発電装置

申请号 JP2015541066 申请日 2013-10-16 公开(公告)号 JP6111339B2 公开(公告)日 2017-04-05
申请人 ヴォッベン プロパティーズ ゲーエムベーハー; WOBBEN PROPERTIES GMBH; 发明人 レール、ヨッヒェン; ホフマン、アレクサンダー;
摘要
权利要求

ナセル(4)と、ナセル(4)内に設けられた発電機(12)と、タワー(2)と、風に対してナセル(4)の向きを調整するアジマス軸受(24)とを備え、アジマス軸受(24)は所定の高さ(H)に設けられ垂直アジマス間隔(26)だけナセル(4)の下方に位置し、ナセル(4)はアジマス間隔(26)と同一長の垂直軸部(20)の上方においてアジマス軸受によって支持され、 アジマス軸受(24)において、ナセル(4)の重心がアジマス軸受(24)の前方に位置することに起因する静的ピッチングモーメント(mSN)による曲げモーメント(My)と、空ロータ(106)に作用する風荷重によるスラストモーメント(mS)との和が最小となるように、アジマス軸受(24)の前記所定の高さ(H)が選択されている、風力発電装置(100)。空力ロータ(106)を含むナセル(4)はアジマス軸受(24)の前方に重心を有し、発電機(12)はアジマス軸受(24)の前方に配置されている、請求項1に記載の風力発電装置(100)。前記静的ピッチングモーメント(mSN)による曲げモーメント(My)と、前記スラストモーメント(mS)の平均値との和が略ゼロである、請求項1または2に記載の風力発電装置(100)。前記スラストモーメント(mS)の平均値の基礎として定格風、および/または風力発電装置(100)の定格動作が用いられる、請求項3に記載の風力発電装置(100)。アジマス間隔(26)、すなわち、ナセル(4)とアジマス軸受(24)との間隔は、略1.5〜5メートル、または、2〜3メートルである、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の風力発電装置(100)。軸部(20)、すなわちナセル(4)のタワー(2)に対する回転運動をもたらすために、軸部(20)上でナセル(4)の向きを変更するとともに、タワー(2)に取り付けられた内歯を有する固定歯車(32)と噛み合う複数のアジマス駆動装置(28)が軸部(20)に固定的に取り付けられている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の風力発電装置(100)。軸部(20)におけるアジマス駆動装置(28)は、それぞれ垂直な回転軸を有し、軸部(20)において円状に、または、等距離に、かつ/または、軸部(20)の外縁部に配置され、少なくとも8個、または、少なくとも10個、もしくは、14個のアジマス駆動装置(28)が使用されている、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の風力発電装置(100)。軸部(20)はアジマス駆動装置(28)を収容する開口部を有する、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の風力発電装置(100)。軸部(20)は外気を風力発電装置(100)に吸引するための少なくとも1つの冷却開口部を有し、少なくとも1つの冷却開口部は外気に含まれる分および/または不純物を遮断する遮断装置および/またはフィルタを有する、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の風力発電装置(100)。請求項1ないし9のいずれか1項に記載の風力発電装置(100)の軸部(20)であって、軸部(20)は略管状、または、円筒状となるように設計されている、軸部(20)。

说明书全文

本発明は、風発電装置および風力発電装置の軸部、ならびに、風力発電装置の設計方法に関する。

風力発電装置は周知であり、風力エネルギーを電気エネルギーに変換する。典型的な風力発電装置はタワーを有し、空力ロータと発電機を含みタワー上に設けられたナセルを有する。風に対してアジマス(ないしヨー角)が調整可能となるように、ナセルは平面内で回転自在にアジマス軸受(ヨー軸受)に対して取り付けられている。

欧州特許第1247021号明細書

かかるタイプのアジマス軸受はナセル全体を支えねばならず、巨大な力に耐える必要がある。構成によっては、かかるタイプのナセルの重量は数百トンにもなる。風力発電装置のロータに対する風圧も、チルトモーメントを生じる負荷に加わるため、アジマス軸受に対してさらなる負荷を及ぼす。

欧州特許第1247021号明細書(特許文献1)には、分割され固定されつつも取り外し可能に取り付けられたスライド要素をアジマス軸受に対して使用して大きいアジマス軸受荷重に対抗することで、スライド支持体を容易に交換可能とすることが記載されている。これは、アジマス軸受の摩耗によって生じる修理コストを削減できることを意味する。しかしながら、これによって、摩耗の原因が取り除かれるわけではない。

本発明の目的は上記問題の少なくとも1つに対処することにある。特に、アジマス軸受荷重を軽減するための解決策が提案されるべきであり、かつ/または、荷重を増加させることのないようなアジマス軸受の代替的な構成が提案されるべきである。また、少なくとも、一つの代替策が提案されるべきである。

本発明の第1の態様によると、ナセルと、ナセル内に設けられた発電機と、タワーと、風に対してナセルの向きを調整するアジマス軸受とを備え、アジマス軸受は所定の高さに設けられ垂直アジマス間隔だけナセルの下方に位置し、ナセルはアジマス間隔と同一長の垂直軸部の上方においてアジマス軸受によって支持される風力発電装置が提供される。アジマス軸受において、ナセルの重心がアジマス軸受の前方に位置することに起因する静的ピッチングモーメントによる曲げモーメントと、空力ロータに作用する風荷重によるスラストモーメントとの和が最小となるように、アジマス軸受の所定の高さが選択されている。 また、本発明の第2の態様によると、上記記載の風力発電装置の軸部であって、軸部は略管状、または円筒状となるように設計されている風力発電装置の軸部が提供される。 さらに、本発明の第3の態様によると、風力発電装置の設計方法であって、風力発電装置のピッチングモーメントの予測値を算出するステップと、風力発電装置の定格動作について、風力発電装置の高さに依存するスラストモーメントの予測値を算出するステップと、ピッチングモーメントとスラストモーメントの和が最小、またはゼロとなる高さ位置を算出するステップと、前記高さ位置をアジマス軸受の位置として決定するステップとを含む、風力圧電装置の設計方法が提供される。

本発明によると、アジマス軸受荷重が軽減される。

高さに依存する曲げモーメントを示す図である。

図1と風力発電装置との関係を概略的に示す図である。

一実施形態に係る風力発電装置の軸部と風力発電装置のナセルの一部を概略的に示す側面図である。

図3とよく類似する実施形態を正面からの断面図として示す。

図3の一断面図を示す。

本発明によると、請求項1に係る風力発電装置が提案される。かかる装置は、発電機を含むナセルと、タワーと、風に対してナセルの向きを調整するアジマス軸受とを備えている。

したがって、アジマス軸受は垂直方向の間隔を伴いつつ、ナセルの下方に位置する。ここでは、この垂直方向の間隔を「アジマス間隔」という。ナセルは、アジマス軸受の上方においてアジマス間隔と同一の長さを有する垂直軸部上に支持される。すなわち、ナセルとアジマス軸受との間に垂直軸部が設けられ、ナセルとアジマス軸受との間にはアジマス間隔が生み出される。

これは、従来の標準的な方法、すなわち、アジマス軸受をタワーの上部に設置し、ナセルをアジマス軸受上に直接搭載する方法とは異なるものである。従来の方法によると、タワー領域、すなわち、タワーの頂部であってナセルよりもわずかに下方に位置する領域におけるナセルカバーは通常十分なものであり、天候の影響からアジマス軸受を保護することができた。また、しばしばこの個所には、タワーとナセルカバーの間の空間(スペース)を介して外気を吸入するための空気流入口が設けられていた。

しかし、今日では、アジマス軸受の領域における特に曲げモーメントまたはチルトモーメントがアジマス軸受に対するより大きい荷重の原因となることが認識されている。アジマス軸受の領域における曲げモーメントおよびチルトモーメントには、2つの特定の理由が考えられる。

第1に、発電機の重量、特に、ロータブレードの重量によりさらに重くなった重量によって、重心はタワーからある距離だけ離れたナセル内に位置する。このことは、風に対する意図した方向に関して、すなわち、風向きから見て理解すべきである。これは、いわゆるピッチングモーメントをもたらす。このピッチングモーメントは、ナセルの重量および重心位置から生じる静的なモーメントである。したがって、動作中の風力発電装置は、風上方向へのピッチングモーメントを有する。

考慮すべき他のモーメントとして、スラストモーメントがある。スラストモーメントは、風力発電装置、特に、ロータブレードに対する風圧によって生じる。スラストモーメントは動的なモーメントであり、風力発電装置の動作、および、特に卓越風に依存する。

スラストモーメントは、考慮中のタワーの高さに依存する。スラストモーメント荷重はタワーの高さとともに減少し、一方、ピッチングモーメントはタワーの高さによらず一定値をとる。これらの2つのモーメントは反対方向であり、すなわち、ピッチングモーメントは風上方向のモーメントとなり、一方、スラストモーメントは風下方向のモーメントとなる。これらの2つのモーメントは互いに干渉し、タワーの頂上ではピッチングモーメントが優勢となり、一方、タワーの下端ではスラストモーメントが支配的となる。したがって、少なくとも理論上、両モーメントが打ち消し合い、または、互いに相殺する領域ないし箇所が存在する。本発明者がアジマス軸受を配置するように提案するのは、まさにこの領域内であり、タワー上のこの高さである。アジマス軸受が発電機とロータブレードを備えたナセルの重量を支持し続けることには変わりはない。しかし、生じ得るチルトモーメントないし曲げモーメントは、風に依存するとはいえ、少なくともタワーの頂上よりも小さくなる。

重心、特に発電機が水平方向に関してアジマス軸受の前方に位置する場合、上述した効果が顕著となる。また、アジマス軸受の前方に位置することは、アジマス軸受の前方かつ上方に位置する場合を含む。言い換えると、発電機は少なくともタワーの頂上の領域においてタワーの前方で自由に支持され、アジマス軸受の前方に自由に支持される。したがって、発電機の領域ではナセルの下方には、基本的に何も存在しない。必要であれば、タワーのベース部において風力発電装置は十分広がっており、タワーの断面が発電機の下方に位置するようにしてもよい。しかし、実施形態に記載するように、ナセルと発電機の全体は、タワーヘッド領域内に配置される。

いずれにせよ、かかるタイプの風力発電装置のナセルについては、アジマス軸受をさらに下方に、理想的にはピッチングモーメントとスラストモーメントが互いに相殺する箇所に搭載することが好ましい。ピッチングモーメントは静的であるため一定値をとる。一方、スラストモーメントは風圧に依存するため、卓越風および風力発電装置の動作状況に依存する。したがって、アジマス軸受におけるチルトモーメントまたは曲げモーメントをつねにゼロに保つことは、残念ながら不可能である。しかしながら、アジマス軸受を適切な位置に配置することによって、アジマス軸受の当該領域におけるチルトモーメントまたは曲げモーメントを最小化することができる。これを実現するために、本発明者は平均スラストモーメント、すなわち、特に平均スラストモーメントの予測値を基礎として使用することを提案する。平均スラストモーメントは、設置場所および発電装置に依存する。しかし、期待される風速範囲と、これに対処するために発電装置をいかに設定すべきかについて、風力発電装置を設置する前に、通常は予測可能である。すなわち、ロータブレードが調整可能であれば、ロータブレードの状態次第である。一方、計算に必要とされるスラストモーメントを、定格風等の所定の風速に基づいて定義してもよい。これを行うには、理想的な定格風に対してスラストモーメントとピッチングモーメントを計算して干渉させる。ここで、干渉はタワーの高さに基づいて評価される。アジマス軸受の設置場所として、干渉によって値がゼロとなる高さ位置が提案される。

なお、かかる方法によると、特定のタイプの風力発電装置について、アジマス軸受に対する一般的な高さ位置を決定することが可能となる。風荷重、すなわちスラストモーメントは、実際、設置場所に依存する。しかしながら、風力発電装置は特定の風の等級に基づいて構成されているため、同一の風の等級に対して基本的には特定のタイプの風力発電装置を使用することができ、一度決定されたアジマス軸受の高さ位置は、かかるタイプのすべての風力発電装置に対して基礎として使用することができる。タワーの高さが異なる同一の風力発電装置であって実質的にタワーの高さのみが異なる対応する風力発電装置のタイプであれば、アジマス軸受の高さはナセルを基準として決定することができる。したがって、アジマス軸受の位置を、特にタワーの全長に依らず、ナセルまでの上述のアジマス間隔によって指定することが提案される。アジマス間隔の好適な値として、2.5m前後の値が計算されている。具体的な境界条件に応じて最適な高さが数cm〜0.5m変化することはあるが、いずれにせよ、これまでの風力発電装置と比較してアジマス軸受の高さを約2.5m下げるだけで有利な効果がもたらされる。したがって、アジマス間隔を2〜3mの範囲で選択することが提案される。いずれにしても、1.5〜5mのアジマス間隔を使用することで有利な効果が得られる。

定格風速(略して「定格風」ともいう。)は、風力発電装置によって定格動作点を設定するために使用される風速であることに留意すべきである。定格風速を下回る風速または上回る風速では、風力発電装置はいわゆる部分負荷運転(Teillastbetrieb)で動作するため、風力発電装置は定格速度または定格電力を有していない。ロータブレードの角度を調整ないしピッチ制御可能なピッチ調整されたシステムでは、一定のロータブレード角度は通常部分的負荷領域に基づいている。定格風速を上回るところでは、風力発電装置は定格速度および/または定格電力で動作するため、定格風速は数学上の動作点にすぎない。ピッチ調整されたシステムでは、風速がより大きくなり、減速ないしシャットダウンする必要が生じるまで、ロータブレードの角度が定格風速を維持するように調整される。上記のコメントは、このような定格風速について述べたものである。しかし、定格風速は典型的には12〜17m/sの範囲にあると仮定することができる。

軸部上でナセルの向きを変更するとともに、軸部を、すなわちナセルをタワーに対して回転運動させるために、タワーに固定された内歯歯車と係合する複数のアジマスモータが軸部に固定式で取り付けられていることが好ましい。本願で提案するようにアジマス軸受を低い位置に設けることにより、アジマス駆動装置またはアジマスモータをこの軸部内で使用してナセルとアジマス軸受との間に間隔を設けることが可能となる。これにより、さらに有利な効果がもたらされる。すなわち、これまでアジマス駆動が配置されていたナセル領域内に、より大きなスペースが生じる。このようにアジマス駆動装置とナセルとの間に間隔を設けることで、ナセル内において全体として電磁両立性(EMC:Electromagnetic Compatibility)を向上させることもできる。すなわち、アジマス駆動装置とナセルとが離間し、ケーブル同士(必要であれば、制御モジュール)の距離が拡がることで、電磁両立性を向上させることが可能となる。必要であれば、アジマス駆動装置の全体的な配置によって、EMC状態を改善することもできる。そこで、本発明者はアジマス駆動装置をできるだけ均一に円状に、特に、等距離、かつ/または、軸部の外縁に配置することを提案する。これにより、アジマス駆動装置がナセル内の電気系統から受ける干渉が減少し、電磁両立性が向上する。

少なくとも8個、特に少なくも10個、好ましくは14個のアジマス駆動装置を使用することが好ましい。第1に、かかる軸部を用いることにより、こうした個数のアジマス駆動装置を導入するとともに、歯車、すなわち、提案された内歯歯車に係合させることが可能となる。これにより、各アジマス駆動装置に分散する荷重を均一にすることが可能となる。従来技術によると、ナセル内に設けられたアジマス駆動装置は、ナセル、すなわち主枠を土台とする構造であるため、アジマス駆動装置を均一に配置する妨げとなっている。提案された方法によると、均一、かつ、アジマス調整に必要とされる力による摩耗が少なくなるように力を分布させることが可能となる。

一実施形態によると、軸部はアジマス駆動装置を収容する開口部を有する。具体的には、各アジマス駆動装置に対して、一方が他方の鉛直上方に位置する2つの開口部が設けられる。開口部のそれぞれに対して、1つのアジマス駆動装置が回転軸方向に挿入され、固定される。このようにして、軸部に対してアジマス駆動装置が準備される。開口部は軸部の外壁近傍に配置されて固定され、外壁が軸部の唯一の壁となるようにすることが好ましい。複数のアジマス駆動装置と複数のアジマス駆動装置に対する壁に固定された複数の開口部を用いることによって、壁に対する均一な取り付けが可能となり、より少ない不均一な固定点を用いた場合と比較して壁を脆弱化させることがない。また、軸部において、アジマス開口部を包含する適当な固定リングをアジマス軸受に対して使用してもよい。

軸部はタワーに対して回転するタワーの延長部またはタワーの一部である。結局、かかる軸部がタワーに配置されているのか、ナセルに配置されているのかは重要ではない。本発明では、軸部(「アジマスモジュール」ともいう。)は別個の要素であると仮定する。アジマスモジュールは、アジマスモジュール上に位置するナセルに固定的に取り付けられている。例えば、フランジ部へのボルト締めによって、取り付けを行ってもよい。いずれにせよ、アジマス軸部は好ましくは別個に製造される別個の要素とすることが提案される。これは、次のことを意味する。すなわち、主枠(ナセルでもよい)がアジマス駆動装置を収容する必要がなくなり、利用可能なより広いスペースを内部に有する場合、ナセルの主枠を製造する工程も簡略化される。

一実施形態によると、軸部と風力発電装置に関して、次の提案がなされる。すなわち、軸部は管状、特に円筒状に形成される。外部形状に関しては、軸部は基本的に円筒部、または、円筒部に対してわずかに円錐形状をなす管状であり、軸部の外径はタワー頂部の断面に対応する。したがって、風力発電装置の外観図または側面図によると、軸部は基本的にタワーの頂部として表される。このように筒状の、特に円筒状の軸部は均一に、かつ、比較的容易に製造することができ、広い円状領域に多数のアジマス駆動装置を配置することができ、アジマス軸受の取り付けにも適する。

他の実施形態によると、軸部は風力発電装置に外気を吸引するための少なくとも1つの冷却開口部を有することが提案される。本発明の軸部によると、通気用の開口部を設けるための十分なスペースがもたらされる。通気用の開口部は、例えば、軸部全体の鋳造工程を用いるか、または、後で取り付けることによって、製造過程で前もって形成しておくことができる。同様に、外気に含まれる水分を遮断し、かつ/または、不純物を除去するための、提案された遮断装置またはフィルタに対するスペースが提供される。したがって、風力発電装置に外気を吸引することが提案される。ここで、別の箇所、例えばナセル内に送風機を設置してもよく、必要であれば、不純物が除去された乾燥した外気をナセルの冷却のために使用してもよい。

この利点は、次のとおりである。すなわち、タワーとナセルカバーの間の環状の隙間に外気を吸引する公知のシステムをこの軸部で使用するために容易に適合させることができる。なぜなら、ナセル領域の冷却のために吸引された外気の転送は、変更を受けないからである。かかる軸部への、したがって、タワーの上部への外気の吸引によると、より温度が高く、より多くの不純物を含む特に地上付近からの空気の吸引を避けることができる。また、これにより、遮断装置を含む通気開口部をナセル内に配置することを回避することもできる。これにより、ナセルの設計の自由度が増し、特に、開口部によってナセルの強度が低下しないことを意味する。

さらに、風力発電装置の設計方法も提案される。この設計方法は、アジマス軸受の鉛直方向の配置を決定することに関連し、特にアジマス軸受とナセル底部との間隔に関連する。第1に、風力発電装置がすでに好適に選択され、特に、風力発電装置の公知のタイプが想定され、アジマス軸受の位置についてのみ改善を図るものと仮定する。この意味では、請求項に記載された風力発電の設計方法は風力発電装置の変更方法であると理解することもできる。本発明によれば、風力発電装置、特に風量発電装置の定格動作に対する高さに依存するスラストモーメントの予測値を決定することが提案される。したがって、スラストモーメントに対する関数または少なくともデータ系列が組み込まれる。これは、例えばシミュレーションを利用して行ってもよいし、既存のシステムが改善される限りにおいて測定値に依拠してもよいし、改善を図るための測定が含まれていてもよい。また、ピッチングモーメントは一定値とみなしてもよい。

一方、予測される非常に広範な動作条件に対して平均スラストモーメントを求めるために、スラストモーメントに関する大規模なデータセットまたは関数曲線を含めるようにしてもよい。さらに、または、その代わりに、どの動作状態が最も頻繁に生じるか、もしくは、最も代表的であるか、または、同等の装置の場合にどの動作状態が生じたかを、予め求めるようにしてもよい。これに基づいて、スラストモーメントを決定してもよい。

このように決定されたピッチングモーメントとスラストモーメントに応じて、または、高さに依存しないピッチングモーメントと高さに依存するスラストモーメントに応じて、ピッチングモーメントとスラストモーメントの和が最小値、すなわちゼロとなる高さ位置を決定し、決定した位置をアジマス軸受に対する高さ位置として使用する高さ位置が、ナセルに対して相対的に表され、すなわち、アジマス軸受からナセルまでのアジマス間隔として表される。したがって、これにより、必要とされる軸部の大きさ、すなわち軸方向の長さが決定される。

<実施形態> 以下では、図面を参照しつつ、例として実施形態を用いて、本発明についてより詳細に説明する。

以下、類似の要素については、類似するものの同一でない実施形態を用いて説明し、全体に関する機能については、同一の参照符号を用いて説明する。

図1は、タワー曲げモーメントMyを高さの関数として示す図である。ここでは、曲げモーメントMyは、タワーコレクティブ(Turmkollective)Myともいう。なお、見やすくするために、横軸の曲げモーメントMyおよび縦軸のタワーの高さを省略した。すなわち、曲げモーメントMyは最大スラストモーメントにより規格化してパーセント(%)で示す。また、高さはタワーの全高により規格化してパーセント(%)で示す。図1は例示であり、直線経路に沿った曲げモーメントMyを示すものである。

明らかなように、または、図示するように、曲げモーメントはタワーのベース部分、すなわち、高さH = 0において最大となる。ここで、曲げモーメントの値は約90%であり、ピッチングモーメントを差し引かねばならないため、スラストモーメントの値が100%に達することはない点に留意されたい。

タワーの頂部、すなわち、H = 100%では、曲げモーメントMyは約- 10%の最小値をとる。ここで、スラストモーメントは約0%であり、静的ピッチングモーメントは約10%(ただし負符号)である。

タワーの高さH = 90%では、図示するように、静的ピッチングモーメントとスラストモーメント(すなわち、スラストによるモーメント)が互いに相殺するため、これらの和はゼロとなる。静的ピッチングモーメントmSNが支配的となる領域は、高さH = 100%の箇所に図示されている。スラストモーメントmSが支配的となる領域は、基本的にはタワーの高さの残りの領域、すなわち、H = 90%よりも明らかに低い高さの領域であり、対応する矢印「スラストによるモーメントmS」で示される。

図1の説明図はH = 90%で曲げモーメントMy = 0となることを示す。しかしながら、これは単なる例示にすぎず、現実的な風力発電装置の具体的な値を反映するものではない。むしろ、これに対応する値は、さらに高いところ、すなわち、H = 95%ないしさらに高いところになるものと期待される。縦軸との交点を明示するため、交点、すなわち、H = 90%において値My = 0となることを図示した。

図1は、無次元化して記載されている。図2は、タワー102、ナセル104、ロータ106、3つのロータブレード108(ただし、1つは非図示)、および、スピナ110を備えた風力発電装置100を示す。図2は、ナセル104の下部において曲げモーメントMyがゼロとなるため、そこにアジマス軸受を配置することが好ましいことを説明するためのものである。なお、図2も少なくとも描画した図については単なる例示にすぎず、値My = 0となる箇所はさらにナセル寄りの上方に位置し、かつ、ナセルの下部に位置する。

図3は、発電機12を有するナセル4の一部の側面図である。ここで、発電機12は外部回転子型(Ausenlaufer)として図示した。発電機12にはロータブレードを備えた空力ロータが取り付けられているが、図3においては図示を省略した。

図3は軸部20を図示するためのものである。軸部20の頂部は環状のナセル接続フランジ22を介してナセル4に接続されており、ナセル4は軸部20上に支持される。軸部20の下部は、アジマス軸受24を介してタワー2に接続されている。なお、図3はタワー2の上部のみを示す。

軸部20の大きさを説明するために、軸部20には人物18が表示されている。ここで、ナセル接続フランジ22からアジマス軸受24までの間隔はアジマス間隔26として示され、図示した例では、人物18との比較から分かるように、アジマス間隔26は約2.5mである。

図示した例において、軸部20には合計14個のアジマス駆動装置28が存在し、断面図において、これらのうちの7個を視認することができる。各アジマス駆動装置28はピニオン(Ritzel)30を有し、噛合部34においてピニオン30は内歯を備えた歯車32と噛み合う。噛合部34、アジマス軸受24、および、ピニオン30と、アジマス駆動装置28の一部を、さらに拡大したスケールで図5に示す。

また、図3は、アジマス駆動装置28が2枚の環状保持板36、38によって支持されることを示す。アジマス駆動装置28は軸部20の外殻40の内面側に沿うように配置され、中間には軸部20を歩き回るための大きなスペースがある。また、2、3の例を挙げるならば、この場所に電気ケーブルやエレベータを設置してもよい。

図4は、図3に示した軸部と非常に類似した軸部20を示す。そこで、図4においても同一の参照符号を使用する。図4の断面図は、発電機12のナセル開口部42への斜視図を示す。さらに、例示を目的として、2つの矩形によって2つの開放スペース44が示されている。これらの開放スペース44は、提案された設計を使用しても、別の取り付けのために使用できる多くのスペースを生み出し得ることを明示するためのものである。これらの開放スペース44は、部分的に軸部20に突き出ている。歩き回るための場所を作るために、床板46を使用してもよい。また、床板46は、その内部を通過して昇るための開口部を有していてもよい。また、軸部20の下部において追加の床板48を使用してもよい。なお、人物18は大きさを示すことのみを目的として描かれている。アジマス軸受は他の設計よりも下方に設けられていることから、開放スペース44はより大きくなっている。

図4の軸部20と図3の軸部20との唯一の相違点は、2枚の床板46、48が例示されている点である。図5は、ピニオン30を有するアジマス駆動装置28と歯車32との噛合部34における接続を説明するためにも役立つ。図4のさらなる説明のために、図3に対する説明も参照されたい。ここでは、アジマスモジュールとも呼ばれる軸部をナセルとタワーの間に配置することが提案される。かかるアジマスモジュールは下端においてアジマス軸受に接続されており、したがってタワーに結合されている。アジマス軸受はナセルの下方において例えば2.5mのアジマス間隔で設置され、従前よりも2.5m低いところに設けられる。

これにより、軸受荷重を削減することができ、または、少なくとも増大することはない。アジマスモジュールは鋳造部品として形成することができ、これによりタワーのコスト削減が可能となる。なお、ナセルのコストは上昇するおそれがある。しかしながら、アジマス駆動装置へのアクセスが良好となり、スペースに関する高い要件または広いスペースが得られる。

アジマス駆動装置に関して提案する配置は、複数使用することができる。また、これらは上からその開口部に設置することができる。かかる軸部またはアジマスモジュールを使用することにより、風力発電装置を建設する際に必要とされるクレーンの高さを低くすることができる。このことは、ナセルがタワー頂部の上に最初に上昇させねばならないプルダウンスカート(heruntergezogene Schurze)を有する場合に正当化される。かくしてアジマスモジュールはナセルに取り付け可能となり、ナセルとアジマスモジュールは丁度導入される高さにまで引き上げるだけでよい。

提案された内歯によると、ピニオンは外歯と比較して歯によってアジマス駆動装置に対してより良く噛み合わされる。なぜなら、内歯を有する歯車はピニオンから遠ざかる代わりにピニオンに向かって屈曲しており、このことはピニオンのより良い噛み合いを可能とするからである。

アジマスモジュールは、ナセル、または、対応するナセル支持部と別個に製造した後、これらに接続することができる。図3および図4に示すナセル4は、ナセル支持部とも呼ばれる。

かくして、開口部を介して軸部に吸引され、さらにナセル内に送られる空気、すなわち、外気がアジマス軸受を通過することを防ぐことができる。なぜなら、空気はアジマス軸受(すなわち、軸受グリース)および駆動装置(すなわち、内歯歯車、および、アジマス駆動装置のピニオン)の上方で吸引されるからである。

特に構造上の理由により、円筒状の軸部において、外気を吸引するためのより良い通気口を提供することが可能となる。また、個々の要素、特に、アジマス駆動装置を個別に試験し易いことも有利となる。なぜなら、ナセルなしの軸部において、これらの要素を単独で試験することができるからである。

実施形態に基づいて提案されるように、タワーに応じて軸部をわずかに円錐形に設計することもできる。この場合、アジマス軸受の辺りにおける軸部の直径は、軸部がナセルに接続する箇所の直径よりもわずかに大きくなる。これにより、当該領域には、アジマス駆動装置に対するさらに広いスペースがもたらされる。また、これにより、アジマス軸受への荷重をより分散させることが可能となる。

風力発電装置の有利な構成に加え、輸送上の利点ももたらされる。なぜなら、アジマスモジュールをナセルと別個に配送し、設置場所でナセルに取り付けることができるからである。 なお、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は、図示した形態に限定することを意図するものではなく、専ら理解を助けるためのものである。 また、本発明において、さらに以下の形態が可能である。 [形態1] ナセル(4)と、ナセル(4)内に設けられた発電機(12)と、タワー(2)と、風に対してナセル(4)の向きを調整するアジマス軸受(24)とを備え、アジマス軸受は垂直アジマス間隔(26)だけナセル(4)の下方に位置し、ナセル(4)はアジマス間隔(26)と同一長の垂直軸部(20)の上方においてアジマス軸受によって支持される、風力発電装置(100)。 [形態2] 空力ロータ(106)を含むナセル(4)はアジマス軸受(24)の前方に重心を有し、特に、発電機(12)はアジマス軸受(24)の前方に配置されている、形態1に記載の風力発電装置(100)。 [形態3] アジマス軸受(24)において、ナセル(4)の重心がアジマス軸受(24)の前方に位置することによる静的ピッチングモーメント(mSN)と、空力ロータ(106)に作用する風荷重による平均スラストモーメント(mS)との和が最小となり、特に平均スラストモーメント(mS)を用いたときの和が略ゼロとなるように、アジマス軸受(24)の高さが選択されている、形態1または2に記載の風力発電装置(100)。 [形態4] 平均スラストモーメント(mS)の基礎として定格風が用いられる、形態1ないし3のいずれか一に記載の風力発電装置(100)。 [形態5] アジマス間隔(26)、すなわち、ナセル(4)とアジマス軸受(24)との間隔は、略1.5〜5メートル、特に、2〜3メートルである、形態1ないし4のいずれか一に記載の風力発電装置(100)。 [形態6] 軸部(20)、すなわちナセル(4)のタワー(2)に対する回転運動をもたらすために、軸部(20)上でナセル(4)の向きを変更するとともに、タワー(2)に取り付けられた内歯を有する固定歯車(32)と噛み合う複数のアジマス駆動装置(28)が軸部(20)に固定的に取り付けられている、形態1ないし5のいずれか一に記載の風力発電装置(100)。 [形態7] 軸部(20)におけるアジマス駆動装置(28)は、それぞれ垂直な回転軸を有し、軸部(20)において円状に、特に等距離に、かつ/または、軸部(20)の外縁部に配置され、少なくとも8個、特に少なくとも10個、好ましくは14個のアジマス駆動装置(28)が使用されている、形態1ないし6のいずれか一に記載の風力発電装置(100)。 [形態8] 軸部(20)はアジマス駆動装置(28)を収容する開口部を有する、形態1ないし7のいずれか一に記載の風力発電装置(100)。 [形態9] 軸部(20)は外気を風力発電装置(100)に吸引するための少なくとも1つの冷却開口部を有し、少なくとも1つの冷却開口部は外気に含まれる水分および/または不純物を遮断する遮断装置および/またはフィルタを有する、形態1ないし8のいずれか一に記載の風力発電装置(100)。 [形態10] 形態1ないし9のいずれか一に記載の風力発電装置(100)の軸部(20)であって、軸部(20)は略管状、特に円筒状となるように設計されている、軸部(20)。 [形態11] 風力発電装置(100)の設計方法であって、 風力発電装置のピッチングモーメント(mSN)の予測値を算出するステップと、 特に風力発電装置(100)の定格動作について、風力発電装置(100)の高さに依存するスラストモーメントの予測値を算出するステップと、 ピッチングモーメント(mSN)とスラストモーメント(mS)の和が最小、特にゼロとなる高さ位置を算出するステップと、 前記高さ位置をアジマス軸受(24)の位置として決定するステップとを含む、設計方法。

2、102 タワー 4、104 ナセル 12 発電機 18 人物 20 垂直軸部(軸部) 22 ナセル接続フランジ 24 アジマス軸受 26 アジマス間隔 28 アジマス駆動装置 30 ピニオン 32 歯車 34 噛合部 36、38 環状保持板 40 外殻 42 ナセル開口部 44 開放スペース 46、48 床板 100 風力発電装置 102 タワー 104 ナセル 106 空力ロータ(ロータ) 108 ロータブレード 110 スピナ

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