浮体式洋上風発電装置の設置工法および撤去工法とその構造

申请号 JP2011066863 申请日 2011-03-25 公开(公告)号 JP5838439B2 公开(公告)日 2016-01-06
申请人 五洋建設株式会社; 清水建設株式会社; 東京電力株式会社; 国立大学法人 東京大学; 发明人 安野 浩一朗; 岡田 英明; 森屋 陽一; 島谷 学; 力石 大彦; 関本 恒浩; 本島 禎二; 嶋田 健司; 清水 勝公; 堀 哲郎; 白枝 哲次; 根尾 景次郎; 福本 幸成; 助川 博之; 石原 孟;
摘要
权利要求

浮体の全部を内部に収納するように上部が全面開口し底部にバラストタンクを設けた有底筒体のシンカーを形成し、該シンカーを海に浮かべた後に浮体を前記シンカーの底部に載置し、前記シンカーと浮体とを係留索で連結し、 前記シンカーを曳航して所定の位置まで移動し、 前記シンカーの有底筒体の内部空間に一次注して当該内部空間を均等に注水して水中に沈降させるとともに前記浮体を浮かせ、 前記シンカーが海底に着底した後に前記バラストタンクに2次注水し、 前記係留索を緊張させて浮体式洋上風発電装置を設置すること、 を特徴とする浮体式洋上風力発電装置の設置工法。シンカーは、閉塞された内部空間をシンカー周縁部に形成して全体として有底筒体に形成されており、浮体を前記有底筒体の内部空間に設置する前に、前記周縁部の内部空間にコンクリートが打設されること、 を特徴とする請求項1に記載の浮体式洋上風力発電装置の設置工法。バラストタンクが、シンカーの中央部に寄せて当該シンカーと係留索との連結部の位置よりも内側に配設されていること、 を特徴とする請求項1または2に記載の浮体式洋上風力発電装置の設置工法。浮体の全部を内部に収納するように上部が全面開口し底部にバラストタンクを設けた有底筒体のシンカーを形成し、該シンカーを海に浮かべた後に浮体を前記シンカーの底部に載置し、前記シンカーと浮体とを係留索で連結して前記シンカーを曳航して所定の設置位置まで移動させ、該シンカーを海底に着底させて浮体式洋上風力発電装置を設置した後、 前記シンカーのバラストタンクの水を該バラストタンクに海上から空気注入することによって一次排水し、 その後、前記係留索で前記シンカーを引き上げ、 前記引き上げられたシンカーの有底筒体の内部空間から水を二次排水して前記浮体の下部を当該シンカーの有底筒体の底部に載置させ、 前記シンカーを船で曳航して前記所定の設置位置から浮体式洋上風力発電装置を撤去すること、 を特徴とする浮体式洋上風力発電装置の撤去工法。

说明书全文

本発明は、洋上の海域に設置される浮体式洋上風発電装置の設置工法および撤去工法とその構造に関するものである。

従来、洋上の海域は、陸上や浅海域に比べて風況が良好であるため、風力発電の立地に適している。そのような洋上に設置される風力発電装置は、経済性等の観点から実績のある着底式よりも浮体式の構造形式の方が有利である。前記浮体式の風力発電施設は、発電時のブレード回転に伴って作用する大きな平力や転倒モーメントに対して十分な安定性を保持するとともに、発電効率が低下しないように浮体の動揺量を極力抑えるようにしている。このような浮体式風力発電施設としては、テンションレグ式があり、風車を支持する中央コラムと外側コラム、それを係留するテンドン(係留索)と、大型のシンカー(錘)装置とから構成されている(特許文献1参照)ものが知られている。

上記テンションレグ式の浮体式風力発電施設は、浮体とシンカーにあらかじめ大きな初期張力を鉛直方向に作用させた状態で係留する方式であるため、緩係留方式よりも浮体の動揺量を低減でき、且つ、比較的占有面積を小さくできる等の利点がある。洋上での構築においては、大型シンカー設置後、ウインチ等の引張装置を用いてテンドンに初期張力を作用させた状態で固定する。テンドンを支えるシンカーは、一般的に大型で大重量の構造となるため、重量を分散させるために分割した構造とする場合が多く(特許文献2参照)、図9に示すような構造が知られている。

特開2010−18129号公報

特開2010−64649号公報

特開2010−115978号公報

従来の浮体式洋上風力発電装置の構造においては、例えば、分割したシンカーでは、図9に示すように、テンドン5の設置度が鉛直となるように、シンカー4,4同士の相対距離を高精度で保持しながらシンカー4を設置しなければならない。しかし、波浪条件の悪い洋上では起重機船などの現有作業船を用いて大型のシンカー4を高い精度で設置するのは困難である。

また、シンカーを沈設させる方法においては、シンカー設置後の浮体とシンカーとの連結、連結後の緊張、などの作業用に別途設備を用意しなければならず、長期の施工期間を要し経済性に欠ける。更に、浮体とシンカーとの位置関係を保ちながらの浮体の固定が困難である。

このほか、シンカーを浮体の上から直接設置する方法が特許文献3に記載のように知られているが、シンカーの重量が大きい場合には設置のシンカー重量を保持するカウンターが不足する可能性がある。また、補助設備には大型の施設が必要となって、経済性に劣るとともに作業時の安全性が低くなる等の課題がある。更に、外洋に設置される浮体式洋上風力発電装置は、落雷や塩害などによりブレードやナセルが損傷して電力供給できなくなる場合があり、早急に交換・修理等する必要があるが、外洋では大型機械やクレーン等の使用が制限されるとともに、船の動揺によって高所作業が危険となり実質的に困難であるという課題がある。本発明に係る浮体式洋上風力発電装置の設置工法および撤去工法とその構造は、このような課題を解決するために提案されたものである。

本発明に係る浮体式洋上風力発電装置の設置工法の上記課題を解決して目的を達成するための要旨は、浮体の全部を内部に収納するように上部が全面開口し底部にバラストタンクを設けた有底筒体のシンカーを形成し、該シンカーを海に浮かべた後に浮体を前記シンカーの底部に載置し、前記シンカーと浮体とを係留索で連結し、前記シンカーを曳航して所定の位置まで移動し、前記シンカーの有底筒体の内部空間に一次注水して当該内部空間を均等に注水して水中に沈降させるとともに前記浮体を浮かせ、前記シンカーが海底に着底した後に前記バラストタンクに2次注水し、前記係留索を緊張させて浮体式洋上風力発電装置を設置することである。

また、前記シンカーは、閉塞された内部空間をシンカー周縁部に形成して全体として有底筒体に形成されており、浮体を有底筒体の内部空間に設置する前に、前記周縁部の内部空間にコンクリートが打設されること、更に前記バラストタンクが、シンカーの中央部に寄せて当該シンカーと係留索との連結部の位置よりも内側に配設されていることを含むものである。

本発明に係る浮体式洋上風力発電装置の撤去工法の要旨は、浮体の全部を内部に収納するように上部が全面開口し底部にバラストタンクを設けた有底筒体のシンカーを形成し、該シンカーを海に浮かべた後に浮体を前記シンカーの底部に載置し、前記シンカーと浮体とを係留索で連結して前記シンカーを曳航して所定の設置位置まで移動させ、該シンカーを海底に着底させて浮体式洋上風力発電装置を設置した後、前記シンカーのバラストタンクの水を該バラストタンクに海上から空気注入することによって一次排水し、その後、前記係留索で前記シンカーを引き上げ、前記引き上げられたシンカーの有底筒体の内部空間から水を二次排水して前記浮体の下部を当該シンカーの有底筒体の底部に載置させ、前記シンカーを船で曳航して前記所定の設置位置から浮体式洋上風力発電装置を撤去することである。

本発明の浮体式洋上風力発電装置の設置工法とその構造によれば、シンカーが浮体の曳航用台船と浮体用錘とに兼用されているので、浮体曳航用の台船等が不要となって便宜であり、コストの低減となる。また、シンカーには、有底筒体の内部に水を注入するだけでよいので、簡易な引張装置で沈設させることができて、錘の運搬及び据え付けが容易となり施工性も向上する。更に、2次注水用のバラストタンクもシンカーの中央部に寄せて設けられるので、当該シンカーの安定性が向上する。また、シンカーの底面には脚部が複数設けられるので、海底面との接触面積が小さくなって、海底面の不陸や凹凸の形状に対応し易くなり、シンカーを安定させて海底に設置できる、等と言う優れた効果を奏するものである。 本発明に係る浮体式洋上風力発電装置の撤去工法により、簡易な作業で確実に且つ容易に撤去作業を行うことができる。

本発明に係る浮体式洋上風力発電装置の構造を示す説明用断面図(A)と、一次注水を行うことを示す使用状態説明図(B)とである。

本発明に係る浮体式洋上風力発電装置に一次注水を行って、沈降する状態の断面図(C)と、着底した状態の説明図(D)とである。

同本発明の浮体式洋上風力発電装置の構造における、1次注水、2次注水によるシンカーの重量変位を示す説明図である。

シンカーの他の実施例を示す説明用の断面図である。

シンカーにおける2次注水用のバラストタンクの他の実施例を示す平面図(A)〜(D)である。

本発明の実施例4に係る浮体式洋上風力発電装置の設置工法を示す説明図(A)〜(C)である。

同本発明の実施例4に係る浮体式洋上風力発電装置の設置工法を示す説明図(A)〜(B)である。

同本発明の実施例4に係る浮体式洋上風力発電装置の設置工法を示す説明図(A)〜(B)である。

本発明に係る浮体式洋上風力発電装置1の撤去工法の手順を示す説明図である。

従来例に係る浮体式洋上風力発電装置1aの概略使用状態を示す説明図である。

本発明に係る浮体式洋上風力発電装置1の構造は、図1−Aに示すように、曳航用台船と浮体用錘とを兼用するシンカーによって実現されるものである。

本発明に係る浮体式洋上風力発電装置1は、図1−A(A)に示すように、発電装置2と、該発電装置2を支持する浮体3と、該浮体3を係留するシンカー4と、前記浮体3に一端部が繋着され他端部が前記シンカー4に繋着され緊張・張設されて前記浮体2の位置及び姿勢を安定させる係留索5とでなるものである。

前記発電装置2は、風車と発電機とで成る。該発電装置2は、中央浮体3aと外側浮体3bとでなる浮体(コラムとも言う)3によって支持される。この浮体3は、前記中央浮体3aと外側浮体3bとが連結部材3cによってトラス状に組み立てられている。

前記シンカー4は、前記浮体3を内部に載置して収納するように有底筒体に形成され、且つ、前記有底筒体の底部4a(図1−B参照)と前記浮体3における外側浮体3bとが係留索(テンドンとも言う)5によって連結されている。このシンカー4は、上部が全面開口した有底筒体に形成されているので、海上においては前記発電装置2及び浮体3をその内部空間4fに設置した状態でも、浮力により浮いており、曳航船6で曳くための係止部(図示せず)が設けられており、更には、有底筒体内部に水を注水するための注水口4d(図1−A(B)参照)が設けられている。なお、浮体式風力発電装置1の撤去時には2次排水される。このように、前記上部が全面開口した有底筒体の内部空間4fの一部が1次注水・2次排水用の容器として使用され、且つ、曳航時に前記浮体3を当該内部空間4fに収納するのである。

前記外側浮体3bには、係留索5を巻き付けておくドラム(図示せず)と、緊張させるセンターホールジャッキ等のジャッキ(図示せず)が設けられている。

前記シンカー4には、図1−Aに示すように、海底の着底時に該シンカー4の安定性を向上させる2次注水用で、浮体式洋上風力発電装置1の撤去時には1次排水されるバラストタンク4bが一つ又は二つ以上設けられている。

更に、前記シンカー4の底面4cには、海底7に向かって突出した脚部8が複数個で垂設されている。この脚部8は、金属製若しくはコンクリート製で矩形状若しくは台形状の形状をしているが、特にこれに限定するものではない。この脚部8は、海底7の不陸に対応させるためのものである。

以上のようにして形成される浮体式洋上風力発電装置1の使用方法を説明する。まず、図1−A(A)に示すように、浮体3などを載置したシンカー4を曳航船6で所定の場所まで曳航する。

次に、図1−A(B)に示すように、シンカー4の有底筒体に設けた注水口4dから水を入れる。図示したように、上部が全面開口された当該有底筒体の内部空間4fに、浮体3が収納され載置された状態のままで1次注水するものである。なお、注水口は、シンカー4の底部4aに設けても良いが、この場合には、止水性に留意して、注入弁等を高精度に開閉しなければならない。これにより、浮力に抗してシンカー4が次第に沈んでいく。

図1−B(A)に示すように、前記シンカー4の内部空間4fに水を入れることで前記浮体3から離隔して海中に沈み、やがて海底7に着底する。シンカー4の底面4cに脚部8があることで、海底7に3箇所若しくは4カ所の脚部8で支持されて、海底7の凹凸形状に影響されずに、シンカー4が水平に保たれる。

図1−B(B)に示すように、更に、2次注水用バラストタンク4bに水を注水することで、シンカー4の安定性が向上する。この2次注水作業は、潜水夫による作業であるが、そのほか、遠隔操作により電磁弁等で注水口を開閉するようにしても良い。この2次注水で、図2に示すように、シンカー4の重量が設計重量となるものである。

前記2次注水用バラストタンク4bは、他の実施例として、図3に示すように、有底筒体の底部4aの中に埋設した構造にすることもできる。また、予め底部4aの空間部を隔壁によって複数個に区画してバラストタンク4b,4b,・・・を形成することもできる。なお、前記隔壁を設ける場合には、当該隔壁に連通孔を設けて各隔室間の水位の調整が不要になるようにする。この底部4aに、シンカー4の中央部に寄せて2次注水用バラストタンク4bを設けることで、このシンカー4を水中に沈設させる際に、シンカー4の中央部に浮力が働きシンカー4の周縁部に連結されたテンドン5でシンカー4の重量を支持するので、多少揺れても安定してシンカー4が支持され沈降するようになる。

このほか、図4(A)〜(D)に示すように、前記2次注水用バラストタンク4bの形状に関して、(1):シンカー4の形状に沿って三角形に配置したもので、シンカー4の内部に埋設した場合(図4(A))、(2):円形状のシンカー4に対して別個のタンクを三角形状に埋設し互いにタンクを連通させた場合(図4(B))、(3):円形状のシンカー4の形状に沿って同様な円形状にして埋設した場合(図4(C))、(4):矩形状のシンカー4の形状に沿って矩形状にして配置した場合(図4(D))のように、種々、態様がある。いずれにしても、前記2次注水用バラストタンク4bは、シンカー4の中央部に近い位置に設けるようにする。また、シンカー4の底部4aに埋設するばかりでなく、底部4aの上に2次注水用バラストタンク4bを設けるようにしても良い。このように、シンカー4は浮体3の曳航用台船と浮体用錘とに兼用されているものである。

本発明の実施例4に係る浮体式洋上風力発電装置の設置工法を図面に沿って説明する。 まず、図5(A)に示すように、浮体3の全部を内部に収納するように上部が全面開口した有底筒体のシンカー4を形成する。該シンカー4は、周縁部の閉塞された内部空間4gを有する金属製体によって、全体として有底筒体に形成されている。金属製体としては、例えば、鋼製である。

また、図5(A)に示すように、浮体3をシンカー4である有底筒体の内部空間4fに設置する前に、前記金属製体の周縁部における閉塞された内部空間4gにコンクリートが打設される。そして、図5(B),(C)に示すように、前記シンカー4を海に浮かべた後に浮体3を前記シンカー4の底部に載置し、前記シンカー4と浮体3とを係留索5で連結しておく。発電装置2を浮体3に結合させ、浮体式洋上風力発電装置1を形成する。

次に、図6(A)に示すように、前記シンカー4を曳船6で曳航して所定の位置まで移 動し、図6(B)に示すように、前記シンカー4の有底筒体の内部空間4fに一次注水する。続いて図7(A)に示すように、前記内部空間4fに均等に1次注水してシンカー4を水中に沈降させるとともに前記浮体3を水中に浮かせる。

図7(B)に示すように、前記シンカー4が海底7に着底した後にバラストタンク4bに2次注水する。前記係留索5を緊張させる。各中央浮体3a、外側浮体3bの傾き調整を行って前記係留索5の調整をする。このようにして浮体式洋上風力発電装置1を設置するものである。

前記浮体式洋上風力発電装置1の撤去工法は、図8で上から下へ順に示すように、前記本発明に係る浮体式洋上風力発電装置1を所定の設置位置まで移動させ、シンカー4を海底に着底させて前記浮体式洋上風力発電装置1を所定の位置に設置した後、前記シンカー4のバラストタンク4bの水を、コンプレッサーを有した曳航船6等で、海上から注入パイプを介し前記バラストタンク4bに空気注入することによって一次排水する。排水側の曳航船6等では、一例として排水パイプに真空ポンプ等を接続して、前記バラストタンク4bの水を排水させる。

その後、前記係留索5をジャッキ等で引くことで前記シンカー4を引き上げ、更に、前記引き上げられたシンカー4の有底筒体の内部空間から水を二次排水して、前記浮体式洋上風力発電装置1における浮体3の下部を当該シンカー4の有底筒体の底部4aに載置させる。そして、前記シンカー4を曳航船6等で内湾の護岸に曳航して前記所定の設置位置から浮体式洋上風力発電装置1を撤去する。その後、内湾の護岸にてブレード等の交換作業等を行うものである。

本発明に係る浮体式洋上風力発電装置の構造は、海や湖沼,河川において浮体物を係留させる装置等に広く適用できるものである。

1 浮体式洋上風力発電装置、 1a 従来の浮体式洋上風力発電装置、 2 発電装置、 3 浮体、 3a 中央浮体、 3b 外側浮体、 3c 連結部材、 4 シンカー、 4a 底部、 4b 2次注水用バラストタンク、4c 底面、 4d 注水口、 4e 側壁、 4f 内部空間、 4g 周縁部の閉塞された内部空間、 5 係留索(テンドン)、 6 曳航船、 7 海底、 8 脚部。

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