素(例えばクロム、ニッケル、モリブデン、タングステン等の少なくとも1種)を拡散浸透させることにより、耐浸食性に富む第2層902を形成することもできる。 また耐浸食部材9Bを構成する材料の表面層のみに焼入層を形成することにより、耐浸食性に富む第2層902を形成することもできる。

    上記した参考形態によれば、図6に示すように吸込通路24の横断面は短径24aを介して左右対称形状を有するが、これに限らず、図8に示す形態のように吸込通路24の横断面は、吸込通路24の中心線P1から一方の外端24iまでの距離L2とし、中心線P1から他方の外端24roまでの距離L3としたとき、距離L2をL3よりも長く設定しても良い(L2>L3)。 そして吸込通路24の外端24iの側に耐浸食部材9Cを取り付ければ、バイパス通路29のバイパス入口から吸込通路24の内壁面24rに取り付けられている耐浸食部材9Cまでの前記した距離L1(図5参照)を増加させることができるため、オイル帰還流の直撃の緩和に有効であり、ひいては耐浸食部材9Cの一層の長寿命化に有利となる。

    図9に示す形態によれば、耐浸食部材9Dを係合させる浅溝状をなす係合部24kが吸込通路24の内壁面24rに形成されている。 この場合、耐浸食部材9Dの辺部90の対向面90a、連結部92の対向面92aは、吸込通路24の内壁面24rと面一状態または実質的に面一状態となる。 この場合、吸込通路24の流路横断面積の確保、円滑な流れの確保に有利である。

    上記した形態では耐浸食部材9のバネ力により耐浸食部材9を装着することにしているが、これに限らず、軽量化に有利な金属箔状の耐浸食部材を横断面でV字形状またはU字形状となるように、液圧成形法、ゴム圧成形法またはかしめ治具により吸込通路24の内壁面24rに加圧して圧着することにしても良い。

    上記した形態によれば、耐浸食部材9は横断面でV字形状またはU字形状をなしているが、吸込通路24の横断面が真円形状または真円に近い形状である場合には、C字形状でも良い。 C字形状であっても、耐浸食部材のもつバネ力を利用して装着すれば、耐浸食部材の位置ずれを効果的に抑えることができる。 上記したハウジング13はアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成されているが、これに限定されるものではなく、場合によっては鉄系材料で形成することもできる。 上記した形態によれば、耐浸食部材9は吸込通路24に設けられているが、バイパス通路29に設けることもできる。

    (第5 参考形態)
    図10は比較形態を示す。 図11はこの比較形態を改良した第5 参考形態を示す。 第5 参考形態は、図1〜図6に示す第1 参考形態と基本的には同様の構成、作用効果を有する。 共通する部位に共通の符号を付する。 説明の便宜上、図10に示す比較形態から説明する。 この流量制御弁7は、第1 参考形態と同様に、吐出通路28の圧力に応答して吐出通路28内を移動するスプール70をもつ。 スプール70は、これの中心線P7の回りに設けられたリング状のランド部70r,70s,70tと、リング溝70uとを有する。 そして、吐出通路28のうちパイパス通路29に背向する背向部位に、孔状のバランス用凹部110が吐出通路28に連通するように基部1に設けられている。 スプール70のリング溝70uを介して、バランス用凹部110とバイパス通路29とは連通している。

    オイルポンプの作動時には、ポンプ作用により吐出通路28は相対的に高圧となり、吸込通路24は吸込み側であるため相対的に低圧となる。 このためスプール70が退避方向(矢印K3方向)に退避すると、バイパス通路29の入口開口29pが開放し、吐出通路28の過剰のオイルをバイパス通路29を経て吸込通路24に帰還させる。 このとき高圧側の吐出通路28と低圧側の吸込通路24との差圧により、スプール70の中心線P7が吸込通路24に向かうようにスプール70が矢印X4方向(図10参照)に変位するおそれがある。 そこで、図10に示す比較形態のように、吐出通路28のうちバイパス通路29に背向する背向部位に孔状のバランス用凹部110を設ければ、高圧側の吐出通路28の過剰のオイルをバイパス通路29を経て低圧側の吸込通路24に帰還させるときにおいて、吐出通路28のオイルが矢印K1方向に流れる他に、矢印K5方向にバランス用凹部11に流れ、更にそのオイルがスプール70のリング溝70uを介してバイパス通路29に帰還するため、スプール70の均衡性が向上するため、スプール70の上記変位が抑制され、ひいてはスプール70の円滑動作性が向上する。

    しかしながら、上記した図10に示す比較形態によれば、スプール70の作動により、バイパス通路29の入口開口29pを開放させて吐出通路28の過剰のオイルを矢印K5方向にバランス用凹部110に流すとき、作動条件によっては、オイルの帰還流がバランス用凹部110の内壁面110rに直撃することがあるため、オイルポンプの使用が過度に長期にわたったり、オイルポンプの使用条件が過酷であったりすると、バランス用凹部110の内壁面110rに浸食112が生じるおそれがある。 キャビテーションによる浸食であると推察される。 殊にオイルポンプが高圧高容量化されている場合には、吐出通路28の圧力が高く、オイルの帰還流はかなりの高速で帰還するため、浸食部分が生じるおそれがある。

    そこで第5 参考形態によれば、図11に示すように、バランス用凹部110の底面に取付孔120を形成し、取付孔120のうちオイルの帰還流(矢印K5方向)に対面する位置に、耐浸食性を有する第2耐浸食部材200が設けられている。 第2耐浸食部材200はコップ状をなしており、リング形状の側壁部210と、側壁部210に連設された底壁部220とを有する。 底壁部220は、底壁部220の中央域に丸みをもつことが好ましい。 第2耐浸食部材200はバランス用凹部110の取付孔120に打ち込むことにより装備されている。 第2耐浸食部材200は、キャビテーションに起因する浸食性を抑制するのに有利な耐浸食性が良好な材料で形成されており、つまり、アルミニウム系よりも高い平均硬度を有しており、耐浸食性が良好な材料で形成されている。 具体的には、第2耐浸食部材200は、ステンレス鋼等の合金鋼、炭素鋼(例えば焼入鋼)等の鉄系材料、あるいは、セラミックス材料等を基材として形成されている。

    従って、スプール70の作動により、バイパス通路29の入口開口29pを開放させて吐出通路28の過剰のオイルをバイパス通路29を経て吸込通路24に帰還させるとき、オイルの帰還流が矢印K5方向にバランス用凹部110に向けて直撃的に流れるときであっても、バランス用凹部110の浸食を抑制することができ、オイルポンプの一層の長寿命化を図ることができる。 更にバランス用凹部110の底面に取付孔120を形成し、取付孔120に第2耐浸食部材200が設けられているため、オイルの直撃流(矢印K5方向)から第2耐浸食部材200をできるだけ遠ざけることができ、第2耐浸食部材200の保護性を更に向上させ得る。

    11に示すように、第1 参考形態と同様の耐浸食性を有する耐浸食部材9が、バイパス通路29の内壁面29rにおいてオイルの帰還流(矢印K1方向)に対面する位置に装着されており、バイパス通路29の内壁面29rにおける浸食が抑制されている。

    (第実施形態)
    図12は第実施形態を示す。 実施形態は、図11に示す第5 参考形態と基本的には同様の構成、作用効果を有する。 共通する部位に共通の符号を付する。 本実施形態によれば、コップ状をなす第2耐浸食部材200の底壁部220に管貫通孔状の空気抜き通路250が形成されている。 第2耐浸食部材200をバランス用凹部110の取付孔120に打ち込むとき、第2耐浸食部材200とバランス用凹部110の取付孔120との間に空気が残留する可能性がある。 空気が膨張すると、第2耐浸食部材200の取付強度に影響を与えることがある。 上記したように第2耐浸食部材200に空気抜き通路250を形成すれば、第2耐浸食部材200を取り付けるときにおいて、第2耐浸食部材200とバランス用凹部110の取付孔120との間における空気が残留するおそれを解消することができ、第2耐浸食部材200の取付強度が更に高められる。

    (第実施形態)
    図13及び図14は第実施形態を示す。 実施形態は、図11に示す第5 参考形態と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。 共通する部位に共通の符号を付する。 本実施形態によれば、図13,図14に示すようにバランス用凹部110が形成されている。 更に、コップ状をなす第2耐浸食部材200の側壁部210の周方向の一部を、この側壁部210の軸線方向全域にわたって面取り状に後退させることにより、第2耐浸食部材200の側壁部210とバランス用凹部110の取付孔120の壁面120rとの間に、空気抜き通路250が形成されている。 これにより第2耐浸食部材200とバランス用凹部110の取付孔120との間における空気が残留するおそれを解消することができ、第2耐浸食部材200の取付強度が高められる。 また図15に示す第実施形態のように、コップ状をなす第2耐浸食部材200の側壁部210に溝を形成することにより、第2耐浸食部材200とバランス用凹部110の取付孔120の壁面120rとの間に空気抜き通路250を形成することもできる。

    (第実施形態)
    図16は第実施形態を示す。 実施形態は、図11に示す第5 参考形態と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。 共通する部位に共通の符号を付する。 本実施形態によれば、図16に示すように、プレート状をなす第2耐浸食部材200Bをバランス用凹部110の取付孔120に打ち込むことにより、第2耐浸食部材200Bがバランス用凹部110の取付孔120の底面120bに固定されている。 円板または板からなるプレート状をなす第2耐浸食部材200Bに空気抜き通路250が形成されているため、第2耐浸食部材200Bの取付強度が高められる。 本実施形態においても、図16に示すように、第1 参考形態と同様の耐浸食性を有する耐浸食部材9が、バイパス通路29の内壁面29rにおいてオイルの帰還流(矢印K1方向)に対面する位置に装着されており、バイパス通路29の内壁面29rにおける浸食が抑制されている。

    また図17に示す第実施形態のように、第2耐浸食部材200Bをバランス用凹部110の取付孔120に嵌合した後に、第2耐浸食部材200Bの周縁の壁面110wを治具により強圧することにより、第2耐浸食部材200の周縁に係合する係合部として機能できるかしめ部150をリング状に連続的にまたは間欠的に形成し、第2耐浸食部材200Bの取付強度を更に高めることにしても良い。 なお、 図17に示すように、空気抜き通路250を形成しているが、形成せずとも良い。

    (その他)
    上記した各参考形態および第1実施形態によれば、ベーン31をもつベーン式のオイルポンプに適用されているが、これに限らず、場合によってはギヤ式のポンプでも良い。 上記した各参考形態および第1実施形態によれば、パワーステアリング装置用のオイルポンプに適用されているが、これに限らず、他の用途のオイルポンプでも良い。 上記した各実施形態によれば、耐浸食部材9,9B,9C,9D、第2耐浸食部材200,200Bは、打ち込み、鋳ぐるみ、溶接等により基部1に固定することができる。 その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更して実施できるものである。

    以上のように、本発明は車両等に搭載されるオイルポンプは、例えば、車両のパワーステアリング装置等の油圧機器に使用されるオイルポンプに用いるのに適している。

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