海上風タービンの組立及び輸送方法

申请号 JP2014089106 申请日 2014-04-23 公开(公告)号 JP5866400B2 公开(公告)日 2016-02-17
申请人 エンビジョン エナジー(デンマーク) アンパーツゼルスカブ; 发明人 ヤン ベステルゴー;
摘要
权利要求

シャフトとハブ(7)を有するナセル(3)、1つ以上のタワー部分(11)、及び/又はブレード(4、15)等の構成部品が製造され、港内エリア(1)で組み立てられるか、港内エリア(1)まで輸送され、港内エリアにおいて、少なくとも1基の風タービンのための前記構成部品が輸送・架設船舶(10)に搭載された後、建設現場まで輸送される、海上風力タービンの組立架設方法において、 該海上風力タービンの組立架設方法は、少なくとも、 前記ナセル(3)においてハブ(7)が、半径方向に対向する2組のブレード装着面(6)を有し、該ブレード装着面(6)が180度の距離を隔てて配置されるような二翼式の風力タービンのナセル(3)を組み立てる段階と、 少なくとも1つ、好ましくは2つのインナブレード部品(4)を前記ハブ(7)に装着する段階と、 夫々、ハブ(7)と少なくとも1つのインナブレード部品(4)を有する少なくとも1組のナセル(3)を搭載する段階と、前記少なくとも1組のナセル(3)を、前記輸送・架設船舶(10)のデッキ(16)に直接あるいは間接的に配置する段階と、 少なくとも1組のブレード(4、15)、インナブレード部品(4)及び/又はアウタブレード部品(15)を搭載する段階と、 少なくとも1基のタワー(11)のためのタワー部分(11’、11”、11”’)を搭載する段階と、 少なくとも1組の部分的に組み立てられた風力タービンを同一船舶(10)に乗せて同時に輸送する段階とを有することを特徴とする海上風力タービンの組立架設方法。前記方法は、さらに、 少なくとも1つのインナブレード部品(4)を有する前記ナセル(3)を建設現場まで輸送する段階と、 さらに、ブレード又はブレード部品(4、15)を前記ハブ(7)に装着する段階と、 前記ナセル(3)を風力タービンのタワー(11)上の位置(20)まで持ち上げて装着する段階とを有することを特徴とする請求項1に記載の海上風力タービンの組立架設方法。前記ナセル(3)は、港内エリア(1)あるいは港内エリア(1)の近くにある仮組立工場(2)で組み立てられることを特徴とする請求項1又は2に記載の海上風力タービンの組立架設方法。前記ブレード(4、15)は、港内エリア(1)あるいは港内エリア(1)の近くにある仮組立工場(2)で製造又は組み立てられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の海上風力タービンの組立架設方法。前記方法は、さらに、 港内エリア(1)にタワー部分(11’)を配置する段階と、 少なくとも1つのコンテナ(12)、例えば2つのコンテナ(12)であって、風力タービンを制御するための機器、風力タービンによって生じた電力を変換し転換するための機器及び/又は風力タービンを配電網全体に接続するための機器、を有する前記コンテナ(12)を前記タワー部分(11’)の側部に装着する段階と、 前記タワー部分(11’)の側部に少なくとも1つの前記コンテナ(12)を装着させた前記タワー部分(11’、14)を、前記輸送・架設船舶(10)のデッキ(16)に直接あるいは間接的に配置する段階とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の海上風力タービンの組立架設方法。前記輸送・架設船舶(10)は、海の外に前記船舶(10)を少なくとも部分的に持ち上げるジャッキアップ手段(17)を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の海上風力タービンの組立架設方法。前記輸送・架設船舶(10)は、風力タービンの土台、又は土台に装着された移行ピースに対して機械的に固定するための固定手段を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の海上風力タービンの組立架設方法。装着されたブレード又はブレード部品(4、15)を有する前記ナセル(3)は、そのブレート又はブレード部品(4、15)が船舶(10)の長さに対して横断する方向を指すような状態で前記船舶(10)のデッキ(16)に配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の海上風力タービンの組立架設方法。装着されたブレード又はブレード部品(4、15)を有する前記ナセル(3)は、そのブレート又はブレード部品(4、15)が船舶(10)の長さに対して長手方向を指すような状態で前記船舶(10)のデッキ(16)に配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の海上風力タービンの組立架設方法。

说明书全文

本発明は、例えばシャフトとハブからなるナセル、1基以上のタワー部分及び/又はブレード等の構成部品が製造されたり、組み立てられ、あるいは港内エリアへと輸送され、そのエリアでは1台以上の風タービンのための前記構成部品が輸送・架設船舶に搭載され、次いで建設現場へと搬送されることになる、海上風力タービンの組立架設方法に関する。

メガワット級の風力タービンの輸送は、風力タービンを構成する少なくとも幾つかの部品の重量やサイズによっては1つの難題となる場合があることがよく知られている。一般的に、風力タービンは多数の部品の状態で建設現場へ輸送され、その現場で組み立てられる。これら多数の部品は、主として、多数のタワー部分、ハブを含むナセル、そしてブレードとなるであろう。それら部品は、特定の要求を満たすクレーンを用い、建設現場で1つ1つ設置されることになる。

風力タービンの容量の大型化に伴って、風力タービンのタワー部分、ナセル、ブレード、その他の部品も大型化する。一般的なナセルは優に200メートルトン以上の重量を持つ可能性があり、直径や高さも優に8メートル以上となる場合がある。最近では最大で長さ75メートルにも及び、近い将来それよりも更に長くなり得る風力タービンブレードの設置についても同じことが言える。

ブレード設置がブレードをタワー上部のナセルに持ち上げることによって達成される場合でも、完成ユニットをタワー上部に持ち上げる前にブレードをナセルに装着する場合でも、その際の風速を考慮する必要がある。

上記の構成部品の持ち上げは前記部品上の接触面にダメージを与えることなく部品を共にボルト締めできるようにするためにかなり正確に実行される必要があり、風力タービンを設置するにあたって非常に重要な一要因は実際には風である。風力タービンの建設現場の性質上、それは、架設後は当然ながら申し分のない風の強いエリアではあるが、架設中は頻繁に問題を起こすエリアでもあるという現実がある。

従って、風力タービンの設置時、風の状況が適当となり、実行されるべき仕事の準備ができるまで何時間、何日、あるいは何週間も仕事を中断することはかなり普通なことである。陸上ではこのことは厄介なものであり、付帯費用を発生するが、これ自体は海上において風速が適当に低くなって、さらに波の衝撃が最小となるまで設置を留まる場合に発生する費用に比べて実際にはさしたるものではない。海上風力タービンを建てるべく定位置に全ての必要な機器を有するもより良い条件を待っているとみなされることは1つの大きな費用問題である。このため、部分的に組み立てられた風力タービンを設置現場に輸送するに先立って、工場や港内領域などの陸上で風力タービンをできる限り組み立てることはかなり魅力的なことである。翻って、部分的に組み立てられた風力タービンの各部品を陸上輸送することは、主に、高く重量のある部品が使用船舶の安定性に与え得る影響により、さらなる挑戦を促すことにもなる。何故なら、重心は海面より比較的高い位置となるからである。

さらに依然として部品を設定場所まで持ち上げる必要があり、これらの持ち上げは未だに、多少なりとも現場に共通なものとは反対の条件、即ち低風速又は無風といったような条件を必要としている。

ある特許文献では、3枚の風力タービンブレードを有するロータハブからなるナセルを輸送する解決策が既に知られている(例えば、特許文献1参照。)。例えばタワー部分などの風力タービンのさらなる部品は別の船舶とは切り離して装着される必要がある。ここでは、ナセルとロータは特殊な輸送フレームに装着されるが、そのフレームによってナセルは主軸がおおよそ平となる第1位置から主軸が垂直に満たない位置にある第2位置へとシフトできるようになっている。ナセルをこの位置に配置した後で2枚の風力タービンブレードを有するロータが設置される。主軸が垂直に満たない位置にあるため、ロータを互いに重ねることで輸送船舶のデッキ上に多くのナセルを位置させることが可能となる。この方法を使用することのかなり大きな欠点は、ロータハブと風力タービンブレードからなるナセル完成品は単一ユニットとして輸送船舶から吊り上げられなければならないし、その後は輸送船舶のデッキあるいは水面よりも遥かに高い高さをもって完成した配置構造を約90度揺動するに先立って輸送フレームを撤去しなければならないことである。そのような作業は非常に良好な天候条件を強く要求するものであり、それは疑いようもなく大きなコストを招くことになる。

ある特許文献は、3枚の風力タービンブレードの中から主に2枚のブレードを備えたロータの輸送するための解決策を開示している(例えば、特許文献2参照。)。各ロータはナセルには装着されずにハブの中心軸を傾斜させた状態で船舶デッキに配置される。これによりロータ同士を互いに重ねさせることができてより多くのロータを運ぶことができる。この解決策も又、ロータは船舶デッキの上、ある高さまで持ち上げなければならず、次いでロータをナセルに装着できる位置に配置するために約90度揺動させなければならない。そのような装着は、既にタワーへと装着されたナセルに対して行われる必要があり、このことは据え付けが海上約80〜120メートルあるいはそれ以上で行われることを意味しており、作業自体を例えば風に一層敏感なものとする。

今まで、最新の二翼式メガワット級風力タービンを部分的に組み立てて、それを、重心をかなり高くすることなく部分的に組み立てられた部品を船舶デッキ上に搭載した形で建設現場まで輸送するにあたって、上述したような問題に対処する既知解決策はない。

米国特許出願公開第2011/0220538号

欧州特許出願第2463511号

本発明の目的は、海上船舶に構成部品を搭載する前に風力タービンの相当な部分の組み立てが実行される、二翼式の海上風力タービンを組み立てかつ輸送する方法を提供することにある。本発明のさらなる目的は、1つ又は2つのインナブレード部品を有して少なくとも予め組み立てられたナセルを配置する方法を提供することにある。

上述したように、そして請求項1の前段に記載したように、本発明は、シャフトとハブを有するナセル、1つ以上のタワー部分及び/又はブレード等の構成部品が製造され、港内エリアで組み立てられるか、港内エリアまで輸送され、港内エリアにおいて、少なくとも1基又はそれ以上の風力タービンのための前記構成部品が輸送・架設船舶に搭載された後、建設現場まで輸送されるような、海上風力タービンの組立架設方法に関するものである。

本発明によれば、新規の海上風力タービンの組立架設方法は少なくとも、 前記ナセルにおけるハブは、半径方向に対向する2組のブレード装着面を有し、該ブレード装着面は180度の距離を隔てて配置されるような二翼式の風力タービンのナセルを組み立て、 少なくとも1つ、好ましくは2つのインナブレード部品を前記ハブに装着し、 ハブと少なくとも1つのインナブレード部品を有する前記ナセルを、前記輸送・架設船舶のデッキに直接、あるいは間接的に配置する、以上の各段階を有する。

ナセルを船舶に搭載するに先立って、分割可能なブレード、即ちブレードエクステンダとも呼ばれるインナブレード部品を、ナセルのハブにあるブレード装着面に装着することで幾つかの利点が生じる。まず第一に、装着工程はナセルやハブや少なくとも1つのインナブレード部品を架設船舶に搭載する前に実行できるということである。それにより、装着工程を海上の波から独立させることができ、また風速は通常、海岸ではより低くなるために風による影響をかなり小さくすることができる。あるいは又、装着エリアを風から遮断することができる。風力タービンは二翼式風力タービンである場合、1つ又は2つのブレード部品からなるナセルの重心は、あたかも部品が個々に船舶デッキに搭載されたのとほぼ同じ高さに位置することになるだろう。これは、今まで使用されてきた既知の海上輸送・架設方法の幾つかと比較した場合、安定した輸送を可能にする。

前述したように、この方法は、2枚のブレードを有する海上風力タービンの設置と輸送に関するものである。上記のブレードは、その長さ方向に沿ういずれかの箇所に接触面を有し、インナブレード部品がアウタブレード部品に接続されるピッチ制御又はストール制御されたブレードとすることができる。そのような接触面は適当な如何なる種類の接触面でも良く、またブレードも如何なる種類の風力タービンブレードであっても良い。しかしながら、そのブレードは、ハブに固定されたインナブレード部品と、アウタブレード部品・インナブレード部品間にあるピッチ機構に接続されたアウタブレード部品とを有する部分ピッチブレードタイプのものであるかもしれない。この場合、インナブレード部品は通常、ブレード全長の1/3を成し、ハブと2つのインナブレード部品とから成るナセルが単一ユニットとしての取り扱いと輸送が可能となることを意味している。

(ストール又はピッチ制御された)どんなタイプのブレードがハブに装着されることになっても“通常の”全長ブレードと比べ、分割可能なブレードを装着することはかなり顕著な長所がある。最も重要な要因は、分割可能なブレードの各インナブレード部品が広大になりすぎることなく港内エリアで装着できることにある。ブレードが全長の場合、既に装着されたブレードを備えたナセルを取り扱うにあたって、埠頭には充分なスペースがないことがかなり多い。本発明によればブレードは分割可能であるため、全長型ブレードよりも短い。より短い長さであることは港内エリア、例えば埠頭での装着が可能であることを意味するものであり、2枚の全長型ブレードを伴ったナセルを搭載できる船舶に比較して、その幅/サイズをかなり減らした船舶に、1つ又は2つのインナブレード部品を伴ったナセルを搭載して建設現場まで輸送することも可能である。

本発明による海上風力タービンの組立架設方法の実施形態では、前記方法はさらに、 少なくとも1つのインナブレード部品を有する前記ナセルを建設現場まで輸送し、 さらにブレード又はブレード部品を前記ハブに装着し、 前記ナセルを風力タービンのタワー上の位置まで持ち上げて装着する、以上の各段階を有する。

輸送中でかつナセルをタワーに装着する前に、アウタブレード部品はインナブレード部品に装着されることになる。これは、荷物が広大になりすぎることなくアウタブレード部品を装着できる場所に架設船舶が存在するや否や実行可能である。通常、さらなるブレード部品は輸送・架設船舶が建設現場に到着した際、あるいは到着直前の海上にて装着されることになる。インナ、アウタブレード部品をナセルに装着した後は、2枚のブレードを伴ったロータからなり完全かつ充分に組み立てられたナセルをタワー上部にまで持ち上げ、1回のオペレーションで位置決め装着することができる。ブレードを備えたナセル完成品を1回のオペレーションで装着可能にすることで、簡単・迅速かつ低コストな設置が達成される。

さらに、建設現場において取り扱う部品のサイズは非常に大事であるため、海上にてアウタブレード部品(短いブレード)だけを装着することはコスト削減にもなることである。風の衝撃が少ない故にそれらを容易に取り扱いできるという事実により、(アウタブレード部品として)一層小さな部品は大型のブレードに比較して、より強い風の中でも取り扱うことができる。これにより取り扱いが一層安全なものとなり、風速と波の衝撃についてその中で作業する時間枠を一層大きなものとする。仮に、風及び/又は波があまりにも強い場合、より良い条件が確立されるまでは架設作業は停止、延期されなければならない。使用される装置、即ち船舶は非常に高価なものであるため、架設工程を最適化し、より良い条件を待つ代わりに作業可能とすることは非常に重要なことである。建設現場でより短いアウタブレード部品を扱えさえすればよいということは問題を最小限に抑えることになり、より短時間に架設を終了することができ、同時にリスクや費用を低減することができる。

ブレードを含めナセルをタワー上部に持ち上げる前に港内エリアにて幾つかの部品を装着し、埠頭にて部品の残りを装着することにより架設工程が最適化される。

本発明による海上風力タービンの組み付け装着方法の好ましい実施形態では、前記ナセルは、港内エリアあるいは港内エリアの近くにある仮組立工場で組み立てられる。これは、比較的短期間に限って設置される工場のことを指す、所謂“ジプシー製造工場によって取り扱うことができる。そのようなジプシー工場が設置されることで、様々な部品が港内エリアに供給でき、港内エリアやその近くで組み立てることができる。これに伴う1つの大きな利点は、大型で重量のある品目の場合、小型ピースの形で輸送できるということであって、それは特別に重く長い輸送ユニットを使用する代わりに標準的なトラックや鉄道貨車、あるいはその他の伝統的な輸送手段を使用できるということである。

本発明による海上風力タービンの組立架設方法は、前記ブレードが、港内エリアあるいは港内エリアの近くにある仮組立工場/ジプシー製造工場で製造されたり、組み立てられるということを含むことができる。また、最新のブレードは長さが75メートルまで達することが頻繁であるため、港内エリアやその近傍でブレードを生産すること、及び/又はブレードを組立てることは輸送に関する大きな課題を解消することになる。部分ピッチ型の2部品ブレードについて言えば、往々にしてインナブレード部品はブレード全長の約1/3、アウタブレード部品は約2/3である。これが“唯一”約50メートルの最大長さを与えることになるが、それとても部品を船積みすることになる港内エリア近くで製造・組み立てすることは全く有益なことである。

本発明による海上風力タービンの装着組み立て方法は、さらに、 港内エリアにタワー部分を配置し、 少なくとも1つのコンテナ、例えば2つのコンテナであって、風力タービンを制御するための機器、風力タービンによって生じた電力を変換し転換するための機器及び/又は風力タービンを配電網全体に接続するための機器、を有する前記コンテナを前記タワー部分の側部に装着し、 その側部に少なくとも1つの前記コンテナを装着させた前記タワー部分を、前記輸送・架設船舶のデッキに直接、あるいは間接的に配置する、以上の各段階を有する。

タワー部分の側部に前記コンテナを装着することも又、風が弱いかあるいは無風状態の時行わなければならない仕事である。コンテナにはかなりデリケートな電気、電子機器が収納されるためその取り扱いは慎重に行われる必要がある。従って、予め装着されたコンテナを有するタワー部分を搭載する前に、一層安定した風の状態の時にコンテナを装着できることは非常に有効なことである。港内エリアでそのようなコンテナを装着することの更なる1つの利点は、コンテナを、海上にて装着する際の高さほど高く持ち上げる必要がないということである。港内エリアでは装着はタワーを地上レベルにした状態で行われるが、海上でコンテナを装着する場合、タワーは土台と移行ピースの上部に装着されることになり、移行ピースはコンテナのためのタワーの接触面を、陸上における装着のそれに比べ、より高いレベルに位置させたままの状態となる。さらに、海上における如何なる装着もそれ自体が海上作業であるという事実により複雑化する。

本発明による海上風力タービンの組立架設方法は又、前記船舶が、海の外へと前記船舶を少なくとも部分的に持ち上げるジャッキアップ手段を有することを含んでいる。これは、輸送・架設船舶が水から離れて波からの影響がなくなるまでその船体をジャッキアップした際には、波の影響に対処し、クレーンの稼働長さを最小限に抑えるための1つの方法である。それでもやはり、部品が持ち上げられた際には風が部品に作用することになるが、本発明によれば部品同士は予め組み立てられており、最小数の持ち上げを実行しさえすれば良い。

本発明による海上風力タービンの組立架設方法は又、前記船舶が風力タービンの土台、又は土台に装着された移行ピースに対して機械的に固定するための固定手段を有するということを含むかもしれない。そのような固定手段は、船舶を土台の安定位置に位置決めするために、例えば土台に接続可能なアーム、あるいはその他の適当な機器を有することができる。これは、主としてジャッキアップ船舶の脚が海底に届かないほどの非常に大きな深度の場合、あるいは海底が不安定すぎて船舶やその積み荷を支持することができない場合に適した、ジャッキアップ船舶を使用することの代替解決策である。

本発明による海上風力タービンの組立架設方法では、装着されたブレード又はブレード部品を有する前記ナセルは、そのブレート又はブレード部品が船舶の長さに対して横断する方向を指すような状態で前記船舶のデッキに配置される。そのユニット、即ち1つ又は2つのインナブレード部品を有するナセルを船舶の長さに対して横断する形で配置することにより、同ユニットはインナブレード部品の端部が船舶の側部から延びる可能性があるため、船舶の幅よりも広くなるかもしれない。同ユニットの重い部分、即ちナセルは好ましくは船舶のデッキの長手軸の中心、またはその近傍に位置決めされることになる。このようにしてより安定した搭載が達成される。

本発明による海上風力タービンの別の組立架設方法では、装着されたブレード又はブレード部品を有する前記ナセルは、そのブレート又はブレード部品が船舶の長さに対して長手方向を指すような状態で前記船舶のデッキに配置される。このように、各ユニットを互いに接近して配置でき、さらに様々な部品の良好な重量分布を獲得するため、デッキの形状構造が最適な形で使用することができる。少なくとも若干脆弱なアウタブレード部品は据え付けられないために、インナブレード部品を船舶の長さ方向にしてユニットを配置し、なおもデッキ上にタワー部分やその他の部品のための余地を持たせることが可能である。アウタブレード部品は、好ましくはデッキ上のその他の場所にある適当なフレームに配置されることになり、ナセルをタワーにおけるその部分にまで持ち上げる前に限って装着されることになる。このため、別のやり方では可能とならないような、各ユニットをジャッキアップの脚部間に配置することができる。

発明の実施形態は海上風力タービンの組立架設方法を有し、その方法はさらに、 夫々、ハブと少なくとも1つのインナブレード部品を有する少なくとも1組のナセルを搭載し、 少なくとも1組のブレード、インナブレード部品及び/又はアウタブレード部品を搭載し、 少なくとも1基のタワーのためのタワー部分を搭載し、 少なくとも1組の部分的に組み立てられた風力タービンを同一船舶に乗せて同時に輸送する、以上の各段階を有する。

同時に出来るだけ沢山の風力タービンを輸送するべく、上述したように様々な部品を配置することにより、デッキエリアの使用を最適化することができるようになる。輸送や架設のために使用される船舶の使用はかなり高価なものであるため、これは非常に重要なことである。本発明によれば、最適な数の風力タービンを輸送することができ、更に(これは非常に重要なことだが)実行されることになるホイストの数は最小限に抑えられるため一層迅速な架設を遂行することができる。

迅速な架設は様々な長所があるが、最も重要な長所は、大型の部品よりも小型の部品を取り扱うことがより安価で危険度が低いということである。さらなる利点としては、風力タービンの架設を短時間で終えることができ、これにより風力タービンが早期に電力を生産開始できることにある。

一例として、本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら以下、説明する。

インナブレード部品を有するナセルの組立状態を示した図である。

コンテナを有する下方タワー部分の組立状態を示した図である。

組立てられたナセル、タワー部分及びアウタブレード部品を架設船舶に搭載している状態を示す図である。

海上でのアウタブレード部分の架設を示した図である。

タワーの上部でのナセルとブレードの架設を示した図である。

第1の配置形態での架設船舶上の4基の風力タービンを示した図である。

第2の配置形態での架設船舶上の4基の風力タービンを示した図である。

第3の配置形態での架設船舶上の6基の風力タービンを示した図である。

以下の本文において、1つずつ図面を説明し、図面に示される様々な部品や位置については異なる図面において同じ番号が付されることになる。必ずしも特定の図面に指示された全ての部品や位置が図面と共に説明されるとは限らないだろう。

図1には港内エリア1がナセル3を組み立てるための組立工場2を有した形で示されている。ナセル3の組み立て後、運搬車量5によって港内エリア1にもたらされたインナブレード部品4はナセル3のハブ7にあるブレード装着面6に装着される。この装着はクレーン8を使って実行される。架設は港内エリア1にて行われ、しかもナセル3と2つのインナブレード部品4(本例の場合)からなるユニット9を輸送・架設船舶10(図3、4、5及び図6参照)に搭載する前に行われるため、架設は、海上で作業するのに比べて一層扱いやすい環境で行われる。

港内エリア1で組立架設する1つの大きな利点は、各部品3、4、7が普通の輸送車両5を使って個々に輸送でき、通常のクレーン8やその他の持ち上げ機器を使って持ち上げることが可能であるということである。

図2ではタワー部分11’、11”、11’”からなるタワー11は輸送車両5を使って港内エリア1に輸送されてきている。さらにコンテナ12も又、輸送車両5を使って港内エリア1へと運ばれる。タワー部分11を船舶10(図3、4、5及び図6参照)に搭載する前に、コンテナ12が下方タワー部分11’の骨組み13に装着され、タワーユニット14を構成する。上述したような使いやすい環境からの同じ利点がタワーユニット14の組み立てにも当てはまる。

図3は、予め組み立てられたユニット9、14を用意した後で、各ユニット9、14、タワー部分11”、11”’とアウタブレード部品15が船舶10上に持ち上げられ、デッキ16上に直接、あるいは適当な固定具(図示せず)によって配置された状態を示している。そのような固定具は例えば、各アウタブレード部品15が互いに接するように複数層に保持するためのフレームであるかもしれない。タワー部分11’、11”、11’”は直立状態で輸送され、ナセルユニット9は、インナブレードユニット4が船舶10の長さ方向に対して船舶を横断する方向を指すようにして配置される。この配置形態では最も重量のある部品、即ちナセル3はデッキ16の中心、即ち船体中央部に配置され、船舶10に対して最良のバランスを与えている。

船舶10は、建設現場での架設時、水の外へと船舶10の胴体18を持ち上げるために、低められて海底に接触可能な6台のジャッキアップ脚部17を有する。船舶はさらに、風力タービンの様々な部品をハンドリングする能力のある船載クレーン19を有する。図4ではアウタブレード部品15が船載クレーンを使ってインナブレード部品4に装着されている状態である。この作業は部品のハンドリングには充分余裕のある海で行われる。図4の作業は、何が最も効果的な方法であるかにより、船舶10をジャッキアップする前か、あるいは建設現場にて船舶10をジャッキアップした後に実行することができる。建設現場でタワーユニット14と更なるタワー部分11を土台の上に装着する前、あるいは装着後にアウタブレード部品15をインナブレード部品4に装着することができる。その順序はその時の状況に応じて自由に選択される。例えばタワーを架設するにはあまりにも風が強すぎるような場合には、この作業が風速に対して影響されにくいものであるが故に、アウタブレード部品15の装着に時間をとることができる。

図5は、船載クレーン19によってタワー20の上部へと持ち上げられている、インナブレード部品4とアウタブレード部品15からなるナセル3を示している.タワーは3つのタワー部分11’、11”、11”’からなり、下方のタワー部分11’は海水面上の骨組み13に配置された2つのコンテナ12を有する。1基、2基、3基あるいはそれ以上の風力タービンを搭載した船舶10を使用し、完成した風力タービンを完全に架設することが可能になり、船舶10を次の土台へと移動させて次の建設を実行することが可能になる。全ての部品を携行し、風力タービンの積み荷を完全に架設した後は、船舶10はさらなるタービンのためにただ戻りさえすれば良いことになる。風力タービンのための全部品を1隻の船舶10に搭載させることで、架設工程は最適化され、適切な風と波を伴った“時間枠”内で架設工程を出来るだけ迅速に実行することができる。

図6には4基の風力タービン用部品を搭載した船舶10が示されている。船舶10は6台のジャッキアップ脚部17と船載クレーン19を備える。船舶10のフロントエンドにはヘリポート21があり、ここには船舶10のブリッジ22も配置される。ブリッジ22後方にデッキ16が延び、ここに様々な部品が配置される。図示されるように、ナセルユニット9は船舶横断方向を指すインナブレード部品4と共に配置されている。フロント側の2組のジャッキアップ脚部17の間に、2台のナセルユニット9と2基のタービン用タワー部分11’、11”、11”’が配置され、同じものが後ろ側の2組のジャッキアップ脚部17間に配置される。デッキ16のリアエンドには風力タービン用のアウタブレード部品15が4層に積み重ねられる。この配置形態では重量の均等分布を得るために、風力タービンの重量の大部分がデッキ16の中央部分に沿って対称の形に配置される。

図7には、この船舶10が4台のジャッキアップ脚部17しか持たないことで今までとは若干異なる船舶10の配置構造が示されている。ここでは、4台のナセルユニット9が船舶10の前後方向を指したインナブレード部品4を伴って配置される。ナセルユニット9は背中合わせの対の状態で配置され、各タワーユニット14はインナブレード部品4の間に、タワー部分11”、11”’はナセルユニット9後方、デッキ16の中央に夫々配置される。又、アウタブレード部品15はデッキ16のリアエンドに、ここでは2層の状態で配置される。

図8は、図7に示されたものと同じ船舶10を示しているが6基の風力タービン用部品を別の配置構造で搭載させたものである。ナセルユニット9は対をなして背中合わせの状態で配置され、各タワーユニット14はインナブレード部品4の間に配置されるも、ここではインナブレード部品4が船舶10の横断方向を指している。アウタブレード部品15は後方の2台のジャッキアップ脚部17間に配置され、デッキ16のリアエンドにアウタブレード部品15が3層で配置される。

本発明はここで説明した実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲に記載した発明の範囲から逸脱することなく変更したり、改造しても良い。

1 港内エリア 2 組立工場 3 ナセル 4 インナブレード部品 5 輸送車両 6 ブレード装着面 7 ハブ 8 クレーン 9 ナセルとインナブレード部品を有するユニット 10 船舶 11 タワー部分 12 コンテナ 13 タワーの骨組み 14 タワーユニット 15 アウタブレード部品 16 デッキ 17 ジャッキアップ脚部 18 船載クレーン 19 タワー上部 20 ヘリポート 21 ブリッジ

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