回転装置および付着物除去装置

申请号 JP2016226955 申请日 2016-11-22 公开(公告)号 JP2018084178A 公开(公告)日 2018-05-31
申请人 株式会社デンソーテン; 发明人 大富 將司; 古石 朋久;
摘要 【課題】シンプルかつコンパクトな構成で圧縮 流体 を生成すること。 【解決手段】実施形態に係る回転装置は、第1ギアと、第2ギアと、付勢部とを備える。第1ギアは、連続した歯の一部が切り欠かれた欠歯部を有し、回転駆動源に連結される。第2ギアは、第1ギアと噛み合い可能に設けられ、第1ギアと噛み合った場合に、回転駆動源の同一方向への回転により所定方向へ回転する。付勢部は、欠歯部により第1ギアとの噛み合いが外れる第2ギアの自由状態において、第2ギアを所定方向とは逆方向へ付勢する。 【選択図】図2B
权利要求

連続した歯の一部が切り欠かれた欠歯部を有し、回転駆動源に連結された第1ギアと、 前記第1ギアと噛み合い可能に設けられ、前記第1ギアと噛み合った場合に、前記回転駆動源の同一方向への回転により所定方向へ回転する第2ギアと、 前記欠歯部により前記第1ギアとの噛み合いが外れる前記第2ギアの自由状態において、前記第2ギアを前記所定方向とは逆方向へ付勢する付勢部と を備えることを特徴とする回転装置。シリンダと 前記シリンダ内に回転軸を中心に回転可能に設けられる回転体と を備え、 前記第2ギアは、 前記回転軸に同軸配置されて前記回転体に設けられること を特徴とする請求項1に記載の回転装置。前記第2ギアは、 前記欠歯部が途切れて前記第1ギアに対し最初に噛み合う第1歯と2番目に噛み合う第2歯との間隔が、隣り合う他の歯同士の間隔よりも大きいこと を特徴とする請求項1または2に記載の回転装置。前記第2ギアは、 前記第1ギアに対し最後に噛み合う最終歯の歯先円が、他の歯の歯先円よりも同心外側となるように設けられること を特徴とする請求項1、2または3に記載の回転装置。前記シリンダは、 円筒状に形成され前記回転体を収容するシリンダ室と、 平板状に形成され、前記回転軸を中心に点対称となる位置で前記シリンダ室を略径方向に沿って仕切るように設けられる2つのシリンダ壁と を備え、 前記回転体は、 円形の平板状に形成され、前記シリンダとは反対側の面に前記第2ギアを有する回転ベースと、 平板状に形成され、前記シリンダ側の面で、前記回転ベースを径方向に沿って仕切るように立設される2つの羽根部と を備え、 前記第1ギアは、 前記第2ギアと噛み合った場合に、前記付勢部の付勢に抗して前記第2ギアを前記所定方向へ回転させて前記羽根部と前記シリンダ壁の間の空間を膨張させ、前記欠歯部により前記第2ギアを自由状態にした場合に、前記付勢部の付勢力によって前記第2ギアを前記逆方向へ回転させて前記膨張した空間を圧縮すること を特徴とする請求項2に記載の回転装置。前記第1ギアは、 前記第2ギアに対し最後に噛み合う最終歯の歯先を歯先円に沿って延伸させた形状を有し、 前記回転駆動源は、 前記第1ギアの最終歯に対し前記第2ギアの最終歯が乗り上げた状態のままで回転を止めるように制御されること を特徴とする請求項5に記載の回転装置。前記第1ギアの最終歯は、 外周の少なくとも一部に、前記第2ギアと係合する段差を有すること を特徴とする請求項6に記載の回転装置。請求項1〜7のいずれか一つに記載の回転装置 を備え、 前記回転装置によって生成された圧縮流体を光学センサへ噴出することによって前記光学センサに付着した付着物を除去すること を特徴とする付着物除去装置。前記光学センサは、車両に搭載される車載カメラであること を特徴とする請求項8に記載の付着物除去装置。回転駆動源に連結された第1ギアと、 前記第1ギアと噛み合い可能に設けられ、前記第1ギアと噛み合った場合に、前記回転駆動源の同一方向への回転により所定方向へ回転する第2ギアと、 前記第2ギアを前記所定方向とは逆方向へ付勢する付勢部と を備え、 前記第1ギアまたは前記第2ギアの少なくともいずれかは、連続した歯の一部が切り欠かれた欠歯部を有し、 前記付勢部は、付勢によって前記第2ギアを前記逆方向へ回転させる力が前記回転駆動源により前記第2ギアを前記所定方向へ回転させる力よりも弱い付勢力を有すること を特徴とする回転装置。

说明书全文

開示の実施形態は、回転装置および付着物除去装置に関する。

従来、車両に搭載され、かかる車両周辺を撮像するカメラが知られている。かかるカメラが撮像した映像は、たとえば運転者の視界補助のためにモニタ表示されたり、道路上の白線や車両への接近物などを検知するセンシングのために用いられたりする。

かかるカメラのレンズには、たとえば雨滴や片、埃、泥などの付着物が付着し、前述の視界補助やセンシングの妨げとなることがある。そこで、近年では、カメラのレンズへ向けて圧縮空気を噴射することで付着物を除去する付着物除去装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。

特開2014−037239号公報

しかしながら、上述した従来技術には、シンプルかつコンパクトな構成で圧縮空気を生成するという点で、さらなる改善の余地がある。

具体的には、圧縮空気の生成に際しては、吸気および排気を含む一連のサイクルを実行するために、たとえばピストンをシリンダ内で往復運動させるピストン構造を採用する場合があるが、かかる場合、機構が複雑化し、かつ、占有スペースが大きくなるおそれがあった。なお、かかる課題は、圧縮空気を生成する場合に限らず、種々の気体や液体などを圧縮した圧縮流体を生成する場合に共通する課題である。

実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、シンプルかつコンパクトな構成で圧縮流体を生成することができる回転装置および付着物除去装置を提供することを目的とする。

実施形態の一態様に係る回転装置は、第1ギアと、第2ギアと、付勢部とを備える。前記第1ギアは、連続した歯の一部が切り欠かれた欠歯部を有し、回転駆動源に連結される。前記第2ギアは、前記第1ギアと噛み合い可能に設けられ、前記第1ギアと噛み合った場合に、前記回転駆動源の同一方向への回転により所定方向へ回転する。前記付勢部は、前記欠歯部により前記第1ギアとの噛み合いが外れる前記第2ギアの自由状態において、前記第2ギアを前記所定方向とは逆方向へ付勢する。

実施形態の一態様によれば、シンプルかつコンパクトな構成で圧縮流体を生成することができる。

図1Aは、実施形態に係る付着物除去装置の斜視透視図である。

図1Bは、空気圧縮部の斜視透視図である。

図1Cは、空気圧縮部の動作説明図である。

図2Aは、付着物除去装置の内部構造を示す斜視図である。

図2Bは、従動ギアおよび前段ギアの構成を示す平面模式図である。

図3は、空気圧縮部のより具体的な動作説明図である。

図4は、従動ギアの第2歯の欠歯構造を示す平面模式図である。

図5Aは、前段ギアの最終歯の構成を示す平面模式図(その1)である。

図5Bは、前段ギアの最終歯の構成を示す平面模式図(その2)である。

図5Cは、前段ギアの最終歯の構成を示す平面模式図(その3)である。

図5Dは、前段ギアの最終歯の構成を示す平面模式図(その4)である。

図6Aは、従動ギアの最終歯の構成を示す平面模式図(その1)である。

図6Bは、従動ギアの最終歯の構成を示す平面模式図(その2)である。

図6Cは、従動ギアの最終歯の構成を示す平面模式図(その3)である。

以下、添付図面を参照して、本願の開示する回転装置および付着物除去装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。

また、以下では、付着物除去装置が、車両に搭載され、車両の周辺を撮像するカメラに付着した付着物を除去する装置である場合を例にとって説明を行う。

また、以下では、本実施形態に係る付着物除去装置1の構成の概要について図1A〜図1Cを用いて説明した後に、本実施形態に係る付着物除去装置1のより具体的な構成について、図2A以降を用いて説明する。

図1Aは、本実施形態に係る付着物除去装置1の斜視透視図である。また、図1Bは、空気圧縮部10の構成を示す斜視透視図である。また、図1Cは、空気圧縮部10の動作説明図である。

図1Aに示すように、付着物除去装置1は、出部5と、空気圧縮部10とを備える。空気圧縮部10は、空気を圧縮して圧縮空気を生成し、生成された圧縮空気を出力部5を介して車両用のカメラ50へ噴出することで、たとえばカメラ50のレンズに付着した雨滴等の付着物を除去する。これにより、運転者の視界補助や接近物のセンシングなどの精度を確保することができる。

なお、ここでは、付着物除去装置1によって付着物が除去される対象をカメラ50とするが、これに限定されるものではない。

すなわち、たとえばレンズを介して映像を取得したり、車両周辺の物標の情報などを取得したりする光学センサであればよい。具体的には、たとえば車両周辺の物標を検出するレーダ装置など種々の光学センサを対象とすることができ、かかる光学センサの検出精度を確保することができる。

また、付着物除去装置1は、制御部70を備える。制御部70は、図示略のCPUや記憶部などを備えたマイクロコンピュータであり、空気圧縮部10を動作させる駆動部(後述)を制御する。

空気圧縮部10は、回転式の空気圧縮機構である。具体的には、空気圧縮部10は、図1Bに示すように、シリンダ11と、回転部12とを備える。シリンダ11は、シリンダ壁11aと、連通口11bと、流路部11cと、吸気口11dとを備える。なお、車両に搭載される場合、小型、軽量かつ安価であることが求められることから、シリンダ11および回転部12は、樹脂等で形成されることが好ましい。

シリンダ11は、たとえば円筒状に形成され、内部にシリンダ室CCが形成されている。シリンダ壁11aは、たとえば平板状に形成され、回転軸axRを中心に点対称となる位置で、円筒状のシリンダ室CCをほぼ径方向に沿って仕切るように設けられる。したがって、シリンダ室CCは、シリンダ壁11aによって2つに区画されることとなる。

連通口11bは、2つのシリンダ壁11a付近のシリンダ室CCの天井部に、2つに区画されたシリンダ室CCのそれぞれとシリンダ11の外部とが連通するように、回転軸axRを中心に点対称となる位置に開口されている。後述する回転部12の回転に基づいて生成された圧縮空気は、かかる連通口11bを介してシリンダ室CCの各区画から排気される。

流路部11cは、連通口11bのそれぞれに接続され、回転軸axRを中心に点対称となるような形状に形成されている。また、流路部11cは、回転軸axRの軸線上において出力部5に接続されている。連通口11bを介してシリンダ室CCから出力される圧縮空気は、かかる流路部11cを介して出力部5へ誘導され(図中の矢印101参照)、出力部5を介してカメラ50へ噴射されることとなる。

吸気口11dは、2つの連通口11bのほぼ下方のシリンダ11の外壁に、シリンダ11の外部とシリンダ室CCとが連通するように開口されている。後述する回転部12の回転に基づいて吸気される空気は、かかる吸気口11dを介してシリンダ室CCへ吸気される。

回転部12は、羽根部12aと、回転ベース12bと、シャフト部12cとを備える。回転ベース12bは、円形の平板状に形成され、回転軸axRまわりに回転可能に設けられている(図中の矢印102参照)。

具体的には、回転ベース12bは、シリンダ11側とは反対側の面に、従動ギア12dを有しており、かかる従動ギア12dが、モータ(図示略)から回転駆動力を伝達する駆動ギア(図示略)に噛み合うことによって回転軸axRまわりに所定方向に回転する。

また、回転ベース12bは、モータからの回転駆動力を受けない自由状態においては、モータによって回転する所定方向とは逆方向にばね部材(図示略)によって付勢されている。従動ギア12d、モータ、駆動ギアおよびばね部材を含むより具体的な構成については、図2A以降を用いて後述する。

羽根部12aは、平板状に形成され、従動ギア12dが設けられている面とは反対側の面で、回転ベース12bを径方向に沿って仕切るように立設される。また、羽根部12aは、その壁面に、吸気弁12aaを有する。

シャフト部12cは、回転軸axRまわりの回転におけるシャフト部分であり、2つの羽根部12aの間に設けられ、2つの羽根部12aを連接する。

このように構成された回転部12がシリンダ11に係合されて、シリンダ室CC内で回転することによって、吸気および排気を含む一連のサイクルが実行され、圧縮空気が生成される。

具体的には、図1Cに示すように、空気圧縮部10ではまず、「吸気前」の状態においては、羽根部12aがシリンダ壁11aと当接した状態となっている。

かかる「吸気前」の状態から、羽根部12aがシリンダ壁11aから離間する所定方向へ回転軸axRまわりに回転すると(図中の矢印103参照)、かかる離間によって羽根部12aとシリンダ壁11aとの間の空間SPが膨張する。なお、ここでは、「所定方向」を図1Cの紙面において左回り(反時計回り)としている。

これにより、空間SPには負圧が生じ、図中の矢印104に示すように、吸気口11dから吸気弁12aaを介して空間SPへ空気が流入、すなわち「吸気」される。なお、吸気弁12aaは、たとえば吸気方向とは逆方向に空気が逆流しないように逆止弁として構成されることが好ましい。

そして、かかる「吸気」された状態から、羽根部12aが回転軸axRまわりに前述の所定方向とは逆向き(すなわち、時計回り)に回転すると(図中の矢印105参照)、羽根部12aはシリンダ壁11aへ接近する方向へ移動し、空間SPを収縮させる。これにより、空間SPへ「吸気」された空気が圧縮され、圧縮空気が生成される。

そして、生成された圧縮空気は、羽根部12aが、シリンダ壁11aと当接した状態に戻るまで回転軸axRまわりに回転することにより、連通口11bから押し出されて「排気」されることとなる(図中の矢印106参照)。

ところで、本実施形態は、図1Cに示した回転動作により、圧縮空気生成のための吸排気のサイクルを実行するものであるが、安価でかつ安定した回転駆動力を得るうえでは通常、モータが適正である。ただし、図1Cに示したように、羽根部12aが回転軸axRまわりにシリンダ壁11aから離間する方向あるいは接近する方向へ往復する往復運動を、たとえばモータの正逆回転により実現しようとすれば、モータ制御や構造のうえでの複雑化を招きかねない。

そこで、本実施形態では、モータの回転方向を基本的に同一方向とし、かかる同一方向への回転運動から前述の羽根部12aの往復運動が可能となるように、空気圧縮部10を回転させる回転機構をシンプルかつコンパクトに構成することとした。

以下、かかる回転機構を含む、本実施形態に係る付着物除去装置1のさらなる具体的な構成について、図2A以降を用いて順次説明する。図2Aは、付着物除去装置1の内部構造を示す斜視図である。

まず、既に述べたが、図2Aに示すように、付着物除去装置1は、空気圧縮部10を備え、空気圧縮部10は、シリンダ11と、回転部12とを備える。回転部12は、従動ギア12dを有する。従動ギア12dは、回転軸axRに同軸配置される。このように空気圧縮部10は、回転式であるので、スペースをとらないコンパクトな構成とすることができる。

また、回転部12は、前述の「ばね部材」に対応する付勢ばね12eを有する。付勢ばね12eは、回転部12がモータによって回転する所定方向とは逆方向に回転部12を付勢するように設けられている。

また、空気圧縮部10は、駆動部13をさらに備える。駆動部13は、モータ13aと、第1ギア13bと、第2ギア13cと、第3ギア13dと、前段ギア13eとを有する。

モータ13aは、回転駆動源の一例であって、たとえば電動モータである。なお、油圧モータなどであってもよい。モータ13aは、制御部70(図1A参照)によって制御される。本実施形態では、モータ13aは、基本的に同一方向へ回転する。また、モータ13aの出力軸には、たとえば図示略のウォームギアが形成され、かかるウォームギアを介してモータ13aの出力軸は第1ギア13bに連結される。

また、第1ギア13bは、第2ギア13cに連結される。第2ギア13cは、第3ギア13dに連結される。第3ギア13dには、前段ギア13eが同軸配置され、回転部12の従動ギア12dと噛み合うように設けられる。

モータ13aからの回転駆動力は、このように連結された第1ギア13b、第2ギア13c、第3ギア13dを介して前段ギア13eまで伝達される。なお、モータ13aから前段ギア13eまでのギアの個数や噛み合わせ方は図示した場合に限られるものではない。

次に、図2Bは、従動ギア12dおよび前段ギア13eの構成を示す平面模式図である。なお、図2Bでは、従動ギア12dおよび前段ギア13eのみをZ軸の正方向から視た場合を模式的に示している。

図2Bに示すように、従動ギア12dは、連続した歯の一部が切り欠かれた欠歯ギアとして形成されており、少なくとも、第1歯12daと、第2歯12dbと、最終歯12dcと、欠歯部12ddとを有する。

第1歯12daは、吸排気の1サイクルにおいて前段ギア13eと最初に噛み合う歯であり、最終歯12dcは最後に噛み合う歯である。なお、以下では、従動ギア12dは、Z軸の正方向から視た場合に、前段ギア13eから伝達されるモータ13aの回転駆動力によって回転軸axRまわりに左回り(反時計回り)するものとする。したがって、これに伴い、付勢ばね12eは、従動ギア12dを右回り(時計回り)に付勢しているものとする。

前段ギア13eもまた、連続した歯の一部が切り欠かれた欠歯ギアとして形成されており、少なくとも、第1歯13eaと、最終歯13ebと、欠歯部13ecとを有する。

第1歯13eaは、吸排気の1サイクルにおいて従動ギア12dと最初に噛み合う歯であり、最終歯13ebは最後に噛み合う歯である。なお、以下では、前段ギア13eは、Z軸の正方向から視た場合に、モータ13aの回転駆動力によって回転軸axPまわりに右回り(時計回り)するものとする。

次に、かかる従動ギア12dおよび前段ギア13eの噛み合いによる空気圧縮部10のより具体的な動作について図3を用いて説明する。図3は、空気圧縮部10のより具体的な動作説明図である。

なお、従動ギア12dおよび前段ギア13eは、前述のように欠歯ギアとして形成されているので、欠歯により互いに噛み合わない状態が存在する構成となっている。本実施形態は、かかる互いに噛み合わない状態をあえて利用するものである。

図3の(a)に示すように、モータ13aが駆動され、前段ギア13eが図中の矢印301に示すように回転するものの、まだ従動ギア12dと噛み合っていない状態であるものとする。かかる状態は、図中に示すように、空気圧縮部10の「吸気前」の状態に対応する。

かかる「吸気前」の状態では、空気圧縮部10の羽根部12aは、付勢ばね12eのばね力によってシリンダ壁11aへ押し付けられた状態となっている。

そして、かかる状態から、図3の(b)に示すように、前段ギア13eがさらに同一方向へ回転すると(図中の矢印302参照)、従動ギア12dと前段ギア13eとが噛み合い始める(図中のM1部参照)。かかる状態は、空気圧縮部10において吸気が開始された状態に対応する。

そして、図3の(c)に示すように、前段ギア13eの同一方向へのさらなる回転は(図中の矢印303参照)、噛み合った従動ギア12dを付勢ばね12eの付勢力に抗して左回りに回転させる(図中の矢印304参照)。かかる状態は、空気圧縮部10において吸気中の状態に対応する。

すなわち、従動ギア12dは、前段ギア13eと噛み合った場合に、前段ギア13eに連結されたモータ13aの駆動によって所定方向(左回り)へ回転する力が、付勢ばね12eによる付勢で逆方向(右回り)へ回転する力よりも強いため、左回りに回転する。言い換えれば、付勢ばね12eによる付勢で逆方向(右回り)へ従動ギア12dを回転させる力は、モータ13aの駆動によって従動ギア12dが所定方向(左回り)へ回転する力よりも弱い。

一方で、従動ギア12dと前段ギア13eとが噛み合っていない場合、つまり、前述の欠歯により従動ギア12dと前段ギア13eとの噛み合いが外れ、従動ギア12dが自由状態となる場合、従動ギア12dには、付勢ばね12eによる付勢力のみが作用するため、従動ギア12dは逆方向(右回り)へ回転することとなる。すなわち、付勢ばね12eは、付勢によって従動ギア12dを逆方向(右回り)へ回転させる力が、モータ13aにより従動ギア12dを所定方向(左回り)へ回転させる力よりも弱い付勢力を有する。

具体的には、図3の(d)に示すように、前段ギア13eおよび従動ギア12dの図3の(c)からのさらなる回転により(図中の矢印305,306参照)、従動ギア12dと前段ギア13eとの噛み合いが外れる瞬間が到来する(図中のM2部参照)。かかる瞬間の状態は、図中に示すように、空気圧縮部10の「排気開始」の状態に対応する。

そして、図3の(e)に示すように、前段ギア13eとの噛み合いから外れた従動ギア12dは、付勢ばね12eのばね力によって右回りに勢いよく戻り(図中の矢印307参照)、空間SPに吸気された空気を圧縮しつつ排気することとなる。また、前段ギア13eは、同一方向へ回転し(図中の矢印308参照)、次なる吸排気の1サイクルを実行するに際しては図3の(a)からの工程が繰り返される。

このように、本実施形態では、前段ギア13eおよび従動ギア12dが噛み合わないタイミングを欠歯部分により発生させ、かかるタイミングにおいて従動ギア12dを付勢ばね12eにより逆方向へ戻す構成としたので、モータ13aの回転を同一方向のみで済ますことができる。したがって、シンプルな構成で圧縮空気を生成することができる。

また、本実施形態では、空気圧縮部10を、回転式の空気圧縮機構として構成することとしたので、たとえばシリンダ内をピストンが往復するピストン構造の空気圧縮機構などに比してスペースをとらないコンパクトな構成とすることができる。すなわち、本実施形態によれば、シンプルかつコンパクトな構成で圧縮空気を生成することができる。

本実施形態に係る空気圧縮部10のさらなる具体的な構成について説明を進める。図4は、従動ギア12dの第2歯の欠歯構造を示す平面模式図である。

図4に示すように、本実施形態では、従動ギア12dにおいて、同一ピッチ幅から本来であれば第1歯12daと第2歯12dbとの間に存在するはずの第2歯12db’を、図中に破線で示すようにあえて切り欠いた欠歯構造としている。

言い換えれば、欠歯部13ec(図2B参照)が途切れて前段ギア13eに対し最初に噛み合う第1歯12daと2番目に噛み合う第2歯12dbとの間隔が、隣り合う他の歯同士の間隔よりも大きい。

これにより、前段ギア13eの回転に伴い、図中の矢印401に示すように、第1歯13eaが噛み合いのために第1歯12daと第2歯12dbとの間に進入する際、第1歯13eaに進入させやすくすることができる。すなわち、前段ギア13eおよび従動ギア12dの噛み合いに際して無用な歯先の衝突を避け、ひいては歯先の破損といった故障を予防することができる。

また、第1歯13eaを呼び込むスペースを大きくとれるので、従動ギア12dの停止位置精度にゆとりを持たせることができる。

次に、前段ギア13eの最終歯13ebのより具体的な構成について説明する。図5A〜図5Dは、前段ギア13eの最終歯13ebの構成を示す平面模式図(その1)〜(その4)である。なお、図5B〜図5Dは、最終歯13eb周辺の拡大図となっている。

図5Aに示すように、本実施形態では、前段ギア13eの最終歯13ebを、長さdまで延伸させた言わばカム状の形状とすることができる。かかる最終歯13ebの外縁に対し、図中のM3部に示すように、従動ギア12dの最終歯12dcが乗り上げた状態のままでモータ13aの回転を止める制御を制御部70(図1A参照)が行うことによって、図中に示すように、空気圧縮部10を「吸気完了」した状態にスタンバイさせておくことができる。

すなわち、次回に圧縮空気を噴射させる際に、モータ13aが、従動ギア12dの最終歯12dcが前段ギア13eの最終歯13ebから外れる分だけ回転するだけで、圧縮空気が噴射されることとなるので、操作者の操作に対し、反応性高く付着物除去装置1を動作させることができる。

また、たとえば車両に搭載されたバックカメラの付着物除去動作がリバースギアに連動して行われる場合などには、シフトレバーの操作音に空気圧縮部10の動作音(特にシリンダ壁11aと羽根部12aの接触音など)を紛れさせることができるので、操作者に異音がするとの違和感を与えないようにすることが可能となる。

なお、最終歯13ebの形状は、たとえば図5Bに示すように、歯先が、手前の歯13edと同一の歯先円AC上にある複数の歯の間隙を埋めた(図中の塗りつぶし部分参照)形状であってよい。

また、最終歯13ebの形状の変形例として、たとえば図5Cに示すように、手前の歯13edと同一の歯先円AC1に沿っていた歯先が、中途から、同心内側となる歯先円AC2に沿うように段差が形成された形状であってもよい。

かかる場合、従動ギア12dの最終歯12dcが逆転して前段ギア13eから外れたりするのを防止することができる。また、逆転した場合の、ギア等の構成部品の破損を予防することができる。

また、仮に、モータ13aを所定方向とは逆向きに回転させて使用するような場合(たとえば、出力部5から洗浄を噴射可能な構成で、空気圧縮用途と洗浄水供給用途で回転を使い分ける場合)など、空気圧縮用途において前段ギア13eが追従して逆転するのを防止することができる。

同様の効果を得るために、最終歯13ebの形状のさらなる変形例として、たとえば図5Dに示すように、歯先が、手前の歯13edと同一の歯先円ACに沿いつつ、一部が切り欠かれている形状であってもよい。かかる場合、この切り欠きに従動ギア12dの最終歯12dcが係合することで、従動ギア12dが逆転してしまうのを防ぐことができる。

なお、図5Cおよび図5Dに示したいずれの場合も、前段ギア13eの最終歯13ebは、外周の一部に、従動ギア12dと係合する段差を有していると言える。

次に、従動ギア12dの最終歯12dcのより具体的な構成について説明する。図6A〜図6Cは、従動ギア12dの最終歯12dcの構成を示す平面模式図(その1)〜(その3)である。なお、図6Bは、最終歯12dc周辺の拡大図、図6Cは、図中のM4部の拡大図となっている。

図6Aに示すように、従動ギア12dが、前段ギア13eとの噛み合いから外れ、付勢ばね12eの「ばね力による戻り」によって、回転軸axRまわりに右回りに回転する場合を考える(図中の矢印601参照)。

通常であれば、従動ギア12dが前段ギア13eとの噛み合いから外れても、前段ギア13eは図中の矢印602に示すように回転を続け、前段ギア13eの各歯先も移動するため、従動ギア12dと前段ギア13eとは次に噛み合うまで歯先は干渉しないと考えられる。

しかしながら、付勢ばね12eによる戻りの回転速度が非常に速かったり、従動ギア12dの歯先円の真円度などに偏りがあったり、組み立て時の微妙な誤差やガタつきなどがあったりする場合には、図6Aに示すように、従動ギア12dと前段ギア13eとが干渉してしまうことが起こり得る。かかる干渉は、部品の急激な摩耗や異音発生などの原因となるため、好ましくない。

そこで、本実施形態では、図6Bに示すように、従動ギア12dの最終歯12dcを、歯先が、他の歯12deの歯先円AC3よりも同心外側となる歯先円AC4に沿うように突出させて設けることができる。

これにより、図6Cに示すように、従動ギア12dの最終歯12dcと前段ギア13eの最終歯13ebとの噛み合いが外れる際に、前段ギア13eの、他の歯12deに対するクリアランスCを開くようにすることができる(図中の矢印603参照)。

すなわち、従動ギア12dが、付勢ばね12eによって右回り(時計回り)に戻るに際しての(図中の矢印604参照)、従動ギア12dと前段ギア13eとの干渉を防ぐことができる。

なお、従動ギア12dの最終歯12dcと他の歯12deの歯先の位置関係は、相対的に最終歯12dcの方が高ければよく、最終歯12dcを長くすることで実現してもよいし、他の歯12deを短くすることで実現してもよい。

上述してきたように、本実施形態に係る空気圧縮部10(「回転装置」の一例に相当)は、前段ギア13e(「第1ギア」の一例に相当)と、従動ギア12d(「第2ギア」の一例に相当)と、付勢ばね12e(「付勢部」の一例に相当)とを備える。前段ギア13eは、連続した歯の一部が切り欠かれた欠歯部13ecを有し、モータ13a(「回転駆動源」の一例に相当)に連結される。従動ギア12dは、前段ギア13eと噛み合い可能に設けられ、前段ギア13eと噛み合った場合に、モータ13aの同一方向への回転により所定方向へ回転する。付勢ばね12eは、欠歯部13ecにより前段ギア13eとの噛み合いが外れる従動ギア12dの自由状態において、従動ギア12dを所定方向とは逆方向へ付勢する。

したがって、本実施形態に係る空気圧縮部10によれば、シンプルかつコンパクトな構成で圧縮空気を生成することができる。

なお、上述した実施形態では、従動ギア12dおよび前段ギア13eがそれぞれ欠歯部12dd,13ecを備えることとしたが、従動ギア12dまたは前段ギア13eの一方のみに欠歯部が備わることとしてもよい。すなわち、従動ギア12dおよび前段ギア13eの双方が噛み合って前段ギア13eの回転で従動ギア12dを回転させる状態と、双方が噛み合わずに従動ギア12dが自由状態になる状態とが実現可能であればよく、欠歯部は、従動ギア12dまたは前段ギア13eの少なくともいずれかに備わっていればよい。

また、上述した実施形態では、空気圧縮部10を回転装置の一例として挙げ、圧縮空気を生成する場合について説明したが、本実施形態は、空気に限らず、種々の気体や液体(流体)、粉体などを圧縮する場合に用いてもよい。なお、ここに言う粉体は、粉(粒)の間の空間(空隙)を占める媒質も含む一つの集合体であって、流体のように振る舞う場合を含むことから、気体や液体と同様、流体の一例として挙げるものである。したがって、本実施形態に係る回転装置によれば、シンプルかつコンパクトな構成で圧縮流体を生成することができる。

また、上述した実施形態では、空気圧縮部10が回転式である場合を例に挙げたが、搭載スペースが許容可能であれば、たとえばシリンダ内をピストンが往復運動するピストン構造の場合にも本実施形態は適用可能である。かかる場合は、従動ギア12d側がラックギアとして構成されることとなる。

さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。

1 付着物除去装置 10 空気圧縮部 11 シリンダ 11a シリンダ壁 12 回転部 12a 羽根部 12b 回転ベース 12d 従動ギア 12da 第1歯 12db 第2歯 12dc 最終歯 12dd 欠歯部 12e 付勢ばね 13a モータ 13e 前段ギア 13ea 第1歯 13eb 最終歯 13ec 欠歯部 50 カメラ 70 制御部 AC、AC1〜4 歯先円 CC シリンダ室 SP 空間

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