酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置

申请号 JP2013192549 申请日 2013-09-18 公开(公告)号 JP2015059679A 公开(公告)日 2015-03-30
申请人 株式会社Ihi; Ihi Corp; 株式会社Ihi; 发明人 UCHIDA TERUTOSHI;
摘要 【課題】高温の排ガスとの熱交換によって引き起こされる排ガスクーラにおける蒸気発生を未然に防止し得る酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置を提供する。【解決手段】復 水 器12の給水出側と排ガスクーラ6の給水入側とをつなぐバイパスライン24を設け、バイパスライン24に蒸気発生防止用ポンプ25と入口遮断弁26とを設け、排ガスクーラ6の給水出側と復水器12の給水入側とをつなぐ蒸気発生防止用水循環ライン27を設け、蒸気発生防止用水循環ライン27に出口遮断弁28を設け、ボイラ 燃料 遮断時におけるボイラ給水ポンプ18停止時に、入口遮断弁26と出口遮断弁28を開き、蒸気発生防止用ポンプ25を起動することにより、水をバイパスライン24から排ガスクーラ6へ流通させ、蒸気発生防止用水循環ライン27を介し復水器12へ戻して循環させる。【選択図】図1
权利要求
  • 復水器と復水ポンプと低圧給水ヒータとボイラ給水ポンプとが順次設けられたボイラ低圧給水系統を備え、酸素燃焼時には、ボイラ低圧給水系統の復水ポンプで昇圧された低圧給水の一部をブースタポンプにて排ガスクーラへ圧送し、排ガスと熱交換させた前記低圧給水をボイラ低圧給水系統に再度導く酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置であって、
    前記復水器の給水出側と排ガスクーラの給水入側とを前記復水ポンプ及びブースタポンプを迂回するようにつなぐバイパスラインを設け、該バイパスラインに蒸気発生防止用ポンプと入口遮断弁とを設け、前記排ガスクーラの給水出側と復水器の給水入側とをつなぐ蒸気発生防止用水循環ラインを設け、該蒸気発生防止用水循環ラインに出口遮断弁を設け、ボイラ燃料遮断時におけるボイラ給水ポンプ停止時に、前記入口遮断弁と出口遮断弁を開き、前記蒸気発生防止用ポンプを起動することにより、水をバイパスラインから排ガスクーラへ流通させ、蒸気発生防止用水循環ラインを介し復水器へ戻して循環させるよう構成したことを特徴とする酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置。
  • 前記排ガスクーラの入口ガス温度を計測するガス温度計と、
    前記排ガスクーラの出口給水圧力を計測する給水圧力計と、
    前記ガス温度計で計測された入口ガス温度が、前記給水圧力計で計測された出口給水圧力に基づく出口給水飽和温度を超え且つボイラ燃料遮断信号が入力されたときに、前記入口遮断弁と出口遮断弁へ開信号を出力し、前記蒸気発生防止用ポンプへ起動信号を出力する制御器と を備えた請求項1記載の酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置。
  • 前記排ガスクーラの出口給水温度を計測する給水温度計を備え、
    前記給水温度計で計測された出口給水温度が、前記給水圧力計で計測された出口給水圧力に基づく出口給水飽和温度を超えたときに、前記入口遮断弁と出口遮断弁へ開信号を出力し、前記蒸気発生防止用ポンプへ起動信号を出力するよう前記制御器を構成した請求項2記載の酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置。
  • 说明书全文

    本発明は、酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置に関するものである。

    近年の石油及び天然ガスの需要の増大に伴う価格高騰等の情勢から、微粉炭焚ボイラを用いた石炭火発電設備が重要な役割を占めるようになってきている。 従来の微粉炭焚ボイラには、空気を支燃ガスとした空気燃焼ボイラが一般に使用されてきた。

    石炭燃焼それ自体には、石油・天然ガス燃焼と比較してCO 2排出量が多いという問題点があるため、石炭火力への依存比率の上昇に伴うCO 2排出量増大は、地球温暖化防止の観点から、回避しなければならない重要な課題である。

    又、空気燃焼ボイラでは、排ガス中に多量の窒素が含まれることになるため、排ガスから窒素及びCO 2を分離回収する作業が面倒になるという問題がある。

    そこで、大気中へのCO 2排出量を大幅に削減できる手法として、酸素燃焼ボイラが注目され、その開発が進められている。

    前記酸素燃焼ボイラでは、微粉炭を燃やす酸素燃焼ボイラから排出される燃焼排ガスの大半を煙道の中途から抜き出し、この抜き出した排ガスと酸素製造装置で製造した酸素とを混合して酸素濃度を調整した支燃ガスを前記酸素燃焼ボイラに供給するようにした排ガス再循環方式が採用されている。 この排ガス再循環方式の酸素燃焼ボイラによれば、排ガス中に窒素が含まれず、排出される最終的な排ガスのCO 2濃度が飛躍的に高まり、よって、排ガスからのCO 2の分離回収作業が容易になる。

    尚、前述の如き酸素燃焼ボイラと関連する一般的技術準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。

    特開2012−67927号公報

    ところで、前記酸素燃焼ボイラの場合、排ガスと微粉炭搬送用の一次空気(酸素燃焼時は再循環ガス)及び燃焼用の二次空気(酸素燃焼時は再循環ガスと酸素を混合したもの)とを熱交換させる空気予熱器のガス出口温度は、約260℃程度となり、通常の空気燃焼ボイラより高温となる。 一方、前記空気予熱器の排ガス流通方向下流側に設置される脱塵装置(バグフィルタや電気集塵機等)の入口温度は、260℃以下の温度(例えば、バグフィルタの場合で約135℃、電気集塵機の場合で約85℃)に調整する必要がある。

    このため、前記空気予熱器と脱塵装置との間には、約260℃程度のガス出口温度を前記脱塵装置で要求される温度まで冷却する排ガスクーラを設置している。 又、前記排ガスクーラの冷媒には、温度条件及び熱回収による効率向上の観点から、約70℃〜約100℃程度の低圧給水を使用することが有効である。

    しかしながら、何らかの原因でボイラ燃料遮断(MFT:Master Fuel Trip)が起こった場合、該ボイラ燃料遮断からしばらくしてボイラ給水ポンプが停止するため、前記排ガスクーラ内部への低圧給水の流れもなくなる。 このとき、前記ボイラ燃料遮断後もすぐには停止されない高温の排ガスとの熱交換により、前記排ガスクーラ内部に滞留する低圧給水が加熱され、蒸気が発生する。 発生した蒸気が再度急凝縮した際に、ドレン同士が衝突することにより、ウォーターハンマー(水撃作用)が発生し、配管や弁等に悪影響を及ぼすという問題があった。

    本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、高温の排ガスとの熱交換によって引き起こされる排ガスクーラにおける蒸気発生を未然に防止し得る酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置を提供しようとするものである。

    本発明は、復水器と復水ポンプと低圧給水ヒータとボイラ給水ポンプとが順次設けられたボイラ低圧給水系統を備え、酸素燃焼時には、ボイラ低圧給水系統の復水ポンプで昇圧された低圧給水の一部をブースタポンプにて排ガスクーラへ圧送し、排ガスと熱交換させた前記低圧給水をボイラ低圧給水系統に再度導く酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置であって、
    前記復水器の給水出側と排ガスクーラの給水入側とを前記復水ポンプ及びブースタポンプを迂回するようにつなぐバイパスラインを設け、該バイパスラインに蒸気発生防止用ポンプと入口遮断弁とを設け、前記排ガスクーラの給水出側と復水器の給水入側とをつなぐ蒸気発生防止用水循環ラインを設け、該蒸気発生防止用水循環ラインに出口遮断弁を設け、ボイラ燃料遮断時におけるボイラ給水ポンプ停止時に、前記入口遮断弁と出口遮断弁を開き、前記蒸気発生防止用ポンプを起動することにより、水をバイパスラインから排ガスクーラへ流通させ、蒸気発生防止用水循環ラインを介し復水器へ戻して循環させるよう構成したことを特徴とする酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置にかかるものである。

    前記酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置においては、前記排ガスクーラの入口ガス温度を計測するガス温度計と、
    前記排ガスクーラの出口給水圧力を計測する給水圧力計と、
    前記ガス温度計で計測された入口ガス温度が、前記給水圧力計で計測された出口給水圧力に基づく出口給水飽和温度を超え且つボイラ燃料遮断信号が入力されたときに、前記入口遮断弁と出口遮断弁へ開信号を出力し、前記蒸気発生防止用ポンプへ起動信号を出力する制御器と を備えることが好ましい。

    更に、前記排ガスクーラの出口給水温度を計測する給水温度計を備え、
    前記給水温度計で計測された出口給水温度が、前記給水圧力計で計測された出口給水圧力に基づく出口給水飽和温度を超えたときに、前記入口遮断弁と出口遮断弁へ開信号を出力し、前記蒸気発生防止用ポンプへ起動信号を出力するよう前記制御器を構成することが好ましい。

    本発明の酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置によれば、高温の排ガスとの熱交換によって引き起こされる排ガスクーラにおける蒸気発生を未然に防止し得るという優れた効果を奏し得る。

    本発明の酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置の実施例を示す全体概要構成図である。

    本発明の酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置の実施例を示す制御ブロック図である。

    本発明の酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置の実施例における関数発生器に設定された関数を示す線図である。

    以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。

    図1〜図3は本発明の酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置の実施例であって、1はボイラ本体、2は石炭を粉砕した微粉炭をボイラ本体1へ供給するミル、3はボイラ本体1から排出される燃焼排ガスを微粉炭搬送用の一次空気並びに燃焼用の二次空気と熱交換させる空気予熱器である。

    前記ミル2で粉砕された微粉炭は、ボイラ本体1で燃焼させ、該ボイラ本体1から排出される燃焼排ガスは、空気予熱器3において、一次通風機4で圧送される一次空気(酸素燃焼時は再循環ガス)、並びに押込通風機5で圧送される燃焼用の二次空気(酸素燃焼時は再循環ガスと酸素を混合したもの)と熱交換させるようになっている。

    前記空気予熱器3で熱交換した燃焼排ガスは、排ガスクーラ6で低圧給水と熱交換した後、バグフィルタ7で塵が除去され、誘引通風機8を経て脱硫脱水装置9へ導かれるが、そのうちの一部が再循環ガスとして前記押込通風機5の入側へ送られ、酸素と混合されるようになっている。

    前記脱硫脱水装置9へ導かれた燃焼排ガスは、該脱硫脱水装置9において脱硫と脱水が行われ、脱硫通風機10を経て、煙突11から大気へ放出されるが、そのうちの一部が再循環ガスとして前記一次通風機4の入側へ送られるようになっている。

    一方、前記ボイラ本体1で発生した蒸気は、図示していないタービンへ導かれ、該タービンが駆動されて発電が行われ、前記タービンを駆動した後の蒸気は、復水器12へ導かれてボイラ給水に戻されるようになっている。 該ボイラ給水は、復水ポンプ13で圧送され、ボイラ低圧給水系統14における複数段(図1の例では二段)の低圧給水ヒータ15,16で加熱され、脱気器17で脱気が行われるようになっている。 該脱気器17で脱気が行われた低圧給水は、ボイラ給水ポンプ18で圧送され、ボイラ高圧給水系統19における複数段(図1の例では二段)の高圧給水ヒータ20,21で加熱されて高圧給水となり、ボイラ本体1へ戻され、循環されるようになっている。

    又、前記排ガスクーラ6には、第一段目の前記低圧給水ヒータ15の出側から分岐させた低圧給水分岐ライン22により低圧給水をブースタポンプ23で昇圧する形で導き、前記排ガスクーラ6で排ガスと熱交換させた前記低圧給水を第二段目の前記低圧給水ヒータ16の出側に合流させるようになっている。

    そして、本実施例の場合、前記復水器12の給水出側と排ガスクーラ6の給水入側とを前記復水ポンプ13及びブースタポンプ23を迂回するようにつなぐバイパスライン24を設け、該バイパスライン24に蒸気発生防止用ポンプ25と入口遮断弁26とを設け、前記排ガスクーラ6の給水出側と復水器12の給水入側とをつなぐ蒸気発生防止用水循環ライン27を設け、該蒸気発生防止用水循環ライン27に出口遮断弁28を設けてある。

    前記排ガスクーラ6の排ガス入側には、該排ガスクーラ6の入口ガス温度29aを計測するガス温度計29を設け、前記排ガスクーラ6の給水出側には、該排ガスクーラ6の出口給水圧力30aを計測する給水圧力計30と、前記排ガスクーラ6の出口給水温度31aを計測する給水温度計31とを設けてある。

    図1において32は制御器であり、該制御器32は、前記ガス温度計29で計測された入口ガス温度29aが、前記給水圧力計30で計測された出口給水圧力30aに基づく出口給水飽和温度33a(図2参照)を超え且つボイラ燃料遮断信号34(MFT:Master Fuel Trip)が入力されたときに、前記入口遮断弁26と出口遮断弁28へ開信号26a,28aを出力し、前記蒸気発生防止用ポンプ25へ起動信号25aを出力するようになっている。 より詳しくは、図2に示す如く、前記出口給水圧力30aに基づく出口給水飽和温度33aは、関数発生器33によって求められるようになっている。 該関数発生器33には、図3に示す如く、横軸に前記出口給水圧力30aを取り、縦軸に前記出口給水飽和温度33aを取り、両者の対応関係を示す関数が設定されている。 前記入口ガス温度29aと出口給水飽和温度33aとの偏差ΔT1を減算器35で求め、該減算器35で求められた偏差ΔT1をハイローモニタスイッチ36へ入力するようになっている。 該ハイローモニタスイッチ36は、ΔT1>0であるときにオンディレイタイマ37へ「1」の信号36aを出力し、ΔT1≦0であるときにオンディレイタイマ37へ「0」の信号36aを出力し、該オンディレイタイマ37に予め設定した時間以上継続して前記ハイローモニタスイッチ36から「1」の信号36aが出力された場合に、設定時間経過時点を境に該オンディレイタイマ37からAND回路38へ「1」の信号37aが出力されるようになっている。 前記AND回路38には、ボイラ本体1の運転を緊急停止すべき状況となった場合に、ボイラ燃料遮断信号34が入力され、これと同時に前記オンディレイタイマ37から「1」の信号37aが出力されているときに、該AND回路38からOR回路39を介して前記入口遮断弁26と出口遮断弁28に対する開信号26a,28aと、前記蒸気発生防止用ポンプ25に対する起動信号25aとが出力されるようになっている。

    又、前記制御器32は、前記給水温度計31で計測された出口給水温度31aが、前記給水圧力計30で計測された出口給水圧力30aに基づく出口給水飽和温度33aを超えたときに、前記入口遮断弁26と出口遮断弁28へ開信号26a,28aを出力し、前記蒸気発生防止用ポンプ25へ起動信号25aを出力するようにもなっている。 より詳しくは、図2に示す如く、前記出口給水温度31aと出口給水飽和温度33aとの偏差ΔT2を減算器40で求め、該減算器40で求められた偏差ΔT2をハイローモニタスイッチ41へ入力するようになっている。 該ハイローモニタスイッチ41は、ΔT2>0であるときにオンディレイタイマ42へ「1」の信号41aを出力し、ΔT2≦0であるときにオンディレイタイマ42へ「0」の信号41aを出力し、該オンディレイタイマ42に予め設定した時間以上継続して前記ハイローモニタスイッチ41から「1」の信号41aが出力された場合に、設定時間経過時点を境に該オンディレイタイマ42からAND回路43へ「1」の信号42aが出力されるようになっている。 前記AND回路43には、前記ボイラ燃料遮断信号34がNOT回路44を介して入力され、即ち、ボイラ本体1の運転を緊急停止すべき状況となっていない場合(ボイラ燃料遮断信号34が「0」でNOT回路44から出力される信号が「1」である場合)であっても、前記オンディレイタイマ42から「1」の信号42aが出力されているときには、該AND回路43からOR回路39を介して前記入口遮断弁26と出口遮断弁28に対する開信号26a,28aと、前記蒸気発生防止用ポンプ25に対する起動信号25aとが出力されるようになっている。

    尚、前記OR回路39から出力される信号が「0」、即ち前記AND回路38,43から出力される信号がいずれも「0」となったときに、NOT回路45を介して前記入口遮断弁26と出口遮断弁28に対する閉信号26b,28bと、前記蒸気発生防止用ポンプ25に対する停止信号25bとが出力されるようになっている。

    次に、上記実施例の作用を説明する。

    ボイラ本体1における酸素燃焼時、排ガスクーラ6には、低圧給水がブースタポンプ23の作動により低圧給水分岐ライン22を介し、第一段目の低圧給水ヒータ15の出側から分岐する形で導かれ、前記排ガスクーラ6で排ガスと熱交換した低圧給水が第二段目の低圧給水ヒータ16の出側に合流している。 このとき、ガス温度計29で入口ガス温度29aが計測され、給水圧力計30で出口給水圧力30aが計測され、給水温度計31で出口給水温度31aが計測され、制御器32へ入力される。

    前記制御器32においては、図2に示す如く、関数発生器33によって前記出口給水圧力30aに基づく出口給水飽和温度33aが求められる。 前記入口ガス温度29aと出口給水飽和温度33aとの偏差ΔT1が減算器35で求められ、該減算器35で求められた偏差ΔT1がハイローモニタスイッチ36へ入力され、該ハイローモニタスイッチ36からは、ΔT1>0であるときにオンディレイタイマ37へ「1」の信号36aが出力される。 オンディレイタイマ37に予め設定した時間以上継続して前記ハイローモニタスイッチ36から「1」の信号36aが出力された場合に、設定時間経過時点を境に該オンディレイタイマ37からAND回路38へ「1」の信号37aが出力される。 前記AND回路38には、ボイラ本体1の運転を緊急停止すべき状況となった場合に、ボイラ燃料遮断信号34が入力される。 これと同時に前記オンディレイタイマ37から「1」の信号37aが出力されていると、該AND回路38からOR回路39を介して前記入口遮断弁26と出口遮断弁28に対する開信号26a,28aと、前記蒸気発生防止用ポンプ25に対する起動信号25aとが出力される。

    ここで、ボイラ燃料遮断からしばらくしてボイラ給水ポンプ18が停止したとしても、前記入口遮断弁26と出口遮断弁28は開かれ、前記蒸気発生防止用ポンプ25は起動されている。 このため、バイパスライン24から低圧給水分岐ライン22を経て前記排ガスクーラ6内部へ低圧給水が供給され、該低圧給水は蒸気発生防止用水循環ライン27から復水器12の給水入側へ戻されて循環され、前記排ガスクーラ6内部に滞留することが防止される。 この結果、ボイラ燃料遮断後もすぐには停止されない高温の排ガスとの熱交換により、前記排ガスクーラ6内部で低圧給水が加熱され蒸気発生を起こしてしまうことが避けられ、ウォーターハンマー(水撃作用)が発生せず、配管や弁等に悪影響を及ぼす心配がなくなる。

    前記ガス温度計29で計測された入口ガス温度29aが、前記給水圧力計30で計測された出口給水圧力30aに基づく出口給水飽和温度33aを超え且つボイラ燃料遮断信号34が入力されたときに、前記入口遮断弁26と出口遮断弁28へ開信号26a,28aを出力し、前記蒸気発生防止用ポンプ25へ起動信号25aを出力する制御器32を備えることは、単にボイラ燃料遮断信号34の有無のみに基づいて低圧給水の蒸気発生を検知するのに比べ、該蒸気発生を確実に防ぐ上で有効となる。

    又、前記制御器32においては、図2に示す如く、前記出口給水温度31aと出口給水飽和温度33aとの偏差ΔT2が減算器40で求められ、該減算器40で求められた偏差ΔT2がハイローモニタスイッチ41へ入力され、該ハイローモニタスイッチ41からは、ΔT2>0であるときにオンディレイタイマ42へ「1」の信号41aが出力される。 オンディレイタイマ42に予め設定した時間以上継続して前記ハイローモニタスイッチ41から「1」の信号41aが出力された場合に、設定時間経過時点を境に該オンディレイタイマ42からAND回路43へ「1」の信号42aが出力される。 前記AND回路43には、前記ボイラ燃料遮断信号34がNOT回路44を介して入力され、即ち、ボイラ本体1の運転を緊急停止すべき状況となっていない場合(ボイラ燃料遮断信号34が「0」でNOT回路44から出力される信号が「1」である場合)であっても、前記オンディレイタイマ42から「1」の信号42aが出力されているときには、該AND回路43からOR回路39を介して前記入口遮断弁26と出口遮断弁28に対する開信号26a,28aと、前記蒸気発生防止用ポンプ25に対する起動信号25aとが出力される。

    つまり、ボイラ本体1の運転を緊急停止すべき状況となっていなくても、前記出口給水温度31aが出口給水飽和温度33aを超えている場合には、前記入口遮断弁26と出口遮断弁28は開かれ、前記蒸気発生防止用ポンプ25は起動される。 ここで、前記排ガスクーラ6には、低圧給水がブースタポンプ23の作動により、第一段目の前記低圧給水ヒータ15の出側から分岐する形で導かれ、前記排ガスクーラ6で排ガスと熱交換した低圧給水が第二段目の前記低圧給水ヒータ16の出側に合流している。 これに加え、バイパスライン24から低圧給水分岐ライン22を経て前記排ガスクーラ6内部へ低圧給水が供給され、該低圧給水は蒸気発生防止用水循環ライン27から復水器12の給水入側へ戻されて循環されるため、前記排ガスクーラ6内部への低圧給水量が増加される。 この結果、前記ボイラ本体1の通常運転時においても、前記排ガスクーラ6内部で低圧給水が出口給水飽和温度33aを超えて加熱されて蒸気が発生することが避けられ、ウォーターハンマー(水撃作用)が発生せず、配管や弁等に悪影響を及ぼす心配がなくなる。

    前記制御器32において、前記給水温度計31で計測された出口給水温度31aが、前記給水圧力計30で計測された出口給水圧力30aに基づく出口給水飽和温度33aを超えたときに、前記入口遮断弁26と出口遮断弁28へ開信号26a,28aを出力し、前記蒸気発生防止用ポンプ25へ起動信号25aを出力することは、ボイラ本体1の運転を緊急停止すべき状況となっていなくても、低圧給水の蒸気発生を確実に防ぐ上で有効となる。

    尚、前記入口ガス温度29aと出口給水温度31aとがいずれも出口給水飽和温度33a以下となって、前記AND回路38,43から出力される信号がいずれも「0」となったときには、前記OR回路39から出力される信号が「0」となる。 この場合、NOT回路45を介して出力される信号は「1」となるため、前記入口遮断弁26と出口遮断弁28に対して閉信号26b,28bが出力されると共に、前記蒸気発生防止用ポンプ25に対して停止信号25bが出力される。

    こうして、高温の排ガスとの熱交換によって引き起こされる排ガスクーラ6における蒸気発生を未然に防止し得る。

    尚、本発明の酸素燃焼ボイラの排ガスクーラ蒸気発生防止装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。

    1 ボイラ本体 6 排ガスクーラ 12 復水器 13 復水ポンプ 14 ボイラ低圧給水系統 15 低圧給水ヒータ 16 低圧給水ヒータ 18 ボイラ給水ポンプ 22 低圧給水分岐ライン 23 ブースタポンプ 24 バイパスライン 25 蒸気発生防止用ポンプ 25a 起動信号 25b 停止信号 26 入口遮断弁 26a 開信号 26b 閉信号 27 蒸気発生防止用水循環ライン 28 出口遮断弁 28a 開信号 28b 閉信号 29 ガス温度計 29a 入口ガス温度 30 給水圧力計 30a 出口給水圧力 31 給水温度計 31a 出口給水温度 32 制御器 33a 出口給水飽和温度 34 ボイラ燃料遮断信号 35 減算器 36 ハイローモニタスイッチ 36a 信号 37 オンディレイタイマ 37a 信号 38 AND回路 39 OR回路

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