Vane pump

申请号 JP2008187209 申请日 2008-07-18 公开(公告)号 JP2010024958A 公开(公告)日 2010-02-04
申请人 Panasonic Electric Works Co Ltd; パナソニック電工株式会社; 发明人 MATSUKI ETSUO; NISHIKATA MASAAKI; KUSAKABE TAKESHI; HOJO TSUKASA; YAMAMOTO KEN;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a vane pump capable of inhibiting a drop of pump efficiency accompanying occurrence of turbulence, vortex and the like of fluid occurring at a section near an intake opening or a delivery opening. SOLUTION: A suction opening 11 leading in fluid is provided to face a section of an annular chamber 6 from a center position Pmi to a complete position Pp of an expansion section in which a pump chamber 9 expands. Consequently, a status in which fluid led into the annular chamber 6 from a suction passage 14 and fluid moving with movement of a vane 8 collide each other near the suction opening 11 can be inhibited, and drop of pump efficiency caused by occurrence of turbulence and vortex of flow near the suction opening 11 can be inhibited. COPYRIGHT: (C)2010,JPO&INPIT
权利要求
  • ケーシング内で回転する回転部の基体部に当該回転部の回転軸に対して放射状に伸びて径外方向に開口する複数のスリットを形成し、各スリットにベーンを突没可能に収容し、ケーシング内で前記基体部の周囲に形成された環状室を前記複数のベーンで区画して複数のポンプ室を形成し、回転部を回転させることで前記ポンプ室の容積を周期的に拡縮させて当該ポンプ室に吸入した流体を吐出するように構成したベーンポンプにおいて、
    前記環状室の、前記ポンプ室が拡張する拡張区間の中央位置から終了位置までの間となる区間に、当該環状室内に流体を導入する吸入開口を臨ませたことを特徴とするベーンポンプ。
  • 前記吸入開口より上流側となる吸入通路の、前記回転軸の径外側となる壁面を、少なくとも前記吸入開口に繋がる部分で、前記環状室の外周面の接線に沿って形成したことを特徴とする請求項1に記載のベーンポンプ。
  • 前記環状室内から流体を吐出する吐出開口より下流側となる吐出通路の、前記回転軸の径外側となる壁面を、少なくとも前記吐出開口に繋がる部分で、前記環状室の外周面の接線に沿って形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のベーンポンプ。
  • ケーシング内で回転する回転部の基体部に当該回転部の回転軸に対して放射状に伸びて径外方向に開口する複数のスリットを形成し、各スリットにベーンを突没可能に収容し、ケーシング内で前記基体部の周囲に形成された環状室を前記複数のベーンで区画して複数のポンプ室を形成し、回転部を回転させることで前記ポンプ室の容積を周期的に拡縮させて当該ポンプ室に吸入した流体を吐出するように構成したベーンポンプにおいて、
    前記環状室内から流体を吐出する吐出開口より下流側となる吐出通路の、前記回転軸の径外側となる壁面を、少なくとも前記吐出開口に繋がる部分で、前記環状室の外周面の接線に沿って形成したことを特徴とするベーンポンプ。
  • 说明书全文

    本発明は、ベーンポンプに関する。

    ベーンポンプでは、回転部分の360°の回転度のうち半分となる180°の区間で、ベーンによって区画されたポンプ室が拡張し、残りの180°の区間で、当該ポンプ室が収縮するようになっており、ポンプ室が拡張する区間(以下、単に拡張区間と記す)で吸入開口から流体が吸入され、ポンプ室が収縮する区間(以下、単に収縮区間と記す)で吐出口から流体が吐出される。 特許文献1に開示される従来のベーンポンプでは、拡張区間のほぼ中央となる位置に吸入開口が設定されている。 また、収縮区間のほぼ中央となる位置に吐出開口が設定されており、吐出開口から回転軸の径外方向に向けて吐出通路が延設されている。

    特開平9−42187号公報

    しかしながら、上記特許文献1のように、吸入開口が拡張区間のほぼ中央となる位置に設定されていると、吸入開口の特に回転方向手前側となる部分で流体の乱れや渦が生じて、ポンプ効率が低下してしまう場合があった。 また、吐出開口から吐出通路が径外方向に向けて延設されていると、ポンプ室から吐出通路に流体がスムーズに流れ難くなって、流体の乱れや渦が生じて、ポンプ効率が低下してしまう場合があった。

    そこで、本発明は、吸入開口あるいは吐出開口付近に生じる流体の流れの乱れや渦の発生等に伴うポンプ効率の低下を抑制することが可能なベーンポンプを得ることを目的とする。

    請求項1の発明にあっては、ケーシング内で回転する回転部の基体部に当該回転部の回転軸に対して放射状に伸びて径外方向に開口する複数のスリットを形成し、各スリットにベーンを突没可能に収容し、ケーシング内で上記基体部の周囲に形成された環状室を上記複数のベーンで区画して複数のポンプ室を形成し、回転部を回転させることで上記ポンプ室の容積を周期的に拡縮させて当該ポンプ室に吸入した流体を吐出するように構成したベーンポンプにおいて、上記環状室の、上記ポンプ室が拡張する拡張区間の中央位置から終了位置までの間となる区間に、当該環状室内に流体を導入する吸入開口を臨ませたことを特徴とする。

    請求項2の発明にあっては、上記吸入開口より上流側となる吸入通路の、上記回転軸の径外側となる壁面を、少なくとも当該吸入開口に繋がる部分で、上記環状室の外周面の接線に沿って形成したことを特徴とする。

    請求項3の発明にあっては、上記環状室内から流体を吐出する吐出開口の下流側となる吐出通路の、上記回転軸の径外側となる壁面を、少なくとも当該吐出開口に繋がる部分で、上記環状室の外周面の接線に沿って形成したことを特徴とする。

    請求項4の発明にあっては、ケーシング内で回転する回転部の基体部に当該回転部の回転軸に対して放射状に伸びて径外方向に開口する複数のスリットを形成し、各スリットにベーンを突没可能に収容し、ケーシング内で上記基体部の周囲に形成された環状室を上記複数のベーンで区画して複数のポンプ室を形成し、回転部を回転させることで上記ポンプ室の容積を周期的に拡縮させて当該ポンプ室に吸入した流体を吐出するように構成したベーンポンプにおいて、上記環状室内から流体を吐出する吐出開口の下流側となる吐出通路の、上記回転軸の径外側となる壁面を、少なくとも当該吐出開口に繋がる部分で、上記環状室の外周面の接線に沿って形成したことを特徴とする。

    請求項1の発明によれば、吸入通路から環状室内に向かう流体がポンプ室の拡張区間の中央位置と終了位置とを結ぶ線分より遠い側から近付く側に流れることになるのに対し、吸入開口に対応する部分ではポンプ室内の流体も当該線分に近付く側に移動することになるため、吸入通路から環状室内に導入される流体とポンプ室の移動とともに移動する流体とがぶつかり合う状態となるのを抑制することができ、吸入開口付近で流れが乱れたり渦が生じたりしてポンプ効率が低下するのを抑制することができる。

    請求項2の発明によれば、吸入通路の壁面と環状室の外周面とをスムーズに繋ぐことができるため、流体の剥離や乱れが生じてポンプ効率が低下するのを抑制することができる。

    請求項3の発明によれば、さらに、環状室の外周面と吐出通路の壁面とをスムーズに繋ぐことができるため、流体の剥離や乱れが生じてポンプ効率が低下するのを抑制することができる。

    請求項4の発明によれば、環状室の外周面と吐出通路の壁面とをスムーズに繋ぐことができるため、流体の剥離や乱れが生じてポンプ効率が低下するのを抑制することができる。

    以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。 なお、以下の実施形態および複数の変形例には、同様の構成要素が含まれている。 よって、以下では、それら同様の構成要素については、重複する説明を省略し、共通の符号を付与することとする。

    (第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態にかかるベーンポンプの回転軸と直交する断面での断面図、図2は、ベーンポンプの回転軸を含む断面での断面図、図3は、ベーンポンプの分解斜視図、図4は、図2の一部の拡大図である。 なお、以下では、便宜上、図2,図3,図4の上側を回転軸Axの軸方向一方側、下側を軸方向他方側とする。

    まずは、図1を参照して、ベーンポンプ1の作動流体の吸入および吐出に関わる構成について説明する。

    本実施形態にかかるベーンポンプ1では、図1に示すように、ケーシング2内で、円環状のリング3の略円筒状の内周面3aと回転軸Axを中心に回転する回転部4の略円柱状の基体部5の外周面5aとの間に、作動流体(液体)を収容する環状室6が形成されている。 環状室6の幅wは、回転軸Axの周方向に沿って変化している。 本実施形態では、内周面3aの中心Cと回転軸Axとを平行にずらして、リング3の内周面3aと回転部4の基体部5とを偏心させてある。 このため、環状室6の幅wは、図1の右端の位置で最小となり、当該右端の位置から時計回り方向に徐々に拡がって左端の位置で最大となり、当該左端の位置から右端の位置に向けて時計回り方向に徐々に狭まって最小となっている。

    基体部5には、回転部4の回転軸Axに対して放射状に伸びて径外方向に開口する複数(本実施形態では4つ)のスリット7が形成されており、各スリット7には略角棒状または略帯板状のベーン8が突没可能に収容されている。 ベーン8は、回転部4の回転に伴って生じる遠心とスリット7内の回転軸Ax側に導入される作動流体の与圧によって、スリット7内で径外方向に付勢されている。 このため、ベーン8は内周面3aと摺接しながら回転部4とともに回転することになる。

    環状室6は、周方向に一定のピッチで配置された複数のベーン8によって、同数(本実施形態では4つ)のポンプ室9に区画されている。 回転部4およびベーン8の回転に伴い、ポンプ室9の容積は、環状室6の幅wの変化に従って変化することになる。 すなわち、各ポンプ室9の容積は、図1の右端の位置で最小となっている。 そして、回転部4の回転方向RD(図1の時計回り方向)への回転に伴って漸増し、左端の位置で最大となる。 その位置からさらに回転部4が時計回り方向に回転すると、ポンプ室9の容積は漸減し、右端の位置で最小となる。 つまり、本実施形態では、回転部4の1周回のうち図1の下半分の区間でポンプ室9の容積が拡大し、上半分の区間でポンプ室9の容積が縮小する。 このため、リング3の内周面3aおよびケーシング2(第1のケーシング10)に、ポンプ室9の容積が拡大する区間に臨ませて吸入開口11を設けるとともに、ポンプ室9の容積が縮小する区間に臨ませて吐出開口12を設けてある。 吸入開口11は、第1のケーシング10の側面上に突設された吸入パイプ13内の吸入通路14と連通し、吐出開口12は、吸入パイプ13と平行に突設された吐出パイプ15内の吐出通路16と連通している。

    したがって、図1において、回転部4が回転方向RDに回転すると、隣接する2枚のベーン8によって区画されるポンプ室9は、右端の位置から容積を拡大させながら左端の位置まで移動する。 このため、吸入通路14から吸入開口11を介してポンプ室9内に作動流体が流入する。 そして、ポンプ室9は、左端の位置から容積を縮小しながら右端の位置まで移動する。 このため、当該ポンプ室9から吐出開口12を介して吐出通路16に作動流体が流出する。 複数のポンプ室9についてこのような作動流体の流入および流出が順次行われ、以て、ベーンポンプ1による連続的な作動流体の吸入および吐出が実現されている。

    次に、図1〜図5を参照して、本実施形態にかかるベーンポンプ1の各部の構成を詳細に説明する。

    図2に示すように、回転部4の基体部5に形成されたスリット7は、軸方向他方側で、底壁部17によって塞がれており、ベーン8は、この底壁部17と摺接しながらスリット7内を往復動するようになっている。 すなわち、本実施形態では、この底壁部17がベーン8を軸方向他方側で径方向にガイドするガイド壁部に相当するものである。 なお、底壁部17には、スリット7の径内側に連通する連通孔17aが形成されており、この連通孔17aを介してスリット7内に、底壁部17の裏側(軸方向他方側)から作動流体の与圧が導入されるようになっている。

    底壁部17は、回転軸Axを中心とし当該回転軸Axと直交する円板状に形成されており、基体部5の外周面5aより外側までフランジ状に張り出している。 そして、この底壁部17の外周縁に、略円筒状のスカート部18が突設されている。 スカート部18は、回転軸Axと同心となっており、基体部5から離間する側(軸方向他方側)に向けて略一定の厚みで突出している。

    このスカート部18は、回転部4を駆動するモータ19の回転子(ロータ)として機能するものであり、コイルの巻回されたステータコア20のティース20aに対応して周方向に沿ってN極S極が交互に着磁された着磁部18aを含んでいる。 スカート部18のうち少なくとも着磁部18aとして機能する部分は、磁性材料によって構成される。 この場合、スカート部18のうちティース20aに対向する部分のみを磁性材料(例えばフェライト磁石やサマリウムコバルト磁石等の硬磁性材料)によって構成してもよいし、スカート部18全体を磁性材料によって構成しても良いし、回転部4全体を磁性材料によって構成してもよい。 この場合、樹脂材料に磁性材料からなる粉状や粒状の磁性フィラーを混合して、回転部4やスカート部18を成形することも可能である。

    また、図1,図3に示すように、基体部5の外周面5aは一定のピッチで径内方向に凹設され、これにより羽根部5bが形成されている。 この羽根部5bは、基体部5(回転部4)とともに回転し、吸入開口11と対峙するときにはポンプ室9への作動流体の吸入性能を高めるとともに、吐出開口12と対峙するときにはポンプ室9からの作動流体の排出性能を高めている。

    また、図2に示すように、基体部5(回転部4)の中央部には、シャフト21を回転自在に支持する軸受部22が固定されている。 この軸受部22は、メタルブッシュ等の滑り軸受としてもよいし、ニードルベアリング等の転がり軸受としてもよい。

    そして、回転部4は、ケーシング2によって形成される内部空間2a(図2参照)内で回転軸Ax回りに回転するように構成されている。 本実施形態では、ケーシング2は、軸方向一方側(図2および図3の上側)に位置する第1のケーシング10と、軸方向他方側(図2および図3の下側)に位置する第2のケーシング23と、環状室6の外周面(リング3の内周面3a)を形成するリング3と、を備えている。

    リング3は、図3にも示すように、環状室6の外周面を形成する筒状部3bと、筒状部3bの軸方向他方側から回転軸Axの径外方向に張り出すフランジ部3cとを備え、さらに、吸入通路14および吐出通路16の側壁の一部を成すリブ3dを備えている。 円板環状のフランジ部3cから回転軸Axの軸方向に筒状部3bとリブ3dとが略同じ高さで立設された形状となっている。

    このリング3は、図2に示すように、第1のケーシング10に形成された凹部10b内に収容される。 すなわち、この凹部10bは、リング3の筒状部3bとリブ3dを嵌合する形状に凹設されている。 また、リング3のフランジ部3cの外周部3eは、凹部10bの反対側で第2のケーシング23の環状壁部23aと接触しており、この部分が第1のケーシング10と第2のケーシング23とによって挟持されることで、リング3が回転軸Axの軸方向に固定されている。

    第2のケーシング23には、回転部4のスカート部18を収容する略円環状の凹部23bと、回転部4の軸受部22のうち第2のケーシング23側(軸方向他方側、図2および図3の下側)に突出する部分を収容する凹部23cとが形成されている。

    凹部23bの外周にある環状壁部23aより径外側の領域は、第1のケーシング10との当接面となる。 この当接面には、Oリング34用の溝部23dを略円環状に形成し、この溝部23d内に装着したOリング34によって、第1のケーシング10と第2のケーシング23との境界部分でのシールを確保してある。 なお、この境界部分以外の部材同士の境界部分(例えばリング3のフランジ部3cと第1のケーシング10との間の境界面等)にも適宜にシール部材(例えばガスケットやOリング等)を介在させ、各境界部分のシール性能を向上させるようにしてもよい。

    凹部23cの底壁部23eと、第1のケーシング10の突起部10cとの間にはシャフト21が架設され、このシャフト21の中心が回転軸Axとなっている。 シャフト21は、回転部4の中心に設けた軸受部22を貫通し、当該軸受部22に回転自在に支持されている。

    また、図2に示すように、凹部23bと凹部23cとの間には、回転部4の反対側(軸方向他方側、図2の下側)から回転部4側に向けて突設された環状の突起部23fが形成されており、この突起部23fの裏側となる環状の凹部23j内にモータ19をなすステータコア20が収容されている。

    ステータコア20は、図2,図3に示すように、基板24の表面24aの中央に取り付けられており、回転軸Axと同心で中央に位置する円筒部20bと、円筒部20bから放射状に伸びてコイルが巻回された複数のティース20aとを備えている。

    そして、基板24のステータコア20を設けた表面24aに対して反対側(軸方向他方側、図2の下側)となる裏面24bには、各種電子部品(図示せず)が実装され、モータ19の駆動回路やその他の回路が形成されている。 本実施形態では、基板24に形成された駆動回路によって各ティース20aに巻回されたコイルの通電状態を適宜に切り替えてティース20aの外周部分における極性を切り替え、これにより、ティース20aに対して径外方向に対向する着磁部18a(スカート部18)に周方向の推力を与え、以て、回転部4を回転させるようになっている。 よって、第2のケーシング23のうち、少なくとも、ステータコア20(ティース20a)の外周部とスカート部18との間に介在する隔壁部23gは、透磁性を有するものとする必要がある。 このため、隔壁部23gあるいは第2のケーシング23の全体が、透磁性を有する材料(例えばステンレススチールや、樹脂材料等)で形成される。

    基板24は、凹部23cを回転部4の反対側(軸方向他方側)から塞ぐようにして取り付けられており、さらに、基板24を、基板カバー25によって、回転部4の反対側(軸方向他方側)から覆ってある。 基板カバー25には、基板24との間に電子部品を配置する間隔を確保するため、突条25aを設けてある。

    第1のケーシング10および第2のケーシング23は、いずれも回転軸Axに沿う軸方向視で略正方形状の外形状を呈している。 そして、これらケーシング10,23の四隅に、これらを締結するねじ26の貫通孔10a,23kを形成してある。 これら貫通孔10a,23kおよび基板カバー25の四隅に形成された貫通孔25bにねじ26を挿通して、ナット27を螺結することで、ベーンポンプ1が組み立てられる。

    なお、ベーンポンプ1をなす上記各構成部品の材料や製造方法は、上述した着磁性や透磁性の他、耐摩耗性、耐食性、耐膨潤性、成形性、部品精度等を考慮して適宜に選択される。

    また、本実施形態では、回転部4に、その回転に伴って上記回転軸Axの軸方向一方側(図2,図3では上側)への流体力を発生させる流体力発生部28を設け、回転部4を、底壁部17を設けた側と反対側に位置する第1のケーシング10に押し付けるようにしている。 流体力発生部28は、スカート部18の軸方向他方側の端面18bに、回転部4の回転方向RDに対して傾斜する傾斜面として設けてある。 傾斜面は、回転方向RDの手前側から先方側にかけて軸方向他方側から一方側(図3の下側から上側)に向けて傾斜して設定してある。 このため、回転部4の回転に伴ってこの傾斜面に当たった作動流体は、回転部4に流体力を作用させ、軸方向一方側(図3の上側)に押し上げることになる。

    そして、かかる軸方向一方側に向けて作用する流体力(推力)を受けながら回転する回転部4を摺動可能に支持するため、第1のケーシング10には、図4に示すように、スラスト支持部29を設けてある。 具体的には、第1のケーシング10においてシャフト21を嵌挿して支持する部分を軸方向他方側へ突出させて突起部10cを形成し、この突起部10cの頂面10dに、ワッシャ30を介して、回転部4(基体部5)の中央部に形成した凹部4aの底面4bを突き当てている。 本実施形態では、スラスト支持部29にワッシャ30を介在させるとともに、このワッシャ30に回転部4の中央部に設けた軸受部22の軸方向端面22a(凹部4aの底面4bに一部露出させて設けてある)を突き当てることで、耐摩耗性を高め易くしている。 すなわち、かかる構成により、この部分の耐摩耗性はワッシャ30と軸受部22との摺接部分のスペック(材質、寸法、硬化処理等)によって調整し、回転部4の本体部分(基体部5、底壁部17等)のスペックは、軽量化や、他の摺動部分の摺動性、耐食性等の観点から選定することができる。

    そして、図4に示すように、スラスト支持部29における摺動部分の直径D2を、基体部5の直径D1より小さくしてある。 流体力発生部28を設けた場合に、特段スラスト支持する部分を設けないと、基体部5の端面5cが第1のケーシング10と摺接することになって、摺動抵抗が増大してしまう虞がある。 この点、本実施形態では、摺動部分の直径D2を基体部5の直径D1より小さくしたため、摺動抵抗をより低減して、フリクションをより低減することができる。

    なお、図2に示すように、底壁部17の軸方向一方側の端面17bとリング3の軸方向他方側の端面3fとの間の隙間31は狭く設定し、これら端面17b,3f間の隙間からのリーク流量を可及的に減らしてある。 また、軸受部22の軸方向他方側にもワッシャ30を介在させてある。

    ここで、本実施形態では、基体部5の外周面5aとリング3の内周面3a(環状室6の外周面)との隙間(環状室6の幅w)は、図1の右側の端部となる位置Pdで最も小さくなり、図1の左側の端部となる位置Ppで最も大きくなる。 したがって、位置Pdから回転方向RD(図1では時計回り方向)に沿って位置Ppに至る区間が拡張区間となり、位置Ppから回転方向RDに沿って位置Pdに至る区間が収縮区間となる。 このとき、位置Pdは、拡張区間の開始位置であるとともに収縮区間の終了位置、位置Ppは、拡張区間の終了位置であるとともに収縮区間の開始位置となる。 なお、図1では、拡張区間の開始位置Pdと終了位置Ppとの丁度中間となる中間位置をPmi、収縮区間の開始位置Ppと終了位置Pdとの丁度中間となる中間位置をPmoとしている。

    そして、本実施形態では、図1に示すように、環状室6の、ポンプ室9が拡張する拡張区間の中央位置Pmiから終了位置Ppまでの間となる区間に、流体を導入する吸入開口11を臨ませた。 具体的には、吸入開口11の回転方向RDの手前側となるエッジ11a、および先方側となるエッジ11bを、いずれも、中央位置Pmiから終了位置Ppに至る90°(deg)の角度範囲Ri内に設定している。 もちろん、エッジ11aを中央位置Pmiに設定し、エッジ11bを終了位置Ppに設定してもよい。

    よって、本実施形態によれば、吸入通路14から環状室6内に向かう流体がポンプ室9の拡張区間の開始位置Pdと終了位置Ppとを結ぶ仮想的な線分(図1で回転軸Axを通り左右方向に伸びる一点鎖線)より遠い側(すなわち図1では下側)からこの線分に近付く側に向けて(図1では上側に向けて)流れることになるのに対し、吸入開口11に対応する部分ではポンプ室9内の流体も当該線分に近付く側に移動することになる。 したがって、吸入開口11付近で、吸入通路14から環状室6内に導入される流体とポンプ室9(ベーン8)の移動とともに移動する流体とがぶつかり合う状態となるのを抑制することができ、吸入開口11付近で流れが乱れたり渦が生じたりしてポンプ効率が低下するのを抑制することができる。

    また、本実施形態では、吐出通路16の、回転軸Axの径外側となる壁面12aを、吐出開口12に繋がる部分で、環状室6の外周面としてのリング3の内周面3aの接線に沿って形成した。

    したがって、内周面3aと吐出通路16の壁面12aとをスムーズに繋ぐことができるため、吐出開口12付近で流体の剥離や乱れが生じてポンプ効率が低下するのを抑制することができる。

    そして、本実施形態では、流体力発生部28によって回転部4を回転軸Axの軸方向一方側に押し上げるようにした。 かかる構成により、回転部4をケーシング2の軸方向一方側(すなわち第1のケーシング10)に突き当てて、回転部4が回転中に軸方向に往復動するのを抑制することができ、当該往復動によって、振動や騒音が生じるのを抑制することができる。 また、図4に示すように、基体部5の軸方向一方側の端面5cと、第1のケーシング10の軸方向他方側の端面10eとのギャップgを、回転部4の寸法d1と第1のケーシング10の寸法d2とで、より容易にかつより精度良く規定できるようになり、このギャップが拡大したり変動したりすることによるリーク流量の増大、ひいてはポンプ効率の低下を抑制できるとともに、ベーンポンプ1の吐出量のばらつき(個体差)を低減することができる。

    さらに、ベーン8を摺動可能に軸方向他方側で支持する底壁部17を設けたため、ベーン8の軸方向他方側への移動を抑制することができ、当該ベーン8が軸方向に往復動することによって振動や騒音が生じたり、リーク流量が増大して効率が低下したりするのを抑制することができる。 かかる構成は、回転部4とともにベーン8を軸方向一方側へ移動させる構成と言うことができる。

    (第2実施形態)図5は、本発明の第2実施形態にかかるベーンポンプの回転軸と直交する断面での断面図である。

    本実施形態にかかるベーンポンプは、基本的に上記第1実施形態にかかるベーンポンプ1と同様の構成を備えている。

    吸入側では、環状室6の、ポンプ室9が拡張する拡張区間の中央位置Pmiから終了位置Ppまでの間となる区間に、流体を導入する吸入開口11を臨ませてある。

    また、吐出側では、吐出通路16の、回転軸Axの径外側となる壁面12aを、吐出開口12に繋がる部分で、環状室6の外周面としてのリング3の内周面3aの接線に沿って形成してある。

    ただし、本実施形態では、図5に示すように、吸入開口11より上流側となる吸入通路14の、回転軸Axの径外側となる壁面11cを、吸入開口11に繋がる部分で、環状室6の外周面としてのリング3の内周面3aの接線に沿って形成してある。

    したがって、本実施形態によれば、吸入通路14の壁面11cとリング3の内周面3aとをスムーズに繋ぐことができるため、吸入開口11付近に流体の剥離や乱れが生じてポンプ効率が低下するのを更に抑制することができる。

    以上、本発明の実施形態および変形例について説明したが、本発明は上記各実施形態や変形例には限定されず、種々の変形が可能である。 例えば、ベーンポンプの回転部やリング、ケーシングの詳細な構成は上記実施形態には限定されない。 また、吸入開口、吐出開口、吸入通路、吐出通路の位置や形状については、本発明の範囲内で適宜に変更することができるし、組み合わせて実施してもよい。

    本発明の第1実施形態にかかるベーンポンプの回転軸と直交する断面での断面図である。

    本発明の第1実施形態にかかるベーンポンプの回転軸を含む断面での断面図である。

    本発明の第1実施形態にかかるベーンポンプの分解斜視図である。

    図2の一部の拡大図である。

    本発明の第2実施形態にかかるベーンポンプの回転軸と直交する断面での断面図である。

    符号の説明

    1 ベーンポンプ 2 ケーシング 2a 内部空間 3 リング(ケーシング)
    4 回転部 5 基体部 6 環状室 7 スリット 8 ベーン 9 ポンプ室 10 第1のケーシング(ケーシング)
    11 吸入開口 11c (吸入通路の)壁面 12 吐出開口 12a (吐出通路の)壁面 14 吸入通路 16 吐出通路 23 第2のケーシング(ケーシング)
    Ax 回転軸 Pmi 拡張区間の中央位置 Pp 拡張区間の終了位置

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