Working method of scroll compressor and scroll lap

申请号 JP2003189350 申请日 2003-07-01 公开(公告)号 JP2005023817A 公开(公告)日 2005-01-27
申请人 Matsushita Electric Ind Co Ltd; 松下電器産業株式会社; 发明人 MATSUHASHI HIDEAKI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a scroll compressor which is high in accuracy and efficiency, low at noise by lessening a waviness in the peripheral direction owing to cutting side faces of a scroll-like lap with an irrotational tool. SOLUTION: The side faces 1b1, 1b2 of the scroll lap 1 is cut with the irrotational rotary tool 9 so that compressed gas can be prevented from leaking between sliding side faces of each lap of a fixed scroll and a rotating scroll so as to improve compression efficiency. COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI
权利要求
  • 固定スクロールおよび旋回スクロールの各鏡板から立ち上がるスクロール状のラップどうしを噛み合わせて相互間に圧縮室を形成し、旋回スクロールの円軌道運動によって圧縮室が吸入口に通じる外周側から吐出口に通じる中央部に移動しながら容積を縮小して行き流体の吸入、圧縮、吐出を行うスクロール圧縮機において、前記各ラップの摺動し合う少なくともいずれかの側面が非回転工具での切削加工面であることを特徴とするスクロール圧縮機。
  • 固定スクロールおよび旋回スクロールの各鏡板から立ち上がるスクロール状のラップどうしを噛み合わせて相互間に圧縮室を形成し、旋回スクロールの円軌道運動によって圧縮室が吸入口に通じる外周側から吐出口に通じる中央部に移動しながら容積を縮小して行き流体の吸入、圧縮、吐出を行なうスクロール圧縮機において、前記各ラップの摺動し合う少なくともいずれかの側面が鏡板と平行な加工痕を有することを特徴とするスクロール圧縮機。
  • 固定スクロールおよび旋回スクロールの各鏡板から立ち上がるスクロール状のラップどうしを噛み合わせて相互間に圧縮室を形成し、旋回スクロールの円軌道運動によって圧縮室が吸入口に通じる外周側から吐出口に通じる中央部に移動しながら容積を縮小して行き流体の吸入、圧縮、吐出を行なうスクロール圧縮機において、前記各ラップの摺動し合う少なくともいずれかの側面が非回転工具での切削面で鏡板と平行な加工痕を有することを特徴とするスクロール圧縮機。
  • 固定スクロールおよび旋回スクロールの各鏡板から立ち上がるスクロール状のラップどうしを噛み合わせて相互間に圧縮室を形成し、旋回スクロールの円軌道運動によって圧縮室が吸入口に通じる外周側から吐出口に通じる中央部に移動しながら容積を縮小して行き流体の吸入、圧縮、吐出を行なうスクロール圧縮機において、前記各ラップの摺動し合う少なくともいずれかのスクロールラップの側面が非回転工具での切削加工面で、かつ鏡板と直角な方向の形状はヘール加工した非回転の形状が転写された形状であることを特徴とするスクロール圧縮機。
  • スクロールラップの表面粗さが1マイクロメートル以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  • スクロール圧縮機を構成する固定スクロールおよび旋回スクロールの鏡板から立ち上がるスクロール状のラップの、摺動し合う少なくともいずれか一方の側面を、ラップの鏡板からの立ち上がり高さよりも長さ寸法が大きい非回転工具で切削加工することを特徴とするスクロールラップの加工方法。
  • スクロール圧縮機を構成する固定スクロールおよび旋回スクロールの鏡板から立ち上がるスクロール状のラップの、摺動し合う少なくともいずれか一方の側面および鏡板をエンドミルにより切削加工した後、固定スクロールや旋回スクロールのエンドミルによる加工時と同じチャッキング状態のまま非回転工具により切削加工して仕上げ加工を行うことを特徴とするスクロールラップの加工方法。
  • スクロール圧縮機を構成する固定スクロールおよび旋回スクロールの鏡板から立ち上がるスクロール状のラップの、摺動し合う少なくともいずれか一方の側面および鏡板を非回転工具により切削加工した後、固定スクロールや旋回スクロールの非回転工具による加工時と同じチャッキング状態のまま非回転工具により切削加工して仕上げ加工を行うことを特徴とするスクロールラップの加工方法。
  • スクロール圧縮機を構成する固定スクロールおよび旋回スクロールの鏡板から立ち上がるスクロール状のラップの、摺動し合う少なくともいずれかの側面および鏡板を、1つの非回転工具によって同時に切削加工し仕上げることを特徴とするスクロールラップの加工方法。
  • スクロール圧縮機を構成する固定スクロールおよび旋回スクロールの鏡板から立ち上がるスクロール状のラップの、摺動し合う少なくともいずれかの側面と、鏡板とを、個別の非回転工具により別々に切削加工して仕上げることを特徴とするスクロールラップの加工方法。
  • スクロール圧縮機を構成する固定スクロールおよび旋回スクロールの鏡板から立ち上がるスクロール状のラップの、少なくともいずれかの内側面および外側面の双方を、内側面から外側面あるいは外側面から内側面の順番に、非回転工具により順次切削加工を行うことを特徴とするスクロールラップの加工方法。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、冷凍、空調装置等に使用するスクロール圧縮機およびスクロールラップの加工方法に関するものである。
    【0002】
    【従来の技術】
    この種の圧縮機は主として図12、図13に示すように、スクロール状のラップa、bが鏡板c1、d1からほぼ直に立ち上がった固定スクロールcおよび旋回スクロールdをそれらのラップa、bどうし噛み合わせて相互間に圧縮室eを形成し、旋回スクロールdの円軌道運動によって圧縮室eが吸入口fに通じる外周側から吐出口gに通じる中央部に移動しながら容積を縮小して行き流体の吸入、圧縮、吐出を行なう。
    【0003】
    ところで、このような固定スクロールや旋回スクロールは従来、鉄系やアルミニウム系金属材料により鋳造などして形成した後、各ラップの摺動し合う側面を2〜10枚の切り刃を持ったエンドミルhによる切削加工にて仕上げ加工し、必要な性能を確保するようにされている。
    【0004】
    インボリュート曲線形状のスクロールラップをエンドミルで仕上げ加工する加工法に関しては、エンドミルの送り速度をインボリュート曲線の曲率半径に応じて制御するものが知られている(例えば特許文献1〜3参照)。 これらいずれの方法も加工面の面粗さを確保するためのものである。
    【0005】
    【特許文献1】
    特開平04−284509号公報【特許文献2】
    特開平07−164231号公報【特許文献3】
    特開2000−205155号公報【0006】
    【発明が解決しようとする課題】
    しかしながら、上記従来のラップのエンドミルによる切削仕上げ加工でのラップ側壁の精度は、エンドミルの加工精度だけでなくエンドミルの取り付け誤差による振れや加工条件にも依存し、安定して良好な精度を確保および管理することが困難であり、表面粗さも粗い。 固定スクロールと旋回スクロールが噛み合わさった状態で側面どうし間の隙間を小さくして圧縮ガスの漏れを防止するには側面の精度を向上させる必要がある。
    【0007】
    また、鏡板もラップの側面加工とともにエンドミルにより切削加工されるものであるため表面粗さが大きく、表面粗さにおける山の先端形状の尖りがシャープであるため、摺動損失や圧縮ガスの漏れ損失が発生し、圧縮機の効率がまだ十分でないし、経時的に悪化しやすいという問題がある。
    【0008】
    さらに、エンドミルの回転数は刃先の摩耗を抑えるために2万回転以下で加工するのが一般的であるのに対し、加工能率の面からすると一回転当たりの送り量を多くせざるを得ない。 このようにすると、エンドミルの切り刃のある部分と無い部分とによる周期的な加工むらが切り刃の数の少なさに比例したピッチで生じるし、エンドミルの取り付け誤差による周期的な振れも生じ、これらがラップの側面に長手方向のうねりが発生する原因になり、スクロール圧縮機運転中に旋回スクロールに微少振動が発生し騒音が高くなるという問題がある。
    【0009】
    また、ラップ側面と鏡板面との境界部のコーナ形状が、エンドミルの先端外周コーナ部の摩耗により変化するため、噛み合わさった相手ラップ上端面の内外コーナ部の面取りを大きく取る必要があるので、この間に形成される空間も大きくなり、従って圧縮ガスの漏洩が多くなるのでスクロール圧縮機の効率が悪化するという課題がある。
    【0010】
    本発明の目的は、上記従来の課題を解決することにあり、加工精度の高いスクロール状ラップを持ったスクロール圧縮機およびこれに用いるスクロールラップの加工方法を提供することにある。
    【0011】
    【課題を解決するための手段】
    上記の目的を達成するため、本発明の代表的なスクロール圧縮機は、固定スクロールおよび旋回スクロールの各鏡板から立ち上がるスクロール状のラップどうしを噛み合わせて相互間に圧縮室を形成し、旋回スクロールの円軌道運動によって圧縮室が吸入口に通じる外周側から吐出口に通じる中央部に移動しながら容積を縮小して行き流体の吸入、圧縮、吐出を行うものにおいて、前記各ラップの摺動し合う少なくともいずれかの側面が非回転工具での切削加工面であるスクロール状のラップの側面をヘール加工で仕上げたものであることを特徴とし、エンドミルの場合のような刃のあるところとないところでの周期的な加工むらがなく、取り付け精度上若干の傾きがあっても加工物の表面への馴染み性がよいので、ラップの側面にヘール加工による長手方向のうねりができないか、できても小さいし、ヘール加工による表面はきめが細かいため、固定スクロールおよび旋回スクロールの各ラップの摺動し合う側面間で圧縮ガスが漏洩するのを防止することができ圧縮効率が向上する。 しかも、ラップ側面の周方向のうねりが小さく表面が平滑であることにより運転中に旋回スクロールが微少振動することなく円軌道運動を行うので運転音が従来に増してより静かなスクロール圧縮機を実現することができる。
    【0012】
    本発明の代表的なスクロールラップの加工方法としては、スクロール圧縮機を構成する固定スクロールおよび旋回スクロールの鏡板から立ち上がるスクロール状のラップの、摺動し合う少なくともいずれか一方の側面を、ラップの鏡板からの立ち上がり高さよりも寸法が大きい長さの非回転工具でヘール加工することを特徴とし、ラップの側面の立ち上がり高さ全域につきその長手方向に亘って一挙にヘール加工していけるので、加工を数回に分けて行なう手間と時間が要らないので作業能率がよく製品コストが低減するし、加工精度も確保しやすい利点がある。 さらに、非回転工具であるので工具を回転せしめるスピンドル装置が不要となり、工場の省エネルギー及び、設備購入コスト削減が可能となり、製品コストが低減する。
    【0013】
    本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面の記載によって明らかになる。 本発明の各特徴はそれ単独で、あるいは可能な範囲で種々な組み合わせで複合して用いることができる。
    【0014】
    【発明の実施の形態】
    以下本発明の本実施の形態に係るスクロール圧縮機およびスクロールラップの加工方法につき、図1〜図11を参照しながら詳細に説明し、本発明の理解に供する。
    【0015】
    (実施の形態1)
    本実施の形態は図1および図11で1つの実施の形態を示しているように、固定スクロール1および旋回スクロール2の各鏡板1a、2aから立ち上がるスクロール状のラップ1b、2bどうしを噛み合わせて相互間に圧縮室3を形成し、旋回スクロール2の円軌道運動によって圧縮室3が吸入口4に通じる外周側から吐出口5に通じる中央部に移動しながら容積を縮小して行き流体の吸入、圧縮、吐出を行うスクロール圧縮機6で、図11に示す密閉容器7内に旋回スクロール2を駆動する電動機8とともに収容したメンテナンスフリーな空調用のものとした場合の一例である。 従って、吸入、圧縮、吐出を行なう流体は冷媒である。 しかし、本発明はこれに限られることなく、スクロール状のラップを持った固定スクロールと旋回スクロールとを噛み合わせて圧縮室を形成し、旋回スクロールの円軌道運動により流体の吸入、圧縮、吐出を行なうものであれば有効であり、取扱う流体の種類も特に問うものではない。
    【0016】
    図11に示すスクロール圧縮機6は、密閉容器7の内周に電動機8の固定子8aが固定され、これに対応する電動機8の回転子8bが旋回スクロール2を駆動するクランク軸16に固定されている。 クランク軸16は密閉容器7の内周に固定された主軸受部材18および副軸受部材20によって回転できるように軸受されている。 本実施例が示す横置きタイプとは異なる縦置きタイプなど、ものによっては一点支持のものでもよい。 密閉容器7の下部が潤滑油溜17となっている。
    【0017】
    スクロール圧縮機6の固定スクロール1は主軸受部材18にボルト止めなどして取り付けられ、この固定スクロール1と噛み合う旋回スクロール2と主軸受部材18との間に、旋回スクロール2の自転を防止して旋回運動、つまり円軌道運動のみをさせるオルダム継ぎ手19が設けられている。 旋回スクロール2の背面に旋回駆動のために設けられた旋回軸25は、クランク軸16の一端に形成したジャーナル軸16aの内方の偏心軸受26に挿入され、クランク軸16が回転するときのジャーナル軸16aの回転に従って、偏心軸受26および旋回軸25を介し旋回スクロール2が円軌道運動される。 副軸受部材20にはクランク軸16の端部に給油機構27が設けられ、その油吸い込み管27aが潤滑油溜17に没入している。
    【0018】
    一方、クランク軸16内には送油路28が形成されており、潤滑油溜17の潤滑油は給油機構27のクランク軸16による駆動で油吸い込み管27aより吸い込まれ、送油路28を通してスクロール圧縮機6の各摺動部を潤滑した後密閉容器7内に排出され、電動機8と密閉容器7の隙間を通って油吸い込み管27aに戻る。 また、スクロール圧縮機6が吸入管29から吸入した冷媒は、圧縮室3で圧縮し吐出口5を経て、密閉容器7に設けられた吐出管30を通り密閉容器7外へ吐出される。
    【0019】
    本実施の形態のスクロール圧縮機6は、特に、各ラップ1b、2bの摺動し合う側面1b1、2b2どうしの少なくとも一方、および側面1b2、2b1どうしの少なくとも一方、例えば固定スクロール1のラップ1bの側面1b1、1b2が、図2の(a)、図3に1つの実施例として示した非回転工具9などでヘール加工された切削加工面として使用されるものである。 従って、ヘール加工仕上げされれば足り、それ以前の加工工程は特に問うものではない。 鉄やアルミニウムなどの金属材料で鋳造などして基礎形状を与えたものをエンドミルにて切削加工した後、非回転工具9などによりヘール加工して仕上げてもよいし、エンドミルでの切削加工を省略することもできる。
    【0020】
    このように、スクロール状のラップ1b、2bの摺動し合う側面1b1、2b2どうしの少なくとも一方、および1b2、2b1どうしの少なくとも一方がヘール加工で仕上げたものであると、図2の(b)に固定スクロール1のラップ1bの側面1b1、1b2で代表して示しているように、長手方向のうねりがないか、あるにしても、図2の(b)に旋回スクロール2の側面2b1、2b2で代表して示すヘール加工仕上げせずエンドミルで加工したままの場合のようなうねりに比して極く小さい。 これはエンドミルによる研削加工では刃のあるところとないところでの周期的な加工むらがなく、取り付け精度上若干の傾きがあっても加工物の表面への馴染み性がよいため、研削加工した側面にヘール加工による長手方向のうねりができないことによる。 また、ヘール加工による表面はきめが細かいため、固定スクロール1および旋回スクロール2の各ラップ1b、2bの摺動し合う側面1b1、2b2どうしの間、および側面1b2、2b1どうしの間で、それぞれの一方がヘール加工されていれば、図2の(b)に示すように双方のラップ1b、2bどうしはその立ち上り方向の摺動部全域で圧縮ガスが漏洩するような隙間が生じないので、そのような圧縮ガスの漏洩を防止することができ圧縮効率が向上する。 しかも、ラップ1b、2bのヘール加工した側面の周方向のうねりがないか小さく、表面は平滑であることにより運転中に旋回スクロールが微少振動することなく円軌道運動を行うので運転音が従来に増してより静かなスクロール圧縮機を実現することができる。 また、摩耗も低減する。 図4の(b)に示すようにエンドミル加工による場合の表面粗さが2μmであるのに対し、図4の(a)に示すようにヘール加工仕上げした場合の表面粗さは1μmと半減し、エンドミル加工による場合の表面粗さの山21よりも、ヘール加工による場合の表面粗さの山22の方が尖り度は小さく、山どうしの接触で起こる発熱による局部的な溶解を基点とする摩耗の可能性がほとんど解消されるし、摺動抵抗が小さく耐摩耗性が向上する。 同じに、表面粗さの谷22aがエンドミル加工の場合の谷21aよりも浅いことにより、圧縮ガスの漏洩をより抑えることができるので、信頼性の高いスクロール圧縮機を提供することができる。
    【0021】
    従って、メンテナンスフリーな図11に示す密閉型のスクロール圧縮機での10年といった長期に亘っての機能保証を行なうのに好都合である。 以上のようなヘール加工による性能の向上は、摺動し合う側面1b1、2b2の双方、および側面1b2、2b1の双方をヘール加工面とするのがより好適である。
    【0022】
    このようなスクロール状のラップ1b、2bのヘール加工方法としては、図2に1つの実施例を示しているように、非回転工具9を移動を制御される加工軸11の先端にチャッキングすることにより非回転切削工具として用い、非回転工具9の中心軸線12が固定スクロール1や旋回スクロール2の中心軸線13に平行になる姿勢にて、ラップ1b、2bのヘール加工対象となる側面1b1などに図1に示すように当てがいながらラップ1bなどの長手方向に沿って移動させていくことにより非回転工具9によるヘールの加工を行えばよい。 しかし、どのようにヘール加工をするかの具体的な方法は自由に選択することができる。 しかし、ヘール加工による表面粗さとしては上記のようなヘール加工による利点を活かす上で1μm以下に抑えるのが好適である。
    【0023】
    ヘール加工するのに、図2の(a)、図3に示す実施例のように、非回転工具9として、側面をヘール加工するラップ1b、2bの立ち上がり高さHよりも大きな長さ寸法Lを持ったものを採用すると、ラップ1b、2bの立ち上がり高さHの全範囲に非回転工具9を一度に当てがえるので、後はヘール加工するラップ1b、2bの長手方向に移動されれば、ヘール加工の対象となる側面のスクロール形状を一挙に仕上げ加工できる。 従って、複数回に分けて切削加工を行なうような手間と調整が不要になり、加工精度が高いにも拘わらず加工時間の短縮が図られ、コストの安いスクロール圧縮機を提供することができる。
    【0024】
    また、このような加工に際し、非回転工具9は工具中心軸線12の方向に進退されない仕上げ加工操作が行なわれるなどにより、鏡板1a、2aに直角なラップ1b、2bの立ち上り方向にできる図2の(c)に示すような微視的な凹凸が、非回転工具9とこれによりヘール加工されたラップ1b、2bなどの側面との相対移動方向に沿った、ラップ1b、2bの長手方向に連続して、加工痕31を形成することになり、このような方向の加工痕31はラップ1b、2bのヘール加工した側面におけるラップ長手方向のうねりを非常に小さく抑えることができ、旋回スクロール2は固定スクロール1との間で微小振動も起こすことなく旋回運動、つまり円軌道運動することができ、より低騒音のスクロール圧縮機を提供することができる。
    【0025】
    このような加工痕31は多くの場合、非回転工具9の側面切れ刃の形状が転写したものとして得られるが、非回転工具9の側面切れ刃の切れ刃製作による形状付けを行なえば加工痕31を思い通りの形状に形成することができる。 このようなヘール加工による特徴を十分に発揮できるようにするには、ヘール加工面に下地の加工方式は問わないものの、下地面の状態の影響が残らないだけのヘール加工による仕上げ代を設定する必要がある。 また、設定した仕上げ代は1回のヘール加工によって満足するのが上記のように好適である。
    【0026】
    (実施の形態2)
    また、図5に模式的に示す実施の形態は、非回転工具9の側面切れ刃形状を必要に応じた切れ刃研削加工などにより形状管理して、それがヘール加工する固定スクロール1の側面1b1、1b2などの立ち上り方向、つまり鏡板1aに直角な向きの形状として転写するように加工したものである。 このようにすると、非回転工具9の形状管理によってヘール加工する固定スクロール1のラップ1bなどの側面の鏡板1aに直角な、つまり中心軸線13の方向の形状を管理することができる。 これによって、運転時に熱と圧が加わった状態での最適形状を容易に、安定して形成することができ、運転中の圧縮ガスの漏洩が減少し、効率の高いスクロール圧縮機を提供することができる。
    【0027】
    もっとも、前記のような加工痕31は非回転工具9によるヘール加工以外の切削加工でも達成され、加工方法の違いにかかわらず加工痕31の状態に応じてラップ1b、2bの長手方向のうねりを小さくできる効果は発揮される。
    【0028】
    (実施の形態3)
    図6に示す実施の形態は加工方法の一例で、固定スクロール1のラップ1bの側面1b1、1b2と鏡板1aとの境界部のコーナ部1cを曲面で形成したスクロール圧縮機6とした実施例を示している。 これにより、旋回スクロール2におけるラップ2bの先端の内外コーナ部面取り部33と、固定スクロール1のコーナ部1cとで形成される空間34を、曲面でない旋回スクロール2のコーナ部2cと固定スクロール1におけるラップ1bの先端の内外面取り部35との間に形成される空間36に比し数分の1に小さくすることができるので、圧縮ガスの漏洩が少ない効率の高いスクロール圧縮機を実現することができる。 なお、本実施の形態では固定スクロール1で代表して説明したが、旋回スクロール2でも同様にして好適である。
    【0029】
    (実施の形態4)
    図7に示す実施の形態は加工方法の一例で、研削対象となる例えば固定スクロール1をチャッキング装置41により、チャッキングテーブル42上で少なくともまわり2箇所からチャッキング部材43によりチャッキングして固定し、この状態でエンドミル44により切削代だけ切削加工して、鋳造などによる下地の状態から所定の均一な切削加工面とした後、前記チャッキング装置41から外すこと無くエンドミル44による加工時のチャッキング状態のまま、非回転工具9によるヘール加工を行っている。
    【0030】
    これにより、非回転工具9によるヘール加工での仕上げ代S0.01mm程度に小さくしてもエンドミル44により切削加工した下地である前加工面45の残りを無くすことができるので、品質の高い部品を得ることができる。 特にラップ1bは通常インボリュート等の複雑な形状を採用していることが多いため、仕上げ加工工程前にチャッキング装置41から一度離してしまうと中心ずれや角度ずれが生じてしまい、仕上げ代Sを0.05mm程度よりも小さくすると前加工面45が残ってしまい、品質不良となる。 また、チャッキング装置41から外さないでヘール加工するため、仕上げ代Sが均一になり非回転工具9への負荷が安定するので加工精度が安定し、また、仕上げ代Sが微小であるため非回転工具9への負荷が小さくなり、非回転工具9の寿命を長くすることができる。 従って、高品質で低コストの製品を供給することができる。 なお、本実施の形態では固定スクロール1で説明したが、旋回スクロール2でも同様である。
    【0031】
    (実施の形態5)
    図8に示す実施の形態は加工方法の一例で、固定スクロール1におけるラップ1bの側面1b1、1b2および鏡板1aの面を非回転工具9によって同時にヘール加工し、仕上げ加工している。 これにより、ラップ1bの側面1b1、1b2と鏡板1aとの間の境界部にできるコーナ部1cは微小曲面に形成されるので、ラップ1bの強度を向上させることができる。 したがって、信頼性の高いスクロール圧縮機を提供することができる。 なお、本実施例では固定スクロール1で説明したが、旋回スクロール2でも同様である。
    【0032】
    (実施の形態6)
    図9に示す実施の形態は加工方法の一例で、固定スクロール1におけるラップ1bの側面1b1、1b2と鏡板1aの面1a1を、実線と仮想線とで示すように、同一の非回転工具9により別々の工程でヘール仕上げ加工をしている。 これにより、非回転工具9の加工面はラップ1b用の側面切れ刃9bと鏡板1aの側の先端面切れ刃9cとの異時に加工を行なう2つの加工面に分割されるので、1つの非回転工具9による2面の加工でありながら、加工時の負荷が蓄積されにくく非回転工具9の長寿命化を図ることができる。 もちろん、ラップ1bの加工用と鏡板1aの加工用の各専用非回転工具で別々に加工しても同様な効果がある。 なお、本実施の形態では固定スクロール1で説明したが、旋回スクロール2でも同様である。
    【0033】
    (実施の形態7)
    図10に示す実施の形態は加工方法の一例で、固定スクロール1におけるラップ1bをヘール加工仕上げするのに、まず実線で示すように内側の側面1b1につき先に加工を行ない、その後、仮想線で示すように外側の側面1b2につき同一の非回転工具9により加工している。 これにより、固定スクロール1の上記した場合と同様に同一のチャッキング状態にて、さらに同一の非回転工具9にて内側面、外側面とも、それぞれ最適なスクロール形状に仕上げることができるため、効率が高いスクロール圧縮機を実現することができる。 また、固定スクロール1および旋回スクロール2の摺動し合う側面1b1、2b2の少なくとも一方と、1b2、2b1の少なくとも一方とをヘール加工仕上げするのに、固定スクロール1のラップ1bの内側面と外側面とをヘール加工するので、ワークおよび非回転工具9の着脱や位置調整が不要で作業能率が向上する。 なお、本実施の形態では固定スクロール1で説明したが、旋回スクロール2でも同様である。
    【0034】
    【発明の効果】
    本発明によれば、上記の説明から明らかなように、ラップの側面にヘール加工による長手方向のうねりができないか小さいし、ヘール加工による表面はきめが細かいため、固定スクロールおよび旋回スクロールの各ラップの摺動し合う側面間で圧縮ガスが漏洩するのを防止することができ圧縮効率が向上する。 しかも、ラップ側面の周方向のうねりが小さく表面が平滑であることにより運転中に旋回スクロールが微少振動することなく円軌道運動を行うので運転音が従来に増してより静かなスクロール圧縮機を実現することができる。 また、非回転工具にて加工するので、工具を回転せしめるスピンドル装置が不要となるため、工場原動費用及び設備購入費用が削減でき、スクロール圧縮機の生産コストを低減できる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本発明一実施の形態に係るスクロール圧縮機の固定スクロール及び旋回スクロールの断面図【図2】(a)本発明一実施の形態における圧縮機固定スクロールの加工方法を示す断面図(b)本発明一実施の形態におけるラップ長手方向うねりの状態を示す断面図(c)本発明一実施の形態におけるラップ長手方向に続く加工痕の状態を示す斜視図【図3】(a)本発明一実施の形態における圧縮機固定スクロールの加工方法を示す模式断面図(b)本発明一実施の形態におけるヘール加工工具を示す図【図4】(a)ヘール加工による場合の表面粗さを示す模式図(b)エンドミル加工による場合の表面粗さを示す模式図【図5】本発明実施の形態2における固定スクロールの加工方法を示す模式断面図【図6】本発明実施の形態3における固定スクロールの加工方法を示す模式断面図【図7】本発明実施の形態4における固定スクロールの加工方法を示す模式断面図【図8】本発明実施の形態5における固定スクロールの加工方法を示す模式断面図【図9】本発明実施の形態6における固定スクロールの加工方法を示す模式断面図【図10】本発明実施の形態7における固定スクロールの加工方法を示す模式断面図【図11】本発明実施の形態における密閉型スクロール圧縮機の全体構成を示す断面図【図12】従来のスクロール圧縮機とその加工方法を示す固定スクロール及び旋回スクロールの横断面図【図13】図12の固定スクロール及び旋回スクロールの縦断面図【符号の説明】
    1 固定スクロール2 旋回スクロール1a 鏡板2a 鏡板1a1 鏡板の面2a1 鏡板の面1b ラップ2b ラップ1b1 側面1b2 側面2b1 側面2b2 側面1c コーナ部2c コーナ部3 圧縮室4 吸入口5 吐出口6 スクロール圧縮機9 非回転工具9a コーナ部9b 側面切れ刃9c 先端面切れ刃12 工具中心軸線13 中心軸線31 加工痕41 チャッキング装置44 エンドミルS 仕上げ代

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