排気システム

申请号 JP2016575170 申请日 2014-06-26 公开(公告)号 JP2017520713A 公开(公告)日 2017-07-27
申请人 ボルボトラックコーポレーション; 发明人 アンダースン,レナルト; アンダースン,アーン; マルドベルク,ペーター;
摘要 【課題】本発明は、排気流(80)を搬送する装置(17)と、排気流(80)から熱を回収するように排気流搬送装置(17)に接続された熱 力 学エンジン(1)を備える排気システム(100)を開示する。【解決手段】熱力学エンジン(1)は、作動 流体 循環回路(11)を備える。排気システムは、作動流体循環回路(11)と排気流搬送装置(17)との間に接続されると共に作動流体循環回路(11)から排気流搬送装置(17)に作動流体を放出する少なくとも1つの作動流体放出手段(24)を備える。排気流搬送装置(17)は、少なくとも1つの排気後処理ユニット(20)を備える。さらに作動流体放出手段(24)は、排気後処理ユニット(20)の上流側に接続されるか、又は排気後処理ユニット(20)に直接接続されている。【選択図】図3
权利要求

排気流(80)を搬送する装置(17)と、 前記排気流(80)から熱を回収するように前記排気流搬送装置(17)に接続された熱学エンジン(1)と、 を備えた排気システム(100、200)であって、 前記熱力学エンジン(1)は、作動流体循環回路(11)を備え、 前記排気システムは、前記作動流体循環回路(11)と前記排気流搬送装置(17)との間に接続されると共に前記作動流体を前記作動流体循環回路(11)から前記排気流搬送装置(17)に放出する少なくとも1つの作動流体放出手段(24、25、27)を備え、 前記排気流搬送装置(17)が、少なくとも1つの排気後処理ユニット(20)を備えていること、及び、前記作動流体放出手段(24、25、33)が、前記排気後処理ユニット(20)の上流側に接続されるか、又は前記排気後処理ユニット(20)に直接接続されていること、 を特徴とする、排気システム(100、200)。前記排気後処理ユニット(20)は、アンモニアを使用して排気のNOx量を低減する選択的触媒還元ユニット(SCR)によって構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の排気システム(100、200)。前記熱力学エンジン(1)が、前記作動流体循環回路(11)内に配置された凝縮装置(10)を備えていること、及び、前記作動流体放出手段(25、27)が、その気体側にて前記凝縮装置(10)に接続されていること、を特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の排気システム(100、200)。前記熱力学エンジン(1)は、前記作動流体を加熱して液相作動流体を気相作動流体に変換する加熱装置(4、6)を更に備えていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。前記熱力学エンジン(1)の前記加熱装置(4、6)は、前記排気流(80)内に配置されると共に前記熱力学エンジン(1)の前記排気流と前記作動流体との間で熱交換を行う熱交換器によって構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の排気システム(100、200)。前記熱力学エンジン(1)の前記加熱装置(4)は、前記排気流内において前記排気後処理ユニット(20)の下流側に配置されていることを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の排気システム(100、200)。前記作動流体放出手段(24、25、27)は、前記加熱装置(6)の下流側及び前記凝縮装置(10)における気液界面の上流側にて前記作動流体回路(11)に接続されていることを特徴とする、請求項3及び請求項4〜6のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。前記熱力学エンジン(1)が、前記作動流体を循環させるポンプ装置(2)と、前記気相作動流体の熱エネルギーを運動エネルギーに変換するエキスパンダ装置(8)と、を更に備えていること、及び、前記凝縮装置(10)が、前記気相作動流体を冷却して前記液相作動流体に変換するように前記エキスパンダ装置(8)の下流側に配置されていること、を特徴とする、請求項3及び請求項4〜請求項7のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。前記作動流体放出手段(24、25、27)は、接続ダクト(28、29、31)と、前記接続ダクト(28、29、31)の開放及び閉鎖の少なくとも一方を制御する少なくとも1つの放出弁(26、27、33)と、を備えていることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。前記排気システム(100、200)は、前記放出弁(26、27)の開放及び閉鎖の少なくとも一方を実行するように前記放出弁(26,27)に対して動作可能に接続された制御ユニット(110)を備えていることを特徴とする、請求項9に記載の排気システム(100、200)。前記排気システム(100、200)が、前記作動流体回路(11)内に配置された少なくとも1つの圧力検出器(102)を備えていること、及び、前記制御ユニット(110)が、検出された圧力に応じて前記放出弁(26、27)の開放及び閉鎖の少なくとも一方を制御するように前記圧力検出器(102)に対して動作可能に接続されていること、を特徴とする、請求項10に記載の排気システム(100、200)。前記圧力検出器(102)は、前記加熱装置(6)の下流側及び前記凝縮装置(10)における気液界面の上流側に配置されていることを特徴とする、請求項2、請求項4、及び請求項11に記載の排気システム(100、200)。前記制御ユニット(110)は、前記圧力検出器(102)によって圧力閾値を超える圧力が検出された場合、前記放出弁(26、27)を開放するように構成されていることを特徴とする、請求項11又は請求項12に記載の排気システム(100、200)。前記排気システム(100)が、前記作動流体回路(11)内の空気を検出する少なくとも1つの空気センサ(104)を備えていること、及び、前記制御ユニット(110)が、前記作動流体回路(11)内における空気の蓄積を検出すると前記弁(26、27)を開放するように前記空気センサ(104)に対して動作可能に接続されていること、を特徴とする、請求項10〜請求項13のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。前記排気システム(100)は、前記弁(26、27)の開放及び閉鎖の少なくとも一方を手動で制御するように前記制御ユニット(100)に接続された手動で動作可能な手段(106)を備えていることを特徴とする、請求項10〜請求項14のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。前記排気システム(100)は、前記作動流体回路(11)に流体的に接続されると共に液体作動流体を貯留する作動流体貯留タンク(30、40)を備えていることを特徴とする、請求項1〜請求項15のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。前記作動流体貯留タンク(30、40)は、前記作動流体回路(11)の低圧側にて流体的に接続されていることを特徴とする、請求項16に記載の排気システム(100、200)。前記熱力学エンジン(1)が、前記作動流体循環回路(11)内に配置された凝縮装置(10)を備えていること、及び、前記作動流体貯留タンク(30)が、前記凝縮装置(10)の下流側及び前記加熱装置(4)の上流側にて前記作動流体回路(11)に接続されていること、を特徴とする、請求項17に記載の排気システム(100、200)。前記作動流体貯留タンク(40)は、前記作動流体回路(11)の高圧側にて流体的に接続されていることを特徴とする、請求項16に記載の排気システム(100、200)。前記排気システム(100、200)は、前記作動流体貯留タンク(30、40)と前記作動流体回路(11)との間で作動流体の流れを制御するように構成された作動流体貯留タンク弁(33、35、42、46)を備えていることを特徴とする、請求項16〜請求項19のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。前記排気システム(100、200)が、制御ユニット(120)を備えていること、及び、前記作動流体貯留タンク弁(33、35、42、46)が、前記作動流体回路(11)内で大気圧よりも低い圧力が検出された場合に開放されるように、前記制御ユニット(120)に接続されていること、を特徴とする、請求項20に記載の排気システム(100、200)。前記作動流体は、アンモニア等の不凍成分及びエタノール等のアルコールの少なくとも一方を備えていることを特徴とする、請求項1〜請求項21のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。熱力学エンジン(1)を備えた排気システム(300)であって、 前記熱力学エンジン(1)は、作動流体循環回路(11)を備え、 作動流体は、不凍成分を備え、 前記排気システム(300)は、前記不凍成分のための少なくとも1つの容器(50、60、70)であって、前記作動流体回路(11)内の前記作動流体の前記不凍成分の濃度を調整するように前記作動流体回路(11)に流体的に接続された少なくとも1つの容器(50、60、70)を備えていることを特徴とする、排気システム(300)。前記排気システム(300)が、排気流(80)を搬送する装置(17)を備えていること、及び、前記熱力学エンジン(1)が、前記排気流(80)から熱を回収するように前記排気流搬送装置(17)に接続されていること、を特徴とする、請求項23に記載の排気システム(300)。前記排気流搬送装置(17)は、排気後処理ユニット(20)を備えていることを特徴とする、請求項24に記載の排気システム(300)。前記排気後処理ユニット(20)及び前記熱力学エンジン(1)は、同一のアンモニア容器(70)に接続されていることを特徴とする、請求項25に記載の排気システム(300)。前記排気後処理ユニット(20)は、アンモニアを使用して前記排気のNOx量を低減する選択的触媒還元ユニット(SCR)によって構成されている、請求項25又は請求項26に記載の排気システム(300)。前記排気システム(300)は、前記作動流体回路(11)における前記作動流体の前記不凍成分の濃度を調整するように、前記容器(50、60、70)と前記作動流体循環回路(11)及び弁(56、62、73、75、77)の少なくとも一方とを接続する接続ダクト(58、64、72、74、76)を備えていることを特徴とする、請求項23〜請求項27のいずれか1つに記載の排気システム(300)。前記排気システム(300)は、現地の気候帯及び感知した周辺温度の少なくとも一方に応じて、前記容器の弁(56、62)の開放及び閉鎖の少なくとも一方を実行して前記不凍成分の前記濃度を制御するように構成されたコントローラ(130)を備えていることを特徴とする、請求項28に記載の排気システム(300)。前記熱力学エンジン(1)は、前記作動流体を循環させるポンプ装置(2)と、前記作動流体を加熱して液体作動流体を気相作動流体に変換する加熱装置(4、6)と、前記気相作動流体の熱エネルギーを運動エネルギーに変換するエキスパンダ装置(8)と、前記気相作動流体を冷却して前記液相作動流体に変換する凝縮装置(10)と、を備えていることを特徴とする、請求項23〜請求項29のいずれか1つに記載の排気システム(300)。前記不凍成分の容器(50、60、70)は、前記エキスパンダ装置(8)の下流側及び前記凝縮装置(10)の上流側にて前記作動流体回路(11)に接続されていることを特徴とする、請求項30に記載の排気システム(100)。前記排気システム(100)は、前記作動流体回路(11)に接続されると共に前記作動流体回路(11)から放出される作動流体を収集する少なくとも1つの収集容器(60)を備えていることを特徴とする、請求項23〜請求項31のいずれか1つに記載の排気システム(100)。内燃機関(12)を備えた車両(500)であって、 請求項1〜請求項32のいずれか1つに記載の排気システム(100)であって、前記内燃機関(12)に接続された排気システム(100)を備えていることを特徴とする、車両(500)。

排気流(80)を搬送する排気搬送装置(17)と、 前記排気流(80)から熱を回収するように前記排気流搬送装置(17)に接続されると共に作動流体循環回路(11)を備えた熱力学エンジン(1)と、 前記作動流体循環回路(11)と前記排気搬送装置(17)との間に接続されると共に前記作動流体を前記作動流体循環回路(11)から前記排気搬送装置(17)に放出する少なくとも1つの作動流体放出手段(24、25、27)と、 を備えた排気システム(100、200)であって、 前記排気流搬送装置(17)が、少なくとも1つの排気後処理ユニット(20)を備え、 前記作動流体放出手段(24、25、27)が、前記排気後処理ユニット(20)の上流側に接続されるか、又は前記排気後処理ユニット(20)に直接接続されていると共に、接続ダクト(28、29、31)と、前記接続ダクト(28、29、31)の開放及び閉鎖の少なくとも一方を制御する少なくとも1つの放出弁(26、27、33)と、を備え、 前記排気システム(100、200)は、前記放出弁(26、27)の開放及び閉鎖の少なくとも一方を実行するように前記放出弁(26、27)に対して動作可能に接続された制御ユニット(110)を備え、 前記排気システム(100、200)は、前記作動流体回路(11)内に配置された少なくとも1つの圧力検出器(102)を備え、 前記制御ユニット(110)は、検出された圧力に応じて前記放出弁(26,27)の開放及び閉鎖の少なくとも一方を制御するように前記圧力検出器(102)に対して動作可能に接続されており、 前記制御ユニット(110)が、前記圧力検出器(102)によって圧力閾値を超える圧力が検出された場合に前記放出弁(26、27)を開放するように構成されていること、及び、前記制御ユニット(110)が、衝突の可能性を検出する衝突警告システム及び衝突を検出する衝突検出ユニットの少なくとも一方に対して動作可能に接続され、衝突の危険性又は衝突が検出されると、前記放出弁(26、27)を開放するように構成されていること、の少なくとも一方を特徴とする、排気システム(100、200)。前記排気後処理ユニット(20)は、アンモニアを使用して排気のNOx量を低減する選択的触媒還元ユニット(SCR)によって構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の排気システム(100、200)。前記熱力学エンジン(1)が、前記作動流体循環回路(11)内に配置された凝縮装置(10)を備えていること、及び、前記作動流体放出手段(25、27)が、その気相側にて前記凝縮装置(10)に接続されていること、を特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の排気システム(100、200)。前記熱力学エンジン(1)は、前記作動流体を加熱して液体作動流体を気相作動流体に変換する加熱装置(4、6)を更に備えていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。前記熱力学エンジン(1)の前記加熱装置(4、6)は、前記排気流(80)内に配置されると共に前記熱力学エンジン(1)の前記排気流と前記作動流体との間で熱交換を行う熱交換器によって構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の排気システム(100、200)。前記熱力学エンジン(1)の前記加熱装置(4)は、前記排気流内において前記排気後処理ユニット(20)の下流側に配置されていることを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の排気システム(100、200)。前記作動流体放出手段(24、25、27)は、前記加熱装置(6)の下流側及び前記凝縮装置(10)の気液界面の上流側にて前記作動流体回路(11)に接続されていることを特徴とする、請求項3及び請求項4〜請求項6のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。前記熱力学エンジン(1)が、前記作動流体を循環させるポンプ装置(2)と、前記気相作動流体の熱エネルギーを運動エネルギーに変換するエキスパンダ装置(8)と、を更に備えていること、及び、前記凝縮装置(10)が、前記気相作動流体を冷却して前記液体作動流体に変換するように前記エキスパンダ装置(8)の下流側に配置されていること、を特徴とする、請求項3及び請求項4〜請求項7のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。前記圧力検出器(102)は、前記加熱装置(6)の下流側及び前記凝縮装置(10)における気液界面の上流側に配置されていることを特徴とする、請求項2及び請求項4に記載の排気システム(100、200)。前記排気システム(100)が、前記作動流体回路(11)内の空気を検出する少なくとも1つの空気センサ(104)を備えていること、及び、前記制御ユニット(110)が、前記作動流体回路(11)内における空気の蓄積を検出すると前記弁(26、27)を開放するように前記空気センサ(104)に対して動作可能に接続されていること、を特徴とする、請求項1及び請求項9に記載の排気システム(100、200)。前記排気システム(100)は、前記弁(26、27)の開放及び閉鎖の少なくとも一方を手動で制御するように前記制御ユニット(100)に接続された手動で動作可能な手段(106)を備えていることを特徴とする、請求項1、請求項9及び請求項10に記載の排気システム(100、200)。前記排気システム(100)は、前記作動流体回路(11)に流体的に接続されると共に液体作動流体を貯留する作動流体貯留タンク(30、40)を備えていることを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。前記作動流体貯留タンク(30、40)は、前記作動流体回路(11)の低圧側にて流体的に接続されていることを特徴とする、請求項12に記載の排気システム(100、200)。前記熱力学エンジン(1)が、前記作動流体循環回路(11)内に配置された凝縮装置(10)を備えていること、及び、前記作動流体貯留タンク(30)が、前記凝縮装置(10)の下流側及び前記加熱装置(4)の上流側にて前記作動流体回路(11)に接続されていること、を特徴とする、請求項13に記載の排気システム(100、200)。前記作動流体貯留タンク(40)は、前記作動流体回路(11)の高圧側にて流体的に接続されていることを特徴とする、請求項12に記載の排気システム(100、200)。前記排気システム(100、200)は、前記作動流体貯留タンク(30、40)と前記作動流体回路(11)との間で作動流体の流れを制御するように構成された作動流体貯留タンク弁(33、35、42、46)を備えていることを特徴とする、請求項12〜請求項15のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。前記排気システム(100、200)が、制御ユニット(120)を備えていること、及び、前記作動流体貯留タンク弁(33、35、42、46)が、前記作動流体回路(11)内で大気圧よりも低い圧力が検出された場合に開放されるように、前記制御ユニット(120)に接続されていること、を特徴とする、請求項16に記載の排気システム(100、200)。前記作動流体は、アンモニア等の不凍成分及びエタノール等のアルコールの少なくとも一方を備えていることを特徴とする、請求項1〜請求項17のいずれか1つに記載の排気システム(100、200)。熱力学エンジン(1)と、 少なくとも1つの容器(50、60、70)と、 排気流(80)を搬送する排気流搬送装置(17)と、 を備えた排気システム(300)であって、 前記熱力学エンジン(1)は、作動流体循環回路(11)を備え、 作動流体は、不凍成分を備え、 前記少なくとも1つの容器(50、60、70)は、前記不凍成分のためのものであって、前記作動流体回路(11)内の前記作動流体の前記不凍成分の濃度を調整するように前記作動流体回路(11)に対して流体的に接続され、 前記熱力学エンジン(1)は、前記排気流(80)から熱を回収するように前記排気流搬送装置(17)に接続され、 前記排気流搬送装置(17)は、排気後処理ユニット(20)を備え、 前記排気後処理ユニット(20)及び前記熱力学エンジン(1)の前記作動流体循環回路(11)は、同一のアンモニア容器(70)に接続されていることを特徴とする、排気システム(300)。前記排気後処理ユニット(20)は、アンモニアを使用して前記排気のNOx量を低減する選択的触媒還元ユニット(SCR)によって構成されている、請求項19に記載の排気システム(300)。前記排気システム(300)は、前記作動流体回路(11)における前記作動流体の前記不凍成分の濃度を調整するように、前記容器(50、60、70)と前記作動流体循環回路(11)及び弁(56、62、73、75、77)の少なくとも一方とを接続する接続ダクト(58、64、72、74、76)を備えていることを特徴とする、請求項20又は請求項21に記載の排気システム(300)。前記排気システム(300)は、現地の気候帯及び感知した周辺温度の少なくとも一方に応じて、前記容器の弁(56、62)の開放及び閉鎖の少なくとも一方を実行して前記不凍成分の前記濃度を制御するように構成されたコントローラ(130)を備えていることを特徴とする、請求項21に記載の排気システム(300)。前記熱力学エンジン(1)は、前記作動流体を循環させるポンプ装置(2)と、前記作動流体を加熱して液体作動流体を気相作動流体に変換する加熱装置(4、6)と、前記気相作動流体の熱エネルギーを運動エネルギーに変換するエキスパンダ装置(8)と、前記気相作動流体を冷却して前記液体作動流体に変換する凝縮装置(10)と、を備えていることを特徴とする、請求項19〜請求項22のいずれか1つに記載の排気システム(300)。前記不凍成分の容器(50、60、70)は、前記エキスパンダ装置(8)の下流側及び前記凝縮装置(10)の上流側にて前記作動流体回路(11)に接続されていることを特徴とする、請求項23に記載の排気システム(100)。前記排気システム(100)は、前記作動流体回路(11)に接続されると共に前記作動流体回路(11)から放出される作動流体を収集する少なくとも1つの収集容器(60)を備えていることを特徴とする、請求項19〜請求項24のいずれか1つに記載の排気システム(100)。内燃機関(12)を備えた車両(500)であって、 請求項1〜請求項25のいずれか1つに記載の排気システム(100)であって、前記内燃機関(12)に接続された排気システム(100)を備えていることを特徴とする、車両(500)。

说明书全文

本発明は、内燃機関、特にディーゼルエンジン等のための排気システムに関する。本発明は、車両、特に、トラック、バス、及び建設機械等の大型車両に適用することができる。本発明をトラックに関して説明するが、本発明はこの特定の車両に限るものでなく、その他の車両に用いられてもよい。本発明はさらに、車両に備えられた内燃機関の廃熱(waste heat)を再生する排気システムを備えた車両に関する。

排気システムは、排気流を搬送(conveying)する装置を含む。排気流を搬送する装置は、排気後処理システム(exhaust after treatment system)を備えていてもよい。排気システムはさらに、排気流からの熱を回収するように排気流搬送装置に接続された熱学エンジンを含む。熱力学エンジンは、作動流体循環回路を備える。

より具体的には、熱力学エンジンは、気相作動流体(gaseous phase working fluid)の熱エネルギーを運動エネルギーに変換するように構成され、ランキンサイクルエンジンによって構成されるものであってもよい。

当分野において、内燃機関の廃熱を再生するために、このような熱力学エンジン、特にランキンサイクルエンジンを使用することが知られている。一般に知られているように、ランキンサイクルエンジンは、熱を仕事に変換するエンジンである。熱は、好ましくは閉じられた作動流体回路であって、又はその他好ましい液体を作動流体として使用することのできる作動流体回路に外部から付与される。ポンプは、凝縮器から受け取った液体作動流体(liquid working fluid)を加圧するために使用され、その後、加熱することにより、気相に変換する。次いで、気相作動流体を蒸気エンジンに搬送し、ここで熱エネルギーを運動エネルギーに変換する。さらなるステップにおいて、凝縮器中で気相作動流体をその液相に戻すように変換する。

一般的な作動流体は、供給が容易であり、車両に既に存在しており、環境に無害であることから水が使われる。水は魅力的な特性を有するものの、いくつかの欠点も有する。

例えば、水は0℃で凍り、蒸気が空気と混合した場合、蒸気エンジンの機能が低下する。さらに蒸気中の少量の空気は、構成材料に多少の悪影響を与え得る。

蒸気中に空気が蓄積されることを回避するため、作動流体の圧力を大気圧よりも高く保つことが提案されている。不都合なことに、凝縮温度が比較的高温(特に、100℃超)でなければならないため、これは、結果として効率を制限してしまうことになる。しかしながら、より長い期間静置している間(夜、週末等)に、システムにおいて圧力が大気圧よりも低下することを回避するのは困難であり、結果としてシステム内に空気を漏出させてしまう。

さらに、設計によっては、効率を良好にするため、ランキンサイクルのいくつかの部分にて大気圧よりも低い圧力を有することが好ましい。

凍結の問題を解決するため、水を少量のアンモニア又はアルコールと混合することにより、凝固点(freezing point)を下げることが提案されている。さらに、アンモニア又はアルコールについては、より低い温度で凝縮を行うことができるように、露点も下げている。

不都合なことに、アンモニアは苛性(caustic)であり、且つ、危険である。従って、アンモニアは慎重に取り扱われなければならず、環境に放出されるべきではない。しかしながら、例えば、熱力学エンジン又はそのようなエンジンを備えた車両に関連する事故(例えば、車両の他の車両との衝突)の場合、若しくは熱力学エンジン及び/又は車両のメンテナンス中には、そのような放出が欠かせない。従来において、作動流体の圧力を放出し、安全なメンテナンスを可能にするために、エキスパンダ装置(expander device)のバイパスが使用されてきた。不都合なことに、この手順は非常に時間がかかり、作業現場での車両の静置期間が不要に長くなること、及び/又は、例えば、救助隊が車両に安全にアクセスするための待機時間が許容できない程度に長くなることがあった。

本発明は、内燃機関からの廃熱を回収するために使用可能であり、作動流体の環境への安全放出能力を提供する排気システムを提供することを目的とする。

この目的は、請求項1に記載の排気システムによって達成される。従って、排気システムは、排気流を搬送する装置と、排気流から熱を回収するように排気流搬送装置に接続された熱力学エンジンと、を備えて提供される。熱力学エンジンは、作動流体循環回路を備える。排気システムは、作動流体循環回路と排気流搬送装置との間に接続されると共に作動流体を作動流体循環回路から排気流搬送装置に放出する少なくとも1つの作動流体放出手段を備える。より具体的には、排気流搬送装置は、少なくとも1つの排気後処理ユニットを備え、前記作動流体放出手段は、前記排気後処理ユニットの上流側に接続されるか、又は排気後処理ユニットに直接接続されている。

従って、作動流体放出手段は、作動流体を環境に無害なものとする排気後処理ユニットに作動流体の少なくとも一部を放出する状態(condition)を作り出す。作動流体放出手段は、代替的に、通気手段と称されてもよい。

さらに、排気システムは、周辺空気がシステムに漏出することによる熱力学エンジンの空気蓄積傾向を抑制する状態を作り出す。

従って、好都合なことに、作動流体の安全な放出が可能となる。排気システムは、迅速且つ安全な圧力放出を行うための状態を作り出す。さらに、安全な放出が提供されることで、アンモニアの使用が可能となり、少なくとも低温で作動流体が凍結してしまうことを回避することができる。

さらに、熱力学エンジンは、蓄積した空気から容易に解放され得る。さらに、排気システム中に既に存在する作動流体が使用される場合、システム内の全部品を減らすことができ、延いてはコスト効率及び空間効率が向上する。車両の適用例では、積載量を増やすことになるであろう。

好ましくは、触媒的作用処理ユニットが使用される。好適な実施形態によると、排気後処理ユニットは、アンモニアを使用して排気のNOx量を低減する選択的触媒還元ユニット(SCR)によって構成されている。

換言すると、作動流体は、大気に直接放出されず、作動流体を無害の化合物に変換する触媒処理ユニットに放出される。好適な適用例において、このような触媒処理は、内燃機関を備えた車両の排気後処理システムによって提供される。これによってもたらされる相乗効果により、作動流体の放出を支障なく行うと共に内燃機関の廃エネルギーを再生させるシステムが可能となる。

上述のように、排気後処理システムは、危険な作動流体を無害の化合物に変換することができる。特に、アンモニアは、排気後処理システム内で還元剤として使用されてもよく、熱力学エンジンの作動流体としても使用することができるため、アンモニアを、好ましくは尿素の形態で使用することが好都合である。従って、車両の部品の総数を減らすことができる。

アンモニアの使用は、作動流体回路からの過剰アンモニアを排気後処理システム、特にSCRユニットで使用することができるという、さらなる利点を有する。従って、過剰アンモニアを収集する余剰の容器を提供する必要がない。

さらに好適な実施形態によると、熱力学エンジンは、作動流体循環回路内に配置された凝縮装置(condensation device)を備え、作動流体放出手段は、その気体側にて凝縮装置に接続されている。従って、好都合なことに、蓄積された空気を凝縮装置から除去することができ、延いては凝縮装置及び/又は熱力学エンジンのその他の部品の故障が回避される。

さらに好適な実施形態によると、熱力学エンジンは、作動流体を加熱して液体作動流体(liquid working fluid)を気相作動流体(gaseous phase working fluid)に変換する加熱装置を更に備える。特に、熱力学エンジンの加熱装置は、排気流内に配置されると共に熱力学エンジンの排気流と作動流体との間で熱交換を行う熱交換器によって構成されている。これは、熱力学エンジンを用いることによって排気流からの熱を回収する状態を作り出す。

他の展開によると、熱力学エンジンの加熱装置は、排気流内において排気後処理ユニットの下流側に配置されている。排気が排気後処理システムに入る前に排気が冷却されず、それにより排気後処理システムの効率を損なわれないように、熱交換器は、排気後処理システムの下流側に配置されることが好ましい。

他の好適な実施形態によると、作動流体放出手段は、加熱装置の下流側及び凝縮装置における気液界面(gas-liquid interface)の上流側にて作動流体回路に接続されている。作動流体放出手段は、好ましくは、エキスパンダ装置(expander device)の上流側においても作動流体回路に接続されている。このような状況において、高圧側、すなわちエキスパンダ装置の上流側では、作動流体の圧力が高くなり過ぎ、作動流体の放出が必要となる。エキスパンダ装置の上流側における作動流体の圧力は、通常、排気ダクト内の圧力よりも高いため、作動流体を排気ダクトに搬送する追加の推進手段は必要ない。

他の好適な実施形態によると、熱力学エンジンは、作動流体を循環させるポンプ装置と、気相作動流体の熱エネルギーを運動エネルギーに変換するエキスパンダ装置と、を更に備え、凝縮装置は、気相作動流体を冷却して液相作動流体に変換するようにエキスパンダ装置の下流側に配置されている。

他の好適な実施形態によると、作動流体放出手段は、接続ダクトと、接続ダクトの開放及び閉鎖の少なくとも一方を制御する少なくとも1つの放出弁と、を備える。この弁は、通常時に閉鎖されているオン−オフ弁であってもよいが、例えば、作動流体回路を通過した作動流体の流量を徐々に制御するために可変の内径を備えた弁等、その他任意の好適な弁であってもよい。

他の好適な実施形態によると、排気システムは、放出弁の開放及び閉鎖の少なくとも一方を実行するように放出弁に対して動作可能に接続された制御ユニットを備える。

他の好適な実施形態によると、排気システムは、作動流体回路内に配置された少なくとも1つの圧力検出器を備え、制御ユニットは、検出された圧力に応じて放出弁の開放及び閉鎖の少なくとも一方を制御するように圧力検出器に対して動作可能に接続されている。検出された圧力に応じて弁を制御することにより、作動流体回路内の圧力を制御することができ、作動流体回路の超過圧力(over-pressure)等、安全を損なう状況を回避することができる。好ましくは、圧力検出器は、加圧装置の下流側及び凝縮装置における気液界面の上流側に配置される。さらに、好ましくは、制御ユニットは、圧力検出器によって圧力閾値を超える圧力が検出された場合、放出弁を開放するように構成されている。

安全を損なう圧力状況は、作動流体回路の高圧側、且つ、特に、エキスパンダ装置の上流側にて生じることが多いので、エキスパンダ装置の上流側又はエキスパンダ装置における圧力に応じて弁を検出及び制御することが好都合である。

他の好適な実施形態によると、排気システムは、作動流体回路内の空気を検出する少なくとも1つの空気センサを備え、制御ユニットは、作動流体回路内で空気の蓄積を検出すると弁を開放するように空気センサに対して動作可能に接続されている。代替的に又はこれに加えて、制御ユニットは、衝突の危険性又は衝突を検出すると通気弁を開放するように、衝突の可能性を検出する衝突警告システム及び衝突を検出する衝突検出ユニットの少なくとも一方に対して動作可能に接続されていてもよい。

他の好適な実施形態によると、排気システムは、弁の開放及び閉鎖の少なくとも一方を手動で制御するように制御ユニットに接続された手動で動作可能な手段を備える。

好都合なことに、車両が熱力学エンジン等を備えている場合の衝突等、安全を損なう状況において、車両への危険でないアクセスが可能となるように、作動流体を瞬時に放出することができる。手動による放出が可能であることにより、制御ユニットが損傷した場合であっても作動流体の放出が依然として可能であるため、より高い安全性が提供される。

他の好適な実施形態によると、排気システムは、作動流体回路に流体的に接続されると共に液体作動流体を貯留する作動流体貯留タンクを備える。好ましくは、作動流体貯留タンクは、作動流体回路の低圧側にて流体的に接続される。作動流体貯留タンクは、好ましくは、供給ダクトを用いることにより、液体作動流体を作動流体回路に供給するように構成される。また、好ましくは、熱力学エンジンは、作動流体循環回路内に配置された凝縮装置を備え、作動流体貯留タンクは、凝縮装置の下流側及び加熱装置の上流側にて作動流体回路に接続される。通常動作中の作動流体の漏出してしまうため及び通気手段によって作動流体が放出される可能性があるため、作動流体回路内における作動流体の補給が要求されてもよい。エネルギー節約の理由により、作動流体は、好ましくは、その液相において作動流体回路の低圧側に供給される。

好ましくは、作動流体貯留タンクは、作動流体回路の高圧側にて流体的に接続される。特に、排気システムは、作動流体貯留タンクと作動流体回路との間の作動流体の流れを制御するように構成された作動流体貯留タンク弁を備える。また、好ましくは、排気システムは、制御ユニットを備え、作動流体貯留タンク弁は、作動流体回路内で大気圧よりも低い圧力が検出された場合に開放されるように、制御ユニットに接続される。

他の好適な実施形態によると、作動流体放出手段は、作動流体回路の低圧側を作動流体貯留タンクに流体的に接続する第1の接続ダクトと、作動流体貯留タンクと大気圧を提供する手段、好ましくは、内燃機関の排気側とを接続する第2の接続ダクトと、を備える。従って、気相作動流体が貯留タンクの冷却液体作動流体中で凝縮され、蓄積した空気のみが排気ダクトに搬出されるため、排気中に放出される作動流体の量を低減することができる。結果として、作動流体貯留タンクを、より小型化することができ、及び/又は、要求される再充填頻度が低くなる。

好ましくは、作動流体は、水及び/又はアンモニアであってもよく、及び/又は、より一般的には、第1の成分及び第2の成分の混合物であってもよく、好ましくは、第1の成分は水であり、第2の成分は、アンモニア、アルコール又はそれらの混合物等の不凍成分である。他の好適な実施形態によると、作動流体は、アンモニア等の不凍成分及びエタノール等のアルコールの少なくとも一方を備える。アルコール、アンモニア、及び/又は、アルコール若しくはアンモニアと水との混合物を使用することにより、凝固点が下がり、これにより熱力学エンジンの耐凍結保護が提供される。アンモニアの使用には、排気後処理システム内のNOx量を低減する還元剤として、アンモニアが好ましくは尿素の形態で車両中に既に存在してもよく、引いては追加タンク又は容器の提供を回避することができるというさらなる利点がある。

本発明は、様々な環境、特に様々な気候下において適切に作動する状態を作り出す排気システムを提供することをさらなる目的とする。

この目的は、請求項23に記載の排気システムによって達成される。従って、排気システムは、熱力学エンジンを備えて提供され、熱力学エンジンは、作動流体循環回路を備え、作動流体は、不凍成分を備える。さらに、排気システムは、不凍成分のための少なくとも1つの容器であって、作動流体回路内の作動流体の不凍成分の濃度を調整するように作動流体回路に流体的に接続された少なくとも1つの容器を備えている。不凍成分の容器は、作動流体回路内の不凍成分の濃度を増加及び/又は低下させる能力を提供する。

好適な実施形態によると、排気システムは、排気流を搬送する装置を備え、熱力学エンジンは、排気流から熱を回収するように排気流搬送装置に接続される。好ましくは、排気流搬送装置は、排気後処理ユニットを備える。特に、排気後処理ユニット及び熱力学エンジンは、同一のアンモニア容器に接続されている。アンモニアは、SCRユニット及び作動流体回路に使用可能であるため、単一のアンモニア容器、従って単一の追加容器のみが必要となる。さらに、SCRユニットは、作動流体回路から放出されたアンモニアを貯留するアンモニア貯留部として機能してもよい。これにより、車両の全部品を減らし、種々のタンクの充填を容易にする。また、好ましくは、排気後処理ユニットは、アンモニアを使用して排気のNOx量を低減する選択的触媒還元ユニット(SCR)によって構成される。

他の好適な実施形態によると、排気システムは、作動流体回路における作動流体の不凍成分の濃度を調整するように、容器と作動流体循環回路及び弁の少なくとも一方とを接続する接続ダクトを備える。好ましくは、排気システムは、現地の気候帯及び感知した周辺温度の少なくとも一方に応じて、容器の弁の開放及び閉鎖の少なくとも一方を実行して不凍成分の濃度を制御するように構成されたコントローラを備える。

第2の成分が不凍成分として機能するか、又は、実質的に作動流体の相転移点(phase transition points)に影響を及ぼす場合、作動流体中の第2の成分の濃度の増加及び/又は低下は、現地の気候及び/又は感知した周辺温度によって引き起こされるようにしてもよい。好都合なことに、低温時には、低温である間、すなわち冬季には第2の成分の量を増やすように高濃度の第2の成分を耐凍結保護として使用することができ、より高温では、凝縮器がより高温で動作できるように、低濃度とする。

好ましくは、第2の成分の濃度は、予測される温度変化に応じて、日毎、週毎、及び/又は月毎に適合させることができる。勿論、より短い時間尺度、又はさらに長い時間尺度で第2の成分の濃度を適合させることもできる。

容器又は作動流体貯留タンクがエキスパンダ装置の上流側にて作動流体回路に接続されている場合、内燃機関のシャットダウン中、作動流体の追加量の供給又は第2の成分の追加量の作動流体への供給により、作動流体回路内への空気の漏出を抑制することができる。回路の高圧側にて大気圧よりも低い圧力が検出された場合、作動流体の追加量が圧力降下を補償するように、この供給が実行されることが好ましい。

アンモニアが第2の成分又は作動流体として使用される場合、容器又は作動流体貯留タンクは、容器/タンク内のアンモニアが大気圧を超える圧力、及び/又は、容器/タンクの接続における作動流体回路の圧力を超える圧力を有する温度まで加熱されるように適合されてもよい。これには、アンモニア容器/タンクから作動流体回路にアンモニアの流れを推進するのに追加のポンプを必要としないという利点がある。

他の好適な実施形態によると、アンモニア容器は、液体アンモニア及び/又はアンモニア吸収材、好ましくは、CaCl2及び/又はMgCl2及び/又はSRCl2、アンモニア化合物、好ましくは、尿素、カルバミン酸アンモニウム及び/又は炭酸アンモニウムを貯留するように適合されている。好ましくは、液体アンモニアによる作動は、さらなる安全への予防措置を要するため、アンモニア吸収材又はアンモニア化合物が使用される。

他の好適な実施形態によると、排気システムは、作動流体回路に接続されると共に作動流体回路から放出される作動流体を収集する少なくとも1つの収集容器を備える。好都合なことに、内燃機関のシャットダウン中に作動流体回路に供給され、内燃機関の再始動後に作動流体回路にて過剰となった第2の成分を収集容器に収集することができる。収集容器内に過剰な第2の成分を収集することにより、第2の成分を廃棄することなく、頻繁に再充填されることを回避することができる。

本発明の他の態様によると、熱力学エンジンは、内燃機関の廃熱を使用するように適合された熱回収システムの一部である。好ましくは、内燃機関は、内燃機関から排気後処理システムに排気を供給する排気ダクトに接続される。好都合なことに、熱力学エンジンの少なくとも1つの加熱装置は、熱力学エンジンの作動流体を加熱するように、排気ダクト、好ましくは排気後処理システムの下流側に配置されている。従って、内燃機関の熱は、廃棄されることなく、熱力学エンジンの動作に使用され、これによりエネルギーが回収される。

内燃機関の廃熱を使用するために、熱力学エンジンの加熱装置は、熱源として内燃機関の排気の廃熱を使用する少なくとも1つの熱交換器であることが好ましい。しかしながら、少なくとも1つの熱交換器を内燃機関の冷却流体回路に接続することもでき、これにより内燃機関の廃熱も使用することができる。従って、効率を最大化するために、既に存在している車両の部品を使用するエネルギー回収システムを提供する。

他の好適な実施形態によると、作動流体放出手段は、内燃機関の排気ダクト、好ましくは排気後処理システムの上流側にて流体的に接続されることにより、排気後処理システムが、作動流体を(触媒的に)処理するように、少なくとも1つの、好ましくは触媒ユニットを提供する。本実施形態は、既に存在する排気後処理システムを、作動流体の、好ましくは触媒的な処理を実施するのに使用してもよいという利点がある。

これに加えて又は代替として、排気後処理システム又は少なくともその一部を、作動流体貯留部、例えば、上述の収集容器として使用することも可能である。特に、低温において、排気後処理システムもまた、後に排気の触媒処理に使用されてもよい相当量のアンモニアを貯留することができる。

本発明の他の態様によると、内燃機関に接続された排気システムであって、上述の代替構成のうちのいずれか1つに記載の排気システムを備えた車両が提供される。特に、内燃機関は、内燃機関の排気の大気への通路を提供する排気ダクトに接続され、内燃機関の廃熱は、熱力学エンジンを推進するための熱源として使用される。好都合なことに、熱力学エンジンは、上述した車両の熱回収システムの少なくとも一部である。

さらなる効果及び好適な実施形態は請求項、説明、及び図面において規定される。

添付の図面を参照して、以下に本発明の実施形態のより詳細な説明を例示として述べる。

車両を推進するための内燃機関と加熱システムとを備えた、トラックの形態である車両を示す側面図である。

第1実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第2実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第3実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第4実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第5実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第6実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第7実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第8実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第9実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第10実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第11実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第12実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第13実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第14実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第15実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

第16実施形態例に従った、加熱システムを示す概略図である。

以下、同一又は同様の機能部分については、同一の参照符号を付して示す。

図1は、トラック500の形態である車両の側面図を示している。トラック500は、動力源を車輪に接続するドライブラインを介して、トラックを推進する動力源12を備える。動力源12は、ディーゼルエンジンの形態である内燃機関の構成要素とされる。説明を容易にするため、以下では内燃機関12と呼ぶ。

図2は、好ましくは、内燃機関12と共に用いられる、排気システム100の第1実施形態例を示している。排気システム100は、排気流80を搬送する(conveying)装置17を備える。排気流搬送装置17は、少なくとも1つの排気後処理ユニット20を備える。排気後処理ユニット20は、排気のNOx量を低減するためにアンモニアを使用する選択的触媒還元ユニット(SCR)によって構成されている。

排気システム100は、排気流80から熱を回収するために排気流搬送装置17に接続された熱力学エンジン1を更に備える。熱力学エンジン1は、作動流体循環回路11を備える。作動流体循環回路11は、閉じている。熱力学エンジン1は、例えば、ランキンサイクルに従って動作してもよい。

排気システム100は、作動流体循環回路11と排気流搬送装置17との間に接続されると共に作動流体循環回路11から排気流搬送装置17に作動流体を放出する少なくとも1つの作動流体放出手段24を備える。より具体的には、作動流体放出手段24は、排気後処理ユニット20の上流側に接続されるか、又は排気後処理ユニット20に直接接続されている。

図3は、第1実施形態例の他の発展である、排気システム100の第2実施形態例を示している。内燃機関12と共に排気システム100が開示されている。より具体的には、排気流搬送装置17は、内燃機関12からの排気を受けるように配置されている。さらに、内燃機関12の廃熱は熱力学エンジン1の熱源として使用され、ここで、熱力学エンジンは、内燃機関の廃熱回収システムの少なくとも一部を構成している。

熱力学エンジン1は、作動流体を循環させるポンプ装置2と、作動流体を加熱して液相作動流体を気相作動流体に変換する加熱装置4と、気相作動流体の熱エネルギーを運動エネルギーに変換するエキスパンダ装置8と、凝縮装置10と、を含み、これらは作動流体循環回路11によって相互に接続されている。加熱装置4は、内燃機関12からの排気流80内に配置される第1の熱交換器によって構成されている。換言すると、第1の熱交換器4は、内燃機関12の排気側に熱交換可能に接続されている。

ターボチャージャ13は、内燃機関12に吸入される空気を過給するように配置されている。ターボチャージャ13は、内燃機関12からの排気流80内に配置されるタービン14と、内燃機関12への吸気流内に配置される圧縮機15と、を含む。タービン14及び圧縮機15は、既知の方法により、シャフトを介して回転可能且つ堅固に相互接続されている。排気流80は、排気ダクト18によって搬送される。さらに、内燃機関12は、燃料及び空気が公知の方法で混合され、内燃機関12に供給される吸気側を備える。

図中、排気後処理ユニット20が単一のユニットとして示されている場合であっても、当業者にとって、排気後処理システムが複数のユニットを含んでもよいことは明らかである。排気後処理システムは、好ましくは、排気から粒子状物質を除去する少なくとも1つのパティキュレートフィルタと、触媒を用いて処理することにより、排気中のNOx量を低減する選択的触媒還元ユニットと、を含む。

排気後処理ユニット20及び熱交換器4は、単一の装置に一体化されてもよい。

排気流80内に単一の熱交換器4が設けられる場合、それは排気後処理システム20の下流側に配置され、内燃機関12の排気が排気後処理システム20に至る前に冷却されることはない。

熱力学エンジン1は、少なくとも4つの段階を有する。第1の段階Iでは、ポンプ装置2の上流側において、熱力学エンジン1の作動流体は、その液相にあり、大気圧程度の圧力を有する。第2の段階IIでは、ポンプ装置2の下流側において、作動流体は、依然として液相にあるものの、ポンプ装置2によって所定の圧力まで加圧される。後続の段階IIIでは、熱交換器4の下流側において、作動流体は、その気相に転移されており、大気圧よりも高い所定の圧力まで加圧される。後続の第4の段階IVでは、エキスパンダ装置8の下流側において、作動流体は、依然として気相にあるものの、大気圧程度の圧力を有する。

従って、サイクルは、異なる側面に分けることができる(表1も参照のこと)。 ・エキスパンダ装置8の下流側及びポンプ装置2の上流側である低圧側(段階II及びIII)と、ポンプ装置2の下流側及びエキスパンダ装置8の上流側である高圧側(段階I及びIV)、又は、 ・凝縮装置10の下流側及び熱交換器4の上流側である低温側(段階I及びII)と、熱交換器4の下流側及び凝縮装置10の上流側である高温側(段階III及びIV)。

以下、熱力学エンジン1の作動原理について説明する。これは、図2〜図17のすべてに適用される。

第1の段階Iにおいて、低温の液体作動流体はポンプ装置2に流入し、ここで低温の液体作動流体は、大気圧よりも高い所定の圧力まで加圧される。その後、加圧された液相作動流体は、熱交換器4に移送され、ここで加熱され、その液相から気相へと転移される。気相への転移により、圧力が再度上昇する可能性がある。加圧された気相作動流体は、その後、エキスパンダ装置8に流入し、ここで熱エネルギーが機械エネルギー又は電気エネルギーに変換される。機械エネルギーは、例えば、加圧された作動流体がピストンを動作させるピストンエンジン等の容積エンジン(displacement engine)(図示省略)によって生成することができるか、又はタービン(図示省略)によって生成される場合もある。代替として、エキスパンダ装置8が電気エネルギーを生成する発電機(図示省略)を動作させてもよい。作動流体の圧力は、例えば、ピストンを移動させるため、又は、タービン若しくは発電機を作動させるために使用される。結果として、作動流体の圧力が低下し、第4の段階IVにおいて、作動流体は、依然としてその気相にあるものの、低圧を有する。低圧の気相作動流体は、その後、凝縮装置10に移送され、ここで高温の作動流体は、その露点未満に冷却され、それにより、再度転移されてその液相に戻る。

このような熱力学エンジン1に関する作動流体は、例えば、水などの純水、例えば、エタノールなどのアルコール、若しくはアンモニア、又は、水などの少なくとも第1の成分と、例えば、アンモニア若しくはエタノールなどの第2の成分との混合物、又は、水−アンモニア−エタノールの混合物とすることができる。例えば、アンモニア−水の混合物及び/又はエタノール−水の混合物の場合のように、第2の成分が作動流体の熱力学相転移点に影響を与える場合、第2の成分は有利には、例えば、水の凝固点を低下させるように適合可能であるため、結果として作動流体に対して耐凍結保護として働くことになる。

特に、車両における適用例では、アンモニア又はアンモニア化合物、すなわち尿素が車両中に既に存在していてもよいため、アンモニアの使用が好都合である。排気後処理システムが排気中のNOx化合物を低減する選択的触媒還元ユニット(SCRユニット)を使用する場合、尿素又はアンモニアが還元剤として使用されてもよい。

しかしながら、アンモニア及び/又はアルコールの使用には、水を使用する場合のように、作動流体を大気に放出できないという欠点がある。この問題を軽減するために、例えば、放出された作動流体の触媒処理のために、アンモニア等の作動流体を排気後処理システム内の排気後処理ユニット20に放出することができる作動流体放出手段24が設けられる。

作動流体放出手段24は、作動流体回路11の高圧側IIIから分岐している。

作動流体放出手段24は、安全放出能力を担うか、又は、広く、作動流体のための放出能力を担ってもよい。例えば、作動流体回路11内の圧力が所定の圧力閾値を超えた場合だけでなく、例えば、熱力学エンジン1を備えた車両が衝突した場合にも、放出が要求されてもよい。作動流体の安全放出能力は、熱力学エンジン1及び/又は車両のメンテナンスの目的においても好都合である。

作動流体放出手段24は、最高圧となることが予測される、エキスパンダ装置8の上流側及び熱交換器4の下流側にて分岐していることが好都合である。高圧側の圧力は、通常、排気ダクト18内の圧力より高いため、排気ダクト18への作動流体の流れを推進する他の手段を必要としない。しかしながら、ポンプ装置2の下流側及び熱交換器4(図示省略)の上流側にて作動流体放出手段24を分岐させることもできる。

放出された作動流体、又は放出された作動流体の一部は、その後、排気後処理ユニット20内で触媒処理されることにより、大気に放出可能な無害な化合物に変換される。従って、作動流体の一部が排気後処理システム内に放出される箇所は、作動流体の種類によって決まることに注意しなければならない。例えば、アンモニアを使用する場合、放出された作動流体を選択的触媒還元ユニットの上流側にて排気ガス後処理システムに導入することが好ましい。作動流体にアルコールが含まれる場合、酸化触媒の上流にて排気後処理システム内に作動流体を放出することが好都合である。

作動流体回路11の高温及び高圧側にて作動流体放出手段24を分岐させることにより、排気ダクト18を通って流れる排気が冷却され過ぎず、排気後処理システムの動作が損なわれないというさらなる利点を有する。通常、排気後処理システムの動作温度は、250℃を超えるものである。

次に、図3の実施形態例のさらなる展開を示す図5を参照する。作動流体放出手段24は、作動流体回路11から分岐しており、その一方側において、触媒排気後処理ユニット20の上流にて排気ダクト18に接続される排気ダクト28を備えている。

さらに、作動流体放出手段24は、弁26を備えており、弁26は、好ましくは、例えば、感知した温度又は感知した圧力に応じて開放される。この場合、弁26は、作動流体回路11の高圧側IIIで所定の圧力閾値を超える圧力を感知した場合に開放されように構成されてもよい。所定の圧力閾値を超える圧力が検出された場合、弁26は、開放され、作動流体の少なくとも一部を排気ダクト18に放出することができる。この適用例で参照される弁は、通常時に閉鎖されているオン/オフ弁であってもよいが、その他任意の好適な弁も同様に使用可能である。

排気システム100は、弁26を開放及び/又は閉鎖する放出弁26に対して動作可能に接続された制御ユニット110を備えている。排気システム100は、作動流体回路11内に配置された少なくとも1つの圧力検出器102を備えている。さらに、制御ユニット110は、検出された圧力に応じて放出弁26の開放及び/又は閉鎖を制御するように、圧力検出器102に対して動作可能に接続されている。より具体的には、圧力検出器102は、加熱装置4の下流側及び凝縮装置10における気液界面の上流側に配置されている。さらに、制御ユニット110は、圧力検出器102によって圧力閾値を超える圧力が検出された場合、放出弁26を開放するように構成されている。

さらに、排気システム100は、作動流体回路11内の空気を検出する少なくとも1つの空気センサ104を備えている。制御ユニット110は、作動流体回路11内における空気の蓄積(air accumulation)を検出すると弁26を開放するように、空気センサ104に対して動作可能に接続されている。

さらに、排気システム100は、制御ユニット100に接続されると共に弁26の開放及び/又は閉鎖を手動で制御する手動で動作可能な手段106を備えている。

さらに、図5の実施形態例では、エキスパンダ装置8からの回転エネルギーが機械式伝達(mechanical transmission)を介して内燃機関12に戻される。より具体的には、エキスパンダ装置8は、出力シャフト17を備えたタービンユニットによって構成されている。出力シャフト17は、伝達ユニット21を介して内燃機関のクランクシャフト19に接続されている。

次に、図3に示す実施形態例と関連する作動流体放出手段25の代替配置を示す図4を参照する。より具体的には、作動流体放出手段25は、加熱装置4の下流側及び凝縮装置10の気液界面の上流側にて作動流体回路11に接続されている。

より具体的には、作動流体放出手段25は、凝縮装置10、特に、凝縮装置10の気体側(gaseous side)に接続されている。この配置の1つの利点は、作動流体回路11内に漏出し、凝縮装置10の気体部分に蓄積する空気を、熱力学エンジン1のシャットダウン中、又は熱力学エンジン1の始動前に容易に放出することができる点である。しかしながら、アンモニア又はアンモニア混合物を作動流体として使用する好適な実施形態においては、凝縮装置10内に蓄積した空気もアンモニアと混合される。従って、さらなる触媒処理のために、凝縮装置10に蓄積された空気/アンモニア混合物を排気ダクト18内に放出することが好ましい。

凝縮装置10に配置された作動流体放出手段25は、作動流体の安全放出としても使用することができ、高圧側IIIの作動流体放出手段24は必ずしも必要でない。

次に、図4の実施形態例のさらなる展開を示す図6を参照する。作動流体放出手段25は、作動流体回路11から分岐しており、その一方側において、触媒排気後処理ユニット20の上流側にて排気ダクト18に接続される接続ダクト29を備えている。さらに、作動流体放出手段25は、弁27を備えており、弁27は、好ましくは、例えば、感知した温度又は感知した圧力によって開放される。

次に、図3の実施形態例のさらなる展開を示す図7を参照する。熱力学エンジン1は、排気流80及び作動流体循環回路11において排気後処理ユニット20の上流側に配置される第2の熱交換器6を備えている。より具体的には、第2の熱交換器6は、作動流体循環回路11内において、第1の熱交換器4の下流側及びエキスパンダ装置8の上流側に配置されている。少なくとも2つの熱交換器が設けられたシステムでは、熱交換器4から熱交換器6に流れる作動流体が既に予熱されているため、排気に対する第2の熱交換器6の冷却効果は低下する。

次に、図3の実施形態例のさらなる展開を示す図8を参照する。排気システム100は、作動流体回路11に流体的に接続(fluidly connected)されると共に液体作動流体を貯留する作動流体貯留タンク30を備えている。作動流体は、作動流体放出手段24を通過して放出可能であるため、作動流体貯留タンク30、例えば、膨張タンクは、作動流体回路11内に放出された作動流体を補給するように構成されている。より具体的には、作動流体貯留タンク30は、作動流体回路11の低圧側(段階I及びIV参照)に流体的に接続されている。より具体的には、作動流体貯留タンク30は、凝縮装置10の下流側及び加熱装置4の上流側にて作動流体回路11に接続されている。

原理上、作動流体回路11の低圧側Iに作動流体貯留タンク30を配置することにより、作動流体を作動流体回路11内に強制的に送り込む必要がないため、エネルギーを節約して作動流体を供給することができる。図示の実施形態において、作動流体貯留タンク30は膨張タンクである。結果として、作動流体貯留タンク30は、接続34によってのみ作動流体回路11に流体的に接続されていてもよい。弁又はポンプは必要ない。作動流体回路11と作動流体貯留タンク30との間の開放接続(open connection)により、作動流体の変動のバランスを保つことができる。

次に、図8の実施形態例と関連する作動流体貯留タンク40の代替配置を示す図10を参照する。より具体的には、作動流体貯留タンク40は、作動流体回路11の高圧側(段階II及びIII参照)にて流体的に接続されている。より具体的には、作動流体貯留タンク40は、加熱装置4の下流側及びエキスパンダ装置8の上流側にて作動流体回路11に接続されている。排気システム100は、作動流体貯留タンク40と作動流体回路11との間の作動流体の流れを制御するように構成された作動流体貯留タンク弁42を備えている。排気システム100は、作動流体貯留タンク40を作動流体回路11に流体的に接続する作動流体貯留タンク導管44を更に備えている。作動流体貯留タンク弁42は、導管44内に配置されている。

アンモニア容器40は、高圧側IIIに存在する圧力よりも高い圧力まで加圧されてもよく、又は代替として、アンモニアは、ポンプ(図示省略)によって作動流体回路に搬送されてもよい。

上述したように、空気の漏出は、凍結と共に、公知の熱力学エンジンにおける主な不都合の1つである。特に、静置(standstill)中、高圧側IIIは、圧力が大気圧より下がる程度に冷却されることもある。これは、結果として、作動流体回路11内への空気の漏出を生じ、引いては熱力学エンジン1の効率が損なわれてしまう。さらに、特に気泡又はキャビティ(cavities)の形態である空気は熱力学エンジンの部品の構成材料に多少の悪影響を与え得る。

空気の漏出問題は、冷却中及び圧力が大気圧より低下した時にのみ生じるため、アンモニア容器40と作動流体回路11との間の接続ダクト44内に配置された弁42(図10参照)は、追加のアンモニアが作動流体回路11内に流入してもよいように、検出された圧力降下又はエンジン動作ステータスに応じて開放され得る。従って、作動流体回路11内の圧力を大気圧程度のレベルまで上昇させることができ、空気の漏出が抑制される。

熱力学エンジン1の始動時において、過剰な作動流体を、再度作動流体放出手段24を通過させて放出することができる。

冷却中に作動流体回路11を作動流体で満たすことにより、空気の漏出を抑制する上述の能力に加えて、アンモニア容器40を設けることにより、作動流体中のアンモニア濃度を現地の気候及び/又は感知した周辺温度に適合させることができる。好都合なことに、低温時には、低温である間、すなわち冬季にはアンモニアの量を増やすように高濃度のアンモニアを耐凍結保護として使用することができ、より高温では、凝縮器がより高温で動作できるように、アンモニア濃度をより低くする。

好ましくは、アンモニア濃度は、予測される温度変化に応じて、日毎、週毎、及び/又は月毎に適合可能である。勿論、より短い時間尺度、又はさらに長い時間尺度でアンモニアの濃度を適合させることもできる。

次に、図10の実施形態例と関連する作動流体貯留タンク40の代替配置を示す図11を参照する。より具体的には、作動流体貯留タンク40は、エキスパンダ装置8の下流側及び凝縮装置10の上流側にて作動流体回路11に接続されている。図10を参照して上述したのと同様に、排気システム100は、作動流体貯留タンク弁46と、作動流体貯留タンク導管48と、を備えている。

作動流体回路11の低圧側IVにアンモニア容器40を配置することにより、熱力学エンジン1の静置中又はシャットダウン中、作動流体回路の高圧側IIIが加圧されていないとき、アンモニアの供給が可能となる。このようにすることで、システムは、熱力学エンジン1の静置中、作動流体回路11内に空気が漏出するのを抑制することができる。

図11の実施形態に示すように、低圧側IVの高温側、すなわち作動流体回路11の凝縮装置10の上流側にアンモニア容器40を配置することもできる。これには、作動流体を冷却するエネルギーを節約できるように、アンモニアの供給により気相作動流体が予め冷却されるという利点がある。さらに、作動流体放出手段25は、凝縮装置10と排気ダクト18(図4を参照)との間に配置されていてもよい。

次に、図10及び図11の実施形態例と関連する作動流体貯留タンク40の代替配置を示す図12を参照する。より具体的には、作動流体貯留タンク40は、導管44を介して加熱装置4の下流側及びエキスパンダ装置8の上流側にて作動流体回路11に接続され、導管48を介してエキスパンダ装置8の下流側及び凝縮装置10の上流側にて作動流体回路1に接続されている。

従って、アンモニア容器40は、作動流体回路11の高圧側III及び作動流体回路11の低圧側IVの両方に接続されている。導管44及び48の両方は、作動流体回路11へのアンモニアの供給を制御する弁42及び46を備えていてもよい。作動流体回路11の低圧側IV及び高圧側IIIの両方に接続されることにより、作動流体回路11の静置中及び動作中にアンモニア又はアンモニア混合物の供給が可能となる。

次に、図4の凝縮装置10からの作動流体放出と、図8の作動流体貯留タンク30の配置との組み合わせを示す図9を参照する。上述したように、作動流体がアンモニアを含有している場合、凝縮装置10内の空気は、作動流体と混合するため、アンモニアと混合されてもよい。従って、作動流体−空気の混合物の排気ダクト18内への直接放出は、作動流体の廃棄とみなされてもよい。図9に示すように、凝縮装置10の作動流体−空気の混合物は、作動流体貯留タンク30を通って案内されることにより、作動流体−空気の混合物中の作動流体の少なくとも一部が、冷却されて作動流体貯留タンク30内に残留する液体作動流体に変換される。最も好ましいのは、空気のみが搬出されるように、すべての作動流体が作動流体−空気の混合物から除去されることである。

図示の実施形態において、第2の成分はアンモニアである。図面中に明示がなくても、排気後処理システム自体が、後に内燃機関の動作中、還元剤として使用されてもよい大量のアンモニアを、特に周辺温度で貯留することができるため、アンモニア貯留部として機能してもよい。

図10〜図12は、作動流体としてアンモニア又はアンモニア混合物を使用するのに特に好適な実施形態例を示している。しかしながら、以下において、容器をアンモニア容器と称したとしても、この容器は、例えば、作動流体の不凍成分(anti-freeze component)として機能してもよい他の任意の第2の成分等、その他の流体又は成分を収容してもよいことを明示的に言及しておかなければならない。さらに、容器は、通常は膨張タンクとして設計されないが、作動流体貯留タンクとしても機能してよい。

図13は、内燃機関12と共に使用されることが好ましい排気システム300の他の実施形態例を示している。排気システム300は、作動流体循環回路11を備えた熱力学エンジン1を含み、作動流体は、不凍成分を含む。排気システム300は、不凍成分のための少なくとも1つの容器50を備え、少なくとも1つの容器50は、作動流体回路11内の作動流体の不凍成分の濃度を調整するように作動流体回路11に流体的に接続されている。

図13の実施形態例の全ては、過剰なアンモニアを排気流に放出するように構成された図2〜図12の実施形態例の代替構成を構成している。その代わり、図13の実施形態例は、過剰なアンモニアをアンモニア収集器50に放出するように構成されている。収集器50は、また、上述の容器40と同様に接続ダクト58及び弁56によって作動流体回路11に接続されていてもよい(図16を参照)。

収集器50は、作動流体回路11から放出された作動流体であって、冷却されており、及び/又は、加熱されていない作動流体を収集するように構成されている。

アンモニアの供給及び収集は、以下のように実行されてもよい。アンモニア容器50は、容器50内のアンモニアが大気圧を超える圧力を有する温度まで加熱されてもよい。この温度は、使用されるアンモニア又はアンモニア化合物によって決まる。例えば、容器50がCaCl2、MgCl2及び/又はSrCl2等のアンモニア吸収材を含有する場合、容器50は、容器50内のアンモニアの圧力が約1バール(大気圧)を超えるように、約40℃の温度まで加熱される必要がある。

次に、図13の実施形態例のさらなる展開を示す図14を参照する。排気システム300は、上述したように、排気流80を搬送する装置17を備えている。熱力学エンジン1は、排気流80から熱を回収するように排気流搬送装置17に接続されている。

次に、図14の実施形態例のさらなる展開を示す図15を参照する。排気システム300は、図3を参照して上述したものと同様であるが、作動流体放出手段を備えていない点で相違する。

排気流搬送装置17は、上述のように、排気後処理ユニット20を備える。

次に、図15の実施形態例のさらなる展開を示す図16を参照する。排気システム300は、作動流体循環回路11に流体的に接続された2つの容器50、60を備えている。追加容器60は、収集器を構成している。作動流体回路11からアンモニア収集器60へのアンモニアの放出は、同じ手法で作動するが、加熱されたアンモニア容器50とは対照的に、アンモニア収集器60は、作動流体回路11とアンモニア収集器60との間の圧力差も提供するように、冷却されるか、又は冷却状態に維持される。

次に、図16の実施形態例のさらなる展開を示す図17を参照する。アンモニア容器50及び収集器50の両方を使用する代わりに、排気システムは、作動流体回路11の様々な部分に接続された単一の容器70を備えている。図17の実施形態例に示されるように、車両の排気後処理システムがNOxの選択的触媒還元のための還元剤としてアンモニアで作動する場合、このような配置が特に好適である。アンモニア容器70は、排気後処理システムに還元剤も提供してよい。この場合、尿素が取り扱いの容易な物質であり、排気後処理システムを備えた車両で既に頻繁に使用されているため、好ましくは、アンモニアを尿素の形態で提供する。

上述の実施形態例は単なる例示であり、図示の実施形態のその他任意の組み合わせも可能であることを明示的に示しておかなければならない。

作動流体貯留タンク30及び/又は少なくとも1つの容器40は、作動流体を加熱するヒータを更に備えていてもよい。

本発明は、以上で説明され且つ図面に示された実施形態に限定されるものでないことを理解しなければならない。むしろ、当業者は、添付の請求項の範囲内で多数の変更及び修正が加えられてもよいことを認識するであろう。

例えば、図示されていなくても、内燃機関12(図示の通り)の排気の廃熱を使用する代わりに、内燃機関12の冷却流体の熱も熱力学エンジン1のために使用することができる。

さらに、図示した上述の異なる実施形態例を異なる方法で組み合わせてもよい。例えば、図8に示す作動流体貯留タンク30の位置を、図4に示す実施形態例と組み合わせてもよく、この場合、作動流体貯留タンク30は作動流体回路11の低圧側Iのままであり、作動流体放出手段25は低圧側I、IVに接続される。

他の例によると、高圧側III(図3参照)における作動流体放出手段24の配置を、低圧側I、IV(図4を参照)に接続された作動流体放出手段25の配置と組み合わせてもよい。作動流体放出手段25が作動流体の安全放出能力として使用されてもよい場合であっても、動作中に安全に放出すること並びに高い圧力を迅速に低下させるために、高圧側IIIに作動流体放出手段24を設けること、及び、凝縮装置10から蓄積した空気を取り除くために、低圧側I、IVに作動流体放出手段25を設けることの両方が好都合となることもある。

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