Hybrid compressor equipment

申请号 JP2003280281 申请日 2003-07-25 公开(公告)号 JP4192712B2 公开(公告)日 2008-12-10
申请人 株式会社デンソー; 发明人 公彦 佐藤; 慶一 宇野;
摘要
权利要求
  • エンジン(10)によって回転駆動されるプーリ(110)と、
    電源(20)の電力を受けて回転駆動すると共に、制御装置(160)によってその回転数が制御されるモータ(120)と、
    冷凍サイクル装置(200)内の冷媒を圧縮する圧縮機(130)と、
    前記プーリ(110)、前記モータ(120)、前記圧縮機(130)の各回転軸(111、121、131)に接続されて、前記各回転軸(111、121、131)から他の前記回転軸(111、121、131)に対して回転数を可変して伝達可能とする変速機構(150)とを有し、
    前記制御装置(160)によって、前記モータ(120)の回転数(Nm)が調整され、前記プーリ(110)の回転数(Np)に対して、前記圧縮機(130)の回転数(Nc)が増減されるハイブリッドコンプレッサ装置において、
    前記制御装置(160)は、前記圧縮機(130)の回転数(Nc)が予め定めた所定値(Nmax)を超えないように抑制する回転数抑制手段を有 し、
    前記所定値(Nmax)は、前記圧縮機(130)の耐久性限界から決定されたことを特徴とするハイブリッドコンプレッサ装置。
  • エンジン(10)によって回転駆動されるプーリ(110)と、
    電源(20)の電力を受けて回転駆動すると共に、制御装置(160)によってその回転数が制御されるモータ(120)と、
    冷凍サイクル装置(200)内の冷媒を圧縮する圧縮機(130)と、
    前記プーリ(110)、前記モータ(120)、前記圧縮機(130)の各回転軸(111、121、131)に接続されて、前記各回転軸(111、121、131)から他の前記回転軸(111、121、131)に対して回転数を可変して伝達可能とする変速機構(150)とを有し、
    前記制御装置(160)によって、前記モータ(120)の回転数(Nm)が調整され、前記プーリ(110)の回転数(Np)に対して、前記圧縮機(130)の回転数(Nc)が増減されるハイブリッドコンプレッサ装置において、
    前記制御装置(160)は、前記圧縮機(130)の回転数(Nc)が予め定めた所定値(Nmax)を超えないように抑制する回転数抑制手段を有 し、
    前記所定値(Nmax)は、前記圧縮機(130)の騒音限界から決定されたことを特徴とするハイブリッドコンプレッサ装置。
  • 前記回転数抑制手段は、前記圧縮機(130)の回転数(Nc)が前記所定値(Nmax)を超えた時に、前記モータ(120)の回転数(Nm)を調整することを特徴とする請求項1 または請求項2に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  • 前記回転数抑制手段は、前記モータ(120)の駆動によって、前記圧縮機(130)が前記プーリ(110)によって変速される回転数よりも増速側に作動しており、前記圧縮機(130)の回転数(Nc)が前記所定値(Nmax)を超えた時に、前記モータ(120)の回転数をゼロにすることを特徴とする請求項1 または請求項2に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  • 前記プーリ(110)の回転軸(111)に伝達される前記エンジン(10)からの駆動力を断続する電磁クラッチ(170)と、
    前記プーリ(110)の回転軸(111)に設けられ、前記電磁クラッチ(170)が切断された際にこの回転軸(111)の前記変速機構(150)側をロックするロック機構(180)とを有し、
    前記回転数抑制手段は、前記圧縮機(130)の回転数(Nc)が前記所定値(Nmax)を超えた時に、前記電磁クラッチ(170)を切断して前記モータ(120)のみの駆動力で前記圧縮機(130)を作動させることを特徴とする請求項1 または請求項2に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  • 前記制御装置(160)は、前記冷凍サイクル装置(200)の冷房負荷が小さくなる程、前記所定値(Nmax)を大きく設定することを特徴とする請求項1〜 請求項5のいずれかに記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  • 前記圧縮機(130)は、1回転当たりの吐出容量を可変可能とする可変容量型圧縮機(130)であり、
    前記制御装置(160)は、前記圧縮機(130)の1回転当たりの吐出容量に前記圧縮機(130)の回転数(Nc)を乗じた吐出量が小さくなる程、前記所定値(Nmax)を大きく設定し、
    前記回転数抑制手段は、前記圧縮機(130)の回転数(Nc)が前記所定値(Nmax)を超えた時に、前記吐出容量を小さい側に可変することを特徴とする請求項1 または請求項2に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  • 前記変速機構(150)は、遊星歯車(150)であり、
    前記各回転軸(111、121、131)は、前記遊星歯車(150)を構成するサンギヤ(151)、プラネタリーキャリヤ(152)、リングギヤ(153)のいずれかに対応して接続されるようにしたことを特徴とする請求項1〜 請求項7のいずれかに記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  • 说明书全文

    本発明は、走行状態に応じてエンジンが停止させるいわゆるアイドルストップ車両やハイブリッド車両に搭載される冷凍サイクル装置に適用して好適なハイブリッドコンプレッサ装置に関するものである。

    近年、省燃費の観点より走行状態に応じてエンジンが停止されるアイドルストップ車両やハイブリッド車両等が市場に投入される例が有る。 これらの車両に対応するために、エンジンの駆動に加えて、モータの駆動力でも作動可能となるハイブリッドコンプレッサが実用化されている。

    本発明者らは、先に特願2002−284142において、ハイブリッドコンプレッサにプーリ軸、モータ軸、圧縮機軸を互いに接続して一方の軸から他の2方の軸に回転数を可変して伝達する変速機構を設け、プーリの回転数に対して、モータの回転数を調整することで圧縮機の回転数を増減可能とするハイブリッドコンプレッサ装置を提案している。

    これにより、回転数によって圧縮機の吐出量を可変できるようになり、圧縮機の吐出容量可変機能を不要として、小型で安価なハイブリッドコンプレッサ装置を実現している。

    しかしながら、上記考案においては、圧縮機の回転数を可変可能とするものの、許容上限側回転数に対する配慮をしていなかったので、プーリおよびモータの回転数の条件によっては、圧縮機が非常に高回転で作動する場合があり、例えば耐久性に関わる信頼性に欠ける部分を有していた。

    本発明の目的は、上記問題に鑑み、内部に変速機構を有するものにおいて、圧縮機の高回転時における信頼性を向上可能とするハイブリッドコンプレッサ装置を提供することにある。

    本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。

    請求項1に記載の発明では、エンジン(10)によって回転駆動されるプーリ(110)と、電源(20)の電力を受けて回転駆動すると共に、制御装置(160)によってその回転数が制御されるモータ(120)と、冷凍サイクル装置(200)内の冷媒を圧縮する圧縮機(130)と、プーリ(110)、モータ(120)、圧縮機(130)の各回転軸(111、121、131)に接続されて、各回転軸(111、121、131)から他の回転軸(111、121、131)に対して回転数を可変して伝達可能とする変速機構(150)とを有し、制御装置(160)によって、モータ(120)の回転数(Nm)が調整され、プーリ(110)の回転数(Np)に対して、圧縮機(130)の回転数(Nc)が増減されるハイブリッドコンプレッサ装置において、制御装置(160)は、圧縮機(130)の回転数(Nc)が予め定めた所定値(Nmax)を超えないように抑制する回転数抑制手段を有し、所定値(Nmax)は、圧縮機(130)の耐久性限界から決定されたことを特徴としている。
    また、請求項2に記載の発明では、所定値(Nmax)は、圧縮機(130)の騒音限界から決定されたことを特徴としている。

    これにより、圧縮機(130)の高回転時における信頼性を向上することができる。

    請求項3に記載の発明では、回転数抑制手段は、圧縮機(130)の回転数(Nc)が所定値(Nmax)を超えた時に、モータ(120)の回転数(Nm)を調整することを特徴としている。

    これにより、特別な構成を付加せずに(余分なコストをかけずに)、圧縮機(130)の信頼性を向上することができる。

    請求項4に記載の発明では、回転数抑制手段は、モータ(120)の駆動によって、圧縮機(130)がプーリ(110)によって変速される回転数よりも増速側に作動しており、圧縮機(130)の回転数(Nc)が所定値(Nmax)を超えた時に、モータ(120)の回転数をゼロにすることを特徴としている。

    これにより、モータ(120)の回転数(Nm)が圧縮機(130)に付加されなくなるので、圧縮機(130)の回転数(Nc)を抑制して信頼性を向上できる。

    請求項5に記載の発明では、プーリ(110)の回転軸(111)に伝達されるエンジン(10)からの駆動力を断続する電磁クラッチ(170)と、プーリ(110)の回転軸(111)に設けられ、電磁クラッチ(170)が切断された際にこの回転軸(111)の変速機構(150)側をロックするロック機構(180)とを有し、回転数抑制手段は、圧縮機(130)の回転数(Nc)が所定値(Nmax)を超えた時に、電磁クラッチ(170)を切断してモータ(120)のみの駆動力で圧縮機(130)を作動させることを特徴としている。

    これにより、プーリ(110)の回転数(Np)が圧縮機(130)に付加されなくなるので、圧縮機(130)の回転数(Nc)を抑制して信頼性を向上できる。

    請求項6に記載の発明では、制御装置(160)は、冷凍サイクル装置(200)の冷房負荷が小さくなる程、所定値(Nmax)を大きく設定することを特徴としている。

    これにより、一律の所定値(Nmax)を設定した場合に比べて、冷房負荷に応じて圧縮機(130)の作動回転数領域を拡大できるので、本来の圧縮機(130)の可変速機能を有効に活用することができる。

    請求項7に記載の発明では、圧縮機(130)は、1回転当たりの吐出容量を可変可能とする可変容量型圧縮機(130)であり、制御装置(160)は、圧縮機(130)の1回転当たりの吐出容量に圧縮機(130)の回転数(Nc)を乗じた吐出量が小さくなる程、所定値(Nmax)を大きく設定し、回転数抑制手段は、圧縮機(130)の回転数(Nc)が所定値(Nmax)を超えた時に、吐出容量を小さい側に可変することを特徴としている。

    これにより、圧縮機(130)の負荷(吐出容量)を小さくすることで実質的な所定値(Nmax)を大きくすることができるので、圧縮機(130)の信頼性を向上することができる。

    また、 請求項8に記載の発明のように、変速機構(150)は、遊星歯車(150)とし、各回転軸(111、121、131)は、遊星歯車(150)を構成するサンギヤ(151)、プラネタリーキャリヤ(152)、リングギヤ(153)のいずれかに対応して接続されるようにすれば、容易にその対応が可能となる。

    尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。

    (第1実施形態)
    本発明の第1実施形態を図1〜図5に示し、まず、具体的な構成について図1〜図3を用いて説明する。 図1に示すように、ハイブリッドコンプレッサ装置100は、走行運転中一時停車した時にエンジン10が停止されるいわゆるアイドルストップ車両に搭載される冷凍サイクル装置200に適用されるものとしており、ハイブリッドコンプレッサ101と制御装置160とから成る。

    ここで、冷凍サイクル装置200は、周知の冷凍サイクルを形成するものであり、後述するハイブリッドコンプレッサ101を構成する圧縮機130が配設されている。 圧縮機130は、この冷凍サイクル内の冷媒を高温高圧に圧縮するものであり、以下、圧縮された冷媒を凝縮液化する凝縮器210、液化された冷媒を断熱膨張させる膨張弁220、膨張した冷媒を蒸発させ、その蒸発潜熱により自身を通過する空気を冷却する蒸発器(冷房用熱交換器)230が冷媒配管240によって順次接続され閉回路を形成している。 尚、蒸発器230の空気流れ下流側には、冷却された実際の空気温度(蒸発器後方空気温度Te)を検出するための蒸発器温度センサ231が設けられている。

    ハイブリッドコンプレッサ101は、主にプーリ110、電磁クラッチ170、モータ120、圧縮機130および遊星歯車150から成り、以下、その詳細について図2を用いて説明する。

    プーリ110は、フロントハウジング141に固定されたプーリ軸受け112によって回転可能に支持され、エンジン10の駆動力がベルト11(図1)を介して伝達され回転駆動するようにしている。 プーリ回転軸111は、プーリ110の中心部に設けられ、フロントハウジング141に固定された軸受け113によって回転可能に支持されている。

    電磁クラッチ170は、プーリ110から後述する遊星歯車150を介して圧縮機130に伝達される駆動力を断続するものであり、フロントハウジング141に固定されたコイル171とプーリ回転軸111の一端側に固定されたハブ172とから成る。 周知のように電磁クラッチ170は、コイル171に通電されるとハブ172がプーリ110に吸着されプーリ110の駆動力をプーリ回転軸111に伝達する(クラッチON)。 逆にコイル171への通電を遮断するとハブ172はプーリ110から離れ、プーリ110の駆動力は切断される(クラッチOFF)。

    モータ120は、主にロータ部120aおよびステ−タ部123から成り、中間ハウジング142内に収容されている。 このモータ120は、ロータ部120aの外周部にマグネット122が設けられるいわゆるSPモ−タ(Surface Permanent−magnet Motor)としており、ロータ部120aの内周側のスペースを活用して後述する遊星歯車150を収容している。 尚、モータ回転軸121は、サンギヤ151の中心部に一点鎖線で示される架空上のものとなっている。

    ステータ部123にはコイル123aが設けられており、このステータ部123は中間ハウジング142の内周面に圧入により固定されている。 そして、電源としてのバッテリ20からの電力がコイル123aに供給されることによりロータ部120aは回転駆動される。

    圧縮機130は、ここでは1回転当りの吐出容量が所定値として設定されている固定容量型圧縮機、更に具体的には周知のスクロール式圧縮機としており、モータ120の反プーリ側となるエンドハウジング143内に固定される固定スクロール134と、圧縮機回転軸131の偏心シャフト133によって公転する可動スクロール135とを有している。

    この固定スクロール134と可動スクロール135との噛み合わせによって、外周部に吸入室136が形成され、また中心側に圧縮室137が形成される。 そして、エンドハウジング143の側壁に設けられた吸入口136aから吸入室136に吸入された冷媒は、圧縮室137で圧縮された後に、吐出室138を経てエンドハウジング143の底壁に設けられた吐出口138aから吐出されるようにしている。

    圧縮機回転軸131は、中間ハウジング142の反プーリ側で内側に突出する突出壁142aに固定された軸受け132によって回転可能に支持されている。 尚、圧縮機回転軸131にはプーリ回転軸111の他端側が嵌入され、圧縮機回転軸131およびプーリ回転軸111は、軸受け115によって互いに独立して回転可能としている。

    そして、上記プーリ110、モータ120、圧縮機130の各回転軸111、121、131は、上述したようにロータ部120a内に設けられた変速機構としての遊星歯車150に接続される構成としている。

    遊星歯車150は、周知のように、中心部に設けられたサンギヤ151と、サンギヤ151の外周で自転しつつ公転するピニオンギヤ152aに連結されるプラネタリーキャリヤ152と、ピニオンギヤ152aのさらに外周に設けられたリング状のリングギヤ153とから成る。

    ここでは、プーリ回転軸111はプラネタリーキャリヤ152に接続され、モータ回転軸121(実体としてはロータ部120a)はサンギヤ151に接続され、圧縮機回転軸131はリングギヤ153に接続されるようにしている。 尚、サンギヤ151は、軸受け114によってプーリ回転軸111に対して独立して回転可能に支持されている。

    そして、プーリ回転軸111のハブ172と遊星歯車150(プラネタリーキャリヤ152)との間には、外周側がフロントハウジング141に固定された一方向クラッチ180が設けられている。 一方向クラッチ180は、プーリ回転軸111のプーリ回転方向の回転駆動を許容し、その逆回転方向に対しては噛み合いにより回転駆動を阻止する。 尚、一方向クラッチ180は、本発明のロック機構に対応するものである。

    一方、図1に戻って、制御装置160は、A/C要求信号、エンジン回転数信号、環境情報信号(乗員の設定する設定温度信号、内気温度信号、外気温度信号)および蒸発器温度センサ231からの蒸発器後方空気温度(Te)信号等が入力されて、これらの信号に基づいて上記モータ120の作動および電磁クラッチ170の断続を制御するものとしている。

    具体的には、バッテリ20からの電力を可変して、モータ120の作動回転数を可変させる。 また、電磁クラッチ170のコイル171への通電をON−OFFすることで、プーリ110とプーリ回転軸111間の断続を行う。

    また、制御装置160は、図3に示す制御特性を予め記憶しており、冷凍サイクル装置200に必要とされる冷房能力を満たす圧縮機130の冷媒吐出量を決定し(図3(a))、この冷媒吐出量を確保するための圧縮機130の回転数(以下、圧縮機回転数Nc)を決定する(図3(b))。

    尚、ここでは冷凍サイクル装置200の必要冷房能力は、環境情報信号(設定温度信号、内気温度信号、外気温度信号)から予め定めた演算式によって算出される目標蒸発器温度(目標空気温度)Teoと蒸発器後方空気温度(実際の空気温度)Teとの差として得られるものとしている(必要冷房能力=Te−Teo)。 必要冷房能力が増加するに従って、冷媒吐出量は増加する。

    また、冷媒吐出量は圧縮機130の1回転当りの吐出容量に圧縮機回転数Ncを乗じて得られる時間当たりの吐出量であり、圧縮機回転数Ncが増加するに従って冷媒吐出量も増加する。

    更には、図5に示す遊星歯車150における共線図に基づいて、プーリ110の回転数(以下、プーリ回転数Np)と圧縮機回転数Ncとからモータ120の回転数(以下、モータ回転数Nm)を決定する。

    具体的には、圧縮機回転数Ncは、以下に示す数式1のように、プーリ回転数Np(エンジン回転数Neにプーリ比ipを乗じた値)に対してプラネタリーキャリヤ152(プーリ回転軸111)とリングギヤ153(圧縮機回転軸131)間のギヤ比λ1によって変速される回転数と、モータ回転数Nmに対してサンギヤ151(モータ回転軸121)とリングギヤ153(圧縮機回転軸131)間のギヤ比λ2によって変速される回転数とを足し合わせたものとして表すことができ、そこからモータ回転数Nmが算出されるようにしている。 尚、本実施形態ではモータ120を逆回転方向に作動させることから、数式1ではモータ回転数Nmをマイナス表示している。 (共線図に基づく詳細作動については後述する)。

    (数1)
    Nc=Ne×ip×λ1−Nm×λ2
    次に、上記構成に基づく作動について、図4に示すフローチャートおよび図5に示す共線図を用いて説明する。 本発明においては、圧縮機回転数Ncが耐久性限界から決定される上限回転数Nmax(予め定めた所定値)を超えないように抑制する回転数抑制手段を設けたところに特徴を持たせている。

    尚、図5に示す共線図は、遊星歯車150にそれぞれ連結されたプーリ110、モータ120、圧縮機130の回転数の関係を示すものである。 周知のように横軸に各ギヤ、キャリヤ(左からサンギヤ151、プラネタリーキャリヤ152、リングギヤ153)の座標位置が示され、各座標位置には、上記したようにそれぞれのギヤ、キャリヤ151、152、153に連結されるモータ120、プーリ110、圧縮機130が対応している。

    また、横軸座標の間隔は、上記数式1において説明したプラネタリーキャリヤ152とリングギヤ153間のギヤ比λ1、サンギヤ151とリングギヤ153間のギヤ比λ2によって決定される。 そして、縦軸には、各ギヤ、キャリヤ151、152、153の回転数が示され、各回転数は3者が直線で結ばれる関係となる。

    以下、図4に示す制御フローに基づく作動制御について説明する。 まず、ステップS100で各種情報(A/C要求信号、エンジン回転数Ne信号、環境情報信号および蒸発器後方空気温度Te信号等)を読み込む。

    ステップS110で上記のA/C要求信号から、A/CスイッチがONか否かを判定する。 否と判定すると、冷凍サイクル装置200の作動が不要であり、圧縮機130を作動させる必要が無いことから、ステップS120で電磁クラッチ170をOFF(モータ120もOFF)にする。

    しかし、ステップS130でA/CスイッチがONと判定すると、以下のように車両の走行状態や必要冷房能力に応じて圧縮機130の作動制御を行っていく。

    ステップS130でエンジン回転数Ne信号よりエンジン10が稼動中か否かを判定する。 エンジン10が稼動中であると判定すると、ステップS140で電磁クラッチ170をONにする。

    次に、ステップS150で環境情報信号および蒸発器後方空気温度Te信号を基に算出した必要冷房能力からモータ120によるアシストが必要か否かを判定する。 ここでアシストが必要である場合というのは、例えば真夏のクールダウン時のように必要冷房能力が所定値より高く、プーリ110の駆動力にモータ120の駆動力も加えて、冷媒吐出量を高めて圧縮機130を作動させる必要があることを意味する。

    ステップS150でモータ120のアシストが必要であると判定すると、ステップS160でモータ回転数Nmを設定する。 このステップでは、まず数式1に基づいてモータ回転数Nmを設定する。 更に後述するように、モータ回転数Nmの微調整を行うステップとしている。

    そして、ステップS170で圧縮機回転数Ncと上限回転数Nmaxとを比較し、圧縮機回転数Ncが上限回転数Nmaxより低いと判定すると、ステップS180でプーリ110(ベルト11)とモータ120の両駆動力によって圧縮機130を作動させる。

    これは、図5に示す共線図中の(ア)に対応する作動となり、モータ120を逆回転方向に作動させることで、圧縮機130をプーリ110よりも高回転側で作動させ、冷媒吐出量を増大させてクールダウンに対応する。

    しかし、例えば、車両の走行条件(高速走行での加速時、登坂走行時、シフトダウン時等)によっては、エンジン回転数Ne(これに伴うプーリ回転数Np)が図5中の黒矢印のように上昇するような場合があり、これによって圧縮機回転数Ncが図5中の(イ)のように上昇して上限回転数Nmaxを超える場合がある。

    このような場合は、ステップS170での判定が否ということになり、ステップS160に戻ってモータ回転数Nmを再び設定する。 ここではモータ回転数Nmを所定回転数分下げることで対応し(図5中のモータにおける白矢印)、圧縮機回転数Ncが上限回転数Nmaxよりも低くなるまでステップS160〜ステップS170を繰り返し(図5中の圧縮機における白矢印)、図5中の(ウ)の作動状態とする。

    尚、本実施形態においては、ステップS160、ステップS170が回転数抑制手段に対応する。

    一方、ステップS150で否と判定すると、即ち、クールダウン後のように通常の必要冷房能力で事足りる状況であり(必要冷房能力が所定値より低い)、モータアシストが不要と判定すると、ステップS190でモータ120を非作動状態(モータ回転数Nmをゼロ)として、プーリ110のみの駆動力で圧縮機130を作動させる。

    この時の作動状態は、図5中の(エ)に対応し、圧縮機回転数Ncは、(ア)〜(ウ)の場合よりも低回転側となり、冷媒吐出量を低下させる。

    また、ステップS130で否、即ち、アイドルストップ時のようにエンジン10が停止したと判定すると、ステップS200で電磁クラッチ170をOFFにして、ステップS210でモータ120の駆動力のみで圧縮機130を作動させる。

    この時、モータ120を逆回転方向に駆動させることにより、プーリ回転軸111が同様に逆回転方向に作動しようとし、一方向クラッチ180によってロックされ、ギヤ比λ2分の変速を受けて圧縮機130は作動することになる(図5中の(オ))。

    以上のように、本発明では圧縮機130に対して耐久性限界から決定された上限回転数Nmaxを設けて、例えば車両の走行条件によって圧縮機回転数Ncが上限回転数Nmaxを越えるような時には、モータ回転数Nmを調整することにより、圧縮機回転数Ncを上限回転数Nmaxに対して抑制するようにしているので、特別な構成を付加する事無く、圧縮機130の高回転時における耐久性(信頼性)を向上することができる。
    (第2実施形態)
    本発明の第2実施形態を図6、図7に示す。 第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、回転数抑制手段を図6に示す制御フロー中のステップS170とステップS190とによって構成するようにしたものである。

    即ち、上記第1実施形態で説明したように、モータ120のアシストによって圧縮機130がプーリ110によって変速される回転数よりも増速側に作動しており(ステップS160)、ステップS170で否(図7中の(イ)に示すように圧縮機回転数Ncが上限回転数Nmaxを超えた)と判定すると、ステップS190に進み、モータ120を非作動状態(モータ回転数Nmをゼロ)として、プーリ110のみの駆動力で圧縮機130を作動させる(図5中の(カ))。

    これにより、圧縮機回転数Ncを上限回転数Nmaxより低回転側にして、圧縮機130の耐久性(信頼性)を向上させることができる。
    (第3実施形態)
    本発明の第3実施形態を図8に示す。 第3実施形態は、上記第1実施形態に対して、回転数抑制手段を図8に示す制御フロー中のステップS170、ステップS200、ステップS210によって構成するようにしたものである。

    即ち、上記第1実施形態で説明したように、ステップS170で否(図5中の(イ)に示すように圧縮機回転数Ncが上限回転数Nmaxを超えた)と判定すると、ステップS200に進み、電磁クラッチ170をOFFにして、ステップS210でモータ120の駆動力のみで圧縮機130を作動させる(図5中の(オ))。

    これにより、圧縮機回転数Ncを上限回転数Nmaxより低回転側にして、圧縮機130の耐久性(信頼性)を向上させることができる。
    (第4実施形態)
    本発明の第4実施形態を図9、図10に示す。 第4実施形態は、上記第1実施形態に対して、上限回転数Nmaxを一律に定めるのではなく、冷凍サイクル装置200の冷房負荷に応じて可変するようにしたものである。 尚、冷房負荷は、外気温度、圧縮機130の作動トルク、高圧側冷媒圧力等から得られるようにしている。

    ここでは、図9の制御特性に示すように、冷房負荷が小さくなる程、上限回転数Nmaxが大きく設定されるようにしている。 これは、冷房負荷が小さくなる程、圧縮機130の作動トルクは小さくなるので、圧縮機130の耐久性を確保する上で、上限回転数Nmaxを高い側にしても許容できることを意味する。

    図10に示す制御フローにおいては、ステップS150とステップS160との間にステップS155を設けて、その時の冷房負荷に応じた上限回転数Nmaxを設定するようにしている。

    これにより、一律の上限回転数Nmaxを設定した場合に比べて、冷房負荷に応じて圧縮機130の作動回転数領域を拡大できるので、本来の圧縮機130の可変速機能を有効に活用しつつ、圧縮機130の耐久性(信頼性)を向上させることができる。
    (第5実施形態)
    本発明の第5実施形態を図11に示す。 第5実施形態は、上記第4実施形態に対して、圧縮機130を1回転当たりの吐出容量が可変可能となる可変容量型圧縮機とし、回転数抑制手段を図11に示す制御フロー中のステップS170とステップS171とによって構成するようにしたものである。

    圧縮機130は、例えば周知の斜板式圧縮機のように、ピストンに接続される斜板を有し、制御装置160によって斜板の傾斜度およびピストンのストロークが調節され、吐出容量が可変されるものとしている(図示せず)。

    そして、圧縮機130の作動制御としては、図11中のステップS170で否、即ち、圧縮機回転数Ncが上限回転数Nmaxを超える時に、ステップS171で圧縮機130の吐出容量を所定量低下させる。 そして、ステップS172で吐出容量が可変できうる最小値になったか否を判定し、最小値であればステップS160に進み、まだ最小値でなければステップS155に進むようにしている。

    吐出容量を小さい側に可変することによって、この吐出容量に圧縮機回転数Ncを乗じた冷媒吐出量が小さくなり、冷房負荷に対する必要冷房能力も低下し、図9で説明した制御特性に基づいて上限回転数Nmaxを設定し直していくことで(ステップS155)、実質的な上限回転数Nmaxを大きくすることができるので、圧縮機130の耐久性(信頼性)を向上させることができる。
    (その他の実施形態)
    上記第1〜第5実施形態では、圧縮機130の上限回転数Nmaxは、耐久性に関わる信頼性限界から設定するようにしたが、これに限らず圧縮機130の回転作動時に伴う騒音限界から設定するようにしても良い。

    また、遊星歯車150に対する各回転軸111、121、131の接続は、他の組み合わせに成るようにしても良い。 この場合は、モータ120の回転数Nmの調整(ステップS160)は、共腺図上で圧縮機130の回転数Ncが低下する側に決定すれば良い。 変速機構としては、遊星歯車150に代えて遊星ローラやディファレンシャルギヤ等としても良い。

    更に、対象とする車両はアイドルストップ車両に限らず、走行用モータを有し、走行中においても所定の走行条件に応じてエンジン10が停止されるいわゆるハイブリッド車両としても良い。

    本発明の実施形態における全体構成を示す模式図である。

    ハイブリッドコンプレッサを示す断面図である。

    (a)は必要冷房能力に対する圧縮機吐出量を示す制御特性図、(b)は圧縮機回転数に対する圧縮機吐出量を示す制御特性図である。

    第1実施形態における制御フローを示すフローチャートである。

    第1実施形態におけるプーリ、モータ、圧縮機の回転数を示す共線図である。

    第2実施形態における制御フローを示すフローチャートである。

    第2実施形態におけるプーリ、モータ、圧縮機の回転数を示す共線図である。

    第3実施形態における制御フローを示すフローチャートである。

    冷房負荷に対する上限回転数を示す制御特性図である。

    第4実施形態における制御フローを示すフローチャートである。

    第5実施形態における制御フローを示すフローチャートである。

    符号の説明

    10 エンジン 20 バッテリ(電源)
    100 ハイブリッドコンプレッサ装置 101 ハイブリッドコンプレッサ 110 プーリ 111 プーリ回転軸 120 モータ 121 モータ回転軸 130 圧縮機 131 圧縮機回転軸 150 遊星歯車(変速機構)
    151 サンギヤ 152 プラネタリーキャリヤ 153 リングギヤ 160 制御装置 170 電磁クラッチ 180 一方向クラッチ(ロック機構)
    200 冷凍サイクル装置

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