Cooling means for scroll fluid machine

申请号 JP2004246399 申请日 2004-08-26 公开(公告)号 JP2006063858A 公开(公告)日 2006-03-09
申请人 ▲荒▼田 哲哉; Tetsuya Arata; 发明人 ARATA TETSUYA;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a compact, lightweight and low-cost fluid machine such as a scroll type vacuum pump and an air compressor having reduced noise and vibration and high reliability by using a method of directly injecting cooling gas as a cooling means into a working chamber.
SOLUTION: The cooling means for the vacuum pump is constructed in the scroll type vacuum pump 1 by providing a gas introduction hole in a shell plate part of a fixed scroll 10, which is opened at one end in a working chamber of a closed space reduced to 40-60% of Vm and near the minimum clearance between side walls of spiral shape parts near an internal center portion of the working chamber with respect to the maximum volume Vm of a working chamber 15, formed inside with the minimum clearance between side walls of spiral terminal ends, and which is opened at the other end to the atmosphere, and by connecting an injection pipe 6, which makes heat exchange at a cooling part 6c such as a suction pipe having temperature lower than atmospheric temperature, to an atmosphere side outlet of the gas introduction pipe.
COPYRIGHT: (C)2006,JPO&NCIPI
权利要求
  • 固定スクロールと旋回スクロ−ルの互いの渦巻き形状部間で作動室が形成されるスクロール式真空ポンプに於いて、密閉空間を形成する作動室のうち渦巻き終端部側壁間を最小隙間として内側に形成される密閉空間の最大容積Vmから旋回スクロ−ルの旋回運動によりVmの40〜60%の容積まで減少した密閉空間の作動室内側中心部に近い渦巻き形状部壁面間が最小隙間となる近傍の作動室内に一端が開口し、他端は固定スクロールに設けた吸入管ないしは吸入通路の近傍の大気に開口するガス導入孔を固定スクロールに設けて構成された冷却手段を装着したスクロール式真空ポンプ。
  • 固定スクロールと旋回スクロ−ルの互いの渦巻き形状部間で作動室が形成されるスクロール式真空ポンプに於いて、密閉空間を形成する作動室のうち渦巻き終端部側壁間を最小隙間として内側に形成される密閉空間の最大容積Vmから旋回スクロ−ルの旋回運動によりVmの40〜60%の容積まで減少した密閉空間の作動室内側中心部に近い渦巻き形状部壁面間が最小隙間となる近傍の作動室内に一端が開口し、他端が大気に開口するガス導入孔を固定スクロールに設けると同時に吸入管ないしは大気温度よりも低温となる他の冷却媒体と熱交換させる冷却部を設けたインジェクション管を該ガス導入孔の大気側出口に結合して構成された冷却手段を装着したスクロール式真空ポンプ。
  • 固定スクロ−ルに設けた吐出配管ないしは吐出ガスが充満する吐出室の表面に張り付けた温度センサ−の検知温度が設定された温度よりも低い領域では閉となり、高い領域では開となるように該温度センサ−に連動する開閉弁をインジェクション管に設けて構成された冷却手段を装着した請求項2記載のスクロール式真空ポンプ。
  • 固定スクロールの甲板部内に設けたガス導入孔の一部である作動室に開口する穴からおよそ最短距離で甲板部表面の大気側に開口するように途中から分岐させたバイパス孔を設けるとともに上記大気側開口部には大気圧よりも作動室内圧力が高い時に該ガス通路が開口する逆止弁を装着して構成された請求項1乃至3の何れか1項に記載のスクロール式真空ポンプ。
  • 固定スクロ−ルと旋回スクロ−ルの互いの渦巻き形状部間で作動室が形成されるスクロール式の空気圧縮機に於いて、密閉空間を形成する作動室のうち渦巻き終端部側壁間を最小隙間として内側に形成される密閉空間の最大容積Vmから旋回スクロ−ルの旋回運動によりVmの40〜60%の容積まで減少した密閉空間の作動室内側中心部に近い渦巻き形状部壁面間が最小隙間となる近傍の作動室内に一端が開口し、他端が該空気圧縮機に固定された吐出管ないしは吐出ガスが充満する吐出空間に開口するインジェクション管を設けると同時にインジェクション管の途中に冷却器を設けて構成された冷却手段を装着したスクロール式空気圧縮機。
  • 固定スクロールの甲板部内に設けたガス導入孔の一部である作動室に開口する穴からおよそ最短距離で甲板部表面の吐出室側に開口するように途中から分岐させたバイパス孔を設けるとともに上記吐出室内開口部には吐出圧力よりも作動室内圧力が高い時に該ガス通路が開口する逆止弁を装着して構成した請求項5記載のスクロール式空気圧縮機。

  • 说明书全文

    空気を作動媒体とする圧縮比の高い真空ポンプや空気圧縮機などのスクロ−ル式流体機械に関し、特に圧縮熱に伴う流体機械の加熱を防止する冷却手段に関する。

    高い真空度で運転される真空ポンプや高い吐出圧で運転される空気圧縮機では、作動ガス温度や吐出ガス温度の上昇に伴うこれら流体機械の許容値を超える温度上昇を防止する目的からファンを用いた冷却手段が用いられていた。

    従来のスクロール式真空ポンプに適用された冷却手段の1つに、該真空ポンプの外部に冷却風を吹きつける冷却ファンを複数設けた例がある(例えば、特許文献1参照)。

    また従来の他の冷却手段の1つに、真空ポンプ部内部のモ−タの動力を伝達する駆動軸にファンを1個ないしは2個設けた構成もあった。

    前記駆動軸に冷却ファンを2個設けた従来例として、板の両側におよそ同一形状の渦巻き突起を設けた所謂両歯形状の旋回スクロ−ルを用いるとともに作動室の中央部を貫通させて配置した駆動軸のスクロ−ル部材を挟んで2個のファンを装着して真空ポンプの冷却手段としていた(例えば、特許文献2参照)。

    またスクロール式真空ポンプの固定スクロール甲板内に作動室と大気とを連通する孔を設けた従来例として、作動室で発生した滴が作動室内部に滞留するのを防ぐ目的ないしは作動室内の気体が飽和蒸気圧以下にならないように固定スクロールに設けたガスバラスト導入孔から作動室に空気や乾燥窒素などの気体を導入する構成があった(例えば、特許文献3参照)。

    このようなガスバラスト導入孔の一端は密閉空間となる作動室内に開口しているが、他端の開口位置に係わる説明としては空気や乾燥窒素などの気体を導入する構成と記載されたのみで具体的な説明は見られない。

    そして、前記固定スクロ−ルに設けたガスバラスト導入孔の大気開口部は固定スクロ−ルの外周部に設けられ、さらに駆動軸には冷却ファンが2個設けられていた(例えば、特許文献4参照)。

    またスクロ−ル式真空ポンプを構成する固定スクロ−ルの甲板に作動室と大気とを連通するバイパス孔を設けると同時に該バイパス孔の出口に大気側から作動室側にガスが流入するのを阻止する逆止弁が設けられていた(例えば、特許文献5参照)。

    特開平08−21392号公報

    特開平09−264272号公報

    特開2002−115676号公報

    特開2003−139076号公報

    特開平07−332263号公報

    以上述べたように従来の真空ポンプ等の容積式流体機械の冷却手段としてファンが、該流体機械の外部に用いる構成に於いては、ファンを配置する大きな空間を必要とすることから大型化する問題と製品価格が高くなる問題にファンの回転に伴う騒音振動が増大する問題さらには可動部品が多くなることから信頼性が低下する問題があった。

    冷却ファンをスクロール式真空ポンプ内部に収納した構成では、スクロ−ル部材を貫通する構成が必要となることから大型化する問題に生産性が低下する問題があった。
    さらには、ファン装着に伴い騒音振動が増大する問題に可動部品が多くなることから信頼性が低下する問題があった。

    スクロール式真空ポンプの固定スクロ−ルにガスバラスト導入孔を設けた構成では、ガスバラスト導入孔が開口している空間内のガス温度Tcに対して、気体が飽和蒸気圧以下にないようにする必要性からTcより低い温度のガスを導入することができないのとガス温度が低くて結露しやすい吸入通路側にガスバラスト導入孔からTcより高い温度のガスを導入するとガス温度が上昇して吐出ガス温度が高まる問題があった。

    このようにガスバラスト導入孔を設けた構成では真空ポンプを冷却する効果がないために冷却ファンの装着が必要となり、前記ファン装着に伴う多くの問題があった。

    圧縮途中の作動室と大気とを連通する逆流防止弁付きのバイパス孔を固定スクロールに設けた構成に於いては、該弁で大気から作動室へのガスの流入を阻止されているので作動ガスを冷却する手段に用いることができなかった。

    本発明は、従来のファンを用いた流体機械の冷却手段が有している様々な問題を解決しようとするものであり、冷却手段として冷却ガスを作動室に直接注入する方法を用いることにより、小型軽量低コストで騒音振動が低く信頼性の高いスクロール式の真空ポンプや空気圧縮機のような流体機械を提供することを目的とする。

    そして、本発明は上記目的を達成するための第1の課題解決手段として、固定スクロールと旋回スクロ−ルの互いの渦巻き形状部間で作動室が形成されるスクロール式真空ポンプに於いて、密閉空間を形成する作動室のうち渦巻き終端部側壁間を最小隙間として内側に形成される密閉空間の最大容積Vmから旋回スクロ−ルの旋回運動によりVmの40〜60%の容積まで減少した密閉空間の作動室内側中心部に近い渦巻き形状部壁面間が最小隙間となる近傍の作動室内に一端が開口し、他端は固定スクロールに設けた吸入管ないしは吸入通路の近傍の大気に開口するガス導入孔を固定スクロールの甲板部内に設けて真空ポンプの冷却手段を構成する。

    第2の課題解決手段として、固定スクロールと旋回スクロ−ルの互いの渦巻き形状部間で作動室が形成されるスクロール式真空ポンプに於いて、密閉空間を形成する作動室のうち渦巻き終端部側壁間を最小隙間として内側に形成される密閉空間の最大容積Vmから旋回スクロ−ルの旋回運動によりVmの40〜60%の容積まで減少した密閉空間の作動室内側中心部に近い渦巻き形状部壁面間が最小隙間となる近傍の作動室内に一端が開口し、他端が大気に開口するガス導入孔を固定スクロールの甲板部内に設けると同時に吸入管ないしは他の冷却媒体のような大気温度よりも低温となる部位で熱交換させるインジェクション管を該ガス導入孔の大気側出口に結合してスクロール式真空ポンプの冷却手段を構成する。

    第3の課題解決手段は、第2の課題解決手段に加えて、固定スクロ−ルに設けた吐出配管ないしは吐出ガスが充満する吐出室の表面に張り付けた温度センサ−の検知温度が設定された温度よりも低い領域では閉となり、高い領域では開となるように該温度センサ−に連動する開閉弁を固定スクロ−ルのガス導入孔に接続されているインジェション管に設けて冷却手段を構成する。

    さらには、該開閉弁は、真空ポンプの電源が切れてOFFのときは閉とし、ONで運転中のときは開となるように制御して真空ポンプの電源とも連動させて構成する。

    第4の課題解決手段は、第3の課題解決手段に加えて、固定スクロールの甲板部内に設けたガス導入孔の一部である作動室に開口する穴からおよそ最短距離で甲板部表面の大気側に開口するように途中から分岐させたバイパス孔を設けるとともに上記大気側開口部には大気圧よりも作動室内圧力が高い時に該ガス通路が開口する逆止弁を装着して構成する。

    他の発明としての第5の課題解決手段として、固定スクロ−ルと旋回スクロ−ルの互いの渦巻き形状部間で作動室が形成されるスクロール式空気圧縮機に於いて、密閉空間を形成する作動室のうち渦巻き終端部側壁間を最小隙間として内側に形成される密閉空間の最大容積Vmから旋回スクロ−ルの旋回運動によりVmの40〜60%の容積まで減少した密閉空間の作動室内側中心部に近い渦巻き形状部壁面間が最小隙間となる近傍の作動室内に一端が開口し、他端が該空気圧縮機に固定された吐出管ないしは吐出ガスが充満する吐出空間に開口するインジェクション管を設けると同時にインジェクション管の途中に冷却器を設けた冷却手段を設けてスクロール式空気圧縮機を構成する。

    第6の課題解決手段は、第5の課題解決手段に加えて、固定スクロールの甲板部内に設けたガス導入孔の一部である作動室に開口する穴からおよそ最短距離で甲板部表面の吐出室側に開口するように途中から分岐させたバイパス孔を設けるとともに上記吐出室内開口部には吐出圧力よりも作動室内圧力が高い時に該ガス通路が開口する逆止弁を装着して構成する。

    上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。 すなはち、第1:運転により真空度が高まって吸入圧力が低下すると断熱状態にある吸入ガスの温度は降下するが、圧縮行程中の作動ガスの温度は上昇し吐出ガス温度も上昇する。

    固定スクロ−ルと旋回スクロ−ルの互いの渦巻き形状部間で形成される作動室の容積は吸入行程終了時の外周部で最大密閉空間となる容積Vmを形成した後圧縮行程に入るが、旋回スクロールの旋回運動に伴い作動室が作動ガスを圧縮しながら外側から内側に移行して該作動室の容積がVmの40〜60%に減少すると作動室内のガス温度が上昇しておよそ大気温度を超える。

    吸入圧力が大気圧に近く圧力比が低い場合には、作動室内のガス温度が上昇しておよそ大気温度を超える容積はVmの40%近くになり、吸入圧力が大きく低下して真空度が大きくなり圧力比が高い場合には、その容積はVmの60%に近づく。

    作動ガスの温度がおよそ大気の温度を超える状態の作動室室内の圧力は大気圧より低いのでその差圧により作動室内に開口するガス導入孔の内側開口部から吸入通路近傍の低温の大気が流入する。

    この作動室に流入する低温の大気と作動室内の作動ガスの混合により作動室内のガス温度の上昇度合いが鈍化して、圧縮行程が終了して中央の吐出孔から排出される時の吐出ガス温度は許容値内に収まることになる。

    次に、第2の課題解決手段による作用は次の通りである。 すなはち、前記の吸入圧力がさらに低下して真空度が高まると、第1の課題解決手段では作動ガスの温度上昇を鈍化させる能力が十分に得られず作動ガス温度の上昇に伴い吐出ガス温度がさらに上昇して許容値を超えることになる。

    そのような場合には、第2の課題解決手段に示したように、ガス導入孔の大気側の開口部に接続したインジェクション管から冷却器で十分に冷やした大気を作動室に流入させることにより、作動ガスを上昇度合いを十分に押さえて吐出ガス温度を許容値以下にすることができる。

    インジェクション管に設けた冷却器を通過した大気ガスに含まれた湿気が凝固して水滴が発生した場合には、該冷却器の交流側に設けたドライヤ−で除去するので、水滴が作動室に流入することはない。

    第3の課題解決手段による作用は次の通りである。 すなはち、電動機の電源が入り真空ポンプが起動された直後の吐出ガスの温度は低いので、該開閉弁は閉じているが、吸入圧力が低下して真空度が高まるに従い、吐出ガス温度が上昇して温度センサ−の閾値を超えると開閉弁が開いて、大気圧と作動室圧力の差圧によりインジェクション管から導入されて冷却された大気がガス導入孔を介して、作動室内に流入して吐出ガス温度を一定値以下を保持することになる。

    また真空ポンプの電源が切られて停止すると同時に連動して開閉弁も閉じるので、インジェクション管から大気が導入されることもなく吸入側の真空度が保持される。

    第4の課題解決手段による作用は次の通りである。 すなはち、真空ポンプの運転が開始された直後の吸入圧力はおよそ大気圧に近いので、圧縮行程の進行に伴い作動室内圧力は大気圧を超えて大きく上昇するが、さらに作動室が内側に移動してガス連通孔が開口すると、作動室圧力と大気圧との差圧がバイパス孔出口の逆止弁に作用して逆止弁を押し上げで作動室内のガスが流出する。

    このガスの流出により作動室内の圧力低下に伴いガス圧縮荷重が減少するので、摺動部への荷重や電動機の軸動力が軽減する。

    他の発明としての第5の課題解決手段による作用は次の通りである。 すなはち、空気圧縮機を起動した直後では、吐出ガス温度を検出している温度センサ−の検知温度は低いのでインジェクション管に設けた開閉弁は閉じた状態にある。

    運転が継続され吐出圧力が上昇して大気圧との比である圧力比が一定値以上に大きくなると吐出ガス温度も上昇して温度センサ−の閾値を超えると該開閉弁が開く。

    このように該開閉弁が開く状態では、大気を吸い込んで作動室の最大密閉空間の容積Vmから圧縮が開始されて容積がVmの40〜60%に減少した容積Vcの作動室の圧力は吐出圧力よりも低くなる。

    一方、この容積Vcの作動室に開口しているガス導入孔から、吐出圧力との差圧により作動室のガス温度よりも低い温度の吐出ガスが該作動室に流入して、該作動室内のガス温度の上昇度合いが鈍化して、圧縮行程が終了して中央の吐出孔から排出される時の吐出ガス温度は許容値内に収まることになる。

    湿度の高い高圧ガスが冷却器で冷やされた後で水滴が発生した場合には冷却器と作動室間に設けられたドライヤ−で除去される。

    第6の課題解決手段による作用は次の通りである。 すなはち、空気圧縮機の運転が開始された直後の吸入圧力及び吐出圧力はおよそ大気圧に近いので、圧縮行程の進行に伴い作動室内圧力は大気圧を超えて上昇するが、さらに作動室が内側に移行してガス導入孔が開口すると、作動室圧力と大気に近い吐出圧力との差圧により逆止弁が開いてバイパス孔から作動室内のガスが流出する。

    このガスの流出により作動室内の圧力低下に伴いガス圧縮荷重が減少するので、摺動部への荷重や電動機の軸動力が軽減することになる。

    上述したように本発明の冷却手段をスクロール式真空ポンプに用いることにより、大きな空間を占める冷却ファンの代りに固定スクロールに作動室と大気と連通するガス導入孔を設けるか、ないしは該ガス導入孔に細長いインジェクション管を接続すればよいので、小型軽量化と低コスト化さらにはファンの騒音や振動がなくなるので、低騒音低振動化が図れる。
    さらには、本発明の冷却手段にはファンのような可動部がないので高信頼性化を図ることができる。

    運転中の吸入管におよそ大気温度のガスを導入するインジェクション管を巻き付けた構成では、大気温度よりかなり低い吸入ガスが加熱されるので、吸入行程含む作動室内で結露することがなくなるので信頼性が高まる効果がある。

    また固定スクロ−ルに設けた作動室に開口するガス導入孔を分岐させたバイパス孔の大気側に開口させた出口に逆止弁を設けることにより、真空ポンプの起動時のように、作動室内の圧力が大気以上に上昇するような過圧縮現象が生じた場合には、差圧により逆止弁が開いて作動室内の圧力を逃がすので軸動力を大幅に軽減できる効果がある。

    さらには駆動軸にファンを装着する必要がないので、スクロール部材の中央を軸が貫通する構成は不要となり、真空ポンプに適用されるスクロ−ル形状の選択の幅が広がると同時に小型軽量化と低コスト化が図れる効果がある。

    他の発明としての冷却手段をスクロール式空気圧縮機に用いることにより、大きな空間を占める冷却ファンを該空気圧縮機から外して別置きにして代りに細長いインジェクション管を用いればよいので、該空気圧縮機としては小型軽量化が図れると同時にファンを空気圧縮機から離すことができるので、低騒音低振動化が図れる効果がある。

    また固定スクロ−ルに設けた作動室に開口するガス導入孔を分岐させたバイパス孔の吐出室に開口させた出口に逆止弁を設けることにより、スクロール式空気圧縮機の起動時のように、作動室内の圧力が吐出室の圧力より大きくなるような過圧縮現象が生じた場合には、差圧により逆止弁が開いて作動室内の圧力を逃がすので軸動力を大幅に軽減できる効果がある。

    さらには、インジェクション管の途中に設けた冷却器は別置きなので、ファンの代りに水冷方式を用いることもできるなど冷却手段に対する選択の自由度が高く、スクロール式空気圧縮機の振動騒音を減らし信頼性を高める効果がある。

    以下、本発明の実施の形態を図1から図5に基づいて説明する。
    本発明のスクロール式真空ポンプ1の冷却手段を装着した構成を図1に示す。

    真空ポンプ1は駆動軸で直結されたポンプ部2とモータ部3から構成され、電源の投入によりモータ部3と同時にポンプ部2が駆動される。

    ポンプ部2は固定スクロール10と旋回スクロ−ル11に該旋回スクロ−ルを駆動する機構とそれらの支持機構及び作動ガスの吸入管3と吐出管4さらには圧縮行程中の作動ガスの冷却手段から構成されている。

    またポンプ部2内には、固定スクロール10と旋回スクロ−ル11の互いの渦巻き形状部間から作動室15を含めた複数の作動室が形成されている。
    固定スクロール10の平面図である図2に示されているように、渦巻き形状部の外側に吸入孔10cが設けられ、中央部に吐出孔10dが設けられ、それぞれに吸入管3及び吐出管4が取り付けられている。

    密閉空間を形成する作動室のうち吸入孔10cに近い渦巻き終端部側壁間を最小隙間として内側に形成される密閉空間の最大容積Vmから旋回スクロ−ルの旋回運動によりVmの40〜60%の容積まで減少した密閉空間の作動室15内側中心部に近い側の渦巻き形状部壁面間が最小隙間となる近傍の作動室内に一端が開口し、他端は固定スクロールに設けた吸入孔10cないしは吸入管3近傍の大気に開口するガス導入孔10eが固定スクロールの甲板部10b内に設けて冷却手段が構成されている。

    なお運転時の到達真空度を100Pa前後に限定するならば、該ガス導入孔10eが開口する作動室の容積は前記Vmの40〜60%の幅を40〜50%に縮小しても良い。
    図1では、固定スクロールの甲板部10b内に設けたガス導入孔10eの大気側開口部に一端が挿入固定され、他端は導入口6dから大気に開口するインジェクション管6を接続して冷却手段を構成している。

    該インジェクション管6には、ガス導入孔の接続部から導入口6dに至間に導入口内のフィルタ−そして大気中の水分を除去するドライヤ−13、管内流路の開閉弁7及び真空ポンプの吸入管3に該インジェクション管6を巻き付けて構成した冷却部6cが設けられている。

    該開閉弁7には真空ポンプ1のモ−タ駆動用の電源に接続された配線B7bと吐出管4の表面に張り付けられた温度センサ−8に接続された配線A7aが設けられている。

    図1に示されるような中央部の渦巻き溝の高さが低い旋回スクロ−ル11と中央部の渦巻き突起の高さが低い固定スクロ−ル10を噛み合わせて作動室を形成する階段状スクロ−ル形状の公知例として特許第3516015号がある。

    このような階段状スクロール形状を適用した場合には、該ガス導入孔10eの作動室内の開口部は1か所でも目的を達成するが、特開2000−45969号公報に示されたような作動室内に段差のない形状では該開口部は少なくとも2か所必要となる。

    上記の如く冷却手段を構成することにより、駆動軸にファンを装着する必要がなくなるので、特開2003−139076号公報に示されたようなスクロ−ル部材内に軸を貫通させた構成を用いなくて良く、スクロール式真空ポンプに適用するスクロ−ル形状の自由度が高まる。

    以下、上記構成の動作を説明する。 電源が入ってモ−タが駆動されても起動した直後は温度センサ−8が検知している吐出ガス温度が低いので開閉弁は閉じた状態にある。

    運転が継続され真空度が高まり吸入圧力が低下すると断熱状態にある吸入ガスの温度は降下するが、それ以上に圧縮に伴う作動ガスの温度上昇度合いが大きくなり、吐出ガス温度が上昇する。

    吐出ガス温度が上昇して、例えば温度センサ−8の設定値を80℃前後とした場合に、その閾値を超えると該開閉弁7が開いて導入口6dと作動室15間が連通して大気が該作動室15に導入される。

    吸入ガス温度の低下により吸入管3の温度が下がるが、該吸入管3に巻き付けられたインジェクション管6の熱を奪って吸入管3内の作動ガスの温度は上昇し、インジェクション管6内を流れる大気ガスの温度が下がることになる。 但し、ポンプ部以外の外部冷却熱源を用いれば、吸入管3内の作動ガスの温度上昇はなくなる。

    一方ガス導入孔10eが開口する作動室15の状態を見ると、固定スクロ−ルと旋回スクロ−ルの互いの渦巻き形状部間で形成される作動室の容積は吸入行程終了時の外周部で最大密閉空間となる容積Vmを形成した後圧縮行程に入るが、旋回スクロールの旋回運動に伴い作動室が作動ガスを圧縮しながら外側から内側に移行して該作動室の容積がVmの40〜60%に減少すると作動室内のガス温度が上昇しておよそ大気温度を超える。

    吸入圧力が1kPa前後以上の圧力比が低い状態では、作動室内のガス温度が上昇しておよそ大気温度を超える容積はVmの40〜45%近くになり、吸入圧力が10Pa前後の高い真空度で大きな圧力比の状態では、その容積はVmの55〜60%に近づく。

    作動ガスの温度がおよそ大気の温度を超える状態の作動室室内の圧力は大気圧より低いのでその差圧により作動室内に開口するガス導入孔10eの内側開口部から、吸入通路の低温で冷やされた温度の低い大気が流入する。

    このように本発明によるガス導入孔10eから大気が作動室に流入した状態のPV線図とTV線図を従来方式と比較して図3の(a)と(b)に示す。

    図中のA点はガス導入孔10eが作動室に開口し大気が流入する開始点を表し、その点から左側の一定区間すなはち作動室圧力が大気より低い状態の約軸1回転の間大気が流入している。

    本発明の作動室内の圧力と温度の変化を従来方式と比べると、A点から圧力は大きく上昇するが、温度の上昇度合いは大きく鈍化している。 本発明の圧縮開始時の温度が高いのはインジェクション管6から熱を貰っている為である。

    図3のPV線図より明らかなように、圧縮動力は本発明が大きくなっているが、ファン動力はなく冷却に使用される動力はファンよりも直接的で無駄な動力が殆どないので、真空ポンプのシステム全体としての動力は大幅に減少する。

    また、従来方式の作動ガス温度の変化をみると、吐出ガス温度は本発明と差はないにも係わらず、ファンによる間接冷却が原因となり圧縮過程で大きくオ−バ−シュ−トをして最高温度が高くなっている。 このために作動室内の構成部材に悪影響を及ぼしていた。

    このように作動室に流入する低温の大気と作動室内の作動ガスの混合により作動室内のガス温度の上昇度合いが鈍化して、圧縮行程が終了して中央の吐出孔から排出される時の吐出ガス温度は許容値内に収まることになる。
    そして、モ−タの電源が切れると該開閉弁7は閉じられるので、大気が作動室に流入することはない。

    次に、図1の真空ポンプに圧縮行程中の過圧縮を軽減する機構を設けた構成を図4より説明する。
    ポンプ部の作動室の構成とその駆動機構及び冷却手段等は図1と同じである。

    固定スクロール20の甲板部内に設けたガス導入孔20aの一部である作動室25に開口する穴からおよそ最短距離で甲板部表面の大気側に開口するように途中から分岐させたバイパス孔20bを設けるとともに上記大気側開口部には大気圧よりも作動室内圧力が高い時に該ガス通路が開口する逆止弁21を装着して構成される。

    以下、上記構成の動作を説明する。 真空ポンプの運転が開始された直後の吸入圧力はおよそ大気圧に近いので、圧縮行程の進行に伴い作動室内圧力は大気圧を超えて大きく上昇するが、さらに作動室が内側に移動してガス導入孔20aが開口すると、作動室25内圧力と大気圧との差圧が逆止弁21に作用して弁を押し上げられて作動室内のガスが流出する。

    このガスの流出により作動室内の圧力低下に伴いガス圧縮荷重が減少するので、摺動部の荷重や電動機の軸動力が軽減する。

    他の発明の冷却手段をスクロール式空気圧縮機30に装着した構成を図5に示す。
    作動室を形成する固定スクロ−ル40と旋回スクロ−ルと該旋回スクロ−ルの駆動機構及びそれらの支持機構から圧縮機部31が構成されている。 そして、圧縮機部31に直結したモ−タ部32と該圧縮機部31に装着された冷却手段から図5に示すような他の発明としてのスクロール式空気圧縮機が構成されている。

    上記の冷却手段は固定スクロ−ル40の甲板部内に設けたガス導入孔40a、該ガス導入孔に一端が連結され他端は吐出カバ−41内の吐出空間に開口しているインジェクション管34が設けられ、その途中にはドライヤー38、冷却器35そして開閉弁36と吐出管33に設置された温度センサ−37が設けられている。

    該ガス導入孔40aの作動室内への開口位置は、密閉空間を形成する作動室のうち渦巻き終端部側壁間を最小隙間として内側に形成される密閉空間の最大容積Vmから旋回スクロ−ルの旋回運動によりVmの40〜60%の容積まで減少した密閉空間の作動室内側中心部に近い渦巻き形状部壁面間が最小隙間となる近傍である。

    図5の冷却器35は吐出室42から導入した吐出ガスをファンで大気を導入して冷却している。 その配置は、圧縮機部31と離して別置きにしているが、図5記載のモ−タ部32の前後のモ−タケ−ス内に一体で配置し、ファンはモ−タ部32の軸に直結すれば収納性が良くなる。 また、大気の代わりに水を用いれば冷却効果は高まる。

    固定スクロールの甲板部内に設けたガス導入孔40aの一部である作動室に開口する穴からおよそ最短距離で甲板部表面の吐出室側に開口するように途中から分岐させたバイパス孔を設けるとともに上記吐出室内開口部には吐出圧力よりも作動室内圧力が高い時に該ガス通路が開口する逆止弁を装着してもよい。

    以下、上記構成の動作を説明する。 電源を入れて空気圧縮機を起動した直後では、吐出ガス温度を検出している吐出管33に設けた温度センサ−37の検知温度は低いのでインジェクション管に設けた開閉弁は閉じた状態にある。

    運転が継続され吐出圧力が上昇して大気圧との比である圧力比が大きくなると吐出ガス温度も上昇し、該温度センサ−の閾値を超えると該開閉弁が開くことになる。

    このように大気を吸い込み最大密閉空間の作動室の容積Vmから圧縮が開始されて容積がVmの40〜60%に減少した容積Vcの作動室の圧力は吐出圧力よりも低くなる。

    一方、この容積Vcの作動室に開口しているガス導入孔40aからインジェクション管の冷却器で冷やされた吐出ガスが圧力の低い該作動室に流入して、該作動室内のガス温度の上昇度合いが鈍化して、圧縮行程が終了して中央の吐出孔から排出される時の吐出ガス温度は許容値内に収まることになる。

    湿度の高い高圧ガスが冷却器で冷やされた後水滴な発生した場合には冷却器と作動室間に設けられたドライヤ−で除去される。

    本発明の冷却手段をスクロール式真空ポンプに装着した図

    固定スクロ−ルの平面図

    スクロール式真空ポンプのPV線図とTV線図

    本発明のスクロール式真空ポンプに逆止弁付きバイパス孔を設けた図

    他の発明の冷却手段をスクロール式真空ポンプに装着した図

    符号の説明

    1 真空ポンプ 2 ポンプ部 4 吸入管 5 吐出管 6 インジェクション管 6c 冷却部 7 開閉弁
    8 温度センサー 10 固定スクロ−ル 10e ガス導入孔 13 ドライヤ−
    15 作動室 20 固定スクロール 20a ガス導入孔 20b バイパス孔 21 逆止弁
    30 空気圧縮機 34 インジェクション管 35 冷却器 36 開閉弁
    37 温度センサー
    38 ドライヤ−
    40a ガス導入孔 42 吐出室 43 作動室

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