ホバー飛行と横風飛行の間で航空車両を移行させる方法およびシステム

申请号 JP2016542858 申请日 2014-09-15 公开(公告)号 JP2016534939A 公开(公告)日 2016-11-10
申请人 グーグル インコーポレイテッド; グーグル インコーポレイテッド; 发明人 チャブ,エリック,クリストファー; リンド,デイモン,ヴァンダー;
摘要 【課題】航空車両を発電飛行のために最適化することである。【解決手段】方法は、航空車両をホバー飛行 配向 で動作させるステップを含むことができる。航空車両は、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するテザーに接続することができ、テザーは、地上局に接続することができる。この方法は、実質的にテザー球上にある第1の 位置 に航空車両を位置決めするステップを含むことができる。この方法は、航空車両を、ホバー飛行配向から前進飛行配向に移行させて、航空車両がテザー球から移動するようにするステップを含むことができる。また、この方法は、航空車両を、前進飛行配向で、実質的にテザー球上にある第2の位置まである上昇 角 で上昇するように動作させるステップを含むことができる。第1および第2の位置は、地上局の実質的に風下にあることがある。【選択図】図1
权利要求

航空車両をホバー飛行配向で動作させるステップであって、前記航空車両が、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するテザーに接続され、前記テザーが、地上局に接続されるステップと、 前記航空車両が前記ホバー飛行配向にあるときに、実質的に前記テザー球上にある第1の位置に前記航空車両を位置決めするステップであって、前記第1の位置が、前記地上局の実質的に風下にあるステップと、 前記航空車両を、前記ホバー飛行配向から前進飛行配向に移行させて、前記航空車両が前記テザー球から移動するようにするステップであって、前記航空車両が付着流を有し、前記テザーの張が低下するステップと、 前記航空車両を、前記前進飛行配向で、実質的に前記テザー球上にある第2の位置まである上昇で上昇するように動作させるステップであって、前記第2の位置が、前記地上局の実質的に風下にあるステップと を含む、方法。前記航空車両が、前記上昇中に付着流を有する、請求項1に記載の方法。前記航空車両を前記前進飛行配向で前記第2の位置まで前記上昇角で上昇するように動作させるステップが、最大上昇角を選択して、前記航空車両が前記上昇中に付着流を有するようにするステップを含む、請求項1に記載の方法。前記航空車両を前記前進飛行配向で前記第2の位置まで前記上昇角で上昇するように動作させるステップが、前記最大上昇角に基づいて前記航空車両のピッチ角を調節するステップを含む、請求項3に記載の方法。前記航空車両を前記前進飛行配向で前記第2の位置まで前記上昇角で上昇するように動作させるステップが、前記最大上昇角に基づいて前記航空車両のスラストを調節するステップを含む、請求項3に記載の方法。前記テザーの前記張力が、前記上昇中に増大する、請求項1に記載の方法。前記航空車両が、全地球測位システム(GPS)受信機を含み、前記航空車両を前記前進飛行配向である上昇角で上昇するように動作させるステップが、前記GPS受信機によって前記航空車両の前記上昇を監視するステップを含む、請求項1に記載の方法。前記航空車両が、少なくとも1つのピトー管を含み、前記航空車両を前記前進飛行配向である上昇角で上昇するように動作させるステップが、前記少なくとも1つのピトー管によって前記上昇中の前記航空車両の迎角または前記航空車両の横滑りを監視するステップを含む、請求項1に記載の方法。前記第2の位置が、前記第1の位置の実質的に風上にある、請求項1に記載の方法。前記テザーが、地面と接触しない、請求項1に記載の方法。前記テザーの底部が、所定の高度より上方に維持される、請求項1に記載の方法。前記航空車両を、前記前進飛行配向から横風飛行配向に移行させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。地上局に接続されたテザーであって、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するテザーと、 前記テザーに接続された航空車両と、 制御システムであって、 前記航空車両をホバー飛行配向で動作させ、 前記航空車両が前記ホバー飛行配向にあるときに、実質的に前記テザー球上にある第1の位置に前記航空車両を位置決めし、ここで、前記第1の位置は、前記地上局の実質的に風下にあり、 前記航空車両を、前記ホバー飛行配向から前進飛行配向に移行させて、前記航空車両が前記テザー球から移動するようにし、ここで、前記航空車両は付着流を有し、前記テザーの張力は低下し、 前記航空車両を、前記前進飛行配向で、実質的に前記テザー球上にある第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させ、ここで、前記第2の位置は、前記地上局の実質的に風下にある ように構成された制御システムと を含む、システム。前記航空車両を前記前進飛行配向で前記第2の位置まで前記上昇角で上昇するように動作させることが、最大上昇角を選択して、前記航空車両が前記上昇中に付着流を有するようにすることを含む、請求項13に記載のシステム。前記航空車両を前記前進飛行配向で前記第2の位置まで前記上昇角で上昇するように動作させることが、前記最大上昇角に基づいて前記航空車両のピッチ角を調節することを含む、請求項13に記載のシステム。前記航空車両を前記前進飛行配向で前記第2の位置まで前記上昇角で上昇するように動作させることが、前記最大上昇角に基づいて前記航空車両のスラストを調節することを含む、請求項13に記載のシステム。前記テザーが、地面と接触しない、請求項13に記載のシステム。前記テザーの底部が、所定の高度より上方に維持される、請求項13に記載のシステム。前記制御システムが、前記航空車両を前記前進飛行配向から横風飛行配向に移行させるようにさらに構成される、請求項13に記載のシステム。航空車両を横風飛行配向で動作させるステップであって、前記航空車両が、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するテザーに接続され、前記テザーが、地上局に接続されるステップと、 前記航空車両が前記横風飛行配向にあるときに、実質的に前記テザー球上にある第1の位置に前記航空車両を位置決めするステップであって、前記第1の位置が、前記地上局の実質的に風下にあるステップと、 前記航空車両を、前記横風飛行配向から前進飛行配向に移行させて、前記航空車両が前記テザー球から移動するようにするステップであって、航空車両が付着流を有し、前記テザーの張力が低下するステップと、 前記航空車両を、前記前進飛行配向で、第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させるステップであって、前記第2の位置が、前記地上局の実質的に風下にあるステップと を含む、方法。

说明书全文

関連出願の相互参照 [0001] 本願は、参照によりその全体を本明細書に組み込む、2013年9月16日出願の米国特許出願第14/028251号の優先権を主張するものである。

[0002] 本明細書で特に指示しない限り、本項に記載する内容は、本願の特許請求の範囲に対する従来技術ではなく、本項に含まれることによって従来技術として承認されるものではない。

[0003] 発電システムは、化学的および/または機械的エネルギー(例えば運動エネルギー)を、公益事業システムなど様々な適用業務のための電気エネルギーに変換することができる。一例として、風エネルギーシステムは、風の運動エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。

[0005] 本明細書では、運動エネルギーから電気エネルギーへの変換を容易にする特定の飛行モード間で航空車両を移行させる方法およびシステムについて述べる。本明細書に記載する実施形態は、航空車両にかかる抗力を低減することができ、これにより航空車両が飛行するためのスラストを低減することができるので有利である。さらに、本明細書に記載する実施形態は、航空車両のスラスト重量比を低下させることを可能にし得る。したがって、モータまたはプロペラなど、航空車両の1つまたは複数の構成要素のサイズを縮小することができ、これにより、航空車両を発電飛行のために最適化することが可能になり得る。

[0006] 1つの態様では、方法は、航空車両をホバー飛行配向で動作させるステップであって、航空車両が、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するテザーに接続され、テザーが、地上局に接続されるステップと、航空車両がホバー飛行配向にあるときに、実質的にテザー球上にある第1の位置に航空車両を位置決めするステップであって、第1の位置が、地上局の実質的に風下にあるステップと、航空車両を、ホバー飛行配向から前進飛行配向に移行させて、航空車両がテザー球から移動するようにするステップであって、航空車両が付着流を有し、テザーの張力が低下するステップと、航空車両を、前進飛行配向で、実質的にテザー球上にある第2の位置まである上昇で上昇するように動作させるステップであって、第2の位置が、地上局の実質的に風下にあるステップとを含み得る。

[0007] 別の態様では、システムは、地上局に接続されたテザーであって、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するテザーと、テザーに接続された航空車両と、航空車両をホバー飛行配向で動作させ、航空車両がホバー飛行配向にあるときに、実質的にテザー球上にある第1の位置に航空車両を位置決めし、ここで、第1の位置は、地上局の実質的に風下にあり、航空車両を、ホバー飛行配向から前進飛行配向に移行させて、航空車両がテザー球から移動するようにし、ここで、航空車両は付着流を有し、テザーの張力は低下し、航空車両を、前進飛行配向で、実質的にテザー球上にある第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させ、ここで、第2の位置は、地上局の実質的に風下にあるように構成された制御システムとを含み得る。

[0008] 別の態様では、方法は、航空車両を横風飛行配向で動作させるステップであって、航空車両が、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するテザーに接続され、テザーが、地上局に接続されるステップと、航空車両が横風飛行配向にあるときに、実質的にテザー球上にある第1の位置に航空車両を位置決めするステップであって、第1の位置が、地上局の実質的に風下にあるステップと、航空車両を、横風飛行配向から前進飛行配向に移行させて、航空車両がテザー球から移動するようにするステップであって、航空車両が付着流を有し、テザーの張力が低下するステップと、航空車両を、前進飛行配向で、第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させるステップであって、第2の位置が、地上局の実質的に風下にあるステップとを含み得る。

[0009] 別の態様では、システムは、航空車両をホバー飛行配向で動作させる手段であって、航空車両が、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するテザーに接続され、テザーが、地上局に接続される手段と、航空車両がホバー飛行配向にあるときに、実質的にテザー球上にある第1の位置に航空車両を位置決めする手段であって、第1の位置が、地上局の実質的に風下にある手段と、航空車両を、ホバー飛行配向から前進飛行配向に移行させて、航空車両がテザー球から移動するようにする手段であって、航空車両が付着流を有し、テザーの張力が低下する手段と、航空車両を、前進飛行配向で、実質的にテザー球上にある第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させる手段であって、第2の位置が、地上局の実質的に風下にある手段とを含み得る。

[0010] さらに別の態様では、システムは、航空車両を横風飛行配向で動作させる手段であって、航空車両が、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するテザーに接続され、テザーが、地上局に接続される手段と、航空車両が横風飛行配向にあるときに、実質的にテザー球上にある第1の位置に航空車両を位置決めする手段であって、第1の位置が、地上局の実質的に風下にある手段と、航空車両を、横風飛行配向から前進飛行配向に移行させて、航空車両がテザー球から移動するようにする手段であって、航空車両が付着流を有し、テザーの張力が低下する手段と、航空車両を、前進飛行配向で、第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させる手段であって、第2の位置が、地上局の実質的に風下にある手段とを含み得る。

[0011] 上記およびその他の態様、利点および代替物は、以下の詳細な説明を適宜添付の図面を参照しながら読めば、当業者には明らかになるであろう。

[0012]実施形態例による空中風力タービン(AWT)を示す図である。

[0013]実施形態例によるAWTの構成要素を示す簡略ブロック図である。

[0014]実施形態例による、航空車両がホバー飛行から横風飛行に移行する一例を示す図である。

実施形態例による、航空車両がホバー飛行から横風飛行に移行する一例を示す図である。


[0015]実施形態例による、上昇角に関するグラフ表現である。

実施形態例による、上昇角に関するグラフ表現である。


実施形態例による、上昇角に関するグラフ表現である。


[0016]実施形態例によるテザー球を示す図である。

実施形態例によるテザー球を示す図である。


[0017]実施形態例による、航空車両が横風飛行からホバー飛行に移行する一例を示す図である。

実施形態例による、航空車両が横風飛行からホバー飛行に移行する一例を示す図である。


実施形態例による、航空車両が横風飛行からホバー飛行に移行する一例を示す図である。


[0018]実施形態例による方法を示す流れ図である。

[0019]実施形態例による別の方法を示す流れ図である。




[0020] 本明細書では、例示的な方法およびシステムについて述べる。本明細書では、「例示的な」という言葉は、「1つの例、1つの場合、または1つの例証の役割を果たす」という意味で使用されていることを理解されたい。本明細書において「例示的な」または「例証的な」として述べられる任意の実施形態または特徴は、必ずしも他の実施形態または特徴よりも好ましい、または有利であるものと解釈すべきではない。さらに一般的に言えば、本明細書に記載する実施形態は、限定を意味するものではない。開示する方法およびシステムの特定の態様は、幅広い様々な構成で配列および結合することができ、それらの様々な構成は全て本明細書で企図されていることは容易に理解されるであろう。


I.概要 [0021] 例証的な実施形態は、空中風力タービン(AWT)などの風力エネルギーシステムで使用することができる航空車両に関する。特に、例証的な実施形態は、航空車両を、運動エネルギーから電気エネルギーへの変換を容易にする特定の飛行モード間で移行させる方法およびシステムに関する、またはそれらの形態を取り得る。


[0022] 背景として、AWTは、実質的に円形の経路など、ある経路で飛行して風の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する航空車両を含むことができる。例証的な実施態様では、航空車両は、テザーを介して地上局に接続することができる。テザーで係留されている間、航空車両は、(i)ある範囲の仰角で実質的に上記の経路に沿って飛行して地上に戻ることができ、かつ(ii)電気エネルギーをテザーを介して地上局に伝送することができる。(いくつかの実施態様では、地上局が、離陸および/または着陸のために航空車両に電気を伝送することもできる。)


[0023] AWTでは、航空車両は、発電に使える風がないときには、地上局内および/または地上局上に休止する(または止まる)ことができる。高度200メートル(m)における風速が毎秒3.5メートル(m/s)になり得るときなど、発電に使える風があるときには、地上局は、航空車両を展開する(または打ち上げる)ことができる。さらに、航空車両が展開されているが、発電に使える風がないときには、航空車両は地上局に戻ることができる。


[0024] さらに、AWTでは、航空車両は、ホバー飛行および横風飛行用に構成することができる。横風飛行は、実質的に円形の動きなど、ある動きで進行するために使用することができるので、電気エネルギーを生成するために使用される一次技術になり得る。ホバー飛行の方は、航空車両が横風飛行に備えて車両自体を準備および位置決めするために使用することができる。特に、航空車両は、少なくとも部分的にはホバー飛行に基づいて、横風飛行の位置まで上昇することもできる。さらに、航空車両は、ホバー飛行によって離陸および/または着陸することもできる。


[0025] ホバー飛行では、航空車両の主翼の翼幅は、実質的に地面と平行に配向することができ、航空車両の1つまたは複数のプロペラによって、航空車両を地面の上方でホバリングさせることができる。いくつかの実施態様では、航空車両は、ホバー飛行で垂直に上昇または下降することができる。


[0026] 横風飛行では、航空車両は、風によって実質的にある経路に沿って推進することができ、これにより、上述のように、風の運動エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。いくつかの実施態様では、航空車両の1つまたは複数のプロペラは、入射風を減速することによって電気エネルギーを生成することができる。


[0027] 航空車両は、(i)航空車両が付着流(例えば定常流および/または無失速状態(これはエーロフォイルからの気流の分離がない状態を指すこともある))を有するとき、および(ii)テザーが引っ張られているときに、横風飛行に入ることができる。さらに、航空車両は、実質的に地上局の風下の位置で横風飛行に入ることができる。


[0028] いくつかの実施態様では、横風飛行中のテザーの張力は、ホバー飛行中のテザーの張力より大きくなり得る。例えば、横風飛行中のテザーの張力は、15キロニュートン(KN)になり得、ホバー飛行中のテザーの張力は1KNになり得る。


[0029] 本明細書に記載する実施形態は、航空車両をホバー飛行から横風飛行に移行させることに関する。例証的な実施態様では、方法は、航空車両をホバー飛行配向から前進飛行配向に移行させること、および航空車両を前進飛行配向で横風飛行の位置まで上昇させるように動作させることを含むことができる。本明細書に記載の実施形態は、横風飛行の位置までの上昇中に車両にかかる抗力を低減することができ、これにより航空車両の電力消費を低減することができるので有利である。さらに、本明細書に記載の実施形態は、航空車両のスラスト重量比を低減することを可能にし得る。したがって、モータまたはプロペラなど、航空車両の1つまたは複数の構成要素のサイズを小さくすることができ、これにより航空車両を発電飛行のために最適化することを可能にし得る。


[0030] さらに、他の実施形態は、航空車両を横風飛行からホバー飛行に移行させることに関することもある。例えば、いくつかの実施態様は、航空車両を横風飛行配向から前進飛行配向に移行させること、および航空車両を前進飛行配向でホバー飛行の位置まで移動させるように動作させることを含むことができる。さらに、いくつかの実施態様は、航空車両を横風飛行配向から前進飛行配向に移行させ、航空車両をホバー飛行の速度まで減速することを含むことができる。このような実施態様は、低い高度で航空車両の速度を急速に低減することによりホバー飛行に入ることを改善することができる。


II.例証的なシステム A.空中風力タービン(AWT) [0031] 図1は、実施形態例によるAWT100を示す図である。具体的には、AWT100は、地上局110、テザー120、および航空車両130を含む。図1に示すように、航空車両130は、テザー120に接続することができ、テザー120は、地上局110に接続することができる。この例では、テザー120は、地上局110には地上局110上の1箇所で取り付けることができ、航空車両130には航空車両130上の2箇所で取り付けることができる。ただし、他の例では、テザー120は、地上局110および/または航空車両130の任意の部分に複数箇所で取り付けることができる。


[0032] 地上局110は、航空車両130が動作モードになるまで、航空車両130を保持および/または支持するために使用することができる。地上局110は、航空車両130を展開することが可能となるようにこのデバイスの再位置決めを可能にするように構成することもできる。さらに、地上局110は、着陸中に航空車両130を受けるように構成することもできる。地上局110は、ホバー飛行、前進飛行、横風飛行時に地上に取り付けられた状態および/またはアンカリングされた状態で航空車両130を適当に保つことができる任意の材料で構成することができる。


[0033] さらに、地上局110は、ウィンチなど、テザー120の長さを変化させることができる1つまたは複数の構成要素(図示せず)を含むことができる。例えば、航空車両130を展開するときに、この1つまたは複数の構成要素は、テザー120を繰り出す、かつ/または巻き出すように構成することができる。いくつかの実施態様では、この1つまたは複数の構成要素は、所定の長さまでテザー120を繰り出す、かつ/または巻き出すように構成することができる。例えば、この所定の長さは、テザー120の最大長さ以下とすることができる。さらに、航空車両130が地上局110に着陸するときには、この1つまたは複数の構成要素は、テザー120を巻き取るように構成することができる。


[0034] テザー120は、航空車両130が生成した電気エネルギーを地上局110に伝送することができる。さらに、テザー120は、離陸、着陸、ホバー飛行および/または前進飛行のために航空車両130に給電するために航空車両130に電気を伝送することもできる。テザー120は、航空車両130が生成した電気エネルギーの伝送、送達および/もしくはハーネシングならびに/または航空車両130への電気の伝送を可能にし得る任意の材料を使用して、任意の形態で構築することができる。テザー120は、航空車両130が動作モードであるときに、航空車両130による1種類または複数種類の力に耐えるように構成することもできる。例えば、テザー120は、航空車両130がホバー飛行、前進飛行および/または横風飛行しているときに航空車両130による1種類または複数種類の力に耐えるように構成されたコアを含むことができる。このコアは、任意の高強度ファイバで構成することができる。いくつかの例では、テザー120は、一定の長さおよび/または可変の長さを有することができる。例えば、このような例の少なくとも1つでは、テザー120は、140メートルの長さを有することがある。


[0035] 航空車両130は、実質的に経路150に沿って飛行して電気エネルギーを生成するように構成することができる。本開示で使用する「実質的に沿って」という表現は、厳密に沿っている状態、および/または厳密に沿っている状態から、本明細書で述べる電気エネルギーの生成および/または本明細書で述べる特定の飛行モード間での航空車両の移行に有意な影響を与えない程度の1箇所もしくは複数箇所のずれがある状態を指す。


[0036] 航空車両130は、特に、凧、ヘリコプタ、翼および/または飛行機など、様々なタイプのデバイスを含む、またはそれらの形態をとることができる。航空車両130は、金属、プラスチックおよび/またはその他のポリマーの固体構造で構成することができる。航空車両130は、高いスラスト重量比および公益事業分野で使用することができる電気エネルギーの生成を可能にする任意の材料で構成することができる。さらに、これらの材料は、風速および風向の大きな、および/または突然の変化に対応することができる可能性がある、耐雷強化された、冗長な、および/またはフォールトトレラントな設計が可能になるように選択することができる。その他の材料も、可能であり得る。


[0037] 経路150は、様々な異なる実施形態で様々な異なる形状にすることができる。例えば、経路150は、実質的に円形にすることができる。そのような例の少なくとも1つでは、経路150は、最大265メートルの半径を有することができる。本開示で使用する「実質的に円形」という表現は、厳密な円形、および/または厳密な円形から本明細書で述べる電気エネルギーの生成に有意な影響を与えない程度の1箇所もしくは複数箇所のずれがある状態を指す。経路150のその他の形状として、楕円形などの長円形、ジェリービーンズ形、8の字形などであってもよい。


[0038] 図1に示すように、航空車両130は、主翼131、前部132、ロータコネクタ133A〜133B、ロータ134A〜134D、テールブーム135、尾翼136および垂直安定板137を含むことができる。これらの構成要素はいずれも、重力に抵抗し、かつ/または航空車両130を前方に移動させるために揚力の成分を使用することを可能にする任意の形状に成形することができる。


[0039] 主翼131は、航空車両130の主揚力を提供することができる。主翼131は、1つまたは複数の剛性または可撓性のエーロフォイルとすることができ、ウィングレット、フラップ、方向、昇降舵など、様々な制御表面を含むことができる。制御表面を使用して、ホバー飛行、前進飛行および/または横風飛行中に、航空車両130を安定させ、かつ/または航空車両130にかかる抗力を低減することができる。


[0040] 主翼131は、航空車両130がホバー飛行、前進飛行および/または横風飛行を行うのに適した任意の材料とすることができる。例えば、主翼131は、炭素繊維および/またはEガラスを含むことができる。さらに、主翼131は、様々な寸法を有することができる。例えば、主翼131は、従来の風力タービンのブレードに対応する寸法を1つまたは複数有することができる。別の例では、主翼131は、8mの翼幅、4平方メートルの面積、および縦横比15を有することができる。前部132は、ノーズなど、飛行中に航空車両130にかかる抗力を低減する1つまたは複数の構成要素を含むことができる。


[0041] ロータコネクタ133A〜133Bは、ロータ134A〜134Dを主翼131に接続することができる。いくつかの例では、ロータコネクタ133A〜133Bは、1つもしくは複数のパイロンの形態をとる、または1つもしくは複数のパイロンに類似した形態とすることができる。この例では、ロータコネクタ133A〜133Bは、ロータ134A〜134Dが主翼131の間で離間するように配置される。対応するロータどうし(例えばロータ134Aとロータ134B、またはロータ134Cとロータ134D)の間の垂直方向の間隔は、0.9メートルとすることができる。


[0042] ロータ134A〜134Dは、電気エネルギーの生成のために1つまたは複数の発電機を駆動するように構成することができる。この例では、ロータ134A〜134Dは、それぞれ、3つのブレードなど、1つまたは複数のブレードを含むことができる。これらの1つまたは複数のロータブレードは、風との相互作用によって回転することができ、これを使用して、上記の1つまたは複数の発電機を駆動することができる。さらに、ロータ134A〜134Dは、飛行中に航空車両130にスラストを提供するように構成することもできる。この構成では、ロータ134A〜134Dは、プロペラなど、1つまたは複数の推進ユニットとして機能することができる。ロータ134A〜134Dは、この例では4つのロータとして示しているが、他の例では、航空車両130は、4つ未満のロータまたは4つ超のロータなど、任意数のロータを含むことができる。


[0043] テールブーム135は、主翼131を尾翼136に接続することができる。テールブーム135は、様々な寸法を有することができる。例えば、テールブーム135は、2メートルの長さを有することができる。さらに、いくつかの実施態様では、テールブーム135は、航空車両130の機体および/または胴体の形態をとることもできる。また、そのような実施態様では、テールブーム135は、ペイロードを担持することができる。


[0044] 尾翼136および/または垂直安定板137を使用して、ホバー飛行、前進飛行および/または横風飛行中に航空車両を安定させ、かつ/または航空車両130にかかる抗力を低減することができる。例えば、尾翼136および/または垂直安定板137を使用して、ホバー飛行、前進飛行および/または横風飛行中に航空車両130のピッチを維持することができる。この例では、垂直安定板137は、テールブーム135に取り付けられ、尾翼136は、垂直安定板137の頂部に位置している。尾翼136は、様々な寸法を有することができる。例えば、尾翼136は、2メートルの長さを有することができる。さらに、いくつかの例では、尾翼136は、表面積0.45平方メートルの表面積を有することができる。さらに、いくつかの例では、尾翼136は、航空車両130の質量中心の1メートル上方に位置づけることができる。


[0045] 上記では航空車両130について説明したが、本明細書に記載する方法およびシステムは、テザー120など任意のテザーに接続された任意の適当な航空車両を含むことができることを理解されたい。


B.AWTの例証的な構成要素 [0046] 図2は、AWT200の構成要素を示す簡略ブロック図である。AWT200は、AWT100の形態をとる、またはAWT100に類似した形態とすることができる。具体的には、AWT200は、地上局210、テザー220および航空車両230を含む。地上局210は、地上局110の形態をとる、または地上局110と類似した形態とすることができ、テザー220は、テザー120の形態をとる、またはテザー120と類似した形態とすることができ、航空車両230は、航空車両130の形態をとる、または航空車両130と類似した形態とすることができる。


[0047] 図2に示すように、地上局210は、1つまたは複数のプロセッサ212、データ記憶装置214およびプログラム命令216を含むことができる。プロセッサ212は、汎用プロセッサであっても、または特殊目的プロセッサ(例えばデジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路など)であってもよい。この1つまたは複数のプロセッサ212は、データ記憶装置214に記憶された、実行すると本明細書に記載する機能の少なくとも一部を実現することができるコンピュータ可読プログラム命令216を実行するように構成することができる。


[0048] データ記憶装置214は、少なくとも1つのプロセッサ212によって読み取る、またはアクセスすることができる1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体を含む、またはそのようなコンピュータ可読記憶媒体の形態をとることができる。この1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体は、光学的、磁気的、有機的またはその他のメモリまたはディスク記憶装置など、その全体または一部を上記の1つまたは複数のプロセッサ212のうちの少なくとも1つと一体化することができる、揮発性および/または不揮発性記憶構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、データ記憶装置214は、単一の物理的デバイス(例えば1つの光学的、磁気的、有機的またはその他のメモリまたはディスク記憶ユニット)を用いて実装することができるが、他の実施形態では、データ記憶装置214は、2つ以上の物理的デバイスを用いて実装することもできる。


[0049] 上記のように、データ記憶装置214は、コンピュータ可読プログラム命令216と、場合によっては地上局210の診断データなどの追加データとを含むことができる。したがって、データ記憶装置214は、本明細書に記載する機能の一部または全てを実行する、または容易にするプログラム命令を含むことができる。


[0050] 別の点では、地上局210は、通信システム218を含むことができる。通信システム218は、地上局210が1つまたは複数のネットワークを介して通信することを可能にする、1つもしくは複数のワイヤレスインタフェースおよび/または1つもしくは複数のワイヤラインインタフェースを含むことができる。このワイヤレスインタフェースは、Bluetooth、WiFi(例えばIEEE802.11プロトコル)、ロングタームエボリューション(LTE)、WiMAX(例えばIEEE802.16標準)、無線周波ID(RFID)プロトコル、近距離場通信(NFC)および/またはその他のワイヤレス通信プロトコルなど、1つまたは複数のワイヤレス通信プロトコルの下での通信を実現することができる。このワイヤラインインタフェースは、ワイヤ、撚り線対、同軸ケーブル、光リンク、光ファイバリンクまたはその他のワイヤラインネットワークとの物理的接続を介して通信する、イーサネットインタフェース、汎用シリアルバス(USB)インタフェースまたはそれに類するインタフェースを含むことができる。地上局210は、通信システム218を介して、航空車両230、他の地上局および/または他のエンティティ(例えば司令センター)と通信することができる。


[0051] 実施形態例では、地上局210は、短距離通信および長距離通信の両方を可能にする通信システム218を含むことができる。例えば、地上局210は、Bluetoothを用いた短距離通信用、およびCDMAプロトコルによる長距離通信用に構成することができる。このような実施形態では、地上局210は、「ホットスポット」として機能するように、あるいは、換言すれば、遠隔のサポートデバイス(例えばテザー220、航空車両230および他の地上局)と、セルラネットワークおよび/またはインターネットなど1つまたは複数のデータネットワークとの間のゲートウェイまたはプロキシとして機能するように構成することができる。このように構成されているので、地上局210は、遠隔のサポートデバイスが普通ならそれ自体では実行することができないようなデータ通信を容易にすることができる。


[0052] 例えば、地上局210は、遠隔デバイスへのWiFi接続を提供し、地上局210が例えばLTEまたは3Gプロトコルの下で接続する可能性があるセルラサービスプロバイダのデータネットワークへのプロキシまたはゲートウェイとして機能することができる。地上局210は、また、遠隔デバイスが普通ならアクセスすることができない可能性がある他の地上局またはコマンドステーションへのプロキシまたはゲートウェイとして機能することもできる。


[0053] さらに、図2に示すように、テザー220は、伝送構成要素222および通信リンク224を含むことができる。伝送構成要素222は、航空車両230から地上局210に電気エネルギーを伝送し、かつ/または地上局210から航空車両230に電気エネルギーを伝送するように構成することができる。伝送構成要素222は、様々な異なる実施形態で様々な異なる形態をとることができる。例えば、伝送構成要素222は、電気を伝送するように構成された1つまたは複数の導体を含むことができる。このような例の少なくとも1つでは、この1つまたは複数の導体は、電流の伝導を可能にするアルミニウムおよび/またはその他の任意の材料を含むことができる。さらに、いくつかの実施態様では、伝送構成要素222は、テザー220のコア(図示せず)を取り囲むことができる。


[0054] 地上局210は、通信リンク224を介して航空車両230と通信することができる。通信リンク224は、双方向とすることができ、1つまたは複数の有線および/またはワイヤレスインタフェースを含むことができる。また、通信リンク224の少なくとも一部を構成する1つまたは複数のルータ、スイッチおよび/またはデバイスもしくはネットワークがあることもある。


[0055] さらに、図2に示すように、航空車両230は、1つまたは複数のセンサ232と、電力システム234と、発電/変換構成要素236と、通信システム238と、1つまたは複数のプロセッサ242と、データ記憶装置244およびプログラム命令246と、制御システム248とを含むことができる。


[0056] センサ232は、様々な異なる実施形態で様々な異なるセンサを含むことができる。例えば、センサ232は、全地球測位システム(GPS)受信機を含むことができる。GPS受信機は、航空車両230のGPS座標など、周知のGPSシステム(全地球航法衛星システム(GNNS)と呼ばれることもある)に特有のデータを提供するように構成することができる。このようなGPSデータをAWT200が利用して、本明細書に記載する様々な機能を実現することができる。


[0057] 別の例として、センサ232は、1つまたは複数のピトー管など、1つまたは複数の風センサを含むことができる。この1つまたは複数の風センサは、見かけの、および/または相対的な風を検出するように構成することができる。このような風データをAWT200が利用して、本明細書に記載する様々な機能を実現することができる。


[0058] さらに別の例として、慣性測定ユニット(IMU)を含むことができる。IMUは、併せて使用して航空車両230の配向を決定することができる加速度計およびジャイロスコープの両方を含むことができる。具体的には、加速度計は地球に対する航空車両230の配向を測定することができ、ジャイロスコープは、航空車両230の中心線などの軸の周りの回転速度を測定する。IMUは、低コストな低電力パッケージで市販されている。例えば、IMUは、小型の微小電気機械システム(MEMS)もしくはナノ電気機械システム(NEMS)の形態をとる、またはこれらを含むことができる。その他のタイプのIMUを利用することもできる。IMUは、加速度計およびジャイロスコープに加えて、より良好に位置を決定する助けとなり得る他のセンサを含むこともできる。このようなセンサの2つの例は、磁力計および圧力センサである。その他の例も、可能である。


[0059] 加速度計およびジャイロスコープは、航空車両230の配向を決定するのに有効であり得るが、わずかな測定誤差が、時間とともに積み重なり、さらに重大な誤差をもたらす恐れがある。しかし、航空車両230の一例は、磁力計を使用して方向を測定することによって、このような誤差を軽減または低減することができる可能性がある。磁力計の1つの例は、正確な機首方位情報を得るための配向に依存しない電子コンパスを実現するために使用することができる、低電力のデジタル3軸磁力計である。ただし、他のタイプの磁力計を利用することもできる。


[0060] 航空車両230は、航空車両230の高度を決定するために使用することができる圧力センサまたは気圧計を含むこともできる。あるいは、音響高度計またはレーダー高度計など他のセンサを使用して、IMUの精度を向上させ、かつ/またはIMUのドリフトを防止する助けとなり得る、高度の指示を提供することもできる。


[0061] 上記のように、航空車両230は、電力システム234を含むことができる。電力システム234は、様々な異なる実施形態で様々な異なる形態をとることができる。例えば、電力システム234は、航空車両230に電力を供給する1つまたは複数のバッテリを含むことができる。いくつかの実施態様では、この1つまたは複数のバッテリは、充電式とすることもでき、各バッテリを、そのバッテリと電源との間の有線接続を介して、および/または内部バッテリに外部時間変動磁場を印加するインダクティブ充電システムおよび/または1つまたは複数のソーラーパネルから集めたエネルギーを使用する充電システムなどのワイヤレス充電システムを介して、充電することができる。


[0062] 別の例としては、電力システム234は、航空車両230に電力を供給する1つまたは複数のモータまたはエンジンを含むことができる。いくつかの実施態様では、この1つまたは複数のモータまたはエンジンは、炭化素系燃料などの燃料によって給電することができる。そのような実施態様では、燃料は、航空車両230に蓄積しておき、配管など1つまたは複数の流体導管を介して1つまたは複数のモータまたはエンジンに送達することができる。いくつかの実施態様では、電力システム234は、その全体または一部を、地上局210上に実装することもできる。


[0063] 上記のように、航空車両230は、発電/変換構成要素236を含むことができる。発電/変換構成要素326は、様々な異なる実施形態で様々な異なる形態をとることができる。例えば、発電/変換構成要素236は、高速の直動発電機など、1つまたは複数の発電機を含むことができる。この構成では、この1つまたは複数の発電機は、ロータ134A〜134Dなど、1つまたは複数のロータによって駆動することができる。このような例の少なくとも1つでは、この1つまたは複数の発電機は、60パーセントを超えることもある利用率で、毎秒11.5メートルの最大定格出力風速で動作することができ、この1つまたは複数の発電機は、40キロワット〜600メガワットの電力を生成することができる。


[0064] さらに、上記のように、航空車両230は、通信システム238を含むことができる。通信システム238は、通信システム218の形態をとる、または通信システム218と類似した形態とすることができる。航空車両230は、通信システム238を介して、地上局210、他の航空車両および/またはその他のエンティティ(例えば司令センター)と通信することができる。


[0065] いくつかの実施態様では、航空車両230は、「ホットスポット」として機能するように、あるいは、換言すれば、遠隔のサポートデバイス(例えば地上局210、テザー220、他の航空車両)と、セルラネットワークおよび/またはインターネットなど1つまたは複数のデータネットワークとの間のゲートウェイまたはプロキシとして機能するように構成することができる。このように構成されているので、航空車両230は、遠隔のサポートデバイスが普通ならそれ自体では実行することができないようなデータ通信を容易にすることができる。


[0066] 例えば、航空車両230は、遠隔デバイスへのWiFi接続を提供し、航空車両230が例えばLTEまたは3Gプロトコルの下で接続する可能性があるセルラサービスプロバイダのデータネットワークへのプロキシまたはゲートウェイとして機能することができる。航空車両230は、また、遠隔デバイスが普通ならアクセスすることができない可能性がある他の航空車両またはコマンドステーションへのプロキシまたはゲートウェイとして機能することもできる。


[0067] 上記のように、航空車両230は、1つまたは複数のプロセッサ242、プログラム命令244およびデータ記憶装置246を含むことができる。この1つまたは複数のプロセッサ242は、データ記憶装置244に記憶された、実行すると本明細書に記載する機能の少なくとも一部を実現することができるコンピュータ可読プログラム命令246を実行するように構成することができる。1つまたは複数のプロセッサ242は、上記の1つまたは複数のプロセッサ212の形態をとる、またはそれらに類似した形態とすることができ、データ記憶装置244は、上記のデータ記憶装置214の形態をとる、またはそれに類似した形態とすることができ、プログラム命令246は、上記のプログラム命令216の形態をとる、またはそれに類似した形態とすることができる。


[0068] さらに、上記のように、航空車両230は、制御システム248を含むことができる。いくつかの実施態様では、制御システム248は、本明細書に記載する1つまたは複数の機能を実行するように構成することができる。制御システム248は、機械的システム、ならびに/またはハードウェア、ファームウェアおよび/もしくはソフトウェアによって実装することができる。1つの例として、制御システム248は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたプログラム命令、およびそれらの命令を実行するプロセッサの形態をとることができる。制御システム248は、その全体またはその一部を、航空車両230、および/または地上局210など航空車両230から遠隔に位置した少なくとも1つのエンティティ上に実装することができる。一般に、制御システム248を実装する方法は、ここの適用分野に応じて様々な方法とすることができる。


[0069] 上記では航空車両230について説明したが、本明細書に記載する方法およびシステムは、テザー230および/またはテザー110などのテザーに接続された任意の適当な航空車両を含むことができることを理解されたい。


C.航空車両のホバー飛行から横風飛行への移行 [0070] 図3aおよび図3bは、実施形態例による、航空車両をホバー飛行から横風飛行に移行させる一例300を示す図である。例300は、全体として、例示的に、図1に関連して上述した航空車両130によって実行されるものとして説明する。例証のために、例300について図3aおよび図3bに示すように一連のアクションで説明するが、例300は、任意数のアクションおよび/またはアクションの組合せで実行することができる。


[0071] 図3aに示すように、航空車両130は、テザー120に接続されており、テザー120は、地上局110に接続されている。地上局110は、地面302上に位置している。さらに、図3に示すように、テザー120は、テザー120が延ばされたときのテザー120の長さなど、テザー120の長さに基づく半径を有するテザー球304を画定する。例300は、テザー球304の一部分304Aの内部、および/または実質的にその上で、実行することができる。本開示で使用する「実質的にその上」という表現は、厳密にその上にある状態、および/または厳密にその上にある状態から、本明細書で述べる特定の飛行モード間での航空車両の移行に有意な影響を与えない程度の1箇所または複数箇所のずれがある状態を指す。


[0072] 例300は、点306において、航空車両130を地上局110からホバー飛行配向で展開することから開始する。この構成では、テザー120を、繰り出す、かつ/または巻き出すことができる。いくつかの実施態様では、航空車両130は、しきい値高度(例えば地面302の上方200メートル超)で、風速がしきい値速度(例えば3.5m/s)を上回ったときに展開することができる。


[0073] さらに、点306では、航空車両130をホバー飛行配向で動作させることができる。航空車両130がホバー飛行配向であるときには、航空車両130は、ホバー飛行を行うことができる。例えば、航空車両がホバー飛行をしているときには、航空車両130は、上昇、下降および/または地面302の上空のホバリングを行うことができる。航空車両130がホバー飛行配向にあるときには、航空車両130の主翼131の翼幅は、地面302に対して実質的に直交するように配向することができる。本開示で使用する「実質的に直交する」という表現は、厳密に直交している状態、および/または厳密に直交している状態から、本明細書で述べる特定の飛行モード間での航空車両の移行に有意な影響を与えない程度の1箇所もしくは複数箇所のずれがある状態を指す。


[0074] 例300では、次いで点308において、航空車両130がホバー飛行配向にある状態で、航空車両130を、実質的にテザー球304上にある第1の位置310に位置決めする。図3aに示すように、第1の位置310は、空中の、地上局110より実質的に風下にあることがある。


[0075] 本開示で使用する「実質的に風下」という表現は、厳密な風下、および/または厳密な風下から、本明細書で述べる特定の飛行モード間での航空車両の移行に有意な影響を与えない程度の1箇所もしくは複数箇所のずれがある状態を指す。


[0076] 例えば、第1の位置310は、地面302と実質的に平行な地上局110から延びる軸に対して、第1の角度をなすことができる。いくつかの実施態様では、第1の角度は、軸に対して30度とすることができる。状況によっては、第1の角度は、方位角と呼ばれることもあり、第1の角度は、軸に対して時計回り方向に15度または軸に対して時計回り方向に345度など、軸に対して時計回り方向に30度の角度と軸に対して時計回り方向に330度の角度との間とすることができる。


[0077] 別の例として、第1の位置310は、軸に対して第2の角度をなすことができる。いくつかの実施態様では、第2の角度は、軸に対して10度とすることができる。状況によっては、第2の角度は、仰角と呼ばれることもあり、第2の角度は、軸から上方に10度の角度と軸から下方に10度の角度との間とすることができる。本開示で使用する「実質的に平行」という表現は、厳密に平行な状態、および/または厳密に平行な状態から、本明細書で述べる特定の飛行モード間での航空車両の移行に有意な影響を与えない程度の1箇所もしくは複数箇所のずれがある状態を指す。


[0078] 点308において、航空車両130は、ホバー飛行配向で加速することができる。例えば、点308で、航空車両130は、最大で毎秒数メートルまで加速することができる。さらに、点308において、テザー120は、様々な異なる実施形態で様々な異なる形態をとることができる。例えば、図3aに示すように、点308で、テザー120を延ばすこともできる。この構成では、テザー120は、懸垂線の構成にすることができる。さらに、点306および点308で、テザー120の底部は、地面302の上方の所定の高度312とすることができる。この構成では、点306および点308で、テザー120は、地面302と接触しないこともある。


[0079] 例300では、次いで点314において、航空車両130をホバー飛行配向から前進飛行配向に移行させて、航空車両130がテザー球304から移動するようにする。図3bに示すように、航空車両130は、テザー球304から、地上局110寄りの位置(テザー球304の内部と呼ぶこともある)に移動することができる。


[0080] 航空車両130が前進飛行配向にあるときには、航空車両130は、前進飛行(飛行機のような飛行と呼ぶこともある)を行うことができる。例えば、航空車両130が前進飛行を行っているときに、航空車両130は、上昇することができる。航空車両130の前進飛行配向は、水平飛行している固定翼航空機(例えば飛行機)の配向の形態をとることができる。いくつかの例では、ホバー飛行配向から前進飛行配向に航空車両130を移行させることが、前方へのピッチングなどの飛行操作を含むことがある。そのような例では、この飛行操作は、1秒未満など、ある時間期間内に実行することができる。


[0081] 点314で、航空車両130は、付着流を実現することができる。さらに、点314では、テザー120の張力を低下させることができる。この構成では、点314におけるテザー120の曲率は、点308におけるテザー120の曲率より大きくすることができる。1つの例として、点314において、テザー120の張力は、500ニュートン(N)など、1KN未満とすることができる。


[0082] 例300では、次いで、1つまたは複数の点318で、航空車両を、前進飛行配向で、実質的にテザー球304の上の第2の位置320まで上昇角AA1で上昇するように動作させる。図3bに示すように、航空車両130は、1つまたは複数の点318におけるこの上昇中に、経路316に実質的に沿って飛行することができる。この例では、1つまたは複数の点318を、3つの点、すなわち点318A、点318Bおよび点318Cとして示している。ただし、他の例では、1つまたは複数の点318は、3つ未満または3つ超の点を含むこともできる。


[0083] いくつかの例では、上昇角AA1は、経路316と地面302との間の角度とすることができる。さらに、経路316は、様々な異なる実施形態で様々な異なる形態をとることができる。例えば、経路316は、テザー球304の弦などの線分とすることができる。


[0084] いくつかの実施態様では、航空車両130は、上昇中に付着流を有することができる。さらに、そのような実施態様では、航空車両130の1つまたは複数の制御表面の有効性を維持することができる。さらに、そのような実施態様では、例300は、最大上昇角を選択して、航空車両130が上昇中に付着流を有するようにすることを含むことがある。さらに、そのような実施態様では、例300は、最大上昇角に基づいて航空車両130のピッチ角を調節すること、および/または最大上昇角に基づいて航空車両130のスラストを調節することを含むことがある。いくつかの例では、航空車両130のスラストを調節するのに、航空車両130のロータ134A〜134Dのうちの1つまたは複数の差動スラスティングを使用することを含むことがある。ピッチ角は、航空車両130と、地面302に対して実質的に直交する垂直軸との間の角度とすることができる。


[0085] 図3bに示すように、点314では、航空車両130は、速度V31およびピッチ角PA31を有することができ、点318Aでは、航空車両130は、速度V32およびピッチ角PA32を有することができ、点318Bでは、航空車両130は、速度V33およびピッチ角PA33を有することができ、点318Cでは、航空車両130は、速度V34およびピッチ角PA34を有することができる。


[0086] いくつかの実施態様では、上昇角AA1は、点318Aの前に選択することができる。この構成では、ピッチ角PA31および/またはピッチ角PA32は、上昇角AA1に基づいて選択することができる。さらに、いくつかの例では、ピッチ角PA32、ピッチ角PA33および/またはピッチ角PA34は、ピッチ角PA31と等しくすることができる。ただし、他の例では、ピッチ角PA31、PA32、PA33および/またはPA34は、互いに異なっていてもよい。例えば、ピッチ角PA31は、ピッチ角PA32、PA33および/またはPA34より大きくても、または小さくてもよいし、ピッチ角PA32は、ピッチ角PA33、PA34および/またはPA31より大きくても、または小さくてもよいし、ピッチ角PA33は、ピッチ角PA34、PA31および/またはPA32より大きくても、または小さくてもよいし、ピッチ角PA34は、ピッチ角PA31、PA32および/またはPA33より大きくても、または小さくてもよい。さらに、ピッチ角PA33および/またはPA34は、上昇中に選択および/または調節することもできる。さらに、ピッチ角PA31および/またはPA32は、上昇中に調節することができる。


[0087] さらに、いくつかの実施態様では、速度V31および/または速度V32は、上昇角AA1に基づいて選択することができる。さらに、いくつかの例では、速度V32、速度V33および速度V34は、速度V31と等しくすることができる。ただし、他の例では、速度V31、V32、V33およびV34は、互いに異なっていてもよい。例えば、速度V34は、速度V33より大きくすることができ、速度V33は、速度V32より大きくすることができ、速度V32は、速度V31より大きくすることができる。さらに、速度V31、V32、V33および/またはV34は、上昇中に選択および/または調節することができる。


[0088] いくつかの実施態様では、速度V31、V32、V33および/またはV34のうちのいずれかまたは全ては、航空車両130の最大(またはフル)スロットルに対応する速度とすることができる。さらに、いくつかの実施態様では、速度V32で、航空車両130は、前進飛行配向で上昇することができる。さらに、速度V32で、上昇角AA1を収束させることができる。


[0089] 図3bに示すように、第2の位置320は、空中の、地上局110の実質的に風下とすることができる。第2の位置320は、第1の位置310を地上局110に対して配向することができるのと同様に、地上局110に対して配向することができる。


[0090] 例えば、第2の位置320は、地面302と実質的に平行な地上局110から延びる軸に対して、第1の角度をなすことができる。いくつかの実施態様では、第1の角度は、軸に対して30度とすることができる。状況によっては、第1の角度は、方位角と呼ばれることもあり、この角度は、軸に対して時計回り方向に15度または軸に対して時計回り方向に345度など、軸に対して時計回り方向に30度の角度と軸に対して時計回り方向に330度の角度との間とすることができる。


[0091] さらに、図3bに示すように、第2の位置320は、第1の位置310の実質的に風上にすることもできる。本開示で使用する「実質的に風上」という表現は、厳密な風上、および/または厳密な風上から、本明細書で述べる特定の飛行モード間での航空車両の移行に有意な影響を与えない程度の1箇所もしくは複数箇所のずれがある状態を指す。


[0092] 1つまたは複数の点318では、テザー120の張力は、上昇中に増大する可能性がある。例えば、点318Cにおけるテザー120の張力は、点318Bにおけるテザー120の張力より大きい可能性があり、点318Bにおけるテザー120の張力は、点318Aにおけるテザー120の張力より大きい可能性がある。さらに、点318Aにおけるテザー120の張力は、点314におけるテザー120の張力より大きい可能性がある。


[0093] この構成では、テザー120の曲率は、上昇中に減少する可能性がある。例えば、点318Cにおけるテザー120の曲率は、点318Bにおけるテザーの曲率より小さい可能性があり、点318Bにおけるテザー120の曲率は、点318Aにおけるテザーの曲率より小さい可能性がある。さらに、いくつかの例では、点318Aにおけるテザー120の曲率が、点314におけるテザー120の曲率より小さい可能性がある。


[0094] さらに、いくつかの例では、航空車両130がGPS受信機を含むときには、航空車両130を前進飛行配向である上昇角で上昇するように動作させることが、GPS受信機によって航空車両130の上昇を監視することを含むこともある。そのような構成では、上昇中の航空車両130の軌道の制御を改善することができる。その結果として、経路316の1つまたは複数の部分および/または点に追従する航空車両130の能力を改善することができる。


[0095] さらに、いくつかの例では、航空車両130が少なくとも1つのピトー管を含むときには、航空車両130を前進飛行配向である上昇角で上昇するように動作させることが、この少なくとも1つのピトー管によって、上昇中の航空車両130の迎角または航空車両130の横滑りを監視することを含むことがある。このような構成では、上昇中の航空車両の軌道の制御を改善することができる。その結果として、経路316の1つまたは複数の部分および/または点に追従する航空車両130の能力を改善することができる。迎角は、航空車両130の機体軸と見かけの風ベクトルとの間の角度とすることができる。さらに、横滑りは、航空車両130の機首方位に対して実質的に直交する方向と見かけの風ベクトルとの間との間の角度とすることができる。


[0096] 例300では、次いで点322において、航空車両130を前進飛行配向から横風飛行配向に移行させる。いくつかの例では、航空車両130の前進飛行配向から横風飛行配向への移行は、飛行操作を含むことがある。


[0097] 航空車両130が横風飛行配向にあるときには、航空車両130は、横風飛行を行うことができる。例えば、航空車両130が横風飛行をしているときには、航空車両130は、経路150などの経路に実質的に沿って飛行して、電気エネルギーを生成することができる。いくつかの実施態様では、横風飛行中に、航空車両130の自然の横揺れおよび/または偏揺れが起こることもある。


[0098] 図3bに示すように、点314〜322では、テザー120の底部は、地面302の上方の所定の高度324とすることができる。この構成では、点314〜322で、テザー120は、地面302と接触しないこともある。いくつかの例では、所定の高度324は、所定の高度312より低いこともある。いくつかの実施態様では、所定の高度324は、地上局110の高さの半分より高いこともある。少なくとも1つのそのような実施態様では、所定の高度324は、6メートルとすることができる。


[0099] したがって、例300は、テザー120が地面302と接触しないこともあるように実行することができる。このような構成では、テザー120の機械的結着性を改善することができる。例えば、テザー120が、地面302上に位置する物体に引っ掛かる(または絡む)ことがない可能性がある。別の例として、テザー球304が水体(例えば海洋、海、湖、河川など)の上方に位置するときには、テザー120が水に浸からない可能性がある。さらに、このような構成では、地上局110の付近(例えばテザー球304の一部分304A内)にいる1人または複数の人の安全を改善することができる。


[00100] さらに、例300は、テザー120の底部が所定の高度324より上方に維持されるように実行することができる。このような構成では、テザー120の機械的結着性を本明細書に記載するように改善することができ、かつ/または地上局110の付近(例えばテザー球304の一部分304A内)にいる1人または複数の人の安全を改善することができる。


[00101] さらに、点306〜322に対応する1つまたは複数のアクションは、様々な異なる実施形態で様々な異なる時間期間に実行することができる。例えば、点306に対応する1つまたは複数のアクションは、第1の時間期間に実行することができ、点308に対応する1つまたは複数のアクションは、第2の時間期間に実行することができ、点314に対応する1つまたは複数のアクションは、第3の時間期間に実行することができ、点318Aに対応する1つまたは複数のアクションは、第4の時間期間に実行することができ、点318Bに対応する1つまたは複数のアクションは、第5の時間期間に実行することができ、点318Cに対応する1つまたは複数のアクションは、第6の時間期間に実行することができ、点322に対応する1つまたは複数のアクションは、第7の時間期間に実行することができる。ただし、他の例では、点306〜322に対応する1つまたは複数のアクションのうちの少なくとも一部は、同時に実行することもできる。


[00102] 図4a〜図4cは、実施形態例による、上昇角に関するグラフ表現である。具体的には、図4aは、グラフ表現402であり、図4bは、グラフ表現404であり、図4cは、グラフ表現406である。グラフ表現402、404および406はそれぞれ、例300に基づくことができる。


[00103] さらに詳細には、図4a〜図4cでは、航空車両をホバー飛行から横風飛行に移行させる例における航空車両は、1.3のスラスト重量比(T/W)と、数式3+(CL2/eARπ)に等しい抗力係数(CD)とを有することができ、ここで、CLは、揚力係数、eは、航空車両の翼幅効率、ARは、航空車両の縦横比である。ただし、他の例では、本明細書に記載する航空車両は、1.2を超えるスラスト重量比など、様々なその他のスラスト重量比を有することができる。さらに、他の例では、本明細書に記載する航空車両は、0.1〜0.2の間のCDの値など、様々な他のCDの値を有することができる。


[00104] 上記のように、図4aは、グラフ表現402である。具体的には、グラフ表現402は、対気速度に対する航空車両の上昇角を示している。グラフ表現402では、上昇角は、度の単位で測定することができ、対気速度は、m/sの単位で測定することができる。図4aに示すように、グラフ表現402上の点402Aは、例300における1つまたは複数の点318におけるような、上昇中に付着流を得るための航空車両の最大上昇角を表すことができる。グラフ表現402では、最大上昇角は、約65度とすることができ、この最大上昇角に対応する対気速度は、約11m/sとすることができる。


[00105] さらに、上記のように、図4bは、グラフ表現404である。具体的には、グラフ表現404は、航空車両のCLに対する航空車両の上昇角を示している。グラフ表現404では、上昇角は、度の単位で測定することができ、CLは、測定単位のない値とすることができる。図4bに示すように、グラフ表現404上の点404Aは、例300における1つまたは複数の点318におけるような、上昇中に付着流を得るための航空車両の最大上昇角を表すことができる。グラフ表現404では、最大上昇角は、約65度とすることができ、この最大上昇角に対応するCLは、約0.7とすることができる。


[00106] さらに、上記のように、図4cは、グラフ表現406である。具体的には、グラフ表現406は、航空車両の速度の第2の成分に対する航空車両の速度の第1の成分を示している。グラフ表現406では、航空車両の速度の第1および第2の成分は、m/sの単位で測定することができる。いくつかの例では、航空車両の速度の第1の成分は、地面と実質的に平行な方向のものとすることができる。さらに、いくつかの例では、航空車両の速度の第2の成分は、地面に対して実質的に直交する方向のものとすることができる。


[00107] 図4cに示すように、グラフ表現406上の点406Aは、例300における1つまたは複数の点318におけるような、航空車両が上昇中に付着流を得るための最大上昇角であるときの航空車両の速度の第1および第2の成分を表すことができる。グラフ表現406では、最大上昇角に対応する航空車両の速度の第1の成分は、約5m/sとすることができ、最大上昇角に対応する航空車両の速度の第2の成分は、約10.25m/sとすることができる。


[00108] 図5aおよび図5bは、実施形態例による、テザー球504を示す図である。具体的には、テザー球504は、テザー520を延ばしたときのテザー520の長さなど、テザー520の長さに基づく半径を有する。図5aおよび図5bに示すように、テザー520は、地上局510に接続されており、地上局510は、地面502乗に位置している。さらに、図5aおよび図5bに示すように、相対風503が、テザー球504と接触する。図5aおよび図5bでは、地面502より上方のテザー球504の一部分のみを示している。この部分は、テザー球504の半分として説明することができる。


[00109] 地面502は、地面302の形態をとる、または地面302と類似した形態とすることができ、テザー球504は、テザー球304の形態をとる、またはテザー球304と類似した形態とすることができ、地上局510は、地上局110および/もしくは地上局210の形態をとる、または地上局110および/もしくは地上局210と類似した形態とすることができ、かつテザー520は、テザー120および/もしくはテザー220の形態をとる、またはテザー120および/もしくはテザー220と類似した形態とすることができる。


[00110] 本明細書に記載する航空車両のホバー飛行と横風飛行との間の移行の例は、テザー球504の第1の部分504Aの中、および/または実質的にその上で実行することができる。図5aおよび図5bに示すように、テザー球504の第1の部分504Aは、地上局510の実質的に風下にある。第1の部分504Aは、テザー球504の4分の1と表現することもできる。テザー球504の第1の部分504Aは、テザー球304の一部分304Aの形態をとる、またはテザー球304の一部分304Aと類似した形態とすることができる。


[00111] さらに、本明細書に記載する航空車両のホバー飛行と横風飛行との間の移行の例は、テザー球504の第1の部分504Aの中および/または上の様々な位置で実行することができる。例えば、図5aに示すように、航空車両がホバー飛行配向にあるときには、航空車両は、実質的にテザー球504の第1の部分504Aの上の点508に位置決めすることができる。


[00112] さらに、図5bに示すように、航空車両がホバー飛行配向から前進飛行配向に移行するときに、航空車両は、テザー球504の第1の部分504Aの内側の点514に位置決めすることもできる。さらに、図5bに示すように、航空車両が前進飛行配向で、実質的にテザー球504の第1の部分504Aの上の点518まで上昇するときに、航空車両は、経路516を辿ることができる。経路516は、様々な形状の形態をとることができる。例えば、経路516は、テザー球504の弦などの線分とすることができる。その他の形状および/または形状のタイプも可能である。


[00113] 点508は、例300における点308に対応することができ、点514は、例300における点314に対応することができ、点518は、例300における点318Cに対応することができ、経路516は、経路316の形態をとる、または経路316に類似した形態とすることができる。


[00114] さらに、本開示によれば、点508および点518は、実質的にテザー球504の第1の部分504Aの上にある様々な位置に位置することができ、点514は、テザー球504の第1の部分504Aの内部の様々な位置に位置することができる。


D.航空車両の横風飛行からホバー飛行への移行 [00115] 図6a〜図6cは、実施形態例による、航空車両を横風飛行からホバー飛行に移行させる一例600を示す図である。例600は、全体として、例示的に、図1に関連して上述した航空車両130によって実行されるものとして説明する。例証のために、例600について図6a〜図6cに示すように航空車両130の一連のアクションで説明するが、例600は、任意数のアクションおよび/またはアクションの組合せで実行することができる。


[00116] 図6aに示すように、航空車両130は、テザー120に接続されており、テザー120は、地上局110に接続されている。地上局110は、地面302上に位置している。さらに、図6aに示すように、テザー120は、テザー球304を画定する。例600は、テザー球304の一部分304Aの内部、および/または実質的にその上で、実行することができる。


[00117] 例600は、点606において、航空車両130を横風飛行配向で動作させることから開始する。航空車両が横風飛行配向にあるときには、航空車両130は、横風飛行を行うことができる。さらに、点606で、テザー120を延ばすことができる。


[00118] 例600では、次いで点608において、航空車両130が横風飛行配向にある間に、航空車両130を、実質的にテザー球304上の第1の位置610に位置決めする。(いくつかの例では、第1の位置610は、第3の位置と呼ぶこともある。)図6aに示すように、第1の位置610は、空中の、地上局110より実質的に風下にあることがある。第1の位置610は、第1の位置310の形態をとる、または第1の位置310と類似した形態とすることができる。ただし、いくつかの例では、第1の位置610は、第1の位置310の高度より高い高度を有することもある。


[00119] 例えば、第1の位置610は、地面302と実質的に平行な軸に対して、第1の角度をなすことができる。いくつかの実施態様では、この角度は、軸に対して30度とすることができる。状況によっては、第1の角度は、方位角と呼ばれることもあり、第1の角度は、軸に対して時計回り方向に15度または軸に対して時計回り方向に345度など、軸に対して時計回り方向に30度の角度と軸に対して時計回り方向に330度の角度との間とすることができる。


[00120] さらに、点606および点608において、テザー120の底部は、地面302の上方の所定の高度612とすることができる。この構成では、点606および点608で、テザー120は、地面302と接触しないこともある。所定の高度612は、所定の高度312より高い、所定の高度312より低い、および/または所定の高度312と等しいことがある。


[00121] 例600では、次いで点614において、航空車両を横風飛行配向から前進飛行配向に移行させて、航空車両130がテザー球304から移動するようにする。図6bに示すように、航空車両130は、テザー球304から、地上局110寄りの位置に移動することができる。


[00122] 航空車両130が前進飛行配向にあるときには、航空車両は、前進飛行を行うことができる。いくつかの例では、横風飛行配向から前進飛行配向に航空車両130を移行させることが、前方へのピッチングなどの飛行操作を含むことがある。さらに、そのような例では、この飛行操作は、1秒未満など、ある時間期間内に実行することができる。


[00123] 点614で、航空車両130は、付着流を実現することができる。さらに、点314では、テザー120の張力を低下させることができる。この構成では、点614におけるテザー120の曲率は、点608におけるテザー120の曲率より大きくすることができる。


[00124] 例600では、次いで、1つまたは複数の点618で、航空車両130を、前進飛行配向で、第2の位置620まで上昇角AA2で上昇するように動作させる。(いくつかの例では、第2の位置620は、第4の位置と呼ばれることもある。)図6bに示すように、航空車両130は、1つまたは複数の点618におけるこの上昇中に、経路616に実質的に沿って飛行することができる。この例では、1つまたは複数の点618を、2つの点、すなわち点618Aおよび点618Bとして示している。ただし、他の例では、1つまたは複数の点618は、2つ未満または2つ超の点を含むこともできる。


[00125] いくつかの例では、上昇角AA2は、経路618と地面302との間の角度とすることができる。さらに、経路616は、様々な異なる実施形態で様々な異なる形態をとることができる。例えば、経路616は、テザー球304の弦などの線分とすることができる。他の形状および/または形状のタイプも可能である。上昇角AA2は、上昇角AA1の形態をとる、または上昇角AA1に類似した形態とすることができ、経路616は、経路316の形態をとる、または経路316に類似した形態とすることができる。


[00126] いくつかの実施態様では、1つまたは複数の点618において、航空車両130は、航空車両130のロータ134A〜134Dによって提供されるスラストが実質的にない状態で上昇することができる。この構成では、航空車両130は、上昇中に減速することがある。例えば、1つまたは複数の点618において、航空車両130のロータ134A〜134Dを遮断することができる。本開示で使用する「実質的にない」という表現は、厳密に存在しない状態、および/または厳密に存在しない状態から、本明細書に記載する特定の飛行モード間での移行に有意な影響を与えない程度の1つもしくは複数のずれがある状態を指す。


[00127] さらに、いくつかの実施態様では、航空車両130は、上昇中に付着流を有することができる。また、そのような実施態様では、航空車両130の1つまたは複数の制御表面の有効性を維持することができる。さらに、そのような実施態様では、例600は、最大上昇角を選択して、航空車両130が上昇中に付着流を有するようにすることを含むことがある。さらに、そのような実施態様では、例600は、最大上昇角に基づいて航空車両130のピッチ角を調節すること、および/または最大上昇角に基づいて航空車両130のスラストを調節することを含むことがある。いくつかの例では、航空車両130のスラストを調節するのに、航空車両130のロータ134A〜134Dのうちの1つまたは複数の差動スラスティングを使用することを含むことがある。


[00128] 図6bに示すように、点614では、航空車両130は、速度V61およびピッチ角PA61を有することができ、点618Aでは、航空車両130は、速度V62およびピッチ角PA62を有することができ、点618Bでは、航空車両130は、速度V63およびピッチ角PA63を有することができる。


[00129] いくつかの実施態様では、上昇角AA2は、点618Aの前に選択することができる。この構成では、ピッチ角PA61および/またはピッチ角PA62は、上昇角AA2に基づいて選択することができる。さらに、いくつかの例では、ピッチ角PA62およびピッチ角PA63は、ピッチ角PA61と等しくすることができる。ただし、他の例では、ピッチ角PA61、PA62およびPA63は、互いに異なっていてもよい。例えば、ピッチ角PA61は、ピッチ角PA62および/またはPA63より大きくても、または小さくてもよいし、ピッチ角PA62は、ピッチ角PA63および/またはPA61より大きくても、または小さくてもよいし、ピッチ角PA63は、ピッチ角PA61および/またはPA62より大きくても、または小さくてもよい。さらに、ピッチ角PA63は、上昇中に選択および/または調節することもできる。さらに、ピッチ角PA61および/またはPA62は、上昇中に調節することができる。


[00130] さらに、いくつかの実施態様では、速度V61および/または速度V62は、上昇角AA2に基づいて選択することができる。さらに、いくつかの例では、速度V62および速度V63は、速度V61と等しくすることができる。ただし、他の例では、速度V61、V62、V63は、互いに異なっていてもよい。例えば、速度V63は、速度V62より小さくすることができ、速度V62は、速度V61より小さくすることができる。さらに、速度V61、V62およびV63は、上昇中に選択および/または調節することができる。


[00131] いくつかの実施態様では、速度V61、V62および/またはV64のうちのいずれかは、航空車両130の最小スロットル(またはスロットル無し)に対応する速度とすることができる。さらに、いくつかの実施態様では、速度V62で、航空車両130は、前進飛行配向で上昇することができる。さらに、速度V62で、上昇角AA2を収束させることができる。図6に示すように、第2の位置320は、空中の、地上局110の実質的に風下とすることができる。第2の位置620は、第1の位置610を地上局110に対して配向することができるのと同様に、地上局110に対して配向することができる。


[00132] 例えば、第1の位置610は、地面302と実質的に平行な軸に対して、第1の角度をなすことができる。いくつかの実施態様では、この角度は、軸に対して30度とすることができる。状況によっては、第1の角度は、方位角と呼ばれることもあり、第1の角度は、軸に対して時計回り方向に15度または軸に対して時計回り方向に345度など、軸に対して時計回り方向に30度の角度と軸に対して時計回り方向に330度の角度との間とすることができる。


[00133] 別の例として、第1の位置610は、軸に対して第2の角度をなすこともできる。いくつかの実施態様では、第2の角度は、軸に対して10度とすることができる。状況によっては、第2の角度は、仰角と呼ばれることもあり、第2の角度は、軸から上方に10度の角度と軸から下方に10度の角度との間とすることができる。


[00134] 1つまたは複数の点618では、テザー120の張力は、上昇中に増大する可能性がある。例えば、点618Bにおけるテザー120の張力は、点618Aにおけるテザー120の張力より大きい可能性があり、点618Aにおけるテザー120の張力は、点614におけるテザー120の張力より大きい可能性がある。


[00135] この構成では、テザー120の曲率は、上昇中に減少する可能性がある。例えば、点618Bにおけるテザー120の曲率は、点618Aにおけるテザー120の曲率より小さい可能性がある。さらに、点618Aにおけるテザー120の曲率は、点614におけるテザー120の曲率より小さい可能性がある。


[00136] さらに、いくつかの例では、航空車両130がGPS受信機を含むときには、航空車両130を前進飛行配向である上昇角で上昇するように動作させることが、GPS受信機によって航空車両130の上昇を監視することを含むこともある。そのような構成では、上昇中の航空車両130の軌道の制御を改善することができる。その結果として、1つまたは複数の部分および/または経路616の部分に追従する航空車両130の能力を改善することができる。


[00137] さらに、いくつかの例では、航空車両130が少なくとも1つのピトー管を含むときには、航空車両130を前進飛行配向である上昇角で上昇するように動作させることが、この少なくとも1つのピトー管によって、上昇中の航空車両130の迎角または航空車両130の横滑りを監視することを含むことがある。このような構成では、上昇中の航空車両130の軌道の制御を改善することができる。その結果として、経路616の1つまたは複数の部分および/または点に追従する航空車両の能力を改善することができる。


[00138] さらに、図6bに示すように、点614および点618では、テザー120の底部は、地面302の上方の所定の高度624とすることができる。この構成では、点614および点618で、テザー120は、地面302と接触しないこともある。いくつかの例では、所定の高度624は、所定の高度612より低いこともある。また、所定の高度624は、所定の高度324より高い、所定の高度324より低い、および/または所定の高度324と等しいこともある。いくつかの実施態様では、所定の高度624は、地上局110の高さの半分より高いこともある。また、少なくとも1つのそのような実施態様では、所定の高度624は、6メートルとすることができる。


[00139] 例600では、次いで点622で、航空車両130を前進飛行配向からホバー飛行配向に移行させる。いくつかの例では、航空車両130の前進飛行配向からホバー飛行配向への移行は、飛行操作を含むことがある。さらに、航空車両130の前進飛行配向からホバー飛行配向への移行は、航空車両130が15m/sなどのしきい値速度を有するときに起こることもある。いくつかの実施態様では、航空車両130の前進飛行配向からホバー飛行配向への移行は、速度V63が15m/sであるときに起こることもある。さらに、点622において、テザー120の張力は、点618Bにおけるテザーの張力より大きいことがある。


[00140] 前進飛行配向からホバー飛行配向への移行中に、航空車両130は、第3の位置624に位置決めすることができる(いくつかの例では、第3の位置624は、第5の位置と呼ばれることもある)。図6cに示すように、第3の位置624は、空中の、地上局110の実質的に風下とすることができる。いくつかの実施態様では、第3の位置624は、第2の位置620と同じまたは同様の位置とすることができる。第3の位置624が実質的にテザー球304上にないときには、点622の後で、航空車両130は、実質的にテザー球304上にある第4の位置(図示せず)まで風に吹かれることがある。


[00141] さらに、図6cに示すように、点622において、テザー120の底部は、地面302の上方の所定の高度626とすることができる。この構成では、点626において、テザー120は、地面302と接触しないこともある。いくつかの例では、所定の高度626は、所定の高度612および/または所定の高度624より高いこともある。


[00142] したがって、例600は、テザー120が地面302と接触しないこともあるように実行することができる。このような構成では、テザー120の機械的結着性を改善することができる。例えば、テザー120が、地面302上に位置する物体に引っ掛かる(または絡む)ことがない可能性がある。別の例として、テザー球304が本明細書に記載する水体の上方に位置するときには、テザー120が水に浸からない可能性がある。さらに、このような構成では、地上局110の付近(例えばテザー球304の一部分304A内)にいる1人または複数の人の安全を改善することができる。


[00143] さらに、例600は、テザー120の底部が所定の高度624より上方に維持されるように実行することができる。このような構成では、テザー120の機械的結着性を本明細書に記載するように改善することができ、かつ/または地上局の付近にいる1人または複数の人の安全を改善することができる。


[00144] さらに、点606〜622に対応する1つまたは複数のアクションは、様々な異なる実施形態で様々な異なる時間期間に実行することができる。例えば、点606に対応する1つまたは複数のアクションは、第1の時間期間に実行することができ、点608に対応する1つまたは複数のアクションは、第2の時間期間に実行することができ、点614に対応する1つまたは複数のアクションは、第3の時間期間に実行することができ、点618Aに対応する1つまたは複数のアクションは、第4の時間期間に実行することができ、点618Bに対応する1つまたは複数のアクションは、第5の時間期間に実行することができ、かつ点622に対応する1つまたは複数のアクションは、第7の時間期間に実行することができる。ただし、他の例では、点606〜622に対応する1つまたは複数のアクションのうちの少なくとも一部は、同時に実行することもできる。


[00145] 上記では、図6a〜図6cを参照して例600について説明したが、本開示によれば、点608および点622は、実質的にテザー球304の一部分304Aの上にある様々な位置に生じることができ、点614および1つまたは複数の点618は、テザー球の一部分304Aの内側の様々な位置に生じることができる。


III.例証的な方法 A.ホバー飛行から横風飛行 [00146] 図7は、実施形態例による方法700を示す流れ図である。方法700は、航空車両をホバー飛行から横風飛行に移行させる際に使用することができる。方法700などの例証的な方法は、その全体または一部を、図1に示す航空車両130、図2に示す航空車両230、図1に示す地上局110および図2に示す地上局210の1つまたは複数の構成要素など、航空車両の1つまたは複数の構成要素によって実行することができる。例えば、方法700は、制御システム248によって実行することができる。簡略にするために、方法700は、概略的に航空車両130および/または航空車両230などの航空車両によって実行されるものとして説明することができる。ただし、方法700などの方法例は、本開示の範囲を逸脱することなく、その他のエンティティまたはエンティティの組合せによって実行することもできることを理解されたい。


[00147] ブロック702に示すように、方法700は、航空車両をホバー飛行配向で動作させることを含み、航空車両は、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するテザーに接続され、テザーは、地上局に接続されている。ブロック702で、航空車両は、図3aを参照して説明したように航空車両130を点306で動作させることができるのと同じ、またはそれと類似した方法で、動作させることができる。


[00148] ブロック704に示すように、方法700は、航空車両がホバー飛行配向であるときに、航空車両を実質的にテザー球上にある第1の位置に位置決めすることを含み、ここで、第1の位置は、地上局の実質的に風下にある。ブロック704では、航空車両は、図3aを参照して説明したように航空車両130を点308で位置決めすることができるのと同じ、またはそれと類似した方法で、位置決めすることができる。


[00149] ブロック706に示すように、方法700は、航空車両をホバー飛行配向から前進飛行配向に移行させて、航空車両がテザー球から移動するようにすることを含み、ここで、航空車両は付着流を有し、テザーの張力は低下する。ブロック706では、航空車両は、図3bを参照して説明したように航空車両130を点314で移行させることができるのと同じ、またはそれと類似した方法で、移行させることができる。


[00150] ブロック708に示すように、方法700は、航空車両を、前進飛行配向で、実質的にテザー球上にある第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させることを含み、ここで、第2の位置は、地上局の実質的に風下にある。ブロック708では、航空車両は、図3bを参照して説明したように航空車両130を点318で動作させることができるのと同じ、またはそれと類似した方法で、動作させることができる。


[00151] 例えば、いくつかの実施形態では、航空車両は、上昇中に付着流を有することができる。さらに、いくつかの実施形態では、航空車両を前進飛行配向で第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させることが、最大上昇角を選択して、航空車両が上昇中に付着流を有するようにすることを含むことがある。また、少なくとも1つのそのような実施形態では、航空車両を前進飛行配向で第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させることが、最大上昇角に基づいて航空車両のピッチ角を調節することを含むことがある。さらに、少なくとも1つのそのような実施形態では、航空車両を前進飛行配向で第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させることが、最大上昇角に基づいて航空車両のスラストを調節することを含むことがある。さらに、少なくとも1つのそのような実施形態では、航空車両を前進飛行配向で第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させることが、航空車両の最大スロットルに対応する速度で航空車両を動作させることを含むことがある。


[00152] さらに、いくつかの実施形態では、テザーの張力は、上昇中に増大する可能性がある。さらに、いくつかの実施形態では、航空車両がGPS受信機を含むときには、航空車両を前進飛行配向である上昇角で上昇するように動作させることが、GPS受信機によって航空車両の上昇を監視することを含むこともある。


[00153] さらに、いくつかの実施形態では、航空車両が少なくとも1つのピトー管を含むときには、航空車両を前進飛行配向である上昇角で上昇するように動作させることが、この少なくとも1つのピトー管によって、上昇中の航空車両の迎角または航空車両の横滑りを監視することを含むことがある。さらに、いくつかの実施形態では、第2の位置が、第1の位置の実質的に風上にあることがある。


[00154] さらに、いくつかの実施形態では、方法700は、テザーが地面と接触しないように実行することができる。さらに、いくつかの実施形態では、方法700は、テザーの底部が所定の高度より上方に維持されるように実行することができる。


[00155] さらに、いくつかの実施形態では、方法700は、航空車両を前進飛行配向から横風飛行配向に移行させることをさらに含むこともある。少なくとも1つのそのような実施形態では、航空車両は、図3bを参照して説明したように航空車両130を点322で移行させることができるのと同じ、またはそれと類似した方法で、移行させることができる。


[00156] また、いくつかの実施形態では、方法700は、航空車両を、ホバー飛行配向で地上局から展開することをさらに含むこともある。少なくとも1つのそのような実施形態では、航空車両は、図3aを参照して説明したように航空車両130を点306で展開することができるのと同じ、またはそれと類似した方法で、展開することができる。


B.横風飛行からホバー飛行 [00157] 図8は、実施形態例による方法800を示す流れ図である。方法800は、航空車両を横風飛行からホバー飛行に移行させる際に使用することができる。方法800などの例証的な方法は、その全体または一部を、図1に示す航空車両130、図2に示す航空車両230、図1に示す地上局110および図2に示す地上局210の1つまたは複数の構成要素など、航空車両の1つまたは複数の構成要素によって実行することができる。例えば、方法800は、制御システム248によって実行することができる。簡略にするために、方法800は、概略的に航空車両130および/または航空車両230などの航空車両によって実行されるものとして説明することができる。ただし、方法800などの方法例は、本開示の範囲を逸脱することなく、その他のエンティティまたはエンティティの組合せによって実行することもできることを理解されたい。


[00158] ブロック802に示すように、方法800は、航空車両を横風飛行配向で動作させることを含み、航空車両は、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するテザーに接続され、テザーは、地上局に接続されている。ブロック802で、航空車両は、図6aを参照して説明したように航空車両130を点606で動作させることができるのと同じ、またはそれと類似した方法で、動作させることができる。


[00159] ブロック804に示すように、方法800は、航空車両が横風飛行配向であるときに、航空車両を実質的にテザー球上にある第1の位置に位置決めすることを含み、ここで、第1の位置は、地上局の実質的に風下にある。ブロック804では、航空車両は、図6aを参照して説明したように航空車両130を点608で位置決めすることができるのと同じ、またはそれと類似した方法で、位置決めすることができる。


[00160] ブロック806に示すように、方法800は、航空車両を横風飛行配向から前進飛行配向に移行させて、航空車両がテザー球から移動するようにすることを含み、ここで、航空車両は付着流を有し、テザーの張力は低下する。ブロック806では、航空車両は、図6bを参照して説明したように航空車両130を点614で移行させることができるのと同じ、またはそれと類似した方法で、移行させることができる。


[00161] ブロック808に示すように、方法800は、航空車両を、前進飛行配向で、第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させることを含み、ここで、第2の位置は、地上局の実質的に風下にある。ブロック808では、航空車両は、図6bを参照して説明したように航空車両130を1つまたは複数の点618で動作させることができるのと同じ、またはそれと類似した方法で、動作させることができる。


[00162] 例えば、いくつかの実施形態では、航空車両は、上昇中に付着流を有することができる。さらに、いくつかの実施形態では、航空車両を前進飛行配向で第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させることが、最大上昇角を選択して、航空車両が上昇中に付着流を有するようにすることを含むことがある。また、少なくとも1つのそのような実施形態では、航空車両を前進飛行配向で第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させることが、最大上昇角に基づいて航空車両のピッチ角を調節することを含むことがある。さらに、少なくとも1つのそのような実施形態では、航空車両を前進飛行配向で第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させることが、最大上昇角に基づいて航空車両のスラストを調節することを含むことがある。さらに、少なくとも1つのそのような実施形態では、航空車両を前進飛行配向で第2の位置まである上昇角で上昇するように動作させることが、実質的にスラストのない状態で航空車両を動作させることを含むことがある。


[00163] さらに、いくつかの実施形態では、テザーの張力は、上昇中に増大する可能性がある。さらに、いくつかの実施形態では、航空車両がGPS受信機を含むときには、航空車両を前進飛行配向である上昇角で上昇するように動作させることが、GPS受信機によって航空車両の上昇を監視することを含むこともある。


[00164] さらに、いくつかの実施形態では、航空車両が少なくとも1つのピトー管を含むときには、航空車両を前進飛行配向である上昇角で上昇するように動作させることが、この少なくとも1つのピトー管によって、上昇中の航空車両の迎角または航空車両の横滑りを監視することを含むことがある。さらに、いくつかの実施形態では、第2の位置が、第1の位置の実質的に風上にあることがある。


[00165] さらに、いくつかの実施形態では、方法800は、テザーが地面と接触しないように実行することができる。さらに、いくつかの実施形態では、方法800は、テザーの底部が所定の高度より上方に維持されるように実行することができる。


[00166] また、いくつかの実施形態では、方法800は、航空車両を前進飛行配向からホバー飛行配向に移行させることをさらに含むこともある。少なくとも1つのそのような実施形態では、航空車両は、図6cを参照して説明したように航空車両130を点622で移行させることができるのと同じ、またはそれと類似した方法で、移行させることができる。


VI.結論 [00167] 図面に示す具体的な構成は、限定的なものと見なすべきではない。他の実施形態では、所与の図面に示す各要素を、図示の数より多く、または少なく含むことができることを理解されたい。さらに、図示の要素のいくつかは、結合または省略することができる。さらに、例示的な実施形態は、図面に示していない要素を含むこともできる。


[00168] さらに、様々な態様および実施形態を本明細書に開示したが、その他の態様および実施形態も、当業者には明らかになるであろう。本明細書に開示した様々な態様および実施形態は、例証を目的としたものであり、限定のためのものではなく、厳密な範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。本明細書に提示する主題の趣旨または範囲を逸脱することなく、他の実施形態を利用することもでき、また他の変更を加えることもできる。概略的に本明細書に記載し、図面に示した本開示の態様は、幅広い様々な構成で配列し、代用し、組み合わせ、分離し、かつ設計することができ、これらの様々な構成は全て、本明細書で企図されているものである。



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